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特開2023-23253計画作成装置、計画作成方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023253
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】計画作成装置、計画作成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230209BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128574
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇野 亨
(72)【発明者】
【氏名】上田 高寛
(72)【発明者】
【氏名】三井 喬士
(72)【発明者】
【氏名】杉本 貴大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】計画作成の精度向上を図る計画作成装置、計画作成方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画最適化システムにおいて、計画作成装置1は、期間特定情報、期間属性情報及び期間における作業対象の数量に関する数量情報のうち少なくとも1種類の情報を含む予測用データセットを入力とし工数予測値を出力とするモデルを用いて、予測アルゴリズムを実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値を取得する予測部122と、取得された1以上の工数予測値と、作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、将来の1以上の期間に1人以上の人員によって行われる作業に関する作業計画を作成する作成部124と、備える。。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
将来の1以上の期間の各々について、期間を特定する期間特定情報、前記期間の属性に関する期間属性情報、及び前記期間における作業対象の数量に関する数量情報、のうち少なくとも1種類の情報、を含む予測用データセットを入力とし、前記期間における作業工数を予測した結果である工数予測値を出力とするモデル、を用いた予測アルゴリズムを実行することにより、前記将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値を取得する予測部と、
前記予測部が取得した前記1以上の工数予測値と、前記作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、前記将来の1以上の期間に前記1人以上の人員によって行われる前記作業に関する作業計画を作成する作成部と、を備える、
計画作成装置。
【請求項2】
過去の1以上の期間の各々について、期間を特定する期間特定情報、前記期間の属性に関する期間属性情報、及び前記期間における作業対象の数量に関する数量情報、のうち少なくとも1種類の情報と、前記期間における前記作業の実際の工数である工数実績値と、を含む2以上の学習用データセット、を用いて機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記モデルを生成する生成部を更に備える、
請求項1に記載の計画作成装置。
【請求項3】
前記作業は、販売に関連する作業であり、
前記作業対象は、前記販売が行われる場所への来客であり、
前記数量情報は、前記期間における来客数に関する来客数情報を含む、
請求項2に記載の計画作成装置。
【請求項4】
前記来客数情報は、前記期間における前記来客数を予測した結果である来客数予測値を含む、
請求項3に記載の計画作成装置。
【請求項5】
前記期間属性情報は、前記期間が特売期間に属するか否かを示す特売期間フラグを含む、
請求項4に記載の計画作成装置。
【請求項6】
前記期間属性情報は、前記作業が行われる場所の前記期間における天候に関する天候情報を更に含む、
請求項5に記載の計画作成装置。
【請求項7】
前記期間は、一の日に属する将来の1以上の時間帯の各々であり、
前記設定部は、前記標準工数として、前記1以上の時間帯の各々について、前記作業の時間帯別の標準工数を設定し、
前記来客数予測値は、前記1以上の時間帯が属する前記一の日における来客数の予測値であり、
前記工数予測値は、前記時間帯別の工数予測値を含む、
請求項4~6のいずれか一項に記載の計画作成装置。
【請求項8】
前記作業は、2以上の部門によって分担され、
前記設定部は、前記標準工数として、時間帯及び部門別の標準工数を設定し、
前記工数予測値は、時間帯及び部門別の工数予測値を含む、
請求項7に記載の計画作成装置。
【請求項9】
前記モデルは、前記将来の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報を含む予測用データセットを入力とし、前記将来の2以上の時間帯の各々における作業工数を部門別に予測した結果である時間帯及び部門別工数予測値を出力とする第1工数予測モデルであり、
前記予測用データセットは、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記予測部は、前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記予測用データセットを入力として前記第1工数予測モデルを用いた第1工数予測アルゴリズムを実行することにより、前記将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を部門別に取得する、
請求項8に記載の計画作成装置。
【請求項10】
前記学習用データセットは、過去の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報と、前記時間帯における前記作業の部門別の実際の工数である時間帯及び部門別工数実績値と、を含む第1学習用データセットであり、
前記第1学習用データセットは、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記生成部は、前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第1学習用データセットを用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記第1工数予測モデルを生成する、
請求項9に記載の計画作成装置。
【請求項11】
前記販売は、物品の販売であり、
前記数量情報は、前記作業が行われる場所への前記期間における前記物品の入荷量を予測した結果である入荷量予測値を更に含み、
前記入荷量予測値は、前記1以上の時間帯が属する一の日における入荷量の予測値である、
請求項8に記載の計画作成装置。
【請求項12】
前記モデルは、
前記将来の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報、を含む予測用データセットを入力とし、前記入荷量予測値を出力とする入荷量予測モデルと、
前記予測用データセットと、前記入荷量予測モデルの出力である前記入荷量予測値と、を入力とし、前記将来の2以上の時間帯の各々における作業工数を部門別に予測した結果である時間帯及び部門別工数予測値を出力とする第2工数予測モデルと、を含み、
前記予測用データセットは、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記予測部は、
前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記予測用データセットを入力として前記入荷量予測モデルを用いた入荷量予測アルゴリズムを実行することにより、前記入荷量予測値を取得し、
前記取得した入荷量予測値と、前記部門特定情報に対応付いた前記予測用データセットと、を入力として前記第2工数予測モデルを用いた第2工数予測アルゴリズムを実行することにより、前記将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を部門別に取得する、
請求項11に記載の計画作成装置。
【請求項13】
前記学習用データセットは、
過去の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報と、前記時間帯が属する一の日における実際の入荷量である入荷量実績値と、を含む第2学習用データセットと、
前記過去の1以上の時間帯の各々について、前記第2学習用データセットと、時間帯における前記作業の部門別の実際の工数である時間帯及び部門別工数実績値と、を含む第3学習用データセットと、を含み、
前記第2学習用データセット及び前記第3学習用データセットの各々は、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記生成部は、
前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第2学習用データセットと、前記入荷量予測モデルの出力である前記入荷量予測値と、を用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記入荷量予測モデルを生成し、
前記2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第3学習用データセットを用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記第2工数予測モデルを生成する、
請求項12に記載の計画作成装置。
【請求項14】
前記モデルは、
前記将来の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報、を含む予測用データセットを入力とし、前記入荷量予測値を出力とする入荷量予測モデルと、
前記予測用データセットと、前記入荷量予測モデルの出力である前記入荷量予測値と、を入力とし、前記将来の1以上の時間帯が属する一の日における前記作業の総工数を予測した結果である総工数予測値を出力とする第3工数予測モデルと、
前記第3工数予測モデルの出力である前記総工数予測値を入力とし、前記将来の2以上の時間帯の各々における作業工数を部門別に予測した結果である時間帯及び部門別工数予測値を出力とする分解モデルと、を含み、
前記予測用データセットは、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記予測部は、
前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記予測用データセットを入力として前記入荷量予測モデルを用いた入荷量予測アルゴリズムを実行することにより、前記入荷量予測値を取得し、
前記取得した入荷量予測値と、前記部門特定情報に対応付いた前記予測用データセットと、を入力として前記第3工数予測モデルを用いた第3工数予測アルゴリズムを実行することにより、前記総工数予測値を取得し、
前記取得した総工数予測値を入力として前記分解モデルを用いた分解アルゴリズムを実行することにより、前記将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を部門別に取得する、
請求項11に記載の計画作成装置。
【請求項15】
前記学習用データセットは、
過去の1以上の時間帯の各々について、時間帯を特定する時間帯特定情報、前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、及び前記時間帯が属する一の日における来客数予測値、のうち少なくとも1種類の情報と、前記時間帯が属する一の日における実際の入荷量である入荷量実績値と、を含む第2学習用データセットと、
前記過去の1以上の時間帯の各々について、前記第2学習用データセットと、時間帯における前記作業の部門別の実際の工数である時間帯及び部門別工数実績値と、を含む第3学習用データセットと、
前記過去の1以上の時間帯の各々について、前記時間帯を特定する時間帯特定情報及び前記時間帯が属する一の日の属性に関する日属性情報、のうち少なくとも1種類の情報と、前記時間帯及び部門別工数実績値と、を含む第4学習用データセットと、を含み、
前記第2学習用データセット、前記第3学習用データセット及び前記第4学習用データセットの各々は、前記2以上の部門のいずれか1つを特定する部門特定情報に対応付いており、
前記生成部は、
前記2以上の部門に対応する2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第2学習用データセットを用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記入荷量予測モデルを生成し、
