(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022376
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】住宅
(51)【国際特許分類】
E04H 1/02 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127165
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】521294885
【氏名又は名称】安城建築株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】浅井 宏充
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA25
2E025AA26
(57)【要約】
【課題】玄関に立った人に対して、空間の奥行方向の拡がりを印象付けることができるとともに、居住者のプライバシーを保護することができる住宅を提供する。
【解決手段】住宅は、奥行方向と幅方向とに延びる一つの空間に、玄関と、台所と、第1の部屋と、を備える。台所は、空間の奥行方向の中央部に配置される。玄関は、空間の奥行方向において台所を挟んで第1の部屋と反対側に配置される。台所は、調理台を有する。調理台は、玄関と第1の部屋とを繋ぎ空間の奥行方向に延びる通路に対面して配置される。第1の部屋は、台所に向けて開口する居間および食堂のいずれか一方である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥行方向と幅方向とに延びる一つの空間に、玄関と、台所と、第1の部屋と、を備える住宅であって、
前記台所は、前記空間の奥行方向の中央部に配置され、
前記玄関は、前記空間の奥行方向において前記台所を挟んで前記第1の部屋と反対側に配置され、
前記台所は調理台を有し、前記調理台は、前記玄関と前記第1の部屋とを繋ぎ前記空間の奥行方向に延びる第1通路に対面して配置され、
前記第1の部屋は、前記台所に向けて開口する居間および食堂のいずれか一方である、
住宅。
【請求項2】
前記台所に向けて開口し、前記居間および前記食堂のいずれか他方である第2の部屋をさらに備え、
前記第2の部屋は、前記空間の奥行方向において、前記玄関と同じ側に配置される、
請求項1に記載の住宅。
【請求項3】
前記玄関と前記第2の部屋との間に壁が配置され、前記調理台は前記空間の幅方向において前記壁よりも前記第2の部屋側に配置される、
請求項2に記載の住宅。
【請求項4】
前記第1の部屋と前記第2の部屋とが、前記台所を挟んで前記空間の対角線上に配置される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の住宅。
【請求項5】
階段をさらに備え、
前記階段は、前記幅方向において、前記通路を挟んで前記台所と反対側に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の住宅。
【請求項6】
前記階段は前記調理台に向かって延びる、
請求項5に記載の住宅。
【請求項7】
前記第1の部屋の前記空間の奥行方向端部に窓が配置され、
前記玄関と前記窓とが、前記空間の幅方向においてオーバーラップして配置される、
請求項1から6のいずれか一項に記載の住宅。
【請求項8】
前記台所は、第2通路と、収納スペースと、をさらに有し、
前記第2通路は、前記第1の部屋と前記第2の部屋とを繋ぎ前記空間の奥行方向に延びるとともに、
前記収納スペースは、前記空間の幅方向において、前記第2通路を挟んで前記調理台と反対側に配置される、
請求項2から7のいずれか一項に記載の住宅。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅は、台所、居間および食堂を備える。従来は、例えば空間の奥行方向の中央部に台所を配置するとともに、台所を挟んで居間と食堂とを配置した間取りが知られている(例えば特許文献1参照)。また、空間の奥行方向の端部に玄関を配置した間取りが知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-054656号公報
