(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023463
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】水分量測定方法および水分量測定システム
(51)【国際特許分類】
G01N 23/09 20180101AFI20230209BHJP
【FI】
G01N23/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129026
(22)【出願日】2021-08-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 土木学会第75回年次学術講演会、令和02年09月07~11日
(71)【出願人】
【識別番号】592069296
【氏名又は名称】ソイルアンドロックエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179855
【弁理士】
【氏名又は名称】藁科 えりか
(74)【代理人】
【識別番号】100086195
【氏名又は名称】藁科 孝雄
(72)【発明者】
【氏名】谷口 龍
(72)【発明者】
【氏名】池永 太一
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄貴
【テーマコード(参考)】
2G001
【Fターム(参考)】
2G001AA04
2G001AA07
2G001AA11
2G001BA16
2G001BA29
2G001CA04
2G001CA07
2G001FA14
2G001KA01
2G001LA03
2G001NA01
2G001PA11
(57)【要約】
【課題】表面に凹凸のある試料では、正確な水分量の測定が難しい。
【解決手段】土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する校正式を算出し、試料を複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得する準備工程S1~3と、土質区分が未知の試料の2次元形状およびその計数率を測定する測定工程S4と、未知の試料の2次元形状および計数率を、前記関数、校正式、寄与率を使用して補正し、水分量を算出する補正工程S5~8と、を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出し、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得する準備工程と、
土質区分が未知の試料の2次元形状をレーザスキャナ部で、その試料の熱中性子の計数率を水分量測定部でそれぞれ測定する測定工程と、
測定工程で測定された試料の2次元形状から、準備工程であらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別し、判別された土質区分に該当する校正式を、準備工程であらかじめ取得した校正式から選択、決定し、測定工程で測定された試料の寄与率を、準備工程であらかじめ取得した寄与率から決定し、決定した校正式、寄与率により、測定工程で測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する補正工程と、
を備える水分量測定方法。
【請求項2】
寄与率を算出する準備工程にて、複数の試料のうち、試料ごとにその中央下方に水分量測定部を配置し、試料を長手方向に等しく2つに分断し、分断された試料の一方にて、その長手方向およびその長手方向に対する垂直方向に一定の長さからなる複数の段および列を形成し、段および列で分割して一定の個別体積からなるブロックを複数作成する請求項1記載の水分量測定方法。
【請求項3】
寄与率を算出する準備工程にて、水分量測定部から放射される放射線の挙動のシミュレートを行い、寄与率をブロックごとに算出する請求項1または2記載の水分量測定方法。
【請求項4】
土質区分を判別する関数を決定する準備工程および関数により試料の土質区分を判別する補正工程にて、試料の2次元形状から試料の高さの標準偏差を算出するとともに、計数率から計数率比を算出し、算出された標準偏差および計数率比を土質区分の判別に使用する請求項1~3のいずれか記載の水分量測定方法。
【請求項5】
放射線を使用して熱中性子の計数率から試料の水分量を測定する水分量測定部と、
試料の2次元形状を測定するレーザスキャナ部と、
水分量測定部およびレーザスキャナ部が接続される制御部と、
を少なくとも備える水分量測定システムにおいて、
水分量測定部は試料の中央下方に、レーザスキャナ部は試料の上方にそれぞれ配置され、
制御部は、
土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出し、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得し、
土質区分が未知の試料の2次元形状をレーザスキャナ部で、その試料の熱中性子の計数率を水分量測定部でそれぞれ測定し、
測定された試料の2次元形状から、あらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別し、判別された土質区分に該当する校正式を、あらかじめ取得した校正式から選択、決定し、測定された試料の寄与率を、あらかじめ取得した寄与率から決定し、決定した校正式、寄与率により、測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する水分量測定システム。
【請求項6】
制御部は、寄与率の算出にあたり、複数の試料のうち、試料ごとにその中央下方に水分量測定部を配置し、試料を長手方向に等しく2つに分断し、分断された試料の一方をその長手方向およびその長手方向に対する垂直方向に一定の長さからなる複数の段および列を形成し、段および列で分割して一定の個別体積からなるブロックを複数作成する請求項5記載の水分量測定システム。
【請求項7】
制御部は、寄与率の算出にあたり、水分量測定部から放射される放射線の挙動のシミュレートを行って、寄与率をブロックごとに算出する請求項5または6記載の水分量測定システム。
【請求項8】
制御部は、土質区分を判別する関数の決定および関数による試料の土質区分の判別にあたり、試料の2次元形状から試料の高さの標準偏差を算出するとともに、計数率から計数率比を算出し、算出された標準偏差および計数率比を土質区分の判別に使用する請求項5~7のいずれか記載の水分量測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の水分量(含水比)を測定する水分量測定方法および水分量測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場においては、たとえば現場で使用する土、石などの試料の水分量(含水比)を使用前にあらかじめ測定、確認している。特にベルトコンベアで試料を搬送しながら、リアルタイムで水分量を測定する必要が生じる場合も多い。
ベルトコンベア上での測定の場合は試料との非接触の測定が特に求められるため、放射性物質を利用したRI(ラジオアイソトープ)水分計がよく使用されている。
