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特開2023-22438コロソリン酸類などの摂取によりインスリンの機能回復ならびに分泌の不全を同時かつ一剤または合剤で緩和し改善する組成物と使用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022438
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】コロソリン酸類などの摂取によりインスリンの機能回復ならびに分泌の不全を同時かつ一剤または合剤で緩和し改善する組成物と使用の方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20230208BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20230208BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 15/10 20060101ALI20230208BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K31/19
A61K38/28
A61P3/10
A61P9/12
A61P9/00
A61P25/24
A61P25/28
A61P15/10
A61P37/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127314
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】501451521
【氏名又は名称】松山 太
(72)【発明者】
【氏名】松山 太
(72)【発明者】
【氏名】デュモン デラクルーズ エリノア
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C206
【Fターム(参考)】
4B018MD10
4B018ME03
4B018ME04
4B018ME08
4B018ME14
4B018MF01
4C084AA02
4C084BA44
4C084DB34
4C084MA02
4C084MA52
4C084MA66
4C084NA14
4C084ZA12
4C084ZA15
4C084ZA36
4C084ZA42
4C084ZA81
4C084ZB09
4C084ZB26
4C084ZC35
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA13
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA72
4C206MA86
4C206NA05
4C206ZA12
4C206ZA15
4C206ZA36
4C206ZA42
4C206ZA81
4C206ZB09
4C206ZB26
4C206ZC35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安価で手軽な一剤だけの摂取でインスリン分泌不全の改善、インスリン追加分泌の遅延の改善、インスリン抵抗性の緩和と改善が可能であり、成人病・生活習慣病の課題を同時にかつ簡便に解決するための方法を提供する。
【解決手段】コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用い、インスリン感受性の向上、機能の回復を目的とし、二次的効果として、癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDなどの成人病、生活習慣病の予防可能な組成物と一剤または合剤で同時または段階的に解決する食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用い、インスリン感受性の向上、機能の回復を目的とし、二次的効果として、癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDなどの成人病、生活習慣病の予防可能な組成物と一剤または合剤で同時または段階的に解決する食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項2】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用い、追加インスリンの遅延の改善、それに伴う二次的効果として脳内の残留インスリンの低減による脳内アミロイドベータやタウ・タンパクの前駆体となる産生を低減させることを目的とした、一剤または合剤かつ同時または段階的に解決する組成物と食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項3】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用いて、インスリン感受性を向上させ、分泌不全や追加インスリンの遅延を改善する、組成物と一剤または合剤で同時または段階的に解決する食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項4】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用いて、老化や劣化したインスリン機能の回復と分泌不全の改善を一剤かつ同時に解決する組成物と食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項5】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用いて、インスリンタンパク本体機能の機能低下の予防、ならびに機能回復し感受性の低下を改善し、血流と代謝を円滑化することにより副次的効果として末梢血管の血栓を予防しコロナ変異株などの感染症の重症化リスクを低下させる組成物と食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項6】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用いて、繊維化したりホルモンの影響を受けて低下したインスリン機能の回復と、インスリンの総分泌量の低減、分解酵素で分解されずに血管内に残った残留インスリンを低減する組成物と一剤または合剤で同時または段階的に解決する食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【請求項7】
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを0.01mgから300mgを含む抽出物を用いて、自然免疫細胞と獲得免疫細胞の代謝を改善し癌疾患やCovit-19やコロナ変異株など種々の感染症に対するマクロファージや抗体の正常化と強化により疾患の予防と治療のための組成物と食用、飲用、吸引、点滴などの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は[医学][化学][医薬」[バイオ]である。
【0002】
本発明の応用技術分野は[医学][生化学][薬学][農学][植物学][ビジネスモデル]である。応用製品化分野としての、アプリケーションは[農業][食品][飲料][試薬][遺伝子工学][工場栽培農業][ゲノム編集][医療機器][分析機器][電器製品][連携ビジネスモデル][芳香剤][ジェットプリンター][ICチップス][解析工学]などがある。
【背景技術】
【0003】
本発明はコロソリン酸とインスリンに関するものである。2度の臨床試験により[コロソリン酸とその類縁によるギャップの解決力]を発見したことに尽きる。200万年前の旧石器時代から少ない栄養分で生き抜けるように進化してきた人体の機能と、直近100年間に起こった大長寿時代と飽食や冨栄養の生活のアンバランスとギャップに関するコロソリン酸の健康維持への対応力の発見である。コロソリン酸摂取により、[現代人の万病の源ともいえるインスリン抵抗性とインスリン機能低下ほか]を同時に改善し、一剤または合剤で解決できたことの発見である。
【0004】
