(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022673
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127675
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】廣木 誠
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048AA15
5K048BA07
5K048BA08
5K048BA13
5K048BA52
(57)【要約】
【課題】住宅に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる制御システムを提供する。
【解決手段】制御システム10は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、住宅60に設置された機器の遠隔制御、または、機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得部54と、取得された第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された第一情報が複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された第一情報が複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部55とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、前記住宅に設置された機器の遠隔制御、または、前記機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得部と、
取得された前記第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された前記第一情報が前記複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された前記第一情報が前記複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に前記第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部とを備える
制御システム。
【請求項2】
前記第一制御情報は、取得された前記第二情報によって指示される制御を指示の通りに実行するための前記機器への制御命令である
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記第二制御情報は、取得された前記第二情報によって指示される制御を実行することを事前通知するための第一通知情報であり、前記複数の居住者のうち前記特定の居住者と異なる対象者が保有する携帯端末へ出力される
請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第二制御情報は、取得された前記第二情報によって指示される制御を実行しないことを通知するための第二通知情報であり、前記複数の居住者のうち前記特定の居住者と異なる対象者が保有する携帯端末へ出力される
請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記機器の種別に応じて異なる内容の前記第二制御情報を出力する
請求項1~4のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
さらに、第二制御情報の内容を、前記複数の居住者のうち前記特定の居住者と異なる対象者の要求に応じて変更する設定部を備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
住宅における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、前記住宅に設置された機器の遠隔制御、または、前記機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得ステップと、
取得された前記第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された前記第一情報が前記複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された前記第一情報が前記複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に前記第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御ステップとを含む
制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅に設置された機器を住宅外から遠隔制御するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、住宅に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる制御システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、住宅における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、前記住宅に設置された機器の遠隔制御、または、前記機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得部と、取得された前記第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された前記第一情報が前記複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された前記第一情報が前記複