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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022434
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】アース端子ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20230208BHJP
   H02B 1/20 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H02B1/40 D
H02B1/20 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127309
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】大澤 寛之
【テーマコード(参考)】
5G016
5G211
【Fターム(参考)】
5G016DC01
5G211AA02
5G211EE09
5G211EE14
(57)【要約】
【課題】分電盤内の空間を有効に確保することができるアース端子ユニットを提供する。
【解決手段】端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動することで、接続部13がELB用アースバー2Aと接続される第1の接続状態と、接続部13がMCB用アースバー2Bと接続される第2の接続状態と、の切替が可能である。このように、アース端子ユニット1は、端子部4をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bから取り外すことなく、保持されたままの状態での切替作業を可能とする。そのため、アース端子ユニット1は、分電盤100内に設置されたときに切替作業のために確保すべき空間を低減することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分電盤内に設置されてアース電線が接続されるアース端子ユニットであって、
互いに電気的に独立する第1のアースバー及び第2のアースバーと、
前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーを固定する固定部と、
前記アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーに保持された端子部と、を備え、
前記端子部が前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーに保持された状態で移動することで、前記接続部が前記第1のアースバーと接続される第1の接続状態と、前記接続部が前記第2のアースバーと接続される第2の接続状態と、の切替が可能である、アース端子ユニット。
【請求項2】
分電盤内に設置されてアース電線が接続されるアース端子ユニットであって、
互いに電気的に独立する第1のアースバー及び第2のアースバーと、
前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーを固定する固定部と、
前記アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーに保持された端子部と、を備え、
前記端子部が前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーに保持された状態で移動することで、前記接続部が前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーの何れかと接続される接続状態と、前記接続部が前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーから電気的に独立する非接続状態と、の切替が可能である、アース端子ユニット。
【請求項3】
前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーは、第1の方向に延在すると共に、前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに離間するように並列に配置され、
前記端子部は、前記第2の方向にスライドして移動することで、前記切替が可能である、請求項1又は2に記載のアース端子ユニット。
【請求項4】
前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーは、第1の方向に延在すると共に、前記第1の方向と直交する第2の方向において互いに離間するように並列に配置され、
前記端子部は、前記第1の方向に延在する回転軸によって回転可能に支持され、
前記端子部は、前記回転軸周りに回転して前記第2の方向に移動することで、前記切替が可能である、請求項1又は2に記載のアース端子ユニット。
【請求項5】
前記第1のアースバー及び前記第2のアースバーの断面形状は、円形である、請求項1~4の何れか一項に記載のアース端子ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アース端子ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
