(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023002302
(43)【公開日】2023-01-10
(54)【発明の名称】羽根開閉装置及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 9/08 20210101AFI20221227BHJP
G03B 11/04 20210101ALI20221227BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20221227BHJP
H04N 23/55 20230101ALI20221227BHJP
H04N 23/40 20230101ALI20221227BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221227BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20221227BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20221227BHJP
F21V 7/04 20060101ALI20221227BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221227BHJP
【FI】
G03B9/08 Z
G03B11/04 Z
G03B17/02
H04N5/225 400
H04N5/225 000
F21S2/00 600
F21L4/00 621
F21V7/00 510
F21V7/04 500
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021103467
(22)【出願日】2021-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】潮 亮佐
(72)【発明者】
【氏名】渡部 伸昭
【テーマコード(参考)】
2H081
2H083
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H081AA48
2H081BB12
2H081BB15
2H081BB28
2H081EE04
2H083CC01
2H083CC23
2H100AA61
2H100CC07
5C122DA09
5C122EA07
5C122FB09
5C122FC00
5C122FK19
5C122FK22
5C122GE04
5C122GE06
5C122GE11
5C122GG17
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】羽根部材の開閉状態を外部から視認しやすい羽根開閉装置を提供する。
【解決手段】羽根開閉装置1は、ベース開口11が形成されたベース部10と、ベース部10を覆うカバー部30とを備える。カバー部30には、Z方向においてベース部10のベース開口11に隣接した位置にカバー開口31が形成される。羽根開閉装置1は、ベース部10とカバー部30との間に形成される羽根室の内部でX方向に沿って移動可能な羽根部材40をさらに備える。羽根部材40は、光を発することが可能な発光部41を有する。羽根駆動装置1は、羽根部材40の発光部41の少なくとも一部がカバー開口31から露出するように羽根部材40を閉位置に移動させるとともに、カバー開口31とベース開口11とが連通するように羽根部材40を開位置に退避させるアクチュエータ20を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース開口が形成されたベース部と、
前記ベース部の少なくとも一部を覆うカバー部であって、第1の方向において前記ベース部の前記ベース開口に隣接した位置にカバー開口が形成されたカバー部と、
前記ベース部と前記カバー部との間に形成される羽根室の内部で前記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って移動可能な羽根部材であって、光を発することが可能な発光部を有する羽根部材と、
前記羽根部材の前記発光部の少なくとも一部が前記カバー開口から露出するように前記羽根部材を閉位置に移動させるとともに、前記カバー開口と前記ベース開口とが連通するように前記羽根部材を開位置に退避させるアクチュエータと
を備える、羽根開閉装置。
【請求項2】
前記閉位置にある前記羽根部材の前記発光部の近傍に配置される光源をさらに備え、
前記羽根部材の少なくとも前記発光部は透光性を有する材料から形成される、
