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特開2023-22137エネルギー貯蔵装置の電極製造のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022137
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】エネルギー貯蔵装置の電極製造のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20230207BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20230207BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20230207BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20230207BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20230207BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20230207BHJP
   H01G 11/86 20130101ALI20230207BHJP
   H01G 11/42 20130101ALI20230207BHJP
   H01G 11/30 20130101ALI20230207BHJP
   H01G 11/38 20130101ALI20230207BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/62 Z
H01M4/587
H01M4/485
H01M4/38 Z
H01G13/00 381
H01G11/86
H01G11/42
H01G11/30
H01G11/38
【審査請求】有
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185683
(22)【出願日】2022-11-21
(62)【分割の表示】P 2020523727の分割
【原出願日】2018-10-30
(31)【優先権主張番号】62/580,920
(32)【優先日】2017-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509316442
【氏名又は名称】テスラ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ポーター
(57)【要約】
【課題】電気特性が改善された乾式電極膜、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】電極膜混合物を形成するための装置および方法が記載されている。電極膜混合物を形成するための装置は、ポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレンおよび臨界または超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素を含む溶液を含む第1供給源と、電極膜混合物の第2成分を含む第2供給源と、溶液および第2成分を受け取り、溶液および第2成分を含むスラリーを形成するように構成されたミキサーと、スラリーを受け取り、スラリーを減圧して臨界流体または超臨界流体を蒸発させ、乾燥ポリマーを沈殿させるように構成された減圧器とを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成するための装置であって、
ポリマー分散液を含み、該ポリマー分散液は、ポリマーバインダーと、臨界または超臨界の流体とを含み、該ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第1成分である第1供給源と、
前記エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第2成分を含む第2供給源と、
前記ポリマー分散液および前記第2成分を受け取り、前記ポリマー分散液および前記第2成分を含むスラリーを形成するように構成されるミキサーと、
前記スラリーを受け取って減圧するように構成され、さらに前記臨界または超臨界の流体を蒸発させて、乾燥ポリマーバインダーを第2成分上に堆積させるように構成された減圧器とを含む
エネルギー貯蔵装置の電極製造装置。
【請求項2】
前記第2成分が、粒子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2成分が、炭素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2成分が、活性電極材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2成分が、グラファイトを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2成分が、電池のカソード活性材料を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第2成分が、リチウム金属酸化物を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記活性電極材料は、硫黄および硫黄を含む材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記流体が超臨界二酸化炭素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ポリマー分散液が、前記流体中のポリマーバインダーの溶液を含む、請求項1記載
の装置。
【請求項11】
前記ポリマーバインダーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
乾燥ポリマーバインダーを受け入れるように構成された収集容器をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
収集容器が濾過格納容器を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記減圧器がオリフィスを含み、前記減圧器が前記スラリーを前記オリフィスに通して前記スラリーを減圧して前記流体を蒸発させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成する方法であって、
臨界または超臨界の流体に分散されたポリマーバインダーを含み、該ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵の装置の電極膜混合物の第1成分である、ポリマー分散液を提供することと、
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第2成分を提供することと、
ポリマー分散液および第2成分を含むスラリーを形成することと、
臨界または超臨界流体を蒸発させ、乾燥ポリマーバインダーを第2成分上に堆積させるためにスラリーを減圧することを含む
エネルギー貯蔵装置の電極製造方法。
【請求項16】
前記第2成分が、粒子を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記乾燥ポリマーバインダーで前記第2成分をコーティングすることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2成分が、炭素を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2成分が、電極の活性材料を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記活性材料が、グラファイトを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記活性材料が、リチウム金属酸化物を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記活性材料が、硫黄および硫黄を含む材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記ポリマーバインダーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記流体が超臨界二酸化炭素である、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記スラリーを減圧することは、前記スラリーをオリフィスに通すことを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記ポリマーバインダーを堆積させることが、前記第2成分を乾燥ポリマーバインダーでコーティングすることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
