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特開2023-23484映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023484
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20230209BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129062
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】593080135
【氏名又は名称】株式会社ナルコーム
(74)【代理人】
【識別番号】100160912
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 寛
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 大輔
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】簡易な操作で医療機関が要望する映像データを提供することができる映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法を提供する。
【解決手段】サーバ、サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムであって、端末を介して患者に映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、撮影指示情報生成ステップで生成した撮影指示情報に基づいて端末によって撮影された映像データをサーバの記憶領域に映像情報として格納する映像情報格納ステップと、映像情報格納ステップでサーバの記憶領域に格納した映像情報を医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップとを実行する。
【選択図】図11

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ、該サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、該端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムであって、
前記端末を介して前記患者に前記映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、
該撮影指示情報生成ステップで生成した前記撮影指示情報に基づいて前記端末によって撮影された前記映像データを前記サーバの記憶領域に前記映像情報として格納する映像情報格納ステップと、
該映像情報格納ステップで前記サーバの前記記憶領域に格納した前記映像情報を前記医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップと、
を実行する映像情報管理システム。
【請求項2】
前記映像情報ダウンロードステップは、前記映像情報を自動でダウンロードする、
請求項1に記載の映像情報管理システム。
【請求項3】
前記映像情報ダウンロードステップは、
任意の時間間隔で前記医療機関端末が前記サーバにアクセスした際に前記サーバの前記記憶領域に新規に格納された前記映像情報が存在する場合は新規に格納された前記映像情報をダウンロードし、
ダウンロードした前記映像情報を前記サーバの前記記憶領域から削除する、
請求項1または2に記載の映像情報管理システム。
【請求項4】
前記撮影指示情報は、前記患者の特定の動作の撮影を指示する動作データを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の映像情報管理システム。
【請求項5】
前記動作データは、
前記患者の食事の際の動作、前記患者の食事の際の嚥下の状態、前記患者の歩行の状態、前記患者の遊戯の際の動作の少なくとも一を含む、請求項4に記載の映像情報管理システム。
【請求項6】
前記端末は、
前記映像データを取得すると取得した前記映像データを前記サーバに自動でアップロードする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の映像情報管理システム。
【請求項7】
サーバ、該サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、該端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムで実行される映像情報管理プログラムであって、
前記端末を介して前記患者に前記映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、
該撮影指示情報生成ステップで生成した前記撮影指示情報に基づいて前記端末によって撮影された前記映像データを前記サーバの記憶領域に前記映像情報として格納する映像情報格納ステップと、
該映像情報格納ステップで前記サーバの前記記憶領域に格納した前記映像情報を前記医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップと、
を実行する映像情報管理プログラム。
【請求項8】
サーバ、該サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、該端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムを用いた映像情報管理方法であって、
前記端末を介して前記患者に前記映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、
該撮影指示情報生成ステップで生成した前記撮影指示情報に基づいて前記端末によって撮影された前記映像データを前記サーバの記憶領域に前記映像情報として格納する映像情報格納ステップと、
該映像情報格納ステップで前記サーバの前記記憶領域に格納した前記映像情報を前記医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップと、
