(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022729
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】セキュリティシステム、制御システム、セキュリティ方法、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20230208BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
G08B25/04 H
G08B25/00 510E
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127754
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】廣木 誠
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087BB18
5C087DD05
5C087DD24
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF23
5C087FF24
5C087FF25
5C087GG06
5C087GG35
5C087GG46
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】警戒モードが有効になるタイミングを適応的に変更することができるセキュリティシステムを提供する。
【解決手段】セキュリティシステム40は、施設80内に設置されたセンサ45の検知結果に基づいて施設80の外部に報知情報を出力する警戒モードの動作を行うシステムである。セキュリティシステム40は、警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に警戒モードを有効にする制御部43bと、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得部43aとを備える。制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第一情報または第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムであって、
前記警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に前記警戒モードを有効にする制御部と、
前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得部とを備え、
前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第一情報または前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
セキュリティシステム。
【請求項2】
前記機器は、インターホン子機であり、
前記取得部は、インターホン子機が操作されたことを示す前記第一情報を取得し、
前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第一情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記取得部は、前記インターホン子機が有するボタンが長押し操作されたことを示す前記第一情報を取得する
請求項2に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記機器は、電気錠であり、
前記取得部は、前記電気錠が操作されたことを示す前記第一情報を取得し、
前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第一情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記取得部は、前記電気錠を施錠するための操作が行われたことを示す前記第一情報を取得する
請求項4に記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
前記取得部は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号に基づいて前記携帯端末が算出した前記携帯端末の現在位置に基づく前記第二情報を取得し、
前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項7】
前記取得部は、前記携帯端末と前記施設内に設置された無線通信装置との無線接続が解除されたことを示す前記第二情報を取得し、
前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項8】
前記取得部は、前記セキュリティシステムを提供する事業者と異なる事業者によって提供されるシステムから前記第一情報または前記第二情報を取得する
請求項1~7のいずれか1項に記載のセキュリティシステム。
【請求項9】
施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムから、前記警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す通知を取得する取得部と、
前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことに応じて前記セキュリティシステムへ第一情報を出力する処理、及び、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことに応じて前記セキュリティシステムへ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力部とを備える
制御システム。
【請求項10】
施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムが実行するセキュリティ方法であって、
前記警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に前記警戒モードを有効にする制御ステップと、
前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得ステップとを含み、
前記制御ステップにおいては、前記所定期間内に前記第一情報または前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする
セキュリティ方法。
【請求項11】
請求項10に記載のセキュリティ方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
制御システムによって実行される制御方法であって、
施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムから、前記警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す通知を取得する取得ステップと、