分電盤内に設置されてアース電線が接続されるアース端子ユニットが知られている。アース端子ユニットは、互いに平行となるように配置された一対のアースバーと、何れかのアースバーに電気的に接続される端子部と、を備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-103317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のアース端子ユニットでは、帯状の一対のアースバーは、互いの幅広面が対向するように配置されている。端子部の接続先を切り替える場合、作業者は、端子部をアースバーから正面側へ取り外し、所望のアースバーへ接続されるように、正面側からアースバーに対して端子部の差込を行う。このように、上述のアース端子ユニットは、端子部の接続先のアースバーを切り替えるときに、アースバーに対する差込方向が正面側に制限されている。そのため、作業者が端子部の接続状態を切り替えるとき、上述の作業を行うための空間が必要となり、分電盤内の空間を有効に確保出来ないという問題が生じる。
【0005】
本発明は、分電盤内の空間を有効に確保することができるアース端子ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアース端子ユニットは、分電盤内に設置されてアース電線が接続されるアース端子ユニットであって、互いに電気的に独立する第1のアースバー及び第2のアースバーと、第1のアースバー及び第2のアースバーを固定する固定部と、アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された端子部と、を備え、端子部が第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された状態で移動することで、接続部が第1のアースバーと接続される第1の接続状態と、接続部が第2のアースバーと接続される第2の接続状態と、の切替が可能である。
【0007】
本発明に係るアース端子ユニットでは、端子部は、アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、第1のアースバー及び第2のアースバーに保持されている。従って、端子部は、接続部の接続先を第1のアースバー及び第2のアースバー間で切り替えることで、アース電線と電気的に接続されるアースバーを切り替えることができる。ここで、端子部が第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された状態で移動することで、接続部が第1のアースバーと接続される第1の接続状態と、接続部が第2のアースバーと接続される第2の接続状態と、の切替が可能である。このように、アース端子ユニットは、端子部を第1のアースバー及び第2のアースバーから取り外すことなく、保持されたままの状態での切替作業を可能とする。そのため、アース端子ユニットは、分電盤内に設置されたときに切替作業のために確保すべき空間を低減することができる。以上より、アース端子ユニットでは、分電盤内の空間を有効に確保することができる。
【0008】
本発明に係るアース端子ユニットは、分電盤内に設置されてアース電線が接続されるアース端子ユニットであって、互いに電気的に独立する第1のアースバー及び第2のアースバーと、第1のアースバー及び第2のアースバーを固定する固定部と、アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された端子部と、を備え、端子部が第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された状態で移動することで、接続部が第1のアースバー及び第2のアースバーの何れかと接続される接続状態と、接続部が第1のアースバー及び第2のアースバーから電気的に独立する非接続状態と、の切替が可能である。
【0009】
本発明に係るアース端子ユニットでは、端子部は、アース電線と電気的に接続可能な接続部を有すると共に、第1のアースバー及び第2のアースバーに保持されている。従って、端子部は、接続部を第1のアースバー及び第2のアースバーの何れかに接続することで、アース電線を何れかのアースバーに電気的に接続することができる。また、一時的にアース電線とアースバーとの電気的な接続を解除する必要があるときは、端子部は、接続部をいずれのアースバーからも電気的に独立した状態とすればよい。ここで、端子部が第1のアースバー及び第2のアースバーに保持された状態で移動することで、接続部が第1のアースバー及び第2のアースバーの何れかと接続される接続状態と、接続部が第1のアースバー及び第2のアースバーから電気的に独立する非接続状態と、の切替が可能である。このように、アース端子ユニットは、端子部を第1のアースバー及び第2のアースバーから取り外すことなく、保持されたままの状態での切替作業を可能とする。そのため、アース端子ユニットは、分電盤内に設置されたときに切替作業のために確保すべき空間を低減することができる。以上より、アース端子ユニットでは、分電盤内の空間を有効に確保することができる。
【0010】
第1のアースバー及び第2のアースバーは、第1の方向に延在すると共に、第1の方向と直交する第2の方向において互いに離間するように並列に配置され、端子部は、第2の方向にスライドして移動することで、切替が可能であってよい。この場合、端子部は、アース電線の向きを維持したまま、第2の方向への移動のみによって、切替を行うことができる。そのため、切替作業に伴うアース電線の動きを抑制することができる。
【0011】
