(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022891
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】軸受および減速機
(51)【国際特許分類】
F16C 33/60 20060101AFI20230209BHJP
F16C 19/16 20060101ALI20230209BHJP
F16H 1/28 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
F16C33/60
F16C19/16
F16H1/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021127952
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 健一郎
【テーマコード(参考)】
3J027
3J701
【Fターム(参考)】
3J027FA36
3J027FB40
3J027FC13
3J027GA01
3J027GB05
3J027GC22
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3J027GE01
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3J701AA02
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3J701FA53
3J701GA11
(57)【要約】
【課題】複数の異なる回転軸を有する装置を軸方向に小型化することが可能な軸受を提供する。
【解決手段】軸受は、第1軌道面を内周面に有する第1軌道輪と、第1軌道面に対して径方向に対向する第2軌道面を外周面に有し、複数の第1貫通穴が周方向に並べて形成され、複数の第1貫通穴を取り囲む複数の第3軌道面を有する第2軌道輪と、第3軌道面に対して径方向に対向する第4軌道面を外周面に有する複数の第3軌道輪と、第1軌道面および第2軌道面に沿う円環状の軌道上に配置される複数の第1転動体と、第3軌道面および第4軌道面に沿う円環状の軌道上に配置される複数の第2転動体と、を備える。第1軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第1鋼板を含む。第2軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第2鋼板を含む。第3軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第3鋼板を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状の第1軌道面を内周面に有する第1軌道輪と、
前記第1軌道面に対して径方向に対向する円環状の第2軌道面を外周面に有し、軸方向に貫通する複数の第1貫通穴が周方向に並べて形成され、前記複数の第1貫通穴を取り囲む円環状の複数の第3軌道面を有する第2軌道輪と、
前記第3軌道面に対して前記径方向に対向する円環状の第4軌道面を外周面に有する複数の第3軌道輪と、
前記第1軌道面および前記第2軌道面に沿う円環状の軌道上に前記第1軌道面および前記第2軌道面に接触するように配置される複数の第1転動体と、
前記第3軌道面および前記第4軌道面に沿う円環状の軌道上に前記第3軌道面および前記第4軌道面に接触するように配置される複数の第2転動体と、を備え、
前記第1軌道輪は、前記軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第1鋼板を含み、
前記第2軌道輪は、前記軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第2鋼板を含み、
前記第3軌道輪は、前記軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第3鋼板を含む、軸受。
【請求項2】
前記一対の第1鋼板、前記一対の第2鋼板および前記一対の第3鋼板のうち少なくともいずれかは、凸部および凹部の嵌め合いにより互いに固定されている、請求項1に記載の軸受。
【請求項3】
前記軸方向に前記第2軌道輪と重ねて配置される固定板と、
前記第2軌道輪を前記固定板に固定するボルトであって、前記軸方向に延びる軸部を有し、前記軸部の外周面に雄ねじが形成された前記ボルトと、をさらに備え、
前記第2軌道輪には、前記軸方向に貫通するとともに前記軸部が挿入される第3貫通穴が形成されており、
前記固定板には、前記軸部が挿入されるとともに前記雄ねじと噛み合う雌ねじ穴が形成されている、請求項1または請求項2に記載の軸受。
【請求項4】
