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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022740
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】表示制御装置、及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20230208BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230208BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20230208BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20230208BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20230208BHJP
   B60R 1/26 20220101ALI20230208BHJP
   B60R 1/29 20220101ALI20230208BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20230208BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H04N7/18 J
G09G5/00 550C
G09G5/00 530M
G09G5/36 520L
G09G5/00 510A
G09G5/02 B
G09G5/36 520B
G09G5/36 520G
G09G5/36 520P
B60R1/26
B60R1/29
B60R1/20 100
G06T1/00 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127771
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岩本 太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 学
(72)【発明者】
【氏名】坂本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】松田 脩平
(72)【発明者】
【氏名】村本 政忠
【テーマコード(参考)】
5B057
5C054
5C182
【Fターム(参考)】
5B057AA16
5B057BA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CC01
5B057CD05
5B057CE04
5B057CE08
5B057CE17
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC11
5C054FE18
5C054HA30
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB25
5C182AC03
5C182BA14
5C182BA55
5C182BA56
5C182BC01
5C182BC26
5C182CA21
5C182CB04
5C182CB14
5C182CB32
5C182CB44
5C182CB45
5C182CB47
5C182CB52
5C182CB55
5C182CC04
5C182DA02
5C182DA44
5C182DA65
(57)【要約】
【課題】車外の画像と車内の画像とを表示装置に表示させる表示制御装置において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようにする。
【解決手段】表示制御装置は、車外を撮像した第1の撮像画像を生成する第1の撮像部と、車内を撮像した第2の撮像画像を生成する第2の撮像部と、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを表示部に表示する表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを同時に表示する際に、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とのうち、少なくとも一方の撮像画像の一部、又は全部の表示態様を補正して前記表示部に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外を撮像した第1の撮像画像を生成する第1の撮像部と、
車内を撮像した第2の撮像画像を生成する第2の撮像部と、
前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを表示部に表示する表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを同時に表示する際に、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とのうち、少なくとも一方の撮像画像の一部、又は全部の表示態様を補正して前記表示部に表示する、表示制御装置。
【請求項2】
前記第1の撮像部は、車両の後方を撮像した前記第1の撮像画像を生成し、
前記第2の撮像部は、後部座席の乗員を撮像した前記第2の撮像画像を生成し、
前記表示制御部は、前記第1の撮像画像と、前記乗員の背景の配色を変更した前記第2の撮像画像とを前記表示部に表示する、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記表示部に表示した前記第1の撮像画像の範囲内に前記第2の撮像画像を表示し、
第2の撮像画像の前記乗員の背景を前記第1の撮像画像を視認できるように透過させる、
請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記乗員の状態を検知する状態検知部を有し、
前記表示制御部は、前記乗員の状態に応じて、前記乗員の背景の配色を変更する、
