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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023371
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】枠分離器具
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20230209BHJP
【FI】
H02S30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128835
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】521098814
【氏名又は名称】宮脇 賢一
(74)【代理人】
【識別番号】100193518
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 賢一
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151JA02
5F151JA03
5F151JA05
5F151JA09
5F151JA12
5F151JA30
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA05
5F251JA09
5F251JA12
5F251JA30
(57)【要約】
【課題】太陽電池モジュールの設置現場まで持ち運びできるとともに、太陽電池モジュールから外枠を、同設置現場で容易に分離することができる枠分離器具を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール1は、太陽電池パネル2と太陽電池パネル2の外周端部に嵌め込まれた外枠5と太陽電池パネル2を外枠5に固定する充填材4とを備える。外枠5は第1辺5A、第2辺5B、第3辺5C、及び第4辺5Dの4辺で構成される四角形状であり、太陽電池パネル2の周囲を囲む。外枠5は太陽電池パネル2の外周端部が嵌め込まれる嵌込部51と嵌込部51から太陽電池パネル2の内側に突出する突出部52とを有する。枠分離器具100は、本体部110と固定部120と押圧部130と突起150とを備える。押圧部130は、固定部120が第2辺5Bの突出部52を固定した状態で、第1辺5Aの突出部52を押圧する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池パネルの外周端部が嵌め込まれる嵌込部と前記嵌込部から前記太陽電池パネルの内側に突出する突出部とを有する四角形状の外枠を、前記太陽電池パネルから分離する枠分離器具において、
本体部と、
前記本体部の先端に設けられ、前記外枠のうちの第1辺の前記突出部に当接する押圧部と、
前記本体部及び前記押圧部の少なくともいずれか一方に設けられ、前記外枠のうちの前記第1辺に直交する第2辺の前記突出部を挟んで固定する固定部と、を備え、
前記押圧部は、前記固定部が前記第2辺の前記突出部を固定した状態で、前記第1辺の前記突出部を押圧する、枠分離器具。
【請求項2】
前記本体部における前記固定部より後端側に設けられる突起を備え、
前記突起は、前記押圧部が前記第1辺の前記突出部を押圧したとき、前記第2辺の前記突出部に当接し、前記本体部の回転を防止する、請求項1に記載の枠分離器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの外周端部に外枠が嵌め込まれた太陽電池モジュールから外枠を分離するための枠分離器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽電池パネルの外周端部に金属製の外枠(フレーム)が嵌め込まれた太陽電池モジュールが広く使用されている。太陽電池パネルは、太陽電池素子が形成された半導体基板を含む太陽電池積層体と、その受光面側に設けられたガラス基板と、その非受光面側に設けられたバックシートとが積層された板状の積層構造を有する。
【0003】
外枠は、太陽電池パネルの周囲を囲み、例えば充填材やビスを介して太陽電池パネルの外周端部と固着されている。これにより太陽電池モジュールは、耐水性および止水性を向上させている。
【0004】
太陽電池モジュールの耐用年数は20年から30年であり現状、太陽電池モジュールのリサイクルが大量に発生している。しかし、上記のように太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと外枠とが充填材やビスによって強固に固定されており、解体業者の手作業で解体してリサイクルすることが非常に困難な構造となっている。
【0005】
