(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022787
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20230208BHJP
【FI】
A45C13/30 M
A45C13/30 N
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127860
(22)【出願日】2021-08-03
(71)【出願人】
【識別番号】519126332
【氏名又は名称】株式会社はちみつクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】田中 義之
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE04
3B045CE08
3B045DA22
3B045FC04
3B045FC05
3B045GB02
3B045GB04
(57)【要約】
【課題】 取り付けが容易で、取り付けた物品の脱落や紛失を防止することのできるストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法を提供すること。
【解決手段】 ベルト状の本体部100と、本体部100の一端部に設けられ第1の留め具212を有するベルト状の第1の取付部200と、本体部100の他端部に設けられ第2の留め具312を有するベルト状の第2の取付部300と、第1の取付部200に設けられた鐶体400とを有し、第1の留め具212はストラップ取付具10の表面部側に位置するよう設けられ、第2の留め具312はストラップ取付具10の裏面部側に位置するよう設けられ、第2の取付部300を孔部を有する物品と鐶体400に着脱可能に挿通し第1の留め具212第2の留め具312とを嵌め合わせることにより当該物品に取り付けられるストラップ取付具10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
孔部が形成された物品に取り付けられるストラップ取付具であって、
このストラップ取付具は、
ベルト状の本体部と、
この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、
前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と対応する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、
前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、
前記第1の取付部は折り返し部にて折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、
前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の裏面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、
前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、
前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、
前記第2の取付部を前記物品の孔部と前記鐶体に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより当該物品に取り付けられることを特徴とするストラップ取付具。
【請求項2】
孔部が形成された物品に取り付けられるストラップ取付具であって、
このストラップ取付具は、
ベルト状の本体部と、
この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、
前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と対応する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、
前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、
前記第1の取付部は折り返し部にて折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、
前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、
前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、
前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、
前記第2の取付部を前記物品の孔部に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより当該物品に取り付けられることを特徴とするストラップ取付具。
【請求項3】
前記第2の取付部は2つの取付片からなり、その一方は前記本体部の他端部の表面部を覆うよう設けられ、その他方は前記本体部の他端部の裏面部を覆うよう設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストラップ取付具。
【請求項4】
前記第1の取付部が設けられた部位の厚み(T1)と前記第2の取付部が設けられた部位の厚み(T2)と、前記本体部の露出部の厚み(T3)とは、以下の式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の取付具ストラップ。
T1>T3 … 式(1)
T2>T3 … 式(2)
【請求項5】
孔部が形成された物品にストラップ取付具を取り付ける方法であって、
このストラップ取付具は、
ベルト状の本体部と、
この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、
前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と係合する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、
前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、
前記第1の取付部は折り返し部で折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、
