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特開2023-23553圧縮機ユニット及び圧縮機ユニットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023553
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】圧縮機ユニット及び圧縮機ユニットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20230209BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20230209BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
B63B25/16 D
F17C13/00 302A
B63H21/38 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129165
(22)【出願日】2021-08-05
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】手塚 智志
(72)【発明者】
【氏名】瀬山 勝広
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172BA06
3E172BD02
3E172DA90
3E172HA08
3E172JA08
3E172JA10
(57)【要約】
【課題】貯槽から圧縮機ユニットに低温のガスが流入した場合に、貯槽側流路における圧力の上昇を抑制する。
【解決手段】圧縮機ユニット100は、貯槽101からの対象ガスを順次昇圧する往復動式の圧縮ステージ201~206と、少なくとも最初の圧縮ステージ201をバイパスするバイパス流路301と、バイパス流路301に設けられたバイパス弁311と、貯槽接続流路111に設けられた上流圧力センサ401及び温度センサ403と、バイパス流路301の入口側端部322が接続される流路に設けられた下流圧力センサ402と、下流圧力センサ402の検出圧力P2を設定圧力PS1に近づくようにバイパス弁311の開度を制御する開度調整部441と、温度センサ403の検出温度T1が低下すると設定圧力PS1を高くする設定圧変更部431と、を備えた圧縮機ユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶内に設置され、前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットであって、
対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、
各圧縮ステージのピストンを駆動するクランク機構と、
少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、
前記バイパス流路上に設けられたバイパス弁と、
前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路に設けられた上流圧力センサと、
前記貯槽接続流路に設けられた温度センサと、
前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続される流路に設けられた下流圧力センサと、
前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力となるように前記バイパス弁の開度を制御する開度調整部と、
前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする設定圧変更部と、
を備える圧縮機ユニット。
【請求項2】
前記設定圧変更部は、前記温度センサの検出温度が所定温度以下となった場合には、前記設定圧力を前記所定温度に対応する設定圧力のまま維持する、請求項1に記載の圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記設定圧変更部は、前記上流圧力センサの検出圧力の上昇に従って前記設定圧力を高くする、請求項2に記載の圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記バイパス流路の前記入口側端部が接続される前記流路に設けられ、作動圧力が一定値に設定された安全弁をさらに備え、
前記設定圧変更部は、前記設定圧力について前記安全弁の作動圧力よりも所定値だけ低い上限圧力を設定する、請求項3に記載の圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記温度センサは、前記貯槽接続流路において前記バイパス流路の出口側端部と前記最初の圧縮ステージとの間に設けられる、請求項1ないし4のいずれかに記載の圧縮機ユニット。
【請求項6】
船舶内に設置されて前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットの制御方法であって、
前記圧縮機ユニットは、対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられたバイパス弁と、前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路と、を備え、
前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの圧力を上流圧力センサによって検出し、
前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの温度を温度センサによって検出し、
