(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022277
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】医療用処置具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
A61B18/18 100
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194751
(22)【出願日】2022-12-06
(62)【分割の表示】P 2021564911の分割
【原出願日】2021-03-04
(71)【出願人】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504373554
【氏名又は名称】サンエー精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(72)【発明者】
【氏名】木下 良彦
(72)【発明者】
【氏名】大平 久英
(72)【発明者】
【氏名】浅野 拓司
(72)【発明者】
【氏名】高田 正人
(72)【発明者】
【氏名】萬福 康広
(72)【発明者】
【氏名】石川 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】石関 康徳
(72)【発明者】
【氏名】荻原 麻里帆
(72)【発明者】
【氏名】松崎 正博
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 朋樹
(57)【要約】 (修正有)
【課題】従来の医療用処置具にある、マイクロ波照射スイッチの経年劣化、並びに、凝固ムラ等の様々な問題を解決する。
【解決手段】医療用処置具(100)は、マイクロ波受手用アンテナを含む第1電極(11)、絶縁体を含むマイクロ波印加用アンテナを含む第2電極(13)を含み、絶縁体はマイクロ波受手用アンテナに対向する面に設置されている。中心導体の先端及び外部導体の先端は、それぞれ、マイクロ波印加用アンテナの末端及びマイクロ波受手用アンテナの末端に直接又は間接的に接続している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波受手用アンテナを含む第1電極、
絶縁体を含むマイクロ波印加用アンテナを含む第2電極、ここで、該絶縁体はマイクロ波受手用アンテナに対向する面に設置されており、
中心導体及び外部導体を含む同軸ケーブル又はセミリジットケーブル、ここで、該中心導体の先端及び該外部導体の先端は、それぞれ、該マイクロ波印加用アンテナの末端及び該マイクロ波受手用アンテナの末端に直接又は間接的に接続しており、
マイクロ波伝送用同軸ケーブル、ここで、該マイクロ波伝送用同軸ケーブルは該同軸ケーブル又は該セミリジットケーブルに接続しており、
ホルダーカバー、ここで、該ホルダーカバーは、該マイクロ波印加用アンテナ及び該マイクロ波受手用アンテナの末端側の一部を収納しており、
ホルダー、ここで、該ホルダーは、該ホルダーカバーに収納されており、
並びに、
マイクロ波印加用アンテナに設置した1つの突起、ここで、該突起は、該ホルダーの内側に存在しかつマイクロ波受手用アンテナに対向する面に設置されており、及び、該突起は、該マイクロ波印加用アンテナのマイクロ波受手用アンテナと対向しない面に荷重が加わった場合に、該ホルダーの内側に接触するように構成されている、
を含む医療用処置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波を照射する医療用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
(マイクロ波を使用したデバイス)
マイクロ波は、消化器、肝臓、膀胱、前立腺、子宮、血管、腸管等の生体組織を低温で凝固(固定化)できることが知られている。そして、マイクロ波を用いた手術支援用の種々のデバイスが開発されている。
【0003】
(先行文献)
マイクロ波を照射する医療用処置具は多数報告されているだけでなく、市販化されている。例えば、以下が報告されている。
【0004】
特許文献1は、「マイクロ波アンテナアセンブリであって:近位端および遠位端およびそれらの間に規定される内部管腔を有する細長い冷却ジャケ ット;該細長い冷却ジャケットの少なくとも一部分内に配置され、そして内側コンダクターおよび外側コンダクターを有するらせん状マイクロ波アンテナ部材;を備え、該内側コンダクターが該外側コンダクター内に配置され、ここで、該内側コンダクターの少なくとも一部分が該外側コンダクターから遠位方向に延び、そして複数のループを形成し;ここで、該複数のループの少なくとも2つのループがそれらの間に電気的接続を形成し、そしてここで、該複数のループの少なくとも一部分がマイクロ波エネルギーを送達するような形態である、マイクロ波アンテナアセンブリ」を開示している。
【0005】
