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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023503
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】金型の加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23C 3/16 20060101AFI20230209BHJP
   B23C 5/10 20060101ALI20230209BHJP
   B21D 37/20 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
B23C3/16
B23C5/10 B
B23C5/10 Z
B21D37/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129093
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000233066
【氏名又は名称】株式会社MOLDINO
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】坂本 誠
(72)【発明者】
【氏名】大沼 仁志
(72)【発明者】
【氏名】古武 隆
【テーマコード(参考)】
3C022
4E050
【Fターム(参考)】
3C022KK02
3C022KK03
4E050JB02
4E050JC05
(57)【要約】
【課題】削り残し隅部の加工時間を短縮できる金型の加工方法を提供する。
【解決手段】荒加工工程と、成形凹部の隅部の削り残しを切削する削り残し切削工程と、を有する金型の加工方法。削り残し切削工程で用いる切削工具は、荒加工用の切削工具に対して工具径が1/3以下のソリッドエンドミルである。削り残し切削工程は、ソリッドエンドミルを用いて、軸方向に第1の切り込み量で側面切削することにより、隅部の削り残しを切削する第1の側面切削工程と、第1の切り込み量よりも小さい第2の切り込み量で、加工深さ方向とは反対方向にソリッドエンドミルを移動させながら、第1の側面切削工程で加工した面をソリッドエンドミルによって切削する第2の側面切削工程と、を、第1の切り込み量で隅部の深さ方向にわたって繰り返し実行する工程を有する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型の加工方法であって、
金属素材を切削して成形凹部を荒加工する荒加工工程と、
前記荒加工後に、前記成形凹部の隅部の削り残しを切削する削り残し切削工程と、
を有し、
前記削り残し切削工程で用いる切削工具は、荒加工用の切削工具に対して工具径が1/3以下のソリッドエンドミルであり、
前記削り残し切削工程は、
前記ソリッドエンドミルの外周刃と円弧刃の少なくとも一方を用いて、
軸方向に第1の切り込み量(n1)で側面切削することにより、前記隅部の削り残しを切削する第1の側面切削工程と、
軸方向の切り込み量が前記第1の切り込み量(n1)よりも小さい第2の切り込み量(n2)で、加工深さ方向とは反対方向に前記ソリッドエンドミルを移動させながら、前記第1の側面切削工程で加工した面を前記ソリッドエンドミルによって切削する第2の側面切削工程と、
を、前記隅部の深さ方向にわたって繰り返し実行する工程を有する、
金型の加工方法。
【請求項2】
前記ソリッドエンドミルはボールエンドミルであり、
前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのボール直径の0.8倍以上1.5倍以下の長さである、
請求項1に記載の金型の加工方法。
【請求項3】
前記ソリッドエンドミルはボールエンドミルであり、
前記第2の側面切削工程における前記第2の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのボール半径の0.2倍以上1.2倍以下である、
請求項1または2に記載の金型の加工方法。
【請求項4】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、
前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルの刃長の0.5倍以上0.9倍以下の長さである、
請求項1に記載の金型の加工方法。
【請求項5】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルの工具径の0.8倍以上1.5倍以下の長さである、
請求項1または4に記載の金型の加工方法。
【請求項6】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、
前記第2の側面切削工程における前記第2の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのコーナーRの0.8倍以上1.5倍以下である、
