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特開2023-22171sp2炭素含有材料を内部に有する樹脂層を含む熱放出性の低い高強度の部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022171
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】sp2炭素含有材料を内部に有する樹脂層を含む熱放出性の低い高強度の部材
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/26 20060101AFI20230207BHJP
   C01B 32/168 20170101ALI20230207BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
B32B3/26 A
C01B32/168
B32B5/28 A
【審査請求】有
【請求項の数】50
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022188002
(22)【出願日】2022-11-25
(62)【分割の表示】P 2021527244の分割
【原出願日】2019-11-19
(31)【優先権主張番号】62/769,452
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516363053
【氏名又は名称】ブライト ライト ストラクチャーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アントニー ドッドワース
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複合部材および複合部材を形成するための方法を提供する。
【解決手段】本明細書に開示されている実施形態は、sp炭素含有材料を内部に有する少なくとも1つのポリマー層を含む熱放出性の低い高強度の部材に関する。一実施形態では、複合サンドイッチ構造体が開示されている。複合サンドイッチ構造体は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層から実質的に反対側でコア上に配置された第3のポリマー層を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、
前記第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、
前記第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、
前記第2のポリマー層から実質的に反対側で前記コア上に配置された第3のポリマー層と
を含む、複合サンドイッチ構造体。
【請求項2】
前記sp炭素含有材料が、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、またはフラーレンのうちの1つ以上を含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項3】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層の10重量%未満である、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項4】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層の4重量%未満である、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項5】
前記第1のポリマー層が、複数のガラス繊維を含み、
前記第2のポリマー層が、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み、かつ
前記第3のポリマー層が、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含む、
請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項6】
前記複数のセルが、複数のポリエーテルイミドセルを含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項7】
70kW分/m未満の熱放出を有する、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項8】
前記sp炭素含有材料が、グラフェンフレークを含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項9】
前記第1のポリマー層が、ガラス繊維シートを含み、かつ
前記sp炭素含有材料が、前記ガラス繊維シートにその外向き部分で結合された複数のグラフェンフレークを含む、
請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項10】
前記複数のグラフェンフレークが、第1のポリマー層の主軸に対して平行な方向に配向されている、請求項9記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項11】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層全体にわたって均一に分布した単層カーボンチューブを含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項12】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層全体にわたってその内側部分よりもその外側部分においてより高い重量パーセントで分布した単層カーボンチューブを含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項13】
前記第1のポリマー層が、80グラム/平方メートル(「gsm」)の密度を有する第1の複数のガラス繊維、エポキシ-ポリウレタン樹脂、およびグラフェンフレークを含み、
前記第2のポリマー層が、220gsmの密度を有する第2の複数のガラス繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含み、かつ
前記第3のポリマー層が、300gsmの密度を有する複数の炭素繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含む、
請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項14】
前記複数のセルが、平行にまとめて接合された複数のチューブを含む、請求項13記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項15】
前記複数のセルが、ポリメタクリルイミドベースのフォームを含む、請求項13記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項16】
前記第1のポリマー層の上に配置された塗料をさらに含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項17】
前記第1のポリマー層の上に配置された高温熱可塑性層をさらに含む、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項18】
前記高温熱可塑性層が、ポリエーテルイミド層を含む、請求項17記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項19】
車体パネル、シート部材、車両用内装パネル、または収納コンテナ用パネルとして成形されている、請求項1記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項20】
高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層と、
前記熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、
第2のポリマー層と、
前記第1のポリマー層と前記第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと
を含む、複合サンドイッチ構造体。
【請求項21】
前記熱可塑性層が、複数のガラス繊維およびポリエーテルイミド樹脂を含み、
前記第1のポリマー層が、複数のガラス繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含み、かつ
前記第2のポリマー層が、複数の炭素繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含む、
請求項20記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項22】
sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層全体にわたって実質的に均一に分布している、請求項20記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項23】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層全体にわたってその内側部分よりもその外側部分においてより高い重量パーセントで分布している、請求項20記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項24】
sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、
前記第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、
前記第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、
前記コアの下に配置された第3のポリマー層と、
前記第3のポリマー層の下に配置された、前記sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層と
を含む、複合サンドイッチ構造体。
【請求項25】
前記第1のポリマー層が、複数のガラス繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含み、
前記第2のポリマー層が、複数の炭素繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含み、
前記第3のポリマー層が、複数のガラス繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含み、かつ
前記第4のポリマー層が、複数のガラス繊維およびエポキシ-ポリウレタン樹脂を含む、
請求項24記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項26】
sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層および前記第4のポリマー層全体にわたって実質的に均一に分布している、請求項24記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項27】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層および前記第4のポリマー層全体にわたってその内向き部分よりも外側部分においてより高い重量パーセントで分布している、請求項24記載の複合サンドイッチ構造体。
【請求項28】
複合材の製造方法であって、
sp炭素含有材料を内部に有する第1のポリマー層と、
前記第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、
前記第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、
前記第2のポリマー層から実質的に反対側でコア上に配置された第3のポリマー層と
を含む積層体を形成するステップと、
前記積層体を金型内でプレスするステップと、
前記積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項29】
積層体を形成するステップが、
前記sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に実質的に均等に分布したポリマー樹脂混合物を形成するステップと、
前記ポリマー樹脂混合物をガラス繊維織物に塗布して、前記第1のポリマー層を形成するステップと
を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
積層体を形成するステップが、
前記sp炭素含有材料を前記第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させるステップと、
ポリマー樹脂を前記複数の繊維およびその内部のsp炭素含有材料に塗布するステップと
を含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記sp炭素含有材料を前記第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させるステップが、蒸着により前記sp炭素含有材料をガラス繊維織物の第1の側で成長させるステップを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記sp炭素含有材料が、グラフェンフレークが含み、かつ
前記sp炭素含有材料を前記第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させるステップが、第1のポリマー層の主軸に対して平行な方向に前記グラフェンフレークを配向させるステップを含む、
請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記sp炭素含有材料が、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、またはグラフェンフレークのうちの1つ以上を含む、請求項28記載の方法。
【請求項34】
前記sp炭素含有材料が、前記第1のポリマー層の10重量%未満である、請求項28記載の方法。
【請求項35】
前記複数のセルが、平行にまとめて接合された複数のチューブを含む、請求項28記載の方法。
【請求項36】
前記複数のセルが、ポリメタクリルイミドベースのフォームを含む、請求項28記載の方法。
【請求項37】
前記第1のポリマー層が、複数のガラス繊維を含み、
前記第2のポリマー層が、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み、かつ
前記第3のポリマー層が、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含む、
請求項28記載の方法。
【請求項38】
前記第1のポリマー層が、80グラム/平方メートル(「gsm」)の密度を有する第1の複数のガラス繊維および前記sp炭素含有材料を含み、
前記第2のポリマー層が、220gsmの密度を有する第2の複数のガラス繊維を含み、
前記第3のポリマー層が、300gsmの密度を有する複数の炭素繊維を含み、かつ
積層体を形成するステップが、エポキシ-ポリウレタン樹脂を、前記第1の複数のガラス繊維、前記第2の複数のガラス繊維、または前記複数の炭素繊維のうちの1つ以上に塗布するステップを含む、
請求項28記載の方法。
【請求項39】
前記複合サンドイッチが、70kW分/m未満の熱放出を有する、請求項28記載の方法。
【請求項40】
積層体を形成するステップが、高温熱可塑性層を前記第1のポリマー層の上に配置するステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項41】
前記高温熱可塑性層が、ポリエーテルイミド樹脂を含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記積層体を金型内でプレスするステップが、前記積層体を加熱された金型内でプレスするステップを含む、請求項28記載の方法。
【請求項43】
前記積層体を硬化させて前記複合サンドイッチを形成するステップが、前記積層体を前記金型内でプレスしながら前記積層体を加熱するステップ、または前記積層体を前記金型内でプレスした後に前記積層体を周囲温度まで冷却するステップのうちの1つ以上を含む、請求項28記載の方法。
【請求項44】
複合材の製造方法であって、
高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層と、
前記熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、
第2のポリマー層と、
前記第1のポリマー層と前記第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと
を含む積層体を形成するステップと、
前記積層体を金型内でプレスするステップと、
前記積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項45】
前記熱可塑性層が、第1の複数のガラス繊維上に配置されたポリエーテルイミド樹脂を含み、
前記第1のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中の第2の複数のガラス繊維を含み、前記sp炭素含有材料が、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、またはグラフェンフレークのうちの1つ以上を含み、
前記第2のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中に配置された第3の複数のガラス繊維または炭素繊維のうちの1つ以上を含み、かつ
前記複数のセルが、平行にまとめて接合された複数のチューブ、またはポリメタクリルイミドベースのフォームのうちの1つ以上を含む、
請求項44記載の方法。
【請求項46】
複合材の製造方法であって、
sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、
前記第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、
前記第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、
前記コアの下に配置された第3のポリマー層と、
sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層と
を含む積層体を形成するステップと、
前記積層体を金型内でプレスするステップと、
前記積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップと
を含む、方法。
【請求項47】
前記第1のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中の第1の複数のガラス繊維を含み、前記sp炭素含有材料が、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、またはグラフェンフレークのうちの1つ以上を含み、
前記第2のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中に配置された第2の複数のガラス繊維または第1の複数の炭素繊維を含み、
前記複数のセルが、平行にまとめて接合された複数のチューブ、またはポリメタクリルイミドベースのフォームのうちの1つ以上を含み、
前記第3のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中に配置された第3の複数のガラス繊維または第2の複数の炭素繊維を含み、かつ
前記第4のポリマー層が、エポキシ-ポリウレタン樹脂中の第1の複数のガラス繊維を含み、前記sp炭素含有材料が、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、またはグラフェンフレークのうちの1つ以上を含む、
請求項46記載の方法。
【請求項48】
モノリス複合材の製造方法であって、
ポリマー樹脂と、複数の繊維と、sp炭素含有材料とが内部に配置された少なくとも1つのポリマー層を形成するステップと、
前記少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成するステップと、
前記少なくとも1つのポリマー層を硬化させるステップと
を含む、方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つのポリマー層が、ポリマー樹脂を含み、前記複数の繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、または高温熱可塑性繊維のうちの1つ以上を含む、請求項49記載の方法。
【請求項50】
複数の繊維と、
前記複数の繊維上に配置されたポリマー樹脂と、
前記複数の繊維に結合された、または前記ポリマー樹脂上に配置されたsp炭素含有材料と
を含む、モノリス複合材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年11月19日に出願された米国仮出願第62/769,452号に対する優先権を主張するものであり、その開示は、この参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0002】
背景技術
複合材は、モノリス構造部品と比較して、重量を大幅に削減し、燃料効率を改善し、かつ炭素排出量を削減することができる。複合材は、樹脂に埋め込まれた炭素繊維またはガラス繊維を含み得る。現在、複合部材は、多くの場合、樹脂トランスファー成形(RTM)、シート成形などを含む従来の成形プロセスによって製作されている。複合材は、予め含浸させた繊維(「プリプレグ」)からも形成することができ、プリプレグを硬化させるためにオーブンまたはオートクレーブを必要とする場合がある。伝統的に、繊維強化複合材は、いくつかの理由から、金属部材と比較してコスト競争力がない。
【0003】
複合部品は、その内部の1つ以上の材料に応じて、さまざまな熱放出値を呈する。熱放出は、複合部材を燃焼させて、部材の燃焼時に発生する熱量をモニタリングすることによって特定することができる。エポキシおよびエポキシ樹脂系は、一般に、燃焼してかなりの熱を放出する。一般に、比較的低い熱放出性を有する複合部材が望まれる場合、不活性であることから、フェノール樹脂が複合部材において使用される。
【0004】
製造業者は、複合部材を形成するための材料、低コストの工具、および製造技術を探し続けている。
【0005】
発明の概要
本明細書に開示されている実施形態は、sp炭素含有材料を内部に有する少なくとも1つのポリマー層を含む熱放出性の低い高強度の部材に関する。一実施形態では、複合サンドイッチ構造体が開示されている。複合サンドイッチ構造体は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層から実質的に反対側でコア上に配置された第3のポリマー層を含む。
【0006】
一実施形態では、複合サンドイッチ構造体が開示されている。複合サンドイッチ構造体は、高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層を含む。複合サンドイッチ構造体は、熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第1のポリマー層と第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。
【0007】
一実施形態では、複合サンドイッチ構造体が開示されている。複合サンドイッチ構造体は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。複合サンドイッチ構造体は、コアの下に配置された第3のポリマー層を含む。複合サンドイッチ構造体は、第3のポリマー層の下に配置された、sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層を含む。
【0008】
一実施形態では、複合材の製造方法が開示されている。この方法は、積層体を形成することを含む。積層体は、sp炭素含有材料を内部に有する第1のポリマー層を含む。積層体は、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層を含む。積層体は、第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。積層体は、第2のポリマー層から実質的に反対側でコア上に配置された第3のポリマー層を含む。この方法は、積層体を金型内でプレスすることを含む。この方法は、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成することを含む。
【0009】
一実施形態では、複合材の製造方法が開示されている。この方法は、積層体を形成することを含む。積層体は、高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層を含む。積層体は、熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。積層体は、第2のポリマー層を含む。積層体は、第1のポリマー層と第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。この方法は、積層体を金型内でプレスすることを含む。この方法は、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成することを含む。
【0010】
