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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023078
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/75 20150101AFI20230209BHJP
   E05F 15/611 20150101ALI20230209BHJP
   E05F 15/655 20150101ALI20230209BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
E05F15/75
E05F15/611
E05F15/655
B60J5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128270
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000148896
【氏名又は名称】三井金属アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】筒井 俊博
(72)【発明者】
【氏名】望月 信吾
(72)【発明者】
【氏名】小倉 響
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA04
2E052AA09
2E052BA02
2E052BA04
2E052CA06
2E052DA01
2E052DA02
2E052DB01
2E052DB02
2E052EA03
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052GA02
2E052GA05
2E052GA10
2E052GB15
2E052GC02
2E052GC06
2E052GD03
2E052KA12
(57)【要約】
【課題】ユーザの負担をより低減させることが可能な、新規かつ改良された制御装置、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】構造体の開閉を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、前記制御部は、さらに、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御する、制御装置が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体の開閉を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、
前記制御部は、さらに、
前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御する、
制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記構造体が停止している状態からの動きとして、前記センサが前記構造体の動作方向に関する情報を取得した際に、前記構造体の開動作または閉動作を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記停止している状態は、前記構造体の開動作または閉動作の途中位置での停止している状態を含む、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記構造体に設けられる前記センサと異なる他のセンサによりユーザの接触が検出され、かつ、前記センサから前記構造体の動作方向に関する情報を取得した際に、前記動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御する、
請求項1から請求項3までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記他のセンサによりユーザの接触が検出されず、かつ、前記センサが前記構造体の動作方向に関する情報を取得した際に、前記構造体の動作の停止に係る制御を行う、
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記センサは、加速度センサを含む、
請求項4または請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記加速度センサにより検出された値が規定の条件を満たす場合、前記構造体の開動作また閉動作を行う、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記他のセンサは、タッチセンサを含む、
請求項4から請求項7までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記構造体は、ドアを含む、
請求項1から請求項8までのうちいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記ドアは、移動体に搭載される、
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、さらに、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御することを含む、コンピュータにより実行される制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、
構造体の開閉を制御する制御機能、
を実現させ、
前記制御機能は、
前記構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、
前記制御機能は、さらに、
