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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002289
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】卵容器積込みシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/52 20060101AFI20221227BHJP
【FI】
B65B43/52 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103444
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明石 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中谷 公一
(72)【発明者】
【氏名】岸川 舜
(72)【発明者】
【氏名】杉本 浩一
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA01
3E030BB01
3E030BB02
3E030BB05
3E030DA01
3E030DA02
3E030DA06
3E030GA04
(57)【要約】
【課題】作業エリアと台車待機エリア、出荷エリア、台車および作業者の動線などを考慮したレイアウトとなる卵容器積込みシステムを提供する
【解決手段】システム1は、卵容器のある第一待機領域W1を有する第一卵容器搬送装置72aと、第一待機領域W1の卵容器を把持する第一吸着把持部212aを有し、棚に、把持された卵容器を移載する第一多軸ロボットアーム21aと、台車8を、第一多軸ロボットアーム21aと対向する第一台車搬入装置30から、第一多軸ロボットアーム21aの近位である第一積込部38まで第一搬入ラインL1に沿って搬送する第一台車押出装置34と、台車8aを第一積込部38から第一搬出ラインL11に沿って台車搬出部39へ搬送する第一台車搬出装置36と、を備える。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の卵容器または2以上の並列配置される卵容器のある第一待機領域を有する第一卵容器搬送装置と、
前記第一待機領域の卵容器を把持する第一吸着把持部を有し、第一卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚に、把持された前記卵容器を移載する、第一多軸ロボットアームと、
前記第一卵容器輸送台車を前記第一多軸ロボットアーム側へ搬送する第一台車搬入装置と、
前記第一台車搬入装置に設けられる第一台車押出装置であって、前記第一卵容器輸送台車を前記第一多軸ロボットアームの近位である第一積込部(積込み位置)に向かって第一搬入ラインに沿って搬送する第一台車押出装置と、
前記第一卵容器輸送台車を前記第一積込部から、第一搬出ラインに沿って台車搬出部へ搬送する第一台車搬出装置と、を備え、
前記第一待機領域と、前記第一多軸ロボットアームと、前記第一積込部とが、前記第一多軸ロボットアームの本体軸を起点としてL字状に配置される、
または、
前記第一待機領域が、前記第一多軸ロボットアームと、前記第一積込部との間に配置され、前記第一多軸ロボットアーム、第一待機領域、前記第一積込部が直線状に配置される、
卵容器積込みシステム。
【請求項2】
1の卵容器または2以上の並列配置される卵容器のある第二待機領域を有する第二卵容器搬送装置と、
前記第二待機領域の卵容器を把持する第二吸着把持部を有し、第二卵容器輸送台車の少なくとも1つの棚に、把持された前記卵容器を移載する、第二多軸ロボットアームと、
前記第二卵容器輸送台車を前記第二多軸ロボットアーム側へ搬送する第二台車搬入装置と、
前記第二台車搬入装置に設けられる第二台車押出装置であって、前記第二卵容器輸送台車を前記第二多軸ロボットアームの近位である第二積込部(積込み位置)に向かって第二搬入ラインに沿って搬送する第二台車押出装置と、
前記第二卵容器輸送台車を前記第二積込部から、第二搬出ラインに沿って台車搬出部へ搬送する第二台車搬出装置と、を備え、
前記第二待機領域と、前記第二多軸ロボットアームと、前記第二積込部とが、前記第二多軸ロボットアームの本体軸を起点としてL字状に配置される、
または、
前記第二待機領域が、前記第二多軸ロボットアームと、前記第二積込部との間に配置され、前記第二多軸ロボットアーム、第二待機領域、前記第二積込部が直線状に配置される、
請求項1に記載の卵容器積込みシステム。
【請求項3】
積込み済みの前記第一卵容器輸送台車および/または第二卵容器輸送台車を、前記台車搬出部から前記第一、第二搬入ラインと平行に配置される送出ラインを備える、
請求項2に記載の卵容器積込みシステム。
【請求項4】
第一卵容器輸送台車の折畳棚を自動で開放する第一棚開放装置を備え、
前記第一棚開放装置は、
上下方向に可動する第一棚開放ユニットと、
前記第一棚開放ユニットを上下に駆動する第一棚開放ユニット駆動部と、
前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの後方側あるいは背面フレームの左右側面側を、棚中央側に向かって押圧するように規制する左右一対の第一左奥側面クランプ、第一右奥側面クランプと、
前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの手前側を奥側に向かって押圧するように規制する左右一対の第一左前面クランプ、第一右前面クランプと、
完全な棚開放の前の状態で折畳棚の前方側に当接し開放を停止させる第一開放ストッパ部と、
少なくとも1つの第一傾斜形成部であって、鶏卵容器輸送台車の載置レールの一方端にある折畳状態位置で中折れ状態にある折畳棚を、当該載置レールに対して、後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする、第一傾斜形成部と、
前記第一傾斜形成部で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第一予備開放部と、
を備える、
請求項1に記載の卵容器積込みシステム。
【請求項5】
第二卵容器輸送台車の折畳棚を自動で開放する第二棚開放装置を備え、
前記第二棚開放装置は、
上下方向に可動する第二棚開放ユニットと、
前記第二棚開放ユニットを上下に駆動する第二棚開放ユニット駆動部と、
前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの後方側あるいは背面フレームの左右側面側を、棚中央側に向かって押圧するように規制する左右一対の第二左奥側面クランプ、第二右奥側面クランプと、
前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの手前側を奥側に向かって押圧するように規制する左右一対の第二左前面クランプ、第二右前面クランプと、
完全な棚開放の前の状態で折畳棚の前方側に当接し開放を停止させる第一開放ストッパ部と、
少なくとも1つの第二傾斜形成部であって、鶏卵容器輸送台車の載置レールの一方端にある折畳状態位置で中折れ状態にある折畳棚を、当該載置レールに対して、後方に傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にする、第二傾斜形成部と、
前記第二傾斜形成部で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくするために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第二予備開放部と、
を備える、
請求項2に記載の卵容器積込みシステム。
【請求項6】
卵容器輸送台車を卵容器の積込位置へ搬送する台車搬入装置であって、
卵容器輸送台車の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、前後方向である第一搬入ラインに沿って、前記卵容器輸送台車の左フレームを案内する左案内部と、および/または、右フレームを案内する右案内部と、および/または、左前後キャスターを案内する左キャスター案内部と、および/または、右前後キャスターを案内する右キャスター案内部と、
卵容器輸送台車の左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、卵容器輸送台車の左右前方フレームに当接して案内する前フレーム案内部と、および/または、左右後方フレームに当接して案内する後フレーム案内部と、および/または、左右前キャスターを案内する前キャスター案内部と、および/または、左右後キャスターを案内する後キャスター案内部と、
を備える、卵容器輸送台車の台車搬入装置。
【請求項7】
左案内部および/または右案内部の少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備える、
請求項6に記載の卵容器輸送台車の台車搬入装置。
【請求項8】
搬入される卵容器輸送台車の、任意の折畳棚の開放状態および/または台車の向き(前後方向)を検出するための少なくとも1つの台車状態検出部を備える、
請求項6または7に記載の卵容器輸送台車の台車搬入装置。
【請求項9】
卵容器の積込み位置において、卵容器輸送台車の下部位置の前面をクランプする下部前クランプおよび駆動装置と、卵容器輸送台車の下部位置の背面をクランプする下部背面クランプおよび駆動装置と、および/または、
卵容器の積込み位置において、卵容器輸送台車の上部位置または上部と下部の途中の任意の位置の前面をクランプする下部前クランプおよび駆動装置と、台車の上部位置または上部と下部の途中の任意の位置の背面をクランプする下部背面クランプおよび駆動装置と、
を備える、卵容器輸送台車の固定装置。
【請求項10】
搬送装置で搬送されている卵容器を検出する上流側検出部と、
前記上流側検出部による検出から所定のタイミングで、前記卵容器の上方に配置され、かつ一方方向のみに回転しながら前記卵容器の搬送方向と平行側に当接して、前記搬送装置から、当該搬送装置と直交する搬送方向の別の搬送装置へ送り出す、少なくとも1つの当接送出部と、を備える、振分搬送装置。
【請求項11】
請求項6~8のいずれか1項に記載の卵容器輸送台車の台車搬入装置と、
請求項9に記載の卵容器輸送台車の固定装置と、および/または、
請求項10に記載の振分搬送装置と、
を備える請求項1または2に記載の卵容器積込みシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵容器輸送台車への卵容器積込みシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
卵を詰めた卵容器(「卵パック」ともいう。)を食品スーパーなどの小売り事業者へ輸送するために、搬送用ラックが使用されている。例えば、ヨシダエルシス株式会社製の鶏卵パック専用輸送ロールボックスや、株式会社三栄製作所製のロールラックがある。また、特許文献1は、鶏卵を収容する卵容器を搬送する搬送用ラックを記載している。上記搬送用ラックは、複数段の棚が折り畳み可能となっており、奥行方向でコンパクトに収納可能な設計である。
【0003】
特許文献2は、折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)ことができる、棚開放装置を記載している。図2Aにおいて棚の奥側に卵容器を縦置き配置している。図1において台車は一方向に移動する例が記載されている。
【0004】
特許文献3は、明細書の段落0032、図6、7に示すように、ロボットアーム(2)の把持部(11)で折畳棚板を展開することが記載されている。
【0005】
特許文献4は、搬送部上の卵パックを箱詰めするための集成場所に送り出す卵パックの移載装置を開示している。移載装置は、搬送部側と集成場所側との間で往復移動するシャフトと、このシャフトに一体に設けられ卵パックを搬送部上から集成場所に移動させるメインアームと、シャフトの移動を利用してメインアームを卵パックに干渉しない位置まで退避させる退避手段を備える。集成場所には、卵パックの浮き上がりを防止するための規制部材が設けられている。特許文献5は、卵パックの周壁を押し出し集成場所へ送る押圧部材7と卵パックの天面を押さえる押さえ部材8を備える移送部を開示している。集成場所には卵パックが押し圧されて移動するときの配置ズレを規制するための幅規制部材が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3209255号公報
【特許文献2】特許第6684511号公報
【特許文献3】特許第6807091号公報
【特許文献4】特開2018-030631号公報
【特許文献5】特開2016-124601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記各特許文献では解決できない課題として以下が挙げられる。
