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特開2023-22313マイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022313
(43)【公開日】2023-02-14
(54)【発明の名称】マイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20230207BHJP
【FI】
H01L33/48
【審査請求】有
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196999
(22)【出願日】2022-12-09
(62)【分割の表示】P 2020526218の分割
【原出願日】2018-04-28
(31)【優先権主張番号】201810229801.3
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519210686
【氏名又は名称】廈門三安光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SAN’AN OPTOELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 841-899, Min’an Avenue, Hongtang Town, Tong’an District Fujian 361100 China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】丁 ▲紹▼▲いん▼
(72)【発明者】
【氏名】范 俊峰
(72)【発明者】
【氏名】李 佳恩
(72)【発明者】
【氏名】徐 宸科
(57)【要約】
【課題】マイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法を提供する。
【解決手段】本発明が開示するマイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法において、マイクロ発光デバイスは、若干のマイクロ発光ダイオードと、マイクロ発光ダイオードを収容する凹槽を有するベースフレームと、マイクロ発光ダイオードとベースフレームとを連接するためのブリッジアームと、を含み、若干は、1以上であり、マイクロ発光ダイオードのベースフレーム側の上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有し、これにより、転写を行う過程において、転写膜がブリッジアーム140を圧折ってマイクロ発光ダイオードを転写しやすい問題点を解決し、マイクロ発光ダイオードの転写の成功率が向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹槽を有するベースフレームによって支持されることに適し、且つ、転写手段に接触し且つ前記転写手段によって前記ベースフレームから転写されることに適するマイクロ発光ダイオードであって、
前記ベースフレームの前記凹槽に収容されるように構成されている半導体エピタキシャル層と、
前記半導体エピタキシャル層上に配置されており、前記ベースフレームが前記マイクロ発光ダイオードを支持できるようにするために前記半導体エピタキシャル層と前記ベースフレームとを相互接続するように構成されている少なくとも1つのブリッジアームと、
前記半導体エピタキシャル層及び前記ブリッジアームの少なくとも一方に配置され、該少なくとも一方から突出して転写手段と接触できるように構成されている突起と、を備え、
前記突起は、前記半導体エピタキシャル層から離れるように延び、前記ブリッジアームよりも前記半導体エピタキシャル層から遠い端部が末端となっていて、
前記マイクロ発光ダイオードは、前記突起で前記転写手段に接触するように構成されている
ことを特徴とするマイクロ発光ダイオード。
【請求項2】
前記半導体エピタキシャル層は、前記ベースフレームの前記凹槽から離れる方向に向かうように構成されている上表面を有し、
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起は、前記半導体エピタキシャル層の前記上表面に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項3】
前記突起の高さは、0.5μm~5μmの範囲にある
ことを特徴とする 請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項4】
前記突起の材料は、前記半導体エピタキシャル層のうちの少なくとも1層の成分と同じである
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項5】
前記突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料、反射材料又はこれらの組み合わせを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項6】
前記突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含む
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項7】
前記突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体である
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項8】
フリップ構造の発光ダイオードである
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項9】
2μm~100μmの範囲にある幅を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項10】
2μm~100μmの範囲にある長さを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項11】
前記転写手段は、転写膜である
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ発光ダイオード。
【請求項12】
転写手段に接触することに適するマイクロ発光デバイスであって、
凹槽を有するベースフレームと、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードと、を備え、
前記マイクロ発光ダイオードは、
前記ベースフレームの前記凹槽に収容される半導体エピタキシャル層と、
前記半導体エピタキシャル層上に配置されており、前記ベースフレームが前記マイクロ発光ダイオードを支持できるように前記半導体エピタキシャル層と前記ベースフレームとを相互接続する少なくとも1つのブリッジアームと、
前記半導体エピタキシャル層及び前記ブリッジアームの少なくとも一方に配置され、該少なくとも一方から突出して転写手段と接触できるように構成されている突起と、を備え、
前記突起は、前記半導体エピタキシャル層から離れて延び、前記ブリッジアームよりも前記半導体エピタキシャル層から遠い端部が末端となっていて、
前記マイクロ発光ダイオードは、前記突起で前記転写手段に接触するように構成されており、且つ、前記転写手段に接触し且つ前記転写手段によって前記ベースフレームから転写されるように構成されている
ことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項13】
前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層は、前記ベースフレームの前記凹槽から離れる方向に向かう上表面を有し、
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起は、前記半導体エピタキシャル層の前記上表面に配置されている
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項14】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起は、前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層と比較して、前記ベースフレームの前記凹槽から離れて配置されている
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項15】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起の高さは、0.5μm~5μmの範囲にある