第1のアースバー及び第2のアースバーは、第1の方向に延在すると共に、第1の方向と直交する第2の方向において互いに離間するように並列に配置され、端子部は、第1の方向に延在する回転軸によって回転可能に支持され、端子部は、回転軸周りに回転して第2の方向に移動することで、切替が可能であってよい。この場合、端子部が回転軸周りに回転することで、アース電線及び端子部全体の姿勢が変化する。従って、作業者は、目視によって、端子部の接続状態が切り替わったことを容易に認識することができる。
【0012】
第1のアースバー及び第2のアースバーの断面形状は、円形であってよい。この場合、第1のアースバー及び第2のアースバーの断面形状は一定の直径を有し、全周にわたって滑らかな曲面を有する。そのため、端子部が切替を行うための構造をシンプルにすることができ、切替時における端子部の移動もスムーズにすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、分電盤内の空間を有効に確保することができるアース端子ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第一実施形態に係るアース端子ユニットが適用された分電盤を示す概略正面図である。
図2図2は、第一実施形態に係るアース端子ユニットの斜視図である。
図3図3は、第一実施形態に係るアース端子ユニットの正面図である。
図4図4(a)(b)(c)は、各状態における端子部をY軸方向から見たときの図である。
図5図5は、ケーシングを取り外した状態の端子部を示す図である。
図6図6は、第二実施形態に係るアース端子ユニットの斜視図である。
図7図7は、第二実施形態に係るアース端子ユニットの正面図である。
図8図8(a)(b)(c)は、各状態における端子部をY軸方向から見たときの図である。
図9】変形例に係るアース端子ユニットの貫通孔の構成を示す概略拡大図である。
図10】アースバーの断面形状の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係るアース端子ユニット1が適用された分電盤100を示す概略正面図である。図1に示すように、分電盤100は、主幹ブレーカ101及び分岐ブレーカ102などの内部機器と、アース端子ユニット1と、を筐体103内に備える。主幹ブレーカ101及び分岐ブレーカ102は、筐体103内に設けられた取付ベース(不図示)などに取り付けられている。主幹ブレーカ101は、建物全体の電流を検出し、異常時に回路を遮断する機器である。分岐ブレーカ102は、主幹ブレーカ101から分岐した負荷機器用に設けられたブレーカである。分岐ブレーカ102は、対象となる負荷機器の電流を検出し、異常時に回路を遮断する機器である。分電盤100内には、複数の分岐ブレーカ102が配列された状態で設けられている。
【0017】
アース端子ユニット1は、分岐ブレーカ102に接続される負荷機器の接地を行うものである。アース端子ユニット1は、筐体103内の取付ベース(不図示)または、筐体103の背面板などの、何れの部材に取り付けられてもよい。アース端子ユニット1は、分岐ブレーカ102に対して負荷側の位置に設けられることが好ましい。図1に示す例では、アース端子ユニット1は、分岐ブレーカ102と筐体103の側面103aとの間のスペースSPに設けられている。このように、狭いスペースSPにアース端子ユニット1を配置することで、アース端子ユニット1が筐体103内の空間を圧迫することを抑制し、筐体103内の有効利用可能な空間を確保することができる。
【0018】
図2は、アース端子ユニット1の斜視図である。図3は、アース端子ユニット1の正面図である。図2及び図3に示すように、アース端子ユニット1は、ELB用アースバー2A(第1のアースバー)と、MCB用アースバー2B(第2のアースバー)と、設置台3A,3Bと、複数の端子部4と、を備える。ここで、以降の説明においては、アース端子ユニット1に対して設定された相対座標であるXYZ座標を用いて、各構成要素の構成について説明を行う場合がある。Y軸方向(第1の方向)は、X軸方向(第2の方向)に直交する方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向に直交する方向である。また、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の一方側を「正側」と称し、他方側を「負側」と称する。図においては、各軸において負側から正側へ向かって矢印が指し示されている。
【0019】
ELB用アースバー2Aは、漏電遮断器(ELB:Earth Leakage Breaker)の接地を行うためのアースバーである。MCB用アースバー2Bは、配線用遮断器(MCB:Miniature Circuit Breaker)の接地を行うためのアースバーである。分岐ブレーカ102のうち、漏電遮断器に該当するものはELB用アースバー2Aに接続される。分岐ブレーカ102のうち、配線用遮断器に該当するものはMCB用アースバー2Bに接続される。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、互いに電気的に独立する。すなわち、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、互いに接触しないように離間した状態で配置されている。
【0020】
ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、Y軸方向に延在すると共に、X軸方向において互いに離間するように並列に配置される。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、Y軸方向に直線状に延びる導電性の棒状部材によって構成される。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、互いに平行をなしている。本実施形態では、ELB用アースバー2AがX軸方向における正側に配置され、MCB用アースバー2BがX軸方向における負側に配置される。
