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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022701
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】音響装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/34 20060101AFI20230208BHJP
   H04R 1/32 20060101ALI20230208BHJP
   H04R 1/02 20060101ALN20230208BHJP
【FI】
H04R1/34
H04R1/32 310Z
H04R1/02 103A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127716
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】521343334
【氏名又は名称】株式会社しょうざん
(71)【出願人】
【識別番号】502052114
【氏名又は名称】株式会社長崎オフィスセンター
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉島 修輔
【テーマコード(参考)】
5D018
【Fターム(参考)】
5D018AF12
(57)【要約】
【課題】特定の方向に限定されること無く、周囲に音を拡散可能な音響装置を提供する。
【解決手段】音響装置1は、筐体10と、スピーカユニット20と、支持部30と、反射部40と、を備える。筐体は、内部空間101を有し、内部空間と外部とを連通させる開口部102が形成される。スピーカは、開口部に取り付けられる。支持部は、開口部が下向きに開口するように筐体の下側から筐体を支持する。反射部は、筐体とは別体に構成され、支持部により支持された筐体のスピーカの下方に配置されてスピーカから出力される音を反射するためのものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置であって、
内部空間(101)を有し、前記内部空間と外部とを連通させる開口部(102)が形成された筐体(10)と、
前記開口部に取り付けられるスピーカユニット(20)と、
前記開口部が下向きに開口するように前記筐体の下側から前記筐体を支持する支持部(30)と、
前記筐体とは別体に構成され、前記支持部により支持された前記筐体の前記スピーカユニットの下方に配置されて前記スピーカユニットから出力される音を反射するための反射部(40)と、
を備える音響装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の音響装置であって、
前記支持部は、前記筐体とは別体に構成される
音響装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音響装置であって、
前記支持部は、前記反射部と一体に構成されており、前記筐体を支持するために配置された複数の個別支持部(31、36)と、前記個別支持部の内側に配置された前記反射部と、を備える
音響装置。
【請求項4】
請求項2に記載の音響装置であって、
前記反射部は、前記支持部とは別体に構成された
音響装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音響装置であって
前記支持部により支持された前記筐体を載置するための板状に形成された板状部材(50)
を更に備え、
前記板状部材は、前記反射部が載置される際に前記反射部の位置決めを行うための位置決め部(51)が形成されている
音響装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の音響装置であって、
前記反射部は、陶磁器製である
音響装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の音響装置であって、
前記筐体は、陶磁器製である
音響装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オーディオ機器に接続される音響装置であるスピーカシステムは、エンクロージャー(以下、筐体という)を備える。筐体は、スピーカユニットを包み込むように、内部空間を有する形状に形成される。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、スピーカシステムにおいて、スピーカユニットが取り付けられる開口面が横方向を向くように筐体が形成され支持される、という技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-94453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の技術では、筐体が陶磁器等の気密性の高い材料で形成された場合、開口面が向けられた横方向には音が放射され易いが、横方向以外の方向には音が拡散され難い、という課題が見出された。
【0006】
