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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022267
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】プリント回路基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/09 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
H05K1/09 C
H05K1/09 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194059
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2017131560の分割
【原出願日】2017-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2016-0096078
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ホ-シク
(72)【発明者】
【氏名】リ、ドン-クン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェ-フン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子産業の発達に伴って電子部品の高機能化、軽薄短小化への要求が急増しており、これにより、電子部品が搭載されるプリント回路基板においても高密度配線化及び薄板化が求められている。
【解決手段】プリント回路基板100は、絶縁層10と、絶縁層の内部に形成され、絶縁層に一面が露出するように形成されるバリアー層30と、絶縁層の内部に形成され、バリアー層の他面に形成される回路パターン20と、を含む。プリント回路基板100は、絶縁層10の内部に形成され、回路パターン20に電気的に接続するビア5をさらに含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の内部に形成され、前記絶縁層に一面が露出するバリアー層と、
前記絶縁層の内部に形成され、前記バリアー層の他面に形成される回路パターンと、
を含むプリント回路基板。
【請求項2】
前記バリアー層と前記回路パターンとの間に形成されるシード層をさらに含む請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記バリアー層または前記回路パターンは、複数形成され、
複数の前記回路パターン上に形成される複数の前記バリアー層のうちの一部のバリアー層が除去された請求項1または請求項2に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記バリアー層は、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、金(Au)及び銀(Ag)のうちの少なくともいずれか1種を含むか、これらの 2種以上の合金により形成される請求項1から請求項3の何れか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記バリアー層の厚さは、1nm乃至100nm範囲である請求項1から請求項4の何れか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記絶縁層上に形成され、前記バリアー層の一部が露出するように開口部を含む保護層をさらに含む請求項1から請求項5の何れか一項に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記開口部上に形成される接続部をさらに含む請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記絶縁層の内部に形成され、前記回路パターンに電気的に接続されるビアをさらに含む請求項1から請求項7の何れか一項に記載のプリント回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子産業の発達に伴って電子部品の高機能化、軽薄短小化への要求が急増しており、これにより、電子部品が搭載されるプリント回路基板においても高密度配線化及び薄板化が求められている。
【0003】
一方、プリント回路基板の薄型化のために、コア基板が除去されたコアレス回路基板が用いられている。コアレス回路基板を製造するためには、キャリアが必要となり、このキャリアは、コア基板の代わりに回路パターン等を形成するための支持部材として用いられる。
キャリアは、一面に回路パターンを形成することができ、以後絶縁層等を積層してビルドアップ層を形成した後に除去すれば、絶縁層から一面が露出した回路パターンを形成することができる。
【0004】
上記のようにすると、銅箔積層板を用いて回路パターンを形成する場合よりも微細な回路パターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第 2010-0005881号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、銅箔エッチング液から回路パターンを保護するために回路パターン上にバリアー層を形成した回路基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図2】本発明の第2実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の第3実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の第4実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の第5実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の第6実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図7】本発明の第7実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図8】本発明の第8実施例に係るプリント回路基板を概略的に示す断面図である。
図9a】本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程の一工程を概略的に示す断面図である。
図9b図9aに示す工程の次の工程を示す図である。
図9c図9bに示す工程の次の工程を示す図である。