前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の裏面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、
前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、
前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、
前記第2の取付部を前記物品の孔部と前記鐶体に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより前記ストラップ取付具を前記物品に取り付けることを特徴とするストラップ取付具の取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォンや小型のタブレット型情報端末機器のような携帯型情報端末機器、これらのカバー、あるいは小物アクセサリー等にストラップを取り付ける際に用いられるストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法に関する。特に、携帯型情報端末機器やこれらのカバー、小物アクセサリー等を安定して持ち運ぶことができ、シンプルで取り扱い性の改善を図ったストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンや小型のタブレット型情報端末機器のような携帯型情報端末機器を携帯する際やこれらを取り扱う際、利用者自らが種々のストラップや手帳タイプの専用カバー等をこれらに装着することにより機器の保護、利便性及び携帯性・運搬性の向上、あるいは見栄えの良さを図ってきている。
【0003】
このようなストラップとしては、例えば提げ紐型ストラップ、ショルダーストラップ、ネックストラップ、あるいはハンドストラップ等、様々な種類のストラップが存在する。
上述のストラップは、その長さを調節可能ではあるものの、一般的に長い紐やベルトを有するものである。そのため、例えばストラップと携帯型情報端末機器とをカバンやポケットに収容する際、ストラップの紐やベルトが嵩張り収容スペースを取る、ストラップの一部がカバンやポケットからはみ出てしまう、等の問題が生じ得る。
【0004】
この問題を解消するため、両端部にそれぞれ携帯型情報端末機器及びストラップが取り付けられるストラップ取付具が提案されている。ストラップ取付具を介して携帯型情報端末機器にストラップを取り付ける場合、携帯型情報端末機器をカバンやポケットに収容する際には、ストラップ取付具からストラップを外すことができるため、容易に携帯型情報端末機器をカバンやポケットに収容することができる。
【0005】
特許文献1には、連結金具(B)の一端(先端)に連結金具(B)から突出して中央で折り返され、携帯物品に挿通して取り付け可能な取付紐(A)と、他端(後端)にストラップに連結可能な中継部材(C)を有する、携帯物品用ストラップの取付具が開示されている。
このものにあっては、連結金具(B)内部にその中心軸に沿って弾性体(D)が嵌挿される中空部が設けられており、この中空部内に中心軸に沿って取付紐(A)が挿通される挿通孔を有する弾性体(D)と固定リング(E)が装着されている。そして弾性体(D)の一部は取付紐(A)の折り曲げを緩衝するように連結金具(B)から先端方向に突出しており、固定リング(E)は弾性体(D)の後端側に当接されていて、取付紐(A)が弾性体(D)と固定リング(E)を挿通して固定リング(E)の後端側で結び目または固定部材により係止されている。
この携帯物品用ストラップの取付具は、輪状の取付紐(A)が連結金具(B)から突出している弾性体(D)部分で支持されているため、その使用時に取付紐(A)の連結金具(B)近傍での折り曲げが緩衝される。そのため、この取付紐(A)の擦り切れとそれによる切断を大幅に改良して、より長期に渡る使用が可能となる。
【0006】
また、下記特許文献2には、ランドセルに取り付けられるランドセルフックであって、第1の所持品を保持するナスカンと、前記ナスカンの固定リングを通す帯状の第1のループ部と、前記ランドセルのベルトを通す帯状の第2のループ部と、第2の所持品を保持する帯状の第3のループ部とを備えるランドセルフックが開示されている。
このランドセルフックは、前記第2のループ部と前記第3のループ部を開閉可能としたことにより、ランドセルに容易に取り付けることができ、また複数の所持品を保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4403185号公報
【特許文献2】実用新案登録第3218173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された携帯物品用ストラップの取付具は、輪状の取付紐(A)が連結金具(B)から突出している弾性体(D)部分で支持されているため、取付紐(A)の擦り切れとそれによる切断を改良し得るものである。しかしこれは取付紐(A)の経年による切断を完全に防ぐものではなく、取付紐(A)が切断した場合はストラップや、場合によっては携帯物品そのものを紛失してしまう虞は残ったままである。
【0009】
特許文献2に開示されたランドセルフックは、ナスカンの固定リングにより第1の所持品を保持し、また帯状の第2のループ部と帯状の第3のループ部とを開閉可能として、帯状の第2のループ部にランドセルのベルトを通し、帯状の第3のループ部で第2の所持品を保持することができる。しかし例えば帯状の第2のループ部や帯状の第3のループ部が何かの拍子で開いた状態になった場合、ランドセルからランドセルフック自体が脱落する、または第2の所持品が落下してしまう虞がある。特に帯状の第3のループ部が知らぬ間に開いた状態となった場合、第2の所持品を紛失してしまう虞は残る。
【0010】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、上述した不具合を解消し、誰でも容易に取り付けが可能で、また取り付けた物品の脱落や紛失を防止することのできるストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、シンプルな構造で生産性及び経済性に優れるストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成を有する。
【0012】
