(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023254
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】表示装置及び支持機構
(51)【国際特許分類】
G09F 7/22 20060101AFI20230209BHJP
G09F 13/18 20060101ALI20230209BHJP
G09F 7/18 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G09F7/22 F
G09F13/18 Z
G09F7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128575
(22)【出願日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一博
(72)【発明者】
【氏名】新倉 利昌
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 正高
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA21
5C096BB23
5C096BB28
5C096DA08
(57)【要約】
【課題】変形などの不具合の発生を抑制できる表示装置及び支持機構を提供する。
【解決手段】表示装置1は、表示用のパネル部2と、パネル部2を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構3と、を備える。支持機構3は、パネル部2に設けられる第一支持部4と、天井10側に設けられる第二支持部5と、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ上軸部6と、上軸部6よりも下方に位置し、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ下軸部7と、を有する。第一支持部4と第二支持部5のうちの一方には、上軸部6が挿入される上ガイド溝8と、下軸部7が挿入される下ガイド溝9とが設けられている。上ガイド溝8及び下ガイド溝9は、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用のパネル部と、
前記パネル部を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構と、を備え、
前記支持機構は、
前記パネル部に設けられる第一支持部と、
天井側に設けられる第二支持部と、
前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ上軸部と、
前記上軸部よりも下方に位置し、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ下軸部と、を有し、
前記第一支持部と前記第二支持部のうちの一方には、前記上軸部が挿入される上ガイド溝と、前記下軸部が挿入される下ガイド溝とが設けられ、
前記上ガイド溝及び前記下ガイド溝は、前記上軸部が前記上ガイド溝に沿って移動し且つ前記下軸部が前記下ガイド溝に沿って移動することで、前記パネル部が前記鉛直姿勢と前記傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている、
表示装置。
【請求項2】
前記上ガイド溝と前記下ガイド溝のうち一方は、上下方向に一直線状に延びる長孔であり、
前記上ガイド溝と前記下ガイド溝のうちの他方は、前記長孔の真上又は真下に位置する中央開口部と、前記中央開口部から互いに逆方向に延びた第一長孔部及び第二長孔部とを有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一長孔部と前記第二長孔部のそれぞれは、前記中央開口部から水平方向に対して傾いた方向に円弧状に延びている、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一長孔部と前記第二長孔部のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記支持機構は、
前記上軸部と前記上ガイド溝の縁との間で生じる摩擦を低減する上スペーサーと、
前記下軸部と前記下ガイド溝の縁との間で生じる摩擦を低減する下スペーサーと、を更に有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
表示用のパネル部を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構であって、
前記パネル部に固定される第一支持部と、
天井側に固定される第二支持部と、
前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ上軸部と、
前記上軸部よりも下方に位置し、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ下軸部と、を有し、
前記第一支持部と前記第二支持部のうちの一方には、前記上軸部が挿入される上ガイド溝と、前記下軸部が挿入される下ガイド溝とが設けられ、
前記上ガイド溝及び前記下ガイド溝は、前記上軸部が前記上ガイド溝に沿って移動し且つ前記下軸部が前記下ガイド溝に沿って移動することで、前記パネル部が前記鉛直姿勢と前記傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている、
支持機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道の駅構内の天井等から吊り下げられて、位置表示マーク、特定の標識等の各種の情報を掲示する表示装置が、従来公知である。この種の表示装置は、一般的に、天井に金具等の支持部材で固定される(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の表示装置では、通行人の荷物等が衝突した場合に、表示装置を天井に固定する金具等の支持部材に負荷がかかって、この支持部材に変形などの不具合が生じるおそれがある。
【0005】
上記事情を鑑みて、本開示は、不具合の発生を抑制することができる表示装置及び支持機構を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示用のパネル部と、前記パネル部を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構と、を備える。前記支持機構は、前記パネル部に設けられる第一支持部と、天井側に設けられる第二支持部と、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ上軸部と、前記上軸部よりも下方に位置し、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ下軸部と、を有する。前記第一支持部と前記第二支持部のうちの一方には、前記上軸部が挿入される上ガイド溝と、前記下軸部が挿入される下ガイド溝とが設けられている。前記上ガイド溝及び前記下ガイド溝は、前記上軸部が前記上ガイド溝に沿って移動し且つ前記下軸部が前記下ガイド溝に沿って移動することで、前記パネル部が前記鉛直姿勢と前記傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0007】