本開示の1つの局面は、特定の方向に限定されること無く、周囲に音を拡散可能な音響装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの局面の音響装置(1)は、筐体(10)と、スピーカユニット(20)と、支持部(30)と、反射部(40)と、を備える。筐体は、内部空間(101)を有し、内部空間と外部とを連通させる開口部(102)が形成される。スピーカユニットは、開口部に取り付けられる。支持部は、開口部が下向きに開口するように筐体の下側から筐体を支持する。反射部は、筐体とは別体に構成され、支持部により支持された筐体のスピーカユニットの下方に配置されてスピーカユニットから出力される音を反射するためのものである。
【0008】
このような構成によれば、音響装置では、筐体が支持部に支持される際に、スピーカユニットから下向きに出力される音が反射部により反射されるので、特定の方向に限定されること無く、音響装置の周囲に音を拡散させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態のスピーカ装置の正面図。
図2】第1実施形態の支持部を正面から見たときの斜視図。
図3】第1実施形態のスピーカ装置の側面図。
図4図3のIV-IV断面図。
図5】第2実施形態のスピーカ装置の側面図。
図6】第3実施形態のスピーカ装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
まず、本実施形態に係るスピーカ装置1の構成について、図1図4を参照して説明する。スピーカ装置1は、図1に示すように、筐体10と、スピーカユニット20と、支持部30と、反射部40と、を備える。筐体10は、支持部30上に載置される。なお、以下では、筐体10が支持部30に載置されたとき、支持部30側の向きを下、筐体10側の向きを上、という。また、筐体10において後述するスピーカ端子60が取り付けられている部分と反対側を、正面というものとする。
【0011】
筐体10は、図4に示すように、内部空間101を有する形状に形成されている。本実施形態では、筐体10は、所謂壺形状に形成されており、口縁部11と首部12と本体部13と、を備える。
【0012】
口縁部11は、筐体10が支持部30により支持される際に、上向きに開口するように形成されており、内部空間101と外部とを連通させる。首部12は、筒状に形成されており、口縁部11と本体部13とを接続する。本体部13は、外形が略球状に形成されている。本体部13における首部12と反対側には、内部空間101と外部とを連通させる略円形の開口部102が形成されている。つまり、筐体10は、筐体10が支持部30上に載置されたときに、開口部102が下向きに開口するように形成される。
【0013】
なお、本体部13には、開口部102の周囲に、後述するねじ70が挿入されるねじ穴103が形成されている。また、本体部13には、図3に示すように、開口部102付近に、後述するスピーカ端子60が挿入され固定されるための端子取付穴104が形成されている。本実施形態では、筐体10は、陶磁器製である。陶磁器製であるとは、陶磁器用粘土を焼成して形成されることをいう。
【0014】
図4に戻り説明を続ける。スピーカユニット20は、筐体10の開口部102に取り付けられる。つまり、スピーカユニット20の大きさ(例えば、直径)に基づいて開口部102の大きさが決定される。スピーカユニット20は、所謂、コーン型フルレンジスピーカであり、図示しないが、例えば、マグネット、ボイスコイル、フレーム、コーン、センターキャップ、ダンパー、端子(即ち、プラス端子及びマイナス端子)等を備える。
【0015】
スピーカユニット20の外縁部(例えば、スピーカユニット20が備えるフレームの外縁部)には、スピーカユニット20を筐体10に取り付けるための取付穴201が複数形成されている。スピーカユニット20のプラス端子及びマイナス端子には、スピーカケーブル25の一方の端部が接続されている。スピーカケーブル25の他方の端部は、スピーカ端子60に接続されている。スピーカ端子60は、プラス端子及びマイナス端子を含む。
【0016】
本実施形態では、スピーカ装置1は、スピーカユニット20を保護するためのスピーカ保護カバー22を備える。スピーカ保護カバー22は、例えば、金属や合成樹脂等によりメッシュ状に形成されている。スピーカ保護カバー22の外縁部には、スピーカ保護カバー22を取り付けるための取付穴221が複数形成されている。
【0017】
支持部30は、図1に示すように、筐体10の開口部102が下向きに開口するように、筐体10の下側から筐体10を支持するための部材である。本実施形態では、支持部30は、筐体10と別体に構成されており、反射部40と一体に構成されている。
【0018】
支持部30は、図2に示すように、筐体10を支持するために配置された複数の個別支持部31を備える。本実施形態では、筐体10は、3つの個別支持部31a、31b、31cを備える。個別支持部31a-31cそれぞれは、上方から見ると、同心円状に等間隔となるように(即ち、同心円の中心角が略120°毎の位置となるように)配置されている。
【0019】
個別支持部31の上端部301は、上述の同心円の中心に向かって傾斜する形状に、且つ、本体部13の外形に沿うように凹んだ形状に、形成されている。これにより、個別支持部31によって筐体10の本体部13が支持される。なお、以下では、例えば、個別支持部31a、31b、31cように個々の構成について記載する場合は符号を付して記載し、例えば、個別支持部31a、31b、31cに共通する説明を記載する場合は、符号を付すこと無く単に個別支持部31のように記載する。