本発明のストラップ取付具は孔部が形成された物品に取り付けられるストラップ取付具であって、このストラップ取付具は、ベルト状の本体部と、この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と対応する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、前記第1の取付部は折り返し部にて折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の裏面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、前記第2の取付部を前記物品の孔部と前記鐶体に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより当該物品に取り付けられることをその特徴とする。
【0013】
また本発明のストラップ取付具は孔部が形成された物品に取り付けられるストラップ取付具であって、このストラップ取付具は、ベルト状の本体部と、この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と対応する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、前記第1の取付部は折り返し部にて折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、前記第2の取付部を前記物品の孔部と前記鐶体に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより当該物品に取り付けられることをその特徴とする。
【0014】
上記構成にあって、前記第2の取付部は2つの取付片からなり、その一方は前記本体部の他端部の表面部を覆うよう設けられ、その他方は前記本体部の他端部の裏面部を覆うよう設けられることが好ましい。
【0015】
上記構成にあって、前記第1の取付部が設けられた部位の厚み(T1)と前記第2の取付部が設けられた部位の厚み(T2)と、前記本体部の露出部の厚み(T3)とは、以下の式(1)及び(2)を満たすことが好ましい。
T1>T3 … 式(1)
T2>T3 … 式(2)
【0016】
本発明のストラップ取付具の取り付け方法は孔部が形成された物品にストラップ取付具を取り付ける方法であって、このストラップ取付具は、ベルト状の本体部と、この本体部の一端部に設けられ凹部または凸部を有する第1の留め具を有するベルト状の第1の取付部と、前記本体部の他端部に設けられ前記第1の留め具の凹部または凸部と係合する凸部または凹部を有する第2の留め具を有するベルト状の第2の取付部と、前記第1の取付部に設けられた鐶体とを有し、前記第1の取付部は折り返し部で折り返されて前記第1の留め具の凹部または凸部が前記ストラップ取付具の表面部側に位置するように前記本体部の一端部に設けられ、前記第2の取付部は前記第2の留め具の凸部または凹部が前記ストラップ取付具の裏面部側に位置するように前記本体部の他端部に設けられ、前記鐶体は前記第1の取付部の折り返しにより形成された間隙部にその一部が挿通するよう設けられ、前記本体部は前記第1の取付部及び前記第2の取付部が設けられない露出部を有し、前記第2の取付部を前記物品の孔部と前記鐶体に挿通し前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより前記ストラップ取付具を前記物品に取り付けることをその特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、本発明のストラップ取付具は、前記第1の留め具と前記第2の留め具とを嵌め合わせることにより容易に前記物品に取り付けることができる。
また本発明のストラップ取付具は、前記第1の留め具と前記第2の留め具との嵌め合わせが外れた場合においても、前記露出部と前記第1の取付部との境界、または前記露出部と前記第2の取付部との境界にて物品に引っ掛かりやすいため、物品からのストラップ取付具の脱落を防止することができる。
さらに、上記構成によれば、シンプルな構造で実現でき、生産面及び経済面においてもその優位性を有するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明のストラップ取付具及びストラップ取付具の取り付け方法は、誰でも容易に物品への取り付けが可能で、また取り付けた物品の脱落や紛失を防止することができる。
さらに、シンプルな構造で実現できるので、生産性及び経済性に優れ、実用的且つ有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係わるストラップ取付具を構成する本体部、第1の取付部、第2の取付部及び鐶体を展開した状態を模式的に示す平面展開図である。
【
図2】同実施形態に係わり、本体部に第1の取付部及び第2の取付部を取り付ける前の位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図3】同実施形態に係わるストラップ取付部を模式的に示す平面図であり、(a)は表面部側から見た状態を模式的に示す平面図であり、(b)は裏面部側から見た状態を模式的に示す平面図である。
【
図4】同実施形態に係わるストラップ取付部を長手方向から見た状態を模式的に示す側面図である。
【
図5】同実施形態に係わるストラップ取付具を短手方向から見た状態を模式的に示す側面図であり、(a)は鐶体から見た状態を模式的に示す側面図であり、(b)は第2の取付部側から見た状態を模式的に示す側面図である。
【
図6】同実施形態に係わるストラップ取付具を物品の孔部に挿通した状態を模式的に示す側面図である。
【
図7】同実施形態に係わるストラップ取付具を物品(スマートフォンカバー)に取り付けた状態を示す図であり、(a)はスマートフォンの画面を上向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部側からストラップ取付具を見た状態を示す模式図であり、(b)はスマートフォンの画面を下向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部側からストラップ取付具を見た状態を示す模式図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係わるストラップ取付具を構成する本体部、第1の取付部、第2の取付部及び鐶体を展開した状態を模式的に示す平面展開図である。
【
図9】同実施形態に係わり、本体部に第1の取付部及び第2の取付部を取り付ける前の位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図10】同実施形態に係わるストラップ取付部を模式的に示す平面図であり、(a)は表面部側から見た状態を模式的に示す平面図であり、(b)は裏面部側から見た状態を模式的に示す平面図である。
