(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022417
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】コルゲートフィン型熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 9/00 20060101AFI20230208BHJP
F28F 9/02 20060101ALI20230208BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
F28F9/00 321
F28F9/02 301Z
F28D1/053 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127283
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(74)【代理人】
【識別番号】100082843
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 卓美
(72)【発明者】
【氏名】上野 孝史
(72)【発明者】
【氏名】浜田 聡一郎
【テーマコード(参考)】
3L065
3L103
【Fターム(参考)】
3L065AA02
3L065AA11
3L103AA01
3L103CC02
3L103CC22
3L103DD08
3L103DD32
3L103DD34
(57)【要約】
【課題】 ラジエータ等のコルゲートフィン型熱交換器におけるコアサポート用プレートに代わる構造を提供すること。
【解決手段】 偏平チューブ1とコルゲートフィン2とが交互に並列されたコア3と、各偏平チューブ1の長手方向の両端が挿通される複数のチューブ挿通孔4が形成されたヘッダプレート5と、を有し、前記コア3を形成する各偏平チューブ1内に第1流体が流通するコルゲートフィン型熱交換器において、前記コア3の偏平チューブ1の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側には、第1流体が流通しない1つ以上のダミーチューブ6が配置されており、前記ダミーチューブ6の少なくとも1つが前記最外側に位置するコルゲートフィン2aと接合されている構造とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏平チューブ(1)とコルゲートフィン(2)とが交互に並列されたコア(3)と、
各偏平チューブ(1)の長手方向の両端が挿通される複数のチューブ挿通孔(4)が形成されたヘッダプレート(5)と、を有し、
前記コア(3)を形成する各偏平チューブ(1)内に第1流体が流通するコルゲートフィン型熱交換器において、
前記コア(3)の偏平チューブ(1)の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン(2a)の外側には、第1流体が流通しない1つ以上のダミーチューブ(6)が配置されており、
前記ダミーチューブ(6)の少なくとも1つが前記最外側に位置するコルゲートフィン(2a)と接合されているコルゲートフィン型熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ダミーチューブ(6)は、前記偏平チューブ(1)を流用、または加工してなるコルゲートフィン型熱交換器。
【請求項3】
請求項1または請求項2のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート(5)に形成された複数のチューブ挿通孔(4)の並列方向の両端の外側には、ダミーチューブ挿通孔(7)が形成されており、
少なくとも1つの前記ダミーチューブ(6)の長手方向の両端が、前記ダミーチューブ挿通孔(7)に挿通されているコルゲートフィン型熱交換器。
【請求項4】
請求項1または請求項2のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート(5)が、複数のチューブ挿通孔(4)を有する底部(8)とその外縁から立ち上げられた外壁面(9)とで形成されており、
少なくとも1つの前記ダミーチューブ(6)の長手方向の両端が曲折された曲折部(6a)を有しており、
前記曲折部(6a)またはその先端の少なくとも一方がヘッダプレート(5)の長手方向の端部の外壁面(9)に接合されているコルゲートフィン型熱交換器。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
2つ以上の複数のダミーチューブ(6)を有し、
前記最外側に位置するコルゲートフィン(2a)に接合されるダミーチューブ(6)に対し、他のダミーチューブ(6)を1つ以上積層したコルゲートフィン型熱交換器。
【請求項6】
請求項5に記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート(5)が、複数のチューブ挿通孔(4)を有する底部(8)とその外縁から立ち上げられた外壁面(9)とで形成されており、
複数のダミーチューブ(6)のうち、
少なくとも1つのダミーチューブ(6)の長手方向の両端は、前記ヘッダプレート(5)のダミーチューブ挿通孔(7)に挿通され、
少なくとも別の1つのダミーチューブ(6)の長手方向の両端が曲折された曲折部(6a)を有しており、
