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特開2023-22797ポンプディスペンサー付きの創傷被覆剤の蜂蜜
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022797
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ポンプディスペンサー付きの創傷被覆剤の蜂蜜
(51)【国際特許分類】
   A61L 15/34 20060101AFI20230208BHJP
   A61L 15/40 20060101ALI20230208BHJP
   A61L 15/42 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
A61L15/34 100
A61L15/40 100
A61L15/42 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021154952
(22)【出願日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】63/259,682
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521418171
【氏名又は名称】マーク エドワルド フレンゼル
【氏名又は名称原語表記】Mark Edward Fenzl
【住所又は居所原語表記】3734 Breezemont Drive, Sarasota, FL, US
(74)【代理人】
【識別番号】100216471
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬戸 麻希
(72)【発明者】
【氏名】マーク エドワルド フレンゼル
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AA08
4C081BB09
4C081BC01
4C081CD31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生産が容易で安価な創傷被覆剤を提供する。
【解決手段】約4%に濃縮したブナの木の蜂蜜、約4%以上に濃縮したハニーデューハニー、4%から51%に濃縮したモラレス、1%から51%に濃縮した柑橘類のピューレ、0.01%から3%に濃縮したリモネン、0.01%から3%に濃縮したチモール、0.01%から5%に濃縮したリナロール、0.01%から5%に濃縮した酢酸リナリルからなる、創傷被覆剤である。好ましくは、ポンプディスペンサーにより排出する、創傷被覆剤である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷被覆剤の蜂蜜で、約4%に濃縮したブナの木の蜂蜜、約4%以上に濃縮したハニーデュ
ーハニー、4%から51%に濃縮したモラレス、1%から51%に濃縮した柑橘類のピューレ、0.
01%から3%に濃縮したリモネン、0.01%から3%に濃縮したチモール、0.01% から 5%に
濃縮したリナロール、 0.01% から 5%に濃縮した酢酸リナリルからなるもの。
【請求項2】
請求項1の製品で、ポンプディスペンサーにより排出するもの。
【請求項3】
請求項1の製品で使用するポンプディスペンサーに関連する容器。
【請求項4】
請求項3の容器で、ギ酸、酢酸、オイゲノール、バニリン、モノラウリン、アロエベラ、
過酸化水素のうち、少なくとも2つで消毒したもの。
【請求項5】
請求項1の製品のボトルで、クローブバニラの香りのするもの。
【請求項6】
定量の排出が可能なポンプにより排出が可能な創傷被覆材。
【請求項7】
請求項6の創傷被覆材を排出するためのディスペンサーポンプ付きの容器またはディスペ
ンサーポンプ。
【請求項8】
請求項6の創傷被覆材を保管するクローブバニラの香りのするボトルおよび排出するディ
スペンサーポンプ。
【請求項9】