インスリンは変化しないものと考えられてきた。しかし水晶やダイヤや金属でない限り、体のなかでは加齢や生活習慣により機能低下、劣化などが当然起こりえるだろう。インスリンはペプチドホルモンでありアミノ酸が立体的につながり、糖質・色素・金属などの物質とも結合する、人体だけでも10万種類もあるタンパク質である。インスリンの変化は当然である。事実、繊維化や、2型糖尿病の女性の生理期においては機能低下が報告されている。例えば発癌リスクは加齢と共に高くなる、それはなぜだろう。
さて誰にでも毎日発生しているとされる[癌細胞]、その癌細胞を除去しているのは自然免疫である。その癌細胞を食べているのはマクロファージであり、それは細胞の一種である。その細胞の機能低下はないのだろうか。
細胞には代謝が必要であり、インスリンは常に大きな役割を果たし続けている。マクロファージも例外ではない。ニボルマブ(オプジーボ)の開発者は、抗体には数とパワーに個人差があると発表した。抗体とは、白血球のサブタイプの一つであるリンパ球の一種であるB細胞が産生する糖タンパク分子であり、自然免疫細胞と同様に円滑な代謝なくしては機能は低下する。ここでもインスリンが重要な機能を果たしている。
発明者は、成人病、生活習慣病、癌などのリスクが加齢と共に高まることの着目した。旧石器時代から殆どの動物は一日中食べ物を探してきた。食物獲得に有利な種は自然淘汰され進化につながった。つまり数百万年以上の長きに渡りすべての動物は飢餓状態であったのである。現在のような飽食と大長寿時代が訪れたのは僅か100年である。急激な変化に人類のDNAは対応が出来ていない。成人病、生活習慣病の起源の多くはこのギャップでありそれに対応できるのがコロソリン酸類である。
【0005】
血糖値を上昇させるホルモンには,グルカゴン,カテコールアミン,コルチゾール,成長ホルモンなど複数ある。飽食に経験のない人体DNAにとって、血糖値の低下作用を有するのはインスリンしか備わっていない。
本発明の進歩性、新規性はこのインスリンにある。このインスリン機能低下に対応し回復させるものがコロソリン酸類である。特にインスリン抵抗性は、ほとんどの成人病、生活習慣病、癌、認知症などのリスクを高めている。インスリン抵抗性による機能低下はあらゆる細胞の代謝を低下させ阻害しているからである。脳の神経細胞を破壊する毒素を産生するのは、アミロイドベータとタウであり脳内における第三の糖尿病とされインスリン抵抗性が原因とされている。インスリン抵抗性に起因する本来機能の低下を同時かつ一剤で改善するするというものは未だ記載がない。
インスリン機能の回復を証明するためには、[加齢たる60歳以上の比較的健康な治験者で臨床試験]を実行しなければならない。
(1)コロソリン酸摂取前、(2)コロソリン酸摂取2週間後、(3)コロソリン酸摂取1ヶ月後の3ポイントで採血試験を行う。
その3ポイントでは絶食10時間経過後の、1)空腹時、2)75グラムのブドウ糖負荷後30分、3)同じく2時間/120分後の、3ポイントで採血しそれぞれの[血糖値]と[インスリン値]を測定し、比較、解析した。
治験者の既往症は以下のように定義づけられた。
インスリン応答低下とは[血糖値が上がったにもかかわらず追加インスリンの分泌が遅い]、
インスリン作用劣化とは[インスリン値はあっても血糖値が下がりきらない]、
インスリン感受性低下とは[食後の血糖値上がりが遅く同時にインスリン値も上がらない]、
追加インスリン分泌の遅延とは[血糖値が下がった後にもインスリンが出続ける状態]、
インスリン抵抗性とは[空腹時にもかかわらず高いインスリン値]である。
【0006】
本発明は、まず[コロソリン酸とは何たるか]について説明しそのあと本発明に至った実際の臨床試験データについて説明することとする。
薬学、生薬学から説明する場合、コロソリン酸とはトリテルペノイドの一種である。糖尿病モデルの動物及び細胞試験において、糖が組織に取り込まれる際に働くグルコース輸送体GLUT4を細胞膜へ誘導する作用があげられる。
インスリン受容体のリン酸化を促進することで、糖の取り込みを促進する作用も報告されている。コロソリン酸とは、五環であるトリテルペン類の一種。構造はウルソール酸や、オレアノール酸、トリメンティック酸、マスリン酸などと似ている。ウルソール酸とは2-α-ヒドロキシ結合を持っているという点だけが異なっている。化学式はC30H48O4で分子量は472.710の脂溶性の化合物である。
コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む代表的な薬草バナバとは、ミソハギ科の植物であり、和名をオオバナサルスベリという。東南アジアや中国南部からオーストラリア北部まで広く分布する。バナバの葉に含まれる成分には血糖値を下げる働きがあることから、糖尿病に対するサプリメントとして注目されている。このほか琵琶の葉、グワバの葉、柿の葉、桑の葉、花梨の葉などもコロソリン酸とその類たるテルペンを多く含んでいることもよく知られている。
【0007】
臨床試験の分析は以下のように記号を付けた。
A/コロソリン酸摂取前の空腹時の血糖値[0-AG]とインスリン値[0-AI]、
同じくコロソリン酸摂取前の食後30分時点の血糖値[30-AG]、
追加インスリン値[30-AI]と、C/コロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値[0-CG]とインスリン値[0-CI]とコロソリン酸摂取1ヶ月後の75グラムブドウ糖摂取30分後の血糖値[30-CG]とインスリン値[30-CI]である。
採血ポイントAとBを比べて、Bの方が血糖値もインスリン値も上がっていれば[分泌が良くなった]と言えるだろう。
同時に体や臓器の感受性も良くなった証拠でもある。上記カッコ内記号は表1に示されている。最初の数字の[0]は空腹時、[30]は食後30分の30,[A]はコロソリン酸摂取前、[G]は血糖値、[I]はインスリン値である。[0-AG]ならコロソリン酸摂取前の空腹時血糖値となる。[0-AI]ならコロソリン酸摂取前の空腹時インスリン値である。
【0008】
本発明の合理性の証明には、加齢とされる60歳以上の成人のインスリン追加分泌の遅延の改善も重要である。
A/[コロソリン酸摂取前の空腹時血糖値とインスリン値と75グラムブドウ糖摂取食後30分の血糖値と追加インスリン値]と、
B/[コロソリン酸摂取2週間後の空腹時血糖値とインスリン値と75グラムブドウ糖摂取30分後の血糖値とインスリン値]と,
C/「コロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値とインスリン値と75グラムブドウ糖摂取120分後の血糖値とインスリン値」を比較検討し改善数値で示されていなければならない。
記号でいえば ーー>[表1]に示す
コロソリン酸摂取前
0―AG、0―AI:30―AG、30―AI:120―AG,120―AI
コロソリン酸摂取2週間
0―BG、0―BI:30―BG、30―BI:120―BG、120―BI
コロソリン酸摂取1ヶ月
0―CG、0―CI:30―CG、30―CI:120―CG、120-CI
上記3時点のそれぞれの数値の比較ということになる。
本発明の合理的根拠とは、コロソリン酸摂取前に比較してコロソリン酸摂取2週間後、コロソリン酸摂取1ヶ月後の75グラムブドウ糖負荷後の30分数値と120分数値を比較し、「120分後の方が血糖値もインスリン値」も摂取前の30分、120分値よりも低値でなければならない。当然ながらコロソリン酸はそれを実証した。
【0009】
また[60歳以上の成人のインスリン機能回復と改善の証明]には、コロソリン酸摂取前の空腹時血糖値と空腹時インスリン値とコロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値と空腹時インスリン値を比較し、血糖値が安定し[100mg/dL以下]インスリン値が低下していればインスリン抵抗性の緩和がったとの証明になる。インスリン抵抗性の国際数値はHOMA-IRとして示され、[空腹時インスリン係数x空腹時インスリン値/405]つまり空腹時インスリン値の比較が重要である。
本発明の合理的根拠、つまりコロソリン酸摂取によって血糖値が安定し、空腹時インスリン値は下がり、インスリン抵抗性は緩和された。
一般的には、[インスリン分泌を促進する]と[インスリンの出過ぎを抑える]とは矛盾するように感じるかもしれない。
しかしこれこそが本発明の根幹である。コロソリン酸は天然物由来の活性化合物である。一見矛盾するようなことであっても、人体は見事な調整機能を有しその状況に応じて対応する。従来のクスリ[合成化合物]には難しい解決であり本件コロソリン酸類以外に未だ記載がない。