(1)特許文献2において、最上段で縦置きでなく横置きをする場合に、棚奥側で折畳状態にある棚板の底部と、ロボットアームのハンド部とが接触(干渉)する可能性がある。
(2)特許文献2で開示している台車の一方向の移動のみならず、作業エリアと台車待機エリア、出荷エリア、台車および作業者の動線を考慮したレイアウトが要求されている。
(3)複数種類の卵容器が上流側から搬送コンベアで送られることがある。このような場合に作業者が手動で積み込みすることが行われていた。このような多種類の卵容器が搬送されてきても装置側で積込みを可能にしたいという要望がある。
(4)台車(ロールインナー)は、様々な種類があり、高さ、幅、奥行き、突起や梁(フレーム)の位置等、形状に違いがある。そのため各種の台車の搬送を一つの台車搬送装置で行うのは困難である。
(5)特許文献3のようにロボットアームで棚展開を行う場合、棚板を吸着してから展開するが、ロールインナーの歪みや変形によっては、吸着の失敗、展開中に吸着剥離などが発生することが懸念される。ロボットアームの可搬重量や台車(ロールインナー)内の動作可能なスペース制限などからロボットアームのハンド部に、吸着機構に追加してさらに大型の機械構造を追加することは困難である。
(6)特許文献4および5では、卵パックの長手方向と平行に搬送されてきた卵パックに対して、卵パックの側面から押し出し、集成場所に集めるが、卵パックの長手方向長さに応じて規制部材を変える必要があり切替作業が煩雑である。押圧手段としてシリンダーを用いた場合(特許文献5)に、原点復帰させる間、次の卵パックを押し出し位置へ搬送させることができない。特許文献4では、次の卵パックを配置しても押出部が干渉しないように上方に退避して原点復帰するが、その原点復帰するまでの時間は次の押し出しができない。
【0008】
そこで、本発明の第一目的は、第一に種々の台車(ロールインナー)に対応できる台車搬入装置と、それを備える卵容器積込みシステムを提供する。
第二目的は、棚開放(展開)の失敗を抑制できる台車固定装置と、それを備える卵容器積込みシステムを提供する。
第三目的は、多種の卵容器に対応した積込み制御装置と、それを備える卵容器積込みシステムを提供する。
第四目的は、作業エリアと台車待機エリア、出荷エリア、台車および作業者の動線などを考慮したレイアウトとなる卵容器積込みシステムを提供する。
第五目的は、上流側から搬送される卵容器を、メイン搬送装置から卵容器搬送装置の積込み待機領域へ振り分ける振分搬送装置と、それを備える卵容器積込みシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明において、卵容器には所定の卵が充填済みである。
本発明の卵容器積込みシステム(1)は、
1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器(P)のある第一待機領域(W1)を有する第一卵容器搬送装置(72a)と、
前記第一待機領域(W1)の卵容器を把持する第一吸着把持部(212a)を有し、第一卵容器輸送台車(8、(以下、単に「台車」と称する場合もある))の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に、把持された前記卵容器を移載する、第一多軸ロボットアーム(21a)と、
(最下段の棚板を展開した状態で)前記第一卵容器輸送台車(8)を前記第一多軸ロボットアーム(21a)側へ(卵容器の積込み位置へ)搬送する第一台車搬入装置(30)と、
前記第一台車搬入装置(30)に設けられる第一台車押出装置(34)であって、前記第一卵容器輸送台車(8)を前記第一多軸ロボットアーム(21a)の近位である第一積込部(38)(積込み位置)に向かって(直線的な)第一搬入ライン(L1)に沿って搬送する第一台車押出装置(34)と、
前記第一卵容器輸送台車(8a)を前記第一積込部(38)から、(前記第一搬入ライン(L1)と90°交差する方向である(実質的に90°交差する方向であればよい。))第一搬出ライン(L11)に沿って台車搬出部(39)へ搬送する第一台車搬出装置(36)と、を備える。
前記第一卵容器搬送装置(72a)の第一待機領域(W1)と、前記第一多軸ロボットアーム(21a)と、前記第一積込部(38)とが、前記第一多軸ロボットアーム(21a)の本体軸(AR)を起点としてL字状に配置されてもよい(L字状レイアウト)。さらに、第一待機領域(W1)、第一多軸ロボットアーム(21a)、第一積込部(38)、第一台車搬入装置(30)が、第一多軸ロボットアーム(21a)の本体軸(AR)を起点としてL字状に配置されてもよい。
前記第一卵容器搬送装置(72a)の第一待機領域(W1)が、前記第一多軸ロボットアーム(21a)と、前記第一積込部(38)との間に配置され、前記第一多軸ロボットアーム(21a)、第一待機領域(W1)、前記第一積込部(38)が直線状に配置されていてもよい。さらに、前記第一多軸ロボットアーム(21a)、第一待機領域(W1)、前記第一積込部(38)、第一台車搬入装置(30)が直線状に配置されていてもよい。また、前記第一多軸ロボットアーム(21a)、第一待機領域(W1)、前記第一積込部(38)、第一台車搬入装置(30)、台車搬出部(39)が、第一積込部(38)を起点としてT字状に配置されてもよい(T字状レイアウト)。
ハンド部(211)および吸着把持部(212)の移動距離を短くし積込み処理時間の短縮化を行える。
【0010】
前記卵容器積込みシステム(1)は、さらに、
1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器(P)のある第二待機領域(W2)を有する第二卵容器搬送装置(72b)と、
前記第二待機領域(W2)の卵容器(P)を把持する第二吸着把持部(212b)を有し、第二卵容器輸送台車(8)の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に、把持された前記卵容器(P)を移載する、第二多軸ロボットアーム(21b)と、
(最下段の棚板を展開した状態で)前記第二卵容器輸送台車(8)を前記第二多軸ロボットアーム(21b)側へ(卵容器の積込み位置へ)搬送する第二台車搬入装置(40)と、
前記第二台車搬入装置(40)に設けられる第二台車押出装置(44)であって、前記第二卵容器輸送台車(8)を前記第二多軸ロボットアーム(21b)の近位である第二積込部(48)(積込み位置)に向かって(直線的な)第二搬入ライン(L2)に沿って搬送する第二台車押出装置(44)と、
前記第二卵容器輸送台車(8b)を前記第二積込部(48)から、(前記第二搬入ライン(L2)と90°交差する方向である(実質的に90°交差する方向であればよい。))第二搬出ライン(L21)に沿って前記台車搬出部(39)へ搬送する第二台車搬出装置(46)と、を備える。
前記第二卵容器搬送装置(72b)の第二待機領域(W2)と、前記第二多軸ロボットアーム(21b)と、前記第二積込部(48)とが、前記第二多軸ロボットアーム(21b)の本体軸(AR)を起点としてL字状に配置されてもよい(L字状レイアウト)。さらに、第二待機領域(W2)、第二多軸ロボットアーム(21b)、第二積込部(48)、第二台車搬入部(40)が、第二多軸ロボットアーム(21b)の本体軸(AR)を起点としてL字状に配置されてもよい。
前記第二卵容器搬送装置(72b)の第二待機領域(W2)が、前記第二多軸ロボットアーム(21b)と、前記第二積込部(48)との間に配置され、前記第二多軸ロボットアーム(21b)、第二待機領域(W2)、前記第二積込部(48)が直線状に配置されていてもよい。さらに、前記第二多軸ロボットアーム(21b)、第二待機領域(W2)、前記第二積込部(48)、第二台車搬入装置(40)が直線状に配置されていてもよい。または、前記第二多軸ロボットアーム(21b)、第二待機領域(W2)、前記第二積込部(48)、第二台車搬入装置(40)、台車搬出部(39)が、第二積込部(48)を起点としてT字状に配置されてもよい(T字状レイアウト)。
ハンド部(211b)および吸着把持部(212)の移動距離を短くし積込み処理時間の短縮化を行える。
【0011】
前記卵容器積込みシステム(1)は、
積込み済みの前記第一卵容器輸送台車(8a)および/または第二卵容器輸送台車(8b)を、前記台車搬出部(39)から前記第一、第二搬入ライン(L1、L2)と平行に配置される送出ライン(L3)に沿って送り出す台車送出装置(391)を備えていてもよい。
送出ライン(L3)が、前記第一、第二搬入ライン(L1、L2)の間に配置されていることが好ましい。
第一、第二搬入部(30、40)と送出ライン(L3)の先が近位であればあるほど、作業性を向上させることができる。例えば、台車(8)の移動経路をコの字形とし、搬入と搬出を隣り合わせにすることで、作業性を向上し、更にコの字動線を合わせて山の字の動線(搬出を共通化)することで、専有スペースとコストを抑えつつ、処理能力を向上させることができる。
【0012】
台車搬出部(39)および送出ライン(L3)が兼用であってもよく、別実施形態として、台車搬出部と送出ラインがそれぞれ別に設けられていてもよい。
例えば、前記第一卵容器輸送台車(8a)を前記第一積込部(38)から、前記第一搬入ライン(L1)と90°交差する方向(実質的に90°交差する方向であればよい)であって、前記第二積込部(48)から離れる方向の第三搬出ラインに沿って台車搬出部へ搬送する第三台車搬出装置を備えていてもよく、および/または、前記第二卵容器輸送台車(8b)を前記第二積込部(48)から、前記第二搬入ライン(L2)と90°交差する方向(実質的に90°交差する方向であればよい)であって、前記第一積込部(38)から離れる方向の第四搬出ラインに沿って台車搬出部へ搬送する第四台車搬出装置を備えていてもよい。
【0013】
前記第一搬入ライン(L1)、前記第一積込部(38)、前記第一多軸ロボットアーム(21a)、前記第一待機領域(W1)、前記第一搬出ライン(L11)と、
前記第二搬入ライン(L2)、前記第二積込部(48)、前記第二多軸ロボットアーム(21b)、前記第二待機領域(W2)と、前記第二搬出ライン(L21)とが、前記台車搬出部(39)を通る線(第一、第二搬入ラインに平行な線である送出ライン(L3))に対し並進対称性あるいは鏡像対象性を有するレイアウト構成であってもよい。
【0014】
(別レイアウト)
本発明の卵容器積込みシステム(1)は、
1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器(P)のある第一待機領域(W1)を有する第一卵容器搬送装置(72a)と、
前記第一待機領域(W1)の卵容器を把持する第一吸着把持部(212a)(その先端位置にある第一ハンド部(211a)に設けられる)を有し、第一卵容器輸送台車(8)の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に、把持された前記卵容器を移載する、第一多軸ロボットアーム(21a)と、
(最下段の棚板を展開した状態で)前記第一卵容器輸送台車(8)を前記第一多軸ロボットアーム(21a)側へ搬送する第一台車搬入装置(300)と、
前記第一台車搬入装置(300)に設けられる第一台車押出装置(340)であって、前記第一卵容器輸送台車(8)を、前記第一多軸ロボットアーム(21a)の近位である第一積込部(38)(積込み位置)に向かって、左右のいずれか一方から他方へ横方向である(直線的な)第一搬入ライン(L10)に沿って搬送する第一台車押出装置(340)と、
前記第一卵容器輸送台車(8a)を前記第一積込部(38)から、前記第一搬入ライン(L10)と同じ方向である第一搬出ライン(L11)に沿って台車搬出部(39)へ搬送する第一台車搬出装置と、を備え、
前記第一搬入ライン(L10)と、前記第一積込部(38)と、第一搬出ライン(L11)と、前記第一多軸ロボットアーム(21a)とが、T字状に配置されている(T字状レイアウト)。前記第一卵容器搬送装置(72a)の第一待機領域(W1)が、前記第一多軸ロボットアーム(21a)と、前記第一積込部(38)との間に配置され、前記第一多軸ロボットアーム(21a)、第一待機領域(W1)、前記第一積込部(38)が直線状に配置されていてもよい。
前記卵容器積込みシステム(1)は、さらに、
1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器(P)のある第二待機領域(W2)を有する第二卵容器搬送装置(72b)と、
前記第二待機領域(W2)の卵容器(P)を把持する第二吸着把持部(212b)(その先端位置にある第二ハンド部(211b)に設けられる)を有し、第二卵容器輸送台車(8)の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に、把持された前記卵容器(P)を移載する、第二多軸ロボットアーム(21b)と、
(最下段の棚板を展開した状態で)前記第二卵容器輸送台車(8)を前記第二多軸ロボットアーム(21b)側へ搬送する第二台車搬入装置(400)と、
