(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023399
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】寝具
(51)【国際特許分類】
A47C 31/10 20060101AFI20230209BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
A47C31/10
B68G7/05 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128908
(22)【出願日】2021-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】519409763
【氏名又は名称】株式会社リフレーションジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】田中 広継
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外側のカバーの取り外しや、取り外した後の利用を容易にすることができる寝具を提供する。
【解決手段】複数の中芯1と、複数の中芯1のそれぞれを被覆する内カバー2と、複数の中芯1を積層した状態で被覆する外カバー3と、を備える寝具である。好ましくは、外カバー3には、外周を囲うように線ファスナーが設けられ、線ファスナーは、一端が外側方向に露出する露出端部であり、他端が前記線ファスナーを閉じた状態において、線ファスナーに覆われる被覆端部である寝具である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の中芯と、前記複数の中芯のそれぞれを被覆する内カバーと、前記複数の中芯を積層した状態で被覆する外カバーと、を備える寝具。
【請求項2】
前記外カバーの側面には、天面及び底面と平行に線ファスナーが設けられ、
前記線ファスナーは、前記中芯の厚みに対応する配置される請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記外カバーの側面には、天面及び底面と平行に線ファスナーが設けられ、
前記線ファスナーは、2以上の前記中芯を積み重ねた厚みに対応する間隔で配置される請求項1に記載の寝具。
【請求項4】
前記外カバーには、外周を囲うように線ファスナーが設けられ、
前記線ファスナーは、一端が外側方向に露出する露出端部であり、他端が前記線ファスナーを閉じた状態において、前記線ファスナーに覆われる被覆端部である請求項1に記載の寝具。
【請求項5】
前記外カバーには、前記複数の中芯が被覆された状態において、天面と底面にキルティング加工が施してある請求項1~4の何れかに記載の寝具。
【請求項6】
前記外カバーには、被覆した前記中芯の移動を制限する位置制限部が設けられている請求項1~5の何れかに記載の寝具。
【請求項7】
前記中芯は、それぞれ板状のウレタンであり、その厚みが12cm未満である請求項1~6の何れかに記載の寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層状に分離可能な中芯と、そのカバーを含む寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の中芯を層状に配置した状態で利用するマットレスがある。その一例として、特許文献1に示すようなマットレスが挙げられる。
このようなマットレスは、従来の単層式のマットレスにない寝心地を得られ、また、内部の層の素材の組み合わせによって、寝具に良好な吸湿性を与えられるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、先行技術文献に記載している中芯は、外側のカバーにクッションとなる部材を直接入れこむ構成となっている。このような構成とした場合、例えばクッション部材が経年劣化によって崩れやすい状態になっていると、外側のカバーを取り外した後の取り扱いが難儀になる。
【0005】
本発明は、上記に鑑み、外側のカバーの取り外しや、取り外した後の中芯の利用を容易にすることができる寝具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本願発明は、複数の中芯と、前記複数の中芯のそれぞれを被覆する内カバーと、前記複数の中芯を積層した状態で被覆する外カバーと、を備える寝具である。
このような構成によって、前記中芯が劣化していた場合であっても簡便に前記外カバーから取り出すことができ、また、その後の取り扱いが容易な中芯を提供することができる。