前記2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第3学習用データセットと、前記入荷量予測モデルの出力である前記入荷量予測値と、を用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記第3工数予測モデルを生成し、
前記2以上の部門特定情報の各々について、部門特定情報に対応付いた前記第4学習用データセットを用いて前記機械学習の学習アルゴリズムを実行することにより、前記分解モデルを生成する、
請求項14に記載の計画作成装置。
【請求項16】
前記1以上の人員情報の各々は、人員情報に対応する人員を特定する人員特定情報を含み、かつ前記2以上の部門のうち前記人員が属する部門を特定する部門特定情報に対応付いており、
前記作成部は、前記設定部が設定した部門別の標準工数と、前記予測部が取得した1以上の時間帯及び部門別工数予測値と、前記1以上の人員情報と、前記1以上の人員情報の各々に対応付いた前記部門特定情報と、に基づいて、前記将来の1以上の時間帯に前記1人以上の人員が前記2以上の部門で前記作業を行うための時間帯及び部門別作業計画を作成する、
請求項8~15のいずれか一項に記載の計画作成装置。
【請求項17】
前記作業対象は、物品であり、
前記作業は、前記物品の物流に関連する作業であり、
前記数量情報は、前記期間における前記物品の取扱量に関する取扱量情報を含む、
請求項2に記載の計画作成装置。
【請求項18】
前記作成部が作成した作業計画を基に行われる実際の作業を観測し、前記作業計画及び前記観測の結果から、前記作業計画によって計画された作業と前記実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、前記検出した差異に関する差異情報を取得する差異検出装置、から前記差異情報を受け付ける受付部と、
前記差異情報に基づいて、前記設定部が設定した標準工数を、前記差異が縮小するように更新する更新部と、を更に備える、
請求項2~17のいずれか一項に記載の計画作成装置。
【請求項19】
1以上のプロセッサによって実行される計画作成方法であって、
将来の1以上の期間の各々について、期間を特定する期間特定情報、前記期間の属性に関する期間属性情報、及び前記期間における作業対象の数量に関する数量情報、のうち少なくとも1種類の情報、を含む予測用データセットを入力とし、前記期間における作業工数を予測した結果である工数予測値を出力とするモデル、を用いた予測アルゴリズムを実行することにより、前記将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値を取得する予測ステップと、
前記予測ステップで取得した前記1以上の工数予測値と、前記作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、前記将来の1以上の期間に前記1人以上の人員によって行われる前記作業に関する作業計画を作成する作成ステップと、を含む、
計画作成方法。
【請求項20】
請求項19に記載の計画作成方法を1以上のプロセッサに実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計画作成装置、計画作成方法及びプログラムに関し、より詳細には、作業に必要な工数等の情報を基に作業計画を作成する計画作成装置、計画作成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、作業工程の所要工数および作業場所の候補に関する値が格納された工程情報と、作業場所間で製品を移動させる場合にどの作業場所を経由するかに関する値が格納された場所情報と、に基づいて作業計画を作成する作業計画作成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6261920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、所要工数の予測を行わないため、計画作成の精度を向上させることは容易でなかった。
【0005】
本開示の目的は、計画作成の精度向上を図ることができる計画作成装置、計画作成方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る計画作成装置は、予測部と、作成部とを備える。前記予測部は、モデルを用いた予測アルゴリズムを実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値を取得する。前記工数予測値は、前記期間における作業工数を予測した結果である。前記モデルは、予測用データセットを入力とし、工数予測値を出力とするモデルである。前記予測用データセットは、将来の1以上の期間の各々について、期間特定情報、期間属性情報及び数量情報、のうち少なくとも1種類の情報、を含む。前記期間特定情報は、期間を特定する情報である。前記期間属性情報は、前記期間の属性に関する情報である。前記数量情報は、前記期間における作業対象の数量に関する情報である。前記作成部は、前記予測部が取得した1以上の工数予測値と、前記作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、作業計画を作成する。前記作業計画は、前記将来の1以上の期間に前記1人以上の人員によって行われる前記作業に関する計画である。
【0007】
本開示の一態様に係る計画作成方法は、1以上のプロセッサによって実行される計画作成方法である。前記計画作成方法は、予測ステップと、作成ステップとを含む。前記予測ステップでは、モデルを用いた予測アルゴリズムを実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値を取得する。前記工数予測値は、前記期間における作業工数を予測した結果である。前記モデルは、予測用データセットを入力とし、工数予測値を出力とするモデルである。前記予測用データセットは、将来の1以上の期間の各々について、期間特定情報、期間属性情報及び数量情報、のうち少なくとも1種類の情報、を含む。前記期間特定情報は、期間を特定する情報である。前記期間属性情報は、前記期間の属性に関する情報である。前記数量情報は、前記期間における作業対象の数量に関する情報である。前記作成ステップでは、前記予測ステップで取得した1以上の工数予測値と、前記作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、作業計画を作成する。前記作業計画は、前記将来の1以上の期間に前記1人以上の人員によって行われる前記作業に関する計画である。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、前記計画作成方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の計画作成装置、計画作成方法及びプログラムは、計画作成の精度向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る計画作成装置を含む計画最適化システムのブロック図である。
図2図2は、同上の計画作成装置を構成する生成部及び予測部による1段階予測を説明するためのブロック図である。
図3図3は、同上の生成部及び同上の予測部による2段階予測を説明するためのブロック図である。
図4図4は、同上の生成部及び同上の予測部による3段階予測を説明するためのブロック図である。
図5図5は、同上の計画作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、同上の計画最適化システムを構成する差異検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図7図7は、同上の生成部及び同上の予測部による1~3段階予測に用いる勤務実績情報のデータ構造図である。
図8図8は、同上の生成部及び同上の予測部による1段階予測のためのデータセット(生成部が用いる学習用の第1~第5データセット、及び予測部が用いる予測用の第6,第7データセット)のデータ構造図である。
図9図9Aは、同上の予測用データセットにおいて、工数予測値が追記された状態を示すデータ構造図であり、図9Bは、更に工数実績値等が追記されて学習用となった状態を示すデータ構造図である。
図10図10は、同上の1~3段階予測の結果を基に作成される作業計画を構成する勤務予定情報のデータ構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(1)計画最適化システム
本開示の実施形態に係る計画最適化システム100は、図1に示すように、計画作成装置1と、差異検出装置2と、カメラ3と、LPS(Local Positioning System)4とを備える。
【0013】
計画作成装置1は、ネットワーク200を介して、差異検出装置2、カメラ3及びLPS4の各々と通信可能に接続される。ネットワーク200は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、通話回線網などである。なお、計画作成装置1、差異検出装置2、カメラ3及びLPS4の各々は、ネットワーク200を介した通信を可能にする通信モジュール(図示しない)を有する。
【0014】
計画作成装置1は、作業計画(後述)を作成する。なお、計画作成装置1は、プロセッサ(CPU,MPU,GPU等)及びメモリ(半導体メモリ、ディスク等)を有する。メモリには、各種のデータ及びプログラムが格納され、プロセッサが当該各種のデータを用いて当該プログラムを実行することにより、計画作成装置1の機能が実現される。なお、以下では、各種の機能を実現するプロセッサ及びメモリを「コンピュータ」と称する場合がある。
【0015】
差異検出装置2は、計画作成装置1が作成した作業計画を基に行われる作業を、カメラ3及びLPS4を介して観測し、観測結果に基づいて、作業計画にて計画された作業と、実際に行われた作業との間の差異を検出する。なお、差異検出装置2は、プロセッサ及びメモリを有する。メモリには、各種のデータ及びプログラムが格納され、プロセッサが当該データを用いて当該プログラムを実行することにより、差異検出装置2の機能が実現される。
【0016】
カメラ3は、作業が行われる場所に設置され、作業の対象(以下、作業対象)、及び作業を行う人員(店員、作業員等)などを撮影する。
【0017】
LPS4は、作業が行われる場所に設置され、当該場所における人員(又は物品)の位置を検出する。なお、LPS4は、例えば、複数のビーコン及び複数のスキャナ(いずれも図示しない)で構成される。ビーコンは、人員によって携帯され(又は物品に添付され)、当該人員を特定する人員特定情報(又は当該物品を特定する物品特定情報)を含む信号を発信する。スキャナは、ビーコンからの信号を受信し、当該信号の受信強度及びそこに含まれる人員特定情報、並びにスキャナ自身の位置情報等、に基づいて、当該人員(又は当該物品)の位置を検出する。
【0018】
作業は、例えば、販売に関連する作業である。販売は、例えば、物品(食品、日用品等)の販売(物販)であるが、サービス(飲食サービス、宿泊サービス等)の販売でもよい。販売に関連する作業は、例えば、レジ、品出し、加工等の複数の部門によって分担されるが、作業の分担はなくてもよい。
【0019】
または、作業は、例えば、物流に関連する作業(計画作成装置の変形例参照)でもよい。物流に関連する作業は、例えば、集荷、仕分け等の複数の部門によって分担されるが、作業の分担はなくてもよい。
【0020】
または、作業は、例えば、物品の製造に関連する作業でもよく、その種類は問わない。なお、物品の製造に関連する作業は、例えば、2以上の工程に分解され、2以上の工程が順次実行される。ただし、2以上の工程の一部は、並列に実行されてもよい。
【0021】
作業が行われる場所は、例えば、販売の拠点となる店舗であるが、物流の拠点となる倉庫等でもよい。
【0022】
作業対象は、例えば、店舗への来客、又は来客に販売される物品(店舗に入荷する物品)などであるが、物流において取り扱われる物品でもよいし、製造される物品又はその部品でも構わない。
【0023】
店舗は、例えば、物品を販売する販売店(食品を販売するスーパー、日用品を販売するホームセンター等)であるが、サービスを販売する販売店(飲食サービスを提供する飲食店、宿泊サービスを提供する宿泊施設等)でもよいし、物品を製造する工場でも構わない。
【0024】
作業を行う人員は、例えば、店舗の店員であるが、倉庫の作業員でもよいし、工場の製造部員でも構わない。人員は、例えば、上記のような複数の部門のいずれかに所属し、当該部門の作業を行う。なお、人員の所属先は、例えば、ある期間はレジ部門、別の期間は品出し部門、等のように可変的であるが、固定的でもよい。
【0025】
(2)計画作成装置
(2-1)概要
本開示の実施形態に係る計画作成装置1は、図1に示すように、受付部11と、処理部12と、出力部13とを備える。ただし、計画作成装置1は処理部12のみを備え、受付部11及び出力部13は、計画作成装置1とは別体の端末装置(例えば、タブレット端末、スマートフォン等)が備えていてもよい。また、受付部11は、出力部13と別体でもよい。
【0026】