請求項2又は3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記状態検知部は、前記後部座席の複数の乗員の状態を検知し、
前記表示制御部は、前記複数の乗員の状態に応じて、前記複数の乗員ごとに背景の配色を変更する、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2の撮像画像に前記乗員が写っていない場合、前記第2の撮像画像の表示を中止する、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示態様の補正は、配色の変更処理、ぼかし処理、及び透過処理のうち、1つ以上の処理を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
車両の運転者の視線を検知する視線検知部を有し、
前記表示制御部は、前記運転者の視線に応じて、前記第2の撮像画像の表示方法を変更する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記運転者が前記第1の撮像画像を注視している場合、前記第2の撮像画像の表示領域を縮小、又は透過させる、請求項8に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記運転者が前記第1の撮像画像を注視していない場合、前記第2の撮像画像を既定の表示方法で前記表示部に表示する、請求項8又は9に記載の表示制御装置。
【請求項11】
車両に搭載される表示制御装置が、
車外を撮像し第1の撮像画像を生成する第1の撮像処理と、
車内を撮像し第2の撮像画像を生成する第2の撮像処理と、
前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを表示部に表示する表示制御処理と、
を実行し、
前記表示制御処理は、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを同時に表示する際に、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とのうち、少なくとも一方の撮像画像の一部、又は全部の表示態様を補正して前記表示部に表示する、表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載したカメラで車両の後方の画像を撮像し、撮像した後方の画像を表示装置等に表示することにより、当該表示装置等を電子ミラーとして機能させる表示制御技術が知られている。
【0003】
また、車両に搭載したカメラで後部座席の乗員の画像を撮像し、車両の後方の画像と共に、撮像した乗員の画像を表示装置等に表示する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-199153号公報
【特許文献2】特開2020-095406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術では、表示装置等に表示した車両の後方の画像の中に、後部座席の画像を表示している。この場合、後部座席の画像にも車両の後方の画像が含まれることから、風景の中に風景があるという状況となり、運転者等のユーザが、車両の後方の画像と、後部座席の画像とを識別し難いという問題がある。
【0006】
特許文献2に開示された技術では、車両の後方の画像に、後部座席の画像から背景画像を除いた被写体画像を合成した合成画像を、表示装置等に表示している。この場合、後部座席の画像から、車両の後方の風景等を除外することができるが、合成画像に写っている人物が、車両の内部にいるのか、車両の外部にいるのかを識別し難いという問題がある。
【0007】
このように、従来の技術では、車外の画像と車内の画像とを表示装置に表示させる画像表示装置において、車外の画像と車内の画像とを、運転者等のユーザが識別することには困難を伴っていた。
【0008】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、車外の画像と車内の画像とを表示装置に表示させる表示制御装置において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る表示制御装置は、車外を撮像した第1の撮像画像を生成する第1の撮像部と、車内を撮像した第2の撮像画像を生成する第2の撮像部と、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを表示部に表示する表示制御部と、を有し、前記表示制御部は、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とを同時に表示する際に、前記第1の撮像画像と前記第2の撮像画像とのうち、少なくとも一方の撮像画像の一部、又は全部の表示態様を補正して前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、車外の画像と車内の画像とを表示装置に表示させる表示制御装置において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。
図2】従来のルームミラーのイメージを示す図である。
図3】後方の画像と乗員の画像を表示する表示画像の一例のイメージを示す図である。
図4】一実施形態に係る表示装置が表示する表示画像のイメージを示す図である。
図5】一実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態に係る表示画像の例を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態に係る表示制御装置の処理の別の一例を示すフローチャートである。
図10】第2の実施形態に係る第2の撮像画像の表示領域の例を示す図である。
図11】第3の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。