特許文献2は、「枢動点において接合された第1のブレードと第2のブレードであって、前記第1のブレードが、前記第1のブレードの第1の表面上の第1の伝導性要素を前記第1のブレードの第2の表面上の第2の伝導性要素から分離する第1の誘電材料で作製された平面体を備え、前記第2の表面が、前記第1の表面の反対方向に向いている、前記第1のブレードと前記第2のブレード;
前記第1のブレードと前記第2のブレードとの間に間隙が生じるように前記枢動点を中心に前記第1のブレードと前記第2のブレードとの間に相対的回転をもたらして、開位置と閉位置との間で切り替えるための作動手段であって、前記相対的回転が、実質的に前記ブレードの平面内にある、前記作動手段;
前記第1のブレードにRFエネルギー及びマイクロ波エネルギーを送り込むための同軸伝送線であって、第2の誘電材料によって分離された内側伝導体と外側伝導体とを有する、前記同軸伝送線を有する電気外科用切断器具であって、
前記内側伝導体及び前記外側伝導体が、前記第1のブレードの前記第1の伝導性要素及び前記第2の伝導性要素のうちの一方にそれぞれ接続され、
前記第1のブレードの前記第1の伝導性要素及び前記第2の伝導性要素が、前記同軸伝送線によって前記第1のブレードに送り込まれるRFエネルギーに対応するRF電場を前記第1のブレードの前記第1の伝導性要素と前記第2の伝導性要素との間で維持するためのアクティブ電極及びリターン電極として機能することができ、
前記第1のブレードの前記第1の伝導性要素及び前記第2の伝導性要素が、前記同軸伝送線によって前記第1のブレードに送り込まれるマイクロ波エネルギーに対応するマイクロ波電磁(EM)場を放出するためのアンテナ構造体としても機能することができる、前記電気外科用切断器具。」を開示している。
【0006】
先行特許文献は、本発明の医療器具の構成を開示又は示唆をしていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-272472
【特許文献2】特表2019-516426
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の医療用処置具は、マイクロ波照射による発熱放射、スパーク発生、絶縁体強度不足、アンテナのマイクロ波照射対象の切断困難性、マイクロ波照射の非効率性、術者の視野がアンテナにより妨げられている、切れ味、同軸ケーブルの断線発生、マイクロ波印加用アンテナと中心導体の切断発生、処置具の先端を微細な組織や腫瘍へ挿入することの困難性、左利きの術者の操作の困難性、アンテナとハンドルの接触部の剛性が弱い、絶縁体の脱落、アンテナが処置具本体からの脱落、アンテナの回転範囲が狭い、マイクロ波照射スイッチの経年劣化、並びに、凝固ムラ等の様々な問題が1以上あった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題の1以上を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明の医療用処置具の構成は上記課題の1以上を解決することを確認して、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は、以下からなる。
1 医療用処置具であって、
マイクロ波受手用アンテナを含む第1電極、
絶縁体を含むマイクロ波印加用アンテナを含む第2電極、ここで、該絶縁体はマイクロ波受手用アンテナに対向する面に設置されており、
中心導体及び外部導体を含む同軸ケーブル又はセミリジットケーブル、ここで、該中心導体の先端及び該外部導体の先端は、それぞれ、該マイクロ波印加用アンテナの末端及び該マイクロ波受手用アンテナの末端に直接又は間接的に接続しており、
マイクロ波伝送用同軸ケーブル、
ホルダーカバー、ここで、該ホルダーカバーは、該マイクロ波印加用アンテナ及び該マイクロ波受手用アンテナの末端側の一部を収納しており、並びに
マイクロ波印加用アンテナの内側突起、ここで、該突起は、該ホルダーカバーの内側に向かって伸長している、
医療用処置具。
2.前記マイクロ波印加用アンテナの刃線の先端での垂直方向の長さが、刃線の末端での垂直方向の長さに対して30%~80%であり、かつ、
前記マイクロ波受手用アンテナの峰の先端での垂直方向の長さが、峰の末端の垂直方向の長さに対して30%~80%である、
前項1に記載の医療用処置具。
3.前記マイクロ波印加用アンテナ及び前記マイクロ波受手用アンテナが閉じた状態では、該マイクロ波印加用アンテナ及び該マイクロ波受手用アンテナの末端から先端への伸長は処置具の水平伸長方向線に対して10°~20°のカーブを有し、かつ
該マイクロ波印加用アンテナ及び該マイクロ波受手用アンテナが開いた状態では、該マイクロ波受手用アンテナの末端から先端への伸長は処置具の水平伸長方向線に対して10°~40°のカーブを有する、
前項1又は2に記載の医療用処置具。
4.前記マイクロ波受手用アンテナの刃線の末端から先端への伸長は、刃線の水平伸長に対して2°~15°のR形状を有し、かつ
