(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023423
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】劣化判断装置
(51)【国際特許分類】
G01J 1/42 20060101AFI20230209BHJP
G01J 1/00 20060101ALI20230209BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20230209BHJP
F23N 5/08 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01J1/42 C
G01J1/00 B
G01M11/00 T
F23N5/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128953
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】野際 知樹
(72)【発明者】
【氏名】小粥 正登
【テーマコード(参考)】
2G065
2G086
3K005
【Fターム(参考)】
2G065AB05
2G065BA17
2G065BC14
2G065BC17
2G065BC22
2G065BC33
2G065BD06
2G065DA03
2G065DA06
2G086EE04
3K005QA03
3K005QB08
3K005QC10
3K005SA02
3K005SA11
(57)【要約】
【課題】火炎検出器の劣化判断について精度の向上を図ることが可能な劣化判断装置を提供する。
【解決手段】燃焼制御装置30は、紫外線の入力に応じて放電する火炎検出器20の劣化を判断するものであって、火炎検出器20の単位時間当たりの放電回数及び放電時間の少なくとも一方の放電特性を検出するマイクロプロセッサ31と、火炎検出器20に印加される電圧を検出する電源電圧検出部37とを備え、マイクロプロセッサ31は、電源電圧検出部37により検出された電圧に基づいて、検出した放電特性を補正し、補正した放電特性に基づいて、火炎検出器20の劣化を判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線の入力に応じて放電する火炎検出器の劣化を判断する劣化判断装置であって、
前記火炎検出器の単位時間当たりの放電回数及び放電時間の少なくとも一方の放電特性を検出する放電検出手段と、
前記火炎検出器に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて、前記放電検出手段により検出された放電特性を補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された放電特性に基づいて、前記火炎検出器の劣化を判断する劣化判断手段と、
を備えることを特徴とする劣化判断装置。
【請求項2】
前記補正手段により補正された放電特性を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された放電特性の変化傾向から前記火炎検出器が異常に至る時期を予測する時期予測手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の劣化判断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化判断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紫外線検知式の火炎検出器の劣化を判断するシステムが提案されている。紫外線検知式の火炎検出器は、火炎から放出される微弱な紫外線の入力に応じて放電を始め電流が流れる特性がある。このような火炎検出器は火炎がない(すなわち紫外線がない)にもかかわらず稀に放電することがある(以下、この現象を自己放電という)。自己放電は火炎検出器の劣化が進行するほど発生頻度が増加する傾向にある。そこで、放電確率、放電回数及び放電の間隔に基づいて、火炎検出器の劣化を判断する技術が提案されている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-218003号公報
【特許文献2】特開2004-36906号公報