本開示の一態様に係る支持機構は、表示用のパネルを鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する。前記支持機構は、前記パネル部に固定される第一支持部と、天井側に固定される第二支持部と、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ上軸部と、前記上軸部よりも下方に位置し、前記第一支持部と前記第二支持部をつなぐ下軸部と、を有する。前記第一支持部と前記第二支持部のうちの一方には、前記上軸部が挿入される上ガイド溝と、前記下軸部が挿入される下ガイド溝とが設けられている。前記上ガイド溝及び前記下ガイド溝は、前記上軸部が前記上ガイド溝に沿って移動し且つ前記下軸部が前記下ガイド溝に沿って移動することで、前記パネル部が前記鉛直姿勢と前記傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置及び支持機構は、不具合の発生を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態の表示装置の設置状態を示す一部破断側面図である。
【
図2】同上の表示装置の設置状態を天井の下方から見た斜視図である。
【
図3】
図3Aは、同上の表示装置が備える支持機構を示す側面図であり、
図3Bは、同上の支持機構を示す正面図であり、
図3Cは、同上の支持機構を示す他の側面図である。
【
図4】
図4Aは、同上の表示装置が備えるパネル部が一方向に移動して傾いた状態を示す側面図であり、
図4Bは、同上のパネル部が他方向に移動して傾いた状態を示す側面図である。
【
図5】
図5は、同上の表示装置の変形例1の設置状態を示す一部破断側面図である。
【
図6】
図6A、
図6Bは、同上の表示装置の変形例2の要部を示す側面図であり、
図6Aはパネル部が鉛直姿勢にある状態を示す図であり、
図6Bはパネル部が傾斜姿勢にある状態を示す図である。
【
図7】
図7A、
図7Bは、同上の表示装置の変形例3の要部を示す側面図であり、
図7Aはパネル部が鉛直姿勢にある状態を示す図であり、
図7Bはパネル部が傾斜姿勢にある状態を示す図である。
【
図8】
図8A、
図8Bは、同上の表示装置の変形例4の要部を示す側面図であり、
図8Aはパネル部が鉛直姿勢にある状態を示す図であり、
図8Bはパネル部が傾斜姿勢にある状態を示す図である。
【
図9】
図9A、
図9Bは、同上の表示装置の変形例5の要部を示す側面図であり、
図9Aはパネル部が鉛直姿勢にある状態を示す図であり、
図9Bはパネル部が傾斜姿勢にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
1.概要
図1に示す一実施形態の表示装置1は、表示用のパネル部2と、パネル部2を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構3と、を備える。支持機構3は、パネル部2に設けられる第一支持部4と、天井10側に設けられる第二支持部5と、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ上軸部6と、上軸部6よりも下方に位置し、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ下軸部7と、を有する。第一支持部4と第二支持部5のうちの一方には、上軸部6が挿入される上ガイド溝8と、下軸部7が挿入される下ガイド溝9とが設けられている。上ガイド溝8及び下ガイド溝9は、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0011】
また、
図1に示す一実施形態の支持機構3は、表示用のパネル部2を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する。支持機構3は、パネル部2に固定される第一支持部4と、天井10側に固定される第二支持部5と、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ上軸部6と、上軸部6よりも下方に位置し、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ下軸部7と、を有する。第一支持部4と第二支持部5のうちの一方には、上軸部6が挿入される上ガイド溝8と、下軸部7が挿入される下ガイド溝9とが設けられている。上ガイド溝8及び下ガイド溝9は、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0012】
上記構成を備える一実施形態の表示装置1及び支持機構3では、例えば、パネル部2に通行人の荷物等が衝突した際に、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動する。これにより、パネル部2が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。そのため、一実施形態の表示装置1及び支持機構3では、通行人の荷物等との衝突した際にかかる外力を受け流すことができて、支持機構3に変形などの不具合が発生することを抑制することができる。
【0013】
2.詳細
続いて、一実施形態の表示装置1及び支持機構3について、図面を参照して更に詳しく説明する。
図2に示すように、表示装置1は、例えば駅構内の天井10に設置され、化粧室の方向を示す誘導サインとしての機能を有する。
【0014】
表示装置1は、表面に文字、図形、記号等が付された長尺のパネル部2と、天井10を構成する天井パネル100に取り付けられる長尺の筐体11と、パネル部2と筐体11とをつなぐ支持機構3(
図1参照)と、を備える。
【0015】
表示装置1は更に、パネル部2に対して光を照射する照射装置と、照明装置に電力を供給する電源ユニットとを備える。本実施形態では、表示装置1は、パネル部2の内部に照明装置からの光を導光することで、パネル部2の全体を発光させる導光式の装置である。以下の説明において、上下、水平等の方向を用いるときは、表示装置1が天井10に設置され、パネル部2が鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢にある状態(以下、単に「設置状態」という。)を基準とする。
【0016】
2-1.筐体
図1及び
図2に示すように、筐体11は、長板状の底板部110と、同じく長板状の一対の側板部111,112とを有する。底板部110は、長手方向D1及び短手方向D2を有する。長手方向D1及び短手方向D2は、天井10に対して平行な方向であり、言い換えれば、設置状態において上下方向と直交する方向である。長手方向D1及び短手方向D2は、互いに直交する。底板部110の長手方向D1及び短手方向D2は、筐体11の全体の長手方向D1及び短手方向D2と一致する。
【0017】
一対の側板部111,112は、底板部110の短手方向D2の両端部分から下方に延長されている。一対の側板部111,112は、底板部110との間に収容空間113を形成する。収容空間113は、支持機構3が収容される空間であり、下方に開放されている。
【0018】
一対の側板部111,112は、下側の部分ほど互いに離れて位置するように、僅かにハ字状に開いた形状を有する。収容空間113は、下側の部分ほど大きな水平断面を有する。
【0019】
筐体11は更に、一対の側板部111,112の先端部(下端部)から延長された一対のフランジ部114,115を有する。一対のフランジ部114,115は、互いに離れる方向に延長されている。各フランジ部114,115が、対応する側板部111,112から延長されている方向は、設置状態において水平な方向である。
【0020】
筐体11は、天井パネル100の裏面側に固定される少なくとも1つの取付金具12を介して、天井パネル100に取り付けられる。本実施形態においては、長手方向D1に距離をあけて位置する複数の取付金具12を介して、筐体11が天井パネル100に取り付けられている。
【0021】
筐体11の底板部110の短手方向D2の中央部分が、ボルト及びナットで構成される固定具13によって取付金具12に固定されることで、筐体11は天井10に設置される。
【0022】
2-2.パネル部
