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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022816
(43)【公開日】2023-02-15
(54)【発明の名称】レーザーパイプ切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20230208BHJP
   B23K 26/08 20140101ALI20230208BHJP
【FI】
B23K26/38 B
B23K26/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111863
(22)【出願日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】202110887123.1
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521556923
【氏名又は名称】広東宏石激光技術股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HSG LASER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 4, Anye Road, Shunjiang Community Industrial Park, Beijiao Town, Shunde District, Foshan City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 洋
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CB07
4E168HA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本案では、転動式把持と固定式把持という二重把持機能を集約した第三チャックで、より大きな支持重量とより高い把持精度を実現でき、それによりチャックは微細な管材をより高速で回転させることができ、切断効率を向上させ、全方位的で残材無しの切断を実現する。
【解決手段】第一チャックは管材軸方向と径方向の位置決めに用いられる固定式チャックであり、第二チャックは管材径方向の位置決めに用いられる回転式チャックであり、第三チャックは両端にそれぞれ管材軸方向と径方向の位置決め用の固定式チャック、及び管材径方向の位置決め用の回転式チャックが設置される。その固定式チャックは第二チャックに接近しており、回転式チャックは第二チャックより遠く離れている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ヘッド(1)、機械本体(2)、及び機体(2)に順次摺動できるように搭載された第一チャック(3)、第二チャック(4)と第三チャック(5)を含み、前記切断ヘッド(1)も摺動可能に前記機体(2)と連結され、前記第一チャック(3)は管材軸方向と径方向の位置決めに用いられる固定式チャックであり、前記第二チャック(4)は管材径方向の位置決めに用いられる回転式チャックであり、前記第三チャック(5)には、両端にそれぞれ管材軸方向と径方向の位置決め用の固定式チャック(51)、及び管材径方向の位置決め用の回転式チャック(52)が設置され、前記固定式チャック(51)は前記第二チャック(4)に接近しており、前記回転式チャック(52)は前記第二チャック(4)より遠く離れていることを特徴とするレーザーパイプ切断装置。
【請求項2】
前記第三チャック(5)は前記機体(2)と摺動可能に連結された取付座(53)、及び先述取付座(53)の両端にそれぞれ設置された第一取付台(54)と第二取付台(55)を含み、前記固定式チャック(51)は前記第一取付台(54)に設けられており、前記回転式チャック(52)は前記第二取付台(55)に設けられており、前記第一取付台(54)は前記第二取付台(55)と固定的に連結されており、前記第三チャック(5)には、前記第一取付台(54)または第二取付台(55)と連結され且つ前記第一取付台(54)或いは第二取付台(55)の転動に用いれられる第一駆動構造(56)が含まれることを特徴とする請求項1に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項3】
