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特開2023-2210釣用リールのワンウェイクラッチユニット、及び釣用リール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002210
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】釣用リールのワンウェイクラッチユニット、及び釣用リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/015 20060101AFI20221227BHJP
   A01K 89/01 20060101ALI20221227BHJP
   A01K 89/0155 20060101ALI20221227BHJP
【FI】
A01K89/015 E
A01K89/01 101E
A01K89/01 E
A01K89/0155
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103296
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 幸平
(72)【発明者】
【氏名】武智 邦生
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108BE04
2B108CC01
2B108EC01
2B108EC03
2B108HE08
2B108HE11
(57)【要約】
【課題】アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる釣用リールのワンウェイクラッチユニットを、提供する。
【解決手段】釣用リールのワンウェイクラッチユニット14は、両軸受リール1のスプール軸11の回転例えば連結軸13の回転を、制動する。ワンウェイクラッチユニット14は、転動体15と、アウター部材17と、を備える。転動体15は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、連結軸13に接触する。アウター部材17は、上記の径方向において転動体15の外側に配置される。アウター部材17は、連結軸13の第2軸心X2まわりの周方向において一方向にのみ回転する。アウター部材17には、第2軸心X2が延びる軸方向において第1外力を受ける第1凸部41が、設けられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用リールの軸部材の回転を制動するワンウェイクラッチユニットあって、
前記軸部材の軸心から離れる径方向において前記軸部材に接触する転動体と、
前記径方向において前記転動体の外側に配置され、前記軸心まわりの周方向において一方向にのみ回転するアウター部材と、
を備え、
前記アウター部材には、前記軸心が延びる軸方向において第1外力を受ける第1外力受部が、設けられる、
釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項2】
前記第1外力受部は、前記軸方向に突出する第1凸部、を有する、
請求項1に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項3】
前記アウター部材は、前記径方向において前記転動体の外側に配置され前記転動体を保持する保持部と、前記保持部に設けられ前記保持部と一体的に回転するホルダと、
をさらに備え、
前記第1凸部は、前記ホルダに設けられる、
請求項2に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項4】
前記ホルダは、前記軸部材の端部を覆うように前記保持部に設けられる第1ホルダと、前記軸方向において前記第1ホルダとは反対側において前記保持部に設けられる第2ホルダと、を有する、
請求項3に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項5】
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、前記保持部に対して接着又は圧入される、
請求項4に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項6】
前記第1ホルダ及び前記第2ホルダは、互いに螺合されることによって前記保持部を挟持する、
請求項4に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項7】
前記第1外力受部は、前記軸方向に突出する環状の第2凸部、を有する、
請求項1に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項8】
前記アウター部材には、前記第1外力とは反対の方向に作用する第2外力を受ける第2外力受部が、さらに設けられる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の釣用リールのワンウェイクラッチユニット。
【請求項9】
リール本体と、
前記リール本体に対して回転可能に構成される軸部材と、
前記リール本体に設けられ前記軸部材の回転を制動する、請求項1から8のいずれか1項に記載のワンウェイクラッチユニットと、
を備える釣用リール。
【請求項10】
前記軸部材は、突起を有し、
前記アウター部材は、前記軸部材の軸心から離れる径方向において前記転動体の外側に配置され前記転動体を保持する保持部と、前記保持部に設けられ前記保持部と一体的に回転するホルダと、を有し、
