(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022602
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20230208BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20230208BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20230208BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20230208BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20230208BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/73
A61Q1/12
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127561
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】595137022
【氏名又は名称】東色ピグメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100098408
【弁理士】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 航平
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 和貴
(72)【発明者】
【氏名】小川 毅
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB321
4C083AB322
4C083AB432
4C083AC092
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC422
4C083AC482
4C083AD261
4C083AD262
4C083AD662
4C083BB23
4C083BB24
4C083BB25
4C083BB26
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF05
4C083FF06
(57)【要約】
【課題】化粧時の伸びと肌当たりの良い固形粉末化粧料の提供。
【解決手段】(A)球状セルロースと(B)表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウムを含有し、ガラスビーズは含有していないものであり、前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量が5~30質量%であり、前記(A)成分と前記(B)成分の合計量中、前記(A)成分の含有量が30~95質量%、前記(B)成分の含有量が5~70質量%であり、但し、前記(A)成分の含有量が30~70質量%、前記(B)成分の含有量が70~30質量%であるときは、前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量は5~15質量%である、固形粉末化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)球状セルロースと(B)表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウムを含有し、ガラスビーズは含有していないものであり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量が5~30質量%であり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計量中、前記(A)成分の含有量が30~95質量%、前記(B)成分の含有量が5~70質量%であり、
但し、前記(A)成分の含有量が30~70質量%、前記(B)成分の含有量が70~30質量%であるときは、前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量は5~15質量%である、固形粉末化粧料。
【請求項2】
前記(A)成分の球状セルロースの平均粒子径が3μm~10μmである、請求項1記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
前記(A)成分の球状セルロースの平均粒子径が3μm~10μmであり、粒子径の最小値が最大値の80%以上のものである、請求項1または2記載の固形粉末化粧料。
【請求項4】
前記(B)成分の表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウムの平均粒子径が5μm~15μmである、請求項1または2記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料である、請求項1~4のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダーファンデーションなどの固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2009-155332号公報)は、平均粒径が1~100μmで、比表面積が1~100m2/gである板状ヒドロキシアパタイトを親水性高分子と混合し、該混合物を噴霧乾燥して得られる加圧崩壊性球状粉末、および無機紫外線遮蔽剤を含有する、日焼け止め化粧料の発明が記載されている(特許請求の範囲)。
親水性高分子としては、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、寒天、ゼラチン、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、セルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸ナトリウムからなる群から選択される水溶性高分子と、結晶セルロース末、デンプン末、部分α化デンプン末、シルク末、キトサン末、ポリアクリル酸アルキル、ナイロン末からなる群から選択される水不溶性高分子の組合せが記載されている(特許請求の範囲)。
化粧下地、日焼け止め、ファンデーションなどの製品形態が記載されている(段落番号0034)。
【0003】
特許文献2(特開2020-180088号公報)は、(A)及び(B)を含有する皮膚外用剤。(A):窒化ホウ素、硫酸バリウム、アシルアミノ酸粉体、光輝性粉体、球状シリカ、球状炭酸カルシウム、球状セルロース、球状スターチ、球状化工デンプン及び球状シルクから選択される1種又は2種以上(B):平均粒子径が0.1~20μmである球状ガラスビーズの発明が記載されている(特許請求の範囲)。
実施例1と比較例1(表1)などから、ガラスビーズの有無によって実施例の方が乾燥感と化粧持ちが良いとの評価が得られている。
【0004】