【0003】
RI水分計には主に透過型と散乱型の2種類があり、いずれも、内蔵した放射性物質から放射線(中性子線)を放射する放射線源(中性子線源)と、放射線を検出する放射線検出器(中性子線検出器)とから構成されている。非接触の測定で用いられるのは散乱型RI水分計である。
【0004】
散乱型RI水分計は、放射線源と放射線検出器とが一体化され、測定対象の表面に配置される。散乱型RI水分計の放射線源から中性子線が放射され、概略、測定対象内の水素原子核に衝突して発生し、減衰した熱中性子を放射線検出器が電気信号として検出する。検出した信号を、散乱型RI水分計の放射線検出器に接続された(制御装置の)制御部が受信する。ここで、1分間に検出される熱中性子の数(カウント数)、すなわち熱中性子の計数率(単位cpm)は、測定対象の水素含有密度に対応して関数で表されることが知られている。この関数を校正式として、測定された熱中性子の計数率が、(制御装置の)制御部により水分量(含水比、単位%)として算出される。
【0005】
一方、透過型RI水分計では、放射線源(中性子線源)は測定対象である地中に埋め込まれ、地表に放射線検出器が配置される。放射線源から放射された中性子線は、測定対象である地中を通過して地表の放射線検出器に至る。
【0006】
散乱型RI水分計は、透過型RI水分計のように放射線源を地中に埋め込む必要がなく、測定対象となる試料の表面に配置すれば足りるため、測定対象となる試料に接触することなく水分量(含水比)を算出することができる。
以下特に明示がなければ、水分計(水分量測定部)は散乱型RI水分計とされる。
【0007】
ところで、水分量(含水比)の測定においては、測定対象となる試料の高さが一定であることを前提としている。試料の高さが一定でなく試料の上表面(平面)に凹凸があると、正確な水分量を測定することができないためである。
【0008】
しかし、試料を平面にそのまま積載すると、試料の質量や粒度により試料が放射状に広がる。その結果、試料がその中央部にうず高く、その中央部から裾の長く延びる山型形状となったり、山型形状の頂点が凹状にへこんだすり鉢形状(後述する
図5(A)(B)参照)となる。このように、ベルトコンベア上に試料をそのまま積載すると試料の高さが一定にならず、試料の表面に凹凸が形成される。
また、平面における試料の範囲が広ければ、より正確な水分量を測定することができる。しかし、ベルトコンベア上で試料の範囲や量を調整することは難しい。
【0009】
このように、特にベルトコンベアを稼働しながら、ベルトコンベア上の試料の量や形状、表面の凹凸を制御して試料の高さを一定にすることは難しく、測定した水分量と実際の水分量との間に誤差が生じる。
そのため、試料の高さを一定にすることなく、ベルトコンベア上で試料を搬送したままより正確に水分量を測定する方法(システム)や、測定した計数率を補正して実際の水分量に近似させる方法(システム)が知られている(たとえば、特開2021-028599号公報、特開平06-129980号公報、特開昭51-080291号公報)。
【0010】
特開2021-028599号公報では、非接触の水分計(水分量測定部)は、棒状の放射線源と、放射線源から離反してその周囲を被覆する放射線検出器とを備えている。放射線検出器は、棒状の放射線を中心とした中空の円柱形状の外表面を被覆するように配置されている。つまり、水分計は放射線源を中心とし、円柱形状の放射線検出器が回転可能とされている。
この水分計をベルトコンベアの下に配置すると、円柱形状の放射線検出器がベルトコンベアの搬送の流れに沿って回転し、回転しながらベルトコンベア上の試料で反射された熱中性子を検出する。放射線検出器で検出された熱中性子の数(カウント数)が熱中性子の計数率(単位cpm)として制御部に送信され、制御部が水分量(含水比)を算出する。
【0011】
特開平06-129980号公報では、ベルトコンベアから離反した上方に非接触の距離計および水分計(水分量測定部)が設けられるとともに、距離計の下方であってベルトコンベアの底面に秤量機が配置され、距離計、水分計および秤量機は制御部に接続されている。なお、特開平06-129980号公報では、試料として石炭が挙げられている。また、水分計(水分量測定部)はマイクロ波を用いている。
【0012】
ベルトコンベアで搬送された試料は、秤量機により試料の質量が、距離計によりその距離計から試料の表面までの距離が、水分計により試料の計数率がそれぞれ測定される。距離計により測定された距離が制御部に送信され、制御部は試料の高さを算出し、その試料の高さと質量から試料の密度(嵩密度)を算出する。また、制御部は、試料である石炭の粒度別に、水分量(含水比。単位%)と試料の高さとの関係を表す第1の補正テーブルと、水分量と試料の嵩密度との関係を表す第2の補正テーブルをあらかじめ保有している。制御部は、2種類の補正テーブルにより測定された計数率を補正し、水分量を算出している。
【0013】
特開昭51-080291号公報では、ベルトコンベアの下方に水分計(水分量測定部)を配置するとともに、ベルトコンベアから離反した上方に、ガンマ線を使用した密度計のガンマ線検出器を配置している。水分計の放射線源を格納する格納部には密度計の放射線源も格納されており、放射線源は中性子線およびガンマ線を放射可能としている。また、制御部が水分計および密度計に接続されている。
【0014】
ここで、試料の水素原子と水分量に係る熱中性子とが関係するように、中性子の減衰と試料の嵩密度とが関係することが一般に知られている。すなわち、試料の嵩密度を一定とした場合に水分量に係る計数率と試料の高さとの関係、および、密度計により測定された密度と計数率との関係が、それぞれ一定の関数となっている。
そこで、まず、ベルトコンベア上を搬送される試料に対して、放射線源から中性子線およびガンマ線を放射し、これらの放射線を水分計および密度計の各放射線検出器が検出して、制御部が水分量(含水比)および密度を算出する。そして、制御部は、算出された密度から試料の質量を算出する。測定された水分量および質量から試料の高さによる補正を行い、水分量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2021-028599号公報
【特許文献2】特開平06-129980号公報
【特許文献3】特開昭51-080291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特開2021-028599号公報では、ベルトコンベア上の試料をベルトコンベアで搬送しながら測定することができる。
しかし、ベルトコンベアの下から非接触の水分計で試料を測定しており、試料の表面に凹凸があり、高さが一定ではない試料では正確な水分量の把握が難しい。また、補正については言及されておらず、正確な水分量の把握がさらに難しい。
【0017】
特開平06-129980号公報をRI水分計に適用すれば、制御部により水分量が自動的に補正、算出される。特に、粒度が大きく表面に凹凸ができやすい粘性土が試料であっても、その表面を物理的に均す必要はなく、水分量が自動的に補正、算出される。
しかし、嵩密度は試料の充てんの仕方などにより変化する。そのため、試料の嵩密度で水分量(正確には計数率)を補正すると、補正した水分量と実際の水分量との間に大きな差が生じ、正確な水分量の把握が難しい。