前記第一取付台(54)、第二取付台(55)、第一チャック(3)、第二チャック(4)、固定式チャック(51)、及び回転式チャック(52)は同軸で設置されることを特徴とする請求項2に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項4】
前記固定式チャック(51)は、前記第一取付台(54)に沿って周方向に均等分布するように設けられた第一チャック爪(511)と第二駆動構造を二個以上含み、前記第一チャック爪(511)は、径方向に沿って摺動可能に、前記第一取付台(54)に設けられており、前記第二駆動構造は各前記第一チャック爪(511)と連結されており、前記第一チャック爪(511)は前記第一取付台(54)の回転軸線に接近していた一端に把持平面が設けられ、前記回転式チャック(52)は、前記第二取付台(55)に沿って周方向に均等分布するように設けられた第二チャック爪(521)と第三駆動構造を二個以上含み、前記第二チャック爪(521)は、径方向に沿って摺動可能に、前記第二取付台(55)に設けられており、前記第二チャック爪(521)は、前記第二取付台(55)の軸線に接近していた一端にローラーベアリング(522)が回転可能に設けられており、前記第三駆動構造は、各前記第二チャック爪(521)と連結されることを特徴とする請求項3に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項5】
前記ローラーベアリング(522)の回転軸線は、前記第二取付台(55)の軸線と垂直であることを特徴とする請求項4に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項6】
前記把持平面は、滑り止め構造(512)で被覆されることを特徴とする請求項4に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項7】
前記機械本体(2)には、その長さ方向に沿ってスライドレール(21)が設けられており、前記第一チャック(3)、第二チャック(4)、及び取付座(53)は全てスライドレール(21)と摺動可能に連結されることを特徴とする請求項2~6の何れか1項に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項8】
前記切断ヘッド(1)には、垂直面で前記切断ヘッド(1)を駆動して前記スライドレール(21)の長さ方向に沿って運動させるための第四駆動構造(6)、及び水平面で前記切断ヘッド(1)を駆動して前記スライドレール(21)の長さ方向に沿って運動させるための第五駆動構造(7)が接続されることを特徴とする請求項7に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項9】
前記第三チャック(5)は、前記取付座(53)に設けられ且つ前記第三チャック(5)を駆動して前記スライドレール(21)の長さ方向に沿って運動させるための第六駆動構造(8)を含むことを特徴とする請求項8に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項10】
前記第六駆動構造(8)は、前記機械本体(2)に固定設置され且つ前記スライドレール(21)と並行したラック(81)、及び前記取付座(53)に固定設置されたモーター(82)を含み、前記モーター(82)の輸出軸には前記ラック(81)と噛み合う歯車(83)が固定設置されることを特徴とする請求項9に記載のレーザーパイプ切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ切断の技術分野に関し、より具体的には、レーザーパイプ切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、レーザーパイプ切断装置は、チャック数量によって、二チャックパイプ切断装置、三チャックパイプ切断装置、四チャックパイプ切断装置に分けられる。それらの全てには、管材の固定、把持と供給のため最小限一個の固定式チャックがあり、管材のセンタリングと回転のため最小限一個の回転式チャックがある。
【0003】