コーティングされた第2成分を収集容器に受け入れることをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
収集容器が濾過格納容器を含む、請求項27に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2017年11月2日に提出された「エネルギー貯蔵装置の電極製造のための方法および装置」と題された米国仮特許出願第62/580,920号の利益を主張し、これは、ここでその全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、エネルギー貯蔵装置に関し、特に、エネルギー貯蔵装置の電極製造のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々なタイプのエネルギー貯蔵装置は、例えば、コンデンサ、電池、コンデンサ-電池ハイブリッドおよび燃料電池を含む電子機器に電力を供給するのに使用されることがある。そのようなエネルギー貯蔵装置は、1つまたはそれ以上の電極膜を含むアノードおよびカソードを有することがある。電極膜は、ポリマーバインダーおよび1つまたはそれ以上の活性電極成分を含むことがある。エネルギー貯蔵装置の電気的性能は、バインダーおよび活性電極成分の1つまたはそれ以上の特性に依存し得る。エネルギー貯蔵装置の所望の電気的性能は、バインダーのタイプ、活性電極成分、および/または電極膜を製造するために使用されるプロセスを選択することによって達成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、エネルギー貯蔵装置の製造は、かなりのコストを引き起こされることがある。特に、仕様に合わせた電極の製造には、かなりのリソースが必要になることがある。1つの問題は、製造後に電極膜から溶媒やその他の処理添加剤を除去することである。湿式電極の製造では、溶剤の除去には大量の電力と時間が必要になる場合があり、その間、貴重な製造リソースが占有される。改良製造技術はまた、例えば、活性材料およびバインダー材料のより均一な分布を提供するため、より良好な性能の電極をもたらすかもしれない。従来の乾式電極製造技術はこれらの問題のいくつかを回避するが、本明細書でさらに論じられる他の問題を導入する代償を払う。したがって、改良電極製造技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態は、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成するための装置を提供する。装置は、ポリマーバインダーと、臨界または超臨界の流体とを含むポリマー分散液を含み、ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵装置電極膜混合物の第1成分である第1供給源と、エネルギー貯蔵装置電極膜混合物の第2成分を含む第2供給源と、ポリマー分散液と第2成分を受け取り、ポリマー分散液と第2成分を含むスラリーを形成するように構成されたミキサーと、スラリーを受け取って減圧し、臨界または超臨界の流体を蒸発させて、乾燥ポリマーバインダーを第2成分に堆積させるように構成された減圧器とを含む。
【0006】
さらなる実施形態は、臨界または超臨界の流体中に分散されたポリマーバインダーを含み、該ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵装置電極膜混合物の第1成分である、ポリマー分散液を提供することと、エネルギー貯蔵装置電極膜混合物の第2成分を提供することと、ポリマー分散液と第2成分を含むスラリーを形成することと、スラリーを減圧して臨界または超臨界流体を蒸発させ、乾燥ポリマーバインダーを第2成分に堆積させることを含む、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成する方法を提供する。
【0007】
本発明および先行技術を超えて達成される利点を要約する目的で、特定の目的および利点が本明細書で説明される。もちろん、必ずしもそのような目的または利点のすべてが特定の実施形態に従って達成される必要はないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本発明が、他の目的または利点を必ずしも達成することなく、1つの利点または利点のグループを達成または最適化できる方法で実施または実行できることを認識するであろう。
【0008】
これらの実施形態のすべては、本明細書に開示される本発明の範囲内にあることが意図されている。これらおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになり、本発明は、特定の開示された実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、1つまたはそれ以上の電極膜を含むエネルギー貯蔵装置の概略図である。
図2図2は、電極膜混合物を形成するためのプロセスの実施形態のプロセスフロー図である。
図3図3は、電極膜混合物を製造するための装置の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、特定の実施形態を図示することを意図し、本発明を限定することを意図しない、特定の実施形態の図面を参照して説明される。
【0011】
-定義-
本明細書で使用される場合、「バッテリー」および「コンデンサ」という用語は、当業者にそれらの通常の慣習的な意味を与えられるべきである。「バッテリー」と「コンデンサ」という用語は、互いに排他的ではない。コンデンサまたはバッテリーは、単独で動作するか、マルチセルシステムのコンポーネントとして動作する単一の電気化学セルを指す。
【0012】
本明細書で使用される場合、エネルギー貯蔵装置の電圧は、単一の電池またはコンデンサセルの動作電圧である。電圧は、定格電圧を超えるか、負荷がかかった状態で定格電圧を下回るか、製造時の許容誤差に従うことがある。
【0013】
本明細書で提供されるように、「自立型」電極膜は、膜または層を支持し、電極膜または層が自立できるようにその形状を維持するのに十分なバインダーマトリックス構造を組み込んだ電極膜である。エネルギー貯蔵装置に組み込まれる場合、自立型電極膜または活性層は、そのようなバインダーマトリックス構造を組み込むものである。一般に、使用方法に応じて、そのような電極膜または活性層は、集電体、支持ウェブ、または他の構造などの外部の支持要素なしでエネルギー貯蔵装置の製造プロセスで使用するのに十分強力であるが、支持要素はエネルギー貯蔵装置の製造工程を容易にするために採用される。たとえば、「自立型」電極膜は、他の支持要素なしで、電極製造プロセス内で巻かれ、取り扱われ、巻き出されるのに十分な強度を持つことができる。カソード電極膜またはアノード電極膜などの乾燥電極膜は、自立型であり得る。
【0014】
本明細書で提供されるように、「無溶媒」電極膜は、検出可能な処理溶媒、処理溶媒残留物、または処理溶媒不純物を含まない電極膜である。処理溶剤または従来の溶剤には、有機溶剤が含まれる。カソード電極膜またはアノード電極膜などの乾燥電極膜は、無溶媒であり得る。
【0015】
「湿式」電極または「湿式プロセス」電極は、活性材料(複数の活性材料)、バインダー(複数のバインダー)、および処理溶媒のスラリー、処理溶媒残留物、および/または処理のスラリーを含む少なくとも1つのステップによって調製される電極である。溶剤不純物。湿式電極は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。
【0016】
-説明-
特定の実施形態および実施例を以下に説明するが、当業者は、本発明が、具体的に開示された実施形態および/または使用ならびに明らかな修正およびその均等物を超えて広がることを理解するであろう。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は、以下に説明される特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0017】