処理部12は、生成部121と、予測部122と、設定部123と、作成部124と、更新部125とを備える。ただし、計画作成装置1(処理部12)は、生成部121及び設定部123の少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【0027】
受付部11は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、後述する標準工数、後述する差異情報などである。
【0028】
受付部11の受け付けは、例えば、タッチパネルやキーボード等の入力デバイスを介して入力された情報(例えば、標準工数)の受け付け、及び、計画最適化システム100を構成する他の要素(例えば、差異検出装置2)から引き渡される情報(例えば、差異情報)の受け付けである。
【0029】
また、本実施形態における受け付けは、外部の装置から送信された情報の受信、記録媒体から読み出された情報の受け付けなども含んでもよい。
【0030】
処理部12は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、生成部121、予測部122、設定部123、作成部124及び更新部125の各々の処理である。また、処理部12は、フローチャートで説明する各種の判断も行う。なお、その他の処理については、適時説明する。
【0031】
出力部13は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、後述する作業計画(時間帯及び部門別作業計画)、後述する工数予測値(時間帯及び部門別工数予測値、及び総工数予測値)、後述する入荷量予測値などである。
【0032】
出力部13の出力は、例えば、ディスプレイへの表示であるが、スピーカからの音声出力、プリンタによるプリントアウト、他の装置への送信、記録媒体への記録などでもよい。
【0033】
出力部13は、例えば、工数予測値等のコンピュータによって処理される情報を人が視覚的に認識可能な情報に変換し、出力(ディスプレイに表示、又はプリンタでプリントアウト等)してもよい。
【0034】
(2-2)工数予測
処理部12を構成する予測部122は、モデル(PM1~PM5:後述)を用いた予測アルゴリズム(PA1~PA5:後述)を実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値(PV2:後述)を取得する。
【0035】
本実施形態における期間は、例えば、一の日、又は一の日を構成する複数の時間帯(0時台、1時台・・・23時台等)である。ただし、時間帯は、1時間単位とは限らず、例えば、15分単位、30分単位、2時間単位等でもよい。また、期間は、例えば、一の週、一の月等でもよく、その長さ(期間長)は問わない。また、期間の区分は、例えば、午前/午後、早朝/日中/夜間等でもよい。
【0036】
上記期間が2以上の期間である場合、2以上の期間は、通常、連続するが、不連続でもよい。また、2以上の期間は、通常、同じ長さであるが、異なる長さでもよい。
【0037】
本実施形態におけるモデルは、予測用データセット(DP:後述)を入力とし、工数予測値を出力とするモデルである。
【0038】
(2-2-1)予測用データセット
本実施形態における予測用データセットは、期間特定情報(例えば、時間帯特定情報TI:後述)、期間属性情報(例えば、日属性情報AI:後述)及び数量情報(例えば、来客数予測値PV1,入荷量予測値PV3:後述)の組、を含む。ただし、予測用データセットは、例えば、期間特定情報及び期間属性情報のいずれか一方のみを含んでいてもよい。予測用データセットは、期間特定情報、期間属性情報及び数量情報、のうち少なくとも1種類の情報を含んでいればよい。一般には、予測用データセットは、予測対象の情報に付随する情報1つ、を含んでいればよい。
【0039】
期間特定情報とは、期間を特定する情報である。期間は、将来の期間である場合と、過去の期間である場合とがある。期間特定情報は、例えば、日付、又は時間帯特定情報である。時間帯特定情報は、開始時刻及び終了時刻の組であるが、開始時刻及び時間長の組でもよい。また、時間長が固定値の場合、時間帯特定情報は、開始時刻のみでもよい。なお、時刻は、通常、年・月・日及び時・分で表現されるが、時・分、又は分は、省略してもよい。開始時刻及び終了時刻の各々は、例えば、期間が一の日の場合は「〇年〇月〇日」、期間が1時間の場合は「〇年〇月〇日〇時」であってもよい。
【0040】
期間属性情報とは、期間の属性に関する情報である。期間が一の日である場合の期間属性情報は、日属性情報である。日属性情報は、例えば、曜日(月~日)、曜日カテゴリ(平日/土日祝)、特売日フラグ等であるが、祝日フラグ、休業日フラグ、年末年始フラグ等でもよい。特売日フラグは、当該一の日が特売日か否かを示すフラグである。祝日フラグは、当該一の日が祝日か否かを示すフラグである。休業日フラグは、当該一の日が休業日か否かを示すフラグである。年末年始フラグは、当該一の日が年末年始に該当するか否かを示すフラグである。
【0041】
なお、期間が時間帯である場合の期間属性情報は、例えば、時間帯属性情報である。ただし、期間が時間帯であっても、前述の日属性情報を含んでいてもよい。時間帯属性情報は、例えば、特売時間帯フラグ、時短フラグ等である。特売時間帯フラグは、当該時間帯が特売時間帯か否かを示すフラグである。時短フラグは、当該時間帯が、営業時間の短縮の結果休業となる時間帯か否かを示すフラグである。
【0042】
数量情報とは、期間における作業対象の数量に関する情報である。期間は、例えば、前日/翌日分などの、当該期間に対してラグがある期間の属性を特定する属性特定情報でもよい。
【0043】
本実施形態における作業対象は、前述したように、例えば、来客(販売の相手)、又は物品(販売の対象、物流の対象)である。ただし、作業対象は、情報(企業での事務処理の対象、役所での申請処理業務の対象など)、施設(清掃の対象、備品補充の対象など)、車両(車検の対象、洗車の対象、給油の対象など。)
販売の場合の数量情報は、例えば、期間における店舗への来客数に関する来客数情報、又は期間における店舗への物品の入荷量に関する情報(入荷量情報)である。なお、物流の場合の数量情報は、例えば、期間における物品の取扱量に関する情報(取扱量情報)である。また、製造の場合の数量情報は、例えば、期間における物品の出荷量に関する情報(出荷量情報)であってもよい。
【0044】
ただし、期間属性情報は、上述したようなカテゴリやフラグだけではなく、特定のイベント(例えばクリスマス)の何日前、あるいは何日後であるか、などの日数に関する情報であってもよい。
【0045】
販売の場合の数量情報は、例えば、来客数情報である。来客数情報は、通常、来客数予測値であるが、来客数実績値(実際の来客数:自動集計又は手入力された数値)でもよい。来客数予測値とは、予測された来客数の値であり、来客数実績値とは、実際の来客数の値である。
【0046】
来客数予測値は、例えば、人又は機械が予測した来客数の値であり、例えば、外部の装置(店舗のサーバ等)から取得される。ただし、来客数予測値は、来客数予測モデル(その他の変形例参照)を用いて取得された値でもよい。例えば、予測部122が、来客数予測モデルを用いて来客数を予測し、来客数予測値を取得してもよい。
【0047】
なお、来客数実績値は、来客数予測値が取得されないときに、来客数予測値の代替として用いられる。来客数実績値は、例えば、店舗の出入口に設けられたセンサ(図示しない)、又はカメラ3及びPLS4を利用して、自動的に集計された値である。ただし、来客数実績値は、人が入力(手入力)した値でもよい。来客数実績値は、例えば、外部の装置から取得されてもよい。
【0048】
特に、販売が物品の販売(物販)の場合における数量情報は、入荷量情報でもよい。入荷量情報は、通常、入荷量予測値であるが、入荷量実績値(AV2:後述)でもよい。入荷量予測値とは、予測された入荷量の値であり、入荷量実績値とは、実際の入荷量の値である。
【0049】
なお、実際の入荷量は、基本的には入荷時に確定するが、発注時に確定する場合もある。入荷量実績値は、このような、未入荷であるが、確定した入荷量(入荷予定量)を含んでもよい。
【0050】
なお、物流の場合の数量情報は、例えば、取扱量情報である。取扱量情報は、通常、取扱量の実績値であるが、取扱量の予測値でもよい。
【0051】
工数予測値は、上記のような期間における作業工数を予測した結果である。作業工数とは、作業を遂行するための工数である。工数とは、作業の量を示す数値であり、時間と人数との積で表現される。なお、工数の単位は、例えば「人時」であるが、時間の単位(日・時・分等)をそのまま用いてもよい。
【0052】
なお、本実施形態では、作業の量(作業量)は、工数で表現される。つまり、前述したような各種の作業の作業量が、全て工数に変換される。また、複数の作業に対応する複数の工数を加算することで、総工数が取得される。これによって、異なる種類の作業の間で作業量を比較したり、作業量の合計を計算したりすることが可能となる。作業量から工数への変換は、人の手操作で行われても、所定のアルゴリズムを用いて行われてもよい。所定のアルゴリズムは、例えば、標準工数を用いるアルゴリズムでもよい。標準工数を用いるアルゴリズムは、設定された標準工数を用いて、1以上の作業量から1以上の工数への変換を行う。
【0053】
(2-2-2)予測アルゴリズム
予測アルゴリズムは、後述する生成部121が実行する機械学習の学習アルゴリズム、に対応する予測アルゴリズムであり、生成部121が機械学習により生成したモデルを用いて工数予測値を取得するアルゴリズムである。
【0054】
ただし、予測アルゴリズムは、機械学習以外の手法で生成されたモデル(例えば、統計データに基づく線形予測モデル等)を用いて工数予測値を取得するアルゴリズムでもよい。
【0055】
なお、工数予測モデルの生成に好適な機械学習は、教師あり学習であるが、教師なし学習、強化学習等でもよい。教師あり学習は、回帰(連続値予測)型が好適であるが、分類(離散値予測)型でもよい。
【0056】
実施形態における機械学習は、LightGBM(Gradient boosting machine)である。LightGBMは、決定木と勾配ブースティングを組み合わせたアルゴリズムであり、回帰及び分類の両方の機能を有する。
【0057】
ただし、機械学習は、決定木でもよいし、その他のアルゴリズム(例えば、ニューラルネットワーク、クラスタリング、サポートベクターマシン、ディープラーニング、ランダフォレスト等)でも構わない。また、機械学習は、これらのアルゴリズムを複数組み合わせるアンサンブル手法、を用いたものでもよい。
【0058】
(2-3)標準工数の設定
設定部123は、作業の標準工数を設定する。なお、設定された標準工数は、例えば、計画作成装置1のメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
【0059】
標準工数とは、作業に関する標準的な工数である。標準工数は、例えば、作業の遂行に必要な工数(正味の作業時間)に、作業場所への移動時間、作業前の準備時間、作業の間の休憩時間、等の余裕時間を加えたものである。ただし、余裕時間の加算は必須でなく、標準工数は、作業の遂行に必要な工数であってもよい。
【0060】
標準工数は、例えば、手動で設定される。詳しくは、標準工数を示す数値を、人がタッチパネル等の入力デバイスを介して入力する。計画作成装置1において、当該入力された数値を受付部11が受け付け、設定部123は、当該受け付けられた数値を標準工数に設定する。
【0061】
ただし、標準工数は、自動的に設定されてもよい。詳しくは、設定部123は、例えば、前述した数量情報、及び人員情報等を入力とし、標準工数を出力とするアルゴリズムを実行することにより、標準工数を設定する。
【0062】
人員情報とは、人員に関する情報である。人員情報は、人員特定情報を含む。人員特定情報とは、人員を特定する情報である。人員特定情報は、例えば、氏名及び住所、携帯電話番号、メールアドレスなどであるが、氏名及び住所等に対応付いたIDでもよい。なお、人員情報は、例えば、外部の装置(店舗のサーバ等)から取得されるが、その一部(後述する休暇情報等)は人員によって手入力されてもよい。
【0063】
また、人員情報は、通常、勤務実績情報、及び休暇情報も含む。勤務実績情報とは、人員の勤務実績に関する情報である。勤務実績情報は、例えば、期間特定情報の集合、又は期間特定情報及び部門特定情報の組の集合である。
【0064】
休暇情報とは、当該人員の休暇の取得予定に関する情報である。休暇情報は、例えば、期間特定情報の集合である。休暇情報を構成する期間特定情報は、通常、日付であるが、午前/午後、時間帯等でもよい。
【0065】
なお、休暇情報は、具体的には、例えば、休暇予定日の日付の集合である。または、休暇情報は、カレンダー情報の複数の日付のうち休暇予定日の日付に、休暇予定日を示す休暇フラグを付したもの(つまり、後述する勤務予定情報の一部)でもよい。
【0066】
スキル情報とは、当該人員の作業のスキルに関する情報である。スキル情報は、例えば、担当可能な部門を特定する部門特定情報の集合である。また、スキル情報は、例えば、作業の経験年数、地位、資格等に関する情報も含んでいてもよい。