前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドアなどの構造体の開閉を制御する技術が開発されている。例えば、特許文献1では、スライドドアの開閉中に途中停止信号が入力された際に、電動モータにブレーキ力を発生させ、スライドドアの開閉を停止する制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-194151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、ユーザがドアの開閉動作を行った際に、開閉をアシストするような制御を行うことは困難である。例えば、手動によるドアの開閉に際して、ユーザは、最後までドアの開閉を行う必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの負担をより低減させることが可能な、新規かつ改良された制御装置、制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、構造体の開閉を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、前記制御部は、さらに、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御する、制御装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、さらに、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御することを含む、コンピュータにより実行される制御方法が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、構造体の開閉を制御する制御機能、を実現させ、前記制御機能は、前記構造体に設けられるセンサから取得された前記構造体の動作方向に対応するよう前記構造体の開動作または閉動作を制御し、前記制御機能は、さらに、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が閉方向であった際に、前記構造体が全閉となるまで前記構造体の閉動作を制御し、前記センサから取得された前記構造体の動作方向が開方向であった際に、前記構造体が全開となるまで前記構造体の開動作を制御する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの負担をより低減させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る車両の構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る車両の俯瞰図である。
図3】本実施形態に係るタッチセンサの配置例を説明するための説明図である。
図4】本実施形態に係る制御装置の動作処理例を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.車両構成例>
まず、図1を参照して、本実施形態に係る車両1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る車両1は、ドア10と、制御装置20と、駆動装置30とを備える。
【0014】
(車両1)
車両1は、移動体の一例である。車両1は、例えば、ユーザにより利用される車両である。車両1は、例えば、ユーザが所有する車両や、ユーザに一時的に貸与された車両である。なお、本実施形態に係る移動体は、車両1だけでなく、航空機または船舶等も含まれる。
【0015】
(ドア10)
ドア10は、構造体の一例である。ドア10は、車両1に設けられるドアである。例えば、ユーザは、ドア10を開閉することで、車両1に乗車または車両1から降車することが可能である。なお、本実施形態に係るドア10は、車両1のフロントドアであってもよいし、リアドアであってもよい。また、本明細書では、主にドア10をヒンジ式のドアとして説明するが、ドア10はスライド式のドアであってもよい。また、本発明に係る構造体は、シャッターや蓋などの開閉の動作が行われる任意の構造体であってもよい。
【0016】
また、本実施形態に係るドア10は、後述する制御装置20の制御に従い、駆動装置30を介して開閉する。
【0017】
本実施形態に係るドア10は、図1に示すように、加速度センサ110と、タッチセンサ120と、を備える。
【0018】
{加速度センサ110}
加速度センサ110は、センサの一例である。加速度センサ110は、ドア10の動作方向に関する情報を取得する。例えば、加速度センサ110は、ドア10の動作方向が開方向であるか、または閉方向であるかを取得する。また、加速度センサ110は、取得したドア10の動作方向に関する情報を制御装置20に出力する。開方向または閉方向に関する詳細は後述する。
【0019】
また、本実施形態に係るセンサは、加速度センサ110ではなく、動作方向を検出可能な任意のセンサであってもよい。例えば、ドア10の動作方向に基づき変動するモータのパルスを検出するセンサであってもよい。また、ドア10がヒンジ式のドアの場合、本実施形態に係るセンサは、角速度センサによってヒンジ回転軸に対するドアの回転運動を測定するセンサであってもよい。
【0020】
{タッチセンサ120}
タッチセンサ120は、他のセンサの一例である。タッチセンサ120は、ユーザの接触を検出するセンサである。本発明に係る他のセンサは、ユーザがドア10に接触しているか否かを判断することが可能な任意のセンサであってもよい。例えば、他のセンサは、撮像センサであってもよく、撮像センサがドア10に対してユーザが接触しているか否かを検出してもよい。また、タッチセンサ120は、検出したユーザの接触に関する情報を制御装置20に出力する。なお、本実施形態に係る車両1は、必ずしもタッチセンサ120を設けていなくてもよい。
【0021】
(制御装置20)
制御装置20は、車両1の動作全般を制御する。図1に示すように、制御装置20は、制御部210を備える。
【0022】
制御部210は、制御装置20の動作全般を制御する。例えば、制御部210は、ドア10の開閉を制御する。また、制御部210は、ドア10に設けられるセンサから取得されたドア10の動作方向に対応するようドア10の開動作または閉動作を制御する。更に、制御部210は、加速度センサ110から取得されたドア10の動作方向が閉方向であった際に、ドア10が全閉となるまでドア10の閉動作を制御する。また、制御部210は、加速度センサ110から取得されたドア10の動作方向が開方向であった際に、ドア10が全開となるまでドア10の開動作を制御する。