【0020】
反射部40は、筐体10とは別体に構成されている。反射部40は、支持部30により支持された筐体10のスピーカユニット20の下方に配置されて、スピーカユニット20から出力される音を反射するための部材である。
【0021】
具体的には、反射部40は、上方から見たときに略円形となるように形成されており、底面部41と球面部42とを備える。底面部41は略平面に形成されており、球面部42は半球面状に形成されている。球面部42上に、個別支持部31a-31cが、上述の様に同心円状に等間隔となるように配置されている。球面部42は、該同心円の中央に向かって凸となる形状に形成されている。
【0022】
なお、支持部30及び反射部40は、筐体10が支持部30により支持される際に、開口部102から反射部40における球面部42の凸部までの距離d1が、例えば、直径十cm-数十cmの開口部102に対して、数cm-十数cmとなるように形成され得る。本実施形態では、支持部30及び反射部40は、共に、陶磁器製である。
【0023】
[1-2.スピーカ装置1の組み立て]
以下では、スピーカ装置1の組み立てについて説明する。
まず、筐体10の内部からスピーカ端子60のプラス端子及びマイナス端子を端子取付穴104に挿通させ、スピーカ端子60を筐体10の内部側面に固定する。例えば、スピーカ端子60は、接着剤等により固定され得る。スピーカ端子60とスピーカユニット20とは、上述のように予めスピーカケーブル25によって接続されている。
【0024】
なお、図示しないが、筐体10の内部壁面に、音割れ防止のための音割れ防止部材を貼り付けてもよい。音割れ防止部材としては、例えば、ブチルゴム等といった、各種のゴムが用いられ得る。また、図示しないが、音割れ防止部材上に、吸音材を更に貼り付けてもよい。吸音材としては、例えば、フェルト、ガラス繊維等といった、各種の繊維が用いられ得る。これらの音割れ防止部材及び吸音材は、スピーカ端子60の取り付け前に、筐体10の内部壁面に貼り付けられる。
【0025】
次に、スピーカユニット20を、筐体10の開口部102の周囲に、ねじ止めにより固定する。続いて、スピーカユニット20を覆うように、スピーカ保護カバー22を、開口部102の周囲に、ねじ止めにより固定する。例えば、スピーカユニット20の取付穴201及びスピーカ保護カバー22の取付穴221にねじ70を挿通させ、ねじ70をねじ穴103にねじ込むことにより、スピーカユニット20とスピーカ保護カバー22とを共に固定してもよい。
【0026】
なお、図4では、スピーカユニット20とスピーカ保護カバー22とが共通のねじ70により固定されているが、スピーカユニット20とスピーカ保護カバー22とはそれぞれ別のねじにより固定されてもよい。以上で、スピーカ装置1の組み立てを終了する。
【0027】
これにより、スピーカ装置1では、筐体10が支持部30によって支持される際に、開口部102のちょうど下方に、換言すればスピーカユニット20のちょうど下方に、反射部40が配置される。
【0028】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1a)スピーカ装置1では、筐体10が支持部30に支持される際に、スピーカユニット20が取り付けられる開口部102が下向き(即ち、音が出力される方向が下向き)になり、下向きに出力される音が反射部40により反射される。これにより、特定の方向に限定されること無く、スピーカ装置1の周囲(即ち、スピーカ装置1を中心とする360°の範囲)に音を拡散させることができる。なお、図中においてPの符号を付した矢印が音の拡散方向を示している。
【0029】
(1b)支持部30及び反射部40は、筐体10とは別体に構成されるので、支持部30及び反射部40と、筐体10とについて、形状、材質等において設計の自由度を高めることができる。
【0030】
(1c)支持部30は、反射部40と一体に構成される。支持部30において個別支持部31の内側(即ち、上述の実施形態では中央)に反射部40が配置される。これにより、(例えば、上述のように本体部13が略球状に形成されているときは特に、)筐体10が支持部30によって支持される際に、開口部102(即ち、換言すればスピーカユニット20)のちょうど下方に反射部40が配置され易くなる。結果として、支持部30に筐体10を載置するだけで、スピーカ装置1の周囲に、容易に音を拡散させることができる。また、意図した様に、音を周囲に拡散させることができる。
【0031】
(1d)反射部40を陶磁器製とすることにより、反射部40における気密性が高くなるため、音がより反射され易くなる。また、反射部40を美観に優れたものとすることができ、結果として、スピーカ装置1を美観に優れたものとすることができる。
【0032】
(1e)筐体10を陶磁器製とすることにより、筐体10における強度及び質量を得ることができ、共振を抑制することができる。結果として、良質な音を得ることができる。また、筐体10を陶磁器製とすることにより、スピーカ装置1を美観に優れたものとすることができ、スピーカ装置1を美術工芸品、調度品として鑑賞することができる。
【0033】
(1f)筐体10には、支持部30により支持される際に上向きに開口する口縁部11が形成されている。筐体10が口縁部11を有することにより、筐体10では、開口を有する所謂バスレフ型のエンクロージャーと同様に、音の低音域部分が増幅される。これにより、スピーカ装置1による音質を向上させることができる。