高齢者は複数の疾患要素を持っている。インスリン応答低下[血糖値が上がったにもかかわらず追加インスリンの分泌が遅い]、インスリン作用劣化[インスリン値はあっても血糖値が下がりきらない]、インスリン感受性低下[食後の血糖値上がりが遅く同時にインスリン値も上がらない]、追加インスリン分泌の遅延[血糖値が下がった後にもインスリンが出続ける状態]、インスリン抵抗性[空腹時にもかかわらず高いインスリン値]などがある。これを同時に解決した事実が本発明の基礎である。
【0010】
本発明は、合成薬の新薬開発に風穴を開け、新たな人体[生きもの]の合理性、柔軟性、複雑さ、フレキシビリティーを理解し今後の新薬・健康食品の創造につながることが期待できる。多くの製薬企業の[物質特許による独占利益のみを優先]、数十年に渡って全盛を極めた[一方通行あるいは単一化合物―――>単一効果・効能の限界突破するものと期待される。発明としては、明白に多くの証拠をもってこれを証明しなければなないだろう。以下は本発明の合理的根拠を示す臨床試験の結果と分析である。
【0011】
以下は順次、本発明の新規性と進歩性について証拠データと共に述べる。
まずインスリン抵抗性をインスリンサイド(インスリン本体のブラッシュアップ/機能回復/ノコギリの目立て)から論文も特許も製品も未だ一件の報告もない。本発明のように、臨床試験や各種インビボ・インビトロ実験に裏付けられたコロソリン酸のインスリン抵抗性の緩和と改善は世界初の記述である。
従来品、既発の糖尿病薬には、インスリン分泌を促すものや、インスリン抵抗性を改善するものなど完成の域に達したものも多数存在する。そのすべてがインスリン受容体に働きかけるものである。(インスリン受容体とは細胞膜上に存在してインスリンと特異的に結合し,細胞のインスリン作用を誘起する蛋白質である。 インスリン受容体は,最も下等な脊椎動物であるホソヌタウナギからヒトにいたるまでに存在する。)
本発明にはそれらの公知の薬剤とも全く違う発明性が存在する。同じインスリン応答を良くするものであっても「何がどう違うのか?そこに利点はあるのか?」、また同じインスリン抵抗性を改善するといっても従来の薬などと「何が従来のものと違うのか?どこが他の組成物と違い?どれくらい優位性があるのか?」と明確に示さなければ、発明とは認められない。
【0012】
本発明の要点、今までどこにも記載の報告もない検証事実。具体的には・・・
1. 本発明のコロソリン酸は、働きかけ対象が従来品のように受容体側の脂肪細胞や骨格筋細胞ではなく、インスリン本体である。(2006年非臨床試験、鈴鹿科学医療大学MT教授、京都大学医学部SY教授)
2. インスリンそのものの効きを高め機能を回復する。グルコースの取り込みのメカニズムのスパイク側(鍵穴への結合部分)、つまりインスリン本体のブラッシュアップ(鋸の目立て)効果である。(2019年、2020年臨床試験フィリピン共和国ハイプレシション)
3. 長期摂取の結果、食後30分で素早いインスリン応答によるインスリン追加分泌が行われ、直ちにグルコースを取り込ませ血糖値をさげた。(2006年S社による1年間の長期投与臨床試験、東京JK医科大学IY教授)
4. さらに血糖値上昇抑制により追加インスリンが節約されインスリン総分泌量が抑制される。(2006年S社長期投与臨床試験、東京JK医科大学IY教授)
5. バナバ抽出物で行った臨床試験であっても、それ以前に多様な抽出物からコロソリン酸と他の含有物から最も糖移動活性の強力なものを単利精製し、40名のボランティア治験者で二重盲検試験を実施してバナバ抽出物、あるいはバナバタブレットの活性化合物はコロソリン酸であると同定した。(2006年京都大学医学部FM教授、実行場所京都市伏見区YH総合病院)
6. さらにコロソリン酸の臨床試験に参加者の、採血分析した・・・(1)コロソリン酸摂取前、(2)コロソリン酸摂取2週間後、(3)コロソリン酸摂取1か月後のそれぞれ3時点の「絶食8時間後の空腹時インスリン値」(最も重要なインスリン抵抗性を示す値)を比較し差異を明示することこそ何より明確なコロソリン酸がインスリン抵抗性を緩和と改善する証拠になるだろう。
7. また、インスリン抵抗性の緩和と改善によって「インスリン応答の向上があった」とするならば・・・1.コロソリン酸摂取前、2.コロソリン酸摂取2週間後、3.コロソリン酸摂取1か月後のそれぞれの、75グラムブドウ糖摂取後の30分のそれぞれ3時点のインスリン値を比較すればコロソリン酸摂取がインスリン応答が良くなったとの主張根拠になるだろう。
【0013】
本発明の主題は[1]インスリン分泌不全の改善、[2]インスリン追加分泌の遅延の改善、[3]インスリン抵抗性の緩和と改善の同時解決に集約される。
例えばインスリン抵抗性の改善はインスリン感受性、それに伴うインスリン応答も向上させる。インスリン抵抗性の緩和は膵臓の負担をやわらげ、何よりインスリン総分泌量を低下させる。人体(生体)はいろいろな働きがリンクしている。
血糖値を上昇させるホルモンには,グルカゴン,カテコールアミン,コルチゾール,成長ホルモンなど複数あるが,低下作用を有するのはインスリンのみであり,インスリン分泌の低下あるいはインスリン抵抗性の増大により血糖値は上昇する。インスリンは生命活動に最も重要なホルモンの一つである。
従って同量のインスリン量(値)であっても「効き目がよければ」少量で血糖値上昇抑制するので総分泌量はセーブできる。このことは、合計3回の臨床試験(そのうち一回は一年間の長期投与)により、確認されている。
【0014】
コロソリン酸がインスリン抵抗性を緩和したという絶対的な証拠は、コロソリン酸の摂取前と、一か月摂取後の「空腹時のインスリン値の比較」が最もフェアな方法である。世界中で用いられているインスリン抵抗性の測定方法が以下の方法である。
インスリン抵抗性の判定/HOMA指数(homeostasis model assessment-insulin resistance)が用いられる。
[HOMA-IR=IRI(μU/ml)×FPG(mg/dl)/405]
これは空腹時のインスリン値に血糖値を掛けてそれを405で割った数値であり、この数値がインスリン抵抗性の目安となる。世界中でスタンダードになっている計算方法である。3以上でインスリン抵抗性の疑い,5以上でインスリン抵抗性と診断できる.
【0015】
インスリン抵抗性とは、あたかも水道の蛇口がさび付いてキチンと閉まらない状態に似ている。常に「ポタポタとしずくが零れ落ちている」状態となる。その典型的な数値が[空腹時のインスリン値]である。本来インスリンの働きの最も重要な役目は血中のグルコースや栄養分を細胞内に取り込ませるように情報を伝えて、細胞の扉を開かせるカギを持ったドアボーイのようなものである。半面、空腹時には血中のグルコースは少ないため多くのインスリンは必要とされない。食事の後には一気に栄養が取りこまれるため血糖値の安定のため素早いインスリン分泌が望まれる。
つまりインスリン抵抗性とは必要とされる以上の分泌が行われれている状態で、特に空腹時において血中のインスリン値が高い状態をインスリン抵抗性という。
【0016】
本発明のキッカケは二回にわたって行ったMCI軽症認知症の臨床試験データを調べたことにある。血糖値とインスリンとガンマーGTP[ガンマー・グルタミルトランスペプチダーゼは、肝臓の解毒作用に関係している酵素]の数字を解析している際に発見した。当該治験者達には事前のインフォームドコンセント、ご家族への聞き取り、Before & Afterの写真撮影、一人一人のインタビュー、動画撮影なども実行した。
【0017】
臨床試験の目的はスマホ中毒者の記憶機能回復の確認と、高齢者(MCI軽度認知障害)認知症の緩和と改善であった。対象物は東南アジアやオーストラリアや南北アメリカ大陸に広く分布する薬草バナバ[Lagerstroemia speciosa/オオバナサルスベリ]の認知症回復効果であり、その植物の活性化合物であるコロソリン酸[Corosolic acid]の処方量と安全性、効果の具合を知ることであった。
【0018】
以下の表1に示したことは当該二回の臨床試験の詳細である。
発明者は2019年と2020年の二年にわたってそれぞれ一回合計2回の臨床試験を実行した。実験対象は、30年間にわたって開発を続けてきたバナバ[オオバナサルスベリ]という薬草とそれに含まれる活性化合物コロソリン酸について、認知症の緩和と改善に対する効果があるかどうかを確認するために実行された。その結果の分析と解析が、本指標の使い方の発見と発明につながったものと考える。