【0021】
ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、帯状に広がる幅広面を有する部材ではなく、線状に延びる部材によって構成される。線状に延びる部材として、断面形状が長円、楕円、扁平な多角形を採用する場合、図10に示すような長軸の長さaが、短軸の長さbに対して200%以下に収まっているものを採用することが好ましく、150%以下に収まっているものを採用することが更に好ましい。図10(a)は長円の断面形状を示し、図10(b)は扁平な四角形を示す。あるいは、線状に延びる部材として、円形及び正多角形のように、長軸及び短軸を有さない断面形状の部材を採用することが更に好ましい。本実施形態において、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの断面形状は、円形である(図5も参照)。円形は、長軸及び短軸を有さない形状である。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの大きさは特に限定されるものではない。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの材質は特に限定されないが、銅、その他金属の導電性の材質が採用される。
【0022】
設置台3A,3Bは、アース端子ユニット1を分電盤100に設置するための部材である。設置台3Aは、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2BのY軸方向における正側の端部に設けられる。設置台3Bは、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2BのY軸方向における負側の端部に設けられる。設置台3A,3Bは、X軸方向を長手方向とする略直方体の樹脂部品である。設置台3A,3Bの樹脂の材質は特に限定されないが、例えば、ナイロン、ポリカーボネートなどの樹脂が採用される。設置台3AのY軸方向の負側の側面3Aaと、設置台3BのY軸方向の正側の側面3Baとは、互いに平行となるように、Y軸方向に対向する。
【0023】
設置台3A,3Bは、固定部6と、取付部7と、をそれぞれ有する。固定部6は、設置台3A,3BにおけるZ軸方向の正側に設けられる。取付部7は、設置台3A,3BにおけるZ軸方向の負側に設けられる。本実施形態では、固定部6及び取付部7は、一体的に成形された一つの樹脂部品として構成されている。
【0024】
固定部6は、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bを固定する部分である。設置台3Aの固定部6は、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2BのY軸方向における正側の端部付近の箇所を樹脂内に埋めることによって固定する。設置台3Bの固定部6は、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2BのY軸方向における負側の端部付近の箇所を樹脂内に埋めることによって固定する。ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、設置台3Aの側面3Aaから固定部6の内部へ入り込み、設置台3Bの側面3Baから固定部6の内部へ入り込む。
【0025】
設置台3Aの固定部6は、Y軸方向における正側の両側の角部に切欠部8A,8Bを有する。設置台3Bの固定部6は、Y軸方向における負側の両側の角部に切欠部8C,8Dを有する。切欠部8A,8Cは、各設置台3A,3BのX軸方向における正側に形成される。切欠部8A,8Cには、ELB用アースバー2Aに接続された端子板9A,9Cが配置されている。切欠部8B,8Dは、各設置台3A,3BのX軸方向における負側に形成される。切欠部8B,8D(図3参照)には、MCB用アースバー2Bに接続された端子板9B,9Dが配置されている。ELB用アースバー2Aは、Y軸方向の両端部付近の箇所が、設置台3A,3Bの内部でX軸方向の正側へ屈曲することで、端子板9A,9Cと接続される。MCB用アースバー2Bは、Y軸方向の両端部付近の箇所が、設置台3A,3Bの内部でX軸方向の負側へ屈曲することで、端子板9B,9Dと接続される。
【0026】
取付部7は、アース端子ユニット1を分電盤100に取り付けるための部分である。取付部7は、Z軸方向の負側において、筐体103内の取付ベース(不図示)または、筐体103の背面板などの取付対象部と接触する、取付面7aを有する。設置台3A,3Bには、Z軸方向に貫通する切欠部10が形成されている。この切欠部10は、設置台3A,3Bを取付対象部へ固定するためのボルトを通すためのものである。
【0027】
端子部4は、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で、アース電線17を取り付けることができる部材である。また、端子部4は、取り付けられたアース電線17をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの何れか一方に電気的に接続する部材である。本実施形態では、複数(図では5個)の端子部4が、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持されている。端子部4は、本体部12と、接続部13と、を備える。
