(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023360
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】電位治療器
(51)【国際特許分類】
A61N 1/08 20060101AFI20230209BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
A61N1/08
A61N1/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128817
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】399110764
【氏名又は名称】株式会社レイアンドカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】見片 三郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 剛代志
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ18
4C053JJ22
4C053JJ24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人体の帯電バランスを整えて細胞や血液の活性化を図ることができる電位治療器を提供すること。
【解決手段】負の高電圧を生成する高電圧発生装置4と、高電圧発生装置4からの負の高電圧を人体Pに印加するための供給用端子6と、人体Pの帯電荷を回収するための回収用端子8と、高電圧発生器4を制御するためのコントローラ10とを備えた電位治療器。コントローラ10は、人体(動物体)を帯電させる帯電信号と人体(動物体)の電荷を回収する回収信号を生成する。治療サイクルの第1時間においては、高電圧発生装置4は、この帯電信号に基づいて負の高電圧を出力して供給用端子6から人体Pを負帯電し、また治療サイクルの第2時間においては、この回収信号に基づいて人体P内の帯電荷が回収用端子8を通して回収され、これによって、人体Pが無帯電状態となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負の高電圧を生成する高電圧発生装置と、前記高電圧発生装置からの前記負の高電圧を人体又は動物体に印加するための供給用端子と、前記人体又は動物体内の帯電荷を回収するための回収用端子と、前記高電圧発生器を制御するためのコントローラとを備え、前記コントローラは、前記人体又は動物体を負帯電させる帯電信号と、前記人体又は動物体の電荷を回収する回収信号を生成し、治療サイクルの第1時間においては、前記高電圧発生装置は、前記帯電信号に基づいて前記負の高電圧を出力して前記供給用端子を通して前記人体又は動物体内を負帯電し、前期治療サイクルの前記第1時間に続く第2時間においては、前記人体又は動物体内の帯電荷が、前記回収信号に基づいて前記回収用端子を通して回収され、これによって無帯電状態となることを特徴とする電位治療器。
【請求項2】
前記コントローラは、電位治療を行う所定時間にわたって前記帯電信号を生成し、前記第2時間において前記回収信号を生成し、前記高電圧発生装置は、前記帯電信号に基づいて前記所定時間にわたって前記負の高電圧を出力し、前記所定時間における前記第2時間において、前記人体又は前記動物体内の帯電荷が、前記回収信号に基づいて回収されることを特徴とする請求項1に記載の電位治療器。
【請求項3】
前記人体又は前記動物帯を負帯電させる前記第1時間は5秒~30秒であり、前記人体又は動物体内の帯電荷を回収する前記第2時間は1/1000秒~1/200秒であり、電位治療を行う前記所定時間は1分~60分であり、前記所定時間においては、前記人体又は動物体内において負帯電状態と無帯電状態とが繰り返し保たれることを特徴とする請求項1又は2に記載の電位治療器。
【請求項4】
前記高電圧発生装置にて生成される高電圧は、-700V~ー1350Vであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の電位治療器。
【請求項5】
前記回収用端子は、スイッチ手段を介して電荷を消費するための電荷消費手段に接続されており、前記第2時間においては、前記スイッチ手段が導通状態となって前記人体又は動物体内の帯電荷が前記スイッチ手段を介して前記電荷消費手段に流れることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の電位治療器。
【請求項6】