特許文献3(特開平8-12527号公報)は、球状炭酸カルシウム、球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体及びシリコーン処理球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体の中から選ばれた少なくとも1種の粉粒体を配合して成る化粧料の発明が記載されている(特許請求の範囲)。
球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体は、球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体が、球状軽質炭酸カルシウムの表面がアパタイトで被覆されたものであると記載されている(特許請求の範囲)。
化粧料は、パウダーファンデーションなどの形態が記載されている(実施例1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-155332号公報
【特許文献2】特開2020-180088号公報
【特許文献3】特開平8-12527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、プラスチックビーズを配合しなくても化粧時の伸びと肌当たりが良く、さらに化粧後の透明感も良い固形粉末化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)球状セルロースと(B)表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウムを含有し、ガラスビーズは含有していないものであり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量が5~30質量%であり、
前記(A)成分と前記(B)成分の合計量中、前記(A)成分の含有量が30~95質量%、前記(B)成分の含有量が5~70質量%であり、
但し、前記(A)成分の含有量が30~70質量%、前記(B)成分の含有量が70~30質量%であるときは、前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量は5~15質量%である、固形粉末化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の固形粉末化粧料は、化粧時の伸びと肌当たり(密着感)が良く、化粧後の透明感(化粧後においても素肌に近い印象を与える感覚)が良い。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(A)成分は、球状セルロースである。(A)成分は、好ましくはセルロースのほか、酢酸セルロースを使用することができる。
【0010】
(A)成分は、平均粒子径が3μm~10μmであるものが好ましく、4μm~8μmであるものがより好ましい。
【0011】
球状セルロースは真球状であるものが好ましく、前記真球状とは、いずれの方向から投影して見た場合にも概略真円状を示すものであって、粒子径の最小値が最大値の80%以上、より好ましくは90%以上であることを意味する。
【0012】
(B)成分は、表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウムである。
(B)成分は公知のものであり、例えば、特開平8-12527号公報の段落番号0006~段落番号0019に記載されているものを使用することができる。
(B)成分は、平均粒子径が5μm~15μmであるものが好ましく、8μm~12μmであるものが好ましい。
【0013】
本発明の固形粉末化粧料中の(A)成分と(B)成分の合計含有量は5~30質量%であり、6~28質量%が好ましく、8~25質量%がより好ましい。
【0014】
(A)成分と(B)成分の合計量(合計100質量%)中、
(A)成分の含有量は30~95質量%であり、40~95質量%が好ましく、45~95質量%がより好ましく、
(B)成分の含有量は5~70質量%であり、5~60質量%が好ましく、5~55質量%がより好ましい。
但し、前記(A)成分の含有量が30~70質量%、前記(B)成分の含有量が70~30質量%であるときは、前記(A)成分と前記(B)成分の合計含有量は5~15質量%である。
【0015】
本発明の固形粉末化粧料は、さらに(C)成分として平均粒子径が0.01~0.20μmの微粒子酸化チタンを含む粉末混合物を含有することができる。
(C)成分の粉末混合物に含まれる他の粉末成分としては、酸化チタン、酸化鉄、微粒子酸化鉄、酸化亜鉛、微粒子酸化亜鉛、酸化セリウムなどの金属酸化物粉末を挙げることができ、これらの金属酸化物粉末とシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどとの複合物でもよい。
(C)成分の粉末混合物は、微粒子酸化チタンよりも平均粒子径の大きな粉末と予め混合された混合物でも良く、より平均粒子径の大きな粉末としては、タルク、マイカ、セリサイト、合成フルオロフロゴパイト、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、などを挙げることができ、これらの中でもタルクを含有するものが好ましい。
(C)成分が微粒子酸化チタンとタルクを含む粉末混合物である場合は、(C)成分中の微粒子酸化チタンの含有量は20~40質量%が好ましく、25~35質量%がより好ましく、タルクの含有量は60~75質量%が好ましく、65~70質量%がより好ましい。
【0016】
本発明の固形粉末化粧料は、さらに(D)成分として、常温(10~30℃)で液状である、グリセリンまたはグリセリン縮合物と高級脂肪酸のエステルを含有することができる。
(D)成分としては、イソステアリン酸とグリセリンのモノ、ジまたはトリエステルの混合物が好ましい。
(D)成分の含有量は、固形粉末化粧料中に1~5質量%が好ましい。
【0017】
本発明の固形粉末化粧料は、さらに(E)成分として、常温(10~30℃)で液状の炭素数14以上の高級アルコールを含有することができる。
(E)成分の含有量は、固形粉末化粧料中に3~8質量%が好ましい。
【0018】
本発明の固形粉体化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で、下記のその他公知の化粧料成分を含んでいてもよいが、ガラスビーズは含有していない。前記ガラスビーズは化粧料に使用されるものであり、例えば、特許文献2(特開2020-180088号公報)に記載のものが含まれる。
タルク、マイカ、カオリン、合成フルオロフロゴパイト、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、無水ケイ酸、含水ケイ酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム、グンジョウ、紺青などの無機粉体((C)成分は除く)、
ラウロイルリシン、ナイロン-6、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アルキル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-1クロスポリマー、ポリシリコーン-22、金属石鹸類などの有機粉体、