前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続された流路を流れる対象ガスの圧力を下流圧力センサによって検出し、
前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力になるように前記バイパス弁の開度を調整し、
前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする、圧縮機ユニットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機ユニット及び圧縮機ユニットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LNG運搬船に設置されて、貯槽内のLNG(Liquified Natural Gas:液化天然ガス)から発生したボイルオフガスを昇圧して、エンジン等の需要先に供給する圧縮機ユニットが知られている。特許文献1には、複数の圧縮機と、吸込側流路と吐出側流路とを繋ぐバイパス流路と、バイパス流路に設けられた調整弁と、調整弁を開度制御する制御部と、吐出側流路に設けられた圧力計と、を備えた圧縮機ユニットが開示されている。特許文献1の圧縮機ユニットでは、吐出側流路の圧力と目標圧力との圧力差に応じて設定された指令値によって、バイパス流路の調整弁の開度が制御される。また、特許文献2及び特許文献3にも、圧縮ステージをバイパスするように設けられたバイパス流路と、バイパス流路に設けられたバイパス弁と、バイパス弁の開度を調節する制御装置とを備えた圧縮機ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-129112号公報
【特許文献2】特許第6294243号公報
【特許文献3】特開2018-103954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1ないし3の圧縮機ユニットでは、第1圧縮ステージを跨ぐバイパス流路が設けられている。このような圧縮機ユニットでは、第1圧縮ステージの吐出側の圧力が設定圧力となるように、当該バイパス流路上のバイパス弁の開度を制御することがある。当該設定圧力は、第1圧縮ステージの圧縮比とそれ以外の圧縮ステージの圧縮比との間のバランスを考慮して設定される。
【0005】
一方、上記設定圧力は、圧縮機ユニットが定常運転時に通常想定されるボイルオフガスの吸入温度(例えば、40℃)を考慮して設定される。しかしながら、ボイルオフガスの温度は変動することがあり、上記温度よりも低い温度のボイルオフガスを第1圧縮ステージが吸入することもある。
【0006】
一般に、ボイルオフガスの温度が低下すると、ガス密度が高くなることから第1圧縮ステージの処理量が増大する。この場合、設定圧力が上述した通常想定されるボイルオフガスの吸入温度に基づいて設定されていると、バイパス流路を介して戻されるガスの流量が増加し易くなり、貯槽側の流路において圧力が上昇する虞がある。
【0007】
そこで本発明は、貯槽から圧縮機ユニットに低温のガスが流入した場合に、貯槽側の流路における圧力の上昇を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示における圧縮機ユニットは船舶内に設置されており、前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットである。この圧縮機ユニットは、対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、各圧縮ステージのピストンを駆動するクランク機構と、少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、前記バイパス流路上に設けられたバイパス弁と、前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路に設けられた上流圧力センサと、前記貯槽接続流路に設けられた温度センサと、前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続される流路に設けられた下流圧力センサと、前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力となるように前記バイパス弁の開度を制御する開度調整部と、前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする設定圧変更部と、を備える。
【0009】
このように構成された圧縮機ユニットでは、LNG貯槽から圧縮機ユニットに流入する対象ガスの温度が低下した場合には、設定圧変更部によって、設定圧力が、より高い圧力に変更される。そして、より高い圧力に変更された設定圧力を下流圧力センサの検出圧力の目標圧力として、開度調整部によってバイパス弁の開度調整が行われる。このため、対象ガスは、バイパス流路を通じて吐出側流路から貯槽接続流路に戻され難くなるため、貯槽接続流路に戻る対象ガスの流量の増加を抑制できる。この結果、流入する対象ガスの温度が低くなった場合に、貯槽接続流路の圧力が高くなることを抑制できる。
【0010】
前記設定圧変更部は、前記温度センサの検出温度が所定温度以下となった場合には、前記設定圧力を前記所定温度に対応する設定圧力のまま維持してもよい。
【0011】
この態様では、設定圧変更部における設定圧力を変更するための温度に、下限となる所定温度が設定されている。このため、設定圧力は所定温度に対応した圧力よりも高くならないので、設定圧力が上がり過ぎることを抑制できる。これにより、圧縮機ユニットの動力の増加を抑制することができる。