具体的な取り扱いの利点については、引っ越し時や収納時に前記中芯を外カバーから取り出すことによって、前記中芯のそれぞれを折りたたんで移動や収納ができること、前記中芯のそれぞれの厚みを抑えることができるので、廃棄の際にはちぎって一般の家庭ごみに出せること、劣化した前記中芯をそれぞれ交換できること、急な来客があった際には前記複数の中芯を取り出してそれぞれ利用することができることなどが挙げられる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記外カバーの側面には、天面又は底面と平行に線ファスナーが設けられ、前記線ファスナーと平行な面から前記線ファスナーまでの距離は、前記中芯の厚みと略同一である。
このような構成によって、前記複数の中芯を収納・開放する際に、前記線ファスナーが前記内カバーを巻き込みにくくすることができる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記外カバーの側面には、天面及び底面と平行に線ファスナーが設けられ、前記線ファスナーに対して平行な面から前記線ファスナーまでの距離は、2以上の前記中芯を積み重ねた厚みと略同一である。
このような構成によって、前記中芯が3枚以上ある場合であって、前記中芯を複数積み重ねた状態においても、前記線ファスナーが前記内カバーを巻き込みにくくすることができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記外カバーには、外周を囲うように線ファスナーが設けられ、前記線ファスナーは、一端が外側方向に露出する露出端部であり、他端が前記線ファスナーを閉じた状態において、前記線ファスナーに覆われる被覆端部である。
このような構成によって、被覆端部が露出することがなくなり、線ファスナーを丈夫に構成することができるようになる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記カバーには、前記複数の中芯が被覆された状態において、天面と底面にキルティング加工が施してある。
このような構成によって、天面と底面とを問わず寝具を利用することができるようになる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記カバーには、被覆した前記中芯の位置を制限する位置制限部が設けられている。
このような構成によって、中芯の位置を大まかに制限し、前記外カバーに前記中芯を収納しやすくすることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記中芯は、それぞれ板状のウレタンであり、その厚みが12cm未満である。
このような構成によって、吸湿性や通気性に優れ、容易に折りたたむことができる取り扱いのしやすい中芯を提供することができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
上記構成によって、外側のカバーの取り外しや、取り外した後の中芯の利用を容易にすることができる寝具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る、寝具の斜視図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る、寝具のA-A’断面における断面図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係る、外端部の付近における模式図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態に係る、外カバー及び中芯の角の部分の斜視図である。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る、寝具を分割して使用する際の模式図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態に係る、寝具の斜視図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態に係る、寝具のB―B’断面における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る寝具Xについて説明する。説明は、まず実施形態の構成について詳述し、次に実施の方法について詳述し、最後に他の実施例について詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
【0016】
≪第一の実施形態≫
以下、