【0018】
特開昭51-080291号公報では試料の質量および高さで補正するため、表面に凹凸のある試料や少量の試料であっても補正により正確な水分量に近い値を得ることができる。
しかし、試料の質量や高さは、水分計および密度計で取得した値を使用して算出された値であり、実際の質量や高さとは異なる可能性が否定できない。また、水分計のみならず密度計も使用しており、その設置や扱いに手間や時間がかかる。
【0019】
本発明は、表面に凹凸のある試料であっても実際の水分量に近い補正量を算出し、短時間で簡単に正確な水分量(含水比)を把握することのできる水分量測定方法の提供を目的としている。
また、本発明は、表面に凹凸のある試料であっても実際の水分量に近い補正量を算出し、短時間で簡単に正確な水分量(含水比)を把握することのできる水分量測定システムの提供を別の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、水分量測定部のみならず試料の2次元形状を測定するレーザスキャナ部を備え、土質区分の異なる複数の試料について、試料ごとに土質区分を判別する関数や校正式、試料全体の水分量に対する寄与率をあらかじめ取得している。
すなわち、請求項1に係る本発明によれば、土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出し、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得する準備工程と、土質区分が未知の試料の2次元形状をレーザスキャナ部で、その試料の熱中性子の計数率を水分量測定部でそれぞれ測定する測定工程と、測定工程で測定された試料の2次元形状から、準備工程であらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別し、判別された土質区分に該当する校正式を、準備工程であらかじめ取得した校正式から選択、決定し、測定工程で測定された試料の寄与率を、準備工程であらかじめ取得した寄与率から決定し、決定した校正式、寄与率により、測定工程で測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する補正工程と、を備えている。
【0021】
また、請求項5に係る本発明によれば、放射線を使用して熱中性子の計数率から試料の水分量を測定する水分量測定部と、試料の2次元形状を測定するレーザスキャナ部と、水分量測定部およびレーザスキャナ部が接続される制御部と、を少なくとも備える水分量測定システムにおいて、水分量測定部は試料の中央下方に、レーザスキャナ部は試料の上方にそれぞれ配置され、制御部は、土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出し、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得し、土質区分が未知の試料の2次元形状をレーザスキャナ部で、その試料の熱中性子の計数率を水分量測定部でそれぞれ測定し、測定された試料の2次元形状から、あらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別し、判別された土質区分に該当する校正式を、あらかじめ取得した校正式から選択、決定し、測定された試料の寄与率を、あらかじめ取得した寄与率から決定し、決定した校正式、寄与率により、測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出している。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、5に係る本発明では、水分量測定部(水分計)およびレーザスキャナ部を使用して非接触で試料に係る熱中性子の計数率および試料の表面の形状(2次元形状)を、ベルトコンベア上などで試料を搬送しながら簡単に把握することができる。
そして、あらかじめ既知の試料ごとに関数、校正式、寄与率を取得しておけば、表面に凹凸のある未知の土質区分の試料に対して自動的に土質区分が判別され、その試料の校正式、寄与率に基づき、実際の水分量に近い補正量が自動的に決定される。これにより、凹凸のある試料でも、短時間で簡単に正確な水分量(含水比)を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例に係る水分量測定システム(本発明の実施例に係る水分量測定方法を具体化したシステム)の概略正面図を示す。
【
図2】本発明の一実施例に係る水分量測定方法の概略フロー図を示す。
【
図4】水分量測定方法のうち、関数決定工程の詳細なフロー図を示す。
【
図5】(A)(B)は、関数決定工程における各試料の2次元形状を表したグラフをそれぞれ示す。
【
図6】関数決定工程における計数率比と試料の高さの標準偏差との関係を表したグラフを示す。
【
図7】校正式算出工程における含水比と計数率比との関係を表したグラフを示す。
【
図8】水分量測定方法のうち、寄与率算出工程の詳細なフロー図を示す。
【
図9】寄与率算出工程におけるブロックの分割を表す試料、試料受け部、水分量測定部の概略正面図であり、(A)は第5段第1列のブロックを除去した概略正面図、(B)は第3段~第5段のブロックおよび第2段第2列のブロックを除去した概略正面図をそれぞれ示す。
【
図10】各ブロックの寄与率を表す試料、試料受け部、水分量測定部の概略正面図を示す。
【
図11】検証のための試料および試料受け部の概略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定し、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出し、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出することを繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得する準備工程と、土質区分が未知の試料の2次元形状をレーザスキャナ部で、その試料の熱中性子の計数率を水分量測定部でそれぞれ測定する測定工程と、測定工程で測定された試料の2次元形状から、準備工程であらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別し、判別された土質区分に該当する校正式を、準備工程であらかじめ取得した校正式から選択、決定し、測定工程で測定された試料の寄与率を、準備工程であらかじめ取得した寄与率から決定し、決定した校正式、寄与率により、測定工程で測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する補正工程と、を備えている。
【実施例0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る水分量測定システム(本発明の実施例に係る水分量測定方法を具体化したシステム)の概略正面図を示す。
【0026】
(水分量測定方法を具体化した)水分量測定システム1は、放射線を使用して熱中性子の計数率から試料の水分量(含水比)を測定する水分量測定部10と、試料の2次元形状を測定するレーザスキャナ部20と、水分量測定部およびレーザスキャナ部が接続される制御部30と、を少なくとも備えている。