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項16】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起の材料は、前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層のうちの少なくとも1層の成分と同じである
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項17】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料、反射材料又はこれらの組み合わせを含む
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項18】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含む
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項19】
マトリクス配列されている複数の前記マイクロ発光ダイオードを有し、
前記ベースフレームは、前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層をそれぞれ収容するための複数の前記凹槽を有する
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項20】
前記マイクロ発光ダイオードは、2μm~100μmの範囲にある幅を有する
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項21】
前記マイクロ発光ダイオードは、2μm~100μmの範囲にある長さを有する
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項22】
前記ベースフレームは、基板と、前記基板上に配置され、前記凹槽を画定する接着層と、を含み、
前記マイクロ発光ダイオードの前記ブリッジアームは、前記ベースフレームの前記接着層が前記マイクロ発光ダイオードを支持できるように、前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層と前記ベースフレームの前記接着層とを相互接続している
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項23】
前記ベースフレームの前記接着層の材料は、BCB接着剤、シリコーン、紫外線硬化樹脂又は樹脂である
ことを特徴とする請求項22に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項24】
前記マイクロ発光ダイオードの前記ブリッジアームの材料は、誘電体、金属又は半導体材料であることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項25】
前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層は、前記ベースフレームの前記凹槽から離れる方向に向かう上表面と、前記上表面と反対側にある段差状の下表面と、を有し、
前記マイクロ発光ダイオードは、前記半導体エピタキシャル層の前記段差状の下表面に配置される第1の電極及び第2の電極を更に含む。
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項26】
前記マイクロ発光ダイオードは、フリップ構造の発光ダイオードである
ことを特徴とする請求項12に記載のことを特徴とするマイクロ発光デバイス。
【請求項27】
複数の前記マイクロ発光ダイオードを含み、
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起は、高さが異なる
ことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項28】
異なる前記マイクロ発光ダイオードは、異なる寸法、異なる形状、異なる波長、異なる輝度又は異なる色温度を有する
ことを特徴とする請求項27に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項29】
前記マイクロ発光ダイオードの前記半導体エピタキシャル層と前記ベースフレームとの間に且つ前記ベースフレームの前記凹槽内に配置される犠牲材料を更に含む
ことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項30】
前記マイクロ発光ダイオードの前記突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体であることを特徴とする請求項12に記載のマイクロ発光デバイス。
【請求項31】
前記転写手段は、転写膜である
ことを特徴とする請求項12に記載のマイクロ発光デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造分野に関し、具体的にはマイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ型LED(mLED)は現在鋭意研究されている次世代のディスプレイ光源である。それは低消費電力、高輝度、超高解像度及び超高彩度、応答速度の速さ、低消費電力、長寿命などの長所を有する。他に、電力消費量は約LCDの10%、OLEDの50%である。同じく自発光のOLEDと比べると、輝度が30倍高く、且つ、解像度は1500PPI(ピクセル密度)に達する。mLEDはその長所により、現在のOLEDとLCDとを取って代わる可能性がある。現在、数多くの技術課題を克服する必要があるため、mLEDは量産できない。その内の1つの重要の技術課題は如何に転写の成功率を上げるかである。
【0003】
図1に参照し、現在のマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードに対して転写を行う過程において、マイクロ発光デバイスは通常、マイクロ発光ダイオード110、凹槽120、基板131と接着層132とにより構成されたベースフレーム130と、ブリッジアーム140と、を有する。マイクロ発光ダイオードは第1の電極111と、第2の電極112と、半導体エピタキシャル層113とを含む。マイクロ発光ダイオード110はサイズが微小のため、転写膜200に対する精度要求が高く、例えば、転写を行う過程において、転写膜200が圧力を受けて凹むこと、又は転写膜200の精度不良などの原因で、転写膜200がマイクロ発光デバイスのブリッジアーム140を押圧して、例えば図中の破線枠に示されるようにブリッジアーム140が破損又は断裂し、マイクロ発光ダイオード110がベースフレーム130の凹槽120から外れるなどの異常状況が生じて、転写の成功率が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、背景技術の問題点に対して有効な解決方案を提案し、該方案により、高成功率のマイクロ発光デバイスの転写を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、若干のマイクロ発光ダイオードと、マイクロ発光ダイオードを収容する凹槽を有するベースフレームと、マイクロ発光ダイオードとベースフレームとを連接するためのブリッジアームと、を含み、ブリッジアームは、マイクロ発光ダイオードの上表面に位置し、若干は、1以上であり、マイクロ発光ダイオードの上表面にブリッジアームより高い突起を有し、即ち、突起の頂部が位置する水平面は、ブリッジアームの最高点が位置する水平面より高く、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するマイクロ発光デバイスを提供する。
【0006】
本発明によると、突起の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにあることが好ましい。
【0007】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、半導体エピタキシャル層を含み、突起の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層のうちの1つの成分と同じであることが好ましい。
【0008】
本発明によると、突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0009】
本発明によると、突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0010】