一実施形態では、複合材の製造方法が開示されている。この方法は、積層体を形成することを含む。積層体は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層を含む。積層体は、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層を含む。積層体は、第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアを含む。積層体は、コアの下に配置された第3のポリマー層を含む。積層体は、第3のポリマー層の下に配置された、sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層を含む。この方法は、積層体を金型内でプレスすることを含む。この方法は、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成することを含む。
【0011】
一実施形態では、モノリス複合材の製造方法が開示されている。この方法は、ポリマー樹脂と、複数の繊維と、sp炭素含有材料とが内部に配置された少なくとも1つのポリマー層を形成することを含む。この方法は、少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することを含む。この方法は、少なくとも1つのポリマー層を硬化させることを含む。
【0012】
一実施形態では、モノリス複合材が開示されている。モノリス複合材は、複数の繊維を含む。モノリス複合材は、複数の繊維上に配置されたポリマー樹脂を含む。モノリス複合材は、複数の繊維に結合された、またはポリマー樹脂上に配置されたsp炭素含有材料を含む。
【0013】
開示されているいずれかの実施形態からの特徴は、限定されることなく、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を考慮することによって、当業者に明らかになるであろう。
【0014】
図面には、本発明のいくつかの実施形態が図示されており、同一の参照番号は、図面に示される異なる図または実施形態における同一または類似の要素または特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態による複合サンドイッチの等角図である。
図2】一実施形態による図1の複合サンドイッチの等角分解図である。
図3】一実施形態による複合サンドイッチの断面図である。
図4】一実施形態による複合サンドイッチの断面図である。
図5】一実施形態による複合サンドイッチの断面図である。
図6】一実施形態によるモノリス複合材の断面図である。
図7】一実施形態によるシートバックの等角図である。
図8】一実施形態によるパネルの正面図である。
図9】一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法のフローチャートである。
図10】一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法のフローチャートである。
図11】一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法のフローチャートである。
図12】一実施形態によるモノリス複合材の製造方法のフローチャートである。
【0016】
詳細な説明
本明細書に開示されている実施形態は、第2のポリマー層に接合された第1のポリマー層を含む複合構造体に関する。より具体的には、実施形態は、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料(例えば、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンナノリボン、グラフェンスパイラル(graphene spirals)、パターン化グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、他の非ダイヤモンド炭素材料、またはそれらの組み合わせ)との組み合わせを含む第1のポリマー層、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料とを用いて繊維強化複合サンドイッチ構造体を形成するための装置および方法、ならびにポリマー樹脂とsp炭素含有材料とを含有する繊維強化複合構造体に関する。いくつかの例では、sp炭素含有材料は、sp炭素原子のみを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料は、sp炭素原子を少なくとも90%含み得る。本明細書に開示されている実施形態は、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、他の非ダイヤモンド炭素、またはそれらの組み合わせなどのsp炭素含有材料を利用するものとして説明されるが、ダイヤモンドのようなsp炭素含有炭素同素体を、樹脂層において使用するための炭素含有材料の追加的または代替的な供給源として使用してもよい。
【0017】
さらに、本明細書に開示されているsp炭素含有材料を含むポリマー層の多くの実施形態は、同じように配置されたポリマー層内にsp炭素含有材料を含まない同様の複合構造体に比べて、複合構造の熱放出(ピーク熱放出および平均熱放出の双方)を低減させることが見出された。現在、本発明者は、本明細書に開示されているポリマー樹脂および複合積層板構造体におけるsp炭素含有材料の比較的高い熱伝導率によって、吸収熱の伝達の遅延を伴った熱吸収がもたらされて、ピーク熱放出が非常に著しく低減されると考えている。例えば、熱がsp炭素含有材料に吸収されると、熱は、保持されて、主に面内で(例えば、グラフェンシートの面内で、またはカーボンナノチューブに沿って軸方向に)sp炭素含有材料を通って伝導するので、金属または純粋な樹脂層の場合と同じ速さでsp炭素含有材料の平面に放射状または垂直などに伝導または通過してsp炭素含有材料から出ることはない。したがって、sp炭素含有材料を有するポリマー層のピーク熱放出は少なくとも、sp炭素含有材料を有しない樹脂層よりも低い。また、sp炭素含有材料をポリマー層内に含めると、複合構造体中のポリマー層に接する別々のポリマー層の必要性、または有毒なフェノール材料の使用を排除して、自動車、ボート、鉄道車両、航空機の内装、任意の他の形態の大量輸送機関、または熱放出の制御が規制されるもしくは望まれる他の用途における使用に適した熱放出値をもたらすことができる。さらに、本明細書のポリマー層は、フェノール樹脂複合材よりも強度があるので、フェノール複合材よりも薄くてもよい。
【0018】
本発明者は、熱放出を遅延または低減させる手段として、複合積層板構造体中のアルミニウムを排除することが望ましいと見出した。アルミニウムは、熱をアルミニウム層内に伝導することによってアルミニウム層なしの複合積層板と比較して複合積層板の熱放出を低減させるために、(連続シートまたはメッシュとして)複合積層板において使用されている。しかしながら、複合積層板構造体中のアルミニウムによって、ポリマー層またはこれと接触している別のポリマー層において、気泡のような欠陥が引き起こされる可能性がある。例えば、現在、アルミニウムは、複合積層板の形成(例えば、成形、加熱、または硬化)中に、アルミニウム層と接触している樹脂と反応して、それによって、アルミニウム層と接触している樹脂層内に、ピンホール、ボイド、および他の欠陥が生じると考えられている。本明細書に開示されているsp炭素を含有する樹脂、層、および複合積層板は、アルミニウム(または他の金属)層を複合積層板構造体に追加することによって、生じるコスト、欠陥、および重量の問題を解決すると同時に、熱放出を安全面および規制面での熱放出性基準未満に低減させる。
【0019】
シャーシ;輸送機関もしくは車両(例えば、自転車、自動二輪車、ボート、車、トラック、電車、飛行機、他の形態の大量輸送機関など)の通信機器、フレーム、ボディ部品、または内装部材用のパネル;農業用途(例えば、農業機器)、エネルギー関連用途(例えば、風力、太陽光);衛星用途;航空宇宙用途(例えば、座席部材またはオーバーヘッドビンのような航空機の構造体または内装部材の一部);建設資材(例えば、建築資材など);ならびに消費者製品(例えば、家具、便座、および電子製品など)のような構造部材を製作するために、比較的低い熱放出値(例えば、60kW分/m未満、40kW分/m未満、または30kW分/m未満)を有する、軽量で、強度があり、かつ硬質の複合材を製造することが望ましい。規制または安全のガイドラインによって高い曲げ剛性、軽量性、および低い熱放出性が必要とされている場合、良好なエネルギー吸収性および熱放出値を有する軽量で強度のある複合部材を製造することが望ましい。これらの部材は、自動車、鉄道、航空機、または他の大量輸送機関の事故などにおいて、エネルギーを吸収するように設計され得る。安全上の理由から、これらの部材は、減衰特性またはエネルギー吸収特性をいくらか有するように設計され得る。積層板複合部材の1つ以上の層の樹脂中の少なくとも一部のsp炭素含有材料は、sp炭素含有材料を有しない樹脂を用いて形成された部材と比較して、引張強度または曲げ剛性の増加のような強度増加を部材に与えることができる。例えば、樹脂が最小量の単層カーボンナノチューブ(例えば、1重量%~4重量%)を含有する場合、得られる複合層の引張強度は、引張強度の著しい増加を呈する(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、または少なくとも14%の引張強度の増加)。sp炭素含有材料を内部に有する樹脂またはポリマー含有層を用いて形成された部材は、本明細書に開示されているように、高い曲げ剛性および低い熱放出性を有する複合サンドイッチ構造体を含み得る。
【0020】
図1は、一実施形態による複合サンドイッチ100の等角図である。複合サンドイッチ100は、塗料109の層またはコーティングと、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110と、コア120と、少なくとも1つのさらなるポリマー層130および/または140とを含み得る。さらなるポリマー層140は、複合スタックにおけるベース層であり得る。コア120は、さらなるポリマー層140の上に配置され得る。さらなるポリマー層130は、コア120の上に配置され得る。sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、さらなるポリマー層130の上に配置され得て、任意選択的な塗料109は、sp炭素含有材料110の上に配置され得る。
【0021】
少なくとも1つのさらなるポリマー層130または140と、sp炭素含有材料を有する1つ以上のポリマー層110と、コア120とが、積層板複合構造体において配置され得る。そのような例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110が、さらなるポリマー層130に直接接合され得る。多くの実施形態において、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の熱放出特性が増大していることを理由に、熱放出性基準を満たすためのアルミニウム層は、積層板複合構造体において必要ではない。したがって、いくつかの例では、積層板複合構造体は、sp炭素含有材料を有する1つ以上のポリマー層110と、内部に配置された1つ以上のさらなるポリマー層130または140とを含む。いくつかの例では、1つ以上の金属層(例えば、アルミニウム層または熱可塑性層)のような1つ以上の任意選択的なさらなる層が、積層板複合構造体に含まれる場合がある。
【0022】
図示されているように、塗料109は、複合サンドイッチ100の最外層であり得る。したがって、塗料109は、複合サンドイッチ100の最外表面112にあり得る。いくつかの例では、ビニール接着ステッカーを、塗料109と置き換えるか、またはこれに加えて使用して、複合サンドイッチ100の最外表面112を形成する場合がある。塗料109は、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110の上に配置され得る。
【0023】
sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110は、塗料109の層またはコーティングの下に配置され得る。sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110は、1つ以上のポリマー成分を内部に有するポリマー樹脂(硬化状態または非硬化状態)と、繊維シートと、sp炭素含有材料とを含み得る。sp炭素含有材料を有するポリマー層110(または本明細書に開示されている他のポリマー(例えば、熱硬化性樹脂含有)層)は、比較的低い粘度を有する1つ以上のポリマーと比較的高い粘度を有する1つ以上のポリマーとのポリマー樹脂混合物を含み得る。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、ポリウレタンおよびエポキシを含む熱硬化性樹脂のような熱硬化性樹脂を含み得る。ポリウレタン含有ポリマー樹脂によって、所望の曲げ抵抗、弾性、低粘度、さまざまな材料に接合する能力、または発泡能力(例えば、複合積層板構造体の形成中にマイクロフォームを形成する能力)のうちの1つ以上をポリマー樹脂に与えることができる。エポキシ含有ポリマーによって、所望のエネルギー吸収性または機械的破損プロファイル、例えば、部品の表面に平行な力ベクトルに沿った脆性破壊をポリマー樹脂に与えることができる。エポキシ含有ポリマーによって、得られる複合積層板に耐水(例えば、水密)特性を与えることができるか、または高含有量のポリウレタンまたはポリウレタンのみよりも良好な荷重伝達能力(例えば、より硬質な表面)を与えることができる。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層は、主に熱可塑性である成分の熱可塑性樹脂、例えば、高温熱可塑性樹脂を含み得る。
【0024】
ポリマー(熱硬化性)樹脂は、エポキシとポリウレタンとの液体ブレンドまたは混合物を含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂は、硬化剤またはハードナーを含む最大約50体積%のエポキシ、約20体積%までの第VIII族金属材料を含み得て、残りの体積はポリウレタンであり得る。エポキシは、混合されると、(例えば、熱的および/または化学的に)ポリウレタンと反応することができる。エポキシの量が特定量(例えば、約40体積%)を上回ると、不所望な反応が起こるおそれがあり、それによって、不所望な熱および/または制御されていない発泡が引き起こされる可能性がある。いくつかの例では、ポリマー層のポリマー樹脂は、約50体積%未満のエポキシ、例えば、約40体積%のエポキシ、約5体積%~約40体積%、約10体積%~約35体積%、約20体積%~約30体積%、約20体積%~約40体積%、約25体積%~約35体積%、約28体積%~約32体積%、約20体積%、約25体積%、約35体積%、または約30体積%のポリマー樹脂を含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂は、約30体積%未満のエポキシを含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂は、約20体積%未満のエポキシを含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂は、約10体積%未満のエポキシを含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂のポリウレタンとエポキシとの比は、約1:1以上、例えば、約2:1、約2.5:1、約3:1、約3.5:1、約4:1、約5:1、約7:1、または約9:1であり得る。
【0025】
いくつかの例では、ポリマー樹脂は、約50体積%超のエポキシを含み得て、残りはポリウレタンを含み得る。例えば、エポキシは、ポリマー樹脂の約25体積%~約75体積%(例えば、50体積%~75体積%)であり得て、ポリウレタンは、ポリマー樹脂の残りの少なくとも一部(例えば、25体積%~75体積%)を占め得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂は、エポキシのみ、ポリウレタンのみ、または前述のもののうちの1つをさらなる樹脂材料(例えば、さらなる熱硬化性物質または熱可塑性物質)と組み合わせたものを含み得る。
【0026】
いくつかの例では、ポリマー樹脂は、少なくとも1つの硬化剤またはハードナーを含み得て、ハードナーは、ポリマー樹脂の1つ以上の成分を硬化させるように構成され得る。例えば、ポリマー樹脂がエポキシおよびポリウレタンを含む場合、ポリマー樹脂は、エポキシまたはポリウレタンのうちの一方または双方のためのハードナーを含み得る。エポキシおよびポリウレタンに適切なハードナーとしては、本明細書に開示されているエポキシおよびポリウレタンを硬化させると知られているもののいずれかが挙げられ得る。例えば、少なくとも1つのハードナーとしては、エポキシ用のアミンベースのハードナーおよびポリウレタン用のポリイソシアネート含有ハードナーが挙げられ得る。硬化剤またはハードナーは、ポリマー樹脂またはその成分1部あたりの硬化剤またはハードナーの比が約1:100部~約1:3部で、ポリマー樹脂中に存在し得る。いくつかの実施形態では、ハードナーは、約50℃以上、例えば、約50℃~約150℃、約70℃~約120℃、または約70℃~約90℃、約90℃~約110℃、または約70℃以上で硬化を開始するように構成され得る。
【0027】
いくつかの例では、ポリマー樹脂はまた、1つ以上の熱硬化性物質と熱可塑性物質とのブレンド、例えば、エポキシ、ポリウレタン、および熱可塑性物質のうちの1つ以上からの混合物を含み得る。熱可塑性物質は、硬化した複合部品に靭性または弾性を与えるために含まれ得る。適切な熱可塑性物質は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくは別のポリアリールエーテルケトン、またはアクリルのうちの1つ以上を含み得る。熱可塑性物質は、ポリマー樹脂の約1体積%~約20体積%に相当し得る。例えば、エポキシは、ポリマー樹脂の約10体積%~約35体積%であり得て、熱可塑性物質は、ポリマー樹脂の約1体積%~約20体積%であり得て、ポリウレタンは、ポリマー樹脂の残りを占め得る。一例では、エポキシは、ポリマー樹脂の約25体積%~約35体積%であり得て、熱可塑性物質は、ポリマー樹脂の約3体積%~約15体積%であり得て、ポリウレタンは、ポリマー樹脂の残りを占め得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、ポリウレタンまたはエポキシは、1つ以上の難燃性成分を含み得る。例えば、ポリマー樹脂は、フェノールエポキシまたはその等価物を含み得る。
【0029】
ポリマー層のためのポリマー混合物は、室温で比較的低い粘度(例えば、約40mPa・s以下)を有し得る。いくつかの実施形態では、ポリマー樹脂は、少なくとも1つのハードナー、少なくとも1つの第VIII族金属材料、少なくとも1つのフィラー材料、または少なくとも1つの熱可塑性物質のうちの1つ以上をさらに含み得る。
【0030】
本明細書に開示されているポリマー層(例えば、ポリマー樹脂)は、比較的短い硬化時間を有し得る一方で、比較的低い収縮率(例えば、約3%未満)を呈し得る。本明細書で使用される場合、「硬化する」または「硬化した」という用語は、少なくとも部分的または完全に硬化するまたは硬化したという意味を含む。
【0031】
ポリウレタンとエポキシとの混合物のような、1つ以上のポリマー層内で使用されるポリマー樹脂は、その内部の1つ以上の物質の特性に基づいて、硬化後に耐水性であり得る。例えば、ポリウレタン/エポキシポリマー樹脂中のエポキシの量が約28体積%超(例えば、30体積%)である場合、ポリマー層は、実質的に耐水特性を呈し得る。
【0032】
さらに、ポリマー樹脂によってポリウレタンマイクロフォームが形成可能になり得て、それによって、そのようなポリマー樹脂含有層(例えば、熱硬化性層)がコア120と接触して配置される場合に、複合サンドイッチのコアへの複合積層板の接合を向上させることができる。本明細書のいくつかの例では、内部の1つ以上の成分(例えば、反応してマイクロフォームを形成するポリウレタン)などによって発泡の程度を選択することが、ポリマー層のポリマー樹脂において望まれる場合がある。ポリマー樹脂中のポリウレタンが発泡すると、フォーム(例えば、マイクロフォーム)は、隣接する構成要素(例えば、隣接する層の繊維またはコア120のセルもしくはチューブ)に浸透し、それによって、隣接する構成要素との化学的および機械的な接合のうちの一方または双方を形成することができる。そのような浸透は、コア120の開放端部で起こり得て、開放端部から内側への少なくとも部分的な浸透を含み得る。本開示に従って形成された複合積層板は、コア120が複数のプラスチックチューブを含む場合などに、コア120から剥離しないことが見出された。ポリマー樹脂は、隣接する層内のポリマー樹脂の発泡または混合などによって、隣接するポリマー層に同様に接合することができる。
【0033】
エポキシとポリウレタンとの間に不所望なまたは制御されていない反応(例えば、制御されていない発泡)を引き起こすのに十分なエポキシの体積パーセントまたは比は、第VIII族金属材料を樹脂に添加することによって変化し得る。第VIII族金属材料は、ポリマー樹脂中のエポキシとポリウレタンとの反応を安定化または仲介する役割を果たし得る。第VIII族金属材料としては、特に、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、これらのうちの1つ以上を含むセラミック(例えば、フェライト)、またはこれらのいずれかを含む合金が挙げられ得る。第VIII族金属材料は、ポリマー樹脂の20体積%以下、例えば、ポリマー樹脂の約0.1体積%~約20体積%、約0.5体積%~約10体積%、約1体積%~約5体積%、約2体積%、約3体積%、約4体積%未満、約15体積%未満、約10体積%未満、約5体積%未満、または約1体積%未満であり得る。第VIII族金属材料をポリマー樹脂に添加することによって、所望の表面硬さがもたらされるほどに、および/または実質的に水密の表面が作製されるほどに、内部のエポキシの量を増加させることができる。最終製品において水密性が望まれる場合、ポリマー樹脂は、約28体積%以上のエポキシ、例えば、約30体積%以上、約30体積%~約50体積%、約32体積%~約40体積%、または約35体積%のエポキシを含み得る。
【0034】
一例では、ポリマー(熱硬化性)樹脂は、ポリウレタン、エポキシ、および少なくとも1つのハードナーを含み得る。少なくとも1つのハードナーは、ポリマー樹脂の1つ以上の成分が硬化を開始するように構成され得る。特に、少なくとも1つのハードナーは、ポリマー樹脂の1つの成分のみが硬化するように構成され得る。適切なハードナーとしては、エポキシ用のアミンベースのハードナー、ポリウレタン用のポリイソシアネート含有ハードナー、または本明細書に開示されているポリマー樹脂の1つ以上の成分を硬化させるのに適した任意の他のハードナーが挙げられ得る。一例では、エポキシは、ポリマー樹脂の約10体積%~約35体積%であり得て、少なくとも1つのハードナーは、ポリマー樹脂またはその成分の約1:100~約1:3の体積比(例えば、ハードナーとエポキシとの比またはハードナーと樹脂との比は1:5)で存在し得て、ポリウレタンは、ポリマー樹脂の残りの少なくとも一部を占め得る。少なくとも1つのハードナーは、ポリマー樹脂を塗布するのに必要な時間に応じて、所望の時間で、例えば、約3時間以下、約2時間以下、約1時間以下、約30分以下、約20分以下、約15分以下、または約10分以下でポリマー樹脂を硬化させる(例えば、少なくとも部分的に硬化させる)のに十分な量で構成または使用され得る。
【0035】
いくつかの例では、硬化中の収縮を低減させるために、1つ以上のフィラーがポリマー樹脂混合物に添加され得る。そのようなフィラーとしては、炭酸カルシウム、三水酸化アルミニウム、アルミナ粉末、シリカ粉末、ケイ酸塩、金属粉末、または(ポリマー樹脂中において)任意の比較的不活性もしくは不溶性の塩のうちの1つ以上が挙げられ得る。いくつかの例では、フィラーは、ポリマー樹脂の体積の約30%以下、例えば、ポリマー樹脂の体積の約1%~約30%、約2%~約20%、約5%~約15%、約10%~約30%、約1%~約10%、0%超~約10%、約1%~約7%、約3%~約9%、約10%未満、または約25%であり得る。いくつかの例では、フィラーは、ポリマー樹脂の体積の約10%以上、例えば、約50%または約75%であり得る。そのようなフィラーは、より速い硬化時間を可能にし得る一方で、急速な硬化中に生じることが一般的な収縮を低減させることができる。例えば、本明細書に開示されているポリマー樹脂の硬化時間を、約6分以下、例えば、約3分以下、約90秒以下、約60秒、または約40秒に短縮することができる一方で、3体積%未満の収縮率を維持することができる。
【0036】
いくつかの例では、ポリマー層は、ポリマー層がポリマーとして機能する限り、例えば少量(例えば、50重量%または体積%未満)で、1つ以上の熱可塑性成分を内部に含み得る。例えば、sp炭素含有材料(例えば、グラフェン含有ポリマー樹脂)を有するポリマー層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、ポリフルオロエチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテレフタレート/ポリブチレンテレフタレート(PET/PBT)、他の高温熱可塑性物質(例えば、200℃超の融点を有する熱可塑性物質)、または200℃超の融点を有する前述のもののいずれかの誘導体のうちの1つ以上も含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンなどのような熱放出の比較的少ない材料を含み得る。熱可塑性物質は、液体または固体の形態で用意され得る。例えば、熱可塑性物質は、融点への加熱前は、粉末、結晶体、粒子、ビーズ、球体(pearls)、シート、棒、予め含浸させた繊維層(例えば、プリプレグ)などであり得る。いくつかの例では、熱可塑性物質は、熱可塑性物質の融点を上回るなどの液体形態で、またはポリマー溶液もしく樹脂で用意され得る。
【0037】
