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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023022962
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】重量物搭載装置及び調整プレート
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
E01D21/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128085
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】390027513
【氏名又は名称】大瀧ジャッキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小熊 貴則
(72)【発明者】
【氏名】岩松 聖
【テーマコード(参考)】
2D059
【Fターム(参考)】
2D059AA05
2D059DD02
2D059DD06
(57)【要約】
【課題】簡易な構成を用いて、曲線重量物の搬送精度及び搬送効率を向上させることができる重量物搭載装置及び調整プレートを提供する。
【解決手段】重量物搭載装置1は、曲線橋桁5が搭載され、かつ、曲線橋桁5の主面511の平面視形状の湾曲方向に沿う第1方向に曲線橋桁5を搬送する第1搬送部10と、第1搬送部10が搭載され、かつ、曲線橋桁5が所定方向に沿って直線的に搬送されるように、第1搬送部10が曲線橋桁5を第1方向に沿って搬送すると同時に、第1搬送部10を第2方向に沿って搬送する第2搬送部20と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な主面を有し、前記主面の平面視形状が曲線状である曲線重量物を、所定方向に沿って直線的に搬送することが可能な重量物搭載装置であって、
前記曲線重量物が搭載され、かつ、前記主面の前記平面視形状の湾曲方向に沿う第1方向に前記曲線重量物を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部が搭載され、かつ、前記曲線重量物が前記所定方向に沿って直線的に搬送されるように、前記第1搬送部が前記曲線重量物を前記第1方向に沿って搬送すると同時に、前記第1搬送部を第2方向に沿って搬送する第2搬送部と、
を備える、重量物搭載装置。
【請求項2】
前記第1搬送部は、
直線方向である第3方向に移動し、かつ、前記曲線重量物が搭載される第1搬送面と、
前記曲線重量物が前記第1方向に沿って搬送されるように、前記曲線重量物が前記第1搬送面によって前記第3方向において搬送されると同時に、前記曲線重量物の前記第1搬送面における位置を調整する第1調整部と、
を有する、請求項1に記載の重量物搭載装置。
【請求項3】
搬送中の前記曲線重量物の前記主面を平面視すると、前記第1調整部は、前記曲線重量物を前記湾曲方向に沿って前記第1搬送面に対して回転させる、第1位置調整を行う、請求項2に記載の重量物搭載装置。
【請求項4】
前記第1搬送部は、調整プレートをさらに有し、
前記曲線重量物は、前記調整プレートを介して前記第1搬送面に搭載されており、
前記調整プレートは、前記曲線重量物の前記主面に固定された第1プレートと、前記第1プレートに取付られた第2プレートと、を有し、
前記第1プレートは、前記第2プレートに対して回転可能であるように、前記第2プレート上に載置されており、
前記第1調整部は、前記第1プレートを前記第2プレートに対して回転させることで、前記第1位置調整を行う、請求項3に記載の重量物搭載装置。
【請求項5】
前記第1調整部は、前記第3方向と交差する方向において伸縮可能なガイドジャッキを有し、
前記第1調整部は、前記ガイドジャッキが前記曲線重量物を押し付けるように、前記ガイドジャッキを伸縮させて、前記第1プレートを前記第2プレートに対して回転させることで、前記第1位置調整を行う、請求項4に記載の重量物搭載装置。
【請求項6】
前記第2搬送部は、回転軸と、前記第1搬送部が搭載される回転プレートと、を含む第2調整部を有し、
前記第2調整部は、前記曲線重量物が直線的移動するように、前記回転軸を回転中心として、前記第1搬送部を回転させる、第2位置調整を行う、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の重量物搭載装置。
【請求項7】
前記第2搬送部は、前記第2調整部が搭載される第3調整部をさらに有し、
前記第3調整部は、前記曲線重量物が前記所定方向に沿って直線的移動するように、前記第2調整部が前記第2位置調整を行うと同時に、前記第2調整部を直線方向である第4方向に沿って移動させる、第3位置調整を行い、
前記第2位置調整及び前記第3位置調整によって、前記第2搬送部は、前記第2方向に沿って移動する、請求項6に記載の重量物搭載装置。
【請求項8】
前記第2調整部は、前記回転プレートに取り付けられ、かつ伸縮することで前記回転プレートを回転させることが可能な回転ジャッキを有し、
前記第3調整部は、伸縮することで前記第2調整部を前記第4方向に沿って往復移動させることが可能な移動ジャッキを有する、請求項7に記載の重量物搭載装置。
【請求項9】
前記曲線重量物は、橋桁であり、
前記主面は、前記橋桁のフランジの主面であり、
前記主面の前記平面視形状は、クロソイド曲線状である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の重量物搭載装置。
【請求項10】
平坦な主面を有する重量物を所定方向に沿って直線的に搬送する搬送装置に用いられる、前記重量物の前記搬送装置における搭載位置を調整するための調整プレートであって、