本発明によると、マイクロ発光デバイスは、マトリクス排列されているマイクロ発光ダイオードを有することが好ましい。
【0011】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有することが好ましい。
【0012】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有することが好ましい。
【0013】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することが好ましい。
【0014】
本発明によると、ベースフレームは、基板と、接着層とを含むことが好ましい。
【0015】
本発明によると、接着層の材料は、BCB接着剤、シリコーン、紫外線硬化樹脂又は樹脂であることが好ましい。
【0016】
本発明によると、ブリッジアームの材料は、誘電体、金属又は半導体材料であることが好ましい。
【0017】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードの下表面に、第1の電極と第2の電極とを有することが好ましい。
【0018】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、フリップ構造であることが好ましい。
【0019】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、転写膜で転写することによりベースフレームと分離することが好ましい。
【0020】
本発明によると、転写膜の材料は、PDMSジメチルポリシロキサン、シリコーン、熱剥離接着剤又は紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
【0021】
一部の実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有することが好ましい。
【0022】
これらの実施例によると、高さが異なる突起の下方には、異なるマイクロ発光ダイオードがあることが好ましい。
【0023】
これらの実施例によると、異なるマイクロ発光ダイオードは、異なる寸法、異なる形状、異なる波長、異なる輝度又は異なる色温度を有することが好ましい。
【0024】
一部の実施例において、マイクロ発光ダイオードと凹槽の間に、犠牲材料を有し、少なくとも特定の状況において、犠牲材料の除去効率がマイクロ発光ダイオードより高く、特定の状況には、化学分解又は物理分解が含まれることが好ましい。
【0025】
本発明によると、突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体であることが好ましい。
【0026】
本発明が提供するマイクロ発光デバイスにより、本発明は、マイクロ発光ダイオードを更に提供する。該マイクロ発光ダイオードは、上記のマイクロ発光デバイスから転写により分離されたチップレットである。
【0027】
本発明は、具体的に、少なくとも半導体エピタキシャル層とブリッジアームとを有し、ブリッジアームは、マイクロ発光ダイオードの上表面に位置し、マイクロ発光ダイオードの上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するマイクロ発光ダイオードを提供する。
【0028】
本発明によると、突起の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにあることが好ましい。
【0029】
本発明によると、突起の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層のうちの1つの成分と同じであることが好ましい。
【0030】
本発明によると、突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0031】
本発明によると、突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0032】
本発明によると、突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体であることが好ましい。
【0033】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、フリップ構造であることが好ましい。
【0034】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有することが好ましい。
【0035】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有することが好ましい。
【0036】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することが好ましい。
【0037】
本発明は、以下のステップを含むマイクロ発光ダイオードの転写方法を提供する
ステップ(1)マイクロ発光デバイスを用意し、マイクロ発光デバイスは、若干のマイクロ発光ダイオードと、マイクロ発光ダイオードを収容する凹槽を有するベースフレームと、マイクロ発光ダイオードとベースフレームとを連接するためのブリッジアームと、を含み、若干は、1以上であり、マイクロ発光ダイオードのブリッジアーム側の上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有する。
【0038】
ステップ(2)転写膜でマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードに対してを印圧を行い、印圧の過程において、転写膜が突起と接触しながら突起に圧力を伝達し、圧力を受けた後、マイクロ発光ダイオードがマイクロ発光デバイスから脱離する。
【0039】
本方法の一部に実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明の有利な効果は、少なくとも以下を含む。
【0041】
(1)マイクロ発光ダイオードのブリッジアーム側の上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するので、転写の過程において、転写膜が加圧する時にブリッジアームを接触押圧することによりブリッジアームが破損することが避けられる。
【0042】
(2)突起の材料は、半導体エピタキシャル層のうちの1つの成分と同じであるので、例えば半導体エピタキシャル層から直接に突起を形成することにより、突起が光を吸収することによる発光効率の損失が減少する。
【0043】
(3)マイクロ発光ダイオードの上表面に波長転換用の突起を設けることによって、ディスプレイの各発光波長に対する需要を満足し、上記の突起の効果も発揮でき、生産ステップが簡単化される。
【0044】
(4)高さが異なる突起の下方に、異なるマイクロ発光ダイオードがあることにより、選択的転写の可能性が実現される。
【0045】
本発明の他の特徴及び利点は以下の明細書の中に説明される。また、部分的に明細書の中から明らかとなり、もしくは本発明を実施することにより理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面に特別に示した構造により実現及び獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付の図面は本発明に対する更なる理解を提供し、そして明細書の一部を構成し、本発明の実施形態と共に本発明の解釈に用いられるが、本発明に対して制限するものではない。この他、添付図面のデータは概要を説明するものであり、実物のスケールに対応するものではない。
図1】従来技術のマイクロ発光ダイオードの転写過程を示す図である。
図2】実施例1のマイクロ発光デバイスを示す図である。
図3】実施例1のマイクロ発光デバイスが転写膜でマイクロ発光ダイオードを転写することを示す図である。
図4】実施例1のマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードマトリクスを示す図である。
図5】実施例2のマイクロ発光デバイスを示す図である。
図6】実施例2の一部の実施例において、翼状構造のマイクロ発光ダイオードを有するマイクロ発光デバイスを示す図である。
図7】実施例4のマイクロ発光デバイスが転写膜でマイクロ発光ダイオードを選択的転写することを示す図である。