【
図11】同実施形態に係わるストラップ取付部を長手方向から見た状態を模式的に示す側面図である。
【
図12】同実施形態に係わるストラップ取付具を短手方向から見た状態を模式的に示す側面図であり、(a)は鐶体から見た状態を模式的に示す側面図であり、(b)は第2の取付部側から見た状態を模式的に示す示す側面図である。
【
図13】同実施形態に係わるストラップ取付具を物品の孔部に挿通した状態を模式的に示す側面図である。
【
図14】同実施形態に係わるストラップ取付具を物品(スマートフォンカバー)に取り付けた状態を示す図であり、(a)はスマートフォンの画面を上向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部側からストラップ取付具を見た状態を示す模式図であり、(b)はスマートフォンの画面を下向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部側からストラップ取付具を見た状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について、
図1から
図7を参照して説明する。
本実施形態に係わるストラップ取付具10は、スマートフォンや小型のタブレット型情報端末機器のような携帯型情報端末機器やこれに使用されるケースあるいは小物アクセサリー等に取り付けられるものである。
【0022】
ストラップ取付具10は、本体部100、第1の取付部200、第2の取付部300及び鐶体400から構成される。
【0023】
本体部100は時計バンドのようなベルト状を呈し、例えば天然皮革、人工皮革または合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。これらの中でも伸縮性のある素材のものが好ましく用いられる。
本体部100の長手方向の長さ、即ち一端部102の最先端から他端部104の最先端までの長さは86mmであり、その幅(短手方向の長さ)は8mmである。
なお、本体部100の他端部104は丸みを帯びた状態、角丸形状を呈しているが、角形状であっても、他の形状であってもよい。一端部102も同様に、他の形状であってもよい。
【0024】
第1の取付部200は、その平面形状が長方形のベルト状を呈し、例えば天然皮革、人工皮革または合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。強度を考慮すると、第1の取付部200は皮革が好ましい。
第1の取付部200の長手方向の長さは43mmであり、その幅(短手方向の長さ)は12mmである。
【0025】
第1の取付部200の表面部210には、凸部を有する第1の留め具212が設けられている。
第1の留め具212及び後述する第2の留め具312は所謂ホックである。このホックは、アタマ、ゲンコ(凸部)、ハネ(凹部)、ホソと称される部品からなるものである。第1の留め具212は、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bから構成され、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bが、第1の取付部200の表面部210に設けられる。
【0026】
ここで、
図1及び
図2ではその位置関係が分かりやすいよう、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bとが第1の取付部200の表面部210に設けられている状態で示している。しかし後述するように、これらは第1の取付部200を本体部100に設けた後、またはその最中に、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bとを所定の位置に本体部100及び第1の取付部200を挟むように置き、アタマ212aに備えられた係止突起部(不図示)が本体部100及び第1の取付部200を貫通してゲンコ(凸部)212bに備えられた係止部(不図示)に係止するように圧力をかけることにより前記表面部210に取り付けられる。
なお、第1の留め具212としてホックを用いたが、これ以外の留め具を使用できることは勿論である。
【0027】
第2の取付部300は、その平面形状が長方形のベルト状(長手方向の他端部は角丸形状)を呈し、第1の取付部200と同様に、例えば天然皮革、人工皮革、合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。強度を考慮すると、第2の取付部300は皮革が好ましい。
また第2の取付部300は、2つの第2の取付部片300a,300bから構成される。第2の取付部片300a,300bは同一形状で同じ大きさであることが好ましい。
【0028】
第2の取付部片300aの長さ、即ち長手方向の一端部の最先端から他端部の最先端までの長さは33mmであり、その幅(短手方向の長さ)は12mmである。第2の取付部片300bの長さ、幅も同様である。
また第2の取付部片300a,300bの上記他端部は、本体部100の他端部104と同様に丸みを帯びた状態、角丸形状を呈しているが、角形状であっても、他の形状であってもよい。但し、これらは本体部100の他端部104と同じ形状であることが好ましい。
【0029】
第2の取付部300の表面部310には、凸部を有する第2の留め具312が設けられている。
なお上述したように第2の留め具312は所謂ホックである。第2の留め具312は、ハネ(凹部)312aとホソ312bから構成され、ハネ(凹部)312aが第2の取付部片300aの表面部310に、ホソ312bが第2の取付部片300bの表面部310に設けられる。
【0030】
また第1の留め具212と同様、
図1及び
図2ではその位置関係が分かりやすいよう、ハネ(凹部)312aとホソ312bとが、それぞれ第2の取付部片300aの表面部310及び第2の取付部片300bの表面部310に設けられている状態で示している。しかし後述するように、これらは第2の取付部300を本体部100に設けた後、またはその最中に、ハネ(凹部)312aとホソ312bとを所定の位置に第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを挟むように置き、ホソ312bに備えられた係止突起部(不図示)が第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを貫通してハネ(凹部)312aに備えられた係止部(不図示)に係止するように圧力をかけることにより前記表面部310に取り付けられる。