図12】第3の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
図13】第3の実施形態に係る表示画像の一例について説明するための図である。
図14】第4の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。
図15】第4の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。
図16】第4の実施形態に係る第2の撮像画像について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0013】
<表示制御システムの構成例>
図1は、一実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。表示制御システム1は、例えば、自動車等の車両10において、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像と、車両10内の乗員を撮像した第2の撮像画像とを表示装置13に表示することにより、表示装置13を電子ミラーとして機能させるシステムである。図1の例では、表示制御システム1は、車両10に搭載される表示制御装置100、車外カメラ11、車内カメラ12、及び表示装置13等を含む。
【0014】
表示制御装置100は、例えば、車両10に搭載されるECU(Electric Control Unit)等のコンピュータの構成を有する電子制御装置である。表示制御装置100は、表示制御装置100が備えるコンピュータで所定のプログラムを実行することにより、例えば、第1の撮像部120、第2の撮像部130、及び表示制御部110等の機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0015】
第1の撮像部120は、例えば、車両10の外部を撮像する車外カメラ11を制御して、車外を撮像した第1の撮像画像を生成する第1の撮像処理を実行する。好ましくは、第1の撮像部120は、車外カメラ11を用いて車両10の後方を撮像し、撮像した画像を左右反転した第1の撮像画像を生成する。なお、撮像した画像を左右反転する処理は、表示制御部110が実行しても良い。
【0016】
第2の撮像部130は、例えば、車両10の内部を撮像する車内カメラ12を制御して、車内を撮像した第2の撮像画像を生成する第2の撮像処理を実行する。好ましくは、第2の撮像部130は、車内カメラ12を用いて車両10の後部座席の乗員を撮像し、撮像した画像を左右反転した第2の撮像画像を生成する。なお、撮像した画像を左右反転する処理は、表示制御部110が実行しても良い。
【0017】
表示制御部110は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とを同時に表示する表示画像を生成し、生成した表示画像を表示装置13に表示させることにより、表示装置13を電子ミラー(ルームミラー)として機能させる表示制御処理を実行する。
【0018】
表示装置(表示部)13は、一例として、従来のルームミラー(室内後写鏡)と同様の位置に設けられ、表示制御部110からの制御に従って表示画像を表示する。表示装置13は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備えている。
【0019】
図2は、従来のルームミラーのイメージを示す図である。従来のルームミラー(室内後写鏡)201は、例えば、車両10のフロントウィンドウ202の内側の中央上部等に設けられ、車両を運転する運転者が、車両の後方203、又は車両の後部座席の乗員204等の状態を確認するために用いられる。
【0020】
図3は、後方の画像と乗員の画像とを表示す表示画像の一例のイメージを示す図である。表示装置13は、例えば、車両10のフロントウィンドウ202の内側の中央上部等に設けられ、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像と、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像とを表示する。
【0021】
図3の例では、特許文献2に開示された技術と同様に、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像301と、後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像から背景画像を除いた乗員の画像302とを合成した表示画像303が、表示装置13に表示されている。この場合、車両10を運転する運転者等は、表示画像303に写っている人物が、車両10内の人物なのか、車両10外の人物なのかを識別し難いという問題がある。
【0022】
また、特許文献1に開示された技術のように、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像301の中に、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像をPinP(Picture in Picture)表示することも可能である。ただし、この場合、後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像にも車両10の後方の画像が含まれることから、風景の中に風景があるという状況となり、運転者が、車両10の後方の画像と、後部座席の画像とを識別し難いという問題がある。
【0023】
そこで、本実施形態に係る表示制御部110は、図1に示すように、表示態様補正部111、及び表示画像生成部112等を有している。
【0024】