図8】実施例5のマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図9】実施例6のマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図10】実施例6の一部の実施方式におけるマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図11】実施例8のマイクロ発光ダイオードの転写を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下は図面及び実施例を合わせて本発明の実施方式について詳しく説明する。それにより、本発明が如何に技術手段を利用して技術問題を解決し且つ技術的効果を実現する過程を充分に理解して、それを基づいて実施することができるようにする。説明すべきなのは、矛盾が生じない限り、本発明における各実施例及び各実施例の特徴を互いに結合でき、それにより形成された技術方案のいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0048】
本発明に使用した用語は、具体的な実施方式を説明することのみを目的とし、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。更に、本発明において、用語「含有」、「含む」を使用する時に、陳述の特徴、全体、ステップ、デバイス、「及び/又は」の存在を示すためであり、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、デバイス、及び/又はこれらの組み合わせの存在又は増加を排除しない。
【0049】
他に定義がない限り、本発明で使用した全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当該技術分野における通常の知識を有する者が一般的に理解される意味と同じである。更に理解すべきなのは、本発明で使用した用語は、その用語が本明細書の前後文及び関連分野にある意味と同じ意味に理解すべきであり、本発明で明確に定義した場合を除いて、理想化又は正式すぎる意味で理解されるべきではない。
【0050】
図2図4を参照すると、本発明の第1の実施例を提供する。マイクロ発光デバイスは、若干のマイクロ発光ダイオード110と、マイクロ発光ダイオード110を収容する凹槽120を有するベースフレーム130と、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130とを連接するためのブリッジアーム140と、を含む。ブリッジアーム140は、凹槽120の開口方向のマイクロ発光ダイオード110の上表面に位置する。若干は、1以上である。ブリッジアーム140の数量は、1つ又は複数である。ベースフレーム130は、基板131と、接着層132とを含む。接着層132の材料は、BCB接着剤、シリコーン、紫外線硬化樹脂又は樹脂である。ブリッジアーム140の材料は、誘電体、金属又は半導体材料である。マイクロ発光ダイオード110は、転写膜200で転写することによりベースフレーム130と分離する。転写膜の材料は、PDMS、シリコーン、熱剥離接着剤又は紫外線硬化樹脂である。一部の状況において、マイクロ発光ダイオード110と凹槽120の間には、犠牲材料150を有し、少なくとも特定の状況において、犠牲材料150の除去効率がマイクロ発光ダイオード110より高い。特定の状況とは、化学分解又は物理分解を含み、例えば紫外線分解、エッチング除去又は衝撃力除去などである。
【0051】
マイクロ発光デバイス内に大量のマイクロ発光ダイオード110を収容できる。マイクロ発光ダイオード110は、例えばマトリクス排列が採用される。通常、マイクロ発光ダイオード110は、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有する。本実施例のマイクロ発光ダイオード110は、下表面に第1の電極111と第2の電極112を有し、フリップ構造を採用することが勧められる。フリップ構造を採用すると、優れた輝度を有し、転写後も直接にパッケージ結合を行いでき、生産がより簡単になる。
【0052】
マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有する。本実施例において、突起160の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにある。突起の材料は、例えば二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの透明絶縁材料から選ばれる。突起160の形は、正方又は長方台、筒状、円台、円柱又は錐体であり得る。図3からも見て取れるように、該マイクロ発光デバイスは転写膜200の製造に対する要求が低く、平面型の転写膜200で印刷作業を完成できる。転写膜200の表面の質による生産上の制限がなくなり、従来技術と比べでも、転写膜からブリッジアームまでの距離を保障できる。
【0053】
第1の実施例の一部の実施方式において、突起160の材料は、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiOを含むことができ、例えばシリコーン、樹脂又は紫外線硬化樹脂に蛍光粉を添加した波長転換材料、或は、TiOのような反射材料を使用して光の経路を変換する。
【0054】
図5を参照すると、第2の実施例において、第1の実施例においては上表面にブリッジアーム140より高い突起160を有するのと違って、本実施例ではマイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に突起160を有する。
【0055】
第2の実施例の一部の実施方式において、マイクロ発光ダイオード110は、半導体エピタキシャル層113を含む。半導体エピタキシャル層113は、例えばN型半導体、多重量子井戸、P型半導体又は例えば緩衝、阻止、拡大、応力調整などの機能層を追加する。突起160の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層113のうちの1つの成分と同じである。
【0056】
図6を参照すると、これらの実施方法において、N型半導体又はP型半導体を翼状構造に形成した。該翼状構造は、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130との連接ブリッジアーム140とすることができる。
【0057】
第3の実施例における、第1の実施例及び第2の実施例との差異は、本実施例においては突起160に波長転換材料を採用し、上記の実施例の転写成功率が向上する効果を兼ね備える上、各波長の自由な組み合わせを実現して、例えばディスプレイの色彩要求を満足する。
【0058】
第1の実施例~第3の実施例において、突起160の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又はこれらの組み合わせであり得る。
【0059】
図7を参照すると、第4の実施例における、他の実施例との主な差異は、マイクロ発光デバイスは高さが異なる突起を有することにある。高さが異なる突起の下方は、異なる規格のマイクロ発光ダイオード110に対応して、例えば異なる寸法、異なる形状、異なる波長、異なる輝度又は異なる色温度を有する。
【0060】
図8を参照すると、第5の実施例において、本発明が提供するマイクロ発光デバイスにより、本発明は、マイクロ発光ダイオード110を更に提供する。該マイクロ発光ダイオード110は、上記マイクロ発光デバイスから分離されたチップレットである。
【0061】
本発明は、具体的には、カプラによる発光に使用する半導体エピタキシャル層113とブリッジアーム140とを有するマイクロ発光ダイオード110を提供する。該ブリッジアーム140は、マイクロ発光デバイスから分離された時にマイクロ発光ダイオード110に残留されたものである。ブリッジアーム140はマイクロ発光ダイオード110の上表面に位置する。ブリッジアーム140の数量は、1つ又は複数である。ブリッジアーム140の材料は、誘電体、金属又は半導体材料である。マイクロ発光ダイオード110は、転写膜200で転写することによりベースフレーム130から分離される。
【0062】
マイクロ発光ダイオード110は、マイクロ発光ダイオード110が2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することを指す。本実施例のマイクロ発光ダイオード110は、下表面に第1の電極111と第2の電極112を有し、且つ、フリップ構造を採用することが勧められる。
【0063】
マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有する。突起160の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにある。突起160の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの透明絶縁材料から選ばれる。突起160の形状は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体である。
