(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022720
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】プローブカード
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20230208BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
G01R1/073 E
H01L21/66 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127744
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】391037102
【氏名又は名称】東邦電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹嶋 剛志
【テーマコード(参考)】
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G011AB01
2G011AB08
2G011AC14
2G011AC21
2G011AE03
2G011AF07
4M106AA01
4M106DD03
4M106DD04
4M106DD10
4M106DD15
4M106DD16
(57)【要約】
【課題】電気的特性の測定精度を図ることが可能なプローブカードを提供する。
【解決手段】プローブカード100は、金属導体からなり弾性変形可能であって、先端部11が端面72Aから突出しているプローブピン10と、プローブピン10及び検査装置と電気的に接続される電気導体からなる芯体31及び芯体31を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜32を有するケーブル30とを備えている。そして、プローブピン10の基端部11と芯体31の先端部とが直接的に接触している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属導体からなり弾性変形可能であって、先端部が前記端面から突出しているプローブピンと、前記プローブピン及び検査装置と電気的に接続される電気導体からなる芯体及び前記芯体を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜を有するケーブルとを備えたプローブカードであって、
前記プローブピンの基端部と前記芯体の先端部とが直接的に接触していることを特徴とするプローブカード。
【請求項2】
前記ケーブルは、先端側にて前記芯体の先端面が露出し、当該露出した前記芯体の先端面が研磨されているとともに、弾性変形により湾曲された前記プローブピンの基端側の突起部の先端が前記先端面に当接していることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記ケーブルの基端側にて前記絶縁被膜から露出している前記芯体と前記プローブピンの基端部とが直接的に接触し、かつ、はんだ付けにより互いに固定されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブカード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体プローブテストに用いるプローブカードに関する。
【背景技術】
【0002】
プローブカードには、ウエハなどの検査対象物に対して、略平行にプローブピン(プローブ針、単にプローブともいう)が配置されるカンチレバー型と、略垂直にプローブピンが配置される垂直型との2種類がある。プローブピンは先端部がプレートから突出しており、カンチレバー型のプローブ針ピン先端部が略L字状に屈曲又は湾曲しており、垂直型のプローブピンは全体が直線状となっている。なお、スプリング式のプローブピンも垂直型に含まれる。
【0003】
そして、プローブピンは、その基端側にてコンタクト、はんだ付け部、同軸ピンなどの介在部材を介して、検査装置に接続されるケーブルに接続されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本願発明者は、特に数GHzなどの高周波数の電気信号をテスト信号として用いる場合、介在部材を介することによりプローブピンを介して得られる電気信号が劣化することがあることを見出した。これは、介在部材の高周波における伝送損失が、プローブピン及ケーブルの芯体よりも劣るからであると考えられる。プローブピンを介して得られる電気信号が劣化すると、検査対象物である半導体ウエハ上のチップなどの電気的特性の測定精度が低下する。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、電気的特性の測定精度の向上を図ることが可能なプローブカードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、金属導体からなり弾性変形可能であって、先端部が前記端面から突出しているプローブピンと、前記プローブピン及び検査装置と電気的に接続される電気導体からなる芯体及び前記芯体を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜を有するケーブルとを備えたプローブカードであって、前記プローブピンの基端部と前記芯体の先端部とが直接的に接触していることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、プローブピンの基端部とケーブルの芯体の先端部とが直接的に接触している。