【0012】
前記設定圧変更部は、前記上流圧力センサの検出圧力の上昇に従って前記設定圧力を高くしてもよい。
【0013】
この態様では、ボイルオフガスの発生量の増加等によって、貯槽接続流路の圧力が上昇した場合に、設定圧力がより高い圧力に変更される。これにより、バイパス流路を通じて吐出側流路から貯槽接続流路に戻される対象ガスの流量を抑制できる。したがって、貯槽接続流路の圧力上昇の抑制に寄与する。
【0014】
前記バイパス流路の前記入口側端部が接続される前記流路に設けられ、作動圧力が一定値に設定された安全弁をさらに備え、前記設定圧変更部は、前記設定圧力について前記安全弁の作動圧力よりも所定値だけ低い上限圧力を設定してもよい。
【0015】
この態様では、設定圧変更部が設定圧力に上限圧力を設定して、第2圧力センサの目標圧力となる設定圧力が、安全弁の作動圧力に近づきすぎないようにする。これにより、圧縮ステージからの吐出量が変動する場合でも、安全弁が設けられた流路の圧力が瞬間的に作動圧力に達してしまうことが防止できる。すなわち、意図しない安全弁の作動を防止することができる。
【0016】
前記温度センサは、前記貯槽接続流路において前記バイパス流路の出口側端部と前記最初の圧縮ステージとの間に設けられてもよい。
【0017】
この態様では、最初の圧縮ステージの吸込口により近い位置に設けられた温度センサにより、最初の圧縮ステージに流入する対象ガスの温度を正確に検出できる。
【0018】
本発明に係る圧縮機ユニットの制御方法は、船舶内に設置されて前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットの制御方法である。前記圧縮機ユニットは、対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられたバイパス弁と、前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路と、を備える。前記圧縮機ユニットの制御方法は、前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの圧力を上流圧力センサによって検出し、前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの温度を温度センサによって検出し、前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続された流路を流れる対象ガスの圧力を下流圧力センサによって検出し、前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力になるように前記バイパス弁の開度を調整し、前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする。
【発明の効果】
【0019】
本開示における圧縮機ユニットによれば、貯槽から圧縮機ユニットに、ガス密度の高い低温のガスが流入した場合に、貯槽側の流路における圧力の増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る圧縮機ユニットの概略の構成図である。
図2】第1実施形態に係る圧縮機ユニットにおける上流圧力センサの検出圧力と設定圧力の関係を概略的に示す関係図である。
図3】第1実施形態に係るコントローラの制御方法を概略的に示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る圧縮機ユニットの一部を示す構成図である。
図5】第2実施形態に係る圧縮機ユニットにおける上流圧力センサの検出圧力と設定圧力の関係を概略的に示す関係図である。
図6】第3実施形態に係る圧縮機ユニットの概略の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る圧縮機ユニット100の概略の構成図である。図1を参照して、圧縮機ユニット100について説明する。
【0022】
圧縮機ユニット100は、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)が貯留された貯槽101を有している船舶(図示せず)に設置されている。圧縮機ユニット100は、貯槽101内で生じたボイルオフガスである対象ガスを回収して、例えば約300barGまで昇圧し、昇圧された対象ガスを所定の需要先600へ供給するように構成されている。以下の説明において、対象ガスの流れ方向を基準に「上流」及び「下流」の用語が用いられる。
【0023】
圧縮機ユニット100は、貯槽101から需要先600に向けて対象ガスが流れるガス流路110と、対象ガスを順次昇圧する複数の圧縮ステージ(第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206)と、各圧縮ステージ201~206を駆動するための駆動部(図示省略)と、を備えている。ガス流路110には、2つの第1圧縮ステージ201が設けられており、2つの第1圧縮ステージ201よりも下流側に、第2~第6圧縮ステージ202~206が順次設けられている。
【0024】
駆動部は、駆動源(モータやエンジンなど)と、駆動源の動力を第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206に伝えるクランク機構とを備えている。クランク機構は、第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206のピストンロッドにそれぞれ接続された複数のクロスヘッドを有している。クランク機構は、クランクシャフトの回転をクロスヘッドの往復動に変えることにより、ピストンロッド及びピストンロッドの先端に接続されたピストンを往復動させるように構成されている。第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206はそれぞれ、往復動式である。