図1ないしは
図4を用いて、本発明の第一の実施形態に係る寝具Xについて詳述する。
図1は、本実施形態における寝具Xの斜視図であり、
図2は、本実施形態における寝具XのA―A’断面における2枚の中芯1と、中芯1のそれぞれを被覆する内カバー2と、2つの中芯1を積層した状態で被覆する外カバー3と、によって構成してある。
【0017】
中芯1の形状は、略直方体状である。その長さは150~250cm、その幅は70~180cm、その高さ(厚さ)は5~15cmが想定されるが、中芯の使用用途によって自由に変更することができる。また、中芯1は平板状で、途中で折り目を形成することのない1枚ものとして設けられることが好ましい。
この際、中芯1の天面や底面を波板状に成形し、表面積を増やし、通気性等を改善することもできる。
【0018】
中芯1の材質は、ウレタンフォームなどの発泡性プラスチックを使用することが好ましい。このようにすることによって、高機能で自由度の高い寝具を提供することができる。
特に、高密度のウレタンフォームを使用した場合には、中芯1の厚みを12cm未満にすることが好ましく、さらに好ましくは10cm以下にする。このようにすることによって、中芯1を少なくとも三つ折りに折りたたんで収納することができるようになり、移動・収納を容易にすることができる。
【0019】
内カバー2は、
図2に示すように中芯1を密着するように覆い、中芯1の全体を完全に被覆する部材であって、厚さ3mm以下の薄い布地によって形成されている。
なお、布地の材質は、ポリエステルや綿など、はさみなどの刃物によって簡便に切断できる素材を用いることが好ましい。これにより、寝具Xを廃棄する際に、内カバー2を剥がし、内部の中芯1をちぎって細かく分けられるようになる。
【0020】
内カバー2同士に働く摩擦力及び内カバー2と外カバー3との間に働く摩擦力は、中芯1同士に働く摩擦力や中芯1と外カバー3との間に働く摩擦力よりも小さくなるように構成されており、大きな抵抗を生じさせずに中芯1を外カバー3に入れ込むことができるようになる。上記の摩擦力は、静止摩擦力と動摩擦力の少なくともいずれか一方を意味する。
【0021】
外カバー3は、
図2に示すように、積層された状態にある複数の中芯1を積層した状態で密着するように覆い、複数の中芯1の全体を完全に被覆する部材である。外カバー3は、中芯1を覆う外カバー本体31と、キルティング加工が施されるキルティング部32と、外カバー本体31の側面に設けられる線ファスナー33と、外カバー本体31が中芯1を覆った状態で中芯1の移動を制限する位置制限部34と、が設けられる。
【0022】
外カバー3によって、中芯1を層状に積み重ねた状態で使用できるようになるため、中芯1の1枚あたりの厚さが薄い場合であっても、底つきが起こらず快適な使用をすることができる。
【0023】
外カバー本体31は、中芯1を覆った状態において、略直方体状になるように布材を組み合わせて形成したカバーであって、
図2に示すように、2つの外カバー本体31を上下に接続した状態で使用する。
【0024】
外カバー本体31は、中芯1を内部に入れ込むための開口された面である開口端面Dを有しており、開口端面Dは、中芯1を装着した状態において、中芯1の天面あるいは底面と一致する位置に設けられている。すなわち、開口端面Dから対向する外カバー本体31の面までの距離は、中芯1の厚みと略一致する。
なお、変更した形態として、開口端面Dは中芯1の底面と平行になる位置に設けられていてもよく、側面と平行になる位置に設けられていてもよい。
【0025】
キルティング部32は、外カバー本体31のそれぞれの内部に形成された、綿や羽毛を詰め込んだ小室であり、これにより外カバー3を取り付けた際の快適性を高めることができるようになる。
【0026】
線ファスナー33は、二つの外カバー本体31同士が分離・接続自在になるように設けられており、使用者が操作可能なスライダ331と、スライダ331の移動によって開閉する複数の金属の歯であるエレメント332と、エレメント332と外カバー本体31とを接続する布材であるリボン333と、を有する。
また、エレメント332の端部は、線ファスナー33が閉じた状態において、一端が外部に露出する露出端部T1であり、他端が線ファスナー33によって覆われる被覆端部T2となる。
【0027】
リボン333は、開口端面Dの縁辺全周の長さよりも長いテープ状の布材であって、開口端面Dの縁辺に沿って全周を取り囲むようにして縫合した後、さらに縫合した部分の内側に沿って縫合されることによって設けられる。なお、リボン333の全体が縫合される必要はなく、スライダ331の取り外しを容易にするため、特に内側の端部はいずれの個所も縫合されない自由端となっていることが好ましい。