【0067】
また、人員情報は、勤務予定情報も含んでいてもよい。勤務予定情報とは、当該人員の勤務予定に関する情報である。勤務予定情報は、例えば、期間特定情報及び部門特定情報の組の集合(図10参照)である。ただし、単一部門の場合、勤務予定情報は、期間特定情報の集合(図示しない)でもよい。
【0068】
勤務予定情報は、具体的には、例えば、勤務予定日の日付、開始時刻及び部門名の組の集合である。ただし、定時勤務の場合、開始時刻はなくてもよい。また、単一部門の場合、部門名はなくてもよい。または、勤務予定情報は、カレンダー情報を構成する複数の日付のうち、勤務予定の日付に、開始時刻及び部門名の組、又は開始時刻、勤務日を示す勤務フラグ、を付したものでもよい。
【0069】
なお、勤務予定情報は、後述する作業計画のうち、一の人員特定情報に対応する部分である。つまり、勤務予定情報は、後述する作成部124が作業計画を作成した後、当該作成された作業計画から取得される。ただし、勤務予定情報の初期値は、人員の手入力に基づく情報であり、当該初期値が、後に作成部124が作成した作業計画で更新されてもよい。
【0070】
本実施形態における設定部123は、部門情報も用いて、部門別の標準工数を設定する。部門情報とは、作業を分担する複数の部門に関する情報である。部門情報は、例えば、部門特定情報と優先順位情報との組の集合である。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。部門特定情報は、例えば、“レジ”や“品出し”等の部門名であるが、部門名に対応付いたIDなどでもよい。優先順位情報とは、部門間の優先順位に関する情報である。優先順位情報は、例えば、優先順位を示す数値(“1”,“2”等)である。
【0071】
なお、部門特定情報と優先順位情報との組の集合とは、例えば“(レジ,1),(品出し,2),・・・”である。または、部門情報は、複数の部門特定情報を優先順位に従う順序で配列したもの(例えば、“レジ,品出し,・・・”)でもよい。
【0072】
ただし、優先順位情報は必須ではなく、部門情報は、例えば、複数の部門に対応する複数の部門特定情報の集合であってもよい。
【0073】
また、複数の部門特定情報は、階層化(店舗・店舗内の部署・部署内のチーム等)されていてもよい。例えば、最上位の部門が「店舗」、その下位の部門が店舗内の「部署」、更にその下位の部門が部署内の「チーム」等であってもよい。
【0074】
なお、設定部123は、例えば、作業によって得られる売り上げに関する売上情報も用いて、コストを考慮した標準工数を設定してもよい。
【0075】
なお、物品の製造の場合における標準工数は、工程別に設定されてもよい。
【0076】
(2-4)計画作成
作成部124は、予測部122が取得した1以上の工数予測値と、作業を行う1人以上の人員に対応する1以上の人員情報と、に基づいて、作業計画を作成する。作業を行う人員の数は、通常、2人以上であるが、1人でもよい。従って、作業計画を作成するための人員情報の数は、通常、2つ以上であるが、1つでもよい。以下では、人員の数を2人以上、人員情報の数を2つ以上として説明する。なお、作成された作業計画は、例えば、計画作成装置1のメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
【0077】
作業計画とは、将来の1以上の期間に2人以上の人員によって行われる作業に関する計画である。本実施形態における作業計画は、例えば、図10に示すような、2以上の人員特定情報に対応する2以上の勤務予定情報の集合である。勤務予定情報は、前述したように、期間特定情報及び部門特定情報の組の集合である。
【0078】
なお、詳細は具体例で説明するが、例えば、人員特定情報“aa”に対応する勤務予定情報は、“{(2021,2,21,8),AA},{(2021,2,21,9),AA},・・・{(2021,2,21,14),AA},{(2021,2,22,9),BB}・・・”である。
【0079】
なお、作業計画は、例えば、シフト計画及び人員計画で構成されてもよい。シフト計画とは、複数の人員の勤務予定(シフト)に関する計画である。シフト計画は、どの人員がどの期間(例えば、どの日)に作業をするかを示す情報であり、例えば、人員特定情報及び期間特定情報(例えば、日特定情報)の組の集合で構成される。人員計画とは、勤務予定の人員の、各部門への配置に関する計画である。人員計画は、例えば、人員特定情報、部門特定情報、及び期間特定情報(例えば、時間帯特定情報)の組の集合である。
【0080】
ただし、上記は例示に過ぎず、作業計画のデータ構造は問わない。
【0081】
本実施形態における作成部124は、部門情報も用いて、時間帯及び部門別の作業計画を作成する。なお、作業計画は、人員(スキル)及び部門(優先順位)以外の制約条件も考慮して作成されてもよい。
【0082】
本実施形態における作成部124は、例えば、1以上の工数予測値と、2以上の人員情報と、を含む作成用データセットを入力とし、作業計画を出力とする作成アルゴリズムを用いて、作業計画を作成する。
【0083】
ただし、作成用データセットには、1以上の工数予測値に代えて、1以上の作業量、及び設定部123が設定した標準工数、が含まれていてもよい。この場合、作成部124は、例えば、前述した「標準工数を用いるアルゴリズム」によって、標準工数を基に、1以上の作業量を1以上の工数に変換する。そして、作成部124は、作成アルゴリズムによって、1以上の工数と、2以上の人員情報とを基に、作業計画を作成してもよい。
【0084】
(2-5)標準工数の更新
更新部125は、差異検出装置2からの差異情報に基づいて、設定部123が設定した標準工数を更新する。
【0085】
詳しくは、例えば、計画作成装置1のメモリに、設定部123が設定した標準工数が格納されている。受付部11は、差異検出装置2から出力された差異情報を受け付け、更新部125は、当該受け付けられた差異情報が示す差異が縮小するように、メモリ内の標準工数を更新する。
【0086】
具体的には、例えば、差異検出装置2のメモリに、現在の期間における差異情報が保持されている。更新部125は、現在の期間から次の期間への移行時に、メモリ内の現在の標準工数をインクリメント又はデクリメントする。そして、更新部125は、当該次の期間からその次の期間への移行時に、差異検出装置2から差異情報を取得し、メモリ内の差異情報と当該取得した差異情報とを比較する。当該比較の結果、差異が縮小している場合、更新部125は、当該インクリメント又はデクリメント後の標準工数を保持する。一方、差異が拡大している場合、更新部125は、当該インクリメント又はデクリメント後の標準工数を、元の標準工数に戻す。
【0087】
上記のような処理を繰り返すことで、計画された工数と実際の工数との間の差異が縮小するように、標準工数が更新されていく。
【0088】
(2-6)モデル生成
生成部121は、2以上の学習用データセット(DT1~DT4:後述)を用いて機械学習の学習アルゴリズム(LA:後述)を実行することにより、モデルを生成する。なお、生成されたモデルは、例えば、計画作成装置1のメモリに格納されるが、その格納場所は問わない。
【0089】
詳しくは、生成部121は、2以上の学習用データセットの各々について、学習用データセットの一部(第1部分)を入力データ、学習用データセットの他の一部(第2部分)を教師データとして、機械学習の学習アルゴリズムを実行する。
【0090】
第1部分は、予測用データセットと共通する部分であり、例えば、期間特定情報、期間属性情報、及び数量情報の組である。第2部分は、予測モデルの出力に対応する部分であり、例えば、工数実績値である。なお、予測用データセットと共通する部分である第1部分は、前述したように、期間特定情報、期間属性情報及び数量情報、のうち少なくとも1種類の情報を含んでいればよい。第1部分は、予測対象の情報に付随する情報1つ、を含んでいればよい。
【0091】
これによって、第1部分と第2部分との間の関係が学習され、未知の第1部分に対して、第2部分の予測値を出力する予測モデルが生成される。
【0092】
なお、2以上の学習用データセットを用いて機械学習の学習アルゴリズムを実行することは、例えば、学習用データセットの入力値(教師データ)を予測モデルの入力層に入れ、学習用データセットの出力値を予測モデルの出力層に入れることにより、予測モデルを生成することであってもよい。
【0093】
学習用データセットは、例えば、期間特定情報、期間属性情報、及び数量情報の組と、工数実績値(AV1:後述)と、を含む。ただし、学習用データセットは、例えば、期間特定情報、期間属性情報及び数量情報、のうち少なくとも一種類の情報と、工数実績値と、を含んでいればよい。一般には、学習用データセットは、予測対象の情報、及び予測対象の情報に付随する情報1つ、を含んでいればよい。
【0094】
工数実績値とは、期間における作業の実際の工数である。工数実績値は、例えば、2人以上の人員に対応する2以上の勤務実績情報(図7参照:後述)から取得される。工数実績値は、前述した第2部分に対応する。
【0095】
本実施形態において、作業は、販売に関連する作業である。販売は、物品の販売でも、サービスの販売でもよい。
【0096】
ここでの対象は、販売が行われる場所への来客である。数量情報は、来客数情報を含む。来客数情報は、期間における来客数に関する情報である。
【0097】
来客数情報は、来客数予測値(PV1:後述)を含む。来客数予測値とは、期間における来客数を予測した結果である。
【0098】
期間属性情報は、特売期間フラグを含む。特売期間フラグとは、期間が特売期間に属するか否かを示すフラグである。特売期間は、例えば、特売日、特売時間帯などである。特売期間フラグは、例えば、特売日フラグ、特売時間帯フラグなどである。
【0099】
期間属性情報は、天候情報を更に含む。天候情報とは、作業が行われる場所の期間における天候に関する情報である。天候情報は、例えば、実測値であるが、予測値でもよい。天候情報は、例えば、気象会社のサーバ等から取得されてもよい。
【0100】
期間は、例えば、一の日に属する1以上の時間帯の各々であってもよい。この場合、設定部123は、例えば、作業に関して統一された標準工数を設定するが、時間帯別の標準工数を設定してもよい。来客数予測値は、1以上の時間帯が属する一の日における来客数の予測値である。工数予測値は、時間帯別の工数予測値を含む。
【0101】
作業は、2以上の部門によって分担されてもよい。2以上の部門は、階層化されていてもよい。階層化された2以上の部門は、例えば、一の企業に属する複数の店舗、一の店舗に属する複数の部署、一の部署に属する複数のチームなどである。部署は、例えば、食品売り場や衣料品売り場などの各種の売り場、調理室、バックルーム等である。チームは、例えば、食品売り場内の鮮魚コーナーや総菜コーナーなどである。
【0102】
この場合、2以上の部門の各々に、作業を行う1人以上の人員が属する。各部門の作業は、通常、並列に実行されるが、順次実行されてもよい。設定部123は、時間帯及び部門別の標準工数を設定する。工数予測値は、時間帯及び部門別の工数予測値を含む。
【0103】
なお、処理部12が、例えば、入力されるデータセットが予測用か学習用かを判断し、判断結果に対応するアルゴリズムに当該データセットを引き渡してもよい。これによって、学習用及び予測用の2種類のデータセットを含むデータセット群を用いて、モデルの生成、及びモデルを用いた予測を行える。
【0104】
(2-7)モデルの由来の変形例
この変形例では、モデルは、外部の装置で生成され、当該外部の装置から計画作成装置1に引き渡される。または、モデルは、計画作成装置1のメモリに予め格納されていてもよく、その由来は問わない。
【0105】
(2-8)モデルの詳細:1段階予測
本実施形態におけるモデルは、図2に示すように、予測用データセットDPを入力とし、時間帯及び部門別工数予測値PV2を出力とする第1工数予測モデルPM1である。
【0106】
予測用データセットDPは、将来の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組、を含む。ただし、予測用データセットDPは、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1、のうち少なくとも1種類の情報を含んでいればよい。時間帯特定情報TIは、当該時間帯を特定する情報である。日属性情報AIは、当該時間帯が属する一の日の属性に関する情報である。来客数予測値PV1は、当該時間帯が属する一の日における来客数の予測値である。
【0107】
予測用データセットDPは、通常、部門特定情報に対応付いている。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。
【0108】
ただし、部門特定情報に対応付いていない予測用データセット、があってもよい。また、予測用データセットDPを構成する来客数予測値は、例えば、予測用データセットDPが対応付いている部門特定情報、で特定される部門への来客数の予測値でもよいし、部門特定情報で特定される部門よりも上位の部門、への来客数の予測値でもよい。