これにより、特に数GHzなどの高周波数の電気信号をテスト信号として用いる場合、上記従来のように、プローブピンとケーブルの芯体とがコネクタ、はんだ付け部、同軸ピンなどの高周波における伝送損失が劣る介在部材を介して接続されている場合と比較して、プローブピンを介して得られる電気信号の劣化を抑制することができ、検査対象物である半導体ウエハ上のチップなどの電気的特性の測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0009】
本発明において、前記ケーブルは、先端側にて前記芯体の先端面が露出し、当該露出した前記芯体の先端面が研磨されているとともに、弾性変形により湾曲された前記プローブピンの基端側の突起部の先端が前記先端面に当接していることが好ましい。
【0010】
この場合、ケーブルの芯体の研磨した先端面にプローブピンの基端側の突起部の先端が当接している。また、プローブピンは弾性変形により湾曲されているので、プローブピンの先端が芯体を押し付ける方向にプローブピンの元の形状に戻ろうとする復元力の一部が常に作用する。これらのため、プローブピンと芯体との当接の確実化を図ることが可能となる。
【0011】
また、本発明において、前記ケーブルの基端側にて前記絶縁被膜から露出している前記芯体と前記プローブピンの基端部とが直接的に接触し、かつ、はんだ付けにより互いに固定されていることが好ましい。
【0012】
この場合、ケーブルの芯体とプローブピンとがはんだ付けにより互いに固定されているので、プローブピンと芯体とが直接的に接触することを確実に維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るプローブカードを示す模式図。
【
図3】本発明の第2の実施形態に係るプローブカードを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態に係るプローブカード100について
図1及び
図2を参照して説明する。なお、
図1及び
図2は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
【0015】
プローブカード100は、シリコンウエハなどの半導体基板に半導体チップ、半導体素子などの半導体部品が形成されている検査対象物に形成された回路を検査するための検査装置の検査治具を構成する。プローブカード100は、検査対象物の所定範囲の領域内の各検査点に対応するように、多数のプローブピン10を支持している。
【0016】
検査領域内の各検査点にプローブピン10を接触させて検査領域内の検査点の検査を行う。その後、検査対象物を支持する検査台を移動させて検査領域を移動し、検査を行う。このように、検査領域を順次移動させながら検査を行うことにより、検査対象物全体の検査を行う。具体的には、半導体基板の半導体部品に対してプローブピン10の先端部11を押し付けた状態で、数GHzなどの高周波数の電気信号からなるテスト信号を、図示しない検査装置から検査対象物に供給する。そして、プローブピン10を介して得られる電気信号に基づいて、検査対象物である半導体ウエハ上のチップなどの電気的特性を上記検査装置が測定する。
【0017】
プローブカード100は、複数のプローブピン10、各プローブピン10に接続されるケーブル30、及び、各ケーブル30に接続されるコネクタ50などを備えている。なお、
図1においては、2本のプローブピン10並びにこれらに対応する構成部品のみを模式的に示している。
【0018】
各プローブピン10は、プローブ針、又は、単にプローブとも呼ばれ、弾性変形可能な金属導体からなる。プローブピン10は、全体として直線状の細長い棒状体となっており、検査対象物に対しい略垂直に配置される垂直型である。プローブピン10は、一般的にレニウムタングステン、パラジウム合金、べリリウム鋼など使用するが、その他に各種金属及び合金の素材からなっている。
【0019】
プローブピン10は、具体的には、直径30μmから50μm、全長5mmから15mmの円柱状からなり、その先端部11(
図1における下側端部)及び基端部12(
図1における下側端部)は、先端が半円球、半楕円状、円錐状、円錐台状などの形状となるように丸みを帯びている。なお、プローブピン10は、複数本の線状体が撚り合わさった撚り線などからなるものであってもよい。また、上述したプローブピン10の寸法及び形状などは一例であり、これに限定されない。
【0020】
なお、プローブピン10は、両端部11,12以外の部分は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、フッ素樹脂などの絶縁性樹脂からなる絶縁被膜13より外周面が被覆されている。
【0021】
複数のプローブピン10は、ピンユニット部70に支持されている。ピンユニット部70は、複数のプローブピン10の基端部12側が固定される基端側プレート71、複数のプローブピン10の先端部11が先端側に向かって突出する先端側プレート72、及び、基端側プレート71と先端側プレート72とを連結する連結部73を備えている。
