(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023437
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】粒子線治療システム、および治療計画装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/10 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
A61N5/10 H
A61N5/10 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021128979
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】高柳 泰介
(72)【発明者】
【氏名】藤高 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 拓人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 幸太
(72)【発明者】
【氏名】上野 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 耕一
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082AC05
4C082AE01
4C082AG52
4C082AN02
4C082AN05
4C082AP07
4C082AP08
4C082AR02
(57)【要約】
【課題】従来に比べてガンマ線源画像の質を改善し、飛程の計測精度を改善することが可能な粒子線治療システム、および治療計画装置を提供する。
【解決手段】粒子線を標的に照射する陽子線照射装置101と、陽子線照射装置101による粒子線の照射計画を作成する治療計画装置210と、粒子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器205と、を備え、治療計画装置210は、予め設定された角度毎のガンマ線検出器205の空間分解能に基づき、ガンマ線検出器205の推奨設置位置を求める。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線を標的に照射する粒子線照射装置と、
前記粒子線照射装置による前記粒子線の照射計画を作成する治療計画装置と、
前記粒子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器と、を備え、
前記治療計画装置は、予め設定された角度毎のガンマ線検出器の空間分解能に基づき、前記ガンマ線検出器の推奨設置位置を求める
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項2】
請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記ガンマ線検出器は、自らの設置位置を移動可能な位置調整部を有する
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項3】
請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記治療計画装置は、照射線量が予め指定した閾値を超えるスポットを抽出する
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項4】
請求項3に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記治療計画装置は、前記ガンマ線検出器の前記空間分解能が所定基準以上となる領域に前記スポットの3次元位置が含まれるように前記推奨設置位置を探索する
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項5】
請求項3に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記スポットの3次元位置、および前記ガンマ線検出器の前記空間分解能が所定基準以上となる領域を表示する表示装置を更に備えた
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項6】
請求項2に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記位置調整部は、前記粒子線の照射中に前記ガンマ線検出器の設置位置を移動させる
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項7】
請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
前記空間分解能を、分解能の測定結果を直接用いた連続グラフ、あるいは一定以上の分解能を満たす領域をゼロとした階段関数状の非連続グラフとする
ことを特徴とする粒子線治療システム。
【請求項8】
粒子線を標的に照射する粒子線照射装置による前記粒子線の照射計画を作成する治療計画装置であって、
予め設定された角度毎の、前記粒子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器の空間分解能に基づき、前記ガンマ線検出器の推奨設置位置を求める