【特許文献3】特開平2-97823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明者らは火炎検出器及びこれを備える燃焼制御装置(劣化判断装置)を使用した機器の開発を行っており、放電確率、放電回数及び放電の間隔等に基づく劣化判断では精度面で問題があることを見出した。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その発明の目的とするところは、火炎検出器の劣化判断について精度の向上を図ることが可能な劣化判断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る劣化判断装置は、紫外線の入力に応じて放電する火炎検出器の劣化を判断する劣化判断装置であって、前記火炎検出器の単位時間当たりの放電回数及び放電時間の少なくとも一方の放電特性を検出する放電検出手段と、前記火炎検出器に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧に基づいて、前記放電検出手段により検出された放電特性を補正する補正手段と、前記補正手段により補正された放電特性に基づいて、前記火炎検出器の劣化を判断する劣化判断手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、火炎検出器の劣化判断について精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る燃焼制御装置を含む燃焼システムの詳細を示す構成図である。
【
図2】
図1に示したAD変換部の処理の詳細を示すタイミングチャートであって、(a)はフレーム電流を示し、(b)はフレーム信号を示している。
【
図3】
図1に示したマイクロプロセッサの詳細を示すブロック図である。
【
図4】電圧と単位時間当たりの放電回数との相関を示す図である。
【
図5】燃焼制御装置による劣化判断処理の詳細を示す第1のフローチャートである。
【
図6】燃焼制御装置による劣化判断処理の詳細を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を好適な実施形態に沿って説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば以下の実施形態では燃焼機器を制御する燃焼制御装置を劣化判断装置として説明するが、劣化判断装置は燃焼制御装置に限られるものではない。
【0010】
また、以下に示す実施形態においては、一部構成の図示や説明を省略している箇所があるが、省略された技術の詳細については、以下に説明する内容と矛盾点が発生しない範囲内において、適宜公知又は周知の技術が適用されていることはいうまでもない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る燃焼制御装置を含む燃焼システムの詳細を示す構成図である。
図1に示すように、燃焼システム1は、燃焼機器10と、火炎検出器20と、燃焼制御装置(劣化判断装置)30とを備え、燃焼制御装置30によって燃焼機器10の動作を制御すると共に、火炎検出器20からの信号に基づいて燃焼制御装置30が火炎を検知するものである。
【0012】
燃焼機器10は、燃焼システム1の用途によって異なる機器が採用されており、例えば燃焼システム1が燃焼炉に用いられる場合には炉内に設けられたバーナーが該当する。なお、燃焼機器10は、バーナーに限られるものではなく、ガス等の燃料の供給を受けて燃焼可能であれば他の機器であってもよい。
【0013】
火炎検出器20は、いわゆる紫外線検知式の火炎検出器20である。この火炎検出器20は、紫外線センサ(図示せず)を備えており、火炎から放出される微弱な紫外線によって放電を始め電流が流れる。火炎検出器20は、この電流信号をフレーム電流として燃焼制御装置30に出力する。
【0014】
燃焼制御装置30は、マイクロプロセッサ31と、燃焼制御部32と、リレー出力部33と、信号入力部34とを備えている。マイクロプロセッサ31は、燃焼制御装置30の全体を制御するものである。燃焼制御部32は、マイクロプロセッサ31からの指示に従って燃焼機器10の燃焼を制御するものであって、例えば燃焼機器のオンオフや火力調整に関する制御を行うものである。
【0015】
リレー出力部33は、燃焼制御部32からの指示を受けて、燃焼機器10に対して制御信号を出力するものである。ここで出力される信号は、燃焼機器のオンオフ信号や火力調整信号である。信号入力部34は、リレー出力部33により出力された信号を入力してマイクロプロセッサ31にフィードバックするものである。マイクロプロセッサ31は、フィードバック信号を入力して、自己が行った指示が実行されたかを判断することとなる。