前記重量物は、前記調整プレートを介して前記搬送装置に搭載され、
前記調整プレートは、前記重量物の前記主面に固定される第1プレートと、前記第1プレートに取り付けられた第2プレートと、を有し、
前記第1プレートは、前記第2プレートに対して回転可能であるように、前記第2プレートに載置されている、調整プレート。
【請求項11】
前記第1プレートは、平面である第1側面を有し、
前記第2プレートは、前記第1側面に対応する、凸円弧状面又は凹円弧状面である第2側面を有し、
外力によって前記第1側面が前記第2側面と接触してスライドすると、前記第1プレートが前記第2プレートに対して回転する、請求項10に記載の調整プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量物搭載装置及び調整プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、橋桁を橋脚に搬送するための重量物搭載装置が知られている。かかる重量物搭載装置としては、第1の方向へ移動させる橋桁を支持しつつ第2の方向に沿って移動可能なスライド装置と、スライド装置の傾きを検出する傾斜センサと、スライド装置を第2の方向と反対方向へ牽引する牽引装置と、傾斜センサからの検出値からスライド装置が傾いていると判定した際に、牽引装置によってスライド装置に第2の方向と反対方向への引張力を生じさせるように構成したものが開示されている(特許文献1)。かかる重量物搭載装置を採用すると、橋桁等の重量物を回転又は横移動させる際に、その重量物を極めて安定した状態で安全に支持することができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-87441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された従来の重量物搭載装置は、直線橋桁のような主面の平面視形状が直線である直線重量物を直線的に搬送するための装置であり、主面の平面視形状が曲線である曲線重量物を直線的に搬送するための装置ではない。このため、特許文献1に開示された従来の重量物搭載装置を用いて曲線重量物を直線的に搬送する場合、曲線重量物の湾曲方向が変わる度に、重量物搭載装置による搬送を一旦停止してから、人によって手動で曲線重量物の搬送方向を調整する必要がある。その結果、頻繁な装置停止や、手動調整にかかる作業時間が発生し、重量物の搬送効率が悪くなってしまう。一方、そのような調整を行わないと、重量物搭載装置は、曲線重量物を直線的に搬送できなくなり、重量物搭載装置の搬送精度が低下してしまう。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成を用いて、曲線重量物の搬送精度及び搬送効率を向上させることができる重量物搭載装置及び調整プレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る重量物搭載装置は、平坦な主面を有し、主面の平面視形状が曲線状である曲線重量物を、所定方向に沿って直線的に搬送することが可能なものであって、曲線重量物が搭載され、かつ、主面の平面視形状の湾曲方向に沿う第1方向に曲線重量物を搬送する第1搬送部と、第1搬送部が搭載され、かつ、曲線重量物が所定方向に沿って直線的に搬送されるように、第1搬送部が曲線重量物を第1方向に沿って搬送すると同時に、第1搬送部を第2方向に沿って搬送する第2搬送部と、を備えるものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて曲線重量物の搬送方向を調整することができ、よって、曲線重量物に対しても、その曲線重量物を所定方向に沿って直線的に搬送することができる。その結果、曲線重量物の搬送精度を向上させることができるとともに、手動で曲線重量物の搬送方向を調整する場合と比較して、手動調整に掛かる労力やコストを軽減することができるとともに、調整時における曲線重量物の搬送停止及び調整の作業時間の発生による搬送作業効率の低下を抑制することができる。こうして、曲線重量物の搬送精度及び搬送効率を向上させることができる。
【0008】
本発明に係る重量物搭載装置において、第1搬送部は、直線方向である第3方向に移動し、かつ、曲線重量物が搭載される第1搬送面と、曲線重量物が第1方向に沿って搬送されるように、曲線重量物が第1搬送面によって第3方向において搬送されると同時に、曲線重量物の第1搬送面における位置を調整する第1調整部と、を有してもよい。
【0009】
かかる構成を採用すると、簡易に搬送面の直線移動を曲線重量物の曲線移動に変換することができる。
【0010】
本発明に係る重量物搭載装置において、搬送中の曲線重量物の主面を平面視すると、第1調整部は、曲線重量物を湾曲方向に沿って第1搬送面に対して回転させる、第1位置調整を行ってもよい。
【0011】
かかる構成を採用すると、曲線重量物の第1搬送面に対する位置調整を実現でき、曲線重量物の搬送安定性の向上させることができる。
【0012】
本発明に係る重量物搭載装置において、第1搬送部は、調整プレートをさらに有し、曲線重量物は、調整プレートを介して第1搬送面に搭載されており、調整プレートは、曲線重量物の主面に固定された第1プレートと、第1プレートに取付られた第2プレートと、を有し、第1プレートは、第2プレートに対して回転可能であるように、第2プレート上に載置されており、第1調整部は、第1プレートを第2プレートに対して回転させることで、第1位置調整を行ってもよい。
【0013】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、曲線重量物の第1搬送面に対する位置調整を可能にする。
