(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022232
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】速度算出装置
(51)【国際特許分類】
G01S 17/87 20200101AFI20230207BHJP
G01S 17/58 20060101ALI20230207BHJP
G01P 3/68 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
G01S17/87
G01S17/58
G01P3/68 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192627
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2018143630の分割
【原出願日】2018-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】加藤 淑子
(72)【発明者】
【氏名】轡 良樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 正浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 一聡
(57)【要約】
【課題】周辺環境や走行環境の影響を受けにくくすることができる速度算出装置を提供する。
【解決手段】制御部15は、第1取得部15aが車両Cに設けられて車両前方の地物を検出する前方ライダ21aが時刻t0に地物を検出した結果を取得し、第2取得部15bが車両Cに設けられて車両後方の地物を検出する後方ライダ21bが時刻t1に前方ライダ21aが時刻t0に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する。そして、算出部15cは、第1取得部15aが取得した結果と、第2取得部15bが取得した結果と、に基づいて車両Cの移動速度を算出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設けられて前記移動体前方の地物を検出する第1検出装置が第1時刻に地物を検出した結果を取得する第1取得部と、
前記移動体に設けられて前記移動体後方の地物を検出する第2検出装置が第2時刻に前記第1検出装置が前記第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する第2取得部と、
前記第1取得部が取得した結果と、前記第2取得部が取得した結果と、に基づいて前記移動体の移動速度を算出する算出部と、
を備えることを特徴とする速度算出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の速度を算出する速度算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車体速度を高精度に推定する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)等の測定装置により、周辺の物体と自車両との距離及び相対速度を測定し、測定結果に基づき自車両の速度を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、ライダ等の測定装置は、一つの測定装置で同一の地物を複数回測定して、測定された距離と時間から移動体の速度を算出している。しかしながら、移動体の周囲に他の移動体がある場合や、移動体自身の速度が高い場合は、同一の地物を複数回測定することが困難となる場合がある。つまり、従来は、周辺環境や走行環境の影響を受け易かった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、周辺環境や走行環境の影響を受けにくくすることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、移動体に設けられて前記移動体前方の地物を検出する第1検出装置が第1時刻に地物を検出した結果を取得する第1取得部と、前記移動体に設けられて前記移動体後方の地物を検出する第2検出装置が第2時刻に前記第1検出装置が前記第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する第2取得部と、前記第1取得部が取得した結果と、前記第2取得部が取得した結果と、に基づいて前記移動体の移動速度を算出する算出部と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、請求項6に記載の発明は、移動体の移動速度を算出する速度算出装置で実行される速度算出方法であって、前記移動体に設けられて前記移動体前方の地物を検出する第1検出装置が第1時刻に地物を検出した結果を取得する第1取得工程と、前記移動体に設けられて前記移動体後方の地物を検出する第2検出装置が第2時刻に前記第1検出装置が前記第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する第2取得工程と、前記第1取得工程で取得した結果と、前記第2取得工程で取得した結果と、に基づいて前記移動体の移動速度を算出する算出工程と、を含むことを特徴としている。
【0008】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の速度算出方法を、コンピュータにより実行させることを特徴としている。
【0009】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の速度算出プログラムを格納したことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例にかかる速度算出装置を有する検出装置の構成である。