【0027】
試料100は、平らな面を持つ試料受け部110の平面中央部に積載されている。試料受け部110は地表120から離反し、かつ、地表に対して水平に配置されている。
図1では、試料100の高さは符号Z
1、試料受け部110の厚みはZ
2、地表120から試料受け部までの高さはZ
3でそれぞれ表されている。
図1の符号111は試料受け部110を支持する支持部を示している。後述するように、試料受け部110はたとえば、準備工程S1~3(後述する
図2)ではアルミ板、測定工程S4および補正工程S5~8ではベルトコンベアとそれぞれされている。
【0028】
水分量測定部10は、放射線(中性子線)を使用して、熱中性子の計数率(カウント数。単位cpm)から試料の水分量(単位%)を非接触で測定可能としている。水分量測定部10は、たとえば散乱型RI(ラジオアイソトープ)水分計とされる。水分量測定部10は、試料受け部110の底面中央部に配置されている。言い換えると、水分測定部10は、試料受け部110上に積載された試料100から見て、その試料の中央下方に配置されている。
【0029】
詳細には、水分量測定部(散乱型RI水分計)10は、放射線(中性子線)を放射する放射線源12と、放射線源から放射されて試料中の水素原子核100’に衝突して発生(反射)した熱中性子を検出する放射線検出器14とを一体化して構成されている。放射線源12として中性子線を放出するカリホルニウムなどが使用され、この放射線源は水分量測定部の格納部12’に厳重に封入、格納されている。
図1の波線は、放射もしくは反射する放射線(中性子線)を表している。
【0030】
レーザスキャナ部20は、非接触で試料100の表面の凹凸、つまり地表120(試料受け部110の平面)に対する垂直断面の2次元形状を測定可能としている。レーザスキャナ部20は、たとえばLiDARとされる。レーザスキャナ部20は、試料100の上方で試料と離反して配置されている。
図1を見ると理解されるように、レーザスキャナ部20は試料100の中央上方、すなわち試料受け部110を間にして水分量測定部10と対向して配置されている。
図1では、試料100からレーザスキャナ部20までの高さはZ
4で表されている。
レーザスキャナ部20は、レーザスキャナ部の周囲の角度ごとに試料100との距離Z
4をリアルタイムで出力している(後述する
図5(A)(B))。すなわち、レーザスキャナ部20により、試料の表面の形状(凹凸)が、距離Z
4や角度などの数値データとしてリアルタイムで測定、取得されている。
【0031】
制御部30は、水分量測定部10およびレーザスキャナ部20に接続されている。制御部30は、水分量測定部の放射線検出器14が検出した熱中性子のカウント数(以下、適宜「計数率」ともいう。)から試料100の計数率比や水分量(含水比)を算出したり、レーザスキャナ部20が測定した試料との距離Z4から試料の高さZ1を算出し、レーザスキャナ部の角度と併せて、数値データとして試料の2次元形状を把握している。
【0032】
詳細には、制御部30は制御装置30’に内蔵され、制御部を含む制御装置は情報処理機能を有するCPU(プロセッサ)30’-1により制御されている。また、制御装置30’には、各種のプログラムを実行する制御部30のほか、フラッシュメモリなどの記憶媒体から構成されて情報を記憶する記憶部32、タッチパネルやキーボード、ボタンなどの入力手段34’からの入力を受け付ける入力部34、ディスプレイなどの出力(表示)手段36’に出力する出力部36などを有している。そのほか、制御装置30’は、ネットワークを介して外部と通信する通信部(図示しない)などを有していてもよく、この構成に限定されない。
【0033】
図2は、本発明の一実施例に係る水分量測定方法の概略フロー図、
図3は水分量測定方法の詳細なフロー図をそれぞれ示す。
制御装置の記憶部32には、たとえば水分量測定プログラム(図示しない)や、水分量測定部10による熱中性子の計数率やレーザスキャナ部20による試料との距離Z
4などの数値データが一時的に記憶されている。制御部30は、記憶部32に記憶された水分量測定プログラム(図示しない)を実行することで、
図2の準備工程S1~3、測定工程S4、補正工程S5~8を順に行う。これらの工程S1~8を行うために、制御部30は、土質区分が既知の異なる複数の試料について、放射線を使用した水分量測定部で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定する関数決定手段30-1(S1;関数決定工程)、判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を算出する校正式算出手段30-2(S2;校正式算出工程)、試料を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出する寄与率算出手段30-3(S3;寄与率算出工程)を有し、さらに、測定された試料の2次元形状から、あらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別する土質区分判別手段30-5(S5;土質区分判別工程)、判別された土質区分に該当する校正式を、あらかじめ取得した校正式から選択、決定する校正式決定手段30-6(S6;校正式決定工程)、測定された試料の寄与率を、あらかじめ取得した寄与率から決定する寄与率決定手段30-7(S7;寄与率決定工程)、決定した校正式、寄与率により、測定された試料の熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する水分量補正手段30-8(S8;水分量補正工程)を有し、これらの手段として機能する(
図2、3)。なお、測定工程S4は、水分量測定部10およびレーザスキャナ部20が行う。
【0034】
図3の一点鎖線で示すように、本発明の水分量測定方法では、準備工程の関数決定工程S1で決定された関数は、補正工程の土質区分判別工程S5で使用される。同様に、準備工程の校正式算出工程S2で算出された校正式は、補正工程の校正式決定工程S6で使用され、準備工程の寄与率算出工程S3で算出された寄与率は、補正工程の寄与率決定工程S7で使用される。つまり、準備工程S1~3で決定、算出された関数、校正式、寄与率は、測定工程S4で測定された2次元形状の数値データ(試料までの距離Z
4から算出される試料の高さZ
1、角度など)とともに、測定工程S4で測定された計数率を補正工程S5~8で補正するために使用される。
【0035】
以下、(水分量測定方法を具体化した)水分量測定システム1の制御部30で行われる水分量測定方法の各工程について、主に説明する。
1.各工程の説明
準備工程では、土質区分が既知の異なる複数の試料100(100A、100B…)について、関数決定工程S1、校正式算出工程S2、寄与率算出工程S3を順に繰り返して、試料ごとの関数、校正式、寄与率をあらかじめ取得することを目的としている。
【0036】
