(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022251
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】抗不整脈製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4458 20060101AFI20230207BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20230207BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/40 20060101ALI20230207BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230207BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20230207BHJP
【FI】
A61K31/4458
A61K9/72
A61K9/08
A61K47/40
A61K47/12
A61P9/06
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022193405
(22)【出願日】2022-12-02
(62)【分割の表示】P 2022506507の分割
【原出願日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/881,689
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/901,909
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/901,941
(32)【優先日】2020-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511227266
【氏名又は名称】インカーダ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100122644
【弁理士】
【氏名又は名称】寺地 拓己
(72)【発明者】
【氏名】ヒューリー,マイケル・レアード
(72)【発明者】
【氏名】ベラーディネリ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】マドゥハバペッディ,プラシャンティ
(72)【発明者】
【氏名】シューラー,カルロス
(57)【要約】 (修正有)
【課題】心臓の状態を吸入によって処置するための抗不整脈剤を含む医薬組成物を提供する。
【解決手段】60mg/mLより高い濃度のフレカイニドの塩を有する液体溶液の形態の医薬組成物。シクロデキストリンをさらに含む、前記医薬組成物。噴霧薬物製品およびキットもまた開示される。
【選択図】
図23A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物であって、60mg/mLより高い濃度の前記フレカイニドの塩を有する液体溶液の形態の医薬組成物。
【請求項2】
シクロデキストリンをさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記溶液のpHが、室温で5.5より高い、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約10%(w/v)である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約20%(w/v)である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約130mg/mLである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記フレカイニドの塩の前記濃度が約75mg/mLである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記フレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、先行する請求項のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項12】
酸をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約50mMである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記酸の前記濃度が約20mMである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記酸の前記濃度が約5mMである、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記酸が酢酸を含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項18】
酢酸の濃度が約5mMである、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記酸がクエン酸を含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項20】
クエン酸の濃度が約5mMである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記溶液の前記pHが約5.5~約6.5である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記溶液の前記pHが約5.9である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項24】
甘味料をさらに含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記甘味料がサッカリンを含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項27】
吸入による投与のために製剤化される、先行する請求項のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項28】
10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する噴霧液滴を含む噴霧溶液である、先行する請求項のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項29】
約50mg~約350mgの前記フレカイニドの塩を含む、先行する請求項のいずれかに記載の前記医薬組成物の投与単位。
【請求項30】
約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含む、請求項29に記載の投与単位。
【請求項31】
約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含む、請求項29に記載の投与単位。
【請求項32】
約90mgの前記フレカイニドの塩を含む、請求項29に記載の投与単位。
【請求項33】
約120mgの前記フレカイニドの塩を含む、請求項29に記載の投与単位。
【請求項34】
約200mgの前記フレカイニドの塩を含む、請求項29に記載の投与単位。
【請求項35】
先行する請求項のいずれかに記載の前記医薬組成物または前記投与単位、および心臓の状態の処置のための前記医薬組成物の使用についての使用説明書を含む、キット。
【請求項36】
前記医薬組成物を含有する容器をさらに含む、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記容器が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
(1)(a)フレカイニドの塩、
(b)シクロデキストリン、および
(c)酸
を含む医薬組成物;
(2)前記医薬組成物を含有するレセプタクル;ならびに
(3)前記医薬組成物の用量をエアロゾルで対象に吸入投与するための噴霧器の使用についての使用説明書であって、前記用量が約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有し、前記医薬組成物の前記エアロゾルが、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を有する、使用説明書
を含むキットであって、
前記医薬組成物が、
(i)約65mg/mL~約95mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩、
(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロデキストリン;および
(iii)pHが室温で測定された場合に、約5.5~約6.5の前記pH
を有する液体溶液の形態である、キット。
【請求項39】
先行する請求項のいずれかに記載の前記医薬組成物および噴霧器を含むシステム。
【請求項40】
前記医薬組成物が噴霧器による投与のために製剤化され、噴霧器が、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
心臓の状態の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
心房性不整脈の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項43】
前記噴霧器が、前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項44】
前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、請求項39に記載のシステム。
【請求項45】
前記噴霧器がジェット噴霧器である、請求項39に記載のシステム。
【請求項46】
前記使用説明書が、前記医薬組成物を約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、請求項39に記載のシステム。
【請求項47】
前記使用説明書が、前記医薬組成物を約75mg~約125mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、請求項39に記載のシステム。
【請求項48】
フレカイニドの塩、シクロデキストリンおよび酸を含む医薬組成物;
前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成された噴霧器;ならびに
前記医薬組成物を約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書
を含むシステムであって、
前記医薬組成物が、(i)65mg/mL~100mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩;(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロ
デキストリン;および(iii)室温で約5.5~約6.5のpHを有する液体溶液の形態である、システム。
【請求項49】
心臓の状態を患う対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が60mg/mLより高い、方法。
【請求項50】
前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記溶液のpHが、前記pHが室温で測定された場合に5.5より高い、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を約10分以内に吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記投与が、少なくとも200ng/mLである前記対象における前記フレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、方法。
【請求項53】
前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が、前記溶液の60mg/mLより高い、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、請求項49、52または53に記載の方法。
【請求項55】
前記Cmaxが約250ng/mL~約1000ng/mLである、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記Cmaxが約300ng/mL~約700ng/mLである、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記医薬組成物の前記投与が約10分以内に行われる、請求項49または52に記載の方法。
【請求項58】
前記医薬組成物の前記投与が1または2回の吸入によって行われる、請求項49または52に記載の方法。
【請求項59】
前記医薬組成物の前記投与が、約10秒~約1分の休憩によって隔てられる2回の吸入によって行われる、請求項49または52に記載の方法。
【請求項60】
前記医薬組成物の前記投与が約5分以内に行われる、請求項49または52に記載の方法。
【請求項61】
前記投与が噴霧器によって行われる、請求項49または52に記載の方法。
【請求項62】
前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記噴霧器がジェット噴霧器である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記噴霧器が振動メッシュ噴霧器である、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、請求項49または52に記載の方法。
【請求項66】
約90mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、請求項49または52に記載の方法。
【請求項67】
約120mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、請求項49または52に記載の方法。
【請求項68】
約200mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、請求項49または52に記載の方法。
【請求項69】
前記心臓の状態が心房性不整脈を含む、請求項49または52に記載の方法。
【請求項70】
前記心房性不整脈が頻拍を含む、請求項49または52に記載の方法。
【請求項71】
前記心房性不整脈の検出後の急性処置を含む、請求項49または52に記載の方法。
【請求項72】
前記心臓の状態が心房細動を含む、請求項49または52に記載の方法。
【請求項73】
前記心房細動が再発性心房細動である、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記心房細動が発作性心房細動である、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記対象が、処置時に約90mmHgより高い収縮期血圧を有する、請求項49または52に記載の方法。
【請求項76】
前記対象が、処置時に約100mmHg~約160mmHgの収縮期血圧を有する、
請求項49または52に記載の方法。
【請求項77】
前記対象が、処置時に170BPM以下の心室レートを有する、請求項49または52に記載の方法。
【請求項78】
前記対象が、処置時に約80BPM~約155BPMの心室レートを有する、請求項49または52に記載の方法。
【請求項79】
(a)水;
(b)pH調整剤;
(c)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩;および
(d)シクロデキストリン
を組み合わせるステップを含む、液体医薬組成物を調製する方法。
【請求項80】
(i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記組み合わせるステップが、
(a)前記水を準備するステップ;
(b)前記水の一部を、ベッセル中で前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩、前記シクロデキストリンおよび前記pH調整剤と接触させるステップ;ならびに
(c)前記水の次の部分を前記ベッセルに添加して、前記医薬組成物をもたらすステップを含み、
(i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、請求項79または80に記載の方法。
【請求項82】
前記pH調整剤が、酢酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、リン酸イオン、アコニット酸イオン、アジピン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、カプリル酸イオン、コール酸イオン、ギ酸イオン、グルタミン酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、ソルビン酸イオン、ステアリン酸イオンおよびコハク酸イオンからなる群から選択されるイオンを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項85】
前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項86】
前記医薬組成物中の前記pH調整剤の濃度が約2mM~約10mMである、請求項79に記載の方法。
【請求項87】
前記pH調整剤が酢酸を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項88】
前記酢酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
前記pH調整剤がクエン酸を含む、請求項79に記載の方法。
【請求項90】
前記クエン酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項92】
前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの前記濃度が、約10%(w/v)~約30%(w/v)である、請求項79に記載の方法。
【請求項93】
甘味料を添加するステップをさらに含む、請求項79~92に記載の方法。
【請求項94】
前記甘味料がサッカリンを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩が添加される、請求項79に記載の方法。
【請求項98】
薬学的に許容される前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項100】
前記投与単位形態が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される容器をさらに含む、請求項99に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
[0001]本出願は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年8月1日出願の米国仮出願第62/881,689号、2020年6月15日出願の米国非仮出願第16/901,909号および2020年6月15日出願の米国非仮出願第16/901,941号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
[0002]心不整脈(また、心調律異常)は、心臓に異常な電気的活動が生じる状態の大きな混成群のいずれかを表す用語である。心拍は、速すぎるまたは遅すぎる場合があり、規則的または不規則である場合がある。
【0003】
[0003]心房性不整脈の治療は、高レベルの満たされていない臨床的必要性を伴う分野である。現在使用されている多くの薬物は、1980年代前半および1990年代から市販されており、有効性の欠如、または多くの場合心臓に関連し、患者の広範なモニタリングを必要とする副作用プロファイルのいずれかのために不十分であることが多い。
【0004】
[0004]迅速かつ安全な心臓除細動(不整脈の解決策)に必要とされるものは、
(a)心臓除細動前に心室レートの加速のリスクをほぼまたは全く生じない;
(b)心室レートの制御および心臓除細動が同時に行われるように、房室(AV)伝導を遅延させる;
(c)QRS間隔を正常値(約120ミリ秒)の上限を超えて延長させる作用をわずかに生じるまたは全く生じず、トルサード・ド・ポワントが低リスクであるべきである;かつ(d)陰性変力作用をわずかに生じるまたは全く生じない;患者が洞調律に復帰した際の重度の徐脈のリスクを伴うことなく、軽度の陰性変時作用のみ有するべきである。
(e)低血圧をわずかに生じるまたは全く生じない。
(f)軽度の、一過性の(すなわち、数分以上持続しない)、処置を必要としない、かつ後遺症を有さないもの以外の有害事象を生じない
治療である。
【0005】
[0005]現在承認されている薬物製品はいずれも、これらの特性を示さない。吸収、代謝および希釈を補うために必要とされる高い経口および静脈内(IV)用量は、長期間の高い血中濃度をもたらし、これが不整脈誘発、QT延長およびトルサード・ド・ポワントなどの危険な有害心イベントを生じる可能性がある。FELDMAN et al., “Analysis of Coronary Response to Various Doses of Intracoronary Nitroglycerin,” Circulation, 66:321-327 (1982);およびBARBATO et al., “Adrenergic Receptors in Human Atherosclerotic Coronary Arteries,” Circulation, 111:288-294 (2005)。併発状態もまた、一部の患者における理想的な薬物の使用を制限し、例えば静脈内アデノシンが当てはまる。GAGLIONE et al., “Is There Coronary Vasoconstriction after Intracoronary Beta-adrenergic Blockade in Patients with Coronary Artery Disease,” J Am Coll Cardiol, 10:299-310 (1987)。ベラパミルおよびジルチアゼムなどの薬物の注射は、患者の緊密な
モニタリングを必要とする第二選択治療である。NOGUCHI et al., “Effects of Intracoronary Propranolol on Coronary Blood Flow and Regional Myocardial Function in Dogs,” Eur J Pharmacol., 144(2):201-10 (1987);およびZALEWSKI et al., “Myocardial
Protection during Transient Coronary Artery Occlusion in Man: Beneficial Effects of Regional Beta-adrenergic Blockade,” Circulation, 73:734-73 (1986)。
【0006】
[0006]発作性心房細動(PAF)は、全心房細動(AF)集団のサブセットであり、全AF集団の25~30%と推定される。米国で約250万人の患者がAFに罹患している。PAF患者の人口は、世界で900,000~150万人と推定される。
【0007】
[0007]発作性上室性頻拍(PSVT)は、米国で約500,000~600,000人の患者が罹患する不整脈の一種である。
[0008]アブレーション技術、例えばRFアブレーションは、多くの場合不整脈を処置するために使用される。しかし、アブレーションは高価であり、費用は典型的に手術1回あたり約25,000ドル~36,000ドルに及ぶ。高額にもかかわらず、アブレーションは、不整脈を完全に矯正するわけではない場合がある。多くの場合、良好な治療結果を達成するために複数のアブレーション手術が必要である。
【0008】
[0009]経口薬、例えば丸剤は、作用の発現に高用量および長時間を必要とする傾向がある。心臓薬の経口用量は、一般的に1mgをはるかに超える傾向がある。これらの患者は、典型的に複数の薬を摂取するため、高用量は副作用および薬物間相互作用の可能性を増大させる。経口心血管薬が発現する時間は、約60分である傾向がある。経口抗不整脈薬は、主に予防のために開発されているが、処置は静脈内投与される。
【0009】
[0010]静脈内注射は、通常薬を投与するために病院環境を必要とし、典型的に緊急治療室(ER)への来訪を伴う。こうした経費により、この治療は、患者が薬を自己投与できる治療に比べ高価である。静脈内注射は、希釈および代謝を補うために心臓で実際に必要とされる用量より高い用量を必要とする。IV注射された薬物は、心臓の右側、その後肺を通過して心臓の左側に到達する。薬物は高濃度で血流に残存し、腎臓または他の代謝経路(例えば、肝臓)を通って排出されるまですべての臓器および組織をこの高濃度の薬物で浸す。結果として、IV薬物は、望ましくない副作用を生じる可能性がある。IV経路を介して投与される薬物は、心臓循環に到達する前に静脈血量および肺で顕著に希釈される。
【0010】
[0011]心臓への薬物の直接注射は、通常緊急事態における救命手段として心臓専門医によってとられる最終手段である。この方法で心臓に直接注射される薬物の用量は、通常それらのIVおよび/または経口用量未満である。
【0011】
[0012]一部の場合では、患者を救命するために計画外の外科手術が必要である。当然ながら、計画外の外科手術は高価であり、患者にとって高リスクである。
[0013]心不整脈は、胸部周囲の絞扼感、動悸、倦怠感、息切れおよび一部の場合は胸痛などの身体障害性症状に関連する。
【0012】
[0014]上記を考慮すると、不整脈は、多くの場合静脈内薬物が投与される緊急治療室(ER)への来訪につながり、長期入院が必要な場合もあり、さらに一部の場合では計画外の侵襲的手術をもたらす。Pipeline Insights: Antiarrhythmics, Datamonitor (06/2006);およびTWISS et al., “Efficacy of Calcium Channel Blockers as Maintenance Therapy for Asthma,” British J of Clinical Pharmacology (November 2001)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
[0015]しかし、心臓の状態を処置するための向上された組成物および方法に対する必要性が依然として存在する。したがって、これらの組成物を作製する方法に対する必要性もまた依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
[0016]一部の態様では、治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物であって、60mg/mLより高い濃度のフレカイニドの塩を有する液体溶液の形態の医薬組成物が本明細書に記載される。
【0015】
[0017]一部の場合では、医薬組成物は、シクロデキストリンをさらに含む。一部の場合では、溶液のpHは、pHが室温で測定された場合に5.5より高い。一部の場合では、溶液のpHは、pHが室温で測定された場合に約5.5~約6.5である。一部の場合では、医薬組成物はシクロデキストリンをさらに含み、溶液のpHは、pHが室温で測定された場合に5.5より高い。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、溶液の約1%(w/v)~約80%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の少なくとも約5%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の少なくとも約10%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約20%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約20%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約25%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約25%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)である。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、最大で約200mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約65mg/mL~約130mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約65mg/mL~約95mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約70mg/mL~約115mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約100mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約75mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩は、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される。一部の場合では、フレカイニドの塩は酢酸フレカイニドを含む。一部の場合では、フレカイニドの塩は塩酸フレカイニドを含む。
【0016】
[0018]一部の場合では、医薬組成物は酸をさらに含む。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロ
ピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約200mMである。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約50mMである。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約10mMである。一部の場合では、酸の濃度は、最大で約50mMである。一部の場合では、酸の濃度は約20mMである。一部の場合では、酸の濃度は約5mMである。一部の場合では、酸は酢酸を含む。一部の場合では、酢酸の濃度は約5mMである。一部の場合では、酸はクエン酸を含む。一部の場合では、クエン酸の濃度は約5mMである。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される酸の混合物を含む。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む。一部の場合では、酸は塩酸を含む。
【0017】
[0019]一部の場合では、フレカイニドの塩は酢酸フレカイニドを含み、酸は酢酸を含む。一部の場合では、溶液のpHは、最大で約6.5である。一部の場合では、溶液のpHは約5.9である。一部の場合では、溶液のpHは、約5.5~約6.5である。
【0018】
[0020]一部の場合では、医薬組成物は、医薬組成物の感覚刺激特性を向上させるように構成された人工甘味料をさらに含む。一部の場合では、人工甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンを含む。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンの塩を含む。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンナトリウムを含む。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である。
【0019】
[0021]一部の場合では、医薬組成物は、吸入による投与のために製剤化される。一部の場合では、医薬組成物は、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する噴霧液滴を含む噴霧溶液である。
【0020】
[0022]一部の態様では、約50mg~約350mgのフレカイニドの塩を含む、本明細書に提供される任意の医薬組成物の投与単位(unit dose)が本明細書に記載される。
[0023]一部の場合では、投与単位は、約60mg~約150mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約75mg~約125mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約250mg~約350mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約100mg~約250mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約315mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約260mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約230mgのフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位は、約200mgのフレカイニドの塩を含む。
【0021】
[0024]一部の態様では、本明細書に記載される任意の医薬組成物または任意の投与単位、および心臓の状態の処置のための医薬組成物の使用についての使用説明書を含むキットが本明細書に記載される。一部の場合では、心臓の状態は心房細動を含む。一部の場合では、心房細動は頻拍を含む。一部の場合では、心房性不整脈は、上室性頻拍、発作性上室
性頻拍、心房細動、発作性心房細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される。一部の場合では、キットは、医薬組成物を含有する容器をさらに含む。一部の場合では、容器は、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される。
【0022】
[0025]一部の態様では、本明細書に提供される任意の医薬組成物および噴霧器を含むシステムが本明細書に記載される。一部の場合では、システムは、心臓の状態の処置のための噴霧器および医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む。一部の場合では、医薬組成物は、噴霧器による投与のために製剤化され、噴霧器は、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される。一部の場合では、噴霧器は、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される。一部の場合では、システムは、心房性不整脈の処置のための噴霧器および医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む。一部の場合では、システムは、医薬組成物の用量をエアロゾルで対象に吸入投与するための噴霧器の使用についての使用説明書をさらに含む。一部の場合では、心房不整脈は頻拍を含む。一部の場合では、心房性不整脈は、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される。一部の場合では、噴霧器は、エアロゾル中の医薬組成物の用量を送達するように構成され、医薬組成物のエアロゾルは、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を有する。一部の場合では、噴霧器は呼吸作動型噴霧器である。一部の場合では、噴霧器はジェット噴霧器である。一部の場合では、使用説明書は、医薬組成物の用量をエアロゾルで対象に吸入投与するための噴霧器の使用についての使用説明書を含有し、用量は、約50mg~約150mgのフレカイニドの塩を含有する。一部の場合では、医薬組成物は、:(i)約65mg/mL~約95mg/mLの濃度のフレカイニドの塩;(ii)溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度のシクロデキストリン;および(iii)pHが室温で測定された場合に約5.5~約6.5のpHを有する液体溶液の形態である。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約65mg/mL~約95mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約70mg/mL~約80mg/mLである。一部の場合では、使用説明書は、医薬組成物を約90mgのフレカイニドの塩を含有するエアロゾル化用量で送達するための噴霧器の使用についての使用説明書を含有する。一部の場合では、使用説明書は、医薬組成物を約120mgのフレカイニドの塩を含有するエアロゾル化用量で送達するための噴霧器の使用についての使用説明書を含有する。
【0023】
[0026]一部の態様では、フレカイニドの塩、シクロデキストリンおよび酸を含む医薬組成物;医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成された噴霧器;ならびに医薬組成物を約50mg~約250mgのフレカイニドの塩を含有するエアロゾル化用量で送達するための噴霧器の使用についての使用説明書を含むシステムであって、医薬組成物が、(i)65mg/mL~100mg/mLの濃度のフレカイニドの塩;(ii)溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度のシクロデキストリン;および(iii)pHが室温で測定された場合に約5.5~約6.5のpHを有する液体溶液の形態である、システムが本明細書に記載される。一部の実施形態では、システムは、ノーズクリップをさらに含む。ノーズクリップは、吸入時に対象の鼻を通る空気の通過を妨げ、噴霧器によって放射されるエアロゾルである全吸入量の割合を増加させるために使用されてもよい。一部の実施形態では、用量は、約150mg~約250mgのフレカイニドの塩を含有する。一部の実施形態では、用量は、約200mgのフレカイニドの塩を含有する。
【0024】
[0027]一部の態様では、心臓の状態を患う対象を処置する方法であって、液体溶液の形
態の医薬組成物を吸入によって対象に投与するステップを含み、医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、医薬組成物中のフレカイニドの塩の濃度が60mg/mLより高い方法が本明細書に記載される。一部の場合では、医薬組成物はシクロデキストリンをさらに含む。一部の場合では、溶液のpHは、pHが室温で測定された場合に5.5より高い。
【0025】
[0028]一部の態様では、心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を約10分以内に吸入によって対象に投与するステップを含み、医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、投与が、少なくとも200ng/mLである対象におけるフレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす方法が本明細書に記載される。一部の場合では、医薬組成物中のフレカイニドの塩の濃度は、溶液の60mg/mLより高い。一部の場合では、医薬組成物はシクロデキストリンをさらに含む。一部の場合では、医薬組成物の投与は、少なくとも200ng/mLである対象におけるフレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす。一部の場合では、医薬組成物の投与は、少なくとも250ng/mLである対象におけるフレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす。一部の場合では、Cmaxは、約250ng/mL~約1000ng/mLである。一部の場合では、Cmaxは、約300ng/mL~約700ng/mLである。一部の場合では、Cmaxは、約400ng/mL~約600ng/mLである。一部の場合では、医薬組成物の投与は、約10分以内に行われる。一部の場合では、医薬組成物の投与は、約5分以内に行われる。一部の場合では、医薬組成物の投与は、1または2回の吸入によって行われる。一部の場合では、医薬組成物の投与は、約10秒~約1分の休憩によって隔てられる2回の吸入によって行われる。一部の場合では、投与は噴霧器によって行われる。一部の場合では、噴霧器は呼吸作動型噴霧器である。一部の場合では、噴霧器はジェット噴霧器である。一部の場合では、噴霧器は振動メッシュ噴霧器である。一部の場合では、噴霧器は超音波噴霧器である。
【0026】
[0029]一部の場合では、約50mg~約150mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約75mg~約125mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約250mg~約350mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約150mg~約250mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約90mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約120mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約150mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、約200mgのフレカイニドの塩が吸入によって対象に投与される。一部の場合では、心臓の状態は心房性不整脈を含む。一部の場合では、心房性不整脈は頻拍を含む。一部の場合では、心房性不整脈は、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される。一部の場合では、方法は、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を形成することにより、医薬組成物をエアロゾル化するステップを含む。一部の場合では、方法は、心房性不整脈の検出後の急性処置を含む。一部の場合では、対象は、投与後10分以内に正常洞調律を有する。一部の場合では、対象は、投与後8分以内に正常洞調律を有する。一部の場合では、対象は、投与後5分以内に正常洞調律を有する。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリ
ン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、溶液の約1%(w/v)~約80%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の少なくとも約5%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の少なくとも約10%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約20%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の約22.5%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約20%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約25%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約23%(w/v)である。一部の場合では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の最大で約22.5%(w/v)である。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、最大で約200mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約65mg/mL~約130mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約65mg/mL~約95mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約70mg/mL~約115mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約100mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩の濃度は、約75mg/mLである。一部の場合では、フレカイニドの塩は、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される。一部の場合では、フレカイニドの塩は酢酸フレカイニドを含む。一部の場合では、フレカイニドの塩は塩酸フレカイニドを含む。一部の場合では、医薬組成物は酸をさらに含む。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約200mMである。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約50mMである。一部の場合では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約10mMである。一部の場合では、酸の濃度は、最大で約50mMである。一部の場合では、酸の濃度は約20mMである。一部の場合では、酸の濃度は約5mMである。一部の場合では、酸は酢酸を含む。一部の場合では、酢酸の濃度は約5mMである。一部の実施形態では、クエン酸の濃度は3.5mMである。一部の場合では、酸は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む。一部の場合では、酸は塩酸を含む。一部の場合では、フレカイニドの塩は酢酸フレカイニドを含み、酸は酢酸を含む。一部の場合では、溶液のpHは約4.5~約6.5、約5~約6.5、約5~約6.2または約5.2~約5.9である。一部の場合では、溶液のpHは、最大で約6.5である。一部の場合では、溶液のpHは、約5.5~約6.5である。一部の場合では、溶液のpHは約5.9である。一部の場合では、溶液のpHは約5.2である。一部の場合では、フレカイニドの塩は酢酸フレカイニドを含む。一部の場合では、医薬組成物は甘味料をさらに含む。一部の場合では、人工甘味料は、アセスルファ
ムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、アルコールネオテーム(alcoholsneotame)、マンニトール、ソ
ルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンを含む。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンの塩を含む。一部の場合では、人工甘味料はサッカリンナトリウムを含む。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である。
【0027】
[0030]一部の態様では、心臓の状態を患うヒト対象を処置する処置のための液体製剤を製造する方法であって、本明細書に記載される医薬組成物を吸入によって対象に投与するステップを含む方法が本明細書に開示される。
【0028】
[0031]一部の態様では、心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、本明細書に記載される投与単位を吸入によって対象に投与するステップを含む方法が本明細書に開示される。一部の場合では、心臓の状態は心房細動を含む。一部の場合では、心房細動は再発性心房細動である。一部の場合では、心房細動は発作性心房細動である。一部の場合では、対象は、約90mmHgより高い収縮期血圧を有する。一部の場合では、対象は、約100mmHg~約160mmHgの収縮期血圧を有する。一部の場合では、対象は、170BPM以下の心室レートを有する。一部の場合では、対象は、約80BPM~約155BPMの心室レートを有する。一部の場合では、対象は85歳以下である。一部の場合では、対象は18歳から85歳である。一部の場合では、対象は、投与の3カ月以上前に心臓アブレーションを経ている。一部の場合では、対象は、経口フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の進行中の処方を受けている。一部の場合では、心房細動は、投与前の約48時間以内に生じた発症を有する。一部の場合では、心房細動は、投与前の処置の約1時間~約48時間前に生じた発症を有する。一部の場合では、対象は、投与前の6カ月以内に異常左室駆出率を含む病態を示さない。一部の場合では、対象は、投与前の6カ月以内に、ニューヨーク心臓協会心機能分類による分類でクラス2以上の心不全を含む病態を示さない。一部の場合では、対象は、心筋梗塞または心筋梗塞の病歴を含む病態を示さない。一部の場合では、対象は、血行動態不安定または心臓の不安定を含む病態を示さない。一部の場合では、対象は、投与前の6カ月以内に心房粗動のエピソードを含む病態を示さない。一部の場合では、対象は、投与前の6カ月以内に病態に対する心臓の外科手術を経ていない。
【0029】
[0032]一部の態様では、(a)水;(b)pH調整剤;(c)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩;および(d)シクロデキストリンを組み合わせるステップを含む、液体医薬組成物を調製する方法が本明細書に開示される。一部の場合では、(i)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度は、医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、(ii)医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、(iii)医薬組成物の室温でのpHは、約5.5~約6.5である。一部の場合では、組み合わせるステップは、(a)水を準備するステップ;(b)水の一部を、ベセル中でフレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩、シクロデキストリンおよびpH調整剤と接触させるステップ;ならびに(c)水の次の部分をベセルに添加し、医薬組成物をもたらすステップを含み、(i)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度は、医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、(ii)医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、(iii)医薬組成物の室温でのpHは、約5.5~約6.5である。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、