表示態様補正部111は、表示制御部110が、表示装置13に、第1の撮像画像と第2の撮像画像とを同時に表示する際に、第1の撮像画像と第2の撮像画像のうち、少なくとも一方の撮像画像の一部、又は全部の表示態様を補正する表示態様補正処理を実行する。例えば、表示態様補正部111は、第1の撮像画像と第2の撮像画像とを同時に表示する際に、第2の撮像画像に撮像された乗員の背景の配色を変更する配色の変更処理を実行する。また、表示態様補正部111は、配色を変更した領域を透過させる透過処理を実行する。例えば、表示態様補正部111は、第2の撮像画像に撮像された乗員の背景の配色を変更した場合、配色が変更された乗員の背景を第1の撮像画像を視認できるように透過させる。なお、表示態様補正処理には、配色の変更処理、及び透過処理に加えて、例えば、ぼかし処理、モザイク処理等の様々な処理が含まれ得る。
【0025】
表示画像生成部112は、例えば、第1の撮影画像と、表示態様補正部111が配色変更処理、及び透過処理等を実行した第2の撮像画像とを合成して、表示画像を生成する表示画像生成処理を実行する。また、表示画像生成部112は、生成した表示画像を表示装置13出力することにより、表示画像を表示装置13に表示する。
【0026】
図4は、一実施形態に係る表示装置が表示する表示画像のイメージを示す図である。この図は、本実施形態に係る表示制御装置100が、表示装置13に、第1の撮像画像402と第2の撮像画像403とを同時に表示する際の表示画像401の一例のイメージを示している。図4の例では、表示制御部110は、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像402の中に、車両10の後部座席を撮像した第2の撮像画像403をPinP表示させた表示画像401を、表示装置13に表示している。
【0027】
また、図4の例では、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像403の乗員404の背景405の配色を変更している。例えば、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像403の乗員404の背景405を、所定の色で塗り潰しても良い。これにより、車両10の運転者は、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像402と、車両10の後部座席を撮像した第2の撮像画像403とを、容易に識別できるようになる。
【0028】
好ましくは、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像403の乗員404の背景405に透過処理を実行する。例えば、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて所定の色に塗り潰した背景405を、公知の画像処理技術を用いて、第1の撮像画像402を視認できるように透過させる。これにより、表示制御部110は、図4に示すような表示画像401において、第1の撮像画像402のうち、第2の撮像画像403により視認できなくなるエリアを減らすことができる。
【0029】
以上、本実施形態によれば、車外の画像と車内の画像とを表示装置13に表示させる表示制御装置100において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようになる。
【0030】
<ハードウェア構成>
図5は、一実施形態に係る表示制御装置のハードウェア構成の例を示す図である。表示制御装置100は、コンピュータの構成を備えており、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、メモリ502、ストレージデバイス503、GPU(Graphics Processing Unit)504、通信装置505、I/F(Interface)506、及びバス507等を有する。
【0031】
CPU501は、例えば、ストレージデバイス503等の記憶媒体に格納された所定のプログラムを実行することにより、図1に示すような表示制御装置100の各機能構成を実現するプロセッサである。メモリ502は、例えば、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及びCPU501の起動用のプログラム等を記憶した不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等を含む。ストレージデバイス503は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性、かつ大容量の記憶デバイスである。
【0032】
GPU504は、主に画像処理に関連する様々な処理を、CPU501より高速に実行する画像処理用のプロセッサである。通信装置505は、表示制御装置100を通信ネットワークに接続するための1つ以上の通信インタフェースを含む。例えば、通信装置505は、表示制御装置100を車両10の車載ネットワークに接続するための通信インタフェースを含む。また、通信装置505は、表示制御装置100を、例えば、インターネット等のWAN(Wide Area Network)に接続するための無線通信デバイス等を含み得る。
【0033】
I/F506は、表示制御装置100に、例えば、車外カメラ11、車内カメラ12、及び後述する視線検知装置1101等の外部装置を接続するためのインタフェースである。バス507は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0034】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る表示制御方法の処理の流れについて説明する。
【0035】
[第1の実施形態]
図6は、第1の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。表示制御装置100は、例えば、車両10のイグニッションスイッチがオンの間、図6に示した処理を繰り返し実行する。
【0036】
ステップS601において、第1の撮像部120は、車外カメラ11を制御して、例えば、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像を生成する。好ましくは、第1の撮像部120は、車外カメラ11で撮像した画像を左右反転して、表示装置13に表示する第1の撮像画像を生成する。