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項9】
請求項8に記載の治療計画装置において、
前記治療計画装置は、照射線量が予め指定した閾値を超えるスポットを抽出する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項10】
請求項9に記載の治療計画装置において、
前記治療計画装置は、前記スポットの3次元位置が前記ガンマ線検出器の前記空間分解能が所定基準以上となる領域高に含まれるように、前記推奨設置位置を探索する
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項11】
請求項8に記載の治療計画装置において、
前記空間分解能を、分解能の測定結果を直接用いた連続グラフ、あるいは一定以上の分解能を満たす領域をゼロとした階段関数状の非連続グラフとする
ことを特徴とする治療計画装置。
【請求項12】
請求項8に記載の治療計画装置において、
前記治療計画装置は、前記ガンマ線検出器の設置位置を移動可能な位置調整部、あるいは前記ガンマ線検出器の設置位置を入力する画面を表示する表示装置に信号を出力する
ことを特徴とする治療計画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子線治療システム、および治療計画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ペンシルビームスキャニングモードでの生体内での陽子線飛程確認のための即発γ線撮影の最初の臨床結果と価値評価として、脳腫瘍患者への陽子線治療中に陽子線トラックに沿って放出される即発ガンマ信号を記録するために、ナイフエッジ・スリット・コリメータデザインを採用したトロリー搭載の独立型即発ガンマカメラのプロトタイプを使用し、記録された個々のペンシルビームスポットの即発ガンマ深さ検出プロファイルを,治療計画からシミュレーションされた予想プロファイルと比較した結果、が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Xie Y., et al., “Prompt Gamma Imaging for In Vivo Range Verification of Pencil Beam Scanning Proton Therapy.” Int J Radiation Oncol Biol Phys, 99(1), 210-218, 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
磁場の十分低い条件では、陽子線、炭素線といった荷電粒子線は人体に入射すると周辺組織に線量を付与しながら直進し、最終的にすべての運動エネルギーを失って停止する。
【0005】
粒子線の停止位置を飛程と称し、飛程近傍にはブラッグピークと呼ばれる線量の極大領域を形成する。飛程以深の領域には線量を付与しないか、X線などの中性の電離放射線に対して線量を抑制することができる。このような特性から、粒子線治療では、従来広く用いられてきたX線治療に比べてより患部への線量集中性を高めることができ、正常組織へのダメージをより抑制したがん治療が期待できる。
【0006】
粒子線の患部への照射方法としては、ボーラス、コリメータといった患者固有器具を製作不要である点や腫瘍形状に合致した線量分布を形成可能な点から、スキャニング照射法が近年広く採用されている。
【0007】
スキャニング照射法では、患者体内、特に腫瘍などの高線量を付与すべき標的領域の内外に3次元的に無数の点(スポット)を配置し、各々のスポットを狙って細径のビーム(ペンシルビーム等と称す)を順番に照射していくことで標的領域に一様な線量分布を形成する。
【0008】
各々のスポットへの照射線量は、治療計画装置を用いて最適化される。治療計画とは、患者のCT画像等から得られる情報に基づいて患者体内の線量分布を計算し、標的領域内へ均一な線量が付与されるように、また、標的近傍に位置するリスク臓器(OAR:Organ At Risk)への被ばくを可能な限り避けるように各々のスポットへの照射線量を最適化していく手順である。
【0009】
最適化では、標的領域およびOARの内外に対して3次元的に無数の計算点を配置する。各計算点に対して線量の目標値を設定し、各々のスポットへの照射線量を調整しながら各計算点での線量を繰り返し計算する事で、目標値を達成するスポット毎の照射線量を得る。ここで、計算点とスポットの位置とは必ずしも同一ではないことに注意されたい。
【0010】
従って、治療計画には高い線量計算精度が求められる。しかしながら、正しく計算された計画であっても、計画通りの照射が行われない可能性が存在する。その要因は、外的要因と内的要因とに分けられる。
【0011】
計算誤差の外的要因には、治療室寝台への患者の位置決め誤差や、照射装置のビームの照射位置変動がある。
【0012】
計算誤差の内的要因には、呼吸や心拍等による腫瘍を含む体内構造の変形、移動がある。粒子線の線量分布は、腫瘍の位置だけでなく、そこに到達するまでにビームが通過する経路上の構造によっても大きく左右される。例えば、骨や空気層といった密度の大きく異なる領域がビーム経路上にあり、それら領域が呼吸などによってビーム照射中に大きく動く場合、腫瘍周辺の線量分布は大きく変化する可能性がある。