前記曲折部(6a)またはその先端の少なくとも一方が前記外壁面(9)に接合されているコルゲートフィン型熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
偏平チューブおよびコルゲートフィンが交互に並列されたコアを有するラジエータ等のコルゲートフィン型熱交換器に関し、特に、コアを支持する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来知られているラジエータ等に用いるコルゲートフィン型熱交換器は、
図6に示す如く、偏平チューブ1とコルゲートフィン2とが交互に並列されたコア3と、各偏平チューブ1の長手方向の両端が挿通される複数のチューブ挿通孔4が形成されたヘッダプレート5と、を有する。
そして、各偏平チューブ1の内部に第1流体(例えば、冷却水等の冷媒)が流通し、各偏平チューブ1の外部の平面とコルゲートフィン2からなる流通路に第2流体(例えば、空気流等)が流通し、それらの流体間で熱交換が行われる。
この熱交換器のコア3の両端には、コア3の偏平チューブ1の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側に、コアサポート用プレート18がろう付固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
図6に記載のコアサポート用プレート18は、主として耐久性の向上(その他、コア3の最外側に位置するコルゲートフィン2aの保護、ろう付の安定等)のために用いられているが、熱交換器の用途により、耐圧性要求が高くない熱交換器が存在する。コアサポート用プレート18を用いるまでもない熱交換器の場合、ある程度の耐久性を維持でき、コアサポート用プレート18より軽量な代替部材が望まれている。また、コアサポート用プレート18は、第1流体の流通用の偏平チューブ1と異なる材料を用いているので、材質、板厚等の異なる専用材となる。
【0004】
このようにコアサポート用プレート18を用いた熱交換器のコア3の支持構造は、専用材の使用、部品点数が多いこと及び、過剰な耐久性を持つ仕様となり、熱交換器の製造コストを上げる問題が生じる。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明は、偏平チューブ1とコルゲートフィン2とが交互に並列されたコア3と、
各偏平チューブ1の長手方向の両端が挿通される複数のチューブ挿通孔4が形成されたヘッダプレート5と、を有し、
前記コア3を形成する各偏平チューブ1内に第1流体が流通するコルゲートフィン型熱交換器において、
前記コア3の偏平チューブ1の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側には、第1流体が流通しない1つ以上のダミーチューブ6が配置されており、
前記ダミーチューブ6の少なくとも1つが前記最外側に位置するコルゲートフィン2aと接合されているコルゲートフィン型熱交換器である。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ダミーチューブ6は、前記偏平チューブ1を流用、または加工してなるコルゲートフィン型熱交換器である。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート5に形成された複数のチューブ挿通孔4の並列方向の両端の外側には、ダミーチューブ挿通孔7が形成されており、
少なくとも1つの前記ダミーチューブ6の長手方向の両端が、前記ダミーチューブ挿通孔7に挿通されているコルゲートフィン型熱交換器である。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、請求項1または請求項2のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート5が、複数のチューブ挿通孔4を有する底部8とその外縁から立ち上げられた外壁面9とで形成されており、
少なくとも1つの前記ダミーチューブ6の長手方向の両端が曲折された曲折部6aを有しており、
前記曲折部6aまたはその先端の少なくとも一方がヘッダプレート5の長手方向の端部の外壁面9に接合されているコルゲートフィン型熱交換器である。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
2つ以上の複数のダミーチューブ6を有し、
前記最外側に位置するコルゲートフィン2aに接合されるダミーチューブ6に対し、他のダミーチューブ6を1つ以上積層したコルゲートフィン型熱交換器である。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載のコルゲートフィン型熱交換器において、
前記ヘッダプレート5が、複数のチューブ挿通孔4を有する底部8とその外縁から立ち上げられた外壁面9とで形成されており、
複数のダミーチューブ6のうち、
少なくとも1つのダミーチューブ6の長手方向の両端は、前記ヘッダプレート5のダミーチューブ挿通孔7に挿通され、
少なくとも別の1つのダミーチューブ6の長手方向の両端が曲折された曲折部6aを有しており、