【0037】
ステップS602において、第2の撮像部130は、ステップS601の処理と並行して、車内カメラ12を制御して、例えば、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像を生成する。好ましくは、第2の撮像部130は、車内カメラ12で撮像した画像を左右反転して、表示装置13に表示する第2の撮像画像を生成する。
【0038】
ステップS603において、表示制御部110は、第2の撮像部130が生成した第2の撮像画像に、乗員が写っているか否かを判断する。第2の撮像画像に乗員が写っている場合、表示制御部110は、処理をステップS604に移行させる。一方、第2の撮像画像に乗員が写っていない場合、表示制御部110は、処理をステップS606に移行させる。
【0039】
ステップS604に移行すると、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像の乗員の背景の配色を変更する。一例として、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像の乗員の背景を、所定の色で塗り潰す(例えば、ブルーバック等)。
【0040】
ステップS605において、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第1の撮像画像と、乗員の配色を変更した第2の撮像画像とを同時に表示する表示画像を生成する。
【0041】
一方ステップS603からステップS606に移行すると、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第1の撮像画像を表示する表示画像を生成する。これにより、表示制御部110は、表示装置13への第2の撮像画像の表示を中止する。
【0042】
ステップS607において、表示制御部110は、表示画像生成部112が生成した表示画像を表示装置13に出力する。これにより、表示装置13は、例えば、図7に示すような表示画像701を表示する。
【0043】
図7は、第1の実施形態に係る表示画像の一例を示す図である。この図は、車両10の後部座席に乗員がいる場合に、表示装置13が表示する表示画像701の一例のイメージを示している。
【0044】
図7の例では、表示制御装置100は、表示装置13に、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像702内に、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像703をPinP表示した表示画像701を表示している。また、第2の撮像画像703において、乗員704の背景705は、所定の色で塗り潰されている。従って、車両10の運転者は、車両10の後部座席に座っている乗員704と、車両10の後方にいる車外の人物706とを容易に識別できるようになる。
【0045】
なお、図7に示す表示画像701は一例である。例えば、表示制御装置100は、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像702と、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像703とを、例えば、横に並べて表示した表示画像を表示装置13に表示しても良い。
【0046】
以上、第1の実施形態によれば、車外の画像と車内の画像とを表示装置13に表示させる表示制御装置100において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようになる。
【0047】
なお、図6のステップS604において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像の乗員の背景の配色を変更する処理に代えて、背景をぼかす処理を実行しても良い。この場合でも、車両10の運転者は、車両10の後部座席に座っている乗員704と、車両10の後方にいる車外の人物706とを容易に識別できるようになる。
【0048】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、表示制御装置100が、図7に示すような表示画像701において、第2の撮像画像703の乗員704の背景705を透過処理する場合の例について説明する。
【0049】
図8は、第2の実施形態に係る表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。なお、図8に示す処理のうち、ステップS601~S604、S606、S607の処理は、第1の実施形態のステップS601~S604、S606、S607の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0050】
ステップS801において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像の乗員の背景を、第1の撮像画像を撮像できるように透過させる透過処理を実行する。
【0051】
ステップS802において、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第1の撮像画像内に第2の撮像画像を表示する表示画像を生成する。
【0052】
上記の処理により、表示制御装置100は、例えば、図4に示すような表示画像401を、表示装置13に表示することができる。
【0053】
図4の例では、表示制御装置100は、表示装置13に、車両10の後方を撮像した第1の撮像画像402の範囲内に、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像403をPinP表示した表示画像401を表示している。また、第2の撮像画像703において、乗員704の背景705は、所定の色で塗り潰され、かつ第1の撮像画像402が視認できるように透過処理されている。
【0054】