を実行する映像情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法、特に、サーバ、サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物の行動や事物の状況を分析したり管理したりあるいは把握したりするといった任意の処理を行う目的で、人物や事物の映像データを取得して収集し、取得して収集した映像データを管理する映像データ管理技術が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、学習の指導に関する動画データを取得して、取得した動画データを閲覧させる閲覧者を指定する閲覧者指定情報を取得し、動画データと閲覧者指定情報とを閲覧者が使用する端末に配信する映像データ管理技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-9266公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、医療機関では、患者の診断や治療に際して、家庭における患者の日常の行動や生活環境等を参照できれば、診断や治療の精度が向上する場合があることから、医療機関が患者の日常の行動等に関する映像データの提供を患者に要求することがある。
【0006】
医療機関が患者に映像データの提供を求める場合は、ネットワークを経由して映像データを提供するように求める場合もあることが想定されるところ、機器の操作が不得手な患者の場合は、適切に映像データを医療機関に提供できない場合も発生することが懸念される。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な操作で医療機関が要望する映像データを提供することができる映像情報管理システム、映像情報管理プログラム及び映像情報管理方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するための本発明に係る映像情報管理システムは、サーバ、サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムであって、端末を介して患者に映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、撮影指示情報生成ステップで生成した撮影指示情報に基づいて端末によって撮影された映像データをサーバの記憶領域に映像情報として格納する映像情報格納ステップと、映像情報格納ステップでサーバの記憶領域に格納した映像情報を医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップとを実行するものである。
【0009】
これによれば、映像データの撮影を患者に指示する撮影指示情報が生成され、この撮影指示情報に基づいて患者が端末で撮影して取得した映像データが映像情報としてサーバの記憶領域に格納されるとともに、格納された映像情報は医療機関端末の記憶領域にダウンロードされて格納されることから、簡易な操作で映像情報を医療機関端末に提供することができる。
【0010】
この映像情報管理システムで実行する映像情報ダウンロードステップは、映像情報を自動でダウンロードするものであり、具体的には、任意の時間間隔で医療機関端末がサーバにアクセスした際にサーバの記憶領域に新規に格納された映像情報が存在する場合は新規に格納された映像情報をダウンロードし、ダウンロードした映像情報をサーバの記憶領域から削除するものである。
【0011】
映像情報管理システムで処理される撮影指示情報は、患者の特定の動作の撮影を指示する動作データを有するものであり、この動作データは、患者の食事の際の動作、患者の食事の際の嚥下の状態、患者の歩行の状態、患者の遊戯の際の動作の少なくとも一を含むものであってもよい。
【0012】
映像情報管理システムの端末は、映像データを取得すると取得した映像データをサーバに自動でアップロードするものである。
【0013】
上記課題を達成するための本発明に係る映像情報管理プログラムは、サーバ、サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムで実行される映像情報管理プログラムであって、端末を介して患者に映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、撮影指示情報生成ステップで生成した撮影指示情報に基づいて端末によって撮影された映像データをサーバの記憶領域に映像情報として格納する映像情報格納ステップと、映像情報格納ステップでサーバの記憶領域に格納した映像情報を医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップとを実行するものである。
【0014】
上記課題を達成するための本発明に係る映像情報管理方法は、サーバ、サーバを介して互いにアクセス可能に接続される医療機関端末及び患者に保有される端末を備え、端末で取得された映像データを映像情報として管理する映像情報管理システムを用いた映像情報管理方法であって、端末を介して患者に映像データの撮影を指示する撮影指示情報を生成する撮影指示情報生成ステップと、撮影指示情報生成ステップで生成した撮影指示情報に基づいて端末によって撮影された映像データをサーバの記憶領域に映像情報として格納する映像情報格納ステップと、映像情報格納ステップでサーバの記憶領域に格納した映像情報を医療機関端末の記憶領域にダウンロードして格納する映像情報ダウンロードステップとを実行するものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、端末で取得した映像データを、簡易な操作で映像情報として医療機関端末に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る映像情報管理システムの構成の概略を説明するブロック図である。
図2】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムのサーバ及び医療機関端末を実装するコンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。
図3】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムのサーバのストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