【0013】
さらに、重要な誤差要因として線量計算におけるCT値-阻止能変換の不確定性がある。治療計画では、事前に作成した変換テーブルに基づき、CT画像上の各ボクセルのCT値を粒子線阻止能に変換し、線量分布を計算する。CT値-阻止能変換テーブルは、阻止能が既知のファントムを用いて実験的に作成される。しかしながら、同じCT値であっても部位や患者ごとに阻止能のバラつきがあることから、線量分布の計算精度には誤差が生じる。
【0014】
計画通りの照射がなされない場合、線量不足による腫瘍の再発が起こる可能性がある。また、OARの高線量被ばくが引き起こされる可能性がある。そのため、位置決めおよび照射精度の向上、X線透視やMRIを用いたリアルタイムでの体内構造の監視とともに、CT値-阻止能変換の不確定性の影響をできる限り排除するための対策が必要となる。
【0015】
その対策の一つとして、体内の飛程を直接観測し、治療計画の結果と比較する方法が開示されている(非特許文献1参照)。観測した飛程が治療計画と合致していれば、その患者に対し、CT値-阻止能の変換テーブルが適切であったことを保証できる。また、仮に観測した飛程が治療計画と異なっていたとしても、その差に基づいて次回フラクション以降の治療計画を修正し、治療全体を通して高精度な粒子線治療を実現できる。
【0016】
上述のように、非特許文献1では、ビームの通過経路上から発生する高エネルギーガンマ線を利用することで、飛程を観測する方法が開示されている。
【0017】
具体的には、ビーム進行方向に対して位置分解能を持つ放射線検出器(ラインセンサ)を設置し、ビームの通過領域から発生したガンマ線を計測する。ラインセンサの直上にナイフエッジコリメータを設置することで、ガンマ線の到来方向が限定され、ガンマ線源、すなわちビーム通過経路の画像化が可能となる。飛程は、ビーム通過経路の終端、つまり、ガンマ線の強度が急激に低下する位置から推定できる。ここでナイフエッジコリメータとは、ピンホールコリメータをビーム進行方向と垂直な方向(以下、横方向)に射影した形状で表される。
【0018】
ここで、粒子線照射に伴って発生するガンマ線はエネルギーが高く、一部のガンマ線がコリメータのナイフエッジ部分を透過してラインセンサに至ることで、ガンマ線源の画像にボケを生じさせる。つまり、飛程の計測精度が低下する課題が存在する。
【0019】
本発明は、従来に比べてガンマ線源画像の質を改善し、飛程の計測精度を改善することが可能な粒子線治療システム、および治療計画装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、粒子線を標的に照射する粒子線照射装置と、前記粒子線照射装置による前記粒子線の照射計画を作成する治療計画装置と、前記粒子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器と、を備え、前記治療計画装置は、予め設定された角度毎のガンマ線検出器の空間分解能に基づき、前記ガンマ線検出器の推奨設置位置を求めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、従来に比べてガンマ線源画像の質を改善し、飛程の計測精度を改善することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施例における粒子線治療システムの概要図である。
【
図2】
図1おけるスキャニング照射法を用いた照射野形成装置、およびガンマ線検出器、治療計画装置の概要図である。
【
図3】実施例における粒子線治療システム、治療計画装置での治療計画のワークフロー図である。
【
図4】実施例における粒子線治療システム、治療計画装置での、計算点の配置関係を示す概要図である。
【
図5】実施例における粒子線治療システム、治療計画装置での、スポットの位置関係を示す概要図である。
【
図6】実施例における粒子線治療システム、治療計画装置での、コリメータの空間分解能の一例を示す概要図である。
【
図7】実施例における粒子線治療システム、治療計画装置での、コリメータの空間分解能の他の一例を示す概要図である。
【
図8】実施例の粒子線治療システム、治療計画装置における表示装置での表示画面に基づいたガンマ線検出器の位置決定の様子の概要を示す図である。
【
図9】実施例の粒子線治療システム、治療計画装置の他の形態の概要を示す図である。
【
図10】実施例の粒子線治療システム、治療計画装置におけるガンマ線検出器のコリメータの別形態を示す図である。
【
図11】実施例の粒子線治療システム、治療計画装置におけるガンマ線検出器のコリメータの更に別形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の粒子線治療システム、および治療計画装置の実施例について
図1乃至
図11を用いて説明する。なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0024】
最初に、本発明の実施例における粒子線治療システムの全体構成の概要について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施例における粒子線治療システムの概要図である。
【0025】
粒子線治療システムは、