本明細書では、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成するための装置およびプロセスが提供される。装置またはプロセスは、ポリマー分散液を含むことができる電極膜混合物の第1成分を提供することができ、ポリマー分散液は、臨界流体または超臨界流体、およびポリマーを含む。ポリマーは、電極膜に活性材料を結合する際の使用に適している場合がある。装置またはプロセスはさらに、電極の活性材料を含み得る電極膜混合物の第2成分を提供し得る。装置またはプロセスは、ポリマー分散液を受け入れるように構成された第1の入口、および電極膜混合物の第2成分を受け入れるように構成された第2の入口と流体連通するミキサーをさらに提供し得る。
【0018】
本明細書に記載される装置またはプロセスは、湿式または乾式電極膜を形成するための従来の装置またはプロセス、またはそのような膜を形成するために使用される原材料と比較して、1つまたはそれ以上の利点を提供し得る。例えば、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の装置またはプロセスは、湿式コーティングプロセスを使用して製造された電極膜と比較して、装置のエネルギー密度性能を高めるために、より厚い電極膜の形成を促進し得る。さらなる例では、本明細書で説明される1つまたはそれ以上の装置またはプロセスは、他の電極製造装置またはプロセスと比較して製造コストを削減することができる。
【0019】
いくつかの従来の電極膜プロセスは、有機溶媒などの処理溶媒中でスラリー化された原料を使用し、これは、その後、集電装置に塗布され、乾燥されて電極膜を形成する。このような湿式電極膜が乾燥する速度は、湿式コーティングプロセスで使用されるスラリーの1つまたはそれ以上の有機溶媒の乾燥速度に影響され得る。電極膜を乾燥させることができる速度は、電極膜の厚さによっても影響を受ける場合がある。例えば、より厚い電極膜の乾燥速度は、乾燥欠陥を低減または回避するためにしばしば低下される。それにより、1つまたはそれ以上の有機溶媒の蒸発速度は、電極膜の所望の乾燥を達成するために使用される乾燥工程の持続時間および/またはそのような電極膜を乾燥するために使用される乾燥機の物理的長さに影響を及ぼし得る。乾燥時間および乾燥機の長さは、そのような電極を製造するコストに寄与する可能性がある。より高い装置エネルギー密度を提供するために、より厚い電極が望まれる場合があるが、特定の厚さを超える電極膜を製造するためのコストは、法外な場合がある。例えば、湿式コーティングされた電極膜を乾燥させるために使用される装置のコストは、乾燥オーブンの長さが増加するにつれて、比例よりも、例えばほぼ指数関数的に上昇する可能性がある。本明細書では、乾燥装置または個別の乾燥ステップを使用せずに、および/または電極膜を乾燥させるステップなしに、エネルギー貯蔵装置用の電極膜を製造するための装置および方法が提供される。いくつかの実施例では、有機溶媒のような従来の溶媒または処理溶媒は、電極膜製造プロセスのいかなる工程において使用されていない。
【0020】
従来の乾式電極膜プロセスは、上述のような湿式電極膜プロセスで必要とされる乾燥機の必要性を低減または排除する乾燥原材料を使用する。そのような乾式電極膜製造プロセスは、高剪断装置およびジェットミリングなどのプロセスを使用して、サイズを縮小およ
び/またはバインダー材料を繊維化するための十分な剪断を提供する。このようなプロセスは、繊維化可能なバインダーのみを使用することに限定されるか、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの特定のバインダーのみを使用することにさらに限定され得る。例えば、PTFEなどのバインダー材料および他の電極膜成分を含む混合物は、ジェットミリングされて、そのような高い剪断力は、バインダー材料が他の電極膜成分を被覆できるように、バインダー材料の凝集体を微細に分割された粒子に分離し、および/またはバインダー材料を繊維化し得る。得られた乾燥処理粉末は、ロールミルを使用して熱および圧力で圧縮して、膜を形成することができる。膜形成プロセスは、膜の他の成分に凝集および接着するポリマーバインダーなどによって、電極膜に構造を提供するように選択され得る。結果は、例えば、膜を通る繊維化されたマトリックスであり得る。膜の厚さは、ロールミルのロールギャップ、圧縮プロセス中に加えられる圧力、および/または膜が圧縮される回数に依存し得る。乾式製造プロセスは、電極膜が自立型電極膜であるように繊維化されたマトリックスをもたらし得る。
【0021】
しかしながら、典型的な乾式電極製造で使用されるような高剪断プロセスは、電極膜混合物の1つまたはそれ以上の他の成分を損傷する可能性がある。この損傷は、これらの成分から形成される電極の性能を低下させる可能性がある。例えば、ジェットミリングプロセスを使用して高剪断力を加えてバインダー材料の凝集物を分離し、および/またはバインダー材料を繊維化すると、電極膜混合物の1つまたは複数の他の成分の表面特性が望ましくなく低下する場合がある。理論によって制限されることを望まないが、高剪断加工で加えられる力は、活性材料または複数の活性材料の形態を変化させ、および/または活性材料の表面を損傷し得ると考えられる。例えば、活性材料の粒子は、そのような処理中に破壊、融合、剥離、または化学的に変化し得る。
【0022】
エネルギー貯蔵装置の電極に組み込まれる活性材料は、コーティングおよび/または処理された表面を有し得る。例えば、炭素材料、特に黒鉛材料は、アモルファス炭素で被覆されてもよい。代替的または追加的に、グラファイト材料を表面処理して、固体電解質界面の形成中の第1サイクルの非効率性を低減するか、またはセルのサイクル寿命を改善することができる。例えば、電極膜混合物中の炭素の1つまたはそれ以上の表面特性が低下する可能性がある。表面特性のそのような劣化は、エネルギー貯蔵装置の1つまたはそれ以上の電気的特性に悪影響を及ぼし得る。
【0023】
理論に制限されることを望まないが、活性材料表面の組成は、例えば、電解質およびその中の不純物のエネルギー貯蔵装置内の分解プロセスに影響を及ぼし、固体電解質界面層(SEI)の形成にも影響を与えると考えられる。表面処理された活性材料は、表面未処理の活性材料と比較して、エネルギー貯蔵装置電極においてより優れた性能を示し得る。より良い性能は、例えば、亀裂形成および/または亀裂の減少、集電体からの活性物質の分離の減少、電解質の分解の減少、および/またはガス発生の減少によるものであり得る。したがって、本明細書に記載の1つまたは複数のプロセスから作製された乾式電極膜材料を使用して作製された乾式電極膜は、改善された電気特性を示すことができる。
【0024】
本明細書に開示されるのは、製造中に表面損傷の低減を被る活性材料を提供する材料および方法である。本明細書で提供されるエネルギー貯蔵装置の特定の実施形態は、処理後の表面損傷黒鉛材料を低減することができる。特に、そのような活物質を含む自立型電極膜が提供される。本明細書に記載される1つまたはそれ以上のプロセスは、電極膜成分を高剪断力に曝すことを回避し、成分の完全性の維持を促進することができる。一部の実施形態では、ジェットミル、または他の高剪断装置、ならびにエアコンプレッサーおよび/または関連ミキサーなどの関連機器の使用を削減または排除すると、製造コストを削減することができる。
【0025】
さらに、高剪断プロセスを含む典型的な乾式電極製造プロセスを使用して製造された電極膜は、例えば、PTFEなどの高剪断力を使用して繊維化可能なバインダー材料に限定され得る。したがって、典型的な乾式電極製造プロセスは、バインダーの選択を制限し得て、それは、エネルギー貯蔵装置で使用される材料を制限し得る。例として、PTFEバインダーを使用すると、パフォーマンスが低下したり、電池寿命が短くなったり、特定の種類のエネルギー貯蔵装置で使用されている材料との互換性がなく、例えば、特定の電極膜の1つまたはそれ以上の他の成分との互換性がない可能性がある。PTFEは、低電圧環境におけるその潜在的な反応性のために、特定の電極膜用途には不適切なバインダーである可能性がある。本明細書で説明する1つまたは複数のプロセスは、PTFE以外のバインダー材料と互換性があり、それによって、リチウムイオンベースのエネルギー貯蔵装置で使用する電極を製造するためのリチウムとより互換性のあるバインダー材料の使用を容易にする。したがって、本明細書では、PTFEの代替として、またはPTFEと組み合わせて使用されるバインダーと互換性のある乾式電極プロセスが提供される。
【0026】