【0022】
基端側プレート71は、例えばセラミックやエンジニアリングプラスチック樹脂からなる、複数枚、ここでは3枚のプレート71A~71Cから構成されている。これら複数のプレート71A~71Cには、プローブピン10の基端側がそれぞれ挿通することが可能な貫通孔71a~71cが形成されている。貫通孔71a~71cの断面の直径は、絶縁被膜13を含めたプローブピン10の直径の1.1倍から1.2倍であることが好ましい。なお、貫通孔71a~71cの断面の形状は、円形状に限定されず、楕円状、多角形状などであってもよい。
【0023】
そして、3枚のプレート71A~71Cは、同一のプローブピン10の基端側が挿通される貫通孔71a~71cが水平方向に少しずつずれるように、垂直方向に積み重ねられた状態で、図示しないボルトなどの固定具を用いて固定されている。
【0024】
図1及び
図2においては、貫通孔71a~71cは上から下の方向に右方に向かって連続するように位置している。貫通孔71a~71cは、このように一の方向に向かって連続的にずれるものであっても、異なる方向、例えば、右方向、左方向、右方向の順に、あるいは右方向、手前方向、左方向の順などの任意の順にずれるものであってもよい。
【0025】
これら貫通孔71a~71cをプローブピン10の基端側が挿通することにより、貫通孔71a~71cのずれに沿ってプローブピン10の基端側が弾性変形して湾曲する。このとき、プローブピン10の外周面を被覆する絶縁被膜13,23が貫通孔71a~71cの角部と接触して角部が食い込むように弾性変形又は塑性変形する。この変形により、プローブピン10はずれ落ちずに基端側プレート71に支持される。
【0026】
また、プローブピン10は、それらの基端部12の先端が、基端側プレート71の基端側面(
図1における上面)から突出している。プローブピン10は、これらの外周面を被覆する絶縁被膜13により、基端側プレート71とは絶縁されている。
【0027】
先端側プレート72は、例えばセラミックやエンジニアリングプラスチックからなり、複数のプローブピン10の基端部11側が挿通するように、これらに対応した複数の貫通孔72aが形成されている。各プローブピン10は、それらの先端部11の先端が、先端側プレート72の先端側面72A(
図1における下面)から突出している。先端側プレート72が本発明の部材に相当し、先端側プレート72の先端側面72Aが本発明の先端側の端面に相当する。なお、貫通孔72aの断面の形状は、円形状に限定されず、楕円状、多角形状などであってもよい。
【0028】
プローブピン10は、絶縁被膜13により、基端側プレート71及び先端側プレート72とは絶縁されている。なお、基端側プレート71及び先端側プレート72が絶縁体からなることにより、絶縁されていてもよい。
【0029】
連結部73は、例えばSUSなどの金属からなり、基端側プレート71と先端側プレート72とを固定的に連結している。
【0030】
各プローブピン10は、上述したように、これらの基端側が基端側プレート71にて支持され、先端部11側が基端側プレート72の貫通孔72aを挿通している。そして、プローブピン10は、その先端部11の先端が検査対象物に略垂直方向に接触すると、弾性変形して湾曲するとともに、元の形状である直線状に戻ろうとする復元力の一部が基端側を上方に移動させるように作用する。
【0031】
各ケーブル30は、プローブピン10と電気的に接続される芯体31、及び芯体31を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜32を有している。ケーブル30は、従来、信号の通信などの行う際に使用される市販のケーブルなどであり、芯体31は、中実の導体金属からなることが好ましい。
【0032】
各コネクタ50は、ケーブル30の芯体31と電気的に接続されている。そして、各コネクタ50には、図示しないが、検査装置に接続されているケーブルの先端のコネクタが接続される。コネクタ50は、従来、信号の通信などの行う際に使用される市販のコネクタなどである。
【0033】
そして、複数のケーブル30、及びコネクタ50は、電極ユニット部80に配置されている。電極ユニット部80は、複数のコネクタ50が固定されているコネクタプレート81、複数のケーブル30の先端部が固定されている電極プレート82、及び、コネクタプレート81と電極プレート82とを連結する連結部83を備えている。
【0034】
コネクタプレート81は、例えば金属やガラスエポキシ樹脂からなり、複数のコネクタ50が固定されている。なお、これらコネクタ50にはケーブル30の芯体31が電気的に接続されている。
【0035】
電極プレート82は、例えば金属やガラスエポキシ樹脂からなり、複数のケーブル30の先端部が固定されている。各ケーブル30は、それらの先端が、電極プレート82の先端側面(
図1における下面)から突出するように電極プレート82に固定されている。
【0036】
ケーブル30の芯体31は、絶縁被膜32により、電極プレート82とは絶縁されている。
【0037】
ここで、各ケーブル30の先端側にて芯体31の先端面が露出し、この露出した芯体31の後端面がフライス加工などにより研磨されている。具体的は、各ケーブル30の先端部において、これらの中心軸と直交するように切断し、その円形状の切断面において露出する芯体の部分をフライス加工などにより研磨している。