図表1)インスリン係数[インスリンの糖に対する効きのbgて能力を示す]
【0019】
詳細/当該臨床試験とは、70歳台を中心に60歳、80歳台を一回10名、合計20名のMCI軽度認知障害を疑われる高齢者を集めて行われた。目的はコロソリン酸の認知症への効果を見るためである。使用された用剤はコロソリン酸を1%、1ミリグラム含有するバナバのエタノール熱水抽出エキス錠剤で、日本でも血糖値上昇抑制効果と安全性が内閣府食品安全員会から効果と安全性のお墨付きが出されていた。
【0020】
臨床試験に使用された治験対象物はバナバ[オオバナサルスベリ]のエタノール熱水抽出エキスのタブレットでありジャンルは健康食品である。試薬の治験に比べ、臨床試験の実行バリアーが低いことも有利だった。また京都大学のプレ臨床でバナバエタノール熱水抽出エキス/錠剤の血糖値上昇抑制作用の活性化合物が、タンニン類、食物繊維、アルファリノレン酸などではなく[コロソリン酸]であることが二重盲検試験で確認されていたことも臨床試験の意味を明確にした。
【0021】
コロソリン酸がインスリンに直接関与し、インスリン抵抗性を緩和することは1999年の[バナバ抽出物タブレット]を使った臨床試験を始めとして6回のヒト臨床試験、2回の非臨床試験、2回のインビトロ試験合計10回のインビボ・インビトロ実験において示唆、証明されてきた。
それが2019年、2020年自社のフィリピンでのヒト臨床試験結果、並びに近年の世界の大手製薬会社の認知症治験によるアミロイドベータカスケード仮説の総崩れと認知症からの撤退、医科学学会の重要疾患のインスリン抵抗性原因説、また癌の抗体に差異があるとのノーベル賞学者などの発表などにより、発明者はコロソリン酸の摂取が成人病・生活習慣病に広く役立つと確信し本発明に至ったのである。
【0022】
詳細/MMSE試験と臨床試験の実施概容
厳密に計測したエタノール熱水抽出エキスを使用しコロソリン酸1ミリグラムに設定したものを使用した。
1. 試験期間:2019年6月15日(土)~10月5日(土)
2. 試験場所:フィリピン共和国ヌエバエシハ州タラベラ町サンパスクアル地区
3. 実施期間と試験対象物:コロソリン酸服用期間1か月(30日間)バナバエタノール熱水抽出エキス・コロソリン酸1ミリグラム含有の錠剤、1回1錠、1日3回摂取または1日1回3錠摂取。
4. 製造元:株式会社KW 千葉市
5. 錠剤:1錠の総重量250ミリグラム(3錠で0.75グラム)
6. 内容物:
バナバ錠剤:Lagerstroemia speciosaエタノール熱水抽出エキス40%(コロソリン酸1mg)、ラクトース25%、デキストリン28%、セルロース5%、エステル2%。
栄養成分:熱量0、タンパク質0、炭水化物0、灰分0、脂肪0、他の化学成分0、コロソリン酸1.0mg(以下画像/これを3粒x30日分=合計90錠与えて飲んでもらった)
処方量:毎食後1日1~3回を目処に摂取。水にて服用した。(コロソリン酸摂取用量の安全性についてはカナダにおいてヒト臨床試験で1日10ミリグラム摂取の安全性試験が行われている。)日本・韓国で「トクホ」(特定保健用食品の表示の許可)取得。
7. コロソリン酸1日10ミリグラム摂取安全性試験(臨床試験)実行者:
KGK SYNERGIZE INC.225 Queens Ave., Suite 1030 London, Ontario CANADA N6A 5R8
8. 実行日付: February 10.2006
9. 安全性・副作用の確認:治験者には途中2回の健康への影響を確認したが異常や、体調不良、体調変化を訴えた人はいなかった。
10. 実施責任者:発明者/松山太 京都府福知山市字天田(北本一区)117-7
11. インタビューアー:発明者/Ellynor DC DUMON 住所:662 San Pascual Talavera Nueva Ecija
【0023】
本出願より以前(2010年以前)に行った臨床・非臨床試験の一覧