該マイクロ波受手用アンテナの峰の末端から先端への伸長は、峰の水平伸長に対して2 ~15°のR形状を有し、かつ
前記マイクロ波印加用アンテナの峰の末端から先端への伸長は、峰の水平伸長に対して2 ~15°のR形状を有する、
前項1~3のいずれか1に記載の医療用処置具。
5.前記マイクロ波受手用アンテナはエッジ形状を有し、ここで、該エッジ形状は、 板厚×0.2~1.5である、
前項1~4のいずれか1に記載の医療用処置具。
6.さらに、ホルダー及びアンテナカバーを有し、該ホルダーは前記ホルダーカバーに収納されており、かつ該アンテナカバーは前記マイクロ波印加用アンテナと前記同軸ケーブル又は前記セミリジットケーブルの接続部を収納する、
前項1~5のいずれか1に記載の医療用処置具。
7.前記アンテナカバーは、前記マイクロ波印加用アンテナと前記同軸ケーブルの接続部を収納するストレート部を有する、
前項1~6のいずれか1に記載の医療用処置具。
8.前記医療用処置具は、鉗子を形成するために、ハンドル1、ハンドル2、アーム1、アーム2、指掛け1、指掛け2、指環1及び指環2を有し、ここで、該指掛け1及び指環1は、それぞれ、処置具の中心線に対して、指掛け2及び指環2と実質的に対象に位置する、
前項1~7のいずれか1に記載の医療用処置具。
9.前記ホルダーカバーは、該カバーの末端側に同軸ケーブル保護部材を有し、ここで、該同軸ケーブル保護部材は、前記ハンドル1及び前記ハンドル2と前記同軸ケーブルの間に設置されている、
前項8に記載の医療用処置具。
10.前記医療用処置具は、主支持板及び補助支持板を有し、ここで、該主支持板及び該補助支持板は前記マイクロ波受手用アンテナの末端と結合し、かつ、該マイクロ波受手用アンテナの末端と該補助支持板の先端は、該主支持板の先端を挟んで結合している、
前項8又は9に記載の医療用処置具。
11.前記ハンドル2は、前記ホルダーカバーと該ハンドル2の隙間に組織が入り込まないような先端形状を有する、
前項8~10のいずれか1に記載の医療用処置具。
12.前記絶縁体の先端は凹又は凸形状でありかつ前記マイクロ波印加用アンテナの先端は凸又は凹形状である、
前項1~6のいずれか1に記載の医療用処置具。
13.前記セミリジットケーブルは先端が突起形状を有し、かつ、前記マイクロ波印加用アンテナは末端に陥没形成されたスリットである結合溝を有し、
ここで、該突起と該結合溝による結合構造を形成している、
前項1~6及び12のいずれか1に記載の医療用処置具。
14.前記医療用処置具は、前記ホルダーを貫通しかつ前記絶縁体の内側方向に向かって伸長する突起を有し、かつ該絶縁体は、該突起を収納するための突起収納溝を有し、
ここで、該突起と該突起収納溝による結合構造を形成している、
前項1~6、12及び13のいずれか1に記載の医療用処置具。
15.前記医療用処置具は、前記ホルダーを貫通しかつ処置具の上側方向に向かって伸長する突起を有し、かつ前記絶縁体は、該突起を収納するための突起収納溝を有し、
ここで、該突起と該突起収納溝による結合構造を形成している、
前項1~6及び12~14のいずれか1に記載の医療用処置具。
16.前記医療用処置具は、牽引ロッドを有し、ここで、該牽引ロッドは、該ロッドの端に処置具の内側方向に伸長するピンを有し、かつ、
前記マイクロ波受手用アンテナは、該アンテナの峰側末端の穴を有し、
ここで、該ピンは該穴に挿入されている、
前項1~6及び12~15のいずれか1に記載の医療用処置具。
17.前記医療用処置具は、シャフト、ローテーター、ハンドスイッチ、レバー及びグリップ部のいずれか1以上を含む本体カバーを有する、
前項1~6及び12~16のいずれか1に記載の医療用処置具。
18.前記医療用処置具は、前記ローテーター、該ローテーターの内部を貫通しているシャフト、前記本体カバー、該本体カバーに収納されているセミリジットケーブル回転用コネクタ及び同軸ケーブル回転用コネクタを有し、
ここで、前記セミリジットケーブル及び前記同軸ケーブルは、それぞれ、該セミリジットケーブル回転用コネクタ及び該同軸ケーブル回転用コネクタを介して結合している、
前項17に記載の医療用処置具。
19.前記医療用処置具は、ハンドスイッチ、前記本体カバー、該本体カバーに収納されたハンドスイッチの動力を受け取るマイクロ波照射基板及び該本体カバーに収納されたスイッチカバーを有し、
ここで、該スイッチカバーは該ハンドスイッチと該マイクロ波照射基板の間に位置する、
前項17に記載の医療用処置具。
20.前記ホルダーカバーは、該カバー末端側の形状がテーパー形状である、
前項1~6及び12~19のいずれか1に記載の医療用処置具。
21.前記シャフトは、1以上又は複数のツメ形状部を有し、かつ、前記ホルダーカバーは、該ツメ形状部を収納する1以上又は複数の貫通孔を有し、
ここで、該ツメ形状部は該貫通孔に挿入されている、
前項1~6及び12~20のいずれか1に記載の医療用処置具。
【発明の効果】
【0011】
本発明の医療用処置具は、以下のいずれか1以上の効果を有する。
(1)マイクロ波照射による発熱放射の抑制。
(2)絶縁体強度向上。