【0038】
連結部83は、例えばSUSなどの金属からなり、コネクタプレート81と電極プレート82とを固定的に連結している。
【0039】
各ケーブル30は、上述したように、これらの基端部側がそれぞれコネクタプレート81に固定されたコネクタ50に接続され、先端部側は研磨された芯体31が電極プレート82から突出して露出している。
【0040】
そして、ピンユニット部70と電極ユニット部80とは着脱自在に構成されている。具体的には、ピンユニット部70の基端側プレート71と電極ユニット部80の電極プレート82とがガイドピンやボルトを用いた構成により、着脱自在に構成されている。
【0041】
そして、ピンユニット部70と電極ユニット部80とが組み付けられることにより、各プローブピン10の基端部12の先端と、これに対応するケーブル30の露出した芯体31の研磨面が当接するように構成されている。
【0042】
これにより、ピンユニット部70と電極ユニット部80とを組み付けるだけで、各プローブピン10とこれに対応するケーブル30との電気的接続を得ることが可能となる。そして、これらの電気的接続は、水平面上に延びる芯体31の研磨面に対して、プローブピン10の基端部12を押し付けるように構成されている。また、プローブピン10は常に湾曲された状態であるので、これらの先端が芯体31を押し付ける方向にプローブピン10の元の形状である直線状に戻ろうとする復元力の一部が常に作用する。これらにより、上記の電気的接続を確実に維持することが可能である。
【0043】
上述したように、各プローブピン10とこれに対応するケーブル30は直接的に接触している。これにより、特に数GHzなどの高周波数の電気信号をテスト信号として用いる場合、上記従来のように、これらがコネクタ、はんだ付け部、同軸ピンなどの高周波における伝送損失が劣る介在部材を介して接続されている場合と比較して、プローブピン10を介して得られる電気信号の劣化を抑制することができ、検査対象物である半導体ウエハ上のチップなどの電気的特性の測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0044】
以下、本発明の第2の実施形態に係るプローブカード200について
図3を参照して説明する。なお、
図3は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
【0045】
プローブカード200は、複数のプローブピン110、各プローブピン110に対応するケーブル130、及び、各ケーブル130に対応するコネクタ150などを備えている。なお、
図3においては、1本のプローブピン110及びこれに対応する構成部品のみを模式的に示している。
【0046】
各プローブピン110は、先端部111(
図3における左側端部)が略直角に屈曲又は湾曲して細長いL状の棒状体となっており、検査対象物に対しい略平行に配置されるカンチレバー型である。
【0047】
プローブピン110は、先端部111は先端が丸みを帯びているが、基端部112(
図3における右側端部)は、先端が丸みを帯びていても、丸みを帯びていなくてもよい。
【0048】
そして、複数のプローブピン110、ケーブル130、及び、コネクタ150はユニット部170に配置されている。
【0049】
各ケーブル130は、プローブピン110と電気的に接続される芯体131、及び芯体131を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜132を有している。ケーブル130は、従来、信号の通信などの行う際に使用される市販のケーブルなどであり、芯体131は、中実の導体金属からなることが好ましいが、多数の導線などからなるものであってもよい。
【0050】
ユニット部170は、コネクタ150が固定されているコネクタプレート171、コネクタプレート171の周縁部に固定された固定プレート172、及び、ケーブル130の先端側を固定プレート172に固定する熱硬化した樹脂からなる樹脂硬化部181を備えている。
【0051】
コネクタプレート171は、例えば金属やガラスエポキシ樹脂からなり、コネクタ150が、熱硬化樹脂やボルトなどを用いて固定されている。なお、コネクタ150にはケーブル130の芯体131が電気的に接続されている。
【0052】
固定プレート172は、例えば金属やセラミックからなり、コネクタプレート171の周縁部の下面に熱硬化樹脂、接着剤やボルトなどを用いて固定されている。
【0053】
樹脂硬化部181は、ケーブル130の先端側を固定プレート172に固定するために塗布した樹脂接着剤が固化してなるものである。
【0054】
そして、ケーブル130の先端側にて絶縁被膜132から露出している芯体131とプローブピン110の基端部112とが直接的に接触し、かつ、はんだ付け191により互いに固定されている。なお、ケーブル130の先端部にプローブピン110をはんだ付け191により固定した後に、ケーブル130の芯体131の基端部をコネクタ150に固定し、ケーブル130の先端部を、熱硬化性樹脂を熱硬化させることにより固定プレート172に固定することが好ましい。
【0055】