表示用のパネル部2には、本実施形態では、化粧室に関する文字、図形及び記号が付されている。
図2に示すように、パネル部2に記載された文字は、「化粧室」及び「Restrooms」の文字である。パネル部2に記載された図形は、化粧室のピクトグラム及び国際シンボルマーク(車いすマーク)である。パネル部2に記載された記号は、化粧室の方向を示す矢印記号である。
【0023】
パネル部2は、略長方形の板状である。鉛直姿勢にあるパネル部2は、筐体11の長手方向D1に対して平行な長手方向を有し、上下方向に対して平行な幅方向を有し、水平方向に対して平行な厚み方向を有する。
【0024】
図1に示すように、パネル部2は、その厚み方向の一側の側面を構成する第一表示面20と、パネル部2の厚み方向の他側の側面を構成する第二表示面21とを有する。第一表示面20と第二表示面21は、パネル部2の厚み方向において裏表の位置にある。
【0025】
パネル部2は、導光性を有するパネルであり、第1導光パネル部22と第2導光パネル部23が反射シート24を挟んで重ね合わさった構造を有する。第1導光パネル部22と第2導光パネル部23のそれぞれは、例えば3mmから4mmの範囲内の厚みを有するアクリル製の透明パネルである。反射シート24は、例えばポリエチレンテレフタレート製の白色シートである。
【0026】
パネル部2の第一表示面20は、第1導光パネル部22の表面で構成され、第二表示面21は、第2導光パネル部23の表面で構成されている。第一表示面20と第二表示面21のそれぞれに、化粧室に関する同様の文字、図形及び記号が付されている。なお、第一表示面20と第二表示面21のうちの一方にだけ、化粧室に関する文字、図形及び記号が付されていてもよい。また、本実施形態では、パネル部2に文字、図形及び記号の全てが付されているが、これに限定されず、文字、図形及び記号のうち少なくとも1つが付されていればよい。
【0027】
パネル部2は、導光パネル部22,23の上端部を覆うカバー材25を更に備える。カバー材25は、下向きに開口した略U字状の部材であり、導光パネル部22,23の上端部を長手方向の全長にわたって覆う。
【0028】
カバー材25は、パネル部2の長手方向に長尺な長板状の底板部と、底板部の短手方向の両端部から下方に延びた一対の側板部とを有する。カバー材25と導光パネル部22,23とは、例えば、カバー材25の一対の側板部と導光パネル部22,23の上端部とを貫通するボルト及びナット等の固定具によって一体化されている。カバー材25の底板部と導光パネル部22,23の上端面との間には、隙間が形成されている。
【0029】
2-3.照射装置
照射装置は、パネル部2に対して光を照射する装置である。照射装置は、LED(Light Emitting Diode)ユニットで構成された光源部を含む。光源部は、パネル部2の上端面(つまり導光パネル部22,23の上端面)に対してその上方から光を照射するように構成されている。光源部は、筐体11に設置された電源ユニットからの供給電力で発光する。
【0030】
光源部から下方に照射された光は、第1導光パネル部22と第2導光パネル部23のそれぞれの上端面に入射し、反射シート24で反射して互いに反対側を向く第一表示面20と第二表示面21のそれぞれを、全面にわたって略均一に発光させる。
【0031】
2-4.支持機構
支持機構3は、パネル部2を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する機構である。なお、上述の鉛直方向に対して平行とは、厳密に平行な場合に限定されず、鉛直方向に対して僅かに傾いた略平行な場合も含まれる。本実施形態では、支持機構3は、筐体11が有する底板部110の短手方向D2の中央部分から、パネル部2を吊り下げる。
【0032】
図1及び
図3Aから
図3Cに示すように、支持機構3は、パネル部2に設けられる第一支持部4と、天井10側に設けられる第二支持部5と、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ上軸部6と、第一支持部4と第二支持部5をつなぐ下軸部7と、を有する。下軸部7は、上軸部6よりも下方に位置する。
【0033】
第一支持部4と第二支持部5のうちの一方(本実施形態では第一支持部4)には、上軸部6が挿入される上ガイド溝8と、下軸部7が挿入される下ガイド溝9とが設けられている。上ガイド溝8及び下ガイド溝9は、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0034】
支持機構3は更に、上軸部6と上ガイド溝8の縁との間で生じる摩擦を低減する上スペーサー14と、下軸部7と下ガイド溝9の縁との間で生じる摩擦を低減する下スペーサー15と、を有する。
【0035】
より詳しくは、本実施形態では、第一支持部4は、パネル部2の上端部にねじ等の固定具で固定される第一支持部材4aで構成されている。第一支持部材4aは、本実施形態では、鋼板等の金属板で形成されている。
【0036】
第一支持部材4aは、第二支持部5によって支持される平板状の被支持部40と、被支持部40と一体であり、パネル部2の上端部が固定される固定部41と、を有する。
【0037】
固定部41は、被支持部40の下端部から水平方向(長手方向D1)に延びた下板部410と、下板部410の先端から上方に延びた縦板部411と、縦板部411の上端から水平方向(長手方向D1)に延びた上板部412と、を有する。上板部412に、ねじ等の固定具によって、パネル部2の上端部の長手方向の一端部(詳しくはカバー材25の底板部の一端部)が固定される。
【0038】
上ガイド溝8及び下ガイド溝9はそれぞれ、平板状の被支持部40をその厚み方向(長手方向D1)に貫通している。上ガイド溝8は、上下方向に一直線状に延びる長孔である。下ガイド溝9は、上ガイド溝8の真下に位置する中央開口部90と、中央開口部90から互いに逆方向に延びた第一長孔部91及び第二長孔部92とを有する。第一長孔部91と第二長孔部92のそれぞれは、中央開口部90に近い部分ほど上方に位置している。
【0039】
第一長孔部91と第二長孔部92のそれぞれは、中央開口部90から水平方向に対して上側に傾いた方向に円弧状に延びている。第一長孔部91と第二長孔部92のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。
【0040】
第一長孔部91と第二長孔部92は、中央開口部90の中心を通る鉛直線に対して線対称に設けられている。この中央開口部90の中心を通る鉛直線上に、一直線状の上ガイド溝8の中心が位置する。上ガイド溝8及び中央開口部90は、被支持部40の水平方向(短手方向D2)の中央部に位置している。
【0041】
被支持部40は、下ガイド溝9の第一長孔部91の上側の縁で構成される円弧状のガイド面910と、第二長孔部92の上側の縁で構成される円弧状のガイド面920と、を有する。ガイド面910,920の間の水平方向の間隔は、中央開口部90に近い部分ほど短い。
【0042】
被支持部40は、下ガイド溝9の第一長孔部91の下縁で構成される円弧状の規制面911と、第二長孔部92の下側の縁で構成される円弧状の規制面921と、を更に有する。規制面911と規制面921は、下ガイド溝9の水平方向の中央において上向きに突出するようにつながっている。
【0043】
第二支持部5は、本実施形態では、天井10側(詳しくは筐体11)に固定される一対の第二支持部材5a,5bで構成されている。一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれは、第一支持部材4aを支持する平板状の支持部50と、支持部50と一体であり、天井10側(詳しくは筐体11の底板部110)にボルト及びナット等の固定具52で固定される平板状の固定部51と、を有する。一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれは、鋼板等の金属板で形成される。