図1に示すように、陽子線照射装置101を備えている。なお、本実施形態では陽子線照射装置を例に説明するが、本発明は陽子より質量の重い粒子(炭素線など)を用いた重粒子線照射装置にも適用することができる。
【0026】
陽子線照射装置101は、陽子線を標的に照射する装置であり、
図1に示すように、陽子線発生装置102、陽子線輸送装置103および回転式照射装置104を有する。なお、本実施形態では回転ガントリーを備える回転式照射装置104を例に説明するが、照射装置は固定式を採用することもできる。
【0027】
図1において、陽子線発生装置102は、イオン源105、前段加速器106(例えば、直線加速器)、およびシンクロトロン107を有する。
【0028】
イオン源105で発生した陽子イオンは、まず、前段加速器106で加速される。前段加速器106から出射した陽子線(以下、ビーム)は、シンクロトロン107で所定のエネルギーまで加速された後、出射デフレクタ108から陽子線輸送装置103に出射される。最終的に、ビームは回転式照射装置104を経て被照射体である患者201の腫瘍などの標的領域202に照射される。
【0029】
なお、本実施形態では陽子線の加速装置としてシンクロトロンを採用したが、サイクロトロンや直線加速器などの他の加速装置を採用することができる。
【0030】
回転式照射装置104は、回転ガントリー(図示の都合上省略)および照射野形成装置109を有する。回転ガントリーに設置された照射野形成装置109は、回転ガントリーと共に回転する。陽子線輸送装置103の一部は、回転ガントリーに取り付けられている。
【0031】
次に、照射野形成装置109の詳細について
図2を参照して説明する。
図2は
図1おけるスキャニング照射法を用いた照射野形成装置、およびガンマ線検出器、治療計画装置の概要図である。
【0032】
図2に示す本実施例の照射野形成装置はスキャニング照射法を採用する。スキャニング照射法では、患者201の体内、特に腫瘍などの高線量を付与すべき標的領域202の内部および周辺に対し3次元的に無数の点(以後、スポット203と記載する)を配置し、各々のスポット203を狙って順に細径のペンシルビームを照射していくことで、標的領域202に一様な線量分布を形成する。あるスポット203に所定の線量が付与されると、照射を停止して次の所定のスポット203に向けてビームが走査される。
【0033】
横方向(
図2におけるX方向およびY方向)へのビーム走査には、照射野形成装置109に搭載した走査電磁石204を用いる。Z方向のある深さについて全てのスポット203に所定線量を付与すると、照射野形成装置109はZ方向にビームを走査する。Z方向へのビームの走査は、シンクロトロン107での加速条件を変更する、もしくは、ビームを照射野形成装置109等に搭載したレンジシフタ(図示省略)を通過させる等の方法によりビームのエネルギーを変更することによって行う。通過したビームの飛程をガウス分布状に分散させ、ブラッグピークの幅を拡大するために、照射野形成装置109にはリッジフィルタ(図示省略)が設置されている場合もある。
【0034】
スキャニング照射法では、上述のような手順を繰り返すことで、最終的に標的領域202全体に一様な線量分布が形成される。スポット203毎のビームの横方向線量分布は、XY面において1σ=2[mm]-20[mm]のガウス分布状に広がっている。
【0035】
なお、スキャニング照射には、ディスクリート方式とラスター方式があり、本実施例ではディスクリート方式で説明するが、どちらの方式でも同様に効果が得られる。ディスクリート方式はスポット203の切替時に一旦ビームを停止する方式、ラスター方式は照射位置の移動中にもビームを停止しない方式である。
【0036】
各々のスポット203への照射線量は、治療計画装置210を用いて最適化される。治療計画とは、患者のCT画像等から得られる情報に基づいて患者体内の線量分布を計算し、標的領域内へ均一な線量が付与されるように、また、標的近傍に位置するリスク臓器(OAR)への被ばくを可能な限り避けるように各々のスポット203への照射線量を最適化していく手順である。治療計画の詳細手順は後述する。
【0037】
治療計画装置210は、陽子線照射装置101による粒子線の照射計画を作成する装置であり、好適には、各々がコンピュータ等で構成されている。これらを構成するコンピュータは、CPUやメモリ、インターフェース、表示装置211、マウス等に相当する入力装置、記録装置等を備えており、各機器の動作の制御や後述する各種演算処理等が様々なプログラムに基づいて実行される。これらのプログラムは各構成内の内部記録媒体や外部記録媒体、データサーバ(いずれも図示省略)等に格納されており、CPUによって読み出され、実行される。
【0038】
なお、動作の制御処理は、1つのプログラムにまとめられていても、それぞれが複数のプログラムに別れていてもよく、それらの組み合わせでもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、モジュール化されていても良い。更には、各種プログラムは、プログラム配布サーバや内部記憶媒体や外部記録媒体から各装置にインストールされてもよい。
【0039】
また、各々の装置やシステムは独立している必要はなく、2つ以上の装置やシステムを一体化,共通化して、処理のみを分担してもよい。また、少なくとも一部の構成が有線もしくは無線のネットワークを介して接続されているものとすることができる。