塩化物イオン、硫酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、リン酸イオン、アコニット酸イオン、アジピン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、カプリル酸イオン、コール酸イオン、ギ酸イオン、グルタミン酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、ソルビン酸イオン、ステアリン酸イオンおよびコハク酸イオンからなる群から選択されるイオンを含む。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む。一部の場合では、医薬組成物中のpH調整剤の濃度は、約2mM~約50mMである。一部の場合では、医薬組成物中のpH調整剤の濃度は、約2mM~約10mMである。一部の場合では、pH調整剤は酢酸を含む。一部の場合では、酢酸の医薬組成物中の濃度は約5mMである。一部の場合では、pH調整剤はクエン酸を含む。一部の場合では、クエン酸の医薬組成物中の濃度は約5mMである。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される。一部の場合では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、約10%(w/v)~約30%(w/v)である。一部の場合では、方法は、甘味料を添加するステップをさらに含む。一部の場合では、甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。一部の場合では、甘味料はサッカリンを含む。一部の場合では、甘味料はサッカリンの塩を含む。一部の場合では、甘味料はサッカリンナトリウムを含む。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の濃度は、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩が添加される。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩は、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩は、酢酸フレカイニドを含む。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩は、塩酸フレカイニドを含む。一部の場合では、方法は、医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含む。一部の場合では、方法は、医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含み、投与単位形態は、約50mg~約350mgの薬学的に許容される
フレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約60mg/mL~約150mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約75mg~約125mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約250mg~約350mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約150mg~約250mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約90mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約120mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は、約200mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。一部の場合では、投与単位形態は容器をさらに含む。一部の場合では、容器は、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される。
参照による組込み
[0033]本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、各個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれることが具体的にかつ個々に示されるのと同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
[0034]本開示の新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲により記載される。本開示の特性および利点のより良い理解は、本開示の原理が利用される代表的実施形態を記載する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面の参照により得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】[0035]代表的な医薬製剤における、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンと酢酸フレカイニドとの間の錯体形成を表す概略図である。
【
図2】[0036]心房細動のブタモデルにおいて静脈内注入により送達される場合の、3つの異なるフレカイニド製剤の薬物動態プロファイルを概説するグラフである。
【
図3A】[0037]心房細動のブタモデルにおいて0.75mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬物動態プロファイル(酢酸フレカイニドの血漿濃度)を概説するグラフである。
【
図3B】[0038]心房細動のブタモデルにおいて1mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬物動態プロファイル(酢酸フレカイニドの血漿濃度)を概説するグラフである。
【
図4A】[0039]
図4Aおよび4Bは、心房細動のブタモデルにおいて0.75mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬力学的プロファイル(それぞれ、QRS間隔期間および心房脱分極)を概説するグラフである。
【
図4B】
図4Aおよび4Bは、心房細動のブタモデルにおいて0.75mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬力学的プロファイル(それぞれ、QRS間隔期間および心房脱分極)を概説するグラフである。
【
図4C】[0040]
図4Cおよび4Dは、心房細動のブタモデルにおいて1mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬力学的プロファイル(それぞれ、QRS間隔期間および心房脱分極)を概説するグラフである。
【
図4D】
図4Cおよび4Dは、心房細動のブタモデルにおいて1mg/kgの用量での気管内点滴により送達される場合の、2つの異なるフレカイニド製剤の薬力学的プロファイル(それぞれ、QRS間隔期間および心房脱分極)を概説するグラフである。
【
図5】[0041]実施例9における実験デザインの概略図である。
【
図6】[0042]心房細動のブタモデルにおいて代表的なHPβCD-フレカイニド製剤が2つの異なる用量で気管内点滴により送達される場合の、酢酸フレカイニドの血漿濃度を概説するグラフである。
【
図7】[0043]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心房細動期間を概説する図である。
【
図8】[0044]異なる処置に応じた、ブタモデルにおけるAFの転換の代表的な例を示す図である。
【
図9】[0045]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心房細動中の主周波数を概説するグラフである。
【
図10】[0046]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心室レートを概説するグラフである。
【
図11】[0047]代表的なフレカイニド製剤のそれぞれ0.5mg/kgおよび1.0mg/kgの用量での気管内点滴に応じた、心房細動のブタモデルの心拍数を概説する2つのグラフである。
【
図12】[0048]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心房細動期間を概説するグラフである。
【
図13】[0049]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心房脱分極を概説するグラフである。
【
図14】[0050]異なる処置に応じた、ブタモデルにおけるPR間隔を概説するグラフである。
【
図15】[0051]異なる処置に応じた、ブタモデルにおけるQRS期間を概説するグラフである。
【
図16】[0052]異なる処置に応じた、ブタモデルにおいて心房細動が再誘導される場合の心房細動期間を概説するグラフである。
【
図17】[0053]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける心室レートを概説するグラフである。
【
図18】[0054]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける平均動脈圧を概説するグラフである。
【
図19】[0055]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける左室収縮性を概説するグラフである。
【
図20】[0056]異なる処置に応じた、ブタモデルにおける酢酸フレカイニドの血漿濃度を概説するグラフである。
【
図21】[0057]表19に記載されるフレカイニドの製剤の吸入後の個々のヒト対象におけるQRS間隔期間の延長の規模(ΔQRS
max)を概説するグラフである。
【
図22A】[0058]表19に記載されるフレカイニド製剤の吸入後の個々のヒト対象におけるフレカイニドのピーク血漿濃度(C
max)を概説するグラフである。Cmax値における変異係数(%CV)は、60[65]、90[45]、120[75]CD、120[75]iCD-SAC用量コホートについて、それぞれ、111、83、67および55であった。
【
図22B】[0059]表19に記載されるCDおよびiCDフレカイニド製剤の吸入後の個々のヒト対象におけるフレカイニドのピーク血漿濃度(C
max)を概説するグラフである。
【
図22C】[0060]表19に記載されるCDおよびiCDフレカイニド製剤の吸入後の、心臓除細動を受けた個々のヒト対象におけるフレカイニドのピーク血漿濃度(C
max)を概説するグラフである。
【
図23A】[0061]表19に記載される投与された製剤により分類した場合の、ヒト対象における心臓除細動率を概説するグラフである。
【
図23B】[0062]表19に記載されるフレカイニド製剤の吸入後に測定されたフレカイニドのC
maxにより分類した場合の、ヒト対象における心臓除細動率を概説するグラフである。
【
図23C】[0063]表19に記載されるフレカイニド製剤の吸入後に測定されたフレカイニドのC
maxにより分類した場合の、スクリーニングで≧80かつ≦155bpmの心室レートを有したヒト対象における心臓除細動率を概説するグラフである。
【
図23D】[0064]すべての用量コホートにわたり観察されたC
max(<250ng/mLまたは>250ng/mL)により分類した場合の、ヒト対象における心臓除細動率を概説するグラフである。
【
図24】[0065]表19に記載される製剤を投与されたヒト対象における、フレカイニド吸入の終了からの心房細動の正常洞調律への転換までの時間を概説するグラフである。
【
図25】[0066]スクリーニングで<80PMの心室レートを有した対象とスクリーニングで≧80かつ≦155bpmの心室レートを有した対象とにより分類され、(表19に記載される)投与された製剤によりさらに分類された、ヒト対象における心臓除細動率を概説するグラフである。
【
図26】[0067]
図26Aは、動物において観察された、フレカイニドの肺および静脈内送達の陰性変力負荷を概説するグラフである。
図26Bは、左室収縮性の低減(LV dP/dt max)とQRS群延長との間の相関を概説するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[0068]概要として、本開示は、処置を必要とする対象において(例えば心不整脈性の)心臓の状態を処置するための比較的高濃度のフレカイニドを含む新規の製剤に関する。一部の態様では、処置を必要とする対象において比較的高濃度のフレカイニドを含む新規の製剤を投与して(例えば心不整脈性の)心臓の状態を処置するステップを含む処置の方法が、本明細書に提供される。
【0033】
[0069]一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物および処置の方法は、心臓の状態、例えば不整脈、例えば心房性不整脈に対する、迅速、有効かつ安全な治療溶液を提供する点において有利である。一部の実施形態では、本開示は、フレカイニドの塩を含む溶液の形態の医薬組成物の吸入投与に関する。
【0034】
[0070]一部の実施形態では、酢酸フレカイニドの吸入投与の薬物動態学および薬力学についてのヒト対象における試験(例えばInCarda Therapeutics,Inc.により支援を受けた臨床試験FLE-001、FLE-003(健常対象において)およびFLE-002(患者))において示されるように、薬物質量噴霧速度は、吸入療法の効率に寄与する。一部の実施形態では、ヒト対象が噴霧薬物溶液を休みなしにおよそ4.5分より長く連続して吸入すると予測することはできない。長い吸入期間(例えば5分より長い)は、一部の対象において疲労、適切な吸入操作での不適当または不良な服薬遵守をもたらすことがあり、肺への薬物の不十分な送達およびストレスとなることがある。一部の場合では、一部の対象におけるストレス、例えば長い吸入期間または他の不快感により誘導されるストレスは、交感神経緊張の上昇をもたらすことがあり、これは心臓除細動をより困難とすることがある。
【0035】
[0071]一部の場合では、迅速な薬物質量噴霧速度は、有効用量についての吸入時間を最小化する。薬物質量噴霧速度は、噴霧溶液中の薬物濃度により強く影響を受けることがある。噴霧製品において、薬物送達速度は、デバイスが吸入のための適切な滴径(例えば5ミクロン未満)を有する噴霧雲を生成する能力により制約を受けることがある。他方で、エアロゾル化速度が高すぎ、かつ雲が濃すぎる場合、小さな噴霧滴は、口および喉に沈着し肺へと到達しない傾向がある、より大きな滴へと合体することがある。
【0036】
[0072]一態様では、本開示は、治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物であって、フレカイニドの塩を60mg/mLより高い濃度で有する液体溶液の形態の医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、医薬組成物はシクロデキストリンをさらに含む。一部の実施形態では、シクロデキストリンの存在は、シクロデキストリンを有しない対応す
る製剤と比較して、フレカイニドの塩の溶解度を増大させる。一部の実施形態では、溶液は、pHが室温で測定された場合に5.5より高いpHを有する。一部の実施形態では、医薬組成物はシクロデキストリンをさらに含み、pHが室温で測定された場合に、溶液のpHは5.5より高い。一部の実施形態では、シクロデキストリンの存在は、シクロデキストリンを有しない対応する溶液と比較して、フレカイニドの塩の溶解度を損なうことなく、溶液のpHを増大させることを可能にする。
【0037】
[0073]一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物または製剤は、より多くの薬学的に活性な成分、例えばフレカイニドの対象への送達を可能にする。一部の実施形態では、対象の医薬組成物または製剤は、対応するフレカイニド製剤(例えば約60mg/mLの溶解度を有する酢酸フレカイニド水溶液)と比較して増大したフレカイニド濃度を有する。一部の場合では、増大したフレカイニド濃度は、組成物が噴霧され吸入により投与される場合に、送達速度を増大させる。一部の実施形態では、増大したフレカイニド濃度は、より低い濃度のフレカイニドを有する対応する製剤と比較して、所定の用量をより高い速度で送達することができるため、吸入期間を短縮する。より短い吸入期間は、対象の服薬遵守を改善することができ、薬物の送達効率をさらに増大することができる。
【0038】
[0074]一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物または製剤は、吸入中の対象の有害な咳嗽を減少させ、改善された感覚刺激特性を有し、全体の患者の吸入の経験を改善する。一部の実施形態では、改善された全体の吸入経験は、完全な吸入プログラムを伴うより良好な服薬遵守をもたらす。一部の実施形態では、対象がより良好な吸入服薬遵守を有し、よってより多くの薬物が送達される場合、より有効な薬物送達が達成される。
【0039】
[0075]一部の実施形態では、対象の医薬組成物または製剤は、改善された薬物動態学または薬力学パラメーターを有し、例えば、フレカイニドのピーク血漿レベル(Cmax)は、フレカイニドの塩の濃度がより低い対応する医薬組成物と比較して、対象の医薬組成物を用いるとより高い。一部の実施形態では、対象の医薬組成物を用いて達成されるCmaxは、フレカイニドの塩の濃度がより低い対応する医薬組成物と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0倍以上高い。
【0040】
[0076]一部の実施形態では、酸の低い濃度または高いpH、例えば最大約10mMの酢酸、例えば約5mMの酢酸、またはpHが室温で測定された場合に例えば5.5より高いpH、例えば5.9のpHを有する医薬組成物は、酸の濃度がより高いかまたはpHがより低い、例えば少なくとも約50mMの酢酸、例えば約90mMの酢酸、またはpHが室温で測定された場合に例えば最大5.5のpH、例えば約5.2のpHを有する対応する医薬組成物と比較して、より高いCmaxを有する。一部の実施形態では、低い濃度の酸または高いpHを有する対象の医薬組成物を用いて達成されるCmaxは、酸の濃度がより高いかまたはpHがより低い対応する医薬組成物と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0倍以上高い。一部の実施形態では、最大約10mMの酢酸、例えば約5mMの酢酸、またはpHが室温で測定された場合に5.5より高いpH、例えば5.9のpHを有する対象の医薬組成物を用いて達成されるCmaxは、酢酸の濃度が約90mMかまたはpHが約5.2である対応する医薬組成物と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0倍以上高い。
【0041】
[0077]本開示の一態様では、本明細書に提供される医薬組成物の投与単位が、本明細書に提供される。一部の実施形態では、投与単位は、約50mg~約350mgのフレカイニドの塩を含む。別の態様では、本明細書に提供される医薬組成物または投与単位、および心臓の状態(例えば不整脈、例えば心房性不整脈)の処置のための医薬組成物の使用についての使用説明書を含むキットが、本明細書に提供される。
【0042】
[0078]本開示の一態様では、本明細書に提供される医薬組成物および噴霧器を含むシステムが、本明細書に提供される。一部の実施形態では、システムは、心臓の状態の処置のための噴霧器および医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む。一部の実施形態では、システムは、フレカイニドの塩、シクロデキストリンおよび酸を含む医薬組成物;医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として吸入投与するように構成された噴霧器;ならびに医薬組成物を約50mg~約150mgのフレカイニドの塩を含有するエアロゾル化した用量で吸入投与するための噴霧器の使用のための使用説明書を含み、医薬組成物は、(i)約65mg/mL~約95mg/mLの濃度のフレカイニドの塩、(ii)溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度のシクロデキストリン、ならびに(iii)pHが室温で測定された場合に約5.5~約6.5のpHを有する、液体溶液の形態である。
【0043】
[0079]本開示の一態様では、心臓の状態を患う対象を処置する方法が提供される。一部の実施形態では、方法は、液体溶液の形態の医薬組成物を吸入によって対象に投与するステップを含み、医薬組成物は治療有効量のフレカイニドの塩を含み、医薬組成物中のフレカイニドの塩の濃度は60mg/mLより高い。
【0044】
[0080]本明細書で使用される場合、「心臓の状態」は、心臓が異常な機能および/または構造を有する、例えば心臓が不規則な調律で拍動する、不整脈、心房細動および/または頻拍を経験する、心筋梗塞および/または冠動脈疾患がある状態を指すことができる。本明細書で使用される場合、「心房性不整脈」は、少なくとも1つの心房に影響を与える不整脈を指すことができ、徐脈を含まない。例えば、心房性不整脈は、少なくとも1つの心房で始まり、それに影響を与えることがある。本明細書で使用される場合、「頻拍」は、心拍が過度に速い不整脈を指すことができる。例えば、頻拍は、1分あたり100拍を超える、例えば1分あたり110よりも大きいか、120よりも大きいか、または130よりも大きい安静時心拍数を伴うことがある。一部の場合では、頻拍は、洞頻拍、心房細動、心房粗動、AV結節性リエントリ性頻拍、副伝導路媒介性頻拍、心房頻拍、多源性心房頻拍、接合部頻拍、心室頻拍、上室頻拍またはそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0045】
[0081]本明細書で使用される場合、「心調律不整脈」という句は、心拍が不規則である不整脈を指すことができる。本明細書で使用される場合、「心房細動」という用語は、急速かつ不規則な心房の拍動により特徴付けられる異常な心調律を指すことができる。本明細書で使用される場合、「心臓除細動」という用語は、異常に速い心拍数(頻拍)または他の心臓の不整脈が正常な洞調律に転換される過程を指すことができる。心臓除細動は、電気、薬物または両方により誘導することができる。
【0046】
[0082]本明細書で使用される場合、単数形「1つの」(「a」、「an」)および「その」(「the」)は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の参照を含む。よって、例えば、「抗不整脈剤」への参照は、単一の活性薬剤だけでなく2つ以上の異なる活性薬剤の組合せまたは混合物も含むことができる。
【0047】
[0083]本明細書における「一実施形態」、「一バージョン」または「一態様」への参照は、別途文脈から明らかとならない限り、1つまたは複数のそのような実施形態、バージ
ョンまたは態様を含むことができる。
【0048】
[0084]本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される溶媒和物」という用語は、抗不整脈医薬剤の生物学的活性および/または特性の1つまたは複数を保持し、生物学的またはその他の点で所望されないものではない溶媒和物を指すことができる。薬学的に許容される溶媒和物の例には、これらに限定されるものではないが、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸、エタノールアミンまたはそれらの組合せと組み合わせた抗不整脈医薬剤が挙げられる。
【0049】
[0085]本明細書で使用される場合、「塩」という用語は「薬学的に許容される塩」という用語と等価であり、遊離の酸および塩基の生物学的活性および特性の1つまたは複数を保持し、生物学的またはその他の点で所望されないものではない塩を指すことができる。薬学的に許容される塩の代表的な例には、これらに限定されるものではないが、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル(phenyipropionates)、フェニル酪酸、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩およびマンデル酸塩が挙げられる。
【0050】
[0086]参照数値に関する「約」という用語は、その値からプラスまたはマイナス10%の値の範囲を含むことができる。例えば、「約10」という量は、9~11の量を含み、9、10および11の参照数を含む。参照数値に関する「約」という用語は、その値からプラスまたはマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%の値の範囲を含むこともできる。
【0051】
[0087]本明細書で使用される場合、「心房性不整脈」は、少なくとも1つの心房に影響を与える不整脈を指すことができ、徐脈を含まない。例えば、心房性不整脈は、少なくとも1つの心房で始まり、それに影響を与えることがある。
【0052】
[0088]本明細書で使用される場合、「頻拍」は、心拍が過度に速い、例えば正常よりも速い、不整脈を意味することができる。例えば、頻拍は、1分あたり100拍を超える、例えば1分あたり110よりも大きいか、120よりも大きいか、または130よりも大きい安静時心拍数を伴うことがある。
【0053】
[0089]本明細書で使用される場合、「心調律不整脈」という句は、心拍が不規則である不整脈を指すことができる。
[0090]本明細書で使用される場合、本明細書に記載される薬剤の心臓の冠循環中の量は、カニューレを使用することにより、心臓の冠循環中の任意の血管領域(例えば動脈、冠状静脈洞を含む静脈)から試料を抽出することにより測定することができる。試料中の薬剤の量は、次に公知の手段、例えば分析器具、例えばLC-MS/MSを採用する生体分析技術により決定することができる。よって、心臓中の血液中の薬剤の量は、任意の特定の時間に測定することができる。
【0054】
[0091]本明細書で使用される場合、「処置すること」および「処置」という用語は、症
状の重症度および/もしくは頻度の減少、症状および/もしくは根底にある原因の除去、症状の発生の可能性および/もしくは根底にある原因の減少、ならびに/または損傷の治療を指すことができる。よって、本明細書に提供される活性薬剤を用いて患者を「処置すること」は、感受性のある個体における特定の状態、疾患または障害の予防と、臨床的に症候性の個体の処置を含むことができる。
【0055】
[0092]本明細書で使用される場合、「名目上の量」は、投与される投与単位レセプタクル中に含有される量を指すことができる。
[0093]本明細書で使用される場合、「有効量」は、治療有効量および予防有効量の両方を包含する量を指すことができる。
【0056】
[0094]本明細書で使用される場合、活性薬剤の「治療有効量」は、所望の治療結果を達成するのに有効な量を指すことができる。所定の活性薬剤の治療有効量は、処置されている障害または疾患の種類および重症度、ならびに患者の年齢、性別および体重のような因子に対して、変動することがある。一部の場合では、「吸入」(例えば「経口吸入」または「鼻孔吸入」)は、一部の事例では1、2、3、4、5、6、7、8、9回以上の呼吸のような1回または複数回の呼吸を必要とすることのある、1つの投与単位レセプタクル中に含有される医薬剤の治療有効量の吸入送達を指す。例えば、有効量が90mgであり、各投与単位レセプタクルが30mgを含有する場合、有効量の送達は3回の吸入を必要とすることがある。
【0057】
[0095]特に指定のない限り、「治療有効量」という用語は、「予防有効量」、例えば感受性のある個体において特定の状態、疾患または障害の開始または再発を予防するのに有効な活性薬剤の量を含むことができる。
【0058】
[0096]本明細書で使用される場合、「最小有効量」という句は、有効量を達成するのに必要な医薬剤の最小量を意味することができる。
[0097]本明細書で使用される場合、「質量中央径」または「MMD」は、典型的には、例えば様々な粒径からなる多分散の粒子集団中の複数の粒子の中央径を指すことができる。本明細書に報告されるMMD値は、文脈が別途示さないかぎり、レーザ回折(Sympatec Helos、Clausthal-Zellerfeld、Germany)により決定される。例えば、粉末については、試料はSympatec RODOS乾燥粉末分散ユニットの供給漏斗に直接添加される。これは手動で、またはVIBRI振動性供給エレメントの末端から機械的に撹拌することにより、達成することができる。試料は、加圧空気(2~3bar)の適用により、吸気負圧(吸引)を所定の分散圧力について最大化して、一次粒子へと分散される。分散粒子は、分散粒子の軌跡と直角に交差する632.8nmレーザ光を用いてプローブされる。粒子のアンサンブルから散乱されるレーザ光は、逆フーリエレンズアセンブリを使用して、光電子増倍検出器エレメントの同心円アレイ上に画像化される。散乱光は、5msの割り当て時間で獲得される。粒径分布は、独自のアルゴリズムを使用して、散乱光空間的/強度分布から逆計算される。
【0059】
[0098]本明細書で使用される場合、「幾何径」は、文脈が別途示さないかぎり、顕微鏡検査法により決定される場合の単一の粒子の直径を指すことができる。
[0099]本明細書で使用される場合、「空気動力学的中央粒子径」または「MMAD」は、複数の粒子、または典型的には多分散集団中の粒子の空気動力学的中央径を指すことができる。「空気動力学的径」は、一般的には空気中で粉末と同じ沈降速度を有する単位密度の球体の直径であることができ、したがって、エアロゾル化した粉末または他の分散粒子または粒子製剤を、その沈降挙動に関して特徴付ける有用な方法である。空気動力学的径は、粒子または粒子の形状、密度および粒子または粒子の物理的サイズを包含する。本明細書で使用される場合、MMADは、文脈が別途示さないかぎり、カスケードインパク
ションにより決定されるエアロゾル化した粒子の空気動力学的粒子または粒径分布の中央値を指す。
【0060】
[0100]「薬学的に許容される」構成成分により、生物学的またはその他の点で所望されないものではない構成成分が意味され、例えば、構成成分は本開示の医薬製剤中に組み込むことができ、いかなる有意な所望されない生物学的影響を引き起こすことも、それが含有される製剤の他の構成成分のいずれにも有害な方法で相互作用することもなく、本明細書に記載されるように患者に投与することができる。賦形剤を指すために「薬学的に許容される」という用語が使用される場合、これは構成成分が必要とされる毒性学および製造の試験の基準に適合すること、または米国食品医薬品局により作成されたInactive Ingredient Guide中に含まれることを意味することができる。
【0061】
[0101]本明細書で使用される場合、「P波」は、心房(右および左)の心房脱分極により生成される波を表すことができ、通常0.08~0.1秒(80~100ms)の期間である。
【0062】
[0102]本明細書で使用される場合、「室温」は18℃~25℃の温度を指すことができる。
シクロデキストリン
[0103]本開示の一部の態様では、シクロデキストリンはフレカイニドの塩の溶解度向上剤として使用される。シクロデキストリンは、デンプンに由来する環状炭水化物である。未修飾シクロデキストリンは、円柱状構造中で一緒に結合するグルコピラノース単位の数により異なる。親シクロデキストリンは、6、7または8つのグルコピラノース単位を含有し、それぞれα-、β-およびγ-シクロデキストリンと称される。各シクロデキストリンサブユニットは、第2位および第3位に2級水酸基、および第6位に1級水酸基を有することができる。シクロデキストリンは、親水性の外部表面および疎水性の内部空洞を有する、中空の円錐台として描くことができる。水溶液中、これらの疎水性の空洞は、これらの空洞中に構造のすべてまたは一部を合わせることのできる疎水性の有機化合物のために、場所を提供することができる。この過程は包接錯体形成として公知であり、結果として複合薬の明らかな水溶解度および安定性の増大を生じることができる。
【0063】
[0104]本明細書に提供される医薬組成物中のシクロデキストリンには、これらに限定されるものではないが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリン、および誘導体化γ-シクロデキストリンが挙げられる。対象の医薬組成物中で使用することができるシクロデキストリンの非限定的な例には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン、ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリンおよびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンが挙げられる。一部の実施形態では、医薬組成物は、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、1種類を超えるシクロデキストリン、例えば2、3、4、5、6、7、8、
9、10種以上の異なる種類のシクロデキストリンを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、HPβCDおよび1つまたは複数の他のシクロデキストリン、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10種以上の他の異なる種類のシクロデキストリンを含む。
【0064】
[0105]対象の医薬組成物は、シクロデキストリンを、溶液の少なくとも約1%(w/v)、例えば溶液の少なくとも約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、28%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、100%以上(w/v)の濃度で含むことができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、シクロデキストリンを、溶液の約1%(w/v)~約80%(w/v)の濃度、例えば溶液の約2%(w/v)~約70%(w/v)、約2%(w/v)~約60%(w/v)、約2%(w/v)~約50%(w/v)、約2%(w/v)~約40%(w/v)、約2%(w/v)~約30%(w/v)、約2%(w/v)~約20%(w/v)、約2%(w/v)~約15%(w/v)、約2%(w/v)~約10%(w/v)、約2%(w/v)~約8%(w/v)、約2%(w/v)~約5%(w/v)、約5%(w/v)~約80%(w/v)、約5%(w/v)~約70%(w/v)、約5%(w/v)~約60%(w/v)、約5%(w/v)~約50%(w/v)、約5%(w/v)~約40%(w/v)、約5%(w/v)~約30%(w/v)、約5%(w/v)~約20%(w/v)、約5%(w/v)~約15%(w/v)、約5%(w/v)~約12%(w/v)、約5%(w/v)~約10%(w/v)、約10%(w/v)~約60%(w/v)、約10%(w/v)~約50%(w/v)、約10%(w/v)~約40%(w/v)、約10%(w/v)~約30%(w/v)、約20%(w/v)~約30%(w/v)、約10%(w/v)~約25%(w/v)、約19%(w/v)~約25%(w/v)、約19.5%(w/v)~約25%(w/v)、約20%(w/v)~約25%(w/v)、約20.5%(w/v)~約25%(w/v)、約21%(w/v)~約25%(w/v)、約21.5%(w/v)~約25%(w/v)、約22%(w/v)~約25%(w/v)、約22.5%(w/v)~約25%(w/v)、約23%(w/v)~約25%(w/v)、約10%(w/v)~約20%(w/v)または約10%(w/v)~約15%(w/v)の濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、シクロデキストリンを、溶液の約2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、38%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または80%(w/v)の濃度で含む。
【0065】
[0106]一部の実施形態では、シクロデキストリンの濃度は、溶液の噴霧効率(または速度)を減少させ得る溶液の粘度に寄与する。例えば一部の場合では、シクロデキストリンの濃度が高いほど、溶液の粘度は高い。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、溶液の粘度が基準値、例えば約3.1cP、3.2cP、3.3cP、3.4cP、3.5cP、3.6cP、3.7cP、3.8cP、3.9cP、4.0cP、4.1cP、4.2cP、4.3cP、4.4cP、4.5cP、4.6cP、4.7cP、4.8cP、4.9cPまたは5.0cPよりも高くならないように調節される。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、溶液の最大約2%、5%、8%、10%、12%、15%、18%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、25%、25.5%、26%、26.5%、27%、27.5%、28%、28.5%、29%、29.5%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、38%、40%、45%、50%、
55%、60%、65%、70%、75%または80%(w/v)である。
【0066】
[0107]一部の実施形態では、医薬組成物は、HPβCDを溶液の約20%(w/v)の濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、HPβCDを溶液の約22.5%(w/v)の濃度で含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、HPβCDを溶液の約20%(w/v)の濃度で含む。
【0067】
酸
[0108]本開示の一部の態様は、医薬組成物中の1種または複数の酸の使用に関する。一部の場合では、酸は、フレカイニドの溶解度を増強する。一部の場合では、フレカイニド遊離塩基は、例えば水中で低い溶解度を有する。一部の場合では、ある特定のフレカイニドの塩は、フレカイニドの他の塩およびフレカイニド遊離塩基に比べ高い溶解度を有する。例えば、酢酸フレカイニドは、実施例1に実証されるように、一部の他のフレカイニド塩に比べ高い溶解度を有する場合がある。一部の場合では、酸は、フレカイニド塩形成のためのアニオン、およびフレカイニド塩の溶解度を保証するのに十分低いpHを提供するために医薬組成物中に提供される。
【0068】
[0109]一部の場合では、1種より多くの酸の混合物は、フレカイニドの溶解度を単一の酸に比べて増加させることができる。一部の場合では、医薬組成物は、酢酸を単一の酸として含む。一部の場合では、医薬組成物は、クエン酸を単一の酸として含む。一部の場合では、医薬組成物は、異なる酸の混合物を含む。一部の場合では、医薬組成物は乳酸を含む。一部の場合では、医薬組成物はL-(+)-乳酸を含む。一部の場合では、医薬組成物はD-(-)-乳酸を含む。一部の場合では、医薬組成物はD-(-)-乳酸とL-(+)-乳酸の混合物を含む、すなわち、医薬組成物はDL-乳酸を含む。一部の場合では、医薬組成物中に等量のD-(-)-乳酸およびL-(+)-乳酸が存在する。一部の場合では、医薬組成物はアスコルビン酸を含む。主題の医薬組成物および処置方法で使用されてもよい酸の非限定的な例として、任意のGRAS(一般に安全とみなされている)に列挙される酸、例えば酢酸、アコニット酸、アジピン酸、アルギン酸、安息香酸、カプリル酸、クエン酸、コール酸、ギ酸、乳酸(例えば、D-(-)-乳酸またはL-(+)-乳酸)、リノール酸、リンゴ酸、マレイン酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、グルタミン酸、塩酸、リン酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ソルビン酸もしくはチオジプロピオン酸、またはGRASに列挙されないが、主題の医薬組成物で薬学的に許容される任意の他の酸などの任意の好適な有機または無機酸が挙げられる。
【0069】
[0110]一部の場合では、医薬組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の異なる酸などの異なる酸の混合物を含む。一部の場合では、医薬組成物は、以下:酢酸および硝酸;酢酸および硫酸;酢酸およびクエン酸;酢酸、硝酸および硫酸;酢酸、硝酸およびクエン酸;酢酸、クエン酸および硫酸;または酢酸、硝酸、クエン酸および硫酸のうちの1種を含む。
【0070】
[0111]一部の実施形態では、医薬組成物は、pHが室温で測定された場合に5.5より高い、例えばpHが室温で測定された場合に5.6より高い、5.7より高い、5.8より高い、5.9より高い、6.0より高い、6.1より高い、6.2より高い、6.3より高い、6.4より高い、6.5より高い、6.6より高い、6.7より高いまたは6.8より高いpHを有する。一部の場合では、医薬組成物は室温で酸性である、例えばpHが室温で測定された場合に最大で6.9、最大で6.8、最大で6.7、最大で6.6、最大で6.5、最大で6.4、最大で6.3、最大で6.2、最大で6.1、最大で6.0、最大で5.9、最大で5.8、最大で5.7または最大で5.6のpHを有する。一部の場合では、医薬組成物は、pHが室温で測定された場合に約5.5~約6.5、例え
ばpHが室温で測定された場合に約5.6~約6.4、約5.7~約6.3、約5.8~約6.2、または約5.9~約6.1のpHを有する。一部の場合では、医薬組成物は、pHが室温で測定された場合に約5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3または6.4のpHを有する。一部の例では、医薬組成物は、pHが室温で測定された場合に約5.5のpHを有する。一部の実施形態では、医薬組成物のpHは、本明細書に記載されるようにpH緩衝剤によって滴定される。
【0071】
[0112]一部の実施形態では、医薬組成物中の酸の濃度は、約2mM~約200mM、例えば約2mM~約180mM、約2mM~約150mM、約2mM~約120mM、約2mM~約100mM、約2mM~約80mM、約2mM~約60mM、約2mM~約50mM、約2mM~約40mM、約2mM~約30mM、約2mM~約20mM、約2mM~約10mM、約2mM~約8mM、2mM~約6mM、約5mM~約200mM、約5mM~約150mM、約5mM~約120mM、約5mM~約100mM、約5mM~約80mM、約5mM~約60mM、約5mM~約50mM、約5mM~約40mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約5mM~約10mM、約5mM~約8mM、約10mM~約200mM、約10mM~約150mM、約10mM~約120mM、約10mM~約100mM、約10mM~約90mM、約10mM~約80mM、約10mM~約70mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、約20mM~約200mM、約20mM~約150mM、約20mM~約100mM、約20mM~約90mM、約20mM~約80mM、約20mM~約70mM、約20mM~約60mM、約20mM~約50mM、約20mM~約40mM、約20mM~約30mM、約40mM~約200mM、約40mM~約150mM、約40mM~約120mM、約40mM~約100mM、約40mM~約90mM、約40mM~約80mM、約40mM~約70mM、約40mM~約60mM、または約40mM~約50mMである。一部の実施形態では、医薬組成物中の酸の濃度は、最大で約200mM、例えば最大で約180mM、最大で約160mM、最大で約150mM、最大で約140mM、最大で約120mM、最大で約100mM、最大で約90mM、最大で約80mM、最大で約70mM、最大で約60mM、最大で約50mM、最大で約40mM、最大で約30mM、最大で約20mM、最大で約10mM、最大で約9mM、最大で約8mM、最大で約7mM、最大で約6mM、最大で約5mM、最大で約4mM、最大で約3mM、最大で約2mM、または最大で約1mMである。一部の実施形態では、医薬組成物中の酸の濃度は、約100mM、約90mM、約80mM、約70mM、約60mM、約50mM、約40mM、約30mM、約20mM、約10mM、約9mM、約8mM、約7mM、約6mM、約5mM、約4mM、約3mM、約2mM、または約1mMである。一部の実施形態では、医薬組成物中の酸の濃度は約20mMである。一部の実施形態では、医薬組成物中の酸の濃度は約5mMである。
【0072】
[0113]特定の理論に束縛されることを望むことなく、医薬組成物中の酸の濃度は、組成物の医薬適用に寄与する場合がある。一部の実施形態では、酸の濃度、およびしたがって溶液のpHは、製剤中のフレカイニド塩の溶解度に影響を及ぼす場合があり、したがってフレカイニド塩の濃度に影響する。上記で考察されたように、フレカイニド塩の濃度は、医薬組成物の送達効率および速度に寄与する場合がある。一部の実施形態では、酸の濃度は、医薬組成物の感覚刺激特性に影響を及ぼしうる。例えば、溶液のpHが低いほど、溶液は、口、鼻、咽頭または呼吸器系、特に上部呼吸器系の他の部分に対して刺激性でありうる。溶液の刺激は、咳もしくは他の有害反応、または対象のコンプライアンスの低減を誘導する可能性があり、したがって医薬組成物の送達効率に悪影響を及ぼす。
【0073】
[0114]一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物は、対象によって吸入された際に咳嗽反射を誘導しない。一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物
は、酸の濃度がより高いまたはpHがより低い対応する医薬組成物に比べ、対象によって吸入された際により少ない頻度で咳嗽反射を誘導する、例えば対応する医薬組成物に比べ約10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0以上の倍数低い。一部の実施形態では、医薬組成物の吸入投与を受ける対象は、酸の濃度がより高いまたはpHがより低い対応する医薬組成物に比べ、組成物を吸入する際に重症度の低い不快感を報告するか、または組成物を吸入する際に不快感を報告する発生率が低い、例えば対応する医薬組成物に比べ約10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは100%、または1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0以上の倍数低い。
【0074】
[0115]特定の理論に束縛されることを望むことなく、医薬組成物中のシクロデキストリンの存在により、本開示の一部の態様によるフレカイニド塩の望ましい濃度を達成するために必要とされる酸の濃度が低減する場合がある。一部の実施形態では、シクロデキストリン(例えば、HPβCD)の存在により、例えばシクロデキストリンの空洞内部でフレカイニド塩(例えば、酢酸フレカイニド)を「溶解」する包接錯体形成によってフレカイニドの溶解度が増加する。一方で、包接錯体形成は、溶液に溶解されるためのフレカイニド塩の酸(または低いpH)に対する信頼性を低減させる場合がある。したがって、結果として、シクロデキストリン(例えば、HPβCD)の導入は、溶液中の酸の濃度の低減をもたらす場合があり、これらの両方が溶液中のフレカイニド濃度の増加、感覚刺激特性の向上、送達スピードの増加および送達効率の向上を相乗作用的にもたらす。
【0075】
甘味料および感覚刺激特性
[0116]一部の実施形態では、本明細書に提供される医薬組成物は、組成物の感覚刺激特性を向上させるための甘味料を含む。甘味料は、天然の甘味物質、例えば特定の糖または人工甘味料であってもよい。特定の理論に束縛されることを望むことなく、医薬組成物中の甘味料の存在は、組成物の感覚刺激特性を向上させる場合がある。一部の場合では、医薬組成物中の甘味料の存在は、対象のコンプライアンスを向上させる場合がある。医薬組成物中の甘味料の存在は、組成物の送達効率を増加させる場合がある。一部の実施形態では、医薬組成物中の甘味料の存在は、組成物の治療効果を増強させる場合がある。
【0076】
[0117]医薬組成物中で使用されてもよい人工甘味料の非限定的な例として、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテームおよび糖アルコール(例えば、エリスリトール、加水分解水添デンプン、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトールおよびキシリトール)、例えば市販の製品、例えばSweet n’ low粉末甘味料、Truvia粉末甘味料、Equal(アスパルテーム)、Stevia粉末小袋、Aspen Naturals液体ステビア、Now Better Stevia液体甘味料、Sweet N’ Low液体甘味料、Quick Sweet:Neotame液体甘味料またはSplenda粉末小袋で使用されるもの、または薬学的に許容されるそれらの塩が挙げられる。一部の実施形態では、医薬組成物はサッカリンを含む。一部の実施形態では、医薬組成物はサッカリンの塩を含む。一部の実施形態では、医薬組成物はサッカリンナトリウムを含む。
【0077】
[0118]医薬組成物中で使用されてもよい天然の甘味物質として、これらに限定されないが、スクロース、リュウゼツラン、黒砂糖、粉(粉末化)砂糖、コーンシロップ、デキストロース、果糖、果汁濃縮液、グルコース、異性化糖、蜂蜜、転化糖、ラクトース、麦芽糖、マルトース、メープルシロップ、糖蜜、花蜜、粗糖およびシロップが挙げられる。糖は、液体溶液の粘度を増加させることができ、したがって一部の実施形態では、医薬組成物に添加される任意の糖の濃度は、特定の閾値未満に緊密に制御される。
【0078】
[0119]一部の実施形態では、医薬組成物中の甘味料、例えば人工甘味料の濃度は、溶液の約0.001%(w/v)~約1%(w/v)、例えば、溶液の0.002%~1%、0.005%~1%、0.01%~1%、0.02%~1%、0.05%~1%、0.08%~1%、0.1%~1%、0.2%~1%、0.5%~1%、0.8~1%、0.002%~0.5%、0.005%~0.5%、0.01%~0.5%、0.02%~0.5%、0.05%~0.5%、0.08%~0.5%、0.1%~0.5%、0.2%~0.5%、0.005%~0.1%、0.01%~0.1%、0.02%~0.1%、0.05%~0.1%、0.08%~0.1%、0.005%~0.05%、0.01%~0.05%、または0.02%~0.05%(w/v)である。一部の実施形態では、医薬組成物中の甘味料、例えば人工甘味料の濃度は、溶液の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.002%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.02%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.08%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.5%、または少なくとも約0.8、または少なくとも約1%(w/v)である。一部の実施形態では、医薬組成物中の甘味料、例えば人工甘味料の濃度は、溶液の最大で約0.001%、最大で約0.002%、最大で約0.005%、最大で約0.01%、最大で約0.02%、最大で約0.05%、最大で約0.08%、最大で約0.1%、最大で約0.2%、最大で約0.5%、または最大で約0.8、または最大で約1%(w/v)である。
【0079】
医薬組成物、製剤およびキット
[0120]一態様では、心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための医薬組成物が本明細書に提供される。
【0080】
[0121]医薬組成物は、治療有効量のフレカイニドの塩を含んでもよい。治療有効量のフレカイニドは、処置を必要とする対象に吸入によって投与された場合、心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈の処置に有効でありうる。一部の場合では、治療有効量のフレカイニド塩は、処置を必要とする対象に吸入によって投与された場合、心臓除細動を誘導することによって心房性不整脈の処置に有効である。
【0081】