【0109】
具体的には、例えば、部門特定情報で特定される部門が“衣料品売り場”である場合の来客数予測値は、例えば、“衣料品売り場”への来客数の予測値でもよいし、“衣料品売り場”より上位の“売り場”への来客数予測値でもよい。また、部門特定情報で特定される部門が“鮮魚コーナー”である場合の来客数予測値は、例えば、“鮮魚コーナー”への来客数の予測値でもよいし、“鮮魚コーナー”より上位の“食品売り場”への来客数の予測値でもよいし、更に上位の“売り場”又は“店舗”全体への来客数の予測値でも構わない。なお、このような事項は、学習用データセットDTを構成する来客数予測値にも当てはまる。
【0110】
予測部122は、1以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPを入力として第1工数予測モデルPM1を用いた第1工数予測アルゴリズムPA1を実行することにより、将来の1以上の時間帯に対応する1以上の工数予測値を部門別に取得する。
【0111】
このように、本実施形態では、予測用データセットDPから直に、時間帯及び部門別の工数を予測する1段階予測が行われる。
【0112】
この実施形態によれば、第1工数予測モデルPM1を用いた1段階予測によって、時間帯及び部門別の工数予測の更なる精度向上を図ることができる。
【0113】
また、本実施形態では、学習用データセットは、第1学習用データセットDT1である。第1学習用データセットDT1は、過去の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組と、時間帯及び部門別工数実績値AV1と、を含む。ただし、学習用データセットDT1は、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1、のうち少なくとも1種類の情報と、時間帯及び部門別工数実績値AV1と、を含んでいればよい。
【0114】
時間帯及び部門別工数実績値AV1は、当該時間帯における作業の部門別の実際の工数である。第1学習用データセットDT1は、部門特定情報に対応付いている。
【0115】
生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第1学習用データセットDT1の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムLAを実行することにより、第1工数予測モデルPM1を生成する。
【0116】
このように、本実施形態では、計画作成装置1自身が、第1学習用データセットを対象(入力データおよび教師データ:以下同様)とする機械学習によって、第1工数予測モデルPM1を生成できる。
【0117】
(2-9)モデルの変形例:多段階予測
なお、モデルは、多段階予測を行うモデルであってもよい。次に説明するモデルの変形例1,2では、2段階予測,3段階予測を行うモデルについて説明する。
【0118】
変形例において、販売は、物品の販売である。数量情報は、来客数予測値PV1に加えて、入荷量予測値PV3を更に含む。入荷量予測値PV3は、作業が行われる場所への期間における物品の入荷量を予測した結果である。
【0119】
変形例における入荷量予測値PV3は、1以上の時間帯が属する一の日における入荷量の予測値である。ただし、入荷量予測値PV3は、1以上の時間帯ごとの予測値でもよい。また、学習用データセットDT1を構成する数量情報には、入荷量予測値PV3に代えて、入荷量実績値AV2が含まれていてもよい。
【0120】
(2-9-1)モデルの変形例1:2段階予測
この変形例1では、図3に示すように、モデルは、入荷量予測モデルPM4と、第2工数予測モデルPM2とを含む。
【0121】
入荷量予測モデルPM4は、予測用データセットDPを入力とし、入荷量予測値PV3を出力とするモデルである。本変形例1における予測用データセットDPは、将来の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組、を含む。ただし、来客数予測値PV1は、予測用データセットDPに含まれなくてもよい。予測用データセットDPは、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI及び来客数予測値PV1、のうち少なくとも1種類の情報、を含んでいればよい。時間帯特定情報TIは、当該時間帯を特定する情報である。日属性情報AIは、当該時間帯が属する一の日の属性に関する情報である。
【0122】
第2工数予測モデルPM2は、予測用データセットDPと、入荷量予測モデルPM4の出力である入荷量予測値PV3と、を入力とし、時間帯及び部門別工数予測値PV2を出力とするモデルである。
【0123】
時間帯及び部門別工数予測値PV2は、将来の2以上の各時間帯における作業工数を部門別に予測した結果である。
【0124】
予測用データセットDPは、部門特定情報に対応付いている。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。
【0125】
予測部122は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPを入力として、入荷量予測モデルPM4を用いた入荷量予測アルゴリズムPA4を実行することにより、入荷量予測値PV3を取得する。そして、予測部122は、当該取得した入荷量予測値PV3と、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPと、を入力として第2工数予測モデルPM2を用いた第2工数予測アルゴリズムPA2を実行することにより、将来の1以上の時間帯に対応する1以上の工数予測値を部門別に取得する。
【0126】
このように、モデルに関する変形例1では、予測用データセットDPから入荷量を予測し、入荷量予測値PV3を利用して時間帯・部門別の工数を予測する2段階予測が行われる。
【0127】
モデルに関する変形例1によれば、入荷量予測モデルPM4及び第2工数予測モデルPM2を用いた2段階予測によって、時間帯及び部門別の工数予測の精度向上を図ることができる。また、工数予測の過程で得られた入荷量予測値PV3を、作業計画の最適化に利用できる。
【0128】
また、モデルに関する変形例1では、学習用データセットは、第2学習用データセットDT2と、第3学習用データセットDT3とを含む。
【0129】
第2学習用データセットDT2は、過去の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組と、入荷量実績値AV2と、を含む。ただし、第2学習用データセットDT2は、時間帯特定情報TI、日属性情報AI及び来客数予測値PV1、のうち1種類以上の情報と、入荷量実績値AV2と、を含んでいればよい。入荷量実績値AV2は、当該1以上の時間帯が属する一の日における実際の入荷量である。
【0130】
第3学習用データセットDT3は、過去の1以上の時間帯の各々について、第2学習用データセットDT2と、時間帯及び部門別工数実績値AV1と、を含む。時間帯及び部門別工数実績値AV1は、当該時間帯における作業の部門別の実際の工数である。
【0131】
第2学習用データセットDT2及び第3学習用データセットDT3の各々は、部門特定情報に対応付いている。
【0132】
生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第2学習用データセットDT2の第1部分を入力データ、第2部分を教師データ、として機械学習の学習アルゴリズムLA1を実行することにより、入荷量予測モデルPM4を生成する。
【0133】
また、生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第3学習用データセットDT3の第1部分と、入荷量予測モデルPM4の出力である入荷量予測値と、を入力データ、第2部分を教師データ、として機械学習の学習アルゴリズムLA2を実行することにより、第2工数予測モデルPM2を生成する。
【0134】
モデルに関する変形例1によれば、計画作成装置1自身が、第2学習用データセットDT2を対象とする機械学習によって入荷量予測モデルPM4を生成し、第3学習用データセットDT3を対象とする機械学習によって第2工数予測モデルPM2を生成することができる。
【0135】
(2-9-2)モデルに関する変形例2:3段階予測
この変形例2では、図4に示すように、モデルは、入荷量予測モデルPM4と、第3工数予測モデルPM3と、分解モデルPM5とを含む。
【0136】
入荷量予測モデルPM4は、予測用データセットDPを入力とし、入荷量予測値PV3を出力とするモデルである。予測用データセットDPは、将来の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI及び来客数予測値PV1の組、を含む。ただし、予測用データセットDPは、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI及び来客数予測値PV1、のうち少なくとも1種類の情報、を含んでいればよい。時間帯特定情報TIとは、時間帯を特定する情報である。日属性情報AIとは、当該時間帯が属する一の日の属性に関する情報である。来客数予測値PV1とは、当該時間帯が属する一の日における来客数の予測値である。
【0137】
第3工数予測モデルPM3は、予測用データセットDPと入荷量予測値PV3とを入力とし、総工数予測値PV4を出力とするモデルである。ここでの入荷量予測値PV3は、入荷量予測モデルPM4の出力である。
【0138】
総工数予測値PV4は、将来の1以上の時間帯が属する一の日における作業の総工数を予測した結果である。総工数とは、1以上の時間帯及び2以上の部門の組み合わせに対応する2以上の時間帯及び部門別工数、の合計である。
【0139】
分解モデルPM5は、総工数予測値PV4、時間帯特定情報TI及び日属性情報AIを入力とし、時間帯及び部門別工数予測値PV2を出力とするモデルである。総工数予測値PV4は、第3工数予測モデルPM3の出力である。時間帯及び部門別工数予測値PV2は、将来の2以上の各時間帯における作業工数を部門別に予測した結果である。
【0140】
予測用データセットDPは、部門特定情報に対応付いている。部門特定情報とは、部門を特定する情報である。
【0141】
予測部122は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPを入力として、入荷量予測モデルPM4を用いた入荷量予測アルゴリズムPA4を実行することにより、入荷量予測値PV3を取得する。
【0142】
また、予測部122は、当該取得した入荷量予測値PV3と、当該部門特定情報に対応付いた予測用データセットDPと、を入力として第3工数予測モデルPM3を用いた第3工数予測アルゴリズムPA3を実行することにより、総工数予測値PV4を取得する。
【0143】
そして、予測部122は、当該取得した総工数予測値PV4を入力として、分解モデルPM5を用いた分解アルゴリズムPA5を実行することにより、将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を部門別に取得する。
【0144】
このように、モデルに関する変形例2では、予測用データセットから入荷量を予測し、入荷量予測値PV3を利用して総工数を予測し、総工数予測値PV4を時間帯・部門別の工数に分解する3段階予測が行われる。
【0145】
モデルに関する変形例2によれば、入荷量予測モデルPM4、第3工数予測モデルPM3、及び分解モデルPM5を用いた3段階予測によって、時間帯及び部門別の工数予測の精度向上を図ることができる。また、工数予測の過程で得られた入荷量予測値PV3及び総工数予測値PV4を、作業計画の最適化に利用できる。
【0146】
また、モデルに関する変形例2では、学習用データセットは、第2学習用データセットDT2と、第3学習用データセットDT3と、第4学習用データセットDT4とを含む。
【0147】
第2学習用データセットDT2は、過去の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI、及び来客数予測値PV1の組と、入荷量実績値AV2と、を含む。ただし、第2学習用データセットDT2は、例えば、時間帯特定情報TI、日属性情報AI及び来客数予測値PV1、のうち少なくとも一種類の情報と、入荷量実績値AV2と、を含んでいればよい。入荷量実績値AV2は、当該1以上の時間帯が属する一の日における実際の入荷量である。
【0148】
第3学習用データセットDT3は、過去の1以上の時間帯の各々について、第2学習用データセットDT2と時間帯及び部門別工数実績値AV1とを含む。時間帯及び部門別工数実績値AV1は、当該時間帯における作業の部門別の実際の工数である。
【0149】
