IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 森村SOFCテクノロジー株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電気化学反応単セル 図1
  • 特開-電気化学反応単セル 図2
  • 特開-電気化学反応単セル 図3
  • 特開-電気化学反応単セル 図4
  • 特開-電気化学反応単セル 図5
  • 特開-電気化学反応単セル 図6
  • 特開-電気化学反応単セル 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023050
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】電気化学反応単セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1213 20160101AFI20230209BHJP
   H01M 8/0215 20160101ALI20230209BHJP
   H01M 8/0228 20160101ALI20230209BHJP
   C25B 9/63 20210101ALI20230209BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20230209BHJP
   H01M 8/1286 20160101ALI20230209BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230209BHJP
【FI】
H01M8/1213
H01M8/0215
H01M8/0228
C25B9/63
C25B9/23
H01M8/1286
H01M8/12 101
H01M8/12 102A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128226
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】519322392
【氏名又は名称】森村SOFCテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸輔
【テーマコード(参考)】
4K021
5H126
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA02
4K021CA04
4K021DB40
4K021DB43
4K021DB48
4K021DB53
4K021DC03
4K021EA03
4K021EA04
4K021EA05
5H126AA02
5H126BB06
5H126DD05
5H126EE11
5H126GG12
5H126JJ00
5H126JJ03
(57)【要約】
【課題】優れた性能を発揮する電気化学反応単セルを提供する。
【解決手段】電気化学反応単セルは、電解質層と、電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する燃料極および空気極と、燃料極と空気極との一方(特定電極)に対して電解質層とは反対側に位置する金属支持体とを備える。金属支持体は、特定電極に対して第1の方向に対向する対向面が特定電極に接しており、第1の方向視で特定電極と重なる位置において第1の方向に貫通する複数の貫通孔を有する。金属支持体のうち、特定電極に接する対向面は、酸化被膜によって構成される。電気化学反応単セルの第1の方向に沿った少なくとも1つの断面において、金属支持体のうち、第1の方向の対向面とは反対側の表面である反対面の表面粗さをA1(μm)とし、金属支持体の対向面のうち、特定電極が接する部分である第1部分の表面粗さをA2(μm)としたときに、数式:A1>A2を満たす。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質層と、
前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する燃料極および空気極と、
前記燃料極と前記空気極との一方である特定電極に対して前記電解質層とは反対側に位置する金属支持体であって、前記特定電極に対して前記第1の方向に対向する表面である対向面が前記特定電極に接しており、前記第1の方向視で前記特定電極と重なる位置において前記第1の方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属支持体と、を備える電気化学反応単セルにおいて、
前記金属支持体のうち、前記特定電極に接する前記対向面の少なくとも一部は、酸化被膜によって構成され、
前記電気化学反応単セルの前記第1の方向に沿った少なくとも1つの断面である特定断面において、
前記金属支持体のうち、前記第1の方向の前記対向面とは反対側の表面である反対面の表面粗さをA1(μm)とし、前記金属支持体の前記対向面のうち、前記特定電極が接する部分である第1部分の表面粗さをA2(μm)としたときに、
数式:A1>A2を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項2】
請求項1に記載の電気化学反応単セルであって、
A1/A2をA3としたときに、
数式:A3≧1.2を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電気化学反応単セルであって、
前記反対面を構成する前記酸化被膜の厚さのばらつきをTV1(μm)とし、前記第1部分を構成する前記酸化被膜の厚さのばらつきをTV2(μm)としたときに、
数式:TV1>TV2を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項4】
請求項3に記載の電気化学反応単セルであって、
TV1/TV2をA4としたときに、
数式:A4≧1.2を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであって、
数式:TV1≧1.0を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであって、
数式:TV2<1.0を満たす、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電気化学反応単セルであって、
前記第1部分を構成する前記酸化被膜の平均厚さは、前記反対面を構成する前記酸化被膜の平均厚さよりも小さい、
ことを特徴とする電気化学反応単セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、電気化学反応単セルに関する。
【背景技術】
【0002】
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池の種類の1つとして、固体酸化物形の燃料電池(以下、「SOFC」という。)が知られている。SOFCの構成単位である燃料電池単セル(以下、単に「単セル」という。)は、固体酸化物を含む電解質層と、電解質層を挟んで所定の方向(以下、「第1の方向」という。)に互いに対向する燃料極および空気極とを備える。
【0003】
単セルの一形態として、金属支持型(メタルサポート型)の単セルが知られている(例えば、特許文献1参照)。金属支持型の単セルは、燃料極と空気極との一方(以下、「特定電極」という。)に対して電解質層とは反対側に配置された金属支持体を備え、金属支持体によって単セルにおける他の部分(電解質層等)を支持する。一般に、金属支持型の単セルは、他のタイプ(例えば燃料極支持型)の単セルと比較して、熱衝撃による割れが生じにくく、また起動性が高い。
【0004】
