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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022590
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】感圧タッチセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20230208BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230208BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
G06F3/044 140
G06F3/041 662
G06F3/041 602
H01H13/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127538
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 亮
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS02J
5G206AS27H
5G206CS04J
5G206CS05J
5G206GS21
(57)【要約】
【課題】操作面の押圧を検知する感度が高く、組み付け公差にも余裕がある感圧タッチセンサモジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】操作面10aを有する操作パネル10と、第1基材シート21に感圧センサ部30が設けられたセンサシートを備える感圧タッチセンサモジュール1において、センサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分の操作パネル10とは反対側に押圧部材52を設け、押圧部材52とセンサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分とを液状接着剤の硬化物からなる接着部60により接着し、感圧センサ部30における第1センサ電極23と第2センサ電極24の間に設けられる弾性層25に、前記液状接着剤の浸入を防ぐ周壁部25dを設ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作面を有する操作パネルと、前記操作パネルの前記操作面とは反対側に設けられたセンサシートと、押圧部材と、を備え、
前記センサシートは、基材シートと、前記基材シートに設けられた感圧センサ部と、を備え、
前記押圧部材は、前記センサシートの前記感圧センサ部が配置されている部分の前記操作パネルとは反対側に設けられ、
前記押圧部材と前記センサシートの前記感圧センサ部が配置されている部分とは、液状接着剤の硬化物からなる接着部により接着され、
前記感圧センサ部は、前記基材シートの任意の面に設けられた第1センサ電極と、前記第1センサ電極の前記押圧部材側に前記第1センサ電極と互いの面が対向するように設けられた第2センサ電極と、前記第1センサ電極と前記第2センサ電極との間に設けられた弾性層と、を備え、
前記弾性層は、外周部分に全周にわたって設けられ、前記弾性層の内部への前記液状接着剤の浸入を防ぐ周壁部を備えている、感圧タッチセンサモジュール。
【請求項2】
前記弾性層が、前記周壁部と、前記周壁部の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられた一対のシート部と、前記周壁部の内側に設けられ、前記一対のシート部に挟持された複数の柱部と、を備えるゴム状弾性体である、請求項1に記載の感圧タッチセンサモジュール。
【請求項3】
前記弾性層が、前記周壁部と、前記周壁部の内側に充填された発泡体と、を備えている、請求項1に記載の感圧タッチセンサモジュール。
【請求項4】
前記弾性層が、前記発泡体の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられ、前記弾性層の内部への前記液状接着剤の浸入を防ぐ上壁部及び下壁部をさらに備えている、請求項3に記載の感圧タッチセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧タッチセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
車載用の電子機器等において、操作面の操作を検知するセンサモジュールが用いられている。センサモジュールとしては、操作面が押圧された際の圧力を検知可能な静電容量式の感圧タッチセンサモジュールが提案されている。例えば、基材シートの一方の面に、一対の電極の間に弾性層が挟まれた感圧センサ部が設けられたセンサシートを、操作パネルの操作面とは反対側に貼り付けた感圧タッチセンサモジュールが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