また、リボン333から、外カバー本体31の底面あるいは天面までの距離は、中芯1の厚みと対応するように構成される。
【0028】
露出端部T1と被覆端部T2について、
図3(a)~(d)を用いて詳述する。
図3(a)は線ファスナー33が完全に閉じた状態を表し、
図3(b)はスライダ331を動作させて線ファスナー33を開状態へ移動させている状態を表し、
図3(c)は
図3(b)からスライダ331をさらに動作させ外カバー本体31を略一周させた状態を表し、
図3(d)は
図3(c)からスライダ331をさらに動作させて、被覆端部T2まで移動した状態を表す模式図である。
【0029】
露出端部T1は、
図3(a)に示すように、線ファスナー33が閉状態にあるとき、外側方向へ露出している一方、被覆端部T2およびその近傍の線ファスナー33は、外カバー3及び外側の線ファスナー33によって被覆されてあり、外部に露出されていない状態で保護されている。
【0030】
被覆端部T2は、線ファスナー33を一部開放させることで、
図3(b)のように外部に露出する。さらにスライダ331が開口端面Dを一周することで、
図3(d)に示すように外カバー3の内外が全周にわたって開口し、外カバー本体31を2つに分離することができるようになる。
【0031】
なお、露出端部T1は、外カバー本体31における短辺側に設けられていることが好ましい。これにより、線ファスナー33の位置を特定することが容易になる。
【0032】
位置制限部34は、
図4に示す態様で設けられている。
図4は、寝具Xにおいて、外カバー3を一部外して中芯1の角の部分を露出させている様子を表す模式斜視図であり、
図4(a)は中芯1が層を形成してある状態を表し、
図4(b)は、
図48(a)の上側にあった中芯1を取り払った状態を表している。
【0033】
また、位置制限部34は、
図4(b)に示すように、中芯1の位置を制限して固定するためのテープ状の弾性部材であって、端部が開口端面Dの縁辺に縫合されている。位置制限部34は外カバー本体31の角の近傍に設けられており、位置制限部34のそれぞれの端部から外カバー本体31の角までの距離は、ほぼ同一である。
なお、位置制限部34は、周辺の材よりも高い摩擦力を生じさせる素材や、面ファスナーであってもよい。
【0034】
以下に、
図1ないしは
図5を用いて本実施形態に係る使用方法について詳述する。なお、使用方法は以下に示す例に限らず、その順番は前後してよい。なお、寝具Xは、線ファスナー33が閉じた寝具Xから中芯1を取り出す使用者によって使用される。
【0035】
まず、使用者は、線ファスナー33に沿ってスライダ331を引き、線ファスナー33を開状態とする。線ファスナー33は開口端面Dの縁辺に沿って設けられているため、線ファスナーを完全に開状態にすると、
図5に示すような状態となる。
【0036】
ここで、使用者は、形成したマットレスをそれぞれ別体の寝具として使用することが可能である。
図5に示した状態の寝具Xは、側面及び天面が外カバー本体31で覆われ、底面を位置制限部34で固定した2つのマットレスであるので、それぞれを寝具として使用することができる。
使用者は、線ファスナー33の一辺を閉状態とすることで、外カバー本体31同士を繋げた状態で広げ、通常2倍の天面の面積を持つ寝具として使用することが可能になる。この場合、線ファスナー33の端部を外カバー本体31の角の付近に形成する。
これにより、人数や、部屋の広さに応じて寝具の利用方法を変更することが可能になり、取り扱い性能が向上する。
【0037】
次に、使用者は、中芯1を固定している位置制限部34を、その弾性を利用して外カバーから取り外す。これにより、使用者は中芯1を取り外すことができる。
また、外カバー3が袋体にならずに取り外すことができるため、洗濯を容易にすることができる。
【0038】
なお、使用者は上記と逆の操作をすることによって、中芯1を外カバー3の内部に収納することができる。
【0039】
≪第二の実施形態≫
以下に、
図6及び
図7を用いて、本発明の第二の実施形態に係る寝具Xについて説明を行う。
第一の実施形態と同様の構成については同一の符号を用いてその説明を省略する。
【0040】
本実施形態における寝具Xは、3枚の中芯1と、中芯1のそれぞれを被覆する内カバー2と、3つの中芯1を積層した状態で被覆する外カバー3と、によって構成してある。
また、
図6は、本実施形態における寝具Xの斜視図を表し、
図7は、寝具XのB―B’断面の断面図を表している。
【0041】
中芯1の厚みや材質は、すべての層において略同一であることが好ましいが、その厚みは層ごとに異なっていてもよく、材質も異なっていてよい。