[0122]一部の場合では、治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物が本明細書に提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載される場合、医薬組成物は液体溶液の形態である。一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の濃度は、約60mg/mL~約200mg/mL、例えば60mg/mL~195mg/mL、60mg/mL~190mg/mL、60mg/mL~185mg/mL、60mg/mL~175mg/mL、60mg/mL~170mg/mL、60mg/mL~165mg/mL、60mg/mL~160mg/mL、60mg/mL~155mg/mL、60mg/mL~150mg/mL、60mg/mL~145mg/mL、60mg/mL~140mg/mL、60mg/mL~135mg/mL、60mg/mL~130mg/mL、60mg/mL~125mg/mL、60mg/mL~120mg/mL、60mg/mL~118mg/mL、60mg/mL~115mg/mL、60mg/mL~112mg/mL、60mg/mL~110mg/mL、60mg/mL~108mg/mL、60mg/mL~105mg/mL、60mg/mL~102mg/mL、60mg/mL~100mg/mL、60mg/mL~98mg/mL、60mg/mL~95mg/mL、60mg/mL~92mg/mL、60mg/mL~90mg/mL、60mg/mL~88mg/mL、60mg/mL~85mg/mL、60mg/mL~82mg/mL、60mg/mL~80mg/mL、60mg/mL~78mg/mL、60mg/mL~75mg/mL、60mg/mL~72mg/mL、60mg/mL~70mg/mL、70mg/mL~195mg/mL、70mg/mL~190mg/mL、70mg/mL~
185mg/mL、70mg/mL~175mg/mL、70mg/mL~170mg/mL、70mg/mL~165mg/mL、70mg/mL~160mg/mL、70mg/mL~155mg/mL、70mg/mL~150mg/mL、70mg/mL~145mg/mL、70mg/mL~140mg/mL、70mg/mL~135mg/mL、70mg/mL~130mg/mL、70mg/mL~125mg/mL、70mg/mL~120mg/mL、70mg/mL~118mg/mL、70mg/mL~115mg/mL、70mg/mL~112mg/mL、70mg/mL~110mg/mL、70mg/mL~108mg/mL、70mg/mL~105mg/mL、70mg/mL~102mg/mL、70mg/mL~100mg/mL、70mg/mL~98mg/mL、70mg/mL~95mg/mL、70mg/mL~92mg/mL、70mg/mL~90mg/mL、70mg/mL~88mg/mL、70mg/mL~85mg/mL、70mg/mL~82mg/mL、70mg/mL~80mg/mL、70mg/mL~78mg/mL、70mg/mL~75mg/mL、80mg/mL~195mg/mL、80mg/mL~190mg/mL、80mg/mL~185mg/mL、80mg/mL~175mg/mL、80mg/mL~170mg/mL、80mg/mL~165mg/mL、80mg/mL~160mg/mL、80mg/mL~155mg/mL、80mg/mL~150mg/mL、80mg/mL~145mg/mL、80mg/mL~140mg/mL、80mg/mL~135mg/mL、80mg/mL~130mg/mL、80mg/mL~125mg/mL、80mg/mL~120mg/mL、80mg/mL~118mg/mL、80mg/mL~115mg/mL、80mg/mL~112mg/mL、80mg/mL~110mg/mL、80mg/mL~108mg/mL、80mg/mL~105mg/mL、80mg/mL~102mg/mL、80mg/mL~100mg/mL、80mg/mL~98mg/mL、80mg/mL~95mg/mL、80mg/mL~92mg/mL、80mg/mL~90mg/mL、80mg/mL~88mg/mL、80mg/mL~85mg/mL、90mg/mL~195mg/mL、90mg/mL~190mg/mL、90mg/mL~185mg/mL、90mg/mL~175mg/mL、90mg/mL~170mg/mL、90mg/mL~165mg/mL、90mg/mL~160mg/mL、90mg/mL~155mg/mL、90mg/mL~150mg/mL、90mg/mL~145mg/mL、90mg/mL~140mg/mL、90mg/mL~135mg/mL、90mg/mL~130mg/mL、90mg/mL~125mg/mL、90mg/mL~120mg/mL、90mg/mL~118mg/mL、90mg/mL~115mg/mL、90mg/mL~112mg/mL、90mg/mL~110mg/mL、90mg/mL~108mg/mL、90mg/mL~105mg/mL、90mg/mL~102mg/mL、90mg/mL~100mg/mL、90mg/mL~98mg/mL、90mg/mL~95mg/mL、100mg/mL~195mg/mL、100mg/mL~190mg/mL、100mg/mL~185mg/mL、100mg/mL~175mg/mL、100mg/mL~170mg/mL、100mg/mL~165mg/mL、100mg/mL~160mg/mL、100mg/mL~155mg/mL、100mg/mL~150mg/mL、100mg/mL~145mg/mL、100mg/mL~140mg/mL、100mg/mL~135mg/mL、100mg/mL~130mg/mL、100mg/mL~125mg/mL、100mg/mL~120mg/mL、100mg/mL~118mg/mL、または100mg/mL~115mg/mLである。
【0082】
[0123]一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の濃度は、少なくとも約115mg/mL、少なくとも約112mg/mL、少なくとも約110mg/mL、少なくとも約109mg/mL、少なくとも約108mg/mL、少なくとも約107mg/mL、少なくとも約106mg/mL、少なくとも約105mg/mL、少なくとも約104
mg/mL、少なくとも約103mg/mL、少なくとも約102mg/mL、少なくとも約101mg/mL、少なくとも約100mg/mL、少なくとも約99mg/mL、少なくとも約98mg/mL、少なくとも約97mg/mL、少なくとも約96mg/mL、少なくとも約95mg/mL、少なくとも約94mg/mL、少なくとも約93mg/mL、少なくとも約92mg/mL、少なくとも約91mg/mL、少なくとも約90mg/mL、少なくとも約89mg/mL、少なくとも約88mg/mL、少なくとも約87mg/mL、少なくとも約86mg/mL、少なくとも約85mg/mL、少なくとも約84mg/mL、少なくとも約83mg/mL、少なくとも約82mg/mL、少なくとも約81mg/mL、少なくとも約80mg/mL、少なくとも約79mg/mL、少なくとも約78mg/mL、少なくとも約77mg/mL、少なくとも約76mg/mL、少なくとも約75mg/mL、少なくとも約74mg/mL、少なくとも約73mg/mL、少なくとも約72mg/mL、少なくとも約71mg/mL、少なくとも約70mg/mL、少なくとも約69mg/mL、少なくとも約68mg/mL、少なくとも約67mg/mL、少なくとも約66mg/mL、少なくとも約65mg/mL、少なくとも約64mg/mL、少なくとも約63mg/mL、少なくとも約62mg/mL、少なくとも約61mg/mL、または少なくとも約60mg/mLである。
【0083】
[0124]一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の濃度は、約195mg/mL、約190mg/mL、約185mg/mL、約175mg/mL、約170mg/mL、約165mg/mL、約160mg/mL、約155mg/mL、約150mg/mL、約145mg/mL、約140mg/mL、約135mg/mL、約130mg/mL、約125mg/mL、約120mg/mL、約118mg/mL、約115mg/mL、約112mg/mL、約110mg/mL、約109mg/mL、約108mg/mL、約107mg/mL、約106mg/mL、約105mg/mL、約104mg/mL、約103mg/mL、約102mg/mL、約101mg/mL、約100mg/mL、約99mg/mL、約98mg/mL、約97mg/mL、約96mg/mL、約95mg/mL、約94mg/mL、約93mg/mL、約92mg/mL、約91mg/mL、約90mg/mL、約89mg/mL、約88mg/mL、約87mg/mL、約86mg/mL、約85mg/mL、約84mg/mL、約83mg/mL、約82mg/mL、約81mg/mL、約80mg/mL、約79mg/mL、約78mg/mL、約77mg/mL、約76mg/mL、約75mg/mL、約74mg/mL、約73mg/mL、約72mg/mL、約71mg/mL、約70mg/mL、約69mg/mL、約68mg/mL、約67mg/mL、約66mg/mL、約65mg/mL、約64mg/mL、約63mg/mL、約62mg/mL、または約61mg/mLである。
【0084】
[0125]一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の公称濃度は、約125mM~約430mM、例えば125mM~420mM、125mM~400mM、125mM~390mM、125mM~380mM、125mM~370mM、125mM~360mM、125mM~350mM、125mM~340mM、125mM~330mM、125mM~320mM、125mM~310mM、125mM~300mM、125mM~290mM、125mM~280mM、125mM~270mM、125mM~260mM、125mM~250mM、125mM~240mM、125mM~230mM、125mM~220mM、125mM~210mM、125mM~200mM、125mM~190mM、125mM~180mM、125mM~170mM、125mM~160mM、125mM~155mM、125mM~150mM、125mM~145mM、125mM~140mM、125mM~135mM、125mM~130mM、140mM~420mM、140mM~400mM、140mM~390mM、140mM~380mM、140mM~370mM、140mM~360mM、140mM~350mM、14
0mM~340mM、140mM~330mM、140mM~320mM、140mM~310mM、140mM~300mM、140mM~290mM、140mM~280mM、140mM~270mM、140mM~260mM、140mM~250mM、140mM~240mM、140mM~230mM、140mM~220mM、140mM~210mM、140mM~200mM、140mM~190mM、140mM~180mM、140mM~170mM、140mM~160mM、140mM~155mM、140mM~150mM、140mM~145mM、160mM~420mM、160mM~400mM、160mM~390mM、160mM~380mM、160mM~370mM、160mM~360mM、160mM~350mM、160mM~340mM、160mM~330mM、160mM~320mM、160mM~310mM、160mM~300mM、160mM~290mM、160mM~280mM、160mM~270mM、160mM~260mM、160mM~250mM、160mM~240mM、160mM~230mM、160mM~220mM、160mM~210mM、160mM~200mM、160mM~190mM、160mM~180mM、160mM~170mM、180mM~420mM、180mM~400mM、180mM~390mM、180mM~380mM、180mM~370mM、180mM~360mM、180mM~350mM、180mM~340mM、180mM~330mM、180mM~320mM、180mM~310mM、180mM~300mM、180mM~290mM、180mM~280mM、180mM~270mM、180mM~260mM、180mM~250mM、180mM~240mM、180mM~230mM、180mM~220mM、180mM~210mM、180mM~200mM、180mM~190mM、200mM~420mM、200mM~400mM、200mM~390mM、200mM~380mM、200mM~370mM、200mM~360mM、200mM~350mM、200mM~340mM、200mM~330mM、200mM~320mM、200mM~310mM、200mM~300mM、200mM~290mM、200mM~280mM、200mM~270mM、200mM~260mM、200mM~250mM、200mM~240mM、200mM~230mM、200mM~220mM、または200mM~210mMである。
【0085】
[0126]一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の公称濃度は、少なくとも約400mM、少なくとも約390mM、少なくとも約380mM、少なくとも約370mM、少なくとも約360mM、少なくとも約350mM、少なくとも約340mM、少なくとも約330mM、少なくとも約320mM、少なくとも約310mM、少なくとも約300mM、少なくとも約290mM、少なくとも約280mM、少なくとも約270mM、少なくとも約260mM、少なくとも約255mM、少なくとも約250mM、少なくとも約245mM、少なくとも約240mM、少なくとも約235mM、少なくとも約230mM、少なくとも約225mM、少なくとも約220mM、少なくとも約215mM、少なくとも約210mM、少なくとも約200mM、少なくとも約190mM、少なくとも約180mM、少なくとも約170mM、少なくとも約160mM、少なくとも約155mM、少なくとも約150mM、少なくとも約145mM、少なくとも約140mM、少なくとも約135mM、少なくとも約130mM、または少なくとも約125mMである。
【0086】
[0127]一部の場合では、医薬組成物または製剤中のフレカイニドまたはフレカイニドの塩(例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニド)の濃度は、約420mM、約400mM、約390mM、約380mM、約370mM、約360mM、約350mM、約340mM、約330mM、約320mM、約310mM、約300mM、約290mM、約280mM、約270mM、約260mM、約255mM、約250mM、約245mM、約240mM、約235mM、約230mM、約225mM、約220mM、約
215mM、約210mM、約200mM、約190mM、約180mM、約170mM、約160mM、約155mM、約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、または約125mMである。
【0087】
[0128]一部の態様では、経口または経鼻吸入による心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための本明細書に記載される医薬組成物の投与単位が本明細書に提供される。
【0088】
[0129]一変形では、本明細書に提供される医薬組成物の投与単位は、少なくとも約50mg、例えば、少なくとも約60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、450mg、500mg以上のフレカイニドまたはフレカイニド塩、例えば、酢酸フレカイニドまたは塩酸フレカイニドを含む。本明細書に提供される医薬組成物の投与単位は、約50mg~約500mg、例えば50mg~60mg、50mg~70mg、50mg~80mg、50mg~90mg、50mg~100mg、50mg~110mg、50mg~120mg、50mg~130mg、50mg~140mg、50mg~150mg、50mg~160mg、50mg~170mg、50mg~180mg、50mg~190mg、50mg~200mg、50mg~210mg、50mg~220mg、50mg~230mg、50mg~240mg、50mg~250mg、50mg~260mg、50mg~270mg、50mg~280mg、50mg~290mg、50mg~300mg、50mg~310mg、50mg~320mg、50mg~330mg、50mg~340mg、50mg~350mg、50mg~360mg、50mg~370mg、50mg~380mg、50mg~390mg、50mg~400mg、50mg~450mg、50mg~500mg、80mg~90mg、80mg~100mg、80mg~110mg、80mg~120mg、80mg~130mg、80mg~140mg、80mg~150mg、80mg~160mg、80mg~170mg、80mg~180mg、80mg~190mg、80mg~200mg、80mg~210mg、80mg~220mg、80mg~230mg、80mg~240mg、80mg~250mg、80mg~260mg、80mg~270mg、80mg~280mg、80mg~290mg、80mg~300mg、80mg~310mg、80mg~320mg、80mg~330mg、80mg~340mg、80mg~350mg、80mg~360mg、80mg~370mg、80mg~380mg、80mg~390mg、80mg~400mg、80mg~450mg、80mg~500mg、120mg~140mg、120mg~150mg、120mg~160mg、120mg~170mg、120mg~180mg、120mg~190mg、120mg~200mg、120mg~210mg、120mg~220mg、120mg~230mg、120mg~240mg、120mg~250mg、120mg~260mg、120mg~270mg、120mg~280mg、120mg~290mg、120mg~300mg、120mg~310mg、120mg~320mg、120mg~330mg、120mg~340mg、120mg~350mg、120mg~360mg、120mg~370mg、120mg~380mg、120mg~390mg、120mg~400mg、120mg~450mg、120mg~500mg、150mg~160mg、150mg~170mg、150mg~180mg、150mg~190mg、150mg~200mg、150mg~210mg、150mg~220mg、150mg~230mg、150mg~240mg、150mg~250mg、150mg~260mg、150mg~270mg、150mg~280mg、150mg~290mg、150mg~300mg、150mg~310mg、150mg~320
mg、150mg~330mg、150mg~340mg、150mg~350mg、150mg~360mg、150mg~370mg、150mg~380mg、150mg~390mg、150mg~400mg、150mg~450mg、150mg~500mg、180mg~200mg、180mg~210mg、180mg~220mg、180mg~230mg、180mg~240mg、180mg~250mg、180mg~260mg、180mg~270mg、180mg~280mg、180mg~290mg、180mg~300mg、180mg~310mg、180mg~320mg、180mg~330mg、180mg~340mg、180mg~350mg、180mg~360mg、180mg~370mg、180mg~380mg、180mg~390mg、180mg~400mg、180mg~450mg、180mg~500mg、200mg~220mg、200mg~230mg、200mg~240mg、200mg~250mg、200mg~260mg、200mg~270mg、200mg~280mg、200mg~290mg、200mg~300mg、200mg~310mg、200mg~320mg、200mg~330mg、200mg~340mg、200mg~350mg、200mg~360mg、200mg~370mg、200mg~380mg、200mg~390mg、200mg~400mg、200mg~450mg、200mg~500mg、220mg~240mg、220mg~250mg、220mg~260mg、220mg~270mg、220mg~280mg、220mg~290mg、220mg~300mg、220mg~310mg、220mg~320mg、220mg~330mg、220mg~340mg、220mg~350mg、220mg~360mg、220mg~370mg、220mg~380mg、220mg~390mg、220mg~400mg、220mg~450mg、220mg~500mg、250mg~260mg、250mg~270mg、250mg~280mg、250mg~290mg、250mg~300mg、250mg~310mg、250mg~320mg、250mg~330mg、250mg~340mg、250mg~350mg、250mg~360mg、250mg~370mg、250mg~380mg、250mg~390mg、250mg~400mg、250mg~450mg、250mg~500mg、280mg~260mg、280mg~270mg、280mg~280mg、280mg~290mg、280mg~300mg、280mg~310mg、280mg~320mg、280mg~330mg、280mg~340mg、280mg~350mg、280mg~360mg、280mg~370mg、280mg~380mg、280mg~390mg、280mg~400mg、280mg~450mg、280mg~500mg、300mg~320mg、300mg~330mg、300mg~340mg、300mg~350mg、300mg~360mg、300mg~370mg、300mg~380mg、300mg~390mg、300mg~400mg、300mg~450mg、300mg~500mg、320mg~330mg、320mg~340mg、320mg~350mg、320mg~360mg、320mg~370mg、320mg~380mg、320mg~390mg、320mg~400mg、320mg~450mg、320mg~500mg、340mg~360mg、340mg~370mg、340mg~380mg、340mg~390mg、340mg~400mg、340mg~450mg、または340mg~500mgの範囲のフレカイニドまたはフレカイニド塩を含んでもよい。
【0089】
[0130]一変形では、本明細書に提供される投与単位は、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約450mg、
または約500mgのフレカイニドまたはフレカイニド塩を含む。
【0090】
[0131]一部の態様では、心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈の処置のための製剤が本明細書に提供される。製剤は、本明細書に提供される医薬組成物および薬学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤または経口もしくは経鼻吸入などの所期の投与経路に好適な任意の他の構成成分を含んでもよい。薬学的に許容される賦形剤の例として、これらに限定されないが、脂質、金属イオン、界面活性剤、アミノ酸、炭水化物、緩衝剤、塩、ポリマーなどおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0091】
[0132]本開示の1つまたは複数の実施形態による医薬製剤は、フレカイニドの塩、および必要に応じて1種または複数の他の活性成分、および必要に応じて1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。例えば、医薬製剤は、添加される他の成分を含まないフレカイニド塩の粒子(ニート粒子)を含むことができ、抗不整脈医薬剤のニート粒子を他の粒子とともに含んでもよく、かつ/あるいは抗不整脈医薬剤を含む粒子および1種もしくは複数の活性成分および/または1種もしくは複数の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。
【0092】
[0133]一態様では、心臓の状態を吸入によって処置するためのキットもまた本明細書に提供される。キットは、1種もしくは複数の医薬剤、例えばフレカイニドの塩、または本明細書に記載される一部の他の活性剤を含んでもよい。一部の場合では、キットは、医薬剤または組成物のための容器を含む。一部の場合では、上記で考察された医薬剤の投与単位がキットに提供される。一部の場合では、キットは、医薬剤を含有するための容器/レセプタクルも含む。
【0093】
[0134]一部の場合では、キットは、本明細書に記載される医薬組成物を含有するための別個の容器/レセプタクルを含む。一部の場合では、キットは、医薬組成物のエアロゾルを形成するためのエアロゾル化デバイスを含む。エアロゾル化デバイスは、本明細書に提供され、かつ一部の場合では医薬組成物の吸入に使用される任意のデバイスであってもよい。一部の場合では、キットは、本明細書に提供される経鼻スプレーデバイスを含む。一部の場合では、医薬組成物は、エアロゾルの形態でキットに存在する。一部の他の場合では、キットは、医薬組成物を含有するための単一の容器を含む。キットは、キットを使用する方法についての使用説明書をさらに含んでもよい。使用説明書は、データシート、マニュアルの形態で、紙片で提示されてもよく、キットの1つもしくは複数の容器またはデバイスに印刷されてもよい。代替的に、使用説明書は、例えばディスクで、またはキットから利用可能なウェブリンクによってオンラインで利用可能な電子的形態で提供されてもよい。キットの使用についての使用説明書は、任意の適用可能な適応症、例えば心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈を処置するための医薬組成物およびエアロゾル化デバイス(例えば、噴霧器)の使用についての使用説明書を含んでもよい。キットの使用についての使用説明書は、心房細動を処置するための医薬組成物およびエアロゾル化デバイス(例えば、噴霧器)の使用についての使用説明書を含んでもよい。一部の場合では、キットはノーズクリップを含む。ノーズクリップは、吸入時に対象の鼻を通る空気の通過を妨げ、噴霧器によって放射されるエアロゾルである全吸入量の割合を増加させるために使用されてもよい。
【0094】
[0135]炭水化物の例として、これらに限定されないが、単糖類、二糖類および多糖類が挙げられる。例えば、デキストロース(無水および一水和物)、ガラクトース、マンニトール、D-マンノース、ソルビトール、ソルボースなどの単糖類;ラクトース、マルトース、スクロース、トレハロースなどの二糖類;ラフィノースなどの三糖類;ならびにデンプン(ヒドロキシエチルデンプン)およびマルトデキストリンなどの他の炭水化物。
【0095】
[0136]脂質の非限定的な例として、リン脂質、糖脂質、ガングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン;ポリエチレングリコール、キチン、ヒアルロン酸、またはポリビニルピロリドンなどの脂質を有するポリマー鎖;脂質を有するスルホン化単糖類、二糖類、および多糖類;パルミチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸などの脂肪酸;コレステロール、コレステロールエステル、およびコレステロールヘミスクシネートが挙げられる。
【0096】
[0137]一部の場合では、リン脂質は、1種または複数のホスファチジルコリンなどの飽和リン脂質を含む。例示的なアシル鎖長は、16:0および18:0(例えば、パルミトイルおよびステアロイル)である。リン脂質の含有量は、活性剤の活性、送達様式、および他の因子によって決定されてもよい。
【0097】
[0138]天然源と合成源の両方からのリン脂質を、種々の量で使用することができる。リン脂質が存在する場合、量は、典型的に少なくともリン脂質の単一の分子層で活性剤をコーティングするために十分である。一般的に、リン脂質の含有量は、約5wt%~約99.9wt%、例えば約20wt%~約80wt%の範囲である。
【0098】
[0139]一般的に、適合性のあるリン脂質は、約40℃より高い、例えば約60℃より高い、または約80℃より高いゲルから液晶への相転移を有するものを含んでもよい。組み込まれたリン脂質は、比較的長鎖(例えば、C16~C22)の飽和脂質であってもよい。本開示で有用な例示的なリン脂質として、これらに限定されないが、ホスホグリセリド、例えば、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジアラキドイルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジホスファチジルグリセロール、短鎖ホスファチジルコリン、水添ホスファチジルコリン、E-100-3(Lipoid KG、Ludwigshafen、ドイツから入手可能)、長鎖飽和ホスファチジルエタノールアミン、長鎖飽和ホスファチジルセリン、長鎖飽和ホスファチジルグリセロール、長鎖飽和ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールおよびスフィンゴミエリンが挙げられる。
【0099】
[0140]金属イオンの例として、これらに限定されないが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などを含む二価カチオンが挙げられる。例えば、リン脂質が使用される場合、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるWO01/85136およびWO01/85137に開示されるように、医薬組成物は多価カチオンも含んでもよい。多価カチオンは、医薬組成物が、その貯蔵温度(Tm)より少なくとも約20℃、例えば、少なくとも約40℃高いTmを示すように、リン脂質の溶融温度(Tm)を上昇させるのに有効な量で存在してもよい。多価カチオンのリン脂質に対するモル比は、少なくとも約0.05:1、例えば約0.05:1~約2.0:1、または約0.25:1~約1.0:1であってもよい。多価カチオン:リン脂質のモル比の例は、約0.50:1である。多価カチオンがカルシウムである場合、塩化カルシウムの形態であってもよい。金属イオン、例えばカルシウムは、多くの場合リン脂質とともに含まれるが、いずれも必須ではない。
【0100】
[0141]医薬組成物は、1種または複数の界面活性剤を含んでもよい。例えば、1種または複数の界面活性剤は、1つまたは複数が組成物の固体粒子または粒子と会合した状態で液相中に存在してもよい。「会合した」は、医薬組成物が界面活性剤を組み込む、吸着する、吸収する、それによってコーティングされる、または形成されてもよいことを意味する。界面活性剤として、これらに限定されないが、フッ素化および非フッ素化化合物、例えば飽和および不飽和脂質、非イオン性洗剤、非イオン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性剤、およびこれらの組合せが挙げられる。前述の界面活性剤に加え、好適なフッ素化界面活性剤が本明細書の教示と適合し、所望の調製物を提供するために使用されてもよいことが強調されるべきである。
【0101】
[0142]非イオン性洗剤の例として、これらに限定されないが、トリオレイン酸ソルビタン(Span(商標)85)、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン、およびポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタンを含むソルビタンエステル、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリオキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、グリセロールエステル、およびスクロースエステルが挙げられる。他の好適な非イオン性洗剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるMcCutcheon's Emulsifiers and Detergents(McPublishing Co.,Glen Rock,N.J.)を使用して容易に特定することができる。
【0102】
[0143]ブロックコポリマーの例として、これらに限定されないが、ポロキサマー188(Pluronic(商標)F-68)、ポロキサマー407(Pluronic(商標)F-127)およびポロキサマー338を含むポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのジブロックおよびトリブロックコポリマーが挙げられる。イオン性界面活性剤の例として、これらに限定されないが、スルホコハク酸ナトリウムおよび脂肪酸石鹸が挙げられる。アミノ酸の例として、これらに限定されないが、疎水性アミノ酸が挙げられる。薬学的に許容される賦形剤としてのアミノ酸の使用は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるWO95/31479、WO96/32096およびWO96/32149で開示されるように、当技術分野で公知である。
【0103】
[0144]緩衝剤の例として、これらに限定されないが、酢酸塩、トリスまたはクエン酸塩が挙げられる。酸の例として、これらに限定されないが、カルボン酸が挙げられる。塩の例として、これらに限定されないが、塩化ナトリウム、カルボン酸の塩(例えば、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、塩酸トロメタミンなど)、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが挙げられる。有機固体の例として、これらに限定されないがカンフルなどが挙げられる。本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、生体適合性、例えば生分解性ポリマー、コポリマー、またはそれらのブレンドもしくは他の組合せも含んでもよい。この点に関して、有用なポリマーは、ポリラクチド、ポリラクチド-グリコリド、シクロデキストリン、ポリアクリレート、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ無水物、ポリラクタム、ポリビニルピロリドン、多糖類(デキストラン、デンプン、キチン、キトサンなど)、ヒアルロン酸、タンパク質(アルブミン、コラーゲン、ゼラチンなど)を含む。当業者であれば、適切なポリマーを選択することによって組成物の送達効率および/または分散液の安定性が調整され、抗不整脈医薬剤の有効性を最適化できることを理解する。
【0104】
[0145]溶液の場合、組成物は、1種または複数のオスモル濃度調整物質、例えば塩化ナトリウムを含んでもよい。例えば、塩化ナトリウムを溶液に添加し、溶液のオスモル濃度を調整することができる。1つまたは複数の実施形態では、水性組成物は、抗不整脈医薬剤、オスモル濃度調整物質および水から本質的になる。
【0105】
[0146]溶液は、緩衝剤またはpH調整剤、典型的に有機酸または塩基から調製される塩も含んでもよい。代表的な緩衝剤は、クエン酸、乳酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の有機酸塩、トリス、塩酸トロメタミン、またはリン酸緩衝剤を含む。したがって、緩衝剤は、クエン酸塩、リン酸塩、フタル酸塩、および乳酸塩を含んでもよい。
【0106】
[0147]上述の薬学的に許容される賦形剤に加え、他の薬学的に許容される賦形剤を医薬組成物に添加し、粒子の剛性、生成収率、放出用量および沈着、貯蔵寿命ならびに患者の
承諾を向上させることが望ましい場合がある。そのような必要に応じた薬学的に許容される賦形剤として、これらに限定されないが、着色剤、味マスキング剤、緩衝剤、吸湿剤、酸化防止剤および化学安定剤が挙げられる。さらに、種々の薬学的に許容される賦形剤を使用し、粒子組成物(例えば、ラテックス粒子)に対して構造および形態を付与することができる。この点に関して、選択的溶媒抽出などの生成後技術を使用して硬化構成成分を除去できることが理解される。
【0107】
[0148]本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、無味である場合がある。この点に関して、味マスキング剤が必要に応じて組成物中に含まれるが、一部の実施形態では、組成物はシクロデキストリン以外の味マスキング剤を含まず、味マスキング剤を含まない場合でも無味である。
【0108】
[0149]医薬組成物はまた、薬学的に許容される賦形剤の混合物を含んでもよい。例えば、炭水化物とアミノ酸の混合物は、本開示の範囲内である。
[0150]本開示の1つまたは複数の実施形態の組成物は、推進薬(例えば、クロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロアルカン)などの非水性相を含む溶液、乾燥粉末、再構成粉末、懸濁液、または分散液などの種々の形態をとってもよい。
【0109】
[0151]本開示の溶液は、典型的に透明である。この点に関して、本開示の抗不整脈医薬剤の多くは水溶性である。
[0152]一部の実施形態では、溶液の等張性は、等張から生理的等張性の範囲である。生理的等張性は、生理学的流体の等張性である。
【0110】
[0153]一部の変形では、医薬組成物は噴霧エアロゾルであり、約20μm未満、例えば約10μm未満、約7μm未満または約5μm未満の質量中央径を有する液滴を含む。液滴は、約1μm~約6μm、例えば約1.5μm~約5μmまたは約2μm~約4μmの範囲の空気動力学的中央粒子径を有してもよい。液滴が大きすぎると、肺に到達できない粒子の割合が高くなる。液滴が小さすぎると、吐出されうる液滴の割合が高くなる。
【0111】
[0154]医薬組成物の投与単位は、容器に配置されてもよい。容器の例として、これらに限定されないが、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、バイアル、アンプル、カートリッジ、または金属、ポリマー(例えば、プラスチック、エラストマー)、ガラスなどから作製される容器閉鎖システムが挙げられる。例えば、バイアルは、クロロブチルゴムシリコーン化栓を備えた無色のI型ホウケイ酸ガラスISO 4R 6mLバイアル、および着色プラスチックカバーを備えたフリップオフ型アルミニウムキャップであってもよい。一部の実施形態では、バイアルは、クロロブチルゴムシリコーン化栓を備えた無色のI型ホウケイ酸ガラスISO 6R 10mLバイアル、および着色プラスチックカバーを備えたフリップオフ型アルミニウムキャップであってもよい。
【0112】
[0155]容器は、エアロゾル化デバイスに挿入されてもよい。容器は、医薬組成物を含有し、医薬組成物を使用可能な状態で提供するのに好適な形状、サイズ、および材料のものであってもよい。例えば、カプセルまたはブリスターは、医薬組成物と有害に反応しない材料を含む壁を含んでもよい。さらに、壁は、カプセルが開き、医薬組成物がエアロゾル化することを可能にする材料を含んでもよい。一変形では、壁は、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリエチレングリコール配合HPMC、ヒドロキシプロピルセルロース、アガー、アルミニウム箔などのうちの1種または複数を含む。一変形では、カプセルは、例えばその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,247,066号に記載されるように、伸縮自在に接合する部分を含んでもよい。カプセルのサイズは、医薬組成物の用量を適切に含有するように選択されてもよい。サイズは、一般的にサイズ5~サイズ000の範囲であり、それぞれ外径は約4.91mm
~9.97mmの範囲、高さは約11.10mm~約26.14mmの範囲、および容量は約0.10ml~約1.37mLの範囲である。好適なカプセルは、例えば、日本の奈良県、Shionogi Qualicaps Co.およびGreenwood、S.C.のCapsugelから市販される。それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,846,876号および第6,357,490号、ならびにWO00/07572に記載されるように、充填後に上部を下部の上に配置してカプセル形状を形成し、カプセル内に粉末を含有してもよい。上部を下部の上に配置した後、カプセルは必要に応じてバンド処理されてもよい。
【0113】
[0156]溶液の場合、投与単位中の組成物の量は、約0.5mL~約15mL、例えば1mL~15mL、2mL~15mL、3mL~15mL、4mL~15mL、5mL~15mL、6mL~15mL、7mL~15mL、8mL~15mL、9mL~15mL、10mL~15mL、11mL~15mL、12mL~15mL、10mL~15mL、14mL~15mL、1mL~13mL、2mL~13mL、3mL~13mL、4mL~13mL、5mL~13mL、6mL~13mL、7mL~13mL、8mL~13mL、9mL~13mL、10mL~13mL、11mL~13mL、12mL~13mL、1mL~10mL、2mL~10mL、3mL~10mL、4mL~10mL、5mL~10mL、6mL~10mL、7mL~10mL、8mL~10mL、9mL~10mL、1mL~8mL、2mL~8mL、3mL~8mL、4mL~8mL、5mL~8mL、6mL~8mL、7mL~8mL、1mL~5mL、2mL~5mL、3mL~5mL、4mL~5mLまたは1mL~3mLの範囲であってもよい。一部の実施形態では、投与単位中の組成物の量は、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約10mL、約14mL、または約15mLである。一部の実施形態では、投与単位中の組成物の量は、最大で約2mL、最大で約3mL、最大で約4mL、最大で約5mL、最大で約6mL、最大で約7mL、最大で約8mL、最大で約9mL、最大で約10mL、最大で約11mL、最大で約12mL、最大で約10mL、最大で約14mLまたは最大で約15mLである。
【0114】
[0157]本開示の組成物は、当業者に公知かつ利用可能な種々の方法および技術のいずれかによって作製されてもよい。
[0158]例えば、抗不整脈医薬剤の溶液は、以下の手順を使用して作製されてもよい。典型的に、製造機器は使用前に滅菌される。最終体積の一部、例えば溶媒、例えば注射用水の70%が好適な容器に添加されてもよい。他の追加的な薬学的に許容される担体もしくは賦形剤、可溶化剤、または他の医薬組成物の追加的な成分(例えば、シクロデキストリン、例えばHPβCD;例えば酸、例えば酢酸、塩酸、硝酸またはクエン酸;例えばサッカリン、例えばサッカリンナトリウム)の一部またはすべてが、抗不整脈剤、例えばフレカイニド塩、例えば酢酸フレカイニドの添加の前または後のいずれかに添加されてもよい。次いで抗不整脈医薬剤、例えばフレカイニドの塩が添加されてもよい。抗不整脈医薬剤は、溶解するまで混合されてもよい。最終バッチ体積を構成するために、追加の溶媒が添加されてもよい。バッチは、例えば0.2μmフィルタを通して滅菌受容ベッセル中に濾過されてもよい。充填構成成分は、バッチをバイアル、例えば10mLバイアルに充填する際に、使用前に滅菌されてもよい。
【0115】
[0159]例として、上述の滅菌は以下を含んでもよい。5リットル型の1つのガラス瓶および蓋がオートクレーブバッグ内に配置され、昇温、例えば121℃で15分間、オートクレーブを使用して滅菌されてもよい。同様に、バイアルが好適なラック中に配置され、オートクレーブバッグに挿入され、昇温、例えば121℃で15分間、オートクレーブを使用して滅菌されてもよい。また同様に、栓がオートクレーブバッグ内に配置され、昇温、例えば121℃で15分間、オートクレーブを使用して滅菌されてもよい。滅菌前に、
滅菌フィルタが、管、例えば2mm長の7mmx13mmシリコーン管に取り付けられてもよい。充填ラインは、オートクレーブバッグ内に配置され、昇温、例えば121℃で15分間、オートクレーブを使用して滅菌されることによって調製されてもよい。
【0116】
[0160]上述の濾過は、層流作業域への濾過を伴う場合がある。受容瓶およびフィルタが層流作業域内に設置されてもよい。
[0161]上述の充填も層流保護下で行うことができる。充填ラインが開封され、受容瓶の中に配置されてもよい。滅菌バイアルおよび栓が層流保護下で開封されてもよい。各バイアルは、例えば5gの目標充填まで充填され、栓がされてもよい。フリップオフカラーが各バイアルに適用されてもよい。密閉されたバイアルは、バイアル漏出、適正なオーバーシール、および亀裂について検査されてもよい。
【0117】
[0162]本開示の1つまたは複数の実施形態による医薬組成物は、所望であれば抗不整脈医薬剤(例えば、フレカイニド塩)と1種または複数の追加の活性剤の組合せを含有してもよい。追加の活性剤の例として、これらに限定されないが、肺を通して送達されうる薬剤が挙げられる。
【0118】
[0163]追加の活性剤は、例えば、睡眠薬および鎮静薬、精神賦活薬、精神安定薬、呼吸器薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン剤(ドーパミンアンタゴニスト)、鎮痛剤、抗炎症薬、抗不安薬(不安緩解薬)、食欲抑制剤、抗片頭痛剤、筋収縮薬、追加の抗感染薬(抗ウイルス薬、抗真菌薬、ワクチン)、抗関節炎薬、抗マラリア薬、制吐薬、抗てんかん薬、サイトカイン、成長因子、抗がん剤、抗血栓剤、降圧薬、心血管薬、抗不整脈薬、酸化防止剤、抗喘息剤、避妊薬を含むホルモン剤、交感神経模倣薬、利尿薬、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝固薬、新生物薬、抗新生物薬、血糖降下薬、栄養剤および補助剤、成長補助剤、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診断剤および造影剤を含んでもよい。追加の活性剤は、吸入によって投与される場合、局所的または全身的に作用してもよい。
【0119】
[0164]追加の活性剤は、小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ステロイド、生理学的作用を誘発できるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含むがこれらに限定されない多数の構造クラスのうちの1種に入る場合がある。
【0120】
[0165]本開示で使用するために好適な追加の活性剤の例として、これらに限定されないが、カルシトニン、アンフォテリシンB、エリスロポエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、アルファ-1プロテイナーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-1受容体、インターロイキン-2、インターロイキン-1受容体アンタゴニスト、インターロイキン-3、インターロイキン-4、インターロイキン-6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロインスリン、インスリンアナログ(例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,922,675号に記載されるモノアシル化インスリン)、アミリン、C-ペプチド、ソマトスタチン、オクトレオチドを含むソマトスタチンアナログ、バソプレシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、神経成長因子(NGF)、組織成長因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア成長因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮成長因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチド
チモシンアルファ1、IIb/IIa阻害剤、アルファ-1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA-4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維性膜貫通調節因子(CFFR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(DNase)、殺菌性/透過性増強タンパク質(BPI)、抗CMV抗体、13-シスレチノイン酸、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピラマイシン(spiromycin)、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシンおよびスウィノリドA;フルオロキノロン、例えばシプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イロロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシンおよびシタフロキサシン、テイコプラニン、ランポラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート、ポリミキシン、例えばポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネム;ペニシリンG、ペニシリンVなどのペニシリナーゼ感受性剤を含むペニシリン、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリンなどのペニシリナーゼ耐性剤;アンピシリン、アモキシシリンおよびヘタシリン、シリンおよびガランピシリンなどのグラム陰性微生物活性剤、カルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、およびピペラシリンなどの抗緑膿菌ペニシリン;セフポドキシムなどのセファロスポリン、セフプロジル、セフチブテン(ceftbuten)、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチ
ン、セファピリン、セファレキシン、セファラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロール、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフィネタゾール、セフタジジム、ロラカルベフおよびモキサラクタム、アズトレオナムなどのモノバクタム;ならびにカルバペネム、例えばイミペネム、メロペネム、ペンタミジンイセチオネート(pentamidine isethiouate)、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ジプ
ロピオン酸ベクロメタゾン(beclomethasone diprepionate)、トリアムシノロンアセト
アミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウムブロミド、フルニソリド、クロモリンナトリウム、酒石酸エルゴタミン、ならびに適応可能な場合は上記のアナログ、アゴニスト、アンタゴニスト、阻害剤、および薬学的に許容される塩形態のうちの1種または複数が挙げられる。ペプチドおよびタンパク質に関して、本開示は、合成、天然、グリコシル化、非グリコシル化、ペグ化形態、ならびにそれらの生物学的に活性な断片、誘導体およびアナログを包含することが意図される。
【0121】
[0166]本開示で使用するための追加の活性剤は、核酸、例えば裸核酸分子、ベクター、関連ウイルス粒子、プラスミドDNAもしくはRNA、または細胞のトランスフェクションもしくは形質転換に好適な、例えばアンチセンスを含む遺伝子治療に好適な種類の他の核酸構築物をさらに含んでもよい。さらに、活性剤は、ワクチンとして使用するために好適な弱毒化生ウイルスまたは死滅ウイルスを含んでもよい。他の有用な薬物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるPhysician’s Desk Reference(最新版)中に列挙
されるものを含む。
【0122】
[0167]活性剤の組合せが使用される場合、薬剤は、単一種の医薬組成物中の組合せで、または別個の種の医薬組成物中で個々に提供されてもよい。
調製
[0168]一部の態様では、本開示は、抗不整脈医薬剤を含む液体医薬組成物を調製する方法を提供する。一部の場合では、方法は、(a)水;(b)pH調整剤;(c)フレカイ
ニドまたは薬学的に許容されるその塩;および(d)シクロデキストリンを組み合わせるステップを含む。一部の場合では、製剤の調製に使用される水は滅菌される。一部の場合では、製剤の調製に使用される水は注射用水である。一部の場合では、出発材料のすべてが、医療用基準を満たす確立された技術によって滅菌される。
【0123】
[0169]一部の場合では、調製方法は、(a)水を準備すること;(b)水の一部を、ベッセル中でフレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩、シクロデキストリンおよびpH調整剤と接触させること;ならびに(c)水の次の部分をベッセルに添加して、医薬組成物をもたらすステップを含む。
【0124】