【0025】
第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206はそれぞれ、シリンダ部と、シリンダ部内に収容されたピストンと、ピストンに取り付けられたピストンリングと、ピストンから延設されクランク機構に接続されたピストンロッドとを備えている(図示省略)。シリンダ部には、ロッドパッキンが設けられている。第1圧縮ステージ201~第5圧縮ステージ205は、ピストンリング及びロッドパッキンに潤滑油が供給されない無給油式の圧縮ステージであり、第6圧縮ステージ206は、ピストンリング及びロッドパッキンに潤滑油が供給される給油式の圧縮ステージである。
【0026】
ガス流路110は、貯槽101から対象ガスが流入する貯槽接続流路111と、複数の圧縮ステージ201~206間の複数のステージ接続流路112~116と、需要先600に対象ガスを供給する需要先供給流路117と、を含んでいる。
【0027】
貯槽接続流路111は、貯槽101の上部に接続されるとともに、二股に分かれて2つの第1圧縮ステージ201に接続されている。すなわち、2つの第1圧縮ステージ201は、互いに並列となるように構成されている。
【0028】
ステージ接続流路112は、2つの第1圧縮ステージ201から第2圧縮ステージ202へ対象ガスを流すように構成されている。すなわち、ステージ接続流路112は、2つの第1圧縮ステージ201から延設されるとともに1つの流路に合流して第2圧縮ステージ202に接続されている。
【0029】
ステージ接続流路113は、第2圧縮ステージ202と第3圧縮ステージ203とを接続している。ステージ接続流路114は、第3圧縮ステージ203と第4圧縮ステージ204とを接続している。ステージ接続流路115は、第4圧縮ステージ204と第5圧縮ステージ205とを接続している。ステージ接続流路116は、第5圧縮ステージ205と第6圧縮ステージ206とを接続している。
【0030】
ステージ接続流路116には、第5圧縮ステージ205から第6圧縮ステージ206への対象ガスの流通を開閉するための開閉弁352と、第6圧縮ステージ206から第5圧縮ステージ205への対象ガスの逆流を防止するための中間逆止弁353と、が設けられている。中間逆止弁353は、開閉弁352と第6圧縮ステージ206との間に配置されている。
【0031】
需要先供給流路117は、第6圧縮ステージ206と需要先600とを接続している。需要先供給流路117には、需要先600から第6圧縮ステージ206への対象ガスの逆流を防止する逆止弁354と、余剰分の対象ガスを燃焼設備500に導出するための排出流路118が接続されている。排出流路118には、燃焼設備500への対象ガスの流通を開閉するための排出弁355が設けられている。
【0032】
複数のステージ接続流路112~116及び需要先供給流路117には、複数のクーラ212~216が設けられている。複数のクーラ212~216はそれぞれ、対象ガスを、対象ガスよりも低温の冷却水と熱交換するように構成されている。
【0033】
クーラ212は、第2圧縮ステージ202から吐出された対象ガスを冷却するように、ステージ接続流路113に設けられている。クーラ213は、第3圧縮ステージ203から吐出された対象ガスを冷却するように、ステージ接続流路114に設けられている。クーラ214は、第4圧縮ステージ204から吐出された対象ガスを冷却するように、ステージ接続流路115に設けられている。クーラ215は、第5圧縮ステージ205から吐出された対象ガスを冷却するように、ステージ接続流路116における開閉弁352の上流側に設けられている。クーラ216は、第6圧縮ステージ206から吐出された対象ガスを冷却するように、需要先供給流路117における逆止弁354の上流側に設けられている。
【0034】
圧縮機ユニット100はさらに、下流側から上流側に対象ガスを戻すためのバイパス流路301~304と、対象ガスを再液化して貯槽101に戻すための再液化ライン119と、を備えている。
【0035】
バイパス流路301は、ステージ接続流路113に接続された入口側端部322から貯槽接続流路111に接続された出口側端部321に延びて形成されている。入口側端部322は、貯槽接続流路111におけるクーラ212よりも下流側に配置されている。すなわち、バイパス流路301は、第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202をバイパスするようにして、ステージ接続流路113と貯槽接続流路111とを接続している。
【0036】
同様に、バイパス流路302は、ステージ接続流路114に接続された入口側端部からステージ接続流路113に接続された出口側端部に延びて形成されており、第3圧縮ステージ203をバイパスしている。バイパス流路303は、ステージ接続流路116に接続された入口側端部からステージ接続流路114に接続された出口側端部に延びて形成されており、第4圧縮ステージ204及び第5圧縮ステージ205をバイパスしている。バイパス流路304は、需要先供給流路117に接続された入口側端部からステージ接続流路116に接続された出口側端部に延びて形成されており、第6圧縮ステージ206をバイパスしている。
【0037】