そこで例えば特許文献1は、太陽電池モジュールを対向するように把持し引っ張って外枠を引き剥がす一対の把持具を有する枠分離装置を開示している。特許文献1の枠分離装置は、大型かつ超重量であるため、産業廃棄物処理業者のリサイクル工場に設置される。そのため解体業者が太陽電池モジュールの設置現場からリサイクル工場まで太陽電池モジュールを運搬した後、産業廃棄物処理業者が特許文献1の枠分離装置で太陽電池モジュールから外枠を分離する。これにより、太陽電池モジュールのリサイクルが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-229211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、外枠が分離されていない状態の太陽電池モジュールの容積及び重量は極めて大きい。そのため特許文献1の枠分離装置は、太陽電池モジュールの設置現場からリサイクル工場までの運搬効率が悪く、運搬コストが高いという課題を有する。
【0008】
そこで本発明は、太陽電池モジュールの設置現場まで持ち運びできるとともに、太陽電池モジュールから外枠を、同設置現場で容易に分離することができる枠分離器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の枠分離器具は上記の目的を達成するために以下の手段を備える。
【0010】
(1)本発明の枠分離器具は、太陽電池パネルの外周端部が嵌め込まれる嵌込部と嵌込部から太陽電池パネルの内側に突出する突出部とを有する四角形状の外枠を、太陽電池パネルから分離する。枠分離器具は、本体部と、固定部と、押圧部と、を備える。
【0011】
押圧部は、本体部の先端に設けられ、外枠のうちの第1辺の突出部に当接する。固定部は、本体部及び押圧部の少なくともいずれか一方に設けられ、外枠のうちの第1辺に直交する第2辺の突出部を挟んで固定する。押圧部は、固定部が第2辺の突出部を固定した状態で、第1辺の突出部を押圧する。
【0012】
この構成において解体業者は太陽電池モジュールの設置現場で枠分離器具を、太陽電池パネルの裏面(非受光面)上における外枠の角に配置する。固定部及び押圧部は同設置現場で、携帯型油圧ポンプ等の携帯型圧力器具に解体業者により接続される。
【0013】
まず解体業者が携帯型圧力器具を駆動し、携帯型圧力器具の圧力によって固定部が第2辺の突出部を挟んで固定する。すなわち枠分離器具が外枠に固定される。
【0014】
次に、固定部が第2辺の突出部を固定した状態で、解体業者が携帯型圧力器具によって圧力を押圧部に加える。このとき、押圧部は第1辺の突出部に当接し、第1辺の突出部を押圧する。
【0015】
解体業者は残りの3辺に対しても同じ作業を繰り返し、最後に4辺を太陽電池パネルから引き剥がす。これにより外枠は太陽電池パネルから分離する。
【0016】
以上の構成において枠分離器具は太陽電池パネルの裏面(非受光面)上における外枠の角に配置可能な容積であり、解体業者が携帯可能な重量である。
【0017】
したがって本発明の枠分離器具は、太陽電池モジュールの設置現場まで持ち運びできるとともに、太陽電池モジュールから外枠を、同設置現場で容易に分離することができる。そのため解体業者は、外枠が分離された太陽電池パネルをリサイクル工場に運搬できる。すなわち外枠が分離されていない状態の太陽電池モジュールをリサイクル工場に運搬しなくとも済むため、運搬費用を削減できる。
【0018】
(2)本発明の枠分離器具は、本体部における固定部より後端側に設けられる突起を備える。突起は、押圧部が第1辺の突出部を押圧したとき、第2辺の突出部に当接し、本体部の回転を防止する。
【0019】
押圧部が第1辺の突出部を押圧したとき、固定部で固定されている箇所を中心として回転モーメントが生じるおそれがある。この構成では、回転モーメントによって枠分離器具が回転しようとしても、突起が枠分離器具の回転を防止できる。
【0020】
この構成の枠分離器具は太陽電池モジュールから外枠をより確実に分離することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、太陽電池モジュールの設置現場まで持ち運びできるとともに、太陽電池モジュールから外枠を、同設置現場で容易に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に関する枠分離器具100及び太陽電池モジュール1の外観斜視図である。
図2図1に示すS-S線の概略断面図である。
図3図1に示す枠分離器具100の外観斜視図である。
図4図1に示す枠分離器具100の外観斜視図である。
図5図1に示す太陽電池パネル2の裏面上における外枠5の角に配置された枠分離器具100の外観斜視図である。
図6図5に示すT-T線の断面斜視図である。
図7図6に示す枠分離器具100において固定部120のシリンダ123が矢印Zの方向へスライドした時のT-T線の断面斜視図である。
図8図5に示すU-U線の断面斜視図である。
図9図8に示す枠分離器具100において押圧部130のシリンダ131が矢印Yの方向へスライドした時のU-U線の断面斜視図である。
図10図5に示す枠分離器具100において押圧部130のシリンダ131が矢印Yの方向へスライドした時の枠分離器具100の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に関する枠分離器具100について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に関する枠分離器具100及び太陽電池モジュール1の外観斜視図である。図2は、図1に示すS-S線の断面図である。まず太陽電池モジュール1の構成について説明する。
【0025】