図表2)先行文献の一部で発明者が行った年度別の実験リスト
【0024】
実験の一例/2019年と2020年に行った実験のあらまし
試験の目的:コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)インスリン抵抗性が認知症の主たる原因たるかを確認した。
実行の内容:2019年8月、フィリピン国タラベラ、サンパスクアルにて治験者60歳以下スマホ中毒者20名、70歳80歳代21名合計41名。エタノール熱水エキス、一日3錠、1ヶ月服用、MMSEと(高齢者グループ21名のみ)OGTT採血試験、摂取前、2週間後、1か月後の計3回、OGTTは絶食時、75グラムブドウ糖摂取30分後、2時間後の計3回採血し血糖値、インスリン値を測定した。
結論は、コロソリン酸が活性化合物であることが確認されたバナバエタノール熱水抽出エキスタブレットは、スマホ中毒の若年、成人並びに70歳、80歳代のMCI軽度認知障害の高齢者の記憶機能を回復しインスリン反応を向上させインスリン抵抗性を改善した。コロソリン酸服用から一か月後の、二回のOGTTの採血試験においてインスリン応答、インスリン抵抗性ともにMCI軽症認知症の治験者たちには共に改善しほぼ正常になった。
1)インスリン応答:インスリンの増加分を血糖値の増加分で割ったもの。数値が高かればインスリン反応が良いとされる。I.I.(Insulin Index)=IRIデルタ(増加分インスリンμU/ml)/GLUデルタ(増加分血糖mg/dl)0.4以下なら,インスリン低分泌と判定される.
2)インスリン抵抗性の判定:HOMA-IR指数(homeostasismodel assessment-insulin resistance)が用いられる. 「HOMA-IR=IRI(μU/ml)×FPG(mg/dl)/405」 空腹時のインスリン値に血糖値を掛けてそれを405で割った数値がインスリン抵抗性の目安となる。1.6以上でインスリン抵抗性の疑い,2以上でインスリン抵抗性と診断できる.
【0025】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2006年1月、本臨床試験に先がけてバナバ抽出物の活性化合物特定の必要性が京都大学Y.S教授から指摘され、指示に従い「プレテスト」を行った。バナバ抽出物の活性化合物を同定する臨床試験が京都市伏見区の民間総合病院にて実行された。
(1)コロソリン酸試薬レベルの標品(99%以上純度)と、(2)すべてのバナバ抽出物の65~70%を占めるタンニン類の中でも最も糖移動活性の高いことが確認された、エラジタンニン系のラガーストロエミンの血糖値上昇抑制の比較試験が40名のボランティアを集め上記民間総合病院にて二重盲検方式で行われた。
結果は歴然であった。バナバ抽出物の血糖値上昇抑制作用の活性化合物は明らかにコロソリン酸であることが確認された。その結果CRO計画のヒト臨床試験が実行され、コロソリン酸僅か1ミリグラムの投与で血糖値を有意に低下させたことが証明された。
当OGTT試験はコロソリン酸試薬(99%以上純度標品)を用いて行った。二重盲検試験にてコロソリン酸1ミリグラムを男性16名、女性15名の境界型糖尿病投与して血糖値の上昇抑制を調べた。その結果、コロソリン酸による有意な血糖値上昇抑制効果が正式に確認された。
本発明の意義は、プレテストに大きな発見があった。それはまず1.コロソリン酸はインスリン抵抗性のある人には驚くほど血糖値上昇抑制作用を発揮したことである。次に2.同じくインスリン抵抗性の治験者に処方量を僅か3ミリグラムに上げれば極めて有意な血糖値上昇抑制効果が見られたという2点である。つまりコロソリン酸はインスリン抵抗性を持つ人には極めて有効な改善作用が見られのである。これも本発明の大きな証拠となった。
【0026】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(2回のヒト臨床試験)
バナバ抽出物を用いて行われた臨床試験は2度行われた。1999年5月、最初の実験は、自社で製造したバナバ熱水抽出エキスを用いて2型の境界型糖尿病が疑われる治験者で血糖値上昇抑制作用を確認した。その結果、血糖値上昇抑制があった治験者はすべてインスリン分泌が良好または出過ぎ(抵抗性)の治験者で、インスリン応答や分泌不良の治験者にはほとんど血糖値上昇抑制が見られなかった。つまり血糖値上昇抑制作用はインスリン分泌のあるなしにかかっていたのである。
2000年8月、二度目の臨床試験は飲料大手のS社が製造したバナバエタノール熱水抽出エキス(コロソリン酸含有量1%以上、1錠あたり1ミリグラム)を用いて20~70歳代の血糖値が気になる人に二重盲検試験を実行した。この二回とも東京のCROを使い東京JK医科大学のIK教授の指導のもとに行われた。
結論として重要なことは、下がった血糖値の平均値ではなく、「どんな治験者にどのように効いた」かであった。有意に血糖値上昇抑制があったのはインスリン分泌が一定以上あった治験者グループで、血糖値が下がらなかったのはインスリン分泌不全の治験者グループであった。この結果は一回目の結果と同じであった。このことから、コロソリン酸はインスリン本体に強く働きかけていることが示唆された。
【0027】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(ヒト臨床試験)
2002年11月、弊社と共同開発の関係にあった日本の飲料大手S社は、治験者18名(男性14名、女性4名)二重盲検試験、クロスオーバー試験にてコロソリン酸を含むバナバエタノール熱水抽出エキス錠剤を用い単回摂取試験と長期摂取試験を行い、血糖値上昇抑制効果とインスリン分泌変化などを治験した。
バナバエタノール熱水抽出エキスは有意に食後血糖値を下げることが確認され、長期投与においての副作用は一切報告されなかった。このことよりバナバ抽出物の血糖値上昇抑制に対する有効性と安全性が確認された。
本発明としての意義は、長期投与治験者の食後30分のインスリン分泌反応が欧米人と同じように良くなった点にあった。食後30分のインスリン分泌のグラフは鋭い山頂にように尖ったカタチとなって表れたのである。これは農耕民族由来の日本人や東アジア人には見られない傾向である。
一方インスリンの反応が向上し摂食初期の血糖値が下がれば当然インスリンの総分泌量は抑えられ低減する。コロソリン酸摂取によりインスリンレスポンスが向上しその結果素早く血糖値が下がり、膵臓による追加インスリン分泌が不必要になりインスリン分泌量がセーブされたものと考えらる。
【0028】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(非臨床試験)
2006年11月、三重県鈴鹿市の鈴鹿科学医療大学のMT教授のコロソリン酸の非臨床試験がある。KKA-y(2型糖尿病・インスリン抵抗発症マウス)に対する、コロソリン酸試薬(99%以上純度標品)の摂取はインスリン感受性を向上させ、同時に血糖値を有意に下げることも確認された。
結論は、KKA-yマウスで、コロソリン酸試薬はインスリン感受性を高め有意に血糖値を下げたことである。インスリン反応のグラフは驚くべき有意差をもって示された。
【0029】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(非臨床試験)
2004年3月、コロソリン酸が GLUT4 トランスローケーションを促進し血糖値の低下作用を示すことがわかった。コロソリン酸の血糖値上昇抑制は広く知られていたが糖取り込みのメカニズムが解明されたのは初めてである。
結論は、KKA-yマウスで、コロソリン酸の血糖値上昇抑制作用が確認されそれがGLUT4メカニズムという糖取り込み作用であることが確認された。
【0030】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(インビトロ実験)
エネルギーのもとであるグルコースは肝臓によって貯蔵され再生される。その作用は血中のグルコースとインスリン濃度によってコントロールされている。血中のコロソリン酸濃度に依存して肝臓における糖新生が変化することが確認された。
結論は、コロソリン酸がインスリン感度を高めることにより、摂取したコロソリン酸濃度により肝臓における糖新生が依存していることが確認された。
【0031】
実験の一例/コロソリン酸がインスリン抵抗性を改善する根拠(インビトロ実験)
1993年5月、広島大学医学部薬学科のYK教授と研究員MCらは、多くのフィリピンの薬草の中から現地で植物インスリンとして広く知られているバナバ(オオバナサルスベリ)に糖移動活性があることを発見し、活性化合物がコロソリン酸であることを突き止めた。またコロソリン酸の糖移動は細胞膜12回貫通型の糖取り込み型であることを確認した。
結論は、バナバはアジア各国で古来より代替インスリンと称され糖尿病対策薬草として用いられてきた。バナバ抽出物はインスリンの代わりをするかインスリン分泌を減らして血糖値を下げるとされている。伝承的にバナバのコロソリン酸がインスリン様の働きをすることが人知の証明にもなる。
【0032】
高齢になっても元気で楽しく生き続けることは多くの人々の願いである。本発明は、コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物を用いて限りある命である、「人間の健康寿命」を加齢などからくる「インスリン抵抗性に起因する種々の疾患」から守ろという発明のアイデアである。インスリン抵抗性をインスリンサイドから緩和と改善しようとするものは未だ記載がない。
本発明の主旨はコロソリン酸の働きによって・・・
(1)インスリンそのものの効きを良くし、(2)細胞受容体のインスリン感受性を向上させ、(3)血糖値の上昇を抑制しながら、(4)肝臓における糖新生をコントロールさせ、(5)脳内ほかの分解されない残留インスリンを減らし、(6)インスリン分泌の総量を低減し、(7)膵臓のインスリン分泌の負担を軽減し、(8)インスリンそのものを「鋸の目立て」のようにブラッシュアップして、(9)抗体、免疫、T細胞の働きを高め、(10)インスリン抵抗性を改善によって健康寿命を長くしようというものである。
【0033】
近年の成人病研究によれば、加齢とともに増加する生活習慣病のリスクの低減は、インスリン抵抗性の解決次第と言われるようになってきた。一方現在まで糖尿病関連としてのインスリン抵抗性改善には種々の薬剤が開発されてきた。
脂肪細胞に働きかけて脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性を引き起こす物質を減少させるチアゾリジン薬(グリタゾン)や、同系列の新しいくすりピオグリタゾン薬はインスリンに対する体の感受性を高める作用し、結果的にインスリンの働きがよくなり、血糖値が下がるとされている。おもに2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)に用い、肝臓、筋肉、脂肪組織などのインスリン感受性を高める作用がるとされ、肝臓での糖の産生がおさえられたり、血液中の糖分は筋肉などに取り込まれる(膵外作用)。
【0034】
本発明の「60歳以上の高齢者の健康管理に特化した糖取り込み能余力ならびに免疫力低下の程度を簡単な方法で表せるインスリン1単位当たりの耐糖能や経過変化を数字で表す指標」に至る経緯