請求項1に記載の羽根開閉装置。
【請求項3】
前記羽根部材の前記発光部の表面の一部には遮光性の塗装が塗布されている、請求項2に記載の羽根開閉装置。
【請求項4】
前記光源は、前記第2の方向において前記ベース開口に対して前記アクチュエータとは反対側に配置される、請求項2又は3に記載の羽根開閉装置。
【請求項5】
前記光源は、前記第1の方向及び前記第2の方向の双方に垂直な第3の方向において前記閉位置にある前記羽根部材の前記発光部の中央の近傍に配置される、請求項2から4のいずれか一項に記載の羽根開閉装置。
【請求項6】
前記第1の方向に沿った前記光源の厚さの範囲は、前記第1の方向に沿った前記羽根部材の前記発光部の厚さの範囲内にある、請求項2から5のいずれか一項に記載の羽根開閉装置。
【請求項7】
前記カバー部及び前記ベース部の一方は、前記光源を保持する保持部であって、前記光源から前記羽根部材の前記発光部に向かって次第に広がる照射空間を形成する傾斜面を含む保持部を有する、請求項2から6のいずれか一項に記載の羽根開閉装置。
【請求項8】
前記保持部は、前記羽根部材に当接可能なストッパ面をさらに含む、請求項7に記載の羽根開閉装置。
【請求項9】
前記羽根部材は、
前記ベース部にガイドされるように前記第2の方向に沿って延びる1対のガイド部と、
前記1対のガイド部のうち一方のガイド部に前記第2の方向に沿って形成されるラック部をさらに有し、
前記アクチュエータは、前記羽根部材の前記ラック部に噛合するピニオンを有する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の羽根開閉装置。
【請求項10】
撮像素子と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の羽根開閉装置であって、前記カバー開口及び前記ベース開口を通過した光が前記撮像素子に入射するように配置される羽根開閉装置と
を備える、撮像装置。
【請求項11】
前記羽根開閉装置の前記カバー部は、前記撮像素子を含むカメラユニットのカバー部材で構成される、請求項10に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根開閉装置及び撮像装置に係り、特に羽根部材により開口を開閉可能な羽根開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやスマートスピーカ、ドローンをはじめとして様々な電子機器にカメラが組み込まれている。このようなカメラにおいては、レンズ開口が常に開放されているものが多く、常に撮影可能な状態であるものが多い。このような場合に、悪意を持った第三者によりカメラが操作されると、カメラによってユーザの意図しない画像や映像が取得され、これが犯罪に用いられてしまうおそれがある。
【0003】
特に、最近では、カメラを内蔵した電子機器がインターネットなどのネットワークに接続されることが多くなっているが、ネットワークに接続された電子機器は、悪意のあるプログラムによってユーザの知らない間に遠隔操作される可能性がある。電子機器が遠隔操作されると、ユーザの知らない間に撮影が行われ、カメラにより画像や映像が取得されて外部に送信されるおそれがある。このように、ユーザのプライバシー保護の観点からも、ユーザが意図していないときにカメラによる撮影を遮断できるような機構が要望されている。
【0004】
このようなカメラによる撮影を遮断する機構として、従来からカメラにおいて用いられているシャッタ機構(例えば、特許文献1参照)のようにレンズと被写体の間で羽根を開閉させる機構が考えられるが、電子機器の小型化が進むにつれて、カメラモジュールを組み込むことができるスペースも小さくなってきており、従来のシャッタ機構ではこのような限られたスペースに組み込むことが難しい。また、電子機器の小型化に伴い、このような羽根も小さくする必要があり、羽根の開閉状態を外部から視認しにくくなってきている。このため、プライバシーが保護されている安心感をユーザに与えることが難しくなってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、羽根部材の開閉状態を外部から視認しやすい羽根開閉装置を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、本発明は、プライバシーが保護されている安心感をユーザに与えることができる撮像装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、羽根部材の開閉状態を外部から視認しやすい羽根開閉装置が提供される。