請求項6の創傷被覆材で、蜂蜜、人工蜂蜜、糖蜜(モラセス)、シロップ、フルーツピュ
ーレ、フルーツ濃縮物のうちの少なくとも1つを含むもの。
【請求項10】
請求項6の創傷被覆材で、その容器が、ギ酸、酢酸、オイゲノール、バニリン、アロエベ
ラ、モノラウリン、過酸化水素のうちの少なくとも2つを使用して消毒されるもの。
【請求項11】
紫外線消毒システムにより消毒した蜂蜜製品。
【請求項12】
請求項11の製品で、蜂蜜の創傷被覆材であるもの。
【請求項13】
請求項11の製品で、その容器が、ギ酸、酢酸、オイゲノール、バニリン、アロエベラ、モ
ノラウリン、過酸化水素のうちの少なくとも2つを使用して消毒されるもの。
【請求項14】
請求項11の製品で、クローブバニラの香りのするボトルから排出されるもの。
【請求項15】
請求項11の製品で、蜂蜜、人工蜂蜜、糖蜜(モラセス)、シロップ、フルーツピューレ、
フルーツ濃縮物のうちの少なくとも1つを含むもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/259,509号の関連出願であり
、この仮出願に基づく優先権を主張するものである。上記特許出願の内容全体を参照によ
り本明細書に援用する。
本出願は、2021年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/259,682号の関連出願であり
、この仮出願に基づく優先権を主張するものである。上記特許出願の内容全体を参照によ
り本明細書に援用する。
発明の分野
本明細は、マヌカハニーと同様の抗菌性と創傷被覆剤の性質を持ち、定量排出が可能なポ
ンプディスペンサーのついた、天然の濃厚な創傷被覆剤の蜂蜜に関するものである。この
製品はクローブバニラの香りのするボトルから排出される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明はマヌカハニーと同様の抗菌性と創傷被覆剤の性質を持つ創傷被覆剤の蜂蜜である
が、北米でも生産でき、しかもより安価である。この創傷被覆剤の蜂蜜は、定量排出が可
能なポンプディスペンサーにより排出され、繰り返し排出することが可能である。マヌカ
ハニーは Leptospermum scoparium(訳者注:ギョリュウバイ(マヌカ)の学名)の木が育
つオーストラリアとニュージーランドで産出される。この蜂蜜は、抗菌作用と創傷被覆剤
の性質について研究がなされてきた。マヌカハニーは抗菌作用をもつポリフェノールを多
く含んでいる。マヌカハニーは過酸化水素の代わりにメチルグリオキサールも含まれてい
る。抗菌作用を持つ過酸化水素はほとんどの蜂蜜に含まれているが、メチルグリオキサー
ルはより強い抗菌作用がある。メチルグリオキサールを含むマヌカハニーは、米国で蜂蜜
の創傷被覆剤としての使用が承認されている。 現在米国で使用されている主な創傷被覆
剤のハニージェルは、ハチミツを濃くするために天然ゲル化剤20%を混ぜた高メチルグリ
オキサールマヌカハニーである。 現在の製品の問題点は、マヌカハニーがニュージーラ
ンドまたはオーストラリアからのみ供給され、非常に高価であり、使い捨てチューブでし
か供給されないことである。一般的な蜂蜜の問題点としては、蜂蜜が流れやすいために、
粘度をあげて包帯や傷に接着するように粘度剤を加える必要があることである。もう1つ
の問題は、蜂蜜に含まれる糖分は低温の状態で長時間放置すると結晶化しやすく、硬くて
、ざらざらした、石のようになることである。 ゆっくり加熱することで元に戻るが、時
間と手間がかかる。
【発明の概要】
【0003】
北米のブナの木の蜂蜜は、他の木の蜂蜜に比べてポリフェノールを多く含んでおり、マヌ
カハニーと同等の抗菌作用がある。 ハニーデュー蜂蜜は強力な抗菌作用がある。ブラッ
クストラップ モラセスは結晶化を抑制し、通常の蜂蜜よりも高レベルの抗酸化ポリフェ
ノールを含み、抗菌作用があり、蜂蜜よりも粘度が高い。タンジェリンのピューレは結晶
化を抑制するだけでなく、広域スペクトルの抗菌作用があり、蜂蜜よりも粘性がある。さ
らにタンジェリンのピューレには、良い香りと抗菌性をもつリモネンとチモールが含まれ