第1の実施形態では、車両10の運転者は、図7に示すように、第1の撮像画像702のうち、第2の撮像画像703が表示されているエリアを視認することができない。一方、第2の実施形態では、車両10の運転者は、図4に示すように、第2の撮像画像403が表示されているエリアのうち、乗員404の背景405において、第1の撮像画像402を視認することができる。
【0055】
なお、図8に示した処理は一例であり、表示制御装置100は、例えば、図9に示すような別の処理手順で、図4に示すような表示画像401を表示装置13に表示しても良い。
【0056】
図9は第2の実施形態に係る表示制御装置の処理の別の一例を示すフローチャートである。なお、図9に示す処理のうち、ステップS601~S603、S606、S607の処理は、第1の実施形態のステップS601~S603、S606、S607の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0057】
ステップS901において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、例えば、図10に示すように、第1の撮像画像1001のうち、第2の撮像画像を表示する表示領域1002の配色(色合い)を変更する。
【0058】
ステップS902において、表示制御部110は、例えば、表示画像生成部112を用いて、第2の撮像画像から、背景画像を除いた乗員の画像を抽出する。
【0059】
ステップS903において、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、図10に示すような第1の撮像画像1001内の第2の撮像画像の表示領域1002に、ステップS902で抽出した乗員の画像を表示する表示画像を生成する。
【0060】
図9の処理により、表示制御部110は、図4に示す表示画像401と同様の表示画像を表示装置13に表示することができる。
【0061】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、表示制御装置100が、車両10を運転する運転者の視線を検知し、運転者の視線に応じて第2の撮像画像の表示方法を変更する場合の処理の例について説明する。
【0062】
図11は、第3の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。図11に示すように、第3の実施形態に係る表示制御システム1は、図1で説明した一実施形態に係る表示制御システム1の構成に加えて、視線検知装置1101、及び視線検知部1102を有している。
【0063】
視線検知装置1101は、所定のユーザの視線を検知する装置である。例えば、視線検知装置1101は、公知の画像解析技術により、ユーザの顔画像から瞳を抽出し、その動き、方向等から、ユーザの視線、又は視点等を検知する。
【0064】
視線検知部1102は、例えば、CPU501が実行するプログラムによって実現され、視線検知装置1101を用いて、車両10を運転する運転者が、表示装置13に表示した第1の撮像画像を注視していることを検知する。例えば、視線検知部1102は、運転者の視線が、所定の時間を超えて第1の撮像画像上に留まっている場合、運転者が第1の撮像画像を注視していると判断する。
【0065】
また、第3の実施形態に係る表示制御部110は、車両10を運転する運転者が、表示装置13に表示した第1の撮像画像を注視している場合、第2の撮像画像の表示領域を縮小、又は透過させる。なお、上記以外の表示制御システム1の機能構成は、図1で説明した一実施形態に係る表示制御システム1の機能構成と同様で良い。
【0066】
<処理の流れ>
図12は、第3の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。なお、図12に示す処理のうち、ステップS601~S603、S606、S607の処理は、図6で説明した第1の実施形態の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。また、ここでは、第1、2の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0067】
ステップS1201において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、第2の撮像画像の乗員の背景の配色を変更し、配色を変更した乗員の背景を透過処理する。なお、この処理は、図8のステップS604、S801の処理に対応している。
【0068】
ステップS1202、S1203において、視線検知部1102は、視線検知装置1101を用いて、車両10を運転する運転者の視線を検知し、運転者が表示装置13に表示している第1の撮像画像を注視しているか否かを判断する。例えば、視線検知部1102は、図13(A)に示すように、運転者の視線(視点)1302が、第1の撮像画像1301上に、所定の時間を超えて留まっている場合、運転者が第1の撮像画像を注視していると判断する。
【0069】
具体的な一例として、視線検知部1102は、視線検知装置1101による運転者の視線1302の検知結果を、メモリ502等に時系列で記憶しておく。また、視線検知部1102は、ステップS1202で検知した運転者の視線1302と、メモリ502等に時系列で記憶した運転者の視線1302とから、運転者が第1の撮像画像を注視していることを検知する。
【0070】
運転者が第1の撮像画像を注視している場合、表示制御部110は、処理をステップS1204に移行させる。一方、運転者が第1の撮像画像を注視していない場合、表示制御部110は、処理をステップS1205に移行させる。
【0071】
ステップS1204に移行すると、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第2の表示領域を縮小、又は透過させる。例えば、表示制御部110は、図13(B)に示すように、第1の撮像画像1301内に表示する第2の撮像画像の表示領域1303を縮小する。或いは、表示制御部110は、図10に示すように、第1の撮像画像1001内に表示する第2の撮像画像の表示領域1002を維持したまま、第2の撮像画像の表示領域1002を、第1の撮像画像を視認できるように透過させても良い。