前記第二台車搬入装置(400)に設けられる第二台車押出装置(440)であって、前記第二卵容器輸送台車(8)を前記第二多軸ロボットアーム(21b)の近位である第二積込部(48)(積込み位置)に向かって、前記第一搬入ライン(L10)と180度異なる方向であって、左右のいずれか一方から他方へ横方向である(直線的な)第二搬入ライン(L20)に沿って搬送する第二台車押出装置(440)と、
前記第二卵容器輸送台車(8b)を前記第二積込部(48)から、前記第二搬入ライン(L20)と同じ方向である第二搬出ライン(L21)に沿って前記台車搬出部(39)へ搬送する第二台車搬出装置(46)と、を備え、
前記第二搬入ライン(L20)と、前記第二積込部(48)と、第二搬出ライン(L21)と、前記第二多軸ロボットアーム(21b)とが、T字状に配置されている(T字状レイアウト)。前記第二卵容器搬送装置(72b)の第二待機領域(W2)が、前記第二多軸ロボットアーム(21b)と、前記第二積込部(48)との間に配置され、前記第二多軸ロボットアーム(21b)、第二待機領域(W2)、前記第二積込部(48)が直線状に配置されていてもよい。
【0015】
(台車搬入装置)
第一、第二台車搬入装置(30、40)は、
搬入される台車(8)の、任意の折畳棚の開放状態および/または台車の向き(前後方向)を検出するための少なくとも1つの台車状態検出部(346、446)を備えていてもよい。
前記台車状態検出部(346、446)は、第一、第二台車搬入装置(30、40)の搬入ルートの入口に設置されていてもよく、第一、第二台車押出装置(34、44)へ設置される前あるいは設置された後で検出できるような位置に設けられていてもよい。折畳棚が開いている状態と折畳状態とを区別し、折畳板の折畳状態の位置で台車の向きも同時に検出できる。
台車の左右いずれか一方の側面または両側面から台車中央側に向かって、複数段の折畳板の折畳状態の位置を検出できるように前記台車状態検出部をそれぞれ設置してあってもよく、各段の折畳板が開放(展開)状態にあるか折畳状態にあるかを検出してもよい。
天井から床方向へ向かって、前記台車状態検出部を設置し、折畳板の開放(展開)状態にある板面までの距離を測定し、一番下の折畳板が開放状態にあるか否かを検出してもよい。
【0016】
(台車搬出装置)
台車搬出部(39)、台車送出装置(391)または卵容器積込みシステム(1)は、
台車搬出部の内部に(滞留している)台車(8)があるか否かを検出するための滞留状態検出部(392)を備えていてもよい。
前記滞留状態検出部は、例えば、発光受光一対の光センサ、反射式光センサ、測距センサ、撮像手段および画像解析装置などで構成されていてもよい。
【0017】
(フレームガイド)
前記第一台車搬入装置(30)または卵容器積込みシステム(1)は、
前記第一卵容器輸送台車(8)の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、
前記第一搬入ライン(L1)(前後方向)に沿って、前記第一卵容器輸送台車(8)の左フレームを案内する第一左案内部(31)(規制機能)と、および/または、右フレームを案内する第一右案内部(33)(規制機能)とを備えていてもよく、さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構(32)を備えていてもよい。
前記第二台車搬入装置(40)または卵容器積込みシステム(1)は、
前記第二卵容器輸送台車(8)の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、
前記第二搬入ライン(L2)に沿って、前記第二卵容器輸送台車(8)の左フレームを案内する第二左案内部(43)(規制機能)と、および/または、右フレームを案内する第二右案内部(41)(規制機能)とを備えていてもよく、さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構(42)を備えていてもよい。
前記第一台車搬入装置(300)または卵容器積込みシステム(1)は、
前記第一卵容器輸送台車(8)をその左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、
前記第一卵容器輸送台車(8)の左右前方フレームに当接して案内する第一前フレーム案内部(310)(規制機能)と、および/または、左右後方フレームに当接して案内する第一後フレーム案内部(330)(規制機能)と、を備えていてもよい。さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備えていてもよい。
前記第二台車搬入装置(400)または卵容器積込みシステム(1)は、
前記第二卵容器輸送台車(8)をその左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、
前記第二卵容器輸送台車(8)の左右前方フレームに当接して案内する第二前フレーム案内部(規制機能)と、および/または、左右後方フレームに当接して案内する第二後フレーム案内部(規制機能)と、を備えていてもよい。さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備えていてもよい。
第一、第二積込部、台車搬出部、送出ラインの任意の場所に、上記案内部のいずれかが設けられていてもよい。
上記の移動機構は、システムの制御装置、外部装置、台車サイズ検出手段などから台車の情報を受信し、自動で移動が可能であってもよく、手段で移動可能な構成であってもよい。自動移動機構は、例えば、エア、電動、油圧駆動の直動装置で構成されていてもよい。
【0018】
(キャスターガイド)
前記第一台車搬入装置または卵容器積込みシステム(1)は、
左右前後のキャスター配置が矩形(長方形、正方形)である前記第一卵容器輸送台車(8)の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、
前記第一搬入ライン(L1)に沿って、左前後キャスターを案内する第一左キャスター案内部(規制機能)と、および/または、右前後キャスターを案内する第一右キャスター案内部(規制機能)と、を備えていてもよい。
前記第二台車搬入装置または卵容器積込みシステム(1)は、
左右前後のキャスター配置が矩形(長方形、正方形)である前記第二卵容器輸送台車(8)の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、
前記第二搬入ライン(L2)に沿って、左前後キャスターを案内する第二左キャスター案内部(規制機能)と、および/または、右前後キャスターを案内する第二右キャスター案内部(規制機能)と、を備えていてもよい。
前記第一、第二台車搬入装置または卵容器積込みシステム(1)は、
左右前のキャスターを結ぶ線と左右後のキャスターを結ぶ線が平行である前記第一卵容器輸送台車(8)をその左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、
左右前キャスターを案内する第一前キャスター案内部(343a)(規制機能)と、および/または、左右後キャスターを案内する第一後キャスター案内部(343b)(規制機能)と、を備えていてもよい。
前記第一、第二台車搬入装置または卵容器積込みシステム(1)は、
左右前のキャスターを結ぶ線と左右後のキャスターを結ぶ線が平行である前記第一卵容器輸送台車(8)をその左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、
左右前キャスターを案内する第二前キャスター案内部(規制機能)と、および/または、左右後キャスターを案内する第二後キャスター案内部(規制機能)と、を備えていてもよい。
第一、第二積込部、台車搬出部、送出ラインの任意の場所に、上記キャスター案内部のいずれかが設けられていてもよい。
また、少なくとも一方のキャスター案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備えていてもよい。
上記の移動機構は、システムの制御装置、外部装置、台車サイズ検出手段などから台車の情報を受信し、自動で移動が可能であってもよく、手段で移動可能な構成であってもよい。自動移動機構は、例えば、エア、電動、油圧駆動の直動装置で構成されていてもよい。
【0019】
前記卵容器積込みシステム(1)は、
前記第一積込部(38)から第一搬出ライン(L11)に沿って、前記第一卵容器輸送台車(8a)の後方フレームを案内する第一後方案内部(規制機能)と、および/または、前方フレーム(の下部)を案内する第一前方案内部(規制機能)とを備えていてもよく、さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備えていてもよい。
前記第一前方案内部は、第一搬入ライン(L1)に沿って搬送されてくる前記第一卵容器輸送台車(8)を停止させる停止部の機能を兼ねていてもよい。
前記第一後方案内部は、第一搬入ライン(L1)に沿って前記第一卵容器輸送台車(8)が搬入される際に、下方に移動可能に構成されていてもよい。
前記卵容器積込みシステム(1)は、
前記第二積込部(48)から第二搬出ライン(L21)に沿って、前記第二卵容器輸送台車(8)の後方フレームを案内する第二後方案内部(規制機能)と、および/または、前方フレーム(の下部)を案内する第二前方案内部(規制機能)とを備えていてもよく、さらに、少なくとも一方の案内部が、両者間の間隔を可変とする移動機構を備えていてもよい。
前記第二前方案内部は、第二搬入ライン(L2)に沿って搬送されてくる前記第二卵容器輸送台車(8)を停止させる停止部の機能を兼ねていてもよい。
前記第二後方案内部は、第二搬入ライン(L2)に沿って前記第二卵容器輸送台車(8)が搬入される際に、下方に移動可能に構成されていてもよい。
上記の移動機構は、システムの制御装置、外部装置、台車サイズ検出手段などから台車の情報を受信し、自動で移動が可能であってもよく、手段で移動可能な構成であってもよい。自動移動機構は、例えば、エア、電動、油圧駆動の直動装置で構成されていてもよい。
【0020】
(振分搬送装置)
振分搬送装置は、
搬送装置で搬送されている卵容器を検出する上流側検出部と、
前記上流側検出部による検出から所定のタイミングで、前記卵容器の上方に配置され、かつ一方方向のみに回転しながら前記卵容器の搬送方向と平行側に当接して、前記搬送装置から、当該搬送装置と直交する搬送方向の別の搬送装置へ送り出す、少なくとも1つの当接送出部と、を備える。
前記振分搬送装置は、
前記少なくとも1つの当接送出部が設けられる回転体(例えば無端ベルト)と、
前記回転体を張設する少なくとも2つのロール(例えば、ベルトプーリ)と、
前記ロールの少なくとも1つが駆動ロールで構成され(残りは自由回転する受動ロールで構成され)、駆動ロールを回転させる駆動装置(例えば、モータなど)と、を備えていてもよい。
前記駆動装置(例えば、位置決めモータ)は、例えば、卵容器のサイズおよび/またはその重量に応じて、卵容器の送出しタイミング、卵容器の送出し量および/送出し速度(加減速)を制御してもよい。
【0021】
前記卵容器積込みシステム(1)は、
上流側から搬送される卵容器を(第一辺(例えば長手方向)に平行に直列に)搬送するメイン搬送装置(71)と、
前記メイン搬送装置(71)を搬送している卵容器(P)を(第一辺(例えば長手方向)と直交する第二辺(例えば、短手方向)に平行に)を前記第一卵容器搬送装置(72a)へ送り込む第一振分搬送装置(73a)を備えていてもよい。
前記メイン搬送装置(71)は、前記第一振分装置(73a)より搬送上流側において、卵容器(P)を前記第二卵容器搬送装置(72b)へ送り込む構成であってもよく、前記第二卵容器搬送装置(72b)へ送り込む第二振分搬送装置(73b)を備えていてもよい。
前記第一、第二振分搬送装置(73a、73b)は、いずれか一方または両方に卵容器(P)の種別を判別する判別部(75a、75b)を備えていてもよい。
メイン搬送装置(71)は、1つ以上の無端ベルトで構成されていてもよい。
第一、第二振分搬送装置(73a、73b)は、1つ以上の無端ベルトで構成されていてもよい。
第一、第二振分搬送装置(73a、73b)は、
それより上流側(メイン搬送装置側の所定位置)に設けられ、卵容器を検出する上流側検出部(701a)と、
上流側検出部(701a)による検出から所定のタイミングで、(搬送している状態若しくは停止状態において)、卵容器の上方に配置され、かつ一方方向のみに回転しながら(所定距離分平行移動することで)卵容器の搬送方向と平行側(第一辺側側面)に当接して、当該搬送方向と直交する搬送方向の第一、第二卵容器搬送装置(72a、72b)へ送り出す、少なくとも1つの当接送出部(731)と、を備える。
前記当接送出部(731)は、卵容器と当接する形状が、例えば、L字状、卵容器外面形状に合わせた形状などであってもよい。前記当接送出部(731)は、少なくとも表面が弾性部材で構成されていてもよい。