このような感圧タッチセンサモジュールでは、感圧センサ部の操作パネルとは反対側に押圧部材を配置し、操作面が押圧されたときに操作パネルと押圧部材によって弾性層が厚さ方向の両側から押し潰されるようにする。弾性層が押し潰されて一対の電極間の距離が近くなると静電容量が変化するため、静電容量の変化から押圧を検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-114208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような従来の感圧タッチセンサモジュールでは、感圧センサ部と押圧部材との間に隙間があると、操作面が押圧されても当該隙間がなくなるまでは弾性層が押し潰されないため、押圧を検知する感度が低くなる。また、感圧センサ部と押圧部材との距離が近すぎて、操作面が押圧されていなくても弾性層がある程度押し潰されている状態になっていると、操作面が押圧されたときの弾性層の圧縮変形の度合いが小さくなる。この場合、押圧による静電容量の変化が小さくなるため、押圧を検知する感度が低くなる。これらのことから、操作面の押圧によって弾性層が押し潰される機構の感圧タッチセンサモジュールでは、組み付け公差が厳しくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、操作面の押圧を検知する感度が高く、組み付け公差にも余裕がある感圧タッチセンサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]操作面を有する操作パネルと、前記操作パネルの前記操作面とは反対側に設けられたセンサシートと、押圧部材と、を備え、前記センサシートは、基材シートと、前記基材シートに設けられた感圧センサ部と、を備え、前記押圧部材は、前記センサシートの前記感圧センサ部が配置されている部分の前記操作パネルとは反対側に設けられ、前記押圧部材と前記センサシートの前記感圧センサ部が配置されている部分とは、液状接着剤の硬化物からなる接着部により接着され、前記感圧センサ部は、前記基材シートの任意の面に設けられた第1センサ電極と、前記第1センサ電極の前記押圧部材側に前記第1センサ電極と互いの面が対向するように設けられた第2センサ電極と、前記第1センサ電極と前記第2センサ電極との間に設けられた弾性層と、を備え、前記弾性層は、外周部分に全周にわたって設けられ、前記弾性層の内部への前記液状接着剤の浸入を防ぐ周壁部を備えている、感圧タッチセンサモジュール。
[2]前記弾性層が、前記周壁部と、前記周壁部の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられた一対のシート部と、前記周壁部の内側に設けられ、前記一対のシート部に挟持された複数の柱部と、を備えるゴム状弾性体である、[1]に記載の感圧タッチセンサモジュール。
[3]前記弾性層が、前記周壁部と、前記周壁部の内側に充填された発泡体と、を備えている、[1]に記載の感圧タッチセンサモジュール。
[4]前記弾性層が、前記発泡体の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられ、前記弾性層の内部への前記液状接着剤の浸入を防ぐ上壁部及び下壁部をさらに備えている、[3]に記載の感圧タッチセンサモジュール。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作面の押圧を検知する感度が高く、組み付け公差にも余裕がある感圧タッチセンサモジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態の感圧タッチセンサモジュールの断面図である。
図2図1の感圧タッチセンサモジュールの感圧センサ部に用いる積層体を操作パネル側から見た平面図である。
図3】弾性層の他の例を示した断面図である。
図4】他の実施形態の感圧タッチセンサモジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の感圧タッチセンサモジュールは、操作面の押圧を検知する静電容量式の感圧タッチセンサモジュールである。以下、本発明の感圧タッチセンサモジュールの一例を示して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0011】
図1は、実施形態の感圧タッチセンサモジュールの断面図である。図2は、図1の感圧タッチセンサモジュールの感圧センサ部に用いる積層体を操作パネル側から見た平面図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態の感圧タッチセンサモジュール1は、操作面10aを有する操作パネル10と、感圧センサ部30を備えるセンサシート20と、押圧部材52と、を備えている。感圧センサ部30を備えるセンサシート20は、操作パネル10の操作面10aとは反対側に設けられている。押圧部材52は、制御基板50上に設けられており、センサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分の操作パネル10とは反対側に配置されている。押圧部材52とセンサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分とは、液状接着剤の硬化物からなる接着部60によって接着されている。
【0013】
操作パネル10としては、例えば、可撓性を有するパネルを例示できる。具体的には、操作パネル10の操作面10aを指で押圧したときに、押圧した部分が局所的に撓んで押し込まれるようなパネルを例示できる。このような操作パネル10としては、例えば、樹脂シートからなるパネルが挙げられる。
【0014】