前記スイッチ手段はリレースイッチであり、前記電荷消費手段は電力消費負荷であり、前記回収用端子と前記リレースイッチとの間に制限抵抗装置が介在されていることを特徴とする請求項5に記載の電位治療器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体や動物に電位を付与して帯電させて治療する電位治療器に関する。
【背景技術】
【0002】
高電圧の電位を印加して治療を行う電位治療器として、例えば、正(プラス)の高電位を出力する第1出力回路と、負(マイナス)の高電圧を出力する第2出力回路と、人体に電位を付与するための出力端子とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電位治療器においては、第1出力回路からの正の高電位と第2出力回路からの負の高電位とが別々に出力端子を通して人体に印加され、このように構成することにより、人体に印加される正の高電位及び負の高電位の絶対値の最大値に差を付ける、例えば正の高電位と負の高電位の絶対値の値を所定の比率(例えば、3:1などの比率)にすることができる。
【0003】
この電位治療器として、負の高電位のみを印加して、人体を負の帯電状態のみとするもの、また正の高電位のみを印加して、生命体を正の帯電状態のみとするものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、正負の電位を印加する電位治療器では、第1出力回路からの正(プラス)の高電位と第2出力回路からの負(マイナス)の高電位とが交互に印加される構成であるために、正の高電位が出力端子を介して印加されたときには、人体は正の帯電状態になり、また負の高電位が出力端子を介して印加されたときには、人体は負の帯電状態となり、人体の帯電状態が正の状態と負の状態とに繰り返され、人体を正の帯電状態と負の帯電状態に繰り返すだけである。
【0006】
本発明の目的は、負の高電位のみを印加して、人体又は動物体を負の帯電状態にしておき、一定の間隔で人体又は動物体内の負の帯電を装置内に強制的に吸収させ体内を無帯電の状態にすることで、細胞や血液に帯電刺激を与えて活性化を図ることができる電位治療器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の電位治療器は、負の高電圧を生成する高電圧発生装置と、前記高電圧発生装置からの前記負の高電圧を人体又は動物体に印加するための供給用端子と、前記人体又は動物体内の帯電荷を回収するための回収用端子と、前記高電圧発生器を制御するためのコントローラとを備え、前記コントローラは、前記人体又は動物体を負帯電させる帯電信号と、前記人体又は動物体の電荷を回収する回収信号を生成し、治療サイクルの第1時間においては、前記高電圧発生装置は、前記帯電信号に基づいて前記負の高電圧を出力して前記供給用端子を通して前記人体又は動物体内を負帯電し、前期治療サイクルの前記第1時間に続く第2時間においては、前記人体又は動物体内の帯電荷が、前記回収信号に基づいて前記回収用端子を通して回収され、これによって無帯電状態となることを特徴とする。
【0008】
このような電位治療器においては、コントローラは、電位治療を行う所定時間にわたって帯電信号を生成し、各治療サイクルの第2時間において回収信号を生成するように構成するのが好ましく、このように構成することによって、各治療サイクルの第1時間t1においては、高電圧発生装置からの高電圧によって人体又は動物体が負に帯電され、各治療サイクルの第2時間t2においては、人体又は動物体内の帯電荷が回収され、このようにして人体又は動物体に対して、負の帯電状態と無帯電状態とを繰り返すことができる。
【0009】
このような電位治療器においては、人体又は動物体を負帯電させる第1時間を5秒~30秒に設定し、人体又は動物体の帯電荷を回収する第2時間を1/1000秒~1/200秒に設定するのが好ましく、このように設定することによって、第1時間においては人体(又は動物体)を所要の通りに負帯電(マイナス帯電)の状態にすることができ、また第2時間においては人体(又は動物体)内の正帯電(プラス帯電)及び負帯電(マイナス帯電)を回収用端子を通して回収して無帯電、即ち電位がゼロ(零)の状態にすることができる。加えて、帯電信号及び回収信号の生成が繰り返えされる所定時間を1分~60分に設定するのが好ましく、このようにすることにより、人体(又は動物体)内において負帯電状態と無帯電状態とが複数回にわたって繰り返えされ、これによって、人体(又は動物体)の帯電バランスに刺激を与え、一旦帯電バランスを乱すことで元に戻ろうとする作用が生じ、人体(又は動物体)が正常な帯電バランスを回復させようとする手助けを行うことができる。
【0010】
また、高電圧発生装置にて生成される高電圧をー700V~ー1350Vに設定するのが好ましく、このように設定することにより、第1時間において人体(又は動物体)内を所定の負帯電状態に保つことができる。
【0011】