第4学習用データセットDT4は、過去の1以上の時間帯の各々について、例えば、時間帯特定情報TI及び日属性情報AIの組と、時間帯及び部門別工数実績値AV1と、を含む。ただし、第4学習用データセットDT4は、例えば、時間帯特定情報TI及び日属性情報AI、のうち1種類以上の情報と、時間帯及び部門別工数実績値AV1と、を含んでいればよい。
【0150】
第2学習用データセットDT2、第3学習用データセットDT3及び第4学習用データセットDT4の各々は、部門特定情報に対応付いている。
【0151】
生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第2学習用データセットDT2の第1部分を入力データ、第2部分を教師データ、として機械学習の学習アルゴリズムLA1を実行することにより、入荷量予測モデルPM4を生成する。
【0152】
また、生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第3学習用データセットDT3の第1部分と、入荷量予測モデルPM4の出力である入荷量予測値と、を入力データ、第2部分を教師データとして、機械学習の学習アルゴリズムLA3を実行することにより、第3工数予測モデルPM3を生成する。そして、生成部121は、2以上の部門特定情報の各々について、当該部門特定情報に対応付いた第4学習用データセットDT4の第1部分を入力データ、第2部分を教師データ、として機械学習の学習アルゴリズムLA4を実行することにより、分解モデルPM5を生成する。
【0153】
このように、モデルに関する変形例2では、計画作成装置1自身が、第2学習用データセットDT2を対象とする機械学習によって入荷量予測モデルPM4を生成し、第3学習用データセットDT3を対象とする機械学習によって第3工数予測モデルPM3を生成し、第4学習用データセットDT4を対象とする機械学習によって分解モデルPM5を生成することができる。
【0154】
(2-10)時間帯及び部門別の作業計画
本実施形態及びモデルに関する変形例1,2では、2以上の人員情報の各々は、人員特定情報を含み、かつ部門特定情報に対応付いている。人員情報に含まれる人員特定情報は、当該人員情報に対応する人員を特定する情報である。部門特定情報は、2以上の部門のうち当該人員が属する部門を特定する情報である。
【0155】
作成部124は、予測部122が取得した1以上の時間帯及び部門別工数予測値PV2と、2以上の人員情報と、当該2以上の人員情報の各々に対応付いた部門特定情報と、に基づいて、将来の1以上の時間帯に2人以上の人員が2以上の部門で作業を行うための時間帯及び部門別作業計画を作成する。
【0156】
なお、作成部124は、2以上の部門特定情報に対応付いた2以上の優先順位情報も用いて、時間帯及び部門別作業計画を作成してもよい。
【0157】
ただし、作成部124は、1以上の時間帯及び部門別工数予測値PV2に代えて、1以上の時間帯及び部門別工数、並びに標準工数を用いて、時間帯及び部門別作業計画の作成を行ってもよい。
【0158】
詳しくは、例えば、受付部11が、作業量の入力を受け付け、設定部123は、標準工数を設定する。入力される作業量は、例えば、全ての部門、全ての時間帯の作業量を合計した総作業量であるが、部門別の作業量でもよいし、時間帯及び部門別の作業量でもよい。設定される標準工数は、例えば、どの部門、どの時間帯にも共通の標準工数であるが、部門別の標準工数でもよいし、時間帯及び部門別の標準工数でもよい。作成部124は、例えば、設定された標準工数を基に、入力された作業量を1以上の時間帯及び部門別の工数に変換する。そして、作成部124は、当該1以上の時間帯及び部門別工数、2以上の人員情報、及び当該2以上の人員情報の各々に対応付いた部門特定情報、を基に、時間帯及び部門別作業計画を作成してもよい。
【0159】
これによって、時間帯及び部門別の作業計画についても、作成精度の向上を図ることができる。
【0160】
(2-11)計画作成装置の変形例
計画作成装置1の変形例において、対象は、物品である。物品は、通常、販売される物品(商品)であるが、廃棄される物品(廃品)でもよい。
【0161】
この変形例における作業は、物品の物流に関連する作業である。物流は、例えば、輸送、宅配、保管等である。
【0162】
数量情報は、取扱量情報を含む。取扱量情報とは、期間における物品の取扱量に関する情報である。取扱量情報は、取扱量予測値が好適であるが、取扱量実績値でもよい。取扱量予測値は、取扱量予測モデルを用いて取得されてもよい。取扱量実績値は、例えば、手入力されるが、自動算出されてもよい。
【0163】
計画作成装置1の変形例によれば、作業が物流の場合に、作業対象の数量として取扱量に注目することで、工数予測の精度向上を図ることができる。
【0164】
(2-12)差異に基づく標準工数の更新
受付部11は、差異検出装置2から差異情報を受け付ける。なお、後述するように、差異検出装置2は、計画作成装置(作成部124)が作成した作業計画を基に行われる実際の作業をカメラ3等で観測して、当該作業計画及び当該観測の結果から、計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、差異情報を取得する。
【0165】
更新部125は、差異検出装置2からの差異情報に基づいて、設定部123が設定した標準工数を、上記差異が縮小するように更新する。
【0166】
これによって、差異の縮小、ひいては作業計画の最適化を図ることができる。
【0167】
(2-13)予測の変形例
(2-13-1)予測の変形例1
この変形例1における予測部122は、第1工数予測アルゴリズムPA1による1段階予測と、入荷量予測アルゴリズムPA4、第3工数予測アルゴリズムPA3及び分解アルゴリズムPA5による3段階予測と、を並列に又は順次実行する。そして、当該2種類の予測に対応する2つの予測結果(時間帯及び部門別工数予測値PV2)の間の差分を算出し、当該算出した差分の絶対値が、予め決められた閾値を超える場合に、当該2つの予測結果に加えて、入荷量予測アルゴリズムPA4の予測結果(入荷量予測値PV3)及び第3工数予測アルゴリズムPA3の予測結果(総工数予測値PV4)の少なくとも一方を出力部13に引き渡してもよい。
【0168】
出力部13は、当該引き渡された3種類又は4種類の予測結果(1段階予測及び3段階予測の2つの予測結果、並びに3段階予測の途中経過である入荷量予測値PV3及び総工数予測値PV4の少なくとも一方)を可視化して出力する。これによって、管理者は、2つの予測結果の間の乖離が大きい場合に、当該2つの予測結果を確認し、いずれが妥当かについて吟味できる。また、3段階予測の途中経過である入荷量予測値PV3及び総工数予測値PV4の少なくとも一方についても併せて確認することで、より的確な吟味が可能となる。
【0169】
なお、算出した差分の絶対値が予め決められた閾値以下の場合、予測部122は、当該2つの予測結果のいずれか一方のみを、出力部13に引き渡せばよい。これによって、出力される情報量の削減を図ることができる。ただし、差分の絶対値が閾値以下の場合であっても、予測部122は、2つの予測結果の両方、又は2つの予測結果の組み合わせを基に取得される組み合わせ結果(例えば、平均等)を、出力部13に引き渡してもよい。
【0170】
なお、変形例1では、1段階予測と3段階予測の比較を行っているが、1段階予測と2段階予測の比較、2段階予測と3段階予測の比較、を行ってもよい。
【0171】
また、変形例1では、2つの予測結果の間の差分の絶対値を用いているが、予測結果に対する差分の割合、を用いてもよい。割合は、例えば、2つの予測結果のいずれか一方、に対する差分の割合であるが、2つの予測結果の平均値、に対する差分の割合でもよい。また、絶対値に代えて、平均値及び分散の少なくとも一方、を用いてもよい。
【0172】
また、例えば、1段階,2段階及び3段階の3種類の予測を行い、3種類の予測の各々について、予測結果の最大値と最小値の差分の絶対値を求めてもよい。そして、3種類の予測に対応する3つの差分の各々について、差分を閾値と比較し、閾値を超えている場合に、予測結果を出力してもよい。
【0173】
(2-13-2)予測の変形例2
この変形例2における予測部122は、1段階予測を行う第1工数予測アルゴリズムPA1、2段階予測を行う第2工数予測アルゴリズムPA2、3段階予測を行う第3工数予測アルゴリズムPA3、のうち2種類以上のアルゴリズムを、並列に又は順次実行する。そして、予測部122は、各アルゴリズムの実行結果(時間帯及び部門別工数予測値PV2)を入力としてスコア算出アルゴリズムを実行し、2つ以上の実行結果に対応する2つ以上のスコアを取得する。
【0174】
スコア算出アルゴリズムは、工数予測値を入力とし、スコアを出力とするアルゴリズムである。スコアは、予測の精度に関する評価値である。
【0175】
予測部122は、こうして取得したスコアを、2種類以上の予測アルゴリズムごとに蓄積する。そして、2種類以上の予測アルゴリズムごとに、過去の一定期間におけるスコアの平均値を算出し、平均値が最大である予測アルゴリズム、に対応する実行結果を作成部124に引き渡してもよい。
【0176】
予測の変形例2によれば、同一の予測対象について、複数のアルゴリズムで予測を行い、得られた複数の予測結果に対応する複数のスコアを算出し、スコアが最も高い予測結果を採用することで、予測精度のより一層の向上を図ることができる。
【0177】
(2-13-3)予測の変形例3
この変形例3における予測部122は、取得した工数予測値を補正し、補正値を作成部124に引き渡す。ここでの補正は、整数化(切り上げ/切り捨て/四捨五入等)を含む。また、予測部122は、整数化の前後での工数予測値の差分が最小となるように、値の切り上げ/切り捨てを切り替える。これによって、人数が、例えば「1.3人」等の少数を含む値となること、の回避が可能になる。
【0178】
(2-13-4)予測の変形例4:他の3段階予測
この変形例4における予測部122は、予測用データセットDPから総業務量予測モデルで総業務量予測値を取得する。そして、予測部122は、当該取得した総業務量予測値を分解モデルPM5で複数の時間帯及び部門別の業務量に分解し、当該分解した複数の時間帯及び部門別の業務量の各々から工数予測モデルで時間帯及び部門別工数予測値PV2を取得してもよい。なお、前述した作業は、業務を細分化したものである。つまり、業務は、1つ以上の作業で構成される。
【0179】
(2-14)その他の変形例
なお、処理部12は、例えば、来客数実績値又は入荷量実績値を利用して、部門別のRE(Reasonable Expectancy)値、及び部門別の固定作業量を算出してもよい。RE値とは、来客数に対する人員の適正数(合理的な期待値)の比である。固定作業量とは、作業に占める固定作業の分量である。固定作業量は、例えば、業務量及びRE値の少なくとも一方に応じて変動する。ただし、固定作業量は、業務量及やRE値によらず、一定の量であってもよい。
【0180】
算出された部門別RE値及び部門別固定作業量は、設定部123に引き渡され、設定部123は、当該引き渡された部門別RE値及び部門別固定作業量を用いて、時間帯及び部門別の標準工数の設定を行う。
【0181】
(3)差異検出装置
差異検出装置2は、図1に示すように、受付部21と、処理部22と、出力部23とを備える。ただし、差異検出装置2は処理部22のみを備え、受付部21及び出力部23は、差異検出装置2とは別体の端末装置(タブレット端末等)が備えていてもよい。
【0182】
処理部22は、観測部221と、検出部222とを備える。
【0183】
受付部21は、各種の情報を受け付ける。各種の情報とは、例えば、作業計画、対策情報などである。
【0184】
受付部21は、例えば、計画作成装置1からネットワーク200を介して作業計画を受け付ける。また、受付部21は、管理者が入力する対策情報を受け付ける。
【0185】
処理部22は、各種の処理を実行する。各種の処理とは、例えば、観測部221及び検出部222の処理である。
【0186】
観測部221は、計画作成装置1によって作成された作業計画を基に行われる実際の作業を観測する。観測とは、例えば、カメラ3による撮影、LPS4による位置検出などである。
【0187】
観測部221は、カメラ3で実際の作業を撮影し、作業を行う人員、及び当該作業対象(来客、物品等)、に関する画像情報を取得する。また、観測部221は、LPS4で位置検出を行い、作業が行われる場所(店舗、倉庫等)における人員及び対象の位置に関する位置情報を取得する。
【0188】
検出部222は、計画作成装置1からの作業計画、及び観測部221の観測結果(画像情報及び位置情報)を基に、計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、当該検出した差異に関する差異情報を取得する。
【0189】
なお、工数に関する差異とは、工数の差異それ自体でもよいし、工数の差異に関連して生じる各種のギャップでもよい。各種のギャップとは、例えば、閾値を超える数の手隙の人員の存在、レジにおける閾値を超える長さの待ち行列の存在、物品の陳列場所における閾値を超える数の欠品の存在、物品の加工場所における閾値を超える数の加工待ち物品の存在、などである。
【0190】