前記曲折部6aまたはその先端の少なくとも一方が前記外壁面9に接合されているコルゲートフィン型熱交換器である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明は、コア3の偏平チューブ1の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側に、第1流体が流通しないダミーチューブ6の少なくても1つが接合されているものである。
すなわち、従来の熱交換器のコアサポート用プレートを廃止し、最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側にコアサポート用のダミーチューブ6を接合している。
この構成により、コアサポート用プレートの分だけ、部品及び、材料の点数、種類が削減される。また、ダミーチューブ6はコアサポート用プレートのように複雑な構造とはならないので、コアサポートの構造の簡素化をすることができる。
また、ダミーチューブ6には第1流体が流れていないので、ダミーチューブ6とヘッダプレート5との付根との間で発生する熱応力を低減させることができ、ダミーチューブ6の破損の防止が可能であり、ダミーチューブ6が破損しても、第1流体の洩れ防止が可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ダミーチューブ6は、前記偏平チューブ1を流用、または加工してなるものである。すなわち、第1流体の流通する偏平チューブ1と同じ製造工程で作成される偏平チューブ1を流用したものを、コアサポート用のダミーチューブ6としているので、製造コストを低減することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、さらに、ヘッダプレート5に形成されたダミーチューブ挿通孔7に、少なくとも1つのダミーチューブ6の長手方向の両端が挿通されているので、第1流体の流通用の偏平チューブ1と同工程で、ダミーチューブ6をヘッダプレート5へ組付けが可能となる。また、ヘッダプレート5へのダミーチューブ6の挿入長さを管理することで、ダミーチューブ6の取り付けの位置決めが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、さらに、少なくとも1つのダミーチューブ6の長手方向の両端が曲折された曲折部6aを有しており、その曲折部6aまたはその先端の少なくとも一方がヘッダプレート5の長手方向の端部の外壁面9に接合されているので、従来使用していたコアサポート用プレート18を、曲折部を有するダミーチューブ6への置き換え可能であり、その際、熱交換器に使用する他の部品の形状を変更せず、対応することができる。ダミーチューブ6に曲折部6aを採用することが簡単であり、それを採用することにより、冷熱応力対策ができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、さらに、2つ以上の複数のダミーチューブ6を有し、最外側に位置するコルゲートフィン2aに接合されるダミーチューブ6に対し、他のダミーチューブ6を1つ以上積層しているので、熱交換器にかかる内圧、振動等に対して、必要な耐久性をより高めることができる。ダミーチューブ6を重ねる範囲を変更することで、耐久性の劣る部位のみの補強、及び、材料の節減ができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、さらに、ヘッダプレート5に形成されたダミーチューブ挿通孔7に、少なくとも1つのダミーチューブ6の長手方向の両端が挿通されているので、第1流体の流通用の偏平チューブ1と同工程で、少なくとも1つのダミーチューブ6をヘッダプレート5へ組付けることが可能となる。
また、少なくとも1つのダミーチューブ6の長手方向の両端が曲折された曲折部6aを有しており、その曲折部6aまたはその先端の少なくとも一方がヘッダプレート5の長手方向の端部の外壁面9に接合されているので、ダミーチューブ6に曲折部6aを採用することが簡単であり、それを採用することにより、冷熱応力対策ができる。
そして、少なくとも2つのダミーチューブ6の両端をヘッダプレート5にろう付接合するので、ダミーチューブ6の間に位置決めを設ける必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図(A)、およびヘッダタンク10を省略した
図1(A)のB-B矢視平面図(B)。
【
図2】本発明の第2実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図(A)、およびヘッダタンク10を省略した
図2(A)のB-B矢視平面図(B)。
【
図3】本発明の第3実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図。
【
図4】本発明の第4実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図。
【
図5】本発明の第5実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図(A)、およびヘッダタンク10を省略した
図5(A)のB-B矢視平面図(B)。
【
図6】従来知られているコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図(A)、およびヘッダタンク10を省略した
図6(A)のB-B矢視平面図(B)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、図面に基づいて、本発明の実施の形態につき説明する。