[0170]一部の場合では、本明細書に提供される方法によって調製される組成物において、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度は、医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、医薬組成物の室温でのpHは、約5.5~約6.5である。
【0125】
[0171]一部の場合では、pH調整剤は、酢酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、リン酸イオン、アコニット酸イオン、アジピン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、カプリル酸イオン、コール酸イオン、ギ酸イオン、グルタミン酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、ソルビン酸イオン、ステアリン酸イオンおよびコハク酸イオンからなる群から選択されるイオンを含む。一部の場合では、pH調整剤はpH緩衝剤を含む。一部の場合では、pH調整剤は酸または塩基を含む。一部の場合では、pH調整剤は酸を含む。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される。一部の場合では、pH調整剤は、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸を含むがこれらに限定されない酸の混合物を含む。一部の場合では、pH調整剤は酢酸を含む。一部の場合では、pH調整剤はクエン酸を含む。
【0126】
[0172]一部の場合では、pH調整剤は、約2mM~約50mMの濃度まで添加される。一部の場合では、pH調整剤は、約2mM~約10mMの濃度まで添加される。一部の場合では、pH調整剤は酢酸を含む。一部の場合では、酢酸の医薬組成物中の濃度は約5mMである。一部の場合では、pH調整剤はクエン酸を含む。一部の場合では、クエン酸の医薬組成物中の濃度は約5mMである。
【0127】
[0173]一部の場合では、調製方法は、溶液にシクロデキストリンを添加するステップを含む。一部の場合では、添加されるシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンまたは誘導体化γ-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、シクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオ
キシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、またはスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む。一部の場合では、医薬組成物中のシクロデキストリンの濃度は、約10%(w/v)~約30%(w/v)である。
【0128】
[0174]一部の場合では、調製方法は、溶液に甘味料を添加するステップを含む。一部の場合では、甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される。一部の場合では、甘味料はサッカリンを含む。一部の場合では、甘味料はサッカリンの塩を含む。一部の場合では、甘味料はサッカリンナトリウムを含む。一部の場合では、甘味料は、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)の濃度まで添加される。一部の場合では、甘味料は、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)の濃度まで添加される。一部の場合では、甘味料は、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)の濃度まで添加される。
【0129】
[0175]一部の場合では、調製方法は、薬学的に許容されるフレカイニドの塩、例えば酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドまたは硝酸フレカイニドを添加するステップを含む。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩は、酢酸フレカイニドを含む。一部の場合では、薬学的に許容されるフレカイニドの塩は、塩酸フレカイニドを含む。
【0130】
[0176]一部の場合では、調製方法は、医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含む。例えば、投与単位形態は、約50mg~約350mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含んでもよい。例えば、投与単位形態は、約60mg~約150mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩、例えば約75mg~約125mg、約250mg~約350mg、または約150mg~約250mg、例えば約90mg、約120mg、または約200mgの薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む。
【0131】
処置方法
[0177]本明細書に提供される方法、組成物およびキットは、吸入、例えば経口または経鼻吸入による医薬組成物の投与を含んでもよい。
【0132】
[0178]本明細書に提供される治療は、吸入、例えば経口または経鼻吸入を含んでもよく、またはそれに好適であってもよい。一部の場合では、経口吸入による投与中、医薬剤は、患者によって口から吸入され、肺によって吸収される。一部の場合では、経鼻吸入による投与中、医薬剤は、患者によって鼻から吸入され、鼻粘膜および/または肺によって吸収される。
【0133】
[0179]吸入経路は、肝初回代謝を回避することができ、したがって投薬の変動を排除することができる。経口錠剤または丸剤の場合とは異なり、患者の代謝速度は重要でない場合があり、これは投与が、例えば錠剤、丸剤、溶液または懸濁液のように、薬物が経口経路を介して投与される際に消化管を通して経験される代謝系とは無関係であるためである。鼻粘膜および/または肺からの薬物の急速な吸収により、作用の急速な発現、有効性の潜在的な向上および/または用量の低減を達成することができる。
【0134】
[0180]肺を通した薬物の急速な吸収速度は、肺の中心および末端領域を貫通するのに十分小さいエアロゾルが肺で利用可能な表面積が大きいために達成されうる。結果として、
吸入によって送達される薬物の吸収の速度および程度は、IV投与経路に匹敵する血漿濃度対時間プロファイルをもたらすことができる。
【0135】
[0181]作用の発現時間は短い場合がある。例えば、患者は投与の開始から20分以内、例えば、投与の開始から15分以内、10分以内、または5分以内に正常洞調律を有してもよい。一部の場合では、患者が不整脈(すなわち、心房細動)であり続ける期間が長いほど、正常洞調律を回復することが困難であるため、作用の急速な発現は有利である。
【0136】
[0182]一部の実施形態では、本開示の方法は、患者が他の治療、例えばアブレーションおよび/または電気的心臓除細動を回避することを可能にする。他の実施形態では、本開示の方法は、他の治療と組み合わせて、例えば電気的心臓除細動および/またはアブレーション治療の前または後に使用される。
【0137】
[0183]本開示の一部の態様では、組成物または医薬組成物の製剤は吸入によって投与される。医薬組成物は、投与の前にエアロゾル化されてもよく、またはエアロゾルの形態で使用者に提示されてもよい。
【0138】
[0184]医薬組成物は、エアロゾル化デバイスを使用して投与されてもよい。エアロゾル化デバイスは、噴霧器、定量吸入器、または液体用量点滴デバイスであってもよい。エアロゾル化デバイスは、医薬調製物のミクロンまたはサブミクロンサイズの穴からの押出、およびそれに続く微細液滴へのレイリー分裂を含んでもよい。医薬組成物は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるWO99/16420に記載される噴霧器によって、WO99/16422に記載の定量吸入器によって、WO99/16421に記載の液体用量点滴装置によって、ならびに米国公開出願第20020017295号および第20040105820号、WO99/16419、WO02/83220、および米国特許第6,546,929号に記載の乾燥粉末吸入器によって送達されてもよい。したがって、吸入器は、粒子または粒子および推進薬を含有するキャニスタを含んでもよく、吸入器は、キャニスタの内部と連通する定量バルブを含む。推進薬は、ヒドロフルオロアルカンであってもよい。
【0139】
[0185]例えば、医薬製剤は液体溶液中に存在してもよく、投与を必要とする患者の肺気道に投与されうるエアロゾル化医薬を提供するために、噴霧器、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT WO99/16420に開示されるものを用いて投与されてもよい。当技術分野で公知の噴霧器が、特許請求される製剤の投与に容易に利用可能である。呼吸起動型または呼吸作動型噴霧器、ならびに開発された、またはされる他の種類の向上を含むものも本開示の製剤と適合し、その範囲内に入ることが企図される。
【0140】
[0186]一部の場合では、噴霧器は、呼吸起動型または呼吸作動型噴霧器である。一部の場合では、噴霧器は、手持ち型吸入デバイスである(例えば、AeroEclipse(登録商標)II Breath Actuated Nebulizer(BAN))。一部の場合では、噴霧器は、圧縮空気源を有する。一部の場合では、噴霧器は、液体医薬をエアロゾルに転換する。一部の場合では、噴霧器は、医薬調製物をミクロンまたはサブミクロンサイズの穴から押し出すことによって液体医薬をエアロゾルに転換する。一部の場合では、噴霧器は、液体医薬が肺に吸入可能になるように、液体医薬をエアロゾルに転換する。一部の場合では、噴霧器は、小容量噴霧器である。一部の場合では、噴霧器は、小容量ジェット噴霧器である。一部の場合では、エアロゾル化医薬は、デバイスによって吸入された場合のみ生成される。一部の場合では、医薬は、呼吸の間または処置の休憩中にカップに含有される。一部の場合では、医薬は、吸入される準備が整うまでカップに含有される。
【0141】
[0187]噴霧器は、液体医薬製剤にエネルギーを付与して液体をエアロゾル化し、患者の肺系、例えば肺への送達を可能にすることができる。噴霧器は、液体医薬製剤を含有するリザーバを有する容器などの液体送達システムを含む。液体医薬製剤は、一般的に溶液中に存在するか、または液体媒体内に懸濁されるかのいずれかである活性剤を含む。
【0142】
[0188]概してジェット噴霧器と称される、主題の方法およびキットで使用可能な一種の噴霧器では、圧縮ガスが容器のオリフィスに通される。圧縮ガスは、液体がノズルを通して吸引され、吸引された液体が流動ガスと混合し、エアロゾル液滴を形成できるようにする。その後、液滴の雲が患者の気道に投与されてもよい。
【0143】
[0189]概して振動メッシュ噴霧器と称される、主題の方法およびキットで使用可能な別の種類の噴霧器では、機械エネルギーなどのエネルギーによってメッシュが振動する。このメッシュの振動によって液体医薬製剤がエアロゾル化し、患者の肺に投与されるエアロゾル雲を生じる。主題の方法およびキットで使用可能な別の種類の噴霧器では、噴霧は、ミクロンまたはサブミクロンサイズの穴からの押出、それに続く微細液滴へのレイリー分裂を含む。
【0144】
[0190]代替的にまたは追加的に、医薬製剤は液体形態であってもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2004/071368、ならびにいずれもそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開出願第2004/0011358号および第2004/0035413号に記載される噴霧器を使用してエアロゾル化されてもよい。噴霧器の他の例として、これらに限定されないが、Galway、アイルランドのAerogen Ltd.から入手可能なAeroneb(登録商標)GoまたはAeroneb(登録商標)Pro噴霧器;Midlothian、VaのPARI Respiratory Equipment,Inc.から入手可能なPARI eFlowおよび他のPARI噴霧器;East Brunswick、N.J.のLumiscope Company,Inc.から入手可能なLumiscope(登録商標)噴霧器6600または6610、および日本の京都府、Omron Healthcare,Inc.から入手可能なOmron NE-U22が挙げられる。噴霧器の他の例として、Medspray(Enschede、オランダ)によって生産されるデバイスが挙げられる。
【0145】
[0191]振動メッシュ型噴霧器、例えば圧縮ガスを使用せずに液滴を形成するもの、例えばAeroneb(登録商標)Proは、投薬効率および一貫性において予想外の向上をもたらすことが見出された。圧縮空気を導入するのではなく、振動する有孔または無孔膜を使用することによって微細液滴を生じることにより、流れ特性に実質的に影響を及ぼすことなくエアロゾル化医薬製剤を導入することができる。さらに、この種類の噴霧器を使用する場合、生じる液滴は低速で導入されるため、所望されない領域に液滴が運ばれる可能性が低くなる。また、押出/レイリージェット分裂型の噴霧器を使用する場合、生じる液滴は低速で導入されるため、所望されない領域に液滴が運ばれる可能性が低くなることが見出された。
【0146】
[0192]一部の場合では、主題の方法およびキットで使用可能な噴霧器は、振動メッシュ型のものである。一部の場合では、主題の方法およびキットで使用可能な噴霧器は、加圧ジェット型のものである。一部の場合では、主題の方法およびキットで使用可能な噴霧器は、押出/レイリー分裂型のものである。一部の場合では、噴霧器は軽量であり(最大60g、最大100g、最大200g、最大250g)、かつほぼ無音である。一部の場合では、噴霧器は、1メートルで35A加重デシベル(dBA)未満の騒音レベルを有する。一部の場合では、噴霧器は、6mLの投薬カップ容積を有する。一部の場合では、噴霧
器は0.3mL未満の残存量を有する。一部の場合では、噴霧器は、0.4mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、0.5mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、0.6mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、0.7mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、0.8mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、0.9mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、1.0mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、1.1mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、1.2mL/分の平均流量を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMADの平均粒径を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMAD~4.0μmのMMADの平均粒径を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMADの平均粒径を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMAD~5.0μmのMMADの平均粒径を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMADの平均粒径を生じる。一部の場合では、噴霧器は、3.0μmのMMAD~6.0μmのMMADの平均粒径を生じる。
【0147】
[0193]主題の方法およびキットで使用可能なさらに別の種類の噴霧器では、超音波が発生され、医薬製剤を直接振動およびエアロゾル化する。
[0194]本明細書に開示される医薬製剤はまた、定量吸入器などを用いてエアロゾル化によって患者の肺に投与されてもよい。そのような製剤の使用は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO99/16422号に開示されるように、優れた用量再現性および向上した肺沈着をもたらす。当技術分野で公知の定量吸入器(MDI)が、特許請求される医薬組成物の投与に利用されてもよい。呼吸起動型または呼吸作動型MDIおよび加圧MDI(pMDI)、ならびに開発された、またはされる他の種類の向上を含むものも本開示の製剤と適合し、したがってその範囲内に入ることが企図される。
【0148】
[0195]本開示の1つまたは複数の実施形態の製剤は、MDIおよび噴霧器とともに、例えばその全体が参照により本明細書に組み込まれるWO99/16421号に開示されるように、液体用量点滴またはLDI技術と併用されてもよいことが理解される。液体用量点滴は、製剤の肺への直接投与を伴う。LDIに関して、製剤は、好ましくは、部分液体換気または総液体換気と併用される。さらに、本開示の1つまたは複数の実施形態は、治療上有益な量の生理学的に許容されるガス(例えば、酸化窒素または酸素)を、投与前、投与中または投与後に医薬微粒分散に導入するステップをさらに含んでもよい。
【0149】
[0196]本開示の1つまたは複数の実施形態の医薬組成物は、向上した放出用量効率を示す場合がある。したがって、多様なエアロゾル化デバイスおよび技術を使用して、高用量の医薬組成物を送達することができる。
【0150】
[0197]本開示の粒子の放出用量(ED)は、約30%より多い、例えば約40%より多い、約50%より多い、約60%より多い、または約70%より多くてもよい。
[0198]医薬組成物は、必要に応じて患者に投与されてもよい。例えば、方法、キットおよび組成物は、心臓の状態、例えば心不整脈、例えば心房性不整脈を経験している対象の処置に特に使用することができる。一部の場合では、対象は、対象が心房性不整脈を経験しているときに本明細書に記載される治療を投与される。一部の場合では、医薬組成物は、心不整脈のエピソードの発症後に対象に投与される。他の場合では、対象は、心不整脈のエピソードの間に処置される。
【0151】
[0199]抗不整脈剤、例えばフレカイニド塩、例えば酢酸フレカイニドの用量は、1回の吸入中に投与されてもよく、複数の吸入中に投与されてもよい。抗不整脈医薬剤の濃度の増減は、医薬組成物をより頻繁に投与することによって低減されてもよく、医薬組成物をより低頻度で投与することによって増加されてもよい。したがって、本明細書に提供される医薬組成物は、およそ1日4回からおよそ1カ月に1回、例えばおよそ1日1回からお
よそ2週間に1回、およそ2日に1回からおよそ1週間に1回、およびおよそ1週間に1回投与されてもよい。
【0152】
[0200]一部の場合では、抗不整脈医薬剤は、2回以上の吸入にわたって送達される。一部の場合では、2回以上の吸入の間の時間は、約0.1~10分である。抗不整脈医薬剤は、記載される用量で60分未満、50分未満、40分未満、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満、7分未満、5分未満、3分未満、2分未満または1分未満に投与される。一部の場合では、必要用量の抗不整脈医薬剤の送達は、1、2、3、4、5または6回の吸入で完了する。一部の場合では、各吸入は、約0.5、1、1.2、1.5、1.8、2、2.2、2.5、2.8、3、3.2、3.5、3.8、4、4.2、4.5、4.8または5分間行われる。一部の場合では、各吸入は、5分より長く行われる。一部の場合では、各吸入は、最大4.5分間行われる。一部の場合では、各吸入は、少なくとも60回の吸入呼吸、50回の吸入呼吸、40回の吸入呼吸、30回の吸入呼吸、20回の吸入呼吸、10回の吸入呼吸、8回の吸入呼吸、6回の吸入呼吸、4回の吸入呼吸、3回の吸入呼吸、2回の吸入呼吸または1回の吸入呼吸を含む。一部の場合では、各吸入は、100回以下の吸入呼吸、90回の吸入呼吸、80回の吸入呼吸、70回の吸入呼吸、60回の吸入呼吸、50回の吸入呼吸、40回の吸入呼吸、30回の吸入呼吸または20回の吸入呼吸を含む。一部の場合では、抗不整脈医薬剤の吸入は、1秒、2秒、3秒または4秒より長く続く深い肺呼吸によって行われる。一部の場合では、抗不整脈医薬剤の吸入は、約1秒、2秒、3秒または4秒続く深い肺呼吸によって行われる。
【0153】
[0201]一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤の吸入送達の間、対象は、2回の吸入の間に休憩をとる、またはとるように指示される。そのような実施形態では、2回の吸入の間の休憩は、約0.1~10分、例えば0.2~5、1~5、1.5~5、2~5、3~5、4~5、1~1.5、1~2、1~2.5、1~3、1~3.5、1~4、1.5~2、1.5~2.5または1.5~3分続く。一部の場合では、対象は、2回の吸入の間に約1分休憩をとる、またはとるように指示される。一部の場合では、単回用量の送達の吸入パターンは、以下のように進行する:第1の吸入を約4~4.5分、休憩を約1分、および第2の吸入を約4~4.5分;第1の吸入を約4~4.5分、休憩を約30秒、および第2の吸入を約4~4.5分;第1の吸入を約4~4.5分、第1の休憩を約1分、および第2の吸入を約4~4.5分;第2の休憩を約1分、および第3の吸入を約4~4.5分;または第1の吸入を約4~4.5分、第1の休憩を約30秒、および第2の吸入を約4~4.5分;第2の休憩を約30秒、および第3の吸入を約4~4.5分。
【0154】
[0202]一変形では、抗不整脈薬は毎日投与されてもよい。この場合、酢酸フレカイニドの1日投薬量は、約0.1mg~約600mg、例えば約0.5mg~約500mg、約1mg~約400mg、約2mg~約300mg、および約3mg~約200mgの範囲である。
【0155】
[0203]一部の場合では、本明細書に提供される治療は、必要に応じて1回より多く対象に提供される。例えば、本開示は、初回吸入後に心臓除細動が生じない場合、フォローアップ吸入を含んでもよい。一部の場合では、初回吸入の30分以内に心臓除細動が生じない場合、フォローアップ投薬量は、初回投薬量より高いまたは同じである。
【0156】
[0204]投薬は、患者の気分によって導かれてもよい。追加的にまたは代替的に、投薬は、携帯/移動型ECGデバイスを使用して導かれてもよい。例えば、投薬は、ホルターモニタを使用して導かれてもよい。
【0157】
[0205]別の変形では、医薬組成物は、不整脈を発生する可能性がある対象に予防的に投与される。例えば、不整脈の病歴のある患者は、不整脈を発生する可能性を低減させるた
めに、抗不整脈医薬剤を含む医薬組成物で予防的に処置されてもよい。
【0158】
[0206]医薬組成物は、不整脈の予防に有効な任意のレジメンで患者に投与されてもよい。例示的な予防レジームは、本明細書に記載される抗不整脈医薬剤を1週間に1~21回投与することを含む。
【0159】
[0207]一部の場合では、本明細書に記載される方法による医薬組成物の投与を受ける患者は、以下のECG基準のうちの1つまたは複数を満たす必要がある:P波がECGで確認されない;細動波が粗い;RR間隔が変動する;絶対的不整QRS群が存在する;または心室レートが上昇する。一部の場合では、本明細書に開示される処置方法は、心房細動エピソード中の患者をECGによって確認するステップを含む。一部の場合では、方法は、本明細書に記載される医薬組成物を投与する前に、患者が以下のECGの特徴を有することを確認するステップを含む:P波がECGで確認されない;細動波が粗い;RR間隔が変動する;絶対的不整QRS群が存在する;および心室レートが上昇する。一部の場合では、本明細書に記載される方法による医薬組成物の投与を受ける患者は、所定の期間内で進行中であり、かつ患者がフレカイニドを安全に受けるのに適格になる病歴を有する。一部の場合では、患者の現在のAFエピソードは、48時間未満の継続期間を有した。一部の場合では、患者が過去24時間の期間内に受けるフレカイニドの総曝露は、320mgを超えない。
【0160】
[0208]不整脈、例えば心房性不整脈、例えば心房細動の処置のために対象に送達されるフレカイニド塩の量(例えば、対象によって吸入されたときにマウスピースに存在するフレカイニド塩のおよその量)は、約50mg~約300mg、例えば50mg~60mg、50mg~70mg、50mg~80mg、50mg~90mg、50mg~100mg、50mg~110mg、50mg~120mg、50mg~130mg、50mg~140mg、50mg~150mg、50mg~160mg、50mg~170mg、50mg~180mg、50mg~190mg、50mg~200mg、50mg~210mg、50mg~220mg、50mg~230mg、50mg~240mg、50mg~250mg、50mg~260mg、50mg~270mg、50mg~280mg、50mg~290mg、70mg~80mg、70mg~90mg、70mg~100mg、70mg~110mg、70mg~120mg、70mg~130mg、70mg~140mg、70mg~170mg、70mg~160mg、70mg~170mg、70mg~180mg、70mg~190mg、70mg~200mg、70mg~210mg、70mg~220mg、70mg~230mg、70mg~240mg、70mg~270mg、70mg~260mg、70mg~270mg、70mg~280mg、70mg~290mg、70mg~300mg、80mg~90mg、80mg~100mg、80mg~110mg、80mg~120mg、80mg~130mg、80mg~140mg、80mg~150mg、80mg~160mg、80mg~170mg、80mg~180mg、80mg~190mg、80mg~200mg、80mg~210mg、80mg~220mg、80mg~230mg、80mg~240mg、80mg~250mg、80mg~260mg、80mg~270mg、80mg~280mg、80mg~290mg、80mg~300mg、100mg~110mg、100mg~120mg、100mg~130mg、100mg~140mg、100mg~150mg、100mg~160mg、100mg~170mg、100mg~180mg、100mg~190mg、100mg~200mg、100mg~210mg、100mg~220mg、100mg~230mg、100mg~240mg、100mg~250mg、100mg~260mg、100mg~270mg、100mg~280mg、100mg~290mg、100mg~300mg、120mg~140mg、120mg~150mg、120mg~160mg、120mg~170mg、120mg~180mg、120mg~190mg、120mg~200mg、120mg~210mg、1
20mg~220mg、120mg~230mg、120mg~240mg、120mg~250mg、120mg~260mg、120mg~270mg、120mg~280mg、120mg~290mg、120mg~300mg、150mg~160mg、150mg~170mg、150mg~180mg、150mg~190mg、150mg~200mg、150mg~210mg、150mg~220mg、150mg~230mg、150mg~240mg、150mg~250mg、150mg~260mg、150mg~270mg、150mg~280mg、150mg~290mg、150mg~300mg、180mg~200mg、180mg~210mg、180mg~220mg、180mg~230mg、180mg~240mg、180mg~250mg、180mg~260mg、180mg~270mg、180mg~280mg、180mg~290mg、180mg~300mg、200mg~220mg、200mg~230mg、200mg~240mg、200mg~250mg、200mg~260mg、200mg~270mg、200mg~280mg、200mg~290mg、200mg~300mg、220mg~240mg、220mg~250mg、220mg~260mg、220mg~270mg、220mg~280mg、220mg~290mg、220mg~300mg、250mg~260mg、250mg~270mg、250mg~280mg、250mg~290mg、250mg~300mg、280mg~260mg、280mg~270mg、280mg~280mg、280mg~290mgまたは280mg~300mgであってもよい。
【0161】
[0209]一変形では、不整脈、例えば心房性不整脈、例えば心房細動の処置のために対象に送達されるフレカイニド塩の量(例えば、対象によって吸入されたときにエアロゾル化デバイスに存在するフレカイニド塩のおよその量)は、少なくとも約50mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mg、少なくとも約170mg、少なくとも約180mg、少なくとも約190mg、少なくとも約200mg、少なくとも約210mg、少なくとも約220mg、少なくとも約230mg、少なくとも約240mg、少なくとも約250mg、少なくとも約260mg、少なくとも約270mg、少なくとも約280mgまたは少なくとも約290mgである。
【0162】
[0210]一変形では、不整脈、例えば心房性不整脈、例えば心房細動の処置のために対象に送達されるフレカイニド塩の量(例えば、対象によって吸入されたときにマウスピースに存在するフレカイニド塩のおよその量)は、最大で約100mg、最大で約110mg、最大で約120mg、最大で約130mg、最大で約140mg、最大で約150mg、最大で約160mg、最大で約170mg、最大で約180mg、最大で約190mg、最大で約200mg、最大で約210mg、最大で約220mg、最大で約230mg、最大で約240mg、最大で約250mg、最大で約260mg、最大で約270mg、最大で約280mgまたは最大で約290mgである。
【0163】
[0211]一部の場合では、不整脈、例えば心房性不整脈、例えば心房細動の処置のために対象に送達されるフレカイニド塩の量(例えば、対象によって吸入されたときにマウスピースに存在するフレカイニド塩のおよその量)は、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mgまたは約290mgである。
【0164】
[0212]医薬組成物が対象によって吸入されるとき、医薬組成物が呼吸経路に沿って損失
する場合があるため、すべての医薬組成物が肺に到達し、全身循環へと吸収されるわけではない。一部の実施形態では、本明細書に提供される方法によって送達される酢酸フレカイニドの推定総肺用量(eTLD、例えば肺に到達する医薬活性成分の用量を計る理論値、例えばエアロゾル化デバイスに存在する用量の約70%)は、約40mg~約180mg、例えば40mg~60mg、40mg~70mg、40mg~80mg、40mg~90mg、40mg~100mg、40mg~110mg、40mg~120mg、40mg~130mg、40mg~140mg、40mg~150mg、40mg~160mg、40mg~170mg、40mg~180mg、50mg~60mg、50mg~70mg、50mg~80mg、50mg~90mg、50mg~100mg、50mg~110mg、50mg~120mg、50mg~130mg、50mg~140mg、50mg~150mg、50mg~160mg、50mg~170mg、50mg~180mg、70mg~80mg、70mg~90mg、70mg~100mg、70mg~110mg、70mg~120mg、70mg~130mg、70mg~140mg、70mg~170mg、70mg~160mg、70mg~170mg、70mg~180mg、80mg~90mg、80mg~100mg、80mg~110mg、80mg~120mg、80mg~130mg、80mg~140mg、80mg~150mg、80mg~160mg、80mg~170mg、80mg~180mg、90mg~100mg、90mg~110mg、90mg~120mg、90mg~130mg、90mg~140mg、90mg~150mg、90mg~160mg、90mg~170mg、90mg~180mg、100mg~110mg、100mg~120mg、100mg~130mg、100mg~140mg、100mg~150mg、100mg~160mg、100mg~170mg、100mg~180mg、120mg~140mg、120mg~150mg、120mg~160mg、120mg~170mg、120mg~180mg、150mg~160mg、150mg~170mgまたは150mg~180mgである。
【0165】
[0213]一部の場合では、本明細書に提供される方法によって送達される酢酸フレカイニドのeTLDは、少なくとも約40mg、少なくとも約60mg、少なくとも約70mg、少なくとも約80mg、少なくとも約90mg、少なくとも約100mg、少なくとも約110mg、少なくとも約120mg、少なくとも約130mg、少なくとも約140mg、少なくとも約150mg、少なくとも約160mgまたは少なくとも約170mgである。一部の場合では、本明細書に提供される方法によって送達される酢酸フレカイニドのeTLDは、最大で約60mg、最大で約70mg、最大で約80mg、最大で約90mg、最大で約100mg、最大で約110mg、最大で約120mg、最大で約130mg、最大で約140mg、最大で約150mg、最大で約160mg、最大で約170mgまたは最大で約180mgである。一部の場合では、本明細書に提供される方法によって送達される酢酸フレカイニドのeTLDは、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約105mg、約110mg、約115mg、約120mg、約125mg、約130mg、約135mg、約140mg、約145mg、約150mg、約160mg、約170mgまたは約180mgである。
【0166】
[0214]この処置方法は、IVの作用を模倣する脈動薬物動態プロファイルおよび一過性の薬力学作用をもたらす。この方法は、心臓に対して安全かつ有効な高い薬物濃度を送達する一方で、身体の残りの部分への分布により、薬物は治療量以下のレベルまで希釈される。この方法は、心臓内注射に次いで最短の心臓への送達経路である。これは、「ピル・イン・ザ・ポケット(pill-in-the-pocket)」手法のような自己投与の簡便性だけでなく、IVの有効性および作用の急速発現ももたらす。全身的作用のための肺による薬の送達は新規ではないが、そこを通る薬物の急速な通過のために、心臓には有効でないと考えられていた。この試験における動物およびヒトのPK/PDデータは、薬物の曝露が、他の
投与経路に比べてはるかに低い用量で治療効果に十分であることを示す。この方法は、全血漿中薬物濃度が、経口/IVによって達成されるものよりはるかに低いことを確実にし、したがって薬物間相互作用および副作用を最小化する。
【0167】
[0215]一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは、約30分以内、例えば約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、8、10、15、20、25または30分以内であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは、約5分以内である。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは、約0.1分~約30分、例えば0.1~0.5、0.1~1、0.1~1.5、0.1~2、0.1~2.5、0.1~3、0.1~3.5、0.1~4、0.1~4.5、0.1~5、0.1~6、0.1~8、0.1~10、0.1~15、0.1~20、0.1~25、0.1~30、0.2~0.5、0.2~1、0.2~1.5、0.2~2、0.2~2.5、0.2~3、0.2~3.5、0.2~4、0.2~4.5、0.2~5、0.2~6、0.2~8、0.2~10、0.2~15、0.2~20、0.2~25、0.2~30、0.3~0.5、0.3~1、0.3~1.5、0.3~2、0.3~2.5、0.3~3、0.3~3.5、0.3~4、0.3~4.5、0.3~5、0.3~6、0.3~8、0.3~10、0.3~15、0.3~20、0.3~25、0.3~30、0.5~1、0.5~1.5、0.5~2、0.5~2.5、0.5~3、0.5~3.5、0.5~4、0.5~4.5、0.5~5、0.5~6、0.5~8、0.5~10、0.5~15、0.5~20、0.5~25、0.5~30、1~1.5、1~2、1~2.5、1~3、1~3.5、1~4、1~4.5、1~5、1~6、1~8、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、1.5~2、1.5~2.5、1.5~3、1.5~3.5、1.5~4、1.5~4.5、1.5~5、1.5~6、1.5~8、1.5~10、1.5~15、1.5~20、1.5~25、1.5~30、2~2.5、2~3、2~3.5、2~4、2~4.5、2~5、2~6、2~8、2~10、2~15、2~20、2~25、2~30、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~4.5、2.5~5、2.5~6、2.5~8、2.5~10、2.5~15、2.5~20、2.5~25、2.5~30、3~3.5、3~4、3~4.5、3~5、3~6、3~8、3~10、3~15、3~20、3~25、3~30、3.5~4、3.5~4.5、3.5~5、3.5~6、3.5~8、3.5~10、3.5~15、3.5~20、3.5~25、3.5~30、4~4.5、4~5、4~6、4~8、4~10、4~15、4~20、4~25、4~30、4.5~5、4.5~6、4.5~8、4.5~10、4.5~15、4.5~20、4.5~25、4.5~30、5~6、5~8、5~10、5~15、5~20、5~25、5~30、5.5~6、5.5~8、5.5~10、5.5~15、5.5~20、5.5~25、5.5~30、6~8、6~10、6~15、6~20、6~25、6~30、8~10、8~15、8~20、8~25、8~30、10~15、10~20、10~25、10~30、15~20、15~25、15~30、20~25、20~30または25~30分であってもよい。本開示で与えられる範囲は、2つの正確な数値の間の範囲である場合があり、一部の場合では、本開示における範囲は、2つのおよその数値の間の範囲を指す場合もある。例えば、「1~10」は、一部の場合で「1から10まで」を指す場合があるが、他の場合では、「1~10」は「約1から約10まで」を指す場合がある。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは、0.01~5、0.02~5、0.03~5、0.04~5、0.05~5、0.06~5、0.07~5、0.08~5、0.09~5、0.12~5、0.14~5、0.15~5、0.16~5、0.18~5、0.2~5、0.24~5、0.26~5、0.28~5、0.3~5、0.35~5、0.4~5、0.5~5、0.6~5、0.7~5、0.8~5、0.9~5または1~5分であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは、約0.1~約3分であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のTmaxは
、約0.1~約5分であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤(例えば、フレカイニド)のTmaxは、約0.2~約5分であってもよい。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0168】
[0216]一部の場合では、Tmaxは、抗不整脈医薬剤の最大血漿濃度が観察される時間として計算される。一部の場合では、Tmaxは、抗不整脈医薬剤の投与後の最大血漿濃度に達する時間として計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、抗不整脈医薬剤の投与の開始後の最大血漿濃度に達する時間として計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、抗不整脈医薬剤の投与の完了後の最大血漿濃度に達する時間として計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、左室腔で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、肺動脈で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、静脈(例えば、大腿静脈)で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Tmaxは、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。
【0169】
[0217]本明細書で使用される場合、「ヒトのPK/PD試験」という用語は、ヒト対象が本明細書に提供される抗不整脈剤の単回用量の投与を受け、抗不整脈剤の投与後にヒト対象から薬物動態(PK)または薬力学(PD)パラメーターが測定される任意の環境を指してもよい。一部の場合では、本明細書に提供されるヒトのPK/PD試験は、クリニックまたは病院環境で行われる臨床試験を指してもよい。一部の場合では、ヒトのPK/PD試験は、単一施設または多施設試験であってもよい。ヒトのPK/PD試験は、健康なヒト対象またはヒト心血管患者に行われてもよい。一部の場合では、心血管疾患を有する患者は、本明細書に記載される不整脈を経験する。一部の場合では、ヒトのPK/PD試験は単回用量試験であってもよく、他の場合では、ヒトのPK/PD試験は複数用量(例えば、漸増用量)試験であってもよい。
【0170】
[0218]本明細書に記載される薬物動態(PK)は、体内での治療剤、例えば抗不整脈医薬剤、例えばフレカイニドの時間経過に関する。薬力学(PD)は、in vivoでの薬物動態と有効性の間の関係に関する。PK/PDパラメーターは、治療剤、例えば抗不整脈医薬剤、例えばフレカイニドと有効活性の相関を示す。
【0171】
[0219]任意の標準的な薬物動態プロトコールがヒトのPK/PD試験で使用され、本明細書に記載される製剤、例えばフレカイニドを含む吸入可能製剤の投与後のヒトにおける血漿濃度プロファイルを決定し、それによって製剤が本明細書に記載される薬物動態基準を満たすかどうかを確立することができる。例えば、決して限定的ではないが、健康なヒト成人対象の群を使用する一種の無作為化単回用量クロスオーバー試験が利用されてもよい。対象の数は、統計分析における変動の適切な制御をもたらすのに十分であってもよく、典型的に約8以上、例えば約10、12、14、16、18、20または25である。ある特定の実施形態では、より小規模な群が使用されてもよい。一実施形態では、対象は、時間ゼロで本明細書に記載される吸入可能製剤、例えばフレカイニドを含む吸入可能製剤の単回用量の投与を受ける。血液試料は、投与前および投与後の複数の間隔で各対象から収集される。血漿は、遠心分離によって血液試料から分離されてもよく、分離された血漿は、例えば有効な高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/APCI-MS/MS)手順、例えばRamu et al., Journal of Chromatography B, 751:49-59(2001)に記載されるものによって分析される。他の実施形態では、単一の対象からのデータが
収集されてもよく、PKプロファイルを構築するために使用されてもよく、かつ改良された薬物動態プロファイルを示してもよい。
【0172】
[0220]一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、約10ng/mL~約5000ng/mL、例えば約10~30、10~50、10~70、10~80、10~90、10~100、10~110、10~120、10~130、10~140、10~150、10~160、10~170、10~180、10~190、10~200、10~250、10~300、10~350、10~400、10~450、10~500、10~550、10~600、10~650、10~700、10~800、10~900、10~1000、10~1500、10~2000、10~3000、10~4000、10~5000、20~30、20~50、20~70、20~80、20~90、20~100、20~110、20~120、20~130、20~140、20~150、20~160、20~170、20~180、20~190、20~200、20~250、20~300、20~350、20~400、20~450、20~500、20~550、20~600、20~650、20~700、20~800、20~900、20~1000、20~1500、20~2000、20~3000、20~4000、20~5000、30~50、30~70、30~80、30~90、30~100、30~110、30~120、30~130、30~140、30~150、30~160、30~170、30~180、30~190、30~200、30~250、30~300、30~350、30~400、30~450、30~500、30~550、30~600、30~650、30~700、30~800、30~900、30~1000、30~1500、30~2000、30~3000、30~4000、30~5000、50~70、50~80、50~90、50~100、50~110、50~120、50~130、50~140、50~150、50~160、50~170、50~180、50~190、50~200、50~250、50~300、50~350、50~400、50~450、50~500、50~550、50~600、50~650、50~700、50~800、50~900、50~1000、50~1500、50~2000、50~3000、50~4000、50~5000、70~80、70~90、70~100、70~110、70~120、70~130、70~140、70~150、70~160、70~170、70~180、70~190、70~200、70~250、70~300、70~350、70~400、70~450、70~500、70~550、70~600、70~650、70~700、70~800、70~900、70~1000、70~1500、70~2000、70~3000、70~4000、70~5000、80~90、80~100、80~110、80~120、80~130、80~140、80~150、80~160、80~170、80~180、80~190、80~200、80~250、80~300、80~350、80~400、80~450、80~500、80~550、80~600、80~650、80~700、80~800、80~900、80~1000、80~1500、80~2000、80~3000、80~4000、80~5000、90~100、90~110、90~120、90~130、90~140、90~150、90~160、90~170、90~180、90~190、90~200、90~250、90~300、90~350、90~400、90~450、90~500、90~550、90~600、90~650、90~700、90~800、90~900、90~1000、90~1500、90~2000、90~3000、90~4000、90~5000、100~110、100~120、100~130、100~140、100~150、100~160、100~170、100~180、100~190、100~200、100~250、100~300、100~350、100~400、100~450、100~500、100~550、100~600、100~650、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~3000、100~4000、100~5000、110~120、110~130、110~140、110~150、110~160、110~170、110~180、110~190、110~200、110~250、110~30
0、110~350、110~400、110~450、110~500、110~550、110~600、110~650、110~700、110~800、110~900、110~1000、110~1500、110~2000、110~3000、110~4000、110~5000、120~130、120~140、120~150、120~160、120~170、120~180、120~190、120~200、120~250、120~300、120~350、120~400、120~450、120~500、120~550、120~600、120~650、120~700、120~800、120~900、120~1000、120~1500、120~2000、120~3000、120~4000、120~5000、130~140、130~150、130~160、130~170、130~180、130~190、130~200、130~250、130~300、130~350、130~400、130~450、130~500、130~550、130~600、130~650、130~700、130~800、130~900、130~1000、130~1500、130~2000、130~3000、130~4000、130~5000、140~150、140~160、140~170、140~180、140~190、140~200、140~250、140~300、140~350、140~400、140~450、140~500、140~550、140~600、140~650、140~700、140~800、140~900、140~1000、140~1500、140~2000、140~3000、140~4000、140~5000、150~160、150~170、150~180、150~190、150~200、150~250、150~300、150~350、150~400、150~450、150~500、150~550、150~600、150~650、150~700、150~800、150~900、150~1000、150~1500、150~2000、150~3000、150~4000、150~5000、160~170、160~180、160~190、160~200、160~250、160~300、160~350、160~400、160~450、160~500、160~550、160~600、160~650、160~700、160~800、160~900、160~1000、160~1500、160~2000、160~3000、160~4000、160~5000、170~180、170~190、170~200、170~250、170~300、170~350、170~400、170~450、170~500、170~550、170~600、170~650、170~700、170~800、170~900、170~1000、170~1500、170~2000、170~3000、170~4000、170~5000、180~190、180~200、180~250、180~300、180~350、180~400、180~450、180~500、180~550、180~600、180~650、180~700、180~800、180~900、180~1000、180~1500、180~2000、180~3000、180~4000、180~5000、190~200、190~250、190~300、190~350、190~400、190~450、190~500、190~550、190~600、190~650、190~700、190~800、190~900、190~1000、190~1500、190~2000、190~3000、190~4000、190~5000、200~250、200~300、200~350、200~400、200~450、200~500、200~550、200~600、200~650、200~700、200~800、200~900、200~1000、200~1500、200~2000、200~3000、200~4000、200~5000、250~300、250~350、250~400、250~450、250~500、250~550、250~600、250~650、250~700、250~800、250~900、250~1000、250~1500、250~2000、250~3000、250~4000、250~5000、300~350、300~400、300~450、300~500、300~550、300~600、300~650、300~700、300~800、300~900、300~