(3)アンテナのマイクロ波照射対象組織への挿入が容易。
(4)アンテナのマイクロ波照射対象組織の切断向上。
(5)効率的なマイクロ波照射。
(6)術者の視野向上。
(7)アンテナのマイクロ波照射対象組織の切れ味向上。
(8)処置具の先端を微細な組織や腫瘍へ挿入することが容易。
(9)凝固ムラがない。
(10)スパーク発生の抑制。
本発明のハンドルを有する医療用処置具(100)は、上記(1)~(10)のいずれか1以上に加えて、さらに以下のいずれか1以上の効果を有する。
(11)同軸ケーブルの断線防止効果。
(12)右左利きのどちらでも操作が容易。
(13)アンテナとハンドルの接触部の剛性及びハンドルの剛性の向上。
本発明のレバーを有する医療用処置具(200)は、上記(1)~(10)のいずれか1以上に加えて、さらに以下のいずれか1以上の効果を有する。
(14)絶縁体のマイクロ波印加用アンテナからの脱落防止。
(15)マイクロ波印加用アンテナと中心導体の切断防止効果。
(16)2つのアンテナの強度を維持しながらアンテナが処置具本体から抜けるのを防止。
(17)アンテナを360°回転できる。
(18)マイクロ波照射スイッチの経年劣化防止。
(19)ホルダーカバーの脱落防止。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】ハンドルを有する医療用処置具(100)の全体図
【
図2】レバーを有する医療用処置具(200)の全体図
【
図3】医療用処置具(100)のマイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)の説明図
【
図4】医療用処置具(200)のマイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)の説明図
【
図5】医療用処置具(100)のアンテナの形状図(上面図はアンテナが開いた状態を示す、下面図はアンテナが閉じた状態を示す)
【
図6】医療用処置具(200)のアンテナの形状図(上面図はアンテナが開いた状態を示す、下面図はアンテナが閉じた状態を示す)
【
図7】医療用処置具(100)のアンテナのR形状図
【
図8】医療用処置具(200)のアンテナのR形状図
【
図9】医療用処置具(100)の同軸ケーブル(17)、ホルダーカバー(19)、ホルダー(22)、アンテナカバー(114)、アンテナカバーのストレート部(101)の断面図
【
図10】医療用処置具(200)のホルダーカバー(19)、ホルダー(22)及びセミリジットケーブル(206)の断面図
【
図11】医療用処置具(100)のアンテナのカーブ形状の説明図
【
図12】医療用処置具(200)のアンテナのカーブ形状の説明図
【
図13】マイクロ波受手用アンテナ(10)のエッジ形状の説明図
【
図14】医療用処置具(100)の対象構造の説明図
【
図15】医療用処置具(100)の同軸ケーブル保護部材(110)の説明図
【
図16】医療用処置具(100)のホルダーカバーとハンドルとの接触部の説明図(上面図はアンテナが開いた状態を示す、下面図はアンテナが閉じた状態を示す)
【
図17】医療用処置具(200)の絶縁体(14)を含むマイクロ波印加用アンテナ(12)の構造の説明図
【
図18】医療用処置具(200)のセミリジットケーブル(206)の構造の説明図
【
図19】医療用処置具(200)におけるマイクロ波受手用アンテナ(10)とマイクロ波印加用アンテナ(12)の固定の説明図
【
図20】医療用処置具(200)におけるマイクロ波受手用アンテナ(10)の開閉操作
【
図21】医療用処置具(200)におけるアンテナの360°回転の説明図
【
図22】医療用処置具(200)のスイッチカバー(215)の説明図
【
図23】医療用処置具(100)のマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端の構造の説明図
【
図24】医療用処置具(100)のマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端の構造の説明のための拡大図
【
図25】医療用処置具(100)を使用した凝固結果
【0013】
以下、本発明について図面を参照して説明するが、本発明は図面に記載された医療用処置に限定されるものではない。
【0014】
(医療用処置具)
本発明の医療用処置具(1)は、マイクロ波を組織に照射することが可能なマイクロ波照射器具(特に、マイクロ波照射手術器具)に関し(参照:
図1~24)、主に以下の2つの医療用処置具の構成を含む。
A:ハンドルを有する医療用処置具(100)(参照:
図1)
B:レバーを有する医療用処置具(200)(参照:
図2)
【0015】
(医療用処置具(100)(200)の共通する構成)
本発明の医療用処置具(1)は、少なくとも以下の構成を含む。
マイクロ波受手用アンテナ(10)を含む第1電極(11)。
絶縁体(14)を含むマイクロ波印加用アンテナ(12)を含む第2電極(13)。絶縁体(14)はマイクロ波受手用アンテナ(12)に対向する面に設置されている。