【0044】
支持部50は、本実施形態では、上部が矩形状であり、下部が下側の部分ほど細くなったテーパー状である。支持部50には、上軸部6が通されて固定される上固定孔500と、下軸部7が通されて固定される下固定孔501とが設けられている。下固定孔501は、支持部50の下端部に位置する。上固定孔500は、下固定孔501の真上に位置している。固定孔500,501は、ねじ孔である。
【0045】
固定部51は、支持部50の上端部から支持部50に対して直交する方向(長手方向D1)に延びている。固定部51には、固定具52が挿通される一対の固定孔510が設けられている。
【0046】
一対の第二支持部材5a,5bは、固定部51同士を上下方向に重ねて、両固定部51の一対の固定孔510のそれぞれに固定具52を挿通することで、一体化される。一体化した状態において、第二支持部材5a,5bの支持部50の間には、第一支持部材4aの被支持部40の厚みよりも若干大きい隙間が形成される。またこの状態において、一方の第二支持部材5aの支持部50の上下の固定孔500,501と、他方の第二支持部材5bの支持部50の上下の固定孔500,501とは、水平方向(長手方向D1)に一対一に並んで位置する。
【0047】
本実施形態では、一対の第二支持部材5a,5bの固定部51を一体化する一対の固定具52によって、一対の第二支持部材5a,5bの固定部51が、筐体11の底板部110の短手方向D2の中央部に対しても固定される。
【0048】
上軸部6は、本実施形態では、支持部4,5(支持部材4a,5a,5b)とは別部材である。上軸部6は、ボルト60で構成されている。ボルト60は、螺旋状のねじ溝が外周面に設けられた軸部600と、軸部600よりも外寸の大きい頭部601と、を有する。
【0049】
下軸部7は、本実施形態では、支持部4,5(支持部材4a,5a,5b)とは別部材である。下軸部7は、ボルト70で構成されている。ボルト70は、螺旋状のねじ溝が外周面に設けられた軸部700と、軸部700よりも外寸の大きい頭部701と、を有する。
【0050】
上スペーサー14は、上軸部6と上ガイド溝8の縁との間で生じる摩擦を低減する部材である。上スペーサー14は、本実施形態では、円筒状である。上スペーサー14は、本実施形態では金属製である。
【0051】
上スペーサー14の内径は、上軸部6のボルト60の軸部600の直径と同じかそれよりも大きい。上スペーサー14の外径は、上ガイド溝8の溝幅と同じか又はそれよりも短く、上固定孔500の直径よりも大きい。上スペーサー14の軸方向の長さは、被支持部40の厚みよりも若干長く、一対の第二支持部材5a,5bの支持部50間の距離と同じか又はそれよりも若干短い。上スペーサー14は、上ガイド溝8内に配置された状態で、上軸部6のボルト60の軸部600が通される。これにより、上スペーサー14は、上軸部6と上ガイド溝8の縁との間で生じる摩擦を低減することができる。
【0052】
下スペーサー15は、下軸部7と下ガイド溝9との間で生じる摩擦を低減する部材である。下スペーサー15は、本実施形態では、円筒状の部材である。下スペーサー15は、本実施形態では金属製である。
【0053】
下スペーサー15の内径は、下軸部7のボルト70の軸部700の直径と同じかそれよりも大きい。下スペーサー15の外径は、下ガイド溝9の溝幅と同じか又はそれよりも短く、下固定孔501の直径よりも大きい。下スペーサー15の軸方向の長さは、被支持部40の厚みよりも若干長く、一対の第二支持部材5a,5bの支持部50間の距離と同じか又はそれよりも若干短い。下スペーサー15は、下ガイド溝9内に配置された状態で、下軸部7のボルト70の軸部700が通される。これにより、下スペーサー15は、下軸部7と下ガイド溝9の縁との間で生じる摩擦を低減することができる。
【0054】
上軸部6のボルト60の軸部600は、第二支持部材5aの上固定孔500、第一支持部材4aの上ガイド溝8内の上スペーサー14、及び第二支持部材5bの上固定孔500に通される。また、下軸部7のボルト70の軸部700は、第二支持部材5aの下固定孔501、第一支持部材4aの下ガイド溝9内の下スペーサー15、及び第二支持部材5bの下固定孔501に通される。
【0055】
上述のように軸部6,7によって第一支持部材4aと一対の第二支持部材5a,5bとが連結されることで、第一支持部材4aは、一対の第二支持部材5a,5bに対して移動可能となる。
【0056】
第一支持部材4aの固定部41の上板部412には、上ガイド溝8の中心と下ガイド溝9の中央開口部90の中心を通る中心軸に対して、パネル部2の短手方向が平行となるように、パネル部2が固定される。
【0057】
本実施形態では、表示装置1は、パネル部2を吊り支持する一対の支持機構3を有する。パネル部2の長手方向の一端部と他端部のそれぞれに、上述の方法で、第一支持部材4aが1つずつ固定される。
【0058】
2-5.その他
本実施形態の表示装置1は、
図1に示すように、一対の支持機構3を覆うカバー材16を更に備える。カバー材16は、下方に向いて開口した略U字状の部材である、カバー材16は、筐体11の長手方向D1に長尺な底板部160と、底板部160の幅方向の両端部から下方に延びた一対の側板部161とを有する。一対の支持機構3の第一支持部材4a(第一支持部4)は、カバー材16の内側の空間を移動する。
【0059】
2-6.表示装置の動作
以上説明した本実施形態の表示装置1では、通常時、つまり、通行人の荷物等がパネル部2の厚み方向の面に衝突しておらず、パネル部2に所定以上の外力が加わっていない時には、
図1に示すように、パネル部2が鉛直姿勢で吊り支持されている。
【0060】
パネル部2が鉛直姿勢にあるとき、パネル部2の自重によって、上軸部6の軸部600は、上スペーサー14を介して被支持部40のうちの上ガイド溝8の上縁及び一対の側縁に当たる。またこのとき、下軸部7の軸部700は、下スペーサー15を介して被支持部40のうちの下ガイド溝9の中央開口部90の上縁及び長孔部91,92の上縁(ガイド面910,920)に当たる。
【0061】
そのため、鉛直姿勢のパネル部2の厚み方向の面(表示面20,21)が風を受けても、上ガイド溝8の一対の側縁及びガイド面910,920によってパネル部2の移動が規制されて、パネル部2は鉛直姿勢を維持することができる。
【0062】
本実施形態の表示装置1では、パネル部2の厚み方向の面(表示面20,21)に、通行人の荷物等が衝突して、所定以上の外力が加わった際には、パネル部2が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。また、本実施形態の表示装置1では、パネル部2の厚み方向の面(表示面20,21)が強風を受けて、所定以上の外力が加わった際にも、パネル部2が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。
【0063】
詳しくは、鉛直姿勢にあるパネル部2の第二表示面21に、所定以上の外力が加わった際には、
図4Aに示すように、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15に、第一支持部材4aの第二長孔部92の上側の縁(ガイド面920)が乗り上げる。そして、下軸部7の軸部700が第二長孔部92の外縁(中央開口部90とは反対側の縁)に近づき、上軸部6の軸部600が、第一支持部材4aの上ガイド溝8の下縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0064】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の上縁へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の中央開口部90へと近づく。これにより、パネル部2は、