1000、300~1500、300~2000、300~3000、300~4000、300~5000、350~400、350~450、350~500、350~550、350~600、350~650、350~700、350~800、350~900、350~1000、350~1500、350~2000、350~3000、350~4000、350~5000、400~450、400~500、400~550、400~600、400~650、400~700、400~800、400~900、400~1000、400~1500、400~2000、400~3000、400~4000、400~5000、450~500、450~550、450~600、450~650、450~700、450~800、450~900、450~1000、450~1500、450~2000、450~3000、450~4000、450~5000、500~550、500~600、500~650、500~700、500~800、500~900、500~1000、500~1500、500~2000、500~3000、500~4000、500~5000、550~600、550~650、550~700、550~800、550~900、550~1000、550~1500、550~2000、550~3000、550~4000、550~5000、600~650、600~700、600~800、600~900、600~1000、600~1500、600~2000、600~3000、600~4000、600~5000、650~700、650~800、650~900、650~1000、650~1500、650~2000、650~3000、650~4000、650~5000、700~800、700~900、700~1000、700~1500、700~2000、700~3000、700~4000、700~5000、800~900、800~1000、800~1500、800~2000、800~3000、800~4000、800~5000、900~1000、900~1500、900~2000、900~3000、900~4000、900~5000、1000~1500、1000~2000、1000~3000、1000~4000、1000~5000、1500~2000、1500~3000、1500~4000、1500~5000、2000~3000、2000~4000、2000~5000、3000~4000、3000~5000または4000~5000ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、約20
ng/mL~約500ng/mL、例えば20~500、30~500、40~500、50~500、60~500、70~500、80~500、90~500、100~500、150~500、200~500または250~500ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、約50~約500ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、約200~約500ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、少なくとも約200ng/mLである。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のCmaxは、少なくとも約250ng/mLである。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0173】
[0221]一部の場合では、Cmaxは、観察される抗不整脈医薬剤の最大血漿濃度として計算されてもよい。一部の場合では、Cmaxは、薬物の投与後に抗不整脈医薬剤が達成するピーク血漿濃度として計算されてもよい。一部の場合では、Cmaxは、左室腔で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Cmaxは、肺動脈で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Cmaxは、静脈(例えば、大腿静脈)で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、Cmaxは、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。
【0174】
[0222]一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のAUCLastは、
約100hr*ng/mL~約10000hr*ng/mL、例えば100~200、100~300、100~400、100~420、100~440、100~460、100~480、100~500、100~520、100~540、100~560、100~580、100~600、100~620、100~640、100~660、100~680、100~700、100~800、100~900、100~1000、100~1500、100~2000、100~3000、100~3500、100~4000、100~4500、100~5000、100~5500、100~6000、100~6500、100~7000、100~8000、100~9000、100~10000、200~300、200~400、200~420、200~440、200~460、200~480、200~500、200~520、200~540、200~560、200~580、200~600、200~620、200~640、200~660、200~680、200~700、200~800、200~900、200~1000、200~1500、200~2000、200~3000、200~3500、200~4000、200~4500、200~5000、200~5500、200~6000、200~6500、200~7000、200~8000、200~9000、200~10000、300~400、300~420、300~440、300~460、300~480、300~500、300~520、300~540、300~560、300~580、300~600、300~620、300~640、300~660、300~680、300~700、300~800、300~900、300~1000、300~1500、300~2000、300~3000、300~3500、300~4000、300~4500、300~5000、300~5500、300~6000、300~6500、300~7000、300~8000、300~9000、300~10000、400~420、400~440、400~460、400~480、400~500、400~520、400~540、400~560、400~580、400~600、400~620、400~640、400~660、400~680、400~700、400~800、400~900、400~1000、400~1500、400~2000、400~3000、400~3500、400~4000、400~4500、400~5000、400~5500、400~6000、400~6500、400~7000、400~8000、400~9000、400~10000、420~440、420~460、420~480、420~500、420~520、420~540、420~560、420~580、420~600、420~620、420~640、420~660、420~680、420~700、420~800、420~900、420~1000、420~1500、420~2000、420~3000、420~3500、420~4000、420~4500、420~5000、420~5500、420~6000、420~6500、420~7000、420~8000、420~9000、420~10000、440~460、440~480、440~500、440~520、440~540、440~560、440~580、440~600、440~620、440~640、440~660、440~680、440~700、440~800、440~900、440~1000、440~1500、440~2000、440~3000、440~3500、440~4000、440~4500、440~5000、440~5500、440~6000、440~6500、440~7000、440~8000、440~9000、440~10000、460~480、460~500、460~520、460~540、460~560、460~580、460~600、460~620、460~640、460~660、460~680、460~700、460~800、460~900、460~1000、460~1500、460~2000、460~3000、460~3500、460~4000、460~4500、460~5000、460~5500、460~6000、460~6500、460~7000、460~8000、460~
9000、460~10000、480~500、480~520、480~540、480~560、480~580、480~600、480~620、480~640、480~660、480~680、480~700、480~800、480~900、480~1000、480~1500、480~2000、480~3000、480~3500、480~4000、480~4500、480~5000、480~5500、480~6000、480~6500、480~7000、480~8000、480~9000、480~10000、500~520、500~540、500~560、500~580、500~600、500~620、500~640、500~660、500~680、500~700、500~800、500~900、500~1000、500~1500、500~2000、500~3000、500~3500、500~4000、500~4500、500~5000、500~5500、500~6000、500~6500、500~7000、500~8000、500~9000、500~10000、520~540、520~560、520~580、520~600、520~620、520~640、520~660、520~680、520~700、520~800、520~900、520~1000、520~1500、520~2000、520~3000、520~3500、520~4000、520~4500、520~5000、520~5500、520~6000、520~6500、520~7000、520~8000、520~9000、520~10000、540~560、540~580、540~600、540~620、540~640、540~660、540~680、540~700、540~800、540~900、540~1000、540~1500、540~2000、540~3000、540~3500、540~4000、540~4500、540~5000、540~5500、540~6000、540~6500、540~7000、540~8000、540~9000、540~10000、560~580、560~600、560~620、560~640、560~660、560~680、560~700、560~800、560~900、560~1000、560~1500、560~2000、560~3000、560~3500、560~4000、560~4500、560~5000、560~5500、560~6000、560~6500、560~7000、560~8000、560~9000、560~10000、580~600、580~620、580~640、580~660、580~680、580~700、580~800、580~900、580~1000、580~1500、580~2000、580~3000、580~3500、580~4000、580~4500、580~5000、580~5500、580~6000、580~6500、580~7000、580~8000、580~9000、580~10000、600~620、600~640、600~660、600~680、600~700、600~800、600~900、600~1000、600~1500、600~2000、600~3000、600~3500、600~4000、600~4500、600~5000、600~5500、600~6000、600~6500、600~7000、600~8000、600~9000、600~10000、620~640、620~660、620~680、620~700、620~800、620~900、620~1000、620~1500、620~2000、620~3000、620~3500、620~4000、620~4500、620~5000、620~5500、620~6000、620~6500、620~7000、620~8000、620~9000、620~10000、640~660、640~680、640~700、640~800、640~900、640~1000、640~1500、640~2000、640~3000、640~3500、640~4000、640~4500、640~5000、640~5500、640~6000、640~6500、640~7000、640~8000、640~9000、640~10000、660~680、660~700、660~800、660~900、660~1000、660~1500、660~2000、660~3000、660~3500、660~4000、660~4500、660~5000、660~5500、
660~6000、660~6500、660~7000、660~8000、660~9000、660~10000、680~700、680~800、680~900、680~1000、680~1500、680~2000、680~3000、680~3500、680~4000、680~4500、680~5000、680~5500、680~6000、680~6500、680~7000、680~8000、680~9000、680~10000、700~800、700~900、700~1000、700~1500、700~2000、700~3000、700~3500、700~4000、700~4500、700~5000、700~5500、700~6000、700~6500、700~7000、700~8000、700~9000、700~10000、800~900、800~1000、800~1500、800~2000、800~3000、800~3500、800~4000、800~4500、800~5000、800~5500、800~6000、800~6500、800~7000、800~8000、800~9000、800~10000、900~1000、900~1500、900~2000、900~3000、900~3500、900~4000、900~4500、900~5000、900~5500、900~6000、900~6500、900~7000、900~8000、900~9000、900~10000、1000~1500、1000~2000、1000~3000、1000~3500、1000~4000、1000~4500、1000~5000、1000~5500、1000~6000、1000~6500、1000~7000、1000~8000、1000~9000、1000~10000、1500~2000、1500~3000、1500~3500、1500~4000、1500~4500、1500~5000、1500~5500、1500~6000、1500~6500、1500~7000、1500~8000、1500~9000、1500~10000、2000~3000、2000~3500、2000~4000、2000~4500、2000~5000、2000~5500、2000~6000、2000~6500、2000~7000、2000~8000、2000~9000、2000~10000、2500~3000、2500~3500、2500~4000、2500~4500、2500~5000、2500~5500、2500~6000、2500~6500、2500~7000、2500~8000、2500~
9000、2500~10000、3000~3500、3000~4000、3000~4500、3000~5000、3000~5500、3000~6000、3000~6500、3000~7000、3000~8000、3000~9000、3000~10000、3500~4000、3500~4500、3500~5000、3500~5500、3500~6000、3500~6500、3500~7000、3500~8000、3500~9000、3500~10000、4000~4500、4000~5000、4000~5500、4000~6000、4000~6500、4000~7000、4000~8000、4000~9000、4000~10000、4500~5000、4500~5500、4500~6000、4500~6500、4500~7000、4500~8000、4500~9000、4500~10000、5000~5500、5000~6000、5000~6500、5000~7000、5000~8000、5000~9000、5000~10000、5500~6000、5500~6500、5500~7000、5500~8000、5500~9000、5500~10000、6000~6500、6000~7000、6000~8000、6000~9000、6000~10000、6500~7000、6500~8000、6500~9000、6500~10000、7000~8000、7000~9000、7000~10000、8000~9000、8000~10000または9000~10000hr*ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のAUCLastは、約200~約2000hr*ng/mLであ
ってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤のAUCLast
は、約500~約800hr*ng/mLであってもよい。一部の場合では、吸入によっ
て投与される抗不整脈医薬剤のAUCLastは、約400~約600hr*ng/mL
であってもよい。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0175】
[0223]一部の場合では、AUCLastは、最後の測定可能な濃度までの濃度-時間曲線下面積として計算されてもよい。一部の場合では、AUCLastは、経時的な総薬物曝露として計算されてもよい。一部の場合では、AUCLastは、左室腔で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、AUCLastは、肺動脈で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、AUCLastは、静脈(例えば、大腿静脈)で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、AUCLastは、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。
【0176】
[0224]一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤の分布t1/2は、約0.1分~約15分、例えば約0.1~0.5、0.1~1、0.1~1.5、0.1~2、0.1~2.5、0.1~2.6、0.1~2.7、0.1~2.8、0.1~2.9、0.1~3、0.1~3.1、0.1~3.2、0.1~3.3、0.1~3.4、0.1~3.5、0.1~3.6、0.1~3.7、0.1~3.8、0.1~3.9、0.1~4、0.1~4.1、0.1~4.2、0.1~4.3、0.1~4.4、0.1~4.5、0.1~5、0.1~5.5、0.1~6、0.1~7、0.1~8、0.1~9、0.1~10、0.1~11、0.1~12、0.1~13、0.1~14、0.1~15、0.5~1、0.5~1.5、0.5~2、0.5~2.5、0.5~2.6、0.5~2.7、0.5~2.8、0.5~2.9、0.5~3、0.5~3.1、0.5~3.2、0.5~3.3、0.5~3.4、0.5~3.5、0.5~3.6、0.5~3.7、0.5~3.8、0.5~3.9、0.5~4、0.5~4.1、0.5~4.2、0.5~4.3、0.5~4.4、0.5~4.5、0.5~5、0.5~5.5、0.5~6、0.5~7、0.5~8、0.5~9、0.5~10、0.5~11、0.5~12、0.5~13、0.5~14、0.5~15、1~1.5、1~2、1~2.5、1~2.6、1~2.7、1~2.8、1~2.9、1~3、1~3.1、1~3.2、1~3.3、1~3.4、1~3.5、1~3.6、1~3.7、1~3.8、1~3.9、1~4、1~4.1、1~4.2、1~4.3、1~4.4、1~4.5、1~5、1~5.5、1~6、1~7、1~8、1~9、1~10、1~11、1~12、1~13、1~14、1~15、1.5~2、1.5~2.5、1.5~2.6、1.5~2.7、1.5~2.8、1.5~2.9、1.5~3、1.5~3.1、1.5~3.2、1.5~3.3、1.5~3.4、1.5~3.5、1.5~3.6、1.5~3.7、1.5~3.8、1.5~3.9、1.5~4、1.5~4.1、1.5~4.2、1.5~4.3、1.5~4.4、1.5~4.5、1.5~5、1.5~5.5、1.5~6、1.5~7、1.5~8、1.5~9、1.5~10、1.5~11、1.5~12、1.5~13、1.5~14、1.5~15、2~2.5、2~2.6、2~2.7、2~2.8、2~2.9、2~3、2~3.1、2~3.2、2~3.3、2~3.4、2~3.5、2~3.6、2~3.7、2~3.8、2~3.9、2~4、2~4.1、2~4.2、2~4.3、2~4.4、2~4.5、2~5、2~5.5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、2~11、2~12、2~13、2~14、2~15、2.5~2.6、2.5~2.7、2.5~2.8、2.5~2.9、2.5~3、2.5~3.1、2.5~3.2、2.5~3.3、2.5~3.4、2.5~3.5、2.5~3.6、2.5~3.7、2.5~3.8、2.5~3.9、2.5~4、2.5~4.1、2.5~4.2、2.5~4.3、2.5~4.4、2.5~4.5、2.5~5、2.5~5.5、2.5~6、2.5~7、2.5~8、2.5~9、
2.5~10、2.5~11、2.5~12、2.5~13、2.5~14、2.5~15、2.6~2.7、2.6~2.8、2.6~2.9、2.6~3、2.6~3.1、2.6~3.2、2.6~3.3、2.6~3.4、2.6~3.5、2.6~3.6、2.6~3.7、2.6~3.8、2.6~3.9、2.6~4、2.6~4.1、2.6~4.2、2.6~4.3、2.6~4.4、2.6~4.5、2.6~5、2.6~5.5、2.6~6、2.6~7、2.6~8、2.6~9、2.6~10、2.6~11、2.6~12、2.6~13、2.6~14、2.6~15、2.7~2.8、2.7~2.9、2.7~3、2.7~3.1、2.7~3.2、2.7~3.3、2.7~3.4、2.7~3.5、2.7~3.6、2.7~3.7、2.7~3.8、2.7~3.9、2.7~4、2.7~4.1、2.7~4.2、2.7~4.3、2.7~4.4、2.7~4.5、2.7~5、2.7~5.5、2.7~6、2.7~7、2.7~8、2.7~9、2.7~10、2.7~11、2.7~12、2.7~13、2.7~14、2.7~15、2.8~2.9、2.8~3、2.8~3.1、2.8~3.2、2.8~3.3、2.8~3.4、2.8~3.5、2.8~3.6、2.8~3.7、2.8~3.8、2.8~3.9、2.8~4、2.8~4.1、2.8~4.2、2.8~4.3、2.8~4.4、2.8~4.5、2.8~5、2.8~5.5、2.8~6、2.8~7、2.8~8、2.8~9、2.8~10、2.8~11、2.8~12、2.8~13、2.8~14、2.8~15、2.9~3、2.9~3.1、2.9~3.2、2.9~3.3、2.9~3.4、2.9~3.5、2.9~3.6、2.9~3.7、2.9~3.8、2.9~3.9、2.9~4、2.9~4.1、2.9~4.2、2.9~4.3、2.9~4.4、2.9~4.5、2.9~5、2.9~5.5、2.9~6、2.9~7、2.9~8、2.9~9、2.9~10、2.9~11、2.9~12、2.9~13、2.9~14、2.9~15、3~3.1、3~3.2、3~3.3、3~3.4、3~3.5、3~3.6、3~3.7、3~3.8、3~3.9、3~4、3~4.1、3~4.2、3~4.3、3~4.4、3~4.5、3~5、3~5.5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、3~11、3~12、3~13、3~14、3~15、3.1~3.2、3.1~3.3、3.1~3.4、3.1~3.5、3.1~3.6、3.1~3.7、3.1~3.8、3.1~3.9、3.1~4、3.1~4.1、3.1~4.2、3.1~4.3、3.1~4.4、3.1~4.5、3.1~5、3.1~5.5、3.1~6、3.1~7、3.1~8、3.1~9、3.1~10、3.1~11、3.1~12、3.1~13、3.1~14、3.1~15、3.2~3.3、3.2~3.4、3.2~3.5、3.2~3.6、3.2~3.7、3.2~3.8、3.2~3.9、3.2~4、3.2~4.1、3.2~4.2、3.2~4.3、3.2~4.4、3.2~4.5、3.2~5、3.2~5.5、3.2~6、3.2~7、3.2~8、3.2~9、3.2~10、3.2~11、3.2~12、3.2~13、3.2~14、3.2~15、3.3~3.4、3.3~3.5、3.3~3.6、3.3~3.7、3.3~3.8、3.3~3.9、3.3~4、3.3~4.1、3.3~4.2、3.3~4.3、3.3~4.4、3.3~4.5、3.3~5、3.3~5.5、3.3~6、3.3~7、3.3~8、3.3~9、3.3~10、3.3~11、3.3~12、3.3~13、3.3~14、3.3~15、3.4~3.5、3.4~3.6、3.4~3.7、3.4~3.8、3.4~3.9、3.4~4、3.4~4.1、3.4~4.2、3.4~4.3、3.4~4.4、3.4~4.5、3.4~5、3.4~5.5、3.4~6、3.4~7、3.4~8、3.4~9、3.4~10、3.4~11、3.4~12、3.4~13、3.4~14、3.4~15、3.5~3.6、3.5~3.7、3.5~3.8、3.5~3.9、3.5~4、3.5~4.1、3.5~4.2、3.5~4.3、3.5~4.4、3.5~4.5、3.5~5、3.5~5.5、3.5~6、3.5~7、3.5~8、3.5~9、3.5~10、3.5~11、3.5~12、3.5~13、3.5~14、3.5~15、3.6~3.7、3.6~3.8、3.6~3.9、3.6~4、3.6~4.1、3.6~4.2、3.6~4.3、3.6~4.4、3.6~4.5、3.6~5、3.6~
5.5、3.6~6、3.6~7、3.6~8、3.6~9、3.6~10、3.6~11、3.6~12、3.6~13、3.6~14、3.6~15、3.7~3.8、3.8~3.9、3.8~4、3.8~4.1、3.8~4.2、3.8~4.3、3.8~4.4、3.8~4.5、3.8~5、3.8~5.5、3.8~6、3.8~7、3.8~8、3.8~9、3.8~10、3.8~11、3.8~12、3.8~13、3.8~14、3.8~15、3.9~4、3.9~4.1、3.9~4.2、3.9~4.3、3.9~4.4、3.9~4.5、3.9~5、3.9~5.5、3.9~6、3.9~7、3.9~8、3.9~9、3.9~10、3.9~11、3.9~12、3.9~13、3.9~14、3.9~15、4~4.1、4~4.2、4~4.3、4~4.4、4~4.5、4~5、4~5.5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、4~11、4~12、4~13、4~14、4~15、4.1~4.2、4.1~4.3、4.1~4.4、4.1~4.5、4.1~5、4.1~5.5、4.1~6、4.1~7、4.1~8、4.1~9、4.1~10、4.1~11、4.1~12、4.1~13、4.1~14、4.1~15、4.2~4.3、4.2~4.4、4.2~4.5、4.2~5、4.2~5.5、4.2~6、4.2~7、4.2~8、4.2~9、4.2~10、4.2~11、4.2~12、4.2~13、4.2~14、4.2~15、4.3~4.4、4.3~4.5、4.3~5、4.3~5.5、4.3~6、4.3~7、4.3~8、4.3~9、4.3~10、4.3~11、4.3~12、4.3~13、4.3~14、4.3~15、4.4~4.5、4.4~5、4.4~5.5、4.4~6、4.4~7、4.4~8、4.4~9、4.4~10、4.4~11、4.4~12、4.4~13、4.4~14、4.4~15、4.5~5、4.5~5.5、4.5~6、4.5~7、4.5~8、4.5~9、4.5~10、4.5~11、4.5~12、4.5~13、4.5~14、4.5~15、5~5.5、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、5~11、5~12、5~13、5~14、5~15、5.5~6、5.5~7、5.5~8、5.5~9、5.5~10、5.5~11、5.5~12、5.5~13、5.5~14、5.5~15、6~7、6~8、6~9、6~10、6~11、6~12、6~13、6~14、6~15、7~8、7~9、7~10、7~11、7~12、7~13、7~14、7~15、8~9、8~10、8~11、8~12、8~13、8~14、8~15、9~10、9~11、9~12、9~13、9~14、9~15、10~11、10~12、10~13、10~14、10~15、11~12、11~13、11~14、11~15、12~13、12~14、12~15、13~14、13~15または14~15分であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤の分布t1/2は、約3~約5分であってもよい。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0177】
[0225]一部の場合では、分布t1/2は、抗不整脈医薬剤の血漿レベルが、全身の組織への分布のために、平衡状態での血漿レベルの半分に減少した時間として計算されてもよい。一部の場合では、分布t1/2は、抗不整脈医薬剤が、その薬理学的活性の半分を損失するのに要する時間として計算されてもよい。一部の場合では、分布t1/2は、左室腔で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、分布t1/2は、肺動脈で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、分布t1/2は、静脈(例えば、大腿静脈)で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、分布t1/2は、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。
【0178】
[0226]一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤の排出t1/2は、約1時間~約25時間、例えば約1~3、1~5、1~7、1~7.5、1~8、1~8.
5、1~8.7、1~8.9、1~9.1、1~9.3、1~9.5、1~9.7、1~9.9、1~10.1、1~10.3、1~10.5、1~10.7、1~10.9、1~11.1、1~11.3、1~11.5、1~11.7、1~11.9、1~12.1、1~12.5、1~13、1~13.5、1~14、1~15、1~16、1~17、1~18、1~19、1~20、1~25、3~5、3~7、3~7.5、3~8、3~8.5、3~8.7、3~8.9、3~9.1、3~9.3、3~9.5、3~9.7、3~9.9、3~10.1、3~10.3、3~10.5、3~10.7、3~10.9、3~11.1、3~11.3、3~11.5、3~11.7、3~11.9、3~12.1、3~12.5、3~13、3~13.5、3~14、3~15、3~16、3~17、3~18、3~19、3~20、3~25、5~7、5~7.5、5~8、5~8.5、5~8.7、5~8.9、5~9.1、5~9.3、5~9.5、5~9.7、5~9.9、5~10.1、5~10.3、5~10.5、5~10.7、5~10.9、5~11.1、5~11.3、5~11.5、5~11.7、5~11.9、5~12.1、5~12.5、5~13、5~13.5、5~14、5~15、5~16、5~17、5~18、5~19、5~20、5~25、7~7.5、7~8、7~8.5、7~8.7、7~8.9、7~9.1、7~9.3、7~9.5、7~9.7、7~9.9、7~10.1、7~10.3、7~10.5、7~10.7、7~10.9、7~11.1、7~11.3、7~11.5、7~11.7、7~11.9、7~12.1、7~12.5、7~13、7~13.5、7~14、7~15、7~16、7~17、7~18、7~19、7~20、7~25、7.5~8、7.5~8.5、7.5~8.7、7.5~8.9、7.5~9.1、7.5~9.3、7.5~9.5、7.5~9.7、7.5~9.9、7.5~10.1、7.5~10.3、7.5~10.5、7.5~10.7、7.5~10.9、7.5~11.1、7.5~11.3、7.5~11.5、7.5~11.7、7.5~11.9、7.5~12.1、7.5~12.5、7.5~13、7.5~13.5、7.5~14、7.5~15、7.5~16、7.5~17、7.5~18、7.5~19、7.5~20、7.5~25、8~8.5、8~8.7、8~8.9、8~9.1、8~9.3、8~9.5、8~9.7、8~9.9、8~10.1、8~10.3、8~10.5、8~10.7、8~10.9、8~11.1、8~11.3、8~11.5、8~11.7、8~11.9、8~12.1、8~12.5、8~13、8~13.5、8~14、8~15、8~16、8~17、8~18、8~19、8~20、8~25、8.5~8.7、8.5~8.9、8.5~9.1、8.5~9.3、8.5~9.5、8.5~9.7、8.5~9.9、8.5~10.1、8.5~10.3、8.5~10.5、8.5~10.7、8.5~10.9、8.5~11.1、8.5~11.3、8.5~11.5、8.5~11.7、8.5~11.9、8.5~12.1、8.5~12.5、8.5~13、8.5~13.5、8.5~14、8.5~15、8.5~16、8.5~17、8.5~18、8.5~19、8.5~20、8.5~25、8.7~8.9、8.7~9.1、8.7~9.3、8.7~9.5、8.7~9.7、8.7~9.9、8.7~10.1、8.7~10.3、8.7~10.5、8.7~10.7、8.7~10.9、8.7~11.1、8.7~11.3、8.7~11.5、8.7~11.7、8.7~11.9、8.7~12.1、8.7~12.5、8.7~13、8.7~13.5、8.7~14、8.7~15、8.7~16、8.7~17、8.7~18、8.7~19、8.7~20、8.7~25、8.9~9.1、8.9~9.3、8.9~9.5、8.9~9.7、8.9~9.9、8.9~10.1、8.9~10.3、8.9~10.5、8.9~10.7、8.9~10.9、8.9~11.1、8.9~11.3、8.9~11.5、8.9~11.7、8.9~11.9、8.9~12.1、8.9~12.5、8.9~13、8.9~13.5、8.9~14、8.9~15、8.9~16、8.9~17、8.9~18、8.9~19、8.9~20、8.9~25、9.1~9.3、9.1~9.5、9.1~9.7、9.1~9.9、9.1~10.1、9.1~10.3、9.1~10.5、9.1~10.7、9.1~10.9、9.1~11.1、9.1~11.3、9.1~11.5、9.1~
11.7、9.1~11.9、9.1~12.1、9.1~12.5、9.1~13、9.1~13.5、9.1~14、9.1~15、9.1~16、9.1~17、9.1~18、9.1~19、9.1~20、9.1~25、9.3~9.5、9.3~9.7、9.3~9.9、9.3~10.1、9.3~10.3、9.3~10.5、9.3~10.7、9.3~10.9、9.3~11.1、9.3~11.3、9.3~11.5、9.3~11.7、9.3~11.9、9.3~12.1、9.3~12.5、9.3~13、9.3~13.5、9.3~14、9.3~15、9.3~16、9.3~17、9.3~18、9.3~19、9.3~20、9.3~25、9.5~9.7、9.5~9.9、9.5~10.1、9.5~10.3、9.5~10.5、9.5~10.7、9.5~10.9、9.5~11.1、9.5~11.3、9.5~11.5、9.5~11.7、9.5~11.9、9.5~12.1、9.5~12.5、9.5~13、9.5~13.5、9.5~14、9.5~15、9.5~16、9.5~17、9.5~18、9.5~19、9.5~20、9.5~25、9.7~9.9、9.7~10.1、9.7~10.3、9.7~10.5、9.7~10.7、9.7~10.9、9.7~11.1、9.7~11.3、9.7~11.5、9.7~11.7、9.7~11.9、9.7~12.1、9.7~12.5、9.7~13、9.7~13.5、9.7~14、9.7~15、9.7~16、9.7~17、9.7~18、9.7~19、9.7~20、9.7~25、9.9~10.1、9.9~10.3、9.9~10.5、9.9~10.7、9.9~10.9、9.9~11.1、9.9~11.3、9.9~11.5、9.9~11.7、9.9~11.9、9.9~12.1、9.9~12.5、9.9~13、9.9~13.5、9.9~14、9.9~15、9.9~16、9.9~17、9.9~18、9.9~19、9.9~20、9.9~25、10.1~10.3、10.1~10.5、10.1~10.7、10.1~10.9、10.1~11.1、10.1~11.3、10.1~11.5、10.1~11.7、10.1~11.9、10.1~12.1、10.1~12.5、10.1~13、10.1~13.5、10.1~14、10.1~15、10.1~16、10.1~17、10.1~18、10.1~19、10.1~20、10.1~25、10.3~10.5、10.3~10.7、10.3~10.9、10.3~11.1、10.3~11.3、10.3~11.5、10.3~11.7、10.3~11.9、10.3~12.1、10.3~12.5、10.3~13、10.3~13.5、10.3~14、10.3~15、10.3~16、10.3~17、10.3~18、10.3~19、10.3~20、10.3~25、10.5~10.7、10.5~10.9、10.5~11.1、10.5~11.3、10.5~11.5、10.5~11.7、10.5~11.9、10.5~12.1、10.5~12.5、10.5~13、10.5~13.5、10.5~14、10.5~15、10.5~16、10.5~17、10.5~18、10.5~19、10.5~20、10.5~25、10.7~10.9、10.7~11.1、10.7~11.3、10.7~11.5、10.7~11.7、10.7~11.9、10.7~12.1、10.7~12.5、10.7~13、10.7~13.5、10.7~14、10.7~15、10.7~16、10.7~17、10.7~18、10.7~19、10.7~20、10.7~25、10.9~11.1、10.9~11.3、10.9~11.5、10.9~11.7、10.9~11.9、10.9~12.1、10.9~12.5、10.9~13、10.9~13.5、10.9~14、10.9~15、10.9~16、10.9~17、10.9~18、10.9~19、10.9~20、10.9~25、11.1~11.3、11.1~11.5、11.1~11.7、11.1~11.9、11.1~12.1、11.1~12.5、11.1~13、11.1~13.5、11.1~14、11.1~15、11.1~16、11.1~17、11.1~18、11.1~19、11.1~20、11.1~25、11.3~11.5、11.3~11.7、11.3~11.9、11.3~12.1、11.3~12.5、11.3~13、11.3~13.5、11.3~14、11.3~15、11.3~16、11.3~17、11.3~18、11.3~19、11.3~20、11
.3~25、11.5~11.7、11.5~11.9、11.5~12.1、11.5~12.5、11.5~13、11.5~13.5、11.5~14、11.5~15、11.5~16、11.5~17、11.5~18、11.5~19、11.5~20、11.5~25、11.7~11.9、11.7~12.1、11.7~12.5、11.7~13、11.7~13.5、11.7~14、11.7~15、11.7~16、11.7~17、11.7~18、11.7~19、11.7~20、11.7~25、11.9~12.1、11.9~12.5、11.9~13、11.9~13.5、11.9~14、11.9~15、11.9~16、11.9~17、11.9~18、11.9~19、11.9~20、11.9~25、12.1~12.5、12.1~13、12.1~13.5、12.1~14、12.1~15、12.1~16、12.1~17、12.1~18、12.1~19、12.1~20、12.1~25、12.5~13、12.5~13.5、12.5~14、12.5~15、12.5~16、12.5~17、12.5~18、12.5~19、12.5~20、12.5~25、13~13.5、13~14、13~15、13~16、13~17、13~18、13~19、13~20、13~25、13.5~14、13.5~15、13.5~16、13.5~17、13.5~18、13.5~19、13.5~20、13.5~25、14~15、14~16、14~17、14~18、14~19、14~20、14~25、15~16、15~17、15~18、15~19、15~20、15~25、16~17、16~18、16~19、16~20、16~25、17~18、17~19、17~20、17~25、18~19、18~20、18~25、19~20、19~25または20~25時間であってもよい。一部の場合では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤の排出t1/2は、約8.5~約10.5時間であってもよい。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0179】
[0227]一部の場合では、排出t1/2は、抗不整脈医薬剤の血漿レベルが、代謝および排出のために、平衡状態での血漿レベルの半分に減少した時間として計算されてもよい。一部の場合では、排出t1/2は、左室腔で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、排出t1/2は、肺動脈で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、排出t1/2は、静脈(例えば、大腿静脈)で測定される抗不整脈医薬剤の血漿濃度から計算されてもよい。一部の場合では、排出t1/2は、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。
【0180】
[0228]一部の場合では、抗不整脈医薬剤の吸入による投与後のQRS間隔持続時間の最大変化(ΔQRS)は、約0.01msec~約100msec、例えば約0.01~0.1、0.01~0.5、0.01~1、0.01~1.5、0.01~2、0.01~2.5、0.01~3、0.01~3.5、0.01~4、0.01~4.5、0.01~5、0.01~5.5、0.01~6、0.01~8、0.01~10、0.01~15、0.01~20、0.01~25、0.01~30、0.01~40、0.01~50、0.01~60、0.01~70、0.01~80、0.01~90、0.01~100、0.1~0.5、0.1~1、0.1~1.5、0.1~2、0.1~2.5、0.1~3、0.1~3.5、0.1~4、0.1~4.5、0.1~5、0.1~5.5、0.1~6、0.1~8、0.1~10、0.1~15、0.1~20、0.1~25、0.1~30、0.1~40、0.1~50、0.1~60、0.1~70、0.1~80、0.1~90、0.1~100、0.5~1、0.5~1.5、0.5~2、0.5~2.5、0.5~3、0.5~3.5、0.5~4、0.5~4.5、0.5~5、0.5~5.5、0.5~6、0.5~8、0.5~10、0.5~15、0.5~20、0.5~25、0.5~30、0.5~40、0.5~50、0.5~60、0.5~
70、0.5~80、0.5~90、0.5~100、1~1.5、1~2、1~2.5、1~3、1~3.5、1~4、1~4.5、1~5、1~5.5、1~6、1~8、1~10、1~15、1~20、1~25、1~30、1~40、1~50、1~60、1~70、1~80、1~90、1~100、1.5~2、1.5~2.5、1.5~3、1.5~3.5、1.5~4、1.5~4.5、1.5~5、1.5~5.5、1.5~6、1.5~8、1.5~10、1.5~15、1.5~20、1.5~25、1.5~30、1.5~40、1.5~50、1.5~60、1.5~70、1.5~80、1.5~90、1.5~100、2~2.5、2~3、2~3.5、2~4、2~4.5、2~5、2~5.5、2~6、2~8、2~10、2~15、2~20、2~25、2~30、2~40、2~50、2~60、2~70、2~80、2~90、2~100、2.5~3、2.5~3.5、2.5~4、2.5~4.5、2.5~5、2.5~5.5、2.5~6、2.5~8、2.5~10、2.5~15、2.5~20、2.5~25、2.5~30、2.5~40、2.5~50、2.5~60、2.5~70、2.5~80、2.5~90、2.5~100、3~3.5、3~4、3~4.5、3~5、3~5.5、3~6、3~8、3~10、3~15、3~20、3~25、3~30、3~40、3~50、3~60、3~70、3~80、3~90、3~100、3.5~4、3.5~4.5、3.5~5、3.5~5.5、3.5~6、3.5~8、3.5~10、3.5~15、3.5~3.20、3.5~3.25、3.5~3.30、3.5~40、3.5~50、3.5~60、3.5~70、3.5~80、3.5~90、3.5~100、4~4.5、4~5、4~5.5、4~6、4~8、4~10、4~15、4~20、4~25、4~30、4~40、4~50、4~60、4~70、4~80、4~90、4~100、4.5~5、4.5~5.5、4.5~6、4.5~8、4.5~10、4.5~15、4.5~20、4.5~25、4.5~30、4.5~4.50、4.5~50、4.5~60、4.5~70、4.5~80、4.5~90、4.5~100、5~5.5、5~6、5~8、5~10、5~15、5~20、5~25、5~30、5~40、5~50、5~60、5~70、5~80、5~90、5~100、5.5~6、5.5~8、5.5~10、5.5~15、5.5~20、5.5~25、5.5~30、5.5~40、5.5~50、5.5~60、5.5~70、5.5~80、5.5~90、5.5~100、6~8、6~10、6~15、6~20、6~25、6~30、6~40、6~50、6~60、6~70、6~80、6~90、6~100、8~10、8~15、8~20、8~25、8~30、8~40、8~50、8~60、8~70、8~80、8~90、8~100、10~15、10~20、10~25、10~30、10~40、10~50、10~60、10~70、10~80、10~90、10~100、15~20、15~25、15~30、15~40、15~50、15~60、15~70、15~80、15~90、15~100、20~25、20~30、20~40、20~50、20~60、20~70、20~80、20~90、20~100、25~30、25~40、25~50、25~60、25~70、25~80、25~90、25~100、30~40、30~50、30~60、30~70、30~80、30~90、30~100、40~50、40~60、40~70、40~80、40~90、40~100、50~60、50~70、50~80、50~90、50~100、60~70、60~80、60~90、60~100、70~80、70~90、70~100、80~90、80~100または90~100msecであってもよい。一部の場合では、抗不整脈医薬剤の吸入による投与後のQRS間隔持続時間の最大変化(ΔQRS)は、約1~約10msecであってもよい。一部の場合では、抗不整脈医薬剤の吸入による投与後のQRS間隔持続時間の最大変化(ΔQRS)は、約5~約20msecであってもよい。一部の場合では、ΔQRSは、ヒトのPK/PD試験で測定されてもよい。本開示において、「ΔQRS」という用語は、抗不整脈剤の投与後の時間に関して言及されない場合、例えば、本明細書に提供される抗不整脈剤の投与後のQRSの最大変化を意味する「最大ΔQRS」という用語と互換可能に使用されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラ
スIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0181】
[0229]一部の場合では、投与前と比較したΔQRSを決定するために、抗不整脈医薬剤の吸入による投与後にQRS間隔が測定される時点は、約0.1分~約450分、例えば約0.1~1、0.1~3、0.1~5、0.1~10、0.1~15、0.1~30、0.1~45、0.1~60、0.1~90、0.1~120、0.1~150、0.1~180、0.1~210、0.1~240、0.1~270、0.1~300、0.1~330、0.1~360、0.1~390、0.1~410、0.1~450、1~3、1~5、1~10、1~15、1~30、1~45、1~60、1~90、1~120、1~150、1~180、1~210、1~240、1~270、1~300、1~330、1~360、1~390、1~410、1~450、3~5、3~10、3~15、3~30、3~45、3~60、3~90、3~120、3~150、3~180、3~210、3~240、3~270、3~300、3~330、3~360、3~390、3~410、3~450、5~10、5~15、5~30、5~45、5~60、5~90、5~120、5~150、5~180、5~210、5~240、5~270、5~300、5~330、5~360、5~390、5~410、5~450、10~15、10~30、10~45、10~60、10~90、10~120、10~150、10~180、10~210、10~240、10~270、10~300、10~330、10~360、10~390、10~410、10~450、15~30、15~45、15~60、15~90、15~120、15~150、15~180、15~210、15~240、15~270、15~300、15~330、15~360、15~390、15~410、15~450、30~45、30~60、30~90、30~120、30~150、30~180、30~210、30~240、30~270、30~300、30~330、30~360、30~390、30~410、30~450、45~60、45~90、45~120、45~150、45~180、45~210、45~240、45~270、45~300、45~330、45~360、45~390、45~410、45~450、60~90、60~120、60~150、60~180、60~210、60~240、60~270、60~300、60~330、60~360、60~390、60~410、60~450、90~120、90~150、90~180、90~210、90~240、90~270、90~300、90~330、90~360、90~390、90~410、90~450、120~150、120~180、120~210、120~240、120~270、120~300、120~330、120~360、120~390、120~410、120~450、150~180、150~210、150~240、150~270、150~300、150~330、150~360、150~390、150~410、150~450、180~210、180~240、180~270、180~300、180~330、180~360、180~390、180~410、180~450、210~240、210~270、210~300、210~330、210~360、210~390、210~410、210~450、240~270、240~300、240~330、240~360、240~390、240~410、240~450、270~300、270~330、270~360、270~390、270~410、270~450、300~330、300~360、300~390、300~410、300~450、330~360、330~390、330~410、330~450、360~390、360~410、360~450、390~410、390~450または410~450分であってもよい。