中心導体及び外部導体を含む同軸ケーブル(17)又はセミリジットケーブル(206)。
中心導体の先端及び 外部導体の先端は、それぞれ、マイクロ波印加用アンテナ(12)の末端及びマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端に直接又は間接的に接続している。
マイクロ波伝送用同軸ケーブル(18)。
ホルダーカバー(19)。ホルダーカバー(19)は、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端側の一部を収納している。
マイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)。マイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)はホルダーカバー(19)の内側に向かって伸長している。
なお、本発明の医療用処置具(1)の先端方向は、
図2及び
図3に記載の矢尻の伸長方向(矢印g)を意味する。また、電極の末端側はホルダーカバー側を意味する。
【0016】
マイクロ波伝送用同軸ケーブル(18)は直接又は間接的にコネクタ(21)と連結している。医療用処置具(1)は、コネクタ(21)を介して、マイクロ波が供給される。
【0017】
(ホルダーカバー)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、ホルダーカバー(19)は、マイクロ波照射による発熱放射を防ぐ(参照:
図1、2)。これにより、本発明の医療用処置具(100)(200)は、マイクロ波照射対象ではない生体組織の熱損傷を防ぐことができる。
ホルダーカバー(19)の材質は、マイクロ波照射による発熱放射を防ぐことができれば特に限定されないが、例えば、樹脂素材、特に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等を例示することができる。
【0018】
(マイクロ波印加用アンテナの内側突起)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、マイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)は、
図3及び
図4に記載のように、ホルダーカバー(19)に格納されているホルダー(22)の内側(矢印a)に向かって伸長している。マイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)の材質は、特に限定されないが、セラミック、樹脂素材(特に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、ステンレス等を例示することができる。
マイクロ波印加用アンテナの内側突起(20)の先端は、荷重方向(矢印b)からの荷重があった場合に、ホルダー(22)の内側に接触し、該突起を支点として荷重がかかる。これにより、絶縁体(14)の強度を向上させることができる。
【0019】
(アンテナ全体の形状)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、マイクロ波印加用アンテナ(12)の刃線の先端での垂直方向の長さ(矢印c)が、刃線の末端での垂直方向の長さ(矢印d)に対して30%~80%であることが好ましい(参照:
図5、
図6)。
マイクロ波受手用アンテナ(10)の峰の先端での垂直方向の長さ(矢印e)が、峰の末端の垂直方向の長さ(矢印f)に対して30%~80%であることが好ましい(参照:
図5、
図6)。
このように両アンテナ全体の形状が先端に向けてシャープになっていくので、マイクロ波加熱及び生体組織・癒着の剥離の際、組織への挿入が容易となる。
【0020】
本発明の医療用処置具(100)に関し、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)が閉じた状態では、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端から先端への伸長(参照:線g)は処置具の水平伸長方向線(参照:線h)に対して10°~20°のカーブ(cu1)を有する(参照:
図11)。加えて、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)が開いた状態では、マイクロ波受手用アンテナ(10)の末端から先端への伸長は処置具の水平伸長方向線に対して10°~30°のカーブを有する。
本発明の医療用処置具(200)に関し、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)が閉じた状態では、マイクロ波印加用アンテナ(12)及びマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端から先端への伸長(参照:線g)は処置具の水平伸長方向線(参照:線h)に対して10°~20°のカーブ(cu1)を有する(参照:
図12)。加えて、マイクロ波受手用アンテナ(10)が開いた状態では、マイクロ波受手用アンテナ(10)の末端から先端への伸長は処置具の水平伸長方向線に対して20°~40°のカーブを有する。
上記カーブにより、両アンテナが術者の視野(マイクロ照射対象組織の視野)を見やすくする効果を有する。
さらに、上記開いた状態と閉めた状態でのカーブの範囲が異なる(マイクロ波受手用アンテナのカーブをマイクロ波印加用アンテナのカーブより強くする)ことにより、マイクロ波受手用アンテナを閉じる際に、徐々にマイクロ波印加用アンテナのカーブがマイクロ波印加用アンテナに沿うように変形することで、絶縁体(14)を含むマイクロ波印加用アンテナ(12)とマイクロ波受手用アンテナがハサミとして機能する。
【0021】
(アンテナのR形状)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、マイクロ波受手用アンテナ(10)の刃線の末端から先端への伸長(線i)は、刃線の水平伸長(線j)に対して2°~15°のR形状(R1)を有する(参照:
図7、
図8)。このR1形状は、「潰し切るような切断」を改善することに効果がある。
同様に、マイクロ波受手用アンテナ(10)の峰の末端から先端への伸長(線k)は、峰の水平伸長(線l)に対して2°~15°のR形状(R2)を有する。同様に、マイクロ波印加用アンテナ(12)の峰の末端から先端への伸長(線m)は、峰の水平伸長(線n)に対して2°~15°のR形状(R3)を有する。
これらのR2、R3形状は、「マイクロ波照射対象組織を傷つけることなくスムーズに該組織に挿入する」に効果がある。
これらのR1、R2及びR3形状を有するアンテナは、R形状を有しないアンテナと比較して、潰し切るような切断にはなく、さらに、マイクロ波照射対象組織を傷つけることなくスムーズに該組織に挿入することでる。
すなわち、マイクロ波受手用アンテナのR形状はマイクロ波照射対象組織の切断向上効果を有する。
【0022】
(マイクロ波受手用アンテナのエッジ形状)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、マイクロ波受手用アンテナ(10)は
図13に記載のようなエッジ形状を有する。エッジ形状を示すt は、 板厚(T)×0.2~1.5の範囲内である。
マイクロ波受手用アンテナ(10)のエッジ形状は、
図13に記載のようなエッジ形状を有しないアンテナと比較して、切れ味が向上している。
【0023】
(マイクロ波印加用アンテナと同軸ケーブル又はセミリジットケーブルの接続部のホルダー)
本発明の医療用処置具(100)(200)に関し、
図9及び
図10に記載のように、ホルダーカバー(19)は、ホルダー(22)を収納している。
ホルダー(22)の材質は、特に、限定されないが、ステンレス鋼材を例示することができる。ホルダー(22)は、マイクロ波がマイクロ波受手用アンテナ(10)以外に飛ぶことを防ぐことができる。これにより、ホルダー(22)は、マイクロ波を効率的にマイクロ波受手用アンテナ(10)に飛ばすことができる。
アンテナカバー(114)は、マイクロ波印加用アンテナと同軸ケーブルの接続部を収納する。
さらに、本発明の医療用処置具(100)に関し、アンテナカバー(114)は、マイクロ波印加用アンテナと同軸ケーブルの接続部を収納するストレート部(101)を有する。ストレート部(101)は、末端側から該接続部を収納できる中空構造(中空管)であり、一定の軸の長さ(例えば、5 mm)を有することにより、マイクロ波印加用アンテナが実質的に同軸ケーブルとストレートに接続(勘合)することができるので、同軸ケーブルの中心導体の座屈折れを防止することができる。加えて、アンテナカバー(114)の材質は、特に、限定されないが、絶縁体の樹脂(特に、PEEK樹脂)を例示することができる。
【0024】
(医療用処置具(100)の構造)
本発明の医療用処置具(100)は、
図14に記載のように、さらに必要に応じて、ハンドル1(102)、ハンドル2(103)、アーム1(104)、アーム2(105)、指掛け1(106)、指掛け2(107)、指環1(108)及び指環2(109)を有する。
指掛け1(106)及び指環1(108)は、それぞれ、処置具の中心線(線o)に対して、指掛け2(107)及び指環2(109)と実質的に対象である。これにより、術者が右左利きのどちらでも本発明の医療用処置具(100)を容易に操作することができる。
ハンドル、アーム、指掛け及び指環の材質は、特に限定されないが、ポリカーボネート(特に、ガラス繊維入りポリカーボネート)を例示することができる。
【0025】
(医療用処置具(100)の同軸ケーブル保護部材)
本発明の医療用処置具(100)は、