ている。 ラベンダーエッセンシャルオイルは、傷を癒す時間を短縮するだけでなく、患
者と医療提供者にとって良い効果をもつ香りを持つことがわかっている。 ラベンダーエ
ッセンシャルオイルには、芳香性の抗菌化学物質であるリナロールと酢酸リナリルが含ま
れている。
【0004】
表1. センチポアズの成分の粘度
【0005】
ブナの木の蜂蜜とハニーデュー蜂蜜を、良い香りと治癒時間の短縮効果のあるブラックス
トラップ モラセスとタンジェリンのピューレの自然の増粘剤を使って混ぜ合わせること
により、良い色合いと香りを持つ天然の増粘剤を持った、抗菌作用持つ新しい蜂蜜を発明
した。タンジェリンのピューレに含まれるクエン酸は、 ブナの木の蜂蜜が生成する過酸
化水素と相乗的な抗菌効果を発揮する。 また、ラベンダーエッセンシャルオイルはタン
ジェリンのピューレに含まれるチモールと相乗的な抗菌効果がある。
【0006】
表2. クエン酸と過酸化水素の相乗効果
【0007】
表3. ラベンダーエッセンシャルオイルとチモールを21%混ぜたタイムエッセンシャルオ
イルの相乗効果
【0008】
これ以外の可能性のある例としては、この特許出願を制限するものではないが、ブナの木
の蜂蜜で約4%を超えるものや、ハニーデューハニーで4%を超えるものや、ブラックスト
ラップハニーで4%から51%の範囲のものや、柑橘類のピューレを1%から51%の間で使用
するものや、香り付けに 0.01% から 5%でリナロールを使用するものや、 0.01% から 5%
で酢酸リナリルを使用するものが挙げられる。この割合は最終製品を基にした割合である
。こうした製品は紫外線消毒フローシステムで消毒する。つまり、蜂蜜をポンプで押し出
し、紫外線を通過させて殺菌するものである。ボトルは、0.01%から35%の割合の過酢酸
、0.01%から35%の割合の酢酸、0.01%から35%の割合のギ酸、0.01%から10%の割合の
モノラウリン、0.01%から10%の割合のクローブエッセンシャルオイル、0.01%から10%
割合のバニリン、0.01%から10%割合のアロエベラパウダー、1%から20%割合のプロピ
レングリコール、1%から99.9%の割合の過酸化水素を組み合わせて殺菌する。この割合
は、最終的な殺菌に基づく割合である。
【0009】
創傷被覆剤ジェルはポンプディスペンサーを使用し、排出量を測定できるほか、ボトルを
繰り返して使用できる。これは医療アシスタントや看護師が、必要とする傷を癒すための
ハニージェルの規定分を定量する際に便利である。また、医師が処方する際も便利である
。さらに、薬剤師、医療機器メーカー、保険、病院事務にとっても便利である。さらに、
医師や研究者が表面積あたりの最も効果的な量を決定する際も便利である。また、製品の
コストを節約し、使い捨て容器の廃棄物のコストを節約することもできる。製品を使用す
る前に、使い捨てのガーゼや、トイレットペーパーや、ペーパータオルの上に3回出して
、ポンプディスペンサーに溜まっている空気中の汚れを取り除くようにする。その後、製
品を包帯に出して、患部に使用する。
【0010】
消毒後のボトルはクローブバニラの香りがするため、メーカーや製品を製作する労働者に
心地よい香りを提供することになる。
【0011】
この特許の制限するものではないが、一例として、1/2オンス、1オンス、2オンス、4オン
ス、8オンス、1/2ガロン、1ガロン、5ガロン、55ガロン、300ガロンのポンプディスペン
サーを備えた容器で販売することができる。 ポンプディスペンサーは、ボトルに取りは
ずしが可能であり、手や足、または電動ポンプでも使うことができる。 容器はパッケー
ジやパレットで輸送できる。
【0012】
パラベンとホルムアルデヒド防腐剤には健康リスクに対する評判がある。 このユニーク
な傷を癒すハニージェルは、自然界に存在する物質だけで生成されており、パラベンやホ
ルムアルデヒドは含まれていない。
【0013】
微生物による腐敗から守る方法は3つあり、水分活性レベル、キレート化、酸性度である