請求項1または4または5に記載の金型の加工方法。
【請求項7】
前記ソリッドエンドミルの工具径は、前記隅部の最終仕上げ用の切削工具の工具径の1倍以上1.6倍以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の金型の加工方法。
【請求項8】
前記成形凹部の隅部の傾斜角が、30°以上90°未満である、請求項1から7のいずれか1項に記載の金型の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、荒加工工程によって生じた金型の隅部の削り残しへの加工方法が検討されている。隅部の削り残しを切削する方法のひとつとして、工具径を徐々に小さくしながら等高線加工を複数回行うことで、加工能率を落としすぎずに削り残し隅部を徐々に小さくし、最終的に次工程に影響が出ない程度の大きさまで削り残しを小さくする方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-14711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1では隅部の削り残しに対して等高線加工を行い、削り残しを所望の大きさになるまで繰り返し行うフローチャートが開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された加工方法では隅部の削り残しに対して複数の工具で複数回等高線加工を行う。そのため、切削加工の時間に加えて、工具交換の時間も要するため、削り残し隅部の加工時間が非常に長くなっていた。
【0006】
そこで本発明は上述の課題を鑑み、隅部の削り残しを小さくする加工工程で使用する切削工具を1種類とすることで、加工時間および工程短縮が可能な加工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、金型の加工方法であって、金属素材を切削して成形凹部を荒加工する荒加工工程と、前記荒加工後に、前記成形凹部の隅部の削り残しを切削する削り残し切削工程と、を有する金型の加工方法が提供される。前記削り残し切削工程で用いる切削工具は、荒加工用の切削工具に対して工具径が1/3以下、好ましくは1/4以下、より好ましくは1/5以下のソリッドエンドミルである。前記削り残し切削工程は、前記ソリッドエンドミルの外周刃と円弧刃の少なくとも一方を用いて、軸方向に第1の切り込み量(n1)で側面切削することにより、前記隅部の削り残しを切削する第1の側面切削工程と、軸方向の切り込み量が前記第1の切り込み量(n1)よりも小さい第2の切り込み量(n2)である条件で、加工深さ方向とは反対方向に前記ソリッドエンドミルを移動させながら、前記第1の側面切削工程で加工した面を前記ソリッドエンドミルによって切削する第2の側面切削工程と、を、前記隅部の深さ方向にわたって繰り返し実行する工程を有する。
【0008】
上述の構成によれば、第1の側面切削工程と第2の側面切削工程を交互に隅部の削り残しに対して上から下まで一度行うだけで、削り残しを十分に小さくできる。これは、第1の側面切削工程および第2の側面切削工程で使用する切削工具の工具径が、荒加工工程で使用された切削工具に対して1/3以下と非常に小さいため、一度の工程で隅部まで工具が入り込めるからである。加えて、第1の切込み量よりも第2の切り込み量が小さいため、第1の側面切削工程で生成されてしまった削り残しは、第2の側面切削工程によってさらに小さくなり、次工程に悪影響を及ばさない大きさまで一度の工程で小さくすることができる。
【0009】
さらに、通常は切削工具の工具径が小さいと切り込み量も小さくなるため加工時間が長くなってしまう。しかしながら、本発明は第1の側面切削工程の大きな切り込みと、第2の側面切削工程で第1工程の残部を側面切削することで効果を得ることができる。そのため、工具径を徐々に小さくしながら複数回の加工を行う従来の等高線加工と比べ、同等以下の加工時間で削り残しを所望の大きさまで小さくできる。さらに工具交換が不要なため、複数の工具を保有する必要はなく、工具交換の段取りや時間も不要となる。
【0010】
前記ソリッドエンドミルはボールエンドミルであり、前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのボール直径の0.8倍以上1.5倍以下の長さである方法としてもよい。
【0011】
前記ソリッドエンドミルはボールエンドミルであり、前記第2の側面切削工程における前記第2の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのボール半径の0.2倍以上1.2倍以下である方法としてもよい。
【0012】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルの刃長の0.5倍以上0.9倍以下の長さである方法としてもよく、好ましくは、0.7倍以上としてもよい。