図表3)従来から使われてきた血糖値とインスリンの判定指標と基準数値

実験の一例/実験の目的
証明事項/高齢者MCI軽度認知障害群のコロソリン酸摂取と血糖値とインスリン値の変化とGTTチェック

図表4)参考資料/2020年2~3月
【0035】
実験の一例/実験の目的
証明事項/高齢者への安全性:臨床試験に使用したものは安全か?
治験者全員のγ- GPT:が同等または低下し毒性や肝臓や胆管に悪影響がないこと証明する参考になった。(γ-GTP(γグルタミルトランスペプチダーゼ)は、肝臓の解毒作用に関係している酵素。)

図表5)γ-GTP/γグルタミルトランスペプチダーゼは肝臓の解毒作用に関係している酵素
(コロソリン酸摂取に副作用や体調不良の問題はなかった)
【0036】
実験の目的/証明事項/高齢者治験者の血糖値変化の確認
1.試験前から治験者群に空腹時血糖値も食事120分後血糖値も境界型糖尿病者はいなかった。
2.治験者8人中6人がコロソリン酸摂取前よりコロソリン酸摂取1ヶ月後に血糖値が低下した。
3.コロソリン酸摂取により血糖値は正常にコントロールされるようになった

図表6)2020年2~3月の第二回MCI軽症認知症群の臨床試験の血糖値変化
(コロソリン酸摂取前と摂取後の血糖値変化/血糖値に大きな変化はなかった)
【0037】
実験の目的/証明事項/コロソリン酸の摂取はインスリン分泌を早め、役割を果たせば素早く元に戻りインスリン総分泌量を節約した

治験者のほぼ全員がコロソリン酸摂取前に比べ、血糖値コントロールが正常であり、同時にインスリン抵抗性と、追加インスリン分泌が素早くなり、その結果2時間後のインスリン値は低減された。これは明らかなコロソリン酸摂取効果と言わざるを得ない。

図表7)2020年2~3月の第二回MCI軽症認知症群の臨床試験のインスリン値の変化
コロソリン酸摂取はインスリン分泌量を減らせたか?(小数点第2位まで記載)
【0038】
実験の目的/証明事項/コロソリン酸はインスリン機能を高める
インスリンが加齢、インスリン抵抗性が原因で機能が劣化することは知られている。また合成インスリン(糖尿病患者のためのペン型インスリン溶薬)でも線維化などの劣化、あるいは女性の月経周期においてインスリンの機能変化が報告されている。
コロソリン酸摂取がインスリン機能を高めていることを対耐糖能数値の上昇で実証した。
新規性:コロソリン酸は、受容体である細胞に働きかけるものではなくインスリン本体の機能を回復させるものである。従来のインスリン抵抗性のクスリ(チアゾリジン系、ピオグリタゾン、イメグリミン塩酸塩)は糖尿病の緩和を目的に開発されたもので、それらの作用する対象はすべて受容体側、つまり脂肪細胞、骨格筋細胞もしくは細胞内のミトコンドリアである。
進歩性:コロソリン酸はインスリンそのものに働きかけ本体機能をブラッシュアップさせる。今まではインスリンは永遠に同じであり変わらないものとの考えがあった。しかし近年コロナウイルスの研究やニボルマブ(オプジーボ)の研究によりインスリンタンパクのスパイクやそのものにも変化があることが解明されてきた。コロソリン酸の摂取は、細胞やミトコンドリアなどの受容体サイドではなく、インスリン本体への働きと考えるのが自然である。
実験の目的/証明事項/コロソリン酸の摂取はインスリン本体の機能を高めている
具体的証明方法)
1. コロソリン酸摂取前と、コロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時インスリン値を比較し、
2. 正常な範囲(2~10μU/mL)で、かつ空腹時における最適の血糖値コントロールを可能している、効果的なるインスリン本体機能の回復を耐糖能数字で表す
得られた結論:コロソリン酸摂取は確実にインスリン抵抗性(空腹時インスリン値)を緩和と改善させ、応答を良くし、120分後のインスリン値も正常値に戻している。

図表8)コロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取2週間後と摂取前と摂取1ヶ月後の
空腹時インスリン変化率(小数点第2位まで/治験者3は除外)
血糖値は正常にコントロールされている上で、インスリン分泌の遅延が改善され総分泌量の節約がなされた。血糖値とインスリン値のギャップが解消された。
【0039】
実験の目的/証明事項/コロソリン酸の摂取による個人別の各症状に対処する選択的なインスリン分泌機能の改善と余剰分泌の低減
新規性:コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物をインスリン抵抗性の緩和と改善に用いた記載はない。
進歩性:高齢者それぞれの体調・症例に応じてインスリン分泌を高め、その一方では素早く血糖値コントロールし遅れて分泌される食後30分、120分の余剰インスリン分泌を低減するような考え方も化合物も組成物も未だ記載がない。
具体的証明方法:コロソリン酸の摂取が、インスリン産生指数(I.I.)の低めの群にはI.I値を上げ、一方、インスリン抵抗性が疑われるHOMA-IR指数の高い群は低めに調整したことを、2つの群からサンプルを取り出しコロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取1ヶ月後の数値を比較した。
結論:コロソリン酸の摂取はインスリン分泌の調整機能を果たしている。コロソリン酸はこれら応答と空腹時インスリン値の両方に選択的に改善効果があることが分かった。
コロソリン酸摂取によるインスリン産生指数上昇度。(食事後のインスリン増加治験者選択の理論的根拠)インスリン産生指数が正常とされる0.4以下の人。
結論:コロソリン酸摂取によってインスリン応答は明らかに素早く大幅に改善した。