この羽根開閉装置は、ベース開口が形成されたベース部と、上記ベース部の少なくとも一部を覆うカバー部とを備える。上記カバー部には、第1の方向において上記ベース部の上記ベース開口に隣接した位置にカバー開口が形成される。上記羽根開閉装置は、上記ベース部と上記カバー部との間に形成される羽根室の内部で上記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って移動可能な羽根部材をさらに備える。上記羽根部材は、光を発することが可能な発光部を有する。上記羽根駆動装置は、上記羽根部材の上記発光部の少なくとも一部が上記カバー開口から露出するように上記羽根部材を閉位置に移動させるとともに、上記カバー開口と上記ベース開口とが連通するように上記羽根部材を開位置に退避させるアクチュエータを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態における羽根開閉装置を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の羽根開閉装置をベース部とカバー部との間で切断したときの正面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す状態から羽根部材を+X方向に移動させた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る羽根開閉装置の実施形態について
図1から
図6を参照して詳細に説明する。
図1から
図6において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、
図1から
図6においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態における羽根開閉装置1を示す斜視図、
図2は、羽根開閉装置1の分解斜視図である。
図1及び
図2に示すように、羽根開閉装置1は、略矩形状のベース開口11が形成されたベース部10と、ベース部10に取り付けられるアクチュエータ20と、ベース部10の全体を覆うカバー部30と、ベース部10とカバー部30との間に形成される羽根室に配置される羽根部材40とを備えている。この羽根開閉装置1は、例えばユーザが意図していないときにカメラによる撮影を遮断できるようにカメラユニットに組み込まれるものである。例えば、羽根開閉装置1は、テレビやノートパソコンに搭載されるカメラユニット(撮像装置)に組み込まれる。
【0012】
ベース部10とカバー部30とはカメラユニットの光軸に沿った方向(Z方向)に並んで配置されている。カバー部30には、Z方向(第1の方向)においてベース部10のベース開口11に隣接した位置に略矩形状のカバー開口31が形成されている。ベース部10のベース開口11の-Z方向側にはカメラユニットのレンズモジュール(図示せず)が配置されており、カバー開口31及びベース開口11を通ってレンズモジュールのレンズ及び撮像素子に光が入射するようになっている。ベース部10のベース開口11は、レンズモジュールに入射する光の量を決める開口(口径)として機能する。
【0013】
ベース部10の四隅には貫通孔12が形成されており、これらの貫通孔12にネジ19を挿通し、このネジ19をカバー部30に形成されたネジ部32に螺合させることにより、ベース部10とカバー部30とが互いに固定される。なお、ベース部10とカバー部30との固定方法はこれに限られるものではない。
【0014】
アクチュエータ20は、ステッピングモータや扁平モータ、DCモータのようなモータ21と、モータ21の出力軸に連結されたピニオン22とを含んでいる。モータ21は、フレキシブルプリント基板(FPC)23によって外部の制御部に接続されている。モータ21は、制御部からの制御信号を受けて駆動し、ピニオン22をZ軸周りに回転させるようになっている。
【0015】
図3は、
図1の羽根開閉装置1をベース部10とカバー部30との間で切断したときの正面図である。
図3に示すように、羽根部材40は、カバー開口31及びベース開口11を塞ぐことが可能な発光部41と、発光部41から+X方向に延びる1対のガイド部42,43と、互いに対向するガイド部42,43の面のうちガイド部42の面44にX方向に沿って形成されたラック部45とを有している。羽根部材40は、例えば透光性を有する導光板から形成されており、発光部41の表面の一部には遮光性の塗装48が塗布されている。これにより、羽根部材40の発光部41の中央部には、塗装48が施されていない逆三角形の発光領域49が形成されている。
【0016】