図4】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムのサーバのストレージの記憶領域に格納される映像情報の構成の概略を説明する図である。
図5】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの映像処理部での処理の概略を説明するフローチャートである。
図6】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムで処理される撮影指示情報の概略を説明するブロック図である。
図7】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの医療機関端末のストレージの構成の概略を説明するブロック図である。
図8】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの管理プログラムの画面インターフェースの一例を示す図である。
図9】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの端末の構成の概略を説明するブロック図である。
図10】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの端末に格納される映像データ処理プログラムの構成の概略を説明するブロック図である。
図11】同じく、本実施の形態に係る映像情報管理システムの運用方法の概略を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図1図11に基づいて、本発明の実施の形態に係る映像情報管理システムについて説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る映像情報管理システムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、映像情報管理システム10は、サーバ20、医療機関端末30及び端末40を主要構成として備え、これらがインターネット網等のネットワークを介して互いにアクセス可能に接続される。
【0019】
サーバ20は、本実施の形態では、映像情報管理システム10を用いたサービスを提供する運営事業者1に配備され、医療機関端末30は、口腔外科に関する医療機関2に配備され、端末40は、医療機関1に通院する患者3に保有される。
【0020】
なお、本実施の形態では、患者3には、患者本人、患者の保護者あるいは介護者が含まれる。
【0021】
これらサーバ20及び医療機関端末30は、本実施の形態では、ほぼ同様のハードウェア構成を具備するコンピュータ、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータによって実装される。
【0022】
図2は、コンピュータの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、コンピュータは、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104、及び入出力部105を主要構成として備え、これらが互いにバス106を介して電気的に接続される。
【0023】
プロセッサ101は、コンピュータの動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、アプリケーションプログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。
【0024】
このプロセッサ101は、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ103に格納されてメモリ102に展開されたアプリケーションプログラムを実行して各処理を行う。
【0025】
メモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置で実装される。
【0026】
このメモリ102は、プロセッサ101の作業領域として使用される一方、コンピュータの起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種の設定情報等が格納される。
【0027】
ストレージ103は、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。
【0028】
送受信部104は、コンピュータをネットワークに接続する。この送受信部104は、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった近距離通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0029】
入出力部105には、必要に応じて、キーボードやマウスといった情報入力機器やディスプレイ等の出力機器が接続される。
【0030】
バス106は、接続したプロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、送受信部104及び入出力部105の間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0031】
図3は、サーバ20のストレージ103の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ103は、記憶領域21及び処理プログラム22を備える。
【0032】
記憶領域21は、ストレージ103が区画されることによって実現されるものであって、本実施の形態では、映像情報D1が格納される。
【0033】
図4は、映像情報D1の構成の概略を説明する図である。図示のように、映像情報D1は、「患者名」、「医療機関識別番号」、「患者識別番号」、「動作」及び「映像データ」等の各種のデータによって構成される。
【0034】
この映像情報D1は、本実施の形態では、患者3の保有する端末40で取得された「映像データ」に、「患者名」、「医療機関識別番号」、「患者識別番号」、及び「動作」を有する後述の撮影指示情報が関連づけられることによって生成される。
【0035】
図3で示す処理プログラム22は、本実施の形態では、サーバ20を、入力部22a及び映像処理部22bとして機能させるプログラムである。
【0036】
入力部22aは、本実施の形態では、医療機関端末30に入力された各種の情報を受け付ける処理、及び端末40で取得された映像データを受け付ける処理を実行するものである。