【0014】
本発明に係る重量物搭載装置において、第1調整部は、第3方向と交差する方向において伸縮可能なガイドジャッキを有し、第1調整部は、ガイドジャッキが曲線重量物を押し付けるように、ガイドジャッキを伸縮させて、第1プレートを第2プレートに対して回転させることで、第1位置調整を行ってもよい。
【0015】
かかる構成を採用すると、曲線重量物の位置調整のための構成を簡易にすることで、装置の製造コストを減少することができる。
【0016】
本発明に係る重量物搭載装置において、第2搬送部は、回転軸と、第1搬送部が搭載される回転プレートと、を含む第2調整部を有し、第2調整部は、曲線重量物が直線的移動するように、回転軸を回転中心として、第1搬送部を回転させる、第2位置調整を行ってもよい。
【0017】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、第1搬送部の位置を調整することができる。
【0018】
本発明に係る重量物搭載装置において、第2搬送部は、第2調整部が搭載される第3調整部をさらに有し、第3調整部は、重量物が所定方向に沿って直線的移動するように、第2調整部が第2位置調整を行うと同時に、第2調整部を直線方向である第4方向に沿って移動させる、第3位置調整を行い、第2位置調整及び第3位置調整によって、第2搬送部は、第2方向に沿って移動してもよい。
【0019】
かかる構成を採用すると、重量物を所定方向に沿って直線的に搬送することを実現でき、重量物の搬送精度を向上させることが可能になる。
【0020】
本発明に係る重量物搭載装置において、第2調整部は、回転プレートに取り付けられ、かつ伸縮することで回転プレートを回転させることが可能な回転ジャッキを有し、第3調整部は、伸縮することで第2調整部を第4方向に沿って往復移動させることが可能な移動ジャッキを有してもよい。
【0021】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、第1搬送部の位置調整を実現できる。
【0022】
本発明に係る重量物搭載装置において、曲線重量物は、橋桁であり、主面は、橋桁のフランジの主面であり、主面の平面視形状は、クロソイド曲線状であってもよい。
【0023】
かかる構成を採用すると、クロソイド曲線状の橋桁を所定方向に沿って直線的に搬送することを実現でき、橋桁の搬送精度及び搬送効率の向上を得ることができる。
【0024】
本発明に係る調整プレートは、平坦な主面を有する重量物を所定方向に沿って直線的に搬送する搬送装置に用いられる、重量物の搬送装置における搭載位置を調整するための調整プレートであって、重量物は、調整プレートを介して搬送装置に搭載され、調整プレートは、重量物の主面に固定される第1プレートと、第1プレートに取り付けられた第2プレートと、を有し、第1プレートは、第2プレートに対して回転可能であるように、第2プレートに載置されているものである。
【0025】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、重量物の搬送装置における搭載位置を調整することができる。
【0026】
本発明に係る調整プレートは、第1プレートは、平面である第1側面を有し、第2プレートは、第1側面に対応する、凸円弧状面又は凹円弧状面である第2側面を有し、外力によって第1側面が第2側面と接触してスライドすると、第1プレートが第2プレートに対して回転してもよい。
【0027】
かかる構成を採用すると、重量物の搬送装置における搭載位置の調整構成を簡易化することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、簡易な構成を用いて、曲線重量物の搬送精度及び搬送効率を向上させることができる重量物搭載装置及び調整プレートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係る重量物搭載装置の使用状態を示す斜視図である。
図2】本実施形態に係る重量物搭載装置の構成を示す斜視図である。
図3】本実施形態に係る重量物搭載装置の重量物送出部の構成を示す図である。
図4A】本実施形態に係る重量物搭載装置の調整プレートの構成を示す図である。
図4B】本実施形態に係る重量物搭載装置の調整プレートを構成する第1プレート及び第2プレートの取付関係を示す図である。
図4C】本実施形態に係る重量物搭載装置の第1プレートの構成を示す図である。
図4D】本実施形態に係る重量物搭載装置の第2プレートの構成を示す図である。
図5A】本実施形態に係る重量物搭載装置による曲線橋桁の搬送状態を示す図である。
図5B】本実施形態に係る重量物搭載装置による曲線橋桁の搬送状態を示す図である。
図5C】本実施形態に係る重量物搭載装置による曲線橋桁の搬送状態を示す図である。
図6A】本実施形態に係る重量物搭載装置の第1調整部による第1位置調整を説明するための図である。
図6B】本実施形態に係る重量物搭載装置の第1調整部による第1位置調整を説明するための図である。
図7A】本実施形態に係る重量物搭載装置の第2調整部による第2位置調整を説明するための図である。
図7B】本実施形態に係る重量物搭載装置の第2調整部による第2位置調整を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、各図を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態のみに限定する趣旨ではない。またさらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0031】
<重量物搭載装置1の概要>