【0013】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、前記第1の側面切削工程における前記第1の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルの工具径の0.8倍以上1.5倍以下の長さである方法としてもよい。
【0014】
前記ソリッドエンドミルはラジアスエンドミルであり、前記第2の側面切削工程における前記第2の切り込み量は、前記ソリッドエンドミルのコーナーRの0.8倍以上1.5倍以下である方法としてもよい。
【0015】
前記ソリッドエンドミルの工具径は、前記隅部の最終仕上げ用の切削工具の工具径の1倍以上1.6倍以下である方法としてもよい。
【0016】
前記成形凹部の隅部の傾斜角が、30°以上90°未満である方法としてもよい。
【0017】
本発明は、第1の側面切削工程で主に外周刃を使用して隅部の削り残しを小さくしていく。そのため、隅部の傾斜角が30°未満の場合、外周刃を効果的に使用できず、本発明の効果が十分に発揮されない。また、切削工具は工具保持具を介して工作機械の主軸に取り付けられる。工具保持具にはテーパー角がついているものや、やや細身のスリムタイプのものなどがあるが、隅部の傾斜角上限は工具保持具の形状と突出し長さを加味する必要があるため、必ず90°未満となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、削り残し隅部の加工時間を短縮できる金型の加工方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、金型加工装置10に金属素材Wを設置した概略図である。
図2図2は、金型の一例を示す部分斜視図である。
図3図3は、本実施形態における金型の加工方法のフローチャートである。
図4図4は、従来例1(等高線加工)における金型の加工方法のフローチャートである。
図5図5は、成形凹部が掘り込まれた金属素材Wを上側から見た平面図である。
図6図6は、第1の側面切削工程S21におけるエンドミルの軌跡を示す金属素材Wの部分上面図である。
図7図7は、第1の側面切削工程S21を示す金属素材Wの部分断面図である。
図8図8は、第2の側面切削工程S23におけるエンドミルの軌跡を示す金属素材Wの部分上面図である。
図9図9は、第2の側面切削工程S23を示す金属素材Wの部分断面図である。
図10図10は、削り残し切削工程S2を示す金属素材Wの部分断面図である。
図11図11は、削り残し切削後の凹部内面の表面性状測定位置を示す図である。
図12図12は、従来例2の削り残し切削工程を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、金型加工装置10に金属素材Wを設置した概略図である。図2は、金型の一例を示す部分斜視図である。
本実施形態の金型加工装置10は、切削工具11と、主軸12と、工具保持具14と、金属素材保持具15と、金属素材保持具15を介して金属素材Wを支持するステージ13と、制御部16とを備える。
【0021】
切削工具11は、金型加工方法における工程ごとに、適切な種類の切削工具が用いられる。後述する本実施形態の加工方法では、第1の側面切削工程および第2の側面切削工程では、切削工具の先端部に切刃部を有するソリッドエンドミルが用いられる。実施形態の加工方法で用いられるソリッドエンドミルは、ラジアスエンドミル、スクエアエンドミル、またはボールエンドミルである。また、第1の側面切削工程および第2の側面切削工程以外の切削工程で使用する切削工具はソリッドエンドミルに限られず、加工形状や加工条件で決定する。
【0022】
切削工具11は、工具保持具14を介して主軸12に保持される。さらに、主軸12は、切削工具11を工具中心軸回りに回転駆動する駆動機構と、切削工具11を移動させる移動機構とを備える。主軸12の移動機構は、切削工具11をX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に移動可能である。また、本実施形態において主軸の移動機構は前述の3軸があればよく、例えば主軸12自体を傾けるなど移動機構に3軸以上の機能が備わっていても良い。
【0023】
ステージ13は、金属素材Wを金属素材保持具15を介して下側から支持する。金属素材保持具15は金属素材Wを固定する固定機構、および金属素材Wの姿勢を調整する姿勢制御機構を備える。ステージ13の固定機構および姿勢制御機構は、それぞれ必要に応じて設けられる。
【0024】
制御部16は、金型加工装置10を統括的に制御する。制御部16は、金型加工プログラムを実行可能なコンピュータである。制御部16は、主軸12を制御する工具制御部17と、ステージ13を制御するステージ制御部18と、工具制御部17およびステージ制御部18に接続される記憶部19と、を備える。工具制御部17およびステージ制御部18は、制御部16のCPUが、記憶部19に記憶される動作プログラムを実行することにより実現される。