第一、第二振分搬送装置(73a、73b)は、
前記少なくとも1つの当接送出部(731)が設けられる回転体(732,733)(例えば無端ベルト)と、
前記回転体を張設する少なくとも2つのロール(734、735)(例えば、ベルトプーリ)と、
前記ロールの少なくとも1つが駆動ロール(735)で構成され(残りは自由回転する受動ロールで構成され)、駆動ロール(735)を回転させる駆動装置(736)(例えば、モータなど)と、を備えていてもよい。
前記回転体は1つ、2つ以上であってもよい。
前記回転体および/または当接送出部は、非金属製で構成されることが好ましい。
前記駆動装置(例えば、位置決めモータ)は、例えば、卵容器のサイズおよび/またはその重量に応じて、卵容器の送出しタイミング、卵容器の送出し量および/送出し速度(加減速)を制御してもよい。
第一、第二振分搬送装置(73a、73b)または第一、第二卵容器搬送装置(72a、72b)は、卵容器の搬送方向に沿って、卵容器の第二辺の一方を案内する第一容器ガイド部(731)(規制機能)と、および/または、卵容器の第二辺の他方を案内する第二容器ガイド部(732)(規制機能)とを備えていてもよく、さらに、少なくとも一方の容器ガイド部が、両者間の間隔を可変とする移動機構(733)を備えていてもよい。
移動機構(733)は、システムの制御装置、外部装置、卵容器検出手段などから卵サイズの情報を受信し、自動で移動が可能であってもよく、手段で移動可能な構成であってもよい。
【0022】
(固定装置)
前記卵容器積込みシステム(1)は、
第一、第二積込部の任意の位置において、卵容器輸送台車(8)(台車を構成するフレーム、支柱、折畳棚、キャスターなど)を左右方向および/または前後方向の移動を規制するように固定するためのストッパまたはクランプ(移動を規制する手段)を有する卵容器輸送台車の固定装置を備えていてもよい。卵容器輸送台車の固定装置がシステム(1)とは別の装置に備えられていてもよい。
固定装置は、台車の下部位置の前面(所定の支柱または横支柱)をクランプする下部前クランプおよび駆動装置(5111)、台車の下部位置の背面(所定の支柱または横支柱)をクランプする下部背面クランプおよび駆動装置(5121)を有していてもよい。
固定装置は、台車の上部位置または上部と下部の途中の任意の位置の前面(所定の支柱または横支柱)をクランプする下部前クランプおよび駆動装置、台車の上部位置または上部と下部の途中の任意の位置の背面(所定の支柱または横支柱)をクランプする下部背面クランプおよび駆動装置を有していてもよい。
固定装置は、
台車または床面(例えば、装置設置面)に対し上下移動可能に設けられ、(左右方向に移動することで、)前記卵容器輸送台車(8)の左右フレームの後方側(所定の支柱または横支柱)あるいは背面フレームの左右側面側(所定の支柱または横支柱)を、棚中央側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)左右一対の第一左奥側面クランプ(521)、第一右奥側面クランプ(541)を備えていてもよい。
固定装置は、
台車または床面に対し上下移動可能に設けられ、(前後方向に移動することで、)前記卵容器輸送台車(8)の左右フレームの手前側(所定の縦支柱または横支柱)を奥側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)左右一対の第一左前面クランプ(531)、第一右前面クランプ(551)を備えていてもよい。
上記「左右一対」のクランプに限定されず、いずれか一方のクランプのみを有していてもよい。また、上記「左右一対」は、台車または床面に対する高さが同じであってもよく異なっていてもよい。
固定装置は、
台車または床面に対し上下移動可能に設けられ、(左右方向に移動することで、)折畳棚(801)の中折れで形成される鋭角の開き状態(M2)を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる、予備開放状態)ために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面(左側面、右側面)に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第一予備開放部(第一左予備開放部522、第一右予備開放部542)を備えていてもよい。
固定装置は、
台車または床面に対し上下移動可能に設けられ、(前後方向または上下方向に移動することで、)完全な棚開放の前の状態で折畳棚(801)の前方側(801c)に当接し開放を停止させる開放ストッパ部(第一左開放ストッパ部533、第一右開放ストッパ部553)を備えていてもよい。
固定装置は、前記卵容器輸送台車(8)の前方、後方、側方に設けられ、上下方向移動可能であってもよく、平面視で前後方向、左右方向、左右方向または前後方向に対し傾斜している斜め方向に移動可能であってもよい。
固定装置は、例えば、エア、電動または油圧駆動装置とその駆動力で動く直動装置と当接部材(弾性部材)などを有して構成される。
固定装置は、棚開放装置、第一、第二積込部のフレーム、支柱、搬送装置、多軸ロボットアームの基台などに取り付けられていてもよく、別体として床設置、天井設置されていてもよい。
前記ストッパあるいはクランプは、その先端が弾性部材で構成されていてもよい。
【0023】
(棚開放装置)
前記卵容器積込みシステム(1)は、
第一卵容器輸送台車(8)の折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)第一棚開放装置(50)と、
第二卵容器輸送台車(8)の折畳棚を自動で開放する(折畳状態を元の状態(棚状態)に戻す)第二棚開放装置(60)と、を備えていてもよい。
第一、第二棚開放装置としては、特許第6684511号に記載されている棚開放装置を採用してもよい。
【0024】
第一棚開放装置(50)は、
(背面(512)と前面(511)と両側面(不図示)を形成している)第一フレーム本体(510)と、
前記第一フレーム本体(510)の背面側で、上下方向に可動する第一棚開放ユニット(51)と、
前記第一棚開放ユニット(51)を上下に駆動する第一棚開放ユニット駆動部(513、5131)と、
第一棚開放ユニット(51)と共に上下移動可能に設けられる(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、少なくとも1つの第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)(例えば、吸引手段)であって、鶏卵容器輸送台車(8)の載置レール(例えば、互いに対向する一対のレール)の一方端(手前と対向する奥側)にある折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚(801)を(例えば、上方向にヒンジ(301e)を中折れの頂部として2つに折り畳まれた状態の棚)、当該載置レールに対して、後方に傾斜状態あるいは、棚回転軸(801d)を起点に片持ち上げ状態にする、第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)と、を備える。
【0025】
第一棚開放装置(50)は、上記の固定装置を備えていてもよい。
第一棚開放装置(50)は、例えば、
第一棚開放ユニット(51)と共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記鶏卵容器輸送台車(8)の左右フレームの後方側(所定の支柱または横支柱)あるいは背面フレームの左右側面側(所定の支柱または横支柱)を、棚中央側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)左右一対の第一左奥側面クランプ(521)、第一右奥側面クランプ(541)と、
第一棚開放ユニット(51)と共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記鶏卵容器輸送台車(8)の左右フレームの手前側(所定の縦支柱または横支柱)を奥側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)左右一対の第一左前面クランプ(531)、第一右前面クランプ(551)と、
第一棚開放ユニット(51)と共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、完全な棚開放の前の状態で折畳棚(801)の前方側(801c)に当接し開放を停止させる第一開放ストッパ部(第一左開放ストッパ部533、第一右開放ストッパ部553)と、
第一棚開放ユニット(51)と共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚(801)の中折れで形成される鋭角の開き状態(M2)を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる、予備開放状態)ために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面(左側面、右側面)に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第一予備開放部(第一左予備開放部522、第一右予備開放部542)と、
を備えていてもよい。
第一左予備開放部(522)、第一右予備開放部(542)は、それぞれ、折畳板の側面に対して当接するように、棚中央に向かう移動方向軸に対し、奥(後方)側に傾斜する板状または棒状の第一左当接部(522a)、第一右当接部(524a)を有する。傾斜していることで折畳棚板の折畳角度を広げやすくできる。
【0026】
前記第一棚開放ユニット(51)は、
その左右側のそれぞれから前方へ向かって設けられる第一左右腕フレーム(第一左腕フレーム52、第一右腕フレーム54)と、
前記第一左腕フレーム(52)の手前側に台車中央側へ向かって設けられる第一左腕先端フレーム(53)と、
前記第一右腕フレーム(54)の手前側に台車中央側へ向かって設けられる第一右腕先端フレーム(55)と、を備えていてもよい。
前記第一左腕フレーム(52)の奥側に、台車と当接する側が台車中央側へ向かうように、第一左奥側面クランプ(521)および第一左奥側面クランプ(521)よりも手前側に第一左予備開放部(522)が設けられ、
前記第一右腕フレーム(54)の奥側に、台車と当接する側が奥側へ向かうように、第一右奥側面クランプ(541)および第一右奥側面クランプ(541)の手前側に第一右予備開放部(542)が設けられ、
前記第一左腕先端フレーム(53)に、台車と当接する側が奥側へ向かうように、第一左前面クランプ(531)および第一左前面クランプ(531)よりも台車中央側に第一左開放ストッパ部(533)が設けられ、
前記第一右腕先端フレーム(55)に、台車と当接する側が奥側へ向かうよう、第一右前面クランプ(551)および第一右前面クランプ(551)よりも台車中央側に第一右開放ストッパ部(553)が設けられていてもよい。
【0027】
前記第一棚開放ユニット(51)は、
第一左腕フレーム(52)と第一右腕フレーム(54)とで形成される平行した間隔を拡縮できるように少なくとも一方が第一棚開放ユニット(51)に対して移動できるように左右間隔駆動部(524)を備えてもよく、
第一左奥側面クランプ(521)、第一右奥側面クランプ(541)のそれぞれを駆動する左右奥側クランプ駆動部(5211、5411)を備えてもよく、
第一左予備開放部(522)、第一右予備開放部(542)のそれぞれを駆動する予備開放駆動部(5221、5421)を備えてもよく、
第一左前面クランプ(531)、第一右前面クランプ(551)のそれぞれを駆動する左右前面クランプ駆動部(532、552)を備えていてもよい。
第一左開放ストッパ部(533)、第一右開放ストッパ部(553)のそれぞれを駆動する開放ストッパ駆動部(532、552)を備えていてもよい。左右前面クランプ駆動部(532、552)と開放ストッパ駆動部(532、552)は、同一の駆動部で兼用していてもよい。
【0028】
前記第一棚開放装置(50)は、第一棚開放制御部を有していてもよい。システム(1)から、台車(8)の種別の情報など必要な情報を受信してもよく、別装置から必要な情報を受信してもよく、手入力されてもよい。
前記第一棚開放制御部は、
前記第一棚開放ユニット駆動部(513、5131)に指令し、前記第一棚開放ユニット(51)の上下移動を制御してもよく、
左右間隔駆動部(524)に指令し、第一左腕フレーム(52)と第一右腕フレーム(54)の少なくとも一方が第一棚開放ユニット(51)に対して移動する動作を制御してもよく、
それぞれの前記左右奥側クランプ駆動部(5211、5411)に指令し、第一左奥側面クランプ(521)、第一右奥側面クランプ(541)のクランプ動作を制御してもよく、
それぞれの前記左右前面クランプ駆動部(532、552)に指令し、第一左前面クランプ(531)、第一右前面クランプ(551)のクランプ動作を制御してもよく、