【0064】
第5の実施例の一部の実施方式において、突起160の材料は、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiOを含むことができ、例えばシリコーン、樹脂又は紫外線硬化樹脂に蛍光粉を添加した波長転換材料、或は、TiOのような反射材料を使用して光の経路を変換する。
【0065】
図9を参照すると、第6の実施例において、第5の実施例においては上表面にブリッジアーム140より高い突起160を有するのと違って、本実施例ではマイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に突起160を有する。該ブリッジアーム140の全部又は一部は、転写の後にマイクロ発光ダイオード110のチップレットの表面に残留する。
【0066】
第6の実施例の一部の実施方式において、マイクロ発光ダイオード110は、半導体エピタキシャル層113を含む。半導体エピタキシャル層113は、例えばN型半導体、多重量子井戸、P型半導体又は例えば緩衝、阻止、拡大、応力調整などの機能層を追加する。突起160の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層113のうちの1つの成分と同じである。
【0067】
図10を参照すると、これらの実施方法において、N型半導体又はP型半導体を翼状構造に形成し、翼状構造は、複数の突出部又は突出円環を含む。該翼状構造は、マイクロ発光ダイオード110の連接ブリッジアーム140とすることができる。
【0068】
第7の実施例における、第5の実施例及び第6の実施例との差異は、本実施例では突起160に波長転換材料を採用し、上記の実施例の転写成功率が向上する効果を兼ね備える上、各波長の自由な組み合わせを実現して、例えばディスプレイの色彩要求を満足する。
【0069】
第5の実施例~第7の実施例において、突起160の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又はこれらの組み合わせであり得る。
【0070】
図11を参照すると、第8の実施例において、上記のマイクロ発光デバイス及びマイクロ発光ダイオードに基づいて、本発明は、以下のステップを含むマイクロ発光ダイオードの転写方法を提供する。
【0071】
ステップ(1)マイクロ発光デバイスを用意する。マイクロ発光デバイスは、若干のマイクロ発光ダイオード110と、マイクロ発光ダイオード110を収容する凹槽を有するベースフレーム130と、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130とを連接するためのブリッジアーム140と、を含み、若干は、1以上であり、マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有し、又は、マイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に、突起160を有する。
【0072】
ステップ(2)転写膜200でマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオード110に対して印圧を行う。印圧の過程において、転写膜200が突起160と接触しながら突起160に圧力を伝達し、圧力を受けた後、マイクロ発光ダイオード110がマイクロ発光デバイスから脱離する。該ステップにおける脱離は、ブリッジアーム140の断裂によるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、ブリッジアーム140がベースフレーム130から脱落することによるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、マイクロ発光ダイオード110がブリッジアーム140から脱落することによるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140に連接する部分断裂によるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離又は以上の状況の組み合わせによる脱離を含む。
【0073】
ステップ(3)転写膜200とマイクロ発光ダイオード110との間のファンデルワールス力、変形クランプ力又は他の吸着力により、マイクロ発光ダイオード110を取ってパッケージ基板に転写又は他の用途にする。
【0074】
図7を参照すると、第9の実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有し、選択的に大量にマイクロチップレットを転写する。
【0075】
本実施例は、選択的転写方法を提供する。該方法において、マイクロ発光ダイオード110の発光波長は青色の光の範囲にあり、例えばその波長は400nm~800nmにある。青色マイクロ発光ダイオードを3つの部分に分けて、青色マイクロ発光ダイオードの第1の部分の上表面に絶縁材料の突起161を設け、青色マイクロ発光ダイオードの第2の部分を取って、青色マイクロ発光ダイオードの第2の部分の上表面に例えば緑色蛍光層などの波長転換材料の突起162を設け(青色の光を緑色の光に転換)、該突起162は上記絶縁材料の突起161より高く、青色マイクロ発光ダイオードの第3の部分の上表面に例えば赤色蛍光層などの波長転換材料を設け(青色の光を赤色の光に転換)、該突起163は上記絶縁材料の突起161及び緑色蛍光層突起162より高い。
【0076】
突起の高さの差を利用して、転写膜200が先ず赤色蛍光層を有するマイクロ発光ダイオードに対して転写し、次いで緑色蛍光層を有するマイクロ発光ダイオードに対して転写し、最後に絶縁材料の突起161を有する青色マイクロ発光ダイオードに対して転写することにより、生産がより簡単なマイクロ発光ダイオードの選択的転写方法を実現できる。
【0077】
第9の実施例の一部の実施方式において、同じ規格のマイクロ発光ダイオードに対して転写を行う技術を含む。高さが異なる突起を利用して、マイクロ発光ダイオードの部分のチップレットを選択的転写する。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば本発明の主旨から離れないという前提の下、若干の変更や修飾が可能で有り、これら変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【符号の説明】
【0079】
110 マイクロ発光ダイオード
111 第1の電極
112 第2の電極
113 半導体エピタキシャル層120 凹槽
130 ベースフレーム
131 基板
132 接着層
140 ブリッジアーム
150 犠牲材料
160~163 突起
200 転写膜
矢印 転写膜の移動方向
大括弧 デバイスの含有関係
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体製造分野に関し、具体的にはマイクロ発光デバイス、マイクロ発光ダイオード及びその転写方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ型LED(mLED)は現在鋭意研究されている次世代のディスプレイ光源である。それは低消費電力、高輝度、超高解像度及び超高彩度、応答速度の速さ、低消費電力、長寿命などの長所を有する。他に、電力消費量は約LCDの10%、OLEDの50%である。同じく自発光のOLEDと比べると、輝度が30倍高く、且つ、解像度は1500PPI(ピクセル密度)に達する。mLEDはその長所により、現在のOLEDとLCDとを取って代わる可能性がある。現在、数多くの技術課題を克服する必要があるため、mLEDは量産できない。その内の1つの重要の技術課題は如何に転写の成功率を上げるかである。
【0003】