更に、高電圧発生装置が電荷消費手段を内蔵するようにし、回収用端子をスイッチ手段を介して電荷消費手段に電気的に接続するように構成するのが好ましく、このように構成した場合、スイッチ手段は回収信号に基づいて閉状態となり、これにより、人体(又は動物体)内の帯電荷が電荷消費手段に流れて消費され、またこのスイッチ手段は帯電信号に基づいて開状態となり、これにより、人体(又は動物体)内の帯電荷が外部に流れることはなくなる。
【0012】
更にまた、スイッチ手段としてのリレースイッチと回収用端子との間に制限抵抗装置を介在させるのが好ましく、このように構成することで、人体(又は動物体)が刺激に対して反射しなくなり、これによって、人体(又は動物体)を保護して安全に使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電位治療器によれば、高電圧発生器を制御するためのコントローラは、負帯電させる帯電信号と、電荷を回収する回収信号とを生成し、治療サイクルの第1時間においては、高電圧発生装置は、帯電信号に基づいて負の高電圧を出力して人体(又は動物体)内を負帯電し、また治療サイクルの第2時間においては、回収信号に基づいて人体(又は動物体)内の帯電荷が回収用端子を通して回収されるので、人体(又は動物体)内は第1時間における負帯電(マイナス帯電)の状態と第2時間における無帯電(ゼロ帯電)の状態が繰り返され、これによって、人体(又は動物体)の帯電バランスが整えられ、細胞や血液の活性化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に従う電位治療器の一実施形態を示す簡略ブロック図。
【
図2】
図1の電位治療器において帯電信号及び回収信号が生成される時間を示す図。
【
図3】
図1の電位治療器における負の高電位の印加状態と時間との関係を示す図。
【
図4】
図1の電位治療器を用いて治療したときの人体内の帯電状態と時間との関係を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う電位治療器の一実施形態について説明する。
図1において、図示の電位治療器2は、負(マイナス)の高電圧を生成する高電圧発生装置4と、高電圧発生装置4からの負の高電圧を人体Pに印加するための供給用端子6と、人体P内の帯電荷を回収するための回収用端子8と、高電圧発生装置4を制御するためのコントローラ10とを備えている。この実施形態では、高電圧発生装置4は、負の高電圧を発生する高電圧発生器12と、電荷を消費する電荷消費手段14とを含み、この電荷消費手段14は、例えば電力消費負荷(例えば、電力消費抵抗)などから構成される。
【0016】
また、コントローラ10は、例えば、マイクロコンピュータなどから構成され、このコントローラ10は、負(マイナス)の高電位を印加する帯電信号と、人体P内の帯電荷、即ち正(プラス)の帯電荷及び負(マイナス)の帯電荷を回収する回収信号を生成する。
図2をも参照し、この実施形態では、コントローラ10は、電位治療を施す所定時間T0にわたって、帯電信号を生成し、高電圧発生装置4(高電圧発生器12)は、この帯電信号に基づいて高電圧を発生させて出力する。この所定時間T0は複数の治療サイクルTsを含んでおり、各治療サイクルTsは第1時間t1とこれに続く第2時間t2を含み、コントローラ10はこの第2時間t2において回収信号を生成する。
【0017】
この実施形態では、第1時間t1の後に第2時間t2が続き、第1時間t1及び第2時間t2でもって一つの治療サイクルTsを構成し、このサイクルTsが、後述するように所定時間T0にわたって連続して複数回繰り返し遂行される。
【0018】
この実施形態では、上述したように、所定時間T0にわたって継続して帯電信号が生成され、各治療サイクルTsの第2時間t2において回収信号が生成されるので、高電圧発生装置4からの高電圧は、
図3に示すように、各治療サイクルTsの初めの第1時間t1において人体又は動物体に作用して負帯電させるが、第1時間t1に続く第2時間t2においては、高電圧発生装置4からの高電圧は、人体又は動物体内の帯電荷とともに回収用端子8を通して回収される。
【0019】
この実施形態では、帯電信号は所定時間T0にわたって生成され、回収信号は各治療サイクルのTsの第2時間t2において生成されるが、このような構成に代えて、各治療サイクルTsの第1時間t1において帯電信号が生成され、その第2時間t2において回収信号が生成されるようにしてもよい(尚、このとき、第2時間t2においては帯電信号は生成されない)。
【0020】
この第1時間t1は、後述する記載から理解されるように、人体Pを負(マイナス)に帯電させるのに要する時間であり、例えば5秒~30秒程度に設定するのが好ましい。この第1時間t1が5秒より短くなると、無帯電の際に生じる電流の流れが頻繁になり人体(又は動物体)の表皮に通電負荷を与えて損傷させる恐れがあり、第1時間t1が30秒