ラック部45はアクチュエータ20のピニオン22と噛合している。ガイド部42にはX方向に延びるガイド溝42Aが形成されており、ガイド部43にはX方向に延びるガイド溝43Aが形成されている。また、ガイド部42のガイド溝42Aの+Y方向側にはX方向に延びるガイド凹部42Bが形成されており、ガイド部43のガイド溝43Aの-Y方向側にはX方向に延びるガイド凹部43Bが形成されている。
【0017】
ベース部10は、ベース開口11が形成された板部13と、板部13のY方向の両縁部から+Z方向に延びる側壁14と、板部13から+Z方向に突出するガイドポスト15と、X方向に延びるように板部13上に形成されたレール部16とを有している。羽根部材40はベース部10の側壁14の間に配置されている。また、ベース部10の側壁14には、互いに対向する方向に(内側に)突出する突起17が形成されている。
【0018】
羽根部材40のそれぞれのガイド溝42A,43Aの内部には、ベース部10のガイドポスト15が位置している。このガイドポスト15の外径は、羽根部材40のガイド溝42A,43AのY方向の幅よりわずかに小さい程度となっており、ガイドポスト15は羽根部材40のガイド溝42A,43Aに係合しつつ、ガイド溝42A,43A内をX方向に移動できるようになっている。また、ベース部10の突起17は、羽根部材40のガイド凹部42B,43B内に位置しており、ガイド凹部42B,43B内をX方向に移動できるようになっている。このように、羽根部材40は、ベース部10とカバー部30との間に形成される羽根室の内部で、ベース部10の側壁14及びガイドポスト15にガイドされつつ、X方向(第2の方向)に移動できるように構成される。羽根部材40は、X方向に移動するときにベース部10のレール部16上を摺接する。
【0019】
図1及び
図3に示す状態では、羽根部材40の発光部41がカバー開口31及びベース開口11を塞いでおり、発光部41の一部がカバー開口31から外部に露出している。このときの羽根部材40の位置を「閉位置」ということとする。このように、羽根部材40が閉位置にあるときには、カバー開口31が羽根部材40により塞がれているため、カメラユニットが動作しても、画像や映像を取得することができない。これにより、ユーザが意図しない画像や映像がカメラユニットにより取得されることを防止することができる。
【0020】
この状態から、アクチュエータ20のモータ21を駆動させることで、ピニオン22をZ軸周り(
図3において時計回り)に回転させると、羽根部材40のラック部45とピニオン22との噛合により、羽根部材40が+X方向に移動する。このときの状態を
図4に示す。このときの羽根部材40の発光部41はカバー開口31及びベース開口11から+X方向側に退避した位置にある。このときの羽根部材40の位置を「開位置」ということとする。この状態では、カバー開口31とベース開口11とが互いに連通しており、外部からの光がカバー開口31及びベース開口11を通ってカメラユニットのレンズ及び撮像素子に入射し、カメラユニットによる撮影が可能である。
【0021】
また、
図4に示す状態から、アクチュエータ20のモータ21を駆動してピニオン22を上記とは逆方向に回転させると、羽根部材40のラック部45とピニオン22との噛合により、羽根部材40が-X方向に移動して、
図3に示す閉位置に至る。このように、アクチュエータ20は、モータ21を駆動してピニオン22を回転させて、羽根部材40のラック部45とピニオン22との噛合により、羽根部材40を閉位置と開位置との間で移動させることができる。
【0022】
ここで、
図3の閉位置にある羽根部材40の発光部41の近傍にはLED光源50が配置されている。上述したFPC23はこのLED光源50まで延びており、LED光源50は、このFPC23によって外部の制御部に接続されている。これにより、LED光源50は、制御部からの信号により発光するようになっている。LED光源50は、カバー部30に設けられた保持部60により保持されている。
【0023】
図5は、
図3に示す羽根開閉装置1の部分断面図である。上述したように、羽根部材40は、例えば透光性を有する導光板から形成されており、LED光源50から発された光は、
図5の矢印で示すように、羽根部材40の側面から発光部41に入射して発光部41内を伝搬する。発光部41の内部を伝搬する光は、遮光性の塗装48が塗布されていない発光領域49からカバー開口31を通って外部に出射される。換言すれば、本実施形態における羽根部材40の発光部41は、LED光源50からの光を受けて外部に光を発するように構成されている。
【0024】