図1に参照し、現在のマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードに対して転写を行う過程において、マイクロ発光デバイスは通常、マイクロ発光ダイオード110、凹槽120、基板131と接着層132とにより構成されたベースフレーム130と、ブリッジアーム140と、を有する。マイクロ発光ダイオードは第1の電極111と、第2の電極112と、半導体エピタキシャル層113とを含む。マイクロ発光ダイオード110はサイズが微小のため、転写膜200に対する精度要求が高く、例えば、転写を行う過程において、転写膜200が圧力を受けて凹むこと、又は転写膜200の精度不良などの原因で、転写膜200がマイクロ発光デバイスのブリッジアーム140を押圧して、例えば図中の破線枠に示されるようにブリッジアーム140が破損又は断裂し、マイクロ発光ダイオード110が外されてベースフレーム130の凹槽120に落ちるなどの異常状況が生じて、転写の成功率が下がる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、背景技術の問題点に対して有効な解決方案を提案し、該方案により、高成功率のマイクロ発光デバイスの転写を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードと、マイクロ発光ダイオードを収容する凹槽を有するベースフレームと、マイクロ発光ダイオードとベースフレームとを連接するためのブリッジアームと、を含み、ブリッジアームは、マイクロ発光ダイオードの上表面に位置するマイクロ発光ダイオードの上表面にブリッジアームより高い突起を有し、即ち、突起の頂部が位置する水平面は、ブリッジアームの最高点が位置する水平面より高く、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するマイクロ発光デバイスを提供する。
【0006】
本発明によると、突起の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにあることが好ましい。
【0007】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、半導体エピタキシャル層を含み、突起の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層のうちの1層の成分と同じであることが好ましい。
【0008】
本発明によると、突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0009】
本発明によると、突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0010】
本発明によると、マイクロ発光デバイスは、マトリクス配列されているマイクロ発光ダイオードを有することが好ましい。
【0011】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有することが好ましい。
【0012】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有することが好ましい。
【0013】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することが好ましい。
【0014】
本発明によると、ベースフレームは、基板と、接着層とを含むことが好ましい。
【0015】
本発明によると、接着層の材料は、BCB接着剤、シリコーン、紫外線硬化樹脂又は樹脂であることが好ましい。
【0016】
本発明によると、ブリッジアームの材料は、誘電体、金属又は半導体材料であることが好ましい。
【0017】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードの下表面に、第1の電極と第2の電極とを有することが好ましい。
【0018】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、フリップ構造であることが好ましい。
【0019】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、転写膜で転写することによりベースフレームと分離することが好ましい。
【0020】
本発明によると、転写膜の材料は、PDMSジメチルポリシロキサン、シリコーン、熱剥離接着剤又は紫外線硬化樹脂であることが好ましい。
【0021】
一部の実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有することが好ましい。
【0022】
これらの実施例によると、高さが異なる突起の下方には、異なる規格のマイクロ発光ダイオードがあることが好ましい。
【0023】
これらの実施例によると、異なるマイクロ発光ダイオードは、異なる寸法、異なる形状、異なる波長、異なる輝度又は異なる色温度を有することが好ましい。
【0024】
一部の実施例において、マイクロ発光ダイオードと凹槽の間に、犠牲材料を有し、少なくとも特定の状況において、犠牲材料の除去効率がマイクロ発光ダイオードの除去効率より高く、特定の状況には、化学分解又は物理分解が含まれることが好ましい。
【0025】
本発明によると、突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体であることが好ましい。
【0026】
本発明が提供するマイクロ発光デバイスにより、本発明は、マイクロ発光ダイオードを更に提供する。該マイクロ発光ダイオードは、上記のマイクロ発光デバイスから転写により分離されたチップレットである。
【0027】
本発明は、具体的に、少なくとも半導体エピタキシャル層とブリッジアームとを有し、ブリッジアームは、マイクロ発光ダイオードの上表面に位置し、マイクロ発光ダイオードの上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するマイクロ発光ダイオードを提供する。
【0028】
本発明によると、突起の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにあることが好ましい。
【0029】
本発明によると、突起の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層のうちの1層の成分と同じであることが好ましい。
【0030】
本発明によると、突起の材料は、半導体エピタキシャル層、波長転換材料、透明絶縁材料又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0031】
本発明によると、突起の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiO又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。
【0032】
本発明によると、突起の形は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体であることが好ましい。
【0033】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、フリップ構造であることが好ましい。
【0034】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有することが好ましい。
【0035】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有することが好ましい。
【0036】
本発明によると、マイクロ発光ダイオードは、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することが好ましい。
【0037】
本発明は、以下のステップを含むマイクロ発光ダイオードの転写方法を提供するステップ(1)マイクロ発光デバイスを用意し、マイクロ発光デバイスは、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオードと、マイクロ発光ダイオードを収容する凹槽を有するベースフレームと、マイクロ発光ダイオードとベースフレームとを連接するためのブリッジアームと、を含みマイクロ発光ダイオードのブリッジアーム側の上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有する。
【0038】
ステップ(2)転写膜でマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードに対し印圧を行い、印圧の過程において、転写膜が突起と接触しながら突起に圧力を伝達し、圧力を受けた後、マイクロ発光ダイオードがマイクロ発光デバイスから脱離する。
【0039】
本方法の一部に実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明の有利な効果は、少なくとも以下を含む。
【0041】
(1)マイクロ発光ダイオードのブリッジアーム側の上表面にブリッジアームより高い突起を有するか、又は、マイクロ発光ダイオードと連接するブリッジアームの上表面に突起を有するので、転写の過程において、転写膜が加圧する時にブリッジアームを接触押圧することによりブリッジアームが破損することが避けられる。
【0042】
(2)突起の材料は、半導体エピタキシャル層のうちの1層の成分と同じであるので、例えば半導体エピタキシャル層から直接に突起を形成することにより、突起が光を吸収することによる発光効率の損失が減少する。