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に前記第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、住宅における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、前記住宅に設置された機器の遠隔制御、または、前記機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得ステップと、取得された前記第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された前記第一情報が前記複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された前記第一情報が前記複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に前記第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る制御システム等は、住宅に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る制御システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図4】
図4は、制御ルール情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、制御内容の判定処理のフローチャートである。
【
図6】
図6は、携帯端末の表示部に表示される確認画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、携帯端末の表示部に表示される通知画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る制御システムの動作例2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示される制御システム10は、住宅60に設置された照明機器35及び空調機器36などの機器を携帯端末40を通じて住宅60外から遠隔制御することができる機器制御システムである。住宅60は、施設の一例である。住宅60は、例えば、戸建住宅であるが、集合住宅であってもよい。住宅60の居住者は、施設の利用者(より詳細には、施設を日常的に利用する利用者)の一例である。なお、制御システム10は、オフィスビルなどの住宅60以外の施設に適用されてもよい。
【0014】
図1に示されるように、制御システム10は、制御端末20と、人感センサ31と、電気錠32と、開閉センサ33と、電力計測装置34と、照明機器35と、空調機器36と、セキュリティシステム37と、携帯端末40と、サーバ装置50とを備える。制御端末20、人感センサ31、電気錠32、開閉センサ33、電力計測装置34、照明機器35、空調機器36、及び、セキュリティシステム37は、住宅60内に設置されている。なお、携帯端末40は、住宅60内に位置する場合と、住宅60外に位置する場合とがある。
【0015】
まず、制御端末20について説明する。制御端末20は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMS(Home Energy Management System)コントローラである。制御端末20は、住宅60内に設置され、住宅60に設置された複数の機器の消費電力量を管理する。また、制御端末20は、住宅60の敷地内に設置された機器の制御を行う。制御端末20は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。制御端末20は、具体的には、表示部21と、第一通信部22と、第二通信部23と、情報処理部24と、記憶部25とを備える。
【0016】
表示部21は、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有する表示デバイスである。表示部21は、タッチパネル、及び、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0017】
第一通信部22は、制御端末20が携帯端末40及びサーバ装置50などと広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信回路である。第一通信部22は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第一通信部22が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0018】
第二通信部23は、制御端末20が住宅60の敷地内に設置された機器と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路である。第二通信部23は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。第二通信部23が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0019】
情報処理部24は、機器の制御に関する情報処理を行う。情報処理部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部24は、機能的な構成要素として、取得部26、制御部27、及び、設定部28を有する。取得部26、制御部27、及び、設定部28の機能は、例えば、情報処理部24を構成するマイクロコンピュータ等が記憶部25に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。取得部26、制御部27、及び、設定部28の機能の詳細については後述される。
【0020】