太陽電池モジュール1は、太陽電池パネル2と、太陽電池パネル2の外周端部に嵌め込まれた外枠5と、太陽電池パネル2を外枠5に固定する充填材4と、太陽電池パネル2で生じた起電力を外部に伝送するための配線ケーブル(不図示)と、を備える。
【0026】
太陽電池パネル2は図2に示すように、太陽電池素子が形成された半導体基板を含む太陽電池積層体21と、その受光面側に設けられたガラス基板23と、その裏面側(非受光面側)に設けられたバックシート22とが積層された板状の積層構造を有する。
【0027】
外枠5は図1に示すように第1辺5A、第2辺5B、第3辺5C、及び第4辺5Dの4辺で構成される四角形状(本実施形態では長方形)であり、太陽電池パネル2の周囲を囲む。第1辺5Aの両端は第4辺5Dの端及び第2辺5Bの端と例えばビス又は金具で接合している。第2辺5Bの両端は第3辺5Cの端及び第1辺5Aの端と例えばビス又は金具で接合している。第3辺5Cの両端は第4辺5Dの端及び第2辺5Bの端と例えばビス又は金具で接合している。第4辺5Dの両端は第3辺5Cの端及び第1辺5Aの端と例えばビス又は金具で接合している。外枠5の材料は例えばアルミニウム等の金属である。
【0028】
外枠5は図2に示すように、太陽電池パネル2の外周端部が嵌め込まれる嵌込部51と、嵌込部51から太陽電池パネル2の内側に突出する突出部52とを有する。第1辺5A、第2辺5B、第3辺5C、及び第4辺5Dはいずれも同じ構成である。
【0029】
外枠5は、例えば充填材4を介して太陽電池パネル2の外周端部と固着されている。充填材4の材料は例えばブチルゴムである。これにより太陽電池モジュール1は、耐水性および止水性を向上させている。
【0030】
なお、本実施形態では太陽電池パネル2と外枠5とが充填材4によって固定されているが、これに限るものではない。実施の際、太陽電池パネル2と外枠5とがビス等の他の手段によって固定されていることも想定される。
【0031】
次に、外枠5を太陽電池パネル2から分離する枠分離器具100の構成について説明する。
【0032】
図3は、図1に示す枠分離器具100の外観斜視図である。図4は、図1に示す枠分離器具100の外観斜視図である。
【0033】
枠分離器具100は、本体部110と固定部120と押圧部130と突起150とを備える。枠分離器具100の材料は例えば炭素鋼等の金属である。枠分離器具100の容積は太陽電池モジュール1の容積より小さい。枠分離器具100の容積は太陽電池パネル2の容積より小さいことがより好ましい。枠分離器具100の長手方向の長さは、長方形の太陽電池パネル2の短辺(本実施形態では第2辺5B)の長さより短い。枠分離器具100の重量は太陽電池モジュール1の重量より小さい。枠分離器具100の重量は太陽電池パネル2の重量より小さいことがより好ましい。枠分離器具100の重量は、解体業者が携帯可能な重量であり、例えば10キログラムである。
【0034】
本体部110は長筒状であり、先端部111及び後端部112を有する。
【0035】
固定部120は、押圧部130に設けられている。固定部120は、開口が設けられた天板121Aと、底板121Bと、天板121Aの開口に挿入されている筒状の筐体122と、スライド自在に筐体122内に挿入されているシリンダ123とを有する。
【0036】
なお、本実施形態では固定部120は押圧部130に1つ設けられているが、これに限るものではない。実施の際、固定部120は本体部110に1つ設けられていても構わない。また、固定部120は複数設けられていても構わない。例えば固定部120は、押圧部130に1つ、本体部110に1つ設けられていても構わない。
【0037】
また、本実施形態ではシリンダ123の先端面は平坦であるが、これに限るものではない。実施の際、突出部52をより確実にクランプできるよう、シリンダ123の先端面は突起を有していても構わない。
【0038】
押圧部130は、本体部110の先端部111に設けられた筒状の筐体139と、スライド自在に本体部110及び筐体139の内部に挿入されているシリンダ131とを備える。シリンダ131は、筐体139より突出している。またシリンダ131の先端面は、第1辺5Aの突出部52に当接したとき、突出部52が嵌まる溝131Aを有する。
【0039】
なお、本実施形態ではシリンダ131は溝131Aを有するが、これに限るものではない。実施の際、シリンダ131の先端面は平坦であっても構わない。
【0040】
突起150は、本体部110における固定部120より後端部112側に設けられる。
【0041】
なお、本実施形態では枠分離器具100は突起150を備えるが、これに限るものではない。実施の際、後述する回転モーメントによって枠分離器具100が回転する可能性が無い場合等、枠分離器具100は突起150を備えなくても構わない。
【0042】
以上の構成において太陽電池モジュール1では、太陽電池パネル2と外枠5とが充填材4によって強固に固定されているとともに、外枠5の各辺5A、5B、5C、5Dも互いに強固に固定されている。そのため太陽電池モジュール1は、解体業者の手作業で解体してリサイクルすることが非常に困難な構造となっている。
【0043】