前記第2軌道輪には、前記軸方向に貫通する第2貫通穴が、前記複数の第1貫通穴よりも前記径方向の内側に形成されており、
前記第2軌道輪は、前記第2貫通穴を取り囲む円環状の第5軌道面を有しており、
前記第5軌道面に対して前記径方向に対向する円環状の第6軌道面を外周面に有する第4軌道輪と、
前記第5軌道面および前記第6軌道面に沿う円環状の軌道上に前記第5軌道面および前記第6軌道面に接触するように配置される複数の第3転動体と、をさらに備え、
前記第4軌道輪は、前記軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第4鋼板を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受。
【請求項5】
外周面に周方向に沿って並ぶ複数の外歯を有する太陽歯車と、
前記太陽歯車を取り囲むように前記周方向に並べて配置され、外周面に前記周方向に沿って並ぶとともに前記太陽歯車の前記複数の外歯に噛み合う複数の外歯を有する遊星歯車と、
内周面に前記周方向に沿って並ぶと共に前記遊星歯車の前記複数の外歯に噛み合う複数の内歯を有し、前記太陽歯車および前記遊星歯車が収容される空間が形成された円環状の内歯歯車と、
前記内歯歯車を前記軸方向に挟む第1軸受および第2軸受と、を備え、
前記第1軸受および前記第2軸受は、請求項4に記載の軸受であり、
前記第4軌道輪は、前記太陽歯車と回転軸が一致するように前記太陽歯車に固定されており、
前記第3軌道輪は、前記遊星歯車と回転軸が一致するように前記遊星歯車に固定されており、
前記第1軌道輪は、前記内歯歯車と中心軸が一致するように前記内歯歯車に固定されている、減速機。
【請求項6】
前記第1軸受の前記第3軌道輪と前記遊星歯車との間に配置される環状の第1スペーサと、
前記第2軸受の前記第3軌道輪と前記遊星歯車との間に配置される環状の第2スペーサと、をさらに備えた、請求項5に記載の減速機。
【請求項7】
前記第1軸受の前記第2軌道輪と前記第2軸受の前記第2軌道輪との間に配置される第3スペーサをさらに備えた、請求項5または請求項6に記載の減速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軸受およびこれを備えた減速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊星歯車機構を備えた減速機について知られている。この種の技術が、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された遊星歯車減速機では、遊星歯車を遊星キャリアに対して回転可能に支持する軸受と、遊星キャリアを内歯歯車に対して回転可能に支持する軸受とがそれぞれ配置されている。これらの軸受は、減速機の回転軸を含む断面において、回転軸が延びる方向に並べて配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2507561号公報
【特許文献2】国際公開第2003/050435号
【特許文献3】国際公開第2021/060489号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、特許文献1では、遊星歯車を支持する軸受と遊星キャリアを支持する軸受とが軸方向に並べて配置されているため、これらの軸受の厚みに応じて減速機が軸方向に厚くなる。したがって、従来では、例えば遊星歯車減速機のような複数の異なる回転軸を有する装置を、軸方向に小型化するのが困難という課題がある。
【0006】
本開示の目的は、複数の異なる回転軸を有する装置を軸方向に小型化することが可能な軸受およびこれを備えた減速機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従った軸受は、円環状の第1軌道面を内周面に有する第1軌道輪と、第1軌道面に対して径方向に対向する円環状の第2軌道面を外周面に有し、軸方向に貫通する複数の第1貫通穴が周方向に並べて形成され、複数の第1貫通穴を取り囲む円環状の複数の第3軌道面を有する第2軌道輪と、第3軌道面に対して径方向に対向する円環状の第4軌道面を外周面に有する複数の第3軌道輪と、第1軌道面および第2軌道面に沿う円環状の軌道上に第1軌道面および第2軌道面に接触するように配置される複数の第1転動体と、第3軌道面および第4軌道面に沿う円環状の軌道上に第3軌道面および第4軌道面に接触するように配置される複数の第2転動体と、を備える。第1軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第1鋼板を含む。第2軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第2鋼板を含む。