【0043】
(3)マイクロ発光ダイオードの上表面に波長転換用の突起を設けることによって、ディスプレイの各発光波長に対する需要を満足し、上記の突起の効果も発揮でき、生産ステップが簡単化される。
【0044】
(4)高さが異なる突起の下方に、異なるマイクロ発光ダイオードがあることにより、選択的転写の可能性が実現される。
【0045】
本発明の他の特徴及び利点は以下の明細書の中に説明される。また、部分的に明細書の中から明らかとなり、もしくは本発明を実施することにより理解できる。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び添付の図面に特別に示した構造により実現及び獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
添付の図面は本発明に対する更なる理解を提供し、そして明細書の一部を構成し、本発明の実施形態と共に本発明の解釈に用いられるが、本発明に対して制限するものではない。この他、添付図面のデータは概要を説明するものであり、実物のスケールに対応するものではない。
図1】従来技術のマイクロ発光ダイオードの転写過程を示す図である。
図2】実施例1のマイクロ発光デバイスを示す図である。
図3】実施例1のマイクロ発光デバイスが転写膜でマイクロ発光ダイオードを転写することを示す図である。
図4】実施例1のマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオードマトリクスを示す図である。
図5】実施例2のマイクロ発光デバイスを示す図である。
図6】実施例2の一部の実施例において、翼状構造のマイクロ発光ダイオードを有するマイクロ発光デバイスを示す図である。
図7】実施例4のマイクロ発光デバイスが転写膜でマイクロ発光ダイオードを選択的転写することを示す図である。
図8】実施例5のマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図9】実施例6のマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図10】実施例6の一部の実施方式におけるマイクロ発光ダイオードを示す図である。
図11】実施例8のマイクロ発光ダイオードの転写を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下は図面及び実施例を合わせて本発明の実施方式について詳しく説明する。それにより、本発明が如何に技術手段を利用して技術問題を解決し且つ技術的効果を実現する過程を充分に理解して、それを基づいて実施することができるようにする。説明すべきなのは、矛盾が生じない限り、本発明における各実施例及び各実施例の特徴を互いに結合でき、それにより形成された技術方案のいずれも本発明の保護範囲内にある。
【0048】
本発明に使用した用語は、具体的な実施方式を説明することのみを目的とし、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。更に、本発明において、用語「含有」、「含む」を使用する時に、陳述の特徴、全体、ステップ、デバイス、「及び/又は」の存在を示すためであり、1つ又は複数の他の特徴、全体、ステップ、デバイス、及び/又はこれらの組み合わせの存在又は増加を排除しない。
【0049】
他に定義がない限り、本発明で使用した全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当該技術分野における通常の知識を有する者が一般的に理解される意味と同じである。更に理解すべきなのは、本発明で使用した用語は、その用語が本明細書の前後文及び関連分野にある意味と同じ意味に理解すべきであり、本発明で明確に定義した場合を除いて、理想化又は正式すぎる意味で理解されるべきではない。
【0050】
図2図4を参照すると、本発明の第1の実施例を提供する。マイクロ発光デバイスは、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオード110と、マイクロ発光ダイオード110を収容する凹槽120を有するベースフレーム130と、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130とを連接するためのブリッジアーム140と、を含む。ブリッジアーム140は、凹槽120の開口方向のマイクロ発光ダイオード110の上表面に位置する。若干は、1以上である。ブリッジアーム140の数量は、1つ又は複数である。ベースフレーム130は、基板131と、接着層132とを含む。接着層132の材料は、BCB接着剤、シリコーン、紫外線硬化樹脂又は樹脂である。ブリッジアーム140の材料は、誘電体、金属又は半導体材料である。マイクロ発光ダイオード110は、転写膜200で転写することによりベースフレーム130と分離する。転写膜の材料は、PDMS、シリコーン、熱剥離接着剤又は紫外線硬化樹脂である。一部の状況において、マイクロ発光ダイオード110と凹槽120の間には、犠牲材料150を有し、少なくとも特定の状況において、犠牲材料150の除去効率がマイクロ発光ダイオード110より高い。特定の状況とは、化学分解又は物理分解を含み、例えば紫外線分解、エッチング除去又は衝撃力除去などである。
【0051】
マイクロ発光デバイス内に大量のマイクロ発光ダイオード110を収容できる。マイクロ発光ダイオード110は、例えばマトリクス配列が採用される。通常、マイクロ発光ダイオード110は、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有する。本実施例のマイクロ発光ダイオード110は、下表面に第1の電極111と第2の電極112を有し、フリップ構造を採用することが勧められる。フリップ構造を採用すると、優れた輝度を有し、転写後も直接にパッケージ結合を行いでき、生産がより簡単になる。
【0052】
マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有する。本実施例において、突起160の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにある。突起の材料は、例えば二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの透明絶縁材料から選ばれる。突起160の形は、正方又は長方台、筒状、円台、円柱又は錐体であり得る。図3からも見て取れるように、該マイクロ発光デバイスは転写膜200の製造に対する要求が低く、平面型の転写膜200で印刷作業を完成できる。転写膜200の表面の質による生産上の制限がなくなり、従来技術と比べでも、転写膜からブリッジアームまでの距離を保障できる。
【0053】
第1の実施例の一部の実施方式において、突起160の材料は、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiOを含むことができ、例えばシリコーン、樹脂又は紫外線硬化樹脂に蛍光粉を添加した波長転換材料、或は、TiOのような反射材料を使用して光の経路を変換する。
【0054】
図5を参照すると、第2の実施例において、第1の実施例においては上表面にブリッジアーム140より高い突起160を有するのと違って、本実施例ではマイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に突起160を有する。
【0055】
第2の実施例の一部の実施方式において、マイクロ発光ダイオード110は、半導体エピタキシャル層113を含む。半導体エピタキシャル層113は、例えばN型半導体、多重量子井戸、P型半導体又は例えば緩衝、阻止、拡大、応力調整などの機能層を追加する。突起160の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層113のうちの1つの成分と同じである。
【0056】
図6を参照すると、これらの実施方法において、N型半導体又はP型半導体を翼状構造に形成した。該翼状構造は、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130との連接ブリッジアーム140とすることができる。
【0057】
第3の実施例における、第1の実施例及び第2の実施例との差異は、本実施例においては突起160に波長転換材料を採用し、上記の実施例の転写成功率が向上する効果を兼ね備える上、各波長の自由な組み合わせを実現して、例えばディスプレイの色彩要求を満足する。
【0058】
第1の実施例~第3の実施例において、突起160の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又はこれらの組み合わせであり得る。