二チャックパイプ切断装置は固定式チャック一個と回転式チャックを一個ずつを含み、その仕組みが簡単で操作しやすいが、把持点が少ないので長い材料の切断または部材の切り離しができない。三チャックパイプ切断装置は固定式チャック二個と回転式チャック一個或いは、固定式チャック一個と回転式チャック二個で組み立てられるもので、その支持重量が比較的大きくて切断精度も高いが、管材の長さが中間の回転式チャックの厚さを少しだけ超えた場合、管材上に図形を描いて加工することができず、切断ができるだけである。また、管材の長さが二個の回転式チャックの総厚さより小さい場合、断面の切断ができない。そして、切断ヘッドが管材の尾部まで切断操作を行う場合、その時点で尾部の固定式チャックを緩める必要があるので、管材尾部に対して図形を描いて加工することができず、材料の浪費も比較的深刻で、所定位置以外の部位で切断する時も自動的な部材の切り離しが実施できない。四チャックパイプ切断装置は一般的に固定式チャック二個と回転式チャック二個を含み、即ち鏡面対称に設置された二個の双チャック構造であり、その切断ヘッドは所定位置以外の部位で切断操作ができない。例えば、中国特許CN111215760A号で開示されている四チャックパイプ切断装置は、残材無しの切断操作や、管材供給と部材の切り離しの同時実行などにより、より高い切断精度を実現できるが、そのため機械本体は比較的長くなり、実際に重量に耐えるのはチャック二個だけで支持重量も比較的小さく、占用空間も比較的大きくなっており、また四個のチャックの同時制御で回転と材料供給を行うので操作も比較的複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の現有技術の欠点のうち、少なくとも1つを克服する、レーザーパイプ切断装置を提供する。機体の長さを縮めると同時に、支持重量を高め、より低いエネルギー消費とより簡易な操作を実現する。
【0005】
上述の技術問題を解決させるため、本発明で以下の技術考案を採用した。
レーザーパイプ切断装置を提供し、切断ヘッド、機械本体、及び機体に順次摺動できるように搭載された第一チャック、第二チャックと第三チャックを含み、切断ヘッドも摺動可能に機体と連結される。第一チャックは管材軸方向と径方向の位置決めに用いられる固定式チャックであり、第二チャックは管材径方向の位置決めに用いられる回転式チャックであり、第三チャックは両端にそれぞれ管材軸方向と径方向の位置決め用の固定式チャック、及び管材径方向の位置決め用の回転式チャックが設置される。その固定式チャックは第二チャックに接近しており、回転式チャックは第二チャックより遠く離れている。
【0006】
本案で、第三チャックは転動式把持と固定式把持という二重把持機能を集約して、最大限で機体の長さを減少させる。そして、切断の時、第二チャックと第三チャックは継続的に三つのポイントから支持できることで、より大きな支持重量とより高い支持精度を提供し、細長い管材の切断に関して切断効率と切断精度を向上させる。
【0007】
更に改善された仕組みとして、上述の第三チャックは機体と摺動可能に連結された取付座、及び取付座の両端にそれぞれ設置された第一取付台と第二取付台を含み、固定式チャックは第一取付台に設けられており、回転式チャックは第二取付台に設けられており、第一取付台は第二取付台と固定的に連結されており、そして第三チャックには、第一取付台または第二取付台と連結されたかつ第一取付台或いは第二取付台の転動に用いれらた第一駆動構造が含まれる。
【0008】
更に改善された仕組みとして、上述の第一取付台、第二取付台、第一チャック、第二チャック、固定式チャック、回転式チャックは同軸で設置される。
【0009】
更に改善された仕組みとして、上述の固定式チャックは、第一取付台に沿って周方向に均等分布するように設けられた第一チャック爪と第二駆動構造を二個以上含み、第一チャック爪は径方向に沿って摺動可能に第一取付台に設けられており、第二駆動構造は各第一チャック爪と連結されており、第一チャック爪は第一取付台の回転軸線に接近していた一端に把持平面が設けられる。回転式チャックは、第二取付台に沿って周方向に均等分布するように設けられた第二チャック爪と第三駆動構造を二個以上含み、第二チャック爪は径方向に沿って摺動可能に第二取付台に設けられており、第二チャック爪は第二取付台の軸線に接近していた一端にローラーベアリングが回転可能に設けられており、第三駆動構造は各第二チャック爪と連結される。
【0010】
更に改善された仕組みとして、上述のローラーベアリングの回転軸線は、第二取付台の軸線と垂直である。
【0011】
更に改善された仕組みとして、上述の第三チャックは、第一チャック爪と連結され且つ第一取付台に沿って第一チャック爪を径方向に移動させるための第二駆動構造、及び第二チャック爪と連結されたかつ第二取付台に沿って第二チャック爪を径方向に移動させるための第三駆動構造を含む。
【0012】
更に改善された仕組みとして、上述の把持平面は、滑り止め構造で被覆される。