【特許文献2】特開2018-178536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような住宅の間取りでは、台所を挟んで居間と食堂とが独立した空間として配置される。このため、台所に立った人は、居間および食堂を見渡すことができる一方で、それぞれの空間のプライバシーを保護することができる。一方で、空間の奥行方向の端部に配置された玄関からは、それぞれの空間が仕切られていることから奥行方向の拡がりがある印象が得にくいという問題があった。
【0005】
本開示の課題は、玄関に立った人に対して、空間の奥行方向の拡がりを印象付けることができるとともに、居住者のプライバシーを保護することができる住宅を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示に係る住宅は、奥行方向と幅方向とに延びる一つの空間に、玄関と、台所と、第1の部屋と、を備える。台所は、空間の奥行方向の中央部に配置される。玄関は、空間の奥行方向において台所を挟んで第1の部屋と反対側に配置される。台所は、調理台を有する。調理台は、玄関と第1の部屋とを繋ぎ空間の奥行方向に延びる第1通路に対面して配置される。第1の部屋は、台所に向けて開口する居間および食堂のいずれか一方である。
【0007】
(2)住宅は、第2の部屋をさらに備えてもよい。第2の部屋は、台所に向けて開口し、居間および食堂のいずれか他方であってもよい。第2の部屋は、空間の奥行方向において、玄関と同じ側に配置されてもよい。
【0008】
(3)住宅は、玄関と第2の部屋との間に壁が配置され、調理台は、前記空間の幅方向において壁よりも第2の部屋側に配置されてもよい。
【0009】
(4)住宅は、第1の部屋と第2の部屋とが、台所を挟んで空間の対角線上に配置されてもよい。
【0010】
(5)住宅は、階段をさらに備えてもよい。階段は、幅方向において、通路を挟んで台所と反対側に配置されてもよい。
【0011】
(6)階段は、調理台に向かって延びてもよい。
【0012】
(7)住宅は、第1の部屋の空間の奥行方向端部に窓が配置されてもよい。玄関と窓とが、空間の幅方向においてオーバーラップして配置されてもよい。
【0013】
(8)台所は、第2通路と、収納スペースと、をさらに有してもよい。第2通路は、第1の部屋と第2の部屋とを繋ぎ空間の奥行方向に延びてもよい。収納スペースは、空間の幅方向において、第2通路を挟んで調理台と反対側に配置されてもよい。
【0014】
この住宅によれば、台所は、空間の奥行方向の中央部に配置される。また、台所の調理台は、玄関と第1の部屋とを繋ぐ通路に対面して配置される。これにより、玄関に立った人に対して、台所に対面する通路を介して、奥行方向の空間の拡がりを視覚的に印象付けることができる。さらに、住宅の空間を、所を挟んで緩やかに区画することができる。これにより、居住者のプライバシーを適度に保護することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、玄関に立った人に対して、空間の奥行方向の拡がりを印象付けることができるとともに、居住者のプライバシーを保護することができる住宅を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の実施形態による住宅の間取りを示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、後述する間取りの奥行方向をD、幅方向をWと図面および明細書に記す。
【0018】
図1に示すように、本開示の実施形態の住宅1は、住居用の家屋である。本実施形態では、住宅1は、2階建ての家屋であり、その平面は奥行方向Dが幅方向Wよりも長い、概ね長方形の形状である。なお、住宅1の階数は特に限定されず、その平面は、奥行方向Dと幅方向Wとが同程度の長さで形成される、概ね正方形の形状でもよい。
【0019】