それぞれの前記開放ストッパ駆動部(532、552)に指令し、第一左開放ストッパ部(533)、第一右開放ストッパ部(553)の停止動作を制御してもよく、
前記第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)に指令し、折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚(801)を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように、吸着して後方に引く動作を制御してもよく、
それぞれの前記予備開放駆動部(5221、5421)に指令し、第一左予備開放部(522)、第一右予備開放部(524)で折畳棚を予備開放状態にする動作を制御してもよい。
【0029】
前記動作制御部(150)は、第一棚開放制御部による棚開放動作と連動し、第一多軸ロボットアームを制御してもよい。前記動作制御部(150)は、第一棚開放制御部の機能を備えていてもよい。
第一多軸ロボットアームは、係止手段(例えば、フックで引掛ける手段、チャックで掴む手段))を備えていてもよい。
前記動作制御部(150)は、第一多軸ロボットアームに指令し、前記第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態であって、前記第一予備開放部(第一左予備開放部522、第一右予備開放部542)で予備開放された状態にある折畳棚の被係止部(前方側の棚板フレームの一部、被係止物、棒状フレームなど)を前記係止手段で係止し、
前記第一傾斜形成部および前記第一予備開放部の棚板への作用が解除された後で、(第一棚開放制御部に指令し、前記第一傾斜形成部(第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562)の前記折畳棚への吸着を解除し、および、前記第一予備開放部(第一左予備開放部522、第一右予備開放部542)を原位置で戻した後で、)
前記係止手段を備える第一多軸ロボットアームに指令し、前記係止手段で係止している状態の前記折畳棚を前方へ移動し、所定位置で(例えば、左右開放ストッパ部で折畳棚の移動を停止させた位置または完全開放させた位置で、)係止手段の係止を解除するように、各構成要素を制御してもよい。
【0030】
第二棚開放装置(60)は、第一棚開放装置(50)と同じ構成を備える。
第二棚開放装置(60)は、
(背面と前面と両側面を形成している)第二フレーム本体と、
前記第二フレーム本体の背面側で、上下方向に可動する第二棚開放ユニットと、
前記第二棚開放ユニットを上下に駆動する第二棚開放ユニット駆動部と、
第二棚開放ユニットと共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記第二傾斜形成部で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面(左側面、右側面)に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第二予備開放部(第二左予備開放部、第二右予備開放部)と、を備える。
【0031】
第二棚開放装置(60)は、上記の固定装置が設けられていてもよい。
第二棚開放装置(60)は、例えば、
第二棚開放ユニットと共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの後方側(所定の支柱または横支柱)あるいは背面フレームの左右側面側(所定の支柱または横支柱)を、棚中央側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)左右一対の左奥側面クランプ、右奥側面クランプと、
第二棚開放ユニットと共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記鶏卵容器輸送台車の左右フレームの手前側(所定の縦支柱または横支柱)を奥側に向かって押圧するように規制(着脱可能に固定)する(クランプする)の左右一対の左前面クランプ、右前面クランプと、
第二棚開放ユニットと共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、完全な棚開放の前の状態で折畳棚の前方側に当接し開放を停止させる第二開放ストッパ部(第二左開放ストッパ部、第二右開放ストッパ部)と、
第二棚開放ユニットと共に上下移動可能に設けられ(それに固定されていてもよくそれに連動して移動可能に構成されていてもよい。)、前記第二傾斜形成部で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚の中折れで形成される鋭角の開き状態を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる)ために、棚板の左右いずれか一方または両方の側面(左側面、右側面)に当接させて当該中折れの隙間に挿入される第二予備開放部(第二左予備開放部、第二右予備開放部)と、
を備えていてもよい。
第二左予備開放部、第二右予備開放部は、それぞれ、折畳板の側面に対して当接するように、棚中央に向かう移動方向軸に対し、奥(後方)側に傾斜する板状または棒状の第二左当接部、第二右当接部を有する。傾斜していることで折畳棚板の折畳角度を広げやすくできる。
【0032】
前記第二棚開放ユニットは、
その左右側のそれぞれから前方へ向かって設けられる第二左右腕フレーム(第二左腕フレーム、第二右腕フレーム)と、
前記第二左腕フレームの手前側に台車中央側へ向かって設けられる第二左腕先端フレームと、
前記第二右腕フレームの手前側に台車中央側へ向かって設けられる第二右腕先端フレームと、を備えていてもよい。
前記第二左腕フレームの奥側に、台車と当接する側が台車中央側へ向かうように、第二左奥側面クランプおよび第二左奥側面クランプよりも手前側に第二左予備開放部が設けられ、
前記第二右腕フレームの奥側に、台車と当接する側が奥側へ向かうように、第二右奥側面クランプおよび第二右奥側面クランプの手前側に第二右予備開放部が設けられ、
前記第二左腕先端フレームに、台車と当接する側が奥側へ向かうように、第二左前面クランプおよび第二左前面クランプよりも台車中央側に第二左開放ストッパ部が設けられ、
前記第二右腕先端フレームに、台車と当接する側が奥側へ向かうように、第二右前面クランプおよび第二右前面クランプよりも台車中央側に第二右開放ストッパ部が設けられていてもよい。
【0033】
前記第二棚開放ユニットは、
第二左腕フレームと第二右腕フレームとで形成される平行した間隔を拡縮できるように少なくとも一方が第二棚開放ユニットに対して移動できるように左右間隔駆動部を備えてもよく、
第二左奥側面クランプ、第二右奥側面クランプのそれぞれを駆動する左右奥側クランプ駆動部を備えてもよく、
第二左予備開放部、第二右予備開放部のそれぞれを駆動する予備開放駆動部を備えてもよく、
第二左前面クランプ、第二右前面クランプのそれぞれを駆動する左右前面クランプ駆動部を備えていてもよく、
第二左開放ストッパ部、第二右開放ストッパ部のそれぞれを駆動する開放ストッパ駆動部を備えていてもよい。左右前面クランプ駆動部と開放ストッパ駆動部は、同一の駆動部で兼用していてもよい。
【0034】
前記第二棚開放装置(60)は、第二棚開放制御部を有していてもよい。システム(1)から、台車(8)の種別の情報など必要な情報を受信してもよく、別装置から必要な情報を受信してもよく、手入力されてもよい。
前記第二棚開放制御部は、
前記第二棚開放ユニット駆動部に指令し、前記第二棚開放ユニットの上下移動を制御してもよく、
左右間隔駆動部に指令し、第二左腕フレームと第二右腕フレームの少なくとも一方が第二棚開放ユニットに対して移動する動作を制御してもよく、
それぞれの前記左右奥側クランプ駆動部に指令し、第二左奥側面クランプ、第二右奥側面クランプのクランプ動作を制御してもよく、
それぞれの前記左右前面クランプ駆動部に指令し、第二左前面クランプ、第二右前面クランプのクランプ動作を制御してもよく、
それぞれの前記開放ストッパ駆動部に指令し、第二左開放ストッパ部、第二右開放ストッパ部の停止動作を制御してもよく、
前記第二傾斜形成部に指令し、折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように、吸着して後方に引く動作を制御してもよく、
それぞれの前記予備開放駆動部に指令し、第二左予備開放部、第二右予備開放部で折畳棚を予備開放状態にする動作を制御してもよい。
【0035】
前記動作制御部(150)は、第二棚開放制御部による棚開放動作と連動し、第二多軸ロボットアームを制御してもよい。前記動作制御部(150)は、第二棚開放制御部の機能を備えていてもよい。
第二多軸ロボットアームは、(先端アームあるいはハンド部に)係止手段(例えば、フックで引掛ける手段、チャックで掴む手段))を備えていてもよい。
前記動作制御部(150)は、第二多軸ロボットアームに指令し、前記第二傾斜形成部で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態であって、前記第二予備開放部(第二左予備開放部、第二右予備開放部)で予備開放された状態にある折畳棚の被係止部(前方側の棚板フレームの一部、被係止物、棒状フレームなど)を前記係止手段で係止し、
前記第二傾斜形成部および前記第二予備開放部の棚板への作用が解除された後で、(第二棚開放制御部に指令し、前記第二傾斜形成部の前記折畳棚への吸着を解除し、および、前記第二予備開放部(第二左予備開放部、第二右予備開放部)を原位置で戻した後で、)
前記係止手段を備える第二多軸ロボットアームに指令し、前記係止手段で係止している状態の前記折畳棚を前方へ移動し、所定位置で(左右開放ストッパ部で折畳棚の移動を停止させた位置または完全開放させた位置で、)で係止手段の係止を解除するように、各構成要素を制御してもよい。
【0036】
前記第一、第二棚開放装置(50、60)は、搬送されている鶏卵容器輸送台車(8)を構成する一部を検知する停止位置検知部を1つ以上有していてもよい。前記停止位置検知部が鶏卵容器輸送台車(8)を検知した場合に、前記第一、第二棚開放制御部が固定装置(ストッパあるいはクランプ)に指令し、鶏卵容器輸送台車(8)を停止させるように駆動されてもよい。
【0037】
前記第一、第二棚開放装置(50、60)は、前記第一、第二棚開放ユニット(51)の上下の所定位置を検出するユニット上下位置検出部を1つ以上有していてもよい。前記ユニット上下位置検出部が前記第一、第二棚開放ユニット(51)の上下位置を検出した場合に、前記第一、第二棚開放制御部が前記第一、第二棚開放ユニット駆動部(513、5131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
前記第一、第二棚開放ユニット(51)は、前記折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚を検出する折畳棚検出部を1つ以上有していてもよい。前記折畳棚検出部が前記折畳棚を検出した場合に、前記第一、第二棚開放制御部が前記第一、第二棚開放ユニット駆動部(513、5131)に指令し、駆動を開始あるいは停止してもよい。
【0038】
前記第一、第二棚開放装置(50、60)は、前記折畳棚が開放された状態であるか否か、および開放された状態の折畳棚の高さ方向位置を検出する棚開放検出部(S3)を1つ以上有していてもよい。前記第一、第二棚開放制御部は、所定の展開動作(開放)後に、前記棚開放検出部が開放された状態の前記折畳棚(の位置)を検出しなかった場合に警報を出力する構成でもよい。
【0039】
前記第一、第二棚開放制御部は、
第一、第二多軸ロボットアームで、前記折畳棚および/または卵容器の上に、卵容器を積み上げる際に(例えば、最上段の卵容器を積み上げる際に)、前記第一、第二傾斜形成部(561、562)に指令し、折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態(折畳棚を後方に傾斜させた状態)にするように制御してもよい。
例えば、最上段となる卵容器を積み上げる際に、折畳棚を後方に傾斜させた状態とすることで、折畳棚とそれより下方の卵容器との間にスペースを確保でき、第一、第二多軸ロボットアーム(21a、21b)およびハンド部(211a、211b)の動作干渉を低減できる。
【0040】
以上の構成によれば以下の作用効果がある。
(1)種々の台車(ロールインナー)に対応できる台車搬送装置を備える卵容器積込みシステムを提供できる。
(2)棚開放(展開)の失敗を抑制できる台車固定構造を備える卵容器積込みシステムを提供できる。
(3)多種の卵容器に対応した詰め込み卵容器積込みシステムを提供できる。
(4)作業エリアと台車待機エリア、出荷エリア、台車および作業者の動線などを考慮したレイアウトとなる卵容器積込みシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A】卵容器積込みシステムの全体レイアウト図の一例を示す図である。