【0013】
更に改善された仕組みとして、上述の機械本体にはその長さ方向に沿ってスライドレールが設けられており、第一チャック、第二チャックと取付座は全部スライドレールと摺動可能に連結される。
【0014】
更に改善された仕組みとして、上述の切断ヘッドには、垂直面で切断ヘッドを駆動してスライドレールの長さ方向に沿って運動させるための第四駆動構造、及び水平面で切断ヘッドを駆動してスライドレールの長さ方向に沿って運動させるための第五駆動構造を含む。
【0015】
更に改善された仕組みとして、上述の第三チャックは、取付座に設けられ且つ第三チャックを駆動してスライドレールの長さ方向に沿って運動させるための第六駆動構造を含む。
【0016】
更に改善された仕組みとして、上述の第六駆動構造は、機械本体に固定設置され且つスライドレールと並行したラック、及び取付座に固定設置されたモーターを含み、モーターの輸出軸にはラックと噛み合う歯車が固定設置される。
【0017】
現有技術と比べた有益な効果は以下の通りである。本案では、転動式把持と固定式把持という二重把持機能を集約した第三チャックで、より大きな支持重量とより高い把持精度を実現でき、それによりチャックは微細な管材をより高速で回転させることができ、切断効率を向上させる。さらに、第三チャックの二重把持機能で、残材無しの切断操作や、管材供給と部材の切り離しの同時実行を実現できると同時に、機体の長さを縮めて生産コストを下げる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明実施例レーザーパイプ切断装置の全体構造の第一角度の概略図である。
図2図1のA部の拡大概略図である。
図3】本発明実施例レーザーパイプ切断装置の全体構造の第二角度の概略図である。
図4図3のB部の拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面は例示のみを目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。本実施例をよりうまく説明するために、図面の一部部品に対しては省略、拡大或いは縮小を行い、実際の製品の寸法を表すものではない。当業者にとっては、図面におけるいくつかの公知構造及びその説明省略が理解できるものである。図面における位置関係表示は例示のみを目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【0020】
本発明実施例の図面において、同一または類似の番号は、同一または類似の部品に対応する。本発明の説明文では、下記のことについて理解する必要がある。「上」「下」「左」「右」などの専門用語が表示した方向或いは位置関係は、図面で示された方向或いは位置関係に基づき、本発明の説明と説明の簡潔化のみを目的とし、当装置或いは部品が必須の特定方位を持ち、特定方位で組み立てられ、操作することについての指示或いは暗示ではない。従って、図面における位置関係表示の用語は、例示のみを目的とするものであり、本発明を限定するものと解釈すべきではない。当業者にとっては、具体的な状況に基づいて上述用語の具体的な意味を理解できる。
【0021】
<実施例>
図1から図4まで示した通り、レーザーパイプ切断装置の実施例、切断ヘッド1、機械本体2、及び機体2に順次摺動できるように搭載された第一チャック3、第二チャック4と第三チャック5を含み、切断ヘッド1も摺動可能に機体2と連結される。第一チャック3は管材軸方向と径方向の位置決めに用いられる固定式チャックであり、第二チャック4は管材径方向の位置決めに用いられる回転式チャックであり、第三チャック5は両端にそれぞれ管材軸方向と径方向の位置決め用の固定式チャック51、及び管材径方向の位置決め用の回転式チャック52が設置される。その固定式チャック51は第二チャック4に接近しており、回転式チャック52は第二チャック4より遠く離れている。
【0022】
ここで説明したいのは、本実施例で第一チャック3と第二チャック4の構造は当業者にとって熟知していた内容であり、ここでは限定せず、管材に対する固定式把持と転動式把持をそれぞれ実現すればよい。
【0023】
本案で、第三チャック5は転動式把持と固定式把持という二重把持機能を集約して、最大限で機体2の長さを減少させる。そして、切断の時、第二チャック4と第三チャック5は継続的に三つのポイントから支持できることで、より大きな支持重量とより高い支持精度を提供し、細長い管材の切断に関して切断効率と切断精度を向上させる。
【0024】