図15に記載のように、ホルダーカバー(19)の末端側に同軸ケーブル保護部材(110)を有する。同軸ケーブル保護部材(110)は、ハンドル1(102)及びハンドル2(103)が同軸ケーブル(17)に接触するのを防ぐために、ハンドル1(102)及びハンドル2(103)と同軸ケーブル(17)の間に設置されている。同軸ケーブル保護部材(110)が、該位置に設置されていることにより、同軸ケーブル(17)を保護する。さらに、同軸ケーブル保護部材(110)がハンドル1(102)及びハンドル2(103)と重なり合うことにより、医療用処置具(100)の全体の剛性(特に、ホルダーカバー(19)若しくはアンテナとハンドル1(102)及びハンドル2(103)の接触部の剛性)を向上させている。
保護部材の材質は、マイクロ波照射による発熱放射を防ぐことができれば特に限定されないが、例えば、樹脂素材、特に、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等を例示することができる。
【0026】
(医療用処置具(100)のマイクロ波受手用アンテナ(10)の構造)
本発明の医療用処置具(100)のマイクロ波受手用アンテナ(10)の末端は、好ましくは、
図23に記載のように、主支持板(112)及び補助支持板(113)と結合している。また、主支持板(112)は、ヘミング曲げ等により、複数の板で構成されていても良い。より具体的には、マイクロ波受手用アンテナ(10)の末端と補助支持板(113)の先端は、主支持板(112)の先端を挟んで結合している。結合方法の一例として、
図24に記載のように、複数の箇所(r)をスポット溶接をする。
マイクロ波受手用アンテナ(10)の末端が、主支持板(112)及び補助支持板(113)の先端と結合することにより、アンテナとハンドルの接触部の剛性及びハンドルの剛性の向上させることができる。
主支持板及び補助支持板の材質は、特に限定されないが、ステンレス鋼(SUS304)を例示することができる。
【0027】
(医療用処置具(100)のホルダーカバーとハンドルの接触部)
本発明の医療用処置具(100)に関し、
図16に記載のように、ハンドル1(102)及び/又はハンドル2(103)の操作により、ハンドル2(103)の先端部が移動しても、ハンドル2(103)は、該カバーとハンドル2(103)の先端部の隙間に組織が入り込まないような先端形状(111)を有する。
【0028】
(医療用処置具(200)の構造)
本発明の医療用処置具(200)は、
図2に記載のように、さらに必要に応じて、シャフト(201)、ローテーター(202)、ハンドスイッチ(203)、レバー(204)及びグリップ部(205)を含む本体カバー(213)を有する。レバー(204)は、揺動自在に取り付けられており、該揺動の動きは、自体公知のスライダクランク機構により、後に説明するピンを有する牽引ロッド(207)の前後の動きに変換される。
また、ローテーター(202)は、後に説明するように、シャフト(201)と共に360°回転できる機構になっている。
【0029】
(医療用処置具(200)の絶縁体(14)を含むマイクロ波印加用アンテナ(12)の構造)
医療用処置具(200)に関し、
図17に記載のように、絶縁体(14)の先端は凹又は凸形状でありかつマイクロ波印加用アンテナ(12)の先端は凸又は凹形状であることが好ましい。絶縁体(14)とマイクロ波印加用アンテナ(12)は凹凸結合している。これにより、絶縁体(14)は、マイクロ波印加用アンテナ(12)からは脱落することを抑制している。
【0030】
(医療用処置具(200)のセミリジットケーブル(206)の構造)
本発明の医療用処置具(200)は、
図18に記載のように、先端(中心導体)が突起形状を有するセミリジットケーブル(206)及び末端に陥没形成されたスリットを有するセミリジットケーブル結合溝を有するマイクロ波印加用アンテナ(12)であることが好ましい。該突起と該結合溝による結合構造(嵌合構造、接続構造)により、マイクロ波印加用アンテナ(12)と中心導体の結合を安定的に接続させることができるので、セミリジットケーブル(206)とマイクロ波印加用アンテナ(12)の切断(結合解除)を防ぐことができる。
【0031】
(医療用処置具(200)におけるマイクロ波受手用アンテナ(10)とマイクロ波印加用アンテナ(12)の固定)
図19に記載のように、本発明の医療用処置具(200)は、ホルダー(22)を貫通しかつ絶縁体(14)の内側方向に向かって伸長する突起(例えば、ピン)である「絶縁体(14)内側面に向かって伸長する突起(208)」を有する。絶縁体(14)は、該突起を収納するための突起収納溝(例えば、凹み形状)である「絶縁体(14)内側面の突起収納溝(209)」を有する。該突起が該収納溝に収納されることは、マイクロ波受手用アンテナ(10)に穴形状を形成しないことにより、マイクロ波受手用アンテナの強度を維持することができる。
さらに、