図1B】卵容器積込みシステムの全体レイアウト図の一例を示す図である。
図1C】卵容器積込みシステムの全体レイアウト図の一例を示す図である。
図1D】棚開放装置の左側面の一例を示す図である。
図2A】棚開放装置の動作の一例を示す図である。
図2B】棚開放装置の動作の一例を示す図である。
図2C】棚開放装置の動作の一例を示す図である。
図2D】棚開放装置の動作の一例を示す図である。
図3】台車搬入装置の一例を示す図である。
図4】卵容器積込みシステムの全体レイアウト図の一例を示す図である。
図5】振分搬送放置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(卵容器輸送台車)
台車8は、一般的に流通されている鶏卵容器輸送台車である。本実施形態では、台車搬入装置30、40へ投入される際に、一番下の折畳棚が展開されており、その棚に卵容器Pが載置され、所定段数の積込み後に、その上の折畳棚が展開され、その棚に卵容器が載置されというように、下から上へ順次載置される。台車8は、メーカーによって、幅、奥行、上下棚間隔(高さ)が異なり、折り畳み式フレームのヒンジ位置、構造も異なっているが、本発明は多種類のサイズ違いの台車であっても対応できるシステムとなっている。
【0043】
図1Dおよび図3に示す台車8は、底部フレーム831と、側面視でL字状に底部フレーム831と固定される背部フレーム834と、折り畳み可能なように背部フレーム834とヒンジ(不図示)で連結される左側フレーム832と右側フレーム833)を有する。
台車の手前側は開放されており、卵容器を積み込めるようになっている。
底部フレーム831は、その4角にそれぞれ自由回転するキャスター(車輪)が設けられている。
【0044】
左側フレーム832には、その下から順に所定間隔を設けて第一側板811、第二側板812、第三側板813、第四側板814がフレームの幅方向(垂直方向と直交する奥から手前へ向かう方向)に設けられる。
第一側板811、第二側板812、第三側板813、第四側板814は、そのそれぞれの底辺から台車8の中央側に向かって直角(略直角)に延設される第一載置レール8111、第二載置レール8121、第三載置レール8131、第四載置レール8141が設けられる。第一側板811、第二側板812、第三側板813、第四側板814のそれぞれに対向する右側フレーム833にも同様の対向する側板および載置レールが設けられる。
【0045】
対向する一対の載置レールの奥側の端部(背部フレーム834の側)に、折畳棚801の一方端が軸支(801d)されて回転可能に連結されており、折畳棚801はその中央部のヒンジ(801e)で奥側の棚板801aと手前の棚板801bが中折れ可能(M1)に構成されている。折畳棚801の前面先端801cと背面先端(不図示)は、斜め上方向に延設されている。これにより、卵容器Pの背面方向、前面方向への動きを規制できる。前面先端801cは、後述するように多軸ロボットアームの係止部の被係止部の機能を有する。
【0046】
(卵容器)
卵容器は、例えば、天面フラットパック、レギュラーパックなどで、収容卵数も、6個、10個、12個などがあるが、特に制限されない。特に明示しないかぎり、卵容器には所定の卵が充填されている。
【0047】
(卵容器積込みシステム)
図1A~1Cは、卵容器積込みシステム1の全体的な構成を示す。本実施形態のシステム1は、台車搬入と多軸ロボットアームによる積込部が2つ配置された積込みステーションとなっているが、本発明では台車搬入と多軸ロボットアームなどが1つ配置でもよく、3つ以上が配置されていてもよい。
【0048】
システム1は、上流側から搬送される卵容器Pを長手方向に直列に搬送するメイン搬送装置71を備える。この構成に制限されず、メイン搬送装置71は複数あってもよい。
システム1は、メイン搬送装置71で搬送されている卵容器Pを、第一卵容器搬送装置72aへ送り込む。第一振分搬送装置73aを備える。
メイン搬送装置71において、さらに、第一振分搬送装置73aより搬送上流側において、卵容器Pを第二卵容器搬送装置72bへ送り込むように、第二卵容器搬送装置72bへ送り込む第二振分搬送装置73bを備える。第一、第二振分搬送装置73a、73bは、その両方に卵容器Pの種別を判別する判別部75a、75bを備える。第一、第二振分搬送装置73a、73bの詳細については後述する。
判別部75a、75bは、例えば、卵容器Pに設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダー、画像撮像し画像解析して卵容器を識別する画像解析部、例えば光電センサによるフラットパックまたはレギュラーパックの識別を判別するセンサ識別部などで構成されていてもよい。2種類の異なる卵容器の積み込みを行う場合に、振分搬送装置で判別を行って振り分ける。
判別部75a、75bは、容器の数量をカウントするカウンターを有し、搬送されてきた全数量、種別ごとの数量、振り分ける数量、通過させる数量をそれぞれカウントするように構成される。同じ卵容器の積込みもロボットアームによる積込み処理状況に対応して、上流側と下流側の振り分け数量を制御してもよい。
【0049】
卵容器積込みシステム1は、卵容器の搬送・待機制御指令、判別部75a、75bとの相互連携および制御指令、台車8の搬入動作、卵容器積込み動作(容器搬送および多軸ロボットアーム動作、吸着把持・解除動作)、台車8の搬出動作への制御指令を行う統括動作制御部150を有する。
統括動作制御部150、判別部75a、75b、卵容器積込装置2、棚開放制御部などは、例えば、プロセッサやメモリなどのハードウエアと、制御内容を記述するプログラムとの協働で実現されていてもよく、専用回路、ファームウエアの組み合わせで実現されていてもよく、クラウド型、オンプレミス型のサーバや、汎用コンピュータで実現されていてもよい。
【0050】
(L字状レイアウト)
図1Aを参照しながら説明する。
第一卵容器搬送装置72aは、1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器Pのある第一待機領域W1を有する。所定の停止位置で停止できるように停止部が設けられている。搬送装置の一例として、特許6765151号の装置を採用してもよい。
第一多軸ロボットアーム21aは、その先端位置にある第一ハンド部211aに設けられる第一吸着把持部212aを有する。第一多軸ロボットアーム21aは、第一吸着把持部212aによって第一待機領域W1の卵容器Pを把持し、台車8の各折畳棚の上および卵容器の上に、把持された卵容器Pを移載する。多軸ロボットアームの積込み制御は後述する。
第一台車押出装置34は、最下段の棚板を展開した状態で第一卵容器輸送台車8を、第一多軸ロボットアーム21aと対向する遠位である第一台車搬入部30から、第一多軸ロボットアーム21aの近位である第一積込部38(積込み位置)まで直線的な第一搬入ラインL1に沿って搬送する。積込み位置において、多軸ロボットアームの積込みが実行される。
第一台車搬出装置36は、台車8aを第一積込部38から、第一搬入ラインL1と90°交差する方向(実質的に90°交差する方向であればよい)である第一搬出ラインL11に沿って台車搬出部39(搬出エリア)へ搬送する。
本実施形態では、第一卵容器搬送装置72aの第一待機領域W1と、第一多軸ロボットアーム21aと、第一積込部38とが、第一多軸ロボットアーム21aの本体軸ARを起点としてL字状に配置されている(第一L字状レイアウト)。
【0051】
第二多軸ロボットアーム21bは、その先端位置にある第二ハンド部211bに設けられる第二吸着把持部212bを有する。第二多軸ロボットアーム21bは、第二吸着把持部212bによって第二待機領域W2の卵容器Pを把持し、台車8の各折畳棚の上および卵容器の上に、把持された卵容器Pを移載する。
第二台車押出装置44は、最下段の棚板を展開した状態で第二卵容器輸送台車8を、第二多軸ロボットアーム21bと対向する遠位である第二台車搬入部40から、第二多軸ロボットアーム21bの近位である第二積込部48(積込み位置)まで直線的な第二搬入ラインL2に沿って搬送する。
第二台車搬出装置46は、台車8bを第二積込部48から、第二搬入ラインL2と90°交差する方向(実質的に90°交差する方向であればよい)である第二搬出ラインL21に沿って台車搬出部39(搬出エリア)へ搬送する。本実施形態では第二搬出ラインL21は、第一搬出ラインL11と真逆の方向となっており、搬出エリアが兼用になっている。
本実施形態では、第二卵容器搬送装置72bの第二待機領域W2と、第二多軸ロボットアーム21bと、第二積込部48とが、第二多軸ロボットアーム21bの本体軸ARを起点としてL字状に配置されている(第二L字状レイアウト)。
そして、図1Aで示すように、第一L字状レイアウトと第二L字状レイアウトが鏡像対称配置となっている。
【0052】
第一搬入ラインL1、第一積込部38、第一多軸ロボットアーム21aは、直線状に配置(直線レイアウト)されている。第二搬入ラインL2、第二積込部48、第二多軸ロボットアーム21bは、直線状に配置(直線レイアウト)されている。搬入から積込みまでのルートを最短に構成できる。第一、第二搬入ラインL1、L2は、入口側に直線状またはL字状の搬入ルートL0がさらに設けられている。搬入ルートL0は、手動でもよく搬送装置による自動搬送でもよい。
【0053】
台車送出装置391は、積込み済みの台車8aおよび/または台車8bを、台車搬出部39から第一、第二搬入ラインL1、L2と平行に配置される送出ラインL3に沿って送り出す。
台車搬出部39の出口に観音開き扉392a、392bが設けられており、台車送出装置391によって台車8を押し出して送出ラインL3で送り込まれるときに、台車8の手前フレームにあたり観音開き扉392a、392bも開く構造になっている。
送出ラインL3は、第一、第二搬入ラインL1、L2の間に配置される。送出ラインL3は、第一、第二搬入部の入口側と同じ遠位に、L字状の搬出ルートL31がさらに設けられていてもよい。搬送ルートL31は、手動でもよく搬送装置による自動搬送でもよい。
第一、第二搬入部30、40と送出ラインL3とが近位であればあるほど、作業性を向上させることができる。例えば、台車8の移動経路をコの字形とし、搬入と搬出を隣り合わせにすることで、作業性を向上し、更にコの字動線を合わせて山の字の動線(送出ルートを共通化)することで、専有スペースとコストを抑えつつ、処理能力を向上させることができる。
【0054】
別実施形態のレイアウトについて以下に説明する。
(並進対称配置)
図1Bを参照しながら説明する。図1Aと異なるのは、台車搬出部、台車搬出装置と送出ラインが兼用ではなく別に設けられている。
第二搬出ラインL21は、左から右の方向であり、その方向に第二台車搬出部39b、第二台車送出装置391bが設けられる。第二送出ラインL3bは第二搬入ラインL2と平行で逆向き(つまり第一送出ラインL3a)と平行で同じ向きとなっている。
[第一搬入ラインL1、第一積込部38、第一多軸ロボットアーム21a、第一待機領域W1、第一搬出ラインL11、第一台車搬出部39a、第一台車送出装置391a、第一送出ラインL3a]と、[第二搬入ラインL2、第二積込部48、第二多軸ロボットアーム21b、第二待機領域W2、第二搬出ラインL21、第二台車搬出部39b、第二台車送出装置391b、第二送出ラインL3b]とは、並進対称性を有するレイアウト構成である。
【0055】
(T字状レイアウト)
図1Cを参照しながら説明する。
卵容器積込みシステム1は、1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器Pのある第一待機領域W1を有する第一卵容器搬送装置72aと、第一待機領域W1の卵容器Pを把持する第一吸着把持部212aを有し、台車8の各折畳棚に、把持された卵容器Pを移載する第一多軸ロボットアーム21aと、最下段の棚板を展開した状態で台車8を、第一台車搬入装置300から、第一多軸ロボットアーム21aの近位である第一積込部38(積込み位置)まで、左から右へ直線的な第一搬入ラインL10に沿って搬送する第一台車押出装置340と、台車8aを第一積込部38から、第一搬入ラインL10と同じ方向である第一搬出ラインL11に沿って台車搬出部39へ搬送する第一台車搬出装置(不図示)とを備える。
第一搬入ラインL10と、第一積込部38と、第一搬出ラインL11と、第一多軸ロボットアーム21aとが、T字状に配置されている(第一T字状レイアウト)。
卵容器積込みシステム1は、1の卵容器または2以上の並列配置(長手方向に平行に並列配置)される卵容器Pのある第二待機領域W2を有する第二卵容器搬送装置72bと、第二待機領域W2の卵容器Pを把持する第二吸着把持部212bを有し、台車8の各折畳棚に、把持された卵容器Pを移載する、第二多軸ロボットアーム21bと、最下段の棚板を展開した状態で台車8を、第二台車搬入装置400から、第二多軸ロボットアーム21bの近位である第二積込部48(積込み位置)まで、第一搬入ラインL10と180度異なる方向(互いに衝突する方向)であって、右から左へ直線的な第二搬入ラインL20に沿って搬送する第二台車搬入装置440と、台車8bを第二積込部48から、第二搬入ラインL20と同じ方向である第二搬出ラインL21に沿って台車搬出部39へ搬送する第二台車搬出装置(不図示)と、を備える。