【0042】
外カバー3は、中芯1を被覆する2つの外カバー本体31と、キルティング部32と、外カバー本体31の開口端面Dの縁辺に設けられる線ファスナー33と、線ファスナー33に平行に設けられる副ファスナー33’と、位置制限部34と、2つの外カバー本体31の間に設けられる中間カバー35と、によって構成されている。
【0043】
外カバー本体31は、第一の実施形態と同様に、中芯1を1枚被覆できるように構成されており、開口端面Dから対向する面までの距離は中芯1の厚みと略一致する。変更例として、2つの外カバー本体31のうち、一方の開口端面Dから対向する面までの距離を、2枚の中芯1を積み重ねた厚みと略一致するようにすることもできる。この場合、副ファスナー33’および中間カバー35は設けない。
【0044】
線ファスナー33は、外カバー本体31と中間カバー35とが分離・接続自在になるように設けられており、細かな構成は第一の実施形態と略同一であるが、スライダ331は外カバー本体31に設けられている。
【0045】
副ファスナー33’は、外カバー本体31と中間カバー35とが分離・接続自在になるように設けられており、細かな構成は第一の実施形態と略同一であるが、スライダ331は中間カバー35に設けられている。
【0046】
中間カバー35は、2つの外カバー本体31の間に挟まれるように設けられる環状の布材であって、両端が開口端面Dとなり、線ファスナー33が全周にわたって設けられている。また、中間カバー35の高さは、中芯1の厚みと略同一になるように設けられている。
また、中間カバー35の開口端面には、第一の実施形態と同様に位置制限部34がある。
なお、2つの外カバー本体31の間に挟まれる中間カバー35の数を増やすことによれば、外カバー3の全体の高さが高くなり、中芯1をさらに追加して被覆することができるようになる。
【0047】
以下に、本実施形態における寝具Xの使用方法について詳述する。なお、実施の方法は以下の形態に限られず、その順番は前後してよい。また、第一の実施形態に記載した事項については、説明を省略する。
【0048】
まず、使用者は、線ファスナー33を開状態にして、側面及び天面が外カバー本体31で覆われ、底面を位置制限部34で固定した2つのマットレスと、側面が中間カバー35に覆われたマットレスに分割することができる。
【0049】
ここで、使用者は、分割して生じたマットレスをそれぞれ単一のマットレスとして使用することができるが、外カバー本体31に覆われた任意のマットレスの底面に、中間カバー35に覆われたマットレスを、線ファスナー33を利用して接続することで厚みを増やすことができる。これにより使用の自由度が高まる。
【0050】
最後に、使用者は、位置制限部34の弾性を利用して、外カバー3から中芯1を取り外す。なお、使用者は逆の操作を行うことによって、中芯1を外カバー3で被覆することができる。
【符号の説明】
【0051】
X 寝具
1 中芯
2 内カバー
3 外カバー
31 外カバー本体
32 キルティング部
33 線ファスナー
331 スライダ
332 エレメント
333 リボン
34 位置制限部
D 開口端面
T1 露出端部
T2 被覆端部
33’ 副ファスナー
35 中間カバー
【手続補正書】
【提出日】2021-10-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚ものの板状部材である複数の中芯と、前記複数の中芯のそれぞれを被覆する内カバーと、前記複数の中芯を積層した状態で被覆する外カバーと、を備え、
前記外カバーの側面には、天面及び底面と平行に、外周を囲う線ファスナーが設けられ、
外カバーの底面から前記線ファスナーまでの距離は、前記中芯の厚みと略同一になるように設けられ、
前記線ファスナーは、一端が外側方向に露出する露出端部であり、他端が前記線ファスナーを閉じた状態において前記線ファスナーに覆われる被覆端部であり、
前記被覆端部は、外カバーから分離されている自由端である寝具。
【請求項2】
前記外カバーには、前記複数の中芯が被覆された状態において、天面と底面にキルティング加工が施してあり、
前記キルティング加工は、前記外カバーの長さ方向を区画することによって、幅方向全体に渡る複数の小室を形成する請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記外カバーには、被覆した前記中芯の移動を制限する位置制限部が設けられている請求項1又は2に記載の寝具。
【請求項4】
前記中芯は、それぞれ板状のウレタンであり、その厚みが12cm未満である請求項1~3の何れかに記載の寝具。