【0034】
(1g)筐体10は、口縁部11から延びる筒状に形成された首部12と、首部12と連通し球状に形成された本体部13と、を備える。開口部102は、本体部13における首部12と反対側に形成されている。首部12の長さ、形状、太さ(即ち、径の大きさ)、口縁部11の大きさ(即ち、径の大きさ)等を適宜定めることにより、スピーカ装置1による音質を調整する(即ち、向上させる)ことができる。また、例えば、筐体10を口縁部11、首部12、本体部13を備える壺状の形状とすることで、スピーカ装置1を美観に優れたもの、あるいは、意匠性に富んだものとすることができる。
【0035】
(1h)筐体10は球状に形成されている。これにより、特定の周波数での共振を抑制することができる。また、スピーカ装置1を、より美観に優れたもの、あるいは、より意匠性に富んだものとすることができる。
【0036】
(1i)反射部40(即ち、球面部42)を半球面状に形成することにより、反射した音を周囲により広がり易くすることができる。
(1j)支持部30は、3つの個別支持部31を備えるため、筐体10を3方向から支えることができる。これにより、支持部30は安定して筐体10を支持することができる。
【0037】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0038】
上述した第1実施形態では、スピーカ装置1において、支持部30と反射部40とが一体に構成されていた。これに対し、第2実施形態では、図5に示すように、スピーカ装置1aにおいて、支持部30aと反射部40aとが別体に構成されている点で、第1実施形態と相違する。更に、スピーカ装置1aは、支持部30aにより支持された筐体10を載置するための板状部材50を備える点で、第1実施形態と相違する。
【0039】
支持部30aは、逆V字型に形成された3つの個別支持部36を備え、それぞれの個別支持部36が下側で接続された形状に形成されている。なお、支持部30aは3つの個別支持部36a、36b、36cを備えるが、図5では、3つの個別支持部36のうちの2つ(即ち、36a、36b)が図示されている。個別支持部36の上端部301は、本体部13の外形に沿うように、支持部30aの中心に向かって傾斜し、且つ、凹んだ形状に形成されている。これにより、個別支持部36によって筐体10の本体部13が支持される。支持部30aは、本実施形態では合成樹脂により形成される。
【0040】
反射部40aは、上方から見たときに略円形となるように形成されており、底面部41と球面部42とを備える。底面部41は略平面に形成されており、球面部42は中央に向かって凸となる半球面状に形成されている。本実施形態では、反射部40aは、陶磁器製である。
【0041】
なお、支持部30a及び反射部40aは、筐体10が支持部30aにより支持される際に、開口部102から反射部40aにおける球面部42の凸部までの距離d2が、例えば、直径十cm-数十cmの開口部102に対して、数cm-十数cmとなるように形成され得る。
【0042】
板状部材50は、平板状に形成されており、例えばテーブル等といった載置面90上に配置される。但し、載置面90はテーブルに限定されるものではない。板状部材50は、反射部40aが載置される際に反射部40aの位置決めを行うための位置決め部51が形成されている。本実施形態では、位置決め部51は、板状部材50の略中央に、反射部40aの外形よりも少し大きい(即ち、反射部40aの外径よりも少し大きい直径の)略円形の凹部として形成されている。本実施形態では、板状部材50は、木製であり、漆塗りが施されている。
【0043】
スピーカ装置1aでは、まず、板状部材50において、位置決め部51である凹部に反射部40aが配置される。続いて、反射部40aが中央に位置するように、支持部30aが板状部材50上に配置される。そして、このように配置された支持部30a上に、筐体10が載置される。
【0044】
[2-2.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、前述した第1実施形態の効果(1a)を得ることができ、さらに、以下の効果を得ることができる。
【0045】
(2a)支持部30aと反射部40aとが別体に構成されるので、支持部30aにより筐体10が支持される際に、反射部40aを、スピーカユニット20の下方となるように適宜配置することができる。これにより、スピーカ装置1aの周囲への音の拡散具合を調整することができる。また、支持部30aと反射部40aとが別体に構成されるので、形状、材質等において設計の自由度を高めることができる。
【0046】
(2b)スピーカ装置1aでは、板状部材50の上部に支持部30aが配置され、支持部30aの内側(即ち、複数の個別支持部36の内側)に反射部40aが配置されるように、板状部材50に位置決め用の位置決め部51が形成される。位置決め部51は凹部として形成される。スピーカユニット20から出力された音は板状部材50においても反射するので、スピーカ装置1aの周囲に音をより拡散させることができる。
【0047】
また、板状部材50において反射部40aが位置決めされるので、支持部30aにより支持された筐体10を、スピーカユニット20が反射部40aの上方にくるように配置させることが容易となる。つまり、スピーカユニット20と反射部40aとの位置決めが容易となる。結果として、容易に、音を周囲に拡散させることができる。また、意図した様に、音を周囲に拡散させることができる。