記憶部25は、情報処理部24が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部25は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0021】
人感センサ31は、住宅60内に設置され、検知範囲における人の存在または不在を検知し、検知結果を示す情報を制御端末20へ送信する。また、人感センサ31は、例えば、人の体から発せられる赤外線に反応する焦電センサによって実現されるが、超音波式の人感センサなどであってもよい。また、人感センサ31は、カメラ(画像センサ)によって住宅60内を撮影することにより人の存在または不在を検知するセンサであってもよく、人感センサ31の具体的態様は、特に限定されない。なお、以下の実施の形態では、人感センサ31は、住宅60内の複数の部屋のそれぞれに設置されているものとする。
【0022】
電気錠32は、住宅60が有するドアの解錠及び施錠を制御する防犯機器である。電気錠32は、具体的には、住宅60の玄関のドアに設置される。電気錠32は、例えば、カードキー(ICカード)などの認証媒体から認証情報(鍵情報)を取得する近距離無線通信部を備え、居住者は、カードキーを電気錠32に近づけることにより、施設90の外から電気錠32を施錠または解錠することができる。電気錠32は、テンキーへの暗証番号の入力によって施錠または解錠されてもよいし、指紋または虹彩などの生体認証によって施錠または解錠されてもよい。電気錠32は、電気錠32の施錠または解錠の状態を示す情報を制御端末20へ送信する。
【0023】
開閉センサ33は、住宅60に設置された窓の開閉を検知し、検知結果を示す情報を制御端末20へ送信する。開閉センサ33は、窓及び窓枠の一方に取り付けられた磁石と、窓及び窓枠の他方に取り付けられたマグネットセンサによって実現される、磁力式のセンサである。開閉センサ33は、窓及び窓枠の一方に取り付けられたRFIDタグと、窓及び窓枠の他方に取り付けられたRFIDリーダによって実現される、電波式のセンサであってもよく、開閉センサ33の具体的態様は、特に限定されない。なお、以下の実施の形態では、開閉センサ33は、住宅60内の複数の部屋のそれぞれに設置されているものとする。
【0024】
電力計測装置34は、住宅60における消費電力量を計測し、計測結果を制御端末20へ送信する。電力計測装置34は、例えば、消費電力量の計測機能を有する分電盤であり、分岐回路ごとの消費電力量を計測することができる。電力計測装置34は、スマートメータ(通信機能を有する電力量計)であってもよい。なお、以下の実施の形態では、電力計測装置34は、住宅60内の複数の部屋のそれぞれの消費電力量を計測できるものとする。
【0025】
照明機器35は、住宅60の中(室内)を照明する。照明機器35は、例えば、シーリングライトであるが、照明機器35の具体的態様は、特に限定されない。照明機器35は、ダウンライト、ペンダントライト、スポットライト、または、ブラケットライトなどであってもよい。また、照明機器35は、住宅60の外(室外)を照明する機器であってもよい。照明機器35は、制御システム10の遠隔制御の対象となる機器である。
【0026】
空調機器36は、一般家庭用の空調機器である。空調機器36は、熱交換器(図示せず)などを有することにより、空調機器36から送出される風の温度の調整が可能な空調機器である。つまり、空調機器36は、温度調整機能(送風機能及び冷暖房機能)を有する。空調機器36は、一般家庭用の空調機器に限定されず、産業用の空調機器であってもよい。空調機器36は、制御システム10の遠隔制御の対象となる機器である。
【0027】
セキュリティシステム37は、住宅60の防犯用のシステムである。居住者は、携帯端末40を通じて、セキュリティモードのオン及びオフを住宅60の外から変更することができる。つまり、セキュリティシステム37は、制御システム10の遠隔制御の対象となる機器である。
【0028】
セキュリティシステム37は、例えば、セキュリティモードがオン(有効)であるときに住宅60に設置された防犯センサを用いて住宅60への侵入者を検知すると、住宅60において異常が発生したとみなしてセキュリティサーバ(図示せず)にその旨を通知する。そうすると、セキュリティシステム37を運営する事業者のオペレータが訪問者を手配し、訪問者が住宅60に駆け付ける。また、オペレータは、必要に応じて警察署などへ通報を行う。ここでのオペレータとは、コンピュータなどを操作する人間を意味する。なお、セキュリティシステム37は、防犯センサを用いて住宅60への侵入者を検知すると、住宅60内で侵入者を退避させるための警告音を発するシステムであってもよい。
【0029】
次に、携帯端末40について説明する。携帯端末40は、住宅60の居住者が所持するスマートフォンまたはタブレット端末などの携帯端末である。携帯端末40には、居住者が携帯端末40を通じて住宅60内の機器の遠隔制御を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされており、後述のように、居住者は、遠隔制御を指示すること、及び、遠隔制御に関する通知を受けることが可能である。携帯端末40は、表示部41を有する。
【0030】
表示部41は、画像の表示機能、及び、ユーザの手動入力を受け付ける機能を有する表示デバイスである。表示部41は、タッチパネル、及び、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。タッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0031】
次に、サーバ装置50について説明する。サーバ装置50は、住宅60外に位置するコンピュータ(クラウドサーバ)である。サーバ装置50は、具体的には、携帯端末40から機器の制御要求を受信し、受信した制御要求に基づいて制御命令を制御端末20に送信することで、住宅60外からの機器の遠隔制御を実現する。サーバ装置50は、通信部51と、情報処理部52と、記憶部53とを備える。
【0032】