まず、図1及び図5A乃至図5Cを参照しつつ、本実施形態に係る重量物搭載装置1による搬送の概要について説明する。図1は、重量物搭載装置1の使用状態を示す斜視図である。図5A乃至図5Cは、重量物搭載装置1による曲線橋桁5の搬送状態を示す図である。ここで、図2では、重量物搭載装置1の構成を示すために、曲線橋桁5を透明なものとして表示している。また、図1においては、重量物搭載装置1を支持する組立ヤードや構台等の表示を省略している。
【0032】
本実施形態に係る重量物搭載装置1は、曲線重量物を所定方向に沿って直線的に搬送することが可能な重量物搭載装置の一例である。ここで、曲線重量物とは、平坦な主面を有し、かつその主面の平面視形状が曲線状である重量物である。なお、重量物搭載装置1の搬送対象は、曲線重量物に限定されるものではなく、直線重量物であってもよい。以下の説明では、重量物搭載装置1の搬送対象を、曲線重量物の一例である曲線橋桁5として説明する。
【0033】
曲線橋桁5は、図5Aに示すように、クロソイド曲線橋桁である。また、曲線橋桁5は、図1に示すように、一対のフランジ51と、一対のフランジ51の間に設けられたウェブ52と、を有する。フランジ51は、平板状部材であり、厚み方向の両側にある主面511及び主面512を有する。主面511及び主面512のいずれも、平坦な主面であり、平面視形状がクロソイド曲線状である。ウェブ52は、平板状部材であり、厚み方向の両側にある主面521及び主面522を有する。ウェブ52は、その幅方向がフランジ51の幅方向と交差するように、フランジ51上に設けられている。
【0034】
搬送時、曲線橋桁5は、その幅方向の両側に設けられた一対の重量物搭載装置1によって搬送される。具体的には、一対の重量物搭載装置1は、図示されていない制御部の制御に基づいて動作して、図5A図5Cに示す第1橋脚A1及び第2橋脚A2に曲線橋桁5を架け渡すように、第1橋脚A1から第2橋脚A2に向かう直線的な方向である所定方向Dに沿って、曲線橋桁5を直線的に搬送する。
【0035】
この場合、曲線橋桁5は、主面511を介して一対の重量物搭載装置1に搭載されている。一対の重量物搭載装置1は、図示されていない取付構成によって第1橋脚A1に移動可能に取り付けられている。また、曲線橋桁5が湾曲して伸びる方向、すなわち、主面511の平面視形状の湾曲方向における寸法に応じて、一対の重量物搭載装置1を、2セット以上採用してもよい。この場合、1セット目を第1橋脚A1に、他のセットを構台B上に取り付けてもよい。なお、重量物搭載装置1による曲線橋桁5の搬送の詳細については、重量物搭載装置1の構成を説明した後に説明する。以下の説明では、曲線橋桁5の主面511の平面視形状の湾曲方向を「湾曲方向」と呼ぶことがある。
【0036】
<重量物搭載装置1の構成>
次に、図1乃至図5Aを参照しつつ、本実施形態に係る重量物搭載装置1の構成について詳細に説明する。図2は、重量物搭載装置の構成を示す斜視図である。図3は、重量物搭載装置の重量物送出部11の構成を示す図である。図4A乃至図4Dは、調整プレート150の構成を示す図である。
【0037】
重量物搭載装置1は、図2及び図5Aに示すように、曲線橋桁5が搭載され、かつ、湾曲方向に沿う第1方向D1に曲線橋桁5を搬送する第1搬送部10と、第1搬送部10が搭載され、かつ、曲線橋桁5が所定方向Dに沿って直線的に搬送されるように、第1搬送部10を第2方向D2に沿って搬送する第2搬送部20と、を備える。第1搬送部10による曲線橋桁5の搬送と、第2搬送部20による第1搬送部10の搬送と、は同時に行われる。
【0038】
[第1搬送部10]
第1搬送部10は、図2に示すように、重量物送出部11と、第1調整部13と、調整プレート部15と、を有する。曲線橋桁5は、調整プレート部15を介して重量物送出部11に搭載されている。重量物送出部11は、後述する第1搬送面125の直線移動によって曲線橋桁5を搬送する。第1調整部13は、調整プレート部15を介して、湾曲方向に沿って曲線橋桁5を第1搬送面に対して回転させる第1位置調整を行う。また、重量物送出部11による搬送と、第1調整部13及び調整プレート部15による調整と、は同時に行われる。なお、以下では、曲線橋桁5が調整プレート部15を介して重量物送出部11に搭載された状態を「搭載状態」と呼ぶことがある。
【0039】
(重量物送出部11)
重量物送出部11は、例えば、シンクロジャッキである。重量物送出部11は、図3に示すように、送出本体部110と、送出本体部110の駆動によって回転される無限軌道帯120と、重量物送出部11の全体を第2搬送部20に取り付けるためのベース部130と、を有する。
【0040】
送出本体部110は、図3に示すように、送出本体部110の両側に設けられた一対の駆動ローラ111と、一対の駆動ローラ111の間に設けられた昇降部112と、を有する。一対の駆動ローラ111は、回転することで、無限軌道帯120の回転を駆動する構成である。昇降部112は、無限軌道帯120を介して曲線橋桁5及び調整プレート部15を支持する構成である。
【0041】
昇降部112は、図3に示すように、複数の鉛直ジャッキ113と、後述する無限軌道帯120の内周面122と接触するテフロン(登録商標)押上げジャッキ114と、を有する。鉛直ジャッキ113に油圧を供給することにより、鉛直ジャッキ113は、テフロン押上げジャッキ114を介して、無限軌道帯120の対応部分(具体的には、後述する搬送部124)及び曲線橋桁5をその下方から均等に支持することができる。
【0042】
無限軌道帯120は、図3に示すように、例えば、複数の履板129によって連結された無端状のクローラである。無限軌道帯120は、外周面121と、内周面122と、を有する。送出本体部110を正面視するとき、無限軌道帯120は、内周面122が一対の駆動ローラ111と当接し、かつ、内周面122が昇降部112のテフロン押上げジャッキ114によって支持されるように、送出本体部110の外周側に巻回されている。