住宅1は、奥行方向Dと幅方向Wとに延びる一つの空間Qに、玄関2と、台所4と、居間(第1の部屋の一例)6と、食堂(第2の部屋の一例)8と、階段10と、窓20と、個室22と、を備える。本実施形態では、空間Qは住宅1の1階部分である。空間Qは、奥行方向Dの端部である第1立壁11および第2立壁12と、幅方向Wの端部である第3立壁13および第4立壁14と、で空間Qの外側と区画される。第1立壁11から第4立壁14には、少なくとも窓20が設けられる他に、窓が一つないし複数設けられてもよい。
【0020】
玄関2は、空間Qの奥行方向Dにおいて、台所4を挟んで居間6と反対側に配置される。本実施形態では、玄関2は、第1立壁11の一部に配置される。また、玄関2は、空間Qの幅方向Wにおいて、第3立壁13側に寄せて配置される。すなわち、玄関2は、空間Qの四隅の内の一である、第1立壁11と第3立壁13とが交わる角部に配置される。
【0021】
玄関2は、空間Qの奥行方向Dに開口し、玄関扉24が設けられる。玄関扉24は、空間Qの外側と内側とを区画する。本実施形態では、玄関2は、後述する第1通路16の端部と繋がる。
【0022】
台所4は、空間Qの奥行方向Dの中央部qに配置される。従って、空間Qは、奥行方向Dにおいて、台所4を含む第1空間Q1を挟んで第1立壁11側の第2空間Q2と第2立壁12側の第3空間Q3とに、緩やかに区画される。
【0023】
本実施形態では、台所4は、奥行方向Dに長い概ね長方形の空間である。台所4の奥行方向Dの長さは、空間Qの奥行方向Dの長さの概ね三分の一程度の長さである。また、台所4の幅方向Wの長さは、空間Qの幅方向Wの長さの概ね半分程度の長さである。台所4の奥行方向Dおよび幅方向Wの長さは、空間Qの大きさによって適宜変更されてもよい。従って、台所4の形状は長方形に限定されるものではなく、概ね正方形の空間であってもよい。
【0024】
また、台所4は、幅方向Wにおいて、玄関2が配置される第3立壁13側と反対の第4立壁14側に配置される。すなわち、台所4は、幅方向Wにおいて、後述する第1通路16を挟んで玄関2の反対側に配置される。
【0025】
台所4は、調理台41と、第2通路42と、収納スペース43と、パントリー44と、を有する。
【0026】
調理台41は、奥行方向Dに延設され、第1通路16に対面して配置される。すなわち、調理台41は、作業をする人が第1通路16を臨んで立つように配置される。さらに、調理台41は、空間Qの幅方向Wにおいて、後述する第1内壁(壁の一例)18よりも食堂8側に配置される。すなわち、調理台41は、空間Qの幅方向Wにおいて、第1内壁18よりも第4立壁14側に寄せて配置される。
【0027】
本実施形態では、調理台41は、コンロ411とシンク412とを含む。コンロ411は、奥行方向Dにおいて、調理台41の玄関2側の端部に設けられる。さらに、調理台41のコンロ411付近には、天井まで延びる第2内壁413が設けられる。
【0028】
シンク412は、奥行方向Dにおいて、調理台41のコンロ411と反対側に設けられる。調理台41のシンク412付近には、調理台41と概ね同じ高さのカウンターが設けられてもよい。
【0029】
第2通路42は、後述する居間6と食堂8とを繋ぎ、奥行方向Dに沿って延びる。本実施形態では、調理台41と、収納スペース43およびパントリー44とは、第2通路42を挟んで配置される。これにより、第2通路42を通って、居間6と食堂8とを行き来することができる。このため、空間Qにおいて、居間6と食堂8との間には、後述する第1通路16と第2通路42との二つの経路が形成される。この結果、空間Qにおける人の動きを妨げることを防止することができる。
【0030】
収納スペース43は、空間Qの幅方向Wにおいて、第2通路42を挟んで調理台41の反対側に配置される。本実施形態では、収納スペース43は、第4立壁14に接して設けられ、冷蔵庫や食器棚等が設置される。収納スペース43の食堂8側の端部には、第3内壁45が設けられてもよい。第3内壁45は、第4立壁14から幅方向Wの内側に向かって延設される。
【0031】