バイパス流路301~304にはそれぞれ、バイパス弁311~314が設けられている。バイパス弁311~314は、バイパス流路301~304の入口側端部における対象ガスの検出圧力が、所定の目標圧力である設定圧力となるように後述のコントローラ420から信号を受けて開度が調整されるように構成されている。
【0038】
再液化ライン119は、ステージ接続流路116における中間逆止弁353の上流側に接続された入口側端部から、図略の液化設備(例えば、熱交換器など)に向けて延びて形成されている。
【0039】
圧縮機ユニット100は、上流圧力センサ401及び温度センサ403と、下流圧力センサ402として機能する第2圧力センサ412と、第3~第6圧力センサ413~416と、コントローラ420と、を備えている。
【0040】
上流圧力センサ401及び温度センサ403は、第1圧縮ステージ201の吸込側流路の対象ガスの圧力及び温度を検出するために、貯槽接続流路111においてバイパス流路301の出口側端部321と第1圧縮ステージ201との間に配置されている。
【0041】
第2圧力センサ412(下流圧力センサ402)は、第2圧縮ステージ202の吐出側流路のガス圧力、すなわちバイパス流路301の入口側端部322のガス圧力を検出するために、ステージ接続流路113上におけるクーラ212の下流側に設けられている。
【0042】
第3圧力センサ413は、ステージ接続流路114におけるクーラ213の下流側に設けられている。第4圧力センサ414は、ステージ接続流路116におけるクーラ215と開閉弁352の間に配置されている。第5圧力センサ415は、ステージ接続流路116における中間逆止弁353と第6圧縮ステージ206の間に配置されている。第6圧力センサ416は、需要先供給流路117におけるクーラ216と逆止弁354の間に配置されている。
【0043】
上流圧力センサ401から出力された検出圧力P1を示す信号と、温度センサ403から出力された検出温度T1を示す信号と、第2圧力センサ412(下流圧力センサ402)から出力された検出圧力P2を示す信号とは、コントローラ420に伝達される。
【0044】
コントローラ420は、ROM、RAM及びCPU等を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。コントローラのROM等には、コントローラ420を設定圧変更部431及び開度調整部441として機能させる制御プログラムと、所定の関係式と、が記憶されている。
【0045】
ここで、当該関係式は、検出圧力P1(すなわち、第1圧縮ステージ201の吸込側の圧力)および検出温度T1(すなわち、第1圧縮ステージ201の吸込側の温度)と、第2圧縮ステージ202の吐出側のステージ接続流路113における設定圧力PS1との関係を表すものである。設定圧変更部431は、当該関係式を参照して検出圧力P1および検出温度T1から設定圧力PS1を導出し、当該設定圧力PS1となるようにバイパス弁311の開度設定値を変更するよう構成されている。
【0046】
図2は設定圧力PS1と検出圧力P1および検出温度T1との関係を示す図である。図2では、横軸に検出圧力P1を示し、縦軸に設定圧力PS1を示している。図2において網掛けされた平行四辺形で示す領域Aにおいて、検出圧力P1および検出温度T1に基づき設定圧力PS1が設定される。
【0047】
図2における領域Aの下側の辺CE11は、検出温度T1が一定の温度T11であったとした場合における検出圧力P1に対する設定圧力PS1の変化を示す。温度T11は想定される対象ガスの温度の上限温度に対応し、本実施形態では40℃である。なお、万一温度T11を超える温度の対象ガスが一時的に流入した場合には、温度T11であったとした場合における検出圧力P1と設定圧力PS1との関係(辺CE11で示される関係)に基づいて設定圧力PS1が計算される。
【0048】
図2における領域Aの上側の辺CE13は、検出温度T1が一定の温度T13であったとした場合における検出圧力P1に対する設定圧力PS1の変化を示す。温度T13は、温度T11より低い温度であり、本実施形態では20℃である。実際には、温度T13よりも低温のガスが流入することがある。対象ガスの温度が温度T13以下である場合は、温度T13であったとした場合における検出圧力P1と設定圧力PS1との関係(辺CE13で示される関係)に基づいて設定圧力PS1が計算される。
【0049】
辺CE11、CE13の間に位置しており、これらと傾きが同じである直線部分CE12は検出温度T1が一定の温度T12であったとした場合に、検出圧力P1に対する設定圧力PS1の変化を示す。温度T12は、温度T11と温度T13との間の温度である。このように、領域A内では、辺CE11,CE13と傾きが同じ直線部分は、検出温度T1が一定の温度であったとした場合に検出圧力P1に対する設定圧力PS1の変化を示している。
【0050】
設定圧変更部431では、検出温度T1が一定であった場合、上流圧力センサ401の検出圧力P1の増大に対して設定圧力PS1が直線的に大きくなるように設定が変更される。この検出圧力P1と設定圧力PS1との間の関係は、図2において、辺CE11、CE13のような直線で表される。つまり、圧縮機ユニット100は、第1圧縮ステージ201の吸込側の対象ガスの圧力が上昇した場合に、この圧力の上昇幅に応じて第2圧縮ステージ202の吐出側の対象ガスの目標圧力を高くするように構成されている。
【0051】
図2における領域Aでは、温度センサ403の検出温度T1が低くなるに従って、検出圧力P1と設定圧力PS1との間の関係を表す直線が、縦軸方向の上向きに平行移動するように表される。すなわち、設定圧変更部431は、検出温度T1が低くなるに従って設定圧力PS1を高くするように構成されている。つまり、圧縮機ユニット100では、第1圧縮ステージ201の吸込側の対象ガスの温度が低下した場合に、この温度の下降幅に応じて第2圧縮ステージ202の吐出側の対象ガスの目標圧力を高くするように構成されている。