前記ホルダは、前記軸部材の端部を覆うように前記保持部に設けられる第1ホルダと、前記軸心が延びる軸方向において前記第1ホルダとは反対側で前記保持部に設けられる第2ホルダと、を有し、
前記第2ホルダは、前記突起に係合する凹部、を有する、
請求項9に記載の釣用リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣用リールのワンウェイクラッチユニット、及び釣用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
釣用リール、例えば、特許文献1に開示された両軸受リールは、リール本体と、スプール軸と、ワンウェイクラッチユニットと、を備える。スプール軸は、リール本体に回転自在に支持される。
【0003】
ワンウェイクラッチユニットは、転動体と、アウター部材と、を有する。転動体は、径方向においてスプール軸に接触する。アウター部材は、転動体の外輪として機能する。アウター部材は、径方向において転動体の外側に配置される。アウター部材は、周方向において一方向にのみ回転する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6560903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の構成では、ワンウェイクラッチユニットに摩擦プレートが接触する。詳細には、ワンウェイクラッチユニットのアウター部材の端面に摩擦プレートが接触する。この場合、特に摩擦を想定していないアウター部材の端面にプレートを接触させるので、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることが難しい。
【0006】
本発明の目的は、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる釣用リールのワンウェイクラッチユニットを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットは、釣り用リールの軸部材の回転を制動する。釣用リールのワンウェイクラッチユニットは、転動体と、アウター部材と、を備える。転動体は、軸部材の軸心から離れる径方向において軸部材に接触する。アウター部材は、径方向において転動体の外側に配置される。アウター部材は、軸部材の軸心まわりの周方向において一方向にのみ回転する。アウター部材には、軸心が延びる軸方向において第1外力を受ける第1外力受部が、設けられる。
【0008】
本発明の釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、アウター部材は、第1外力受部において第1外力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0009】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、第1外力受部は、軸方向に突出する第1凸部を有することが好ましい。この構成では、アウター部材は、第1凸部において第1外力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0010】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、アウター部材は、保持部と、ホルダと、を有することが好ましい。保持部は、径方向において転動体の外側に配置され、転動体を保持する。ホルダは、保持部に設けられ、保持部と一体的に回転する。第1凸部は、ホルダに設けられる。
【0011】
この構成では、アウター部材は、ホルダの第1凸部において第1外力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0012】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、ホルダは、第1ホルダと、第2ホルダと、を有することが好ましい。第1ホルダは、軸部材の端部を覆うように保持部に設けられる。第2ホルダは、軸方向において第1ホルダとは反対側において保持部に設けられる。
【0013】
この構成では、第1ホルダ及び第2ホルダが保持部に設けられる。アウター部材は、第1ホルダにおいて第1外力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0014】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、第1ホルダ及び第2ホルダが、保持部に対して接着又は圧入されることが好ましい。この構成では、第1ホルダ及び第2ホルダを保持部に好適に装着することができる。
【0015】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、第1ホルダ及び第2ホルダが、互いに螺合されることによって保持部を挟持することが好ましい。この構成では、第1ホルダ及び第2ホルダを保持部に好適に装着することができる。
【0016】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、第1外力受部が、軸方向に突出する環状の第2凸部を有することが好ましい。この構成では、アウター部材は、環状の第2凸部において第1外力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0017】
本発明の他の側面に係る釣用リールのワンウェイクラッチユニットでは、アウター部材には、第1外力とは反対の方向に作用する第2外力を受ける第2外力受部が、さらに設けられることが好ましい。