このように、本実施形態では、LED光源50を発光させることにより、カバー開口31内で発光部41の逆三角形状の発光領域49を発光させることができる。これにより、羽根開閉装置1のカバー開口31が羽根部材40で遮蔽されていることを外部から容易に視認することができる。なお、発光領域49の形状は逆三角形だけに限られない。例えば、発光領域49は、円形状、楕円状、矩形などの形状を有していてもよいし、特定の図形商標や意匠などを示すマークであってもよい。また、発光領域49は文字列を形成していてもよいし、前述のマーク及び文字列の組み合わせであってもよい。
【0025】
本実施形態では、羽根開閉装置1は、Y方向に短くX方向に長い形状を有しており、LED光源50はX方向においてベース開口11に対してアクチュエータ20とは反対側に配置されている。また、LED光源50からの光を効率的に羽根部材40の発光部41に入射させるために、
図3に示すように、LED光源50は、Y方向(第3の方向)において閉位置にある羽根部材40の発光部41の中央に近傍に配置されることが好ましい。また、より多くの光を羽根部材40の発光部41に入射させるために、
図5に示すように、Z方向に沿ったLED光源50の厚さの範囲は、Z方向に沿った羽根部材40の発光部41の厚さの範囲内にあることが好ましい。
【0026】
図6は、
図4の部分拡大図である。上述したように、LED光源50は、カバー部30に設けられた保持部60により保持されているが、このカバー部30の保持部60は、
図6に示すように、LED光源50が接続されたFPC23を挟み込む把持部61を有している。この把持部61は、LED光源50から羽根部材40の発光部41に向かって次第に広がる照射空間Sを形成する傾斜面62と、羽根部材40に当接可能なストッパ面63とを有している。このような把持部61の傾斜面62によって、LED光源50から発光部41に向かって次第に広がる照射空間Sを形成することができるので、LED光源50から発された光が入射する発光部41の領域の面積を大きくすることができ、より効率的にLED光源50からの光を発光部41に導入することができる。また、-X方向に移動してきた羽根部材40を把持部61のストッパ面63で受けることにより羽根部材40のX方向の移動をストッパ面63の位置までに規制することができる。
【0027】
本実施形態では、LED光源50を保持する保持部60がカバー部30に設けられているが、ベース部10に保持部60を設けてもよいことは言うまでもない。
【0028】
本実施形態では、羽根部材40全体が透光性を有する導光板で構成されている例を説明したが、羽根部材40の発光部41を導光板で構成すれば、羽根部材40の他の部分は導光板で構成されている必要はない。また、塗装48を発光部41の表面に必ずしも塗布する必要はない。さらに、本実施形態では、LED光源50からの光を羽根部材40の発光部41に導入して発光部41から光を発するように構成されているが、例えば、LED光源50を設けずに、発光部41の少なくとも一部を蓄光材料や蛍光材料により形成して光を発するように構成してもよい。
【0029】
また、図示した実施形態では、ベース部10のベース開口11及びカバー部30のカバー開口31の形状が略矩形であるが、これらの開口11,31の形状は略矩形に限られるものではなく、円形状、楕円状など任意の形状を選択することができる。
【0030】
なお、他の実施形態では、羽根部材40は手動で開閉できるように構成されていてもよい。この場合において、カメラユニットの電源が羽根部材40の開閉の状態と連動していてもよい。例えば、羽根部材40が開状態のときにカメラユニットの電源がオンとなり、羽根部材40が閉状態のときにカメラユニットの電源がオフになるようにしてもよい。
【0031】
また、その他の実施形態では、カバー部30には羽根部材40の開閉状態を発光状態で示す発光体(例えば発光ダイオード)が設けられてもよい。例えばたとえば、羽根部材40が開状態にあるときには発光体(LED)が発光し、羽根部材40が閉状態にあるときにはこの発光体(LED)が消灯するようにしてもよい。また、このように発光部材を発光及び消灯させるのではなく、羽根部材40の開閉状態の変化に合わせて発光体の色を変化させてもよい。さらに、このような発光体をカバー部30の内側(すなわち-Z方向側)に設けてもよい。例えば発光体が発光すると、発光体の光をカバー部30を通して外部から視認することができ、ユーザはカバー部30の少なくとも一部が発光しているように認識することができる。
【0032】
