IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社蔭山プレスの特許一覧

特開2023-22786レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法
<>
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図1
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図2
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図3
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図4
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図5
  • 特開-レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022786
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法
(51)【国際特許分類】
   B27M 1/00 20060101AFI20230208BHJP
   B27D 5/00 20060101ALI20230208BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20230208BHJP
【FI】
B27M1/00 Z
B27D5/00
B23K26/38 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127859
(22)【出願日】2021-08-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】520238130
【氏名又は名称】株式会社蔭山プレス
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 勝
【テーマコード(参考)】
2B002
2B250
4E168
【Fターム(参考)】
2B002AA02
2B002AA04
2B002AA08
2B002BA13
2B002BA20
2B002DA04
2B250AA06
2B250AA13
2B250AA40
2B250BA03
2B250CA11
2B250DA03
2B250EA02
2B250FA11
2B250GA03
2B250HA01
4E168AD07
4E168CB03
4E168CB07
4E168FB01
4E168JA01
4E168JA18
(57)【要約】
【課題】レーザー加工機を用いて木材の表面に所定の模様の装飾を施す木材の装飾加工方法において、レーザーの焦げ目による装飾性が低下しない木材の装飾加工方法を提供することである。
【解決手段】木材の表面にレーザー加工機3を用いて所定の模様10を施す木材の装飾加工方法であって、所定の模様10を施す範囲の裏側に凹部20を形成するす凹加工ステップS101と、レーザー加工機3を用いて木材1の表面に所定の模様10を施すレーザー加工ステップS102と、凹部20に化粧板2をはめ込む化粧板はめ込みステップS103を有している。化粧板はめ込みステップS103は、レーザー加工ステップS102の後に行われるステップである。レーザー加工ステップS102において、模様10は切り抜き加工で形成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材の表面にレーザー加工機を用いて所定の模様を施す木材の装飾加工方法であって、
前記所定の模様を施す範囲の裏側に凹部を形成するす凹加工ステップと、
前記レーザー加工機を用いて木材の表面に前記所定の模様を施すレーザー加工ステップと、
前記凹部に化粧板をはめ込む化粧板はめ込みステップを有し、
前記化粧板はめ込みステップは、前記レーザー加工ステップの後に行われるステップであり、該レーザー加工ステップにおいて、前記模様は切り抜き加工で形成される、木材の装飾加工方法。
【請求項2】
前記化粧板は、木板材の表面に色彩が施された紙が貼付されている、請求項1に記載の木材の装飾加工方法。
【請求項3】
前記化粧板は、中密度繊維板で構成される、請求項1に記載の木材の装飾加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザー加工機を用いて木材の表面に所定の模様の装飾を施す木材の装飾方法がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60-127102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示すレーザー加工機を用いて木材の表面に所定の模様の装飾を施す木材の装飾加工方法では、レーザーの集光面等に焦げ目ができ、装飾性が失われてしまう場合があるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、レーザー加工機を用いて木材の表面に所定の模様の装飾を施す木材の装飾加工方法において、レーザーの焦げ目による装飾性が低下しない木材の装飾加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、
木材の表面にレーザー加工機(3)を用いて所定の模様を施す木材の装飾加工方法であって、
前記所定の模様(10)を施す範囲の裏側に凹部を形成するす凹加工ステップ(S101)と、
前記レーザー加工機を用いて木材の表面に前記所定の模様(10)を施すレーザー加工ステップ(S102)と、
前記凹部に化粧板(2)をはめ込む化粧板はめ込みステップ(S103)を有し、
前記化粧板はめ込みステップ(S103)は、前記レーザー加工ステップ(S102)の後に行われるステップであり、該レーザー加工ステップ(S102)において、前記模様(10)は切り抜き加工で形成される、木材の装飾加工方法、
によって達成される。
【0007】
上記目的は、
前記化粧板(2)は、木板材の表面に色彩が施された紙が貼付されている、上記の木材の装飾加工方法、
によっても達成される。
【0008】
上記目的は、
前記化粧板(2)は、中密度繊維板で構成される、上記の木材の装飾加工方法、

によっても達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レーザー加工機を用いて木材の表面に所定の模様の装飾を施す木材の装飾加工方法において、レーザーの焦げ目による装飾性が低下しない木材の装飾加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する図である。