【0018】
この構成では、第1外力受部に作用する第1外力、及び第2外力受部に作用する第2外力によって、アウター部材を制動することができる。これにより、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0019】
本発明の一側面に係る釣用リールは、リール本体と、リール本体に対して回転可能に構成される軸部材と、上述したワンウェイクラッチユニットと、を備える。この場合、ワンウェイクラッチユニットは、リール本体に設けられ、軸部材の回転を制動する。このように構成することによって、釣用リールにおいて上述した効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の他の側面に係る釣用リールでは、軸部材は突起を有することが好ましい。アウター部材は、保持部と、ホルダと、を有する。保持部は、軸部材の軸心から離れる径方向において、転動体の外側に配置され、転動体を保持する。ホルダは、保持部に設けられ、保持部と一体的に回転する。
ホルダは、第1ホルダと、第2ホルダと、を有する。第1ホルダは、軸部材の端部を覆うように保持部に設けられる。第2ホルダは、軸心が延びる軸方向において、第1ホルダとは反対側で保持部に設けられる。第2ホルダは、突起に係合する凹部、を有する。この構成では、軸部の突起を凹部に係合することによって、軸部を第2ホルダに好適に位置決めすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、釣用リールのワンウェイクラッチユニットにおいて、アウター部材に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】両軸受リールの斜視図。
図2】両軸受リールの断面図。
図3】スプール軸及び連結軸と、スプール軸及び連結軸に関する周辺部材とを、説明するための分解斜視図。
図4】両軸受リールの部分拡大断面図。
図5】ワンウェイクラッチユニット近傍の部分拡大断面図。
図6A】変形例1のワンウェイクラッチユニットの部分拡大断面図。
図6B】変形例2のワンウェイクラッチユニットの部分拡大断面図。
図7】他の実施形態(A)のワンウェイクラッチユニットの部分拡大断面図。
図8A】他の実施形態(B)のワンウェイクラッチユニット近傍の部分拡大断面図。
図8B】他の実施形態(C)のワンウェイクラッチユニット近傍の部分拡大断面図。
図9A】他の実施形態(D)のワンウェイクラッチユニット近傍の部分拡大断面図。
図9B】他の実施形態(E)のワンウェイクラッチユニット近傍の部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る両軸受リール1(釣用リールの一例)の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、両軸受リール1は、リール本体3と、スプール5と、ハンドル7と、操作レバー9と、を備える。図2に示すように、両軸受リール1は、スプール軸11(軸部材の一例)と、連結軸13(軸部材の一例)と、ワンウェイクラッチユニット14と、をさらに備える。両軸受リール1は、第1シール部材19と、第2シール部材20と、をさらに備える。
【0023】
なお、軸方向とは、スプール軸11の第1軸心X1が延びる方向である。径方向とは、スプール軸11の第1軸心X1から垂直に離れる方向である。周方向とは、スプール軸11の第1軸心X1まわりの方向である。
【0024】
図2に示すように、リール本体3は、フレーム31と、第1側カバー33と、第2側カバー35と、を有する。フレーム31は、第1側板31aと、第2側板31bと、複数の連結部31cと、を有する。第1側板31a及び第2側板31bは、軸方向に互いに間隔をあけて配置される。第1側板31a及び第2側板31bは、複数の連結部31cを介して互いに連結される。第1側板31a、第2側板31b、及び複数の連結部31cは、一体的に形成される。
【0025】
第1側カバー33は、第1側板31aを覆う。例えば、第1側カバー33は、カバー本体33aと、突出部33bと、を有する。カバー本体33aは、ハンドル7及び第1側板31aの間において、第1側板31aを覆う。突出部33bは、カバー本体33aから軸方向外側に突出する。突出部33bは筒状に形成される。突出部33bは、第1側カバー33及び第1側板31aの内部空間から外部空間に連通する。第2側カバー35は、第2側板31bを覆う。詳細には、第2側カバー35は、ハンドル7とは反対側で第2側カバー35を覆う。
【0026】
図2に示すように、スプール5は、リール本体3に回転可能に支持される。例えば、スプール5は、スプール軸11と一体的に回転するようにスプール軸11に装着される。すなわち、スプール5は、スプール軸11を介してリール本体3に回転可能に支持される。
【0027】
図1に示すハンドル7は、スプール軸11を回転させるための部材である。ハンドル7は、リール本体3に装着される。例えば、ハンドル7は、図2に示す駆動軸10aを介して、リール本体3に回転可能に支持される。例えば、ハンドル7及び駆動軸10aが回転すると、スプール軸11及びスプール5が回転伝達機構10を介して回転する。
【0028】
図2に示すように、回転伝達機構10は、第1側カバー33及び第1側板31aの内部空間に配置される。回転伝達機構10は、ハンドル7の回転をスプール軸11に伝達する機構である。回転伝達機構10は、駆動軸10aと、駆動ギア10bと、ピニオンギア10cと、を有する。
【0029】
駆動軸10aは、第1側板31a及び第1側カバー33に回転可能に支持される。駆動軸10aは、ハンドル7と一体的に回転する。駆動ギア10bは、駆動軸10aと一体的に回転する。