通信部51は、サーバ装置50が広域通信ネットワーク70を介して制御端末20及び携帯端末40と通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部51によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0033】
情報処理部52は、上記遠隔制御に関する情報処理を行う。情報処理部52は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部52は、機能的な構成要素として、取得部54、制御部55、及び、設定部56を有する。取得部54、制御部55、及び、設定部56の機能は、例えば、情報処理部52を構成するマイクロコンピュータ等が記憶部53に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。取得部54、制御部55、及び、設定部56の機能の詳細については後述される。
【0034】
記憶部53は、情報処理部52が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部53は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)などによって実現される。
【0035】
なお、記憶部53には、あらかじめ
図2に示されるような住宅60の居住者に関する居住者情報が登録(記憶)されているものとする。
図2は、居住者情報の一例を示す図である。
【0036】
居住者情報には、住宅60内の居住者全員の情報が含まれる。居住者情報においては、具体的には、居住者の氏名、居住者の属性(
図2の例では、大人、子供、高齢者のいずれか)、居住者が使用する鍵情報、及び、住宅60内で居住者が主として使用する部屋の識別情報(部屋ID)などが対応付けられている。なお、居住者が使用する鍵情報とは、当該居住者が電気錠32を住宅60外から解錠するために使用するICカードの識別情報(解錠時にICカードから電気錠32へ送られるユニークな情報)である。電気錠32が生体認証によって解錠される場合には、鍵情報は、居住者の指紋情報または虹彩情報などである場合もある。
【0037】
[動作例1]
上述のように、制御システム10によれば、居住者は、照明機器35及び空調機器36などの機器を、携帯端末40を通じて住宅60外から遠隔制御することができる。ここで、遠隔制御の際には、遠隔制御を指示する居住者は住宅60内の状況が把握できていない場合があり、遠隔制御の指示に基づきそのまま機器が制御されると危険な場合がある。例えば、住宅60内に子供または高齢者などの特定の居住者のみが在宅しているときに、遠隔制御によって空調機器36がオフされると季節によっては危険な場合がある。
【0038】
そこで、制御システム10は、遠隔制御の指示を受けたときに住宅60内の居住者の在宅状況(複数の居住者の誰が在宅しているか)を推定し、推定結果に基づいて遠隔制御をそのまま実行するかを判断する。以下、このような制御システム10の動作例1について説明する。
図3は、制御システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0039】
制御端末20の第一通信部22は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報をサーバ装置50へ送信する(S11)。動作例1では、第一情報は、例えば、定期的に送信されるが、サーバ装置50からの要求に応じて送信されてもよい。なお、第一情報は、後述のステップS15の直後などにサーバ装置50からの要求に応じて送信されてもよい。
【0040】
サーバ装置50の通信部51は、第一情報を受信する。取得部54は、受信された第一情報を取得し、記憶部53に記憶する(S12)。
【0041】
ここで、第一情報について具体的に説明する。第一情報には、例えば、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける、人感センサ31の検知結果を示す第一センシング情報が含まれる。制御端末20の情報処理部24は、複数の部屋それぞれにおける人感センサ31の検知結果を管理することで、人感センサ31の検知結果に部屋IDを付与した情報を第一センシング情報としてサーバ装置50に提供することができる。
【0042】
また、第一情報には、例えば、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける、窓の開閉センサ33の検知結果を示す第二センシング情報が含まれる。制御端末20の情報処理部24は、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける開閉センサ33の検知結果を管理することで、開閉センサ33の検知結果に部屋IDを付与した情報を第二センシング情報としてサーバ装置50に提供することができる。
【0043】
また、第一情報には、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける消費電力量を示す消費電力情報が含まれる。制御端末20の情報処理部24は、電力計測装置34によって計測される分岐回路ごとの消費電力量に基づいて、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける消費電力量を管理している。したがって、制御端末20の情報処理部24は、各部屋における消費電力量に部屋IDを付与した情報を消費電力情報としてサーバ装置50に提供することができる。
【0044】
また、第一情報には、電気錠32の解錠履歴情報が含まれる。制御端末20の情報処理部24は、電気錠32が住宅60外から解錠されるごとに解錠に用いられた鍵情報(ICカードの識別情報)を記憶(管理)している。したがって、制御端末20の情報処理部24は、解錠履歴情報をサーバ装置50に提供することができる。
【0045】
なお、第一情報が、第一センシング情報、第二センシング情報、消費電力情報、及び、解錠履歴情報の全てを含むことは必須ではない。第一情報は、第一センシング情報、第二センシング情報、消費電力情報、及び、解錠履歴情報の少なくとも1つを含めばよい。