第3軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第3鋼板を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数の異なる回転軸を有する装置を軸方向に小型化することが可能な軸受およびこれを備えた減速機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る遊星歯車減速機の外観構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る遊星歯車減速機の内部構造を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る遊星歯車減速機の分解斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1中の線分IV-IVに沿った断面図である。
【
図7】
図7は、第2軌道輪の第1固定板への取り付けを説明するための斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る遊星歯車減速機の使用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
本開示に従った軸受は、円環状の第1軌道面を内周面に有する第1軌道輪と、第1軌道面に対して径方向に対向する円環状の第2軌道面を外周面に有し、軸方向に貫通する複数の第1貫通穴が周方向に並べて形成され、複数の第1貫通穴を取り囲む円環状の複数の第3軌道面を有する第2軌道輪と、第3軌道面に対して径方向に対向する円環状の第4軌道面を外周面に有する複数の第3軌道輪と、第1軌道面および第2軌道面に沿う円環状の軌道上に第1軌道面および第2軌道面に接触するように配置される複数の第1転動体と、第3軌道面および第4軌道面に沿う円環状の軌道上に第3軌道面および第4軌道面に接触するように配置される複数の第2転動体と、を備える。第1軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第1鋼板を含む。第2軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第2鋼板を含む。第3軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第3鋼板を含む。
【0011】
上記軸受によれば、第3軌道輪を第1回転部材(例えば、遊星歯車減速機における遊星歯車)に対して軸方向に重ねて配置するとともに当該第1回転部材に固定することにより、当該第1回転部材の自転に伴って第3軌道輪が第2転動体を介して第2軌道輪に対して周方向に相対的に回転する。一方、当該第1回転部材の公転に伴って第3軌道輪が公転し、第2軌道輪が第3軌道輪によって周方向に押されることにより、第2軌道輪が第1転動体を介して第1軌道輪に対して周方向に相対的に回転する。上記軸受によれば、第3軌道輪を第2軌道輪に対して周方向に回転させるための転動体(第2転動体)と第2軌道輪を第1軌道輪に対して周方向に回転させるための転動体(第1転動体)とが、回転軸に垂直な同一の平面上に位置する。したがって、上記軸受によれば、従来に比べて、複数の異なる回転軸を有する装置を軸方向に小型化することができる。しかも、第1~第3軌道輪は、軸方向に重ねて配置される一対の鋼板を含むため、軸受をより製造し易くなる。
【0012】
上記軸受において、一対の第1鋼板、一対の第2鋼板および一対の第3鋼板のうち少なくともいずれかは、凸部および凹部の嵌め合いにより互いに固定されていてもよい。この構成によれば、軸受の組立時において、一対の鋼板同士を仮止めすることができる。
【0013】
上記軸受において、軸方向に第2軌道輪と重ねて配置される固定板と、第2軌道輪を固定板に固定するボルトであって、軸方向に延びる軸部を有し、軸部の外周面に雄ねじが形成されたボルトと、をさらに備えていてもよい。第2軌道輪には、軸方向に貫通するとともに上記軸部が挿入される第3貫通穴が形成されていてもよい。固定板には、上記軸部が挿入されるとともに雄ねじと噛み合う雌ねじ穴が形成されていてもよい。
【0014】
第2鋼板自体に雌ねじ穴を形成する場合、焼入れ前の第2鋼板に雌ねじ穴を形成すると、焼入れ後に雌ねじの形状が変化し、固定ボルトの雄ねじと噛み合わなくなる場合がある。一方、焼入れ後の第2鋼板は、硬度が高いため、雌ねじ穴を形成するのは困難である。これに対し、雌ねじ穴が形成された固定板を第2軌道輪に重ねて配置することにより、第2鋼板自体に雌ねじ穴を形成しなくても、一対の第2鋼板同士が分離するのを抑制することができる。
【0015】