樹脂シートを形成する材料は、透明材料であってもよく、不透明材料であってもよい。ここで、「透明」とは、JIS K7136に従って測定した光線透過率が50%以上であることを意味する。樹脂シートを形成する材料としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース等の樹脂や、シリコーンゴム等のエラストマーを例示できる。樹脂シートを形成する材料は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
【0015】
操作パネル10は、単層構成であってもよく、複層構成であってもよい。操作パネル10には、装飾、文字、図形、記号、絵柄、これらの組み合わせ、あるいはこれらと色彩とを組み合わせた任意の装飾を施してもよい。例えば、操作パネル10における感圧センサ部30が位置するボタン部分12を示唆する意匠を形成してもよい。加飾された操作パネル10としては、例えば、樹脂シート上に印刷等によって加飾層が設けられたパネル、部分的又は全体的に着色された樹脂シートからなるパネルを例示できる。
【0016】
操作パネル10の平均厚さは、0.1~5mmが好ましく、0.5~1mmがより好ましい。操作パネル10の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、十分な機械的強度が得られやすい。操作パネル10の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、操作パネル10への押圧力が後述の感圧センサ部30に伝わりやすく、押圧の検知感度が向上する。
【0017】
センサシート20は、第1基材シート21と、保護層22と、第1センサ電極23と、第2センサ電極24と、弾性層25と、第2基材シート26と、を備えている。
第1基材シート21の第1の面21aに第1センサ電極23が設けられ、第1センサ電極23を覆うように保護層22が積層されている。第1基材シート21の第2の面21bは、接着層27を介して操作パネル10の操作面10aとは反対側に貼り付けられている。第1センサ電極23の押圧部材52側には第2センサ電極24が第1センサ電極23と互いの面が対向するように設けられており、第1センサ電極23と第2センサ電極24の間に弾性層25が配置されている。第2センサ電極24の弾性層25とは反対側に第2基材シート26が設けられている。
【0018】
操作パネル10の操作面10a側から見たとき、第1センサ電極23と第2センサ電極24は重なっている。第1センサ電極23と第2センサ電極24の間に弾性層25が配置されることで感圧センサ部30が形成されている。このように、センサシート20は、第1基材シート21と、第1基材シート21に設けられた感圧センサ部30とを備えている。感圧タッチセンサモジュール1では、操作パネル10のボタン部分12が押圧されると、操作パネル10と押圧部材52によって感圧センサ部30に厚さ方向の両側から力が加わり、弾性層25が押し潰される。これにより、第1センサ電極23と第2センサ電極24の距離が近くなり、静電容量が変化することで押圧を検知できる。
【0019】
第1基材シート21の平面視形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定できる。第1基材シート21の寸法も特に限定されず、用途に応じて適宜設定できる。基材シートとしては、透明な樹脂製の絶縁フィルムを使用できる。「絶縁」とは、電気抵抗値が1MΩ以上、好ましくは10MΩ以上であることを意味する。
【0020】
第1基材シート21及び第2基材シート26を形成する材料としては、例えば、ポリエステル(PET等)、PC、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、トリアセチルセルロースを例示できる。基材シートを形成する材料は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0021】
第1基材シート21の平均厚さは、10~250μmが好ましく、25~188μmがより好ましい。第1基材シート21の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、充分な強度及び剛性を確保しやすい。第1基材シート21の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、センサシート20を容易に薄型化できる。第2基材シート26の平均厚さの好ましい範囲は、第1基材シート21と同じ理由から、第1基材シート21の平均厚さの好ましい範囲と同じである。
【0022】
保護層22は、第1基材シート21の第1の面21a側に積層されている。保護層22の形状及び寸法は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定できる。保護層22としては、特に限定されず、例えば、基材シートで例示したものと同じ透明な樹脂製の絶縁フィルムを例示できる。
【0023】
保護層22の平均厚さは、10~250μmが好ましく、10~188μmがより好ましい。保護層22の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、充分な強度及び剛性を確保しやすい。保護層22の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、センサシート20を容易に薄型化できる。
【0024】