そこで本実施形態では、解体業者が太陽電池モジュール1の設置現場で枠分離器具100を、太陽電池パネル2の裏面(非受光面)上における外枠5の角に配置する。固定部120及び押圧部130は同設置現場で、不図示の携帯型圧力器具に解体業者により接続される。携帯型圧力器具は例えば携帯型油圧ポンプ等である。
【0044】
図5は、図1に示す太陽電池パネル2の裏面上における外枠5の角に配置された枠分離器具100の外観斜視図である。図6は、図5に示すT-T線の断面斜視図である。図7は、図6に示す枠分離器具100において固定部120のシリンダ123が矢印Zの方向へスライドした時のT-T線の断面斜視図である。図8は、図5に示すU-U線の断面斜視図である。図9は、図8に示す枠分離器具100において押圧部130のシリンダ131が矢印Yの方向へスライドした時のU-U線の断面斜視図である。図10は、図5に示す枠分離器具100において押圧部130のシリンダ131が矢印Yの方向へスライドした時の枠分離器具100の外観斜視図である。
【0045】
図5図6に示すように枠分離器具100を、太陽電池パネル2の裏面(非受光面)上における外枠5の角に配置した後、解体業者は携帯型圧力器具を駆動し、圧力をシリンダ123に加える。シリンダ123は携帯型圧力器具の圧力により矢印Zの方向(太陽電池パネル2の裏面に垂直な方向)へスライドしたとき、シリンダ123の先端面が第2辺5Bの突出部52に当接する(図7参照)。そして、固定部120は、携帯型圧力器具の圧力により、シリンダ123の先端面及び底板121Bで第2辺5Bの突出部52を挟んで固定する。すなわち枠分離器具100が外枠に固定される。
【0046】
次に、図7図8に示すように固定部120が第2辺5Bの突出部52を固定した状態で、解体業者が携帯型圧力器具によって圧力を押圧部130のシリンダ131に加える。押圧部130のシリンダ131は、携帯型圧力器具の圧力により矢印Yの方向(第2辺5Bが伸びる方向)へスライドしたとき、外枠5のうちの第1辺5Aの突出部52に当接する(図9図10参照)。そして、押圧部130のシリンダ131は、固定部120が第2辺5Bの突出部52を固定した状態で、携帯型圧力器具の圧力により矢印Yの方向へ第1辺5Aの突出部52を押圧する。押圧力は例えば7MPa以上である。
【0047】
このとき、押圧部130のシリンダ131は、少なくとも1辺の半分が剥がれるまで押圧しながらスライドすることが好ましい。少なくとも1辺の半分が剥がれれば、解体業者は手作業でも容易に1辺を完全に剥がすことが可能となるためである。
【0048】
以後、解体業者は残りの3辺5B、5C、5Dに対しても同じ作業を繰り返し、最後に4辺5A、5B、5C、5Dを手作業で太陽電池パネル2から完全に引き剥がす。これにより外枠5は太陽電池パネル2から分離する。
【0049】
以上の構成において枠分離器具100は太陽電池パネル2の裏面(非受光面)上における外枠5の角に配置可能な容積であり、解体業者が携帯可能な重量である。
【0050】
したがって枠分離器具100は、太陽電池モジュール1の設置現場まで持ち運びできるとともに、太陽電池モジュール1から外枠5を、同設置現場で容易に分離することができる。そのため解体業者は、外枠5が分離された太陽電池パネル2をリサイクル工場に運搬できる。すなわち外枠5が分離されていない状態の太陽電池モジュール1をリサイクル工場に運搬しなくとも済むため、運搬費用を削減できる。
【0051】
なお、解体業者は外枠5の分離前後に配線ケーブルも太陽電池モジュール1から分離する。解体業者は配線ケーブルや外枠5を古物商店等に運搬し、売却等を行う。
【0052】
また以上の構成において押圧部130が第1辺5Aの突出部52を押圧したとき、固定部120で固定されている箇所を中心として回転モーメントが生じる(図10の矢印C参照)。枠分離器具100が回転すると、解体業者が太陽電池モジュール1から外枠5を分離することが困難になる。
【0053】
そこで、枠分離器具100は突起150を備える。突起150は、押圧部130が第1辺5Aの突出部52を押圧したとき、第2辺5Bの突出部52に当接し、枠分離器具100の回転を防止する。この構成では、回転モーメントによって枠分離器具100が回転しようとしても、突起150が枠分離器具100の回転を防止できる。
【0054】
したがって枠分離器具100は太陽電池モジュール1から外枠5をより確実に分離することができる。
【0055】
また押圧部130のシリンダ131の先端面は、第1辺5Aの突出部52に当接したとき、突出部52が嵌まる溝131Aを有する。これにより押圧部130は、矢印Yの方向へ第1辺5Aの突出部52をより確実に押圧できる。これにより外枠5の第1辺5Aは太陽電池パネル2から引き剥がされる。
【0056】
したがって枠分離器具100は太陽電池モジュール1から外枠5をより確実に分離することができる。
【0057】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0058】
1・・・太陽電池モジュール
2・・・太陽電池パネル
4・・・充填材
5・・・外枠
51・・・嵌込部
52・・・突出部
100・・・枠分離器具
110・・・本体部
120・・・固定部
130・・・押圧部
150・・・突起
図1
図2
図3
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