【0016】
さらに、燃焼制御装置30は、フレーム電流検出部35と、AD変換部36とを備えている。フレーム電流検出部35は、火炎検出器20からのフレーム電流を検出するものである。AD変換部36は、フレーム電流検出部35にて検出されたフレーム電流をAD変換してマイクロプロセッサ31に出力するものである。
【0017】
図2は、
図1に示したAD変換部36の処理の詳細を示すタイミングチャートであって、(a)はフレーム電流を示し、(b)はフレーム信号を示している。まず、
図2(a)に示すフレーム電流がフレーム電流検出部35(
図1参照)に検出されたとする。AD変換部36(
図1参照)は、このようなフレーム電流と閾値とを比較してAD変換を行う。この際、AD変換部36は、フレーム電流が閾値以上となる期間において「1」のフレーム信号を出力し、フレーム電流が閾値未満となる期間において「0」のフレーム信号を出力する。マイクロプロセッサ31は、このようなフレーム信号に基づいて火炎を判断する。
【0018】
再度
図1を参照する。
図1に示すように燃焼制御装置30は、更に電源電圧検出部(電圧検出手段)37と、不揮発性メモリ(記憶手段)38とを備えている。
【0019】
電源電圧検出部37は、燃焼制御装置30に供給される電源電圧を検出するものである。電源電圧は火炎検出器20にも供給されることから、電源電圧検出部37は、火炎検出器20に印加される電圧を検出するものとなる。不揮発性メモリ38は、後述する補正された放電特性を記憶するものである。
【0020】
図3は、
図1に示したマイクロプロセッサ31の詳細を示すブロック図である。
図3に示すように、マイクロプロセッサ31は、放電検出部(放電検出手段)31aと、補正部(補正手段)31bと、劣化判断部(劣化判断手段)31cと、時期予測部(時期予測手段)31dと、警報制御部31eとを備えている。
【0021】
放電検出部31aは、火炎検出器20の放電回数及び放電時間の少なくとも一方の放電特性を検出するものである。放電検出部31aは、
図2(b)に示したフレーム信号が「1」に立上ってから「0」に立下るまでの一塊を1回の放電回数とカウントする。また、放電検出部31aは、
図2(b)に示したフレーム信号が「1」となる継続時間を放電時間tとして検出する。なお、以下の説明において放電検出部31aは、放電回数及び放電時間の双方を検出するものとする。
【0022】
補正部31bは、放電検出部31aにより検出された放電特性を補正するものである。この補正部31bは、電源電圧検出部37により検出された電源電圧、すなわち火炎検出器20に印加される電圧に基づいて、放電特性を補正する。
【0023】
図4は、電圧と単位時間当たりの放電回数との相関を示す図である。
図4に示すように、放電回数は劣化が進行するほど増加する傾向にある。しかし、放電回数は、劣化度合いのみならず、電圧にも依存する傾向がある。すなわち、電圧が高まるほど、放電回数も増加する傾向にある。このため、初期の火炎検出器20(劣化なし)であっても異常発報すべきと判断されてしまう可能がある。例えば単位時間当たりの放電回数がX回以上であるときに劣化が大きく異常発報すべきであると判断する場合(すなわち異常判定閾値がX回である場合)、初期の火炎検出器20に印加される電圧がV1であれば、異常発報すべきと判断されてしまう(点Ad参照)。
【0024】
そこで、補正部31bは、このような電圧の依存分を補正するようにしている。例えば、放電検出部31aにより放電回数がY回であり電圧がV2であったとすると、補正部31bは、点Aに示すように、電圧が基準電圧Vsであったときの放電回数となるように補正を行ってZ回(点A0)と算出することとなる。
【0025】
なお、基準電圧Vsは、予め定められた値である。また、補正部31bは、上記のように補正を行うために、放電回数と電圧との相関を示す相関関数を記憶しており、その相関関数を利用して補正を行うことはいうまでもない。
【0026】
また、
図4では、電圧と放電回数との関係を説明したが、電圧と放電時間との関係も同様である。
【0027】
図1を参照する。不揮発性メモリ38は、
図4を参照して説明したように、補正された放電特性を記憶するものである。特に不揮発性メモリ38は、補正された放電特性と放電特性が得られた時刻(年月日時分秒等)とを対応付けて記憶する。
【0028】