第1センサ電極23と第2センサ電極24は、それぞれ配線によって図示しない接続端子部と接続されており、さらに接続端子部を介して静電容量検知部と電気的に接続されている。このように、第1センサ電極23と第2センサ電極24は静電容量検知部と電気的に接続されるようになっている。
【0025】
第1センサ電極23と第2センサ電極24の平面視形状は、適宜設定でき、例えば、矩形が挙げられる。第1センサ電極23と第2センサ電極24の寸法も特に限定されず、例えば、縦10mm×横10mm程度とすることができる。第1センサ電極23と第2センサ電極24が大きいほど、押圧力の検知面積が拡大する。第2センサ電極24の大きさは、操作面に近い側の第1センサ電極23よりも小さくしてもよい。これにより、操作面10a側から見たときに、第2センサ電極24が操作面10aに近い側の第1センサ電極23からはみ出しにくくなるため、第2センサ電極24での誤検知を抑制しやすくなる。
【0026】
第1センサ電極23は、接地されてもよい。これにより、感圧センサ部30に指が接近しても、接地した第1センサ電極23がシールドとなって静電容量が変化することを抑制できる。これにより、第1センサ電極23及び第2センサ電極24の静電容量の変化から、操作パネル10の操作面10aに触れようとする指が感圧センサ部30に近づくことによる影響を排除し、押圧力の影響による変化に限定できるため、押圧の誤検知をさらに抑制できる。
【0027】
第1センサ電極23は、操作面10aへの導体の接触を検知するためのタッチセンサ電極を兼ねていてもよい。これにより、操作面10aの操作を指の接触と押圧の2段階で判定して認識することができるため、誤検知をより安定して抑制できる。タッチセンサ電極は、第1基材シート21に第1センサ電極23及び第2センサ電極24とは別に設けてもよい。
【0028】
第1センサ電極23及び第2センサ電極24は、公知の態様の感圧電極を採用でき、自己容量方式であってもよく、相互容量方式であってもよい。
第1センサ電極23及び第2センサ電極24の態様としては、自己容量方式の場合、第1センサ電極23及び第2センサ電極24がそれぞれ独立に静電容量の変化を検知する検知電極である態様、いずれか一方の電極が検知電極であり、他方の電極がGND電極(接地されたベタ電極)である態様が挙げられる。また、相互容量方式の場合、第1センサ電極23及び第2センサ電極24をいずれもベタ電極とし、それらのいずれか一方をTx電極、他方をRx電極にする態様、いずれか一方をGND電極とし、他方をTx電極とRx電極とが櫛歯状に配置された櫛歯電極にする態様が挙げられる。
【0029】
第1センサ電極23及び第2センサ電極24の態様としては、第1センサ電極23及び第2センサ電極24がそれぞれ独立に静電容量の変化を検知する検知電極である自己容量方式が好ましい。この態様は、第1センサ電極23及び第2センサ電極24からのそれぞれの信号に基づいて、導体の接触又は近接と押圧とを区別して検知することが容易である。
【0030】
第1センサ電極23及び第2センサ電極24は、特に限定されないが、操作パネル10の感圧センサ部30が配置されているボタン部分12を照光する場合に効率良く照光できる点から、透明電極とすることが好ましい。透明電極とは、JIS K7361に従って測定した光線透過率が50%以上である電極を意味する。第1センサ電極23及び第2センサ電極24としては、例えば透明導電膜を使用できる。ここで、「導電」とは、電気抵抗値が1MΩ未満であることを意味する。
【0031】
透明導電膜としては、例えば、導電性高分子(インジウムドープ酸化錫(ITO)等)を含む膜、導電性ナノワイヤー(銀ナノワイヤー、金ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等)を含む膜又はメッシュ、金属粒子(銀粒子、銅粒子、金粒子等)又は導電性金属酸化物粒子(ITO粒子等)を含む膜、カーボン(カーボンブラック、グラファイト等)を含む膜、金属蒸着膜、金属メッシュ等が挙げられる。
【0032】
第1センサ電極23の平均厚さは、0.01~25μmが好ましく、0.1~15μmがより好ましい。第2センサ電極24の厚さは、材料に応じて適宜設定すればよい。導電性高分子を含む電極の平均厚さは、0.1~5.0μmが好ましく、0.1~2.0μmがより好ましい。導電性ナノワイヤーを含む電極の平均厚さは、20~1000nmが好ましく、50~300nmがより好ましい。金属粒子、ITO等の導電性金属酸化物粒子、又はカーボンを含む電極の平均厚さは、0.01~25μmが好ましく、0.1~15μmがより好ましい。金属蒸着膜からなる電極の平均厚さは、0.01~1.0μmが好ましく、0.05~0.3μmがより好ましい。銀ペースト又はカーボンペーストからなる電極の平均厚さは、1~25μmが好ましい。電極の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、ピンホールによる断線を抑制しやすい。電極の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、薄型化が容易になる。
【0033】
電極の厚さを測定する方法としては、厚さのレンジによって異なる。例えば、μmオーダーの膜厚の場合には、マイクロメーター、デジマティックインジケーターやレーザー変位計測によって厚さを測定できる。また、μmオーダーよりも薄い膜厚の場合には、走査型電子顕微鏡を用いた断面観察や蛍光X線分析装置によって厚さを測定できる。平均厚さは、電極において平面視の中心付近で測定した厚さの平均値である。