前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことに応じて前記セキュリティシステムへ第一情報を出力する処理、及び、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことに応じて前記セキュリティシステムへ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力ステップとを含む
制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設に適用されるセキュリティシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスビル、マンション、及び、戸建住宅など監視対象の建物への侵入者をセンサを用いて監視し、センサが侵入者を検出すると監視センタへ異常通報する警備装置が普及している。特許文献1には、防犯警戒モードのセット操作をすれば直ちに、家人が外出するのに通過する区域以外を警戒状態として、不審者に侵入の隙を与えない住宅防犯監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、警戒モードが有効になるタイミングを適応的に変更することができるセキュリティシステム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係るセキュリティシステムは、施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムであって、前記警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に前記警戒モードを有効にする制御部と、前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得部とを備え、前記制御部は、前記所定期間内に前記取得部によって前記第一情報または前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする。
【0006】
本発明の一態様に係る制御システムは、施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムから、前記警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す通知を取得する取得部と、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことに応じて前記セキュリティシステムへ第一情報を出力する処理、及び、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことに応じて前記セキュリティシステムへ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係るセキュリティ方法は、施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムが実行するセキュリティ方法であって、前記警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に前記警戒モードを有効にする制御ステップと、前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得ステップとを含み、前記制御ステップにおいては、前記所定期間内に前記第一情報または前記第二情報が取得された場合に、前記所定期間内に前記警戒モードを有効にする。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記セキュリティ方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の一態様に係る制御方法は、制御システムによって実行される制御方法であって、施設内に設置されたセンサの検知結果に基づいて前記施設の外部に情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムから、前記警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す通知を取得する取得ステップと、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設の出入口に設置された機器が操作されたことに応じて前記セキュリティシステムへ第一情報を出力する処理、及び、前記通知が取得された後の所定期間内に前記施設のユーザが所持する携帯端末が前記施設から所定距離以上離れたことに応じて前記セキュリティシステムへ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力ステップとを含む。
【0010】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係るセキュリティシステム等によれば、警戒モードが有効になるタイミングを適応的に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る連携システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る連携システムの動作例1のシーケンス図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る連携システムの動作例1の変形例のシーケンス図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る連携システムの動作例2のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0015】
(実施の形態)
[連携システムの構成]
まず、実施の形態に係る連携システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る連携システムの機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示されるように、連携システム10は、制御システム20と、機器30と、電気錠31と、インターホン子機32と、携帯端末33と、無線通信装置34と、セキュリティシステム40とを備える。制御システム20は、例えば、機器制御サービスを運営するために家電機器メーカなどの事業者が提供するシステムであり、セキュリティシステム40は、例えば、ホームセキュリティサービスなどを運営する事業者が提供するシステムである。
【0017】
図1に示される施設80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅である。施設80内には、制御システム20の機器コントローラ21、機器30、電気錠31、無線通信装置34、セキュリティシステム40のセキュリティコントローラ41、及び、セキュリティシステム40のセンサ45が設置されている。インターホン子機32は、施設80の外であるが施設80の敷地内(施設80に近接した場所)に設置される。携帯端末33は、
図1では施設80の外に位置しているが、施設80内に位置する場合もある。
【0018】
制御システム20の機器制御サーバ26、及び、セキュリティシステム40のセキュリティサーバ46は、施設80の外に設置されている。つまり、機器制御サーバ26、及び、セキュリティサーバ46は、クラウドサーバとして実現される。