【0182】
[0230]医薬剤の抗不整脈活性は、QRS間隔持続時間と相関する場合がある。一部の例では、吸入によって投与される抗不整脈医薬剤は、静脈内送達(例えば、静脈内注入)に
よって投与される抗不整脈医薬剤に比べ高い抗不整脈活性を有してもよい。一部の場合では、そのような高い抗不整脈活性は、最大ΔQRSのCmaxに対する比の増加によって反映される。例えば、同じCmax、例えば、抗不整脈医薬剤のピーク血漿濃度を考慮すると、本明細書に提供される抗不整脈剤の吸入送達は、同じ薬剤の静脈内送達に比べ高い最大ΔQRSを有してもよい。一部の場合では、2つの異なる投与経路による対応する用量の間で比較がなされない場合があり、例えば、薬剤の第1の用量の吸入は、第1のCmax(Cmax1)および第1の最大ΔQRS(ΔQRSmax1)を有してもよく、薬剤の第2の用量の静脈内投与は、第2のCmax(Cmax2)および第2の最大ΔQRS(ΔQRSmax2)を有してもよい。一部の場合では、Cmax1とCmax2は同様であってもよい。一部の場合では、Cmax1とCmax2は異なってもよい。本開示の一部の例では、ΔQRSmax1対Cmax1の比は、ΔQRSmax2対Cmax2より高い、すなわちΔQRSmax1/Cmax1>ΔQRSmax2/Cmax2であってもよい。一部の場合では、ΔQRSmax1/Cmax1は、ΔQRSmax2/Cmax2より少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.1倍、少なくとも2.2倍、少なくとも2.3倍、少なくとも2.4倍、少なくとも2.5倍、少なくとも2.6倍、少なくとも2.7倍、少なくとも2.8倍、少なくとも2.9倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.1倍、少なくとも3.2倍、少なくとも3.3倍、少なくとも3.4倍、少なくとも3.5倍、少なくとも3.6倍、少なくとも3.7倍、少なくとも3.8倍、少なくとも3.9倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.2倍、少なくとも4.4倍、少なくとも4.6倍、少なくとも4.8倍、少なくとも5.0倍、少なくとも5.5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍、少なくとも12倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍または少なくとも50倍高い。一部の場合では、ΔQRSmax1/Cmax1は、ΔQRSmax2/Cmax2より少なくとも2倍高い。1つまたは複数の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスI、クラスII、クラスIIIまたはクラスIV抗不整脈薬である。一部の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、クラスIc抗不整脈薬である。他の実施形態では、抗不整脈医薬剤は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0183】
[0231]一部の場合では、本明細書に提供される組成物および方法は、抗不整脈医薬剤、例えばフレカイニドの吸入送達を受ける対象に対し、異なる経路による同じ薬剤の対応する用量の送達(例えば、経口または静脈内送達)を受ける場合に比べて低減した陰性変力負荷を付与する。ある特定の抗不整脈薬は、陰性変力作用を有する場合があり、それにより新規発症発作性心房細動(AF)の急速な心臓除細動へのそれらの使用が制限される場合がある。例えば、フレカイニドの静脈内送達は、対象の心臓に陰性変力負荷を及ぼす場合があり、これは左室(LV)収縮性によって測定されてもよい。一部の場合では、陰性変力負荷は、LV収縮性の大きさ(例えば、dP/dt maxによって測定される)およびベースライン(例えば、薬物投与前または安静時のベースラインレベル)下に留まる時間を描く曲線の曲線下面積(AUC)によって測定されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法による治療有効用量の抗不整脈医薬剤の吸入送達の陰性変力負荷は、異なる経路(例えば、経口または静脈内送達)によって送達される対応する治療有効用量の同じ薬剤のものより低い。例えば、そのような実施形態では、本明細書に記載される方法による治療有効用量の抗不整脈医薬剤の吸入送達の陰性変力負荷は、異なる経路(例えば、経口または静脈内送達)によって送達される対応する治療有効用量の同じ薬剤のものの最大で90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%または10%である。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法による治療有効用量の抗不整脈医薬剤の吸入送達の陰性変力負荷は、異なる経路(例えば、経口または静脈内送達)によって送達される対応する治療有効用量の同じ薬剤のものの約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%または10%である。本明細書に記載
される方法による治療有効用量の抗不整脈医薬剤の吸入送達の陰性変力負荷は、異なる経路(例えば、経口または静脈内送達)によって送達される対応する治療有効用量の同じ薬剤のものの約30%である。そのような実施形態では、他の経路によって送達される対応する治療有効用量の抗不整脈医薬剤は、治療有効吸入用量の同じ薬剤に比べ、例えば20%または10%未満の変動を伴う同様の転換率(不整脈の洞調律への有効転換数のパーセンテージ)を有してもよい。
【0184】
適応症および対象
[0232]本明細書に提供される方法、組成物およびキットが処置することができる心不整脈の例として、これらに限定されないが、頻拍、上室性頻拍(SVT)、発作性上室性頻拍(PSVT)、心房細動(AF)、発作性心房細動(PAF)、持続性心房細動、永続性心房細動、心房粗動、発作性心房粗動および孤立性心房細動が挙げられる。一部の場合では、本明細書に提供される方法、組成物およびキットは、心房性不整脈、例えば心房細動を患う対象の処置に使用される。
【0185】
[0233]したがって、本開示の一部の例による医薬組成物は、広範な患者を処置するおよび/または予防を提供するために使用されてもよい。本明細書に記載される処置および/または予防を受けるのに好適な患者は、処置および/または予防を必要とする任意の哺乳動物患者であり、好ましくはそのような哺乳動物はヒトである。対象の例として、これらに限定されないが、小児患者、成人患者および老年患者が挙げられる。一部の例では、組成物は、症状の急速な解決および正常洞調律の回復のための処置のみを目的とし、防止策と解釈されない、例えば、患者が良好である場合、薬物は必要とされない。これは、散発的または断続的な投薬による治療のベネフィットリスク比および全体的な安全性の増加、ならびに身体障害性症状の低減および必要な場合のみの洞調律の回復への集中を可能にする。
【0186】
[0234]抗不整脈医薬剤の必要な投薬量および投薬頻度は、組成および組成物内の抗不整脈医薬剤の濃度に依存する。一部の場合では、用量は、その通常の静脈内用量の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または95%未満である。一部の場合では、用量は、静脈内用量の約5%~約10%、約10%~約20%、約20%~約30%、約30%~約40%、約50%~約60%、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約90%または約90%~約95%である。
【0187】
[0235]本明細書に開示される医薬組成物は、特定の生理学的または人口統計学的要因、例えば臨床症状における年齢、特定の血行動態基準、電気生理学的特徴、および以前の処置を含むまたは欠く対象で有効性が高い場合がある。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置前の48時間以内に生じた発症を有する心房細動を患う。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置の1時間~48時間前に生じた発症を有する心房細動を患う。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、再発性心房細動を患う。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置の3カ月以上前に心臓アブレーションを経ている。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、心房細動のための経口抗不整脈薬の進行中の処方を受けている。一部の実施形態では、経口抗不整脈薬は、フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩である。
【0188】
[0236]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、年齢17歳を超える。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、年齢85歳以下である。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、18歳から85歳である。
【0189】
[0237]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に180mmHg未満、175mmHg未満、170mmHg未満、165mmHg未満、160mmHg未満、155mmHg未満または150mmHg未満の収縮期血圧を有する。一部の場合では、対象の生理学的測定値、例えば血圧、例えば収縮期血圧もしくは拡張期血圧、または心拍数、例えば心室レートに言及する場合、「処置時」という用語は、測定が処置の1分~6時間前に行われること、例えば処置の1分~10分、1分~30分、1分~60分、1分~90分、1分~2時間、1分~3時間、1分~4時間、1分~5時間、10分~30分、10分~60分、30分~60分、30分~90分、30分~2時間、1時間~2時間または2時間~3時間前に測定される場合を意味する。一部の場合では、対象の生理学的測定値、例えば収縮期血圧または心室レートの測定値は、対象が主題の医薬組成物および方法で処置されるべきであるか否かに関する情報に基づいた決定の根拠を提供する。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に70mmHgより高い、75mmHgより高い、80mmHgより高い、85mmHgより高い、90mmHgより高い、95mmHgより高い、100mmHgより高い、105mmHgより高い、110mmHgより高い、115mmHgより高い、または120mmHgより高い収縮期血圧を有する。
【0190】
[0238]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に約60mmHg~約180mmHg、約65mmHg~約180mmHg、約70mmHg~約180mmHg、約75mmHg~約180mmHg、約80mmHg~約180mmHg、約85mmHg~約180mmHg、約90mmHg~約180mmHg、約95mmHg~約180mmHg、約100mmHg~約180mmHg、約105mmHg~約180mmHg、約110mmHg~約180mmHg、約115mmHg~約180mmHg、約120mmHg~約180mmHg、約70mmHg~約175mmHg、約70mmHg~約170mmHg、約70mmHg~約165mmHg、約70mmHg~約160mmHg、約70mmHg~約155mmHg、約70mmHg~約150mmHg、約80mmHg~約165mmHg、約90mmHg~約165mmHg、約100mmHg~約165mmHg、約70mmHg~約160mmHg、約70mmHg~約160mmHg、約75mmHg~約160mmHg、約80mmHg~約160mmHg、約85mmHg~約160mmHg、約90mmHg~約160mmHg、約95mmHg~約160mmHg、約100mmHg~約160mmHg、約70mmHg~約155mmHg、約75mmHg~約155mmHgまたは約80mmHg~約155mmHgの収縮期血圧を有する。
【0191】
[0239]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に少なくとも約50BPM、少なくとも約55BPM、少なくとも約60BPM、少なくとも約65BPM、少なくとも約70BPM、少なくとも約75BPM、少なくとも約80BPM、少なくとも約85BPM、少なくとも約90BPM、少なくとも約95BPMまたは少なくとも約100BPMの心室レートを有する。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に約200BPM以下、約190BPM以下、約180BPM以下、約175BPM以下、約170BPM以下、約165BPM以下、約160BPM以下、約155BPM以下、約150BPM以下、約145BPM以下または約140BPM以下の心室レートを有する。
【0192】
[0240]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に約50BPM~約200BPM、50BPM~約180BPM、約55BPM~約180BPM、約60BPM~約180BPM、約65BPM~約180BPM、約70BPM~約180BPM、約75BPM~約180BPM、約80BPM~約180BPM、約85BPM~約180BPM、約95BPM~約180BPM、約100BPM~約180BPM、約50BPM~約175BPM、約50BPM~約170BPM、約50BPM~約
165BPM、約50BPM~約160BPM、約50BPM~約155BPM、約70BPM~約175BPM、約70BPM~約170BPM、約70BPM~約165BPM、約70BPM~約160BPM、約70BPM~約155BPM、約75BPM~約180BPM、約75BPM~約175BPM、約75BPM~約170BPM、約75BPM~約165BPM、約75BPM~約160BPM、約75BPM~約155BPM、約80BPM~約175BPM、約80BPM~約170BPM、約80BPM~約165BPM、約80BPM~約160BPM、約80BPM~約155BPM、約80BPM~約150BPM、約80BPM~約145BPM、約85BPM~約155BPM、約90BPM~約155BPM、約95BPM~約155BPMまたは約100BPM~約155BPMの心室レートを有する。
【0193】
[0241]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、そのために医薬組成物が投与される心房性不整脈のエピソードの発症以降、抗不整脈薬または電気的心臓除細動で処置されていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に急性非代償性心不全を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、駆出率が低下した心不全またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、心筋虚血またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、心筋梗塞またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、医薬組成物の投与前の3カ月以内に心筋梗塞(MI)を示していない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に未修正の重症大動脈弁または僧帽弁狭窄症を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に流出路閉塞を伴う肥大型心筋症を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、持続性心房細動またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に心房粗動を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置前の6カ月以内に心房粗動のエピソードを示していない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に異常左室駆出率を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時にニューヨーク心臓協会心機能分類に従ってクラス2以上の心不全を示さない。
【0194】
[0242]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、血行動態的に安定であり、処置時に約90mmHgより高い収縮期血圧を有し、約70BPM~約170BPMの心室レートを有し、心筋梗塞、心筋虚血、心房狭窄、肥大型心筋症および駆出率が低下した心不全の状態または状態の病歴を有さない。
【0195】
[0243]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、QT延長症候群、伝導疾患(例えば、2度または3度心ブロック、脚ブロック)、洞不全症候群、ブルガダ症候群、トルサード・ド・ポワント(TdP)またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に、480msecより長いQTc間隔(Fridericiaの式によって推定される);105msより長いQRS持続時間;持続性または非持続性のいずれかの単形性または多形性心室頻拍;および多源性PVCが1時間に20回より多い過剰な心室期外収縮(心室性期外収縮);または優勢にペーシングされた心調律であるECG関連の特徴を示さない。
【0196】
[0244]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、重度の腎機能障害を示さず、対象のeGFRは、処置時に30mL/分/1.73m2未満である。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に透析を受けていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に肝機能異常を示さない。一部の実施形態では、肝機能異常は、肝疾患または有意な肝臓の異常の生化学
的エビデンスである。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に未修正の低カリウム血症を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に3.6mEq/L未満の血清カリウムを示さない。
【0197】
[0245]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に吸入薬を必要とする確立された肺疾患を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、酢酸フレカイニドまたはその活性代謝物のいずれかに対する過敏症またはその病歴を有さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、CYP 2D6の阻害剤である全身薬を同時投与されない。一部の実施形態では、CYP 2D6の阻害剤は、抗うつ薬、神経遮断薬または抗ヒスタミン薬である。一部の実施形態では、CYP 2D6の阻害剤は、プロプラノロールまたはリトナビルである。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、CYP 2D6誘導薬である全身薬を同時投与されない。一部の実施形態では、CYP 2D6誘導薬は、フェニトイン、フェノバルビタールまたはカルバマゼピンである。
【0198】
[0246]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、医薬組成物の投与前の1週間以内にクラスIまたはクラスII抗不整脈薬で処置されていない。一部の実施形態では、心房細動の進行中のエピソードを有する本開示の医薬組成物で処置される対象は、進行中のエピソードの発症以降、クラスIまたはクラスIII抗不整脈薬で処置されていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、任意の供給源から1日あたり320mg以下のフレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩を投与される。一部の実施形態では、心房細動の進行中のエピソードを有する本開示の医薬組成物で処置される対象は、進行中のエピソードの発症以降、電気的心臓除細動で処置されていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、医薬組成物の投与前の12週間以内にアミオダロンで処置されていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、スクリーニング凝固パネルに基づいて発作のリスクが高いとみなされていない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、2以上のCHA2DS2-VAScスコアを示さない。
【0199】
[0247]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に先天性心疾患を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、薬理学的または電気的に心臓除細動された難治性心房細動の病歴を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に電解質異常、甲状腺疾患または非心血管原因に二次的な心房細動を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に失神を示さない。
【0200】
[0248]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に心不整脈以外の重篤なまたは生命を脅かす医学的状態を示さない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に急性病原性感染を示さない。
【0201】
[0249]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、医薬組成物の投与前の12カ月以内に薬物またはアルコール依存症を示していない。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は、処置時に40Kg/m2より高いボディマス指数を示さない。
【0202】
[0250]一部の実施形態では、本開示の医薬組成物で処置される対象は:
(i)処置の1時間~48時間前に生じた発症を有する心房細動を患い;
(ii)処置の3カ月以上前に心臓アブレーションを経ている、経口フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の進行中の処方を受けている、または再発性心房細動を患い;(iii)18歳から85歳であり;
(iv)処置時に約100mmHg~約160mmHgの収縮期血圧を有し;
(v)処置時に約80BPM~約155BPMの心室レートを有し、
対象は:
(a)処置前の6カ月以内の異常左室駆出率;
(b)処置前の6カ月以内の、ニューヨーク心臓協会心機能分類による分類でクラス2以上の心不全;
(c)心筋梗塞またはその病歴;
(d)処置時の血行動態不安定または心臓の不安定;および
(e)処置前の6カ月以内の心房粗動のエピソード
を示さず、対象は、処置前の6カ月以内に(a)~(e)の状態のいずれかに対する心臓の外科手術を経ていない。
【0203】
番号付き段落
[1]治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物であって、60mg/mLより高い濃度の前記フレカイニドの塩を有する液体溶液の形態の医薬組成物。
【0204】
[2]シクロデキストリンをさらに含む、段落[1]に記載の医薬組成物。
[3]前記溶液のpHが室温で5.5より高い、段落[1]または[2]に記載の医薬組成物。
【0205】
[4]シクロデキストリンをさらに含み、前記溶液のpHが室温で5.5より高い、段落[1]に記載の医薬組成物。
[5]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[2]または[4]に記載の医薬組成物。
【0206】
[6]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[2]または[4]に記載の医薬組成物。
【0207】
[7]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、段落[2]または[4]に記載の医薬組成物。
[8]前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が、前記溶液の約1%(w/v)~約80%(w/v)である、段落[2]または[4]に記載の医薬組成物。
【0208】
[9]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である、段落[2]、[4]または[8]に記載の医薬組成物。
[10]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約10%(w/v)~約3
0%(w/v)である、段落[2]、[4]または[8]に記載の医薬組成物。
【0209】
[11]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約5%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
[12]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約10%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
【0210】
[13]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約20%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
[14]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の最大で約20%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
【0211】
[15]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約25%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
[16]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の最大で約25%(w/v)である、段落[8]に記載の医薬組成物。
【0212】
[17]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、最大で約200mg/mLである、段落[1]~[16]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[18]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約130mg/mLである、段落[1]~[17]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0213】
[19]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約95mg/mLである、段落[1]~[18]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[20]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約70mg/mL~約115mg/mLである、段落[1]~[19]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0214】
[21]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約100mg/mLである、段落[1]~[20]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[22]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約75mg/mLである、段落[1]~[21]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0215】
[23]前記フレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、段落[1]~[22]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0216】
[24]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、段落[1]~[23]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[25]前記フレカイニドの塩が塩酸フレカイニドを含む、段落[1]~[24]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0217】
[26]酸をさらに含む、段落[1]~[25]のいずれか1つに記載の医薬組成物。[27]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、段落[26]に記載の医薬組成物。
【0218】
[28]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される、段落[26]に記載の医薬組成物。
[29]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約200mMである、段落[2
6]~[28]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0219】
[30]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約50mMである、段落[26]~[28]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[31]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約10mMである、段落[26]~[28]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0220】
[32]前記酸の前記濃度が最大で約50mMである、段落[29]に記載の医薬組成物。
[33]前記酸の前記濃度が約20mMである、段落[29]に記載の医薬組成物。
【0221】
[34]前記酸の前記濃度が約5mMである、段落[29]に記載の医薬組成物。
[35]前記酸が酢酸を含む、段落[29]~[32]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0222】
[36]酢酸の前記濃度が約5mMである、段落[35]に記載の医薬組成物。
[37]前記酸がクエン酸を含む、段落[29]~[32]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0223】
[38]クエン酸の前記濃度が約5mMである、段落[37]に記載の医薬組成物。
[39]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、段落[26]に記載の医薬組成物。
【0224】
[40]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、段落[26]に記載の医薬組成物。
[41]前記酸が塩酸を含む、段落[26]に記載の医薬組成物。
【0225】
[42]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含み、前記酸が酢酸を含む、段落[26]~[36]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[43]前記溶液の前記pHが最大で約6.5である、段落[3]~[42]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0226】
[44]前記溶液の前記pHが約5.5~約6.5である、段落[3]~[42]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[45]前記溶液の前記pHが約5.9である、段落[3]~[42]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0227】
[46]甘味料をさらに含む、段落[1]~[45]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[47]前記甘味料が、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される、段落[46]に記載の医薬組成物。
【0228】
[48]前記甘味料がサッカリンを含む、段落[46]に記載の医薬組成物。
[49]前記甘味料がサッカリンの塩を含む、段落[46]に記載の医薬組成物。
[50]前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、段落[46]に記載の医薬組成物。
【0229】
[51]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である、段落[46]~[50]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[52]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である、段落[46]~[50]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0230】
[53]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である、段落[46]~[50]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[54]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である、段落[46]~[50]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0231】
[55]吸入による投与のために製剤化される、段落[1]~[54]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
[56]10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する噴霧液滴を含む噴霧溶液である、段落[1]~[55]のいずれか1つに記載の医薬組成物。
【0232】
[57]約50mg~約350mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[1]~[56]のいずれか1つに記載の前記医薬組成物の投与単位。
[58]約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
【0233】
[59]約75mg~約125mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
[60]約250mg~約350mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
【0234】
[61]約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
[62]約90mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
【0235】
[63]約120mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
[64]約200mgの前記フレカイニドの塩を含む、段落[57]に記載の投与単位。
【0236】
[65]段落[1]~[64]のいずれか1つに記載の前記医薬組成物または前記投与単位、および心臓の状態の処置のための前記医薬組成物の使用についての使用説明書を含む、キット。
【0237】
[66]前記心臓の状態が心房細動を含む、段落[65]に記載のキット。
[67]前記心房細動が頻拍を含む、段落[66]に記載のキット。
[68]前記心房性不整脈が、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される、段落[66]に記載のキット。
【0238】
[69]前記医薬組成物を含有する容器をさらに含む、段落[65]~[68]のいずれか1つに記載のキット。
[70]前記容器が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される、段落[69]に記載のキット。
【0239】
[71](1)(a)フレカイニドの塩、
(b)シクロデキストリン、および
(c)酸
を含む医薬組成物;
(2)前記医薬組成物を含有するレセプタクル;ならびに
(3)前記医薬組成物の用量をエアロゾルで対象に吸入投与するための噴霧器の使用についての使用説明書であって、前記用量が約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有し、前記医薬組成物の前記エアロゾルが、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を有する、使用説明書
を含むキットであって、
前記医薬組成物が、
(i)約65mg/mL~約95mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩、
(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロデキストリン;および
(iii)pHが室温で測定された場合に、約5.5~約6.5の前記pH
を有する液体溶液の形態である、キット。
【0240】
[72]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約70mg/mL~約80mg/mLである、段落[71]に記載のキット。
[73]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約75mg/mLである、段落[71]または[72]に記載のキット。
【0241】
[74]前記フレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、段落[71]~[73]のいずれか1つに記載のキット。
【0242】
[75]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、段落[71]~[73]のいずれか1つに記載のキット。
[76]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、アスコルビン酸、乳酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、段落[71]~[75]のいずれか1つに記載のキット。
【0243】
[77]前記酸が酢酸を含む、段落[71]~[75]のいずれか1つに記載のキット。
[78]前記酸がクエン酸を含む、段落[71]~[75]のいずれか1つに記載のキット。
【0244】
[79]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約10mMである、段落[71]~[78]のいずれか1つに記載のキット。
[80]前記酸の前記濃度が約5mMである、段落[71]~[78]のいずれか1つに記載のキット。
【0245】
[81]前記溶液の前記pHが、室温で測定された場合に約5.9である、段落[71]~[80]のいずれか1つに記載のキット。
[82]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキスト
リン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[71]~[81]のいずれか1つに記載のキット。
【0246】
[83]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、段落[71]~[81]のいずれか1つに記載のキット。
[84]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である、段落[71]~[83]のいずれか1つに記載のキット。
【0247】
[85]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約20%(w/v)である、段落[71]~[83]のいずれか1つに記載のキット。
[86]前記医薬組成物が人工甘味料をさらに含む、段落[71]~[85]のいずれか1つに記載のキット。
【0248】
[87]前記用量が約150mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有する、段落[71]~[86]のいずれか1つに記載のキット。
[88]前記用量が約200mgの前記フレカイニドの塩を含有する、段落[71]~[86]のいずれか1つに記載のキット。
【0249】
[89]呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される噴霧器をさらに含む、段落[71]~[88]のいずれか1つに記載のキット。
【0250】
[90]前記医薬組成物が、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器または超音波噴霧器による投与のために製剤化される、段落[71]~[89]のいずれか1つに記載のキット。
【0251】
[91]段落[1]~[70]のいずれか1つに記載の前記医薬組成物および噴霧器を含むシステム。
[92]前記医薬組成物が噴霧器による投与のために製剤化され、噴霧器が、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される、段落[91]に記載のシステム。
【0252】
[93]前記噴霧器が、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される、段落[91]に記載のシステム。
[94]心臓の状態の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、段落[91]~[93]のいずれか1つに記載のシステム。
【0253】
[95]心房性不整脈の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、段落[91]~[93]のいずれか1つに記載のシステム。
[96]前記心房性不整脈が頻拍を含む、段落[95]に記載のシステム。
【0254】
[97]前記心房性不整脈が、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房
細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される、段落[95]に記載のシステム。
【0255】
[98]前記噴霧器が、前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成される、段落[91]~[97]のいずれか1つに記載のシステム。
【0256】
[99]前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、段落[91]~[98]のいずれか1つに記載のシステム。
[100]前記噴霧器がジェット噴霧器である、段落[91]~[98]のいずれか1つに記載のシステム。
【0257】
[101]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、段落[94]~[100]のいずれか1つに記載のシステム。
【0258】
[102]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約75mg~約125mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、段落[94]~[100]のいずれか1つに記載のシステム。
【0259】
[103]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約90mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、段落[94]~[100]のいずれか1つに記載のシステム。
【0260】
[104]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約120mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、段落[94]~[100]のいずれか1つに記載のシステム。
【0261】
[105]フレカイニドの塩、シクロデキストリンおよび酸を含む医薬組成物;
前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成された噴霧器;ならびに
前記医薬組成物を約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書
を含むシステムであって、
前記医薬組成物が、(i)65mg/mL~100mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩;(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロデキストリン;および(iii)室温で約5.5~約6.5のpHを有する液体溶液の形態である、システム。
【0262】
[106]心臓の状態を患う対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が60mg/mLより高い、方法。
【0263】
[107]前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、段落[106]に記載の方法。
[108]前記溶液のpHが、前記pHが室温で測定された場合に5.5より高い、段落[106]または[107]に記載の方法。
【0264】
[109]心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬
組成物を約10分以内に吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記投与が、少なくとも200ng/mLである前記対象における前記フレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、方法。
【0265】
[110]前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が、前記溶液の60mg/mLより高い、段落[109]に記載の方法。
[111]前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、段落[106]、[109]または[110]に記載の方法。
【0266】
[112]前記医薬組成物の前記投与が、少なくとも200ng/mLである前記対象における前記フレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、段落[106]~[108]または[111]のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
[113]前記医薬組成物の前記投与が、少なくとも250ng/mLである前記対象における前記フレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、段落[106]~[112]のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
[114]前記Cmaxが約250ng/mL~約1000ng/mLである、段落[113]に記載の方法。
[115]前記Cmaxが約300ng/mL~約700ng/mLである、段落[113]に記載の方法。
【0269】
[116]前記Cmaxが約400ng/mL~約600ng/mLである、段落[113]に記載の方法。
[117]前記医薬組成物の前記投与が約10分以内に行われる、段落[106]~[116]のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
[118]前記医薬組成物の前記投与が約5分以内に行われる、段落[106]~[116]のいずれか1つに記載の方法。
[119]前記医薬組成物の前記投与が1または2回の吸入によって行われる、段落[106]~[118]のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
[120]前記医薬組成物の前記投与が、約10秒~約1分の休憩によって隔てられる2回の吸入によって行われる、段落[106]~[118]のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
[121]前記投与が噴霧器によって行われる、段落[106]~[120]のいずれか1つに記載の方法。
[122]前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、段落[121]に記載の方法。
【0273】
[123]前記噴霧器がジェット噴霧器である、段落[121]に記載の方法。
[124]前記噴霧器が振動メッシュ噴霧器である、段落[121]に記載の方法。
[125]前記噴霧器が超音波噴霧器である、段落[121]に記載の方法。
【0274】
[126]約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[123]のいずれか1つに記載の方法。
[127]約75mg~約125mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[123]のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
[128]約250mg~約350mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[125]のいずれか1つに記載の方法。
[129]約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[125]のいずれか1つに記載の方法。
【0276】
[130]約90mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[123]のいずれか1つに記載の方法。
[131]約120mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[123]のいずれか1つに記載の方法。
【0277】
[132]約200mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、段落[106]~[125]のいずれか1つに記載の方法。
[133]前記心臓の状態が心房性不整脈を含む、段落[106]~[131]のいずれか1つに記載の方法。
【0278】