【0046】
ステップS12の後、複数の居住者のうちの1人である対象者は、外出先等から携帯端末40へ住宅60内の機器の遠隔制御を指示する操作を行う。なお、対象者は、例えば、
図2の居住者情報において属性が「大人」である人(つまり、属性が「高齢者」及び「子供」以外の人)である。携帯端末40は、表示部41によってこのような操作が受け付けられると(S13)、遠隔制御を指示する第二情報をサーバ装置50へ送信する(S14)。
【0047】
サーバ装置50の通信部51は、第二情報を受信する。取得部54は、受信された第二情報を取得する(S15)。制御部55は、ステップS12において取得及び記憶された第一情報(最新の第一情報)に基づいて、住宅60における居住者の在宅状況を推定する(S16)。
【0048】
上述のように、第一情報には、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける、人感センサ31の検知結果を示す第一センシング情報が含まれる。制御部55は、例えば、第一センシング情報が、ある部屋に人が存在することを示す場合に、居住者情報(
図2)によって定まる当該部屋を主に利用する居住者が在宅であると推定することができる。同様に、制御部55は、例えば、第一センシング情報がある部屋に人が不在であることを示す場合に、居住者情報(
図2)によって定まる当該部屋を主に利用する居住者が不在であると推定することができる。
【0049】
また、第一情報には、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける、窓の開閉センサ33の検知結果を示す第二センシング情報が含まれる。制御部55は、例えば、第二センシング情報がある部屋の窓が開いていることを示す場合に、居住者情報によって定まる当該部屋を主に利用する居住者が在宅であると推定することができる。
【0050】
また、第一情報には、住宅60内の複数の部屋それぞれにおける消費電力量を示す消費電力情報が含まれる。制御部55は、例えば、消費電力情報が示す消費電力量が所定値以上である部屋を特定することで、居住者情報によって定まる当該部屋を主に利用する居住者が在宅であると推定することができる。同様に、制御部55は、例えば、消費電力情報が示す消費電力量が所定値未満である部屋を特定することで、居住者情報によって定まる当該部屋を主に利用する居住者が不在であると推定することができる。
【0051】
また、第一情報には、電気錠32の解錠履歴情報が含まれる。制御部55は、例えば、解錠履歴情報及び居住者情報によって定まる直近の所定期間(1時間など)内に電気錠32を解錠した居住者については在宅していると推定することができる。
【0052】
制御部55は、第一センシング情報に基づく推定結果、第二センシング情報に基づく推定結果、消費電力情報に基づく推定結果、及び、解錠履歴情報に基づく推定結果を得た後、これらの4種類の推定結果を総合して、最終的な推定結果とする。例えば、制御部55は、4種類の推定結果の多数決により居住者が在宅であるか否かを決定する。また、制御部55は、4種類の推定結果のそれぞれを、在宅:1、不在:0と論理づけし、論理和によって居住者が在宅であるか否かを決定してもよい。
【0053】
次に、制御部55は、ステップS16における最終的な推定結果と、記憶部53にあらかじめ記憶された制御ルール情報に基づいて、制御内容の判定処理を行う(S17)。
図4は、制御ルール情報の一例を示す図である。
図5は、制御内容の判定処理のフローチャートである。
【0054】
例えば、ステップS15において取得された第二情報が空調機器36をオフすることを指示する情報であるとする。この場合、制御部55は、ステップS16における最終的な推定結果に基づいて判定を行い(S17a)、高齢者のみが在宅であると判定すると(S17aで高齢者のみ)、
図4の制御ルール情報に基づいて、直ちに空調機器36をオフするのではなく、空調機器36をオフすることを事前通知するための第一通知情報を出力する(S17b)。出力された第一通知情報は、通信部51によって携帯端末40へ送信される。
【0055】
携帯端末40は、第一通知情報を受信すると、受信した第一通知情報に基づいて
図6に示されるような確認画面を表示部41に表示する。
図6は、携帯端末40の表示部41に表示される確認画面の一例を示す図である。
【0056】
なお、このような確認画面を通じて対象者から空調機器36をオフすることへの同意が得られると、制御部55は、空調機器36をオフするための制御命令を出力する。出力された制御命令は、第一通信部22によって制御端末20へ送信される。制御端末20の第一通信部22は制御命令を受信し、情報処理部24は、受信された制御命令に基づいて空調機器36をオフする。具体的には、第二通信部23から空調機器36へ空調機器36をオフするための制御信号が送信される。
【0057】
一方、ステップS17aにおいて、制御部55は、子供のみが在宅であると判定すると(S17aで子供のみ)、
図4の制御ルール情報に基づいて、空調機器36のオフ(第二情報によって指示される制御)を実行しない。この場合、制御部55は、空調機器36をオフしないことを通知するための第二通知情報を出力する(S17c)。出力された第二通知情報は、通信部51によって携帯端末40へ送信される。
【0058】
携帯端末40は、第二通知情報を受信すると、受信した第二通知情報に基づいて
図7に示されるような通知画面を表示部41に表示する。
図7は、携帯端末40の表示部41に表示される通知画面の一例を示す図である。
【0059】
また、例えば、複数の居住者の全員が在宅または不在である場合など、ステップS17aにおける判定結果が上記以外の場合(S17aでその他)、制御部55は、
図4の制御ルール情報に基づいて、空調機器36をオフするための制御命令を出力する(S17d)。出力された制御命令は、第一通信部22によって制御端末20へ送信される。制御端末20の第一通信部22は制御命令を受信し、情報処理部24は、受信された制御命令に基づいて空調機器36をオフする。具体的には、第二通信部23から空調機器36へ空調機器36をオフするための制御信号が送信される。