上記軸受において、第2軌道輪には、軸方向に貫通する第2貫通穴が、複数の第1貫通穴よりも径方向の内側に形成されていてもよい。第2軌道輪は、第2貫通穴を取り囲む円環状の第5軌道面を有していてもよい。上記軸受は、第5軌道面に対して径方向に対向する円環状の第6軌道面を外周面に有する第4軌道輪と、第5軌道面および第6軌道面に沿う円環状の軌道上に第5軌道面および第6軌道面に接触するように配置される複数の第3転動体と、をさらに備えていてもよい。第4軌道輪は、軸方向に重ねて配置される円環状の一対の第4鋼板を含んでいてもよい。この構成によれば、第4軌道輪を第2回転部材(例えば、遊星歯車減速機の太陽歯車)に対して軸方向に重ねて配置するとともに当該第2回転部材に固定することにより、当該第2回転部材の回転に伴って第3転動体を介して第4軌道輪を第2軌道輪に対して周方向に相対的に回転させることができる。
【0016】
本開示に従った減速機は、外周面に周方向に沿って並ぶ複数の外歯を有する太陽歯車と、太陽歯車を取り囲むように周方向に並べて配置され、外周面に周方向に沿って並ぶとともに太陽歯車の複数の外歯に噛み合う複数の外歯を有する遊星歯車と、内周面に周方向に沿って並ぶと共に遊星歯車の複数の外歯に噛み合う複数の内歯を有し、太陽歯車および遊星歯車が収容される空間が形成された円環状の内歯歯車と、内歯歯車を軸方向に挟む第1軸受および第2軸受と、を備える。第1軸受および第2軸受は、上記軸受である。第4軌道輪は、太陽歯車と回転軸が一致するように太陽歯車に固定されている。第3軌道輪は、遊星歯車と回転軸が一致するように遊星歯車に固定されている。第1軌道輪は、内歯歯車と中心軸が一致するように内歯歯車に固定されている。
【0017】
上記減速機によれば、遊星歯車の自転に伴って第3軌道輪が第2転動体を介して第2軌道輪に対して周方向に相対的に回転する。一方、遊星歯車の公転に伴って第3軌道輪が公転し、第2軌道輪が第3軌道輪によって周方向に押されることにより、第2軌道輪が第1転動体を介して第1軌道輪に対して周方向に相対的に回転する。すなわち、第2軌道輪が、遊星キャリア(出力軸)として回転する。上記減速機では、遊星歯車を回転させるための第2転動体と遊星キャリア(第2軌道輪)を回転させるための第1転動体とが、回転軸に垂直な同一の平面上に位置する。したがって、従来の遊星歯車減速機に比べて軸方向に小型化することができる。
【0018】
上記減速機は、第1軸受の第3軌道輪と遊星歯車との間に配置される環状の第1スペーサと、第2軸受の第3軌道輪と遊星歯車との間に配置される環状の第2スペーサと、をさらに備えていてもよい。この構成によれば、第3鋼板が軸方向の内向きに変形するのを、第1および第2スペーサにより抑制することができる。
【0019】
上記減速機は、第1軸受の第2軌道輪と第2軸受の第2軌道輪との間に配置された第3スペーサをさらに備えていてもよい。この構成によれば、第2鋼板が軸方向の内向きに変形するのを、第3スペーサにより抑制することができる。
【0020】
[実施形態の具体例]
次に、本開示の減速機および軸受の具体的な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0021】
まず、本実施の形態に係る減速機および軸受の構成を、
図1~
図8に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係る減速機100の外観構造を示す斜視図である。
図2は、減速機100の内部構造を示す斜視図である。
図3は、減速機100の分解斜視図である。
図4は、
図1中の線分IV-IVに沿った減速機100の断面図である。
図5は、本実施の形態に係る軸受(第1軸受1)の分解斜視図である。
図6は、第1軸受1の第3軌道輪30の分解斜視図である。
【0022】
減速機100は、遊星歯車機構を備えた減速機である。
図3に示すように、減速機100は、太陽歯車3と、複数(本実施の形態では3つ)の遊星歯車4と、内歯歯車5と、第1軸受1と、第2軸受2とを主に備えている。以下、これらの構成要素をそれぞれ詳細に説明する。
【0023】
太陽歯車3は、円筒形状を有しており、外周面に周方向に沿って並ぶ複数の外歯3Aを有している(
図2)。
図4に示すように、太陽歯車3は、減速機100の中心軸C1が中空部3Bを通過するように、径方向D2の中心に配置されている。太陽歯車3の円筒部は、第2軸受2の軸方向D1の外面よりも軸方向D1の外側まで延びている。なお、外歯3Aの形状や数は特に限定されない。
【0024】
図3に示すように、複数の遊星歯車4は、太陽歯車3を取り囲むように周方向に並べて配置されている。より具体的には、本実施の形態では、複数の遊星歯車4は、周方向に等間隔(120°の間隔)で配置されている。遊星歯車4は、太陽歯車3よりも径が大きい円環形状を有しており、外周面に周方向に沿って並ぶ複数の外歯4Aを有している(
図2)。
図2に示すように、太陽歯車3の複数の外歯3Aと遊星歯車4の複数の外歯4Aとは、互いに噛み合っている。なお、外歯4Aの形状や数は特に限定されず、遊星歯車の数も特に限定されない。