【0019】
[制御システムの構成]
制御システム20は、施設80に居住するユーザが空調機器または照明機器などの機器30を制御するためのシステムである。制御システム20は、機器コントローラ21と、機器制御サーバ26とを備える。
【0020】
以下、制御システム20が備える各構成要素について説明する。まず、機器コントローラ21について説明する。機器コントローラ21は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するEMS(Energy Management System)コントローラであり、施設80内に設置され、施設80内に設置された機器30の消費電力を管理する。また、機器コントローラ21は、施設80の敷地内に設置された機器30の制御などを行う。機器コントローラ21は、EMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。機器コントローラ21は、通信部22と、情報処理部23と、記憶部24とを備える。
【0021】
通信部22は、機器コントローラ21が他の装置と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)、及び、機器コントローラ21が他の装置とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)によって構成される。通信部22は、例えば、機器30、電気錠31、インターホン子機32、及び、セキュリティコントローラ41とは局所通信ネットワークを介して通信を行い、機器制御サーバ26とは広域通信ネットワークを介して通信を行う。通信部22は、無線通信を行ってもよいし、有線通信を行ってもよい。通信部22が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0022】
情報処理部23は、機器30の制御に関する情報処理、及び、後述するセキュリティシステム40との連携に関する情報処理などを行う。情報処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部23は、機能的な構成要素として、取得部23a及び出力部23bを備える。取得部23a及び出力部23bの機能は、情報処理部23を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0023】
記憶部24は、情報処理部23が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0024】
次に、機器制御サーバ26について説明する。機器制御サーバ26は、制御システム20がセキュリティシステム40と連携するためにセキュリティサーバ46と通信を行う。機器制御サーバ26は、通信部27と、情報処理部28と、記憶部29とを備える。
【0025】
通信部27は、機器制御サーバ26が、機器コントローラ21、セキュリティサーバ46、及び、携帯端末33とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部27は、例えば、有線通信を行う有線通信回路であるが、無線通信を行う無線通信回路であってもよい。通信部27が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0026】
情報処理部28は、セキュリティシステム40との連携に関する情報処理などを行う。情報処理部28は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部28は、機能的な構成要素として、取得部28a及び出力部28bを備える。取得部28a及び出力部28bの機能は、情報処理部28を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部29に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0027】
記憶部29は、情報処理部28が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0028】
[機器等の構成]
次に、機器30等の構成について説明する。機器30は、機器コントローラ21の制御対象の機器である。機器30は、機器コントローラ21の通信部22から送信される制御信号に基づいて動作する。機器30は、例えば、空調機器または照明機器などの家電機器である。機器30は、床暖房機器、電気自動車、蓄電池システム、燃料電池システム、ヒートポンプ式給湯機、または、太陽光発電システムなどであってもよい。機器30は、窓または扉の開閉センサなどの防犯機器であってもよいし、火災報知器などの警報器であってもよい。制御システム20は、少なくとも1つの機器30を備えていればよいが、機器30を複数備えてもよい。
【0029】
電気錠31は、施設80の出入口に設置された機器の一例であり、出入口に設置された扉の施錠及び解錠を行う。電気錠31は、具体的には、施設80の玄関の扉、または、施設80の勝手口の扉などに設置される。
【0030】
ユーザは、カードキーまたは携帯端末33などの認証媒体を用いて、施設80の外側から電気錠31を施錠または解錠することができる。電気錠31は、認証媒体から識別情報を取得し、取得した識別情報の認証に成功した場合に扉の施錠または解錠を行う。なお、電気錠31の識別情報の認証方法は、特に限定されず、生体認証方式などが採用されてもよい。
【0031】
インターホン子機32は、施設80の出入口に設置された機器の一例であり、具体的には、門柱などに設置される。インターホン子機32は、いわゆるドアホンであり、訪問者が施設80内の居住者(以下、居住者はユーザとも記載される)を呼び出すために押下する押しボタンを備える。
【0032】
携帯端末33は、施設80のユーザが使用する携帯型の情報端末である。携帯端末33は、具体的には、スマートフォンまたはタブレット端末などである。携帯端末33は、GPS(Global Positioning System)モジュールなどのGNSS(Global Navigation Satellite System)モジュールを備え、携帯端末33の現在位置を計測することができる。
【0033】
無線通信装置34は、施設80内に設置される、Wi-Fi(登録商標)などの無線通信規格に準拠した無線LAN(Local Area Network)ルータである。例えば、携帯端末33が無線通信装置34の通信可能範囲内に入ると、無線通信装置34には携帯端末33が通信接続される。携帯端末33が無線通信装置34と通信接続されている場合には、携帯端末33及び機器制御サーバ26の間の通信は、無線通信装置34を介して行われる。携帯端末33が無線通信装置34に通信接続されていない場合には、携帯端末33及び機器制御サーバ26の間の通信は、無線通信装置34を介さず、移動体通信ネットワークを介して行われる。
【0034】
なお、
図1では正確に図示されていないが、無線通信装置34は、機器コントローラ21の通信部22が広域通信ネットワークを介した通信を行うために用いられてもよいし、セキュリティコントローラ41の通信部42が広域通信ネットワークを介した通信を行うために用いられてもよい。