【0037】
映像処理部22bは、本実施の形態では、端末40で取得される映像データに関する処理を実行するものである。
【0038】
図5は、映像処理部22bでの処理の概略を説明するフローチャートである。図示のように、映像処理部22bは、まず、ステップS1において、医療機関端末30に入力される操作情報に基づいて撮影指示情報を生成して、医療機関端末30に送信する。
【0039】
生成した撮影指示情報は、本実施の形態では、医療機関端末30から患者3の端末40へ送信され、患者3の端末40に送信された撮影指示情報に基づいて患者3が端末40で映像データを取得すると、取得した映像データがサーバ20に送信される。
【0040】
このとき、映像処理部22bは、ステップS2において、患者3の端末40からサーバ20に送信された映像データに、患者3の端末40に送信された撮影指示情報を関連づける。
【0041】
続いて、映像処理部22bは、ステップS3において、撮影指示情報を関連づけた映像データを映像情報D1としてサーバ20の記憶領域21に格納する。
【0042】
図6は、撮影指示情報の概略を説明するブロック図である。撮影指示情報D2は、上記のように、映像処理部22bでの処理によって生成されるものであって、図示のように、患者名データd1、医療機関識別番号データd2、患者識別番号データd3及び動作データd4によって構成される。
【0043】
患者名データd1は、本実施の形態では、個別の医療機関2に通院する患者3の氏名に関するデータである。
【0044】
医療機関識別番号データd2は、本実施の形態では、個別の医療機関2を特定する目的で医療機関2に付与された識別番号であって、医療機関2に通院する患者3にも予め通知される。
【0045】
患者識別番号データd3は、本実施の形態では、患者3を特定する目的で医療機関2から医療機関2に通院する患者3に付与された識別番号である。
【0046】
動作データd4は、医療機関2の医療従事者から患者3に対して、患者3の特定の動作を撮影するように指示するデータであって、本実施の形態では、「食事の際の動作」、「(食事の際の)嚥下の状態」、「(患者の)歩行の状態」及び「(患者の)遊戯の際の動作」が指示として含まれる。
【0047】
図7は、医療機関端末30のストレージ103の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、ストレージ103は、記憶領域31及び処理プログラム32を備える。
【0048】
記憶領域31は、ストレージ103が区画されることによって実現されるものであって、本実施の形態では、サーバ20からダウンロードされた映像情報D1が格納される。
【0049】
管理プログラム32は、本実施の形態では、医療機関端末30を、操作処理部32a及び映像情報取得部32bとして機能させるプログラムである。
【0050】
操作処理部32aは、本実施の形態では、医療従事者によって入力される各種の情報を処理するものであり、例えば、サーバ20で生成される撮影指示情報D2を構成する患者名データd1、医療機関識別番号データd2、患者識別番号データd3及び動作データd4等の入力に基づいてこれらのデータを処理する。
【0051】
映像情報取得部32bは、本実施の形態では、サーバ20の記憶領域21に格納された映像情報D1を自動的にダウンロードする処理を実行するものである。
【0052】
具体的には、任意の時間間隔(例えば1時間)でサーバ20に自動でアクセスし、アクセスした際に、医療機関端末30にまだダウンロードされていない新規の映像情報D1がサーバ20の記憶領域21に格納されている場合は、この映像情報D1を医療機関端末30の記憶領域31にダウンロードして格納する。
【0053】
一方、医療機関端末30の記憶領域31にダウンロードして格納した映像情報D1を、サーバ20の記憶領域21から削除する処理を実行する。
【0054】
この管理プログラム32は、本実施の形態では、医療機関端末30のディスプレイに表示されて医療機関端末30で情報の入出力が可能な画面インターフェースによって実装される。
【0055】
図8は、管理プログラム32の画面インターフェースの一例を示す図である。図示のように、画面インターフェースIFは、本実施の形態では、データ表示部IF1、データ表示部IF1の上側に配置されるツールバーIF2、データ表示部IF1の下側に配置されるタスクバーIF3、及びデータ表示部IF1の左側に配置されるサイドバーIF4を主要構成として備える。
【0056】
データ表示部IF1は、本実施の形態では、例えば、患者3の映像情報D1や歯列データ、治療時に撮像された患者3の歯列の写真等といった、視認可能な各種のデータが表示される領域である。
【0057】
ツールバーIF2は、本実施の形態では、データ表示部IF1に表示される各種のデータの編集作業を実行するアイコンが配列される領域であり、タスクバーIF3は、医療機関端末30において各種の処理を実行するアイコンが配列される領域である。
【0058】
一方、サイドバーIF4は、本実施の形態では、管理プログラム32で各種の処理を実行するメニューアイコンが配列される領域である。
【0059】
図1で示す端末40は、本実施の形態では、携帯型情報端末であるスマートフォンあるいはタブレット型のコンピュータによって実装される。
【0060】
図9は、端末40の構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、端末40は、制御部41、カメラ42及びディスプレイ43を主要構成として備える。
【0061】
制御部41は、例えばカメラ42やディスプレイ43等の端末40の各部を制御するものであって、例えばプロセッサ、メモリ、ストレージ、送受信部等によって構成される。
【0062】
この制御部41には、本実施の形態では、映像データ処理プログラムが格納される。映像データ処理プログラムの構成については、後述する。
【0063】
カメラ42は、任意の事物や事象を映像として取得するものであって、本実施の形態では、医療機関端末30から送信された撮影指示情報Dの動作データd4で指示された任意の動作(「食事の際の動作」、「(食事の際の)嚥下の状態」、「(患者の)歩行の状態」及び「(患者の)遊戯の際の動作」)を映像データd5として取得する。
【0064】
ディスプレイ43は、本実施の形態では、端末40に格納される映像データ処理プログラムのインターフェース等が表示される。