金属支持型の単セルでは、金属支持体に、発電に供される反応ガスを通過させるために、金属支持体の一方の表面から他方の表面まで第1の方向に貫通する複数の貫通孔が形成されている。複数の貫通孔は、第1の方向視で特定電極と重なるように位置している。以下、金属支持体のうち、特定電極に対向する側の表面を「対向面」といい、対向面とは反対側の表面を「反対面」という。金属支持体の対向面は、特定電極に対して第1の方向に対向し、かつ、特定電極に接している。金属支持体の表面(対向面および反対面を含む)は、酸化被膜によって構成されている。金属支持体の対向面の表面粗さと、反対面の表面粗さとは同等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-195414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の金属支持型の単セルでは、発電運転の際に、金属支持体の反対面の表面粗さが小さいと、単セルに対して供給され、金属支持体の反対面に沿って流れる反応ガスが、金属支持体の貫通孔に進入せずに通り過ぎやすくなる。そのため、金属支持体の貫通孔内を通って特定電極に供給される反応ガスの量が少なくなり、これにより単セルの性能が低下するおそれがある。
【0007】
また、発電運転の際に、金属支持体の酸化被膜の形成や、金属支持体と特定電極との間で元素の相互拡散が生じることがある。仮に金属支持体の対向面の表面粗さが大きいと、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が過度に生じやすく、ひいては、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離といった問題が生じやすくなる。
【0008】
なお、このような課題は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形の電解セル(以下、「SOEC」という。)の構成単位である電解単セルにも共通の問題である。なお、本明細書では、燃料電池単セルと電解単セルとをまとめて、電気化学反応単セルと呼ぶ。
【0009】
上記に鑑み、本発明は、従来と比較して、反応ガスの供給効率を向上させながらも、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離を抑制することができ、ひいては優れた性能を発揮する単セルを提供することを目的とする。
【0010】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0012】
(1)本明細書に開示される電気化学反応単セルは、電解質層と、前記電解質層を挟んで第1の方向に互いに対向する燃料極および空気極と、前記燃料極と前記空気極との一方である特定電極に対して前記電解質層とは反対側に位置する金属支持体であって、前記特定電極に対して前記第1の方向に対向する表面である対向面が前記特定電極に接しており、前記第1の方向視で前記特定電極と重なる位置において前記第1の方向に貫通する複数の貫通孔を有する金属支持体と、を備える電気化学反応単セルにおいて、前記金属支持体のうち、前記特定電極に接する前記対向面の少なくとも一部は、酸化被膜によって構成され、前記電気化学反応単セルの前記第1の方向に沿った少なくとも1つの断面である特定断面において、前記金属支持体のうち、前記第1の方向の前記対向面とは反対側の表面である反対面の表面粗さをA1(μm)とし、前記金属支持体の前記対向面のうち、前記特定電極が接する部分である第1部分の表面粗さをA2(μm)としたときに、数式:A1>A2を満たす。
【0013】
電気化学反応単セルにおいて、A1(μm)が小さい(換言すれば、金属支持体の反対面の粗さが小さい)と、電気化学反応単セルに対して供給され、金属支持体の反対面に沿って流れる反応ガスが、金属支持体の貫通孔に進入せずに通り過ぎやすくなる。そのため、金属支持体の貫通孔内を通って特定電極に供給される反応ガスの量が少なくなり、これにより電気化学反応単セルの性能が低下する。
【0014】
これに対し、本電気化学反応単セルでは、A1>A2を満たすことにより、A1とA2が同等である構成と比較して、A1が大きい(換言すれば、金属支持体の反対面の粗さが大きい)ことにより、発電運転の際に、金属支持体の反対面に沿って流れる反応ガスの反対面に沿う方向の進行が抑制されやすくなり、その結果、反応ガスが金属支持体の貫通孔に進入しやすくなる。そのため、本電気化学反応単セルにおいては、A1とA2が同等である構成と比較して、金属支持体の貫通孔内を通って特定電極に供給される反応ガスの量が多くなる(換言すれば、反応ガスの供給効率が向上する)。そのため、本電気化学反応単セルによれば、A1とA2が同等である構成と比較して、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0015】
ところで、このような電気化学反応単セルにおいては、発電運転の際に、金属支持体の酸化被膜の形成や、金属支持体と特定電極との間で元素の相互拡散が生じることがある。A2が大きい(換言すれば、金属支持体の対向面の表面粗さが大きい)と、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が過度に生じやすく、ひいては、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離といった問題が生じやすくなる。
【0016】
これに対し、本電気化学反応単セルでは、A1>A2を満たすことにより、A1とA2が同等である構成と比較して、A2が小さいことにより、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が抑制される。よって、本電気化学反応単セルにおいては、A1とA2が同等である構成と比較して、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離が抑制される。そのため、本電気化学反応単セルによれば、A1とA2が同等である構成と比較して、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0017】
以上の説明から明らかなように、本電気化学反応単セルによれば、A1とA2が同等である構成と比較して、反応ガスの供給効率を向上させることができ、かつ、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離を抑制することができ、ひいては電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0018】
(2)上記電気化学反応単セルにおいて、A1/A2をA3としたときに、数式:A3≧1.2を満たす構成としてもよい。本電気化学反応単セルにおいては、より効果的に、金属支持体の反対面に沿って流れる反応ガスの反対面に沿う方向の進行が抑制されやすくなり、反応ガスが金属支持体の貫通孔に進入しやすくなる。そのため、より効果的に、金属支持体の貫通孔内を通って特定電極に供給される反応ガスの量が多くなり(換言すれば、反応ガスの供給効率が向上する)。そのため、本電気化学反応単セルによれば、より効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0019】
(3)上記電気化学反応単セルにおいて、前記反対面を構成する前記酸化被膜の厚さのばらつきをTV1(μm)とし、前記第1部分を構成する前記酸化被膜の厚さのばらつきをTV2(μm)としたときに、数式:TV1>TV2を満たす構成としてもよい。本電気化学反応単セルによれば、より効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離を抑制することができ、ひいては、より効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0020】
(4)上記電気化学反応単セルにおいて、TV1/TV2をA4としたときに、数式:A4≧1.2を満たす構成としてもよい。本電気化学反応単セルによれば、より効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離を抑制することができ、ひいては、より効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0021】
(5)上記電気化学反応単セルにおいて、数式:TV1≧1.0を満たす構成としてもよい。本電気化学反応単セルにおいては、特に効果的に、金属支持体の貫通孔内を通って特定電極に供給される反応ガスの量が多くなる(換言すれば、反応ガスの供給効率が向上する)。そのため、本電気化学反応単セルによれば、特に効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0022】