上述したように、本実施形態における羽根開閉装置1は、テレビやノートパソコンに搭載されるカメラユニット(撮像装置)に組み込まれるものであり、カバー部30のカバー開口31及びベース部10のベース開口11を通過した光が撮像装置の撮像素子に入射するようになっている。この場合において、羽根開閉装置1のカバー部30が撮像装置のカバー部材を兼ねていてもよい。
【0033】
以上述べたように、本発明の第1の態様によれば、羽根部材の開閉状態を外部から視認しやすい羽根開閉装置が提供される。この羽根開閉装置は、ベース開口が形成されたベース部と、上記ベース部の少なくとも一部を覆うカバー部とを備える。上記カバー部には、第1の方向において上記ベース部の上記ベース開口に隣接した位置にカバー開口が形成される。上記羽根開閉装置は、上記ベース部と上記カバー部との間に形成される羽根室の内部で上記第1の方向に垂直な第2の方向に沿って移動可能な羽根部材をさらに備える。上記羽根部材は、光を発することが可能な発光部を有する。上記羽根駆動装置は、上記羽根部材の上記発光部の少なくとも一部が上記カバー開口から露出するように上記羽根部材を閉位置に移動させるとともに、上記カバー開口と上記ベース開口とが連通するように上記羽根部材を開位置に退避させるアクチュエータを備える。
【0034】
このような構成によれば、羽根部材が閉位置に移動した際に、カバー開口から露出する羽根部材の発光部から光を発することができるので、羽根開閉装置のカバー開口が羽根部材で遮蔽されていることを外部から容易に視認することが可能になる。
【0035】
上記羽根開閉装置は、上記閉位置にある上記羽根部材の上記発光部の近傍に配置される光源をさらに備えていてもよい。この場合において、上記羽根部材の少なくとも上記発光部は透光性を有する材料から形成されていてもよい。また、上記羽根部材の上記発光部の表面の一部には遮光性の塗装が塗布されていてもよい。
【0036】
上記光源は、上記第2の方向において上記ベース開口に対して上記アクチュエータとは反対側に配置されていてもよい。また、光源からの光を効率的に羽根部材の発光部に入射させるために、上記光源は、上記第1の方向及び上記第2の方向の双方に垂直な第3の方向において上記閉位置にある上記羽根部材の上記発光部の中央の近傍に配置されることが好ましい。また、より多くの光を羽根部材の発光部に入射させるために、上記第1の方向に沿った上記光源の厚さの範囲が、上記第1の方向に沿った上記羽根部材の上記発光部の厚さの範囲内にあることが好ましい。
【0037】
上記カバー部及び上記ベース部の一方は、上記光源を保持する保持部を有していてもよい。この保持部は、上記光源から上記羽根部材の上記発光部に向かって次第に広がる照射空間を形成する傾斜面を含む保持部を有することが好ましい。このように発光部に向かって次第に広がる照射空間を形成することにより、光源から発された光が入射する発光部の領域の面積を大きくすることができ、より効率的に光源からの光を発光部に導入することができる。
【0038】
上記保持部は、上記羽根部材に当接可能なストッパ面をさらに含むことが好ましい。第2の方向に移動してきた羽根部材を保持部のストッパ面で受けることにより、羽根部材の第2の方向の移動をストッパ面の位置までに規制することができる。
【0039】
上記羽根部材は、上記ベース部にガイドされるように上記第2の方向に沿って延びる1対のガイド部と、上記1対のガイド部のうち一方のガイド部に上記第2の方向に沿って形成されるラック部をさらに有していてもよい。この場合において、上記アクチュエータは、上記羽根部材の上記ラック部に噛合するピニオンを有していてもよい。
【0040】
本発明の第2の態様によれば、プライバシーが保護されている安心感をユーザに与えることができる撮像装置が提供される。この撮像装置は、撮像素子と、上述した羽根開閉装置とを備える。上記羽根開閉装置は、上記カバー開口及び上記ベース開口を通過した光が上記撮像素子に入射するように配置される。この場合において、上記羽根開閉装置の上記カバー部は、上記撮像素子を含むカメラユニットのカバー部材で構成されていてもよい。
【0041】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
1 羽根開閉装置
10 ベース部
11 ベース開口
13 板部
14 側壁
15 ガイドポスト
16 レール部
17 突起
20 アクチュエータ
21 モータ
22 ピニオン
23 フレキシブルプリント基板
30 カバー部
31 カバー開口
40 羽根部材
41 発光部
42,43 ガイド部
42A,43A ガイド溝
42B,43B ガイド凹部
45 ラック部
48 塗装
49 発光領域
50 LED光源
60 保持部
61 把持部
62 傾斜面
63 ストッパ面
S 照射空間