【0043】
また、無限軌道帯120の、一対の駆動ローラ111の間に位置しかつ昇降部112のテフロン押上げジャッキ114と接触する一部は、曲線橋桁5が調整プレート部15を介して搭載される搬送部124を構成する。搬送部124に対応する外周面121の一部は、第1搬送面125を構成する。無限軌道帯120が図3に示す方法で回転するとき、第1搬送面125は、直線方向である第3方向D3に移動する。こうして、搭載状態において、重量物送出部11は、第1搬送面125の第3方向に直線移動によって曲線橋桁5を搬送することができる。なお、第3方向D3は、重量物送出部11における一定の方向であり、第1搬送部10が第2搬送部20によって回転されるとき、第3方向D3も重量物送出部11の回転に伴い向きが変わる。
【0044】
(第1調整部13)
第1調整部13は、図2に示すように、送出本体部110の周囲に固定された枠部135と、枠部135の上面に設けられた第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132と、を有する。第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132は、曲線橋桁5のウェブ52の主面521と接触できるように、第1搬送面125よりも上方側に設けられている。
【0045】
また、第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132は、第3方向D3と交差する方向D5において伸縮することで、調整プレート部15を介して第1搬送面125に搭載された曲線橋桁5の第1搬送面125における搭載位置を調整できる構成である。具体的には、第1搬送面125を平面視すると、第1ガイドジャッキ131は第2ガイドジャッキ132よりも伸長した場合、曲線橋桁5は調整プレート部15を介して時計回り方向に回転し、第2ガイドジャッキ132は第1ガイドジャッキ131よりも伸長した場合、曲線橋桁5は調整プレート部15を介して反時計回り方向に回転し、第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132の伸縮量が同じである場合、曲線橋桁5は、図2に示す方向D4(後述)に沿って平行移動する。
【0046】
こうして、第1調整部13は、曲線橋桁5が第1方向D1に沿って搬送されるように、曲線橋桁5が第1搬送面125によって第3方向D3において搬送されると同時に、曲線橋桁5の第1搬送面125における位置に対して第1位置調整を行うことができる。よって、曲線橋桁5が第3方向D3において搬送されると同時に、曲線橋桁5を湾曲方向に沿って第1搬送面125に対して回転させることができる。その結果、曲線橋桁5が第1方向D1に搬送される。言い換えれば、曲線橋桁5が第1方向D1における移動は、曲線橋桁5が第3方向D3における移動と、曲線橋桁5が第1搬送面125に対する回転と、の合成移動である。
【0047】
(調整プレート部15)
調整プレート部15は、図2に示すように、複数の調整プレート150が曲線橋桁5の延在方向に沿って並べられて構成されている。各調整プレート150は、図4Aに示すように、厚み方向の両側にある主面150a及び主面150bを有する。搭載状態において、主面150aは、曲線橋桁5の主面511と接触する面であり、主面150bは、重量物送出部11の第1搬送面125と接触する面である。
【0048】
また、調整プレート部15は、図4A乃至図4Dに示すように、重なるように載置された、第1プレート151と、第2プレート152と、を有する。以下では、第1プレート151が第2プレート152上に載置された状態を「載置状態」と呼ぶことがある。
【0049】
第1プレート151は、金属(例えば、SCM440)によって構成された板状部材である。第1プレート151は、図4A及び図4Bに示すように、ベースプレート153と、ベースプレート153に設けられた2つのガイドバー155と、を有する。
【0050】
ベースプレート153には、図4A及び図4Cに示すように、複数のネオジム磁石161が埋め込まれている。よって、搭載状態において、ネオジム磁石161の磁力によって、曲線橋桁5がベースプレート153に吸引されて、調整プレート部15に固定されることができる。
【0051】
ガイドバー155は、複数のボルト163によって、ベースプレート153の主面153bの長手方向の両端側に取り付けている。この場合、各ベースプレート153の第1側面157は、図4A及び図4Bに示すように、互いに対向するように設けられている。こうして、2つの第1側面157及び主面153bは、後述する第2プレート152のスライド部154が回転及びスライドするスライド空間を構成する。
【0052】
第2プレート152は、樹脂(例えば、MC901)によって構成された板状部材である。第2プレート152は、図4A及び図4Dに示すように、中央にある凸部であるスライド部154と、スライド部154の長手方向の両側にあるサイド部156と、を有する。
【0053】
スライド部154は、載置状態において、第1プレート151のスライド空間に挿入される部分である。このため、スライド部154の長手方向の最大寸法L2(図4D参照)は、第1プレート151の2つの第1側面157間の距離L1(図4B参照)よりも少し小さい。具体的には、スライド部154は、図4B及び図4Dに示すように、長手方向両側にある2つの凸円弧状面である第2側面158を有する。第2側面158の平面視形状は、図4B及び図4Dに示すように、半径がR1である円弧状をなしている。また、各第2側面158と、その第2側面158に対応する第1側面157と、の間に最小間隙G1が形成されている。ここで、例えば、R1が250mmである場合、G1は約1.5mmである。こうして、載置状態において、スライド部154は、2つの第1側面157によって、支持かつ制限されながらスライド及び回転することができる。