【
図2】
図1に示されたライダの車両への設置位置の説明図である。
【
図3】
図1に示された制御部における速度算出方法の説明図である。
【
図4】
図1に示された制御部における速度算出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる速度算出装置は、第1取得部が移動体に設けられて移動体前方の地物を検出する第1検出装置が第1時刻に地物を検出した結果を取得し、第2取得部が移動体に設けられて移動体後方の地物を検出する第2検出装置が第2時刻に第1検出装置が第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する。そして、算出部は、第1取得部が取得した結果と、第2取得部が取得した結果と、に基づいて移動体の移動速度を算出する。このようにすることにより、第1検出部と第2検出部の2つの検出部で同一の地物を検出した結果を用いて速度を算出することができる。したがって、測定対象の地物を通り過ぎた場合や、周囲に他の移動体がある場合、あるいは移動体自身の速度が高い場合であっても速度を算出することができ、周辺環境や走行環境の影響を受けにくくすることができる。
【0012】
また、算出部は、第1取得部が取得した結果と、第2取得部が取得した結果と、第1検出装置及び第2検出装置の移動体の進行方向における設置間隔と、に基づいて移動体の移動速度を算出してもよい。このようにすることにより、設置間隔を利用することで、算出する速度の精度をさらに向上させることができる。
【0013】
また、算出部は、地物の形状に基づいて同一の地物を特定してもよい。このようにすることにより、地物の形状によって前方で検出された地物と後方で検出された地物とが同一の地物であることを特定できる。
【0014】
また、算出部は、他の速度センサで検出された結果に基づいて算出した距離と、第1取得部が取得した結果及び第2取得部が取得した結果に基づく距離と、を比較して同一の地物を特定してもよい。このようにすることにより、他の速度センサで検出された結果を利用して同一の地物を特定することができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態にかかる車速センサ補正装置は、上述した速度算出装置と、移動体が有する車速センサの出力信号を取得する第3取得部と、速度算出装置が算出した移動速度に基づいて、第3取得部が取得した出力信号を補正する補正部と、を備えている。このようにすることにより、車速センサが検出した速度を上述した速度算出装置で検出した速度で補正することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態にかかる速度算出方法は、第1取得工程で移動体に設けられて移動体前方の地物を検出する第1検出装置が第1時刻に地物を検出した結果を取得し、第2取得工程で移動体に設けられて移動体後方の地物を検出する第2検出装置が第2時刻に第1検出装置が第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する。そして、算出工程は、第1取得工程で取得された結果と、第2取得工程で取得された結果と、に基づいて移動体の移動速度を算出する。このようにすることにより、第1検出部と第2検出部の2つの検出部で同一の地物を検出した結果を用いて速度を算出することができる。したがって、測定対象の地物を通り過ぎた場合や、周囲に他の移動体がある場合、あるいは移動体自身の速度が高い場合であっても速度を算出することができ、周辺環境や走行環境の影響を受けにくくすることができる。
【0017】
また、上述した速度算出方法をコンピュータにより実行させる速度算出プログラムとしてもよい。このようにすることにより、第1検出部と第2検出部の2つの検出部で同一の地物を検出した結果を用いて、コンピュータを用により速度を算出することができる。したがって、測定対象の地物を通り過ぎた場合や、周囲に他の移動体がある場合、あるいは移動体自身の速度が高い場合であっても速度の算出頻度を高めることが可能となる。
【0018】
また、上述した速度算出プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
【実施例0019】
本発明の一実施例にかかる速度算出装置を
図1~
図4を参照して説明する。本実施例にかかる速度算出装置は検出装置1に含まれ、移動体としての車両と共に移動する。
【0020】
本実施形態にかかる検出装置1の概略ブロック構成を
図1に示す。検出装置1は、センサ群11と、記憶部12と、制御部15と、出力部16と、を備えている。
【0021】
センサ群11は、ライダ21、車速センサ22、加速度センサ23、ジャイロセンサ24と、 進行方向センサ25と、 GPS受信機27と、を備えている。
【0022】
検出部としてのライダ21は、パルス状にレーザ光を出射することで、外界に存在する物体までの距離を離散的に測定する。ライダ21は、レーザ光が反射された物体までの距離と、当該レーザ光の出射角度との組により示された計測点の点群を出力する。本実施例では、ライダ21は、車両の周辺に存在する地物の検出に用いられる。地物とは、地上に存在する天然または人工のあらゆる物体を含む概念である。地物の例としては、車両の経路(即ち道路)上に位置する経路上地物と、道路の周辺に位置する周辺地物と、が含まれる。経路上地物の例としては、道路標識や信号機、ガードレール、歩道橋等が挙げられ、道路そのものも含まれる。即ち、路面に描写された文字や図形、及び、道路の形状(道幅や曲率)も経路上地物に含まれる。また、周辺地物の例としては、道路に沿って位置する建築物(住宅、店舗)や看板等が挙げられる。