(6)上記電気化学反応単セルにおいて、数式:TV2<1.0を満たす構成としてもよい。本電気化学反応単セルによれば、A1とA2が同等である構成と比較して、特に効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離が抑制される。そのため、本電気化学反応単セルによれば、より効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0023】
(7)上記電気化学反応単セルにおいて、前記第1部分を構成する前記酸化被膜の平均厚さは、前記反対面を構成する前記酸化被膜の平均厚さよりも小さい構成としてもよい。本電気化学反応単セルによれば、特に効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体からの特定電極の剥離が抑制される。そのため、本電気化学反応単セルによれば、特に効果的に、電気化学反応単セルの性能を向上させることができる。
【0024】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、電気化学反応単セル(燃料電池単セルまたは電解単セル)、複数の電気化学反応単セルを備える電気化学反応セルスタック(燃料電池スタックまたは電解セルスタック)、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図
図2図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図
図3図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図
図4図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図
図5図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図
図6】本実施形態における単セル110の詳細構成を示す説明図
図7】性能評価結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
A.実施形態:
A-1.燃料電池スタック100の構成:
図1は、本実施形態における燃料電池スタック100の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1のII-IIの位置における燃料電池スタック100のXZ断面構成を示す説明図であり、図3は、図1のIII-IIIの位置における燃料電池スタック100のYZ断面構成を示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向と呼び、Z軸負方向を下方向と呼ぶものとするが、燃料電池スタック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。図4以降についても同様である。
【0027】
燃料電池スタック100は、複数の(本実施形態では7つの)燃料電池発電単位(以下、単に「発電単位」という。)102と、一対のエンドプレート104,106とを備える。7つの発電単位102は、所定の配列方向(本実施形態ではZ軸方向)に並べて配置されている。一対のエンドプレート104,106は、7つの発電単位102から構成される集合体を上下から挟むように配置されている。上記配列方向(Z軸方向)は、特許請求の範囲における第1の方向の一例である。発電単位102は、特許請求の範囲における電気化学反応単位の一例である。
【0028】
燃料電池スタック100を構成する各層(発電単位102、エンドプレート104,106)のZ軸方向回りの周縁部には、Z軸方向に貫通する複数の(本実施形態では8つの)孔が形成されており、各層に形成され互いに対応する孔同士がZ軸方向に連通して、一方のエンドプレート104から他方のエンドプレート106にわたってZ軸方向に延びる貫通孔108を構成している。以下の説明では、貫通孔108を構成するために燃料電池スタック100の各層に形成された孔も、貫通孔108と呼ぶ場合がある。
【0029】
各貫通孔108にはZ軸方向に延びるボルト22が挿通されており、ボルト22とボルト22の両側に嵌められたナット24とによって、燃料電池スタック100は締結されている。なお、図2および図3に示すように、ナット24と各エンドプレート104,106(または後述するガス通路部材27)との間には、絶縁シート26が介在している。
【0030】
各ボルト22の軸部の外周面と各貫通孔108の内周面との間には、空間が確保されている。図1および図2に示すように、1つのボルト22(ボルト22A)と当該ボルト22Aが挿通された貫通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から酸化剤ガスOG(例えば空気)が導入され、その酸化剤ガスOGを各発電単位102の空気室166に供給するガス流路である空気極側ガス供給マニホールド161として機能し、他の1つのボルト22(ボルト22B)と当該ボルト22Bが挿通された貫通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の空気室166から排出されたガスである酸化剤オフガスOOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する空気極側ガス排出マニホールド162として機能する。また、図1および図3に示すように、他の1つのボルト22(ボルト22D)と当該ボルト22Dが挿通された貫通孔108とにより形成された空間は、燃料電池スタック100の外部から燃料ガスFG(例えば水素リッチなガス)が導入され、その燃料ガスFGを各発電単位102の燃料室176に供給する燃料極側ガス供給マニホールド171として機能し、他の1つのボルト22(ボルト22E)と当該ボルト22Eが挿通された貫通孔108とにより形成された空間は、各発電単位102の燃料室176から排出されたガスである燃料オフガスFOGを燃料電池スタック100の外部へと排出する燃料極側ガス排出マニホールド172として機能する。
【0031】
燃料電池スタック100には、4つのガス通路部材27が設けられている。各ガス通路部材27は、中空筒状の本体部28と、本体部28の側面から分岐した中空筒状の分岐部29とを有している。分岐部29の孔は本体部28の孔と連通している。各ガス通路部材27の本体部28の孔は、各ガス通路部材27の設置位置に設けられた各マニホールド161,162,171,172に連通している。
【0032】
(エンドプレート104,106の構成)
一対のエンドプレート104,106は、Z軸方向に略直交する平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。一方のエンドプレート104は、最も上に位置する発電単位102の上側に配置され、当該発電単位102と電気的に接続されている。他方のエンドプレート106は、最も下に位置する発電単位102の下側に配置され、当該発電単位102と電気的に接続されている。上側のエンドプレート104は、燃料電池スタック100のプラス側の出力端子として機能し、下側のエンドプレート106は、燃料電池スタック100のマイナス側の出力端子として機能する。
【0033】
(発電単位102の構成)
図4は、図2に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のXZ断面構成を示す説明図であり、図5は、図3に示す断面と同一の位置における互いに隣接する2つの発電単位102のYZ断面構成を示す説明図である。
【0034】
図4および図5に示すように、発電単位102は、燃料電池単セル(以下、「単セル」という。)110と、セパレータ120と、空気極側フレーム部材130と、空気極側集電体134と、燃料極側フレーム部材140と、燃料極側集電体144と、一対のインターコネクタ150とを備えている。セパレータ120、空気極側フレーム部材130、燃料極側フレーム部材140、インターコネクタ150の周縁部には、上述したボルト22が挿通される貫通孔108に対応する孔が形成されている。
【0035】