図2】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法の工程フローチャートである。
図3】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する図である。
図4】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する図である。
図5】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する図である。
図6】本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図6を用いて、本発明の実施形態による木材の装飾加工方法を説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。
【0012】
図1は、本発明の実施形態による木材の装飾加工方法において、レーザー加工機3を用いて木材1の表面に模様10の装飾加工を施している状態のイメージ図である。
【0013】
レーザー加工機3は、木材の表面に装飾加工を施すためのレーザー加工機であり、レーザー発振器とレーザー発振器のレーザー光の光路とレーザー光を集光する集光レンズと集光した光を射出するノズルとレーザー光と同時に射出するアシストガスとテーブルとノズルをXYZ軸方向に移動する駆動部を有する構成である。なお、本実施形態に用いるレーザー加工機3は、テーブルが移動する構成であってもよいし、ノズルとテーブルの両方が移動する構成であってもよい。
【0014】
図2は、本発明の実施形態による木材の装飾加工方法の工程フローチャートである。なお、図2に示す工程フローチャートは、本発明の実施形態による木材の装飾加工方法の工程フローチャートの一例であり、各ステップの順番は図2に示す工程フローチャートに限定されるものではない。
【0015】
本発明の実施形態による木材の装飾加工方法は、ステップS101~S104の各ステップを実行する木材の装飾加工方法である。ステップS101では、木材1の表面に模様10の装飾加工を施す範囲の裏面側に凹部を形成するす凹加工ステップを実行する。凹部を形成する凹加工ステップは、ルータを用いて実行される。また、凹部は、図3の左図に示すように、底面が平らな長方形状であり当該長方形上の4角に丸形状を有する形状であるが、本発明の実施形態による木材の装飾加工方法において、凹部の形状はこれに限定されるものではない。また、凹部の深さは、木材の厚みを1とした場合に、0.5~0.8が好ましいが、0.8より深い場合があってもよいし、0.5より浅い場合があってもよい。
【0016】
ステップS102のレーザー加工ステップでは、図1に示すように、レーザー加工機3を用いて木材表面に模様の装飾加工を施す。レーザー加工ステップは、レーザー加工機3を用いて装飾模様の切り抜き加工を施す。また、本例では、凹部を形成したエリアに複数の桜の花びらの模様の装飾加工を施しているが、一の凹部に装飾模様が一つのみある場合があってもよいし、本例の様に一の凹部に装飾模様が複数ある場合があってもよい。
【0017】
ステップS103の化粧板作成ステップでは、凹部にはめ込むための化粧板を作成するステップである。化粧板の表面(模様として視認される面)には色彩が施された紙が貼付される構成であるが、化粧板の表面に色彩の塗装や天然藍による藍染がされる構成であってもよい。なお、化粧板は中密度繊維板(MDF)で構成されるが、
【0018】
ステップS104の化粧板はめ込みステップでは、ステップS103にて作成した化粧板をステップS101にて形成した凹部にはめ込むステップである。
【0019】
図3の左方は、木材1の裏面の状態を示す図であり、図3の右方は、化粧板2の正面図である。木材1の模様10は、レーザー加工機3を用いて切り抜きされたものである。木材1の裏面には凹部20がルータを用いて形成される。凹部20の4角には丸加工20a~20cが形成されている。丸加工20a~20cが形成されることで、化粧板2のはめ込みの作業が容易になる。
【0020】
図4は、本実施形態による木材の装飾加工方法において作成した木材1の正面状態を示す図であり、図5は、本実施形態による木材の装飾加工方法において作成した木材1の裏面状態を示す図である。図4において、木材1の表面に形成された模様10の内側には化粧板2の表面が視認される。図5において点線で表した模様10は、裏面側から視認することができない隠れ線を示している。
【0021】
図6は、本実施形態による木材の装飾加工方法において作成した木材1の模様10の或る部分を水平方向に切断した場合の端面図である。模様10はレーザー加工機3を用いて切り抜き加工されているため模様10の内側は空洞となる。
【0022】
このように本実施形態による木材の装飾加工方法を実行することで以下の効果を奏する。
(あ)木材1の裏面に凹部を形成し、木材1の表面の模様をレーザー加工機を用いて切り抜き、凹部に化粧板をはめ込む構成であるため、模様の内側にレーザーの焦げ目ができない。
(い)木材1の模様は切り抜きで形成されるため、レーザーの使用量を抑えることができるため、レーザー加工機のメンテナンス費用等の経費を抑えることができる。
(う)木材1の裏面に凹部を形成する構成であるため、レーザー加工機の出力を抑えることができる。
(え)化粧板を凹部にはめ込む構成であるため、容易に模様に色彩を施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、レーザー加工機を用いた木材の装飾加工方法のみならず、レーザー加工機を用いた金属の装飾加工方法にも適用可能であり、レーザー加工機を用いた装飾加工方法において広く利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 木材
2 化粧板
3 レーザー加工機
4 レーザー光
10 模様
20 凹部
20a~20d 丸加工
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材の表面にレーザー加工機を用いて所定の模様を施す木材の装飾加工方法であって、
前記所定の模様を施す範囲の裏側に凹部を形成する凹加工ステップと、
前記レーザー加工機を用いて木材の表面に前記所定の模様を施すレーザー加工ステップと、
前記凹部に化粧板をはめ込む化粧板はめ込みステップを有し、
前記化粧板はめ込みステップは、前記レーザー加工ステップの後に行われるステップであり、該レーザー加工ステップにおいて、前記模様は切り抜き加工で形成される、木材の装飾加工方法。
【請求項2】
前記化粧板は、木板材の表面に色彩が施された紙が貼付されている、請求項1に記載の木材の装飾加工方法。
【請求項3】
前記化粧板は、中密度繊維板で構成される、請求項1に記載の木材の装飾加工方法。