【0060】
以上説明したように、制御システム10は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、住宅60に設置された機器の遠隔制御を指示する第二情報とを取得する取得部54と、取得された第二情報によって指示される制御(例えば、空調機器36をオフする制御)を実行するときに、(1)取得された第一情報が複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された第一情報が複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部55とを備える。
【0061】
第一制御情報は、取得された第二情報によって指示される制御を指示の通りに実行するための機器への制御命令である。
【0062】
第二制御情報は、上記特定の居住者が高齢者である場合には、取得された第二情報によって指示される制御を実行することを事前通知するための第一通知情報であり、対象者が保有する携帯端末40へ出力される。また、第二制御情報は、上記特定の居住者が子供である場合には、取得された第二情報によって指示される制御を実行しないことを通知するための第二通知情報であり、対象者が保有する携帯端末40へ出力される。
【0063】
このような制御システム10は、住宅60に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して遠隔制御することができる。
【0064】
なお、動作例1では、第二情報によって指示される制御として、空調機器36のオフが例示されたが、第二情報によって指示される制御は、セキュリティシステム37のセキュリティモードのオフ、及び、照明機器35のオン(
図4の制御ルール情報に図示)など、住宅60に設置された空調機器36以外の機器を対象とした制御であってもよい。
【0065】
また、
図4の制御ルール情報に示されるように、第二情報によって指示される制御が、空調機器36のオフである場合と、照明機器35のオンである場合とで、特定の居住者のみが在宅である場合の制御内容が異なっている。このように、制御部55は、機器の種別等に応じて異なる内容の第二制御情報を出力してもよい。
【0066】
なお、
図4の制御ルール情報は一例であり、制御ルール情報については、経験的または実験的に適宜定められればよい。例えば、制御ルール情報における在宅状況として「大人が少なくとも一人在宅」「子供及び高齢者のみが在宅」という要件が定められてもよい。
【0067】
また、
図4の制御ルール情報は、制御システム10の設計者等によってあらかじめ定められるが、居住者(対象者)によって任意に変更されてもよい。この場合、サーバ装置50の設定部56は、居住者の携帯端末40への操作に応じて携帯端末40からサーバ装置50へ送信される設定変更要求に基づいて、制御ルール情報を変更する。設定部56は、例えば、特定の居住者のみが在宅であるときに出力される第二制御情報の内容を対象者の要求に講じて設定変更することができる。
【0068】
[動作例2]
また、制御システム10は、住宅60に設置された機器のタイマー制御(あらかじめ設定された時刻に機器のオンまたはオフする制御)を行うことができる。タイマー制御においても、タイマー制御を指示した時点においては、実際に機器がオンまたはオフされる時刻における住宅60内の状況を把握することは難しい。このため、タイマー制御がそのまま実行されると危険な場合がある。例えば、住宅60内に子供または高齢者などの特定の居住者のみが在宅しているときに、タイマー制御によって空調機器36がオフされると季節によっては危険な場合がある。
【0069】
そこで、制御システム10は、タイマー制御を実行する直前に住宅60内の居住者の在宅状況(複数の居住者の誰が在宅しているか)を推定し、推定結果に基づいてタイマー制御をそのまま実行するかを判断する。以下、このような制御システム10の動作例2について説明する。
図8は、制御システム10(より具体的には、制御端末20)の動作例2のフローチャートである。
【0070】
複数の居住者のうちの対象者は、制御端末20へ住宅60内の機器のタイマー制御を指示する操作を行う。制御端末20の表示部21によってこのような操作が受け付けられると(S21)、取得部26は、受け付けられた操作に基づいて、タイマー制御を指示する第二情報を取得し、取得した第二情報を記憶部25に記憶する(S22)。第二情報は、具体的には、制御対象の機器、及び、当該機器をオンまたはオフする指定時刻を示すタイマー制御の設定情報である。
【0071】
その後、取得部26は、上記指定時刻(より詳細には、指定時刻の直前の時刻)が到来したことを検知すると(S23)、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報を取得する(S24)。取得部26は、具体的には、第二通信部23を介して、第一センシング情報、第二センシング情報、消費電力情報、及び、解錠履歴情報を第一情報として取得する。第一センシング情報、第二センシング情報、消費電力情報、及び、解錠履歴情報のそれぞれが具体的にどのような情報であるかは動作例1と同様であるため説明が省略される。なお、第一情報は、第一センシング情報、第二センシング情報、消費電力情報、及び、解錠履歴情報の少なくとも1つを含めばよい。
【0072】
次に、制御部27は、ステップS23において取得された第一情報(最新の第一情報)に基づいて、住宅60における居住者の在宅状況を推定する(S25)。居住者の在宅状況の推定方法については動作例1と同様であるため説明が省略される。なお、動作例2では、居住者情報(
図2)は制御端末20の記憶部25にあらかじめ記憶されており、制御部27は、記憶部25に記憶された居住者情報を適宜参照することで、動作例1と同様に在宅状況の推定を行うことができる。
【0073】