インターコネクタ150は、Z軸方向に略直交する平板形状の導電性部材であり、例えばステンレスにより形成されている。インターコネクタ150は、発電単位102間の電気的導通を確保すると共に、発電単位102間での反応ガスの混合を防止する。なお、本実施形態では、2つの発電単位102が隣接して配置されている場合、1つのインターコネクタ150は、隣接する2つの発電単位102に共有されている。すなわち、ある発電単位102における上側のインターコネクタ150は、その発電単位102の上側に隣接する他の発電単位102における下側のインターコネクタ150と同一部材である。また、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えておらず、最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていない(図2および図3参照)。
【0036】
単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向に互いに対向する空気極114および燃料極116とを備える。単セル110は、さらに、燃料極116に対して電解質層112とは反対側(下側)に位置する金属支持体180を備える。
【0037】
金属支持体180は、Z軸方向に略直交する平板形状の導電性部材であり、金属(例えばステンレス)により形成されている。金属支持体180は、単セル110における他の構成要素(電解質層112等)を支持している。このように、本実施形態の単セル110は、金属支持体180によって単セル110の機械的強度を確保する、いわゆる金属支持型(メタルサポート型)の単セルである。金属支持型の単セルは、他のタイプ(例えば燃料極支持型)の単セルと比較して、熱衝撃による割れが生じにくく、また起動性が高い。後述するように、金属支持体180には、燃料ガスFGを通過させるための複数の貫通孔50が形成されている(図6参照)。
【0038】
電解質層112は、Z軸方向に略直交する平板形状部材であり、緻密な層である。本実施形態では、電解質層112は、燃料極116における上側の表面と、金属支持体180における上側の表面の内、燃料極116に覆われていない領域とを連続的に覆うように形成されている。電解質層112は、例えば、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)等の固体酸化物により形成されている。このように、本実施形態の単セル110は、電解質として固体酸化物を用いる固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。空気極114は、Z軸方向に略直交する平板形状部材であり、多孔質な層である。空気極114は、例えば、ペロブスカイト型酸化物(例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物))により形成されている。燃料極116は、Z軸方向に略直交する平板形状部材であり、多孔質な層である。燃料極116は、例えば、Niと酸化物イオン伝導性セラミックス粒子(例えば、YSZ)とからなるサーメットにより形成されている。本実施形態では、燃料極116は、特許請求の範囲における特定電極に相当する。
【0039】
セパレータ120は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔121が形成されたフレーム状の部材であり、例えばステンレスにより形成されている。セパレータ120における孔121を取り囲む部分は、例えばロウ材を含む接合部124により、単セル110(電解質層112)の周縁部と接合されている。セパレータ120により、空気極114に面する空気室166と燃料極116に面する燃料室176とが区画される。
【0040】
空気極側フレーム部材130は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔131が形成されたフレーム状の部材であり、例えばマイカ等の絶縁体により形成されている。空気極側フレーム部材130の孔131は、空気極114に面する空気室166を構成する。空気極側フレーム部材130によって、発電単位102に含まれる一対のインターコネクタ150間が電気的に絶縁される。空気極側フレーム部材130には、空気極側ガス供給マニホールド161と空気室166とを連通する空気極側ガス供給連通流路132と、空気室166と空気極側ガス排出マニホールド162とを連通する空気極側ガス排出連通流路133とが形成されている。
【0041】
燃料極側フレーム部材140は、中央付近にZ軸方向に貫通する略矩形の孔141が形成されたフレーム状の部材であり、例えばステンレスにより形成されている。燃料極側フレーム部材140の孔141は、燃料極116に面する燃料室176を構成する。燃料極側フレーム部材140には、燃料極側ガス供給マニホールド171と燃料室176とを連通する燃料極側ガス供給連通流路142と、燃料室176と燃料極側ガス排出マニホールド172とを連通する燃料極側ガス排出連通流路143とが形成されている。
【0042】
空気極側集電体134は、空気室166内に配置された複数の略四角柱状の集電体要素135から構成されており、例えばステンレスにより形成されている。空気極側集電体134は、空気極114とインターコネクタ150とを電気的に接続する。ただし、燃料電池スタック100において最も上に位置する発電単位102は上側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における空気極側集電体134は、空気極114と上側のエンドプレート104とを電気的に接続する(図2および図3参照)。なお、空気極側集電体134とインターコネクタ150とが一体の部材として構成されていてもよい。
【0043】
燃料極側集電体144は、燃料室176内に配置された複数の略四角柱状の集電体要素145から構成されており、例えばステンレスにより形成されている。燃料極側集電体144は、金属支持体180とインターコネクタ150とを電気的に接続する。ただし、燃料電池スタック100において最も下に位置する発電単位102は下側のインターコネクタ150を備えていないため、当該発電単位102における燃料極側集電体144は、金属支持体180と下側のエンドプレート106とを電気的に接続する(図2および図3参照)。なお、燃料極側集電体144とインターコネクタ150とが一体の部材として構成されていてもよい。
【0044】
A-2.単セル110の詳細構成:
図6は、本実施形態における単セル110の詳細構成を示す説明図である。図6には、図5のX1部における単セル110のYZ断面構成が拡大して示されている。
【0045】
図6に示すように、単セル110は、上述した金属支持体180を備えている。金属支持体180の表面は酸化被膜によって構成されている。なお、金属支持体180の表面の全体が酸化被膜によって構成されていてもよいが、金属支持体180のうち、少なくとも対向面S11の少なくとも一部が酸化被膜によって構成されていればよい。
【0046】
金属支持体180のうち、燃料極116に対してZ軸方向に対向する表面(以下、「対向面」という。)S11は、燃料極116に接している。
【0047】
金属支持体180には、複数の貫通孔50が形成されている。複数の貫通孔50は、Z軸方向視で燃料極116と重なるように位置している。複数の貫通孔50は、Z軸方向視において燃料極116と重なっている部分の略全体に分布している。隣り合う2つの貫通孔50間の間隔は略一定である。
【0048】
各貫通孔50は、金属支持体180のうち、燃料極116に接する対向面S11から、対向面S11とは反対側の表面(以下、「反対面」という。)S22まで貫通している。このことから、各貫通孔50はZ軸方向に貫通する孔であるといえる。なお、金属支持体180のXY断面における各貫通孔50形状は、円形である。
【0049】
金属支持体180は、2枚の板状部材(第1の金属部材181および第2の金属部材182)がZ軸方向に積層された構成を有している。第2の金属部材182は、第1の金属部材181の下側に配置されており、例えば溶接によって第1の金属部材181と接合されている。第1の金属部材181の厚さと第2の金属部材182の厚さとは、略同一である。
【0050】