【0052】
ここで、図2を参照して設定圧力PS1が変更される具体例を説明する。例えば、第1圧縮ステージ201の吸込側における対象ガスの検出温度T1が、吸込側における対象ガスの検出圧力P1がP11の状態(状態B)であったとすると、設定圧力PS1として圧力P21が設定される。
【0053】
検出温度T1がT11で且つ検出圧力P1がP12の状態(状態C)であったとすると、設定圧力PS1として圧力P22が設定される。検出温度T1がT12で且つ検出圧力P1がP11の状態(状態D)であったとすると、設定圧力としてPS1として圧力P23が設定される。検出温度T1がT12かつ検出圧力P1がP12の状態(状態E)であったとすると、設定圧力としてPS1として圧力P24が設定される。
【0054】
開度調整部441は、設定圧変更部431により設定された設定圧力PS1と、第2圧力センサ412(下流圧力センサ402)の検出圧力P2とを比較して、第2圧力センサ412の検出圧力P2が設定圧力PS1となるように、バイパス弁311の開度を制御するように構成されている。
【0055】
例えば、開度調整部441は、第2圧力センサ412の検出圧力P2が設定圧力PS1よりも高い場合には、バイパス流路301のガスの流量を増やすために、バイパス弁311の開度を大きくする。また、第2圧力センサ412の検出圧力P2が設定圧力PS1よりも低い場合には、バイパス流路301のガスの流量を減らすために、バイパス弁311の開度を小さくする。
【0056】
(動作説明と制御方法)
ここで、圧縮機ユニット100駆動時の動作について説明する。圧縮機ユニット100の駆動時には、開閉弁352は開かれている一方で、排出弁355は閉じられており、貯槽101と需要先600とはガス流路110を介して連通している。この状態で各圧縮ステージ201~206が駆動される。
【0057】
貯槽101から貯槽接続流路111に供給された対象ガスは、第1圧縮ステージ201~第6圧縮ステージ206における圧縮工程と、クーラ212~216における冷却工程とを経て、需要先供給流路117に導出される。また、ステージ接続流路116を流れる対象ガスの一部は、再液化ライン119から図略の再液化設備に戻される。需要先供給流路117の対象ガスは需要先600に導出されるとともに、対象ガスに余剰分が生じると排出弁355が開放され、余剰分の対象ガスが排出流路118から燃焼設備500へと導出される。
【0058】
圧縮機ユニット100は、ステージ接続流路113~116及び需要先供給流路117を流れる対象ガスの一部をバイパス流路301~304によって下流側の流路から上流側の流路に戻すことが可能なように構成されている。これにより、需要先600の対象ガスの需要量の変化に柔軟に対応することができる。
【0059】
第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202では、コントローラ420により開度調整可能なバイパス弁311が設けられたバイパス流路301を介して、ステージ接続流路113の対象ガスの一部を貯槽接続流路111に戻すことが可能とされている。第3圧縮ステージ203では、バイパス弁312が設けれたバイパス流路302を介して、ステージ接続流路114の対象ガスの一部をステージ接続流路113に戻すことが可能とされている。第4圧縮ステージ204及び第5圧縮ステージ205では、バイパス弁313が設けれたバイパス流路303を介して、ステージ接続流路116の対象ガスの一部をステージ接続流路114に戻すことが可能とされている。第6圧縮ステージ206では、バイパス弁314が設けられたバイパス流路304を介して、需要先供給流路117の対象ガスの一部をステージ接続流路116に戻すことが可能とされている。
【0060】
ここで、第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202を跨ぐバイパス流路301のバイパス弁311に注目し、コントローラ420がバイパス弁311の開度を調整する場合の制御方法について説明する。
【0061】
図3には、コントローラ420がバイパス弁311の開度を調整するときの制御方法のフローチャートが示されている。
【0062】
まず、圧縮機ユニット100は運転開始の指令を受けて運転を開始し、貯槽接続流路111の対象ガスは第1圧縮ステージ201に吸込まれるとともに、第2圧縮ステージ202からステージ接続流路113に圧縮された対象ガスが吐出される。このとき、コントローラ420は、上流圧力センサ401および温度センサ403から、検出圧力P1及び検出温度T1の信号を受け付ける(ステップS100)。なお、コントローラ420は第2圧力センサ412から検出圧力P2の信号も受けている。
【0063】
コントローラ420は、検出圧力P1及び検出温度T1をパラメータとして設定圧力PS1を導出する関係式、並びに、上流圧力センサ401及び温度センサ403から取得された値に基づいて設定圧力PS1を導出する(ステップS200)。この関係式は、図2における領域A内に収まるように設定される。開度調整部441は、受け付けた検出圧力P2が、関係式から導出された設定圧力PS1に近づくように、バイパス弁311の開度を調整する(ステップS300)。
【0064】