【0028】
本体部12は、X軸方向を長手方向とする略直方体の樹脂部品である。本体部12の樹脂の材質は特に限定されないが、設置台3A,3Bと同様の樹脂が採用される。本体部12は、Y軸方向における正側のケーシング12Aと、Y軸方向における負側のケーシング12Bとを組み合わせることによって構成される。ケーシング12A,12Bは、本体部12をY軸方向における中央位置で半分に分割した構成を有している。本体部12は、ELB用アースバー2Aを挿通させる貫通部16Aと、MCB用アースバー2Bを挿通させる貫通部16Bと、を有する。貫通部16A,16Bは、本体部12のY軸方向の正側の主面12aからY軸方向の負側の主面12bに至るまで、本体部12を貫通している。貫通部16Aは、本体部12のうち、X軸方向における中央位置よりも、X軸方向の正側の領域に形成される。貫通部16Bは、本体部12のうち、X軸方向における中央位置よりも、X軸方向の負側の領域に形成される。
【0029】
本体部12は、Z軸方向の正側の側面12cに、アース電線17を挿入させる配線孔18を有している。アース電線17は、配線孔18に挿入されることで、本体部12の内部で接続部13と接続される。
【0030】
接続部13は、本体部12の内部に設けられ、アース電線17と電気的に接続可能な導電性部材である。接続部13の材質は特に限定されないが、アースバー2A,2Bと同様な材質が採用されてもよく、異なる材質が採用されてもよい。接続部13は、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの何れか一方と接触することによって接続可能である。
【0031】
図4を参照して、端子部4の構成について更に詳細に説明する。図4(a)(b)(c)は、各状態における端子部4をY軸方向から見たときの図である。本実施形態において、端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動することで、接続部13がELB用アースバー2Aと接続される第1の接続状態(図4(b)に示す状態)と、接続部13がMCB用アースバー2Bと接続される第2の接続状態(図4(a)に示す状態)と、の切替が可能である。また、端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動することで、接続部13がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの何れかと接続される接続状態(図4(a)(b)に示す状態)と、接続部13がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bから電気的に独立する非接続状態(図4(c)に示す状態)と、の切替が可能である。更に、端子部4は、X軸方向にスライドして移動することで、各状態への切替が可能である。
【0032】
なお、「端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動する」とは、端子部4をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bを一度取り外してから所望の位置に付け替えることではなく、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bが貫通部16A,16Bに挿通されたままの状態にて、端子部4が移動することである。
【0033】
上述のような切替を可能とするために、端子部4の貫通部16Aは、X軸方向における中央位置から正側へ向かって順に、接触部21A、ニュートラル部22A、及び退避部23Aを有する。接触部21Aは、第1の接続状態(図4(b)参照)においてELB用アースバー2Aが配置される箇所であり、ELB用アースバー2Aを接続部13に接触させるため箇所である。ニュートラル部22Aは、非接続状態(図4(c)参照)においてELB用アースバー2Aが配置される箇所であり、ELB用アースバー2Aを接続部13から離間させるための箇所である。退避部23Aは、第2の接続状態(図4(a)参照)においてELB用アースバー2Aが配置される箇所であり、ELB用アースバー2Aを接続部13から退避させて離間させるための箇所である。
【0034】
Y軸方向から見て、接触部21A、ニュートラル部22A、及び退避部23Aの内周面は、ELB用アースバー2Aの円形の断面形状に対応するように、円形の形状を有している。接触部21Aとニュートラル部22Aとの境界部では、接触部21Aの内部空間とニュートラル部22Aの内部空間とが連通している。退避部23Aとニュートラル部22Aとの境界部では、退避部23Aの内部空間とニュートラル部22Aの内部空間とが連通している。接触部21Aとニュートラル部22Aとの境界部、及び退避部23Aとニュートラル部22Aとの境界部では、円形の内部空間が連通することで形成されたくびれによって、ストッパ部24Aが構成される。ストッパ部24Aは、接触部21A、ニュートラル部22A、及び退避部23Aの何れかの箇所に配置されたELB用アースバー2Aが、隣の箇所へ相対的に移動することを規制する。
【0035】