パントリー44は、空間Qの奥行方向Dにおいて、収納スペース43に隣接し、第4立壁14に接して設けられる。本実施形態では、パントリー44は、天井まで延びる第4内壁441によって区画され、第1開閉扉442によって開閉される。また、パントリー44の第1開閉扉442は、奥行方向Dおよび幅方向Wに対して傾斜して配置され、調理台41を指向して配置されてもよい。これにより、調理台41で作業する人は、パントリー44に容易に出入りすることができる。
【0032】
第1通路16は、玄関2と居間6とを繋ぎ、空間Qの奥行方向Dに延びる。本実施形態では、第1通路16は、空間Qの幅方向Wにおいて、後述する階段10と台所4の調理台41との間に設けられる。すなわち、第1通路16は、奥行方向Dにおいて、玄関2から、階段10と台所4との間を経由して、居間6へと至る。
【0033】
これにより、玄関2に立った人は、空間Qの奥行方向Dにおいて、玄関2から居間6まで視線を遮られることなく見通すことができる。このため、住居1は、玄関2に立った人に対して、第1通路16を介して、空間Qの奥行方向Dの拡がりを印象づけることができる。この結果、玄関2に立った人に対して、開放感のある印象を与えることができる。
【0034】
一方で、台所4の調理台41において作業をする人は、調理台41に対面する第1通路16はもちろん、玄関2および居間6をも見渡すことができる。これにより、調理台41において作業をする人に対しても、空間Qの奥行方向Dの拡がりを印象づけることができるとともに、空間Q内の様子を把握しやすくすることができる。このため、玄関2に来訪者があった際にも、調理台41を離れることなく容易に状況を把握することができる。また、居間6の様子について、調理台41を離れることなく容易に状況を把握することができる。
【0035】
居間6は、第3空間Q3の一部に設けられる。居間6は、空間Qの奥行方向Dにおいて、第2立壁12側の端部に配置されるとともに、幅方向Wにおいて、第3立壁13の端部に配置される。すなわち、居間6は、空間Qの四隅の内の一である、第2立壁12と第3立壁13とが交わる角部に配置される。さらに、居間6には、後述する窓20が設けられる。
【0036】
さらに、居間6は、階段10との間に設けられる第5内壁61と、後述する個室22の第6内壁221の一部によって、緩やかに区画される。居間6は、台所4に向けて開口する。居間6は、第5内壁61の幅方向Wの内側の端部α1と、第6内壁221の端部α2との間で開口する。ここで、居間6が開口する方向Aは、一点鎖線で示す仮想線Asと直交する方向である。仮想線Asは、第5内壁61の端部α1と、第6内壁221の端部α2とを結んだ線である。本実施形態では、第5内壁61は、奥行方向Dにおいて、個室22の端部よりも玄関2側に配置される。このため、仮想線Asは、奥行方向Dおよび幅方向Wに対して傾斜する。これにより、居間6の開口する方向Aは、台所4を指向する。また、居間6は、第1通路16の端部および台所4の第2通路42の端部に接続する。
【0037】
居間6の空間Qの奥行方向Dの端部に、窓20が配置される。玄関2と窓20とは、空間Qの幅方向Wにおいてオーバーラップして配置される。本実施形態では、窓20は、空間Qの内部と外部との間で出入り可能な出窓として形成される。窓20の下端は、少なくとも、玄関2に立った人の視線の高さより低い位置に配置されればよい。これにより、居間6に滞在する人に対して、窓20を介して空間Qから外部への拡がりを印象付けることができる。さらに、玄関2において空間Qの内側に向かって立った人が、第1通路16、居間6、窓20までを遮蔽物なく見渡すことができる。このため、玄関2に立った人に対しても、空間Qの拡がりを印象づける視覚効果を与えることができる。
【0038】
食堂8は、第2空間Q2の一部に設けられる。食堂8は、空間Qの奥行方向Dにおいて、玄関2と同じ側に配置される。食堂8は、空間Qの奥行方向Dにおいて、第1立壁11の端部に配置されるとともに、幅方向Wにおいて、第4立壁14の端部に配置される。すなわち、食堂8は、空間Qの四隅の内の一である、第1立壁11と第4立壁14とが交わる角部に配置される。
【0039】
玄関2と食堂8との間には第1内壁18が配置される。食堂8は、第1内壁18と、台所4の第2内壁413と、台所4の収納スペース43の奥行方向Dにおける玄関2側の端部である第3内壁45と、によって緩やかに区画される。
【0040】