一部の実施形態では、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物、ならびにそのような電極膜混合物を調製するためのプロセスおよび装置が提供される。電極膜混合物は、ポリマー分散液を含み得る第1成分、および電極活性物質を含み得る第2成分を含み得る。一部の実施形態では、電極膜混合物は、ポリマーバインダーによってコーティングされた電極膜成分の粒子を含み、電極膜成分は、ポリマーとは異なる材料である。例えば、ポリマーは、フルオロポリマーであり得るポリマーバインダーであり得る。一部の実施形態では、フルオロポリマーは、PTFEを含み、本質的にPTFEからなり、または、PTFEからなる。一部の実施形態では、電極膜成分は、粒子状材料を含むことができる。一部の実施形態では、第2の電極膜成分は、グラファイト、活性炭、導電性カーボン、ソフトカーボン、および/またはハードカーボンなどのカーボンを含むことができる。第2の電極膜成分は、電池のカソード活物質としての使用に適した電気化学的に活性物質であり得る。第2の電極膜成分は、金属酸化物を含む炭素複合材を含むことができる。一部の実施形態では、第2の電極膜成分は、リチウム金属酸化物などの挿入可能な金属酸化物を含むことができる。第2の電極膜成分は、アモルファスカーボンを含むことができる。第2の電極膜成分は、グラファイト炭素およびアモルファス炭素などの2つ以上の炭素の複合物を含むことができる。電極膜混合物は、PTFEでコーティングされた複数のグラファイト粒子を含み得る。「コーティングされた」という用語は、各電極膜成分(例えば、グラファイトのような活性物質)の粒子、例えば、ポリマーバインダーを合体させ、第2の電極膜成分を囲む誘導性双極子相互作用および/またはロンドン分散力を通して、のそれぞれを取り囲み、覆うポリマーバインダーの実質的に連続した膜を含み得る。
【0027】
一部の実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数の電極膜混合物を形成するための装置は、減圧器を備える。一部の実施形態では、装置は、臨界流体または超臨界流体およびポリマーバインダーを含むポリマー分散液を収容する第1供給源、第2の電極膜混合物成分を収容する第2供給源、および第1供給源から分散液を受け取り、第二の供給源からの第二の電極膜混合物成分を受け取るように構成されたミキサーを含む。ミキサーは、分散液と第2の電極膜混合物の成分とを組み合わせてスラリーを提供するように構成し得る。一部の実施形態では、装置は、スラリーを受け取るように構成された減圧器と、減圧器のアウトプットを受け取るように構成された収集容器とを備える。一部の実施形態では、減圧器および収集容器は、例えば、減圧器と収集容器とがコンポーネントを共有するように同一の領域を占めてもよい。
【0028】
一部の実施形態では、本明細書に記載の1つまたはそれ以上の電極膜混合物を調製するためのプロセスは、ポリマーバインダーおよび第1供給源からの臨界または超臨界流体を含むポリマー分散液、および第2供給源から第2の電極膜混合物成分をミキサーに供給することを含む。ポリマー分散液および第2の電極膜混合物成分を含むスラリーは、ミキサ
ーで形成することができる。スラリーは減圧器に提供されてもよく、そこでスラリーは減圧されて、超臨界二酸化炭素などのスラリーの臨界または超臨界流体部分を蒸発させてもよい。プロセスは、乾燥ポリマーバインダーおよび第2の電極膜混合物成分を堆積させることができる。一部の実施形態では、乾燥ポリマーバインダーは、第2の電極膜混合物成分をコーティングすることができる。一部の実施形態では、コーティングされた第2の電極膜混合物成分は、収集容器に収容され得る。
【0029】
本明細書で提供されるように、「ポリマー分散液」を含む「分散液」は、流体相に分散された固体または半固体材料を含む組成物である。材料は、ポリマー、例えば、「ポリマー分散液」を形成するために本明細書で提供されるポリマーバインダーであってもよい。本明細書で提供される分散液は、流体に溶解された材料の溶液であり得る。
【0030】
一部の実施形態では、バインダーはPTFEではない。さらなる実施形態では、ポリマー分散液はPTFEを含まない。
【0031】
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の電極膜混合物は、電極膜混合物の1つまたはそれ以上の他の成分と組み合わされ、続いて艶出し加工されて電極膜を形成し得る。他の成分は、例えば、第3の電極膜混合物成分であり得る。第3の電極膜混合物成分は、本明細書に記載されるようなコーティングプロセスの後に電極膜混合物と組み合わされることができる。例えば、第3の電極膜混合物成分は、第1成分およびその第2成分を含む電極膜混合物に加えられ得る。あるいは、またはさらに、第3の電極膜混合物成分は、混合前に第1成分および/または第2成分と組み合わせることができる。非限定的な例として、第3の電極膜混合成分は、ポリマー分散液の臨界または超臨界流体中に分散させることができる。
【0032】
第3の電極膜混合物成分は、追加のバインダー材料を含んでもよい。追加のバインダー材料は、ポリマー分散液に含まれるものと同じであっても異なっていてもよい。追加のバインダー材料は、本明細書で提供される任意のバインダーであってよい。追加のバインダーは、例えば、PVDFまたはCMCであり得るか、またはそれらを含み得る。代替的または追加的に、第3の電極膜混合物成分は、例えば、導電性材料または追加の活性材料を含んでもよい。活性材料は、本明細書に記載されている任意のものであり得、例えば、炭素材料または電気化学的に活性な材料であり得る。あるいは、またはさらに、第3の電極膜混合物成分は、導電性電極膜材料を含み得る。
【0033】
本明細書で提供される電極膜混合物から形成される電極膜は、エネルギー貯蔵装置のアノードまたはカソードでの使用に適している場合がある。例えば、電極膜は、積層プロセスを使用することなどによって、アノードまたはカソードの電流コレクタに結合されてもよい。本明細書に記載される電極膜は、例えば、バッテリー、コンデンサ、コンデンサ-バッテリーハイブリッド、燃料電池、それらの組み合わせなどのエネルギー貯蔵装置のアノードおよび/またはカソードを形成するために使用され得る。エネルギー貯蔵装置は、リチウム有りまたは無しで動作し得る。一部の実施形態では、電極膜を使用して、リチウムイオン電池などの電池、または他の金属イオン電池を製造することができる。一部の実施形態では、電極膜を使用して、電気二重層コンデンサ(EDLC)などのウルトラコンデンサを製造することができる。一部の実施形態では、電極膜を使用して、リチウムイオンコンデンサを製造することができる。電極膜は、本明細書で提供されるような自立型電極膜であってもよい。
【0034】
図1は、エネルギー貯蔵装置100の例の側断面概略図を示す。エネルギー貯蔵装置100は、リチウムイオンコンデンサ、リチウムイオン電池、または、電気二重層コンデンサなどの任意の数のエネルギー貯蔵装置であり得る。もちろん、他のエネルギー貯蔵装置
は本発明の範囲内であり、装置100は他のタイプのコンデンサ、バッテリー、コンデンサ-バッテリーのハイブリッド、または燃料電池であり得る。エネルギー貯蔵装置100は、第1の電極102、第2の電極104、および第1の電極102と第2の電極104との間に配置されたセパレータ106を有することができる。例えば、第1の電極102および第2の電極104は、セパレータ106の対向する表面のそれぞれに隣接して配置され得る。第1の電極102はカソードを含むことができ、第2の電極104はアノードを含むことができ、その逆も同様である。エネルギー貯蔵装置100は、エネルギー貯蔵装置100の電極102、104間のイオン通信を容易にするために電解質を含み得る。例えば、電解質は、第1電極102、第2電極104およびセパレータ106と接触し得る。電解質、第1の電極102、第2の電極104、およびセパレータ106は、エネルギー貯蔵装置ハウジング120内に受容され得る。例えば、エネルギー貯蔵装置ハウジング120は、第1の電極102、第2の電極104、およびセパレータ106の挿入後に密封され得る。第1の電極102、第2の電極104、セパレータ106、および電解質のような電解質へのエネルギー貯蔵装置100の含浸は、容器の外部環境から物理的に密封し得る。
【0035】
セパレータ106は、第1の電極102および第2の電極104などのセパレータ106の対向する側に隣接する2つの電極を電気的に絶縁するとともに、2つの隣接する電極間のイオン通信を可能にするように構成され得る。セパレータ106は、様々な多孔性または不織布の電気絶縁材料を含むことができる。一部の実施形態では、セパレーター106は、ポリマー材料を含むことができる。セパレーター106は、ポリマー材料の複合物を含むことができる。セパレータ106は、セラミックおよび/または金属酸化物を有する1つまたは複数のポリマー材料の複合材料を含むことができる。セラミックまたは金属酸化物は粉末であり得る。例えば、セパレーター106は、紙などのセルロース系材料を含むことができる。セパレータ106は、多孔質または不織ポリエチレン(PE)材料を含むことができる。セパレータ106は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン材料などのポリテトラフルオロエチレン材料を含むことができる。セパレーター106は、多孔性または不織ポリプロピレン(PP)材料などのポリプロピレン(PP)材料を含むことができる。セパレーター106は、例えば、多孔性または不織ポリプロピレン材料またはポリマー材料の複合材料上のポリエチレンコーティングを含むことができる。