ここで、本体部12は、ニュートラル部22A及び退避部23AのZ軸方向における正側の内周面から、Z軸方向における正側へオフセットした位置に、内周面の形状に対応するスリット26Aを有する(図5も参照)。そのため、ニュートラル部22A及び退避部23AのZ軸方向における正側の箇所は、ELB用アースバー2Aの移動に伴って可動する可動部27Aとして機能する。例えば、ELB用アースバー2Aが、退避部23Aからストッパ部24Aを乗り越えてニュートラル部22Aへ移動するとき、可動部27Aは、ストッパ部24A間の隙間が広がるように移動する。なお、本実施形態では、スリット26A及び可動部27Aは、ケーシング12Bにのみ形成されている。ケーシング12Aは、スリット26A及び可動部27Aに対応する箇所にて大きく切り欠かれている。
【0036】
接触部21Aの内周面には、接続部13の受容部31Aが露出するように配置されている。受容部31Aは、Y軸方向から見てC字状の形状を有すると共に、接触部21Aとニュートラル部22Aとの境界部にて、ELB用アースバー2Aが受容部31Aへ進入可能なように、開口している。受容部31Aの内周面の直径は、ELB用アースバー2Aの直径と略同一である。なお、受容部31Aの大きさは、ELB用アースバー2Aがニュートラル部22Aに配置されているときに、受容部31AとELB用アースバー2Aとが接触しないように設定されている。
【0037】
また、端子部4の貫通部16Bは、X軸方向における中央位置から負側へ向かって順に、接触部21B、ニュートラル部22B、及び退避部23Bを有する。接触部21Bは、第2の接続状態(図4(a)参照)においてMCB用アースバー2Bが配置される箇所であり、MCB用アースバー2Bを接続部13に接触させるため箇所である。ニュートラル部22Bは、非接続状態(図4(c)参照)においてMCB用アースバー2Bが配置される箇所であり、MCB用アースバー2Bを接続部13から離間させるための箇所である。退避部23Bは、第1の接続状態(図4(b)参照)においてMCB用アースバー2Bが配置される箇所であり、MCB用アースバー2Bを接続部13から退避させて離間させるための箇所である。
【0038】
貫通部16Bは、貫通部16AとX軸方向の中央位置を基準として、左右対象な構造を有している。従って、貫通部16Bは、貫通部16Aのストッパ部24A、受容部31A、スリット26A、及び可動部27Aと同趣旨の構成を有するストッパ部24B、受容部31B、スリット26B、及び可動部27Bを有する。
【0039】
貫通部16Aの接触部21A、ニュートラル部22A、及び退避部23Aと、貫通部16Bの接触部21B、ニュートラル部22B、及び退避部23Bとは、Z軸方向における中央位置にて、X軸方向に沿って直線状に配置される。具体的には、接触部21A、ニュートラル部22A、退避部23A、接触部21B、ニュートラル部22B、及び退避部23Bの中心軸は、Y軸方向から見たときに、X軸方向に延びる仮想的な直線(図4(a)の仮想線L1参照)上に配置される。そのため、端子部4は、X軸方向に配列されたELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに対して、X軸方向に直線状にスライドして移動することができる。端子部4がスライドして移動するとは、端子部4が移動方向に回転成分を含むこと無く、直進して移動することである。
【0040】
次に、図5を参照して、接続部13の構成についてより詳細に説明する。図5は、ケーシング12Bを取り外した状態の端子部4を示す図である。接続部13は、前述の受容部31A,31Bと、連結部32と、保持部33A,33Bと、を有する。連結部32は、受容部31Aと受容部31Bとを連結する部分である。連結部32は、受容部31AからZ軸方向における負側へ延び、X軸方向における負側へ延び、受容部31Bへ向かってZ軸方向における正側へ延びることで、受容部31A,31B同士を連結している。なお、連結部32は、ケーシング12Bの壁部37によって支持されている。保持部33A,33Bは、配線孔18から挿入されたアース電線17を保持する部分である。保持部33A,33Bは、受容部31A,31Bの一部の導体片をX軸方向における中央側へ立ち上げることによって構成される。配線孔18から挿入されたアース電線17は、保持部33A,33Bを押しのけながら当該保持部33A,33B間を通過し、連結部32の位置まで到達する。これにより、アース電線17は、保持部33A,33Bで挟まれて保持されると共に、接続部13と電気的に接続される。
【0041】
図4に戻り、端子部4の切替動作について説明する。端子部4が非接続状態にあるとき、図4(c)に示すように、ELB用アースバー2Aはニュートラル部22Aに配置され、MCB用アースバー2Bはニュートラル部22Bに配置される。このとき、接続部13は、何れのアースバー2A,2Bにも接続されていない。図2及び図3では、Y軸方向の正側の三つの端子部4が非接続状態にある。このような非接続状態から第1の接続状態への切替を行う場合、作業者は、端子部4をX軸方向の正側へスライドさせる。これにより、図4(b)に示すように、ELB用アースバー2Aは接触部21Aに配置され、MCB用アースバー2Bは退避部23Bに配置される。このとき、接続部13は、受容部31AにてELB用アースバー2Aと接続され、MCB用アースバー2Bとは接続されていない。図2及び図3では、Y軸方向の最も負側の端子部4が第1の接続状態にある。このような第1の接続状態から第2の接続状態への切替を行う場合、作業者は、端子部4をX軸方向の負側へスライドさせる。これにより、図4(a)に示すように、ELB用アースバー2Aは退避部23Aに配置され、MCB用アースバー2Bは接触部21Bに配置される。このとき、接続部13は、受容部31BにてMCB用アースバー2Bと接続され、ELB用アースバー2Aとは接続されていない。図2及び図3では、Y軸方向の負側から数えて二番目の端子部4が第2の接続状態にある。