【0019】
図1~
図5は、本発明にかかる各実施例のコルゲートフィン型熱交換器の説明図である。
これらのコルゲートフィン型熱交換器は、偏平チューブ1とコルゲートフィン2とが交互に並列されたコア3を有する。コア3の各偏平チューブ1の長手方向の両端は、ヘッダプレート5に形成された複数のチューブ挿通孔4に挿通されている。
一例として、ヘッダプレート5は細長い方形に形成されており、チューブ挿通孔4はヘッダプレート5の長手方向に沿って並列している。また、ヘッダプレート5は底部8とその外周縁から立ち上がる外周壁9からなる皿状に形成されている。その外周壁9の先端には、適宜な間隔をあけて爪15が形成されている。底部8の外周縁には、環状溝17が形成されており、その環状溝17にシール材16が配置される。
【0020】
このヘッダプレート5には、ヘッダタンク10の開口がシール材16を介して被嵌される。ヘッダタンク10は、タンク底部11とタンク側面12とからなり、タンク底部11と対向する側が開口された箱型に形成されている。タンク側面12の開口の外周には、外方に張り出したフランジ部13が形成されている。そのフランジ部13にヘッダプレート5の爪15がカシメ固定されている。
そして、図示しないヘッダタンク10の第1流体の導入部から、コア3を形成する各偏平チューブ1の内部に第1流体(例えば、冷却水等の冷媒)が流通する。各偏平チューブ1の外部の平面とコルゲートフィン2からなる流通路に第2流体(例えば、空気流等)が流通し、それらの流体間で熱交換が行われる。
【0021】
以下に述べる各実施例に共通する特徴は、従来の熱交換器のコアサポート用プレート18を廃止し、
図1~
図5に記載のごとく、コア3の偏平チューブ1の並列方向の最外側に位置するコルゲートフィン2aの外側に、第1流体が流通しないダミーチューブ6の少なくとも1つが接合されていることにある。
このようにコアサポートを形成することにより、従来のコアサポート用プレート18を削減し、その製造工程を省略することができる。
また、ダミーチューブ6には第1流体が流れていないので、ダミーチューブ6とヘッダプレートの付根との間で発生する熱応力を低減させることができ、ダミーチューブ6の破損を防止がすることができ、ダミーチューブ6が破損しても、第1流体の洩れを防止することができる。
また、ダミーチューブ6は、第1流体の流通する偏平チューブ1と同じ製造工程で製造される偏平チューブ1を流用することが好適である。この構造を採用する場合、そのコアサポートの構造自体が単純化されるとともに、製造コストを下げることができる。
【実施例0022】
図1(A)は本発明の第1実施例のコルゲートフィン型熱交換器の要部断面図であり、同図(B)はヘッダタンク10を省略した
図1(A)のB-B矢視平面図である。
この実施例では、
図1(A)に示す如く、ヘッダプレート5に形成された複数のチューブ挿通孔4の並列方向の両端の外側に、ダミーチューブ挿通孔7が形成されている。チューブ挿通孔4の開口部の長軸とダミーチューブ挿通孔7の開口部の長軸とは平行に形成される。この例では、ダミーチューブ挿通孔7は、最外側に位置するチューブ挿通孔4と外壁面9との中間の位置に形成されている。そして、そのダミーチューブ挿通孔7に1つのダミーチューブ6の長手方向の端部が挿通されている。
ダミーチューブ6とヘッダプレート5のダミーチューブ挿通孔7の間は、シール性を保つためろう付接合されることが好ましい。一方で、それらの間をろう付接合されていない構造とすることもできる。
【0023】
本実施例の場合、ダミーチューブ6の開口部両端を結ぶ軸方向の長さは、第1流体流通用の偏平チューブ1の開口部両端を結ぶ軸方向の長さと略同一に形成されている。
この場合、
図1(A)に示す如く、ダミーチューブ6の開口の端面が第1流体流通用の各偏平チューブ1の開口の端面と同一の仮想線Lの位置に配置されるよう、ダミーチューブ6の挿通長さH(ダミーチューブ6のダミーチューブ挿通孔7から突出する付根からその先端までの長さ)が調整されている。
【0024】
ダミーチューブ6と第1流体流通用の各偏平チューブ1を同一形状、同一長さとすることにより、各チューブ1、6の製造工程を共通化することができる。そして、各チューブ1、6が同一長さであるため、仮想線Lの位置に各チューブ1、6の端面の位置決め(ダミーチューブ6の挿入長さを調整)を容易に行うことができる。そして、各チューブ1、6を同時にヘッダプレート5に組付けることができるため、組立て作業の効率が良くなる。
【0025】
なお、同図(A)に示すように、ダミーチューブ6の挿通長さHを確保するため、ヘッダタンク10のフランジ部13には、前述したダミーチューブ挿通孔7に整合する位置に先端挿通部14を形成しておくことが好ましい。この先端挿通部14は、ヘッダタンク10とダミーチューブ6との緩衝を防止するため、ダミーチューブ挿通孔7の孔径より大きい孔径が好ましい。先端挿通部14を採用する場合、先端挿通部14の孔は、図示の例に限らず、貫通したものであってもよい。
図示の例は、ヘッダタンク10の材料が樹脂であり、ヘッダプレート5と爪15によりかしめ固定されている場合であるが、ヘッダタンク10の材料がアルミニウム又はその合金であって、ヘッダプレート5と爪15に溶接もしくはろう付により接合されてもよい。
ヘッダタンク10の材料がアルミニウム又はその合金である場合、ヘッダプレート5の爪15は形成しなくてもよい。