【0023】
例えば、制御部210は、ドア10が停止している状態からの動きとして、加速度センサ110がドア10の動作方向に関する情報を取得した際に、ドア10の開動作または閉動作を制御する。ここで、ドア10が停止している状態とは、例えば、ドア10が閉動作の最終位置にある状態(即ち、ドア10が閉まっている状態)やドア10の開動作の最終位置にある状態(即ち、ドア10が完全に開いている状態)を含む。また、ドア10が停止している状態とは、ドア10の開動作または閉動作の途中位置で停止している状態を含む。
【0024】
制御部210は、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はリムーバブル記録媒体等に記録された各種プログラムに基づいて、制御装置20の各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。
【0025】
制御部210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、MCU(Micro Controller Unit)等のプロセッサによって実現され得る。また、制御部210は、車両1に搭載されるECU(Electronic Control Unit)や、ECUに搭載されるマイコン等によって実現してもよい。
【0026】
(駆動装置30)
駆動装置30は、制御部210の制御に従い、ドア10を動作させる。例えば、駆動装置30は、制御部210の開動作に係る制御に従い、ドア10を開方向に動作させる。また、駆動装置30は、制御部210の閉動作に係る制御に従い、ドア10を閉方向に動作させる。駆動装置30は、ドア10を動作させることが可能な任意のアクチュエータであってもよい。
【0027】
以上、本実施形態に係る車両1の構成例を説明した。続いて、図2を参照し、本実施形態に係る詳細を説明する。
【0028】
<2.詳細>
図2は、本実施形態に係る車両の俯瞰図である。図2に示すような、ドア10を車両1に対して閉める方向を閉方向D1と称し、ドア10に対して開ける方向を開方向D2と称する。
【0029】
また、加速度センサ110は、ドア10の閉方向D1および開方向D2の加速度を検出できる向きでドア10に内蔵される。なお、加速度センサ110は、ドア10の表面上に設置されてもよい。
【0030】
制御部210は、ドア10に設けられる加速度センサ110からドアの動作方向を取得する。次いで、制御部210は、取得した動作方向に対応するようにドア10の開動作または閉動作を制御する信号を駆動装置30に出力する。そして、駆動装置30は、制御部210の制御に従い、ドア10を開動作または閉動作する。
【0031】
例えば、ユーザが閉方向D1にドア10を押した際、又は引いた際に、加速度センサ110は、ドアの閉方向D1に関する情報を取得する。そして、制御部210は、駆動装置30にドア10を閉方向D1に動作させる閉動作の制御を行う。
【0032】
また、ユーザが開方向D2にドア10を押した際、又は引いた際に、加速度センサ110は、ドアの開方向D2に関する情報を取得する。そして、制御部210は、駆動装置30にドア10を開方向D2に動作させる開動作の制御を行う。これにより、制御部210は、ユーザによるドア10の開閉動作をアシストし、ユーザの負担をより低減し得る。
【0033】
なお、制御部210は、加速度センサ110が取得したドア10の動作方向と逆方向にドア10を動かす制御を行ってもよい。
【0034】
また、制御部210は、加速度センサ110がドア10の動作方向に関する情報を取得した際に、ドア10の動作の停止に係る制御を行ってもよい。
【0035】
例えば、強風などにより、ドア10が開方向D2に開いた際に、ドア10がユーザや物体に当たる恐れがある。そこで、加速度センサ110が開方向D2に関する情報を取得した際に、制御部210は、開方向D2と逆方向である閉方向D1にドア10を動作させる閉動作の制御を行ってもよい。これにより、ユーザの意思に反してドア10が開いてしまっても、さらにドア10を開けるアシスト動作は行わないようにすることができる。
【0036】
また、ドア10の開閉がユーザの意思に基づくものか否かの判断方法の一例として、ドア10は、図2に示すように、タッチセンサ120をドア10の表面に設けてもよい。この場合、制御部210は、タッチセンサ120によりユーザの接触が検出され、かつ、加速度センサ110から構造体の動作方向に関する情報を取得した際に、当該動作方向に対応するようにドア10の開動作または閉動作を制御してもよい。
【0037】
より具体的には、タッチセンサ120がユーザの接触を検出し、かつ、加速度センサ110がドア10の開方向D2に関する情報を取得した際に、制御部210は、ドア10を開方向D2に動作させる開動作の制御を行う。また、タッチセンサ120がユーザの接触を検出し、加速度センサ110がドア10の閉方向D1に関する情報を取得した際に、制御部210は、ドア10を閉方向D1に動作させる開動作の制御を行う。
【0038】
また、制御部210は、タッチセンサ120によりユーザの接触が検出されず、かつ、加速度センサ110がドア10の動作方向に関する情報を取得した際に、ドア10の動作の停止に係る制御を行ってもよい。これにより、ユーザの意思に反してドア10が開いてしまった際に、ドア10の動作を停止することが可能であり、ユーザの意思に反したドア10の開閉によりユーザや物体に当る恐れを低減し得る。このように、制御部210は、加速度センサ110が取得したドア10の動作方向に関する情報と、タッチセンサ120が取得したユーザの接触に関する情報とを併用することで、ドア10の開閉に係るユーザの負担を低減しつつ、ユーザの意思に反してドア10が開いてしまうことに起因するユーザや物体に当る恐れを低減し得る。
【0039】