【0034】
第1基材シート21の面方向における第1センサ電極23及び第2センサ電極24の配置は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定できる。第1センサ電極23及び第2センサ電極24の数も、特に限定されず、用途に応じて適宜設定できる。
【0035】
第1センサ電極23及び第2センサ電極24に接続する配線の材料は、例えば、第1センサ電極23及び第2センサ電極24の材料と同じものを例示でき、銀ペーストが好ましい。配線の平均厚さの好ましい範囲は、第1センサ電極23及び第2センサ電極24の平均厚さの好ましい範囲と同様である。
【0036】
弾性層25は、弾性体を含む層であり、押圧によって圧縮変形する。感圧センサ部30が厚さ方向に押圧されたときには、弾性層25が厚さ方向に圧縮変形し、第1センサ電極23と第2センサ電極24との距離が近づくことで静電容量が変化する。この静電容量の変化を検知することで操作面10aの押圧が認識される。
【0037】
弾性層25は、図1及び図2に示すように、一対の第1シート部25a及び第2シート部25bと、それら第1シート部25aと第2シート部25bに挟持された複数の柱部25cと、それら複数の柱部25cを囲うように外周部分に全周にわたって設けられた周壁部25dと、を備えている。弾性層25は、これら一対の第1シート部25a及び第2シート部25b、複数の柱部25c、及び周壁部25dを備えるゴム状弾性体である。弾性層25は、一対の第1シート部25a及び第2シート部25bと周壁部25dとで囲われている内部における各々の柱部25cの周囲に空間部25eを有している。弾性層25は周壁部25dを備えているため、製造時に接着部60を形成するための液状接着剤が弾性層25の内部に浸入することを防ぐことができる。なお、空間部25eにはスポンジ等の発泡体を充填してもよい。
【0038】
第1シート部25a、第2シート部25b、複数の柱部25c及び周壁部25dを形成する材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。弾性層25のうち、弾性体からなる必要があるのは、圧縮変形する柱部25cと周壁部25dである。第1シート部25a及び第2シート部25bは、弾性材料によって形成されていてもよく、非弾性の硬質材料によって形成されていてもよい。硬質材料としては、例えば、エラストマー以外の樹脂、ガラス、金属、セラミックス、木材を例示できる。
【0039】
弾性層25を形成する弾性材料としては、押圧による厚さ方向の圧縮変形の程度が適当であり、押し心地が良好であるものを使用することが好ましい。弾性材料としては、例えば、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム等の熱硬化性エラストマー;ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系又はフッ素系等の熱可塑性エラストマー;或いはそれらの複合物を例示できる。これらの中でも、操作パネル10のボタン部分12を照光する場合に光を通しやすい点、繰り返しの押圧に対する寸法変化が小さい、即ち圧縮永久歪が小さい点から、シリコーンゴムが好ましい。周壁部25dとしては、接着部60を形成する液状接着剤が浸み込まないように、非発泡体である弾性材料を用いる。弾性層25のうち周壁部25d以外の部分を形成する弾性材料は、内部に気泡を含む発泡体であってもよい。
【0040】
弾性層25を形成する弾性体の厚さ(高さ)を1cmとしてJIS K 6253に従って測定した際のタイプAデュロメータ硬さは、85以下が好ましい。前記タイプAデュロメータ硬さが85以下であれば、押圧された際に容易に弾性変形する。ただし、過度に軟らかいと、弾性変形後の回復が遅くなるため、前記タイプAデュロメータ硬さは10以上が好ましい。
【0041】
第1シート部25aの平均厚さは、5~100μmが好ましく、10~100μmがより好ましい。第1シート部25aの平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、柱部25cとの接合強度を強くできる。第1シート部25aの平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、操作面を押圧していない状態における第1センサ電極23と第2センサ電極24との距離を近づけやすく、押圧の検知精度をより高くすることができる。第2シート部25bの厚さの好ましい範囲は、第1シート部25aの厚さの好ましい範囲と同じである。第1シート部25aの厚さと第2シート部25bの厚さは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0042】
柱部25cの形状は、特に限定されず、例えば、円柱状、円錐台状、角柱状等の柱状が挙げられる。なかでも、耐久性に優れる点から、円柱状、円錐台状が好ましい。複数の柱部25cの形状は、互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0043】