以上説明したように、圧縮機ユニット100では、検出温度T1が温度T11(上限温度)よりも低くなった場合に、設定圧力PS1は、より高い値に変更されてバイパス弁311の開度調整が行われる。このため、ステージ接続流路113の対象ガスはバイパス流路301から貯槽接続流路111に戻され難くなる。したがって、低温の対象ガスを吸入することにより第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202における対象ガスの処理量が大きくなった場合でも、貯槽接続流路111に戻される対象ガスの流量の増加は抑制される。その結果、貯槽接続流路111の圧力が過度に高くなることを抑制できる。
【0065】
さらに、この圧縮機ユニット100では、設定圧変更部431が設定圧力PS1を変更するときに、温度センサ403の検出温度T1が予め設定した下限の温度T13以下だった場合には、設定圧力PS1は温度T13に応じた値に維持される。これにより、設定圧力PS1の過剰な上昇が抑制され、第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202の吐出圧力の増大による各圧縮ステージ201~206間の圧力バランスの悪化が抑制される。その結果、圧縮機ユニットの動力の増加も抑制できる。
【0066】
さらに、この圧縮機ユニット100では、ボイルオフガスの発生量の増加(検出温度T1の変化に関わらない。)に伴い貯槽接続流路111の圧力が上昇した場合でも、設定圧変更部431が、検出圧力P1に比例して設定圧力PS1をより高い値に変更する。このため、貯槽接続流路111に戻される対象ガスの流量の増加が抑制される。その結果、貯槽接続流路111の圧力が過度に高くなることを抑制できる。
【0067】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る圧縮機ユニット100について、図4及び図5を参照しながら説明する。ここでは、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
第2実施形態では、圧縮機ユニット100には、ステージ接続流路113に安全弁351が設けられており、設定圧変更部431によって変更される設定圧力PS1に上限圧力が設けられている点において、第1実施形態とは異なっている。圧縮機ユニット100の他の構成は第1実施形態と同様である。
【0069】
図4に示すように、安全弁351は、バイパス流路301の入口側端部322が接続されたステージ接続流路113において、第2圧縮ステージ202とクーラ212との間に配置されている。安全弁351は、ステージ接続流路113内の圧力が異常に上昇し、安全弁351に設定された所定の作動圧力P30に達した場合に開弁して、ステージ接続流路113のガスを所定の場所に逃がす安全装置である。
【0070】
図5に示すように、コントローラ420には、設定圧力PS1が安全弁351の作動圧力P30に近づきすぎないようにするため、設定圧力PS1には作動圧力P30よりも所定の値だけ低い上限圧力P26が記憶されている。これにより、図2の領域Aは上限圧力P26を超えないように補正される。
【0071】
例えば、検出温度T1が温度T13のときに、検出圧力P1が圧力P15の状態(状態L)から、圧力P15よりも高い圧力P16の状態(状態M)に変化し、さらに、圧力P16よりも高い圧力P17の状態(状態N)に変化したとする。状態Lから状態Mに変化するとき、圧力P15から圧力P16への検出圧力P1の変化に応じて、設定圧変更部431は設定圧力PS1を、圧力P25から、圧力P25より高い圧力に変更する。このときの上限圧力は、安全弁351の作動圧力P30よりも所定の値だけ低い上限圧力P26である。そして、状態Mから状態Nに変化したとしても、設定圧力PS1が上限圧力P26に達しているため、設定圧変更部431は、設定圧力PS1を上限圧力P26に維持する。
【0072】
これにより、需要先からの対象ガスの要求量の変動に伴って第2圧縮ステージ202における対象ガスの処理量が増大する場合でも、安全弁351が設けられたステージ接続流路113の圧力が瞬間的に安全弁351の作動圧力P30に達してしまうことを抑制できる。すなわち、意図しない安全弁351の作動を防止することができる。
【0073】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1実施形態の説明を第2実施形態に援用することができる。
【0074】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る圧縮機ユニット100について、図6を参照しながら説明する。ここでは、第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
第3実施形態に係る圧縮機ユニット100は、無給油式の第1~第5圧縮ステージ201~205によって構成されている。需要先供給流路117において、第5圧縮ステージ205の下流で且つ逆止弁354の上流側の部位には、再液化ライン119の上流側端部が接続されている。ステージ接続流路114には、余剰分の対象ガスを燃焼設備500に導出するための排出流路118が接続されている。第4圧力センサ414はステージ接続流路114における第4圧縮ステージ204の吸込側に配置されており、第5圧力センサ415は需要先供給流路117におけるクーラ216の下流側に配置されている。この場合、第6圧縮ステージ206、バイパス流路304、バイパス弁314、第6圧力センサ416、中間逆止弁353及び開閉弁352は省略される。その他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。
【0076】