図1に示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0065】
また、鉛直姿勢にあるパネル部2の第一表示面20に、所定以上の外力が加わった際には、
図4Bに示すように、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15に、第一支持部材4aの第一長孔部91の上側の縁(ガイド面910)が乗り上げる。そして、下軸部7の軸部700が第一長孔部91の外縁(中央開口部90とは反対側の縁)に近づき、上軸部6の軸部600が、第一支持部材4aの上ガイド溝8の下縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0066】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の上縁へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の中央開口部90へと近づく。これにより、パネル部2は、
図1に示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0067】
2-7.作用効果
以上説明した本実施形態の表示装置1では、パネル部2に通行人の荷物等が衝突した際に、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。そのため、本実施形態の表示装置1では、通行人の荷物等との衝突した際に、パネル部2が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動して、パネル部2に加わる外力を受け流すことができて、支持機構3に変形などの不具合が生じることを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態の表示装置1では、軸部6,7の2軸を中心とした移動をパネル部2が行うため、1軸を中心にパネル部2が回転移動する場合に比べて、パネル部2の移動に必要な力が大きく、パネル部2が風を受けても揺動しにくくて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0069】
また、本実施形態の表示装置1では、下ガイド溝9の長孔部91,92が、中央開口部90から水平方向に対して上側に傾いた方向に円弧状に延びている。そのため、中央開口部90の近傍において、長孔部91,92の上縁(ガイド面910,920)の間の水平方向の間隔が狭まっている。したがって、本実施形態の表示装置1では、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15にガイド面910,920が乗り上げるために必要な力が大きい。これにより、本実施形態の表示装置1では、鉛直姿勢のパネル部2が風を受けても揺動しにくくて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0070】
また、本実施形態の表示装置1では、軸部6,7にスペーサー14,15を取り付けているため、軸部6,7とガイド溝8,9の縁との間で生じる摩擦をスペーサー14,15によって低減することができる。そのため、本実施形態の表示装置1では、軸部6,7の2軸を中心としたパネル部2の移動が、円滑に行いやすい。
【0071】
また、本実施形態の表示装置1では、一対の第二支持部材5a,5bの支持部50の間の間隔を、第一支持部材4aの被支持部40の厚みよりも大きくしているため、第一支持部材4aと一対の第二支持部材5a,5bの間で摩擦が生じることを抑制できる。そのため、本実施形態の表示装置1では、パネル部2の移動が円滑に行いやすい。
【0072】
また、本実施形態の表示装置1では、上ガイド溝8が上下方向に一直線状に延びた長孔であるため、上ガイド溝8内における上軸部6の移動が行いやすく、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動しやすい。
【0073】
また、本実施形態の表示装置1では、下ガイド溝9の中央開口部90から互いに逆方向に延びた長孔部91,92を有する。そのため、本実施形態の表示装置1では、パネル部2の厚み方向の片側ともう片側のうちいずれの向きに外力が加わっても、パネル部2を鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動させることができて、外力を受け流しやすい。
【0074】
また、本実施形態の表示装置1では、第一支持部材4aにガイド溝8,9を設けているため、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれにガイド溝8,9を設ける場合に比べて、製造しやすい。
【0075】
3.変形例
続いて、上述した表示装置1及び支持機構3の変形例について説明する。以下に示す各変形例は、適宜組み合わせ可能である。
【0076】
支持機構3は、
図3Aから
図3Cに示す構造に限定されない。第一支持部4は、パネル部2に設けられるものであればよく、パネル部2とは別部材の第一支持部材4aに限定されず、例えば、パネル部2と一体に形成されたものであってもよい。
【0077】
また、第二支持部5は、天井10側に設けられるものであればばよく、筐体11の底板部110に固定される一対の第二支持部材5a,5bに限定されない。第二支持部5は、筐体11の一部で構成されてもよいし、天井10に直接固定される部材で構成されてもよい。また、第二支持部5は、例えば、一対の第二支持部材5a,5bのうちの一方であってもよい。
【0078】
また、上軸部6と下軸部7は、第一支持部4と第二支持部5をつなぐものであればよく、支持部材4a,5aとは別部材のボルト60,70に限定されない。上軸部6と下軸部7は、第一支持部4と第二支持部5のうち、ガイド溝8,9が設けられていない側のものと一体に形成されてもよい。
【0079】
また、上軸部6と下軸部7のそれぞれは、軸部600,700のうち、少なくともガイド溝8,9に挿通される部分が、ねじ溝が形成されていない丸棒状であってもよく、この場合、スペーサー14,15を省略可能である。
【0080】
また、スペーサー14,15は、軸部6,7とガイド溝8,9の縁との間で生じる摩擦を低減するものであればよく、軸部6,7の軸部600,700を囲む円筒状の部材に限定されない。スペーサー14,15は、例えば、ガイド溝8,9の縁に取り付けられる部材であってもよい。
【0081】
また、ガイド溝8,9は、第一支持部4と第二支持部5のうちの一方に設けられればよく、第一支持部4に限定されず、第二支持部5に設けられてもよい。また、ガイド溝8,9は、第一支持部4の被支持部40を厚み方向に貫通する孔に限らず、被支持部40に設けた凹み、又は、被支持部40から突出させた一対の突条部によって構成されてもよい。
【0082】
また、ガイド溝8,9の形状は、
図3A等に示す形状に限定されず、上軸部6が上ガイド溝8に沿って移動し且つ下軸部7が下ガイド溝9に沿って移動することで、パネル部2が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されればよい。ただし、ガイド溝8,9は、パネル部2にかかる外力が解除された際には、パネル部2の自重によりパネル部2が傾斜姿勢から鉛直姿勢へと戻るように、構成されることが好ましい。
【0083】
下ガイド溝9の長孔部91,92のそれぞれは、中央開口部90に近い部分ほど上方に位置するように形成されればよく、円弧状に限定されない。例えば、長孔部91,92のそれぞれは、直線状に設けられてもよい。
【0084】
また、上述した一実施形態の表示装置1は、パネル部2の内部に照明装置からの光を導光することで、パネル部2の全体を発光させる導光式の装置に限定されない。表示装置1は、筐体11に設置された一対の照明装置によって、パネル部2の表示面20,21を照らす外照式の装置であってもよい。