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、それらの混合物、または他のポリマー樹脂の特定の例が、sp炭素含有材料を有するポリマー層110またはsp炭素含有材料を有する複数の層における使用に関して先に説明されているが、通常、sp炭素含有材料を内部に有する層の形成には、任意の樹脂成分および混合物が使用されてもよいと理解されたい。例えば、複合積層板における1つの層は、熱可塑性エラストマー樹脂またはシリコーン樹脂とsp炭素含有材料とを有する繊維シートを含み得る。本明細書で具体的に挙げられるものとは異なるポリマー樹脂を使用して、sp炭素含有材料を内部に有する層のための樹脂を形成してもよい。
【0038】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、本明細書に開示されているsp炭素含有材料樹脂のいずれかまたはそれらの組み合わせを保持または支持する複数の繊維を含み得る。複数の繊維としては、繊維シート、繊維マット、繊維織物、繊維ウィーブ(fiber weave)、多層繊維シート、連続繊維、整列繊維、不連続繊維などが挙げられ得る。繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、熱硬化性繊維、または熱可塑性繊維、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、アラミド(例えば、メタアラミドまたはパラアラミド)などであり得る。通常、ガラス繊維と比較して費用がかかるが、ポリマー層に埋め込まれた熱可塑性材料を伸長させることが成形中に望まれる場合、熱可塑性繊維が望ましいであろう。特に、ガラス繊維および炭素繊維は、成形中に伸長しない。いくつかの例では、伸長に対するそのような抵抗が望まれる場合がある。いくつかの例では、複数の繊維としては、ガラス織物、ポリマー織物、または炭素繊維織物が挙げられ得る。織物は、非圧着織物(NCF)または織布であり得る。いくつかの例では、NCFは、二軸構成を有し得る(例えば、相対的な0°および90°の角度で配置された繊維)。二軸NCFは、二方向の強度および剛性と、柔軟な強度および剛性とを有する。NCFは、高荷重領域において、ポリマー樹脂のみよりも大きな引抜荷重または引張強度を与えることができる。NCFは、複合コアからのプリントスルー(print-through)を低減させることもできる。繊維織物は、1つ以上の繊維層を内部に有し得る。いくつかの例では、ガラス繊維は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110を形成する際に、炭素繊維よりも経済的な選択肢となり得る。さらに、ガラス繊維は、加熱およびプレスされる際に、熱可塑性繊維ほど変形し得ない(例えば、伸長し得ないまたは曲がり得ない)。例えば、複合積層板構造体中のプラスチック繊維は、成形/硬化プロセス中に、ガラス繊維よりもはるかに伸長し、かつ曲がるであろう。
【0039】
いくつかの例では、複数の繊維が、ポリマーマトリックス(例えば、ポリマー樹脂)に埋め込まれる場合がある。いくつかの例では、配向または整列した連続繊維は、不連続繊維よりも高い性能(例えば、より高い曲げ剛性)を有する場合があり、織られた繊維のような不連続繊維よりも審美的に魅力的であり得るが、コストがより高い。配向した連続繊維を含むsp炭素含有材料を有するポリマー層は、不連続繊維を含むsp炭素含有材料を有するポリマー層ほど伸長することができない。不連続繊維は、低コストの再生ガラス繊維、ポリマー繊維、または炭素繊維であり得る。例えば、樹脂トランスファー成形(RTM)または他の供給源からの廃棄物である再生炭素繊維が使用され得る。例えば、炭素繊維は、乾燥したNCF廃棄物から35mmの繊維に切断され、次いで、少なくとも約200g/mの面密度を有するランダム配向した繊維シートに形成され得る。
【0040】
いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内の複数の繊維は、約50g/m以上、80g/m以上、100g/m以上、例えば、約150g/m~約500g/m、約175g/m~約350g/m、約200g/m、約300g/m、または約500g/m未満の質量または重量を有し得る。いくつかの例では、複数の繊維は、複合材をさらに強化するために、さらなる繊維層(例えば、約300g/mの質量または重量を有するNCF)を含む場合がある。さらなる繊維層は、第1の層とは別になっていても、または第1の繊維層と同じポリマーマトリックスに埋め込まれていてもよい。
【0041】
ポリマー(例えば、熱硬化性)樹脂およびsp炭素含有材料は、噴霧または手作業での展延(例えば、こて、ローラ、ブラシ、またはへらによる)のうちの1つ以上によって、複数の繊維に塗布され得る、かつ/または埋め込まれ得る。ポリマー樹脂およびsp炭素含有材料は、金型(例えば、熱金型(heat mold))内などで複数の繊維内に押し込まれ得る。いくつかの例では、樹脂およびsp炭素含有材料は、固体(例えば、粉末)として複数の繊維に塗布され、その後、金型内などで溶融されて、複数の繊維に浸透する場合がある。いくつかの例では、樹脂は、プリプレグ繊維シートまたは織物としての複数の繊維内に存在する場合がある。そのような例では、選択した仕上がりまたは樹脂含有量をポリマー層に与えるために、噴霧または展延などによって、より多くの樹脂およびsp炭素含有材料がプリプレグに添加され得る。
【0042】
複数の繊維は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110(例えば、熱硬化性層)の少なくとも10重量%、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の10重量%~90重量%、20重量%~80重量%、30重量%~70重量%、40重量%~60重量%、10重量%~30重量%、30重量%~60重量%、60重量%~90重量%、33重量%~66重量%、63重量%~80重量%、90重量%未満、70重量%未満、50重量%未満、または30重量%未満を占め得る。ポリマー樹脂は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の少なくとも10重量%、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の10重量%~90重量%、20重量%~80重量%、30重量%~70重量%、40重量%~60重量%、10重量%~30重量%、30重量%~60重量%、60重量%~90重量%、90重量%未満、70重量%未満、50重量%未満、または30重量%未満を占め得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内で約33重量%未満の樹脂を使用し、残りがガラス繊維のような繊維を含むことが望ましい場合がある。そのような例では、外層内に約33重量%未満の樹脂を含有する複合サンドイッチ構造体の熱放出性は、非常に低くなり得る(例えば、30kW分/m未満)。
【0043】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110のsp炭素含有材料としては、グラフェンシート、グラフェンフレーク、カーボンナノチューブ(例えば、単層または多層カーボンナノチューブ)、グラフェンナノリボン、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン(例えば、グラフェンスプリング(graphene spring))、他の管状グラフェン構造体、フラーレン、他の非ダイヤモンド炭素、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。sp炭素含有材料は、1つ以上の熱硬化性成分を含む熱硬化性樹脂のような樹脂中に備えられ得るか、またはその中に存在し得る。例えば、ポリマー層は、熱硬化性樹脂中に混合された粉末中に入った、複数の繊維に結合された粉末中に入った、またはそれらの組み合わせである、グラフェンシートまたはスパイラル、単層ナノチューブ、多層ナノチューブなどを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー樹脂を、ガラス織物または炭素繊維ウィーブのような複数の繊維上に配置するか、またはその中に含浸させて、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層を形成する場合がある。いくつかの例では、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー樹脂は、ポリマー層全体を構成する場合がある(例えば、層内に複数の繊維がない場合)。
【0044】
いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、ポリマー樹脂全体にわたって実質的に均等に分布したsp炭素含有材料を内部に含む場合がある。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層は、ポリマー樹脂全体にわたって不均一に分布したsp炭素含有材料を内部に含む場合がある。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層は、ポリマー層の中心部分に比べてポリマー層の外側部分により重点的に分布したsp炭素含有材料を含む場合があり、そのような場合、sp炭素含有材料が、ポリマー層の最外部に選択的に配置されるか、または繊維シートが、sp炭素含有材料を有するポリマー樹脂中でコーティングされて、sp炭素含有材料を有するポリマー層が形成される。
【0045】
いくつかの例では、sp炭素含有材料は、ポリマー層または繊維シートの1つ以上の部分全体にわたって選択的に配置される場合がある。例えば、以下でより詳細に論じられるように、sp炭素含有材料を繊維シートの繊維(例えば、ガラス繊維または炭素繊維)上で成長させることができる。sp炭素含有材料が複数の繊維(例えば、ガラス繊維織物)に結合している例では、これに塗布された樹脂は、高温において複数の繊維から層剥離する場合がある。そのような例では、樹脂と、複数の繊維上に配置されたsp炭素含有材料との間の熱放出値の差(例えば、遅延されたピーク熱放出)によって、硬化した樹脂が、複数の繊維およびsp炭素含有材料から層剥離する場合がある。そのような層剥離は、燃焼している樹脂を消すことが可能であり得るので、望ましい場合がある。
【0046】
sp炭素含有材料は、繊維1平方メートルあたりに塗布されるポリマー樹脂の質量の少なくとも2重量%、例えば、繊維1平方メートルあたりに塗布される樹脂の質量の2重量%~4重量%、2重量%~6重量%、2重量%~8重量%、2重量%~10重量%、2重量%~15重量%、2重量%~20重量%、2重量%~30重量%、2重量%~40重量%、2重量%~50重量%、2重量%~75重量%、2重量%~90重量%、4重量%~6重量%、4重量%~8重量%、4重量%~10重量%、4重量%~15重量%、4重量%~20重量%、4重量%~30重量%、4重量%~40重量%、4重量%~50重量%、4重量%~75重量%、4重量%~90重量%、6重量%~8重量%、6重量%~10重量%、6重量%~15重量%、6重量%~20重量%、6重量%~30重量%、6重量%~40重量%、6重量%~50重量%、6重量%~75重量%、6重量%~90重量%、8重量%~10重量%、8重量%~15重量%、8重量%~20重量%、8重量%~30重量%、8重量%~40重量%、8重量%~50重量%、8重量%~75重量%、8重量%~90重量%、10重量%~15重量%、10重量%~20重量%、10重量%~30重量%、10重量%~40重量%、10重量%~50重量%、10重量%~75重量%、10重量%~90重量%、90重量%未満、75重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、または4重量%未満を占め得る。sp炭素含有材料は、ポリマー樹脂の体積全体にわたって、実質的に均等な分布でポリマー層のポリマー樹脂中に存在し得る。
【0047】
sp炭素含有材料は、本明細書に開示されている個々のポリマー層のいずれかの少なくとも2重量%、例えば、ポリマー層の2重量%~4重量%、2重量%~6重量%、2重量%~8重量%、2重量%~10重量%、2重量%~15重量%、2重量%~20重量%、2重量%~30重量%、2重量%~40重量%、2重量%~50重量%、2重量%~75重量%、2重量%~90重量%、4重量%~6重量%、4重量%~8重量%、4重量%~10重量%、4重量%~15重量%、4重量%~20重量%、4重量%~30重量%、4重量%~40重量%、4重量%~50重量%、4重量%~75重量%、4重量%~90重量%、6重量%~8重量%、6重量%~10重量%、6重量%~15重量%、6重量%~20重量%、6重量%~30重量%、6重量%~40重量%、6重量%~50重量%、6重量%~75重量%、6重量%~90重量%、8重量%~10重量%、8重量%~15重量%、8重量%~20重量%、8重量%~30重量%、8重量%~40重量%、8重量%~50重量%、8重量%~75重量%、8重量%~90重量%、10重量%~15重量%、10重量%~20重量%、10重量%~30重量%、10重量%~40重量%、10重量%~50重量%、10重量%~75重量%、10重量%~90重量%、90重量%未満、75重量%未満、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、8重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、または4重量%未満であり得る。
【0048】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、フェノール樹脂またはアルミニウム層を用いることなく、航空宇宙用途の熱放出性基準を満たすのに十分な構造強度および難燃性を複合積層板構造体に与える。
【0049】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110(例えば、第1のポリマー層)は、複合サンドイッチ100の最外表面112の最も近くに配置され得る。複合サンドイッチ100は、さらなるポリマー層130または140(例えば、第2および第3のポリマー層)のうちの1つ以上を含み得る。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、コア120の上方に配置され得る。そのような実施形態では、さらなるポリマー層130は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110とコア120との間に配置され得る。図示されているように、さらなるポリマー層140は、コア120の下に配置され得る。
【0050】
いくつかの例では、さらなるポリマー層130および/または140は、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と類似または同一であり得る。例えば、ポリマー層130または140は、ポリマー樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの混合物)、複数の繊維、繊維の種類、繊維の重量、sp炭素含有材料、ハードナー、触媒、フィラー、またはsp炭素含有材料を有するポリマー層110について本明細書に開示されている類似物のいずれか1つ以上を含み得る。ポリマー層130または140は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110について本明細書に開示されているsp炭素含有材料を有するポリマー層の寸法または特性のいずれかを含み得る。いくつかの例では、さらなるポリマー層130(例えば、第2のポリマー層)は、1つ以上の態様について、さらなるポリマー層140(例えば、第3のポリマー層)と類似または同一であり得る。いくつかの例では、さらなるポリマー層130は、1つ以上の態様について、さらなるポリマー層140とは異なり得る。例えば、さらなるポリマー層130のポリマー(例えば、熱硬化性)樹脂、ポリマー層内のポリマー樹脂の量、層厚、繊維の種類、繊維の重量、横方向の寸法、sp炭素含有材料の量などのうちの1つ以上は、さらなるポリマー層140の同じ態様とは異なり得る。
【0051】
さらなるポリマー層130および140のうちの1つ以上は、複数の繊維または本明細書に開示されているそれらの形態のいずれかを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内の複数の繊維は、1つ以上の態様について、任意のさらなるポリマー層130または140内の複数の繊維と類似または同一であり得る。例えば、少なくとも1つのさらなるポリマー層130または140内の複数の繊維、およびsp炭素含有材料を有するポリマー層110内の複数の繊維としては、ガラス繊維が挙げられ得る。いくつかの例では、さらなるポリマー層130または140内の複数の繊維は、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内の複数の繊維とは異なり得る。例えば、少なくとも1つのさらなるポリマー層130内の複数の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、熱硬化性繊維、または熱可塑性繊維が挙げられ得て、少なくとも1つのさらなるポリマー層140内の複数の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、熱硬化性炭素繊維、または熱可塑性炭素繊維が挙げられ得て、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内の複数の繊維としては、さらなるポリマー層130および140のうちの1つ以上において使用される繊維以外の繊維が挙げられ得る。
【0052】
複数の繊維は、本明細書に開示されている任意の個々のポリマー層の少なくとも10重量%、例えば、ポリマー層の10重量%~90重量%、20重量%~80重量%、30重量%~70重量%、40重量%~60重量%、10重量%~30重量%、30重量%~60重量%、60重量%~90重量%、33重量%~66重量%、63重量%~80重量%、90重量%未満、70重量%未満、50重量%未満、または30重量%未満を占め得る。ポリマー樹脂は、本明細書に開示されている任意の個々のポリマー層の少なくとも10重量%、例えば、ポリマー層の10重量%~90重量%、20重量%~80重量%、30重量%~70重量%、40重量%~60重量%、10重量%~30重量%、30重量%~60重量%、60重量%~90重量%、90重量%未満、70重量%未満、50重量%未満、または30重量%未満を占め得る。
【0053】
いくつかの例では、さらなるポリマー層130または140のうちの1つ以上は、1つ以上の態様について、例えば、材料組成(例えば、ポリマー樹脂の配合または量)、厚さ、繊維の重量もしくは種類、または任意の他の態様のうちの1つ以上について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110とは異なり得る。例えば、さらなるポリマー層130または140のうちの1つ以上は、sp炭素含有材料が内部に配置されていなくても、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内で使用されるポリマー樹脂とは異なるポリマー樹脂を含んでいても、またはsp炭素含有材料を有するポリマー層110よりも厚くてもよい。いくつかの例では、さらなるポリマー層130またはさらなるポリマー層140は、独立して、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの混合物を含む場合があり、これは、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110またはもう一方のさらなるポリマー層130もしくはさらなるポリマー層140のうちの1つ以上において使用されるポリマー樹脂とは異なる。例えば、さらなるポリマー層140が熱可塑性樹脂を含み得る一方で、さらなるポリマー層130またはsp炭素含有材料を有するポリマー層110のうちの1つ以上は、熱硬化性樹脂を含み得る。
【0054】
いくつかの例では、さらなるポリマー層130は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ-ポリウレタン混合物)および220g/mのガラス繊維シートを含み得る。さらなるポリマー層130は、コア120の上に配置されて、ポリマー樹脂を介してコア120に接合され得る。例えば、さらなるポリマー層130内の熱硬化性樹脂は、プロセス条件下で発泡(例えば、マイクロフォームを形成)することができ、フォームは、コア120に少なくとも部分的に浸透することができる。硬くなる(例えば、硬化する)と、熱硬化性樹脂は、コア120をさらなるポリマー層130に接合する役割を果たす。
【0055】
いくつかの例では、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110は、複合サンドイッチ100の最外層であり得る。sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、さらなるポリマー層130に結合され得る。例えば、さらなるポリマー層130のポリマー樹脂中のポリウレタンは、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の樹脂に接合され得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110を接合前に削って、まだ硬化していないさらなるポリマー層130に接合するための粗い表面を形成する場合があり、その逆も然りである。いくつかの例では、最外表面112のテクスチャは、sp炭素含有材料を有するポリマー層110のテクスチャを制御することなどによって、滑らかな外観、粗い外観、革の外観、または任意の他のテクスチャ外観のような所望の外観をもたらすように選択的に形成され得る。
【0056】
さらなる(第2の)ポリマー層130は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110に同一平面配向または平行配向などで、sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層110に直接接合され得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の横方向の寸法は、さらなるポリマー層130または140のうちの1つ以上と同一の広がりを有する場合がある。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の横方向の寸法は、さらなるポリマー層130または140のうちの1つ以上よりも大きい場合がある(それらの最大範囲を超えて延在する場合がある)。
【0057】
図1に示されるように、少なくとも1つのさらなるポリマー層130(例えば、第2のポリマー層)は、コア120の上に配置され得る。コア120は、発泡してコア120に少なくとも部分的に浸透するポリマー層からの熱硬化性樹脂などのポリマー樹脂によって、さらなるポリマー層130に結合され得る。コア120としては、「軟質」コアまたは「硬質」コア材料のうちの1つ以上が挙げられ得る。「硬質」コアは、コアの一方の端部(例えば、側)からコアのもう一方の端部に荷重を効果的に伝達することができる。例えば、「硬質」コアは、1つ以上のプラスチック材料を含むコアブランクから形成され得て、開放端部を有する複数のセル(例えば、密集充填された実質的に平行なプラスチックチューブ)を含み得る。複数のセルは、対応する1つ以上のセル壁によって少なくとも部分的に画定され得る(例えば、プラスチック材料によって、セルが任意の数の適切な形状を有し得るハニカムまたはハニカム状構造が画定され得る)。いくつかの実施形態では、コアブランクの圧縮可能なセルは、チューブまたはストローによって形成または画定される場合がある。いくつかの実施形態では、セルは、飲用ストローのようなチューブである場合がある(例えば、各ストローによって、コアの対応するセルが画定され得て、隣接するコアによって、それらの間の間隙または空間のさらなるセルが画定され得る)。セルは、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PEI、または他の熱可塑性物質から形成され得る。熱可塑性ストローは、ポリカーボネートから非常に低コストで商業的に製造可能であり、概ね平行な配置でまとめて固定され得る。ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、PEI、または他のプラスチックをコア120に使用すると、厚紙または板紙のコア材料に見られるよりも、コア120に張力がかかるときの引裂抵抗がより大きくなり得る。いくつかの例では、ハニカム状構造は、非円筒形のチューブから形成された複数の非円筒形のセルによって形成され得る。いくつかの例では、コア120は、共通の壁を共有する複数の共押出しされた熱可塑性チューブを含む一体構造を含み得る。コアは、複数のセル内に1つより多くの種類または形状のセルを含み得る。複合サンドイッチのコア120は、PEIプラスチックチューブの束を含み得て、シャーシダッシュボードや、シートバックのようなシート部材や、バルクヘッドまたはオーバーヘッドビンのような構造部材などのような自動車部材を製作するのに適切であり得る。
【0058】