【0042】
次に、第一実施形態に係るアース端子ユニット1の作用・効果について説明する。
【0043】
本実施形態に係るアース端子ユニット1では、端子部4は、アース電線17と電気的に接続可能な接続部13を有すると共に、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持されている。従って、端子部4は、接続部13の接続先をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2B間で切り替えることで、アース電線17と電気的に接続されるアースバー2A,2Bを切り替えることができる。ここで、端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動することで、接続部13がELB用アースバー2Aと接続される第1の接続状態と、接続部13がMCB用アースバー2Bと接続される第2の接続状態と、の切替が可能である。このように、アース端子ユニット1は、端子部4をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bから取り外すことなく、保持されたままの状態での切替作業を可能とする。そのため、アース端子ユニット1は、分電盤100内に設置されたときに切替作業のために確保すべき空間を低減することができる。以上より、アース端子ユニット1では、分電盤100内の空間を有効に確保することができる。
【0044】
本実施形態に係るアース端子ユニット1では、端子部4は、アース電線17と電気的に接続可能な接続部13を有すると共に、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持されている。従って、端子部4は、接続部13をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの何れかに接続することで、アース電線17を何れかのアースバー2A,2Bに電気的に接続することができる。また、一時的にアース電線17とアースバー2A,2Bとの電気的な接続を解除する必要があるときは、端子部4は、接続部13をいずれのアースバー2A,2Bからも電気的に独立した状態とすればよい。ここで、端子部4がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに保持された状態で移動することで、接続部13がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの何れかと接続される接続状態と、接続部13がELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bから電気的に独立する非接続状態と、の切替が可能である。このように、アース端子ユニット1は、端子部4をELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bから取り外すことなく、保持されたままの状態での切替作業を可能とする。そのため、アース端子ユニット1は、分電盤100内に設置されたときに切替作業のために確保すべき空間を低減することができる。以上より、アース端子ユニット1では、分電盤100内の空間を有効に確保することができる。
【0045】
ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bは、Y軸方向に延在すると共に、Y軸方向と直交するX軸方向において互いに離間するように並列に配置され、端子部4は、X軸方向にスライドして移動することで、切替が可能であってよい。この場合、端子部4は、アース電線17の向きを維持したまま、X軸方向への移動のみによって、切替を行うことができる。そのため、切替作業に伴うアース電線17の動きを抑制することができる。
【0046】
また、アース端子ユニット1では、アース電線17及び端子部4全体のアースバー2A,2Bに対する位置が、切替作業によって変化する。従って、作業者は、目視によって、端子部4の接続状態が切り替わったことを容易に認識することができる。
【0047】
ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの断面形状は、円形であってよい。この場合、ELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bの断面形状は一定の直径を有し、全周にわたって滑らかな曲面を有する。そのため、端子部4が切替を行うための構造をシンプルにすることができ、切替時における端子部4の移動もスムーズにすることができる。
【0048】
[第二実施形態]
図6は、第二実施形態に係るアース端子ユニット200の斜視図である。図7は、アース端子ユニット200の正面図である。第二実施形態に係るアース端子ユニット200は、端子部204の移動態様の点で、第一実施形態に係るアース端子ユニット1の端子部4と相違している。以下、第二実施形態に係るアース端子ユニット200の構成のうち、第一実施形態に係るアース端子ユニット1と異なる点について説明し、共通する点については説明を省略する。
【0049】
端子部204は、Y軸方向に延在する回転軸250によって回転可能に支持される。回転軸250は、設置台3Aと設置台3Bとの間でY軸方向に平行に延び、各端子部204を貫通している。端子部204に形成される貫通部216A,216Bは、端子部204の回転を可能とする構造を有する。これにより、端子部204は、回転軸250周りに回転してX軸方向に移動することで、第1の接続状態、第2の接続状態、非接続状態の切替が可能である。