【0025】
図2に示すように、内歯歯車5は、太陽歯車3および複数の遊星歯車4が収容される空間が形成された円環状の部材である。
図4に示すように、内歯歯車5の軸方向D1の長さは、遊星歯車4の軸方向D1の長さと略同じである。
図2に示すように、内歯歯車5は、内周面に周方向に沿って並ぶ複数の内歯5Aを有している。遊星歯車4の複数の外歯4Aと内歯歯車5の複数の内歯5Aとは、互いに噛み合っている。
図3に示すように、内歯歯車5には、軸方向D1に貫通する複数の貫通穴5Bが周方向に間隔を空けて形成されている。内歯歯車5は、太陽歯車3および複数の遊星歯車4とともに、減速機100における歯車部を構成している。なお、内歯5Aの形状や数は特に限定されない。
【0026】
図3に示すように、内歯歯車5は、第1軸受1および第2軸受2と略同径であり、第1軸受1および第2軸受2により軸方向D1に挟まれている。ここで、第1軸受1および第2軸受2の構成を詳細に説明する。
【0027】
図1は、減速機100を第1軸受1側から見た斜視図である。
図1に示すように、第1軸受1は、第1軌道輪10と、第2軌道輪20と、複数(本実施の形態では3つ)の第3軌道輪30と、第4軌道輪40とを含む。第1軌道輪10は、円環形状を有しており、軸方向に貫通する複数の貫通穴が周方向に間隔を空けて形成されている。第1軌道輪10は、円環状の第1軌道面11Aを内周面に有している。第1軌道輪10は、内歯歯車5と中心軸が一致するように当該内歯歯車5に固定されている。
【0028】
図5に示すように、第1軌道輪10は、軸方向D1に重ねて配置される円環状の一対の第1鋼板11を含む。第1鋼板11は、プレス成形により成形された薄い鋼板である。一対の第1鋼板11は、外径および内径が略同じであり、凸部および凹部の嵌め合いにより互いに固定されている。具体的には、
図5に示すように、一方の第1鋼板11のうち軸方向D1を向く端面に、他方の第1鋼板11に向かって軸方向D1に突出する円柱状の凸部81Aが形成されている。一方、当該他方の第1鋼板11には、当該凸部81Aが嵌り合う凹部82A(軸方向D1に見て円形の貫通穴)が形成されている。
図4に示すように、第1鋼板11の内周面は、中心軸C1を含む断面において円弧状の曲面となっており、第1軌道面11Aを構成している。ここで、第1軌道面11Aには、鍛流線の端部が露出していないため、第1軌道面11Aの強度は高くなっている。なお、第1軌道輪10を構成する第1鋼板11の枚数は、3枚以上であってもよい。
【0029】
図1に示すように、第2軌道輪20は、第1軌道輪10の内径よりも小さい外径を有する円環状の部材であり、第1軌道輪10よりも径方向の内側に配置されている。第2軌道輪20は、第1軌道面11Aに対して径方向に対向する円環状の第2軌道面21Aを外周面に有している。第2軌道面21Aには、第1軌道面11Aと同様に、鍛流線の端部が露出していない。
【0030】
第2軌道輪20には、軸方向D1に貫通する複数(本実施の形態では3つ)の第1貫通穴81が周方向に並べて形成されている。第1貫通穴81は、軸方向D1に見て円形の穴であり、第3軌道輪30が配置されている。第2軌道輪20は、複数の第1貫通穴81を取り囲む円環状の複数(本実施の形態では3つ)の第3軌道面21Bを有している。第3軌道面21Bには、第1および第2軌道面と同様に、鍛流線の端部が露出していない。なお、第1貫通穴81の数は、遊星歯車4の数と同じである。
【0031】
図1に示すように、第2軌道輪20には、軸方向D1に貫通する第2貫通穴82が、複数の第1貫通穴81よりも径方向の内側に形成されている。より具体的には、第2貫通穴82は、軸方向D1に見て円形の穴であり、その中心を中心軸C1(
図4)が通過する。第2貫通穴82は、第1貫通穴81よりも小径の穴であり、第4軌道輪40が配置されている。第2軌道輪20は、第2貫通穴82を取り囲む円環状の第5軌道面21Cを有している。第5軌道面21Cには、第1~第4軌道面と同様に、鍛流線の端部が露出していない。
【0032】
図5に示すように、第2軌道輪20は、軸方向D1に重ねて配置される円環状の一対の第2鋼板21を含む。第2鋼板21は、第1鋼板11と同様に、プレス成形により成形された薄い鋼板である。第2鋼板21には、第1貫通穴81および第2貫通穴82(
図1)に対応する穴がそれぞれ形成されている。
【0033】
一対の第2鋼板21は、外径が略同じであり、一対の第1鋼板11と同様に、凸部および凹部の嵌め合いにより互いに固定されている。すなわち、
図5に示すように、一方の第2鋼板21の主面には、他方の第2鋼板21に向かって軸方向D1に突出する円柱状の凸部83Aが形成されている。一方、当該他方の第2鋼板21には、当該凸部83Aが嵌り合う凹部84(軸方向D1に見て円形の貫通穴)が形成されている。なお、第2軌道輪20を構成する第2鋼板21の枚数は、3枚以上であってもよい。