を超えると、無負荷の間隔が開きすぎ活性化刺激が少なくなる。
【0021】
また、第2時間t2は、後述する記載から理解されるように、人体P内の帯電荷(正の帯電荷及び負の帯電荷)を回収するのに要する時間であり、例えば1/1000秒(1ms)~1/200秒(5ms)程度に設定するのが好ましい。この第2時間t2は人体内(又は動物体内)に蓄積された電圧が回収されるスピードで、回収時に端子と表皮に電流が発生するため表皮に大きな損傷を与えない回収スピードにするのが好ましい。
【0022】
更に、帯電及び回収を繰り返して遂行する所定時間T0は、1分~60分程度に設定するのが好ましい。この所定時間T0は、症状や使用頻度、体格などにより選定することができ、60分を超えた使用では人体(又は動物体)に過剰供給となることがあるため60分までとするのがよい。
【0023】
高電圧発生装置4と供給用端子6との間には出力抵抗16が介在され、この出力抵抗16は、高電圧発生装置4(高電圧発生器12)から供給用端子6に電流が流れるのを抑え、このように出力抵抗を介在させることにより、人体Pへは電流がほとんど流れることはなく、高電圧発生装置4からの負の高電位が人体Pへ印加されるようになる。
【0024】
高電圧発生装置4及びコントローラ10は、ACアダプタ18を介して商用電源20に電気的に接続され、この商用電源20からの商用電力(例えば、100V、60Hzの商用電力)がACアダプタ18に供給され、このACアダプタ18にて所定の直流電力に変換された後に高電圧発生装置4及びコントローラ10に送給される。
【0025】
この実施形態では、回収用端子8と高電圧発生装置4(電荷消費手段14)との間にリレースイッチ22(スイッチ手段を構成する)が配設されている。このリレースイッチ22は、コントローラ10からの信号により開閉制御される。コントローラ10から帯電信号が送給されると、この帯電信号に基づいてリレースイッチ22が開状態(即ち、導通遮断状態)となり、人体P内の帯電荷が回収されることはないが、コントローラ10から回収信号が送給されると、この回収信号に基づいてリレースイッチ22が閉状態(即ち、導通状態)となり、人体P内の帯電荷がリレースイッチ22を通して回収される。
【0026】
回収用端子8とリレースイッチ22との間に、さらに、制限抵抗装置24が配設されており、これは人体(又は動物体)保護用で自律神経の反射を防ぐために設けられている。
【0027】
この実施形態では、更に、コントローラ10に関連して、出力設定手段26及びタイマー設定手段32が設けられている。出力設定手段26は、例えばロータリ-エンコーダ30から構成され、ロータリーエンコーダ30を回動操作することによって、高電圧発生装置4(高電圧発生器12)の出力電圧を設定することができる。
【0028】
この出力設定手段26(ロータリーエンコーダ30)によって設定される電圧は、-(マイナス)700V~-(マイナス)1350Vの範囲であるのが好ましい。この高電圧発生装置4の出力電圧がー700Vよりも小さくなると、無帯電時との電圧差が小さくなり、活性化刺激を与えられず、またこの出力電圧がー1350Vよりも大きくなると自律神経反射等の人体(又は動物体)反射が大きくなる可能性があるため好ましくない。
【0029】
また、タイマー設定手段28は、出力設定手段26と同様に、例えばロータリ-エンコーダ32から構成され、ロータリーエンコーダ32を回動操作することによって、高電圧発生装置4(高電圧発生器12)による高電圧の繰返し印加時間、即ち印加(第1時間t1)及び回収(第2時間t2)を繰り返す所定時間T0を設定することができる(
図2参照)。
【0030】
このタイマー設定手段28(ロータリーエンコーダ32)によって設定される所定時間T0は、1分間~60分間の範囲であるのが好ましい。この所定時間T0が1分間よりも短くなると、後述する負帯電状態と無帯電状態の繰返し回数が少なくなり、人体Pの帯電バランスを正常な状態に保つことが難しくなり、またこの所定時間T0が60分間より長くなると、この負帯電状態と無帯電状態の繰返し回数が多くなるが、この繰返しを必要以上に遂行するようになる。
【0031】
更に、供給用端子6は供給用電極(図示せず)を有し、この供給用電極が人体Pの表皮に電気的に接触するように取り付けられ、例えばクリップ式形態のものでもって人体Pの腕、足首などに取り付けられ、この供給用電極を通して高電圧発生装置4からの負の高電圧が印加される。また、回収用端子8は回収用電極(図示せず)を有し、この回収用電極が、供給用電極と同様に、人体Pの表皮に電気的に接触するように取り付けられ、人体P内の帯電荷がこの回収用電極を通して回収される。
【0032】