図表9)インスリン産生指数の低い治験者のクイックレスポンス分泌。

(インスリン応答に問題のある治験者/I.I値0.4以下の治験者のコロソリン酸摂取の「前と後」の比較、インスリン応答が明らかに改善した。)
【0040】
実験の目的/証明事項/インスリン追加分泌が遅い人(例/境界型糖尿病)のインスリン分泌問題の解決
証明事項:コロソリン酸摂取と摂取後の比較により、インスリン分泌がインスリン値の絶対値により効果的に作用したことを証明。HOMA-IRの段階的低減もこれを補足する。
治験者選択の理論的根拠:コロソリン酸摂取前のHOMA-IRが高値(1.5以上)群
結果:コロソリン酸摂によって、インスリン抵抗性もインスリンの遅延分泌も明らかに改善した。

図表10)HOMA-IRが高値の群のコロソリン酸摂取前と1ヶ月後のHOMA-IRとインスリン値の推移
(インスリン抵抗性が疑われる治験者は全員が大きく改善した)
【0041】
実験の目的/証明事項/臨床試験結果から導かれたコロソリン酸摂取のインスリン抵抗性の解決。
コロソリン酸摂取がインスリン総分泌量の低減させたことにより脳内の毛細血管に残留した未分解インスリンを減少させた。故にタンパク質との結合を少なくし、アミロイドベータ、タウ・タンパクの原因物質の産生を抑えた。同時にそのことは脳内の代謝をスムーズにしたため、脳の神経細胞へ栄養供給と酸素交換を向上させ認知機能の回復に&#32363;がったと結論付けられる。
【0042】
1千億ともいわれる脳の神経細胞に必要なものは栄養と酸素であり、それ運搬するのが血液でありインスリンである。それがなければ細胞は壊死し円滑でなければ劣化する。
事実A)コロソリン酸摂取は代謝を良くし血流を改善する。
事実B)認知機能は脳の神経細胞によって掌(つかさど)られている。神経細胞の活性化には良好な血流と代謝が不可欠である。
結論C)ゆえにコロソリン酸摂取は認知機能を向上させる。
【0043】
脳の大脳皮質に存在する神経細胞を壊死させ、脳を萎縮させる原因はアミロイドベータ、タウ・タンパクの凝集から発生する毒素である。
事実A)アミロイド沈着、タウ・タンパクの異常・蓄積は、多くの場合脳の末梢血管の残留インスリンとタンパクの結合による原因物質からの毒素が原因とされる。
事実B)コロソリン酸摂取はインスリン総分泌量を低減し末梢血管内に残留するインスリンを減らす。
結論C)ゆえにコロソリン酸摂取はアミロイド沈着、アミロイドベータ、タウ・タンパクの異常・蓄積を防止し神経細胞を破壊する毒素を軽減する。
新規性/コロソリン酸とその類縁化合物及びそれらを含む抽出物が認知症の緩和と予防に用いられた記載はない。
進歩性/コロソリン酸を用いて生命体の一部である脳の神経細胞を元気よく働かせるためには、「脳神経細胞を活性させる足し算と脳神経細胞を破壊する毒素を減らす引き算」の両方サイドからのアプローチが不可欠である。このような複合的な働きを持つ認知症の緩和と改善の化合物は未だ報告がない。

図表11)加齢とインスリン抵抗性が始まりMCI軽症認知症を有する70歳台の男女
認知機能(見当識スコアーが大幅に改善した)
【0044】
コロソリン酸摂取は、OGTT試験(糖負荷試験)で血糖値を正常値に戻していることが証明された。それにとどまらずインスリン分泌反応が良くなっていることも証明された。
糖尿病患者では I.I値が0.4 以下となり、境界型でも 0.4 以下の者は糖尿病への進展率が高い。 HOMA-IR値が1.6 以下の場合は正常、2.5 以上の場合にインスリン抵抗性があると考えられる。原則75歳までの目安。

図表12)参考資料のみ/インスリン分泌指数=Insulinogenic Index (II)
【0045】
実験の目的:証明事項/コロソリン酸の1ヶ月摂取がインスリン機能を回復させた
コロソリン酸摂取による(1)インスリン抵抗性の緩和と改善、(2)インスリン劣化からの回復

図表13)コロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値と空腹時インスリン値の比較(素早く出て、素早く収まっている)
上記の数字は、本当にOGTTの規定通りに(8時間以上絶食し75グラムの砂糖水を服用)行ったかの疑念を払拭し、インスリン応答も改善したことを示すためにコロソリン酸摂取前の空腹時血糖値とインスリン値、並びにコロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値とインスリン値を集計し解析したものである。
コロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取1ヶ月後の食事120分後の血糖値とインスリン値の比較