[134]前記心房性不整脈が頻拍を含む、段落[133]に記載の方法。
[135]前記心房性不整脈が、上室性頻拍、発作性上室性頻拍、心房細動、発作性心房細動、持続性および永続性心房細動における急性エピソード、心房粗動、発作性心房粗動または孤立性心房細動からなる群から選択される、段落[133]に記載の方法。
【0279】
[136]10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を形成することにより、前記医薬組成物をエアロゾル化するステップを含む、段落[106]~[135]のいずれか1つに記載の方法。
【0280】
[137]前記心房性不整脈の検出後の急性処置を含む、段落[106]~[136]のいずれか1つに記載の方法。
[138]前記対象が、前記投与後10分以内に正常洞調律を有する、段落[106]~[137]のいずれか1つに記載の方法。
【0281】
[139]前記対象が、前記投与後8分以内に正常洞調律を有する、段落[106]~[137]のいずれか1つに記載の方法。
[140]前記対象が、前記投与後5分以内に正常洞調律を有する、段落[106]~[137]のいずれか1つに記載の方法。
【0282】
[141]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[107]~[140]のいずれか1つに記載の方法。
【0283】
[142]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン
、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[107]~[140]のいずれか1つに記載の方法。
【0284】
[143]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、段落[107]~[140]のいずれか1つに記載の方法。
[144]前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が、前記溶液の約1%(w/v)~約80%(w/v)である、段落[107]~[143]のいずれか1つに記載の方法。
【0285】
[145]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である、段落[107]~[143]のいずれか1つに記載の方法。
[146]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)である、段落[107]~[143]のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
[147]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約5%(w/v)である、段落[144]に記載の方法。
[148]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約10%(w/v)である、段落[144]に記載の方法。
【0287】
[149]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約20%(w/v)である、段落[144]に記載の方法。
[150]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の最大で約20%(w/v)である、段落[144]に記載の方法。
【0288】
[151]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、最大で約200mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
[152]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約130mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
【0289】
[153]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約95mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
[154]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約70mg/mL~約115mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
[155]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約100mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
[156]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約75mg/mLである、段落[106]~[150]のいずれか1つに記載の方法。
【0291】
[157]前記フレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、段落[106]~[156]のいずれか1つに記載の方法。
【0292】
[158]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、段落[106]~[156]のいずれか1つに記載の方法。
[159]前記フレカイニドの塩が塩酸フレカイニドを含む、段落[106]~[156]のいずれか1つに記載の方法。
【0293】
[160]前記医薬組成物が酸をさらに含む、段落[106]~[159]のいずれか
1つに記載の方法。
[161]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、段落[160]に記載の方法。
【0294】
[162]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される、段落[160]に記載の方法。
[163]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約200mMである、段落[160]~[162]のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
[164]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約50mMである、段落[160]~[162]のいずれか1つに記載の方法。
[165]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約10mMである、段落[160]~[162]のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
[166]前記酸の前記濃度が最大で約50mMである、段落[163]に記載の方法。
[167]前記酸の前記濃度が約20mMである、段落[163]に記載の方法。
【0297】
[168]前記酸の前記濃度が約5mMである、段落[163]に記載の方法。
[169]前記酸が酢酸を含む、段落[163]に記載の方法。
[170]酢酸の前記濃度が約5mMである、段落[169]に記載の方法。
【0298】
[171]前記酸がクエン酸を含む、段落[163]に記載の方法。
[172]クエン酸の前記濃度が約5mMである、段落[169]に記載の方法。
[173]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、段落[160]に記載の方法。
【0299】
[174]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、段落[160]に記載の方法。
[175]前記酸が塩酸を含む、段落[160]に記載の方法。
【0300】
[176]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含み、前記酸が酢酸を含む、段落[160]~[170]のいずれか1つに記載の方法。
[177]前記溶液の前記pHが最大で約6.5である、段落[108]~[176]のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
[178]前記溶液の前記pHが約5.5~約6.5である、段落[108]~[176]のいずれか1つに記載の方法。
[179]前記溶液の前記pHが約5.9である、段落[108]~[176]のいずれか1つに記載の方法。
【0302】
[180]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、段落[106]~[179]のいずれか1つに記載の方法。
[181]前記医薬組成物が甘味料をさらに含む、段落[106]~[180]のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
[182]前記人工甘味料が、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される、段落[181]に記載の方法。
【0304】
[183]前記甘味料がサッカリンを含む、段落[181]に記載の方法。
[184]前記甘味料がサッカリンの塩を含む、段落[181]に記載の方法。
[185]前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、段落[181]に記載の方法。
【0305】
[186]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である、段落[181]~[185]のいずれか1つに記載の方法。
[187]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である、段落[181]~[185]のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
[188]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が、約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である、段落[181]~[185]のいずれか1つに記載の方法。
[189]心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、段落1~[56]のいずれか1つに記載の医薬組成物を吸入によって前記対象に投与するステップを含む、方法。
【0307】
[190]心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、段落[57]~[64]のいずれか1つに記載の投与単位を吸入によって前記対象に投与するステップを含む、方法。
【0308】
[191]前記心臓の状態が心房細動を含む、段落[106]~[190]のいずれか1つに記載の方法。
[192]前記心房細動が再発性心房細動である、段落[191]に記載の方法。
【0309】
[193]前記心房細動が発作性心房細動である、段落[191]に記載の方法。
[194]前記対象が、処置時に約90mmHgより高い収縮期血圧を有する、段落[106]~[193]のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
[195]前記対象が、処置時に約100mmHg~約160mmHgの収縮期血圧を有する、段落[106]~[193]のいずれか1つに記載の方法。
[196]前記対象が、処置時に170BPM以下の心室レートを有する、段落[106]~[195]のいずれか1つに記載の方法。
【0311】
[197]前記対象が、処置時に約80BPM~約155BPMの心室レートを有する、段落[106]~[195]のいずれか1つに記載の方法。
[198]前記対象が85歳以下である、段落[106]~[197]のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
[199]前記対象が18歳から85歳である、段落[106]~[197]のいずれか1つに記載の方法。
[200]前記対象が、前記投与の3カ月以上前に心臓アブレーションを経ている、段落[106]~[199]のいずれか1つに記載の方法。
【0313】
[201]前記対象が、経口フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の進行中の処方を受けている、段落[106]~[200]のいずれか1つに記載の方法。
[202]前記心房細動が、前記投与前の約48時間以内に生じた発症を有する、段落
[106]~[201]のいずれか1つに記載の方法。
【0314】
[203]前記心房細動が、前記投与前の処置の約1時間~約48時間前に生じた発症を有する、段落[106]~[201]のいずれか1つに記載の方法。
[204]前記対象が、前記投与前の6カ月以内に異常左室駆出率を含む病態を示さない、段落[106]~[203]のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
[205]前記対象が、前記投与前の6カ月以内に、ニューヨーク心臓協会心機能分類による分類でクラス2以上の心不全を含む病態を示さない、段落[106]~[204]のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
[206]前記対象が、心筋梗塞または心筋梗塞の病歴を含む病態を示さない、段落[106]~[205]のいずれか1つに記載の方法。
[207]前記対象が、血行動態不安定または心臓の不安定を含む病態を示さない、段落[106]~[206]のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
[208]前記対象が、前記投与前の6カ月以内に心房粗動のエピソードを含む病態を示さない、段落[106]~[207]のいずれか1つに記載の方法。
[209]前記対象が、前記投与前の6カ月以内に前記病態に対する心臓の外科手術を経ていない、段落[106]~[208]のいずれか1つに記載の方法。
【0318】
[210](a)水;
(b)pH調整剤;
(c)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩;および
(d)シクロデキストリン
を組み合わせるステップを含む、液体医薬組成物を調製する方法。
【0319】
[211](i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、段落[210]に記載の方法。
【0320】
[212]前記組み合わせるステップが、
(a)前記水を準備するステップ;
(b)前記水の一部を、ベッセル中で前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩、前記シクロデキストリンおよび前記pH調整剤と接触させるステップ;ならびに
(c)前記水の次の部分を前記ベッセルに添加して、前記医薬組成物をもたらすステップ
を含み、
(i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、段落[210]または段落[211]に記載の方法。
【0321】
[213]前記pH調整剤が、酢酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、リン酸イオン、アコニット酸イオン
、アジピン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、カプリル酸イオン、コール酸イオン、ギ酸イオン、グルタミン酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、ソルビン酸イオン、ステアリン酸イオンおよびコハク酸イオンからなる群から選択されるイオンを含む、段落[210]~[212]のいずれか1つに記載の方法。
【0322】
[214]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、段落[210]~[213]のいずれか1つに記載の方法。
【0323】
[215]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される、段落[210]~[214]のいずれか1つに記載の方法。
[216]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、段落[210]~[215]のいずれか1つに記載の方法。
【0324】
[217]前記医薬組成物中の前記pH調整剤の濃度が約2mM~約50mMである、段落[210]~[216]のいずれか1つに記載の方法。
[218]前記医薬組成物中の前記pH調整剤の濃度が約2mM~約10mMである、段落[210]~[217]のいずれか1つに記載の方法。
【0325】
[219]前記pH調整剤が酢酸を含む、段落[217]または段落[218]に記載の方法。
[220]前記酢酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、段落[219]に記載の方法。
【0326】
[221]前記pH調整剤がクエン酸を含む、段落[217]または段落[218]に記載の方法。
[222]前記クエン酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、段落[221]に記載の方法。
【0327】
[223]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、誘導体化α-シクロデキストリン、誘導体化β-シクロデキストリンおよび誘導体化γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[210]~[222]のいずれか1つに記載の方法。
【0328】
[224]前記シクロデキストリンが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシエチル-γ-シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、グルコシル-α-シクロデキストリン、グルコシル-β-シクロデキストリン、ジグルコシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-α-シクロデキストリン、マルトシル-β-シクロデキストリン、マルトシル-γ-シクロデキストリン、マルトトリオシル-β-シクロデキストリン、マルトトリオシル-γ-シクロデキストリン ジマルトシル-β-シクロデキストリン、スクシニル-β-シクロデキストリン、6A-アミノ-6A-デオキシ-N-(3-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン、スルホアルキルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホアルキルエーテル-γ-シクロデキストリンからなる群から選択される、段落[210]~[223]のいず
れか1つに記載の方法。
【0329】
[225]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、段落[210]~[224]のいずれか1つに記載の方法。
[226]前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの前記濃度が、約10%(w/v)~約30%(w/v)である、段落[211]~[225]のいずれか1つに記載の方法。
【0330】
[227]甘味料を添加するステップをさらに含む、段落[210]~[226]に記載の方法。
[228]前記甘味料が、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、シクラメート、モグロシド、サッカリン、ステビア、スクラロース、ネオテーム、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールおよび薬学的に許容されるその塩からなる群から選択される、段落[227]に記載の方法。
【0331】
[229]前記甘味料がサッカリンを含む、段落[227]に記載の方法。
[230]前記甘味料がサッカリンの塩を含む、段落[227]に記載の方法。
[231]前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、段落[227]に記載の方法。
【0332】
[232]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が約0.001%(w/v)~約1%(w/v)である、段落[227]~[231]のいずれか1つに記載の方法。
[233]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が約0.001%(w/v)~約0.05%(w/v)である、段落[227]~[231]のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
[234]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である、段落[227]~[231]のいずれか1つに記載の方法。
[235]前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩が添加される、段落[210]~[234]のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
[236]前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、段落[235]に記載の方法。
【0335】
[237]薬学的に許容される前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、段落[235]に記載の方法。
[238]薬学的に許容される前記フレカイニドの塩が塩酸フレカイニドを含む、段落[235]に記載の方法。
【0336】
[239]前記医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含む、段落[210]~[238]のいずれか1つに記載の方法。
[240]前記医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含み、前記投与単位形態が、約50mg~約350mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[235]~[238]のいずれか1つに記載の方法。
【0337】
[241]前記投与単位形態が、約60mg~約150mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
[242]前記投与単位形態が、約75mg~約125mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
【0338】
[243]前記投与単位形態が、約250mg~約350mgの前記薬学的に許容され
るフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
[244]前記投与単位形態が、約150mg~約250mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
【0339】
[245]前記投与単位形態が、約90mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
[246]前記投与単位形態が、約120mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
【0340】
[247]前記投与単位形態が、約200mgの前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩を含む、段落[240]に記載の方法。
[248]前記投与単位形態が容器をさらに含む、段落[239]~[247]のいずれか1つに記載の方法。
【0341】
[249]前記容器が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される、段落[248]に記載の方法。
【実施例0342】
[0251]以下の実施例は、本開示の一部の実施形態をさらに説明するために提供されるが、本開示の範囲を限定することは意図されず、これらの代表的な性質により、当業者に公知の他の手順、方法論または技術を代わりに使用することができることが理解されるであろう。
【0343】
実施例1 フレカイニド塩の溶解度
[0252]この実施例は、試験された異なるフレカイニド塩の中で、酢酸フレカイニドが最も高い水溶性を有したことを説明する。この実施例は、咳嗽の発生率を減少させるために吸入製剤に添加することが望ましいと示唆される塩化ナトリウムが、フレカイニド溶液中に添加した場合にはフレカイニド遊離塩基を沈殿させ得ることも説明する。
【0344】
[0253]この実施例では、フレカイニドクエン酸塩、フレカイニドリン酸塩、フレカイニド塩酸塩およびフレカイニド硝酸塩の溶解度を、すべて酢酸フレカイニドのものと比較した。表1に示すように、酢酸フレカイニドの水溶性は、形成された他の塩よりも少なくとも1桁分高かった。さらに、製剤への塩化ナトリウム(例えば生理食塩水)の添加は、結果として溶液からの沈殿および酢酸フレカイニドの溶解度の喪失を生じる。粉末X線回折(XRPD)分析では、塩化ナトリウムを溶液中に添加した場合に形態の転換が存在することを確認した。
【0345】
【0346】
[0254]5.2未満のpHでの製剤化は、所望されない感覚刺激特性および毒性の問題のリスクを生じることがあることに留意されたい。この実施例は、フレカイニドの酢酸塩が、いくつかの他のフレカイニドの塩よりも医薬製剤に好適であることを示唆する。
【0347】
実施例2 シクロデキストリンの存在下での酢酸フレカイニドの溶解度
[0255]この実施例は、異なるシクロデキストリンの存在下での酢酸フレカイニドの水溶性の変化を示す。
【0348】
[0256]この実施例では、様々なシクロデキストリンの濃度の増大とともに酢酸フレカイニドの水溶性が増大することが示された。表2は、100mM酢酸緩衝液を伴うシクロデキストリン濃度の関数としての、酢酸フレカイニドの溶解度を概説する。
【0349】
【0350】
[0257]加えて、酢酸フレカイニドの溶解度を、一定のシクロデキストリン濃度(すなわち、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびβ-シクロデキストリン)で、酢酸緩衝液濃度を0~100mMに変動させて測定し、これらの溶解度では差はほぼ観察されなかった。
【0351】
[0258]フレカイニド遊離塩基の溶解度を、同じ緩衝液およびシクロデキストリン濃度を使用して、酢酸フレカイニドと比較した。酢酸フレカイニドの濃度は、遊離塩基形態のものよりも6倍近く大きいことが判明した。
【0352】
実施例3 ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)の存在下での酢酸フレカイニドの溶解度
[0259]この実施例は、溶液中のHPβCDの濃度が増大するにつれて、酢酸フレカイニドの水溶性が増大することを示す。
【0353】
[0260]この実施例では、異なる濃度のHPβCD(Trappsol(登録商標)ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン;CTD Inc.から購入)溶液中の酢酸フレカイニドの溶解度を試験した。試験されたHPβCDの平均分子量および置換度は、それぞれ1495および6.2である。
【0354】
[0261]酢酸フレカイニド(投薬濃度:100~150mg/mL)を、異なる濃度(0%~180%w/v)のHPβCD溶液中に懸濁した。懸濁液を、次に室温で24時間または48時間、磁気撹拌した(1000r/分)。懸濁液を次に10000rpm(3分)での遠心分離および0.45μm膜による濾過にかけ、HPLC溶解度試験のために上澄み液を得て、残留した固体を粉末X線回折(XRPD)アッセイにより分析した。
【0355】
[0262]表3に示すように、48時間での酢酸フレカイニドの溶解度は、0%~40%(w/v)の範囲でのHPβCD濃度とともに直線的に増大し、錯体形成が生じたであろうことを示唆した(
図1)。一実験では、40%(w/v)HPβCD溶液中の酢酸フレカイニドの溶解度(48時間)は104.7mg/mLに達した(遊離塩基として計算)。別の実験では、40%(w/v)のHPβCD溶液中の酢酸フレカイニドの溶解度(48時間)は108.6mg/mLに達した(遊離塩基として計算)。HPβCD溶液中の酢酸フレカイニドの溶解度が60%~140%(w/v)のHPβCDで低減することも観察された。124.9mg/mLの最大溶解度(遊離塩基として計算)は、24時間のサンプリング時間で180%(w/v)HPβCD溶液中で観察された。
【0356】
[0263]0%~40%(w/v)の範囲のHPβCD内で、錯体形成安定度定数(K1:1)は、相溶解度プロット(Higuchi-Connors相溶解度法)により5.75と決定された。
【0357】
【0358】
実施例4 酢酸フレカイニド-HPβCD溶液の粘度
[0264]この実施例は、溶液の粘度に対するHPβCD濃度の影響を示す。
[0265]この実施例および以下の実施例では、使用される(HP)-β-シクロデキストリンは「Cavitron W7 HP7 PHARMA」である。製造者(Ashland)は、<1.5%のベータシクロデキストリン(我々のバッチは1%を有した)、およびモル置換が0.86と1.14との間である(我々のバッチは1.05を有した)と明示している。製造者のカタログによると、典型的な置換度は、およそ1520の平均MWで6.0~8.0である。
【0359】
[0266]NaOHを用いて5.2のpHに調整した溶液に対するHiguchi-Connors相溶解度実験により、HPβCD:酢酸フレカイニドの錯体形成効率は0.8であることを確認し、これはHPβCD分子の80%が酢酸フレカイニドと錯体形成したことを意味する。表4に示すように、溶液の粘度はHPβCDを添加すると増大した。しか
し、エアロゾル特性は少なくとも約22.5%のHPβCDまでは有意に影響を受けなかった。この濃度を超えると、エアロゾルの出力速度はわずかに減少することがある。
【0360】
【0361】
実施例5 ブタモデルにおける薬物動態学および薬力学試験
[0267]この実施例は、元の酢酸フレカイニド製剤と比較した、代表的なシクロデキストリン含有酢酸フレカイニド製剤の生物学的同等性および薬力学的同等性を示す。
【0362】
IV注入
[0268]実験をブタにおいて実施して、IV注入により送達された同用量のフレカイニドでの薬物動態(PK)を決定した。
【0363】
[0269]これらの実施例では、これらの溶液(元のおよび新規のシクロデキストリン含有製剤)を調製し、心房細動のブタモデルにおいて比較した。(1)75mg/mL酢酸フレカイニド、10%スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、90mM酢酸、pH5.2;(2)75mg/mL酢酸フレカイニド、10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、90mM酢酸、pH5.2;および(3)35mg/mL酢酸フレカイニド、90mM酢酸緩衝液、pH5.2。
【0364】
[0270]2時間の休薬期間をはさんだクロスオーバーデザインの実験において、同用量のフレカイニドを3つの溶液を使用して各ブタに投与した。
[0271]
図2に示すように、等しい用量(1mg/Kg体重)および用量注入速度(10分)に調整した場合、3つの溶液はブタ動物モデルにおいて結果としてほぼ等しいPKプロファイルとなるようである。
【0365】
[0272]スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンを用いて獲得されたCmaxは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよび元の35mg/ml酢酸フレカイニド製剤のものより低かった(約20%)ことも観察された。ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを用いたPKプロファイルは、35mg/mL酢酸緩衝液製剤を用いたものとより類似した(Cmaxが7%高かった)。Cmax、分布および排出相は、HPβCDと元の35mg/ml酢酸フレカイニド製剤との間ですべてほぼ同一であった。これは、酢酸フレカイニドとシクロデキストリンとの錯体形成が緩やかであり、フレカイニドが全身の血流中に送達されると速やかに分離することを示唆する。
【0366】
IT点滴
[0273]実験をブタにおいて実施して、2つの製剤を使用してIV注入および気管内点滴により送達される同用量のフレカイニドでの薬物動態(PK)および薬力学(PD;QRS間隔および心房脱分極の期間、Pa)を決定した。
【0367】
[0274]これらの実施例では、これらの溶液(元のおよび新規のシクロデキストリン含有製剤)を調製し、心房細動のブタモデルにおいて比較した。(1)75mg/mL酢酸フレカイニド、10%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、90mM酢酸、pH5.2;および(2)35mg/mL酢酸フレカイニド、90mM酢酸緩衝液35mg/mL、pH5.2。
【0368】
[0275]
図3A~3Bおよび4A~4Dに示すように、等しい用量(0.75mg Kg体重および1mg/Kg体重)および用量注入速度(10分)に調整した場合、2つの溶液はブタ動物モデルにおいて結果としてほぼ等しいPKおよびPDプロファイルとなるようである。
【0369】
実施例6 酢酸フレカイニド製剤の吸入送達の安全性評価
[0276]ラットおよびイヌにおいて、5つのGood Laboratory Practice(GLP)に準拠した14日の反復用量の吸入試験を実施して、FlecIH-101、FlecIH-102およびFlecIH-103製剤に関連する潜在的な毒性学を評価した(表5)。
【0370】
【0371】
[0277]結果は、市販のIVおよび経口フレカイニド剤形と比較して、吸入フレカイニドがフレカイニドの吸入に関連する新規のまたは異常な毒性を生じなかったことを示した。酢酸製剤(FlecIH-101)中の酢酸フレカイニドを用いて実施された14日の反復用量のラットおよびイヌの毒性学試験についての無毒性量(NOAEL)は、それぞれ28.7mg/kg/日(試験1)および8.03mg/kg/日(試験4)であり、ヒ
ドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含有する酢酸製剤(Flec-IH-102)中の酢酸フレカイニドを用いて実施された14日の反復用量のラットおよびイヌの毒性学試験についてのNOAELは、それぞれ67.7mg/kg/日(試験2)および9.87mg/kg/日(試験5)であった。橋かけの14日の反復用量ラット試験により、30mg/kg/日の酢酸フレカイニドが、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびサッカリンナトリウムを含有する酢酸製剤(FlecIH-103、試験3)におけるNOAELであることを確認した。
【0372】
[0278]特定された臨界効果は、鼻における軽度の扁平上皮細胞化生、喉頭における最小~軽度の扁平上皮化生および肺の最小~軽度の肺胞マクロファージ集合体および好中球性浸潤を伴う、ラットの吸入毒性試験における高用量の気道の結果であった。
【0373】
[0279]全体として、結果は、28.7~147.6mg/kgの吸入用量での吸入酢酸フレカイニドへのラットの鼻のみの曝露は結果としてほぼ臨床徴候を生じず、体重、神経行動学および臨床病理パラメーターに影響がなかったことを示す。投薬期間中の肺、喉頭および鼻甲介における病理組織学的変化は、試験された最も低い用量では非悪性変化であった。したがって、NOAELは、吸入による28.7mg/kgのフレカイニドであった。
【0374】
[0280]吸入毒性試験をイヌにおいて実施した。全体として、試験4で最大8.03mg/kg、および試験5で9.87mg/kg/日の用量で14日提供された(両方の性別についての平均)吸入フレカイニドは、結果として臨床徴候、体重、臨床病理パラメーター、肺機能パラメーターまたは病理組織学的変化におけるいかなる有害効果も生じなかった。心電図は、PR間隔、QRS間隔およびHRにおける小規模の変化を示した。被験物質に関連する可能性はあるが、これらは非悪性変化であり、したがってNOAELは9.87mg/kgと考えられた。試験5についての詳細な試験パラメーターおよび結果を以下に概説する。
【0375】
試験5
[0281]この実施例は、イヌにおける、14日の回復を伴う、フェイスマスク吸入による14日の反復用量毒性試験を説明する。この試験の目的は、ビーグル犬(4匹のイヌ/性別/群)における14日連続でのフェイスマスク吸入曝露後の代表的な吸入溶液(pH5.2での75mg/mL酢酸フレカイニド/10%w/vHPβCD/90mM酢酸緩衝液製剤)からのエアロゾル化フレカイニドの潜在的な毒性を評価すること、および14日の回復期間の後に潜在的な影響が可逆的であるかどうか調査すること(2匹のイヌ/性別/群)であり、空気およびビヒクル対照群を含めた。試験デザインを表6中に示す。
【0376】
【0377】
[0282]エアロゾル薬物濃度に加えて、エアロゾル粒径分布も特徴付けられた。低、中および高用量群についての粒径平均MMADおよびGSDは、それぞれ2.38(1.79)、2.03(1.87)および2.08(1.79)ミクロンであり、ビヒクル対照群については1.74(1.88)ミクロンであった。提供された酢酸フレカイニド用量の平均は、低、中および高用量群でそれぞれ1.86、5.08および9.88mg/kgであった。チャンバーの酸素レベルを、曝露の間全体でモニタリングした。主な試験動物を15日目に屠殺した。回復動物を、14日の回復期間の後の29日目に屠殺した。エンドポイントには、臨床観察、体重、眼科、臨床病理、尿検査、肉眼病理、病理組織学、生体分析および毒物動態分析を含めた。
【0378】
[0283]すべての試験のイヌは、罹患または死亡の事例なく予定された安楽死まで生存した。体重は、処置に関連する差異を示さなかった。最も一般的な臨床観察結果は軟便であり、性別および試験群にわたり類似の発生率で試験期間中定期的に発生し、フレカイニドまたはビヒクル曝露に関連する臨床観察結果は何も起こらなかった。フレカイニド曝露に関連する唯一の観察結果は、曝露中または直後の努力性呼吸であり、これはいくつかの中用量または高用量動物において1日目または7日目に発生した。試験後の眼検査では、新たな白内障(水晶体の5%未満)が、空気対照(2)、低用量(1)および中用量(2)群の5匹のイヌにおいて観察されたが、ビヒクル対照または高用量動物ではいずれも観察されなかった。サイズが小さいため、これらは存在していたが試験前の検査では検出されなかった可能性がある。呼吸器パラメーターは、いずれの用量レベルまたはいずれの時点でも、有意な曝露の影響を示さなかった。すべてのECGは、調律にも波形にも異常がなく、正常と考えられた。心拍数、PR間隔およびQRS間隔の小さな変化は被験物質に関連する可能性があったが、有害な結果として考えられなかった。
【0379】
[0284]統計学的に有意な臨床化学、血液学および凝固の変化は、全体的に処置または回復時点中に性別または用量にわたり一貫して発生せず、全体として規模の小さなものであった。肉眼的検査では、組織には全体的に異常がなかった。肺および胸腺の変色の剖検結果が、処置中および回復期間中にいくつかのビヒクルおよびフレカイニド動物において観察された。正常範囲内またはバックグラウンドレベル内であり、被験物質に関連しない、他の散発的で偶発的な肉眼観察結果が発生した。予測したとおり、軽度の散発的で偶発的な組織学的結果が、この試験で発生した。そのような結果には、様々な細胞種の嚢胞および軽度の浸潤が挙げられた。これらは散発的であり、および/または対照から区別することができない有病率、特徴および重症度で発生した。被験物質での処置に起因する病理組
織学的変化は存在しなかった。
【0380】
[0285]全体として、最大9.88mg/kg/日の用量で14日投与された(両方の性別についての平均)吸入フレカイニドは、臨床徴候、体重、臨床病理パラメーター、肺機能パラメーターまたは病理組織学的変化におけるいかなる有害効果も引き起こさなかった。心電図は、PR間隔、QRS間隔およびHRにおける小規模の変化を示した。被験物質に関連する可能性はあるが、これらは非悪性変化であり、したがってNOAELは9.88mg/kgと考えられた。
【0381】
[0286]概説すると、雄および雌のビーグル犬におけるフェイスマスクを使用した14日間連続での代表的な吸入溶液(pH5.2での75mg/mL酢酸フレカイニド/10%w/v HP-β-シクロデキストリン/90mM酢酸緩衝液製剤)からの吸入フレカイニドは、元の吸入溶液(pH5.2での35mg/mL酢酸フレカイニド/90mM酢酸緩衝液製剤)で実施された試験からのものと同等の結果を示した。
【0382】
実施例7 酢酸強度の減少した代表的な製剤
[0287]この実施例は、HPβCDの存在下で、酢酸フレカイニド溶液がより少ない酢酸緩衝液を有することができ、依然として酢酸フレカイニドの溶解度を125mg/mLよりも高い濃度で維持できることを示す。
【0383】
[0288]酢酸フレカイニドは0mM酢酸で高い溶解度を示すが、一部の例では遊離塩基がクラッシュアウトするのが観察された。これはより高い緩衝強度では観察されなかった。
【0384】
【0385】
[0289]フレカイニド吸入溶液の様々な製剤の認容性を、溶液の経口吸入(液体エアロゾルとして投与)の際のこれらの感覚刺激特性(具体的には、におい/臭気、口および喉の感覚ならびに風味)に関して評価した。
【0386】
[0290]吸入溶液を調製して、酢酸含有量を低下させるかまたはpHを上昇させる添加剤(例えばマンニトールまたはエタノール)が、pH5.2での75mg/mL酢酸フレカイニド/10%w/vHPβCD/90mM酢酸緩衝液製剤と比較して、これらの認容性を改善することができるかどうかを特定した。評価の基準とした特性は、吸入の際の感覚(焼けるような/刺すような/ひりひりするような、またはしびれ)、喉における苦い風味/後味、咳嗽、嗄声等であった。志願者毎に1日あたり1つの吸入溶液のみを試験した。
【0387】
[0291]この評価は、様々な製剤を、それらの活性成分(酢酸フレカイニド)の様々な濃
度、溶液のpHおよび他の様々な賦形剤に関して比較するために、異なる製剤を用いた3回の連続の反復で行った。
【0388】
[0292]健康な志願者により得られた観察結果に基づくと、対照(pH5.2での75mg/mL酢酸フレカイニド/10%w/vHPβCD/90mM酢酸緩衝液製剤)と比較した場合、吸入経験に関して吸入溶液として最も許容可能な製剤は、より低い酢酸濃度およびより高いpHを有する製剤(すなわち、WFI中の75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vHPβCD、pH5.99)であった。
【0389】
実験番号1:
[0293]この実験のために調製した溶液のセットを表8に示す。
【0390】
【0391】
[0294]吸入デバイス:試験に使用された吸入デバイスは、手持ち式の噴霧器であるAeroEclipse(登録商標)II BANであった。これを、30psiでの携帯型圧縮ポンプ(INVACARE Mobilaire)からの圧縮空気を用いて行った。
【0392】
[0295]吸入手順:試験する各溶液について、3mLのフレカイニド吸入溶液を、新たに
開けた包装の吸入器に入れた(吸入器の単回使用)。対象に、1分以下の合計時間で、リラックスさせ、吸入器のマウスピースを口の中に入れ、溶液を約2秒吸入し、2秒息を止め、約4秒で息を吐かせた。すべての志願者は、この吸入パターンに概ね従った。
【0393】
[0296]志願者:3名の健康な男性志願者、1名の健康な女性志願者。志願者の年齢:40~68歳。
[0297]観察結果を表9に概説する。
【0394】
【0395】
[0298]結論:上記の試験において志願者により得られた観察結果に基づくと、対照と比較した場合、吸入経験に関して吸入溶液として最も許容可能な製剤は、より低い酢酸濃度を有する製剤(すなわち、WFI中75mg/mL酢酸フレカイニド、25mM酢酸、1
0%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、pH5.2)であった。
【0396】
実験番号2:
[0299]この実験のために調製した溶液のセットを表10に示す。
【0397】
【0398】
[0300]吸入デバイスおよび手順は、実験番号1と同じままであった。志願者の数は3名(2名の男性志願者+1名の女性志願者)であった。溶液を、実験番号1と同じ感覚刺激特性について試験した。
【0399】
[0301]すべての3名の志願者からの観察結果を表11に概説する。
【0400】
【0401】
[0302]結論:上記の試験において志願者により得られた観察結果に基づくと、対照(上記の表中の1)と比較した場合、吸入経験に関して吸入溶液として最も許容可能な製剤は、より低い酢酸濃度およびより高いpHを有する製剤(すなわち、WFI中75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、pH5.99)であった。
【0402】
[0303]溶液への2滴の液体ステビアまたは液体sweet n low(サッカリン)の添加は、吸入経験を非常に改善することが判明した。液体Sweet n Low(サッカリンを含有し、濃度は不明)は最も効果的であることが判明した。
【0403】
[0304]様々な量のサッカリンを含有するIHフレカイニド溶液を、次のステップとして試験するために調製した。
実験番号3:
[0305]この実験のために調製したサッカリンを含有する溶液のセットを表12に示す。
【0404】
【0405】
[0306]吸入デバイスおよび手順は、実験番号2と同じままであった。志願者の数は3名
(2名の男性志願者+1名の女性志願者)であった。溶液を、実験番号1および2と同じ感覚刺激特性について試験した。
【0406】
[0307]すべての3名の志願者からの観察結果を表13に概説する。
【0407】
【0408】
[0308]結論:上記の試験において志願者により得られた観察結果に基づくと、対照(上記の表中の1)と比較した場合、吸入経験に関して吸入溶液として最も許容可能な製剤は
、750μMサッカリンを含有する製剤(すなわち、WFI中の75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、750μMサッカリンナトリウム、pH5.99)。
【0409】
実施例8 サッカリンによる感覚刺激特性のさらなる改善
[0309]この実施例は、吸入製剤の感覚刺激特性がサッカリンの添加によりさらに改善できることを示す。
【0410】
[0310]この実施例では、吸入溶液の不快な感覚の特徴を低減し、それにより全体の吸入経験を改善することを目的として、吸入手順の前(予防)またはその直後(処置)のいずれかで使用するために、様々な製品を試験した。試験された甘味料の一覧を表14に示す。
【0411】
[0311]溶液への2滴の液体ステビアまたは液体Sweet-n-Low(サッカリン)の添加は、吸入経験を非常に改善することが判明した。液体Sweet-n-Low(サッカリンを含有し、濃度は不明)は最も効果的であることが判明した。
【0412】
[0312]感覚刺激特性を改善するために、様々な糖(粉末および液体形態)を酢酸フレカイニド吸入溶液への添加剤として使用し、以下のFlec IH溶液とともに開始した。WFI中の75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、pH5.9。
【0413】
[0313]糖が粉末形態であった場合、その少数の粒子を約3mLのFlec IH吸入溶液に添加し、撹拌して溶解させた。糖を含有する溶液(液体形態)については、各々2滴(正確/精密な濃度は不明)を約3mLのFlec IH吸入溶液に添加した。両方の場合で、噴霧器をベンチトップで直立に保持しながら優しく回旋することにより、溶液を「均質化」した。液体は、列挙された糖の粉末形態よりも使うのが容易/簡便であることが判明した。
【0414】
【0415】
[0314]様々な量のサッカリンを含有する吸入フレカイニド溶液を、次のステップとして試験するために調製した。健康な志願者により得られた観察結果に基づくと、吸入経験に関して最も許容可能な製剤は、WFI中の75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、750μMサッカリンナトリウム、pH5.99を含有した。
【0416】
実施例9 ブタにおける代表的な製剤により誘導された心房細動の心臓除細動
[0315]この実施例は、肺送達(気管内点滴)による代表的なHPβCD-酢酸フレカイニド製剤の治療効果を説明する。
【0417】
方法
試薬および化学分析
[0316]気管内点滴のための0.5および1.0mg/kgのフレカイニドHPβCD(この実施例において試験された代表的なHPβCD-酢酸フレカイニド製剤)投薬溶液を、75mg/mL酢酸フレカイニド、10%(w/v)HPβCD、90mM酢酸およびpH5.2を有するように調製した。血漿試料を、Climax Laboratories,Inc.(San Jose CA、USA)にて高速液体クロマトグラフィータ
ンデム質量分光分析アッセイを使用して分析した。
【0418】
実験準備
[0317]35±0.7kg(平均±平均の標準誤差)の重量の雄ヨークシャーブタ(n=10)を試験した。ブタを、テラゾール(4.7mg/kg、筋肉内)を用いて予め麻酔し、続いて、アルファ-クロラロース(80mg/kg、IVボーラス、続けて24mg/kg/時間の連続IV注入)を使用してさらに麻酔した。ブタに挿管し、12回の呼吸/分の一定速度および一動作ごとに400mLの一回換気量で肺を換気した。すべてのカテーテルを蛍光透視ガイダンスの下で配置した。心室性電位図を得るための10極カテーテルおよび左室の血圧を連続的にモニタリングするためのピッグテールカテーテルの、2つのカテーテルを左室中に配置した。平均動脈圧(MAP)を、大腿動脈シースから連続的にモニタリングした。カテーテルを、心膜内アセチルコリンの送達のために右心耳から心膜腔中に配置した。心房脱分極(Pa)期間を記録するため、およびペーシングのために、クローズドバイポーラ電極を用いるOrbiter電極カテーテル(Boston Scientific、Boston、MA)を右心房中に入れた。Prucka CardioLabワークステーション(GE Medical Systems、Milwaukee WI)を使用して、電位図を心房および心室部位から記録した。右心房からの心内電位図を使用して、AFの主周波数をAFの開始の2分後に分析した。データファイルを977サンプル/sでCardioLabワークステーションからダウンロードし、MATLAB(The MathWorks,Inc.、Natick、MA)へとインポートした。主周波数を、心電図データの4秒のセグメントからの4096スペクトルの高速フーリエ変換分析により決定し、最も高い力を有する周波数として定義した。フレカイニドHPβCD溶液の気管内点滴のために、5Fr血管造影用カテーテルを気管内管により気管中へと誘導し、管から約1cm延長し、その先端を蛍光透視の下で気管分岐部のレベルに配置した。
【0419】
試験プロトコール
[0318]実験を2つのプロトコールに従って行った。用量応答プロトコール(N=4)では、フレカイニドHPβCD(5mLシリンジ中、2mLの0.5、0.75または1.0mg/kg用量、続けて3mLの空気)の気管内点滴を、吸息相の開始時に気管内管中に配置された修正された血管造影用カテーテルを介する単一の「押下」で投与した。用量間に60分の休薬期間をとった。QRS群、PR間隔、心房脱分極(Pa)期間および平均動脈圧(MAP)の心電図測定を、実験全体の間に様々な時間および間隔で行った。
【0420】
[0319]AF誘導プロトコール(N=6)(
図5)のために、1mLの10.3mMアセチルコリン溶液ボーラスを心膜内カテーテル中に注入し、続けて2mLの生理食塩水をフラッシュした。アセチルコリンの心膜内投与の1分後、バーストペーシングを150msの周期長で行ってAFを誘導した。持続性AFを導入した後、20mLの生理食塩水を用いた洗浄を行い、さらなるアセチルコリンの作用を防いだ。フレカイニドHPβCD(5mLシリンジ中、2mLの0.5または1.0mg/kg用量、続けて3mLの空気)を