単一の柱部25cの高さ方向に垂直な方向の平均断面積は、特に限定されず、例えば、0.005~4mmが挙げられ、0.02~0.8mmが好ましい。前記柱部25cの平均断面積が前記範囲の下限値以上であれば、押圧力が加わった際に高さ方向に圧縮変形することが容易になり、柱部25cが圧縮せずに屈曲することを防止しやすい。柱部25cの平均断面積が前記範囲の上限値以下であれば、指で押す程度の適度な押圧力で容易に圧縮変形させることができる。ここで、柱部の断面積は、柱部の1/2の高さの位置で高さ方向に直交する断面の面積を意味する。柱部の断面積は、光学顕微鏡測定機等の公知の微細構造観察手段により測定できる。
【0044】
弾性層25が有する全ての柱部25cの合計の断面積は、弾性材料の物性と、設定する押し心地に応じて適宜設定できる。第1シート部25a又は第2シート部25bの面積を100%としたとき、前記合計の断面積は、0.1~30%が好ましく、0.5~20%がより好ましく、1~20%がさらに好ましい。前記合計の断面積が前記範囲内であれば、指で押す程度の適度な押圧力で容易に圧縮変形させることができる。具体的には、例えば、前記合計の断面積を1~100mmとすることができる。
【0045】
柱部25cの平均高さは、1~3000μmが好ましく、50~2000μmがより好ましく、200~1000μmがさらに好ましく、300~1000μmが特に好ましい。柱部25cの平均高さが前記範囲の上限値以下であれば、操作面を押圧していない状態における第1センサ電極23と第2センサ電極24との距離を近づけやすく、押圧力の検知精度をより高くできる。また、操作面を押圧した際に操作面がへこむ感覚が抑制されやすく、通常のタッチパネルのように硬い面に触れているのと同じ感覚で操作しやすくなる。ここで、柱部25cの高さには、第1シート部25aの厚さ及び第2シート部25bの厚さは含まれない。柱部25cの高さは、光学顕微鏡測定機等の公知の微細構造観察手段により測定できる。柱部25cは、第1シート部25a及び第2シート部25bと接続され、弾性層25の厚さを支える部材である。弾性層25の厚さが部位によらず同じであれば、複数の柱部25cの高さは実質的に同じである。
【0046】
この例の複数の柱部25cの平面視での配置パターンは、矩形状の第1シート部25a及び第2シート部25bの平面方向において、縦方向と横方向に5×5の25本の柱部25cが間隔をあけて整列したパターンである。なお、複数の柱部25cの配置パターンは、このパターンには限定されず、例えば、複数の柱部25cが千鳥状に配列したパターンであってもよい。
【0047】
弾性層25が有する柱部25cの平均個数は、1~1000個が好ましく、3~100個がより好ましく、4~50個がさらに好ましい。前記平均個数が前記範囲の下限値以上であれば、操作面を指で押す程度の適度な押圧力で弾性層25を圧縮変形させることができる。前記平均個数が前記範囲の上限値以下であれば、指で押す程度の押圧の検出精度を向上させることができる。なお、弾性層25が有する柱部25cの個数は1個でもよい。例えば、第1シート部25a及び第2シート部25bの平面方向の中央領域に1個の平面視矩形の柱部25cが設けられた態様であってもよい。この態様の場合の柱部25cを形成する弾性体は、内部に気泡を含む発泡体であることが好ましい。
【0048】
隣り合う柱部25c同士の平均ピッチは、0.1~6mmが好ましく、0.5~4mmがより好ましい。前記平均ピッチが前記範囲の下限値以上であれば、操作面を指で押す程度の適度な押圧力で弾性層25を圧縮変形させることができる。前記平均ピッチが前記範囲の上限値以下であれば、指で押す程度の押圧の検出精度を向上させることができる。
【0049】
接着部60を形成する液状接着剤が第1シート部25aと第2シート部25bとの間に入り込んだ状態で硬化すると、厚さ方向の圧縮変形が阻害され、操作面10aの押圧の検知感度が低下する。そのため、第1シート部25aと第2シート部25bとの間に入り込まないように、周壁部25dが厚さ方向の両側で第1シート部25aと第2シート部25bと連結していることが好ましい。また、周壁部25dの外側面が第1シート部25aと第2シート部25bの外側面と面一となるように周壁部25dを設けることが好ましい。このように弾性層25の外側面において周壁部25dの部分が内側に凹んでおらず、第1シート部25a及び第2シート部25bと面一になっていれば、その凹んだ部分で液状接着剤が硬化して弾性層25の圧縮変形が阻害されることを抑制しやすい。
【0050】
周壁部25dの平均高さは、柱部25cの平均高さと同等であることが好ましい。
周壁部25dの平均厚さは、10~3000μmが好ましく、50~2000μmがより好ましく、100~1000μmがさらに好ましい。周壁部25dの平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、周壁部の亀裂などによる漏れが起こりにくい。周壁部25dの平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、弾性体の圧縮変形特性への影響が最低限に収められる。
【0051】
この例の弾性層25は、図1に示すように、第1基材フィルム31と第2基材フィルム32に挟持された状態で、第1センサ電極23と第2センサ電極24の間に配置され、接着層33を介して保護層22に接着されている。接着層33は、それぞれ第1基材フィルム31の保護層22との密着面の一部のみに設けられていてもよく、密着面の全面に設けられていてもよい。弾性層25に対する押圧力を面方向に均一化することが容易な点から、前記密着面の全体に接着層33が設けられていることが好ましい。
【0052】