【0025】
制御部16は、工具制御部17を介して主軸12を制御することにより、切削工具11を回転駆動し、かつ切削工具11をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させる。制御部16は、ステージ制御部18を介して金属素材保持具15の固定機構および姿勢制御機構を制御することにより、金属素材Wを所定の姿勢で保持する。
金型加工装置10は、制御部16の制御のもと、加工プログラムに基づいて、切削工具11を用いた金属素材Wの切削加工を実行する。以下では、金型加工装置10を用いて、図2に示す上側に開口する成形凹部101を金属素材Wに形成する場合について説明する。
【0026】
図3は、本実施形態による金型の加工方法のフローチャートである。
本実施形態の金型の加工方法は、図3に示すように、荒加工工程S1と、削り残し切削工程S2と、仕上げ加工工程S3と、を有する。
削り残し切削工程S2は、第1の側面切削工程S21と、判定工程S22と、第2の側面切削工程S23と、最後の第2の側面切削工程S24とを有する。
仕上げ加工工程S3は、側面中荒加工工程S31と、側面中仕上げ工程S32と、底面中仕上げ工程S33と、側面仕上げ工程S34と、底面仕上げ工程S35と、最終仕上げ仕上げ工程S36と、を有する。
【0027】
図4は、従来例1(等高線加工)による金型の加工方法のフローチャートである。
従来例1の金型の加工方法は、図4に示すように、荒加工工程S1と、削り残し切削のための等高線加工工程Tと、仕上げ加工工程S3と、を有する。従来例1の加工方法は、本実施形態とは削り残し切削工程S2と等高線加工工程Tのみが異なる。
【0028】
荒加工工程S1では、荒加工用の切削工具11を用いて、金属素材Wに対して成形凹部101が掘り込まれる。
図5は、荒加工工程S1において成形凹部101が掘り込まれた金属素材Wを上側から見た平面図である。荒加工工程S1では、例えば工具径D1=φ32mmの大径エンドミル111が用いられる。大径エンドミル111は、ラジアスエンドミル、スクエアエンドミルのいずれであってもよい。大径エンドミル111は、ソリッドタイプ、スローアウェイタイプのいずれであってもよい。荒加工に用いる切削工具11としては、金型の荒加工に使用できる回転切削工具であれば、上記に挙げた以外の切削工具であってもよい。
【0029】
大径エンドミル111を用いる荒加工では、図5に示すように、成形凹部101の隅部101cに、大径エンドミル111の工具径に応じた大きさの削り残し101dが形成される。削り残し101dは、最終仕上げ後の設計形状102cと、荒加工直後の隅部101cの形状との差分の肉部分である。本実施形態の場合、最終仕上げ工程S36に用いられるソリッドエンドミルの工具径はφ6mmであり、削り残し101dは、上側から見て概略三角形状である。
【0030】
削り残し切削工程S2では、第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23とを繰り返し実行することにより、隅部101cの削り残し101dが切削され小さくなる。以下、図6から図10を参照しながら、削り残し切削工程S2について説明する。
【0031】
図6は、第1の側面切削工程S21を示す金属素材Wの部分斜視図である。図7は、第1の側面切削工程S21を示す金属素材Wの部分断面図である。図8は、第2の側面切削工程S23を示す金属素材Wの部分斜視図である。図9は、第2の側面切削工程S23を示す金属素材Wの部分断面図である。図10は、削り残し切削工程S2を示す金属素材Wの部分断面図である。
【0032】
削り残し切削工程S2では、荒加工用の切削工具に対して工具径が1/3以下、好ましくは1/4以下、さらに好ましくは1/5以下であるソリッドエンドミルが用いられる。本実施形態の場合、荒加工用の大径エンドミル111がφ32mmであるから、削り残し切削工程S2で用いられるソリッドエンドミルは、工具径D2≦φ10.6mmのソリッドエンドミルである。本実施形態の削り残し切削工程S2では、隅部の削り残しを切削するソリッドエンドミルとして、図5および図7に示す工具径φ6mmのボールエンドミル112を用いる。
【0033】
削り残し切削工程S2で用いられるソリッドエンドミルの工具径D2の下限値は特に限定されないが、最終仕上げ工程S36で用いられるエンドミルの工具径を下限値とすることが好ましい。削り残し切削工程S2で用いられるソリッドエンドミルとしては、ラジアスエンドミルを用いることもできる。ラジアスエンドミルを用いて削り残し切削工程S2を実行する場合については、後述する。
【0034】