図表14)治験者全員の食後30分のインスリン応答(コロソリン酸摂取前と摂取1ヶ月後)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2003-219853
【特許文献2】特開2002-205949
【特許文献3】特開2001-039880
【特許文献4】特開2019-011305
【特許文献5】特開2018-139530
【特許文献6】特開2018-137712
【非特許文献】
【0047】
【非特許文献1】Antidiabetic effects of corosolic acid in KK-Ay diabetic mice.
【非特許文献2】研究業績-学術雑誌
【非特許文献3】Ellagitannins from Lagerstroemia speciosa as activators of glucose transport in fat cells.
【非特許文献4】J-GLOBAL 文献特許研究者などの科学技術情報サイト総抄録179件1.A convenient synthesis of 2β,3α-dihydroxyurs-12-en-28-oic acid as a natural diastereoisomer of corosolic acid2.An optimized method for extracting corosolic acid from loquat leaves3.Comparision of anti-non small cell lung cancer compound corosolic acid in Prunella vulgaris L.from different regions4.HPLC determination of corosolic acid in Corni Fructus5.リンゴやバナバ葉に含まれるコロソリン酸(Corosolic acid)の新規機能性:マクロファージ活性化制御作用による癌予防効果と癌治療への応用の可能性6.子宮内膜症の発生・進展における腹腔M2マクロファージと子宮内膜間質細胞の細胞間相互作用に対する天然化合物corosolic acidの影響7.子宮内膜症における腹腔Mφと子宮内膜間質細胞の相互作用に対するcorosolic acidの影響8.マクロファージの活性化を制御するCorosolic acidの骨肉腫移植モデルマウスにおける効果の検討9.バナバ茶の成分corosolic acidは卵巣癌細胞の増殖を抑制する10.Corosolic acidのマクロファージ活性化制御を介した癌免疫賦活作用11.天然物corosolic acidによる骨肉腫細胞の腫瘍進展阻害効果12.Corosolic acidのマクロファージ活性化制御作用について13.天然物corosolic acidによる骨肉腫細胞株の進展阻害効果14.Corosolic acid enhances the antitumor effects of chemotherapy on epithelial ovarian cancer by inhibiting signal transducer and activator of transcription 3 signaling15.Effect of corosolic acid on gluconeogenesis in rat liver16.Corosolic acidの腫瘍関連マクロファージやガン細胞おけるSTAT3活性化抑制作用について17.ヒト頸部腺癌細胞でBaxの上方制御によってアポプトーシスを誘発するCorosolic酸18.Corosolic acid induces apoptosis by up-regulation of Bax in human cervix adenocarcinoma cells19.トリテルペノイドはcorosolic酸ブロック変換と,TRAMP-C1前立腺細胞におけるNrf2を再活性化する後成的20.The triterpenoid corosolic acid blocks transformation and epigenetically reactivates Nrf2 in TRAMP-C1 prostate cells21.メタボリックシンドロームのラット・モデルにおける高血圧、酸化ストレスおよび炎症を減らすCorosolic酸22.Corosolic acid reduces hypertension, oxidative stress and inflammation in a rat model of metabolic syndrome23.3-エピコロソール酸 ほかに合計179論文あり
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
加齢、遺伝的要素、生活習慣、肥満などの原因で、血糖値とインスリン分泌に問題のある60歳以上の成人は日本だけでも1200万人以上とされている。コロソリン酸とその類縁それらを含む抽出物を安価で手軽な一剤だけの摂取でインスリン分泌不全の改善、インスリン追加分泌の遅延の改善、インスリン抵抗性などを緩和と改善し成人病・生活習慣病の課題を同時にかつ簡便に解決するための創薬、健康食品、原料、植樹などの健康とSDG’s に関する世界的な成人病、生活習慣病の課題。
【課題を解決するための手段】
【0049】
1. インスリン機能に関する新しい概念の導入をはかる。機能低下、劣化、脳の血液脳関門、感受性、分泌器官、免疫への影響など従来の唯一の細胞への栄養取り込みホルモンに留まらないいろいろな生体反応に重要な役割を果たしているという概念である。
2. それを明らかにする研究を深化し前進させるために協力者を見出す。
3. 最終の目標は3つ。一つ目は創薬である。新薬としてインスリン抵抗性を中心とした開発を提携先に実行してもらう。一方、発明者にはコロソリン酸の工業化について20年以上取り組んできた技術があり、安価で大量に試薬レベルの標準品を製造できる。これを生かしたい。毛細血管における血栓形成、溶解や自然免疫はの影響を考え、将来の対象疾患は癌、心臓病、高血圧症、糖尿病、認知症・鬱、脳梗塞、EDなどとする。
4. 二つ目は、健康食品への応用である。コロソリン酸は10ミリグラムの摂取までは臨床試験で安全性が担保されていて、健康食品であっても高齢者のインスリン抵抗性や分泌不全に起因する成人病、生活習慣病には十分な予防効果か期待できる。具体的には、飴、飲料、お茶、菓子類、調味料への応用が考えられる。
5. 三番目は、飼料への応用である。以前、コロソリン酸入りの飼料をニワトリに餌として食べさせ、さらにその鶏肉を二重盲検試験方式でヒトに食べさせたところコロソリン酸入り餌を食べたニワトリの肉は血糖値が上がらなかったという実験があった。実験の実行者は日本でも有数の飼料会社(上場企業)であった。コロソリン酸を含む植物は200種類以上あり、東南アジア地域におけるバナバを始めとする植樹はSDG’sの主役となりえるものである。
【発明の効果】
【0050】
1. 日本で1200万人、世界では数億人ともいわれるインスリン機能低下に起因する成人病、生活習慣病に悩む高齢者にとって願ってもない福音となる。
2. なぜなら安価で手軽で安全でしかも「一剤」で済むことである。高齢者のインスリン抵抗性に起因する疾患は糖尿病、認知症、循環器系疾患のみならず自然免疫力に関するものもあり非常に広汎である。これらの発病を抑えることは本人の労働力のみならず家族への負担の軽減にもつながる。
3. また、産業への貢献も広く、大きい。創薬に関しては、キクラゲやキノコ工場での植物培養、抽出工場、単利精製加工などがあり、食品については菓子、飲料、でんぷん会社、パン、お茶など用途は多彩である。従ってそれを流通させる問屋、商社、加工会社なども新たな仕事の創造となる。
4. 飼料や原料については、農業、種苗、運輸などを巻き込んだ大きな事業であり地球的にはSDG's への貢献が目に見えるカタチで実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】図表1)-1 インスリン係数[インスリンの糖に対する効きのbgて能力を示す]
図2】図表1)-2 インスリン係数[インスリンの糖に対する効きのbgて能力を示す]
図3】図表1)-3 インスリン係数[インスリンの糖に対する効きのbgて能力を示す]
図4】図表2)先行文献の一部で発明者が行った年度別の実験リスト
図5】図表3)従来から使われてきた血糖値とインスリンの判定指標と基準数値
図6】図表4)-1 参考資料/2020年2~3月
図7】図表4)-2 参考資料/2020年2~3月
図8】図表4)-3 参考資料/2020年2~3月
図9】図表5) γ-GTP/γグルタミルトランスペプチダーゼは肝臓の解毒作用に関係している酵素(コロソリン酸摂取に副作用や体調不良の問題はなかった)
図10】図表6)2020年2~3月の第二回MCI軽症認知症群の臨床試験の血糖値変化
図11】図表7)2020年2~3月の第二回MCI軽症認知症群の臨床試験のインスリン値の変化 コロソリン酸摂取はインスリン分泌量を減らせたか?(小数点第2位まで記載)
図12】図表8)コロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取2週間後と摂取前と摂取1ヶ月後の空腹時インスリン変化率(小数点第2位まで/治験者3は除外)
図13】図表9)インスリン産生指数の低い治験者のクイックレスポンス分泌。
図14】図表10)HOMA-IRが高値の群のコロソリン酸摂取前と1ヶ月後のHOMA-IRとインスリン値の推移(インスリン抵抗性が疑われる治験者は全員が大きく改善した)
図15】図表11)加齢とインスリン抵抗性が始まりMCI軽症認知症を有する70歳台の男女
図16】図表12)参考資料のみ/インスリン分泌指数=Insulinogenic Index (II)
図17】図表13)コロソリン酸摂取前とコロソリン酸摂取1ヶ月後の空腹時血糖値と空腹時インスリン値の比較(素早く出て、素早く収まっている)
図18】図表14)治験者全員の食後30分のインスリン応答(コロソリン酸摂取前と摂取1ヶ月後)
【発明を実施するための形態】
【0052】
1. 特別な研究から得られたコロソリン酸とその類縁化合物を通常の葉っぱの数百倍以上含む特殊な植物培養(カルス)を種にしてキノコ工場で大量に培養する。それを抽出し、単利精製すれば95%以上の純度を持つ試薬の完成である。
2. 一方、創薬に関してはコンピューターシミュレーションをコロソリン酸vsインスリン・タンパクで実行し論文化してパブリッシュして提携相手を求める。
3. 創薬までの道のりは発明者の手におえる問題でない。大手製薬企業、バイオベンチャー企業に委ねてできる限りの協力するに留まるしかない。
4. しかし消費者に直結した健康食品、原料、製品開発であれば大きな市場が創造できる。また農業や、輸出入、原料卸し、飼料業界とのコラボも可能である。最終製品については特定保健用食品や機能性食品への表示の許可も可能である。原料卸しの B to B ビジネスや、ネットを利用した B to C 販売も可能である。
5. 製品分野は、飴、ジュレ、グミ、お茶、ペットドリンク、タブレット、粉末茶など日常食品への応用が可能である。なお、バナバは厚労省では食品として区分登録され内閣府の食品安全委員会でも血糖値上昇抑制効果があり安全な食品としてのお墨付きもある。
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