【0059】
図7を参照すると、第4の実施例における、他の実施例との主な差異は、マイクロ発光デバイスは高さが異なる突起を有することにある。高さが異なる突起の下方は、異なる規格のマイクロ発光ダイオード110に対応して、例えば異なる寸法、異なる形状、異なる波長、異なる輝度又は異なる色温度を有する。
【0060】
図8を参照すると、第5の実施例において、本発明が提供するマイクロ発光デバイスにより、本発明は、マイクロ発光ダイオード110を更に提供する。該マイクロ発光ダイオード110は、上記マイクロ発光デバイスから分離されたチップレットである。
【0061】
本発明は、具体的には、カプラによる発光に使用する半導体エピタキシャル層113とブリッジアーム140とを有するマイクロ発光ダイオード110を提供する。該ブリッジアーム140は、マイクロ発光デバイスから分離された時にマイクロ発光ダイオード110に残留されたものである。ブリッジアーム140はマイクロ発光ダイオード110の上表面に位置する。ブリッジアーム140の数量は、1つ又は複数である。ブリッジアーム140の材料は、誘電体、金属又は半導体材料である。マイクロ発光ダイオード110は、転写膜200で転写することによりベースフレーム130から分離される。
【0062】
マイクロ発光ダイオード110は、マイクロ発光ダイオード110が2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある幅を有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある長さを有し、2μm~5μm、5μm~10μm、10μm~20μm、20μm~50μm又は50μm~100μmにある高さを有することを指す。本実施例のマイクロ発光ダイオード110は、下表面に第1の電極111と第2の電極112を有し、且つ、フリップ構造を採用することが勧められる。
【0063】
マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有する。突起160の高さは、0.5μm~1μm、1μm~3μm又は3μm~5μmにある。突起160の材料は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素などの透明絶縁材料から選ばれる。突起160の形状は、矩形台、筒状、円台、円柱又は錐体である。
【0064】
第5の実施例の一部の実施方式において、突起160の材料は、シリコーン、樹脂、紫外線硬化樹脂、TiOを含むことができ、例えばシリコーン、樹脂又は紫外線硬化樹脂に蛍光粉を添加した波長転換材料、或は、TiOのような反射材料を使用して光の経路を変換する。
【0065】
図9を参照すると、第6の実施例において、第5の実施例においては上表面にブリッジアーム140より高い突起160を有するのと違って、本実施例ではマイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に突起160を有する。該ブリッジアーム140の全部又は一部は、転写の後にマイクロ発光ダイオード110のチップレットの表面に残留する。
【0066】
第6の実施例の一部の実施方式において、マイクロ発光ダイオード110は、半導体エピタキシャル層113を含む。半導体エピタキシャル層113は、例えばN型半導体、多重量子井戸、P型半導体又は例えば緩衝、阻止、拡大、応力調整などの機能層を追加する。突起160の材料は、少なくとも、半導体エピタキシャル層113のうちの1つの成分と同じである。
【0067】
図10を参照すると、これらの実施方法において、N型半導体又はP型半導体を翼状構造に形成し、翼状構造は、複数の突出部又は突出円環を含む。該翼状構造は、マイクロ発光ダイオード110の連接ブリッジアーム140とすることができる。
【0068】
第7の実施例における、第5の実施例及び第6の実施例との差異は、本実施例では突起160に波長転換材料を採用し、上記の実施例の転写成功率が向上する効果を兼ね備える上、各波長の自由な組み合わせを実現して、例えばディスプレイの色彩要求を満足する。
【0069】
第5の実施例~第7の実施例において、突起160の材料は、N型半導体、多重量子井戸、P型半導体、二酸化ケイ素、窒化ケイ素又はこれらの組み合わせであり得る。
【0070】
図11を参照すると、第8の実施例において、上記のマイクロ発光デバイス及びマイクロ発光ダイオードに基づいて、本発明は、以下のステップを含むマイクロ発光ダイオードの転写方法を提供する。
【0071】
ステップ(1)マイクロ発光デバイスを用意する。マイクロ発光デバイスは、少なくとも1つのマイクロ発光ダイオード110と、マイクロ発光ダイオード110を収容する凹槽を有するベースフレーム130と、マイクロ発光ダイオード110とベースフレーム130とを連接するためのブリッジアーム140と、を含み、若干は、1以上であり、マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140側の上表面に、ブリッジアーム140より高い突起160を有し、又は、マイクロ発光ダイオード110と連接するブリッジアーム140の上表面に、突起160を有する。
【0072】
ステップ(2)転写膜200でマイクロ発光デバイスのマイクロ発光ダイオード110に対して印圧を行う。印圧の過程において、転写膜200が突起160と接触しながら突起160に圧力を伝達し、圧力を受けた後、マイクロ発光ダイオード110がマイクロ発光デバイスから脱離する。該ステップにおける脱離は、ブリッジアーム140の断裂によるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、ブリッジアーム140がベースフレーム130から脱落することによるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、マイクロ発光ダイオード110がブリッジアーム140から脱落することによるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離、マイクロ発光ダイオード110のブリッジアーム140に連接する部分断裂によるマイクロ発光ダイオード110のマイクロ発光デバイスからの脱離又は以上の状況の組み合わせによる脱離を含む。
【0073】
ステップ(3)転写膜200とマイクロ発光ダイオード110との間のファンデルワールス力、変形クランプ力又は他の吸着力により、マイクロ発光ダイオード110を取ってパッケージ基板に転写又は他の用途にする。
【0074】
図7を参照すると、第9の実施例において、マイクロ発光デバイスは、高さが異なる突起を有し、選択的に大量にマイクロチップレットを転写する。
【0075】
本実施例は、選択的転写方法を提供する。該方法において、マイクロ発光ダイオード110の発光波長は青色の光の範囲にあり、例えばその波長は400nm~800nmにある。青色マイクロ発光ダイオードを3つの部分に分けて、青色マイクロ発光ダイオードの第1の部分の上表面に絶縁材料の突起161を設け、青色マイクロ発光ダイオードの第2の部分を取って、青色マイクロ発光ダイオードの第2の部分の上表面に例えば緑色蛍光層などの波長転換材料の突起162を設け(青色の光を緑色の光に転換)、該突起162は上記絶縁材料の突起161より高く、青色マイクロ発光ダイオードの第3の部分の上表面に例えば赤色蛍光層などの波長転換材料を設け(青色の光を赤色の光に転換)、該突起163は上記絶縁材料の突起161及び緑色蛍光層突起162より高い。
【0076】
突起の高さの差を利用して、転写膜200が先ず赤色蛍光層を有するマイクロ発光ダイオードに対して転写し、次いで緑色蛍光層を有するマイクロ発光ダイオードに対して転写し、最後に絶縁材料の突起161を有する青色マイクロ発光ダイオードに対して転写することにより、生産がより簡単なマイクロ発光ダイオードの選択的転写方法を実現できる。
【0077】
第9の実施例の一部の実施方式において、同じ規格のマイクロ発光ダイオードに対して転写を行う技術を含む。高さが異なる突起を利用して、マイクロ発光ダイオードの部分のチップレットを選択的転写する。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば本発明の主旨から離れないという前提の下、若干の変更や修飾が可能で有り、これら変更や修飾も本発明の保護範囲に含まれるものとされるべきである。
【符号の説明】
【0079】
110 マイクロ発光ダイオード
111 第1の電極
112 第2の電極
113 半導体エピタキシャル層120 凹槽
130 ベースフレーム
131 基板
132 接着層
140 ブリッジアーム
150 犠牲材料
160~163 突起
200 転写膜
矢印 転写膜の移動方向
大括弧 デバイスの含有関係