【0036】
図1に示されるように、第1の電極102および第2の電極104は、それぞれ、第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110を含むことができる。第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110は、対応する電極と外部回路(図示せず)との間の電気的結合を容易にすることができる。第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110は、1つまたは複数の導電性材料を含むことができる。第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110は、様々な形状および/またはサイズを有することができる。第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110は、対応する電極と外部回路との間の電荷の移動を容易にするように構成され得る。例えば、第1の電流コレクタ108は、第1の接続126を介して、電気的に正の端子などの第1のエネルギー貯蔵装置端子122に電気的に結合され得る。第2の電流コレクタ110は、第2の接続128を介して電気的に負の端子などの第2のエネルギー貯蔵装置端子124に電気的に結合され得る。第1および第2のエネルギー貯蔵装置端子122、124は、エネルギー貯蔵装置100を外部回路のそれぞれの端子に電気的に結合されてもよい。
【0037】
集電体は、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、それらの合金、および/または他の金属材料を含む材料などの金属材料、またはグラファイトなどの非金属材料を含むことができ、装置の電極電位で不活性のままである。第1の電流コレクタ108および/または第2の電流コレクタ110は、箔を含むことができる。第1の電流コレクタ108および第2の電流コレクタ110は、長方形または実質的に長方形の形状を有することができ、対応
する電極と外部電気回路との間の電荷の所望の移動を提供するように寸法決めされ得る。エネルギー貯蔵装置100は、電極102、104と、電流コレクタ108、110をそれぞれを通る外部電気回路と間の前記電気通信を提供するために、いくつかの異なる構成のいずれかを含むことができる。例えば、前記移送は、電流コレクタープレートおよび/または別のエネルギー貯蔵装置コンポーネントを介して提供され得る。
【0038】
第1の電極102は、第1の電流コレクタ108の第1の表面上(例えば、第1の電流コレクタ108の上面上)に第1の電極膜112(例えば、上部電極膜)を有することができる。第1の電極102は、第1の電流コレクタ108の第2の反対側の表面(例えば、第1の電流コレクタ108の底面)上に第2の電極膜114(例えば、下部電極膜)を有することができる。同様に、第2の電極104は、第2の電流コレクタ110の第1の表面(例えば、第2の電流コレクタ110の上面)上に第1の電極膜116(例えば、上部電極膜)を有することができる。第2の電極104は、第2の電流コレクタ110の反対側の第2の表面上(例えば、第2の電流コレクタ110の底面上)に第2の電極膜118を有することができる。
【0039】
電極膜112、114、116、および/または118は、様々な適切な形状、サイズ、および/または厚さを有することができる。例えば、電極膜は、約100ミクロンから約250ミクロンを含み、さらに約30ミクロンから約250ミクロンを含む、約30ミクロン(μm)から約2000ミクロンの厚さを有することができる。112、114、116および/または118の電極膜は、互いに同じまたは異なる厚さ、組成、および密度を有することができる。例えば、112および114の電極膜は、電極膜116および118と比較して、異なる厚さ、組成または密度を有することができる。電極膜112、114、116および/または118の1つまたはそれ以上は、本明細書で提供される装置または方法を使用して製造される。
【0040】
一部の実施形態では、エネルギー貯蔵装置のアノードおよび/またはカソードの電極膜は、ポリマーバインダー材料などのポリマーおよび1つまたはそれ以上の他の成分を含む電極膜混合物を含む。ポリマーは一般的な用語であり、本明細書で提供されるように、ホモポリマー、コポリマー、およびポリマーの混合物を含むことができる。一部の実施形態では、アノードおよび/またはカソードの電極膜は、1つまたは複数の活性電極成分を含むことができる。一部の実施形態では、活性電極成分は炭素ベースである。一部の実施形態では、1つまたは複数の活性電極成分は、活性炭などの多孔質炭素材料を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の活性電極成分は、グラファイト、ソフトカーボンおよび/またはハードカーボンなどのリチウムイオンを可逆的に挿入するように構成された炭素を含む。一部の実施形態では、活性電極成分は、リチウム金属酸化物を含む。一部の実施形態では、アノードおよび/またはカソードの電極膜は、電気またはイオン伝導促進添加剤を含む1つまたは複数の添加剤を含むことができる。一部の実施形態では、導電率向上添加剤はカーボンブラックであり得る。一部の実施形態では、電極膜混合物は、バインダー材料、1つまたは複数の活性電極成分、および/または1つたは複数の導電率促進添加剤を含む。一部の実施形態では、結合剤材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、本明細書に提供される結合剤、および/または他の適切な任意選択で、単独または組み合わせて使用される繊維化可能な1つまたは複数の様々な適切なポリマー材料を含むことができる。一部の実施形態では、活性電極成分は、アノードを事前にリチウム化する目的でリチウムイオンに富む供給源を組み込み、有利には第1サイクルの非効率性を低減または排除する。
【0041】
一部の実施形態では、ポリマーを電極膜混合物の1つまたはそれ以上の他の成分にコーティングするためのプロセスは、減圧プロセスを含むことができる。例えば、PTFEは、減圧プロセスを使用して、電極膜混合物の1つまたは複数の他の成分上にコーティング
することができる。
【0042】
図2は、電極膜混合物を形成するためのプロセス200の実施形態のプロセスフロー図である。プロセス200は、ポリマーバインダーなどのポリマーを電極膜混合物の1つまたは複数の他の成分上にコーティングするための減圧方法を提供する。ブロック202では、ポリマー分散液が提供される。ポリマー分散液は、流体と、流体内に分散された固体または半固体のポリマーとを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。一部の実施形態では、流体は、臨界流体または超臨界流体を含むか、本質的にそれからなる、または、それからなることができる。一部の実施形態では、流体は、超臨界二酸化炭素を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなることができる。一部の実施形態では、流体は、有機溶媒などの処理溶媒を含まない。一部の実施形態では、ポリマーは、電極膜バインダー材料としての使用に適したポリマーバインダーから本質的になるか、またはそれからなる。ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵装置の作動中に電気化学的に不活性のままである材料を含むことができる。ポリマーバインダーは、キャリア流体内に微細な粒子として分散されるか、または流体に溶解されるか、または分散および溶解の組み合わせのいずれかであり得る。ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵活性物質と混合されると機械的に膜を形成することができる。使用できる他のタイプのポリマーには、熱可塑性物質、熱硬化性物質またはエラストマーが含まれるが、これらに限定されない。ポリマーは、2つ以上のポリマーの混合物、および/またはコポリマーであり得る。コポリマーは、グラフト、ブロック、またはランダムコポリマー、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0043】
ポリマーバインダーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フルオロポリマー、ポリオレフィン、ポリアルキレン、ポリエーテル、スチレン-ブタジエン、ポリシロキサンとポリシロキサンのコポリマー、分岐ポリエーテル、ポリビニルエーテル、それらのコポリマー、および/またはそれらの混合物を含むことができる。ポリマーバインダーは、セルロース、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)を含むことができる。一部の実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、それらのコポリマー、および/またはそれらの混合物を含むことができる。例えば、ポリマーバインダーは、ポリ塩化ビニレン、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、ポリエチレンブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(フェニレンオキシド)(PPO)、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジメチルシロキサン-コアルキルメチルシロキサン、それらのコポリマー、および/またはそれらの混合物を含むことができる。一部の実施形態では、ポリマーバインダーは、繊維化可能なポリマーを含む。
【0044】
一部の実施形態では、ポリマーバインダーは、PTFEおよび任意選択で1つまたは複数の追加のポリマー成分を含むことができる。一部の実施形態では、ポリマーバインダーは、1つまたはそれ以上のポリオレフィンおよび/またはそれらのコポリマー、ならびにPTFEを含み得る。一部の実施形態では、ポリマーバインダーは、PTFEおよびフルオロポリマー、セルロース、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエーテルの前駆体、ポリシロキサン、それらのコポリマー、および/またはそれらの混合物のうちの1つまたはそれ以上を含み得る。ポリマーの混合物は、前述のポリマーまたはコポリマーの相互浸透ネットワークを含み得る。一部の実施形態では、ポリマーは、PTFEを含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。
【0045】
例えば、ポリマー分散液は、PTFEを含む、本質的にそれからなる、またはそれからなるポリマーバインダーの超臨界二酸化炭素ベースの分散液であり得る。一部の実施形態では、ポリマー分散液は、超臨界二酸化炭素中のPTFEの溶液である。一部の実施形態
では、ポリマー分散液は懸濁液であってよい。さらなる実施形態では、ポリマー分散液は溶液であってよい。さらに別の実施形態では、ポリマーは流体に溶解しない場合がある。
【0046】
ブロック204において、電極膜混合物の第2成分が提供される。ブロック204において、電極膜混合物の第2の電極膜混合物成分は、第1の電極膜混合物成分に対して、別個に提供されてもよい。ブロック204は、第2成分をミキサーの第2の入口に提供すること、および任意で第2の入口を介してミキサーに提供することを含むことができる。したがって、第1および第2の電極膜混合物成分は、それらがミキサー内にあるまで、互いに分離したままであり得る。一般に、第1の入口および第2の入口は、それぞれ第1供給源および第2供給源の下流の成分であり、ミキサーとの流体接続を提供する。ブロック204は、異なる時間に(例えば、前に)または同時に、第2のコンポーネントを提供することを含むことができる。一般に、ポリマー分散体の温度および圧力は、流体をポリマーの分散に適した流動可能な状態に維持するために制御されるべきである。例えば、一部の実施形態では、流体は、相変化を防止するように温度および/または圧力制御されるべきである。特定の実施形態では、流体は、流体がガスまたは固体を形成するのを防止するように温度および圧力が制御されるべきである。一部の実施形態では、第2の成分を提供することは、第2の成分を、スクリューフィーダーを通して、空気圧で、手動で、または第2の入口を通して粒子状材料を供給するように構成された別の装置を通して供給することを含む。
【0047】
一般に、第2成分は、ブロック202のポリマーバインダーとは異なる材料である。一部の実施形態では、第2成分は粒子を含む。一部の実施形態では、粒子は、溶媒を含まない乾燥粒子であってよい。第2成分は、活性電極材料を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなることができる。例えば、第2成分は、活性電極材料の乾燥粒子を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなってもよい。一部の実施形態では、第2の成分は、電気二重層コンデンサのカソードまたはアノードの活性電極材料を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。一部の実施形態では、第2の成分は、リチウムイオンコンデンサのカソードまたはアノードの活性電極材料を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。
【0048】
一部の実施形態では、第2の成分は、電池、例えば、リチウムイオン電池のカソードまたはアノードの活性電極材料を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。一部の実施形態では、第2成分は、炭素を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。一部の実施形態では、炭素は、グラファイト、ソフトカーボンおよび/またはハードカーボンを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなることができる。一部の実施形態では、炭素は、活性炭を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。一部の実施形態では、第2成分は、リチウム金属酸化物を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。例えば、第2の成分は、アノードまたはカソード電池活材料を含み得る。
【0049】
アノード活性材料は、例えば、挿入材料(炭素、グラファイト、および/またはグラフェンなど)、合金化/非合金化材料(シリコン、酸化ケイ素、スズ、および/または酸化スズなど)金属合金または化合物(Si-Al、および/またはSi-Snなど)、および/または
変換材料(酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニッケル、および/または酸化銅など)を含むことができる。アノード活物質は、単独で、または混合して使用され、多相材料(Si-C、Sn-C、SiOx-C、SnOx-C、Si-Sn、Si-SiOx、Sn-SnOx、Si- SiOx-C、Sn-SnOx-C、Si-Sn-C、SiOx-SnOx-C、Si-SiOx-Sn、またはSn-SiOx-SnOx)が形成される。
【0050】
カソード活性物質は、硫黄または硫化リチウム(L12S)などの硫黄を含む材料、または他の硫黄ベースの材料、またはそれらの混合物を含むことができる。一部の実施形態
では、カソード膜は、硫黄または硫黄活性材料を少なくとも50重量%の濃度で含む材料を含む。一部の実施形態では、硫黄または硫黄活性材料を含む材料を含むカソード膜は、少なくとも10mAh/cmの面積容量を有する。一部の実施形態では、硫黄または硫黄活物質を含む材料を含むカソード膜は、1g/cmの電極膜密度を有する。一部の実施形態では、硫黄または硫黄活性材料を含む材料を含むカソード膜は、バインダーをさらに含む。一部の実施形態では、硫黄または硫黄活性材料を含む材料を含むカソード膜のバインダーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリアクリル酸から選択される(PAA)、ゼラチン、他の熱可塑性樹脂、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0051】