【0040】
本実施例では、治療計画装置210は、予め設定された角度毎のガンマ線検出器205の空間分解能に基づき、ガンマ線検出器205の推奨設置位置を求める。その上で、ガンマ線検出器205の設置位置を移動可能な駆動装置208、あるいはガンマ線検出器205の設置位置を入力する画面を表示する表示装置211に信号を出力する。それらの詳細は後述する。
【0041】
本発明の粒子線治療システムでは、治療計画に用いたCT値-阻止能の変換テーブルの妥当性を確認するために、ビームの通過経路上から発生する高エネルギーガンマ線を利用して、スポット203毎の陽子線の飛程位置をリアルタイムに観測する。そのために、照射野形成装置109には陽子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器205が設置される。
【0042】
ガンマ線検出器205は、ナイフエッジ型コリメータ(以下、コリメータ206と記載)と、ビーム進行方向(Z軸)に対して位置分解能を持つ放射線検出器(以下、ラインセンサ207と記載)と、により構成される。
【0043】
ここで、ナイフエッジ型のコリメータ206は、ピンホール型のコリメータをY軸方向に射影した形状で表され、タングステンや鉛といったガンマ線遮蔽能力の高い物質で形成される。
【0044】
ラインセンサ207は、入射した放射線に反応して電気信号を発生するシンチレーションカウンタや半導体検出器で構成される。
【0045】
更に、ガンマ線検出器205は、自らの設置位置を移動可能な駆動装置208を有している。
図2中、X,Y,Z軸方向に移動させ、位置の微調整や固定が可能な公知の構成を有している。この駆動装置208は、粒子線の照射中にガンマ線検出器205の設置位置を移動させるものとすることができる。
【0046】
駆動装置208は回転ガントリーに設置されており、照射野形成装置109とともに原点を中心として回転することができる。これにより、ガンマ線検出器205は回転ガントリーの回転角度に寄らずビーム進行方向(Z軸)との角度を平行に保つことができる。
【0047】
図2に示すように、ラインセンサ207で観測されるガンマ線の到来方向はコリメータ206によって限定されるため、ガンマ線検出器205はピンホールカメラと同様の原理でガンマ線源、すなわちビーム通過経路の画像化が可能となる。画像化はガンマ線検出器205に接続した信号処理装置209によって行われる。さらに、信号処理装置209は取得した画像から飛程を推定する。例えば、ビーム通過経路の終端、つまり、ガンマ線の強度が急激に低下する位置から推定するアルゴリズムが考えられる。ただし、本発明において、ガンマ線源画像からの飛程の推定アルゴリズムはこの方法に限るものではない。
【0048】
次に、本発明における治療計画立案の流れを
図3乃至
図5を参照して説明する。
図3は治療計画のワークフロー図、
図4は計算点の配置関係を示す概要図、
図5はスポット203の位置関係を示す概要図である。
【0049】
治療計画開始後は、まず、
図3に示すように、操作者は、治療計画装置210の表示装置211の領域入力画面を見ながら、入力装置を用いて、患者201のCT画像のスライスごとに指定すべき領域を入力する(手順301)。入力する領域とは、即ち、放射線を照射すべき標的領域と放射線の照射を極力避けるべきOARの領域である。各スライスで入力が終わると、操作者が入力した領域は、3次元の位置情報として治療計画装置210内の記録装置に保存される。
【0050】
手順301の後、
図4に示すように、治療計画装置210は標的領域202やOAR領域401の内外に合計M個の計算点402を3次元的に配置し、さらに標的領域202の内外にN個のスポット203を3次元的に配置する(手順302)。
【0051】
その後、治療計画装置210は、各々のスポット203に向けて照射されるビームのエネルギーを決定する(手順303)。
【0052】
ビームエネルギーの決定アルゴリズムとしては、例えば、
図5に示すように、走査点403から各々のスポット203に対してビームが直進すると近似し、飛程位置とスポット203とが一致するように探索する方法がある。ただし、本発明において、ビームエネルギーの決定アルゴリズムはこの方法に限るものではない。
【0053】
手順303において決定されたスポット203毎のビームエネルギー、飛程は記録装置に保存される。なお、走査点403の位置は、おおよそ走査電磁石の中心位置で近似される。
【0054】
次に、治療計画装置210は、各々のスポット203に向けて照射されたペンシルビームがM個の計算点に与える線量を計算し、M×Nの線量行列Aとして記録装置に保存する(手順304)。ここで、各計算点への全てのスポット203分の合計付与線量を要素とするM次元のベクトルをdとすると、dと各々のスポット203への照射量を要素とするN次元のベクトルxとの関係は、次式(1)で表せる。
【0055】
【0056】
次に、治療計画装置210は、標的領域に含まれるM(target)個の計算点に対し、目標とする照射線量Dを設定する。さらに、OAR領域に含まれるM(OAR)個の点に対し、許容線量値Dlimitを設定する。ここで、本発明の治療計画の作成の際に、治療計画装置210は、目的関数F(x)を次式(2)のように定める(手順305)。
【0057】
【0058】
式(2)中、第1項は標的領域に相当する部分となり、M(target)個の計算点での線量値dj