【0035】
[セキュリティシステムの構成]
セキュリティシステム40は、施設80におけるセキュリティに関する異常が発生したことを施設80の外部へ報知するための情報処理を行う防犯システムである。セキュリティシステム40は、具体的には、セキュリティコントローラ41と、センサ45と、セキュリティサーバ46とを備える。まず、セキュリティコントローラ41について説明する。
【0036】
セキュリティコントローラ41は、警戒モード(ユーザが施設80に不在である状態で設定される動作モード)が有効であるときにセンサ45を用いて施設80への侵入者を検知すると、施設80で異常が発生したとみなしてセキュリティサーバ46(施設80の外部)に報知情報を送信(出力)する。セキュリティコントローラ41は、通信部42と、情報処理部43と、記憶部44とを備える。
【0037】
通信部42は、セキュリティコントローラ41が他の装置と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)、及び、セキュリティコントローラ41が他の装置とインターネットなどの広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)によって構成される。通信部42は、例えば、機器コントローラ21及びセンサ45とは局所通信ネットワークを介して通信を行い、セキュリティサーバ46とは広域通信ネットワークを介して通信を行う。通信部42は、無線通信を行ってもよいし、有線通信を行ってもよい。通信部42が行う通信の通信規格については特に限定されない。
【0038】
情報処理部43は、施設80の敷地内においてセキュリティに関する異常が発生したことを報知するための情報処理などを行う。情報処理部43は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部43は、機能的な構成要素として、取得部43a及び制御部43bを備える。取得部43a及び制御部43bの機能は、情報処理部43を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサが記憶部44に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0039】
記憶部44は、情報処理部43が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部44は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0040】
次に、センサ45について説明する。センサ45は、施設80におけるセキュリティに関する異常の発生を検知するためのセンサである。センサ45は、具体的には、窓もしく扉の開閉センサ、ガラス破壊センサ、または、人感センサなどの防犯センサである。セキュリティシステム40は、少なくとも1つのセンサ45を備えていればよいが、センサ45を複数備えてもよい。
【0041】
次に、セキュリティサーバ46について説明する。セキュリティサーバ46は、セキュリティコントローラ41から受信した報知情報に基づいて、施設80への訪問者を手配するための情報処理を行う。この情報処理の結果、セキュリティシステム40を運営する事業者のオペレータが訪問者を手配し、訪問者が施設80に駆け付ける。また、オペレータは、必要に応じて警察署などへ通報を行う。実施の形態では、オペレータとは、コンピュータなどを操作する人間を意味する。
【0042】
[動作例1]
ユーザは、施設80から外出するときなどに、セキュリティコントローラ41へ所定の認証媒体を差し込むなどの操作を行うことでセキュリティシステム40を警戒モードに設定する。ここで、警戒モードは、センサ45によって施設80への侵入者が検知されたときにセキュリティサーバ46へ報知情報を出力する動作モードであり、ユーザが上記操作(以下、設定操作または設定指示とも記載される)を行った後直ちに警戒モードが有効になると、誤検知(ユーザが侵入者であるとみなされてしまう)が発生する可能性がある。
【0043】
このような誤検知を抑制するために、セキュリティコントローラ41には、警戒モードの設定操作が受け付けられてから所定期間の間は警戒モードは無効のままであり、所定期間の経過後に警戒モードが有効になる仕組みが採用されている。所定期間の長さは、例えば、3分などである。つまり、ユーザは、設定操作を行ってから3分が経過する前に施設80から外出すれば誤検知は発生しないことになる。なお、この所定期間は、警戒モードが有効になるまでの猶予期間と言い換えることができる。
【0044】
上記所定期間の長さが長いほど、誤検知が発生する可能性は低下するが、ユーザが施設80から外出した後も警戒モードが無効である期間が長くなるため、施設80のセキュリティ性は低下する。一方で上記所定期間の長さが短いほど、ユーザが施設80から早く外出しなければならず、誤検知が発生する可能性は高くなるが、ユーザが施設80から外出した後の警戒モードが無効である期間は短くなるため、施設80のセキュリティ性は向上する。
【0045】
そこで、連携システム10においては、制御システム20は、ユーザが外出したことを検出し、これをセキュリティシステム40へ通知する。セキュリティシステム40は、通知を受けたことを契機に警戒モードを有効にすることで、適切なタイミングで警戒モードを有効にすることができる。以下、このような連携システム10の動作例1について説明する。
図2は、連携システム10の動作例1のシーケンス図である。
【0046】
まず、ユーザは、セキュリティコントローラ41へセキュリティシステム40を警戒モードに設定するための設定指示を行い、セキュリティコントローラ41の制御部43bはこれを受け付ける(S11)。ここでの設定指示は、例えば、セキュリティコントローラ41へ所定の認証媒体を差し込むなどの操作に基づいて行われる。
【0047】
次に、制御部43bは、警戒モードへの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を通信部42に送信させる(S12)。受付通知は、通信部42によってセキュリティサーバ46へ送信される。
【0048】
セキュリティサーバ46は、セキュリティコントローラ41の通信部42から受付通知を受信し、受信した受付通知を機器制御サーバ26へ送信する(S13)。機器制御サーバ26の通信部27はセキュリティサーバ46から受付通知を受信し、受信した受付通知を機器コントローラ21へ送信する(S14)。
【0049】
機器コントローラ21の通信部22は、機器制御サーバ26の通信部27から受付通知を受信する。取得部23aは、受信された受付通知を取得する(S15)。つまり、取得部23aは、セキュリティシステム40から、警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を取得する。出力部23bは、取得部23aによって受付通知が取得されたことを契機に通常モードから検出モードに遷移する(S16)。なお、ステップS14において受信された受付通知には、上記所定期間の長さを示す情報が含まれており、出力部23bは、所定期間の経過後に検出モードから通常モードに復帰する。
【0050】