代替的にまたは追加的に、硬質コアは、独立気泡フォームのようなフォームを含み得る。フォームは、高密度フォームまたは低密度フォームであり得る。フォームは、ブロック、シート、または他の発泡体のような発泡体であり得る。フォームは、本明細書に開示されている熱硬化性物質もしくは熱可塑性物質のいずれかのようなポリマーまたは任意の他の適切なポリマーから製造され得る。例えば、フォームとしては、ポリウレタンフォーム、ポリカーボネートフォーム、ポリメタクリルイミド(PMI)ベースのフォームが挙げられ得る。発泡体のフォームは、連続気泡フォームまたは独立気泡フォームであり得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料は、フォームコアの材料内に配置され得る。例えば、グラフェンフレークまたは別のsp炭素含有材料が、フォームコアのポリマー材料に組み込まれ得る。そのような例では、フォームコア内のsp炭素含有材料の量は、本明細書で配置されるsp炭素含有材料を有するポリマー層のポリマー樹脂中に配置されるsp炭素含有材料の量のいずれかと類似または同一であり得る。フォームコアを用いる例では、ポリマー樹脂(例えば、このポリマー樹脂から形成された熱硬化性マイクロフォーム)は、例えば、ポリウレタンを介して、または発泡体のセルへの浸透を介して、発泡体コアをさらなるポリマー層130に接合することができる。いくつかの例では、フォーム(例えば、発泡体)は、複数のセルに隣接する別々の層として存在する場合がある。いくつかの例では、フォームは、複数のセルへの圧縮などによって、少なくともいくつかの複数のセル内に少なくとも部分的に存在する場合がある。硬質コアによって、複合サンドイッチに高い曲げ剛性を与えることができる。「硬質」コアは、「軟質」コアよりも複合サンドイッチの曲げ剛性を増加させることができる。
【0059】
端部が開放されたプラスチックセルから形成されたもののような「硬質」コア、例えば、チューブまたは飲用ストローは、従来のエポキシを使用して複合積層板(例えば、コア上方の1つ以上の熱硬化性層および/または熱可塑性層)に結合させるのが難しい場合がある。例えば、従来のエポキシを使用すると、複合積層板が「硬質」コアから剥離する可能性が高くなる。本明細書に開示されている例によるポリマー樹脂は、「硬質」コアを含む複合サンドイッチの剥離の問題を、これに十分な接着性を与えることによって(例えば、開放端部を介してセル内へと少なくとも部分的に延在し得るポリウレタン/エポキシブレンドによって形成されたマイクロフォームとの接着性をより増加させることによって)解決する。
【0060】
反対に、「軟質」コアは、荷重がコアの一方の端部にかかったときに、コアの一方の端部からコアの反対の端部に荷重を伝達しない場合があり、例えば、「軟質」コアは、板紙、厚紙、または低密度フォームなどから形成され得る。「軟質」コアは、衝撃がZ軸に沿っている(例えば、複合サンドイッチ100の最外表面112に概ね垂直である)と仮定すると、垂直方向において(例えば、複合積層板の平面に実質的に垂直な方向において)「硬質」コアよりも多くのエネルギーまたは衝撃を吸収することができる。「硬質」コアは、例えばZ軸に垂直な複合積層板の平面に沿って(例えば、X-Y平面において)、より多くのエネルギーを水平方向において吸収することができる。板紙を含む複合サンドイッチは、車のフード、自動車の表面パネル(例えば、最小のピンホールまたは多孔度を内部に有するAクラスの表面パネル(A-class surface panels))、航空宇宙用途、消費者製品(例えば、家具)、もしくは建設資材、またはエネルギー吸収が望まれる同様の用途に使用することができる。「軟質」コアは、コアに実質的に垂直なベクトルを有する荷重を伝達せず、「硬質」コアも同様である。
【0061】
いくつかの例(図示せず)では、コア120は、隣接する層内などに、軟質コア材料および硬質コア材料の双方を含み得る。例えば、複合サンドイッチは、複数のセルと、それに平行に延在する板紙とを含み得る。そのような例では、板紙は、音の減衰をもたらすことができ、硬質コアは、板紙よりも多くのエネルギーを吸収することができる。
【0062】
いくつかの例では、コア120は、約20kg/m以上、例えば、約20kg/m~約150kg/m、約40kg/m~約100kg/m、約60kg/m~約80kg/m、または約65kg/m~約75kg/mの密度を有し得る。コア120は、約100μm~約10cm、約1mm~約5cm、約5mm~約3cm、約250μm~約1cm、約1cm~約5cm、約1mm~約5mm、約2mm~約6mm、約5mm~約1cm、約7mm、約4mm、約2mm、または約1cmの初期セル高さ(例えば、コア厚さ)を有し得る。いくつかの例では、コア120は、約70kg/mの密度および約7mmのセル高さを有し得る。コア120の材料に応じて、セルの高さを制限して、複合サンドイッチの熱放出を制限することが望ましい場合がある。コア120のセルは、複数の一体的に形成されたチューブ(例えば、平行にまとめて結合された複数の開放端部構造)を含み得て、これらのチューブは、張力、熱、および/または圧力を金型内でかけると、1つ以上の領域においてまとめて曲がるか、または別の様式で変形し得るが、厚紙は、同じ条件下で裂けるおそれがある。いくつかの実施形態では、コア120は、金型の形状に応じて、かつこれを含む部品の所望の完成寸法に応じて、その内部の1つ以上の領域において、曲がるか、圧縮するか、または伸長し得る。セルまたはチューブは、例えば、一体的な形成(例えば、まとめて押出または成形)によって、接着剤によって、個別に押し出された後にまとめて接合されるなどの熱接合(例えば、溶融)によって、または任意の他の適切な結合手段によって、まとめて接合され得る。セルまたはチューブは、特定量の熱を加えると、少なくとも部分的に軟化または溶融するように構成され得る。例えば、セルまたはチューブは、得られる複合サンドイッチが少なくとも部分的に金型の形状に適合し得るように、金型内にある間に、軟化または溶融して、少なくとも部分的に圧縮するように構成され得る。圧縮前の各チューブの長さは、これに熱および/または圧力をかけたときに所望の程度の適合性が生じるように選択され得る。例えば、圧縮されたまたは圧縮されていないチューブの長さまたは高さは、約100μm~約10cm、約1mm~約5cm、約5mm~約3cm、約250μm~約1cm、約1cm~約5cm、約1mm~約5mm、約2mm~約6mm、約5mm~約1cm、約7mm、約4mm、約2mm、または約1cmであり得る。チューブは、実質的に同様の高さおよび/または直径を呈し得る。例えば、チューブは、約1mm以上、例えば、約1mm~約5cm、約3mm~約3cm、約5mm~約1cm、約6mm、約2cm未満、または約1cm未満の直径を呈し得る。本明細書に図示されているセル(例えば、チューブ)は、円形の断面形状を有するが、セルは、その縦軸に沿って見たときに、実質的に多角形の断面形状(例えば、三角形、長方形、五角形など)、楕円形の断面形状、または無定形形状(例えば、定まったパターンを有しないか、または円形と多角形との組み合わせである)を呈していてもよい。セルとは、隣接するセルまたはチューブの間に共通の壁を有する単一の一体構造であると定義され得る。「セル」または「チューブ」という用語が本明細書で使用されているが、いくつかの実施形態では、セルまたはチューブは、1つ以上の閉端部を含み得るか、または多角形(例えば、複数の閉じたまたは開いた五角形のセル)のような管状(例えば、円形)以外の構成、もしくはそれらの間に接続された態様を有しない構成(例えば、バッフル)を呈し得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、コア120を、完全に圧縮して固体を形成するか、または部分的に圧縮してコア高さを低減させる場合がある。圧縮されたコア高さは、初期のコア高さの約15%以上、例えば、初期コア高さの約15%~約90%、約25%~約75%、約40%~約60%、約15%~約50%、または約15%であり得る。層の数は、異なる層または材料を内部に有するなど、複合サンドイッチのコア120の上下で異なっていてもよいと理解されるであろう。コア120の寸法および密度は、異なっていてもよく、例えば、その1つ以上の領域においてより多くのセル(例えば、チューブ)を有していても、隣接する領域よりもその1つ以上の領域においてより大きいもしくはより小さい直径のセルを有していても、隣接する領域におけるチューブとは異なる(例えば、より小さいまたはより大きい)壁厚を有するチューブを含む1つ以上の領域を有していても、または前述のもののいずれかの組み合わせであってもよい。繊維シートまたはNCFの重量は、複合サンドイッチの1つ以上の領域おいて異なっていてもよい。
【0064】
さらなるポリマー層140(例えば、第3のポリマー層)のような少なくとも1つのさらなるポリマー層は、コア120の下に配置され得る。少なくとも1つのさらなるポリマー層140は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110および少なくとも1つのさらなるポリマー層130(例えば、第2のポリマー層)のうちの1つ以上における繊維と同一または異なる複数の繊維を含み得る。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、ガラス繊維を含み得て、少なくとも1つのさらなるポリマー層130は、ガラス繊維を含み得て、少なくとも1つのさらなるポリマー層140は、ガラス繊維または炭素繊維を含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、複数のガラス繊維に埋め込まれた、ポリウレタンと、エポキシ樹脂と、sp炭素含有材料との混合物を含み得て、少なくとも1つのさらなるポリマー層130は、第2の複数のガラス繊維に埋め込まれたポリウレタンおよびエポキシ樹脂を含み得て、少なくとも1つのさらなるポリマー層140は、複数の炭素繊維に埋め込まれたポリウレタンおよびエポキシ樹脂を含み得る。
【0065】
ポリマー層110、130、または140のいずれも、約0.01mm超、例えば、0.01mm~1cm、0.1mm~1cm、0.01mm~5mm、0.1mm~5mm、0.1mm~1mm、0.05mm~0.5mm、0.05mm~0.3mm、0.3mm~0.6mm、0.5mm~7mm、0.6mm~1mm、1mm~3mm、2mm~5mm、少なくとも0.1mm、少なくとも0.5mm、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、2cm未満、1cm未満、5mm未満、2mm未満、または1mm未満の厚さを有し得る。いくつかの例では、ポリマー層110、130、および140の厚さは、同一であり得る。いくつかの例では、ポリマー層110、130、および140の厚さは、互いに異なり得る。いくつかの例では、さらなるポリマー層130および/または140は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の厚さの少なくとも2倍、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の厚さの少なくとも3倍、少なくとも5倍、または少なくとも10倍の厚さを有し得る。いくつかの例では、ポリマー層110、130、または140のうちの1つ以上は、層の横方向の範囲全体にわたって均一な厚さを有しない場合がある。
【0066】
いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110またはさらなるポリマー層130もしくは140は、選択した色を1つ以上のポリマー層それぞれに付与するための顔料または染料のような着色剤も含む場合がある。
【0067】
いくつかの例では、1つ以上のポリマー層のうちの少なくとも1つは、予備成形された物体として提供される場合がある。そのような例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110または1つ以上のさらなるポリマー層130もしくは140のうちの1つ以上で金型の隅をより容易に満たすことができる。いくつかの例では、少なくとも1つのポリマー層は、プリプレグとして提供され得るか、または(例えば、グラフェンチューブまたはグラフェンスパイラルを含有する)ポリマー樹脂を繊維シートもしくは他の繊維塊に塗布することによって形成され得る。
【0068】
いくつかの例では、1つ以上のさらなる層(図示せず)は、複合サンドイッチ100の構成要素のいずれかの間に配置され得る。sp炭素含有材料を有するポリマー層110によって、またはアルミニウム層のみによって提供され得るよりも、複合積層板の熱放出値をさらに低下させることが望ましい場合がある。そのような例では、1つ以上の金属層およびsp炭素含有材料を有する1つ以上のポリマー層が用いられ得る。例えば、アルミニウム層のような金属層が、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と、少なくとも1つのさらなるポリマー層130との間に配置され得る。そのような例では、金属層は、厚さ少なくとも約0.01mm、例えば、厚さ少なくとも約0.1mm(例えば、約0.2mm)であり得る。金属層を使用してもよいが、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層110が使用される場合、金属層は、満足できる熱放出特性を達成するために必要ではない。例えば、さらなるポリマー層130、コア120、およびもう1つのさらなるポリマー層140の上方に配置されたsp炭素含有材料を有するポリマー層110を有する複合積層板部材の熱放出特性は、自動車、航空機、船舶、鉄道などの用途における熱放出性の安全基準内に十分にあり得る(例えば、65kW分/m未満、40kW分/m未満、または30kW分/m未満)。
【0069】
いくつかの例では、軟質コア材料(例えば、厚紙)は、コア120と、少なくとも1つのさらなるポリマー層130および/または140との間に配置され得る。いくつかの例では、複合サンドイッチ100は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の上または少なくとも1つのさらなるポリマー層140の下に配置された熱可塑性層のような熱可塑性層を含み得る。熱可塑性層は、本明細書に開示されている熱可塑性成分のいずれかを含み得て、1つ以上の態様(例えば、寸法)について、本明細書に開示されているポリマー層のいずれかと類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの熱可塑性層は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の上方に配置されたPEI熱可塑性層を含み得る。
【0070】
本発明者は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110(またはさらなるポリマー層130または140)におけるsp炭素含有材料の配置および配向が、これを用いて形成された複合積層板構造体の熱放出に影響を与えることを見出した。
【0071】
図2は、一実施形態による図1の複合サンドイッチ100の等角分解図である。図2に示されるように、sp炭素含有材料を有するポリマー層110のsp炭素含有材料116の位置または配向のうちの1つ以上は、選択的に制御され得る。例えば、ポリマー層内のまたは複数の繊維上の複数のカーボンナノチューブまたはグラフェンフレークは、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の平面または主軸に、平行、垂直、または斜めの方向に配向され得る。図2に示されるように、sp炭素含有材料116は、複数のグラフェンフレークを、ポリマー層内に含み得るか、またはsp炭素含有材料を有するポリマー層110の複数の繊維上に含み得る。例えば、グラフェンフレークは、グラフェンフレークまたは複数の繊維を内部に有するポリマー層の主軸に平行な(例えば、平面に平行な)方向に配向され得る。発明者は、sp炭素含有材料116が、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層110の平面に平行な平面配置で配向されている場合、例えば、sp炭素含有材料116の主軸が、その複合サンドイッチ100またはその最外表面112の主軸に平行である場合(例えば、複合積層板構造が非平面状である場合)、複合サンドイッチ100の熱放出値は、sp炭素含有材料116が別の様式で配向されている場合(例えば、複合サンドイッチの外側表面に対してランダムまたは垂直)の例よりもさらに低いことを見出した。
【0072】
いくつかの例では、sp炭素含有材料は、樹脂を複数の繊維に添加する前に、複数の繊維に塗布または付着される場合がある。例えば、ポリマー(例えば、熱硬化性)樹脂を、複数の繊維に、例えば、繊維シートの選択した側に塗布する前に、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、グラフェンフレークなどを複数の繊維上で堆積させるか、または成長させることさえできる。いくつかの例では、シード材料および/または触媒を複数の繊維に塗布して、その上にsp炭素含有材料を形成する場合がある。例えば、コバルトのような第VIII族金属は、複数の繊維のうちの少なくともいくつかに配置(例えば、結合)され得て、コバルトは、化学蒸着プロセスにおいて繊維上にsp炭素含有材料(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェンシート、またはグラフェンフレーク)を形成することを触媒する役割を果たすことができる。そのような例では、sp炭素含有材料中の第VIII族金属は、第VIII族金属を有するsp炭素含有材料を選択方向に配向された磁場に曝すことなどによってsp炭素含有材料の少なくとも一部を選択方向に少なくとも部分的に配向させるために使用され得る。予め形成された材料を複数の繊維に接着することや、レーザー形成技術などのような他のプロセスを使用して、sp炭素含有材料を複数の繊維上に結合または成長させてもよい。
【0073】
いくつかの例では、sp炭素含有材料は、プリプレグ中の複数の繊維に塗布される場合があり、その際、sp炭素含有材料は、プリプレグ中の樹脂またはさらなる接着剤によって複数の繊維に接着される。そのような例では、ポリマー樹脂(例えば、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂)は、プリプレグ中の繊維上に配置されたsp炭素含有材料に塗布され得る。sp炭素含有材料は、複数の繊維上にその上の材料層として配置され得る。その後、sp炭素含有材料の層の上に樹脂が塗布され得る。
【0074】
sp炭素含有材料は、ポリマー層または内部の繊維シートの1つ以上の部分全体にわたって選択的に配置され得る。例えば、sp炭素含有材料を繊維シートの繊維(例えば、ガラス繊維または炭素繊維)上で成長させることができる。コバルト、ニッケル、ルテニウムのようなシード材料を、繊維シート上に選択的に配置して、sp炭素含有材料(例えば、グラフェンシートまたはフレーク)を、化学蒸着などを介してその場でシード材料上に成長させることができる。したがって、得られるsp炭素含有材料を、シード材料および堆積プロセスによって制御される選択した分布(例えば、密度、パターン、または配向のうちの1つ以上)で繊維シート上に配置することができる。sp炭素含有材料を繊維シートに付着させることによって、いくらか不連続なまたは他の不均等な分布のsp炭素含有材料が存在し得る、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とが混合される実施形態とは対照的に、sp炭素含有材料の分布を維持することができる。そのようにsp炭素含有材料の分布を制御することによって、ランダム配向分布でsp炭素含有材料層を含有する複合材と比較して、より予測可能な熱放出の結果が得られる。
【0075】
さらに、本発明者は、sp炭素含有材料116を最外表面112のより近くに配置することによって、sp炭素含有材料116が最外表面112からより遠くに配置されている例と比較して、複合サンドイッチ構造体の熱放出性を低下させることができることを見出した。したがって、いくつかの実施形態では、sp炭素含有材料116は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の最も外側(例えば、存在し得る熱源に面することが意図された側)、内部の複数の繊維の最も外側、または複合サンドイッチ100の任意の他の層の最も外側に配置または付着される場合がある。図2のsp炭素含有材料116は、sp炭素含有材料を含有するポリマー層110の最も外側(例えば、最外表面112に最も近い側)に図示されているが、いくつかの実施形態では、sp炭素含有材料116は、追加的にまたは代替的に、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の最も内側に配置される場合がある。いくつかの実施形態では、sp炭素含有材料116は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110のポリマー樹脂全体にわたって均等または不均等に分布する場合がある。
【0076】
sp炭素含有材料が複数の繊維(例えば、ガラス繊維織物)に結合している例では、これに塗布された樹脂は、高温下では複数の繊維から層剥離する場合がある。そのような例では、樹脂と、複数の繊維上に配置されたsp炭素含有材料との間の熱放出値の差(例えば、遅延されたピーク熱放出)によって、硬化した樹脂が、複数の繊維およびsp炭素含有材料から層剥離する場合がある。そのような層剥離は、燃焼している樹脂を消すことが可能であり得るので、望ましい場合がある。
【0077】
熱硬化性ポリマー層において使用されるものとしていくつかの例で説明されているが、本明細書に開示されているsp炭素含有材料は、熱可塑性物質、シリコーン、または任意の他の樹脂のような燃焼する任意の樹脂において用いられ得る。sp炭素含有材料は、該樹脂の熱放出を遅延させ、それによって、これに関連するピーク熱放出値を少なくとも低減させる。いくつかの例では、本明細書に開示されているsp炭素含有材料は、熱可塑性層のような非熱硬化性層内に存在し得る。そのような例では、本明細書に開示されているポリマー層のいずれかを、本明細書に開示されている任意の量で、本明細書に開示されているsp炭素含有材料のいずれかを含有する熱可塑性層または他の樹脂層と置き換えてもよい。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、省略される場合があり、代わりに、sp炭素含有材料を有する熱可塑性層が用いられる場合がある。そのような例では、PEI熱可塑性樹脂が、繊維シートおよびsp炭素含有材料と一緒に用いられ得る。いくつかの例(図示せず)では、熱可塑性層は、複合サンドイッチ100における層のいずれかの上、下、または間に配置され得る。
【0078】
任意の3つのポリマー層(そのうちの少なくとも1つは、sp炭素含有材料を含む)と単一のコアとを有する複合サンドイッチ構造体の例が、図1および図2に関して見本として先に説明されているが、sp炭素含有材料を有する複合サンドイッチ構造体のさらなる例を使用してもよい。
【0079】
図3は、一実施形態による複合サンドイッチ300の断面図である。複合サンドイッチ300は、熱可塑性層250と、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110と、コア120と、少なくとも1つのさらなるポリマー層140とを含む。熱可塑性層250は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110の上に配置され得る。sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、コア120の上に配置され得る。コア120は、さらなるポリマー層140の上に配置され得る。
【0080】
熱可塑性層250は、本明細書に開示されている複数の繊維のいずれかのような、熱可塑性(ポリマー)樹脂中に配置された複数の繊維を含み得る。熱可塑性層250は、PEI、PEEK、PTFE、PFA、FEP、PET/PBT、アラミド、他の高温熱可塑性物質、または200℃超の融点を有する前述のもののいずれかの誘導体のような高温熱可塑性樹脂を含み得る。熱可塑性層250は、寸法、繊維の種類など、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と類似であり得る。熱可塑性層250は、複合サンドイッチ300における最外層であり得て、その最外表面112を形成し得る。そのような例では、複合サンドイッチ300は、塗料を含まない場合がある。熱可塑性層250は、顔料のような着色剤を内部に含み得る。熱可塑性層250は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110に直接接合され得る。
【0081】
いくつかの例では、熱可塑性層250は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110について本明細書に開示されている量、種類、または分布などのいずれかで、sp炭素含有材料を内部に含み得る。そのような例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110が、省略される場合があり、またはsp炭素含有材料を内部に含まない場合がある。
【0082】
いくつかの例では、熱可塑性層250は、複数のガラス繊維、炭素繊維、熱可塑性繊維、熱硬化性繊維、または他の繊維(例えば、石英)を含み得て、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、複数のガラス繊維、炭素繊維、熱可塑性繊維、または熱硬化性繊維を含み得て、さらなるポリマー層140は、複数の炭素繊維を含み得る。そのような例では、熱可塑性層250は、複数のガラス繊維を含み得て、sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、複数のガラス繊維を含み得て、さらなるポリマー層140は、複数の炭素繊維を含み得る。さらなる熱硬化性層130または140のいずれかにおけるポリマー樹脂は、複合サンドイッチ300における他の層とは無関係に、本明細書に開示されているポリマー樹脂のいずれかであり得る。例えば、さらなる層130は、熱硬化性樹脂を含み得て、さらなる層140は、熱可塑性樹脂を含み得る。
【0083】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110と組み合わされた熱可塑性層250内の高温熱可塑性ポリマーは、熱可塑性層250を用いない複合積層板と比較して、複合サンドイッチ300(例えば、複合積層板)の熱放出性をさらに低下させる役割を果たすことができる。
【0084】