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖などの保湿剤、
ミネラルオイル、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、ポリエチレン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、合成ワックス、スクワラン、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル類、油脂類などのエモリエント成分、
メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノールなどの防腐・殺菌剤、
脂肪酸とショ糖とのエステル類などの界面活性剤、
アスコルビン酸ジパルミテート、リン酸アスコルビルMg及びその他の塩類、アスコルビルグルコシド、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、ニコチン酸アミド、ビオチンなどのビタミンおよびその誘導体類、アミノ酸及びその誘導体類、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、硫酸マグネシウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムなどのpH調整剤、
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクリレン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどの紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤。
【0019】
本発明の固体粉末化粧料に含まれる成分の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機 SALD-2100[(株)島津製作所]から粒度分布を求め、積算体積50%粒子径を平均粒径とすることができる。
【0020】
本発明の固体粉末化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料にすることができる。
【実施例0021】
<使用成分>
(A)成分
球状セルロース:GE-800 (東色ピグメント株式会社),平均粒子径6.0μm
(B)成分
表面にアパタイトが付着した球状炭酸カルシウム:アパカル10(式会社ニューライム)平均粒子径10μm
(C)成分
微粒子酸化チタンを含む粉末混合物:タルク、微粒子酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、水酸化アルミニウムの混合物(微粒子酸化チタン28質量%、タルク68質量%):TC-30N(三好化成株式会社)
(D)成分
グリセリンまたはグリセリン縮合物と高級脂肪酸のエステル:イソステアリン酸グリセリズ,HR Oil NG(ナチュラル美松株式会社)
(E)成分
炭素数14以上の高級アルコール:オクチルドデカノール
(その他の成分)
ガラスビーズ:COVABEAD CRYSTAL (SENSIENT)
【0022】
実施例1~6
(調整方法)
(A)成分、(B)成分、(C)成分、着色剤及びフィラーをヘンシェルミキサーにて均一混合し、さらに(D)成分、(E)成分、および液体成分を混合したものを添加、混合した。得られた混合物をアトマイザーにて粉砕を行った。その後、金皿にプレスをした。
得られた各固形粉末化粧料について、下記の項目について評価を行った。結果を表1に示す。
【0023】
(1)のび・ムラ
化粧用のパフを水で濡らさない状態で使用したときの使用性(肌上でののびと塗りムラ)を次の基準で評価した。
5:のびが非常に良く、塗りムラもない
4:のびが良く、塗りムラも殆どない
3:のびと塗りムラが普通
2:のびと塗りムラが悪い
1:のびと塗りムラが非常に悪い
【0024】
(2)密着感
化粧用のパフを水で濡らさない状態で使用したときの使用性(肌への密着性)を次の基準で評価した。
5:肌への密着性が非常に良い
4:肌への密着性が良い
3:肌への密着性が普通
2:肌への密着性が悪い
1:肌への密着性が非常に悪い
【0025】
(3)柔らかさ・しっとり感
化粧用のパフを水で濡らさない状態で使用したときの柔らかさ・しっとり感を次の基準で評価した。
5:柔らかさ・しっとり感が非常に良い
4:柔らかさ・しっとり感が良い
3:柔らかさとしっとり感が普通
2:柔らかさ・しっとり感が悪い
1:柔らかさ・しっとり感が非常に悪い
【0026】
(4)透明感
化粧用のパフを水で濡らさない状態で使用したときの透明感(化粧後においても素肌に近い印象を与える感覚)を次の基準で評価した。
5:透明感が非常に良い(素肌に近いように見える)
4:透明感が良い
3:透明感が普通
2:透明感が悪い
1:透明感が非常に悪い
【0027】
(5)カバー力(カバー力が良いと化粧後の凹凸が目立たない、色むらの補正ができる)
5:カバー力が非常に良い
4:カバー力が良い
3:カバー力が普通
2:カバー力が悪い
1:カバー力が非常に悪い
【0028】
【0029】
表1から明らかなとおり、実施例1~6の固形粉末化粧料は、化粧時の伸び(のび・ムラ)と肌当たり(密着感)が良く、透明感も良かった。プラスチックビーズ配合品と同等またはそれ以上の結果が得られた。
【0030】
比較例1~16
実施例1~6と同様にして固形粉末化粧料を得た後、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0031】
【0032】
表2から明らかなとおり、(A)成分または(B)成分を含有していない比較例と、(A)成分と(B)成分の両方を含有していない比較例、(A)成分と(B)成分の含有量を満たしていない比較例4~6は良くない評価が多かった。
また、表1の実施例6と表2の比較例4の対比から、(A)成分の含有量が30~70質量%、(B)成分の含有量が70~30質量%であるときは、(A)成分と(B)成分の合計含有量が15質量%を超えると、良くない評価が多かった。
【0033】
実施例7、比較例17,18
実施例1~6と同様にして固形粉末化粧料を得た後、同様の評価を行った。但し、ガラスビーズは(A)成分、(C)成分、着色剤及びフィラーと共に混合する。
結果を表2に示す。
【0034】
【0035】
比較例17、18は、ガラスビーズを含んでいるため、実施例8と比べると特に「のび・ムラ」と「透明感」が劣っていた。これは(A)成分と(B)成分の組み合わせによる「のび・ムラ」と「透明感」の向上効果が、ガラスビーズを含むことで阻害されたためと考えられる。
また実施例7と比べると、比較例17は「密着感」が劣っており、比較例18の「密着感」も向上されていなかったことから、少なくともガラスビーズは「密着感」を向上させる成分ではないと考えられる。
本発明の固形粉末化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料として利用することができる。