これにより、各プローブピン110とこれに対応するケーブル130の芯体131とは常に直接的に接触している。これにより、特に数GHzなどの高周波数の電気信号をテスト信号として用いる場合、上記従来のように、これらがコネクタ、はんだ付け部、同軸ピンなどの高周波における伝送損失が劣る介在部材を介して接続されている場合と比較して、プローブピン110を介して得られる電気信号の劣化を抑制することができ、検査対象物である半導体ウエハ上のチップなどの電気的特性の測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0056】
ケーブル130は、上述したように、その基端側がコネクトプレート171に固定されたコネクタ150に固定され、先端側が固定プレート172に樹脂硬化部181により固定されており両端部が固定されている。そして、ケーブル130の先端側の樹脂硬化部181により固定されている部分よりも先端側にて、プローブピン110の後端部がはんだ付け部191により固定されている。
【0057】
これにより、ケーブル130は固定された状態でプローブピン110は片持ち状に支持される。そのため、プローブピン110は、カンチレバー状に支持され、検査対象物に先端部111の先端が接触することにより、自由に弾性変形して湾曲することが可能となっている。
【0058】
プローブピン110は、上述したように、その基端側がケーブル130の芯体131にはんだ付け191により固定されているので、先端部111の先端が検査対象物に接触して湾曲しても、先端部111と芯体131とが直接的に接触することを確実に維持することが可能となる。
【0059】
なお、本発明は、上述したプローブカード100,200に限定されるものではなく、半導体プローブテストで使用される構造に適用されるものであれば、適宜変更することが可能である。また、上述した寸法及び形状などは、一例であり、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0060】
10,110…プローブピン、 11,111…先端部、 12,112…基端部、 13…絶縁被膜、 30,130…ケーブル、 31,131…芯体、 32,132…絶縁被膜、 50,150…コネクタ、 70…ピンユニット部、 71…基端側プレート、 71A~71C…プレート、 71a~71c…貫通孔、 72…先端側プレート(部材)、 72A…先端側面(先端側の端面)、 72a…貫通孔、 73…連結部、 80…電極ユニット部、 81…コネクタプレート、 82…電極プレート、 83…連結部、 100,200…プローブカード、 170…ユニット、 171…コネクタプレート、 172…固定プレート、 181…樹脂硬化部、 191…はんだ付け部。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
金属導体からなり弾性変形可能であって、先端部が先端側プレートの端面から突出しているプローブピンと、前記プローブピン及び検査装置と電気的に接続される電気導体からなる芯体及び前記芯体を被覆する絶縁体からなる絶縁被膜を有するケーブルとを備えたプローブカードであって、
前記ケーブルは、先端側にて前記芯体の先端面が露出し、当該露出した前記芯体の先端面が研磨されているとともに、弾性変形により湾曲された前記プローブピンの基端側の突起部の先端が前記芯体の先端面に当接していることを特徴とするプローブカード。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明において、前記ケーブルは、先端側にて前記芯体の先端面が露出し、当該露出した前記芯体の先端面が研磨されているとともに、弾性変形により湾曲された前記プローブピンの基端側の突起部の先端が前記芯体の先端面に当接している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
これにより、ケーブルの芯体の研磨した先端面にプローブピンの基端側の突起部の先端が当接している。また、プローブピンは弾性変形により湾曲されているので、プローブピンの先端が芯体を押し付ける方向にプローブピンの元の形状に戻ろうとする復元力の一部が常に作用する。これらのため、プローブピンと芯体との当接の確実化を図ることが可能となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、参考として、前記ケーブルの基端側にて前記絶縁被膜から露出している前記芯体と前記プローブピンの基端部とが直接的に接触し、かつ、はんだ付けにより互いに固定されていることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るプローブカードを示す模式図。
【
図3】本発明の
参考の実施形態に係るプローブカードを示す模式図。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
以下、本発明の
参考の実施形態に係るプローブカード200について
図3を参照して説明する。なお、
図3は本実施形態を模式的に説明するための図であり、寸法はデフォルメされている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
なお、本発明は、上述したプローブカード100に限定されるものではなく、半導体プローブテストで使用される構造に適用されるものであれば、適宜変更することが可能である。また、上述した寸法及び形状などは、一例であり、適宜変更可能である。