【0034】
第1軸受1は、第1軌道面11Aおよび第2軌道面21Aに沿う円環状の軌道上に配置される複数の第1転動体51をさらに含む(
図4および
図5)。本実施の形態における第1転動体51は、例えばボールであり、第1軌道面11Aおよび第2軌道面21Aにそれぞれ接触している。これにより、第1軌道輪10および第2軌道輪20は、中心軸C1を中心として、複数の第1転動体51を介して周方向に相対的に回転可能となっている。なお、第1転動体はボールに限定されず、例えば円筒ころなどの他の転動体であってもよい。
【0035】
図1に示すように、第3軌道輪30は、第2軌道輪20よりも小径の円環状の部材であり、複数の第1貫通穴81のそれぞれに配置されている。第3軌道輪30は、第2軌道輪20の第3軌道面21Bに対して径方向に対向する円環状の第4軌道面30Aを外周面に有している。第4軌道面30Aには、第1~第3軌道面と同様に、鍛流線の端部が露出していない。第3軌道輪30は、遊星歯車4と回転軸が一致するように当該遊星歯車4に固定されている。
【0036】
図6に示すように、第3軌道輪30は、軸方向D1に重ねて配置される円環状の一対の第3鋼板31を含む。第3鋼板31は、第1および第2鋼板と同様に、プレス成形により成形されている。第3鋼板31は、第1鋼板11および第2鋼板21と同様に、凸部および凹部の嵌め合いにより互いに固定されている。具体的には、
図6に示すように、一方の第3鋼板31の主面には、他方の第3鋼板31に向かって軸方向D1に突出する円柱状の凸部85が形成されている。一方、当該他方の第3鋼板31には、当該凸部85が嵌り合う凹部86(軸方向D1に見て円形の貫通穴)が形成されている。なお、第3軌道輪30を構成する第3鋼板31の枚数は、3枚以上であってもよい。
【0037】
第1軸受1は、第3軌道面21Bおよび第4軌道面30Aに沿う円環状の軌道上に配置される複数の第2転動体52を備えている(
図4および
図5)。本実施の形態における第2転動体52は、例えばボールであり、第3軌道面21Bおよび第4軌道面30Aにそれぞれ接触している。これにより、第2軌道輪20および第3軌道輪30は、複数の第2転動体52を介して周方向に相対的に回転可能となっている。この回転軸は、第1軌道輪10および第2軌道輪20が周方向に相対的に回転する際の回転軸(中心軸C1)とは一致しない。なお、第2転動体は、ボールに限定されず、例えば円筒ころなどの他の転動体であってもよい。
【0038】
図1に示すように、第4軌道輪40は、第3軌道輪30よりも小径の円環状の部材であり、第2貫通穴82に配置されている。第4軌道輪40は、第2軌道輪20の第5軌道面21Cに対して径方向に対向する円環状の第6軌道面41Aを外周面に有している。第6軌道面41Aには、第1~第5軌道面と同様に、鍛流線の端部が露出していない。第4軌道輪40は、太陽歯車3と回転軸が一致するように当該太陽歯車3に固定されている。
図5に示すように、第4軌道輪40は、軸方向D1に重ねて配置される円環状の一対の第4鋼板41を含む。第4鋼板41は、第1~第3鋼板と同様に、プレス成形により成形されている。
【0039】
第1軸受1は、第5軌道面21Cおよび第6軌道面41Aに沿う円環状の軌道上に配置される複数の第3転動体53を備えている(
図4および
図5)。本実施の形態における第3転動体53は、例えばボールであり、第5軌道面21Cおよび第6軌道面41Aにそれぞれ接触している。これにより、第2軌道輪20および第4軌道輪40は、中心軸C1(
図4)を中心として、複数の第3転動体53を介して周方向に相対的に回転可能となっている。なお、第3転動体は、ボールに限定されず、例えば円筒ころなどの他の転動体であってもよい。
【0040】
第2軸受2は、第4軌道輪40および第3転動体53を備えていない点を除いて、第1軸受1と同様の構成を備えている。したがって、第2軸受2の構成の詳細な説明は省略する。
【0041】
図4に示すように、減速機100は、第1スペーサ63と、第2スペーサ64と、第1固定部材66とをさらに備えている。第1スペーサ63は、円環状の部材であり、軸方向D1において第1軸受1の第3軌道輪30と遊星歯車4との間に配置されている。第1スペーサ63は、第1軸受1の第3軌道輪30(第3鋼板31)のうち遊星歯車4側を向く面に接触するとともに、遊星歯車4のうち第1軸受1側を向く面に接触している。
【0042】
第2スペーサ64は、第1スペーサ63と略同じ大きさを有する円環状の部材であり、軸方向D1において第2軸受2の第3軌道輪30と遊星歯車4との間に配置されている。第2スペーサ64は、第2軸受2の第3軌道輪30(第3鋼板31)のうち遊星歯車4側を向く面に接触するとともに、遊星歯車4のうち第2軸受2側を向く面に接触している。