いくつかの例では、sp炭素含有材料は、複合サンドイッチのコア上にまたはそれに近接して配置され得る。図4は、一実施形態による複合サンドイッチ400の断面図である。複合サンドイッチ400は、フォームコア420と、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110と、少なくとも1つのさらなるポリマー層130および140とを含む。sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110は、さらなるポリマー層130の上に配置され得る。さらなるポリマー層130は、フォームコア420の上に配置され得る。フォームコア420は、さらなるポリマー層140の上に配置され得る。sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層110、さらなるポリマー層130、フォームコア420、およびさらなるポリマー樹脂140は、複合サンドイッチ400におけるそれぞれの隣接する層に直接接合され得る。
【0085】
フォームコア420は、材料組成、構造、寸法など、1つ以上の態様について、コア120と類似または同一であり得る。フォームコア420は、本明細書に開示されているフォームのいずれかのような独立気泡フォームまたは連続気泡フォームを含み得る。例えば、フォームコア420は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、PPS、PEEK、PEI、発泡アルミニウム、またはPMIベースのフォームのうちの1つ以上のような、本明細書に開示されているコアを形成するためのポリマー材料のいずれかを含み得る。
【0086】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110またはさらなるポリマー層130もしくは140のうちの1つ以上におけるポリマー樹脂は、隣接する層のいずれかにおけるコア材料またはポリマー樹脂とは無関係に、本明細書に開示されているポリマー樹脂のいずれかと類似または同一であり得る。例えば、さらなる熱硬化性層130内のポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含み得て、さらなるポリマー層140内のポリマー樹脂は、他の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含み得る。そのような例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層110内のポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの例では、フォームコア420をさらなるポリマー層130または140のうちの1つ以上に接合するポリマー樹脂は、sp炭素含有材料を含み得る。例えば、さらなるポリマー層130内のポリマー樹脂は、sp炭素含有材料を内部に含み得る。そのような例では、フォームコア420の燃焼を遅延させるsp炭素含有材料によって熱放出性が低減されることを理由に、さらなるポリマー層130または140のポリマー樹脂中にsp炭素含有材料を有しない複合サンドイッチと比較して、複合サンドイッチ400のピーク熱放出を遅延させることができる。
【0087】
いくつかの例では、複合サンドイッチ構造体は、複合サンドイッチの双方の主表面から、本明細書に開示されている高い放出値をもたらす場合がある。図5は、一実施形態による複合サンドイッチ500の断面図である。複合サンドイッチ500は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と、さらなるポリマー層130と、さらなるポリマー層140と、コア120と、さらなるポリマー層540と、さらなるポリマー層530と、sp炭素含有材料を有するさらなるポリマー層510とを含む。
【0088】
sp炭素含有材料を有するポリマー層110は、さらなるポリマー層130の上に配置され得る。さらなるポリマー層130は、さらなるポリマー層140の上に配置され得る。さらなるポリマー層140は、コア120の上に配置され得る。コア120は、さらなるポリマー層540の上に配置され得る。さらなるポリマー層540は、さらなるポリマー層530の上に配置され得る。さらなるポリマー層540は、sp炭素含有材料を有するさらなるポリマー層510の上に配置され得る。複合サンドイッチ500の図示されている層のいずれも、複合サンドイッチ500における隣接する層に直接接合され得る。
【0089】
さらなるポリマー層530および540は、1つ以上の態様について、さらなるポリマー層130および140と類似または同一であり得る。例えば、さらなるポリマー層530は、エポキシ-ポリウレタンポリマー樹脂中に配置された複数のガラス繊維を含み得る。さらなるポリマー層540は、エポキシ-ポリウレタンポリマー樹脂中に配置された複数の炭素繊維を含み得る。
【0090】
sp炭素含有材料を有するさらなるポリマー層510は、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と類似または同一であり得る。例えば、sp炭素含有材料を有するさらなるポリマー層510は、複数のガラス繊維と、sp炭素含有材料と、エポキシ-ポリウレタン樹脂とを含み得る。sp炭素含有材料を有するさらなるポリマー層510は、最外表面112から実質的に反対側にある表面のような、複合サンドイッチ510の最外表面512上に配置され得る。各最外表面112および512上にあるsp炭素含有材料を有するポリマー層110および510によって、複合サンドイッチの熱放出値は、最外表面近くにsp炭素含有材料を有しない複合サンドイッチと比較して、複合サンドイッチ500の両側において低減される。そのような例は、複合サンドイッチの両側が熱源に曝されるまたは人に面する可能性がある場合に、特に有用であり得る。
【0091】
いくつかの例では、さらなるポリマー層130、140、530、または540のうちの1つ以上が、複合サンドイッチ500から省略される場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、さらなるポリマー層540が、省略される場合があり、さらなるポリマー層140のような単一の炭素繊維含有層のみが、複合サンドイッチ500に含まれる場合がある。
【0092】
複合サンドイッチ100、300、400、もしくは500における層のいずれも、これらから省略される場合があるか、または他の複合サンドイッチ100、300、400、もしくは500のいずれかと組み合わせて使用される場合がある。
【0093】
sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層がさらなる(第2の)ポリマー層の上に配置された組み合わせを、積層板複合構造体の外側表面として使用してもよい。例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層が第2のポリマー層の上に配置された組み合わせは、シートバック、ダッシュボード、荷台、収納容器、荷物入れ、バルクヘッド、モールディング、トリム、アーム、または車両、航空機、鉄道、ボートなどの他の部分の外側表面として使用され得る。そのような例では、sp炭素含有材料を有するポリマー層は、選択した熱放出性を部材に与えることができる。いくつかの実施形態では、sp炭素含有材料を有するポリマー層内の顔料に加えて、またはその代わりに、塗料またはビニールステッカーの外層を、sp炭素含有材料を有するポリマー層の外側表面に施与してもよい。さらに、さらなるポリマー層を含めると、この組み合わせによって、sp炭素含有材料を有する単一のポリマー層よりも大きな構造的剛性および強度を与えることができる。例えば、別のさらなる(第3の)ポリマー層を使用して、コア材料をさらなるポリマー層(例えば、第2および第3のポリマー層)の間に挟むと、選択した程度で剛性および強度を複合積層板構造体に与えることができる。さらに、sp炭素含有材料をポリマー層に含めると、sp炭素含有材料を有するポリマー層の熱放出特性は、同様に配合および寸法決めされたsp炭素含有材料なしで形成されるポリマー層よりも改善される。
【0094】
ポリマー樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂など)とsp炭素含有材料とを有する層を使用して、本明細書に開示されている部材(例えば、自動車、船舶、航空機、鉄道など)のいずれかのようなモノリス部材または構造体を形成することができる。一例では、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー樹脂を使用して、樹脂の単一のモノリス層からの部材を形成することができる。そのような部材は、sp炭素含有材料を内部に有しない類似した樹脂または構成要素(例えば、繊維シート)から形成された部材と比較して、低下した熱放出性を有するであろう。そのような部材は、sp炭素含有材料を内部に有しない類似した樹脂から形成された部材よりも、引張強度のような強度の増加も呈するであろう。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有するポリマー樹脂のモノリス層は、複数の繊維を内部に含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を有する樹脂のモノリス層は、補強繊維を内部に有しない場合がある。モノリス部材は、複合積層板について本明細書に開示されているような特定の形状を形成するように成形され得る。
【0095】
いくつかの例では、モノリス部材は、RTMを使用して形成され得る。いくつかの例では、モノリス部材は、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料とを含有する複数の繊維のプリプレグから形成され得る。
【0096】
本明細書のsp炭素含有材料層は、複合サンドイッチ(例えば、積層板)において使用されるものとして開示されているが、sp炭素含有材料を有する構成要素を使用して、モノリス部材を形成することもできる。図6は、一実施形態によるモノリス複合材600の断面図である。モノリス複合材600は、図示されているような多層モノリス複合材であっても、または単層モノリス複合材であってもよい。モノリス複合材600は、ポリマー樹脂中に配置された複数の繊維を有する1つ以上の層を含み得る。例えば、モノリス複合材600は、第1の層610と、第2の層620と、第3の層630とを含む。いくつかの例では、モノリス複合材は、図6に図示されているものよりも多いまたは少ない層を含み得る。
【0097】
第1の層610、第2の層620、または第3の層630のうちの1つ以上は、樹脂中またはその中の複数の繊維上など、sp炭素含有材料を内部に含み得る。例えば、第1の層610、第2の層620、または第3の層630のうちの1つ以上は、1つ以上の態様について、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と類似または同一であり得る。例えば、第1の層610は、第1の複数の繊維と、ポリマー(例えば、熱硬化性および/または熱可塑性)樹脂と、樹脂中に配置されるかまたは第1の複数の繊維に結合されるようなsp炭素含有材料とを内部に含み得る。第2の層620は、第2の複数の繊維上に配置されたポリマー(例えば、熱硬化性および/または熱可塑性)樹脂を含み得る。第3の層630は、第3の複数の繊維上に配置されたポリマー(例えば、熱硬化性および/または熱可塑性)樹脂を含み得る。いくつかの例では、第2の層620または第3の層630のうちの1つ以上は、(第1の層610に対して)代替的にまたは追加的に、sp炭素含有材料を内部に含み得る。第1の層610、第2の層620、または第3の層630のいずれかにおけるsp炭素含有材料は、本明細書に開示されているsp炭素含有材料のいずれかと類似または同一であり得る。
【0098】
いくつかの例では、第1の層610、第2の層620、および第3の層630内のポリマー樹脂は、材料組成、層あたりの量などのうちの1つ以上について、互いに同一であり得る。いくつかの例では、第1の層610、第2の層620、または第3の層630内のポリマー樹脂は、1つ以上の態様について、本明細書に開示されているポリマー樹脂のいずれかと類似または同一であり得る。例えば、個々の層内のポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらの組み合わせを含み得る。第1の層610、第2の層620、および第3の層630内の複数の繊維は、本明細書に開示されている複数の繊維のいずれかと類似または同一であり得る。いくつかの例では、第1の層610、第2の層620、および第3の層630内の複数の繊維は、材料組成、面密度(gsm)、または種類(例えば、NCF、織られたもの、ランダム配向、二軸、多層など)のうちの1つ以上について、互いに同一であり得る。
【0099】
いくつかの例では、第1の層610は、複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第2の層620は、第2の複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第3の層630は、第3の複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得る。そのような例では、第1の層610は、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層110と類似または同一であり得て、第2の層620は、さらなるポリマー層130と類似または同一であり得て、第3の層630は、さらなるポリマー層140と類似または同一であり得る。例えば、第1の層610は、複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第2の層620は、第2の複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第3の層630は、第3の複数のガラス繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得る。いくつかの例では、第2の層620または第3の層630のうちの1つ以上が省略される場合がある。
【0100】
いくつかの例では、第1の層610は、複数の炭素繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第2の層620は、第2の複数の炭素繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得て、第3の層630は、第3の複数の炭素繊維上に配置されたポリマー樹脂を含み得る。そのような例では、ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、またはそれらのブレンドであり得る。sp炭素含有材料を第1の層610内に配置することによって、下にある第2の層620および第3の層630を、本明細書に開示されているように、熱を吸収して熱放出を遅延させるsp炭素含有材料によって熱から「遮蔽」することができる。
【0101】
本明細書に開示されている複合サンドイッチ構造体またはモノリス複合材は、部品を形成するために配置または使用され得る。そのような複合サンドイッチまたはモノリス部材の例としては、パネル(例えば、車のフードのような車体パネル、内部バルクヘッドのような車両用内装パネル、ダッシュボード、モールディング、電気パネルなど)、シート部材、テーブル、トレイ、収納容器(例えば、頭上収納)もしくは他の収納コンテナ用パネル、または本明細書に開示されている他の任意の部材が挙げられ得る。
【0102】
図7は、一実施形態によるシートバック700の等角図である。シートバック700は、複合サンドイッチまたはモノリス複合材から形成され得る。図示されているように、シートバック700における複合材の層は、塗料109のコーティングまたは層と、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と、さらなるポリマー層130および140と、コア120とを含み得る。シートバック700は、複合サンドイッチのsp炭素含有材料を有するポリマー層110が外側に面し得るように構成され得る。同様に、複合サンドイッチの層は、sp炭素含有材料を有するポリマー層110と、それに続いて、さらなるポリマー層130と、コア120と、さらなるポリマー層140とを有する複合サンドイッチ100として構成され得る。さらなるポリマー層140は、(例えば、最外表面112から離れて)内側に面し得る。いくつかの実施形態(図示せず)では、シートバック700における複合材の層は、モノリス複合積層板であり得る。そのような構成によって、シートバックが配置されているシートの後ろに座っている人に面するシートバック表面において比較的低い熱放出性を有するシートバック700を提供する一方で、シートバック700になおも比較的高い強度および軽量性を与えることができる。
【0103】
図8は、一実施形態によるパネル800の正面図である。パネル800は、本明細書に開示されている複合サンドイッチまたはモノリス複合材のいずれかから形成され得る。パネル800は、鉄道車両(例えば、地下鉄またはライトレール車両)の内装パネルとして構成され得る。パネル800は、窓のような、そこに嵌まるさらなる部材用のモールディングを有し得る。
【0104】
図9は、一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法900のフローチャートである。この方法は、sp炭素含有材料を内部に有する第1のポリマー層と、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、第2のポリマー層の上に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、第2のポリマー層から実質的に反対側でコア上に配置された第3のポリマー層とを含む積層体を形成するステップ910と、積層体を金型内でプレスするステップ920と、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930とを含む。いくつかの例では、ステップ910~930は、提示されたものとは異なる順序で実施される場合があり、または1つ以上のステップが省略される場合がある。いくつかの例では、さらなるステップが方法900に含まれる場合がある。例えば、方法900の実施形態は、第2のポリマー層の遠位側にある第1のポリマー層の最外表面を塗料またはビニール接着ステッカーのうちの少なくとも1つで塗装またはコーティングするステップも含み得る。
【0105】
積層体を形成するステップ910は、積層体の各構成要素を別々にまたは複合サンドイッチ構造体の別々の層として形成することを含み得る。積層体は、形成すべき構造部材のまだ硬化されていない一連の層(例えば、スタック)であってもよい。積層体は、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー層、少なくとも1つのさらなるポリマー層、配置される少なくとも1つのコア、および任意選択的に1つ以上のさらなる層(例えば、アルミニウムのような金属層)のような本明細書に開示されているいずれかの層の任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を有する少なくとも1つのポリマー(例えば、エポキシ-ポリウレタン熱硬化性)層、少なくとも1つのさらなるポリマー(例えば、エポキシ-ポリウレタン熱硬化性)層、またはコアのうちの1つ以上を形成することを含み得る。例えば、積層体を形成することは、本明細書に開示されているsp炭素含有材料を有するポリマー層のいずれかを金型内に配置することを含み得る。金型は、選択した形状の部品(例えば、シートバック、アームレスト、オーバーヘッドビンなど)を形成するようなサイズおよび形状であり得る。金型は、プレス機上に配置された2つ以上の金型部分を有し得て、金型部分はそれぞれ、プレスヘッド上に配置されて、一緒にプレスが行われ、それらの間の任意の材料を圧縮する。積層体を形成することは、本明細書に開示されているさらなるポリマー層のいずれかを、金型内に、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上に配置することを含み得る。積層体を形成することは、本明細書に開示されているコアのいずれかを、金型内に、例えば、さらなるポリマー層の上に配置することを含み得る。例えば、コアは、さらなる(第2の)ポリマー層の上に配置されていても、またはその逆であってもよく、コアの複数のセルの開放端部は、第2のポリマー層に接している。積層体を形成することは、さらなる(第3の)ポリマー層を、金型内に、例えば、第2のポリマー層から反対側でコア上に配置することを含み得る。例えば、第3のポリマー層は、コア上に配置され得て、コアの複数のセルの第2の一連の開放端部は、第3のポリマー層に接している。いくつかの例では、コアは、これらのポリマー層および/またはsp炭素含有材料を有するポリマー層の横方向の寸法全体に沿って延在していない場合がある。
【0106】
いくつかの例では、他の積層体構成物が金型内に形成および配置される場合がある。例えば、先の例で説明したものよりも多いまたは少ない構成要素が積層体において用いられ得る。いくつかの例では、積層体は、さらなるポリマー層の上に配置されたsp炭素含有材料を有するポリマー層のみを含み得るか、またはsp炭素含有材料を有するポリマー層、さらなるポリマー層、およびコアのみを含み得る。いくつかの例では、積層体の層の位置は、先に記載の例とは異なる場合がある。
【0107】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、複数の繊維に塗布され得る。実施形態では、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料(例えば、グラフェン)との混合物を繊維層に添加する前に、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物が形成され得る。実質的に均等な分布のsp炭素含有材料が樹脂の体積全体にわたって存在するまで、sp炭素含有材料と樹脂とは混合され得る。グラフェンのようなsp炭素含有材料は、ポリマー樹脂中に均一に分布させることが特に難しいので、ポリマー樹脂中にグラフェン粒子(例えば、グラフェンシート、カーボンナノチューブなど)を実質的に均質(例えば、均等)に分布させるには、特別な機器が必要になる場合がある。例えば、高せん断ミキサまたは超音波撹拌機を使用して、ポリマー樹脂およびsp炭素含有材料を本明細書に開示されている量で混合してもよい。高せん断ミキサによって混合物を撹拌している間に、sp炭素含有材料を徐々に樹脂に添加してもよい。あるいは、混合する前に、sp炭素含有材料および樹脂をすべて高せん断ミキサに添加してもよい。短い(例えば、10秒未満、5秒未満、3秒未満、または2秒未満の)混合撹拌が生じるように高せん断ミキサを律動的に動かして、sp炭素含有材料が樹脂に導入されるときにsp炭素含有材料粒子が空気中に排出されるのを防止することができる。sp炭素含有材料は、単層グラフェンチューブ、多層グラフェンチューブ、グラフェン粉末、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン、折り畳みグラフェン、本明細書に開示されているいずれかのsp炭素含有材料、または前述のいずれかのものの組み合わせとして添加され得る。選択した層のsp炭素含有材料の含有量は、本明細書に開示されているいずれかの含有量、例えば、第1のポリマー層の10重量%未満または4重量%未満であり得る。
【0108】
積層体を形成することは、複数の繊維(例えば、本明細書に開示されている複数の繊維のいずれか)を用意して、次いで、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂をこの複数の繊維(例えば、繊維シート)に添加することを含み得る。例えば、ガラス織物シートを用意して、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂をこのガラス織物シート上に塗布してもよい。追加的にまたは代替的に、炭素繊維織物または高融点(例えば、Tgは少なくとも約200℃である)の熱可塑性繊維織物でさえも、sp炭素含有材料を有するポリマー層またはさらなるポリマー層と一緒に使用することができる。ポリマー樹脂、または樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、プレスされると、ガラス織物に浸透し、硬化して硬くなり、sp炭素含有材料を内部に有する硬化ポリマー層を形成することができる。ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、液体、半固体、または固体の形態で塗布され得る。
【0109】