本実施例で、第三チャック5は機体2と摺動可能に連結された取付座53、及び取付座53の両端にそれぞれ設置された第一取付台54と第二取付台55を含み、固定式チャック51は第一取付台54に設けられており、回転式チャック52は第二取付台55に設けられており、第一取付台54は第二取付台55と固定的に連結されており、そして第三チャック5には、第一取付台54と連結され且つ第一取付台54の転動に用いれらた第一駆動構造56が含まれる。第一駆動構造56の駆動で第一取付台54をその軸線を回って転動させ、同時に第一取付台54と第二取付台55は固定的に接続されるため、第二取付台55は第一取付台54に従って転動し、これにより管材の把持した固定式チャック51と回転式チャック52の転動を牽引し、管材に図形の加工或いは管材の切断を実施できる。
【0025】
管材の切断精度を確保させるため、本実施例における第一取付台54、第二取付台55、第一チャック3、第二チャック4、固定式チャック51、回転式チャック52は同軸で設置されたことで、第一チャック3、第二チャック4と第三チャック5の把持を通じて、管材を直線に維持することができ、管材がその軸線を回って高速回転を行う際には急な揺れることはなくて切断精度を保証すると同時に、管材の曲がりを是正できる。
【0026】
本実施例における固定式チャック51は、第一取付台54に沿って周方向に均等分布するように設けられた第一チャック爪511と第二駆動構造を四個含み、第一チャック爪511は径方向に沿って摺動可能に第一取付台54に設けられており、第二駆動構造は各第一チャック爪511と連結されており、第一チャック爪511は第一取付台54の回転軸線に接近していた一端に把持平面が設けられる。回転式チャック52は、第二取付台55に沿って周方向に均等分布するように設けられた第二チャック爪521と第三駆動構造を四個含み、第二チャック爪521は径方向に沿って摺動可能に第二取付台55に設けられており、第二チャック爪521は第二取付台55の軸線に接近していた一端(即ち、中心接近端)にローラーベアリング522が回転可能に設けられており、ローラーベアリング522の回転軸線は第二取付台55の軸線と垂直になり、第三駆動構造は各第二チャック爪521と連結される。具体的には、安定した把持機能を実現させるため、第一チャック爪511と第二チャック爪521はそれぞれ対称的に第一取付台54或いは第二取付台55の端面に分布し、第一チャック爪511四個及び第二チャック爪521四個が相互接近している一端(即ち、中心接近端)の間には距離を有して、管材の通過に便利である。作業中、第一チャック爪511の中心接近端(即ち、第一取付台54の回転軸線に接近している一端)は管材の側壁と緊密に接続し、管材の間に摩擦力が存在し、管材に対して径方向と軸方向の位置決めを実施できる。第二チャック爪521のローラーベアリング522の側壁は管材の側壁と接触しており、第二チャック爪521が対称的に管材の各側面に分布しているので、第二チャック爪521は径方向で管材の運動を制限できる。第二チャック爪521のローラーベアリング522と管材は摺動可能な接続を形成し、管材はその軸方向に沿って移動する際、ローラーベアリング522自身を牽引して転動させるので、第二チャック爪521は軸方向で管材の運動を制限しない。
【0027】
本実施例における第三チャック5は、第一チャック爪511と連結され且つ第一取付台54に沿って第一チャック爪511を径方向に移動させるための第二駆動構造、及び第二チャック爪521と連結され且つ第二取付台55に沿って第二チャック爪521を径方向に移動させるための第三駆動構造を含む。二つの駆動構造を通じてそれぞれ第一チャック爪511或いは第二チャック爪521の動きを駆動し、それにより第三チャック5の固定式チャック51及び回転式チャック52は独立で締め付ける操作或いは放す操作の制御を実現できる。こうして第三チャック5と第二チャック4の間にある管材に図形の加工を実施する際、第一チャック3で管材を締め付けて供給を行い、管材の軸方向運動に差し支えないように第三チャック5の固定式チャック51が放す操作を行い、そして管材に支持を提供するため第三チャック5の回転式チャック52が管材に対して径方向で位置決めを行う。余剰管材の長さが比較的短い場合、直接に第三チャック5の固定式チャック51で管材を締め付けて供給を提供すると同時に、転式チャック52で径方向の支持を提供して、残材の図形加工或いは切断を実施し、所定位置以外の部位で切断操作及び残量無し、自動的な部材の切り離しを実現する。ここで説明したいのは、本実施例における第二駆動機構造と第三駆動機構造は当業者がチャックに常用している構造を採用でき、各チャック爪に対して独立駆動を実現できればよいので、ここでは限定しない。