削り残し切削工程S2では、底面101a、つまり設定加工深さHに工具先端が達するまで第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23が繰り返される。このとき、設定加工深さHと第1の切り込み量n1によっては、最後の第1の切り込み量n1がそれ以前の第1の切り込み量n1とは異なる場合があってもよい。たとえば、設定加工深さHが50mm、第1の切り込み量n1が6mmの場合、第1の側面切削工程S21は1回目から8回目までは第1の切り込み量n1は6mmだが、最後(9回目)の切り込み量は2mmとなる。もしくは、CAMで自動計算による均等割にて切削加工を行う場合もある。このとき、第1の切り込み量n1を6mmと設定すると、実際には第1の切り込み量n1を6mm以内で適切な切込み量となるようCAMツールが自動計算をするが、その場合であっても最後の第1の側面切削工程S21の第1の切り込み量n1はそれ以前の第1の切り込み量n1と異なることがある。
第1の側面切削工程S21では、図5から図7に示すように、ボールエンドミル112の外周刃を用いた側面切削によって、隅部101cの削り残し101dを切削する。第1の側面切削工程S21の軸方向の切り込み量(ap)は、ボールエンドミル112のボール直径と同等である。すなわち、本実施形態における第1の切り込み量n1は、6mmである。
【0035】
第1の側面切削工程S21では、図6に示すように、ボールエンドミル112が、側面101bおよび隅部101cに沿いながら徐々に隅部101cに向かって設定したピックフィードPmaxを超えないよう、円弧状に移動する。この時、ピックフィードPはPmax≧P1≧P2≧P3・・・のように隅部101cに近付く程漸次小さくなる。また、図5に示す隅部101cの削り残し101dは、ボールエンドミル112のボール刃および外周刃によって側面切削される。
【0036】
図7に示すように、第1の側面切削工程S21により、第1の切り込み量n1の加工深さ範囲において、削り残し101dが概ね切削される。ボールエンドミル112は、図7に想像線で示す設計切り込み位置103cまで切り込む。通常、成形凹部101の側面101bおよび隅部101cは金型の抜き方向に対して傾斜する傾斜面であるため、第1の側面切削工程S21では、ボールエンドミル112の外周刃によって切削された加工面101fの位置に、設計切り込み位置103cから成形凹部101の内側へ突出する削り残し突起部101eが残る。
【0037】
次に、図8および図9に示すように、第2の側面切削工程S23では、第1の側面切削工程S21で生じる削り残し突起部101e(図7)を、ボールエンドミル112の切り上がり加工によって切削する。
具体的に第2の側面切削工程S23では、加工深さ方向とは反対方向にボールエンドミル112を第2の切り込み量n2で深さ方向に移動させながら、第1の側面切削工程S21で加工した面をボールエンドミル112の外周刃によって切削する。このとき、ボールエンドミル112の軸方向の切り込み量は、第1の切り込み量n1よりも小さい第2の切り込み量n2に設定される。
【0038】
本実施形態では、第2の切り込み量n2は、1.5mmに設定される。第1の切り込み量n1が、6mmであるから、第2の側面切削工程では、深さ方向とは反対方向へ1.5mmで3パスの切削が行われる。第2の側面切削工程S23において、金属素材Wを上側から見たボールエンドミル112の軌跡は、図8に示す軌跡となる。
【0039】
第2の側面切削工程における径方向の切り込み量(ae)は、本実施形態では、第1の側面切削工程S21における径方向の切り込み量(ae)と同等である。径方向の切り込み量(ae)は、第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23とで異なることもある。図8に示すように、第2の側面切削工程S23での切削により、第1の側面切削工程S21で加工された面の一部が径方向に切り込まれる。これにより、削り残し突起部101eが切削され、次工程において障害とならない程度まで小さくなる。
【0040】
本実施形態では、第2の側面切削工程S23で3パスの切削加工を行うこととしたが第2の切り込み量n2は変更可能である。例えば、第2の側面切削工程S23において、第2の切り込み量n2を3mmに設定し、1パスの切削加工を行ってもよい。あるいは、第2の側面切削工程S23において、第2の切り込み量n2を2mmに設定し、2パスの切削加工を行ってもよい。
【0041】
なお、成形凹部101の最深部では、第1の側面切削工程S21での第1の切り込み量n1が6mm未満となる場合がある。例えば、最深部の第1の切り込み量n1が3mmである場合、第2の側面切削工程S23では、第2の切り込み量n2が1.5mmの条件で、1パスのみの切削が行われる。なお、第2の切り込み量n2は常に一定とする。
【0042】
第1の側面切削工程S21において、ボールエンドミル112の先端が、底面101aの設計切り込み位置に達したか否かが判定される。なお、隅部101cの底面部とは削り残し適用箇所において形状的に底部もしくは設定した加工深さであり、判定時における工具先端とは切削加工時に隅部101cの底面部もしくは設定した加工深さに最も近い部分のことである。
【0043】