前提となる水分量測定システム1について簡単に説明すると、支持部111を地表120に設置し、試料を配置するための試料受け部110を支持部で支持、固定する。試料受け部110の底面中央部に、水分量測定部(散乱型RI水分計)10を設置する。試料受け部110(試料100)の平面中央の上方に、試料受け部の平面から離反してレーザスキャナ部20(たとえばLiDAR)を配置する。
【0037】
1.1 関数決定工程S1
関数決定手段30-1により行われる関数決定工程S1では、土質区分が既知の異なる複数の試料100について、放射線を使用した水分量測定部10で試料の水分量に係る熱中性子の計数率を、レーザスキャナ部20により試料の2次元形状を、試料ごとに測定して土質区分を判別する関数を決定する。
図4は、水分量測定方法のうち、関数決定工程の詳細なフロー図を示す。
図5(A)(B)は、関数決定工程における各試料の2次元形状を表したグラフをそれぞれ示す。
図5(A)(B)の縦軸は試料100の高さ(単位mm)、横軸は試料の長手方向の中央の位置を0とした場合の長手方向(裾)の長さ(単位mm)である。
【0038】
図4に示すように、初めに、土質区分の異なる複数の試料から1の試料100Aを選択し、試料受け部110の表面中央部に積載する(S1-1)。ここでは、土質区分の異なる各試料を符号100A、100B…で表す。たとえば、試料100A、100Bはそれぞれ、後述するように山砂、粘性土などとされる。選択された1の試料100Aは試料受け部110の中央部にそのまま積載されればよく、試料100Aの表面を均す必要はない。そのため、試料100Aは、その表面に凹凸があってもよい。試料100Aは、たとえば
図1では、その中央部がうず高く、裾の長く延びる山型形状として表されている。
【0039】
水分量測定部10、レーザスキャナ部20、制御部30を含む制御装置30’の電源をオンにし、水分量測定部10、レーザスキャナ部20による測定を開始する(S1-2)。まず、水分量測定部10が試料100Aの下方から試料に係る計数率(単位cpm)を、レーザスキャナ部20が試料の上方からレーザスキャナ部と試料との距離Z4などをそれぞれ測定する。
【0040】
水分量測定部10およびレーザスキャナ部20の測定は、試料100A(100)の高さZ
1や試料受け部110上の試料の位置を変更して、複数回行ってもよい(S1-2)。
あるいは、土質区分(試料)ごとの水分量(含水比)が既知の場合は、水分量測定部10による測定を行わなくてもよい。測定された各数値データは、制御部30を介して記憶部32に送信、記憶されてもよい。
試料100Aの測定が終了し、他の試料100Bが残っている場合は、測定の終了した試料を試料受け部110の表面から除去して、他の試料の(土質区分ごとの水分量が未知の場合は)水分量、2次元形状の測定を行う(S1-3、
図5(B))。
【0041】
土質区分が既知の異なる複数の試料100(100A、100B…)について測定がすべて終了したら、制御部30(関数決定手段30-1)が、S1-2で測定された計数率と放射線源12から放射した放射線量との比率、すなわち計数率比を算出する。また、制御部30(関数決定手段30-1)が、S1-2で測定された試料100Aの2次元形状から、試料の高さZ1の標準偏差を算出する。
【0042】
そして、計数率比と試料の高さZ
1の標準偏差との関係から、土質区分を判別する閾となる関数αを設定する(S1-4)。
図6は、関数決定工程における計数率比と試料の高さの標準偏差との関係を表したグラフを示す。
詳細には、測定の終了した複数の試料100(100A、100B…)における計数率比を横軸、試料の高さの標準偏差を縦軸にそれぞれプロットし、
図6に示すグラフを作成する。なお、
図6のグラフは実施例の説明のわかりやすさのために作成されたものであり、作成しなくても土質区分を判別する関数が設定できればよい。
図6では、2つの試料100A、100Bは各3回測定され、それぞれの計数率比、標準偏差がそれぞれプロットされている。
【0043】
ここで、複数の試料100の中に粒度の高い試料(土質区分)と低い試料(土質区分)が存在する場合、粒度の高い試料であれば、試料表面はその中央部が盛り上がった山型形状もしくはその頂点がすり鉢形状になり、表面の凹凸は少ない。そのため、
図5(A)のように試料の高さZ
1の変動、つまり高さの標準偏差は小さくなる。しかし、粘度が高く粒度の低い試料は塊状になりやすく、試料受け部110に積載したときに試料の表面の凹凸が多く(大きく)なる。そのため、
図5(B)のように試料の高さZ
1の変動、つまり高さの標準偏差は大きくなる。このように、試料の高さの標準偏差はその試料の土質区分に大きく起因する。
粒度が異なる試料100A、100Bの数値データをそれぞれプロットすると、
図6のように、各プロットは一点鎖線で囲まれた範囲100A-1、100B-1に概ね分離される。高さZ
1の標準偏差の小さい試料100Aは粒度が高く、標準偏差の大きい試料100Bは粒度が低いと判断される。そして、範囲100A-1、100B-1の境界に、各試料(土質区分)の閾となる関数α(
図6参照)が想定される。言い換えると、この関数αが土質区分を判別する閾となる。
【0044】
1.2 校正式算出工程S2
校正式算出手段30-2により行われる校正式算出工程S2では、関数決定工程S1で決定した関数により判別した土質区分に該当する水分量測定の校正式を自動で算出している。
図7は、校正式算出工程における含水比と計数率比との関係を表したグラフを示す。
たとえば記憶部32には
図7のような、含水比(水分量)と計数率比との関係を表した校正式があらかじめ記憶されている。関数決定工程S1で使用された計数率比、含水比(水分量)との関係より、試料100Aであれば関数100A-2が、土質区分の異なる別の試料100Bであれば関数100B-2が、それぞれ自動的に選択、算出される。
【0045】
1.3 寄与率算出工程S3
寄与率算出手段30-3により行われる寄与率算出工程S3では、試料100(100A、100B…)を一定の個別体積からなる複数のブロックに分割し、試料全体の水分量に係る寄与率をブロックごとに算出している。
図8は水分量測定方法のうち、寄与率算出工程の詳細なフロー図、
図9は寄与率算出工程におけるブロックの分割を表す試料、試料受け部、水分量測定部の概略正面図であり、(A)は第5段第1列のブロックを除去した概略正面図、(B)は第3段~第5段のブロックおよび第2段第2列のブロックを除去した概略正面図をそれぞれ示す。
【0046】
関数決定工程S1、校正式算出工程S2で使用した試料のうちから、再度1の試料100Aを選択し、試料を試料受け部110の表面中央部に積載する(S3-1)。試料100Aの表面を均す必要はなく、その表面にある程度凹凸があってもよい。
図9(A)(B)では説明のわかりやすさのため、試料100Aは断面矩形形状となるように盛られている。
水分量測定部10、レーザスキャナ部20の位置に変更はなく、水分量測定部は試料受け部110(試料100A)の底面中央部に、レーザスキャナ部は試料の上方にそれぞれ配置されている。
【0047】
次に、試料100Aを試料の長手方向に等しく2つに分断し、分断された試料の一方にて、その長手方向およびその長手方向に対する垂直方向に一定の長さからなる複数の段および列を形成し、段および列で分割して一定の個別体積からなるブロックを複数作成する(S3-1)。