図3に示す劣化判断部31cは、補正部31bにより補正された放電特性に基づいて、火炎検出器20の劣化を判断するものである。
図4に示すように、補正部31bは、火炎検出器20に基準電圧Vsが印加されたときの値となるよう、放電特性を補正する。このため、劣化判断部31cは、火炎検出器20への印加電圧による影響分を除去して劣化を判断できることとなり、より精度の高い劣化判断を行うこととなる。
【0029】
時期予測部31dは、火炎検出器20が異常に至る時期を予測するものである。この予測に当たり時期予測部31dは、不揮発性メモリ38に記憶される補正済みの放電特性の変化傾向から火炎検出器20が異常に至る時期を予測する。例えば時期予測部31dは、補正された放電回数や放電時間の増加傾向を判断し、補正された放電回数や放電時間がいつ頃に警報判定閾値以上となるかを判断して、異常に至る時期を予測する。
【0030】
警報制御部31eは、劣化判断部31cにより判断された劣化度合いが異常レベルに達している場合(補正された放電特性が異常判定閾値以上となる場合)、火炎検出器20が異常である旨を警報部(図示せず)から発報させるものである。さらに、警報制御部31eは、時期予測部31dにより予測された時期(火炎検出器20が異常に至る時期)の前(例えば火炎検出器20の交換に要する時間分だけ前や当該時間分+所定時間(例えば数か月以内)だけ前)に警報を警報部から出力させるものである。
【0031】
次に、本実施形態に係る燃焼制御装置30の処理を説明する。
図5及び
図6は、燃焼制御装置30による劣化判断処理の詳細を示すフローチャートである。なお、
図5及び
図6に示す処理は燃焼制御装置30の電源がオフとなるまで、繰り返し実行される。まず、
図5に示すように、マイクロプロセッサ31は、燃焼機器10が停止中であるかを判断する(S1)。この処理においてマイクロプロセッサ31は、信号入力部34からの信号に基づいて停止中(停止制御中)であるかを判断する。
【0032】
燃焼機器10が停止中でない場合(S1:NO)、停止中と判断されるまで、この処理が繰り返される。燃焼機器10が停止中である場合(S1:YES)、マイクロプロセッサ31は、タイマーをスタートさせる(S2)。なお、ステップS1において「YES」と判断されていることから、以降の処理においてフレーム信号「1」を検出した場合、その検出は、エラーでない限り、火炎検出器20の自己放電によるものであるといえる。エラーについては、本実施形態において説明しない公知の別機能等によって判断される。
【0033】
その後、電源電圧検出部37は電源電圧の計測を開始する(S3)。次いで、放電検出部31aは、フレーム信号が「1」であるかを判断する(S4)。フレーム信号が「1」でない場合(S4:NO)、処理はステップS10に移行する。
【0034】
フレーム信号が「1」である場合(S4:YES)、放電検出部31aは、放電時間tの計測中であるかを判断する(S5)。放電時間tの計測中である場合(S5:YES)、処理はステップS7に移行する。放電時間tの計測中でない場合(S5:NO)、放電検出部31aは、放電時間tの計測を開始する(S6)。その後、処理はステップS7に移行する。
【0035】
ステップS7において、放電検出部31aは、フレーム信号が「0」であるかを判断する(S7)。フレーム信号が「0」でない場合(S7:NO)、処理はステップS5に移行する。
【0036】
フレーム信号が「0」である場合(S7:YES)、放電検出部31aは、放電時間tの計測を終了する(S8)。次に、放電検出部31aは、放電回数nに「1」を加算する(S9)。
【0037】
次いで、マイクロプロセッサ31は、タイマーをスタートさせてから所定時間Tが経過したか、又は、放電回数nが所定値Cに達したかを判断する(S10)。所定時間Tが経過しておらず、且つ、放電回数nが所定値Cに達していない場合(S10:NO)、処理はステップS4に移行する。所定時間Tが経過し、又は、放電回数nが所定値Cに達した場合(S10:YES)、処理は
図6のステップS11に移行する。
【0038】
図6のステップS11において、電源電圧検出部37は電源電圧の計測を終了する(S11)。次いで、補正部31bは、ステップS3からステップS11までの処理において計測した電源電圧の平均値を算出する(S12)。この平均値が
図4を参照して説明した電圧V1又は電圧V2となる。
【0039】