【0030】
ピニオンギア10cは、複数の軸受61a,61bを介して、第1側板31a及び第1側カバー33に回転可能に支持される。ピニオンギア10cは、駆動ギア10bと噛み合う。ピニオンギア10cは筒状に形成される。ピニオンギア10cの内周部には、スプール軸11が挿通される。
【0031】
ピニオンギア10cは、クラッチヨーク12によって、スプール軸11に沿って軸方向に案内される。ピニオンギア10cからスプール軸11への回転は、スプール軸11の係合ピン10d1及びピニオンギア10cの係合凹部10d2の係合によって、伝達される。係合ピン10d1及び係合凹部10d2の係合が解除された場合、ピニオンギア10cの回転がスプール軸11に伝達されない。
【0032】
図1及び図2に示すように、操作レバー9は、リール本体3に装着される。例えば、図2に示すように、操作レバー9は、第1側カバー33の突出部33bに装着される。詳細には、操作レバー9は、突出部33bに対して揺動可能に装着される。
【0033】
操作レバー9の揺動によって、ワンウェイクラッチユニット14が軸方向に押圧される。例えば、操作レバー9の揺動によって、ワンウェイクラッチユニット14は、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bの間において、軸方向に押圧される。
【0034】
スプール軸11は、スプール5と一体的に回転する。スプール軸11は、リール本体3に対して回転可能に構成される。図2に示すように、スプール軸11は、リール本体3に回転可能に支持される。例えば、スプール軸11は、複数の軸受71a,71bを介して、リール本体3に回転可能に支持される。
【0035】
図2図3、及び図4に示すように、スプール軸11は、第1軸本体11aと、凹部11bと、を有する。第1軸本体11aは、第1軸心X1を有する。
【0036】
図2に示すように、第1軸本体11aには、スプール5が一体的に回転するように装着される。第1軸本体11aの中央部は、軸受71aを介して、第1側板31aに回転可能に支持される。第1軸本体11aにおいてハンドル7とは反対側に設けられる端部が、軸受71bを介して、軸受部材31dに回転可能に支持される。軸受部材31dは、第2側板31bに装着される。
【0037】
図2及び図4に示すように、第1軸本体11aは、ピニオンギア10cの内周部に挿入される。例えば、第1軸本体11aのハンドル7側の部分が、ピニオンギア10cに挿入される。
【0038】
図4に示すように、第1軸本体11aのハンドル7側の端部には、環状の段差部11cが設けられる。段差部11cは、第1軸本体11aの端部の外周面に形成される。段差部11cは、径方向において、ピニオンギア10cの内周面と間隔を隔てて配置される。段差部11cには、筒状部材21が配置される。
【0039】
筒状部材21は、後述する連結軸13の係合部13bがスプール軸11の凹部11b内において径方向に移動することを、規制する。図4に示すように、筒状部材21は、径方向において、スプール軸11のハンドル7側の端部とピニオンギア10cとの間に、配置される。
【0040】
例えば、筒状部材21は、径方向において、第1軸本体11aの段差部11cとピニオンギア10cの内周面との間に配置される。スプール軸11の凹部11bと連結軸13の係合部13bとが係合した状態において、筒状部材21の端部は、連結軸13の環状部13dの外周面に配置される。
【0041】
図2図3、及び図4に示すように、凹部11bは、スプール軸11の端部に設けられる。例えば、凹部11bは、第1軸本体11aのハンドル7側の端部に、設けられる。凹部11bは、径方向に延びる溝部である。
【0042】
連結軸13は、リール本体3に対して回転可能に構成される。図4に示すように、連結軸13は、スプール軸11を介してリール本体3に対して回転可能に支持される。図4及び図5に示すように、連結軸13は、スプール軸11と一体的に回転する。連結軸13は、スプール軸11に連結される。例えば、連結軸13は、軸方向において、第1軸本体11aのハンドル7側の端部に連結される。
【0043】
図3及び図4に示すように、連結軸13は、第2軸本体13aと、係合部13bと、第1小径部13cと、突起13eと、を有する。連結軸13は、環状部13dをさらに有する。
【0044】
図4に示すように、第2軸本体13aは、後述する第2軸心X2に関する径方向において、転動体15の内側に配置される。第2軸本体13aは、転動体15に接触する。例えば、第2軸本体13aは円柱状に形成される(図3を参照)。第2軸本体13aは、第2軸心X2を有する。連結軸13がスプール軸11に連結された状態において、第2軸心X2は、スプール軸11の第1軸心X1と同心に配置される。
【0045】
図3及び図4に示すように、係合部13bは、第2軸本体13aに設けられる。例えば、係合部13bは、第1小径部13cを介して第2軸本体13aに設けられる。図4に示すように、係合部13bは、スプール軸11の凹部11bに係合する。例えば、係合部13bは、第1軸本体11aのハンドル7側の端部に設けられる凹部11bに、係合する。
【0046】
図3に示すように、係合部13bの断面は、非円形形状例えば矩形状に、形成される。矩形状の係合部13b及び溝状の凹部11bを互いに係合することによって、連結軸13の第2軸本体13aは、スプール軸11の第1軸本体11aと一体的に回転する。
【0047】