(target)が目標とする照射線量Dに近いほど目的関数F(x)は小さくなる。
【0059】
第2項はOARの線量制約に関する項であり、M(OAR)個の計算点での線量値d_j
(OAR)が許容線量Dlimitを超えない線量であればよい。θ(dj
(OAR)-Dlimit)は階段関数であり、dj(OAR)j<Dlimitの場合は0、それ以外の場合は1となる。ここで、w(k),w(OAR)は、それぞれの目的関数に対応する重みであって、操作者によって入力される値である。重みは、計算点毎に異なる数値を設定することもできる。
【0060】
なお、本発明の効果をより効果的に得るにあたり、スポット203毎の照射線量を最適化するための目的関数は、この式(2)に示す形態に限るものではない。
【0061】
本発明の治療計画手順では、治療計画装置210は、上記の目的関数F(x)を生成後、終了条件を満たすまで反復計算を繰り返すことで、目的関数F(x)が最も小さくなるxを探索する(手順306)。終了条件に達すると、反復計算を終了する。終了条件には、計算時間や反復回数、目的関数の変化量などの指標が設定される。探索終了後、スポット203毎の照射線量xが記録装置に保存される。
【0062】
次に、治療計画装置210は、予め設定した目的関数F2(r→)に基づいて、ガンマ線検出器205の設置位置r→を最適化する。本実施例ではコリメータ206の開口部中心をr→と定義したが、別の位置をガンマ線検出器205の位置と定義しても発明の効果は得られる。本発明では、目的関数F2(r→)を次式(3)のように定める(手順307)。
【0063】
【0064】
式(3)は、スポット203毎の線量とガンマ線検出器205の分解能との積で表現しており、xiは手順306で求めたi番目のスポット203の照射線量である。これにより、線量が高いほど、高分解能領域で観測されるものとすることができる。Rはガンマ線検出器205の位置r
→とスポットxiの成す角φで求まるガンマ線検出器205の空間分解能を示す。
図2より、φは以下の式(4)で示される。
【0065】
【0066】
式(4)中、r
⊥
→はr
→のX軸方向成分、r
i
→はスポットiの位置である。φに対するガンマ線検出器205の空間分解能Rは、実験やシミュレーション等を用いて事前に取得される。
図6および
図7に、空間分解能Rのグラフ501,505を示す。
【0067】
図6あるいは
図7に示すように、ナイフエッジ型のコリメータ206を用いたガンマ線検出器205では、視野の内側502であれば、φが大きいほどコリメータでのガンマ線の遮蔽性能が改善する、すなわち、視野の内側502の範囲内の限りにおいて視野の中心から離れた位置から飛来するガンマ線ほどコリメータの遮蔽性能が向上して、結果としてφの大きな領域に高分解能領域503を形成でき、画像のボケが低減し、飛程の計測精度が改善することが本発明者らの検討により明らかとなった。
【0068】
そこで、治療計画装置210は、ガンマ線検出器205の空間分解能が所定基準以上となる高分解能領域503に目的のスポット203の3次元位置が含まれるように推奨設置位置を探索することができる。この目的のスポット203は、好適には、照射線量が予め指定した閾値を超えるスポット203とすることができる。
【0069】
したがって手順307では、照射線量の大きなスポット203が出来るだけ高分解能領域503に含まれるようにガンマ線検出器205の位置r→が最適化される。
【0070】
また、その効果をより高めるために、視野の外側、つまりコリメータ206で完全に遮蔽される領域504は、厳密には分解能なし(無限大)とすることができる。領域504には、最適化時にできるだけスポット203が含まれないようにするため、視野の内側502と比較して大きな値が設定されるものとする。
【0071】
最適化に用いるガンマ線検出器205の空間分解能Rは、
図6に示すような、グラフ501に示すように分解能の測定結果を直接用いた連続グラフとすることができる。また、
図7に示すような、ある一定以上の分解能を満たす高分解能領域503をゼロとした階段関数状の非連続のグラフ505とすることができる。
【0072】
また、十分な数のガンマ線が発生する、飛程計測が可能な高線量のスポット203のみをr→の最適化に考慮するため、目的関数F2(r→)の計算に用いるスポット203毎の線量xは、予め設定した閾値未満をゼロ、閾値以上を1と離散化して用いることもできる。
【0073】
本発明の治療計画手順では、治療計画装置210は、上述の目的関数F2(r→)を生成後、終了条件を満たすまで反復計算を繰り返し、目的関数F2(r→)が最も小さくなるガンマ線検出器205の位置r→を探索する(手順308)。
【0074】
終了条件に達すると、反復計算を終了する。終了条件には、計算時間や計算回数、目的関数の変化量などの指標が設定される。探索終了後、ガンマ線検出器205の設置位置r→が記録装置に保存され、治療計画の作成が終了する。
【0075】
図3では、ガンマ線検出器205の位置r
→を目的関数F2(r
→)の最小化により治療計画装置210で最適化する場合を例示したが、手動でガンマ線検出器205の位置r
→を探索することも可能である。
図8は表示装置での表示画面に基づいたガンマ線検出器の位置決定の様子の概要を示す図である。
【0076】