図9d図9cに示す工程の次の工程を示す図である。
図9e図9dに示す工程の次の工程を示す図である。
図9f図9eに示す工程の次の工程を示す図である。
図9g図9fに示す工程の次の工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用した用語は、ただ特定の実施例を説明するために使用したものであり、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
本願において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、これは特に言及しない限り、他の構成要素を除外することではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0009】
また、明細書の全般において、「上に」とは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
また、「結合」とは、各構成要素の間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0010】
本明細書において、第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用され、上記構成要素が上記用語により限定されることはない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にだけに使用される。
【0011】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意で示したものであって、本発明が必ずしもそれらに限定されることはない。
以下では、本発明に係るプリント回路基板及びその製造方法の実施例を添付図面に基づいて詳細に説明し、添付図面に基づいて説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0012】
<プリント回路基板>
図1は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板100を概略的に示す断面図である。
図1を参照すると、第1実施例に係るプリント回路基板100は、絶縁層10と、回路パターン20と、バリアー層30とを含む。
【0013】
絶縁層10としては、プリプレグ(PPG)、ABF(Ajinomoto build-up film)、銅箔コーティング樹脂(RCC)、液晶ポリマー(LCP)、テフロン(登録商標)等の公知の材料を用いることができる。
【0014】
回路パターン20は、絶縁層10の内部に形成され、一面が絶縁層10の一面に露出するように形成されることができる。
【0015】
回路パターン20は、本発明の一実施例のように、微細な回路パターンを形成するために、アディティブ法(additive process)、セミアディティブ法(SAP、semi additive process)、モディファイド・セミ・アディティブ法(MSAP、modified semi additive process)を用いて形成することができ、テンティング法(tenting process)のようなサブトラックティブ法(Subtractive Process)を除外することではない。
【0016】
回路パターン20は、デタッチコア基板を使用して、デタッチコア基板が除去された絶縁層の一面から露出するエンベデッド回路パターン(embedded circuit pattern)であることができる。
【0017】
エンベデッド回路パターン(以下、回路パターンと称し、本発明において回路パターンとは、その形成方法に応じて異なって形成される回路パターンのすべてを包括する意味である)は、デタッチコア基板の一部の構成である銅箔層が除去される工程において、エッチング液により過エッチングされる問題が発生することがある。
したがって、エッチング後に絶縁層10の一面から露出する回路パターン20の一面が、絶縁層の一面と実質的に同一の平面上に形成されることが好ましいが、過エッチングにより、絶縁層10の一面よりも内側に形成されるリセス(recess)現象が発生する。
【0018】
バリアー層30は、絶縁層10の内部に形成され、絶縁層10に一面が露出するように形成されることができる。
本発明の一実施例に係るバリアー層30は、回路パターン20が銅箔エッチング液により過エッチングされることを防止するために回路パターン20上に形成されることができる。
【0019】
バリアー層30は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、金(Au)及び銀(Ag)のうちの少なくともいずれか1種を含むか、またこれらの2種以上の合金により形成することができる。
【0020】
バリアー層30は、銅箔とは異なる材料で形成されることにより、銅箔エッチング液に反応しないことになる。
バリアー層30は、銅箔エッチング液でエッチングされないため、バリアー層30の下部に形成された回路パターン20を銅箔エッチング液から保護することができる。
【0021】
バリアー層30は、回路パターン20を形成する前にデタッチコア基板に形成されることで、デタッチコア基板が除去された後にはバリアー層30の一面が上記絶縁層10の一面と実質的に同一の平面に形成されることができる。
バリアー層30の厚さは、1nm乃至100nm範囲で形成されることができるが、その範囲が制限されることはない。
【0022】
本発明の第1実施例に係るプリント回路基板100は、絶縁層10の内部に形成され、回路パターン20に電気的に接続するビア5をさらに含むことができる。説明の便宜上、1層構造のプリント回路基板のみを示したが、複数のビルドアップ層の構造を制限することはない。
【0023】
図2は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板200を概略的に示す断面図である。
図2を参照すると、第2実施例に係るプリント回路基板200は、バリアー層30と回路パターン20との間に形成されるシード層40をさらに含むことができる。
シード層40は、回路パターン20とバリアー層30との間の密着力を高めることができる。
【0024】
図3は、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板300を概略的に示す断面図である。
図3を参照すると、第3実施例に係るプリント回路基板300においては、バリアー層30がすべて除去されたことを確認することができる。
【0025】
図4は、本発明の第4実施例に係るプリント回路基板400を概略的に示す断面図である。