また、加速度センサ110により検出された値が規定の条件を満たす際に、ドア10の開動作または閉動作を行ってもよい。例えば、ユーザがドア10を開けようとして、ユーザがドア10に触れた際に、加速度センサ110は、閉方向D1の情報を取得する。そのため、例えば加速度センサ110により検出された値が閾値以上であった際に、制御部210は、ドア10の開動作または閉動作を行ってもよい。規定値未満である加速度の値を制御情報から除外することで、制御部210は、ドア10の開動作または閉動作をより高い精度で制御し得る。
【0040】
また、規定の条件は、所定の範囲内であってもよい。例えば、所定の範囲内とは、ユーザの接触により想定される値の範囲であってもよい。これにより、例えば、加速度センサ110に所定の範囲外の値が入力された場合、制御部210は、ユーザの接触に基づく値ではないと判断し、ドア10の開動作または閉動作に係る制御を行わなくてもよい。これにより、例えば、ドア10にタッチセンサ120を設けていない場合であっても、制御部210は、加速度センサ110に入力された動作方向に関する情報がユーザの接触に基づく情報か否かを判定し得る。
【0041】
図3は、タッチセンサ120の配置例を説明するための説明図である。タッチセンサ120は、例えば、図3に示すような閉方向D1にドア10を押す際(ドアフレーム後端の車室外側)、又は引く際に触れる位置(ドア車室内側のドアトリム)に配置することが望ましい。図3に示すようなタッチセンサ120の配置例によれば、ユーザは、タッチセンサ120に触れながらドア10を閉方向D1に押すこと、又は引くことが可能となる。この結果、ユーザは、1回の操作で駆動装置30によるドア10を閉じる動作の補助を受けることが可能となる。ただし、タッチセンサ120の配置は図3に示す例に限定されない。ユーザがドア10を開け閉めする際に接触可能な位置であればよい。また、タッチセンサ120は、開方向D2にドア10を押す際(ドア車室内側のドアトリム)、又は引く際に触れる位置(ドアフレーム後端の車室内側)に配置されていてもよい。この場合、ユーザは、タッチセンサ120に触れながらドア10を開方向D2に押すこと、又は引くことが可能となる。この結果、ユーザは、1回の操作で駆動装置30によるドア10を開ける動作の補助を受けることが可能となる。タッチセンサ120は、ドア10の外側および内側の両方に設けられていてもよい。このように、タッチセンサ120を用いることで、車両1への乗降におけるユーザの利便性がより向上され得る。
【0042】
以上、本実施形態に係る詳細を説明した。続いて、図4を参照し、本実施形態に係る制御装置20の動作処理例を説明する。
【0043】
<3.動作処理例>
図4は、本実施形態に係る制御装置20の動作処理例を説明するためのフローチャート図である。まず、制御部210は、加速度センサ110から加速度が入力されたか否かを判定する(S101)。加速度が入力された場合(S101/Yes)、制御部210は処理をS105に進め、加速度が入力されていない場合(S101/No)、制御部210は、処理を終了する。
【0044】
加速度が入力された場合(S101/Yes)、制御部210は、入力された加速度が所定以上であるか否かを判定する(S105)。加速度が所定値以上であった場合(S105/Yes)、制御部210は処理をS109に進め、加速度が所定値未満であった場合(S105/No)、制御部210は、処理を終了する。
【0045】
加速度が所定値以上であった場合(S105/Yes)、制御部210は、タッチセンサ120によりユーザの接触が検出されたか否かを判定する(S109)。ユーザの接触が検出された場合(S109/Yes)、制御部210は、処理をS113に進め、ユーザの接触が検出されなかった場合(S109/No)、制御部210は、処理を終了する。
【0046】
ユーザの接触が検出された場合(S109/Yes)、制御部210は、入力された加速度の方向は、ドア10の開方向であるか否かを判定する(S113)。ドア10の開方向であった場合(S113/Yes)、制御部210は処理をS117に進め、ドア10の閉方向であった場合(S113/No)、制御部210は処理をS125に進める。
【0047】
ドア10の開方向であった場合(S113/Yes)、制御部210は、ドア10を開方向に動かす制御を実行する(S117)。
【0048】
続いて、制御部210は、ドア10が全開になるまで動いたか否かを判定し(S121)、ドア10が全開になっていない場合(S121/No)、ドア10を開方向に動かす制御を行う(S117)。そして、ドア10が全開まで動いた場合(S121/Yes)、制御部210は処理を終了する。
【0049】
ドア10の閉方向であった場合(S113/No)、制御部210は、ドア10を閉方向に動かす制御を実行する(S125)。
【0050】
続いて、制御部210は、ドア10が全閉まで動いたか否かを判定し(S129)、ドア10が全閉になっていない場合(S129/No)、ドア10を閉方向に動かす制御を行う(S125)。そして、ドア10が全閉まで動いた場合(S129/Yes)、制御部210は処理を終了する。
【0051】
以上、本実施形態に係る制御装置20の動作処理例を説明した。以上説明した制御装置20によれば、制御装置20がドア10の開閉を補助することで、ドア10の開閉に係るユーザの負担をより低減し得る。
【0052】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
例えば、本発明書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、およびソフトウェアとハードウェアとの組み合わせのいずれかを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部または外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリなどである。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1:車両、10:ドア、110:タッチセンサ、120:加速度センサ、20:制御装置、210:制御部、30:駆動装置
図1
図2
図3
図4