第二搬入ラインL20と、第二積込部48と、第二搬出ラインL21と、第二多軸ロボットアーム21bとが、T字状に配置されている(第二T字状レイアウト)。
システム1は、さらに、積込み済みの台車8aおよび/または台車8bを、台車搬出部39から第一、第二搬入ラインL10、L20と90度交差する方向の送出ラインL30に沿って送り出す台車送出装置391を備える。
【0056】
(別の直線、T字状レイアウト)
図4を参照しながら説明する。
第一卵容器搬送装置72aの第一待機領域W1が、第一多軸ロボットアーム21aと、第一積込部38との間に配置される。第一卵容器搬送装置72aの搬送方向は左から右であるがこれに制限されず、逆方向であってもよい。これにより、第一多軸ロボットアーム21a、第一待機領域W1、第一積込部38、第一台車搬入装置30が直線状に配置される。また、第一多軸ロボットアーム21a、第一待機領域W1、第一積込部38、第一台車搬入装置30、台車搬出部39が、第一積込部38を起点としてT字状に配置される(T字状レイアウト)。
同様に、第二卵容器搬送装置72bの第二待機領域W2が、第二多軸ロボットアーム21bと、第二積込部48との間に配置される。第二卵容器搬送装置72bの搬送方向は右から左であるがこれに制限されず、逆方向であってもよい。これにより、第二多軸ロボットアーム21b、第二待機領域W2、第二積込部48、第二台車搬入装置40が直線状に配置される。また、第二多軸ロボットアーム21b、第二待機領域W2、第二積込部48、第二台車搬入装置40、台車搬出部39が、第二積込部48を起点としてT字状に配置される(T字状レイアウト)。
【0057】
(台車搬入装置)
図1Aを参照し台車状態検出部について説明する。
第一台車搬入装置30は、搬入される台車8の、最下段の折畳棚の開放状態および台車の向き(前後方向)を検出するための第一台車状態検出部346を備えている。台車状態検出部346は、第一台車搬入装置30の搬入ルートの入口に設置される。
第二台車搬入装置40は、搬入される台車8の、最下段の折畳棚の開放状態および台車の向き(前後方向)を検出するための第二台車状態検出部446を備えている。台車状態検出部446は、第二台車搬入装置40の搬入ルートの入口に設置される。
第一、第二台車状態検出部346、446の検出結果は、動作制御部150へ送られ、動作制御部150は、最下段の折畳棚の開放状態および台車の向きが異常であるとの異常検出結果の場合に、警告を通知手段(点灯点滅などの光出力装置、モニター表示、警告音発信スピーカ、携帯端末へ警告送信など)へ指令してもよい。動作制御部150は、異常検出結果の場合に、第一、第二台車押出装置34、44による台車8の押し出し動作を制限するように制御してもよい。動作制御部150は、最下段の折畳棚の開放状態および台車の向きが正常であるとの正常検出結果の場合に、第一、第二台車押出装置34、44による台車8の押し出し動作を可能にするように制御してもよい。
第一、第二台車状態検出部346、446は、例えば、発光受光一対の光センサ、反射式光センサ、測距センサ、撮像手段および画像解析装置などで構成されている。
【0058】
(台車押出装置)
図3を参照し台車押出装置について説明する。
第一台車押出装置34は、例えば、台車8の下部フレームと当接する当接面を有する第一押出部341と、第一押出部341が移動する移動経路342(レール、溝であってもよい)と、第一押出部341を移動経路342に沿って移動させる駆動部(不図示、直動装置)とで構成されている。当接面を搬送方向に対し前方とした場合にその後方から第一押出部341が押されるとバネ手段(不図示)に抗して前方下方へ倒れ込み、この押され状態がなくなると、バネ手段によって倒れ状態から起き上がり原位置へ戻る構成である。これによって後方から台車8を第一台車搬入部30へ投入したときに、第一押出部341が邪魔になることがなく台車8をスムーズに投入できる。第二台車押出装置44も同様の構成である。
【0059】
(フレームガイド)
図1A図3(c)を参照し左右フレームガイドについて説明する。
システム1は、台車8の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、第一搬入ラインL1に沿って、台車8の左フレーム832を案内する第一左案内部31と、右フレーム833を案内する第一右案内部33とを備える。第一左案内部31は、両案内部間の間隔を可変とする第一移動機構32を備える。
システム1は、台車8の手前(前方)を前に、その奥(後方)を後ろにして搬送する際に、第二搬入ラインL2に沿って、台車8の左フレーム832を案内する第二左案内部と、右フレーム833を案内する第二右案内部とを備える。第二左案内部41は、両案内部間の間隔を可変とする第二移動機構42を備える。
第一、第二移動機構32、42は、例えば、電動やエア駆動のシリンダーによる位置変更機構である。
【0060】
図1C図3(c)を参照し前後フレームガイドについて説明する。
システム1は、台車8をその左から右へ横方向に搬送する際に、台車8の左右前方フレーム83、84に当接して案内する第一前フレーム案内部310と、左右後方フレーム834に当接して案内する第一後フレーム案内部330を備える。第一前フレーム案内部310は、両案内部間の間隔を可変とする移動機構320を備える。
システム1は、台車8をその右から左へ横方向に搬送する際に、台車8の左右前方フレーム83、84に当接して案内する第二前フレーム案内部410と、左右後方フレーム834に当接して案内する第二後フレーム案内部430を備える。第二前フレーム案内部410は、両案内部間の間隔を可変とする移動機構420を備える。
また、前フレームガイドおよび/または後フレームガイドは、第一搬出ラインL11に沿った方向に、第一積込部38から台車搬出部39に送り込むために設置されていてもよい。
【0061】
(キャスターガイド)
図3(b)を参照し左右前キャスターと左右後キャスターのガイドについて説明する。
システム1は、左右前のキャスターを結ぶ線と左右後のキャスターを結ぶ線が平行である台車8をその左右側面のいずれかの方向に搬送する際に、左右前キャスターを案内する第一前キャスター案内部343aと、左右後キャスターを案内する第一後キャスター案内部343bを備える。前後のキャスター間隔を可変する移動機構がさらに設けられていてもよい。
また、台車をその前後方向に搬送する場合に、左前後キャスターと右前後キャスターのガイドを設けていてもよい。
キャスター案内部は、凹部の溝が形成された単一フレームでもよく、キャスターを両サイドから挟む一対のガイドフレームで構成されていてもよい。
【0062】
(台車搬出部)
図1Aを参照し滞留状態検出部について説明する。
台車搬出部39は、台車搬出部39の内部に滞留している台車8があるか否かを検出するための滞留状態検出部392が設けられている。滞留状態検出部392の検出結果は、動作制御部150へ送られ、動作制御部150は、台車8があるとの検出結果の場合に、警告を通知手段(点灯点滅などの光出力装置、モニター表示、警告音発信スピーカ、携帯端末へ警告送信など)へ指令してもよい。動作制御部150は、台車8があるとの検出結果の場合に、第一、第二台車搬出装置36、46による台車8の送り出し動作を制限するように制御してもよい。動作制御部150は、台車8がないとの検出結果の場合に、第一、第二台車搬出装置36、46による台車8の送り出し動作を可能にするように制御してもよい。動作制御部150は、台車8があるとの検出結果の場合に、台車送出装置391で、送出ラインL3へ送り出すように制御してもよい。
滞留状態検出部392は、例えば、発光受光一対の光センサ、反射式光センサ、測距センサ、撮像手段および画像解析装置などで構成されていてもよい。
【0063】
(台車送出装置および搬出装置)
台車送出装置391、第一、第二台車搬出装置36、46は、例えば、エア駆動、油圧駆動または電動駆動の直動装置(シリンダー)で構成される。動作制御部150によって制御される。
【0064】
(棚開放装置)
図1D図2Aから2Dを参照しながら説明をする。
第一棚開放装置50は、背面512と前面511と両側面(不図示)を形成している第一フレーム本体510と、第一フレーム本体510の背面側で、上下方向に可動する第一棚開放ユニット51と、第一棚開放ユニット51を上下に駆動する第一棚開放ユニット駆動部513と駆動ベルト5131(歯付ベルト、チェーンでもよい)を備える。第二棚開放装置60も、第一棚開放装置を同様の構成であるため説明は省略する。
【0065】
第一棚開放ユニット51は、その左右側のそれぞれから前方へ向かって設けられる第一左腕フレーム52、第一右腕フレーム54と、第一左腕フレーム52の手前側に中央側へ向かって設けられる第一左腕先端フレーム53と、第一右腕フレーム54の手前側に中央側へ向かって設けられる第一右腕先端フレーム55とを備える。
第一左腕フレーム52の奥側に、第一左奥側面クランプ521、第一左奥側面クランプ521よりも手前側に第一左予備開放部522が設けられ、第一右腕フレーム54の奥側に、第一右奥側面クランプ541、第一右奥側面クランプ541の手前側に第一右予備開放部542が設けられ、第一左腕先端フレーム53に、奥側へ向かって、第一左前面クランプ531が設けられ、第一右腕先端フレーム55に、奥側へ向かって、第一右前面クランプ551が設けられている。
第一棚開放ユニット51は、第一左腕フレーム52と第一右腕フレーム54とで形成される平行した間隔を拡縮できるように少なくとも一方が第一棚開放ユニット51に対して移動できるように駆動部524を備えている。本実施形態では第一左腕フレーム52が移動する構成である。
左右一対の第一左奥側面クランプ521、第一右奥側面クランプ541は、第一棚開放ユニット51と共に上下移動可能に設けられる。それらは、台車8の左右側面フレームの後方側の左支柱81と、右支柱82とを、棚中央側に向かって押圧して規制する。
左右一対の第一左前面クランプ531、第一右前面クランプ551は、第一棚開放ユニット51と共に上下移動可能に設けられる。第一左前面クランプ531は、台車8の左右前面フレームの左前支柱83と、右前支柱84を奥側に向かって押圧して規制する。
左右一対の第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562は、第一棚開放ユニット51と共に上下移動可能に設けられる。第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562は、例えば、吸引パッド、吸引管、真空ポンプなどで構成される。前後方向に移動するためのエア駆動部5611(電動駆動部でもよい)を備えている。
左右一対の第一左予備開放部522、第一右予備開放部542は、第一棚開放ユニット51と共に上下移動可能に設けられる。第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562で傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚(801)の中折れで形成される鋭角の開き状態(M2)を大きくする(初期の0度から、例えば10度から30度に広げる、予備開放状態)ために、棚板の左右両方の側面(左側面、右側面)に当接させて当該中折れの隙間に挿入される動作をする。
【0066】
左右間隔駆動部524、各クランプおよび予備開放部は、エア駆動直動装置または電動駆動直動装置を備える。
【0067】
第一棚開放装置50は、第一棚開放制御部(不図示)を有する。システム1から、台車8の種別の情報など必要な情報を受信してもよく、別装置から必要な情報を受信してもよく、手入力されてもよい。
第一棚開放制御部は、第一棚開放ユニット駆動部513、5131に指令し、第一棚開放ユニット51の上下移動を制御する。また、第一棚開放制御部は、左右間隔駆動部524に指令し、第一左腕フレーム52と第一右腕フレーム54の間隔を調整する。また、第一棚開放制御部は、第一左、第一右奥側クランプ駆動部5211、5411に指令し、第一左奥側面クランプ521、第一右奥側面クランプ541のクランプ動作を制御する。また、第一棚開放制御部は、第一左、第一右前面クランプ駆動部532、552に指令し、第一左前面クランプ531、第一右前面クランプ551のクランプ動作および第一左開放ストッパ部(533)、第一右開放ストッパ部(553)のストッパ動作を制御する。第一棚開放制御部は、第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562に指令し、折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚301を、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように、吸着して後方に引く動作を制御する。また、第一棚開放制御部は、第一左、第一右予備開放駆動部5221、5421に指令し、第一左予備開放部522、第一右予備開放部542で折畳棚を予備開放状態にする動作を制御する。