図3及び図4に示すように、第1小径部13cは、第2軸本体13aと係合部13bとの間に設けられる。詳細には、第1小径部13cは、第2軸本体13aと環状部13dとの間に設けられる。第1小径部13cは、円柱状に形成される。第1小径部13cの外径は、第2軸本体13aの外径より小径である。環状部13dは、係合部13b及び第1小径部13cの間に設けられる。環状部13dの外径は、第1小径部13cの外径より大径である。
【0048】
図3及び図4に示すように、突起13eは、第2軸本体13aに設けられる。例えば、突起13eは、第2軸心X2から離れる径方向において、第2軸本体13aの外周面から突出する。突起13eは、第2軸心X2まわりの周方向において、第2軸本体13aの外周面上に環状に形成される。突起13eは、後述する第2ホルダ49の凹部49bに係合する(図5を参照)。
【0049】
本実施形態では、突起13eが環状に形成される場合の例が示されるが、少なくとも1つの突起13eが第2軸本体13aの外周面上に形成されてもよい。
【0050】
ワンウェイクラッチユニット14は、スプール軸11の回転を制動する。本実施形態では、ワンウェイクラッチユニット14は、連結軸13の回転を制動し、連結軸13を介してスプール軸11の回転を制動する。図4に示すように、ワンウェイクラッチユニット14は、連結軸13に取り付けられる。ワンウェイクラッチユニット14は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、連結軸13及び第1側カバー33の突出部33bの間に配置される。
【0051】
図3及び図4に示すように、ワンウェイクラッチユニット14は、転動体15と、アウター部材17と、を有する。図4に示すように、転動体15は、連結軸13及びアウター部材17の間に配置される。例えば、転動体15は、連結軸13の第2軸本体13aとアウター部材17との間に配置される。
【0052】
図4に示すように、転動体15は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、連結軸13に接触する。例えば、連結軸13がスプール軸11に連結された状態では、転動体15は、スプール軸11の第1軸心X1から離れる径方向において、連結軸13の第2軸本体13aに接触する。連結軸13がスプール軸11に連結されてない状態では、転動体15は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、連結軸13の第2軸本体13aに接触する。
【0053】
転動体15が連結軸13に接触した状態において、連結軸13が糸巻き取り方向に回転する場合、転動体15はアウター部材17に対して回転する。すなわち、この場合、転動体15は、連結軸13の糸巻き取り方向の回転をアウター部材17に伝達しない。一方で、連結軸13が糸繰り出し方向に回転する場合、転動体15は、連結軸13の糸繰り出し方向の回転をアウター部材17に伝達する。
【0054】
アウター部材17は、連結軸13の第2軸心X2まわりの周方向において、一方向にのみ連結軸13と一体的に回転可能に構成される。図5に示すように、アウター部材17には、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において第1外力を受ける第1凸部41(第1外力受部の一例)が、設けられる。アウター部材17には、第1外力とは反対の方向に作用する第2外力を受ける第2凸部42(第2外力受部の一例)が、さらに設けられる。
【0055】
第1外力は、第1摩擦プレート18aから第1凸部41に作用する押圧力である。第2外力は、第2摩擦プレート18bから第2凸部42に作用する押圧力である。例えば、操作レバー9の揺動によって、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bの間隔が変化する。第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bの間隔の変化に応じて、第1凸部41及び第2凸部42に作用する押圧力は変化する。
【0056】
図4及び図5に示すように、アウター部材17例えば後述する外輪43(保持部の一例)は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、転動体15の外側に配置される。アウター部材17例えば外輪43は、リール本体3に対して回転可能である。例えば、アウター部材17例えば外輪43は、第1側カバー33の突出部33bに対して回転可能である。
【0057】
連結軸13がスプール軸11とともに糸繰り出し方向に回転する場合、転動体15は糸繰り出し方向の回転を、アウター部材17例えば外輪43に、伝達する。言い換えると、アウター部材17例えば外輪43は、糸繰り出し方向にのみ連結軸13と一体的に回転する。このことから、本実施形態では、上記の"一方向"は、"糸繰り出し方向"に対応する。
【0058】
図3及び図5に示すように、アウター部材17は、外輪43と、ホルダ45と、を有する。外輪43は、転動体15を保持する。外輪43は、連結軸13の第2軸心X2から離れる径方向において、転動体15の外側に配置される。外輪43は、連結軸13の第2軸心X2まわりの周方向において、一方向にのみ連結軸13と一体的に回転可能に構成される。
【0059】
図5に示すように、ホルダ45は外輪43に設けられる。詳細には、ホルダ45は、連結軸13の端部を覆うように外輪43に設けられる。ホルダ45は、外輪43と一体的に回転する。ホルダ45には、第1凸部41及び第2凸部42が設けられる。
【0060】
例えば、ホルダ45は、第1ホルダ47と、第2ホルダ49と、を有する。第1ホルダ47は、連結軸13の先端部を覆うように外輪43に設けられる。第1ホルダ47は、外輪43の一端部を覆うように外輪43に設けられる。第1ホルダ47は、外輪43に対して接着又は圧入される。これにより、第1ホルダ47は外輪43と一体的に回転する。