この電位治療器2を用いた電位治療は、例えば、次のようにして行われる。電位治療を行うには、例えば、出力設定手段26を操作して印加する高電圧(例えば、-800V)を設定するとともに、タイマー設定手段28を操作して負帯電及び無帯電を繰返す所定時間T0(例えば、20分間)を設定する。また、供給用端子6及び回収用端子8を治療すべき人体Pの腕、足首などに取り付ける。
【0033】
そして、電位治療器2による治療を開始する。この治療時においては、コントローラ10は、所定時間T0(20分間)にわたって帯電信号を常に生成して出力し、また各治療サイクルTsの第2時間t2において回収信号を生成して出力し、この回収信号に基づいて帯電荷を回収し、この回収を繰り返して人体を無帯電状態とする。
【0034】
第1時間t1においては、コントローラ10からの帯電信号に基づいて、
図3に示すように、高電圧発生装置4は負(マイナス)の高電圧(例えば、-800V)を出力するとともに、リレースイッチ22が開状態(導通遮断状態)となり、これによって、高電圧発生装置4からの負(マイナス)の高電圧(-800V)が供給用端子6を介して人体Pに印加され、人体Pには、
図4に示すように負の帯電荷が蓄えられて負の帯電状態になる。
【0035】
また、第2時間t2においては、コントローラ10からの回収信号に基づいて、
図3に示すように、高電圧発生装置4からの高電圧が印加された状態において、リレースイッチ22が導通状態となり、これによって、人体P内の帯電荷、具体的には体内に存在する正(プラス)の帯電荷及び負(マイナス)の帯電荷並びに高電圧発生装置4からの印加により蓄積された負(マイナス)の帯電荷が、回収用端子8及びリレースイッチ22を通して電荷消費手段14(電力消費抵抗)に流れて無帯電状態となる。尚、人体Pから流れた帯電荷は、電荷消費手段14にて消費される。
【0036】
一般的に、人体には、常に、正(プラス)の帯電と負(マイナス)の帯電とが存在し、酸化が進むと正の帯電が多い正の帯電状態となり、帯電バランスの均衡が崩れることになる。例えば、きれいな血液は負(マイナス)に帯電し、汚れた血液は正(プラス)に帯電しており、健康な血液はきれいでサラサラ流れるが、良い血液に汚れた血液が混ざると負の帯電状態のきれいな血液に正の帯電状態の汚れた血液が結合し、ドロドロした血液の塊ができやすくなる。
【0037】
一方、電位治療器2を用いて上述した治療を施し、所定時間にわたって人体Pへの負(マイナス)の高電圧の印加による負帯電状態と、人体P内の帯電荷の回収による無帯電状態を繰り返し、瞬間的な無帯電状態の後に負帯電状態にすると、酸化された血液が印加された負の高電圧による電荷充填によって還元され、還元された血液は負(マイナス)の帯電状態に回復するようになる。血液が負の帯電状態になると、血液の帯電バランスの均衡が保たれ、赤血球、白血球などが反発し合って血液がサラサラ状態となり、血管内を流れやすくなる。
【0038】
特に、負(マイナス)の高電圧の印加による負帯電状態と、人体P内の帯電荷の回収による無帯電状態を繰り返し、瞬間的な無帯電状態の後に負帯電状態にすることにより、人体P内を負の帯電状態にして帯電バランスの均衡を保つことができ、これによって、細胞や血液を活性化させて帯電バランスを整えることができる。
【0039】
以上、本発明に従う電位治療器の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、人体P内の帯電荷(正の帯電荷及び負の帯電荷)を高電圧発生装置4に内蔵された電荷消費手段14に回収して消費しているが、このような構成に変えて、電荷消費手段14として機能する専用の電荷消費装置を設け、人体P内の帯電荷をこの電荷消費装置に回収して消費させるようにしてもよく、或いは回収用端子8をアースとして接地し、人体P内の帯電荷をアースとして逃がすようにしてもよい。
【0041】
また、例えば、上述した実施形態では、一つの供給用端子6を人体Pに取り付ける構成であるが、二つ以上(例えば、4つ)の供給用端子6を取り付けるようにしてもよく、この場合、例えば二つを両腕に取り付け、残りの二つを両足首に取り付けることができる。また、一つの回収用端子8を人体Pに取り付けているが、二つ以上の回収用端子8を取り付けるようにしてもよい。
【0042】
また、例えば、上述した実施形態では、電位治療器を人間の治療に適用し、人体Pに負(マイナス)の高電位を印加して負の帯電状態と無帯電状態を繰り返して帯電のバランスを保つようにしているが、人間以外の動物の治療にも同様に適用することができ、動物体の表皮に供給用端子6及び回収用端子8を電気的に接触させて治療することもできる。
【符号の説明】
【0043】
2 電位治療器
4 高電圧発生装置
6 供給用端子
8 回収用端子
10 コントローラ
12 高電圧発生器
14 電荷消費手段
22 リレースイッチ