【0023】
本実施例では、ライダ21は、
図2に示したように、車両Cの前方の地物を検出する前方ライダ21aと、車両Cの後方の地物を検出する後方ライダ21bと、を備えている。前方ライダ21aは、例えば車両Cの前端部に設けられている。後方ライダ21bは、例えば車両Cの後端部に設けられている。なお、ライダ21の設置数は2つに限らない。つまり、前方ライダ21aとして複数のライダが該当してもよく、後方ライダ21bとして複数のライダが該当してもよい。そして、複数のライダから速度算出のために測定結果を選択して取得するようにしてもよい。
【0024】
なお、本実施例において速度算出の対象とする地物として道路標示(路面に描写された文字や図形等)を主に利用する場合は、車両下部(例えばボンネットよりも下側)にライダ21を設けることが好ましい。また、目的地や通過地への方向および距離などを示す案内標識等の道路の上方に設けられている看板等を主に利用する場合は車両上部(例えばボンネットよりも上側)にライダ21を設けることが好ましい。また、ライダ21は、速度算出専用ではなく、障害物検出や自己位置推定等の他の用途での利用を兼ねていてもよい。
【0025】
車速センサ22は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなるパルス(「車軸回転パルス」とも呼ぶ。)を計測し、車速を検出する。加速度センサ23は、車両の進行方向における加速度を検出する。ジャイロセンサ24は、車両の方向変換時における車両の角速度を検出する。進行方向センサ25は、例えば車両のシフトレバーをリバース位置にした際等に出力されるリバース信号に基づいて、車両が前進しているか後退しているかを検出する。GPS(Global Positioning System)受信機27は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む電波を受信することで、車両の絶対的な位置を検出する。センサ群11の各センサの出力は、制御部15に供給される。
【0026】
記憶部12は、制御部15が実行する速度算出プログラムや、制御部15が所定の処理を実行するのに必要な情報等を記憶する。本実施例では、記憶部12は、道路データ及び地物の情報を含む地図データベース(DB)10を記憶する。なお、地
図DB10は、定期的に更新されてもよい。この場合、例えば、制御部15は、図示しない通信部を介し、地図情報を管理する外部のサーバ装置から、自車位置が属するエリアに関する部分地図情報を受信し、地
図DB10に反映させる。なお、記憶部12が地
図DB10を記憶する代わりに、検出装置1と通信可能なサーバ装置が地
図DB10を記憶してもよい。この場合、制御部15は、外部のサーバ装置と通信を行うことにより、地
図DB10から必要な地物の情報等を取得する。
【0027】
出力部16は、例えば、制御部15で算出された速度情報を、自動運転の制御装置や、メータ等の他の車載機器に出力する。
【0028】
制御部15は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)などを含み
、検出装置1の全体を制御する。制御部15は、第1取得部15aと、第2取得部15bと、算出部15cと、を備えている。本実施例では、制御部15は、ライダ21で検出された地物に基づいて車両の速度を算出する。
【0029】
第1取得部15aは、前方ライダ21aが検出した地物の検出結果を取得する。第2取得部15bは、後方ライダ21bが検出した地物の検出結果を取得する。
【0030】
算出部15cは、第1取得部15aで取得された結果及び第2取得部15bで取得された結果に基づいて車両の速度を算出する。
【0031】
そして、上述した構成の検出装置1のうち制御部15が本実施例にかかる速度算出装置として機能する。
【0032】
次に、上述した構成の検出装置1の制御部15(速度算出装置)における速度算出の方法について
図3を参照して説明する。
図3は、車両Cが図の下側から上側へ移動する場合における速度算出方法についての説明図である。
【0033】
上述したように車両Cには前方ライダ21aと後方ライダ21bとが設けられている。まず、時刻t0において、前方ライダ21aが地物A(例えば停止線)を検出する。この検出によって、時刻t0の地点における前方ライダ21aから地物Aまでの距離dt0(m)が検出される。
【0034】
次に、車両Cが地物Aを通過後の時刻t1において、後方ライダ21bが地物Aを検出する。この検出によって、時刻t1の地点における後方ライダ21bから地物Aまでの距離dt1(m)が検出される。
【0035】
また、前方ライダ21aと後方ライダ21bとの設置間隔ds(m)はライダ21の設置時に予め判明する距離である。よって、これらの距離dt0、dt1、dsと、時刻t1と時刻t0との時間差(秒)により、次の(1)式で車両Cの速度Sを求めることができる。
S(m/s)=(dt0+dt1+ds)/(t1-t0)・・・・(1)
【0036】
即ち、第1取得部15aが取得した結果(dt0)と、第2取得部15bが取得した結果(dt1)と、前方ライダ21a及び後方ライダ21bの車両の進行方向における設置間隔(ds)と、に基づいて車両Cの速度Sを算出している。
【0037】
なお、前方ライダ21aから地物Aまでの距離dt0や、時刻t1の地点における後方ライダ21bから地物Aまでの距離dt1が、前方ライダ21aと後方ライダ21bとの設置間隔dsよりも十分に大きい場合は、設置間隔dsを省略することができる。
【0038】
次に、上述した制御部15(速度算出装置)における動作(速度算出方法)を
図4のフローチャートにまとめる。