【0061】
図5に示すように、第1ホルダ47には、第1凸部41が設けられる。第1凸部41は、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第1ホルダ47から突出する。例えば、第2軸心X2が第1凸部41を通過するように、第1凸部41は第1ホルダ47から突出する。第1凸部41は、第1摩擦プレート18aに接触する。
【0062】
第1摩擦プレート18aは、操作レバー9に対して回転不能に装着される。図4及び図5に示すように、第1摩擦プレート18aは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第1ホルダ47と操作レバー9との間に配置される。第1摩擦プレート18aは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第1凸部41及び操作レバー9に接触する。
【0063】
図5に示すように、第2ホルダ49は、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第1ホルダ47とは反対側で外輪43に設けられる。第2ホルダ49は、外輪43の他端部を覆うように外輪43に設けられる。第2ホルダ49は、外輪43に対して接着又は圧入される。これにより、第2ホルダ49は外輪43と一体的に回転する。すなわち、第1ホルダ47及び第2ホルダ49は、外輪43と一体的に回転する。
【0064】
第2ホルダ49には、第2凸部42が設けられる。第2凸部42は、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第2ホルダ49から突出する。例えば、第2凸部42は環状に形成される。
【0065】
第2凸部42は、第2摩擦プレート18bに接触する。第2ホルダ49には、凹部49bが設けられる。例えば、第2ホルダ49は、孔部49aを有する。凹部49bは、孔部49aの内周面に環状に形成される。凹部49bには、連結軸13の突起13eが係合する。
【0066】
図4及び図5に示すように、少なくとも1つ第2摩擦プレート18bは、第1側カバー33の突出部33bに対して回転不能に装着される。例えば、少なくとも1つ第2摩擦プレート18bは、複数(例えば2枚)の第2摩擦プレート18bを含む。
【0067】
複数(例えば2枚)の第2摩擦プレート18bは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第2ホルダ49と第1シール部材19との間に、配置される。複数の第2摩擦プレート18bは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第2ホルダ49と、突出部33bの内周面に設けられる鍔部33cとの間に、配置される。
【0068】
図3に示すように、複数の第2摩擦プレート18bは、環状のプレート部材である。図5に示すように、一方の第2摩擦プレート18bは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第2凸部42に接触する。他方の第2摩擦プレート18bは、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、突出部33bの鍔部33c(図4を参照)に接触する。
【0069】
図5に示すように、第1凸部41及び第2凸部42が、連結軸13の第2軸心X2が延びる軸方向において、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bに各別に接触する。この状態において、第1ホルダ47及び第2ホルダ49は、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって、挟持される。これにより、アウター部材17が回転した場合、アウター部材17の回転が第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって制動される。
【0070】
図4に示すように、第1シール部材19は、軸方向において、スプール軸11と転動体15との間に配置される。この状態で、第1シール部材19は、連結軸13に接触する。第1シール部材19は、環状に形成される(図3を参照)。
【0071】
図4に示すように、第1シール部材19は、軸方向において、スプール軸11とワンウェイクラッチユニット14との間に配置される。例えば、第1シール部材19は、突出部33bの鍔部33cに軸方向に接触する。第1シール部材19の先端は、軸方向において、スプール軸11と転動体15との間に配置される。この状態において、第1シール部材19の先端、例えば第1シール部材19の内周面は、連結軸13の第1小径部13cに接触する。
【0072】
図3及び図4に示すように、第1シール部材19及び軸受61aの間には、位置決め部材25が配置される。例えば、位置決め部材25は筒状に形成される。位置決め部材25は、第1シール部材19の外周部及び軸受61aの外輪43に軸方向に接触する。この位置決め部材25によって、第1シール部材19は軸方向への移動が規制される。
【0073】
図4に示すように、第2シール部材20は、操作レバー9及び突出部33bの隙間から浸入する水を止水する。第2シール部材20は、径方向において、操作レバー9及び突出部33bの間に配置される。例えば、第2シール部材20はOリングである。
【0074】