図3に示すように、第1スペーサ63および第2スペーサ64は、周方向に等間隔(120°の間隔)で複数(本実施の形態では3つ)ずつ配置されている。第1スペーサ63および第2スペーサ64の数は、遊星歯車4の数と同じである。
【0043】
図4に示すように、第1固定部材66は、第1ボルト66Aおよび第1雌ねじ部材66Bを含む。第1ボルト66Aは、軸方向D1に延びる軸部と、当該軸部の端部(
図4中の左端部)から径方向D2に拡がるとともに第1軸受1の軸方向D1の外面に接触する頭部とを含む。当該軸部の外周面には、雄ねじが形成されている。第1ボルト66Aは、第1軸受1の第3軌道輪30の中央穴、第1スペーサ63の中央穴、遊星歯車4の中央穴、第2スペーサ64の中央穴および第2軸受2の第3軌道輪30の中央穴のそれぞれに挿入されている。
【0044】
図4に示すように、第1雌ねじ部材66Bは、軸方向D1に延びる円筒部と、当該円筒部の端部(
図4中の右端部)から径方向D2に拡がるフランジ部とを含む。当該円筒部は、第2軸受2の第3軌道輪30の中央穴、第2スペーサ64の中央穴、遊星歯車4の中央穴および第1スペーサ63の中央穴のそれぞれに挿入されている。
【0045】
第1雌ねじ部材66Bの円筒部の内周面には、雌ねじが形成されている。
図4に示すように、第1ボルト66Aの軸部は、第1雌ねじ部材66Bの円筒部の内側に挿入されており、当該軸部の外周面に形成された雄ねじが当該円筒部の内周面に形成された雌ねじと噛み合っている。
【0046】
図4に示すように、減速機100は、第3スペーサ65をさらに備えている。第3スペーサ65は、円環形状を有しており、第1軸受1の第2軌道輪20(第2鋼板21)と第2軸受2の第2軌道輪20(第2鋼板21)との間に配置されている。より具体的には、第3スペーサ65のうち軸方向D1の一方の端面が第1軸受1の第2軌道輪20(第2鋼板21)の内面に接触しており、第3スペーサ65のうち軸方向D1の他方の端面が第2軸受2の第2軌道輪20(第2鋼板21)の内面に接触している。
【0047】
第3スペーサ65には、第3雌ねじ部材67が挿入されている。第3雌ねじ部材67は、減速機100に相手部材90を取り付けるための部材であり、第1雌ねじ部材66Bと同様のものである。
【0048】
図3に示すように、減速機100は、第1固定板62および第2固定板68をさらに備えている。第1固定板62は、第1軸受1の第2軌道輪20よりもやや小径の円板である。第1固定板62には、周方向に並ぶ複数(本実施の形態では3つ)の第1貫通穴62Aと、当該複数の第1貫通穴62Aにより取り囲まれる第2貫通穴62Bとがそれぞれ形成されている。第1貫通穴62Aの内側には、第1スペーサ63が配置されている。第2貫通穴62Bの内側には、太陽歯車3の円筒部が挿入されている。
図4に示すように、第1固定板62は、軸方向D1に第1軸受1の第2軌道輪20(第2鋼板21)と重ねて配置されている。
【0049】
図3に示すように、第2固定板68は、第1固定板62と同様の円板であり、第2軸受2の第2軌道輪20よりもやや小径である。第2固定板68には、周方向に並ぶ複数(本実施の形態では3つ)の第1貫通穴68Aと、当該複数の第1貫通穴68Aにより取り囲まれる第2貫通穴68Bとがそれぞれ形成されている。第1貫通穴68Aの内側には、第2スペーサ64が配置されている。第2貫通穴68Bの内側には、太陽歯車3の円筒部が挿入されている。
図4に示すように、第2固定板68は、軸方向D1に第2軸受2の第2軌道輪20(第2鋼板21)と重ねて配置されている。
【0050】
図7には、第1軸受1の第2軌道輪20(一対の第2鋼板21)と、第1固定板62と、複数のボルト69とがそれぞれ示されている。ボルト69は、第2軌道輪20を第1固定板62に固定するための部材である。
図7に示すように、ボルト69は、頭部69Aと、当該頭部69Aから軸方向D1に延びる軸部69Bとを含む。軸部69Bは、円柱形状を有しており、外周面に雄ねじが形成されている。
【0051】
第2鋼板21には、軸方向D1に貫通する第3貫通穴83が多数形成されている。第3貫通穴83を取り囲む内周面は、ねじ部が形成されていない曲面となっている。第3貫通穴83には、ボルト69の軸部69Bが挿入されている。
【0052】
第1固定板62には、軸方向D1に第3貫通穴83と重なる位置に雌ねじ穴62Cが形成されている。雌ねじ穴62Cは、ボルト69の軸部69Bが挿入される部分であり、当該軸部69Bの外周面に形成される雄ねじと噛み合う。
【0053】
図3に示すように、減速機100は、第5スペーサ61および第6スペーサ71をさらに備えている。第5スペーサ61は、円環形状を有しており、外径が第1軸受1の第1軌道輪10と略同じで且つ内径が当該第1軌道輪10よりもやや大きくなっている。第5スペーサ61は、例えばプレス成形された鋼板からなり、軸方向D1に貫通する複数の貫通穴が周方向に並べて形成されている。