次いで、補正部31bは、単位時間当たりの補正された放電時間tc及び放電回数nc(以下補正放電時間tc及び補正放電回数ncという)を算出する(S13)。例えば単位時間が所定時間Tのα分の1の長さの時間である場合、補正部31bは、所定時間Tで得られた放電時間t(所定時間Tでの合計)及び放電回数nを「α」で除することで単位時間当たりの放電時間及び放電回数を算出する。次いで、補正部31bは、
図4を参照したようにして、それらの放電時間及び放電回数を補正することで、補正放電時間tc及び補正放電回数ncを算出する。
【0040】
次に、劣化判断部31cは、補正放電時間tc及び補正放電回数ncが設定値(
図4に示した異常判定閾値)以上であるかを判断する(S14)。補正放電時間tc及び補正放電回数ncが設定値以上でない場合(S14:NO)、現時点において火炎検出器20は異常状態ではなく、処理はステップS16に移行する。
【0041】
一方、補正放電時間tc及び補正放電回数ncが設定値以上であると判断した場合(S14:YES)、警報制御部31eは警報部から異常である旨を発報させる(S15)。その後、処理はステップS16に移行する。
【0042】
ステップS16において、不揮発性メモリ38は、ステップS12により算出された電源電圧の平均値、並びに、補正放電時間tc及び補正放電回数ncを記憶する(S16)。
【0043】
次に、マイクロプロセッサ31は、タイマー、放電時間t及び放電回数nを停止のうえリセットする(S17)。その後、時期予測部31dは、火炎検出器20が異常に至る時期を予測する(S18)。この処理において時期予測部31dは、不揮発性メモリ38に記憶される補正放電時間tc及び補正放電回数ncの変化傾向に基づいて、補正放電時間tc又は補正放電回数ncが設定値以上となる時期を予測する。
【0044】
次に、劣化判断部31cは、ステップS18において予測された異常に至る時期が近いかを判断する(S19)。異常に至る時期が近くない場合(S19:NO)、
図6に示す処理は終了する。一方、異常に至る時期が近い場合(S19:YES)、警報制御部31eは、警報部から異常が近い旨の警報を出力させる(S20)。その後、
図6に示す処理は終了する。
【0045】
このようにして、本実施形態に係る燃焼制御装置30によれば、火炎検出器20に印加される電圧に基づいて放電特性を補正する。自己放電の頻度は火炎検出器20に印加する電圧の大きさにも依存するため、火炎検出器20に印加される電圧に基づいて放電特性を補正することで、例えば電圧による影響分を除去することが可能となり電圧の影響を除いた状態で劣化を判断することができる。従って、火炎検出器20の劣化判断について精度の向上を図ることができる。
【0046】
また、補正された放電特性を記憶し、記憶された放電特性の変化傾向から火炎検出器20が異常に至る時期を算出するため、例えば異常に至る直前等に警報を行うこともできる。よって、火炎検出器20が異常に至ってしまい燃焼制御装置30自体が使用不可となってしまう前に交換を促す等をすることができる。
【0047】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、可能な範囲で適宜他の技術を組み合わせてもよい。
【0048】
例えば、本実施形態において燃焼制御装置30を劣化判断装置の一例として説明したが、特にこれに限らず、劣化判断装置は、燃焼制御機能を有さず、火炎検出器20の劣化判断する機能部のみによって構成されていてもよい。
【0049】
また、上記実施形態において補正部31bは電源電圧の平均値を算出し、算出された平均値を電圧V1,V2として補正を行うが、特に電圧V1,V2は平均値に限られるものではなく、中央値等の他の値であってもよい。
【0050】
さらに、上記実施形態においては放電時間t及び放電回数nの双方を補正して劣化判断等を行っているが、特にこれに限らず、いずれか一方に基づいて劣化判断等してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 :燃焼システム
10 :燃焼機器
20 :火炎検出器
30 :燃焼制御装置(劣化判断装置)
31 :マイクロプロセッサ
31a :放電検出部(放電検出手段)
31b :補正部(補正手段)
31c :劣化判断部(劣化判断手段)
31d :時期予測部(時期予測手段)
31e :警報制御部
32 :燃焼制御部
33 :リレー出力部
34 :信号入力部
35 :フレーム電流検出部
36 :AD変換部
37 :電源電圧検出部(電圧検出手段)
38 :不揮発性メモリ(記憶手段)
n :放電回数
nc :補正放電回数
t :放電時間
tc :補正放電時間