金属支持体180に形成された各貫通孔50は、金属支持体180の対向面S11における開口53を含む第1の部分51を有している。各貫通孔50の第1の部分51は、金属支持体180を構成する第1の金属部材181に形成されている。各第1の部分51は、第1の金属部材181における燃料極116に接する対向面S11から、対向面S11とは反対側の表面S12まで貫通している。
【0051】
また、金属支持体180に形成された各貫通孔50は、第1の部分51に加えて、第1の部分51に連通する第2の部分52を有している。第2の部分52は、金属支持体180の下面(後述する第2の金属部材182の表面S22)における開口54を含む部分である。各第2の部分52は、第2の金属部材182における第1の金属部材181に接する表面S21から、表面S21とは反対側の表面S22まで貫通している。すなわち、各貫通孔50は、第1の部分51と第2の部分52とから構成されている。各貫通孔50において、第2の部分52は、Z軸方向視における輪郭線が第1の部分51の輪郭線と重なるように位置している。なお、各貫通孔50内に燃料極116は充填されていない。
【0052】
本実施形態の単セル110は、単セル110におけるZ軸方向に沿った断面において、下記の構成を有する。なお、この単セル110の構成は、Z軸方向に沿ったいずれの断面において満たすものであってもよいが、Z軸方向に沿った少なくとも1つの断面において満たすものであればよい。
【0053】
本実施形態の単セル110では、金属支持体180のうち、Z軸方向の対向面S11とは反対側の表面である反対面S22の表面粗さをA1(μm)とし、金属支持体180の対向面S11のうち、燃料極116が接する部分である第1部分S110の表面粗さをA2(μm)としたときに、数式:A1>A2を満たす。なお、A1,A2の有効数字は2桁である。更に、A1/A2をA3としたときに、数式:A3≧1.2を満たす。例えば、A1(μm)は1.0μm以上(例えば、2.0~10μm程度)であることが特に好ましく、10μm以上であることが更に好ましく、A2(μm)は1.0μm未満(例えば、0.1~0.9μm程度)であることが特に好ましい。
【0054】
金属支持体180の反対面S22を構成する酸化被膜の厚さのばらつきをTV1(μm)とし、金属支持体180の対向面S11の第1部分S110を構成する酸化被膜の厚さのばらつきをTV2(μm)としたときに、数式:TV1>TV2を満たす。なお、TV1,TV2の有効数字は2桁である。更に、TV1/TV2をA4としたときに、数式:A4≧1.2を満たす。TV1は、1.0μm以上である。TV2は、1.0μm未満である。例えば、TV1(μm)は2.0~10μm程度であり、TV2(μm)は0.1~0.9μm程度である。
【0055】
金属支持体180の対向面S11の第1部分S110を構成する酸化被膜の平均厚さは、反対面S22を構成する酸化被膜の平均厚さよりも小さい。ここでいう「酸化被膜の平均厚さ」とは、当該酸化被膜における何れかの10箇所の厚さの平均値である。(以下、同様)。この10箇所は、当該酸化被膜の特定箇所に限られないものであることが特に好ましいが、特定箇所に限られるものであってもよい。例えば、金属支持体180の対向面S11の第1部分S110を構成する酸化被膜の平均厚さは、反対面S22を構成する酸化被膜の平均厚さよりも1.0~2.0μm程度小さい。
【0056】
なお、上述した金属支持体180の表面(対向面S11、反対面S22)の粗さ(A1(μm)、A2(μm))は、例えば、以下のように実現することができる。金属支持体180を構成する板状の金属材料(本実施形態では、第1の金属部材181用材料と第2の金属部材182用材料との2枚構成)の表面に、研削を施すことにより表面粗さを大きくする。この際の研削条件を適宜変更することにより、金属支持体180の表面の粗さを、目標値に調整することができる。なお、必要に応じて、研磨、砥石を用いた研磨、バフを用いた研磨、ブラスト処理などを施してもよい。
【0057】
また、上述した金属支持体180の表面(対向面S11、反対面S22)を構成する酸化被膜の厚さのばらつき(TV1(μm)、TV2(μm))は、焼成時の温度と時間を適宜調節することにより、実現することができる。
【0058】
A-3.金属支持体180の各特性の特定方法:
金属支持体180の表面(対向面S11、反対面S22)の粗さ(A1(μm)、A2(μm))の特定方法は、以下の通りである。
【0059】
まず、単セル110におけるZ軸方向に沿った断面(ただし燃料極116を含む位置)を任意に設定し、該断面における任意の位置で、燃料極116が写ったSEM(加速電圧15kV)におけるSEM画像(例えば1000倍)を得る。
【0060】
上記SEM画像において、視認等に基づいて、単セル110におけるZ軸方向に沿った断面に含まれる表面(対向面S11、反対面S22)の画像解析を行うことにより、算術平均粗さRaに相当する金属支持体180の表面粗さ(A1(μm)、A2(μm))を得ることができる。
【0061】
金属支持体180の表面(対向面S11、反対面S22)を構成する酸化被膜の厚さのばらつき(TV1(μm)、TV2(μm))の特定方法は、以下の通りである。すなわち、各酸化被膜における何れかの10箇所の厚さを測定し、その厚さの最大値と最小値の差を算出することにより特定することができる。この10箇所は、当該酸化被膜の特定箇所に限られないものであることが特に好ましいが、特定箇所に限られるものであってもよい。
【0062】
A-4.燃料電池スタック100の動作:
図2および図4に示すように、酸化剤ガスOGは、空気極側ガス供給マニホールド161の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)から、当該ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して空気極側ガス供給マニホールド161に供給され、空気極側ガス供給マニホールド161から各発電単位102の空気極側ガス供給連通流路132を介して、空気室166に供給される。また、図3および図5に示すように、燃料ガスFGは、燃料極側ガス供給マニホールド171の位置に設けられたガス通路部材27の分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)から、当該ガス通路部材27の分岐部29および本体部28の孔を介して燃料極側ガス供給マニホールド171に供給され、燃料極側ガス供給マニホールド171から各発電単位102の燃料極側ガス供給連通流路142を介して、燃料室176に供給される。
【0063】
各発電単位102において、空気室166に供給された酸化剤ガスOGが多孔質な空気極114内に進入し、かつ、燃料室176に供給された燃料ガスFGが金属支持体180に形成された複数の貫通孔50を通って多孔質な燃料極116内に進入すると、単セル110において酸化剤ガスOGに含まれる酸素と燃料ガスFGに含まれる水素との電気化学反応による発電が行われる。この発電反応は発熱反応である。図6に示すように、燃料室176に供給される燃料ガスFGは、金属支持体180の反対面S22に沿って流れ、金属支持体180の各貫通孔50に進入する。金属支持体180の貫通孔50に進入した燃料ガスFGは、貫通孔50内を進行し、さらに燃料極116の空隙内を進行して、反応場に供給される。
【0064】
各発電単位102において、単セル110の空気極114は、空気極側集電体134を介して一方のインターコネクタ150に電気的に接続され、燃料極116は、金属支持体180および燃料極側集電体144を介して他方のインターコネクタ150に電気的に接続されている。また、燃料電池スタック100に含まれる複数の発電単位102は、電気的に直列に接続されている。そのため、燃料電池スタック100の出力端子として機能するエンドプレート104,106から、各発電単位102において生成された電気エネルギーが取り出される。なお、SOFCは、比較的高温(例えば700℃から1000℃)で発電が行われることから、起動後、発電により発生する熱で高温が維持できる状態になるまで、燃料電池スタック100が加熱器(図示せず)により加熱されてもよい。
【0065】