図8に示すように、表示装置211に表示される操作画面701では、患者CT画像上に、標的領域202やコリメータ206、ラインセンサ207に加えて、ガンマ線検出器205の高分解能領域702や、十分な統計数が見込めるスポットのブラッグピーク予想
位置(高線量スポット703と記載)が表示される。
【0077】
この操作画面701に表示される高線量スポット703は、手順306で得られた、照射線量が予め設定した閾値を超えるスポット203とすることが望ましい。高分解能領域702は、ガンマ線検出器205の設置位置r→から定まる高分解能領域503に相当するものとする。
【0078】
このような操作画面701上では、ガンマ線検出器205の位置r→はマウスなどの入力装置を用いて自由に動かすことができ、操作者が入力装置を操作してガンマ線検出器205の位置を希望の箇所に設置することができる。
【0079】
例えば、照射線量が予め設定した閾値を超えるスポットができるだけ多く高分解能領域702に含まれるように配置位置を決めることで前述の高線量スポット703と高分解能領域702とが重なるようにガンマ線検出器205の設置位置r→を決定することができる。また、OARに近い領域のスポット203の飛程が計画通りであることを確認することを重視してOARに近い領域のスポット203が高分解能領域702に含まれるように配置位置を決めることができる。
【0080】
操作により決定されたガンマ線検出器205の設置位置は、実際の装置にも反映され、駆動装置208は、決定された設置位置にガンマ線検出器205を設定するよう駆動される。
【0081】
本発明の粒子線治療システムでは、治療前にまず駆動装置208を用いて、治療計画装置210によって最適化された位置r→に向けて、ガンマ線検出器205を移動させる。その後、治療計画装置210によって最適化された照射線量xに従って、患者体内の標的に対するスポット203毎のビーム照射が行われる。
【0082】
なお、駆動装置208を用いる代わりに、操作者が表示装置211の画面を参考にして自らの手でガンマ線検出器205を目的の位置に設置する形態とすることができる。
【0083】
また、上述の手順では照射中はガンマ線検出器205の設置位置は固定されているものとしたが、照射中にリアルタイムにガンマ線検出器205の設置位置を変化させて、ブラッグピーク位置を常に分解能の高い領域で捉えるようにすることができる。好適には、ビームエネルギー、即ちレイヤー毎に設置位置を変化させることができる。以下、
図9を用いて説明する。
図9実施例の粒子線治療システム、治療計画装置の他の形態の概要を示す図である。
【0084】
図9では、治療計画装置210は各々のスポット203ビームの飛程の推定位置情報を照射野形成装置109に出力し、照射野形成装置109は現在照射中のビームの飛程の推定位置情報を駆動装置208Aに対して出力して、駆動装置208Aはその推定位置情報に基づいて、照射中にビームの飛程が常に高分解能領域503に入るようにガンマ線検出器205の設置位置を調整する。
【0085】
なお、
図9においても、測定や駆動のタイミングを全てのスポット203とせずに照射線量が予め指定した閾値を超えるスポット203の照射の際に限定してもよいし、すべてのスポット203での照射の際としてもよく、特に限定されない。
【0086】
なお、上述の説明では、左右対称形状のナイフエッジ型のコリメータ206を用いる形態を示したが、シミュレーションや実験などで各々のスポット203位置に対する空間分解能を測定し、
図5あるいは
図6に示すような空間分解能のグラフを予め用意することが可能であれば、コリメータ形状は左右対称に限られるものではない。
【0087】
以下、
図10および
図11を用いて他の例について説明する。
図10および
図11はガンマ線検出器のコリメータの別形態の概要を示す図である。
【0088】
例えば、
図10に示すように、コリメータ601を左右非対称形状としても本発明の効果が得られる。このようなコリメータ601の形状では、高分解能領域602での観測において、高線量スポット603とラインセンサ207との距離を近づけることができるため、測定されるガンマ線の数が増大する。従って、統計誤差が減少し、飛程の計測精度を改善することができる。
【0089】
また、
図11に示すように、リーフ駆動装置604に接続した複数の金属製リーフ605で構成されるマルチリーフコリメータ606でも、本発明の効果が得られる。このマルチリーフコリメータ606では、標的領域202の大きさに基づいてナイフエッジの形状を調整することができるため、ガンマ線検出器205の駆動装置208を必要としない、との利点がある。また、スポット203毎もしくはビームエネルギー(レイヤー)毎にナイフエッジ形状を調整することで、全てのスポット203をガンマ線検出器205の高分解能領域503に入れて観測することも容易である。
【0090】
各々のスポット203に対する適切なマルチリーフコリメータ606の開口形状は、ガンマ線検出器205の空間分解能Rを開口形状毎に予め計算、測定しておくことで、目的関数F2(r→)の最小化により求めることができる。このとき、ガンマ線検出器205の位置r→は固定値である。また、マルチリーフコリメータ606の開口形状は位置操作者により手動で決めることも可能である。
【0091】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0092】