上記の構成を有する両軸受リール1は、リール本体3と、ワンウェイクラッチユニット14と、を備える。ワンウェイクラッチユニット14では、アウター部材17は、ホルダ45の第1凸部41(第1外力受部の一例)において押圧力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0075】
詳細には、ワンウェイクラッチユニット14では、ホルダ45は第1ホルダ47及び第2ホルダ49を有する。アウター部材17は、第1ホルダ47の第1凸部41において押圧力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0076】
また、ワンウェイクラッチユニット14では、アウター部材17は、第2ホルダ49の第2凸部42(第2外力受部の一例)において押圧力を軸方向に受ける。これにより、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0077】
また、ワンウェイクラッチユニット14では、第1摩擦プレート18aから第1凸部41に作用する押圧力と、第2摩擦プレート18bから第2凸部42に作用する押圧力とによって、アウター部材17が制動される。これにより、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0078】
また、ワンウェイクラッチユニット14では、第1ホルダ47及び第2ホルダ49が外輪43に対して接着又は圧入されるので、第1ホルダ47及び第2ホルダ49を外輪43に好適に装着することができる。
【0079】
また、ワンウェイクラッチユニット14では、連結軸13の突起13eが第2ホルダ49の凹部49bに係合する。これにより、連結軸13を第2ホルダ49に好適に位置決めすることができる。
【0080】
(変形例1)
前記実施形態では、第1ホルダ47及び第2ホルダ49が外輪43に対して接着又は圧入される場合の例が、示された。図6Aに示すように、第1ホルダ47及び第2ホルダ49は、互いに螺合されることによって外輪43を挟持してもよい。
【0081】
この場合、例えば、第1ホルダ47には雌ネジ部47aが形成される。第2ホルダ49には雄ネジ部49cが形成される。雌ネジ部47aを雄ネジ部49cに螺合させることによって、外輪43が第1ホルダ47及び第2ホルダ49によって挟持される。なお、外輪43の外周面と、第1ホルダ47の内周面及び第2ホルダ49の内周面とは、接着剤によって接着されてもよい。このように構成することによって、第1ホルダ47及び第2ホルダ49を外輪43に好適に装着することができる。
【0082】
(変形例2)
前記実施形態では、第2軸心X2が第1凸部41を通過するように、第1凸部41が第1ホルダ47に形成される場合の例が、示された。これに代えて、図6Bに示すように、環状の第3凸部51(第1外力受部の一例)が第1ホルダ47に形成されてもよい。この場合、第2軸心X2は、環状の第3凸部51の内周部を通過する。このように、環状の第3凸部51が第1ホルダ47に形成されたとしても、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。なお、この場合においても、(変形例1)のように第1ホルダ47及び第2ホルダ49を螺合してもよい。
【0083】
(他の実施形態)
(A)前記実施形態では、アウター部材17が外輪43とホルダ45とを有する場合の例が、示された。これに代えて、図7に示すように、アウター部材17は外輪43だけを有していてもよい。この場合、環状の第4凸部52(第1外力受部の一例)及び環状の第5凸部53(第2外力受部の一例)が、外輪43に設けられる。例えば、環状の第4凸部52及び環状の第5凸部53は、外輪43と一体に形成される。環状の第4凸部52は、第1摩擦プレート18aに接触する。環状の第5凸部53は、第2摩擦プレート18bに接触する。このように、ホルダ45を用いることなくアウター部材17を構成したとしても、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0084】
(B)前記実施形態では、第1シール部材19がワンウェイクラッチユニット14の軸方向外側に配置される場合の例が、示された。図8Aに示すように、第1シール部材19がワンウェイクラッチユニット14に含まれるように、ワンウェイクラッチユニット14が構成されてもよい。
【0085】
この場合、ワンウェイクラッチユニット14は、転動体15と、アウター部材17と、第3シール部材22と、を有する。アウター部材17は、外輪43と、第1ホルダ47及び第2ホルダ49を含むホルダ45と、を有する。
【0086】
第2ホルダ49の内周面には環状凹部49dが形成される。環状凹部49dには、第3シール部材22の外周部が配置される。第3シール部材22の先端、例えば第3シール部材22の内周面は、連結軸13例えば第1小径部13cに、接触する。
【0087】
このように、ワンウェイクラッチユニット14が第3シール部材22を有するように構成したとしても、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。また、この構成では、スプール軸11から転動体15に向かう水を、第3シール部材22によって止水することができる。
【0088】
(C)前記他の実施形態(B)では、図8Aに示したように、第3シール部材22は転動体15及び第2摩擦プレート18bの間に配置される。この場合、スプール軸11から転動体15に向かう水が、第2摩擦プレート18bに付着し、第2摩擦プレート18bの耐久性が低下するおそれがある。この問題を解決するために、図8Bに示すように、ワンウェイクラッチユニット14を構成してもよい。例えば、第1ホルダ47は、リール本体3の環状の段差部33dに配置される。環状の段差部33dは突出部33bの内周面に形成される。