図2および図4に示すように、各発電単位102の空気室166から空気極側ガス排出連通流路133を介して空気極側ガス排出マニホールド162に排出された酸化剤オフガスOOGは、空気極側ガス排出マニホールド162の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示せず)から燃料電池スタック100の外部に排出される。また、図3および図5に示すように、各発電単位102の燃料室176から燃料極側ガス排出連通流路143を介して燃料極側ガス排出マニホールド172に排出された燃料オフガスFOGは、燃料極側ガス排出マニホールド172の位置に設けられたガス通路部材27の本体部28および分岐部29を経て、当該分岐部29に接続されたガス配管(図示しない)から燃料電池スタック100の外部に排出される。
【0066】
A-5.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタック100を構成する各単セル110は、電解質層112と、電解質層112を挟んでZ軸方向に互いに対向する燃料極116および空気極114と、燃料極116に対して電解質層112とは反対側に位置する金属支持体180とを備える。金属支持体180は、燃料極116に対してZ軸方向に対向する表面である対向面S11が燃料極116に接しており、Z軸方向視で燃料極116と重なる位置においてZ軸方向に貫通する複数の貫通孔50を有する。金属支持体180のうち、燃料極116に接する対向面S11の少なくとも一部は、酸化被膜によって構成されている。単セル110のZ軸方向に沿った断面(以下、「特定断面」という。)において、金属支持体180のうち、Z軸方向の対向面S11とは反対側の表面である反対面S22の表面粗さをA1(μm)とし、金属支持体180の対向面S11のうち、燃料極116が接する部分である第1部分S110の表面粗さをA2(μm)としたときに、数式:A1>A2を満たす。
【0067】
単セル110において、A1(μm)が小さい(換言すれば、金属支持体180の反対面S22の粗さが小さい)と、単セル110に対して供給され、金属支持体180の反対面S22に沿って流れる反応ガス(燃料ガスFG)が、金属支持体180の貫通孔50に進入せずに通り過ぎやすくなる。そのため、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が少なくなり、これにより単セル110の性能が低下する。
【0068】
これに対し、本実施形態の単セル110では、A1>A2を満たすことにより、A1とA2が同等である構成と比較して、A1が大きい(換言すれば、金属支持体180の反対面S22の粗さが大きい)ことにより、発電運転の際に、金属支持体180の反対面S22に沿って流れる反応ガス(燃料ガスFG)の反対面S22に沿う方向の進行が抑制されやすくなり、その結果、反応ガス(燃料ガスFG)が金属支持体180の貫通孔50に進入しやすくなる。そのため、本実施形態の単セル110においては、A1とA2が同等である構成と比較して、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が多くなる(換言すれば、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率が向上する)。そのため、本実施形態の単セル110によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、単セル110の性能を向上させることができる。
【0069】
ところで、このような単セル110においては、発電運転の際に、金属支持体180の酸化被膜の形成や、金属支持体180と燃料極116との間で元素の相互拡散が生じることがある。A2が大きい(換言すれば、金属支持体180の対向面S11の表面粗さが大きい)と、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が過度に生じやすく、ひいては、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離といった問題が生じやすくなる。
【0070】
これに対し、本実施形態の単セル110では、A1>A2を満たすことにより、A1とA2が同等である構成と比較して、A2が小さいことにより、酸化被膜の厚さのばらつきが小さくなり、そのため、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が抑制される。よって、本実施形態の単セル110においては、A1とA2が同等である構成と比較して、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離が抑制される。そのため、本実施形態の単セル110によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、単セル110の性能を向上させることができる。
【0071】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の単セル110によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率を向上させることができ、かつ、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離を抑制することができ、ひいては単セル110の性能を向上させることができる。
【0072】
更に、本実施形態の単セル110では、A1/A2をA3としたときに、数式:A3≧1.2を満たす。そのため、本実施形態の単セル110においては、より効果的に、金属支持体180の反対面S22に沿って流れる反応ガス(燃料ガスFG)の反対面S22に沿う方向の進行が抑制されやすくなり、反応ガス(燃料ガスFG)が金属支持体180の貫通孔50に進入しやすくなる。そのため、より効果的に、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が多くなり(換言すれば、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率が向上する)。そのため、本実施形態の単セル110によれば、より効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0073】
更に、本実施形態の単セル110では、金属支持体180の反対面S22を構成する酸化被膜の厚さのばらつきをTV1(μm)とし、金属支持体180の対向面S11の第1部分S110を構成する酸化被膜の厚さのばらつきをTV2(μm)としたときに、数式:TV1>TV2を満たす。そのため、本実施形態の単セル110によれば、より効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離を抑制することができ、ひいては、より効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0074】
更に、本実施形態の単セル110では、TV1/TV2をA4としたときに、数式:A4≧1.2を満たす。そのため、本実施形態の単セル110によれば、より効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離を抑制することができ、ひいては、より効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0075】
更に、本実施形態の単セル110では、数式:TV1≧1.0を満たす。そのため、特に効果的に、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が多くなる(換言すれば、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率が向上する)。そのため、本実施形態の単セル110によれば、特に効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0076】
更に、本実施形態の単セル110では、数式:TV2<1.0を満たす。そのため、A1とA2が同等である構成と比較して、特に効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離が抑制される。そのため、本実施形態の単セル110によれば、より効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0077】