【0028】
管材を把持する際、管材の側壁と第一チャック爪511が滑って切断精度に影響を及ぼすことを防ぐため、本実施例において第一チャック爪511が第一取付台54の軸線に接近している一端では滑り止め構造512が設けられる。具体的に、第一チャック爪511の端面に設置された若干の溝或いは突起は滑り止め構造512となることができ、第一チャック爪511と管材の間の摩擦力を増強させる。
【0029】
本実施例における機械本体2にはその長さ方向に沿ってスライドレール21が設けられており、第一チャック3、第二チャック4と取付座53は全部スライドレール21と摺動可能に連結される。こうして第一チャック3、第二チャック4と第三チャック5はスライドレール21に沿って機体2で摺動でき、それにより管材の支持位置を変更するか或いは管材を牽引して機体2の長さ方向に沿って移動させ、供給を実現し、管材に相応の図形加工を実施できる。
【0030】
実際のパイプ切断作業において、数回の切断の管材内径が一致しない可能性もあるので、切断ヘッド1と管材側壁の間に適切な距離を保つため、本実施例において切断ヘッド1は、垂直面で切断ヘッド1を駆動してスライドレール21の長さ方向に沿って運動させるための第四駆動構造6、及び水平面で切断ヘッド1を駆動してスライドレール21の長さ方向に沿って運動させるための第五駆動構造7と接続される。具体的には、機体2にはスライドレール21と垂直または水平になる桁が設置されており、桁は機体2と摺動可能に連結され、垂直方向でも縦材と固定的に連結されており、縦材に切断ヘッド1を設置し、第四駆動構造6と第五駆動構造7でモーターを駆動してラック・歯車に合わせるか或いはモーターを駆動してボールねじに合わせることで、縦材の上下運動或いは桁の水平運動を牽引して、切断ヘッド1の位置を変更させ、異なる内径の管材の切断需要に適応する。ここで説明したいのは、第四駆動構造6と第五駆動構造7のタイプには制限がない。具体的な実施過程において、本実施例の考案を採用してもよいが、当然にその他のタイプの駆動方式で切断ヘッド1の位置調整もできる。当業者にとって熟知している技術内容であるため、ここでは詳述しない。
【0031】
本実施例において第三チャック5は、取付座53に設けられ且つ第三チャック5を駆動してスライドレール21の長さ方向に5沿って運動させるための第六駆動構造8を含む。具体的には、第六駆動構造8は、機械本体2に固定設置され且つスライドレール21と並行したラック81、及び取付座53に固定設置されたモーター82を含み、モーター82の輸出軸にはラック81と噛み合う歯車83が固定設置される。こうして、モーター82の駆動力でラック81を牽引して歯車83と噛み合わせて、モーター82と固定的に連結された第三チャック5を牽引してスライドレール21で摺動させ、これにより機体2における第三チャック5の位置を変更できることで、各種長さの管材の切断に適切し、管材切断過程において、自動的な部材の切り離しも実現できる。
【0032】
本実施例の作業過程は以下の通りである。切断ヘッド1が第一チャック3と第二チャック4の間にある時、第三チャック5の固定式チャック51で管材を締め付け、管材供給を実施する。第二チャック4と第三チャック5の回転式チャック52で径方向で管材を支持し、残材の図形加工或いは切断を実施し、残量無し作業及び全方位で所定位置以外の部位での切断操作を実現できる。第三チャック5の固定式把持を通じて、自動的な部材の切り離し、及び長い材料の部材切り離しを実現できる。また、第一チャック3と第三チャック5は共に固定式把持の機能を有するので、同時に供給と部材の切り離しを実施できる、全体的に作業効率を向上させる。同時に、切断過程において、実際には三つのポイントから管材を支持できることで、支持重量と切断精度を保証できる。
【0033】
切断ヘッド1が第二チャック4と第三チャック5の間にある時、第一チャック3または第三チャック5の固定式チャック51で管材を締め付け、管材供給を実施する。第二チャック4と第三チャック5の回転式チャック52で径方向で管材の位置決めを実施する。
【0034】
管材の長さが第二チャック4と第三チャック5の軸方向における厚さの総計より下回る場合、或いは切断ヘッド1が第三チャック5の第二チャック4より離れた側にある場合、第三チャック5の固定式チャック51で管材を締め付け、管材供給を実施する。第三チャック5の固定式チャック51は径方向で管材の移動を制限すると同時に、第二チャック4も径方向で管材の移動を制限できるので、管材がその軸線を回って回転することを保証できる。