検出部222は、例えば、観測部221が取得した画像情報及び位置情報を基に、上記のような各種のギャップを検出し、当該検出した各種のギャップを基に、工数の差異を示す差異情報(以下、工数差異情報)を取得してもよい。工数差異差異情報は、例えば、作業計画に含まれる工数に対する実際の工数の差分(通常、正負の符号を含む)であるが、余剰又は不足を示すフラグ(正負の符号に対応する情報のみ)でもよい。
【0191】
詳しくは、検出部222は、例えば、画像情報及び位置情報を入力とし、各種のギャップに関するギャップ情報を出力とするギャップ検出モデル、を用いて、ギャップ情報を取得する。次に、検出部222は、ギャップ情報を入力とし、工数差異情報を出力とする差異検出モデル、を用いて、工数差異情報を取得する。こうして、各種のギャップに関するギャップ情報が、工数の差異を示す工数差異情報に変換される。
【0192】
なお、ギャップ検出モデルは、例えば、画像情報及び位置情報の組と、人手で入力されたギャップ情報と、を含む学習用データセットの第1部分(画像情報及び位置情報の組)を入力データ、第2部分(ギャップ情報)を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより生成される。差異検出モデルは、例えば、ギャップ情報と、人手で入力された差分情報と、を含む学習用データセットの第1部分(ギャップ情報)を入力データ、第2部分(差分情報)を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより生成される。
【0193】
また、差異検出装置2(処理部22)は、上記のようにしてギャップ検出モデルおよび差異検出モデルを生成する生成部(図示しない)を更に備えていてもよい。
【0194】
ただし、後述するように、差異検出装置2(出力部23)は、観測部221の観測結果を可視化して出力してもよい。当該視覚化された観測結果を見た人が、差異を認識して、当該認識した差異に関する差異情報を入力デバイスで入力し、差異検出装置2は、当該入力された差異情報を受け付けてもよい。
【0195】
出力部23は、各種の情報を出力する。各種の情報とは、例えば、前述した差異情報、後述する対策情報、及び後述する観測結果などである。
【0196】
出力部23は、検出部222が取得した差異情報を、例えばネットワーク200を介して送信することにより、計画作成装置1に引き渡す。なお、装置間での情報の受け渡しは、ネットワーク200等の通信媒体に限らず、メモリカード等の携帯型記録媒体を介して行われてもよい。
【0197】
また、出力部23は、観測部221の観測結果を出力(例えば、ディスプレイに表示)してもよい。
【0198】
観測結果を見た人(例えば、作業を管理する管理者)が、上記のようなギャップを認識し、ギャップを減らすための対策に関する対策情報を、キーボード等の入力デバイスを介して入力する。対策情報は、例えば、ギャップが少ない部門の作業計画や運営方法に関する情報、人員の増減や配置変更に関する指示などである。
【0199】
差異検出装置2において、上記入力された対策情報を受付部21が受け付け、出力部23は、当該受け付けられた対策情報を、上記差異情報と共に計画作成装置1に出力する。なお、対策情報は、差異情報に含めて出力されてもよい。
【0200】
計画作成装置1において、受付部11が上記差異情報及び上記対策情報を受け付け、更新部125は、当該差異情報を基に標準工数を更新し、出力部13は、当該受け付けられた対策情報を視覚化して出力する。なお、対策情報は、管理者から、作業を行う人員に、直接伝達されてもよい。
【0201】
これによって、作業計画の最適化を図ることができる。
【0202】
なお、上述した差異情報は、総工数に関する情報でもよいし、時間帯及び部門別の工数に関する情報でもよい。
【0203】
(4)計画最適化システムの動作
以下、計画最適化システム100の動作について、図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。なお、フローチャートの説明では、各部の詳細な動作説明は省略する。
【0204】
計画最適化システム100を構成する計画作成装置1は、例えば、図5のフローチャートに従って動作する。なお、このフローチャートの処理は、計画作成装置1の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。
【0205】
計画作成装置1を構成する処理部12は、受付部11が入力デバイスを介してデータセットを受け付けたか否かを判断する(ステップS1)。受付部11が入力デバイスを介してデータセットを受け付けた場合、処理はステップS2に進む。データセットが受け付けられていない場合、処理はステップS5に進む。
【0206】
処理部12は、ステップS1で受け付けられたデータセットが予測用か否かを、プロセッサの内蔵時計等から取得される現在時刻情報に含まれる年月日と、当該データセットに含まれる年月日との比較に基づいて判断する(ステップS2)。ステップS1で受け付けられたデータセットが予測用である場合、処理はステップS4に進む。受け付けられたデータセットが予測用でない場合、当該受け付けられたデータセットは学習用と見なされ、処理はステップS4に進む。
【0207】
学習用であると判断されたデータセットは、メモリ内の学習用データセット用領域(図示しない)に格納される。メモリに所定数の学習用データセットが格納されると、生成部121は、当該格納されている学習用データセット(DT1~DT4)の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズム(LA)を実行することにより、予測用データセット(DP)を入力とし、工数予測値(PV2)を出力とするモデル(PM1~PM5)、を生成する(ステップS3)。その後、処理はステップS1に戻る。
【0208】
予測用であると判断されたデータセットは、メモリ内の予測用データセット用領域(図示しない)に格納される。メモリに所定数の予測用データセット(DP)が格納されると、予測部122は、当該格納されている学習用データセット(DA)を入力として、ステップS3で生成されたモデル(PM1~PM5)を用いた予測アルゴリズム(PA1~PA5)を実行することにより、将来の1以上の期間に対応する1以上の工数予測値(PV2)を取得する(ステップS4)。その後、処理はステップS1に戻る。
【0209】
処理部12は、受付部11が入力デバイスを介して計画作成指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS5)。受付部11が入力デバイスを介して計画作成指示を受け付けた場合、処理はステップS6に進む。計画作成指示が受け付けられていない場合、処理はステップS9に進む。
【0210】
設定部123は、標準工数を設定する(ステップS6)。作成部124は、ステップS4で取得された1以上の工数予測値(PV2)、及びメモリに格納されている2以上の人員情報等に基づいて、将来の1以上の期間に前記2人以上の人員が前記作業を行うための作業計画を作成する(ステップS7)。
【0211】
出力部13は、ステップS7で作成された作業計画を出力する(ステップS8)。ここで出力された作業計画を基に、2人以上の人員によって作業が実行される。また、出力された作業計画は、差異検出装置2に引き渡される。その後、処理はステップS1に戻る。
【0212】
処理部12は、受付部11が差異検出装置2から差異情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS9)。受付部11が差異検出装置2から差異情報を受け付けた場合、処理はステップS10に進む。差異情報が受け付けられていない場合、処理はステップS1に戻る。
【0213】
更新部125は、ステップS9で受け付けられた差異情報に基づいて ステップS6で設定された標準工数を、計画された作業と実際の作業との間の差異が縮小するように更新する(ステップS10)。その後、処理はステップS10に戻る。
【0214】
差異検出装置2は、例えば、図6のフローチャートに従って動作する。なお、このフローチャートの処理は、差異検出装置2の電源オンに応じて開始され、電源オフに応じて終了される。
【0215】
差異検出装置2を構成する観測部221は、計画作成装置1が作成した作業計画に基づいて実際に行われる作業を、カメラ3及びPLS4を介して観測する(ステップS21)。
【0216】
検出部222は、当該計画情報及びステップS21での観測の結果から、当該作業計画によって計画された作業と実際の作業との間の工数に関する差異を検出し、当該検出した差異に関する差異情報を取得する(ステップS22)。出力部23は、ステップS22で取得された差異情報を出力する(ステップS23)。当該出力された差異情報は、計画作成装置1に引き渡される。その後、処理はステップS1に戻る。
【0217】
なお、当該出力された差異情報を基に、作業を管理する管理者等によって、差異を縮小するための対策情報の入力が行われ、受付部21が当該入力された対策情報を受け付け、出力部23は、当該受け付けられた対策情報を計画作成装置1に引き渡してもよい。
【0218】
(5)具体例
(5-1)具体例1:1段階予測
現在の時刻は、2021年2月20日23時であるとする。このとき、計画作成装置1のメモリには、例えば、図7に示すような2以上の人員情報が格納されている。
【0219】
本具体例1における人員情報は、人員特定情報及び勤務実績情報を含む。勤務実績情報は、期間特定情報及び部門特定情報の対の集合で構成される。期間特定情報は、時間帯特定情報であり、年月日及び時で構成される。なお、人員情報は、スキル情報、休暇情報なども含んでもよい。
【0220】
人員特定情報“aa”に対応する勤務実績情報は、例えば、“・・・{(2021,2,20,10),AA},{(2021,2,20,11),AA}・・・{(2021,2,20,17),BB}”である。人員特定情報“bb”に対応する勤務実績情報は、例えば、“・・・{(2021,2,20,8),BB}・・・{(2021,2,20,12),BB}”である。なお、“aa”及び“bb”は氏名、“AA”及び“BB”は部門名である。
【0221】
また、計画作成装置1のメモリには、図8に示すような2以上(図示は7つ)のデータセットが、更に格納されている。なお、各データセットは、ID(“1”,“2”・・・)に対応付いている。以下では、ID“i”に対応付いたデータセットを「第iデータセット」のように記す。
【0222】
本具体例1におけるデータセットは、部門特定情報、工数、来客数、期間特定情報及び期間属性情報を含む。工数は、1時間当たりの工数であり、工数予測値及び工数実績値を含む。来客数は、1日当たりの来客数であり、来客数予測値及び来客数実績値を含む。期間特定情報は、時間帯特定情報であり、年月日及び時で構成される。期間属性情報は、日属性情報であり、曜日、曜日カテゴリ、特売日フラグ及び天候情報を含む。
【0223】
図8に示されているのは、2020年2月21日0時から現在(2021年2月20日)を挟んで2021年3月20日23時までの複数の時間帯(1年1か月分)、に対応する複数のデータセットである。そして、これら複数のデータセットのうち、一部(例えば、第1~第5データセット)は学習用、他の一部(第6,第7データセット)は予測用である。
【0224】
例えば、学習用データセットである第1データセットは、“AA,(120,130),(5000,5200),(2020,2,21,5),(金,平日,0,晴)”である。同様に、第2データセットは、“AA,(150,140),(5000,5200),(2020,2,21,6),(金,平日,0,晴)”である。第3データセットは、“AA,(50,60),(5000,5200),(2020,2,21,23),(金,平日,0,晴)”である。
【0225】
第4データセットは、“AA,(0,0),(6000,5900),(2020,2,22,0),(土,土日祝,0,曇)”である。第5データセットは、“AA,(360,380),(8000,7000),(2020,3,20,11),(金,土日祝,1,雨)”である。
【0226】
予測用データセットである第6データセットは、“AA,(-,-),(7000,-),(2021,2,21,5),(日,土日祝,0,-)”である。なお、“-”は、当該データが未だ存在しないことを示す情報である。同様に、第7データセットは、“AA,(-,-),(7000,-),(2021,2,21,6),(日,土日祝,0,-)”である。
【0227】
上記複数のデータセットがメモリから読み出され、計画作成装置1を構成する受付部11は、当該読み出された複数のデータセットを受け付ける。処理部12は、プロセッサの内蔵時計等から現在時刻情報を取得し、当該取得した現在時刻情報に含まれる年月日“2021,2,20”と、当該読み出された複数のデータセットの各々に含まれる年月日(“2020,2,21”等)との比較により、当該複数のデータセットの各々が予測用か否かを判断する。ここでは、第1~第5データセット等が学習用、第6,第7データセット等が予測用と判断される。
【0228】