次に、制御部27は、ステップS24における最終的な推定結果と、記憶部25にあらかじめ記憶されたタイマー制御用の制御ルール情報に基づいて、制御内容を判定する(S26)。以下では、便宜上、タイマー制御用の制御ルール情報が遠隔制御用の制御ルール情報(
図4)と同一であるものとして説明が行われるが、タイマー制御用の制御ルール、及び、遠隔制御用の制御ルールは個別に準備されてもよい。
【0074】
例えば、ステップS22において取得された第二情報が指定時刻に空調機器36をオフすることを指示する情報であるとする。この場合、制御部27は、高齢者のみが在宅であると判定すると(S26で高齢者のみ)、制御ルール情報に基づいて、直ちに空調機器36をオフするのではなく、空調機器36をオフすることを事前通知するための第一通知情報を出力する(S27)。出力された第一通知情報は、第一通信部22によってサーバ装置50を介して携帯端末40へ送信される。
【0075】
携帯端末40は、第一通知情報を受信すると、受信した第一通知情報に基づいて
図6に示されるような確認画面を表示部41に表示する。
【0076】
なお、このような確認画面を通じて対象者から空調機器36をオフすることへの同意が得られると、制御部27は、空調機器36をオフするための制御命令を出力する。出力された制御命令は、空調機器36をオフするための制御信号として、第二通信部23から空調機器36へ送信される。
【0077】
一方、ステップS26において、制御部27は、子供のみが在宅であると判定すると(S26で子供のみ)、制御ルール情報に基づいて、空調機器36のオフ(第二情報によって指示される制御)を実行しない。この場合、制御部27は、空調機器36をオフしないことを通知するための第二通知情報を出力する(S28)。出力された第二通知情報は、第一通信部22によってサーバ装置50を介して携帯端末40へ送信される。
【0078】
携帯端末40は、第二通知情報を受信すると、受信した第二通知情報に基づいて
図7に示されるような通知画面を表示部41に表示する。
【0079】
また、複数の居住者の全員が在宅または不在である場合など、ステップS26における判定結果が上記以外の場合(S26でその他)、制御部27は、空調機器36をオフするための制御命令を出力する(S29)。出力された制御命令は、空調機器36をオフするための制御信号として、第二通信部23から空調機器36へ送信される。
【0080】
以上説明したように、制御システム10は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、住宅60に設置された機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得部26と、取得された第二情報によって指示される制御(例えば、空調機器36をオフする制御)を実行するときに、(1)取得された第一情報が複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された第一情報が複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部27とを備える。
【0081】
第一制御情報は、取得された第二情報によって指示される制御を指示の通りに実行するための機器への制御命令である。
【0082】
第二制御情報は、上記特定の居住者が高齢者である場合には、取得された第二情報によって指示される制御を実行することを事前通知するための第一通知情報であり、対象者が保有する携帯端末40へ出力される。また、第二制御情報は、上記特定の居住者が子供である場合には、取得された第二情報によって指示される制御を実行しないことを通知するための第二通知情報であり、対象者が保有する携帯端末40へ出力される。
【0083】
このような制御システム10は、住宅60に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮してタイマー制御することができる。
【0084】
なお、動作例2では、第二情報によって指示される制御として、空調機器36のオフが例示されたが、第二情報によって指示される制御は、セキュリティシステム37のセキュリティモードのオフ、及び、照明機器35のオン(
図4の制御ルール情報に図示)など、住宅60に設置された空調機器36以外の機器を対象とした制御であってもよい。
【0085】
また、
図4の制御ルール情報に示されるように、第二情報によって指示される制御が、空調機器36のオフである場合と、照明機器35のオンである場合とで、特定の居住者のみが在宅である場合の制御内容が異なっている。このように、制御部27は、機器の種別に応じて異なる内容の第二制御情報を出力してもよい。
【0086】
なお、
図4の制御ルール情報は一例であり、制御ルール情報については、経験的または実験的に適宜定められればよい。例えば、制御ルール情報における在宅状況として「大人が少なくとも一人在宅」「子供及び高齢者のみが在宅」という要件が定められてもよい。
【0087】
また、
図4の制御ルール情報は、制御システム10の設計者等によってあらかじめ定められるが、居住者(対象者)によって任意に変更されてもよい。この場合、サーバ装置50の設定部28は、居住者の携帯端末40への操作に応じて携帯端末40からサーバ装置50へ送信される設定変更要求に基づいて、制御ルール情報を変更する。設定部28は、例えば、特定の居住者のみが在宅であるときに出力される第二制御情報の内容を対象者の要求に講じて設定変更することができる。
【0088】
[変形例]
上記実施の形態では、遠隔制御またはタイマー制御の制御対象機器として、照明機器35、空調機器36、及び、セキュリティシステム37などが例示されたが、遠隔制御またはタイマー制御の制御対象機器はこれらの機器に限定されない。例えば、遠隔制御またはタイマー制御のその他の制御対象機器としては電動シャッタなどが挙げられる。
【0089】