【0085】
また、上述した一実施形態の表示装置1は、駅の案内表示用のパネルであり、化粧室などの駅構内の施設の方向や距離を示す誘導サインの機能を有するが、表示装置1の機能はこれに限定されない。例えば、表示装置1が、番線数字、停車駅、所要時間等の情報を示すゲートサインの機能を有してもよい。また、表示装置1が、コンコース等において、乗換えや各種の施設に関する情報(駅構内図、出口案内、のりば案内、路線図等)を示す案内サインの機能を有してもよい。
【0086】
また、支持機構3は、
図3Aから
図3Cに示す構造に限定されず、例えば、
図5から
図9に示す変形例1から5のような構造であってもよい。
【0087】
3-1.変形例1
図5に示す変形例1の支持機構3では、第一支持部4の第一支持部材4aの固定部41が、下板部410のみで構成され、縦板部411及び上板部412を有さない。本変形例の下板部410は、第一支持部材4aの被支持部40の下端部から突出する方向が、一実施形態の下板部410とは反対側である。なお、下板部410は、長手方向D1のどちらの方向に突出してもよい。
【0088】
パネル部2は、下板部410にねじ等の固定具で固定される。そのため、変形例1の支持機構3では、支持機構3よりも下方にパネル部2が吊り支持される。変形例1の支持機構3では、パネル部2のうち、下板部410に固定される部分は、パネル部2の長手方向の両端部に限らず、パネル部2の長手方向のうちの両端部以外の部分であってもよい。
【0089】
3-2.変形例2
図6A及び
図6Bに示す変形例2の支持機構3では、第一支持部4(第一支持部材4a)のガイド溝8,9の形状が、
図3Aに示す一実施形態の第一支持部4のガイド溝8,9の形状とは異なる。
【0090】
図6A及び
図6Bに示すように、第一支持部4(第一支持部材4a)の下ガイド溝9は、上下方向に延びる長孔である。上ガイド溝8は、下ガイド溝9の真上に位置する中央開口部80と、中央開口部80から互いに逆方向に延びた第一長孔部81及び第二長孔部82と、を有する。第一長孔部81と第二長孔部82のそれぞれは、中央開口部80の近い部分ほど上方に位置しており、中央開口部80から水平方向に対して下側に傾いた方向に円弧状に延びている。長孔部81,82のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。第一支持部材4aの被支持部40は、長孔部81,82の上側の縁で構成されるガイド面810,820を有する。
【0091】
変形例2の支持機構3では、
図6Aに示すように、パネル部2が鉛直姿勢にあるとき、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が第一支持部材4aの上ガイド溝8の中央開口部80の上縁及びガイド面810,820に当たる。またこのとき、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が下ガイド溝9の上縁及び一対の側縁に当たる。これにより、鉛直姿勢のパネル部2は、風を受けても移動が規制されて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0092】
鉛直姿勢のパネル部2の第二表示面21に所定以上の外力が加わった際には、
図6Bに示すように、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14に、第一長孔部81のガイド面810が乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第一長孔部81の外縁(中央開口部80とは反対側の縁)に近づき、下軸部7の軸部700が、下ガイド溝9の下縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0093】
また、鉛直姿勢のパネル部2の第一表示面20に所定以上の外力が加わった際には、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14に、第二長孔部82のガイド面820が乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第二長孔部82の外縁に近づき、下軸部7の軸部700が、下ガイド溝9の下縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0094】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の中央開口部80へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の上縁へと近づく。これにより、パネル部2は、
図6Aに示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0095】
3-3.変形例3
図7A及び
図7Bに示す変形例3の支持機構3では、第一支持部4(第一支持部材4a)の上ガイド溝8の形状が、
図3Aに示す一実施形態の第一支持部4の上ガイド溝8の形状とは異なる。
【0096】
図7A及び
図7Bに示すように、上ガイド溝8は、下ガイド溝9の中央開口部90の真上に位置する中央開口部80と、中央開口部80から互いに逆方向に延びた第一長孔部81及び第二長孔部82と、を有する。第一長孔部81と第二長孔部82のそれぞれは、中央開口部80の近い部分ほど上方に位置しており、円弧状である。長孔部81,82のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。
【0097】
変形例3の支持機構3では、
図7Aに示すように、パネル部2が鉛直姿勢にあるとき、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が第一支持部材4aの上ガイド溝8の中央開口部80の上縁及び長孔部81,82の上縁に当たる。またこのとき、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が下ガイド溝9の中央開口部90の上縁及び一対のガイド面910,920に当たる。これにより、鉛直姿勢のパネル部2は、風を受けても移動が規制されて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0098】
鉛直姿勢のパネル部2の第二表示面21に所定以上の外力が加わった際には、
図7Bに示すように、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15に、第二長孔部92のガイド面920が乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第二長孔部82の外縁に近づき、下軸部7の軸部700が下ガイド溝9の第二長孔部92の外縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0099】
また、鉛直姿勢のパネル部2の第一表示面20に所定以上の外力が加わった際には、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15に、第一長孔部91のガイド面910が乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第一長孔部81の外縁に近づき、下軸部7の軸部700が下ガイド溝9の第一長孔部91の外縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0100】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の中央開口部80へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の中央開口部90へと近づく。これにより、パネル部2は、