生成部121は、上記学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習(本例では、LightGBM)の学習アルゴリズムLAを実行することにより、第1工数予測モデルPM1を生成する。
【0229】
予測部122は、上記予測用の第6,第7データセット等を、上記生成された第1工数予測モデルPM1への入力として、上記機械学習(LightGBM)の予測アルゴリズムPA1を実行することにより、将来の複数の期間に対応する複数の工数予測値PV2を取得する。ここでは、時間帯特定情報“2021,2,21,5”,“2021,2,21,6”に対応する工数予測値“140”,“160”が取得されたとする。
【0230】
処理部12は、上記取得された工数予測値“140”,“160”を、上記予測用の第6,第7データセットに追記する。これによって、図8に示した第6,第7データセットは、図9Aに示すように更新される。図9Aに示した第6,第7データセットでは、工数予測値“-”が“140”,“160”に更新されている。
【0231】
その後、現在時刻が2021年2月22日0時を過ぎると、処理部12は、その前日2021年2月21日に関し、時間帯ごとの工数実績値及び一日の来客数実績値を、外部の装置(店舗のサーバ等)から取得する。ここでは、例えば、5時台,6時台の工数実績値“150”,“160”、及び来客数実績値“7500”が取得されたとする。
【0232】
処理部12は、上記取得した工数実績値“150”,“160”、及び来客数実績値“7500”を、上記予測用の第6,第7データセットに追記する。これによって、図9Aに示した第6,第7データセットは、図9Bに示すように更新される。図9Bに示した第6,第7データセットでは、工数実績値“-”が“150”,“160”に更新され、来客数実績値“-”が“7500”に更新されている。
【0233】
(5-2)具体例2:2段階予測
以下、具体例1との相違点のみ記す。本具体例2におけるデータセットは、上記具体例1におけるデータセット(図8参照)において、入荷量に関する情報を更に含む。入荷量に関する情報は、入荷量予測値PV3及び入荷量実績値AV2を含む。以下では、入荷量予測値PV3を“p”、入荷量実績値AV2を“q”として、入荷量に関する情報を“p,q”のように記す。
【0234】
本具体例2における第1データセットは、図8の第1データセットにおいて、入荷量に関する情報“100,110”を更に含む。同様に、第2データセットは、図8の第2データセットにおいて、入荷量に関する情報“100,110”を更に含む。第3データセットは、図8の第3データセットにおいて、入荷量に関する情報“100,110”を更に含む。第4データセットは、図8の第4データセットにおいて、入荷量に関する情報“120,110”を更に含む。第5データセットは、図8の第5データセットにおいて、入荷量に関する情報“150,140”を更に含む。第6データセットは、図8の第6データセットにおいて、入荷量に関する情報“-,-”を更に含む。第7データセットは、図8の第7データセットにおいて、入荷量に関する情報“-,-”を更に含む。
【0235】
生成部121は、学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習(LightGBM)の学習アルゴリズムLAを実行することにより、入荷量予測モデルPM4を生成する。また、生成部121は、学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムLAを実行することにより、第2工数予測モデルPM2を生成する。
【0236】
予測部122は、予測用の第6,第7データセット等を入力として入荷量予測モデルPM4を用いた入荷量予測アルゴリズムPA4を実行することにより、将来の複数の日に対応する複数の入荷量予測値PV3を取得する。また、予測部122は、当該取得した入荷量予測値PV3と、予測用の第6,第7データセット等と、を入力として第2工数予測モデルPM2を用いた第2工数予測アルゴリズムPA2を実行することにより、将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を取得する。
【0237】
ここでは、例えば、2021年2月21日に対応する入荷量予測値“150”と、時間帯特定情報“2021,2,21,5”,“2021,2,21,6”に対応する工数予測値“140”,“160”と、が取得されたとする。
【0238】
処理部12は、上記取得された入荷量予測値“150”及び工数予測値“140”,“160”を、上記予測用の第6,第7データセットに追記する。これによって、第6,第7データセットでは、入荷量予測値“-”が“150”に更新され、工数予測値“-”が“140”,“160”に更新される。
【0239】
その後、現在時刻が2021年2月22日0時を過ぎると、処理部12は、その前日2021年2月21日に関し、一日の来客数実績値、一日の入荷量実績値、及び時間帯ごとの工数実績値を、外部の装置から取得する。ここでは、来客数実績値“7500”、入荷量実績値“170”、5時台,6時台の工数実績値“150”,“160”が取得されたとする。
【0240】
処理部12は、上記取得した来客数実績値“7500”等、入荷量実績値“170”等、及び工数実績値“150”,“160”等を、上記予測用の第6,第7データセット等に追記する。これによって、第6,第7データセットでは、来客数実績値“-”が“7500”に更新され、入荷量実績値“-”が“170”に更新され、工数実績値“-”が“150”,“160”に更新される。
【0241】
(5-3)具体例3:3段階予測
以下、具体例3の具体例2との相違点のみ記す。本具体例3におけるデータセットは、上記具体例2におけるデータセットにおいて、総工数に関する情報を更に含む。総工数に関する情報は、総工数予測値PV4及び総工数実績値を含む。以下では、総工数予測値PV4を“r”、入荷量実績値AV2を“s”として、入荷量に関する情報を“r,s”のように記す。
【0242】
本具体例3における第1データセットは、具体例2の第1データセットにおいて、総工数に関する情報“4000,4300”を更に含む。同様に、第2データセットは、具体例2の第2データセットにおいて、総工数に関する情報“4000,4300”を更に含む。第3データセットは、図8の第3データセットにおいて、総工数に関する情報“4000,4300”を更に含む。第4データセットは、図8の第4データセットにおいて、総工数に関する情報“4500,4200”を更に含む。第5データセットは、図8の第5データセットにおいて、総工数に関する情報“5000,4500”を更に含む。第6データセットは、図8の第6データセットにおいて、総工数に関する情報“-,-”を更に含む。第7データセットは、図8の第7データセットにおいて、総工数に関する情報“-,-”を更に含む。
【0243】
生成部121は、学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習(LightGBM)の学習アルゴリズムLAを実行することにより、入荷量予測モデルPM4を生成する。また、生成部121は、学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムLAを実行することにより、第3工数予測モデルPM3を生成する。さらに、生成部121は、学習用の第1~第5データセット等の第1部分を入力データ、第2部分を教師データとして機械学習の学習アルゴリズムLAを実行することにより、分解モデルPM5を生成する。
【0244】
予測部122は、予測用の第6,第7データセット等を入力として入荷量予測モデルPM4を用いた入荷量予測アルゴリズムPA4を実行することにより、将来の複数の日に対応する複数の入荷量予測値PV3を取得する。また、予測部122は、当該取得した入荷量予測値PV3と、予測用の第6,第7データセット等と、を入力として第3工数予測モデルPM3を用いた第3工数予測アルゴリズムPA3を実行することにより、将来の1以上の時間帯が属する一の日における総工数予測値PV4を取得する。さらに、予測部122は、当該取得した総工数予測値PV4を入力として分解モデルPM5を用いた分解アルゴリズムPA5を実行することにより、将来の1以上の時間帯に対応する2以上の工数予測値を取得する。
【0245】
ここでは、例えば、2021年2月21日に対応する入荷量予測値“150”及び総工数予測値“4500”と、時間帯特定情報“2021,2,21,5”,“2021,2,21,6”に対応する工数予測値“140”,“160”が取得されたとする。
【0246】
処理部12は、上記取得された入荷量予測値“150”、総工数予測値“4500”及び工数予測値“140”,“160”を、上記予測用の第6,第7データセットに追記する。これによって、第6,第7データセットでは、入荷量予測値“-”が“150”等に更新され、総工数予測値“-”が“4500”等に更新され、工数予測値“-”が“140”,“160”に更新される。
【0247】
その後、現在時刻が2021年2月22日0時を過ぎると、処理部12は、その前日2021年2月21日に関し、一日の来客数実績値、一日の入荷量実績値、一日の総工数予測値、及び時間帯ごとの工数実績値を、外部の装置から取得する。ここでは、来客数実績値“7500”、入荷量実績値“170”、総工数実績値“4600”、及び5時台,6時台の工数実績値“150”,“160”が取得されたとする。
【0248】
処理部12は、上記取得した来客数実績値“7500”、入荷量実績値“170”、総工数実績値“4600”及び工数実績値“150”,“160”を、上記予測用の第6,第7データセットに追記する。これによって、第6,第7データセットでは、来客数実績値“-”が“7500”に更新され、入荷量実績値“-”が“170”に更新され、総工数実績値“-”が“4600”に更新され、工数実績値“-”が“150”,“160”に更新される。
【0249】
(5-4)具体例4:計画作成
作成部124は、予測部122が取得した1以上の工数予測値(例えば、第6データセットを構成する工数予測値“140”、及び第7データセットを構成する工数予測値“160”等:図8参照)と、2以上の人員情報(例えば、人員特定情報と複数の勤務実績情報の組、の集合:図7参照)とに基づいて、2人以上の人員によって行われる作業に関する作業計画(人員特定情報と複数の勤務予定情報の組、の集合:図10参照)を作成する。
【0250】
(6)計画作成方法及びプログラム
なお、上記実施形態に係る計画作成装置1と同様の機能は、計画作成方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。なお、計画作成方法は、上記各種ステップのうち、少なくとも、ステップS4(予測ステップ)と、ステップS8(作成ステップS8)とを含む方法である。また、プログラムは、同上の計画作成方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0251】
なお、本開示における計画最適化システム100は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムは、例えば、計画作成装置1を構成する第1のサーバが有するプロセッサ及びメモリと、差異検出装置2を構成する第2のサーバが有するプロセッサ及びメモリとを含む。また、コンピュータシステムは、タブレット端末等の端末が有するプロセッサ及びメモリも含んでいてもよい。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における計画最適化システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0252】
また、計画最適化システム100の少なくとも一部の機能、例えば、計画作成装置1の一部の機能が、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0253】
反対に、実施形態において、複数の装置に分散されている計画最適化システム100の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、計画作成装置1と差異検出装置2とに分散されている計画最適化システム100の一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
【符号の説明】
【0254】
1 計画作成装置
11 受付部
12 処理部
121 生成部
122 予測部
123 設定部
124 作成部
125 更新部
13 出力部
2 差異検出装置
21 受付部
22 処理部
221 観測部
222 検出部
23 出力部
3 カメラ
4 LPS
100 計画最適化システム
200 ネットワーク
図1
図2
図3
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図5
図6
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図10