【0048】
[3.第3実施形態]
第3実施形態のスピーカ装置1bは、図6に示すように、第2実施形態と同様に、支持部30aと反射部40とが別体に構成されている。但し、スピーカ装置1bは、板状部材50を備えていなくてもよい。
【0049】
スピーカ装置1bでは、まず載置面90上に反射部40aが配置され、反射部40aが中央に配置されるように支持部30aが配置される。そして、このように配置された支持部30a上に筐体10が載置される。これにより、上述の実施形態と同様に、ピーカユニット20から出力された音は反射部40aにおいて反射するので、スピーカ装置1aの周囲に音をより拡散させることができる。
【0050】
なお、支持部30a及び反射部40aは、筐体10が支持部30aにより支持される際に、開口部102から反射部40aにおける球面部42の凸部までの距離d3が、例えば、直径十cm-数十cmの開口部102に対して、数cm-十数cmとなるように形成され得る。
【0051】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0052】
(4a)上述の実施形態では、筐体10の外形は、図1等に示すような壺形状に形成されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、筐体10における首部12の長さ、形状、太さ(即ち、径の大きさ)、口縁部11の大きさ(即ち、径の大きさ)等は、任意に定められてもよい。本体部13は、内部空間101を有する形状であれば、外形は略球状以外の任意の形状であってもよい。筐体10は、内部空間101を有し、少なくとも開口部102が形成される形状であれば、壺形状以外の任意の形状に形成されてよい。なお、スピーカユニット20は、コーン型フルレンジスピーカ以外の任意の形状及び任意の構成のスピーカユニットであってよい。また、開口部102の形状は、スピーカユニット20が取り付けられる形状であれば、略円形以外の任意の形状に形成されてよい。
【0053】
(4b)上述の実施形態では、筐体10、反射部40は、陶磁器製であった。但し、本開示はこれに限定されるものではない。例えば、筐体10、反射部40は、木、金属、ガラス、合成樹脂、陶磁器等、種々の材料又はその材料の組み合わせにより形成され得る。また、支持部30、反射部40は、例えば、筐体10、反射部40は、木、金属、ガラス、合成樹脂、陶磁器等、種々の材料又はその材料の組み合わせにより形成され得る。
【0054】
(4c)上述の実施形態では、支持部30は、3つの個別支持部31を備えていたが、本開示はこれに限定されるものではない。個別支持部31の数は、任意の複数の数であってよい。また、上述の実施形態では、複数の個別支持部31は、同心円状に等間隔に配置されていたが、本開示はこれに限定されるものではない。複数の個別支持部31は、筐体10を支持可能なように、任意に配置されていてもよい。
【0055】
(4d)上述の実施形態では、反射部40は、中央に向かって凸となる半球形状に形成されていたが、反射部40は、中央に向かって凹む半球形状に形成されていてもよい。また、上述の実施形態では、反射部40の底面部41は略平面に形成されていたが、反射部40の底面部41は凹部となるように形成されていてもよい。なお、支持部30及び反射部40は、筐体10が支持部30により支持される際に、開口部102から反射部40における球面部42の凸部又は凹部までの距離(即ちd1、d2、d3)が、任意の数値となるように形成されてよい。
【0056】
(4e)上述の実施形態では、板状部材50における位置決め部51は凹部として形成されていたが、位置決め部51は凸部として形成されていてもよい。この場合、反射部40aに、位置決め部51としての凸部に対応する形状の凹部が形成されていてもよい。又は、凸部及び凹部の組み合わせにより形成されていてもよい。なお、板状部材50は、例えば、木、金属、ガラス、合成樹脂、陶磁器等、種々の材料又はその材料の組み合わせにより形成され得る。
【0057】
(4f)図示していないが、筐体10と支持部30とは一体に形成され、反射部40が別体として形成されてもよい。また、筐体10と支持部30と反射部40とが一体として形成されてもよい。
【0058】
(4g)図示していないが、第1実施形態に記載のスピーカ装置1が板状部材50に載置されてもよい。この場合、位置決め部51として、反射部40すなわち支持部30を載置可能な程度の凹部が板状部材50に形成されてもよい。
【0059】
(4h)上述の実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上述の実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上述の実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上述の実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0060】
なお、上述の実施形態において、スピーカ装置1、1a、1bが音響装置に相当する。
【符号の説明】
【0061】
1、1a、1b…スピーカ装置、10…筐体、20…スピーカユニット、30、30a…支持部、40、40a…反射部、内部空間…101、開口部…102。
図1
図2
図3
図4
図5
図6