図7Aに示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0101】
3-4.変形例4
図8A及び
図8Bに示す変形例4の支持機構3では、第一支持部4ではなく、第二支持部5の一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの支持部50に、ガイド溝8,9が設けられている。第一支持部4の被支持部40には、軸部6,7が固定される固定孔400,401が設けられている。支持機構3は、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれのガイド溝8,9内に配置される2つの上スペーサー14と2つの下スペーサー15とを有する。固定孔400,401は、ねじ孔である。
【0102】
なお、支持機構3は、スペーサー14,15を有さなくてもよい。その場合、軸部6,7のボルト60,70の頭部601,701を、一方の第二支持部材5aのガイド溝8,9内に配置し、軸部600、700に取り付けた、外形が円形状の留め具を他方の第二支持部材5bのガイド溝8,9内に配置してもよい。
【0103】
下ガイド溝9は、上下方向に延びる長孔である。上ガイド溝8は、下ガイド溝9の真上に位置する中央開口部80と、中央開口部80から互いに逆方向に延びた第一長孔部81及び第二長孔部82と、を有する。第一長孔部81と第二長孔部82のそれぞれは、中央開口部80の近い部分ほど下方に位置しており、中央開口部80から水平方向に対して上側に傾いた方向に円弧状に延びている。長孔部81,82のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの支持部50は、長孔部81,82の下側の縁で構成されるガイド面810,820を有する。
【0104】
変形例4の支持機構3では、
図8Aに示すように、パネル部2が鉛直姿勢にあるとき、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの上ガイド溝8の中央開口部80の下縁とガイド面810,820に当たる。またこのとき、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの下ガイド溝9の下縁及び一対の側縁に当たる。これにより、鉛直姿勢のパネル部2は、風を受けても移動が規制されて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0105】
鉛直姿勢のパネル部2の第二表示面21に所定以上の外力が加わった際には、
図8Bに示すように、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が、第二長孔部82のガイド面820に乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第二長孔部82の外縁に近づき、下軸部7の軸部700が、下ガイド溝9の上縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0106】
また、鉛直姿勢のパネル部2の第一表示面20に所定以上の外力が加わった際には、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が、第一長孔部81のガイド面810に乗り上げる。そして、上軸部6の軸部600が第一長孔部81の外縁に近づき、下軸部7の軸部700が、下ガイド溝9の上縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0107】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の中央開口部80へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の下縁へと近づく。これにより、パネル部2は、
図8Aに示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0108】
3-5.変形例5
図9A及び
図9Bに示す変形例5の支持機構3では、第一支持部4ではなく、第二支持部5の一対の第二支持部材5a,5bの支持部50のそれぞれに、ガイド溝8,9が設けられている。第一支持部4の被支持部40には、軸部6,7が固定される固定孔400,401が設けられている。支持機構3は、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれのガイド溝8,9内に配置される2つの上スペーサー14と2つの下スペーサー15とを有する。なお、支持機構3は、変形例4の支持機構3と同様に、スペーサー14,15を有さなくてもよい。
【0109】
上ガイド溝8は、上下方向に延びる長孔である。下ガイド溝9は、上ガイド溝8の真下に位置する中央開口部90と、中央開口部80から互いに逆方向に延びた第一長孔部91及び第二長孔部92と、を有する。第一長孔部91と第二長孔部92のそれぞれは、中央開口部90の近い部分ほど下方に位置しており、中央開口部90から水平方向に対して上側に傾いた円弧状に延びている。長孔部91,92のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの支持部50は、長孔部91,92の下側の縁で構成されるガイド面910,920を有する。
【0110】
変形例5の支持機構3では、
図9Aに示すように、パネル部2が鉛直姿勢にあるとき、上軸部6の軸部600を囲む上スペーサー14が一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの上ガイド溝8の下縁と一対の側縁に当たる。またこのとき、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの下ガイド溝9の中央開口部90の下縁及びガイド面910,920に当たる。これにより、鉛直姿勢のパネル部2は、風を受けても移動が規制されて、鉛直姿勢を維持しやすい。
【0111】
鉛直姿勢のパネル部2の第二表示面21に所定以上の外力が加わった際には、
図9Bに示すように、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの第一長孔部91のガイド面910に乗り上げる。そして、下軸部7の軸部700が、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの第一長孔部91の外縁に近づき、上軸部6の軸部600が、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの上ガイド溝8の上縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0112】
また、鉛直姿勢のパネル部2の第一表示面20に所定以上の外力が加わった際には、下軸部7の軸部700を囲む下スペーサー15が、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの第二長孔部92のガイド面920に乗り上げる。そして、下軸部7の軸部700が、一対の第二支持部材5a,5bのそれぞれの第二長孔部92の外縁に近づき、上軸部6の軸部600が、上ガイド溝8の上縁に近づく。これにより、鉛直姿勢のパネル部2が、傾斜姿勢へと移動し、パネル部2にかかる外力の一部を受け流すことができる。
【0113】
パネル部2にかかる外力が解除されると、パネル部2は、パネル部2の自重によって、上軸部6が上ガイド溝8の下縁へと近づき、下軸部7が下ガイド溝9の中央開口部90へと近づく。これにより、パネル部2は、
図9Aに示す鉛直姿勢へと自動的に戻ることができる。
【0114】
4.まとめ