、AFの安定性を確認した2分後に、吸息相の開始時に気管内管中に配置された修正された血管造影用カテーテルを介する単一の「押下」での投与で気管内点滴した。滅菌水(5mLシリンジ中の2mL、続けて3mLの空気)をプラセボとして与えた。AF期間を、薬物またはプラセボ送達の時点から開始して正常洞調律が回復するまで決定した。用量間に60分の休薬期間をとった。AF期間、平均動脈圧(MAP)、AF中の心室レートおよび主周波数に対する効果を決定した。
【0421】
血漿試料
[0320]AFが終了した時点、および60分の分析プロトコールにおけるボーラス気管内フレカイニドHPβCD投与の0、2、5、10、15、30、45、60分後、血液試料を、頸静脈中に入れた7Frシースからヘパリンナトリウム管へと引き出した。すべての試料を遠心分離し、-80度で冷凍した。
【0422】
統計分析
[0321]データを平均±SEMとして報告する。統計分析を、対応のある両側t検定を使用して行った。統計学的有意性を、P<0.05で推定した。多重比較を行う場合には、ダネットの事後検定を用いる分散分析(ANOVA)を行った。
【0423】
結果
フレカイニドHPβCDの気管内投与に続く血漿レベルの時間経過
[0322]0.5および1.0mg/kgの両方での気管内用量でのフレカイニドの血漿レベルは、薬物の投与後にそれぞれ2.0または2.8分(T
max)で達成されるピークレベル(C
max)を有し、続けて最初に薬物の血漿濃度の急速な減少(分布相)、次に後に漸進的な減少(排出相)を示す、模範的な薬物動態の双指数関数的プロファイルを示した(
図6)。
【0424】
心房細動期間に対する効果
[0323]AFはすべての動物に首尾よく誘導された。フレカイニドHPβCD(0.5mg/kg)の気管内点滴は、滅菌水プラセボ(10.4±0.05~5.5±0.01分、p=0.014)と比較して、AF期間を47%または4.9分低減した。1.0mg/kgのフレカイニドHPβCDの気管内用量は、滅菌水プラセボと比較して、AF期間を72%または7.5分(10.4±0.05~2.9±0.02分、p=0.008)短縮した。より高い用量によるAF期間の減少は、低用量のものの1.5倍であった(p=0.03)。AFの転換の代表的な実施例からのAF期間および心電図の概説データを、それぞれ
図7および8に提示する。具体的には、プラセボと比較して、代表的なHPβCD-酢酸フレカイニド製剤は、0.5および1.0mg/kg用量についてそれぞれ48%(p=0.008)および72%(p=0.03)のAF期間の用量依存的な短縮を引き起こした(
図7)。ECG記録における正常洞調律への円滑な移行に留意されたい。薬物の存在下では、134±0.5bpmの心室レートでの短い15秒の心房粗動エピソードが1例あった。
【0425】
AF中の主周波数に対する効果
[0324]両方の用量でのフレカイニドHPβCDの気管内送達は、結果として、AFおよびローターダイナミクスの構成に関連する重要な指標であり得、不整脈の開始および維持に関与し得る因子であり得る、AF中の主周波数の有意な減少を生じた(
図9)。滅菌水と比較して、0.5mg/kgフレカイニドHPβCDは、AF主周波数を11%(7.3±0.8~6.5±1.0Hz、p<0.04)減少させ、1.0mg/kg用量は、主周波数を26%(7.3±0.8~5.4±1.0Hz、p<0.01)減少させた。AF主周波数の減少は、AF期間の短縮と用量応答的に関連した。
【0426】
AF中の心室レートに対する効果
[0325]両方の用量で、フレカイニドHPβCDはAF中の心室レートを低下させた(
図10)。両方を滅菌水プラセボの気管内送達と比較すると、より低い用量は、心室レートを16%または46拍/分(286±10.7~240±15.5拍/分、p=0.002)減少させ、より高い用量は、心室レートを27%または77拍/分(286±10.7~209±18.8拍/分、p=0.005)減少させた。転換後、プラセボ、0.5mg/kgおよび1.0mg/kg用量のフレカイニドHPβCDについての心室レートは、それぞれ131±10.9、99.6±3.5および103±4.9bpmであった。
【0427】
心房脱分極(Pa)およびPR間隔に対する効果
[0326]0.5および1.0mg/kgの両方の気管内用量でのフレカイニドHPβCDの投与は、血漿濃度プロファイルに続けて、心房脱分極(Pa)およびPR間隔期間の両方の増大を伴った。PaおよびPR間隔期間の増大は、薬物投与後2および5分で統計学的に有意であった。PR間隔期間の増大は、AF中の観察された心室レートの低減に関与する可能性のあるAV伝導の遅延を示す。
【0428】
[0327]気管内フレカイニドの投与後2分で、Pa期間は、投薬前ベースラインと比較して、0.5mg/kg用量について12%(43±1.6~48±2.2ms;p=0.02)、1.0mg/kg用量について17%(41±1.0~48±2.0ms;p=0.009)増大した。5分で、Pa期間は、低用量および高用量でそれぞれ12%(43±1.6~48±2.2ms;p=0.007)および20%(41±1.0~49±1.7ms;p=0.005)増大した。
【0429】
[0328]1.0mg/kgの気管内フレカイニドHPβCD用量は、PR間隔を、投薬前ベースラインと比較して2分(p=0.03)および5分(p=0.01)の両方で有意に増大させた(それぞれ171±3.1msのベースラインから186±6.7msおよび189±6.7ms、9%および11%の増大)。0.5mg/kgの用量は、2分ではPR間隔の有意な変化を引き起こさなかったが、5分では有意な5%の増大(167±4.7~175±5.6ms;p=0.007)を起こした。
【0430】
心拍数および平均動脈圧に対する効果
[0329]0.5または1.0mg/kgのいずれかのフレカイニドHPβCD用量の気管内点滴によるAFの誘発および転換に対する心拍数および平均動脈圧(MAP)の応答を
図11に示す。AFの誘発は、結果として、ベースライン投薬前の洞レートと比較して心室レートを著しく増大させ(両方の用量についてp<0.002)、対応してMAPを減少させた。いずれの用量でも、AFが首尾よく終了した場合、心拍数およびMAPの両方は、転換後2分以内にベースラインレベルへと戻った。
【0431】
[0330]代表的なHPβCD-酢酸フレカイニド製剤の気管内送達の多様式な作用は、この製剤がピークおよび後期ナトリウム電流の両方を阻害するという事実に関連する可能性がある。高速ナトリウムチャネルの阻害は、観察されたPa期間の増大に反映される心房活動電位持続の増大に寄与することができ、遅延した心房内伝導も示すことができ、これはPR間隔の延長から明らかである。今度は、心房伝導の遅延の最終的効果は、示されたAF中の心室レートの減少を説明することができる。代表的な製剤による後期INaの阻害は、対応する心房異所性興奮の低減とともに、心房および肺静脈における早期および遅延後脱分極を抑制することが判明した。最終的効果は、AF中の肺静脈病巣の発火頻度の低減に寄与した可能性があり、これは最近の試験において判明したように、AF主周波数の低減をもたらすことができる。
【0432】
実施例10
ブタにおける2つの代表的な製剤により誘導された心房細動の心臓除細動の比較
[0331]この実施例は、肺送達(気管内点滴)による2つの代表的なHPβCD-酢酸フレカイニド製剤の治療効果を比較する。
【0433】
[0332]この実施例では、2つの製剤:(a)WFI中75mg/mL酢酸フレカイニド、90mM酢酸、10%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、pH5.2(「高酢酸」製剤;実施例9において試験された同じ代表的な製剤);および(b)WFI中75mg/mL酢酸フレカイニド、5mM酢酸、20%w/vヒドロキシプロピル-b-シクロデキストリン、pH5.9(「低酢酸」製剤)を試験した。「高酢酸」製剤を用いた実験は、実施例9に記載された実験と同じであり、一方で「低酢酸」製剤を用いた実験は、「高酢酸」製剤の代わりに「低酢酸」製剤を使用したことを除き、実施例9に記載したものと類似して行った。簡潔には、ヨークシャーブタにアセチルコリンの心膜内注射を投与しバーストペーシングを行って、AFIB(心房細動)を誘導した。これらに、次にシクロデキストリンベースの製剤(HPβCD)をAFIB開始2分後に気管内点滴により投与した。AFIB転換後、投薬後30分および投薬後60分にAFIB再誘発を試み、AFIBの期間を測定した。
【0434】
[0333]以下の観察を行った:
[0334](1)「低酢酸」および「高酢酸」HPβCD製剤は、
図12および16に示すように、AFIBの正常洞調律への転換の促進において同等の有効性を有した。
【0435】
[0335](2)
図13および16に示すように、「低酢酸」溶液は、心房脱分極(Pa)の延長およびAFIB再誘導の抑制の両方に対する持続的な効果を有するようであった。「低酢酸」群における再誘導後のAFIB期間は、投薬1時間後であっても、プラセボ群のもののおよそ半分であった。
【0436】
[0336](3)心拍数、動脈血圧および左室収縮性に対する血行動態効果は、2つの溶液間で同等であった(
図17~19)。
[0337](4)
図20に示すように、「低酢酸」溶液は結果として「高酢酸」溶液よりもC
maxを大きく増大させた。特定の理論により拘束されることを望むものではないが、肺胞中での「低酢酸」溶液の組織浸透がより大きかった可能性があり、「低酢酸」溶液による強化された組織浸透は、心房脱分極(Pa)期間およびAFIBの抑制に対する持続的な効果を説明するのに役立ち得る。
【0437】
[0338]上記に加えて、「高酢酸」製剤がブタにおいて「絞扼応答」(製剤の送達が引き金となる喉の奥の収縮)をもたらすことも観察された。対照的に、「低酢酸」溶液は、ブタにおいてIT投与に対する最小の絞扼応答を誘導するか、またはそれを誘導しないようであった。
【0438】
実施例11 代表的な混酸フレカイニド製剤
[0339]この実施例は、酢酸フレカイニドが異なる酸の混合物中に溶解するいくつかの代表的なフレカイニドの製剤を示す。この実施例は、様々な酸を混合することにより、酢酸フレカイニドの溶解度を増大させることができることも示す。
【0439】
[0340]この実施例では、酢酸フレカイニドの溶解度を、表15~17に列挙する合計38種の異なる酸混合物(酢酸/硝酸/硫酸/クエン酸の二級/三級/四級混合物)において測定した。この実施例では、酢酸フレカイニド(投薬濃度:約90mg/mL)を、異なる二級、三級または四級酸系を有する対応する媒体中に懸濁した。懸濁液を、25℃で24時間および48時間、磁気撹拌した(1000r/分)。懸濁溶液の遠心分離を10
000rpm(3分)で行い、次に0.45μm膜を用いて濾過を行い、HPLC溶解度試験およびpH試験のための上澄み液、ならびにXRPD試験のための残留した固体を得た。酢酸フレカイニドの最大溶解度(82.4mg/mL)が観察され、これは形態転換を有しない50mM酢酸、0.5mM硝酸、および0.00375mM硫酸の混合物中であった。
【0440】
【0441】
【0442】
【0443】
【0444】
【0445】
実施例12 代表的なフレカイニド製剤の臨床的性能
[0341]この実施例は、本明細書に記載される代表的なフレカイニド製剤を用いて行われた、進行中の第2相臨床試験を説明する。FLE-002(INSTANT)試験は、症候性発作性心房細動(AF)を最近発症した患者における、洞調律(SR)への急性心臓除細動のための酢酸フレカイニド経口吸入溶液(「IH Flec」)の第2相の前向き多施設試験である。
【0446】
[0342]患者の適格性。この試験についての患者の適格性は、IVフレカイニドについての適格性と全体的に一致する。18歳以上、男性および女性の両方が、この試験に適格である。組入れおよび除外基準を、それぞれ表18Aおよび表18Bに概説する。
【0447】
【0448】
【0449】
[0343]試験デザイン。試験は、パートAおよびパートBの2つのパートからなる。パートA(用量設定)は、IH Flecの投与の実現可能性を評価する。パートBは、用量を確認し、医学的管理下で患者主導のシナリオを模倣するパイロットサブ試験を実施する。
【0450】
[0344]パートA試験。投薬レジメンは30、60、90および120mgのIH Flec(吸入フレカイニド、例えばeTLD)を含み、試験された吸入溶液中のフレカイニド濃度は、35、45および75mg/mLを含む。この試験で試験されたIH Flec製剤は、表19に列挙したものを含む(*、「CD」は10%(w/v)ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、90mM酢酸緩衝液を含み5.2のpHを有するシクロ
デキストリンベースの製剤を示す;**、「iCD-SAC」は20%(w/v)ヒドロキシプロピルβ-シクロデキストリン、5mM酢酸および750μMサッカリンを含み5.9のpHを有するシクロデキストリンベースの製剤を示す)。
【0451】
【0452】
[0345]この試験では、フレカイニドの吸入送達について、吸入デバイス中のフレカイニドの喪失、ならびに対象の口および喉におけるフレカイニドの喪失を考慮するために、推定合計肺用量(eTLD)を計算した。それにより、eTLDは、実際に対象の肺に到達した用量を示すのに使用された。デザインにより、すべての噴霧器中で、噴霧器中に留まる薬物溶液の残留体積または質量が存在し得、対象の喉および口により捉えられたエアロゾルのパーセンテージも存在し得る。例えば、この試験では、エアロゾルの30%が対象の喉および口で失われると推定される。したがって、eTLDは以下となるであろう。
【0453】
[0346]eTLD=(100-30)%×噴霧器から出たエアロゾル化した薬物の量=7
0%×(噴霧器中に入れられた薬物の量-噴霧器中に留まる薬物の量)
[0347]パートB試験。パートAの有効用量を、パートB試験において確認する。パートBは、パートAにおいて決定された最適な吸入フレカイニド用量の安全性(忍容性を含む)および有効性を確認するための、パートAと同じ患者集団(すなわち、公知の構造性心臓疾患を有しない、最近発症した症候性PAF)における非盲検多施設試験である。合計最大85名の患者を登録し、120mg eTLDの安全性および忍容性を評価し、120mg用量についてのAF転換率をより正確に決定する。パートBは、1)スクリーニング中の手持ち式の心エコーデバイスの使用の実現可能性を評価するため、および2)最近発症したAFの再発エピソードに対して、しかし最近発症したAFが最初の処置での吸入フレカイニドを用いてSRへと転換した患者に対してのみの、病院内での独立した吸入フレカイニドの自己投与を評価するための、同意した患者に対して開かれた必要に応じたサブ試験も含む。
【0454】
データ収集
[0348]試験の両方のパートで、書面によるインフォームドコンセントが得られた後、患者を心電図遠隔測定モニタリングおよび試験のECGデバイスに接続して次の1時間中のAFの安定性を評価する。バイタルサイン、三連の12誘導ECGおよびPK分析のための血液試料を、吸入レジメンの直前、間および後の複数の連続的な時点、ならびにSRへの転換の時点で収集する。SRへの転換の時間を特定するため、および安全性をモニタリングするために、ホルター心電図(12誘導ホルター)データを、インフォームドコンセントの時点から用量後90分まで収集する。退院は治療医師の裁量とするが、用量後90分の前には計画され得ない。SRへの転換が用量後のある特定の時期に起こらない場合、調査者は、臨床現場の標準治療に従って、許可されないIVイブチリドまたはソタロールを除く別の適切な治療を提供することができる。すべての患者は、2日目および5日目(±1日)の電話評価を有する。
【0455】
噴霧器構成
[0349]AeroEclipse(登録商標)II BAN吸入器を、代表的なフレカイニド製剤の噴霧および吸入に使用した。これは、欧州諸国、USAおよびカナダを含む世界中のいくつかの国において、承認済のデバイスとして利用可能である。吸入器は、病院のERで医療用空気として利用可能である圧縮空気源を通して作動する、手持ち式の呼吸作動型ジェット噴霧器である。AeroEclipse(登録商標)BANは、高い呼吸用用量およびより速い薬物吸収を可能とするためにより深い肺領域に到達するための最適な粒径を送達する。酢酸フレカイニド吸入溶液またはプラセボ吸入溶液を、各試験プロトコールについて提供される特定の指示に従って、肺への必要とされる用量に対応する体積(表20)で、バイアルからAeroEclipse(登録商標)II BANのリザーバへと移す。
【0456】
【0457】
吸入ガイドライン
[0350]試験における参加者に、以下のガイドラインに従って試験薬物を投与した:
- 対象はAeroEclipse(登録商標)II BANを使用して吸入物を自己投与する。
【0458】
- 対象を、対象が吸入の開始のおよそ30分前から最後の吸入が完了した後少なくとも15分まで彼/彼女の腕を置くことができる(例えばキャスター付きのオーバーベッドテーブル)調整可能な高さを有するテーブルが前にある(例えばキャスター付きのオーバーベッドテーブル)、ゆったりした椅子または調整可能なベッドに端座させる。現場でのこの状況は、心臓モニタリングシステムに接続される間、血液試料を収集する間、および圧縮空気に接続された吸入溶液を自己投与する間に、対象がこの端座位であり続けることを可能とする。
【0459】
- 対象は、使用説明書に従って、処置をどのように自己投与するかについて、訓練を受けた試験従事者から明確な指示を受ける。
- 吸入手順の忍容性を改善するために、局所経口麻酔スプレー(例えばリドカイン[例えばMedica]またはフェノール[例えばChloraseptic])またはロゼンジ[例えばTrachitolまたはCePacol]を含有する)を、禁忌でない場合には対象の喉の奥に予防的に塗布することができる。
【0460】
- 吸入手順の忍容性を改善するために、糖含有スプレーまたはロゼンジ(例えばドラ
イマウス用の)を、禁忌でない場合には予防的に塗布または使用することができる。
- 対象は、試験薬投与の前に(例えばフレカイニドを有することなく、およそ1分)吸入手順を練習することができる。
【0461】
- 吸入パターンが確立されたら、対象は必要とされる吸入時間に吸入デバイスを口から取り除くべきではない。対象が何らかの理由(例えば、咳嗽、過剰な唾液等)で噴霧器を>30秒取り除く場合、その吸入についての吸入時間を、妨げられた長さの分延長するべきである。対象は、任意の時間に任意の理由で試験薬物の吸入を終了することを選択することができる。
【0462】
パートA:吸入フレカイニド用量コホートによる試験登録、人口統計および診療歴
[0351]完了した試験のパートAについての登録状況を、表21に示す。
【0463】
【0464】
[0352]パートAにおいて登録した患者の選択された人口統計および診療歴情報を、表22に示す。
【0465】
【0466】
パートA:薬力学的(QRS間隔)結果
[0353]試験のパートAに登録した患者についての12誘導ECG記録を分析して、吸入フレカイニドに続く最大QRS間隔およびベースラインQRS(L QRS)間隔期間からの変化を概説した(表23)。QRS間隔は、用量吸入の終了直後に一過性に増大し、投与前レベルへと急速に戻ることが判明した。30、60、90および120mgのeTLDでの吸入フレカイニドに続く平均最大QRS間隔期間は類似した(93~99ミリ秒)。30、60、90および120mg(FlecIH-102およびFlecIH-103)eTLDコホートについて、ベースライン(すなわち投薬前)を上回る平均L QRSmaxの増大は、それぞれ1.6、4.2、4.1、9.0および9.5ミリ秒であった。
【0467】
【0468】
[0354]試験のパートA(60、90および120mgのeTLD)における個々の患者についてのQRS間隔期間(ΔQRSmax)の延長の規模を、
図21に図示する。吸入フレカイニドに続き≧30ミリ秒のΔQRSを有した患者は1名のみ存在し;106ミリ秒のベースライン投与前QRS間隔期間を有するこの患者(120mg FlecIH-102)は、136ミリ秒の最大QRS期間(30.5ミリ秒のΔQRSmax)を有した。ECGは左脚前枝ブロックと一致し、処置は必要とされなかった。
【0469】
パートA:有害事象
[0355]吸入フレカイニドを異なる用量レベルで投与した99名の患者についての有害事象データを表24に概説する。処置下で発現した有害事象(TEAE)は80/99名の患者(81%)で報告され、74/99名(75%)の患者で試験薬と関連すると考えられた。処置下で発現した重篤な有害事象(TESAE)は、7名の患者により報告された。60mg群における3名の患者は、試験薬に関連しないと考えられるSAEを経験した。試験薬に関連すると考えられたSAEは、90mg群で1/21名の患者(5%)および120mg群で3/46名の患者(6.5%)について報告された。すべての試験薬に関連するSAEは一過性であり、処置も臨床的後遺症も有さずに回復した。試験に登録した患者において、死亡は報告されなかった。
【0470】
【0471】
[0356]最も多く報告された(全体で≧5名[5%]の患者)TEAEは、頻度の高い順に(表25):咳嗽(52%)、中咽頭疼痛(14%)、咽喉刺激(12%)、嚥下障害(9%)、唾液分泌過多(8%)、低血圧(7%)、呼吸困難(6%)および眩暈(5%)であった。全体的に、好ましい用語によるAEの発生率は、用量の増大とともには増大しなかった。吸入に関連するAE(例えば咳嗽、咽喉刺激等)の発生率は、FlecIH-103吸入溶液を用いて120mg eTLDで処置された患者ではより少ないようであった。患者の大部分は、軽度と考えられる事象を有し(64/99名;65%)、33/99名(33%)の患者は強度が中等度である事象を有した。2名(2%)の患者のみが重度TEAEを有し、両方の場合でこれは既存の状態の悪化であり、両方の事象はSAEと考えられた。全体的に、試験薬に関連すると考えられるTEAEの発生率は、用量の増大とともには増大しなかった。
【0472】
【0473】
[0357]試験についての特に注目すべき有害事象(AESI)には、以下が挙げられる:
1.AeroEclipse(登録商標)BAN吸入デバイスに関連するAE
2.肝臓傷害の可能性のシグナルと考えられる、肝臓酵素上昇の検査所見(アミノトランスフェラーゼおよびビリルビンの組合せの上昇)
3.試験に参加している間の、女性参加者または試験参加者の女性パートナーの妊娠
4.フレカイニドの他の製剤(すなわち、IVおよび経口)に関連することが公知の心臓AE:低血圧、心室頻拍、徐脈、AFからSRへの転換後の洞停止、および急速な心室性応答(心室性心拍数≧200bpm)を伴う1:1伝導の心房粗動
安全性の懸念を示す何らかの傾向を速やかに検出するために、これらの事象を試験中厳密にモニタリングした。心臓AESIを、AE、バイタルサインおよびECGの一覧の高頻
度の再調査によりモニタリングした。
【0474】
[0358]吸入デバイス、肝臓酵素または妊娠に関連するAESIは報告されなかった。心臓AESIは以下のように報告された:
- 低血圧:7名の患者(3名が軽度および1名が中等度、関連;3名が中等度、関連なし)。すべての低血圧の事例は一過性であり、重篤と考えられるものはなく、昇圧剤または陽性変時/変力剤を用いる処置を必要とするものはなかった。
【0475】
- 徐脈:4名の患者(2名が軽度、1名が関連[SRへの転換後]および1名が関連なし;1名が中等度、関連[SRへの転換後];1名がSAE、関連)。すべての徐脈事象は処置なしに回復した。
【0476】
- AFからSRへの転換後の洞停止:2名の患者(2名がSAE、関連)。両方の洞停止事象は、処置なしに急速に回復した。
- 1:1伝導および急速な心室性応答を伴う心房粗動:1名の患者(1名がSAE、関連)。事象は、処置なしに急速に回復した。
【0477】
[0359]4名の患者が、試験薬に関連すると考えられるSAE:SRへの転換に関連する洞停止/心室無収縮(2名の患者)、徐脈(1名の患者)および1:1伝導および急速な心室性応答を伴う心房粗動(1名の患者)(表26)を経験した。
【0478】
【0479】
[0360]3名のさらなる患者(60mg用量コホート)でSAEが報告され、そのいずれも試験薬処置に関連するとは考えられなかった。
パートA;薬物動態および転換率
[0361]フレカイニドの血漿レベルを使用して、薬物の経口吸入に続くフレカイニドの体循環への薬物送達をモニタリングした。吸入に続いて達成されるフレカイニドのピーク血漿レベル(Cmax)は、吸入の完了の3分以内に発生することが示された。30、60、90および120mgの用量コホートについてのCmax値を、各用量コホートについてのSRへのAF転換率(投薬の60分以内)とともに表27に示す。用量に関連する平均Cmax値の増大がみられた。
【0480】
【0481】
[0362]用量レベルによるAFからSRへの転換率を
図23A中の棒グラフに示し、転換率は30および60mg eTLDコホートの間で10から35%へと増大したが、転換率は90および120mg(FlecIH-102)eTLDについては30%半ばの範囲に留まった。FlecIH-103吸入溶液のインプリメンテーションでは、120mg(FlecIH-103)コホートについての転換率は44%に増大した。経口およびIVフレカイニドについての治療血漿範囲は、一般的に200~1000ng/mLであると考えられる(Conardら、1984aおよび1984b;Flecainide
Acetate Tablets US Prescribing Information、2017年)。60、90または120mg用量の吸入フレカイニドで処置されたAFの患者について、分類別分析を250ng/mLのC
maxカットオフを使用して行い、250ng/mLよりも高いCmaxを達成する患者は45%の転換率を有し、一方で250ng/mL未満のC
maxを有する患者は、約30%の転換率を有した(
図23D)。予測されたように、これらのデータは、AFからSRへの転換の確率は、フレカイニドの吸入に続いて治療範囲中の血漿濃度を達成する患者でより大きいことを示唆する。
【0482】
[0363]AFが吸入の完了の60分以内にSRへと転換されたすべての用量群(30、60、90および120mg)にわたる32名の患者について、転換までの時間の中央値は非常に急速であり、すなわち、吸入の終了から3.5分であり(
図24)、転換の時間は吸入の終了から-7~40分にわたる範囲であった。転換までの時間は、転換した者の50%で≦3分であり、SRへと転換した者の56%で≦4分であった。
【0483】
[0364]試験のパートAにおける登録の適格性は、ベースラインの心室レートが≧70bpmかつ≦170bpmであるという要件を含んだ。用量後分析では、遅い心室レート(<80bpm)を有する患者は、吸入フレカイニドによるAFからSRへの転換にあまり好ましく応答しなかったことが観察された。ベースライン心室レート<80bpmを有するプールされた用量群の患者(60、90および120mgのeTLD)についての転換
率は15%であり、一方で≧80bpmかつ≦155bpmのベースライン心室レートを有する患者は、42%のより高い転換率を有した(
図25)。120mgコホート(FlecIH-103)については、ベースライン心室レート≧80bpmかつ≦155bpmを有する患者についての転換率は58%(11/19名)であり、一方でベースラインレート<80bpmを有する患者については17%(1/6名)のみであった。
【0484】
[0365]より遅い心室レートを有するAFの患者は、AFのために、依然として非常に急速な心房レートを有することがある。AFを有する患者におけるより遅い心室レートは、高い迷走神経緊張を示すことがある。高い迷走神経緊張は、より遅いAV結節伝導およびより短い心房不応期をもたらすことがある。より遅いAV結節伝導は、より遅い心室レートの原因となることがあり、より短い心房不応期は、AFからSRへの転換に対するフレカイニドの有効性を弱めることがある。いかなる特定の理論により拘束されることを望むものではないが、後者は、心拍数が<80bpmである場合の、AFからSRへの転換に対するフレカイニドのより低い有効性についての妥当な説明である。
【0485】
パートA:概要
[0366]INSTANT(FLE-002)試験において、101名の患者を、吸入フレカイニドを用いて処置した(30mg、n=10;60mg、n=22;90mg、n=21;120mg[FlecIH-102]、n=19;および120mg[FlecIH-103]、n=29)。この用量範囲中の吸入フレカイニドは安全と示されている。AFからSRへの転換率とともに(それぞれ10%、35%、33%、35%および44%)、用量に関連するCmaxの増大が観察された(それぞれ127、199、248、400および385ng/mL)。吸入フレカイニドを用いてAFがSRへと転換した患者では、転換までの時間の中央値は、吸入の完了後3.5分であった。AFからSRへの転換は、フレカイニドについての治療範囲中のCmax(>250ng/mL)を達成した患者、およびAF中に心室レート>80bpmを有する患者においてより大きいことが示された。
【0486】
[0367]吸入フレカイニドを受ける患者におけるQRS間隔の延長は、安全であると考えられる範囲内であった。吸入フレカイニドに続き≧30ミリ秒のΔQRSmaxを有した患者は1名のみ存在し(120mg eTLD);この患者は、106ミリ秒のベースラインから136ミリ秒へのQRS期間の一過性の増大(30.5ミリ秒のΔQRSmax)を有した。ECGは左脚前枝ブロックと一致し、処置は必要とされなかった。
【0487】
[0368]患者の大部分は重症度が軽度であるAEを有し、最も多く報告されたAEは、吸入投与経路に関連し、例えば咳嗽および咽喉刺激であった。パートAにおいて処置されたすべての患者のうち、4名の患者が、同じ適応に使用されるIVフレカイニドの公知の作用と一致する、吸入フレカイニドに関連すると考えられるSAE:AFからSRへの転換後の洞停止(sinus pause/arrest)(2名の患者)、徐脈(1名の患者)ならびに1:1伝導および急速な心室性応答を伴う心房粗動(1名の患者)を経験した。すべてのSAEは、処置なしに速やかに回復した。
【0488】
[0369]改善された感覚刺激特性を有するFlecIH-103吸入溶液を用いて処置された患者は、吸入に関連するAEのより低い発生率およびより高い転換率を有するようであった。
【0489】
実施例13 代表的な製剤の知覚特性評価
[0370]この実施例は、本開示によるいくつかの代表的な製剤の知覚特性評価を説明する。
【0490】
[0371]試験された1例の製剤は、20%HPβCD、5mMアスコルビン酸および0.75mMサッカリン中に75mg/mL酢酸フレカイニドを含有する。溶液のpHは5.9である。この製剤は、酢酸ベースの製剤と比較してあまり臭気を有しない。この製剤を吸入する対象は咳をせず、これは喉に刺すような感覚を引き起こすがそのような感覚は数分で消え去ると報告した。この全体的な知覚特性は、Flec IH-103製剤(20%HPβCD、5mM酢酸、0.75mMサッカリン中75mg/mL酢酸フレカイニド)と比較してはるかに改善される。
【0491】
[0372]別の例の製剤は、20%HPβCD、5mM DL-乳酸、0.75mMサッカリン中に75mg/mL酢酸フレカイニドを含有する。溶液のpHは5.9である。この製剤も、酢酸ベースの製剤と比較してあまり臭気を有しない。この製剤を吸入する対象は、喉に刺すような感覚がなく、その全体的な感覚は上記のアスコルビン酸ベースの製剤と比較してさらに良いと報告した。
【0492】
第3の例の製剤は、20%HPβCD、5mMクエン酸、0.75mMサッカリン中に75mg/mL酢酸フレカイニドを含有する。溶液のpHは5.7である。この製剤も、酢のような臭気を有しない。この製剤を吸入する対象は、最低限の喉の不快感があるか、または不快感は数分で消失するであろうと報告した。咳嗽は観察されなかった。
【0493】
実施例14 D/L-乳酸媒体中のフレカイニドの溶解度
[0373]フレカイニドの溶解度を、D-乳酸およびL-乳酸水溶液の両方で、24時間および48時間置いた後に測定した。
【0494】
[0374]フレカイニド遊離塩基を、純水または20%w/vHPβCD中に溶液1ミリリットルあたり100mgフレカイニドで懸濁した。D-乳酸、L-乳酸またはDL-乳酸を、懸濁液に撹拌しながらゆっくりと少しずつ添加した。系を30分放置して平衡化し、pHを決定した。pHを、次に、必要な場合にはNaOHで5.2~6に調整した。NaOHの添加後、系を再び30分放置して平衡化し、その後pHを測定した。所望のpHを達成した後、懸濁液を周囲温度で48時間撹拌した(1000rpm)。撹拌の24時間および48時間で、各溶液の試料を10000rpmで2分遠心分離し、0.45μm膜で濾過して、pH決定およびHPLC分析のための上澄み液を得た。各試料からの固体も、粉末X線回折(XRPD)分析により特徴付けた。結果を表28に概説する。
【0495】
【0496】
実施例15 フレカイニドの肺送達は、心房細動転換用量を減少させ陰性変力負荷を最小化することができる
[0375]この実施例は、心房細動のブタモデルにおける、フレカイニドの肺送達または静脈内送達により創出された陰性変力負荷を調査する。
【0497】
[0376]AFの無傷のブタモデルにおいて、左室(LV)収縮性(LV dP/dt max)に対するフレカイニドの肺および静脈内(IV)投与の効果を、AFを洞調律へと転換するのに有効な用量で調査した。曲線下面積(AUC)により測定されるLV dP/dt maxの低減の規模およびこれがベースラインを下回って留まる時間を、陰性変力負荷と称する。
【0498】
[0377]11匹の閉胸麻酔ヨークシャーブタにおいて、フレカイニドを気管内投与により1.5mg/kgボーラスで送達し、2分にわたる1.0mg/kg(低用量、急速)および10分にわたる2.0mg/kg(高用量、遅い;ESCガイドライン)でのIV注入と比較した。これらのフレカイニドの用量は、AFを洞調律へと転換するのに有効であると示されている。カテーテルを、140拍/分のペーシングのために右心房中に、およびQRS群期間および収縮性(LV dP/dt)を測定するためにLV中に、蛍光透視的に配置した。気管内フレカイニドを、主気管支の分岐に配置したカテーテルにより送達した。
【0499】
[0378]ピーク血漿レベル(Cmax値)は、3つの群の間で類似した。しかし、経時的な血漿濃度のAUCは、気管内点滴(32%)またはより低い用量の急速なIV注入(88%)のいずれかよりも、より高い用量のゆっくりとしたフレカイニドのIV注入でより大きかった。
【0500】
[0379]
図26Aは、動物において観察された陰性変力負荷の概説である。LV dP/dt maxのAUCに基づくと、陰性変力負荷は、より低いIV(323%・分)または気管内用量(263%・分)よりも、より高いIV(1006%・分)で3.1~3.8倍大きかった。
【0501】
[0380]さらに、QRS群延長が対応して反比例的に増大した。LV dP/dt maxの低減(Δ%)は、QRS群の延長(Δms)と相関した(y=-1.43x-3.67、r
2=0.69、p<0.0001)(
図26B)。
【0502】
[0381]これらのデータは、肺またはIVフレカイニドの急速な送達は、AFの転換に関連するCmaxレベルを達成するのに必要とされる薬物の用量を低減することができ、心室のフレカイニドへの曝露の時間の付随する低減は、QRS群延長およびそれに伴う陰性変力負荷を減少させることができることを示唆する。
【0503】
[0382]本開示の好ましい実施形態が、本明細書に示され記載されているが、そのような実施形態は例としてのみ提示されることが当業者に明らかとなるであろう。無数の変形形態、変更および代替が、ここで本開示から逸脱することなく当業者に想到されるであろう。本開示の実施形態に対する様々な代替物が、本開示の実践において採用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本開示の範囲を画定し、それにより、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにこれらの等価物が包含されることが意図される。本明細書は以下の発明の開示を包含する。
[1]治療有効量のフレカイニドの塩を含む医薬組成物であって、60mg/mLより高い濃度の前記フレカイニドの塩を有する液体溶液の形態の医薬組成物。
[2]シクロデキストリンをさらに含む、[1]に記載の医薬組成物。
[3]前記溶液のpHが、室温で5.5より高い、[1]または[2]に記載の医薬組成物。
[4]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、[2]に記載の医薬組成物。
[5]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約15%(w/v)~約25%(w/v)である、[2]に記載の医薬組成物。
[6]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の少なくとも約10%(w/v)である、[2]に記載の医薬組成物。
[7]前記シクロデキストリンの前記濃度が、前記溶液の約20%(w/v)である、[2]に記載の医薬組成物。
[8]前記フレカイニドの塩の前記濃度が、約65mg/mL~約130mg/mLで
ある、[1]に記載の医薬組成物。
[9]前記フレカイニドの塩の前記濃度が約75mg/mLである、[1]に記載の医薬組成物。
[10]前記フレカイニドの塩が、酢酸フレカイニド、塩酸フレカイニド、クエン酸フレカイニド、リン酸フレカイニドおよび硝酸フレカイニドからなる群から選択される、[1]に記載の医薬組成物。
[11]前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、[1]~[11]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12]酸をさらに含む、[1]に記載の医薬組成物。
[13]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、[12]に記載の医薬組成物。
[14]前記医薬組成物中の前記酸の濃度が約2mM~約50mMである、[12]に記載の医薬組成物。
[15]前記酸の前記濃度が約20mMである、[12]に記載の医薬組成物。
[16]前記酸の前記濃度が約5mMである、[12]に記載の医薬組成物。
[17]前記酸が酢酸を含む、[12]に記載の医薬組成物。
[18]酢酸の濃度が約5mMである、[17]に記載の医薬組成物。
[19]前記酸がクエン酸を含む、[12]に記載の医薬組成物。
[20]クエン酸の濃度が約5mMである、[19]に記載の医薬組成物。
[21]前記酸が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、[12]に記載の医薬組成物。
[22]前記溶液の前記pHが約5.5~約6.5である、[3]に記載の医薬組成物。
[23]前記溶液の前記pHが約5.9である、[3]に記載の医薬組成物。
[24]甘味料をさらに含む、[1]に記載の医薬組成物。
[25]前記甘味料がサッカリンを含む、[24]に記載の医薬組成物。
[26]前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、[24]に記載の医薬組成物。
[27]吸入による投与のために製剤化される、[1]~[26]のいずれかに記載の医薬組成物。
[28]10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する噴霧液滴を含む噴霧溶液である、[1]~[27]のいずれかに記載の医薬組成物。
[29]約50mg~約350mgの前記フレカイニドの塩を含む、[1]~[28]のいずれかに記載の前記医薬組成物の投与単位。
[30]約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含む、[29]に記載の投与単位。
[31]約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含む、[29]に記載の投与単位。
[32]約90mgの前記フレカイニドの塩を含む、[29]に記載の投与単位。
[33]約120mgの前記フレカイニドの塩を含む、[29]に記載の投与単位。
[34]約200mgの前記フレカイニドの塩を含む、[29]に記載の投与単位。
[35][1]~[34]のいずれかに記載の前記医薬組成物または前記投与単位、および心臓の状態の処置のための前記医薬組成物の使用についての使用説明書を含む、キット。
[36]前記医薬組成物を含有する容器をさらに含む、[35]に記載のキット。
[37]前記容器が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される、[36]に記載のキット。
[38](1)(a)フレカイニドの塩、
(b)シクロデキストリン、および
(c)酸
を含む医薬組成物;
(2)前記医薬組成物を含有するレセプタクル;ならびに
(3)前記医薬組成物の用量をエアロゾルで対象に吸入投与するための噴霧器の使用についての使用説明書であって、前記用量が約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有し、前記医薬組成物の前記エアロゾルが、10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴を有する、使用説明書
を含むキットであって、
前記医薬組成物が、
(i)約65mg/mL~約95mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩、
(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロデキストリン;および
(iii)pHが室温で測定された場合に、約5.5~約6.5の前記pH
を有する液体溶液の形態である、キット。
[39][1]~[38]のいずれかに記載の前記医薬組成物および噴霧器を含むシステム。
[40]前記医薬組成物が噴霧器による投与のために製剤化され、噴霧器が、呼吸作動型ジェット噴霧器、振動メッシュ噴霧器および超音波噴霧器からなる群から選択される、[39]に記載のシステム。
[41]心臓の状態の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、[39]に記載のシステム。
[42]心房性不整脈の処置のための前記噴霧器および前記医薬組成物の使用についての使用説明書をさらに含む、[39]に記載のシステム。
[43]前記噴霧器が、前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成される、[39]に記載のシステム。
[44]前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、[39]に記載のシステム。
[45]前記噴霧器がジェット噴霧器である、[39]に記載のシステム。
[46]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約60mg~約150mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、[39]に記載のシステム。
[47]前記使用説明書が、前記医薬組成物を約75mg~約125mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書を含有する、[39]に記載のシステム。
[48]フレカイニドの塩、シクロデキストリンおよび酸を含む医薬組成物;
前記医薬組成物を10μm未満の空気動力学的中央粒子径を有する液滴として送達するように構成された噴霧器;ならびに
前記医薬組成物を約50mg~約250mgの前記フレカイニドの塩を含有する投与単位で送達するための前記噴霧器の使用についての使用説明書
を含むシステムであって、
前記医薬組成物が、(i)65mg/mL~100mg/mLの濃度の前記フレカイニドの塩;(ii)前記溶液の約10%(w/v)~約30%(w/v)の濃度の前記シクロデキストリン;および(iii)室温で約5.5~約6.5のpHを有する液体溶液の形態である、システム。
[49]心臓の状態を患う対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が60mg/mLより高い、方法。
[50]前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、[49]に記載の方法。
[51]前記溶液のpHが、前記pHが室温で測定された場合に5.5より高い、[49]または[50]に記載の方法。
[52]心臓の状態を患うヒト対象を処置する方法であって、液体溶液の形態の医薬組成物を約10分以内に吸入によって前記対象に投与するステップを含み、前記医薬組成物が治療有効量のフレカイニドの塩を含み、前記投与が、少なくとも200ng/mLである前記対象における前記フレカイニドの塩のピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、方法。
[53]前記医薬組成物中の前記フレカイニドの塩の濃度が、前記溶液の60mg/mLより高い、[52]に記載の方法。
[54]前記医薬組成物がシクロデキストリンをさらに含む、[49]、[52]または[53]に記載の方法。
[55]前記Cmaxが約250ng/mL~約1000ng/mLである、[52]に記載の方法。
[56]前記Cmaxが約300ng/mL~約700ng/mLである、[52]に記載の方法。
[57]前記医薬組成物の前記投与が約10分以内に行われる、[49]または[52]に記載の方法。
[58]前記医薬組成物の前記投与が1または2回の吸入によって行われる、[49]または[52]に記載の方法。
[59]前記医薬組成物の前記投与が、約10秒~約1分の休憩によって隔てられる2回の吸入によって行われる、[49]または[52]に記載の方法。
[60]前記医薬組成物の前記投与が約5分以内に行われる、[49]または[52]に記載の方法。
[61]前記投与が噴霧器によって行われる、[49]または[52]に記載の方法。
[62]前記噴霧器が呼吸作動型噴霧器である、[61]に記載の方法。
[63]前記噴霧器がジェット噴霧器である、[61]に記載の方法。
[64]前記噴霧器が振動メッシュ噴霧器である、[61]に記載の方法。
[65]約100mg~約250mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、[49または52]に記載の方法。
[66]約90mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、[49]または[52]に記載の方法。
[67]約120mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、[49]または[52]に記載の方法。
[68]約200mgの前記フレカイニドの塩が吸入によって前記対象に投与される、[49]または[52]に記載の方法。
[69]前記心臓の状態が心房性不整脈を含む、[49]または[52]に記載の方法。
[70]前記心房性不整脈が頻拍を含む、[49]または[52]に記載の方法。
[71]前記心房性不整脈の検出後の急性処置を含む、[49]または[52]に記載の方法。
[72]前記心臓の状態が心房細動を含む、[49]または[52]に記載の方法。
[73]前記心房細動が再発性心房細動である、[72]に記載の方法。
[74]前記心房細動が発作性心房細動である、[72]に記載の方法。
[75]前記対象が、処置時に約90mmHgより高い収縮期血圧を有する、[49]または[52]に記載の方法。
[76]前記対象が、処置時に約100mmHg~約160mmHgの収縮期血圧を有する、
[49]または[52]に記載の方法。
[77]前記対象が、処置時に170BPM以下の心室レートを有する、[49]または[52]に記載の方法。
[78]前記対象が、処置時に約80BPM~約155BPMの心室レートを有する、[49]または[52]に記載の方法。
[79](a)水;
(b)pH調整剤;
(c)フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩;および
(d)シクロデキストリン
を組み合わせるステップを含む、液体医薬組成物を調製する方法。
[80](i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、[79]に記載の方法。
[81]前記組み合わせるステップが、
(a)前記水を準備するステップ;
(b)前記水の一部を、ベッセル中で前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩、前記シクロデキストリンおよび前記pH調整剤と接触させるステップ;ならびに
(c)前記水の次の部分を前記ベッセルに添加して、前記医薬組成物をもたらすステップを含み、
(i)前記フレカイニドまたは薬学的に許容されるその塩の濃度が、前記医薬組成物中約65mg/mL~約95mg/mLであり、
(ii)前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの濃度が約10%(w/v)~約30%(w/v)であり、
(iii)前記医薬組成物の室温でのpHが約5.5~約6.5である、[79]または[80]に記載の方法。
[82]前記pH調整剤が、酢酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、硫酸イオン、マレイン酸イオン、酒石酸イオン、リン酸イオン、アコニット酸イオン、アジピン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、カプリル酸イオン、コール酸イオン、ギ酸イオン、グルタミン酸イオン、乳酸イオン、プロピオン酸イオン、ソルビン酸イオン、ステアリン酸イオンおよびコハク酸イオンからなる群から選択されるイオンを含む、[79]に記載の方法。
[83]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸、硫酸、マレイン酸、酒石酸、リン酸、アコニット酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、カプリル酸、コール酸、ギ酸、グルタミン酸、乳酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ステアリン酸およびコハク酸からなる群から選択される、[79]に記載の方法。
[84]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される、[79]に記載の方法。
[85]前記pH調整剤が、酢酸、クエン酸、硝酸、塩酸および硫酸からなる群から選択される酸の混合物を含む、[79]に記載の方法。
[86]前記医薬組成物中の前記pH調整剤の濃度が約2mM~約10mMである、[79]に記載の方法。
[87]前記pH調整剤が酢酸を含む、[79]に記載の方法。
[88]前記酢酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、[87]に記載の方法。
[89]前記pH調整剤がクエン酸を含む、[79]に記載の方法。
[90]前記クエン酸の前記医薬組成物中の前記濃度が約5mMである、[89]に記載の方法。
[91]前記シクロデキストリンがヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを含む、[79]に記載の方法。
[92]前記医薬組成物中の前記シクロデキストリンの前記濃度が、約10%(w/v)~約30%(w/v)である、[79]に記載の方法。
[93]甘味料を添加するステップをさらに含む、[79]~[92]のいずれかに記
載の方法。
[94]前記甘味料がサッカリンを含む、[93]に記載の方法。
[95]前記甘味料がサッカリンナトリウムを含む、[93]に記載の方法。
[96]前記医薬組成物中の前記甘味料の濃度が約0.001%(w/v)~約0.01%(w/v)である、[93]に記載の方法。
[97]前記薬学的に許容されるフレカイニドの塩が添加される、[79]に記載の方法。
[98]薬学的に許容される前記フレカイニドの塩が酢酸フレカイニドを含む、[97]に記載の方法。
[99]前記医薬組成物を投与単位形態で包装するステップをさらに含む、[79]に記載の方法。
[100]前記投与単位形態が、バイアル、シリンジ、カプセル、ブローフィルシール、ブリスター、カートリッジおよびアンプルからなる群から選択される容器をさらに含む、[99]に記載の方法。
医薬組成物の投与が、約250ng/mL~約1000ng/mLである対象におけるフレカイニドのピーク血漿濃度(Cmax)をもたらす、請求項1~19のいずれか1項に記載の医薬組成物。