接着層33の材料としては、例えば、公知の硬化型接着剤(接着前は液状接着剤)、又は粘着剤(接着前はゲル状の感圧性接着剤)を例示できる。また、接着層33は、基材層の両面に接着剤又は粘着剤が配置された基材型接着層であってもよい。基材型接着層としては、例えば公知の両面テープが挙げられる。接着剤や粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体を例示できる。硬化型接着剤は、硬化時に揮発する溶剤を含む溶剤型であってもよく、ホットメルト型であってもよい。
【0053】
接着層33の厚さとしては、適宜設定でき、例えば1~75μmとすることができる。硬化型接着剤を用いた接着層33の厚さは、1~20μmが好ましい。粘着剤を用いた接着層33の厚さは、10~75μmが好ましい。
【0054】
第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32を形成する材料としては、絶縁性の樹脂材料を使用でき、それぞれ独立に、例えば、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PC、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ウレタンを例示できる。第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32を形成する樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0055】
第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32の平均厚さは、それぞれ独立に、例えば、10~200μmとすることが出来る。前述の樹脂材料を用いる場合、その平均厚さは、10~200μmが好ましく、25~150μmがより好ましく、25~100μmがさらに好ましい。平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、弾性層25に対する押圧力を面方向に均一化することが容易である。平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、操作面10aに対する入力の検知精度を高めることができる。
【0056】
第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32は、それぞれ弾性層25の第1シート部25aの外表面と第2シート部25bの外表面にそれぞれ接着されている。これらは不図示の接着層によって接着されていてもよく、公知の表面処理又は加熱処理によって直に接着されていてもよい。第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32の接着面には、接着力を向上させる目的で、物理的又は化学的な公知の表面処理が施されていてもよい。
【0057】
センサシート20における接着層27を設ける部分は、センサシート20を操作パネル10に安定して貼り付けることができる範囲で適宜設定できる。接着層27を形成する材料としては、特に限定されず、例えば、接着層33で例示した接着剤、粘着剤と同じものを例示できる。なかでも、固定領域を容易に制御できる点から、両面テープが好ましい。
【0058】
感圧タッチセンサモジュール1では、押圧部材52とセンサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分とが、液状接着剤の硬化物からなる接着部60によって接着される。これにより、押圧部材52と感圧センサ部30の間の隙間が埋められ、また硬化物からなる接着部60は変形しにくく力が伝わりやすいため、操作面10aが押圧されたときにその力が弾性層25にスムーズに伝わり、押圧の検知感度が高くなる。また、製造時には、接着部60を形成する硬化前の液状接着剤は容易に形状が変化する。このことから、製造時に押圧部材52と感圧センサ部30の間に液状接着剤をある程度多めに供給しても、押圧部材52と感圧センサ部30の近接に容易に追従できる。そのため、製造時に押圧部材52と感圧センサ部30の距離や、液状接着剤の量を厳密に制御する必要がなく、組み付け公差にも余裕がある。
【0059】
接着部60を形成する液状接着剤としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系等の硬化型接着剤を例示できる。なかでも、硬化後の強度や寸法安定性、体積収縮が少ない等の点から、エポキシ樹脂接着剤が好ましい。接着部60を形成する液状接着剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0060】
接着部60の平均厚さは、100~5000μmが好ましく、500~3000μmがより好ましく、1000~2000μmがさらに好ましい。接着部60の平均厚さが前記範囲の下限値以上であれば、容易に感圧センサ部と押圧部材とが接触出来る。接着部60の平均厚さが前記範囲の上限値以下であれば、接着剤の使用量と接触に不要な余りを少なく出来る。
【0061】
押圧部材52の寸法及び形状は、感圧センサ部30の形状に応じ、操作面10aが押圧されたときに弾性層25に十分な力が加わるように適宜設定すればよく、例えば、直方体状を例示できる。