なお、第2の留め具312としてホックを用いたが、これ以外の留め具を使用できることは勿論である。
【0031】
鐶体400は、金属や合成樹脂等で形成された環状の係合具であり、その形状によって丸鐶、角鐶、C鐶、D鐶、ナス鐶等が存在する。本実施形態においては鐶体400としてD鐶を使用し、以下、鐶体400をD鐶部400と表記する。D鐶部400の直線を呈する部位402は、折り返し部230にて折り返された第1の取付部200(の裏面部)に挟まれるようにして、第1の取付部200に設けられる。
【0032】
さて以下、ストラップ取付具10の作製方法について説明する。
まず、D鐶部400を第1の取付部200に、第1の取付部200を本体部100の一端部102に取り付けることにより、これらを設ける。
即ち、D鐶部400を第1の取付部200の所定の位置に置く。具体的には、その直線を呈する部位402が第1の取付部200の折り返し部230(裏面部側)に接するようにこれを置く。そしてD鐶部400の直線を呈する部位402が第1の取付部200の裏面部(不図示)に挟まれるよう、折り返し部230にて第1の取付部200を折り返す。この際、第1の取付部200の一端部をD鐶部400に潜らせる。折り返された第1の取付部200は、その裏面部が本体部100の一端部102を覆うよう縫い付け部X1及びX2にて本体部100に縫い付けられる。これによりD鐶部400が第1の取付部200に、第1の取付部200が本体部100の一端部102に取り付けられる。
【0033】
なお第1の取付部200を折り返し部230にて折り返すことにより、第1の取付部200の裏面部に中空状の間隙部(不図示)が形成される。そしてD鐶部400は、この間隙部を挿通するように設けられる。
【0034】
また本実施形態では縫い付けにより第1の取付部200を本体部100の一端部102に設けたが、第1の取付部200を設ける方法はこれに限定されず、例えば接着剤や熱圧着材等を用いて行ってもよい。
【0035】
次いで、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bを本体部100及び第1の取付部200を挟むように所定の位置に置く。そして、アタマ212aに備えられた係止突起部が本体部100及び第1の取付部200を貫通してゲンコ(凸部)212bに備えられた係止部に係止するように、アタマ212aに圧力をかける。このようにして、第1の留め具212が第1の取付部200に取り付けられる。なお第1の取付部200が本体部100に取り付けられる最中に第1の留め具212を取り付けてもよいことは勿論である。
また第1の留め具212としてホックではなく他の留め具を用いる場合には、本体部100に取り付けられる前に第1の取付部200に第1の留め具212を取り付けることもできる。
【0036】
そして第2の取付部300を本体部100の他端部104に取り付けることにより、これを設ける。
即ち、第2の取付部片300a,300bを、それぞれの裏面部(不図示)が本体部100の他端部104を覆うようにして縫い付け部X3にて本体部100に縫い付ける。この際、
図3に示すように、第2の取付部片300bがストラップ取付具10の表面部10a側となり、第2の取付部片300aがストラップ取付部10の裏面部10b側となるように縫い付けられる。
【0037】
なお本実施形態においては、2枚の第2の取付部片300a,300bをそれぞれ本体部100に取り付けたが、例えば1枚の第2の取付部300に折り返し部を設け、当該折り返し部にて第2の取付部300を折り返し、その裏面部が本体部100の他端部104を覆うようにして取り付けてもよい。
また本実施形態では縫い付けにより第2の取付部300を本体部100の他端部104に設けたが、第2の取付部300を設ける方法はこれに限定されず、例えば接着剤や熱圧着材等を用いて行ってもよい。
【0038】
次いで、ハネ(凹部)312aとホソ312bとを第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを挟むように所定の位置に置く。そして、ホソ312bに備えられた係止突起部が第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを貫通してハネ(凹部)312aに備えられた係止部に係止するように、ホソ312bに圧力をかける。このようにして、第2の留め具312が第2の取付部300に取り付けられる。なお第2の取付部300が本体部100に取り付けられる最中に第2の留め具312を取り付けてもよいことは勿論である。
また第2の留め具312としてホックではなく他の留め具を用いる場合には、本体部100に取り付けられる前に第2の取付部300に第2の留め具312を取り付けることもできる。
【0039】
なお、第1の取付部200、第2の取付部300、D鐶部400、第1の留め具212及び第2の留め具312を設ける順番はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【0040】
このようにして、本実施形態のストラップ取付具10が作製される。
【0041】
図3(a)に示すように、第1の留め具212のうち、凸部を有するゲンコ(凸部)212bは、ストラップ取付具10の表面部10a側に位置するよう設けられる。また
図3(b)に示すように、第2の留め具312のうち凹部を有するハネ(凹部)312aは、ストラップ取付具10の裏面部10b側に位置するよう設けられる。
【0042】
また本体部100は、第1の取付部200及び第2の取付部300が設けられない、即ち第1の取付部200及び第2の取付部300に被覆されない露出部110を有する。
【0043】
また
図3に示すように、D鐶部400を除いたストラップ取付具10の長さL1は63mmである。また本体部100に設けられた第1の取付部200の長さL2は20mmであり、露出部110の長さL3は10mmであり、本体部100に設けられた第2の取付部300(取付部片300a,取付部片300b)の長さL4は33mmである。
また折り返し部230からゲンコ(凸部)212bの凸部中央までの長さL5は12mmであり、ゲンコ(凸部)212bの凸部中央から本体部100に設けられた第1の取付部200の他端部までの長さL6は8mmであり、本体部100に設けられたの第2の取付部300(取付部片300b)の他端部からハネ(凹部)312aの凹部中央までの長さL7は6mmである。
また露出部110以外の部分の幅Wは12mmである。