【0050】
図8(c)に示すように、貫通部216Aの接触部221A、ニュートラル部222A、及び退避部223Aと、貫通部216Bの接触部221B、ニュートラル部222B、及び退避部223Bとは、回転軸250を中心として、円弧を描くように配置される。具体的には、接触部221A、ニュートラル部222A、退避部223A、接触部221B、ニュートラル部222B、及び退避部223Bの中心軸は、Y軸方向から見たときに、回転軸250を中心とする仮想的な円弧(図8(a)の仮想線L2参照)上に配置される。そのため、端子部204は、X軸方向に配列されたELB用アースバー2A及びMCB用アースバー2Bに対して、回転軸250周りに回転してX軸方向に移動することができる。端子部204が回転して移動するとは、端子部204が移動方向に回転成分を含んだ状態で移動することである。
【0051】
図8を参照して、端子部204の切替動作について説明する。端子部204が非接続状態にあるとき、図8(c)に示すように、ELB用アースバー2Aはニュートラル部222Aに配置され、MCB用アースバー2Bはニュートラル部222Bに配置される。このとき、接続部13は、何れのアースバー2A,2Bにも接続されていない。図6及び図7では、Y軸方向の正側の三つの端子部204が非接続状態にある。このような非接続状態から第1の接続状態への切替を行う場合、作業者は、端子部204をX軸方向の正側へ回転させる。これにより、図8(b)に示すように、ELB用アースバー2Aは接触部221Aに配置され、MCB用アースバー2Bは退避部223Bに配置される。このとき、接続部13は、受容部31AにてELB用アースバー2Aと接続され、MCB用アースバー2Bとは接続されていない。図6及び図7では、Y軸方向の負側から数えて二番目の端子部204が第1の接続状態にある。このような第1の接続状態から第2の接続状態への切替を行う場合、作業者は、端子部204をX軸方向の負側へ回転させる。これにより、図8(a)に示すように、ELB用アースバー2Aは退避部223Aに配置され、MCB用アースバー2Bは接触部221Bに配置される。このとき、接続部13は、受容部31BにてMCB用アースバー2Bと接続され、ELB用アースバー2Aとは接続されていない。図6及び図7では、Y軸方向の最も負側の端子部204が第2の接続状態にある。
【0052】
以上のように、端子部204は、Y軸方向に延在する回転軸250によって回転可能に支持され、端子部204は、回転軸250周りに回転してX軸方向に移動することで、切替が可能であってよい。この場合、端子部204が回転軸250周りに回転することで、アース電線17及び端子部204全体の姿勢が変化する(図6及び図7参照)。従って、作業者は、目視によって、端子部204の接続状態が切り替わったことを容易に認識することができる。
【0053】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0054】
例えば、上述の実施形態では、アース端子ユニットが二本のアースバーを有していたが、三本以上のアースバーを有してもよく、それらのアースバーに対する接続状態を切替可能であってよい。
【0055】
また、状態の切替を行うための端子部の貫通部の構成は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0056】
例えば、上述の実施形態では、接触部と退避部との間にニュートラル部が配置されていたが、接続部の受容部の形状を工夫することで、接触部と退避部の外側にニュートラル部が配置されるような構成としてもよい。
【0057】
上述の実施形態では、各切替動作は、アースバー2A,2Bの配列方向であるX軸方向の移動によって切替が行われていた。しかし、各状態への切替が、端子部のZ軸方向への移動によって行われてもよい。例えば、図9(a)に示すように、接触部321と退避部323がX軸方向で隣り合い、ニュートラル部322は、接触部321及び退避部323に対してZ軸方向に隣り合う位置に配置されてよい。この場合、接続状態から非接続状態へ切り替えるときには、端子部がZ軸方向の負側へ移動する。また、接続部の受容部の配置を工夫することで、第1の接続状態と第2の接続状態との切替が、Z軸方向への移動によって行われてもよい。
【0058】
例えば、接触部、ニュートラル部、及び退避部の境界部に突起状のストッパ部を設けることで、各部分にアースバーが留まるような構成となっていた。しかし、アースバーの移動を留める機構は特に限定されない。例えば、図9(b)に示すように、接触部421、ニュートラル部422、及び退避部423の境界部にはストッパ部などの突起を設けず、作業者の操作などによってアースバー2をその場に留める機構を設けてもよい。例えば、作業者がネジ止めなどの操作を行うことで、アースバー2を押圧することによって、当該アースバー2を接触部421、ニュートラル部422、及び退避部423の各位置において、その場に留める押圧機構430を設けてよい。
【0059】
例えば、ELB用アースバー2Aの専用の端子部を設けてもよい。当該端子部は、ELB用アースバー2Aとの接触部と、ニュートラル部のみを有することで、第1の接続状態と非接触状態の切替のみを行うようにしてよい。
【符号の説明】
【0060】
1,200…アース端子ユニット、2A…ELB用アースバー(第1のアースバー)、2B…MCB用アースバー(第2のアースバー)、4,204…端子部、6…固定部、17…アース電線、100…分電盤、250…回転軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10