【0054】
また、スライド部154には、図4A及び図4Cに示すように、複数のネオジム磁石162が埋め込まれている。よって、載置状態において、ネオジム磁石162の磁力によって、金属によって構成された第1プレート151がスライド部154に吸引されて、第1プレート151と第2プレート152との取付を実現できる。
【0055】
こうして、載置状態において、第1プレート151及び第2プレート152が外力を受けない場合、両者は磁力によって相対移動せずに固定されている。よって、調整プレート部15を介して第1搬送面125に搭載された曲線橋桁5の第1搬送面125における搭載位置を一定の状態に維持し、曲線橋桁5の搬送の安定性を確保することができる。一方、第1プレート151及び第2プレート152が外力を受けると、外力によって第1プレート151の第1側面157は第2プレート152の第2側面158と接触してスライドし、前記第1プレートは前記第2プレートに対して回転する。よって、重量物送出部11による搬送を停止することがなく、曲線橋桁5の第1搬送面125における搭載位置を容易に調整することができる。
【0056】
サイド部156は、スライド部154よりも厚みが薄い部分である。載置状態において、サイド部156は、第1プレート151の2つのガイドバー155を支持する。よって、第1プレート151が受けた曲線橋桁5荷重を、スライド部154のみならず、サイド部156に分散することができる。
【0057】
こうして、第1搬送部10は、重量物送出部11によって曲線橋桁5を第3方向D3に沿って直線的に搬送するとともに、第1調整部13及び調整プレート部15によって、曲線橋桁5の第1搬送面125における搭載位置を湾曲方向に沿って回転させ続けることができる。その結果、第1搬送部10は、図5Aに示すように、曲線橋桁5を第1方向D1に沿って搬送することができる。言い換えれば、曲線橋桁5の第1方向D1における移動は、曲線橋桁5の第3方向D3における移動と、曲線橋桁5の第1搬送面125に対する回転と、の合成移動である。
【0058】
[第2搬送部20]
第2搬送部20は、図2に示すように、第1搬送部10が搭載され、第1搬送部10を回転させる第2調整部21と、第2調整部21が搭載され、第2調整部21を直線方向にて移動させる第3調整部23と、を有する。
【0059】
(第2調整部21)
第2調整部21は、曲線橋桁5が直線的に移動するように、第1搬送部10を回転させる第2位置調整を行うための構成である。第2調整部21は、ベース部210と、ベース部210に固定された回転軸(図示せず)と、回転軸に回転可能に取り付けられた回転プレート220と、回転プレート220を回転させることが可能な回転ジャッキ230と、を有する。
【0060】
ベース部210は、第3調整部23に配置されている。ベース部210は、第2調整部21の全体を支持することができるとともに、第3調整部23によって直線方向に移動することができる。
【0061】
回転ジャッキ230は、一端がベース部210に固定されており、伸縮できる他端が回転プレート220に取り付けられている。こうして、回転プレート220を平面視すると、回転ジャッキ230に油圧を供給することにより、回転ジャッキ230は、伸縮することによって、回転プレート220を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させることができる。
【0062】
(第3調整部23)
第3調整部は、曲線橋桁5が所定方向Dに沿って直線的に移動するように、第2調整部21が前記第2位置調整を行うと同時に、第2調整部21を直線方向である第4方向D4に沿って移動させる第3位置調整を行うための構成である。第3調整部23は、例えば、ジャスコロである。第3調整部23は、第1橋脚A1の長手方向に沿って設けられている(図1参照)。また、第3調整部23は、伸縮することで第2調整部21を第4方向D4に沿って往復移動させることが可能な図示されていない移動ジャッキを有する。こうして、第3調整部23に配置された第2調整部21は、第4方向D4に沿って第1側又は第2側に直線移動することができる。
【0063】
こうして、第2搬送部20は、第1搬送部10によって曲線橋桁5を第1方向D1に沿って搬送すると同時に、第2調整部21によって第1搬送部10を回転させることと、第3調整部23によって第1搬送部10を第4方向に移動することと、を行うことができる。その結果、第2搬送部20は、第1搬送部10を第2方向D2(図5A参照)に沿って搬送することができる。言い換えれば、第1搬送部10の第2方向D2における移動は、第1搬送部10の第4方向D4における移動と、第1搬送部10の回転と、の合成移動である。
【0064】
<重量物搭載装置1による搬送>
続いて、図5A乃至図7Bを参照しつつ、重量物搭載装置1による曲線橋桁5の搬送について説明する。図5A乃至図5Cは、重量物搭載装置1による曲線橋桁5の搬送状態を示す図である。図6A及び図6Bは、第1調整部13及び第2調整部21による第1位置調整を説明するための図である。図7A及び図7Bは、第2調整部21による第1位置調整を説明するための図である。
【0065】
まず、図5Aに示すように、曲線橋桁5の第1部501を重量物搭載装置1に搭載し、曲線橋桁5のほかの部分を構台Bに配置して、重量物搭載装置1による搬送の準備を行う。この場合、重量物搭載装置1は、第1橋脚A1の第4方向の第2側(図2参照)にある。