図19に記載のように、本発明の医療用処置具(200)は、ホルダー(22)を貫通しかつ本処置具の上側方向に向かって伸長する突起(例えば、ピン)である「絶縁体に向かって伸長する突起(210)」を有する。絶縁体(14)は、該突起を収納するための突起収納溝(例えば、凹み形状)である「絶縁体の突起収納溝(211)」を有する。該突起が該収納溝に収納されることは、マイクロ波受手用アンテナに穴形状を形成しないことにより、マイクロ波受手用アンテナの強度を維持することができる。
本発明の医療用処置具(200)は、異なる方向の2つの突起と2つの該突起の収納溝の結合によりマイクロ波受手用アンテナ(10)と絶縁体(14)を固定している。これにより、2つのアンテナ(特に、マイクロ波印加用アンテナ(12))の強度を維持しながら2つのアンテナの抜けとめ防止を達成することができる。
突起(ピン)の材質は、特に限定されないが、ステンレス鋼(SUS304)を例示することができる。
【0032】
(医療用処置具(200)におけるマイクロ波受手用アンテナ(10)の開閉操作)
本発明の医療用処置具(200)は、
図20に記載のように、先端に本処置具の内側方向に伸長するピン(216)を有する牽引ロッド(207)(材質は、例えば金属)を有し、かつ、マイクロ波受手用アンテナ(10)の峰側末端の穴である「マイクロ波受手用アンテナ峰側末端の穴(212)」を有する。該ピンは該穴に挿入されている。
図20に記載のように、牽引ロッド(207)が本処置具の末端方向に移動することにより(参照:矢印p)、牽引ロッド(207)のピン(216)が同様に末端方向(参照:矢印p)に移動し、マイクロ波受手用アンテナ末端の突起(208)が支点となり、マイクロ波受手用アンテナ(10)の回転動作へ変更される(参照:矢印q)。具体的には、牽引ロッド(207)が本処置具の末端方向に移動することによりマイクロ波受手用アンテナ(10)が閉まり、該ロッドが本処置具の伸長方向に移動することによりマイクロ波受手用アンテナ(10)が開く。
本発明の医療用処置具(200)は、上記のマイクロ波受手用アンテナ(10)の開閉操作機構を採用することにより、ホルダーカバー(19)全体のスリム化を達成している。ホルダーカバー(19)全体のスリム化は、医療用処置具(1)の先端を細くすることができるので、該処置具の先端を微細な組織や腫瘍へ挿入することを容易にしている。
【0033】
(医療用処置具(200)におけるアンテナの360°回転)
本発明の医療用処置具(200)は、
図21に記載のように、ローテーター(202)、該ローテーターの内部を貫通しているシャフト(201)、本体カバー(213)、該本体カバーに収納されているセミリジットケーブル回転用コネクタ(218)及び同軸ケーブル回転用コネクタ(217)を有しても良い。
セミリジットケーブル(206)及び同軸ケーブル(17)は、それぞれ、セミリジットケーブル回転用コネクタ(218)及び同軸ケーブル回転用コネクタ(217)を介して結合している。
両コネクタにより、ローテーター(202)を回転することによりシャフト(201)が360°回転して、アンテナも360°回転することができる。
【0034】
(医療用処置具(200)のスイッチカバー(215))
本発明の医療用処置具(200)は、
図22に記載のように、ハンドスイッチ(203)、本体カバー(213)、該本体カバーに収納されたハンドスイッチの動力を受け取るマイクロ波照射基板(214)、及び該本体カバーに収納されたスイッチカバー(215)を有しても良い。スイッチカバーを(215)の材質は特に限定されないが、エラストマー等を例示することができる。加えて、スイッチカバー(215)はハンドスイッチ(203)とマイクロ波照射基板(214)の間に位置する。ハンドスイッチ(203)は直接マイクロ波照射基板(214)に接触しない。スイッチカバー(215)は、マイクロ波照射基板(214)の防水・防静電気効果となり、マイクロ波照射基板(214)の経年劣化防止となる。
【0035】
(医療用処置具(200)のホルダーカバー(19)の構造)
本発明の医療用処置具(200)のホルダーカバー(19)は、必要に応じて、
図17に記載のように、末端側の形状がテーパー形状(219)であっても良い。該テーパー形状は、ホルダーカバー(19)が伸長方向に抜けるのを防ぐことができ、さらに、末端方向から容易に取り外することができる。
さらに、シャフト(201)は、
図10に例示されるように、1以上又は複数のツメ形状部(220)を有しても良い。さらに、ホルダーカバー(19)は、
図17に記載のように、該ツメ形状部を収納する1以上又は複数の貫通孔(221)を有しても良い。該ツメ形状部が該貫通孔に挿入することにより、ホルダーカバー(19)の脱落を防止することができる。
【実施例0036】
(医療用処置具(100)の使用)
本発明者らは、
図1に記載の医療用処置具(100)を使用して豚肝臓組織を凝固し、凝固面を確認した。
図1に記載の医療用処置具(100)を使用した場合には、
図25(A)に記載のように、均等に凝固を行えたことを確認した。一方、従来の医療用処置具を使用した場合には、
図25(B)に記載のように、凝固の中心に凝固が弱い部分があり凝固ムラを確認した。
さらに、スパーク発生を確認しなかった。