出力部23bは、検出モードの動作中(つまり、受付通知が取得された後の所定期間内)に、施設80の出入口に設置された機器から得られる情報に基づいて、当該機器が操作されたことを検出する(S17)。ここでの出入口とは広義の意味であり、ユーザが出入りする開口部だけでなくその近傍、及び、周辺部を含む意味である。出力部23bは、具体的には、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたこと、または、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを検出する。
【0051】
まず、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたことを検出する方法について説明する。電気錠31は、例えば、電気錠31が施錠または解錠されるごとに電気錠31の状態(施錠中から解錠中か)を示す情報を機器コントローラ21へ送信する。電気錠31は、電気錠31が施設80の外側からカードキーまたは携帯端末33を用いて施錠または解錠されたか、電気錠31が施設80の内側からサムターン等への操作によって施錠または解錠されたかを区別して電気錠31の状態を示す情報を機器コントローラ21へ送信する。
【0052】
そうすると、機器コントローラ21の出力部23bは、解錠状態の電気錠31が施設80の外側から施錠された(言い換えれば、解錠操作が行われた)ことを示す情報を通信部22が電気錠31から受信したことに基づいて、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたことを検出することができる。
【0053】
次に、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを検出する方法について説明する。インターホン子機32は、押しボタンが長押し操作されるごとに、押しボタンが長押し操作されたことを示す情報を機器コントローラ21へ送信する。インターホン子機32が備える押しボタンへの長押し操作は、通常、訪問者によっては行われない特殊な操作であり、ユーザが外出時に警戒モードを有効にするために意図的に行う操作である。
【0054】
そうすると、機器コントローラ21の出力部23bは、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを示す情報を通信部22がインターホン子機32から受信したことに基づいて、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを検出することができる。
【0055】
ステップS17における、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたことの検出、または、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことの検出は、ユーザが施設80から外出したことの検出とみなすことができる。そこで、出力部23bは、検出モードの動作中にステップS17のような検出が行われた場合、ユーザが外出したことを通知するための第一情報を出力し(S18)、通信部22は、出力された第一情報を機器制御サーバ26へ送信する(S19)。第一情報は、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことに応じて出力及び送信される情報である。第一情報は、より詳細には、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたこと、または、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことに応じて送信される情報である。なお、検出モードの動作中にステップS17のような検出が行われなかった場合には、出力部23bは、第一情報を出力しない。
【0056】
機器制御サーバ26の通信部27は、機器コントローラ21の通信部22から第一情報を受信し、受信した第一情報をセキュリティサーバ46へ送信する(S20)。セキュリティサーバ46は、機器制御サーバ26の通信部27から第一情報を受信し、受信した第一情報をセキュリティコントローラ41へ送信する(S21)。
【0057】
セキュリティコントローラ41の通信部42は、セキュリティサーバから第一情報を受信し、取得部43aは、受信された第一情報を取得する(S22)。つまり、取得部43aは、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことを間接的に示す情報(具体的には、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたこと、または、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを間接的に示す情報)を取得する。
【0058】
このように、セキュリティシステム40(セキュリティコントローラ41)を警戒モードに設定するための設定指示が受け付けられてから所定期間内に取得部43aによって第一情報が取得されると、これを契機に制御部43bは直ちに警戒モードを有効にする(S23)。言い換えれば、制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第一情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。つまり、設定指示が受け付けられてから警戒モードが有効になるまでの期間が実質的に短縮される。
【0059】
なお、警戒モードに設定するための設定指示が受け付けられてから所定期間内に第一情報が取得されなかった場合には、制御部43bは、設定指示が受け付けられてから所定期間が経過したタイミング(
図2において破線のブロックで図示)に警戒モードを有効にする。
【0060】
以上説明したように、連携システム10においては、制御システム20は、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことを検出し、第一情報を送信することでユーザが外出したことをセキュリティシステム40へ通知する。セキュリティシステム40は、通知を受けたことを契機に警戒モードを有効にすることで、ユーザが外出したと推定されるタイミングに適応的に警戒モードを有効にすることができる。
【0061】
なお、上記動作例1では、セキュリティコントローラ41から機器コントローラ21への受付通知の送信は、機器制御サーバ26及びセキュリティサーバ46(言い換えれば、広域通信ネットワーク)を介して行われた。しかしながら、セキュリティコントローラ41から機器コントローラ21へ受付通知の送信は、機器制御サーバ26及びセキュリティサーバ46を介さずに局所通信ネットワークを介して行われてもよい。
【0062】
同様に、機器コントローラ21からセキュリティコントローラ41への第一情報の送信は、から機器コントローラ21へ機器制御サーバ26及びセキュリティサーバ46(言い換えれば、広域通信ネットワーク)を介して行われた。しかしながら、機器コントローラ21からセキュリティコントローラ41へ第一情報の送信は、機器制御サーバ26及びセキュリティサーバ46を介さずに局所通信ネットワークを介して行われてもよい。