【0044】
また
図4に示すように、ストラップ取付具10は、第1の取付部200が設けられた部位の厚み(T1)と第2の取付部300が設けられた部位の厚み(T2)よりも、本体部100の露出部110の厚み(T3とし不図示)の方が薄い。即ち、T1からT3は、以下の式(1)及び(2)を満たし得る。
T1>T3 … 式(1)
T2>T3 … 式(2)
【0045】
次に本実施形態のストラップ取付具10の取り付け方法を
図6を参照して説明する。
【0046】
図6に示すように、孔部Y1を有する物品Yの孔部Y1に、第2の取付部300を挿通する。次いで、第2の取付部300をD鐶部400をくぐるように挿通する。その後、第1の留め具212(ゲンコ(凸部)212b)と第2の留め具312(ハネ(凹部)312a)とを嵌め合わせる。なお
図6では挿通状態が分かりやすいよう、露出部110の長さを誇張して他図よりも長い状態で示している。
【0047】
ストラップ取付具10を物品Yに取り付けた状態を
図7に示す。
本図おいては、ストラップ取付具10の露出部110が物品Yの孔部Y1に位置するように取り付けられる。
ここで、物品Yはスマートフォンカバーであり、
図7(a)はスマートフォンカバーである物品Yにカバーされたスマートフォン(不図示)の画面を上向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部Y1側からストラップ取付具10を見た状態を示している。また
図7(b)は、スマートフォンの画面を下向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部Y1側からストラップ取付具10を見た状態を示している。
【0048】
ストラップ取付具10は、このような構成を有することにより、第1の留め具212と第2の留め具312とを嵌め合わせることにより容易にストラップ取付具10を物品Yに取り付けることができる。
またストラップ取付具10は、露出部110と第1の取付部200との境界、または露出部110と第2の取付部300との境界にて物品Yに引っ掛かりやすいため、第1の留め具212と第2の留め具312の嵌め合わせが外れた場合であっても、上記境界にて物品Yに引っ掛かることから、物品Yの脱落を防止することができる。
また特に上述のようにストラップ取付具10の露出部110が物品Yの孔部Y1に位置するように取り付けられる場合、上述した境界にてストラップ取付具10が物品Yにより引っ掛かりやすくなることから、物品Yの脱落をより一層防止することができる。
【0049】
またストラップ取付具10は、これを物品Yに取り付けた手順と逆の手順、即ち、第1の留め具212と第2の留め具312との嵌め合わせを外し、第2の取付部300をD鐶部400をくぐるように外し、第2の取付部300を物品Yの孔部Y1をくぐるように外すことで、物品Yから取り外すことができる。
【0050】
ストラップ取付具10は、このように誰でも容易に取り付け及び取り外しが可能で、また取り付けた物品Yの脱落や紛失を防止することができる。
また、本実施形態によれば、極めて小型でシンプルな構造で実現できるので、生産面は勿論、経済面にも優れ実用的に有用なものである。
【0051】
なおストラップ取付具10は、物品Yに取り付けた場合、
図7(a)に示すように使用者側からはホソ312bが視認可能となるように構成される。そのため、物品Yの使用時において、使用者から見て非常に見栄えの良い状態となる。
他方、ストラップ取付具10が逆向きになるように物品Yに取り付けた場合、即ち使用者側から見ると
図7(b)に示すようにストラップ取付具10を物品Yに取り付けた場合、物品Yの使用時において第三者側からはホソ312bが視認可能となるように構成される。そのため、物品Yの使用時において、第三者から見て非常に見栄えの良い状態となる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、
図8から
図14を参照して説明する。第1の実施形態と同一部分、同一機能については、同一符号を付して説明し、詳細な説明は省略する。
【0053】
ストラップ取付具20は、本体部100、第1の取付部200、第2の取付部300及び鐶体400を有する。
【0054】
本体部100は時計バンドのようなベルト状を呈し、例えば天然皮革、人工皮革または合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。これらの中でも伸縮性のある素材のものが好ましく用いられる。
本体部100の長手方向の長さ、即ち一端部102の最先端から他端部104の最先端までの長さは86mmであり、その幅(短手方向の長さ)は8mmである。
なお、本体部100の他端部104は丸みを帯びた状態、角丸形状を呈しているが、角形状であっても、他の形状であってもよい。一端部102も同様に、他の形状であってもよい。
【0055】
第1の取付部200は、その平面形状が長方形のベルト状を呈し、例えば天然皮革、人工皮革または合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。強度を考慮すると、第1の取付部200は皮革が好ましい。
第1の取付部200の長手方向の長さは43mmであり、その幅(短手方向の長さ)は12mmである。
【0056】
第1の取付部200の表面部210には、凸部を有する第1の留め具212が設けられている。
第1の留め具212及び後述する第2の留め具3120は所謂ホックである。このホックは、アタマ、ゲンコ(凸部)、ハネ(凹部)、ホソと称される部品からなるものである。第1の留め具212は、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bから構成され、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bが、第1の取付部200の表面部210に設けられる。
ここで、
図8及び
図9ではその位置関係が分かりやすいよう、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bとが第1の取付部200の表面部210に設けられている状態で示している。しかし後述するように、これらは第1の取付部200を本体部100に設けた後、またはその最中に、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bとを所定の位置に本体部100及び第1の取付部200を挟