【0066】
準備が完了した後に、制御部の制御に基づいて、重量物搭載装置1、すなわち、第1搬送部10による搬送及び第2搬送部20による搬送が同時に開始する。この場合、第1搬送部10の重量物送出部11による搬送と、第1搬送部10の第1調整部13及び調整プレート部15による第1位置調整と、第2搬送部20の第2調整部21による第2位置調整と、第2搬送部20の第3調整部23による第3位置調整と、のそれぞれが同時に行われている。
【0067】
具体的には、図5Aに示す状態から図5Bに示す状態に移動する過程、すなわち、第1部501が重量物搭載装置1を通過してから最も第4方向の第1側に位置する第2部502が重量物搭載装置1に至る場合において、曲線橋桁5の第1部501から第2部502の形状に応じて、重量物送出部11は、第1調整部13及び調整プレート部15の調整のもとで、第1方向D1に曲線橋桁5を搬送するとともに、第2調整部21は第1搬送部10を反時計回り方向に回転させ、第3調整部23は、第1搬送部10を第4方向D4の第1側に移動させる。こうして、曲線橋桁5は、所定方向Dに沿って搬送されることができる。
【0068】
その後の図5Bに示す状態から図5Cに示す状態に移動する過程、すなわち、最も第4方向の第1側に位置する第2部502が重量物搭載装置1を通過してから第3部503が重量物搭載装置1に至る場合において、曲線橋桁5の第2部502から第3部503の形状に応じて、重量物送出部11は、第1調整部13及び調整プレート部15の調整のもとで、第1方向D1に曲線橋桁5を搬送するとともに、第2調整部21は第1搬送部10を反時計回り方向に回転させ続け、第3調整部23は、第1搬送部10を第4方向D4の第2側に移動させる。こうして、曲線橋桁5は、所定方向Dに沿って搬送されることができる。
【0069】
こうして、図5Aから図5Cに示すように、曲線橋桁5は所定方向Dに沿って直線的に搬送されて、第1橋脚A1及び第2橋脚A2に架け渡されている。
【0070】
一方、上記図5Aから図5Cまでの搬送過程において、重量物送出部11による搬送のみが行われ、第1調整部13による第1位置調整が行われないことや同時に行われないこと、又は振動等の外部要因により、図6Aに示すように、曲線橋桁5の第1搬送面125における位置ずれが生じることがある。このような曲線橋桁5の位置ずれが生じると、第2ガイドジャッキ132は、曲線橋桁5のウェブ52の主面521から離れて曲線橋桁5を支持できなくなる。よって、曲線橋桁5が第1搬送面125に対して回転せず、第1搬送部10は、曲線橋桁5を第1方向D1に沿って搬送できなる。その結果、重量物搭載装置1は、曲線橋桁5を所定方向Dに沿って直線的に搬送することができなくなる。
【0071】
このような曲線橋桁5の位置ずれ問題に対して、第2調整部21が第1搬送部10を反時計回り方向に回転させながら、第1調整部13の第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132が伸長することで、図6Bに示すように、曲線橋桁5の位置ずれ問題を修復することができる。
【0072】
また、第1搬送部10による搬送のみが行われ、第2搬送部20による搬送が行われないこと又は同時に行われないことにより、図5A及び図7Aに示すように、曲線橋桁5は第1方向D1にのみ搬送されることが生じることがある。このような曲線橋桁5の搬送方向のずれが生じると、曲線橋桁5は、所定方向Dに沿って直線的に搬送されなくなる。
【0073】
このような曲線橋桁5の搬送方向のずれ問題に対して、第2搬送部20の第2調整部21が第1搬送部10を反時計回り方向に回転させることで、図7Bに示すように、曲線橋桁5の搬送方向のずれ問題を修復することができる。
【0074】
以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、平坦な主面511を有し、主面511の平面視形状が曲線状である曲線橋桁5を、所定方向Dに沿って直線的に搬送することが可能なものであって、曲線橋桁5が搭載され、かつ、主面511の平面視形状の湾曲方向に沿う第1方向D1に曲線橋桁5を搬送する第1搬送部10と、第1搬送部10が搭載され、かつ、曲線橋桁5が所定方向Dに沿って直線的に搬送されるように、第1搬送部10が曲線橋桁5を第1方向D1に沿って搬送すると同時に、第1搬送部10を第2方向D2に沿って搬送する第2搬送部20と、を備えることができる。その結果、簡易な構成を用いて曲線重量物の搬送方向を調整することができ、よって、曲線重量物に対しても、その曲線重量物を所定方向に沿って直線的に搬送することができる。その結果、曲線重量物の搬送精度を向上させることができるとともに、手動で曲線重量物の搬送方向を調整する場合と比較して、手動調整に掛かる労力やコストを軽減させることができるとともに、調整時における曲線重量物の搬送停止及び調整の作業時間の発生による搬送作業効率の低下を抑制することができる。こうして、曲線重量物の搬送精度及び搬送効率を向上させることができる。
【0075】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第1搬送部10は、直線方向である第3方向D3に移動し、かつ、曲線橋桁5が搭載される第1搬送面125と、曲線橋桁5が第1方向D1に沿って搬送されるように、曲線橋桁5が第1搬送面125によって第3方向D3において搬送されると同時に、曲線橋桁5の第1搬送面125における位置を調整する第1調整部13と、を有することができる。その結果、簡易に搬送面の直線移動を曲線重量物の曲線移動に変換することができる。