【0072】
一方、ステップS1205に移行すると、表示制御部110は、第2の撮像画像を、縮小、又は透過を行わない既定の表示方法とする。
【0073】
ステップS1206において、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第1の撮像画像1301と、第2の撮像画像の表示領域1303とを表示する表示画像を生成する。なお、図13(B)に示すように、第2の撮像画像の表示領域1303を縮小する場合、第2の撮像画像の表示領域1303には、乗員の背景の配色を変更し、かつ透過処理した第2の撮像画像を表示する。一方、図10に示すように、第2の撮像画像の表示領域1002を透過させる場合、第2の撮像画像の表示領域1303には、第2の撮像画像を表示しなくても良い(或いは、第2の撮像画像の透過度を、さらに上げて表示しても良い)。
【0074】
上記の処理により、表示制御装置100は、第1の撮像画像の表示領域のうち、第2の撮像画像の表示領域により、第1の撮像画像が視認できなくなるエリアを、より削減することができる。
【0075】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、表示制御装置100が、車両10の乗員の状態を検知する状態検知部を有し、乗員の状態に応じて、表示装置13に表示する第2の撮像画像の乗員の背景の表示態様を補正する場合の例について説明する。
【0076】
図14は、第4の実施形態に係る表示制御システムの構成例を示す図である。図14に示すように、第4の実施形態に係る表示制御システム1は、図1で説明した一実施形態に係る表示制御システム1の構成に加えて、状態検知部1401を有している。
【0077】
状態検知部1401は、例えば、CPU501が実行するプログラムによって実現され、車両10の乗員の状態を検知する。一例として、状態検知部1401は、第2の撮像部130が生成した、車両10の後部座席の乗員を撮像した第2の撮像画像を解析して、後部座席の乗員の状態(例えば、良好、車酔い、発熱、睡眠等)を検知する。別の一例として、状態検知部1401は、車両10の座席に設けられた温度センサ、脈拍センサ、動きセンサ等の様々なセンサを用いて、乗員の状態を検知しても良い。別の一例として、状態検知部1401は、第2の撮像部130が生成した第2の撮像画像を、機械学習で学習済の状態推定モデルに入力することにより、乗員の状態を推定しても良い。
【0078】
また、第3の実施形態に係る表示態様補正部111は、状態検知部1401が検知した乗員の状態に応じて、第2の撮像画像における乗員の背景の表示態様を補正する。好ましくは、状態検知部1401は、後部座席の複数の乗員の状態を検知し、表示態様補正部111は、複数の乗員の状態に応じて、乗員ごとに背景の表示態様を補正する。なお、上記以外の表示制御システム1の機能構成は、図1で説明した一実施形態に係る表示制御システム1の機能構成と同様で良い。
【0079】
<処理の流れ>
図15は、第4の実施形態に係る表示制御装置の処理の例を示すフローチャートである。なお、図15に示す処理のうち、ステップS601~S603、S606、S607の処理は、図6で説明した第1の実施形態の処理と同様なので、ここでは説明を省略する。また、ここでは、第1~3の実施形態と同様の処理内容に対する詳細な説明は省略する。
【0080】
ステップS1501において、状態検知部1401は、車両10の乗員の状態を検知する。例えば、状態検知部1401は、第2の撮像部130が生成した第2の撮像画像を解析して、車両10の後部座席に座っている複数の乗員の状態を検知する。
【0081】
ステップS1502において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、状態検知部1401が検知した乗員の状態に応じて、例えば、図16に示すように、第2の撮像画像1600の複数の乗員1601~1603の背景の色合いを変更する。図16の例では、表示態様補正部111は、状態が「良好」である乗員1601の背景の配色を「緑色」としている。同様に、表示態様補正部111は、状態が「発熱」である乗員1602の背景の配色を「黄色」とし、状態が「車酔い」である乗員1603の背景を「オレンジ色」としている。なお、乗員の状態を表す「色」、又は検知対象とする乗員の「状態」等は、ユーザ(運転者等)が、設定画面等から設定できるものであっても良い。
【0082】
ステップS1503において、表示制御部110は、表示態様補正部111を用いて、各乗員の背景の色合いを変更した第2の撮像画像1600において、乗員の背景を透過処理する。
【0083】
ステップS1504において、表示制御部110は、表示画像生成部112を用いて、第1の撮像画像と、第2の撮像画像とを同時に表示する表示画像を生成する。
【0084】
図15の処理により、表示制御部110は、例えば、図16に示すような表示画像1604を表示装置13に表示することができる。これにより、ユーザ(運転者等)は表示装置13に表示される第2の撮像画像1600を見ることにより、後部座席の乗員の状態を容易に把握できるようになる。
【0085】
以上、本発明の各実施形態によれば、車外の画像と車内の画像とを表示装置13に表示させる表示制御装置100において、車外の画像と車内の画像とを運転者等のユーザが容易に識別できるようになる。
【0086】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、又は応用が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 表示制御システム
13 表示装置(表示部)
110 表示制御部
120 第1の撮像部
402、702 第1の撮像画像
403、703 第2の撮像画像
1102 視線検知部
1401 状態検知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16