積層体を形成することは、選択した層の複数の繊維上にポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂と、この樹脂中に存在する場合はsp炭素含有材料との混合物を繊維織物に少なくとも部分的に含浸させることを含み得る。sp炭素含有材料が複数の繊維に付着している場合、これにポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂によってsp炭素含有材料を少なくとも部分的に覆い、ポリマー樹脂を複数の繊維に含浸させることができる。sp炭素含有材料を、ポリマー樹脂を介して複数の繊維上に保持することができる。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、噴霧に適した粘度まで加熱され得て、繊維織物(例えば、複数の繊維)上に噴霧され得る。例えば、sp炭素含有材料を含有するポリマー層を形成することは、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を繊維織物(例えば、層110)に塗布して、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を繊維織物に少なくとも部分的に含浸させることを含み得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しないポリマー樹脂を繊維織物およびさらなる繊維織物(例えば、層130および140)に塗布して、エポキシ-ポリウレタン樹脂のようなポリマー樹脂を第1および第2の繊維織物に少なくとも部分的に含浸させることを含み得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー樹脂混合物を複数の繊維に塗布して、選択的に分布したsp炭素含有材料を内部に有する層、例えば、複数の繊維の内向き表面上よりも複数の繊維の外向き表面上においてより高い濃度のsp炭素含有材料を有する層を形成することを含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、約90psi未満の圧力で繊維織物上に噴霧され得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、例えばへらなどによって手作業で繊維織物上に展延され得る。いくつかの例では、複数の繊維は、層に応じて、プリプレグ材料として、すなわち、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を少なくともいくらか含有する複数の繊維として用意され得る。そのような例では、プリプレグは、その一方の表面または側により多くの量のポリマー樹脂を含み得る。例えば、最外層は、選択した表面仕上げをもたらすために、その上により多くの量のポリマー樹脂(例えば、熱可塑性物質)を有し得る。そのようなポリマー樹脂は、粉末形態で用意され得る。
【0110】
ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との組み合わせは、噴霧、手作業での展延(例えば、こて、ローラ、ブラシ、またはへらによる)、または別のやり方のコーティングのうちの1つ以上によって、複数の繊維に塗布され得る、かつ/または埋め込まれ得る。例えば、本明細書に開示されているいずれかの密度(g/m(「gsm」))を有する繊維層は、繊維1平方メートルあたりの所定の質量の樹脂、例えば、繊維1平方メートルあたり少なくとも1グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも10グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも20グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも30グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも40グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも50グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも60グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも70グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも80グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも90グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも100グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも150グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり少なくとも200グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり1~200グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり10~150グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり20~100グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり30~80グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり35~70グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり40~60グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり45~55グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり47~52グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり48~50グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり約48グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり200グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり150グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり100グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり90グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり80グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり70グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり60グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり50グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり40グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり30グラム未満の樹脂、繊維1平方メートルあたり20グラム未満の樹脂、または繊維1平方メートルあたり10グラム未満の樹脂によってコーティングされ得る。いくつかの例では、層内の樹脂の分布は、均等でない場合がある。例えば、選択した層内の複数の繊維(例えば、繊維シート)の一方の側または表面は、反対側よりも多いまたは少ない量の樹脂をその上に有し得る。
【0111】
積層体を形成することは、第1のポリマー層のような1つ以上のポリマー層の複数の繊維上にsp炭素含有材料を付着させることを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を複数の繊維上に付着させることは、ポリマー接着剤のような接着剤を用いてsp炭素含有材料を複数の繊維上に接着することを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料を複数の繊維上に付着させることは、本明細書に開示されているように、(例えば、シード材料を使用して)化学蒸着を介するなどして、sp炭素含有材料を複数の繊維上で成長させることを含み得る。例えば、グラフェンフレークは、選択した分布(例えば、選択した側、密度、および/またはパターン)で複数の繊維上にコバルトまたは別のシード材料を堆積させて、選択した条件下でシード材料をアセチレンに曝して、sp炭素含有材料の炭素構造体を構築することによって製造され得る。他の化学蒸着技術、グラフェン製造技術、またはカーボンナノチューブ製造技術を使用して、sp炭素含有材料を複数の繊維上で成長させてもよい。例えば、sp炭素含有材料を第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させることは、化学蒸着を介してsp炭素含有材料を繊維織物の第1の側で成長させることを含み得る。
【0112】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させて、sp炭素含有材料(例えば、グラフェンフレーク)を、本明細書に開示されているように、第1のポリマー層または複合サンドイッチの主軸に対して平行な方向に、例えば平行な平面配置で配向させることを含み得る。例えば、グラフェンをコバルトシード材料上で成長させた後に、磁場を使用して、コバルトシード材料の配向を操作することができる。したがって、シード材料上のグラフェンも同様に磁場によって操作することができる。いくつかの例では、選択した層内のsp炭素含有材料の平面または主軸を、ポリマー層、ポリマー層内の繊維シート、または複合サンドイッチの主軸に平行、垂直、斜め、またはランダムに配向させて、複合サンドイッチの熱放出特性を選択的に調整することができる。いくつかの例では、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。例えば、シード材料を炭素繊維上に選択的に配置することができ、またCVD条件を選択的に制御することによって、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。
【0113】
積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有する予備成形されたポリマー層を形成することを含み得る。例えば、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物をその上および/または内部に有する複数の繊維を、金型内でプレスし、硬化温度に加熱し、冷却して、sp炭素含有材料を内部に有する予備成形されたポリマー層を形成することができる。ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を織物層に噴霧し、次いで層を成形することによって、sp炭素含有材料は、選択した量で、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布することが可能になり、成形後に、所々において、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布したままとなる。例えば、ポリマー樹脂(例えば、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物)は、sp炭素含有材料を有するポリマー層内の複数の繊維(例えば、繊維織物)の一方の表面にのみ塗布され得るか、または複数の繊維の一方の側において他方よりも多い量で塗布され得る。積層体の残りの層は、完成(例えば、成形)部品の少なくとも大まかな輪郭を形成するように、sp炭素含有材料を有する予備成形されたポリマー層の内部/上に配置され得る。したがって、プレスの際に、積層体における予備成形されたポリマー層および残りの材料を金型の隅へとより容易へと押し込んで、金型によって画定される部品の完全な最終形状をもたらすことができる。
【0114】
ポリマー層の予備成形は、ガラス繊維または炭素繊維を用いると特に効果的である。というのも、ガラス繊維および炭素繊維は、熱可塑性ポリマー繊維と比較して、たとえあったとしても、あまり変形または伸長しないからである。したがって、ポリマー層のうちの1つ以上を予備成形し、積層体の残りの構成要素を予備成形されたポリマー層の上に配置することによって、ガラス繊維を含有するポリマー層を少なくとも金型の最終形状の近くに成形することができ、残りの構成要素をポリマー層の予備成形された部分内に操作して、成形部品の最終形状をより容易に形成することができる。これによって、特にポリマー層における不完全な成形、例えば、成形部品の隅における完全な精細性の欠如が低減される。積層体を形成することは、さらなるポリマー層またはsp炭素含有材料を有するポリマー層に結合することが意図された表面上の予備成形されたポリマー層を、磨き用パッド、スチールウール、やすり、または表面を研磨するのに適した任意の他の工具を用いるなどして、研磨することを含み得る。
【0115】
積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有しないポリマー樹脂を複数の繊維上に塗布して、繊維織物にポリマー樹脂を少なくとも部分的に含浸させて、さらなるポリマー層、例えば、本明細書に開示されているさらなるポリマー層のいずれかを形成することを含み得る。積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有しない熱可塑性(例えば、PEI)樹脂を複数の繊維上に塗布して、繊維織物に熱可塑性樹脂を少なくとも部分的に含浸させて、熱可塑性層、例えば、本明細書に開示されているさらなる熱可塑性層のいずれかを形成することを含み得る。いくつかの例では、熱可塑性層は、複数の繊維を内部に含んでいない場合がある。
【0116】
いくつかの例では、第1のポリマー層は、複数のガラス繊維を含み得て、第2のポリマー層は、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得て、第3のポリマー層は、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得る。いくつかの例では、第1のポリマーは、80グラム/平方メートル(「gsm」)の密度を有する第1の複数のガラス繊維およびsp炭素含有材料を含み得て、第2のポリマー層は、220gsmの密度を有する第2の複数のガラス繊維を含み得て、第3のポリマー層は、300gsmの密度を有する複数の炭素繊維を含み得て、積層体を形成することは、ポリマー(例えば、エポキシ-ポリウレタン)樹脂を、第1の複数のガラス繊維、第2の複数のガラス繊維、または複数の炭素繊維のうちの1つ以上に塗布することを含む。
【0117】
積層体のコアとしては、本明細書に開示されているコアのいずれか、例えば、複数の平行なチューブ、ハニカムコア、フォームコアなどが挙げられ得る。コアは、本明細書に開示されている材料組成または厚さのいずれかを有し得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、第1のポリマー層の上に、高温熱可塑性層、例えば、ポリエーテルイミド樹脂のような本明細書に開示されている高温熱可塑性物質のいずれかを配置することを含み得る。
【0118】
積層体を金型内でプレスするステップ920は、金型を閉じることを含み得て、さらに、その内部の1つ以上の構成要素(例えば、層)を圧縮するなどのために、金型に外圧をかけることを含み得る。方法900は、任意選択的に、金型のキャビティを真空にすることを含み得る。例えば、複合サンドイッチ構造体を形成するときに、金型を真空にして、さまざまな層の複数の繊維および/または樹脂中に捕捉された空気を除去することが望ましい場合がある。
【0119】
金型をプレスすることは、金型の形状を有する複合サンドイッチ構造体(例えば、複合積層板)を形成するために金型を少なくとも部分的に閉じるための圧力をかけること、および/またはコアを少なくとも部分的に凹ませることを含み得る。積層体にかけられる圧力は、コアを少なくとも部分的に凹ませるのに、かつ/またはsp炭素含有材料を有するポリマー層またはさらなるポリマー層のうちの1つ以上における複数の繊維から空気を少なくとも部分的に押し出すのに十分であり得る。複合積層板構造体を金型内で圧縮する際の適切な技術は、2015年6月3日に出願された国際特許出願番号PCT/US15/34070号、2015年6月3日に出願された国際特許出願番号PCT/US15/34061号、および2015年6月3日に出願された国際特許出願番号PCT/US15/34072号に開示されており、それらの開示はそれぞれ、この参照によってその全体が本明細書に援用される。
【0120】
実施形態では、積層体をプレスしながら、熱を同時に加えて、sp炭素含有材料を有するポリマー層、さらなるポリマー層、コア、または積層体における任意の材料のうちの1つ以上を少なくとも部分的に加熱してもよい。例えば、積層体を金型内でプレスすることは、積層体を加熱された金型内でプレスすることを含み得る。コアは、プレス中に熱を加えると、より柔軟になり、コアが少なくとも部分的に軟化または溶融する一方で、圧縮して金型の形状との適合性を高めることができる。ポリマー樹脂中のポリウレタンは、プレス中に熱を加えると、より容易にマイクロフォームを形成し得る。金型またはプレス機は、積層体を金型内でプレスする間に積層体に熱を加えるために、1つ以上の熱要素も含み得る。ポリマー樹脂は、金型内に熱を加えると、少なくとも硬化を開始し得る。
【0121】
積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930は、積層体を金型内で硬化させることを含み得る。積層体を硬化させることは、ポリマー樹脂、複合積層板、または複合サンドイッチを、金型、キルン、またはオーブンのうちの1つ以上において加熱することを含み得る。例えば、積層体を金型内で硬化させることは、積層体をプレスしている間またはその後などに、積層体を金型内で加熱することを含み得る。積層体を硬化させることは、積層体におけるポリマー樹脂または熱可塑性樹脂のうちの1つ以上を少なくとも部分的に硬化させることを含み得る。積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成することは、積層体に圧力をかけながら、積層体を金型内で加熱するなど、積層体を金型内で硬化させることを含み得る。積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成することは、積層体を金型内でプレスしながら積層体を加熱すること、または積層体を金型内でプレスした後に積層体を周囲温度まで冷却することのうちの1つ以上を含む。
【0122】
ポリマー樹脂および/または熱可塑性樹脂を硬化させることは、それぞれの樹脂を含有する繊維サンドイッチ構造体(またはスタックのようなその前駆体)を(金型内または金型外で)、約90℃以上、例えば、約110℃以上、約120℃~約200℃、約130℃~約180℃、約140℃~約160℃、約120℃、約130℃、約140℃、または約160℃に加熱することを含み得る。樹脂の組成に応じて、ポリマー樹脂、または樹脂とsp炭素含有材料との混合物を硬化させることは、約40秒以上、例えば、約40秒~約1日、約1分~約12時間、約90秒~約8時間、約2分~約4時間、約40秒~約10分、約1分~約8分、約5分~約20分、約8分~約15分、約90秒~約5分、約3分、約6分以下、約8分以下、または約20分以下の期間にわたって起こり得る。いくつかの例では、積層体を硬化させることは、積層体内のポリマーの少なくとも硬化温度まで積層体を加熱することなどによって、金型内で実施され得る。いくつかの例では、積層体の硬化(加熱)は、金型内で部分的に実施されてから、オーブンまたはキルンのような別の場所で完了させられ得る。得られる硬化した複合サンドイッチ構造体は、金型によって画定された形状を有し得る。この形状としては、車体パネル、シート部材、車両用内装パネル、収納コンテナ用パネルなどのような本明細書に開示されている形状または複合部材のいずれかが挙げられ得る。
【0123】
方法900は、積層体を硬化させた後に積層体(例えば、ここでは少なくとも部分的に硬化した複合サンドイッチ構造体)を冷却することをさらに含み得る。例えば、少なくとも部分的に硬化したサンドイッチ構造体は、周囲温度において冷却され得るか、冷蔵環境において冷却され得るか、冷却トンネルにおいて冷却され得るか、または別のやり方でサンドイッチ構造体全体に空気を通すことによって冷却され得る。
【0124】
方法900は、樹脂トランスファー成形またはプリプレグを利用して複合積層板構造体を形成することを含み得る。例えば、(sp炭素含有材料が結合しているまたは結合してない)複数の繊維を金型内の積層体に入れ、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂を金型内に注入し、樹脂を積層体内の複数の繊維に含浸させて、複合積層板構造体を形成することができる。いくつかの例では、部品を形成するために、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)プリプレグを含む積層体が金型内に配置され、金型内でプレスされ得る。積層体を金型内で圧縮する前に、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂をプリプレグに塗布してもよい。
【0125】
方法900は、積層体を硬化させた後に複合サンドイッチからばり(flashing)を切り取ることを含み得る。方法900から形成された複合サンドイッチは、本明細書に開示されているいずれかの形状、本明細書に開示されているいずれかの機械的特性、または本明細書に開示されているいずれかの熱放出特性(例えば、70kW分/m未満)を含み得る。
【0126】
方法900のいずれかのステップと類似または同一のステップを有する方法を使用して、方法900に開示されている複合サンドイッチの実施形態以外の複合構造体を形成してもよい。
【0127】
図10は、一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法1000のフローチャートである。この方法は、高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層と、熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、第2のポリマー層と、第1のポリマー層と第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアとを含む積層体を形成するステップ1010と、積層体を金型内でプレスするステップ920と、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930とを含む。いくつかの例では、ステップ1010、920、または930は、提示されたものとは異なる順序で実施される場合があり、または1つ以上のステップが省略される場合がある。いくつかの例では、さらなるステップが方法900に含まれる場合がある。例えば、方法1000の実施形態は、熱可塑性層の最外表面を塗料またはビニール接着ステッカーのうちの少なくとも1つで塗装またはコーティングするステップも含み得る。
【0128】
積層体を形成するステップ1010は、1つ以上の態様について、先に開示されているステップ910と類似または同一であり得る。積層体を形成するステップ1010は、積層体の各構成要素を別々にまたは複合サンドイッチ構造体の別々の層として形成することを含み得る。積層体は、形成すべき構造部材のまだ硬化されていない一連の層(例えば、スタック)であってもよい。積層体は、高温熱可塑性樹脂を内部に有する熱可塑性層と、熱可塑性層の上に配置された第1のポリマー層であって、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、第2のポリマー層と、第1のポリマー層と第2のポリマー層との間に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアとを含み得る。積層体は、本明細書に開示されているいずれかの層の任意の組み合わせを含み得る。積層体を形成することは、積層体のいずれかの部分、例えば、熱可塑性層またはsp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層を金型内に配置することを含み得る。金型は、方法1000に関して先に説明した通りであり得る。積層体を形成することは、本明細書に開示されている層のいずれかを金型内に配置すること、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー(例えば、熱硬化性)層を熱可塑性層の上に配置することを含み得る。積層体を形成することは、本明細書に開示されているコアのいずれかを、金型内に、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上に配置することを含み得る。例えば、コアは、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層の上に配置されていても、またはその逆であってもよく、コアの複数のセルの開放端部は、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー層に接している。積層体を形成することは、本明細書に開示されているさらなる(第2の)ポリマー層のいずれかを金型内に配置すること、例えば、さらなるポリマー(例えば、熱硬化性)層をコア上に配置することを含み得る。いくつかの例では、コアは、これらのポリマー層および/またはsp炭素含有材料を有するポリマー層の横方向の寸法全体に沿って延在していない場合がある。
【0129】
いくつかの例では、他の積層体構成物が金型内に形成および配置される場合がある。例えば、先の例で説明したものよりも多いまたは少ない構成要素が積層体において用いられ得る。積層体を形成することは、さらなる(第3の)ポリマー層を、金型内に、例えば、sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層、さらなる(第2の)ポリマー層、またはコア上に配置することを含み得る。例えば、さらなる(第3の)ポリマー層は、コア上に、すなわち、さらなる(第2の)ポリマー層から反対側でコア上に配置され得て、コアの複数のセルの開放端部は、第3のポリマー層に接している。いくつかの例では、積層体の層の位置は、先に記載の例とは異なる場合がある。
【0130】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、複数の繊維に塗布され得る。実施形態では、方法900に関して先に開示されているように、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を繊維層に添加する前に、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物が形成され得る。例えば、先に開示されているように、高せん断ミキサまたは超音波撹拌機を使用して、ポリマー樹脂およびsp炭素含有材料を本明細書に開示されている量で混合してもよい。sp炭素含有材料は、単層グラフェンチューブ、多層グラフェンチューブ、グラフェン粉末、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン、折り畳みグラフェン、本明細書に開示されているいずれかのsp炭素含有材料、または前述のいずれかのものの組み合わせとして添加され得る。選択した層のsp炭素含有材料の含有量は、本明細書に開示されているいずれかの含有量、例えば、第1のポリマー層の10重量%未満または4重量%未満であり得る。