ブロック206では、ポリマー分散液を第2成分と組み合わせて、スラリーを形成する。ポリマー分散液および電極膜混合物の第2成分を含むスラリーを形成することができる。スラリーは、ポリマーと第2の電極成分が密接に接触している組成物を形成するのに適した任意の方法を使用して形成することができる。混合は、ミキサーで行われ得る。一般に、組み合わせは、第2成分とポリマーとの間の密接な接触を提供するのに十分であるべきである。特定の実施形態において、スラリーは、流体中に分散された第2成分の粒子を含み得る。例えば、スラリーは、臨界または超臨界流体によって運ばれるコロイドとしての第2の電極成分と、臨界または超臨界流体内の溶液としてのポリマーとを含み得る。ポリマー分散液をミキサーに供給して、ポリマー分散液をミキサー内に分配して、密接な接触を達成することができる。一般に、臨界流体または超臨界流体は、ブロック206のステップでその相を保持する。一部の実施形態では、スラリーは、有機溶媒などの処理溶媒を含まない。
【0052】
ブロック208では、ポリマー分散液の流体部分が蒸発し得る。例えば、ポリマー分散液の流体部分は、蒸発させるのに十分な量のスラリーを増加させることおよび/またはスラリーの圧力を低下させることによって蒸発できる。ポリマー分散液の流体部分は、例えば適切に構成された減圧器内で、そのような蒸発を提供するのに十分な方法でスラリーを処理することによって蒸発することができる。したがって、臨界流体または超臨界流体を蒸発させるために、スラリーを減圧することができる。例えば、分散液の流体部分が蒸発して、乾燥ポリマーが生じることがある。一部の実施形態では、スラリーは、スラリーの表面積および/または体積を増加させるように構成された1つまたは複数の成分によって処理することができる。そして、ポリマー分散液の流体部分の蒸発を促進する。例えば、スラリーは、ポリマー分散液の流体部分の気化を促進するために、ポリマー分散液の表面積および/または体積を増加させ、ポリマー分散液を分配するために、オリフィスまたはアパーチャを通して流すことができる。オリフィスまたはアパーチャは、スラリーを減圧器に流すように構成することができる。したがって、オリフィスは、表面積を増大させ、ポリマー分散液の流体部分を減圧器の内部容積に拡張するように構成され得る。スラリーの減圧は、スラリーの流体が急速に減圧されるように行うことができる。一部の実施形態では、減圧器の1つまたは複数の成分を、加熱された流動化空気で直接または間接的に加熱して、液滴が曝される温度を制御して、ポリマー分散液の流体部分の所望の蒸発を達成することができる。減圧器の圧力は、ミキサーの圧力より低くてもよい。減圧器の1つまたはそれ以上の成分の圧力および/または温度は、減圧器内の流体の膨張を制御するように制御され得る。一部の実施形態では、減圧器の1つまたは複数の側壁を加熱することができる。一部の実施形態では、オリフィスを加熱することができる。ポリマー分散液を減圧して、ポリマー分散液の流体部分を蒸発させて、乾燥ポリマーを提供することができる。したがって、蒸発ステップ208は、その前、その間、および/またはポリマー分散液がコーティングチャンバーに導入(例えば、噴霧)された後に、ポリマー分散液を加熱することを含み得る。ポリマー分散液を蒸発させる他の方法には、例えば、減圧器の壁を直接的または間接的に加熱することが含まれる。
【0053】
蒸発ステップ208の結果として、ポリマーが第2の電極混合物成分上に堆積され、乾燥電極膜混合物が形成される。一部の実施形態では、第2の電極膜混合物成分は、ポリマーでコーティングされる。例えば、ポリマー分散液の流体部分を気化させ、ポリマーを第2の成分上に堆積させることは、第2の成分がドライポリマーによってコーティングされ得るように、減圧器内で同一の広がりで実行され得る。一部の実施形態では、乾燥ポリマーでコーティングされた乾燥した第2の電極膜混合物成分は、濾過格納容器などの収集容器に収集されてもよい。
【0054】
本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、ポリマー分散液は、本明細書で提供されるポリマーバインダーを含む分散液である。本明細書で説明されるように、一部の実施形態では、第2成分はグラファイトを含む。一部の実施形態では、グラファイトの乾燥粒子を含む乾燥粉末を第2の入口に供給してもよく、グラファイトはポリマー分散液と組み合わせることができる。
【0055】
一部の実施形態では、第2成分の粒子は、最小サイズよりも大きい。一部の実施形態では、粒子は、直径、長さ、または最長寸法など、約3ミクロン(μm)を超える寸法を有し得る。一部の実施形態では、第2成分のおおよその粒子サイズは、約3ミクロン、約4ミクロン、約5ミクロン、約6ミクロン、約7ミクロン、約8ミクロン、約9ミクロン、約10ミクロン、またはその間の値の任意の範囲であり得る。一部の実施形態では、ポリマーは、ポリマー分散液中の流体の蒸発時に粒子を形成することができる。さらなる実施形態では、液滴は、最大サイズ以下であり得る。一部の実施形態では、ポリマー粒子は霧化粒子である。様々な実施形態では、ポリマー粒子サイズは、例えば、0.01~0.1ミクロンであり得る。一部の実施形態では、ポリマーのおおよその粒子サイズは、約0.01ミクロン、約0.03ミクロン、約0.05ミクロン、約0.1ミクロン、約0.2ミクロン、約0.3ミクロン、約0.5ミクロン、約0.7ミクロン、約1ミクロン、またはその間の値の任意の範囲でありうる。ポリマーがPTFEである場合、粒子サイズは典型的には約0.1から0.2ミクロンであり得る。オリフィスは、粒子サイズを部分的に制御するように構成することができる。ポリマー粒子サイズに影響を与える可能性がある他の要因には、溶液または分散液中のポリマーの濃度が含まれ、非溶液分散液の場合は、その中のポリマー粒子サイズによる。
【0056】
図3は、急速減圧プロセスが使用される、電極膜混合物を製造するための装置300の別の例の概略図である。例えば、図2を参照して説明されたプロセス200は、図3の装置300を使用して実行され得る。装置300は、臨界または超臨界流体中に分散したポリマーを含むポリマー分散源302を含み得る。装置300は、第2の電極膜混合物成分源304、ミキサー306、減圧器308および収集容器310を含むことができる。図3に示すように、ポリマー分散源302および第2の電極膜混合物成分源304は、ミキサー306との流体連通できる。例えば、供給源302からのポリマー分散液および供給源304からの第2の電極膜混合物成分は、スラリーが形成されるように、ミキサー306によって受容され得る。第2の電極膜混合物成分は、粉末送達方法を使用して、ミキサー306にバッチ装填するか、または第2供給源304からの第2の入口などの開口部を通して実質的に連続的に供給することができる。粉末送達方法は、例えば、スクリューフィーダーであり得る。ポリマー分散物302は、任意で追加の混合成分を含んでもよい。追加の混合成分は、例えば、本明細書で提供されるような第3の電極膜混合成分であってもよい。
【0057】
スラリーは、減圧器308内で体積膨張を受けることがある。体積膨張の結果として、スラリーの臨界または超臨界流体部分の蒸発が起こり得る。例えば、臨界流体または超臨界流体は、減圧器308によって蒸発して、乾燥ポリマーおよび乾燥第2電極膜混合物成
分を提供できる。一部の実施形態では、スラリーは、ポリマー分散体の流体部分が蒸発して、乾燥ポリマーまたはその粒子を提供することができるように、減圧器308内で液滴として分散し得る。臨界流体または超臨界流体が蒸発すると、乾燥ポリマーは、乾燥した第2の電極膜混合物成分をコーティングすることができる。一部の実施形態では、ドライポリマーでコーティングされた第2の電極膜混合物成分は、収集容器310に収集することができる。
【0058】
一部の実施形態では、減圧器308および収集容器310は、共通の領域を有し得る。例えば、減圧器308および収集容器310は、単一の成分または容積であり得る。一部の実施形態では、減圧器308およびミキサー306は、共通の領域を有し得る。例えば、減圧器308およびミキサー306は、ポリマー分散液および第2の電極膜混合物成分の両方が混合され、共通の容積内で減圧される単一の成分または容積であってもよい。
【0059】
一部の実施形態では、臨界流体または超臨界流体が膨張できるように、第1の体積からオリフィスを通って第1の体積よりもかなり大きい第2の体積にスラリーを通過させることによって、スラリーを減圧器308で減圧してもよい。一部の実施形態では、第1のボリュームは、例えば、チューブとしてダクトを含み得る。一部の実施形態では、第2の容積は、例えば、濾過格納容器であり得る収集容器310を含み得る。例えば、スラリーは、ダクトの第1の端部からダクトの第2の端部までダクトを通過することができ、第2の端部はオリフィスに結合される。乾燥ポリマーは、濾過格納容器内の電極膜混合物の第2成分をコーティングすることができる。
【0060】