。 水分活性レベルが低い製品はバクテリアや細菌が繁殖してダメージを与えるだけの十
分な水分が不足している。キレート化は溶液中の遊離金属を結合し、微生物がそれを使用
するのを防ぐ。 酸性度や低いpH値は微生物にダメージを与えて、製品にダメージを与え
るのを防ぐ。タンジェリンのピューレに含まれるクエン酸と、ブナの木の蜂蜜が生成する
過酸化水素を混合するなど、水分活性の低い成分を組み合わせることで、キレート効果と
酸性度の相乗効果を得ることが可能である。
【0014】
発明の要旨
本発明は、マヌカハニーのジェルよりも価格が安く、香りが良く、見た目が魅力的であり
、ニュージーランドとオーストラリア以外で生産することができる、改良した天然の濃厚
な創傷被覆剤の蜂蜜である。一例としては、この特許出願を制限するものではないが、ブ
ナの木の蜂蜜で約5%を超えるものや、ハニーデューハニーで5%を超えるものや、ブラッ
クストラップハニーで5%から50%の範囲のものや、柑橘類のピューレを2%から50%の間
で使用するものや、香り付けに0.01%から3%でリモネン、0.01%から3%でチモール、 0
.01% から 3%でリナロールを使用するものや、 0.01% から 3%で酢酸リナリルを使用する
ものが挙げられる。製品は紫外線消毒フローシステムで消毒する。ボトルは、0.01%から
3%の割合の過酢酸、0.01%から3%の割合の酢酸、0.01%から3%の割合のギ酸、0.01%
から5%の割合のモノラウリン、0.01%から5%の割合のクローブエッセンシャルオイル、
0.01%から5%割合のバニリン、0.01%から5%割合のアロエベラパウダー、1%から15%
割合のプロピレングリコール、3%から99.9%の割合の過酸化水素を組み合わせて殺菌す
る。傷を癒すジェルはポンプディスペンサーを使用し、排出量を測定できる。製品を使用
する前に、3回出して、ポンプディスペンサーに溜まっている空気中の汚れを取り除くよ
うにする。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細
ある実施形態としては、この特許出願を制限するものではないが、ブナの木の蜂蜜を50%
、ハニーデューハニー30%に加えて、増粘液としてブラックストラップハニーを15%、さ
らに香り付としてタンジェリンのピューレを4.9%、ラベンダーエッセンシャルオイルを0.
1%使用するものがある。 こうした製品は紫外線消毒フローシステムで消毒する。つまり
、蜂蜜をポンプで押し出し、紫外線を通過させて殺菌するものである。ボトルは、0.2%
の割合のパレセチン酸、0.3%の割合の酢酸、0.4%の割合のギ酸、1%の割合のモノラウ
リン、2%の割合のクローブエッセンシャルオイル、5%割合のバニリン、0.2%の割合の
アロエベラパウダー、10%の割合のプロピレングリコール、79.3%の割合の過酸化水素を
33%の濃度で組み合わせて殺菌する。 この創傷被覆剤のジェルはポンプディスペンサーを
使用して排出量と頻度を測定できるため、医療アシスタント、看護師、医師、薬剤師、医
療機器メーカー、保険、病院事務にとっても便利である。この特許の制限するものではな
いが、一例として、1/2オンス、1オンス、2オンス、4オンス、8オンス、1/2ガロン、1ガ
ロン、5ガロン、55ガロン、300ガロンのポンプディスペンサーを備えた容器で販売するこ
とができる。ボトルはクローブバニラの香りがする。製品を使用する前に、使い捨ての紙
に3回出して、ポンプディスペンサーに溜まっている空気中の汚れを取り除くようにする
。この明細書で示す割合は、最終製品に基づく割合である。
【0016】
この明細書で述べるフルーツの濃縮物とは、冷凍のフルーツ濃縮物、滅菌したフルーツ濃
縮物、フルーツの抽出物、フルーツペースト、フルーツシロップ、フルーツモラセスを含
むがこれらに限定されないあらゆる水分を抜いた製品を指す。
【0017】
この明細書で述べる柑橘類の濃縮物とは、冷凍柑橘類の濃縮物、滅菌した柑橘類の濃縮物
、柑橘類の抽出物、柑橘類のペースト、柑橘類のシロップ、柑橘類の糖蜜を含むがこれら
に限定されないあらゆる水分を抜いた製品を指す