図9(A)では、試料100Aを試料の長手方向(左右方向)の中央Oで等しく2つに分断し、左部の試料は分割せず、そのままの状態としている。試料100Aの右部を、さらに長手方向(左右方向)およびその垂直方向(上下方向)に一定の長さからなる複数の段iおよび列jで分割し、一定の個別体積からなるブロックを複数個作成している。
図9(A)(B)を見るとわかるように、1≦i、j≦n
i、n
j(n
i、n
jはi、jの各最大値)とされ、試料100Aの右部はn
i段n
j列からなる合計n
i×n
j個のブロックに等しく分割されている。第i段第j列に位置する1のブロックは、B(i、j)と表される。
詳細は後述するが、
図9(A)(B)では1≦i、j≦5(n
i=n
j=5)であり、試料100Aの右部は5段5列からなる合計25個のブロックに等しく分割されている。
【0048】
そして、
図9(A)のように、分割したブロックのうち最上段、かつ、水分量測定部10に最も近い1のブロックを除去する(S3-2~4)。言い換えると、初めに初期値であるi=n
i(最大値)、j=1をセットし、1のブロックB(n
i、1)を除去する。
図9(A)では、1のブロックB(5、1)が除去されている。
次に、水分量測定部10を再度作動して、ブロックB(n
i、1)を除去した場合において、水分量測定部の放射線源12から放射される中性子線を放射線検出器14で検出するとともに、放射される中性子線の流量(挙動)のシミュレートを行う(S3-5)。中性子線の流量(挙動)のシミュレート方法として、たとえば日本原子力研究開発機構製のPHITSコードを使用しているが、これに限定されない。なお、PHITSコードとは、あらゆる物質中での様々な放射線挙動を核反応モデルや核データなどを用いて模擬するモンテカルロ計算コードである。PHITSによるシミュレートにより、取得したいエネルギー範囲(本願では熱中性子と熱外中性子のエネルギー範囲の1.0×10^(-9)~1.0×10^(-4)の間のエネルギー)を持ち、放射線検出器14に入射した中性子の流量(フラックス)が単位時間当たり、単位面積当たりで規格化されて出力される。制御部30は、測定した中性子線の計数率とともに、出力されたシミュレート結果を記憶部32に一時的に保存してもよい。
ブロックB(i、j)を除去して測定された測定値(計数率(単位cpm)。いわゆるRI測定値。)はa
ijと表される。たとえば、ブロックB(5、1)を除去して測定された計数率はa
51と表される。
【0049】
計数率の測定およびシミュレートの終了後、ブロックB(ni、1)を元の位置に戻す(復元する、S3-6)。それから、同様にjに1加算した列のブロックを除去して、同様に中性子線の計数率の測定およびシミュレートを行い、ブロックを元の位置に戻す(S3-7、3~6)。たとえば、ブロックB(ni、1)のブロックを元の位置に戻した後、これに隣接するブロックB(ni、2)を除去して計数率の測定(測定値はani2と表される。)およびシミュレートを行い、ブロックB(ni、2)を元の位置に戻す。
このように、jに1加算した列のブロックを除去、測定およびシミュレート、復元する処理を最上段である第ni段(i=ni)の第1列~第nj列(j=最大値nj)まで行う。
【0050】
最上段である第ni段の第1列~第nj列までの測定およびシミュレートの終了後、第ni段の第1列~第nj列のブロックをすべて除去し、iから1減算し(S3-8、2)、再度j=1をセットする(S3-3)。そして、このときの最上段、かつ、水分量測定部10に最も近い1のブロックB(ni-1、1)を除去する(S3-4)。そして、ブロックB(ni-1、1)を除去した場合の計数率の測定およびシミュレートし(S3-5)、ブロックB(ni-1、1)を元の位置に戻す(復元する、S3-6)。次に、jに1加算した列のブロックB(ni-1、2)を除去し、同様に計数率の測定およびシミュレートを行う(S3-7、3~6)。そして、第ni段と同様に、jに1加算した列のブロックの除去、測定およびシミュレート、復元という工程を第ni-1段(i=ni-1)の第1列~第nj列(j=jの最大値nj)まで行う。
このように1のブロックの除去、測定およびシミュレート、復元という工程を、すべての列および段が終わるまで行う(S3-2~8)。
【0051】
すべての列および段のブロックについて除去、測定などの終了後、試料受け部110上のすべてのブロック(試料100)を除去して計数率の測定およびシミュレートを行う(S3-9)。すべてのブロックを除去した状態は、i=j=0と表される。i=j=0の状態で測定した中性子線の計数率(測定値、単位cpm)はt0と表される。
【0052】
S3-1~9で測定された値に基づいて、個々のブロックが水分量の測定にどの程度影響を与えるかの寄与率(単位%)を、以下の数式を用いて算出する。
初めに、各ブロックを除去して測定された計数率a
ijから、各段の計数率(RI測定値。単位cpm)t
iを、以下の数1に示す式1(以下、「式1」という。他の式も同様。)により算出する(S3-10)。各段の計数率t
iは、その段の各ブロック(1≦i≦n
i)を除去して測定された計数率a
ijの合計である。たとえば、
図9(A)(B)ではn
i=n
j=5であり、第5段における計数率t
5=a
51+a
52+…+a
55で算出される。
【数1】
【0053】
次に、各段の寄与率T
i(単位%)を以下の式2から算出する(S3-11)。試料100Aは試料の長手方向(左右方向)に等しく2つに分断され、試料の右部のみを各ブロックに分割し、測定したことから、試料の右部における各段の寄与率の合計Tは50%である(後述する
図10の一点鎖線参照)。たとえば、
図9(A)(B)では、第5段における寄与率T
5=t
5/50で算出される。
【数2】
【0054】
各ブロックの寄与率A
ijを以下の式3から算出する(S3-12)。
図10は、各ブロックの寄与率を表す試料、試料受け部、水分量測定部の概略正面図を示す。
すなわち、各段の計数率t
iに対する各ブロックの計数率a
ijの割合を算出し(a
ij/t
i)、算出した割合に各段iの寄与率T
iを乗じることで、各ブロックの寄与率A
ij(単位%)が算出される。
図10では、各ブロック(i、j)に対応した寄与率A
ijが「〇%」と表されている。
【数3】
【0055】
以上が、試料100Aの高さZ1を一定としたときの一連の工程となる(S3-1~12)。一定の試料100Aで一連の工程が終了し、測定していない別の試料100Bがあればその試料で同様の工程を行う(S3-13、1~12)。
【0056】
1.4 測定工程S4
水分量測定部10およびにレーザスキャナ部20より行われる測定工程S4では、土質区分が未知の試料100Cを試料受け部110に積載し、その試料の2次元形状をレーザスキャナ部20で、その試料の熱中性子の計数率X’(単位cpm。いわゆるRI測定値。)を水分量測定部10でそれぞれ測定する。試料100Cの2次元形状として、たとえば試料受け部110がベルトコンベアの場合、ベルトコンベアの搬送方向に対して垂直(上下)断面となる2次元形状を測定する。
また、制御部30が、土質区分が未知の試料100Cに係る計数率から計数率比を算出する。測定、算出された各数値データは、制御部30を介して記憶部32に送信、記憶されてもよい。