【0035】
管材の長さが第二チャック4と第三チャック5の軸方向における厚さの総計より少々上回る場合、第三チャック5が同時に固定式把持と転動式把持機能を備えるので、直接に第三チャック5で管材を把持して図形加工或いは切断を実施でき、そして残材無しの切断操作を実現できる。
【0036】
従って、本実施例のレーザーパイプ切断装置は全機体の全方位切断を実現でき、切断過程において、即時に三つの支持ポイントを提供できることで、支持重量を保証すると同時に把持精度を保証できる。こうして細長い管材の切断作業では比較的大きな優位性を持ち、かつ同時に管材供給と自動的な部材の切り離しを実施でき、切断効率をより向上させる。
【0037】
本実施例において、各種切断の稼働状況で管材に対して三つの支持ポイントの提供を保証でき、より大きな支持重量を実現する。そして、長い管材の切断にも同じく良好な支持を実現し、その切断精度を保証できる。また、第三チャック5の固定式チャック51も管材の固定式把持を実行できるので、残材が比較的短い時、第三チャック5で残材を把持して図形加工或いは切断を実施でき、全方位で残材無しの切断操作を実現できる。
【0038】
本説明書では、参考用語「1つの実施例」、「いくつの実施例」、「事例」、「具体的な事例」、或いは「いくつの事例」などは、当該実施例或事例を合わせて説明した具体的な特性、構造、材料或いる特徴が、本発明の少なくとも1つの実施例或は事例に含まれることを意味する。本説明書では、上述用語の意図を示すような説明内容は、必ずしも同一の実施例或いは事例を対象とすることはない。また、説明した具体的な特性、構造、材料或いは特徴は、任意の一つ或いは複数の実施例或いは事例で適切な方式で結合できる。その他、矛盾しない限り、当業者は本説明書の異なる実施例或いは事例、及び異なる実施例或いは事例の特性を結合するかつ組み合わせることができる。
【0039】
上述では本発明の実施例を表示かつ説明したが、理解できることとしては、上述の実施例は例を挙げて示すことで、本発明への制限として理解しかねる。当業者は、本発明の範囲内で上述の実施例に対して変更、修正、置換と変型を実施できる。
【0040】
明らかなこととしては、本発明の上述実施例ははっきりと本発明を説明するための例で、本発明の実施方式への限定ではない。所属分野の当業者にとっては、上述説明を基に、その他異なる形式の変化或いは変動を実施できる。ここでは、すべての実施方式を挙げることはできない、その必要もない。本発明の精神と原則範囲内で実施した任意の修正、同等の入れ替えと改善などは、すべて本発明権利要求の保護範囲内に含まれるものでなければならない。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断ヘッド(1)、機体(2)、及び前記機体(2)に順次摺動できるように搭載された第一チャック(3)、第二チャック(4)と第三チャック(5)を含み、前記切断ヘッド(1)は、前記機体(2)に対して独立して摺動可能に前記機体(2)と連結されて、前記第一チャック(3)と前記第二チャック(4)との間、前記第二チャック(4)と前記第三チャック(5)との間、及び前記第三チャック(5)の前記第二チャック(4)より離れた側に位置することができ、
前記第一チャック(3)は管材軸方向と径方向の位置決めに用いられる固定式チャックであり、前記第二チャック(4)は管材径方向の位置決めに用いられる回転式チャックであり、前記第三チャック(5)には、両端にそれぞれ管材軸方向と径方向の位置決め用の固定式チャック(51)、及び管材径方向の位置決め用の回転式チャック(52)が設置され、前記固定式チャック(51)は前記第二チャック(4)に接近しており、前記回転式チャック(52)は前記第二チャック(4)より遠く離れており、
前記切断ヘッド(1)が前記第一チャック(3)と前記第二チャック(4)との間に位置するとき、前記第三チャック(5)の固定式チャック(51)で管材を締め付けて管材供給を実施し、前記第二チャック(4)と前記第三チャック(5)の回転式チャック(52)で管材径方向を位置決めし、
前記切断ヘッド(1)が前記第二チャック(4)と前記第三チャック(5)との間に位置するとき、前記第一チャック(3)または前記第三チャック(5)の固定式チャック(51)で管材を締め付けて管材供給を実施し、前記第二チャック(4)と前記第三チャック(5)の回転式チャック(52)で管材径方向を位置決めし、