更に、本実施形態の単セル110では、金属支持体180の対向面S11の第1部分S110を構成する酸化被膜の平均厚さは、反対面S22を構成する酸化被膜の平均厚さよりも小さい。そのため、本実施形態の単セル110によれば、特に効果的に、オーミック抵抗の増大や、金属支持体180からの燃料極116の剥離が抑制される。そのため、本実施形態の単セル110によれば、特に効果的に、単セル110の性能を向上させることができる。
【0078】
A-6.性能評価:
次に、本実施形態の性能評価について説明する。各特性が互いに異なる複数の単セル110のサンプルを作製し、当該サンプル(「単セル110の発電性能についての評価」については後述するボタンセル)を用いて性能評価を行った。図7は、性能評価結果を示す説明図である。
【0079】
図7に示すように、本性能評価には、単セル110の5個のサンプル(サンプルSP1~SP5)が用いられた。図7に示すように、各サンプルは、金属支持体180の反対面S22の表面粗さであるA1(μm)と、金属支持体180の対向面S11の第1部分S110の表面粗さであるA2(μm)とが互いに異なっている。
【0080】
(単セル110の発電性能についての評価)
本評価では、上記の単セル110の5個のサンプル(サンプルSP1~SP5)に換えて、上述した単セル110の製造方法に倣って作製した5個のボタンセルが用いられた。各サンプル(ボタンセル)は、A1(μm)とA2(μm)の値が上記の単セル110の各サンプルと同様のものであり、上下方向視で25mmの辺を有する四角形をなす金属支持体180と燃料極116と電解質層112とを備える積層体の上に、上下方向視で直径13mmの円形をなす空気極114が形成されたものである。下記において、便宜上、上記の単セル110のサンプルとA1(μm)とA2(μm)の値が同一であるボタンセルのサンプルを同じ符号を付して呼ぶ(例えばサンプルSP1)。
【0081】
各サンプル(ボタンセル)について、約700(℃)で空気極114に酸化剤ガスOGを供給し、燃料極116に燃料ガスFGを供給し、電流密度が0.55A/cmのときの単セル110の出力電圧を測定し、その測定値が所定の判定閾値(以下、「第1の判定閾値」という。)以上であったサンプルを「合格(〇)」と評価し、その測定値が第1の判定閾値より低かったサンプルを「不合格(×)」と評価した。その評価結果は、図7の「発電性能」欄に示されている通りである。
【0082】
図7に示すように、サンプルSP1,SP3では、測定値(単セル110の出力電圧)が第1の判定閾値以上であり、「合格」と評価し、サンプルSP2,SP4,SP5では、測定値が第1の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。この結果から、基本的には、A1(μm)の値が大きいほど発電性能が向上することが確認された。
【0083】
上述のように、サンプルSP1では、測定値が第1の判定閾値以上であり、「合格」と評価した。これに対し、SP2では、測定値が第1の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。ここで、サンプルSP1とサンプルSP2とはA2(μm)の値が互いに同一である。更に、サンプルSP1では、A1(μm)の値がA2(μm)の値よりも大きく、サンプルSP2では、A1(μm)の値がA2(μm)の値と同一である。この結果から、A1>A2を満たす構成によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、単セル110の性能を向上させることができることが確認された。単セル110の性能が向上した理由として、A1が大きい(換言すれば、金属支持体180の反対面S22の粗さが大きい)ことにより、発電運転の際に、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が多くなった(換言すれば、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率が向上した)ことが考えられる。
【0084】
上述したように、サンプルSP3では、測定値が第1の判定閾値以上であり、「合格」と評価した。これに対し、SP5では、測定値が第1の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。ここで、サンプルSP3とサンプルSP5とはA2(μm)の値が互いに同一である。更に、サンプルSP3では、A1(μm)の値がA2(μm)の値よりも大きく、サンプルSP5では、A1(μm)の値がA2(μm)の値と同一である。この結果からも、A1>A2を満たす構成によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、単セル110の性能を向上させることができることが確認された。単セル110の性能が向上した理由としては、A1が大きい(換言すれば、金属支持体180の反対面S22の粗さが大きい)ことにより、発電運転の際に、金属支持体180の貫通孔50内を通って燃料極116に供給される反応ガス(燃料ガスFG)の量が多くなった(換言すれば、反応ガス(燃料ガスFG)の供給効率が向上した)ことが考えられる。
【0085】
また、SP4についても、測定値が第1の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。単セル110の性能が劣化した理由としては、後述する、金属支持体180からの燃料極116の剥離が生じたことが考えられる。
【0086】
(燃料極116と金属支持体180との接合性についての評価)
各サンプル(単セル110)について、燃料極116の表面に粘着テープを貼り、粘着テープを剥がす際の金属支持体180からの燃料極116の剥離の有無を確認した。粘着テープを剥がした後に粘着テープに付着している燃料極116の量(面積)が所定の判定閾値(以下、「第2の判定閾値」という。)以下であったサンプルを「合格(○)」と評価し、粘着テープに付着している燃料極116の量が第2の判定閾値より多かったサンプルを「不合格(×)」と評価した。なお、第1の判定閾値として、燃料極116の表面のうち、粘着テープが貼られた部分の面積の30%の値を用いた。その評価結果は、図7の「燃料極116と金属支持体180との接合性」欄に示されている通りである。
【0087】
図7に示すように、サンプルSP1~SP3,SP5では、測定値(粘着テープに付着している燃料極116の量)が第2の判定閾値以上であり、「合格」と評価し、サンプルSP4では、測定値が第2の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。この結果から、基本的には、A2(μm)の値が小さいほど、燃料極116と金属支持体180との接合性が向上することが確認された。
【0088】
上述のように、サンプルSP3では、測定値が第2の判定閾値以上であり、「合格」と評価した。これに対し、SP4では、測定値が第2の判定閾値より低く、「不合格」と評価した。ここで、サンプルSP3とサンプルSP4とはA1(μm)の値が互いに同一である。更に、サンプルSP3では、A1(μm)の値がA2(μm)の値よりも大きく、サンプルSP4では、A1(μm)の値がA2(μm)の値と同一である。この結果から、A1>A2を満たす構成によれば、A1とA2が同等である構成と比較して、A2が小さいことにより、燃料極116と金属支持体180との接合性させることができることが確認された。燃料極116と金属支持体180との接合性が向上した理由としては、A2が小さいことにより、酸化被膜の厚さのばらつきが小さくなり、そのため、上述した酸化被膜の形成や元素の相互拡散が抑制されたことによるものと考えられる。
【0089】
(総合評価)
総合評価としては、単セル110の発電性能についての評価と、燃料極116と金属支持体180との接合性についての評価との両方が「合格」であれば、「合格(〇)」であり、これらのうち少なくとも1つが「不合格」であれば、「不合格(×)」と評価した。
【0090】