【0065】
このディスプレイ43は、本実施の形態では、表示面への接触によって情報の入力を受け付けるものであって、抵抗膜方式や静電容量方式といった各種の技術によって実装される。
【0066】
本実施の形態では、ディスプレイ43の表示面を介して、端末40を操作するスワイプ動作やタップ動作等といった患者3の動作に基づく操作データd6が入力される。
【0067】
図10は、映像データ処理プログラムの構成の概略を説明するブロック図である。図示のように、映像データ処理プログラム41aは、本実施の形態では、撮影管理処理S4及び映像データアップロード処理S5を実行する。
【0068】
撮影管理処理S4は、本実施の形態では、撮影指示情報D2の動作データd4で指示された任意の動作をカメラ42で撮影する際に、撮影開始及び撮影終了の検出あるいは撮影時間の記録等といった処理を実行する。
【0069】
映像データアップロード処理S5は、本実施の形態では、例えば、撮影管理処理S4における撮影終了の検出に基づいて、カメラ43による撮影で取得した映像データd1をサーバ20に自動でアップロードする処理を実行する。
【0070】
本実施の形態では、この映像データ処理プログラム41a、サーバ20に格納される処理プログラム22及び医療機関端末30に格納される管理プログラム32によって、映像情報管理プログラムが構成される。
【0071】
次に、本実施の形態に係る映像情報管理システム10の運用方法について説明する。
【0072】
図11は、映像情報管理システム10の運用方法の概略を説明するフローチャートである。図示のように、まず、ステップS10において、医療従事者が所望する患者3の動作が動作データd4として含まれる撮影指示情報D2が、医療機関端末30を介した医療従事者の操作に基づいてサーバ20において生成される(撮影指示情報生成ステップ)。
【0073】
本実施の形態では、例えば、患者の「食事の際の動作」が動作データd4として含まれる撮影指示情報D2が生成される。
【0074】
生成された撮影指示情報D2は、医療機関端末30に送信される。
【0075】
続いて、ステップS11において、医療従事者が医療機関端末30を介して撮影指示情報D2を患者3の端末40に送信する。
【0076】
撮影指示情報D2を端末40で受信した患者3は、本実施の形態では、端末40に映像データ処理プログラム41aをインストールする。映像データ処理プログラム41aのインストールは、例えば、端末40に格納されるOSを提供するいわゆるプラットフォーム事業者が開設するいわゆるアプリストアを介して実行する。
【0077】
映像データ処理プログラム41aをインストールした後、端末40に送信された撮影指示情報D2の動作データd4として「食事の際の動作」が取得する映像データd1として指示されていることから、映像データ処理プログラム41aを起動して、ステップS12において、撮影指示情報D2に基づいて患者3はカメラ42で食事の際の動作を撮影して、映像データd5を取得する。
【0078】
本実施の形態では、例えば、患者3である幼児の食事の際の動作が、幼児の保護者である患者3の端末40のカメラ43によって撮影される。
【0079】
映像データd5を取得すると、ステップS13において、端末40が映像データd5をサーバ20に自動でアップロードし、ステップS14において、サーバ20は、アップロードされた映像データd5に撮影指示情報D2を関連づけて映像データd5を処理する。
【0080】
続くステップS15において、サーバ20は、処理した映像データd5を映像情報D1として記憶領域21に格納する(映像情報格納ステップ)。
【0081】
その後、ステップS16において、医療機関端末30が任意の時間間隔でサーバ20にアクセスした際に、医療機関端末30にまだダウンロードされていない新規の映像情報D1がサーバ20の記憶領域21に格納されている場合は、この新規の映像情報D1を医療機関端末30の記憶領域31に自動でダウンロードして格納する(映像情報ダウンロードステップ)。
【0082】
一方、医療機関端末30の記憶領域31に映像情報D1をダウンロードして格納した後、映像情報D1をサーバ20の記憶領域21から削除する。
【0083】
このように、映像情報管理システム10では、映像データd5の撮影を指示する撮影指示情報D2が生成され、この撮影指示情報D2に基づいて患者3が端末40で撮影して取得した映像データd5が映像情報D1としてサーバ20の記憶領域21に格納されるとともに、格納された映像情報D1は医療機関端末30の記憶領域31にダウンロードされて格納されることから、簡易な操作で映像情報D1を医療機関端末30に提供することができる。
【0084】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0085】
上記実施の形態では、処理プログラム22がサーバ20に格納される場合を説明したが、管理プログラム32とともに医療機関端末30に格納されるものであってもよい。
【0086】
この場合において、映像情報管理プログラムは、サーバに格納される処理プログラム22及び管理プログラム32と、端末40に格納される映像データ処理プログラム41aとによって構成される。
【0087】
上記実施の形態では、撮影指示情報D2が、医療機関識別番号データd1及び患者識別番号データd2を有する場合を説明したが、これらに代えてあるいはこれらとともに、例えば、診療によって患者33に付与されるカルテ番号を有するものであってもよい。
【0088】
上記実施の形態では、患者3が幼児及びその保護者である場合を説明したが、例えば高齢者、要介護者及びこれらの介護者であってもよい。
【0089】
上記実施の形態では、端末40がスマートフォン等である場合を説明したが、スマートフォン等に限られるものではなく、例えばデスクトップ型あるいはノート型のコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 運営事業者
2 医療機関
3 患者
10 映像情報管理システム
20 サーバ
21 記憶領域
22 処理プログラム
30 医療機関端末
31 記憶領域
32 管理プログラム
40 端末
41a 映像データ処理プログラム
D1 映像情報
D2 撮影指示情報
d4 動作データ
d5 映像データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11