【0131】
積層体を形成することは、複数の繊維(例えば、本明細書に開示されている複数の繊維のいずれか)を用意して、次いで、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂を、本明細書に開示されているように複数の繊維(例えば、繊維シート)に添加することを含み得る。例えば、ガラス織物シートを用意して、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂をこのガラス織物シート上に塗布してもよく、炭素繊維織物または高融点の熱可塑性繊維織物でさえも、sp炭素含有材料を有するポリマー層またはさらなるポリマー層と一緒に使用することができる。ポリマー樹脂、または樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、プレスされると、ガラス織物に浸透し、硬化して硬くなり、sp炭素含有材料を内部に有する硬化ポリマー層を形成することができる。ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、液体、半固体、または固体の形態で塗布され得る。
【0132】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、複数の繊維に塗布され得る。
【0133】
積層体を形成することは、選択した層の複数の繊維上にポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂と、この樹脂中に存在する場合はsp炭素含有材料との混合物を繊維織物に少なくとも部分的に含浸させることを含み得る。sp炭素含有材料が複数の繊維に付着している場合、これにポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂によってsp炭素含有材料を少なくとも部分的に覆い、ポリマー樹脂を複数の繊維に含浸させることができる。sp炭素含有材料を、熱硬化性樹脂のようなポリマー樹脂を介して複数の繊維上に保持することができる。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、本明細書に開示されているように、噴霧に適した粘度まで加熱されて、噴霧され得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー樹脂混合物を複数の繊維に塗布して、選択的に分布したsp炭素含有材料を内部に有する層、例えば、複数の繊維の内向き表面上よりも複数の繊維の外向き表面上においてより高い濃度のsp炭素含有材料を有する層を形成することを含み得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、約90psi未満の圧力で繊維織物上に噴霧され得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、例えばへらなどによって手作業で繊維織物上に展延され得る。ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、選択的な分布で、例えば、複数の繊維の一方の側においてもう一方の側よりも多い量で、または両側において均一に分布させて、選択した層に塗布され得る。例えば、選択した表面仕上げを最終部品にもたらすためには、より多くの量の熱可塑性樹脂を最外層の最外表面上に載せることが望ましい場合がある。いくつかの例では、複数の繊維は、層に応じて、プリプレグ材料として、すなわち、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を少なくともいくらか含有する複数の繊維として用意され得る。そのような例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、プリプレグ中の複数の繊維の一方の側において他方の側よりも多い量で存在していても、または均一に分布していてもよい。
【0134】
ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との組み合わせは、噴霧、手作業での展延(例えば、こて、ローラ、ブラシ、またはへらによる)、または別のやり方のコーティングのうちの1つ以上によって、複数の繊維に塗布され得る、かつ/または埋め込まれ得る。例えば、本明細書に開示されているいずれかの密度を有する繊維層は、繊維1平方メートルあたりの所定の質量の樹脂、例えば、先に開示されている繊維1平方メートルあたりのいずれかの質量の樹脂(例えば、繊維1平方メートルあたり少なくとも1グラムの樹脂、繊維1平方メートルあたり1~200グラムの樹脂など)によってコーティングされ得る。
【0135】
積層体を形成することは、本明細書に開示されているように、第1のポリマー層のような1つ以上のポリマー層の複数の繊維上にsp炭素含有材料を付着させることを含み得る。例えば、sp炭素含有材料を複数の繊維上に付着させることは、本明細書に開示されているように、(例えば、シード材料を使用して)本明細書に開示されているような化学蒸着を介するなどして、sp炭素含有材料を複数の繊維上で成長させることを含み得る。そのような例では、sp炭素含有材料を第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させることは、化学蒸着を介してsp炭素含有材料を繊維織物の第1の側で成長させることを含み得る。
【0136】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させて、sp炭素含有材料(例えば、グラフェンフレーク)を、本明細書に開示されているように、第1のポリマー層または複合サンドイッチの主軸に対して平行な方向に配向させることを含み得る。例えば、グラフェンをコバルトシード材料上で成長させた後に、磁場を使用して、コバルトシード材料の配向を操作することができる。したがって、シード材料上のグラフェンも同様に磁場によって操作することができる。いくつかの例では、選択した層内のsp炭素含有材料の平面または主軸を、ポリマー層、ポリマー層内の繊維シート、または複合サンドイッチの主軸に平行、垂直、斜め、またはランダムに配向させて、複合サンドイッチの熱放出特性を選択的に調整することができる。いくつかの例では、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。例えば、シード材料を炭素繊維上に選択的に配置することができ、またCVD条件を選択的に制御することによって、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。
【0137】
積層体を形成することは、先に開示されているように、sp炭素含有材料を内部に有する予備成形されたポリマー層を形成することを含み得る。ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を織物層に噴霧し、次いで層を成形することによって、sp炭素含有材料は、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布することが可能になり、成形後に、所々において、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布したままとなる。積層体の残りの層は、完成(例えば、成形)部品の少なくとも大まかな輪郭を形成するように、sp炭素含有材料を有する予備成形されたポリマー層の内部/上に配置され得る。したがって、プレスの際に、積層体における予備成形されたポリマー層および残りの材料を金型の隅へとより容易へと押し込んで、金型によって画定される部品の完全な最終形状をもたらすことができる。積層体を形成することは、熱可塑性層、さらなるポリマー層、またはsp炭素含有材料を有するポリマー層に結合することが意図された表面上の予備成形されたポリマー層を、磨き用パッド、スチールウール、やすり、または表面を研磨するのに適した任意の他の工具を用いるなどして、研磨することを含み得る。
【0138】
いくつかの例では、熱可塑性層は、複数のガラス繊維を含み得て、sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層は、複数のガラス繊維を含み得て、さらなる(第2の)ポリマー層は、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得て、任意選択的なさらなる(第3の)ポリマー層は、複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得る。いくつかの例では、熱可塑性層は、80または220gsmの密度を有する任意選択的な複数のガラス繊維を含み得て、第1のポリマー層は、80または220gsmの密度を有する第1の複数のガラス繊維およびsp炭素含有材料を含み得て、第2のポリマー層は、220gsmの密度を有する第2の複数のガラス繊維を含み得て、積層体を形成することは、エポキシ-ポリウレタン樹脂を、第1の複数のガラス繊維、第2の複数のガラス繊維、または複数の炭素繊維のうちの1つ以上に塗布することを含み得る。
【0139】
積層体のコアとしては、本明細書に開示されているコアのいずれか、例えば、複数の平行なチューブ、ハニカムコア、フォームコアなどが挙げられ得る。コアは、本明細書に開示されている材料組成または厚さのいずれかを有し得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、第1のポリマー層の上に、例えば、コアと第1のポリマー層との間に、第3のポリマー層を配置することを含み得る。
【0140】
積層体を金型内でプレスするステップ920は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。
【0141】
積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。
【0142】
方法1000は、積層体を硬化させた後に積層体(例えば、ここでは少なくとも部分的に硬化した複合サンドイッチ構造体)を冷却することをさらに含み得る。例えば、少なくとも部分的に硬化したサンドイッチ構造体は、周囲温度において冷却され得るか、冷蔵環境において冷却され得るか、冷却トンネルにおいて冷却され得るか、または別のやり方でサンドイッチ構造体全体に空気を通すことによって冷却され得る。
【0143】
方法1000は、樹脂トランスファー成形またはプリプレグを利用して複合積層板構造体を形成することを含み得る。例えば、(sp炭素含有材料が結合しているまたは結合してない)複数の繊維を金型内の積層体に入れ、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂を金型内に注入し、樹脂を積層体内の複数の繊維に含浸させて、複合積層板構造体を形成することができる。いくつかの例では、部品を形成するために、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)プリプレグを含む積層体が金型内に配置され、金型内でプレスされ得る。積層体を金型内で圧縮する前に、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂をプリプレグに塗布してもよい。
【0144】
方法1000は、積層体を硬化させた後に複合サンドイッチからばりを切り取ることを含み得る。
【0145】
図11は、一実施形態による複合サンドイッチ構造体の製造方法1100のフローチャートである。この方法は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、コアの下に配置された第3のポリマー層と、sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層とを含む積層体を形成するステップ1110と、積層体を金型内でプレスするステップ920と、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930とを含む。いくつかの例では、ステップ1110、920、または930は、提示されたものとは異なる順序で実施される場合があり、または1つ以上のステップが省略される場合がある。いくつかの例では、さらなるステップが方法1100に含まれる場合がある。例えば、方法1100の実施形態は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層またはsp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層の1つ以上の最外表面を塗料またはビニール接着ステッカーのうちの少なくとも1つで塗装またはコーティングするステップも含み得る。
【0146】
積層体を形成するステップ1110は、1つ以上の態様について、先に開示されているステップ910または1010と類似または同一であり得る。積層体を形成するステップ1110は、積層体の各構成要素を別々にまたは複合サンドイッチ構造体の別々の層として形成することを含み得る。積層体は、形成すべき構造部材のまだ硬化されていない一連の層(例えば、スタック)であってもよい。積層体は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、第2のポリマー層の下に配置されたコアであって、複数のセルを含むコアと、コアの下に配置された第3のポリマー層と、sp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層とを含む。したがって、積層体および得られる複合サンドイッチ構造体は、sp炭素含有材料を内部に有する最外表面を含む。そのような例では、sp炭素含有材料を内部に有しない複合サンドイッチと比較して、任意の表面からの比較的低い熱放出性が実現される。いくつかの例では、積層体は、本明細書に開示されているいずれかの層の任意の組み合わせを含み得る。
【0147】
積層体を形成することは、積層体のいずれかの部分、例えば、sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層、さらなる(第2および第3の)ポリマー層、コア、およびsp炭素含有材料を有する(第4の)ポリマー層を金型内に配置することを含み得る。金型は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。積層体を形成することは、本明細書に開示されている層のいずれかを金型内に配置すること、例えば、sp炭素含有材料を有するポリマー層を熱可塑性層の上に配置することを含み得る。積層体を形成することは、本明細書に開示されているコアのいずれかを、金型内に、例えば、さらなる(第2の)ポリマー層の上に配置することを含み得る。例えば、コアは、第2のポリマー層の上に配置され得て、コアの複数のセルの開放端部は、第2のポリマー層に接している。積層体を形成することは、本明細書に開示されているさらなる(第2または第3の)ポリマー層のいずれかを金型内に配置すること、例えば、さらなるポリマー層をコア上に配置することを含み得る。いくつかの例では、コアは、これらのポリマー層および/またはsp炭素含有材料を有するポリマー層の横方向の寸法全体に沿って延在していない場合がある。
【0148】
いくつかの例では、他の積層体構成物が金型内に形成および配置される場合がある。例えば、先の例で説明したものよりも多いまたは少ない構成要素が積層体において用いられ得る。積層体を形成することは、金型内に、例えば、コア上にさらなる(第3の)ポリマー層を配置することも含み得る。例えば、さらなる(第3の)ポリマー層は、コア上に、すなわち、さらなる(第2の)ポリマー層から反対側でコア上に配置され得て、コアの複数のセルの開放端部は、第3のポリマー層に接している。いくつかの例では、積層体の層の位置は、先に記載の例とは異なる場合がある。積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有する新たな(第4の)ポリマー層をさらなる(第3の)ポリマー層の上に配置することも含み得る。
【0149】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、1つ以上の複数の繊維に塗布され得る。実施形態では、方法900に関して先に開示されているように、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を繊維層に添加する前に、ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物が形成され得る。例えば、先に開示されているように、高せん断ミキサまたは超音波撹拌機を使用して、ポリマー樹脂およびsp炭素含有材料を本明細書に開示されている量で混合してもよい。sp炭素含有材料は、単層グラフェンチューブ、多層グラフェンチューブ、グラフェン粉末、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン、折り畳みグラフェン、本明細書に開示されているいずれかのsp炭素含有材料、または前述のいずれかのものの組み合わせとして添加され得る。選択した層のsp炭素含有材料の含有量は、本明細書に開示されているいずれかの含有量、例えば、第1のポリマー層の10重量%未満または4重量%未満であり得る。
【0150】
積層体を形成することは、複数の繊維(例えば、本明細書に開示されている複数の繊維のいずれか)を用意して、次いで、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂を、本明細書に開示されているように複数の繊維(例えば、繊維シート)に添加して、sp炭素含有材料を内部に有する1つ以上のポリマー層を形成することを含み得る。例えば、ガラス織物シートを用意して、sp炭素含有材料を含有するポリマー樹脂をこのガラス織物シート上に塗布してもよく、炭素繊維織物または高融点の熱可塑性繊維織物でさえも、sp炭素含有材料を有するポリマー層またはさらなるポリマー層と一緒に使用することができる。ポリマー樹脂、または樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、プレスされると、ガラス織物に浸透し、硬化して硬くなり、sp炭素含有材料を内部に有する硬化ポリマー層を形成することができる。ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、液体、半固体、または固体の形態で塗布され得る。
【0151】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、複数の繊維に塗布され得る。sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層、第2のポリマー層、第3のポリマー層、およびsp炭素含有材料を内部に含む第4のポリマー層のいずれかにおけるポリマー樹脂は、本明細書に開示されているポリマー樹脂のいずれか、例えば、sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ-ポリウレタン樹脂)、熱可塑性樹脂(例えば、PEI樹脂)、または熱硬化性物質-熱可塑性物質ブレンドと類似または同一であり得る。
【0152】
積層体を形成することは、選択した層の複数の繊維上にポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂と、(この樹脂中に存在する場合は)sp炭素含有材料との混合物を繊維織物に少なくとも部分的に含浸させることを含み得る。sp炭素含有材料が複数の繊維に付着している場合、これにポリマー樹脂を塗布して、ポリマー樹脂によってsp炭素含有材料を少なくとも部分的に覆い、ポリマー樹脂を複数の繊維に含浸させることができる。sp炭素含有材料を、ポリマー樹脂を介して複数の繊維上に保持することができる。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、本明細書に開示されているように、噴霧に適した粘度まで加熱されて、噴霧され得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を内部に有するポリマー樹脂混合物を複数の繊維に塗布して、選択的に分布したsp炭素含有材料を内部に有する層、例えば、複数の繊維の内向き表面上よりも複数の繊維の外向き表面上においてより高い濃度のsp炭素含有材料を有する層を形成することを含み得る。いくつかの例では、ポリマー(例えば、熱硬化性)樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、約90psi未満の圧力で繊維織物上に噴霧され得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、例えばへらなどによって手作業で繊維織物上に展延され得る。いくつかの例では、複数の繊維は、層に応じて、プリプレグ材料として、すなわち、ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を少なくともいくらか含有する複数の繊維として用意され得る。
【0153】
ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との組み合わせは、噴霧、手作業での展延(例えば、こて、ローラ、ブラシ、またはへらによる)、または別のやり方のコーティングのうちの1つ以上によって、複数の繊維に塗布され得る、かつ/または埋め込まれ得る。例えば、本明細書に開示されているいずれかの密度を有する繊維層は、繊維1平方メートルあたりの所定の質量の樹脂、例えば、本明細書に開示されている繊維1平方メートルあたりのいずれかの質量の樹脂によってコーティングされ得る。
【0154】
積層体を形成することは、本明細書に開示されているように、第1および/または第4のポリマー層のような1つ以上のポリマー層の複数の繊維上にsp炭素含有材料を付着させることを含み得る。例えば、sp炭素含有材料を複数の繊維上に付着させることは、本明細書に開示されているように、(例えば、シード材料を使用して)本明細書に開示されているような化学蒸着を介するなどして、sp炭素含有材料を複数の繊維上で成長させることを含み得る。そのような例では、sp炭素含有材料を第1のポリマー層の複数の繊維上に付着させることは、化学蒸着を介してsp炭素含有材料を繊維織物の第1の側で成長させることを含み得る。
【0155】
いくつかの例では、積層体を形成することは、sp炭素含有材料を第1(および/または第4)のポリマー層の複数の繊維上に付着させて、sp炭素含有材料(例えば、グラフェンフレーク)を、本明細書に開示されているように、第1(および/または第4)のポリマー層または複合サンドイッチの主軸に対して平行な方向に配向させることを含み得る。例えば、グラフェンをコバルトシード材料上で成長させた後に、磁場を使用して、コバルトシード材料の配向を操作することができる。したがって、シード材料上のグラフェンも同様に磁場によって操作することができる。いくつかの例では、選択した層内のsp炭素含有材料の平面または主軸を、ポリマー層、ポリマー層内の繊維シート、または複合サンドイッチの主軸に平行、垂直、斜め、またはランダムに配向させて、複合サンドイッチの熱放出特性を選択的に調整することができる。いくつかの例では、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。例えば、シード材料を炭素繊維上に選択的に配置することができ、またCVD条件を選択的に制御することによって、sp炭素含有材料を、選択した配向で成長させることができる。
【0156】
積層体を形成することは、先に開示されているように、sp炭素含有材料を内部に有する1つ以上の予備成形されたポリマー層を形成することを含み得る。ポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物を織物層に噴霧し、次いで層を成形することによって、sp炭素含有材料は、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布することが可能になり、成形後に、所々において、sp炭素含有材料を有するポリマー層の上またはその全体にわたって分布したままとなる。積層体の残りの層は、完成(例えば、成形)部品の少なくとも大まかな輪郭を形成するように、sp炭素含有材料を有する予備成形されたポリマー層の内部/上に配置され得る。したがって、プレスの際に、積層体における予備成形されたポリマー層および残りの材料を金型の隅へとより容易へと押し込んで、金型によって画定される部品の完全な最終形状をもたらすことができる。積層体を形成することは、さらなるポリマー層またはsp炭素含有材料を有するポリマー層に結合することが意図された表面上の予備成形されたポリマー層を、磨き用パッド、スチールウール、やすり、または表面を研磨するのに適した任意の他の工具を用いるなどして、研磨することを含み得る。
【0157】
いくつかの例では、sp炭素含有材料を有する(第1の)ポリマー層は、熱硬化性樹脂中の複数のガラス繊維を含み得て、さらなる(第2の)ポリマー層は、熱硬化性樹脂中の複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得て、さらなる(第3の)ポリマー層は、熱硬化性樹脂中の複数のガラス繊維または複数の炭素繊維を含み得て、sp炭素含有材料を有する(第4の)ポリマー層は、熱硬化性樹脂中の複数のガラス繊維を含み得る。いくつかの例では、選択した層内の複数のガラス繊維または炭素繊維は、本明細書に開示されている密度のいずれか、例えば、80gsm、220gsm、300gsmなどを有し得る。例えば、第1のポリマー層は、80または220gsmの密度を有する第1の複数のガラス繊維およびsp炭素含有材料を含み得て、第2のポリマー層は、220gsmの密度を有する第2の複数のガラス繊維または300gsmの密度を有する複数の炭素繊維を含み得て、第3のポリマー層は、220gsmの密度を有する第3の複数のガラス繊維または300gsmの密度を有する複数の炭素繊維を含み得て、第4のポリマー層は、80または220gsmの密度を有する第4の複数のガラス繊維およびsp炭素含有材料を含み得る。そのような例では、積層体を形成することは、エポキシ-ポリウレタン樹脂を複数の繊維のうちの1つ以上に塗布することを含み得る。