図3は、このような、連携システム10の動作例1の変形例のシーケンス図である。
【0063】
図3に示される動作例1の変形例では、ステップS12aにおいて、セキュリティコントローラ41から機器コントローラ21への受付通知の送信が局所通信ネットワークを介して直接的に行われる。また、ステップS19aにおいて、機器コントローラ21からセキュリティコントローラ41への第一情報の送信が局所通信ネットワークを介して直接的に行われる。なお、他のステップにおける処理については動作例1と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0064】
[動作例2]
動作例1では、制御システム20は、施設80の出入口に設けられた機器から得られる情報に基づいて、セキュリティシステム40へユーザが外出したことを示す通知を行った。制御システム20は、携帯端末33から得られる情報に基づいてセキュリティシステム40へユーザが外出したことを示す通知を行うこともできる。以下、このような連携システム10の動作例2について説明する。
図4は、連携システム10の動作例2のシーケンス図である。
【0065】
まず、ユーザは、セキュリティコントローラ41へセキュリティシステム40を警戒モードに設定するための設定指示を行い、セキュリティコントローラ41の制御部43bはこれを受け付ける(S31)。ここでの設定指示は、例えば、セキュリティコントローラ41へ所定の認証媒体を差し込むなどの操作に基づいて行われる。
【0066】
次に、制御部43bは、警戒モードへの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を通信部42に送信させる(S32)。受付通知は、通信部42によってセキュリティサーバ46へ送信される。
【0067】
セキュリティサーバ46は、セキュリティコントローラ41の通信部42から受付通知を受信し、受信した受付通知を機器制御サーバ26へ送信する(S33)。
【0068】
機器制御サーバ26の通信部27は、セキュリティサーバ46から受付通知を受信する。取得部28aは、受信された受付通知を取得する(S34)。つまり、取得部28aは、セキュリティシステム40から、警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を取得する。出力部28bは、取得部28aによって受付通知が取得されたことを契機に通常モードから検出モードに遷移する(S35)。なお、ステップS33において受信された受付通知には、上記所定期間の長さを示す情報が含まれており、出力部28bは、所定期間の経過後に検出モードから通常モードに復帰する。
【0069】
出力部28bは、検出モードの動作中に(つまり、通知が取得された後の所定期間内)に、携帯端末33から情報を受信し(S36)、受信した情報に基づいて、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを検出する(S37)。
【0070】
例えば、ユーザは、ユーザが所持する携帯端末33に所定のアプリケーションプログラムをインストールするとともに、施設80の位置、及び、後述の所定の範囲をあらかじめ携帯端末33(所定のアプリケーションプログラム)に対して設定しておく。そうすると、上記所定のアプリケーションプログラムを実行中の携帯端末33は、携帯端末33が備えるGNSSモジュールによって受信されるGNSS信号(GPS信号などの衛星から得られる信号)を用いて携帯端末33の現在位置(座標)を算出する。
【0071】
携帯端末33は、繰り返し携帯端末33の現在位置(座標)を算出し、算出した現在位置が施設80の位置(座標)を中心とした所定の範囲内から所定の範囲外に変化した場合(つまり、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れた場合)に機器制御サーバ26へ情報を送信する。出力部28bは、通信部27によってこのような情報が受信されたことに基づいて、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを検出することができる。
【0072】
出力部28bは、検出モードの動作中にステップS37のような検出が行われた場合、ユーザが外出したことを通知するための第二情報を出力し(S38)、通信部27は、出力された第二情報をセキュリティサーバ46へ送信する(S39)。第二情報は、施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを示す情報であり、かつ、GNSS信号に基づいて携帯端末33が算出した現在位置情報に基づく情報である。なお、検出モードの動作中にステップS37のような検出が行われなかった場合(携帯端末33から上記情報が受信されなかった場合)には、出力部28bは、第二情報を出力しない。
【0073】
セキュリティサーバ46は、機器制御サーバ26の通信部27から第二情報を受信し、受信した第二情報をセキュリティコントローラ41へ送信する(S40)。
【0074】
セキュリティコントローラ41の通信部42は、セキュリティサーバから第二情報を受信し、取得部43aは、受信された第二情報を取得する(S41)。つまり、取得部43aは、施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを示す情報を取得する。
【0075】
このように、セキュリティシステム40(セキュリティコントローラ41)を警戒モードに設定するための設定指示が受け付けられてから所定期間内に取得部43aによって第二情報が取得されると、これを契機に制御部43bは直ちに警戒モードを有効にする(S42)。言い換えれば、制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。つまり、設定指示が受け付けられてから警戒モードが有効になるまでの期間が実質的に短縮される。
【0076】
なお、警戒モードに設定するための設定指示が受け付けられてから所定期間内に第二情報が取得されなかった場合には、制御部43bは、設定指示が受け付けられてから所定期間が経過したタイミング(
図4において破線のブロックで図示)に警戒モードを有効にする。
【0077】
以上説明したように、連携システム10においては、制御システム20は、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを検出し、第二情報を送信することでユーザが外出したことをセキュリティシステム40へ通知する。セキュリティシステム40は、通知を受けたことを契機に警戒モードを有効にすることで、ユーザが外出したと推定されるタイミングに適応的に警戒モードを有効にすることができる。
【0078】
なお、動作例2では、携帯端末33は、GNSS信号に基づいて携帯端末33の現在位置が施設80から所定距離以上離れたか否かを判定したが、携帯端末33と無線通信装置34との通信接続の状態に基づいて、携帯端末33の現在位置が施設80から所定距離以上離れたか否かを判定することもできる。
【0079】
上述のように無線通信装置34は、無線LANルータであり、携帯端末33が無線通信装置34の通信可能範囲内から通信可能範囲外に移動すると、携帯端末33と無線通信装置34とが通信接続された状態が解除される。つまり、携帯端末33が施設80から離れると、携帯端末33と無線通信装置34とが通信接続された状態が解除される。