食堂8は、第1開口81と、第2開口82と、を有する。第1開口81は、第1通路16向けて開口する。第1開口81は、第1内壁18の端部β1と、台所4の第2内壁413の幅方向Wの内側の端部β2との間で開口する。ここで、第1開口81が開口する方向Bは、二点鎖線で示す仮想線Bsと直交する方向である。仮想線Bsは、第1内壁18の端部β1と、第2内壁413の端部β2とを結んだ線である。本実施形態では、第1内壁18は、幅方向Wにおいて、台所4の調理台41よりも玄関2側に配置される。このため、仮想線Bsは、奥行方向Dおよび幅方向Wに対して傾斜する。これにより、第1開口81の開口する方向Bは、第1通路16および後述する階段10を指向する。
【0041】
第2開口82は、台所4に向けて開口する。第2開口82は、台所4の第2内壁413と収納スペース43の玄関2側の端部である第3内壁45との間で開口する。すなわち、第2開口82は、台所4の第2通路42の玄関2側の端部である。
【0042】
居間6と食堂8とは、台所4を挟んで空間Qの対角線上に配置される。本実施形態では、居間6は、空間Qの四隅の内、第2立壁12と第3立壁13とが交わる角部を含んで設けられる概ね正方形の形状である。一方、食堂8は、空間Qの四隅の内、第1立壁11と第4立壁14とが交わる角部を含んで設けられる、概ね正方形の形状である。
【0043】
個室22は、居間6に隣接して第3空間Q3の一部に配置される。本実施形態では、個室22は、空間Qの奥行方向Dにおいて、第2立壁12側の端部に配置されるとともに、幅方向Wにおいて、第4立壁14側の端部に配置される。すなわち、個室22は、空間Qの四隅の内の一である、第2立壁12と第4立壁14とが交わる角部に配置される。個室22は、第6内壁221によって区画され、第2開閉扉222によって開閉される。
【0044】
玄関2と個室22とは、台所4を挟んで空間Qの対角線上に配置される。本実施形態では、玄関2は、空間Qの四隅の内、第1立壁11と第3立壁13とが交わる角部を含んで設けられる。一方、個室22は、空間Qの四隅の内、第2立壁12と第4立壁14とが交わる角部を含んで設けられる。
【0045】
階段10は、台所4とともに第1空間Q1の一部に設けられる。階段10は、幅方向Wにおいて、第1通路16を挟んで台所4と反対側に配置される。本実施形態の階段10は、空間Qが設けられる住宅1の一階部分と、図示しない2階部分とを接続する。2階部分から延びる階段10は、空間Qの幅方向Wに沿って形成され、途中で反対方向に折り返した後、調理台41に向かって延びて、第1通路16へと接続する。これにより、台所4において作業している人は、階段10を行き来する人を容易に把握することができる。
【0046】
以上説明した通り、本開示によれば、玄関2に立った人に対して、空間Qの奥行方向Dの拡がりを印象づけることができるとともに、居住者のプライバシーを保護することができる住宅1を提供できる。
【0047】
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0048】
(a)上記実施形態では、第1の部屋が居間6であり、第2の部屋が食堂8である住宅1を例に用いたが、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、食堂8は、空間Qの奥行方向Dにおいて、台所4を挟んで反対側に配置されてもよい。また、居間6は、奥行方向Dにおいて、玄関2と同じ側に配置されてもよい。
【0049】
(b)上記実施形態では、複数の階数を有する建屋の1階部分である空間Qを例に用いたが、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、空間Qは、住宅1の2階部分であってもよい。この場合、玄関2は、住宅1の外階段等を用いて外部と出入り可能としてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 :住宅
2 :玄関
4 :台所
6 :居間
8 :食堂
10 :階段
16 :第1通路
20 :窓
41 :調理台
42 :第2通路
43 :収納スペース
Q :空間
q :中央部
D :奥行方向
W :幅方向