押圧部材52の材質としては、操作面10aが押圧されたときに操作パネル10と押圧部材52によって弾性層25を押し潰しやすい点から、非弾性体であることが好ましい。具体的には、例えば、ポリカーボネートを例示できる。押圧部材52を形成する材料は、1種でもよく、2種以上でもよい。
【0062】
感圧タッチセンサモジュール1の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を利用することができる。第1センサ電極23及び第2センサ電極24は、例えば、第1基材シート21、第2基材シート26に対して印刷等によって電極材料でパターンを形成することで製造できる。
【0063】
弾性層25は、例えば、以下の方法で製造することができる。具体的には、第2基材フィルム32の片面にスクリーン印刷等によって第2シート部25bを形成する。第2シート部25bの表面に各柱部25c及び周壁部25dを配置し、紫外線を照射しながら加圧して、第2シート部25bと各柱部25c及び周壁部25dとを接合する。また、第1基材フィルム31の片面にスクリーン印刷等によって第1シート部25aを形成し、各柱部25c及び周壁部25dの上に重ねて紫外線を照射しながら加圧して、第1シート部25aと各柱部25c及び周壁部25dとを接合する。これにより第1基材フィルム31及び第2基材フィルム32に挟持された弾性層25が得られる。
【0064】
例えば第1センサ電極23を形成した第1基材シート21の第1の面21a側に、接着剤等で保護層22を貼り合わせる。そして、第1センサ電極23と第2センサ電極24とが対向し、それらの間に弾性層25が配置されるように積層して接着剤等で接着することでセンサシート20が得られる。
【0065】
センサシート20を操作パネル10に貼り付ける方法は、特に限定されず、例えば、ダイアフラム方式、ローラー方式等が挙げられる。なかでも、センサシート20の接着層27と操作パネル10との間に気泡が混入することを抑制しやすく、センサシート20をより綺麗に貼り付けることができる点から、ダイアフラム方式が好ましい。
【0066】
以上説明したように、感圧タッチセンサモジュール1では、押圧部材52とセンサシート20の感圧センサ部30が配置されている部分とが液状接着剤の硬化物からなる接着部60によって接着される。これにより、押圧部材52と感圧センサ部30の間には隙間がなく、操作面10aを押圧した力が弾性層25にスムーズに伝わるため、押圧の検知感度が高い。また製造時には、接着部60を形成する硬化前の液状接着剤の形状が容易に変化するため、押圧部材52と感圧センサ部30の距離や、液状接着剤の量を厳密に制御する必要がなく、組み付け公差にも余裕がある。また、弾性層25が周壁部25dを備えているため、製造時に接着部60を形成するための液状接着剤が弾性層25の内部に入り込んで硬化することを防ぐことができる。そのため、液状接着剤の硬化物によって弾性層25の圧縮変形が妨げられることも抑制される。
【0067】
なお、本発明の感圧タッチセンサモジュールは、前記した感圧タッチセンサモジュール1には限定されない。例えば、本発明の感圧タッチセンサモジュールは、弾性層25の代わりに図3に例示した弾性層25Aを備えていてもよい。弾性層25Aは、弾性層25における周壁部25dの内側に柱部25cが設けられておらず、その代わりに発泡体25hが充填されている。また、弾性層25Aでは、発泡体25hの厚さ方向の両側にそれぞれ設けられ上壁部25f及び下壁部25gをさらに備えている。
【0068】
弾性層25Aも周壁部25dを備えているため、製造時に接着部60を形成するための液状接着剤が弾性層25の周囲から内部に入り込んで硬化することを防ぐことができる。また、弾性層25Aでは発泡体25hの厚さ方向の両側にも上壁部25fと下壁部25gが設けられているため、製造時に接着部60を形成するための液状接着剤が弾性層25の内部に入り込んで硬化することをさらに安定して防ぐことができる。
本発明の感圧タッチセンサモジュールは、弾性層25Aにおいて上壁部25f及び下壁部25gの少なくとも一方を備えていない弾性層を備えるものであってもよい。
【0069】
本発明の感圧タッチセンサモジュールは、図4に例示した感圧タッチセンサモジュール2であってもよい。感圧タッチセンサモジュール2は、センサシート20の代わりにセンサシート20Aを備える以外は感圧タッチセンサモジュール1と同様の態様である。センサシート20Aは、第1基材シート21の第1の面21aに第1センサ電極23と第2センサ電極24が設けられ、第1基材シート21を部分的に折り返して第1センサ電極23と第2センサ電極24を対向させる以外は、センサシート20と同様の態様である。感圧タッチセンサモジュール2においても感圧タッチセンサモジュール1と同様の効果が得られる。
【0070】
本発明の感圧タッチセンサモジュールは、第1基材シート21の第2の面21bに第1センサ電極23が設けられた感圧タッチセンサモジュールであってもよい。
また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,2…感圧タッチセンサモジュール、10…操作パネル、10a…操作面、20…センサシート、21…第1基材シート、22…保護層、23…第1センサ電極、24…第2センサ電極、25,25A…弾性層、25a…第1シート部、25b…第2シート部、25c…柱部、25d…周壁部、25e…空間部、25f…上壁部、25g…下壁部、25h…発泡体、26…第2基材シート、30…感圧センサ部、52…押圧部材、60…接着部。
図1
図2
図3
図4