【0080】
そこで、携帯端末33は、無線通信装置34との通信接続が解除されたことを契機に機器制御サーバ26へ情報を送信してもよい。出力部28bは、通信部27によってこのような情報が受信されたことに基づいて、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを検出することができる。この場合、出力部28bによって出力される第二情報であってセキュリティコントローラ41の取得部43aによって取得される第二情報は、携帯端末33と施設80内に設置された無線通信装置34との無線接続が解除されたことを示す情報であるといえる。
【0081】
また、携帯端末33の現在位置が施設80から所定距離以上離れたか否かの判定は、機器制御サーバ26によって行われてもよい。例えば、携帯端末33は、GNSS信号を用いて算出した携帯端末33の現在位置(座標)を示す情報を機器制御サーバ26へ送信し、機器制御サーバ26の出力部28bは、受信された情報が示す携帯端末33の現在位置が施設80の位置(座標)を中心とした所定の範囲内から所定の範囲外に変化したか否かを判定する。出力部28bは、受信された情報が示す携帯端末33の現在位置が所定の範囲内から所定の範囲外に変化したと判定した場合に第二情報を出力する。この場合、ユーザは、携帯端末33を通じて施設80の位置、及び、上述の所定の範囲をあらかじめ機器制御サーバ26に設定する。
【0082】
[変形例]
上記動作例1では、セキュリティシステム40は、制御システム20から第一情報を取得した。ここで、セキュリティコントローラ41にインターホン子機32が通信接続されるような場合が考えられる。このような場合には、セキュリティコントローラ41の取得部43aは、制御システム20を介さずに、電気錠31から、電気錠31が施設80の外側から施錠操作されたことを示す第一情報を取得することもできる。同様に、セキュリティコントローラ41にインターホン子機32が通信接続されるような場合も考えられる。このような場合には、セキュリティコントローラ41の取得部43aは、制御システム20を介さずに、インターホン子機32から、インターホン子機32の押しボタンが長押し操作されたことを示す第一情報を取得することもできる。このように、第一情報が制御システム20から取得されることは必須ではない。
【0083】
また、上記動作例2では、セキュリティシステム40は、制御システム20から第二情報を取得した。ここで、セキュリティサーバ46が携帯端末33から情報を受信できるような場合も考えられる。このような場合には、セキュリティコントローラ41の取得部43aは、制御システム20を介さずに、携帯端末33から、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得することもできる。このように、第二情報が制御システム20から取得されることは必須ではない。
【0084】
また、上記実施の形態では、制御システム20は、受付通知が受信されてから所定期間の間のみ第一情報または第二情報をセキュリティシステム40へ出力(送信)したが、セキュリティシステム40から制御システム20への受付通知の送信は省略されてもよい。この場合、制御システム20は、セキュリティシステム40に対して警戒モードの設定操作が行われたか否かに関わらず、第一情報または第二情報をセキュリティシステム40へ出力する(送信)する。
【0085】
また、上記実施の形態では、セキュリティシステム40は、防犯システムであると説明されたが、防災システムであってもよい。この場合、セキュリティコントローラ41は、例えば、警戒モードが有効であるときにセンサ45を用いて施設80の火災の発生など検知すると、施設80で異常が発生したとみなしてセキュリティサーバ46にその旨を通知する。そうすると、セキュリティシステム40を運営する事業者のオペレータが訪問者を手配し、訪問者が施設80に駆け付ける。また、オペレータは、必要に応じて消防署などへ通報を行う。この場合のセンサ45は、熱センサ、煙センサ、または、ガス漏れセンサなどである。
【0086】
また、セキュリティシステム40は、見守りシステムであってもよい。この場合、セキュリティコントローラ41は、警戒モードが有効であるときにセンサ45を用いて施設80に居住している高齢者の健康状態などを監視し、異常の発生を検知すると、セキュリティサーバ46にその旨を通知する。そうすると、セキュリティシステム40を運営する事業者のオペレータが訪問者を手配し、訪問者が施設80に駆け付ける。また、オペレータは、当該高齢者の家族(例えば、遠方に離れて暮らす家族)に連絡を行う。この場合のセンサ45は、見守りセンサ、または、バイタルセンサなどである。
【0087】
[効果等]
以上説明したように、セキュリティシステム40は、施設80内に設置されたセンサ45の検知結果に基づいて施設80の外部に報知情報を出力する警戒モードの動作を行うシステムである。セキュリティシステム40は、警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に警戒モードを有効にする制御部43bと、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得部43aとを備える。制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第一情報または第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0088】
このようなセキュリティシステム40は、警戒モードが有効になるタイミングを適応的に変更することができる。セキュリティシステム40は、具体的には、ユーザが施設80から外出したと推定されるタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0089】
また、例えば、上記機器は、インターホン子機32であり、取得部43aは、電気錠31が操作されたことを示す第一情報を取得する。制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第一情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0090】
このようなセキュリティシステム40は、インターホン子機32が操作されたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0091】
また、例えば、取得部43aは、インターホン子機32が有するボタンが長押し操作されたことを示す第一情報を取得する。
【0092】
このようなセキュリティシステム40は、インターホン子機32が長押し操作(特殊操作)されたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0093】
また、例えば、上記機器は、電気錠31であり、取得部43aは、電気錠31が操作されたことを示す第一情報を取得する。制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第一情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0094】