【0076】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、搬送中の曲線橋桁5の主面511を平面視すると、第1調整部13は、曲線橋桁5を湾曲方向に沿って第1搬送面125に対して回転させる、第1位置調整を行うことができる。その結果、曲線重量物の第1搬送面に対する位置調整を実現でき、曲線重量物の搬送安定性の向上させることができる。
【0077】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第1搬送部10は、調整プレート150をさらに有し、曲線橋桁5は、調整プレート150を介して第1搬送面125に搭載されており、調整プレート150は、曲線橋桁5の主面511に固定された第1プレート151と、第1プレート151に取付られた第2プレート152と、を有し、第1プレート151は、第2プレート152に対して回転可能であるように、第2プレート152上に載置されており、第1調整部13は、第1プレート151を第2プレート152に対して回転させることで、第1位置調整を行うことができる。その結果、簡易な構成を用いて、曲線重量物の第1搬送面に対する位置調整を可能にする。
【0078】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第1調整部13は、第3方向D3と交差する方向D5において伸縮可能な第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132を有し、第1調整部13は、第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132が曲線橋桁5を押し付けるように、第1ガイドジャッキ131及び第2ガイドジャッキ132を伸縮させて、第1プレート151を第2プレート152に対して回転させることで、第1位置調整を行うことができる。その結果、曲線重量物の位置調整のための構成を簡易にすることで、装置の製造コストを減少することができる。
【0079】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第2搬送部20は、回転軸と、第1搬送部10が搭載される回転プレート220と、を含む第2調整部21を有し、第2調整部21は、曲線橋桁5が直線的に移動するように、回転軸を回転中心として、第1搬送部10を回転させる、第2位置調整を行うことができる。その結果、簡易な構成を用いて、第1搬送部の位置を調整することができる。
【0080】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第2搬送部20は、第2調整部21が搭載される第3調整部23をさらに有し、第3調整部23は、曲線橋桁5が所定方向Dに沿って直線的に移動するように、第2調整部21が第2位置調整を行うと同時に、第2調整部21を直線方向である第4方向D4に沿って移動させる、第3位置調整を行い、第2位置調整及び第3位置調整によって、第2搬送部20は、第2方向D2に沿って移動することができる。その結果、重量物を所定方向に沿って直線的に搬送することを実現でき、重量物の搬送精度を向上させることが可能になる。
【0081】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、第2調整部21は、回転プレート220に取り付けられ、かつ伸縮することで回転プレート220を回転させることが可能な回転ジャッキ230を有し、第3調整部23は、伸縮することで第2調整部21を第4方向D4に沿って往復移動させることが可能な移動ジャッキを有することができる。その結果、簡易な構成を用いて、第1搬送部の位置調整を実現できる。
【0082】
また、以上説明した実施形態に係る重量物搭載装置1においては、曲線橋桁5は、曲線重量物の一例であり、主面511は、曲線橋桁5のフランジ51の主面であり、主面511の平面視形状は、クロソイド曲線状である、ことができる。その結果、クロソイド曲線状の橋桁を所定方向に沿って直線的に搬送することを実現でき、橋桁の搬送精度及び搬送効率の向上を得ることができる。
【0083】
以上説明した実施形態に係る調整プレート150においては、曲線橋桁5は、調整プレート150を介して重量物搭載装置1に搭載され、調整プレート150は、曲線橋桁5の主面511に固定される第1プレート151と、第1プレート151に取り付けられた第2プレート152と、を有し、第1プレート151は、第2プレート152に対して回転可能なように、第2プレート152に載置されていることができる。その結果、簡易な構成を用いて、重量物の搬送装置における搭載位置を調整することができる。
【0084】
また、以上説明した実施形態に係る調整プレート150においては、第1プレート151は、平面である第1側面157を有し、第2プレート152は、第1側面157に対応する、凸円弧状面又は凹円弧状面である第2側面158を有し、外力によって第1側面157は第2側面158と接触してスライドすると、第1プレート151は第2プレート152に対して回転することができる。その結果、重量物の搬送装置における搭載位置の調整構成を簡易化することができる。
【0085】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、かかる実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0086】
1…重量物搭載装置
5…曲線橋桁
10…第1搬送部
13…第1調整部
20…第2搬送部
21…第2調整部
23…第3調整部
125…第1搬送面
150…調整プレート
151…第1プレート
152…第2プレート
131…第1ガイドジャッキ
132…第2ガイドジャッキ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B