図4を参照すると、回路パターン20及びバリアー層30は、複数形成することができ、上記複数の回路パターン20上に形成される複数のバリアー層のうちの一部は除去されることができる。
なお、プリント回路基板は、電子素子が積層されるパッケージ基板であることができ、パッケージ基板には、電子素子との電気的な接続のためにバンプを形成することができる。
バンプに接続される回路パターン20は、バンプ間の短絡をより効果的に防止するために、バリアー層30が除去されたリセス構造を形成することができる。
【0026】
図5は、本発明の第5実施例に係るプリント回路基板500を概略的に示す断面図であり、図6は、本発明の第6実施例に係るプリント回路基板600を概略的に示す断面図であり、図7は、本発明の第7実施例に係るプリント回路基板700を概略的に示す断面図であり、図8は、本発明の第8実施例に係るプリント回路基板800を概略的に示す断面図である。
【0027】
図5から図8を参照すると、本発明の実施例に係るプリント回路基板500、600、700、800は、第1から第4実施例に係るプリント回路基板に保護層60をさらに含む。
【0028】
保護層60は、絶縁層10上に形成され、バリアー層30の一部が露出するように開口部35を含むことができる。
【0029】
開口部35には、図8に示すように、バンプ等の接続部15が形成されることができる。また、接続部15上に電子素子25を搭載することができる。
【0030】
一方、接続部15が形成される回路パターン20上には、バリアー層30が除去されることによりリセス構造を形成することができる。
リセス構造は、接続部15を収容できる空間を広げ、側面接続部15と接触することを防止することができる。
【0031】
以下では、回路パターン上にバリアー層が形成されたプリント回路基板の製造工程を図面を参照して説明する。
【0032】
<プリント回路基板の製造工程>
図9aから図9fは、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程を概略的に示す断面図である。
以下では、図9aから図9fを参照して、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程を説明する。
【0033】
図9aを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、デタッチコア基板50を準備するステップを含むことができる。
デタッチコア基板50には、コア金属層51の両面に離型金属層53、55を積層することができる。
離型金属層53と離型金属層55が分離されることによりコア金属層51を除去でき、回路パターンが形成された離型金属層55をエッチングにより除去することにより、回路パターンの形成後にデタッチコア基板50が除去されることができる。
【0034】
図9bを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、回路パターン20を形成するために、デタッチコア基板50上に感光性フィルム70を積層するステップを含むことができる。
感光性フィルム70は、露光、現像工程を経て回路パターンが形成される部分を除去することができる。感光性フィルム70を用いて露光、現像する工程は、公知の技術を用いることができる。
【0035】
感光性フィルム70の除去された部分には、バリアー層30を形成することができる。
バリアー層30は、スパッタ(sputter)工程等のメッキ工程を用いて形成することができる。
バリアー層30の厚さは、1nm~100nm範囲で形成することができ、この厚さに制限されることはない。
【0036】
図9cを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、バリアー層30上にシード層40を形成するステップを含むことができる。
シード層40は、回路パターン20とバリアー層30との間の密着力を高めるために形成される層であって、無電解銅メッキ又は電解銅メッキ工程により形成されることができる。
【0037】
図9dを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、シード層40上に回路パターン20を形成するステップを含むことができる。
回路パターン20は、セミアディティブ法により形成することができ、その形成方法は制限されない。
【0038】
図9eを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、感光性フィルム70を除去するステップを含むことができる。
図9fを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、デタッチコア基板50を除去するステップを含むことができる。
図9eを参照すると、本発明の一実施例に係るプリント回路基板の製造工程は、複数のバリアー層30のうちの一部のバリアー層30を除去するステップをさらに含むことができる。
【0039】
複数のバリアー層30のうちの一部のバリアー層30を除去するステップにおいて、一部のバリアー層30は、リセス・デプス(recess depth)を必要とする部分であって、一部のバリアー層30を選択的にエッチングするか、CZ及びOSP soft etchingによりリセス構造を形成することができる。
一部のバリアー層30を除去するステップにおいて、選択的にバリアー層をエッチングすることにより、バリアー層または回路パターンがエッチングされることを最小化することができる。
【0040】
本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、絶縁層の一面に露出する回路パターン上にバリアー層を形成して、デタッチコア基板に形成された銅箔層を除去するためのエッチング液から回路パターンを保護することができる。
また、本発明の一実施例に係るプリント回路基板は、選択的にバリアー層を除去することにより、回路パターン上に形成されるバンプ等の構造物が短絡することを防止することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載の本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加等で本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるものといえよう。
【符号の説明】
【0042】
10 絶縁層
20 回路パターン
30 バリアー層
40 シード層
100、200、300、400、500、600、700、800 プリント回路基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
図9d
図9e
図9f
図9g