第1の側面切削工程S21におけるボールエンドミル112の先端位置が、成形凹部101の底面に達していない場合、(S22-NO)、図3に示すように、第1の側面切削工程S21に戻り、次段の切削加工が続行される。次段の第1の側面切削工程S21では、ボールエンドミル112は、図9に二点鎖線で示す位置112Nに切り込み、第1切削の切り込み量(n1)分(6mm)下側の隅部101cの削り残し101dを切削する。続く第2の側面切削工程S23では、第1の側面切削工程S21で生じる図9の削り残し突起部101eが切削される。
【0044】
このように本実施形態の金型の加工方法では、図10に示すように、削り残し101dを下方向に切り込む第1の側面切削工程S21と、第1の側面切削工程S21で加工された面を上方向に切り上げ加工する第2の側面切削工程S23とを、ボールエンドミル112の先端が、底面101aの設計切り込み位置に達するまで繰り返す。これにより、隅部101cの削り残し101dが、成形凹部101の上端から下端まで切削される。
【0045】
なお、ボールエンドミル112の先端が、底面101aに達した場合、すなわち設定加工深さHに工具先端が達した場合(S22-YES)、最後の第2の側面切削工程S24を行った後、削り残し切削工程S2は終了し、仕上げ加工工程S3に移行する。
【0046】
仕上げ加工工程S3は、図3に示すように、側面中荒加工工程S31、側面中仕上げ工程S32、底面中仕上げ工程S33、側面仕上げ工程S34、底面仕上げ工程S35、および最終仕上げ工程S36を有する。本実施形態の仕上げ加工工程S3は、金型加工における仕上げ加工の一例であり、工程の具体的な構成は適宜変更可能である。例えば、側面中荒加工工程S31を省略してもよい。また、側面中仕上げ工程S32と側面仕上げ工程S34とを1つの側面仕上げ工程として実行もよい。底面中仕上げ工程S33と底面仕上げ工程S34とを1つの底面仕上げ工程として実行もよい。
【0047】
本実施形態の場合、側面中荒加工工程S31、側面中仕上げ工程S32および側面仕上げ工程S34では、工具径がφ10mmのエンドミルが用いられる。底面中仕上げ工程S33および底面仕上げ工程S35では、工具径がφ16mmのエンドミルが用いられる。最終仕上げ工程S36では、工具径がφ6mmのエンドミルが用いられる。
【0048】
仕上げ加工工程S3の完了により、本実施形態の金型の加工方法における一連の工程が完了する。以上の工程により、成形凹部101を有する金型が得られる。
【0049】
本実施形態で最終仕上げ加工まで加工した後の隅部101cの表面性状と、従来例1(等高線加工)で加工した後の隅部101cの表面性状を測定した結果を下記表1に示す。図11に、表面性状の測定位置を示す。なお、測定には非接触三次元測定器(ATOS)を使用し、隅部の凹凸形状を測定した。得られた測定データは、加工プログラム作成時に使用したCADモデルと比較し、狙い値との差、すなわち削り残し量を算出した。
また、本実施例は荒加工工程S1の後、削り残し切削工程S2を行い、最後に仕上げ加工工程S3を行った。一方、従来例1(等高線加工)は荒加工工程S1の後、等高線加工工程Tを行い、最後に仕上げ加工工程S3を行った。このとき、本実施例と従来例1(等高線加工)における荒加工工程S1と仕上げ加工工程S3の切削条件は全て同じであり、削り残し切削工程S2と等高線加工工程Tのみが異なる。
次に、表1に示す本実施例の削り残し切削工程S2と従来例1(等高線加工)の等高線加工工程Tの切削条件を示す。
本実施例における削り残し切削工程S2は、工具径φ6mmのソリッドボールエンドミルを用いて、回転数4775min-1、切削速度90m/min、送り速度1432mm/min、1刃あたりの送り0.1mm/toothとし、第1の側面切削加工における第1の切り込み量(n1)は6mm、第2の側面切削加工における第2の切り込み量(n2)1.5mmで行った後、仕上げ加工工程S3を行った。
一方で、従来例1(等高線加工)の等高線加工工程Tは、工具径φ16mmの刃先交換式ボールエンドミルを用いて、回転数2000min-1、切削速度100m/min、送り速度480mm/min、1刃あたりの送り0.12mm/tooth、切り込み量(ap)0.8mm、切り込み幅(ae)1.4mmで隅部の上から下へ等高線加工を行った後、工具径φ12mmの刃先交換式ボールエンドミルに工具を交換して、回転数1855min-1、切削速度70m/min、送り速度265mm/min、1刃あたりの送り0.07mm/tooth、切り込み量(ap)0.3mm、切り込み量(ae)もしくは前工程の残り量で再び隅部の上から下まで等高線加工を行った。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示すように、本実施例は全ての加工部位において狙い値に対する加工精度差が従来例1(等高線加工)よりも小さくなった。これは、第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23を、荒加工工程S1で使用する工具に対して十分に小径なソリッドエンドミル(具体的には1/3以下の工具径のソリッドエンドミル)を用いて繰り返しながら最深部へ切削を進めることで、図9で説明したとおり、削り残し突起部101eを第2の側面切削工程S23で随時切削しているからである。