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたはそれ以上の電極膜混合物は、1つまたはそれ以上の他の電極膜成分と組み合わされ、続いてカレンダー加工されて電極膜を形成してもよい。電極膜は、図1を参照して説明された1つまたはそれ以上の電極膜であってもよい。電極膜は、エネルギー貯蔵装置に組み込まれてもよい。
【0061】
さらに、図2のプロセスおよび図3の装置の代替実施形態が本明細書で企図される。例えば、第2の電極膜成分およびポリマー分散液は、別々に(同時にまたは順次に)減圧チャンバーに導入されてもよい。あるいは、第2の電極膜成分およびポリマー分散液のスラリーを、第3の電極膜成分とともに減圧チャンバーに別々に導入して、第2および第3の成分のそれぞれをポリマーでコーティングしてもよい。
【0062】
本発明は、特定の実施形態および実施例の文脈で開示されてきたが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または本発明の使用、および明らかな改変とその同等物にまで及ぶことが当業者に理解される。さらに、本発明の実施形態のいくつかの変形を示し、詳細に説明してきたが、本発明の範囲内にある他の修正は、この開示に基づいて当業者には容易に明らかになるであろう。実施形態の特定の特徴および態様の様々な組み合わせまたは部分的な組み合わせがなされてもよく、それでも本発明の範囲内にあることも企図される。開示された発明の実施形態の様々なモードを形成するために、開示された実施形態の様々な特徴および態様を互いに組み合わせる、または置き換えることができることを理解されたい。したがって、本明細書で開示される本発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。
【0063】
本明細書で提供される見出しは、もしあれば、便宜上のものであり、必ずしも本明細書で開示される装置および方法の範囲または意味に影響を与えるわけではない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
以上説明したように、本開示は、電気特性が改善された乾式電極膜、およびその製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0065】
100 エネルギー貯蔵装置
302 ポリマー分散源
304 第2供給源
306 ミキサー
308 減圧器
310 収集容器
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成するための装置であって、
ポリマー分散液を含み、該ポリマー分散液は、ポリマーバインダーと、臨界または超臨界の流体とを含み、該ポリマーバインダーは、エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第1成分である第1供給源と、
前記エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第2成分を含む第2供給源と、
ミキサー容積、第1の入口及び第2の入口を含み、前記第1供給源から前記第1の入口を通って前記ミキサー容積内に入る前記ポリマー分散液および前記第2供給源から前記第2の入口を通って前記ミキサー容積内に入る前記第2成分を受け取り、前記ミキサー容積内で前記ポリマー分散液および前記第2成分を含むスラリーを形成するように構成され、前記第1供給源および前記第2供給源は異なる供給源であるミキサーと、
減圧器容積内で、前記スラリーを受け取って減圧するように構成され、さらに前記臨界または超臨界の流体を蒸発させて、乾燥ポリマーバインダーを第2成分上に堆積させるように構成された減圧器とを含む
エネルギー貯蔵装置の電極製造装置。
【請求項2】
前記第2成分が、粒子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2成分が、炭素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2成分が、活性電極材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2成分が、グラファイトを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2成分が、電池のカソード活性材料を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第2成分が、リチウム金属酸化物を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記活性電極材料は、硫黄および硫黄を含む材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記超臨界の流体が超臨界二酸化炭素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ポリマー分散液が、前記臨界または超臨界の流体中のポリマーバインダーの溶液を含む、請求項1記載
の装置。
【請求項11】
前記ポリマーバインダーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
乾燥ポリマーバインダーを受け入れるように構成された収集容器をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
収集容器が濾過格納容器を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記減圧器がオリフィスを含み、前記減圧器が前記スラリーを前記オリフィスに通して前記スラリーを減圧して前記流体を蒸発させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ミキサー容積および前記減圧器容積が共通容積を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物を形成する方法であって、
ミキサー容積、第1の入口および第2の入口を含むミキサーを提供することと、
臨界または超臨界の流体に分散されたポリマーバインダーを含むポリマー分散液を、第1供給源から前記第1の入口を通って前記ミキサー容積へ提供することと、
エネルギー貯蔵装置の電極膜混合物の第2成分を、第2供給源から前記第2の入口を通って前記ミキサー容積へ提供することと、
前記ミキサーを作動させ、前記ポリマー分散液および前記第2成分を含むスラリーを前記ミキサー容積内に形成することと、
臨界または超臨界流体を蒸発させ、乾燥ポリマーバインダーを第2成分上に堆積させるためにスラリーを減圧することを含む
エネルギー貯蔵装置の電極製造方法。
【請求項17】
前記第2成分が、粒子を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記乾燥ポリマーバインダーで前記第2成分をコーティングすることをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第2成分が、炭素を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第2成分が、電極の活性材料を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記活性材料が、グラファイトを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記活性材料が、リチウム金属酸化物を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記活性材料が、硫黄および硫黄を含む材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリマーバインダーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記流体が超臨界二酸化炭素である、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
前記スラリーを減圧することは、前記スラリーをオリフィスに通すことを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリマーバインダーを堆積させることが、前記第2成分を乾燥ポリマーバインダーでコーティングすることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
コーティングされた第2成分を収集容器に受け入れることをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
収集容器が濾過格納容器を含む、請求項28に記載の方法。