【0068】
(棚開放動作)
動作制御部150は、第一棚開放制御部による棚開放動作と連動し、第一多軸ロボットアームを制御する。
まず、図2A(b)に示すように、台車8が積込み位置に配置される。
次に、図2A(c)に示すように、それぞれの駆動部に指令し、第一左奥側面クランプ521、第一右奥側面クランプ541で、各支柱をクランプし、駆動部532、552に指令し、第一左前面クランプ531、第一右前面クランプ551で各支柱をクランプする。
次に、図2B(d)および(e)に示すように、第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562に指令し、折畳状態位置(M1)で中折れ状態にある折畳棚801を吸引し、載置レールに対して傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にするように、後方に引く。
次に、図2B(f)に示すように、傾斜状態あるいは片持ち上げ状態にある折畳棚801の中折れで形成される鋭角の開き状態(M2)を大きくする(予備開放状態にする)ために、棚板の左右両方の側面(左側面、右側面)に、第一左当接部522a、第一右当接部542aを当接させて当該中折れの隙間に挿入する。
次に、図2C(g)に示すように、第一多軸ロボットアーム21aに指令し、予備開放された状態にある折畳棚801の被係止部(前方側の棚板フレーム801c)を係止手段213aで係止する。第一多軸ロボットアーム21aは、ハンド部211aに係止手段213a(例えば、フックで引掛ける手段)を備える。
次に、図2C(h)および(i)に示すように、第一左傾斜形成部561、第一右傾斜形成部562の折畳棚への吸着を解除し、および、第一左予備開放部522、第一右予備開放部542を原位置で戻し、その後で第一多軸ロボットアーム21aに指令し、引掛けた状態のまま折畳板を手前側に開放(展開)させる。
次に、図2D(j)に示すように、折畳棚301が完全に開放(展開)する前に、被係止部(前方側の棚板フレーム801c)が第一左、第一右開放ストッパ部533、553に当接させ、係止手段213aをフレーム801cから外す。完全に展開する前に意図的に外すことで、係止部の引っ掛かりが予期せず外れて載置レールへの落下や、落下による衝突音の発生を無くせる。
次に、図2D(k)に示すように、第一左奥側面クランプ521、第一右奥側面クランプ541、第一左前面クランプ531、第一右前面クランプ551、第一左開放ストッパ部533、第一右開放ストッパ部553を解除して原位置へ戻す。クランプおよびストッパ部を原位置へ戻すことで、折畳棚板も完全に開放(展開)される。
【0069】
(振分搬送装置)
図5を参照し第一振分搬送装置73aについて説明する。なお、第二振分搬送装置73bも同様の構成を有する。
第一振分搬送装置73aは、メイン搬送装置71を搬送している卵容器Pを長手方向(第一辺)と直交する短手方向(第二辺)に平行に第一卵容器搬送装置72aへ送り込む。
上流側検出部701aは、第一振分搬送装置73a、それより上流のメイン搬送装置71側の所定位置に設けられ、卵容器を検出する。上流側検出部701aは、例えば、発光受光一対の光センサ、反射式光センサ、測距センサ、撮像手段および画像解析装置などで構成されていてもよい。
第一振分搬送装置73aは、4つの当接送出部731がそれぞれ等間隔に設けられる無端ベルトの回転体732、733と、回転体732、733を張設する一対のロール734、735と、ロールの一方が駆動ロール735で構成され、残りは自由回転する受動ロールで構成され、駆動ロール735を回転させる駆動装置736を備える。駆動装置736は、例えば、位置決めモータで構成され、卵容器のサイズおよび/またはその重量に応じて、卵容器の送出しタイミング、卵容器Pの送出し量および/送出し速度(加減速)を制御する。駆動装置736は、矢印の方向に一方方向に回転する。駆動装置736は、上流側検出部701aによる検出から所定のタイミング、つまり卵容器Pが送出位置W5にきたら、送出し量分回転する。これにより、当接送出部731は、搬送している状態の卵容器の搬送方向と平行側である長手方向(第一辺側)の側面に当接して、メイン搬送装置71aから第一卵容器搬送装置72aへ送り出す。渡り部材739は、第一振分搬送装置73aとメイン搬送装置71との間に設けられているが、あってもなくてもよい。
第一卵容器搬送装置72aは、卵容器Pの搬送方向に沿って、卵容器Pの短手方向の一方を案内する第一容器ガイド部731と、および卵容器Pの短手方向の他方を案内する第二容器ガイド部732とを備える。移動機構733は、第二容器ガイド部732を移動し、第一、第二容器ガイド部731、732の両者間の間隔を変更する。移動機構733は、システムの統括制御部150または上流側の装置などから卵容器のサイズや重量の情報を受信し、自動で移動することができる。移動機構733は、例えば、エア、電動、油圧駆動の直動装置で構成されていてもよい。
【0070】
(積込み制御装置)
卵容器積込みシステム1は、複数種類の積込みパターンが可能な積込み制御装置2を備えていてもよい。
卵容器積込みシステム1は、第一、第二多軸ロボットアーム21a、21bで、卵容器輸送台車8へ卵容器の積込みを制御する積込み制御装置2を備えていてもよい。
前記積込み制御装置2は、少なくとも1以上の積込みパターンおよび前記多軸ロボットアーム21の動作を予め設定する、積込み動作設定部22と、前記積み込み動作設定部22で設定された積込みパターンに対応して、前記多軸ロボットアーム21の先端位置にあるハンド部211に設けられる吸着把持部212で1つ以上の卵容器を把持し、卵容器輸送台車8の少なくとも1つの棚(折畳棚であってもそうでなくてもよい)に移載するように、前記多軸ロボットアーム21および前記吸着把持部212の動作を制御する、積込制御部23と、
少なくとも2以上の積込みパターンから任意の積込みパターンを(オペレータが選択指示あるいは搬送コンベアに待機している卵容器に対応して自動的に)切り替える、積込みパターン切替制御部24と、を備えていてもよい。タッチパネル式のオペレータ操作入力手段25を備えていてもよい。
前記積込制御部23は、
棚ごとの複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)を吸着把持し、積込みパターンに対応する所定の第一位置において、すべての卵容器の吸着を解除して載置し(ステップa)、当該載置した少なくとも3つ以上または4つ以上の卵容器(A)よりも少ない数の卵容器(B)を再び吸着把持して、当該第一位置とは異なる別の第二位置に移動して吸着を解除して載置(再配置)する(ステップb)ように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。この再配置を「分割再配置」と呼ぶ。
「吸着を解除して載置」する動作は、吸着把持部の高さ方向の移動として下降動作がなくてもよい。吸着把持している卵容器の底部が、それよりも下方の棚または卵容器に接触する前に吸着把持を解除してもよい。
「再び吸着把持」する動作において、先に吸着していた位置と異なる位置で再吸着把持することであってもよい。
ステップaとステップbの間(分割再配置の途中の段階)に、別の複数の卵容器を待機位置(搬送コンベアの待機位置)から吸着把持し、第一、第二位置とは異なる位置に載置させてもよい。つまり、ステップaとステップbの間に別の載置動作を行ってもよい。
【0071】
前記積込制御部23は、
複数段積みのうち少なくとも1段の複数の積込みステップのうちいずれかのステップにおいて、積付けパターンによって生じる卵容器と卵容器との隙間であって、卵容器の短手方向の長さよりも短い長さを有する隙間に、卵容器を押し込むように載置する(高さ方向で容器底から途中の高さまでその隙間に嵌め込む)ように、前記多軸ロボットアーム21および前記吸着把持部212の動作を制御してもよい。
隙間を卵容器で埋めることで、移送中の卵容器の移動を無くし、かつ収納個数を増加できる。
【0072】
前記積込制御部23は、
棚ごとの複数段積みにおいて、1段目の積込みパターンと他の段の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアーム21および前記吸着把持部212の動作を制御してもよい。
前記積込制御部23は、
台車の複数の棚ごとの複数段積みにおいて、第一棚の積込みパターンと他の棚の積込みパターンが同じまたは異なるように、前記多軸ロボットアーム21および前記吸着把持部212の動作を制御してもよい。
同じ種類の卵容器または異なる種類の卵容器であって、同じまたは異なる積込みパターンとなるようにしてもよい。
【0073】
前記積込制御部23は、
棚ごとの複数段積みにおいて、任意の段目の積込みパターンが完成する前に、次の段目の積込みパターンを開始するように、前記多軸ロボットアームおよび前記吸着把持部の動作を制御してもよい。例えば、1段目の積込みパターンのうち半数を載置し(例えば、奥側載置領域)、その載置された卵容器の上に次の2段目の卵容器を載置し、さらに2段目の卵容器の上に次の3段目の卵容器を載置し、同様に4段目も同様に載置してもよい。1段目の積込みパターンのうち載置されていない残りの積込みパターンの位置(手前側載置領域)に卵容器を載置し、その載置された卵容器の上に次の2段目の卵容器を載置し、さらに2段目の卵容器の上に次の3段目の卵容器を載置し、同様に4段目も同様に載置してもよい。
1段の積込みパターンの内、奥側の積込みパターンと手前側の積込みパターンとが、同じでもよく、異なる積込みパターンであってもよい。
奥側の積込みパターンと手前側の積込みパターンにおいて、同じ種類の卵容器または異なる種類の卵容器であってもよい。
【0074】
(積込みパターン)
台車の手前側と奥側の載置領域について規定する。
積込みパターンは、台車の奥側領域で、卵容器の長手方向と平行方向となるように横に載置(「横置き」ともいう。)する奥側横載置と、手前領域で、奥側横載置と直交する方向となるように縦に載置(「縦置き」ともいう。)する手前側縦載置と、を含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、台車の奥側領域で、卵容器の短手方向と平行方向となるように縦に載置する奥側縦載置と、手前領域で、奥側縦載置と直交する方向となるように横に載置する手前側横載置と、を含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側縦載置と手前側縦載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側横載置と手前側横載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、奥側の一部が縦載置で、残りが横載置とを含むパターンであってもよい。
積込みパターンは、手前の一部が縦載置で、残りが横載置とを含むパターンであってもよい。
【0075】
(多軸ロボットアーム)
先端のハンド部211は、アーム先端に取り付けられ、吸着把持部212を固定する固定部を有する。
吸着把持部212は、例えば、負圧吸着する吸着パットを複数有する。
真空ポンプ(あるいはブロワー)と負圧用管を介して吸着パッドが接続され、空気を吸引することで、吸着パッドに、それと接触する卵容器を把持できる吸引力を生じさせる。複数の吸着パッドの全て、それぞれまたは複数個単位で、「吸引、吸引停止(吸着状態)、吸引解除(大気圧に戻す)」の動作が可能に、配管、開閉弁などが構成され制御されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 卵容器積込みシステム
2 卵容器積込み装置
21a 第一多軸ロボットアーム
211a 第一ハンド部
212a 第一吸着把持部
30 第一台車搬入装置
32 第一移動機構
34 第一台車押出装置
36 第一台車搬出装置
38 第一積込部
39 台車搬出部
50 第一棚開放装置
52 第一左腕フレーム
53 第一左腕先端フレーム
54 第一右腕フレーム
55 第一右腕先端フレーム
510 第一フレーム本体
521 第一左奥側面クランプ
541 第一右奥側面クランプ
531 第一左前面クランプ
533 第一左開放ストッパ部
551 第一右前面クランプ
553 第一右開放ストッパ部
561 第一左傾斜形成部(吸着ユニット)
562 第一右傾斜形成部(吸着ユニット)
522 第一左予備開放部
542 第一右予備開放部
72a 第一卵容器搬送装置
60 第二棚開放装置
8 卵容器輸送台車
L1 第一搬入ライン
P 卵容器
W1 第一待機領域
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5