【0158】
積層体のコアとしては、本明細書に開示されているコアのいずれか、例えば、複数の平行なチューブ、ハニカムコア、フォームコアなどが挙げられ得る。コアは、本明細書に開示されている材料組成または厚さのいずれかを有し得る。いくつかの例では、積層体を形成することは、さらなるポリマー層、熱可塑性層、アルミニウム層などを積層体内に配置することを含み得る。
【0159】
積層体を金型内でプレスするステップ920は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。
【0160】
積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。
【0161】
方法1100は、積層体を硬化させた後に積層体(例えば、ここでは少なくとも部分的に硬化した複合サンドイッチ構造体)を冷却することをさらに含み得る。例えば、少なくとも部分的に硬化したサンドイッチ構造体は、周囲温度において冷却され得るか、冷蔵環境において冷却され得るか、冷却トンネルにおいて冷却され得るか、または別のやり方でサンドイッチ構造体全体に空気を通すことによって冷却され得る。
【0162】
方法1100は、樹脂トランスファー成形またはプリプレグを利用して複合積層板構造体を形成することを含み得る。例えば、(sp炭素含有材料が結合しているまたは結合してない)複数の繊維を金型内の積層体に入れ、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂を金型内に注入し、樹脂を積層体内の複数の繊維に含浸させて、複合積層板構造体を形成することができる。いくつかの例では、部品を形成するために、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)プリプレグを含む積層体が金型内に配置され、金型内でプレスされ得る。積層体を金型内で圧縮する前に、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂をプリプレグに塗布してもよい。
【0163】
方法1100は、積層体を硬化させた後に複合サンドイッチからばりを切り取ることを含み得る。
【0164】
方法900、1000、1100から形成された複合サンドイッチは、本明細書に開示されているいずれかの形状、本明細書に開示されているいずれかの機械的特性、または本明細書に開示されているいずれかの熱放出特性(例えば、70kW分/m未満)を含み得る。方法900、1000、または1100を使用して、本明細書に開示されている複合サンドイッチまたは複合積層板構造体のいずれかを形成することができる。
【0165】
図12は、一実施形態によるモノリス複合材の製造方法1200のフローチャートである。方法1200は、ポリマー樹脂と、複数の繊維と、sp炭素含有材料とが内部に配置された少なくとも1つのポリマー層を形成するステップ1210と、少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成するステップ1220と、少なくとも1つのポリマー層を硬化させるステップ1230とを含む。いくつかの例では、ステップ1210、1220、または1230は、提示されたものとは異なる順序で実施される場合があり、または1つ以上のステップが省略される場合がある。いくつかの例では、さらなるステップが方法1200に含まれる場合がある。例えば、方法1200の実施形態は、少なくとも1つのポリマー層の最外表面を塗料またはビニール接着ステッカーのうちの少なくとも1つで塗装またはコーティングするステップも含み得る。方法1200の1つ以上の部分は、1つ以上の態様について、方法900、1000、または1100のいずれかの部分と類似または同一であり得る。
【0166】
ポリマー樹脂と、複数の繊維と、sp炭素含有材料とが内部に配置された少なくとも1つのポリマー層を形成するステップ1210は、複数のポリマー層を形成することを含み得る。ポリマー樹脂と、複数の繊維と、sp炭素含有材料とが内部に配置された少なくとも1つのポリマー層を形成するステップ1210は、第1の層610、第2の層620、または第3の層630のいずれかのような少なくとも1つのポリマー層を提供または形成することを含み得る。少なくとも1つのポリマー層を形成することは、ポリマー樹脂(例えば、本明細書のポリマー樹脂のいずれか)と、複数の繊維(例えば、本明細書の複数の繊維のいずれか)と、sp炭素含有材料とを有する少なくとも1つの層を形成することを含み得る。例えば、少なくとも1つのポリマー層を形成することは、sp炭素含有材料を有するポリマー樹脂を複数の繊維上に塗布することを含み得る。いくつかの例では、少なくとも1つのポリマー層を形成することは、sp炭素含有材料を複数の繊維上で成長させることなどによって、sp炭素含有材料を複数の繊維上に付着させ、次いで、その上にポリマー樹脂を塗布することを含み得る。いくつかの例では、sp炭素含有材料は、本明細書に開示されているように、選択した方向(例えば、繊維シートに対して平面平行(parallel planar))に配向され得る。ポリマー樹脂を塗布することは、選択的な分布で、例えば、複数の繊維の両側において均一に、または複数の繊維の一方の側もしくは部分においてより多い量で、ポリマー樹脂を複数の繊維上に、噴霧するか、手作業で展延するか、注ぐか、または別のやり方で塗布することを含み得る。ポリマー樹脂、またはポリマー樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、液体、半固体、または固体の形態で塗布され得る。いくつかの例では、ポリマー樹脂、複数の繊維、およびsp炭素含有材料がプリプレグ中に備えられている場合があり、少なくとも1つのポリマー層を形成することは、プリプレグを用意することを含み得る。いくつかの例では、少なくとも1つのポリマー層を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含み得る。ポリマー樹脂混合物は、複数の繊維に塗布され得る。少なくとも1つのポリマー層を形成することは、少なくとも1つのポリマー層のうちの1つ以上を予備成形することを含み得る。
【0167】
いくつかの例では、少なくとも1つのポリマー層を形成することは、sp炭素含有材料とポリマー樹脂とを混合して、sp炭素含有材料が内部に選択的に分布(例えば、実質的に均等に分布)したポリマー樹脂混合物を形成することを含む。例えば、先に開示されているように、高せん断ミキサまたは超音波撹拌機を使用して、ポリマー樹脂およびsp炭素含有材料を本明細書に開示されている量で混合してもよい。sp炭素含有材料は、単層グラフェンチューブ、多層グラフェンチューブ、グラフェン粉末、グラフェンシート、グラフェンフレーク、グラフェンスパイラル、パターン化グラフェン、折り畳みグラフェン、本明細書に開示されているいずれかのsp炭素含有材料、または前述のいずれかのものの組み合わせとして添加され得る。選択したポリマー層のsp炭素含有材料の含有量は、本明細書に開示されているいずれかの含有量、例えば、ポリマー層の10重量%未満または4重量%未満であり得る。
【0168】
少なくとも1つのポリマー層は、形成すべき構造部材のまだ硬化されていない1つ以上の層(例えば、スタック)であってもよい。少なくとも1つのポリマー層は、sp炭素含有材料を内部に含む第1のポリマー層と、第1のポリマー層の上に配置された第2のポリマー層と、第3のポリマー層(任意選択的にsp炭素含有材料を内部に含む)とを含み得る。したがって、少なくとも1つのポリマー層および得られるモノリス複合構造体は、sp炭素含有材料を内部に有する少なくとも1つの最外表面を含む。そのような例では、sp炭素含有材料を内部に有しない複合サンドイッチと比較して、任意の表面からの比較的低い熱放出性が実現される。
【0169】
少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成するステップ1220は、(sp炭素含有材料を内部に有する)少なくとも1つのポリマー層を金型内でプレスすることを含み得る。例えば、少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することは、第1の層610、第2の層620、または第3の層630を金型内に配置することを含み得る。金型は、方法900に関して先に説明した通りであり得る。少なくとも1つのポリマー層を金型内でプレスすることは、1つ以上の態様について、方法900に関して先に説明したように実施され得る。例えば、少なくとも1つのポリマー層を金型内でプレスすることは、少なくとも1つのポリマー層を熱間プレスすることを含み得る。少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することは、本明細書に開示されている層のいずれかを金型内に配置すること、例えば、第1の層610を金型内に配置し、第2の層620を第1の層610の上に配置し、第3の層630を第2の層620の上に配置することを含み得る。モノリス複合材において、いくつかの例では、第2の層620または第3の層630のうちの1つ以上が省略される場合がある。
【0170】
少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することは、金型を閉じ、その内部の少なくとも1つのポリマー層をプレスすることを含み得る。少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することは、少なくとも1つのポリマー層を金型内で選択した時間にわたってプレスすることを含み得る。少なくとも1つのポリマー層を選択した形状に形成することは、少なくとも1つのポリマー層を鋳型または枠の上に配置することを含み得る。この形状としては、車体パネル、シート部材、車両用内装パネル、収納コンテナ用パネルなどのような本明細書に開示されている形状または複合部材のいずれかが挙げられ得る。
【0171】
ポリマー樹脂、または樹脂とsp炭素含有材料との混合物は、プレスされると、またはプレスされた後に、複数の繊維に浸透し、硬化して硬くなり、sp炭素含有材料を内部に有する硬化ポリマー層を形成することができる。
【0172】
少なくとも1つのポリマー層を硬化させるステップ1230は、方法900に関して先に説明したように、1つ以上の態様について、積層体を硬化させて複合サンドイッチを形成するステップ930と類似または同一であり得る。例えば、少なくとも1つのポリマー層を硬化させることは、少なくとも1つのポリマー層を硬化させてモノリス複合部品を形成することを含み得る。
【0173】
少なくとも1つのポリマー層を硬化させることは、その内部のポリマー樹脂の硬化温度までモノリス層を金型内で加熱することを含み得る。少なくとも1つのポリマー層を硬化させることは、少なくとも1つのポリマー層を、金型から取り外すこと、周囲空気中で冷却すること、冷蔵環境で冷却することなどによって、硬化温度から例えば硬化温度未満に冷却することを含み得る。いくつかの例では、方法1200は、モノリス複合部品を金型から取り出すことを含み得る。
【0174】
方法1200は、硬化後に少なくとも1つのポリマー層(例えば、ここでは少なくとも部分的に硬化したモノリス複合材)を冷却することをさらに含み得る。例えば、少なくとも部分的に硬化したモノリス構造体は、周囲温度において冷却され得るか、冷蔵環境において冷却され得るか、冷却トンネルにおいて冷却され得るか、または別のやり方でモノリス複合構造体全体に空気を通すことによって冷却され得る。
【0175】
方法1200は、樹脂トランスファー成形またはプリプレグを利用して複合構造体を形成することを含み得る。例えば、(sp炭素含有材料が結合しているまたは結合してない)複数の繊維を金型内の積層体に入れ、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)樹脂を金型内に注入し、樹脂を積層体内の複数の繊維に含浸させて、複合積層板構造体を形成することができる。いくつかの例では、部品を形成するために、(sp炭素含有材料を内部に有するまたは有しない)プリプレグを含む積層体が金型内に配置され、金型内でプレスされ得る。いくつかの例では、プリプレグは、本明細書に開示されているように、複数の繊維に付着したsp炭素含有材料を含み得る。少なくとも1つのポリマー層を金型内でプレスする前に、(sp炭素含有材料を有するまたは有しない)樹脂をプリプレグに塗布してもよい。
【0176】
方法1200は、硬化後にモノリス複合部品からばりを切り取ることを含み得る。いくつかの例では、モノリス複合部品は、硬化の前またはその後に、塗装され得るか、着色され得るか、ステッカー(例えば、ビニール)で覆われ得るか、または選択した色、テクスチャおよび外観にて別のやり方でもたらされ得る。
【0177】
実施例
実施例Aを以下の手順に従って形成した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)と単層カーボンナノチューブ(「SWCNT」)との混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の2重量%であった。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、SWCNTを内部に有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。このSWCNTを有する熱硬化性層に、エポキシ/ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキンを施与した。厚さ4mm(例えば、開放端部から開放端部まで)の複数のPEIチューブを有するコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Aの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、さらなる熱硬化性物質を固化させて、実施例Aを形成した。実施例Aは、厚さ約3.6mmであり、平面状であった。
【0178】
実施例Bを以下の手順に従って形成した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)とSWCNTとの混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の4重量%であった。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。この熱硬化性層に、エポキシ/ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキン(第2の熱硬化性層)を施与した。厚さ4mm(例えば、開放端部から開放端部まで)の複数のPEIチューブを有するコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Bの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、実施例Bを形成した。実施例Bは、厚さ約4.2mmであり、平面状であった。
【0179】
実施例Cを以下の手順に従って形成した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)とSWCNTとの混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の4重量%であった。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。この熱硬化性層に、エポキシ/ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキン(第2の熱硬化性層)を施与した。複数のセルを有する厚さ4mmのPMIベースのフォームコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Cの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、実施例Cを形成した。実施例Cは、厚さ約3.8mmであり、平面状であった。
【0180】
実施例Dを以下の手順に従って形成した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)とSWCNTとの混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の6重量%であった。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。この熱硬化性層に、エポキシ/ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキン(第2の熱硬化性層)を施与した。厚さ4mm(例えば、開放端部から開放端部まで)の複数のPEIチューブを有するコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Dの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、実施例Dを形成した。実施例Dは、厚さ約3.8mmであり、平面状であった。
【0181】
実施例Eを以下の手順に従って形成した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の8重量%であった。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。この熱硬化性層に、エポキシ/ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキン(第2の熱硬化性層)を施与した。厚さ4mm(例えば、開放端部から開放端部まで)の複数のPEIチューブを有するコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Eの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、実施例Eを形成した。実施例Eは、厚さ約3.7mmであり、平面状であった。
【0182】
実施例Fを以下の手順に従って形成した。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。PEI樹脂をガラス繊維織物に塗布し、プレスし、加熱して、熱可塑性層を形成した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)とSWCNTとの混合物を高せん断ミキサで形成した。SWCNTは、混合物の8重量%であった。220g/mのガラス繊維スキンを用意した。熱硬化性樹脂とSWCNTとの混合物を48g/mでガラス繊維スキンに塗布して、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層を形成した。SWCNTを有する熱硬化性層をプレスして加熱した。この熱可塑性層に、SWCNTを有する熱硬化性層を施与した。厚さ4mmのPEIハニカムコアを、SWCNTを内部に有するまだ濡れている第1の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第2の熱硬化性層)を第1の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、実施例Fの積層体を形成した。この積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、実施例Fを形成した。実施例Fは、厚さ約4.7mmであり、平面状であった。
【0183】
比較例1を以下の手順に従って形成した。80g/mの平織りガラス繊維織物を用意した。熱硬化性樹脂(エポキシ-ポリウレタン混合物)を48g/mでガラス繊維織物に塗布して、第1の熱硬化性層を形成した。第1の熱硬化性層をプレスして加熱した。この第1の熱硬化性層に0.1mmのアルミホイル層を施与し、このアルミホイル層に、132g/mのエポキシ-ポリウレタン熱硬化性樹脂を含有する220g/mのガラススキン(第2の熱硬化性層)を施与した。厚さ4mm(例えば、開放端部から開放端部まで)の複数のPEIチューブを有するコアを、まだ濡れている(硬化していない)第2の熱硬化性層の上に配置した。エポキシ/ポリウレタン樹脂が塗布されたNCF炭素繊維シート(第3の熱硬化性層)を第2の熱硬化性層から反対側でコア上に配置して、比較例1の積層体を形成した。積層体をプレスして硬化させ、熱硬化性物質を固化させて、比較例1を形成した。比較例1は、厚さ約4.1mmであり、平面状であった。
【0184】
各実施例A~Eおよび比較例1の3つのサンプルを、14 C.F.R. pt. 25, Appendix F, Part IV(a)-(h) (2011)に記載の試験手順に従って、熱放出について試験した。試験から、実施例Aが、68.2kW分/mの平均熱放出および58.2kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、実施例Bが、63.0kW分/mの平均熱放出および53.0kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、実施例Cが、28.3kW分/mの平均熱放出および57.8kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、実施例Dが、61.4kW分/mの平均熱放出および50.5kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、実施例Eが、57.0kW分/mの平均熱放出および45.3kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、実施例Fが、26.3kW分/mの平均熱放出および28.6kW分/mの平均ピーク熱放出を有することが明らかになった。試験から、比較例1が、86.8kW分/mの平均熱放出および105.9kW分/mの平均ピーク熱放出を有することも明らかになった。
【0185】
実施例A~Eの熱放出値は驚くべきものであった。というのも、熱放出は、比較例1と同様の標準的な第1の熱硬化性層およびアルミホイル層を有する積層体について得られた熱放出値(86kW分/m超)と類似または同一であり得ると当初考えられていたからである。しかしながら、各実施例A~Eは、比較例1と比較して優れた熱放出性を示した。
【0186】
したがって、比較例1のアルミホイル層を取り除き、sp炭素含有材料(例えば、SWCNT)を実施例A~Eの熱硬化性層(例えば、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層)に追加することによって、複合材サンドイッチ構造体は、熱放出が大幅に低減され得る。さらに、実施例Aの平均ピーク熱放出、ならびに実施例B~Fの平均熱放出および平均ピーク熱放出のどちらも、航空安全基準の範囲内であった。実施例Aに使用したよりも2重量%多いSWCNTを実施例Bに添加することによって、同様に構築された複合積層板の熱放出は、約5kW分/m低下した。実施例DおよびEにおいてSWCNTの量を同様に2%増加させると、熱放出値がさらに減少した。現在、本発明者は、sp炭素含有材料を有する熱硬化性層内のsp炭素含有材料の量を増加させることによって、該層を用いる複合積層体の熱放出を先の実証結果よりもさらに低下させることができると考えている。したがって、複合サンドイッチ構造体の内部構成要素から熱を逸らすためにアルミニウム層を追加するという費用のかかるステップは、本明細書に開示されている複合サンドイッチ構造体を使用することによって問題なく省略することができる。
【0187】
実施例Cは、非常に低い平均熱放出(28.3kW分/m)および57.8kW分/mのピーク熱放出を示した。コア材料のみが実施例Cとは異なる実施例Bと比較した場合、実施例Cは、より低い平均熱放出を示したが、ピーク熱放出はより高かった。これらの値は、実施例Cのフォームコアが、実施例Bに使用されたPEIコアと比較して、ピーク熱放出のタイミングを約100秒遅延させることを実証するものであった。したがって、sp炭素含有材料を有する層と組み合わせてPMIベースのフォームコアを用いることによって、複合サンドイッチ構造体のピーク熱放出を遅延させ、航空基準を満たす熱放出値を実現することができる。
【0188】
実施例Fの平均熱放出値は、非常に低く、平均ピーク熱放出は、試験期間全体にわたって平均熱放出とほぼ同じであった。したがって、高温熱可塑性樹脂を、sp炭素含有材料を内部に有する1つ以上の層と組み合わせて用いると、複合部品から放出される熱の最大の大きさ(例えば、ピーク)が低下する。
【0189】
本明細書に開示されている複合サンドイッチは、比較的低い熱放出性、高い吸音性、高い断熱性、高い曲げ剛性、高いエネルギー吸収性、および軽量性を有し得る。モノリス複合材については、内部にコアがないので、類似したまたはさらに低い熱放出の結果が期待される。本明細書に開示されている複合サンドイッチおよびモノリス複合材は、自動車産業、農業機器、鉄道用途(例えば、エンジンまたは鉄道車両の内装、座席、バルクヘッドなど)、自転車、衛星用途、航空宇宙用途(例えば、飛行機の内装、座席、バルクヘッドなど)、船舶用途(例えば、ボート)、鉄道用途(例えば、鉄道車両の内装、座席など)、建設資材、消費者製品(例えば、家具、便座、および電子機器など)などを含むさまざまな用途において使用され得る。
【0190】
さまざまな態様および実施形態が本明細書に開示されているが、他の態様および実施形態も企図される。本明細書に開示されているさまざまな態様および実施形態は、説明を目的とするものであって、限定することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】