また、上記動作例1では、主たる情報処理は、サーバ装置50によって実行されたが、一部または全部の処理が制御端末20によって実行されてもよい。例えば、制御端末20は、取得部54、制御部55、及び、設定部56に相当する機能的な構成要素を備えることにより、サーバ装置50が行うと説明された情報処理の一部または全部を実行することができる。
【0090】
上記動作例2では、主たる情報処理は、制御端末20によって実行されたが、一部または全部の処理がサーバ装置50によって実行されてもよい。例えば、サーバ装置50は、取得部26、制御部27、及び、設定部28に相当する機能的な構成要素を備えることにより、制御端末20が行うと説明された情報処理の一部または全部を実行することができる。
【0091】
[効果等]
以上説明したように、制御システム10は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、住宅60に設置された機器の遠隔制御、または、機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得部(取得部54または取得部26)と、取得された第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された第一情報が複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された第一情報が複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御部(制御部55または制御部27)とを備える。
【0092】
このような制御システム10は、住宅60に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる。
【0093】
また、例えば、第一制御情報は、取得された第二情報によって指示される制御を指示の通りに実行するための機器への制御命令である。
【0094】
このような制御システム10は、居住者の全員が在宅または不在であると推定される場合に、指示の通りに制御を実行することができる。
【0095】
また、例えば、第二制御情報は、取得された第二情報によって指示される制御を実行することを事前通知するための第一通知情報であり、複数の居住者のうち特定の居住者と異なる対象者が保有する携帯端末40へ出力される。
【0096】
このような制御システム10は、特定の居住者のみが在宅であると推定される場合に、事前通知を行うことができる。
【0097】
また、例えば、第二制御情報は、取得された第二情報によって指示される制御を実行しないことを通知するための第二通知情報であり、複数の居住者のうち特定の居住者と異なる対象者が保有する携帯端末40へ出力される。
【0098】
このような制御システム10は、特定の居住者のみが在宅であると推定される場合に、指示に反して制御の実行をキャンセルすることができる。
【0099】
また、例えば、制御部(制御部55または制御部27)は、機器の種別に応じて異なる内容の第二制御情報を出力する。
【0100】
このような制御システム10は、住宅60に設置された機器を、機器の種別、及び、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる。
【0101】
また、例えば、制御システム10は、さらに、第二制御情報の内容を、複数の居住者のうち特定の居住者と異なる対象者の要求に応じて変更する設定部(設定部56または設定部28)を備える。
【0102】
このような制御システム10は、住宅60に設置された機器を、対象者の設定に基づいて、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる。
【0103】
また、制御システム10などのコンピュータによって実行される制御方法は、住宅60における複数の居住者の在宅状況を示す第一情報と、住宅60に設置された機器の遠隔制御、または、機器のタイマー制御を指示する第二情報とを取得する取得ステップと、取得された第二情報によって指示される制御を実行するときに、(1)取得された第一情報が複数の居住者の全員が在宅または不在であることを示す場合に第一制御情報を出力し、(2)取得された第一情報が複数の居住者のうち特定の居住者のみが在宅であることを示す場合に第一制御情報と異なる第二制御情報を出力する制御ステップとを含む。
【0104】
このような制御方法は、住宅60に設置された機器を、居住者の在宅状況を考慮して制御することができる。
【0105】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。例えば、制御システムは、上記実施の形態の制御端末またはサーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0108】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0109】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0110】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0111】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係る制御端末またはサーバ装置として実現されてもよいし、制御端末またはサーバ装置に相当する制御システムとして実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0112】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
10 制御システム
20 制御端末
21、41 表示部
22 第一通信部
23 第二通信部
24、52 情報処理部
25、53 記憶部
26、54 取得部
27、55 制御部
28、56 設定部
31 人感センサ
32 電気錠
33 開閉センサ
34 電力計測装置
35 照明機器
36 空調機器
37 セキュリティシステム
40 携帯端末
50 サーバ装置
51 通信部
60 住宅
70 広域通信ネットワーク