測定工程S4での測定は、土質区分が未知の試料100Cの高さZ1を変更して複数回行ってもよい。土質区分が未知の試料である以外はS1-2の測定と同様であるため、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0057】
1.5 土質区分判別工程S5
土質区分判別手段30-5により行われる土質区分判別工程S5では、測定工程S4で測定された試料の2次元形状から、準備工程であらかじめ取得した関数により試料の土質区分を判別する。
すなわち、制御部の土質区分判別手段30-5が、測定工程S4で測定された土質区分が未知の試料100Cの2次元形状の数値データから、試料の高さZ1の標準偏差を算出する。そして、未知の試料100Cの高さZ1の標準偏差および(S4で算出された)計数率比と、準備工程の関数決定工程S1で決定した土質区分が既知の試料100(100A、100B…)における関数とを比較し、測定工程S4で測定された試料の土質区分を判別する(S5)。
【0058】
1.6 校正式決定工程S6
校正式決定手段30-6により行われる校正式決定工程S6では、判別された土質区分に該当する校正式を、準備工程であらかじめ取得した校正式から選択、決定する。
すなわち、準備工程の校正式算出工程S2で算出した土質区分に対する校正式から、土質区分判別工程S5で判別された土質区分に該当する校正式を選択、決定する(S6)。
【0059】
1.7 寄与率決定工程S7
寄与率決定手段30-7により行われる寄与率決定工程S7では、測定工程S4で測定された試料100Cの寄与率を、準備工程であらかじめ取得した寄与率から決定する。
すなわち、準備工程の寄与率算出工程S3で算出した土質区分ごとの試料100(100A、100B…)における各ブロックの寄与率より、土質区分判別工程S5で判別された土質区分に対する試料100Cの各ブロックの寄与率Aij(単位%)を算出、決定する(S7)。
【0060】
測定工程S4で積載、測定された試料100Cは、試料の粒度などにより、一般的には
図10の破線に示す断面山型形状となることが多い。すなわち、
図9(A)(B)や
図10の実線に示すような断面矩形形状とすることや、すべてのブロックを一定の個別体積とすることは、実際には難しい。試料100Cを、S1~3の準備工程と同一の大きさのブロックに分割すると、特に試料の表面では欠けたブロックが存在することとなる。
このように測定工程S4で測定された試料100Cを分割すると欠けたブロックが存在する場合、寄与率決定工程S7において、欠けたブロックの寄与率A
ij(単位%)をたとえば半分にするなどの処理をしてもよい。たとえば、試料100Cの実際の形状(断面山型形状)を
図10の破線で示すと、その試料の表面に位置するブロックB(5、1)、(5、2)(4、3)などは欠けたブロックとなる。そのため、これらの欠けたブロックにおける寄与率A
51、A
52、A
43は、算出された寄与率を半分にするなどの処理を適宜行う。
もちろん、欠けたブロックの寄与率は一律に半分として処理されるものではなく、たとえばブロックの各体積に応じて処理してもよいことはいうまでもない。
【0061】
1.8 水分量補正工程S8
水分量補正手段30-8により行われる水分量補正工程S8では、決定した校正式、寄与率により、測定工程S4で測定された試料100Cの熱中性子の計数率を補正し、試料の水分量を算出する。
すなわち、測定工程S4で測定された試料100Cの熱中性子の計数率X’を、校正式決定工程S6で選択した校正式、寄与率決定工程S7で決定した試料の各ブロックの寄与率A
ij(単位%)に基づいて、以下の式4より補正値を算出し、補正を行う。式4のT’は、算出したい試料の高さZ
1におけるすべてのブロックの寄与率A
ij(1≦i、j≦n
i、n
j(n
i、n
jはi、jの各最大値))の合計と、第0段における寄与率(i=j=0;S3-9)との合計値である。また、S3-11(式2)で述べたとおり、各段の寄与率の合計Tは50%である(
図10の一点鎖線参照)。
【数4】
【0062】
2.検証
上記工程による水分量測定方法および(水分量測定方法を具体化した)水分量測定システム1を用いた検証(具体的な実施例)の結果を以下説明する。なお、以下の具体的な数値は例示であり、この値に限定されないことはいうまでもない。以下の実施例(検証)では試料100として山砂、粘性土を使用しているが、これらに限定されない。
【0063】
準備工程S1~3(関数決定工程~寄与率算出工程)では、試料受け部110として厚さZ2が1cm、幅(長手方向、左右方向)および奥行きが各80cmのアルミ板を用いた。地表120からアルミ板(試料受け部)110までの高さZ3は約1mである。
試料100からレーザスキャナ部20までの高さZ4は約2mであるが、もちろん試料の表面形状(凹凸)により高さZ4は変動する。
【0064】
本実施例(検証)では、土質区分が既知の異なる複数の試料100として、粉状の土や粒子の粗い砂が混在している山砂100A、粘土や砂が混在して粘度が高く(粒度の低い)粘性土100Bを用いた。また、本実施例(検証)では試料の水分量は既知であり、各水分量(含水比)は山砂14%、粘性土52.2%である。
【0065】
2.1 関数決定工程S1
まず、1の試料として山砂100Aを選択した(S1-1)。試料100Aは、試料受け部110の平面(上面)の中央部上に、高さZ
1が15cm、幅および奥行きが各60cmとなるように積載された。実際には、山砂100Aは粒度により、その頂点がすり鉢形状となる断面概略山型形状となるように積載された。
水分量測定部10およびレーザスキャナ部20を作動させて、試料100Aの計数率および2次元形状をそれぞれ測定、取得した(S1-2)。試料100Aの2次元形状の測定結果のひとつが
図5(A)である。
次に、山砂100Aを試料受け部110から除去し、山砂100Aと同様に別の試料(粘性土)100Bを試料受け部の平面中央部上に積載し、複数回測定した(S1-1~3)。試料100Bの2次元形状の測定結果のひとつが
図5(B)である。
試料100A、Bの測定がすべて終了したら、測定された計数率(放射線量)と放射線源12から放射した放射線量との比率、すなわち計数率比を算出するとともに、各高さZ
1の標準偏差を算出し、これらの土質区分を自動で判別する関数αが決定された(S1-4)。試料100A、100Bの結果が
図6である。
【0066】
2.2 校正式算出工程S2
すでに既知の水分量(含水比)と、関数決定工程S1(S1-4)で算出された中性子線の計数率比との関係より、試料100Aであれば関数100A-2が、土質区分の異なる別の試料100Bであれば関数100B-2がそれぞれ自動的に選択、算出された(S2)。試料100A、100Bの結果が
図7である。
【0067】
2.3 寄与率算出工程S3
試料(山砂)100Aを、関数決定工程S1と同様に、試料受け部(アルミ板)110の表面中央部に高さZ
115cm、幅および奥行きが各60cmとなるように再度積載した。そして、試料(山砂)100Aを試料の長手方向(左右方向)の中央Oから30cmずつ等しく2つに分断した(
図9(A)(B)参照)。試料100Aの右部のみを、さらに長手方向(左右方向)およびその垂直方向(上下方向)に一定の長さからなる5段5列に分割し、一定の個別体積からなるブロックを複数(5×5個)作成した(