【0052】
また、従来例2として、本発明の第1の側面切削工程S21の条件で隅部を上から下まで一度に切り下がって切削加工した後、本発明の第1の側面切削工程S21の条件で隅部を下から上まで一度に切り上げる加工を行った場合、すなわち第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23を個々に行った場合は、加工プログラムが組めないことが多い。なぜなら、図12に示す通り、直前の加工により生じた段差(削り残し突起部101e)に工具が衝突してしまうおそれがあるからである。段差を小さくし直前の加工により生じた段差に工具が衝突しないようにする方法もあるが、段差を小さくするにあたって切り込み深さも小さくする必要がある。切り込み深さを小さくすると、加工時間も長くなってしまうため、従来例2は加工時間を必要以上に長くすることなく隅部の削り残しに対応し加工精度を高めるという本発明の目的には適さない。
【0053】
以上に説明した本実施形態の金型の加工方法によれば、削り残し切削工程S2によって隅部101cの削り残し101dを切削することで、従来の加工方法と比較して、同等以上の短さの加工時間、工程を短縮し、かつ最終仕上げ面にて高精度な加工面を得ることができる。
【0054】
従来の削り残し切削工程では、工具径φ16mmのエンドミルを用いる等高線加工を隅部の上部から下部に向かって行った後、工具径φ12mmのエンドミルを用いた等高線加工を再び隅部の上部から下部に向かって行うことで、削り残し101dを徐々に切削していた。これに対して、本実施形態の削り残し切削工程S2では、荒加工工程S1で用いる大径エンドミル111の工具径(φ32mm)に対して、1/3以下の工具径(φ6mm)のボールエンドミル112を用いて削り残し101dの切削を行う。
【0055】
本実施形態では、外周刃が使用できる工具径の小さいボールエンドミル112を用いることで、一度の加工によって生じる削り残しが、工具径φ16mm等のエンドミルを用いる場合よりも小さくなる。また、径方向の切り込み量(ae)を工具径Dの8~10%程度に小さくすることで、軸方向の切り込み量を、ボールエンドミル112のボール直径(6mm)と同程度にまで大きくできる。従来の等高線加工における軸方向の切り込み量は0.5mm以下であるため、本実施形態の軸方向の切り込み量の方が10倍以上も大きい。
【0056】
また、第1の側面切削工程S21で生じた削り残し突起部101eを切削する第2の側面切削工程S23でも、第1の側面切削工程S21と同一のボールエンドミル112を用い径方向の切り込み量(ae)を小さくすることで、軸方向の切り込み量を、例えば1.5mm~3mm程度とすることができる。少ない加工時間で削り残し突起部101eを切削できる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、第1の側面切削工程S21および第2の側面切削工程S23における加工時間を、従来の等高線加工と比較して大幅に減らすことができる。さらに、第1の側面切削工程S21と第2の側面切削工程S23とで共通の工具径のソリッドエンドミルを用いるので、工程間の切削工具交換が不要である。これらにより、隅部101cの削り残し101dを切削する工程を、従来と比較して短縮できる。
【0058】
また、従来の等高線加工による隅部の削り残し切削では、工具径φ12mmのエンドミルで隅部の削り残しを切削した後、工具径φ10mmのエンドミルを用いた側面仕上げ加工を行い、その後に、工具径φ6mmのエンドミルを用いた最終仕上げ加工を経て、成形凹部の隅部が仕上げられる。すなわち、最終仕上げ工程では、工具径φ10mmのエンドミルで加工された面に対して、工具径φ6mmのエンドミルを用いた最終仕上げが実施される。
【0059】
これに対して、本実施形態では、最終仕上げ工程S36において加工される隅部101cの面は、第2の側面切削工程S23で工具径φ6mmのボールエンドミル112を用いて加工された面である。すなわち本実施形態の加工方法では、従来と比較して削り残しが少ない面に対して、最終仕上げを実施することになる。したがって、最終仕上げ工程S36において切削しきれない凸部、すなわち削り残し部が少なくなり、より平滑で高精度な加工面を得ることができる。
【0060】
上記実施形態では、第1の側面切削工程S21における第1の切り込み量n1を、ボールエンドミル112のボール直径に一致する長さとしたが、第1の切り込み量n1の長さを変更してもよい。第1の切り込み量n1は、ボールエンドミル112のボール直径の0.8倍以上1.5倍以下の長さとすることが好ましく、1.2倍以下の長さとすることがより好ましい。このような範囲とすることで、上記実施形態と同様に、隅部101cの削り残し101dを効率よく切削できる。
【0061】