以上説明した一実施形態及びその変形例の表示装置1のように、本開示の第一態様の表示装置(1)は、下記の構成を備える。
【0115】
すなわち、第一態様の表示装置(1)は、表示用のパネル部(2)と、パネル部(2)を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する支持機構(3)と、を備える。支持機構(3)は、パネル部(2)に設けられる第一支持部(4)と、天井(10)側に設けられる第二支持部(5)と、第一支持部(4)と第二支持部(5)をつなぐ上軸部(6)と、第一支持部(4)と第二支持部(5)をつなぐ下軸部(7)と、を有する。下軸部(7)は、上軸部(6)よりも下方に位置する。第一支持部(4)と第二支持部(5)のうちの一方には、上軸部(6)が挿入される上ガイド溝(8)と、下軸部(7)が挿入される下ガイド溝(9)とが設けられている。上ガイド溝(8)及び下ガイド溝(9)は、上軸部(6)が上ガイド溝(8)に沿って移動し且つ下軸部(7)が下ガイド溝(9)に沿って移動することで、パネル部(2)が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0116】
上記構成を備える第一態様の表示装置(1)によれば、パネル部(2)に通行人の荷物等が衝突した際に、上軸部(6)が上ガイド溝(8)に沿って移動し且つ下軸部(7)が下ガイド溝(9)に沿って移動する。これにより、第一態様の表示装置(1)では、パネル部(2)が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。そのため、第一態様の表示装置(1)では、通行人の荷物等との衝突した際にかかる外力を受け流すことができて、支持機構(3)の変形などの不具合の発生を抑制することができる。
【0117】
また、上述した一実施形態及びその変形例の表示装置1のように、本開示の第二態様の表示装置(1)は、第一態様の表示装置(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0118】
すなわち、第二態様の表示装置(1)では、上ガイド溝(8)と下ガイド溝(9)のうちの一方は、上下方向に一直線状に延びる長孔である。上ガイド溝(8)と下ガイド溝(9)のうちの他方は、前記長孔の真上又は真下に位置する中央開口部(80,90)と、中央開口部(80,90)から互いに逆方向に延びた第一長孔部(81,91)及び第二長孔部(82,92)とを有する。
【0119】
上記構成を備える第二態様の表示装置(1)によれば、上下方向に一直線状に延びる長孔であるガイド溝(8,9)の一方によって、ガイド溝(8,9)に沿った軸部(6,7)の移動を直線的な簡単な方法で行わせることができる。また、第二態様の表示装置(1)によれば、ガイド溝(8,9)の他方が互いに逆向きに延びた長孔部(81,82,91,92)を有する。そのため、第二態様の表示装置(1)では、鉛直姿勢にあるパネル部(2)に対して厚み方向のいずれの方向に外力が加わっても、長孔部(81,82,91,92)によって軸部(6,7)を適切な方向へと移動させて、外力を受け流すことができる。
【0120】
また、上述した一実施形態及びその変形例の表示装置(1)のように、本開示の第三態様の表示装置(1)は、第二態様の表示装置(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0121】
すなわち、第三態様の表示装置(1)では、第一長孔部(81,91)と第二長孔部(82,92)のそれぞれは、中央開口部(80,90)から水平方向に対して傾いた方向に円弧状に延びている。
【0122】
上記構成を備える第三態様の表示装置(1)によれば、中央開口部(80,90)の近傍では、長孔部(81,82,91,92)の水平方向の間隔が狭くなる。そのため、第三態様の表示装置(1)では、中央開口部(80,90)から軸部(6,7)が水平方向に移動するために必要な力が大きくなって、パネル部(2)が風を受けても揺動しにくい。
【0123】
また、上述した一実施形態及びその変形例の表示装置(1)のように、本開示の第四態様の表示装置(1)は、第二又は第三態様の表示装置(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0124】
すなわち、第四態様の表示装置(1)では、第一長孔部(81,91)と第二長孔部(82,92)のそれぞれは、長手方向にわたって短手方向の幅が一定である。
【0125】
上記構成を備える第四態様の表示装置(1)によれば、長孔部(81,82,91,92)の上縁と下縁によってパネル部(2)の上下方向の揺れを抑えやすい。
【0126】
また、上述した一実施形態及びその変形例の表示装置(1)のように、本開示の第五態様の表示装置(1)は、第一から第四のいずれか1つの態様の表示装置(1)の構成に加えて、下記の構成を付加的に備える。
【0127】
すなわち、第五態様の表示装置(1)では、支持機構(3)は、上スペーサー(14)と、下スペーサー(15)と、を更に有する。上スペーサー(14)は、上軸部(6)と上ガイド溝(8)の縁との間で生じる摩擦を低減する。下スペーサー(15)は、下軸部(7)と下ガイド溝(9)の縁との間で生じる摩擦を低減する。
【0128】
上記構成を備える第五態様の表示装置(1)によれば、上軸部(6)と上ガイド溝(8)の縁との間で生じる摩擦を上スペーサー(14)によって低減できる。また、第五態様の表示装置(1)によれば、下軸部(7)と下ガイド溝(9)の縁との間で生じる摩擦を下スペーサー(15)によって低減することができる。そのため、第五態様の表示装置(1)によれば、ガイド溝(8,9)内で軸部(6,7)を円滑に移動させることができて、パネル部(2)の鉛直姿勢と傾斜姿勢との間での移動を円滑に行うことができる。
【0129】
また、上述した一実施形態及びその変形例の支持機構(3)のように、本開示の第六態様の支持機構(3)は、下記の構成を備える。
【0130】
すなわち、第六態様の支持機構(3)は、表示用のパネル部(2)を鉛直方向に対して平行な鉛直姿勢と鉛直方向に対して傾いた傾斜姿勢との間で移動可能に支持する。支持機構(3)は、パネル部(2)に固定される第一支持部(4)と、天井(10)側に固定される第二支持部(5)と、第一支持部(4)と第二支持部(5)をつなぐ上軸部(6)と、第一支持部(4)と第二支持部(5)をつなぐ下軸部(7)と、を有する。下軸部(7)は、上軸部(6)よりも下方に位置する。第一支持部(4)と第二支持部(5)のうちの一方には、上軸部(6)が挿入される上ガイド溝(8)と、下軸部(7)が挿入される下ガイド溝(9)とが設けられている。上ガイド溝(8)及び下ガイド溝(9)は、上軸部(6)が上ガイド溝(8)に沿って移動し且つ下軸部(7)が下ガイド溝(9)に沿って移動することで、パネル部(2)が鉛直姿勢と傾斜姿勢との間で移動するように、構成されている。
【0131】
上記構成を備える第六態様の支持機構(3)では、パネル部(2)に通行人の荷物等が衝突した際に、上軸部(6)が上ガイド溝(8)に沿って移動し且つ下軸部(7)が下ガイド溝(9)に沿って移動する。これにより、第六態様の支持機構(3)では、パネル部(2)が鉛直姿勢から傾斜姿勢へと移動することができる。そのため、第六態様の支持機構(3)では、通行人の荷物等との衝突した際にかかる外力を受け流すことができて、支持機構(3)の変形などの不具合の発生を抑制することができる。
【0132】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0133】
1 表示装置
2 パネル部
3 支持機構
4 第一支持部
5 第二支持部
6 上軸部
7 下軸部
8 上ガイド溝
80 中央開口部
81 第一長孔部
82 第二長孔部
9 下ガイド溝
90 中央開口部
91 第一長孔部
92 第二長孔部
10 天井
14 上スペーサー
15 下スペーサー