図4に示すように、第5スペーサ61は、軸方向D1において第1軸受1の第1軌道輪10(第1鋼板11)と内歯歯車5とにより挟まれている。第5スペーサ61の径方向D2の内側には、第1固定板62が配置されている。
【0054】
図3に示すように、第6スペーサ71は、第5スペーサ61と同様の円環形状の部材である。第6スペーサ71は、軸方向D1において第2軸受2の第1軌道輪10(第1鋼板11)と内歯歯車5とにより挟まれている(
図4)。第6スペーサ71の径方向D2の内側には、第2固定板68が配置されている。
【0055】
図4に示すように、減速機100は、複数の第2固定部材87をさらに備えている。第2固定部材87は、第2ボルト87Aおよび第2雌ねじ部材87Bを含む。第2ボルト87Aは、軸方向D1に延びる軸部と、当該軸部の端部(
図4中の左端部)から径方向D2に拡がるとともに第1軸受1の軸方向D1の外面に接触する頭部とを含む。当該軸部の外周面には、雄ねじが形成されている。第2ボルト87Aは、第1軸受1の第1軌道輪10、第5スペーサ61、内歯歯車5、第6スペーサ71および第2軸受2の第1軌道輪10のそれぞれを軸方向D1に貫通している。
【0056】
第2雌ねじ部材87Bは、軸方向D1に延びる円筒部と、当該円筒部の端部(
図4中の右端部)から径方向D2に拡がるフランジ部とを含む。当該円筒部は、第2軸受2の第1軌道輪10、第6スペーサ71、内歯歯車5および第5スペーサ61のそれぞれを、軸方向D1に貫通している。
図4に示すように、第2ボルト87Aの軸部は、第2雌ねじ部材87Bの円筒部の内側に挿入されており、当該軸部の外周面に形成された雄ねじが当該円筒部の内周面に形成された雌ねじと噛み合っている。
【0057】
次に、本実施の形態に係る減速機100および軸受(第1軸受1および第2軸受2)の作用効果を説明する。
図4に示すように、減速機100では、第1軸受1および第2軸受2のそれぞれの第3軌道輪30が遊星歯車4に対して軸方向D1に重ねて配置されるとともに、第1固定部材66により遊星歯車4に固定されている。このため、図略の駆動源(モータ)により太陽歯車3を中心軸C1の周りに回転させ、太陽歯車3と噛み合う遊星歯車4を自転させることにより、第3軌道輪30が第2転動体52を介して第2軌道輪20に対して周方向に相対的に回転する。
【0058】
一方、遊星歯車4が中心軸C1の周りを公転するのに伴って第3軌道輪30が公転し、第2軌道輪20が第3軌道輪30によって周方向に押される。これにより、第2軌道輪20が第1転動体51を介して第1軌道輪10に対して周方向に相対的に回転する。すなわち、第2軌道輪20が、減速機100における遊星キャリア(出力軸)として機能し、相手部材90(
図8)がモータよりも低速で回転する。本実施の形態では、遊星歯車4を回転させるための転動体(第2転動体52)と遊星キャリアを回転させるための転動体(第1転動体51)とが、減速機100の回転軸(中心軸C1)に垂直な同一の平面上に位置する(
図4)。このため、本実施の形態によれば、従来に比べて遊星歯車減速機を軸方向D1に小型化することが可能になる。
【0059】
なお、上記実施の形態では、第1軸受1および第2軸受2が減速機100の構成部材として用いられる場合を一例として説明したが、これに限定されない。第1軸受1および第2軸受2は、遊星歯車減速機以外の装置であって複数の異なる回転軸を有する装置の構成部材として用いられてもよい。
【0060】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0061】
1 第1軸受、2 第2軸受、3 太陽歯車、3A 外歯、3B 中空部、4 遊星歯車、4A 外歯、5 内歯歯車、5A 内歯、5B 貫通穴、10 第1軌道輪、11 第1鋼板、11A 第1軌道面、20 第2軌道輪、21 第2鋼板、21A 第2軌道面、21B 第3軌道面、21C 第5軌道面、30 第3軌道輪、30A 第4軌道面、31 第3鋼板、40 第4軌道輪、41 第4鋼板、41A 第6軌道面、51 第1転動体、52 第2転動体、53 第3転動体、61 第5スペーサ、62 第1固定板、62A 第1貫通穴、62B 第2貫通穴、62C 雌ねじ穴、63 第1スペーサ、64 第2スペーサ、65 第3スペーサ、66 第1固定部材、66A 第1ボルト、66B 第1雌ねじ部材、67 第3雌ねじ部材、68 第2固定板、68A 第1貫通穴、68B 第2貫通穴、69 ボルト、69A 頭部、69B 軸部、71 第6スペーサ、81 第1貫通穴、81A 凸部、82 第2貫通穴、82A 凹部、83 第3貫通穴、83A 凸部、84 凹部、85 凸部、86 凹部、87 第2固定部材、87A 第2ボルト、87B 第2雌ねじ部材、90 相手部材、100 減速機、C1 中心軸、D1 軸方向、D2 径方向