このようなセキュリティシステム40は、電気錠31が操作されたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0095】
また、例えば、取得部43aは、電気錠31を施錠するための操作が行われたことを示す第一情報を取得する。
【0096】
このようなセキュリティシステム40は、電気錠31が施錠操作されたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0097】
また、例えば、取得部43aは、GNSS信号に基づいて携帯端末33が算出した携帯端末33の現在位置に基づく第二情報を取得し、制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0098】
このようなセキュリティシステム40は、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0099】
また、例えば、取得部43aは、携帯端末33と施設80内に設置された無線通信装置34との無線接続が解除されたことを示す第二情報を取得し、制御部43bは、所定期間内に取得部43aによって第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0100】
このようなセキュリティシステム40は、携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたタイミングで警戒モードを有効にすることができる。
【0101】
また、例えば、取得部43aは、セキュリティシステム40を提供する事業者と異なる事業者によって提供される制御システム20から第一情報または第二情報を取得する。
【0102】
このようなセキュリティシステム40は、他のシステムから取得した情報に基づいて警戒モードを有効にすることができる。
【0103】
また、制御システム20は、施設80内に設置されたセンサの検知結果に基づいて施設80の外部に報知情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステム40から、警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を取得する取得部(取得部23aまたは取得部28a)と、受付通知が取得された後の所定期間内に施設80の出入口に設置された機器が操作されたことに応じてセキュリティシステム40へ第一情報を出力する処理、及び、受付通知が取得された後の所定期間内に施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことに応じてセキュリティシステム40へ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力部(出力部23bまたは出力部28b)とを備える。
【0104】
このような制御システム20は、セキュリティシステム40が警戒モードを有効にするタイミングを適応的に変更することを支援することができる。
【0105】
また、セキュリティシステム40などのコンピュータによって実行されるセキュリティ方法は、施設80内に設置されたセンサ45の検知結果に基づいて施設80の外部に報知情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステムが実行するセキュリティ方法であって、警戒モードの設定指示が受け付けられてから所定期間の経過後に警戒モードを有効にする制御ステップと、施設80の出入口に設置された機器が操作されたことを示す第一情報、または、施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設33から所定距離以上離れたことを示す第二情報を取得する取得ステップとを含む。制御ステップにおいては、所定期間内に第一情報または第二情報が取得された場合に、所定期間内に警戒モードを有効にする。
【0106】
このようなセキュリティ方法は、警戒モードが有効になるタイミングを適応的に変更することができる。
【0107】
また、制御システム20などのコンピュータによって実行される制御方法は、施設80内に設置されたセンサ45の検知結果に基づいて施設80の外部に報知情報を出力する警戒モードの動作を行うセキュリティシステム40から、警戒モードの設定指示が受け付けられたことを示す受付通知を取得する取得ステップと、受付通知が取得された後の所定期間内に施設80の出入口に設置された機器が操作されたことに応じてセキュリティシステム40へ第一情報を出力する処理、及び、受付通知が取得された後の所定期間内に施設80のユーザが所持する携帯端末33が施設80から所定距離以上離れたことに応じてセキュリティシステム40へ第二情報を出力する処理の少なくとも一方を行う出力ステップとを含む。
【0108】
このような制御方法は、セキュリティシステム40が警戒モードを有効にするタイミングを適応的に変更することを支援することができる。
【0109】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
例えば、上記実施の形態では、セキュリティシステムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。制御システムなどの他のシステムについても同様である。セキュリティシステムなどのシステムが複数の装置によって実現される場合、当該システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0111】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。また、上記実施の形態で説明された情報の伝達経路は、シーケンス図に示される伝達経路に限定されない。
【0112】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態の動作例1及び動作例2は任意に組み合わされてよい。
【0113】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0114】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0115】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0116】
例えば、本発明は、セキュリティシステムなどのコンピュータが実行するセキュリティ方法として実現されてもよいし、このようなセキュリティ方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このようなセキュリティ方法または制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0117】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
20 制御システム
23a、28a、43a 取得部
23b、28b 出力部
31 電気錠(機器)
32 インターホン子機(機器)
33 携帯端末
34 無線通信装置
40 セキュリティシステム
43b 制御部
45 センサ