むように置き、アタマ212aに備えられた係止突起部(不図示)が本体部100及び第1の取付部200を貫通してゲンコ(凸部)212bに備えられた係止部(不図示)に係止するように圧力をかけることにより前記表面部210に取り付けられる。
なお、第1の留め具212としてホックを用いたが、これ以外の留め具を使用できることは勿論である。
【0057】
第2の取付部300は、その平面形状が長方形のベルト状(長手方向の他端部は角丸形状)を呈し、第1の取付部200と同様に、例えば天然皮革、人工皮革、合成皮革等の皮革や、天然繊維、化学繊維等の繊維素材等からなる。強度を考慮すると、第2の取付部300は皮革が好ましい。
また第2の取付部300は、2つの第2の取付部片300a,300bから構成される。第2の取付部片300a,300bは同一形状で同じ大きさであることが好ましい。
第2の取付部片300aの長さ、即ち長手方向の一端部の最先端から他端部の最先端までの長さは33mmであり、その幅(短手方向の長さ)は12mmである。第2の取付部片300bの長さ、幅も同様である。
また第2の取付部片300a,300bの上記他端部は、本体部100の他端部104と同様に丸みを帯びた状態、角丸形状を呈しているが、角形状であっても、他の形状であってもよい。但し、これらは本体部100の他端部104と同じ形状であることが好ましい。
【0058】
第2の取付部300の表面部310には、凸部を有する第2の留め具3120が設けられている。
なお上述したように第2の留め具3120は所謂ホックである。第2の留め具3120は、ハネ(凹部)3120aとホソ3120bから構成され、ハネ(凹部)3120aが第2の取付部片300aの表面部310に、ホソ3120bが第2の取付部片300bの表面部310に設けられる。
【0059】
また第1の留め具212と同様、
図8及び
図9ではその位置関係が分かりやすいよう、ハネ(凹部)3120aとホソ3120bとが、それぞれ第2の取付部片300aの表面部310及び第2の取付部片300bの表面部310に設けられている状態で示している。しかし後述するように、これらは第2の取付部300を本体部100に設けた後、またはその最中に、ハネ(凹部)3120aとホソ3120bとを所定の位置に第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを挟むように置き、ホソ3120bに備えられた係止突起部(不図示)が第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを貫通してハネ(凹部)3120aに備えられた係止部(不図示)に係止するように圧力をかけることにより前記表面部310に取り付けられる。
なお、第2の留め具3120としてホックを用いたが、これ以外の留め具を使用できることは勿論である。
【0060】
鐶体400は、金属や合成樹脂等で形成された環状の係合具であり、その形状によって丸鐶、角鐶、C鐶、D鐶、ナス鐶等が存在する。本実施形態においては鐶体400としてD鐶を使用し、以下、鐶体400をD鐶部400と表記する。D鐶部400の直線を呈する部位402は、折り返し部230にて折り返された第1の取付部200(の裏面部)に挟まれるようにして、第1の取付部200に設けられる。
【0061】
さて以下、ストラップ取付具20の作製方法について説明する。
まず、D鐶部400を第1の取付部200に、第1の取付部200を本体部100の一端部102に取り付けることにより、これらを設ける。
即ち、D鐶部400を第1の取付部200の所定の位置に置く。具体的には、その直線を呈する部位402が第1の取付部200の折り返し部230(裏面部側)に接するようにこれを置く。そしてD鐶部400の直線を呈する部位402が第1の取付部200の裏面部(不図示)に挟まれるよう、折り返し部230にて第1の取付部200を折り返す。この際、第1の取付部200の一端部をD鐶部400に潜らせる。折り返された第1の取付部200は、その裏面部が本体部100の一端部102を覆うよう縫い付け部X1及びX2にて本体部100に縫い付けられる。これによりD鐶部400が第1の取付部200に、第1の取付部200が本体部100の一端部102に取り付けられる。
【0062】
なお第1の取付部200を折り返し部230にて折り返すことにより、第1の取付部200の裏面部に中空状の間隙部(不図示)が形成される。そしてD鐶部400は、この間隙部を挿通するように設けられる。
【0063】
また本実施形態では縫い付けにより第1の取付部200を本体部100の一端部102に設けたが、第1の取付部200を設ける方法はこれに限定されず、例えば接着剤や熱圧着材等を用いて行ってもよい。
【0064】
次いで、アタマ212aとゲンコ(凸部)212bを本体部100及び第1の取付部200を挟むように所定の位置に置く。そして、アタマ212aに備えられた係止突起部が本体部100及び第1の取付部200を貫通してゲンコ(凸部)212bに備えられた係止部に係止するように、アタマ212aに圧力をかける。このようにして、第1の留め具212が第1の取付部200に取り付けられる。なお第1の取付部200が本体部100に取り付けられる最中に第1の留め具212を取り付けてもよいことは勿論である。
また第1の留め具212としてホックではなく他の留め具を用いる場合には、本体部100に取り付けられる前に第1の取付部200に第1の留め具212を取り付けることもできる。
【0065】
そして第2の取付部300を本体部100の他端部104に取り付けることにより、これを設ける。
即ち、第2の取付部片300a,300bを、それぞれの裏面部(不図示)が本体部100の他端部104を覆うようにして縫い付け部X3にて本体部100に縫い付ける。この際、
図10に示すように、第2の取付部片300aがストラップ取付具20の表面部20a側となり、第2の取付部片300bがストラップ取付部20の裏面部20b側となるように縫い付けられる。
【0066】
なお本実施形態においては、2枚の第2の取付部片300a,300bをそれぞれ本体部100に取り付けたが、例えば1枚の第2の取付部300に折り返し部を設け、当該折り返し部にて第2の取付部300を折り返し、その裏面部が本体部100の他端部104を覆うようにして取り付けてもよい。
また本実施形態では縫い付けにより第2の取付部300を本体部100の他端部104に設けたが、第2の取付部300を設ける方法はこれに限定されず、例えば接着剤や熱圧着材等を用いて行ってもよい。
【0067】