図4に示したフローチャートは制御部15のCPUで動作するコンピュータプログラム(速度算出プログラム)として構成されている。また、このプロフラムは、制御部15が有するメモリ等に格納されているに限らず、メモリーカードや光ディスク等の記憶媒体に格納されていてもよい。
【0039】
まず、第1取得部15aが前方ライダ21aの検出結果を取得する(ステップS1)。次に、第2取得部15bが後方ライダ21bの検出結果を取得する(ステップS2)。
【0040】
次に、ステップS1で取得した前方ライダ21aの検出結果とステップS2で取得した後方ライダ21bの検出結果のうち、同一の地物を検出しているか否かを判断する(ステップS3)。同一の地物か否かは、例えば車両Cが前進している場合であれば前方ライダ21a、後方ライダ21bの順に検出されて、かつ、検出された地物の形状を照合することで同一地物か否かを判断すればよい。また、検出時刻の範囲を、例えば前方ライダ21aで検出されてから何秒以内など制限してもよい。
【0041】
地物の形状は、例えば道路標示であれば、制限速度の表示や、横断歩道又は自転車横断帯ありの表示等の形状に特徴があるものであれば同一の判断が容易である。
【0042】
このステップS3を実行することで、第2取得部15bでは、後方ライダ21bが第2時刻に前方ライダ21aが第1時刻に検出した地物と同一の地物を検出した結果を特定して取得することができる。
【0043】
また、車速センサ22の結果やGPS受信機27で検出された位置情報の軌跡等の他の方法で検出された速度に基づいて同一地物の判断をしてもよい。例えば、車速センサ22で検出された速度と検出時刻の時間差から距離を求めることができる。この距離は、前方ライダ21aから検出対象地物までの距離(
図3のdt0)と後方ライダ21bから検出対象地物までの距離(
図3のdt1)との合計距離とほぼ同じ距離となるため、この車速センサ22に基づく距離と、実際に前方ライダ21aや後方ライダ21bで検出された距離とを比較して差が所定の範囲となる場合は同一地物と判断することができる。
【0044】
そして、ステップS3で同一地物と判断された地物についての検出結果(距離と時刻)を用いて(1)式により速度を算出する(ステップS4)。
【0045】
以上の説明から明らかなように、ステップS1が第1取得工程、ステップS2、S3が第2取得工程、ステップS4が算出工程として機能する。
【0046】
このようにして算出された速度は、例えば車速センサ22で検出された速度の補正に利用することができる。車速センサ22の速度の補正方法については、公知の方法を用いることができ、例えば特開2008-8783号公報に記載の方法を用いることができる。この場合、制御部15が、車速センサ22の出力信号を取得する第3取得部、速度算出装
置が算出した移動速度に基づいて、第3取得部が取得した出力信号を補正する補正部として機能する。
【0047】
本実施例によれば、制御部15は、第1取得部15aが車両Cに設けられて車両前方の地物を検出する前方ライダ21aが時刻t0に地物を検出した結果を取得し、第2取得部15bが車両Cに設けられて車両後方の地物を検出する後方ライダ21bが時刻t1に前方ライダ21aが時刻t0に検出した地物と同一の地物を検出した結果を取得する。そして、算出部15cは、第1取得部15aが取得した結果と、第2取得部15bが取得した結果と、に基づいて車両Cの移動速度を算出する。このようにすることにより、前方ライダ21aと後方ライダ21bの2つのライダで同一の地物を検出した結果を用いて速度を算出することができる。したがって、測定対象の地物を通り過ぎた場合や、車両Cの周囲に他の車両等がある場合、あるいは車両C自身の速度が高い場合であっても速度の算出頻度を高めることが可能となる。
【0048】
また、算出部15cは、第1取得部15aが取得した結果と、第2取得部15bが取得した結果と、前方ライダ21a及び後方ライダ21bの車両Cの進行方向における設置間隔dsと、に基づいて車両Cの移動速度を算出している。このようにすることにより、設置間隔を利用することで、算出する速度の精度をさらに向上させることができる。
【0049】
また、算出部15cは、地物の形状に基づいて同一の地物を特定してもよい。このようにすることにより、地物の形状によって前方で検出された地物と後方で検出された地物とが同一の地物であることを特定できる。
【0050】
また、算出部15cは、速度センサ22で検出された結果に基づいて算出した距離と、第1取得部15aが取得した結果及び第2取得部15bが取得した結果に基づく距離と、を比較して同一の地物を特定してもよい。このようにすることにより、他のセンサである速度センサ22で検出された結果を利用して同一の地物を特定できる。
【0051】
また、制御部15は、上述した速度算出装置と、車両Cが有する車速センサ22の出力信号を取得する第3取得部と、速度算出装置が算出した移動速度に基づいて、第3取得部が取得した出力信号を補正する補正部と、して機能する。このようにすることにより、車速センサ22が検出した速度を上述した速度算出装置で検出した速度で補正することができる。
【0052】
なお、上述した説明では、車両Cが前進時における速度算出方法を説明したが、後退時であっても算出可能である。その場合は、後方ライダ21bで検出された結果を先に取得し、その後、前方ライダ21aで検出された結果を取得するようにすればよい。
【0053】
また、上述した説明では、第1検出装置、第2検出装置としてライダで説明したが、車載カメラであってもよい。
【0054】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の速度算出装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。