第3実施形態に係る圧縮機ユニット100においても、第1実施形態と同様に、検出温度T1が温度T11(上限温度)よりも低くなった場合に、設定圧力PS1は、より高い値に変更されてバイパス弁311の開度調整が行われる。このため、ステージ接続流路113の対象ガスはバイパス流路301から貯槽接続流路111に戻され難くなる。低温の対象ガスを吸入することにより第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202における対象ガスの処理量が大きくなった場合でも、貯槽接続流路111に戻される対象ガスの流量の増加が抑制される。
【0077】
なお、その他の構成、作用及び効果はその説明を省略するが、第1実施形態の説明を第3実施形態に援用することができる。
【0078】
また、第1~第3実施形態において、検出温度T1が一定である場合に、設定圧力PS1は検出圧力P1の増加に対して必ずしも一定の増加割合(図2において直線で表される変化)で変化する必要はない。例えば、設定圧力PS1は、検出圧力P1の増加に対してステップ状に増加するように変化してもよい。または、曲線的に変化してもよいし、不連続に増加するように変化してもよい。
【0079】
また、第1~第3実施形態において、バイパス流路301は、第1圧縮ステージ201及び第2圧縮ステージ202をバイパスするように設けられているが、これに限らない。バイパス流路301は、第1圧縮ステージ201から、第3圧縮ステージ203または第3圧縮ステージ203よりも下流側の圧縮ステージまでをバイパスするように構成されていてもよい。
【0080】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0081】
100・・・・・・・・・・圧縮機ユニット
101・・・・・・・・・・貯槽
111・・・・・・・・・・貯槽接続流路
112~116・・・・・・ステージ接続流路
117・・・・・・・・・・需要先供給流路
201~206・・・・・・第1~第6圧縮ステージ
301~304・・・・・・バイパス流路
311~314・・・・・・バイパス弁
351・・・・・・・・・・安全弁
401・・・・・・・・・・上流圧力センサ
402・・・・・・・・・・下流圧力センサ
403・・・・・・・・・・温度センサ
431・・・・・・・・・・設定圧変更部
441・・・・・・・・・・開度調整部
600・・・・・・・・・・需要先
P1、P2・・・・・・・・検出圧力
T1・・・・・・・・・・・検出温度
PS1・・・・・・・・・・設定圧力
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
船舶内に設置され、前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットであって、
対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、
各圧縮ステージのピストンを駆動するクランク機構と、
少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、
前記バイパス流路上に設けられたバイパス弁と、
前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路に設けられた上流圧力センサと、
前記貯槽接続流路に設けられた温度センサと、
前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続される流路に設けられた下流圧力センサと、
前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力よりも高い場合に前記バイパス流路のガス流量を増やす一方で、前記下流圧力センサの検出圧力が前記設定圧力よりも低い場合に前記バイパス流路のガス流量を減らすように前記バイパス弁の開度を制御する開度調整部と、
前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする設定圧変更部と、
を備える圧縮機ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
船舶内に設置されて前記船舶のLNG貯槽からボイルオフガスである対象ガスを回収して少なくとも一部を需要先に供給する圧縮機ユニットの制御方法であって、
前記圧縮機ユニットは、対象ガスを順次昇圧する往復動式の複数の圧縮ステージと、少なくとも最初の圧縮ステージをバイパスするバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられたバイパス弁と、前記LNG貯槽と前記最初の圧縮ステージとを接続する貯槽接続流路と、を備え、
前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの圧力を上流圧力センサによって検出し、
前記貯槽接続流路を流れる対象ガスの温度を温度センサによって検出し、
前記貯槽接続流路よりも下流側の流路であって前記バイパス流路の入口側端部が接続された流路を流れる対象ガスの圧力を下流圧力センサによって検出し、
前記下流圧力センサの検出圧力が所定の設定圧力よりも高い場合に前記バイパス流路のガス流量を増やす一方で、前記下流圧力センサの検出圧力が前記所定の設定圧力よりも低い場合に前記バイパス流路のガス流量を減らすように前記バイパス弁の開度を調整し、
前記温度センサの検出温度が低下すると前記設定圧力を高くする、圧縮機ユニットの制御方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
ここで、図2を参照して設定圧力PS1が変更される具体例を説明する。例えば、第1圧縮ステージ201の吸込側における対象ガスの検出温度T1がT11であり、吸込側における対象ガスの検出圧力P1がP11の状態(状態B)であったとすると、設定圧力PS1として圧力P21が設定される。