次いで、ハネ(凹部)3120aとホソ3120bとを第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを挟むように所定の位置に置く。そして、ホソ3120bに備えられた係止突起部が第2の取付部片300a、本体部100及び第2の取付部片300bを貫通してハネ(凹部)3120aに備えられた係止部に係止するように、ホソ3120bに圧力をかける。このようにして、第2の留め具3120が第2の取付部300に取り付けられる。なお第2の取付部300が本体部100に取り付けられる最中に第2の留め具3120を取り付けてもよいことは勿論である。
また第2の留め具3120としてホックではなく他の留め具を用いる場合には、本体部100に取り付けられる前に第2の取付部300に第2の留め具3120を取り付けることもできる。
【0068】
なお、第1の取付部200、第2の取付部300、D鐶部400、第1の留め具212及び第2の留め具3120を設ける順番はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【0069】
このようにして、本実施形態のストラップ取付具20が作製される。
【0070】
図10(a)に示すように、第1の留め具212のうち、凸部を有するゲンコ(凸部)212bは、ストラップ取付具20の表面部20a側に位置するよう設けられる。また第2の留め具3120のうち凹部を有するハネ(凹部)3120aも、ストラップ取付具20の表面部20a側に位置するよう設けられる。
【0071】
また本体部100は、第1の取付部200及び第2の取付部300が設けられない、即ち第1の取付部200及び第2の取付部300に被覆されない露出部110を有する。
【0072】
また
図10に示すように、D鐶部400を除いたストラップ取付具20の長さL1は63mmである。また本体部100に設けられた第1の取付部200の長さL2は20mmであり、露出部110の長さL3は10mmであり、本体部100に設けられた第2の取付部300(取付部片300a,取付部片300b)の長さL4は33mmである。
また折り返し部230からゲンコ(凸部)212bの凸部中央までの長さL5は12mmであり、ゲンコ(凸部)212bの凸部中央から本体部100に設けられた第1の取付部200の他端部までの長さL6は8mmであり、本体部100に設けられたの第2の取付部300(取付部片300b)の他端部からハネ(凹部)3120aの凹部中央までの長さL7は6mmである。
また露出部110以外の部分の幅Wは12mmである。
【0073】
また
図11に示すように、ストラップ取付具20は、第1の取付部200が設けられた部位の厚み(T1)と第2の取付部300が設けられた部位の厚み(T2)よりも、本体部100の露出部110の厚み(T3とし不図示)の方が薄い。即ち、T1からT3は、以下の式(1)及び(2)を満たし得る。
T1>T3 … 式(1)
T2>T3 … 式(2)
【0074】
次に本実施形態のストラップ取付具20の取り付け方法を
図13を参照して説明する。
【0075】
図13に示すように、孔部Y1を有する物品Yの孔部Y1に、第2の取付部300を挿通する。その後、第1の留め具212(ゲンコ(凸部)212b)と第2の留め具3120(ハネ(凹部)3120a)とを嵌め合わせる。なお
図13では挿通状態が分かりやすいよう、露出部110の長さを誇張して他図よりも長い状態で示している。
【0076】
ストラップ取付具20を物品Yに取り付けた状態を
図14に示す。
本図おいては、ストラップ取付具20の露出部110が物品Yの孔部Y1に位置するように取り付けられる。
ここで、物品Yはスマートフォンカバーであり、
図14(a)はスマートフォンカバーである物品Yにカバーされたスマートフォン(不図示)の画面を上向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部Y1側からストラップ取付具20を見た状態を示している。また
図14(b)は、スマートフォンの画面を下向きにした状態にてスマートフォンカバーの孔部Y1側からストラップ取付具20を見た状態を示している。
【0077】
ストラップ取付具20は、このような構成を有することにより、第1の留め具212と第2の留め具3120とを嵌め合わせることにより容易にストラップ取付具20を物品Yに取り付けることができる。
またストラップ取付具20は、露出部110と第1の取付部200との境界、または露出部110と第2の取付部300との境界にて物品Yに引っ掛かりやすいため、第1の留め具212と第2の留め具3120の嵌め合わせが外れた場合であっても、上記境界にて物品Yに引っ掛かることから、物品Yの脱落を防止することができる。
また特に上述のようにストラップ取付具20の露出部110が物品Yの孔部Y1に位置するように取り付けられる場合、上述した境界にてストラップ取付具20が物品Yにより引っ掛かりやすくなることから、物品Yの脱落をより一層防止することができる。
【0078】
またストラップ取付具20は、これを物品Yに取り付けた手順と逆の手順、即ち、第1の留め具212と第2の留め具3120との嵌め合わせを外し、第2の取付部300を物品Yの孔部Y1をくぐるように外すことで、物品Yから取り外すことができる。
【0079】
ストラップ取付具20は、このように誰でも容易に取り付け及び取り外しが可能で、また取り付けた物品Yの脱落や紛失を防止することができる。
また、本実施形態によれば、極めて小型でシンプルな構造で実現できるので、生産面は勿論、経済面にも優れ実用的に有用なものである。
【0080】
なおストラップ取付具20は、物品Yに取り付けた場合、
図14(a)に示すように使用者側からはホソ3120bが視認可能となるように構成される。そのため、物品Yの使用時において、使用者から見て非常に見栄えの良い状態となる。またこの際、第三者側からはアタマ212aが視認可能となるように構成されるため、第三者から見ても非常に見栄えの良い状態となる。
他方、ストラップ取付具20が逆向きになるように物品Yに取り付けた場合、即ち使用者側から見ると
図14(b)に示すようにストラップ取付具20を物品Yに取り付けた場合、物品Yの使用時において第三者側からはホソ3120bが視認可能となるように構成される。そのため、物品Yの使用時において、第三者から見て非常に見栄えの良い状態となる。またこの際、使用者側からはアタマ212aが視認可能となるように構成されるため、使用者から見ても非常に見栄えの良い状態となる。
【0081】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0082】
10,20 …ストラップ取付具
100 …本体部
200 …第1の取付部
300 …第2の取付部
400 …鐶体(D鐶部)
212 …第1の留め具
312,3120 …第2の留め具