図9(A)(B)参照)。つまり、1≦i、j≦5(最大値n
i=n
j=5)であり、1のブロックの高さは3cm、幅は6cmである。
【0068】
図9(A)のように、分割したブロックのうち、最上段、かつ、水分量測定部10に最も近い1のブロックB(5、1)を除去し(S3-1~4)、中性子線の計数率の測定および流量(挙動)のシミュレートを行った(S3-5)。
【0069】
計数率の測定およびシミュレートが終了したら、1のブロックB(5、1)を元の位置に戻し(復元し、S3-6)、jに1加算した列のブロックB(5、2)を除去して、同様に測定およびシミュレートを行い、ブロックを元の位置に戻す(S3-7、3~6)。このように、jに1加算した列のブロックの除去、検出およびシミュレート、復元という一連の工程を第5段(i=ni=5)の第1列~第5列(jの最大値nj)まで行った。
【0070】
第5段(i=ni=5)の第1列~第5列までの測定の後、第5段の第1列~第5列のブロックをすべて除去して次の第4段に移行した(S3-8)。第4段第1列のブロックB(4、1)を除去し、計数率の測定、シミュレートを行い、ブロックを元の位置に戻した(S3-7、3~6)。第5段と同様に、ブロックの除去、測定およびシミュレート、復元の工程を第4段の第1列~第5列まで行い(S3-2~6)、第4段の終了後は第1段~第3段まで同様に行った(S3-2~8)。
【0071】
第1段までの測定、シミュレートなどが終了したら、試料受け部110上になにも試料がない状態で計数率t0を測定し、最終的に25個の各ブロックの寄与率Aij(単位%)を算出した(S3-9~12)。山砂100Aにおける、各ブロックの寄与率Aijおよび格段の寄与率Tiを以下の表1に示す。なお、表1の「試料なし」は、試料受け部110上になにも試料がない状態を表している。
【0072】
【0073】
表1より、最も寄与率の高いブロックはB(2、1)(A21=6.6)であることが明らかになった。各段の寄与率Tiより、第1段よりも第2段~第4段の方が寄与率は高くなることが理解された。また、水分量測定部10に近い第1列の方が第2列~第5列より寄与率が高くなった。
【0074】
2.4 測定工程S4
実際には土質区分が未知の試料に対して、水分量測定部10およびにレーザスキャナ部20より計数率(単位cpm)および2次元形状をそれぞれ測定するが、検証のため、ここでは土質区分および水分量が既知の山砂100Aを再度使用した。
また、検証のため、試料の位置を4パターン設定し、パターンごとに試料の高さZ
1を2通り(5cm、10cm)として測定した。
図11は、検証のための試料および試料受け部の概略平面図を示す。
図11のように、試料100Aの位置のパターンは、幅および奥行きを各60cmとしたパターン0、試料受け部110の長手方向(左右方向)の中央Oを中心に左右各5cmを範囲(幅10cm)としたパターン1、試料受け部110の長手方向の中央Oより右に5cm離反した位置から幅10cmを範囲としたパターン2、試料受け部110の長手方向の中央Oより右に15cm離反した位置から幅15cmを範囲としたパターン3の合計4パターンである。
【0075】
2.5 補正工程S5~8
測定工程S4で測定した試料(山砂)100Aの高さZ1を2通り(5cm、10cm)とした場合の計数率(RI測定値)や表1の各ブロックの寄与率Aijなどを使用し、補正により高さ15cmの水分量(含水比、14%)を算出して検証した。
まず、試料(山砂)100Aの高さZ1を5cm、10cmの場合の計数率は、順に1253、2325cpmであった。これらの各計数率を、表1で示す試料(山砂)100Aの各ブロックの寄与率Aijを用いて高さ15cmの場合の計数率に補正すると、3642、3675cpmとなった。これらの計数率を水分量(含水比)にすると13.8、13.9%となった。
【0076】
なお、準備工程S1~3における1のブロックの高さは3cmであり、測定工程S4および補正工程S5~8の試料(山砂)100Aの高さZ
1は5cm、10cmである。すなわち、補正工程S5~8(特に水分量算出工程S8)において高さが3cm未満のブロックが存在する。高さ3cm未満の欠けたブロックの寄与率は、準備工程S1~3における当該ブロックの位置の寄与率と等しいとはいえない。そのため、欠けたブロックの寄与率については、寄与率算出工程S3で算出される寄与率を半分にするなどの処理を行った。以上の検証結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0077】
以上の検証より、高さ5cm、10cmの値から補正、算出された試料の水分量(含水比)13.8、13.9%は、高さ15cmの水分量(含水比)14.0%と比較して絶対誤差は0.2%と小さく、十分実用可能な補正といえる。すなわち、レーザスキャナ部20で測定した試料の2次元形状と、水分量測定部10で測定された計数率およびシミュレーションで算出された各ブロックの寄与率とから、高精度な補正が可能となる。
【0078】
(水分量測定方法を具体化した)水分量測定システム1であれば試料100の表面を均すことなく、また、試料の量、高さ、嵩密度によることなく、レーザスキャナ部20により非接触で試料の2次元形状を取得し、最終的に実際の水分量に近い値を自動的かつ短時間で補正、算出することができる。また、本発明によれば、レーザスキャナ部20により、試料100を搬送するベルトコンベア(試料受け部110)を停止することなく、稼働したままリアルタイムで試料2次元形状を測定、取得することができる。
【0079】
粒度の高い試料であれば試料の高さの変動は小さく、高さの標準偏差は小さい。しかし、粒度の低い試料であれば試料の高さの変動が大きく、高さの標準偏差が大きい。この性質を利用して試料100の高さの標準偏差と計数率比とを比較すれば(関数決定工程S1)、土質区分が未知の試料であっても、その土質区分を自動的に簡単かつ短時間で判別することができる(土質区分判別工程S5)。
【0080】
そして、試料100ごとの校正式をあらかじめ算出しておけば(校正式算出工程S2)、判別された土質区分の試料ごとに校正式が自動的に簡単かつ短時間で選択される(校正式決定工程S6)。
【0081】
試料100を一定のブロックに分割し、中性子線の流量(挙動)をシミュレートして各ブロックの寄与率Aijを算出しておけば(寄与率算出工程S3)、異なる高さの試料であっても実際の水分量(含水比)に近い値を、従来よりも高精度な補正により算出することができる(寄与率決定工程S7、水分量補正工程S8)。
【0082】
上述した実施例は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0083】
たとえば、式4による補正値の算出を上述では水分量補正工程S8で行ったが、式3の後に行ってもよい。すなわち、補正量の算出を水分量補正工程S8ではなく、寄与率算出工程S3で行ってもよい。
本発明は、ベルトコンベアなどで搬送される試料に係る水分量測定方法、水分量測定システムに応用されるが、ベルトコンベアに限定されず、たとえば、アジテータトラック(コンクリートミキサー車)のシュータ上を流れるコンクリートの水分量を測定する水分量測定方法、水分量測定システムなどにも応用できる。