上述した本実施例の粒子線治療システムでは、粒子線を標的に照射する陽子線照射装置101と、陽子線照射装置101による粒子線の照射計画を作成する治療計画装置210と、粒子線の照射に伴い発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器205と、を備え、治療計画装置210は、予め設定された角度毎のガンマ線検出器205の空間分解能に基づき、ガンマ線検出器205の推奨設置位置を求める。
【0093】
これによって、ガンマ線検出器205の位置を調整して空間分解能の高い領域を用いてガンマ線測定を行うことができるようになり、ガンマ線源画像の質を改善し、飛程の計測精度を改善できる。従って、より正確にCT値-阻止能の変換テーブルの患者毎の妥当性を確認することができるようになる。また、仮に観測した飛程が治療計画と異なっていたとしても、その差に基づいて次回フラクション以降の治療計画を修正し、治療全体を通して従来に比べてより高精度な粒子線治療を実現できる。
【0094】
また、ガンマ線検出器205は、自らの設置位置を移動可能な駆動装置208を有するため、高精度なガンマ線検出器205の位置決めが可能となる。
【0095】
更に、粒子線治療におけるスキャニング照射法では、大多数のスポット203は照射線量が小さく、十分な数のガンマ線が放出されないため、統計誤差によってガンマ線源画像の質が劣化する虞がある。つまり、上述のコリメータのガンマ線の遮蔽性能不足の改善余地があるのと同様に、飛程の計測精度をより改善できる余地がある。
【0096】
ここで、線量計算で用いたCT値-阻止能の変換テーブルが各患者にとって適切であり、計画通りの照射が行われたことを確認するためには、少なくとも1つ以上のスポット203で飛程を観測し治療計画と比較できれば良く、必ずしもすべてのスポット203に対して飛程を計測する必要はないことを本発明者らは上述の検討の過程で見出した。
【0097】
そこで、治療計画装置210は、照射線量が予め指定した閾値を超える高線量スポット603,703を抽出することで、高い精度で測定が可能な領域を特定でき、精度の高い箇所での照射のタイミングだけで測定が可能となるため、更に正確なCT値-阻止能の変換テーブルの患者毎の妥当性を確認することができるようになる。
【0098】
また、治療計画装置210は、ガンマ線検出器205の空間分解能が所定基準以上となるガンマ線検出器205の高分解能領域503に高線量スポット603,703の3次元位置が含まれるように推奨設置位置を探索することにより、精度の高い箇所での測定データが多く得られるようになり、ガンマ線源画像の質をより改善することができる。
【0099】
更に、スポット203の3次元位置、およびガンマ線検出器205の空間分解能が所定基準以上となる高分解能領域702を表示する表示装置211を更に備えたことで、操作者が所望の位置での測定結果を得たい場合などに適した形態とすることができる。
【0100】
また、駆動装置208は、粒子線の照射中にガンマ線検出器205の設置位置を移動させることにより、より多くの高精度の測定データを取得できるようになり、ガンマ線源画像の質を大きく改善することができる。
【0101】
更に、空間分解能を、分解能の測定結果を直接用いた連続グラフ、あるいは一定以上の分解能を満たすガンマ線検出器205の高分解能領域503をゼロとした階段関数状の非連続グラフとすることで、より正確な空間分解能、あるいはより簡易な関数により定義された空間分解能に基づいた推奨設置位置の探索が可能となる。
【0102】
<その他>
なお、本発明は上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
【符号の説明】
【0103】
101…陽子線照射装置(粒子線照射装置)
102…陽子線発生装置
103…陽子線輸送装置
104…回転式照射装置
105…イオン源
106…前段加速器
107…シンクロトロン
108…出射デフレクタ
109…照射野形成装置
201…患者
202…標的領域
203…スポット
204…走査電磁石
205…ガンマ線検出器
206…コリメータ
207…ラインセンサ
208,208A…駆動装置(位置調整部)
209…信号処理装置
210…治療計画装置
211…表示装置
301…CT画像上に領域を入力する手順
302…領域内外に計算点とスポットを配置する手順
303…スポット毎のビームエネルギー、飛程を計算する手順
304…線量行列を計算する手順
305…スポット毎の処方線量探索のための目的関数を設定する手順
306…反復計算によりスポット毎の処方線量を探索する手順
307…ガンマ線検出器の設置位置探索のための目的関数を設定する手順
308…反復計算によりガンマ線検出器の設置位置を探索する手順
401…OAR領域
402…計算点
403…走査点
501…角度φ毎のガンマ線検出器の空間分解能を示すグラフ
502…ガンマ線検出器の視野(ガンマ線検出可能領域)
503…ガンマ線検出器の高分解能領域
504…ガンマ線検出器の視野の外側(ガンマ線検出不可領域)
505…角度φ毎のガンマ線検出器の空間分解能を閾値で離散化したグラフ
601…左右非対称のコリメータ
602…ガンマ線検出器の高分解能領域
603…高線量スポット
604…リーフ駆動装置
605…金属製リーフ
606…マルチリーフコリメータ
701…操作画面
702…高分解能領域
703…高線量スポット