上記実施形態では、第2の側面切削工程S23における第2の切り込み量n2を1.5mmとし、ボールエンドミル112のボール半径の0.25倍とした。第2の切り込み量n2は、第1の切り込み量n1よりも小さい長さであれば、任意に設定可能である。第2の切り込み量n2は、ボールエンドミル112のボール半径の0.2倍以上1.2倍以下としてもよい。第2の切り込み量は、第1の切り込み量n1の1/5、1/4、1/3、または1/2としてもよい。
【0062】
上記実施形態では、ボールエンドミル112を用いて削り残し101dを切削する場合について説明したが、ラジアスエンドミルを用いた場合も同様の工程により、削り残し101dの高速切削が可能である。
【0063】
削り残し切削工程S2でラジアスエンドミルを用いる場合には、第1の側面切削工程S21における第1の切り込み量n1は、例えば、ラジアスエンドミルの刃長の0.8倍とする。第1の切り込み量n1は、ラジアスエンドミルの刃長の0.7倍以上0.9倍以下の長さとしてもよい。この構成によれば、ボールエンドミル112を用いた場合と同様に、隅部101cの削り残し101dを効率よく切削できる。
【0064】
削り残し切削工程S2でラジアスエンドミルを用いる場合には、第2の側面切削工程S23における第2の切り込み量n2は、例えば、ラジアスエンドミルのコーナーRの1.0倍とする。第2の切り込み量n2は、ラジアスエンドミルのコーナーRの0.8倍以上1.5倍以下としてもよく、0.8倍以上1.2倍以下としてもよい。この構成によれば、第2の側面切削工程S23において加工された面の凹凸を低減しやすい。
【0065】
例えば、ラジアスエンドミルの工具径がφ10mm、外周刃の軸方向長さが10mm、コーナーRが2mmである場合には、第1の切り込み量n1は7mm以上9mm以下、第2の切り込み量n2は1.6mm以上2.4mm以下の範囲とすることが好ましい。
【0066】
上記実施形態では、ボールエンドミル112の工具径(φ6mm)が、隅部101cの最終仕上げ用の切削工具の工具径(φ6mm)に一致する構成としたが、これに限られない。ボールエンドミル112の工具径は、最終仕上げ用の切削工具の工具径の1倍以上1.6倍以下の範囲内で変更可能である。ボールエンドミル112に代えて、ラジアスエンドミルを用いる場合も同様である。削り残し切削工程S2で用いるソリッドエンドミルの工具径を上記範囲とすることで、最終の最終仕上げ工程S36の前に、隅部101cの削り残しを低減でき、最終仕上げの品質を向上できる。
【0067】
上記実施形態において、成形凹部101の隅部101cの傾斜角は、30°以上90°未満であることが好ましい。傾斜角が30°未満である場合、平滑な加工面を得るためには第1の切り込み量n1を小さくしなければならず、加工時間が長くなってしまう。また、傾斜角上限値は使用する工具保持具14に依存する。例えば工具保持具14がテーパー角があるタイプのものであり、そのテーパー角が3°だった場合は、隅部の傾斜角上限は86°となる。このときもし、傾斜角が86°を超える場合、隅部101cの深い位置を加工するために突き出し長の大きいソリッドエンドミルを用いる必要があり、外周刃を用いた側面切削が安定しにくくなる。
【0068】
以上に説明した金型の加工方法を、金型加工装置10の制御部16において実行可能な金型加工プログラムとして構成することもできる。すなわち、制御部16を構成するコンピュータに、成形凹部101の形状データに基づいて、金属素材Wにおける切削工具11の移動経路を設定させる金型加工プログラムとして、上記実施形態の金型の加工方法を実行するプログラムを構成できる。
上記の金型加工プログラムを実行することにより、従来と比較して、高速かつ高品位に成形凹部を形成できる。
【0069】
上記金型加工プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持する媒体であってもよく、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持している媒体を含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現する構成であってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できる構成であってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
10…金型加工装置、11…切削工具、12…主軸、14…工具保持具、15…金属素材保持具、101…成形凹部、101b…側面、101c…隅部、101d…削り残し、112…ボールエンドミル、n1…第1の切り込み量、n2…第2の切り込み量、S1…荒加工工程、S2…削り残し切削工程、S3…加工工程、S21…第1の側面切削工程、S23…第2の側面切削工程、W…金属素材
図1
図2
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図12