前記切断ヘッド(1)が前記第三チャック(5)の前記第二チャック(4)より離れた側に位置するとき、前記第三チャック(5)の固定式チャック(51)で管材を締め付けて管材供給を実施し、第三チャック(5)の固定式チャック(51)は径方向で管材の移動を制限することを特徴とするレーザーパイプ切断装置。
【請求項2】
前記第三チャック(5)は前記機体(2)と摺動可能に連結された取付座(53)、及び先述取付座(53)の両端にそれぞれ設置された第一取付台(54)と第二取付台(55)を含み、前記固定式チャック(51)は前記第一取付台(54)に設けられており、前記回転式チャック(52)は前記第二取付台(55)に設けられており、前記第一取付台(54)は前記第二取付台(55)と固定的に連結されており、前記第三チャック(5)には、前記第一取付台(54)または第二取付台(55)と連結され且つ前記第一取付台(54)或いは第二取付台(55)の転動に用いれる第一駆動構造(56)が含まれることを特徴とする請求項1に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項3】
前記第一取付台(54)、第二取付台(55)、第一チャック(3)、第二チャック(4)、固定式チャック(51)、及び回転式チャック(52)は同軸で設置されることを特徴とする請求項2に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項4】
前記固定式チャック(51)は、前記第一取付台(54)に沿って周方向に均等分布するように設けられた第一チャック爪(511)と第二駆動構造を二個以上含み、前記第一チャック爪(511)は、径方向に沿って摺動可能に、前記第一取付台(54)に設けられており、前記第二駆動構造は各前記第一チャック爪(511)と連結されており、前記第一チャック爪(511)は前記第一取付台(54)の回転軸線に接近していた一端に把持平面が設けられ、前記回転式チャック(52)は、前記第二取付台(55)に沿って周方向に均等分布するように設けられた第二チャック爪(521)と第三駆動構造を二個以上含み、前記第二チャック爪(521)は、径方向に沿って摺動可能に、前記第二取付台(55)に設けられており、前記第二チャック爪(521)は、前記第二取付台(55)の軸線に接近していた一端にローラーベアリング(522)が回転可能に設けられており、前記第三駆動構造は、各前記第二チャック爪(521)と連結されることを特徴とする請求項3に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項5】
前記ローラーベアリング(522)の回転軸線は、前記第二取付台(55)の軸線と垂直であることを特徴とする請求項4に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項6】
前記把持平面は、滑り止め構造(512)で被覆されることを特徴とする請求項4に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項7】
前記機体(2)には、その長さ方向に沿ってスライドレール(21)が設けられており、前記第一チャック(3)、第二チャック(4)、及び取付座(53)は全てスライドレール(21)と摺動可能に連結されることを特徴とする請求項2~6の何れか1項に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項8】
前記切断ヘッド(1)には、前記切断ヘッド(1)を機体の設置面に垂直な面に沿って運動させるための第四駆動構造(6)、及び前記切断ヘッド(1)を機体の設置面に水平な面に沿ってさせるための第五駆動構造(7)が接続されることを特徴とする請求項7に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項9】
前記第三チャック(5)は、前記取付座(53)に設けられ且つ前記第三チャック(5)を駆動して前記スライドレール(21)の長さ方向に沿って運動させるための第六駆動構造(8)を含むことを特徴とする請求項8に記載のレーザーパイプ切断装置。
【請求項10】
前記第六駆動構造(8)は、前記機体(2)に固定設置され且つ前記スライドレール(21)と並行したラック(81)、及び前記取付座(53)に固定設置されたモーター(82)を含み、前記モーター(82)の輸出軸には前記ラック(81)と噛み合う歯車(83)が固定設置されることを特徴とする請求項9に記載のレーザーパイプ切断装置。