【0089】
第1ホルダ47の開口端47b(第2外力受部の一例)は、環状の段差部33dの底面に対向して配置される。第1ホルダ47の開口端47b及び環状の段差部33dの底面の間には、環状の第2摩擦プレート18bが配置される。第1ホルダ47の開口端47bは、環状の第2摩擦プレート18bに接触する。第1ホルダ47は、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって挟持される。第3シール部材22は、突出部33bの内周面に形成された環状凹部149dに配置される。
【0090】
この構成では、アウター部材17を構成する外輪43及び第1ホルダ47が回転した場合、アウター部材17の回転が第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって制動される。このように構成しても、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0091】
また、この構成では、第2摩擦プレート18bは、スプール軸11から転動体15に向かう水の経路から外れた位置に配置されているので、第2摩擦プレート18bに対する水の付着を防ぐことができる。これにより、第2摩擦プレート18bの耐久性を向上することができる。
【0092】
(D)前記実施形態では、図4に示したように、軸受71aがスプール軸11を支持する。軸受61aがピニオンギア10cを支持する。これにより、ピニオンギア10cの内周部に挿入されるスプール軸11の第1軸心X1の位置が、定義される。連結軸13は、スプール軸11に係合される。これにより、連結軸13の第2軸心X2がスプール軸11の第1軸心X1と同心に配置される。
【0093】
この場合、連結軸13及びスプール軸11の連結精度によっては、連結軸13の第2軸心X2及びスプール軸11の第1軸心X1の間にズレが生じてしまうおそれがある。この問題を解決するために、図9Aに示すように、ワンウェイクラッチユニット14は、軸受62を介して、リール本体3に支持されてもよい。例えば、ワンウェイクラッチユニット14は、軸受62を介して、リール本体3の突出部33bに支持される。
【0094】
軸受62は、リール本体3の環状の段差部33dに配置される。軸受62は、ワンウェイクラッチユニット14例えばアウター部材17の外輪43を、支持する。軸受62の外輪62aは、第2軸心X2が延びる軸方向において、第2摩擦プレート18b及び突出部33bの段差部33dの底面に、軸方向に接触する。
【0095】
第1ホルダ47は、リール本体3の環状の段差部33dに配置される。第1ホルダ47の開口端47b(第2外力受部の一例)は、環状の段差部33dの底面に対向して配置される。第1ホルダ47の開口端47b及び環状の段差部33dの底面の間には、軸受62及び環状の第2摩擦プレート18bが配置される。第1ホルダ47の開口端47bは、環状の第2摩擦プレート18bに接触する。第1ホルダ47は、第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって挟持される。
【0096】
この構成では、アウター部材17を構成する外輪43及び第1ホルダ47が回転した場合、アウター部材17の回転が第1摩擦プレート18a及び第2摩擦プレート18bによって制動される。このように構成しても、アウター部材17に対して制動力を安定的に作用させることができる。
【0097】
また、この構成では、軸受62がアウター部材17の外輪43を支持するので、連結軸13をスプール軸11に連結した状態において、連結軸13の第2軸心X2をスプール軸11の第1軸心X1上に好適に配置することができる。
【0098】
(E)前記他の実施形態(D)のアウター部材17の第1ホルダ47は、図9Bに示すように構成してもよい。この場合、第1ホルダ47の開口端47b及び軸受62の軸方向間には、隙間が設けられる。
【0099】
第1ホルダ47は、第1凸部41(第1外力受部の一例)と、鍔部47c(第2外力受部の一例)と、を有する。鍔部47cは、第2軸心X2から離れる径方向に突出し、第2軸心X2まわりの周方向に延びる。
【0100】
鍔部47cは、第2軸心X2が延びる軸方向において、リール本体3の突出部33bの端部に対向して配置される。鍔部47c及び突出部33bの端部の軸方向間には、第2摩擦プレート18bが配置される。鍔部47c及び突出部33bの端部は、第2摩擦プレート18bに接触する。このように構成しても、前記他の実施形態(D)の効果と同様の効果を得ることができる。
(F)前記実施形態及び他の実施形態では、スプール軸11が連結軸13を介してワンウェイクラッチユニット14に取り付けられる場合の例が示された。これに代えて、連結軸13をスプール軸11と一体に形成することによって、スプール軸11をワンウェイクラッチユニット14に直接的に取り付けてもよい。この場合、スプール軸11が、ワンウェイクラッチユニット14によって制動される軸部材として解釈される。
【符号の説明】
【0101】
1 両軸受リール
3 リール本体
5 スプール
9 操作レバー
11 スプール軸
11b 凹部
13 連結軸
13e 突起
14 ワンウェイクラッチユニット
15 転動体
17 アウター部材
18a 第1摩擦プレート
18b 第2摩擦プレート
41 第1凸部
42 第2凸部
43 外輪
45 ホルダ
47 第1ホルダ
49 第2ホルダ
49b 凹部
X1 第1軸心
X2 第2軸心
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B