従って、単セル110の発電性能についての評価と、燃料極116と金属支持体180との接合性についての評価との両方が「合格」であったサンプルSP1,SP3については、「合格」と評価し、その他のサンプル(SP2,SP4,SP5)については、「不合格」と評価した。
【0091】
以上の評価により、A1>A2を満たす単セル110の構成が優れた効果を奏することが確認された。
【0092】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0093】
上記実施形態における燃料電池スタック100や単セル110の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、金属支持体180に形成された各貫通孔50が、第1の部分51と第2の部分52とから構成されているが、貫通孔50の構成は、金属支持体180のZ軸方向の一方の面から他方の面まで貫通する限りにおいて、必ずしもこれに限られない。例えば、金属支持体180に形成された貫通孔50が、Z軸方向に直交する方向に延伸する部分を含んでいてもよい。
【0094】
上記実施形態(または変形例、以下同様)の単セル110において、数式:A1>A2を満たし、かつ、数式:A3≧1.2、数式:TV1>TV2、数式:A4≧1.2、数式:TV1≧1.0、および数式:TV2<1.0の内の一部または全部を満たさないとしてもよい。
【0095】
上記実施形態の単セル110において、金属支持体180の貫通孔50内(一部であってもよいし、全体であってもよい)に燃料極116が充填されていてもよい。
【0096】
また、金属支持体180のXY断面における各貫通孔50形状は、円形であるが、円形以外の形状(例えば矩形)であってもよい。また、上記実施形態では複数の貫通孔50の構成は同様であるが、いずれかの貫通孔の構成が他の貫通孔の構成と異なっていてもよい。例えば、複数の貫通孔50の径は、互いに略同一であるが、互いに異なっていてもよい。
【0097】
上記実施形態では、金属支持体180が、Z軸方向に積層された第1の金属部材181および第2の金属部材182から構成されているが、金属支持体180の構成はこれに限られない。例えば、金属支持体180が、1枚の板状部材から構成されていてもよいし、Z軸方向に積層された3枚以上の板状部材から構成されていてもよい。また、金属支持体180がZ軸方向に積層された複数の板状部材から構成されている場合、各板状部材の厚さは互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0098】
上記実施形態では、単セル110は、燃料極116に対して電解質層112とは反対側に位置する金属支持体180を備え、かつ、上記の特定条件(数式:A1>A2など)を満たす。このような金属支持体180に換えて、または加えて、後述する空気極側金属支持体を備える構成を採用してもよい。すなわち、単セル110は、空気極114に対して電解質層112とは反対側に位置する金属支持体(以下、「空気極側金属支持体」という。)を備え、かつ、上記の特定条件と同様の条件を満たす構成を採用してもよい。このような構成においては、空気極側金属支持体の貫通孔内を通って空気極114に供給される反応ガス(酸化剤ガスOG)の量が多くなり、ひいては、単セル110の性能を向上させることができる。なお、このような構成において、空気極114は、特許請求の範囲における特定電極の一例である。
【0099】
上記実施形態において、単セル110の空気極114と電解質層112との間に、空気極114から拡散した元素(例えば、Sr)が電解質層112に含まれる元素(例えば、Zr)と反応して高抵抗な物質(例えば、SrZrO)が生成されることを抑制する反応防止層が配置されるとしてもよい。反応防止層は、例えば、セリア系のイオン伝導体材料により形成される。
【0100】
上記実施形態において、必ずしも燃料電池スタック100に含まれる全ての単セル110において、上述した構成が実現されている必要はなく、燃料電池スタック100に含まれる少なくとも1つの単セル110において、上述した構成が実現されていればよい。例えば、上記実施形態では各単セル110が備える金属支持体180の構成は同様であるが、いずれかの単セルが備える金属支持体の構成が異なっていてもよい。また、上記実施形態では各単セル110が備える燃料極116の構成は同様であるが、いずれかの単セルが備える燃料極の構成が異なっていてもよい。
【0101】
上記実施形態における各部材を構成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により構成されていてもよい。また、上記実施形態における単セル110の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
【0102】
上記実施形態では、燃料ガスに含まれる水素と酸化剤ガスに含まれる酸素との電気化学反応を利用して発電を行う固体酸化物形燃料電池(SOFC)を対象としているが、本明細書に開示される技術は、水の電気分解反応を利用して水素の生成を行う固体酸化物形電解セル(SOEC)の構成単位である電解単セルおよび複数の電解単セルを備える電解セルスタックにも同様に適用可能である。なお、電解セルスタックの構成は、例えば特開2016-81813号に記載されているように公知であるためここでは詳述しないが、概略的には上述した実施形態における燃料電池スタック100と同様の構成である。すなわち、上述した実施形態における燃料電池スタック100を電解セルスタックと読み替え、発電単位102を電解セル単位と読み替え、単セル110を電解単セルと読み替えればよい。ただし、電解セルスタックの運転の際には、空気極114がプラス(陽極)で燃料極116がマイナス(陰極)となるように両電極間に電圧が印加されると共に、貫通孔108を介して原料ガスとしての水蒸気が供給される。これにより、各電解セル単位において水の電気分解反応が起こり、燃料室176で水素ガスが発生し、貫通孔108を介して電解セルスタックの外部に水素が取り出される。このような構成の電解単セルにおいても、上記実施形態と同様の構成を採用することにより、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0103】
上記実施形態では、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を例に説明したが、本明細書に開示される技術は、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)といった他のタイプの燃料電池(または電解セル)にも適用可能である。
【符号の説明】
【0104】
24:ナット 26:絶縁シート 27:ガス通路部材 28:本体部 29:分岐部 50:貫通孔 51:(貫通孔50の)第1の部分 52:(貫通孔50の)第2の部分 53,54:開口 100:燃料電池スタック 102:発電単位 104,106:エンドプレート 108:貫通孔 110:単セル 112:電解質層 114:空気極 116:燃料極 120:セパレータ 121:孔 124:接合部 130:空気極側フレーム部材 131:孔 132:空気極側ガス供給連通流路 133:空気極側ガス排出連通流路 134:空気極側集電体 135:集電体要素 140:燃料極側フレーム部材 141:孔 142:燃料極側ガス供給連通流路 143:燃料極側ガス排出連通流路 144:燃料極側集電体 145:集電体要素 150:インターコネクタ 161:空気極側ガス供給マニホールド 162:空気極側ガス排出マニホールド 166:空気室 171:燃料極側ガス供給マニホールド 172:燃料極側ガス排出マニホールド 176:燃料室 180:金属支持体 181:第1の金属部材 182:第2の金属部材 FG:燃料ガス FOG:燃料オフガス OG:酸化剤ガス OOG:酸化剤オフガス S11:(第1の金属部材の)対向面 S110:第1部分(金属支持体180の対向面S11のうち、燃料極116が接する部分) S12:(第1の金属部材の)表面 S21:(第2の金属部材の)表面 S22:(第2の金属部材の)反対面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7