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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023580
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】排水装置及びこれを備えた加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230209BHJP
   F24F 6/16 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
F24F6/00 H
F24F6/00 A
F24F6/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129226
(22)【出願日】2021-08-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】小川 洸太
(72)【発明者】
【氏名】今村 勇斗
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋之
(72)【発明者】
【氏名】桂 雄輝
(72)【発明者】
【氏名】宮島 晃
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BB03
3L055DA02
3L055DA03
(57)【要約】
【課題】 排水管とオーバーフロー管の合流部に発生するエア噛み音を抑制する排水装置及びこれを備えた加湿装置を提供する。
【解決手段】 排水管25の内径φd1を小さくする排水管側絞り機構65を継手63の上部に設け、排水管側絞り機構65の内径を継手63の内径φd3、かつ合流排水管64の内径φd4よりも小さくすることにより、排水管側絞り機構65を通過後の流量を小さくし、かつ水の流れと空気の流れを別々に形成することができるため、ユーザーにとって不快なエア噛み音の発生を抑制することができる。

【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯水する貯水室と、
当該貯水室の底部に設けられた排水口を介して前記貯水室と接続し前記貯水室の水を外部へ排水する排水管と、
当該排水管に前記貯水室の水を当該排水管へ流通させるかの有無を切り替える排水弁と、
前記貯水室の壁面に形成された接続口を介して前記貯水室と接続し所定水位を超えた水を排水するオーバーフロー管と、
前記排水弁より下流側に前記排水管と前記オーバーフロー管を接続する三方向分岐の継手と、を備え、
前記継手は、前記排水管からの排水と前記オーバーフロー管からの排水が合流し下流へ排水する合流排水管が接続されると共に、前記排水管からの排水経路と前記合流排水管への排水経路は略鉛直方向となるよう設置され、
前記排水管の内径を小さくする絞り機構を前記継手の上部に配置し、前記絞り機構の内径は前記継手の内径及び前記合流排水管の内径よりも小さいことを特徴とする排水装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排水装置を備えた加湿装置であって、
前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段を設けたことを特徴とする加湿装置。
【請求項3】
前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、排水装置及びこれを備えた加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、器具本体内に水を貯める貯水室と、当該貯水室に設置され加湿空気を発生させる加湿空気発生手段と、当該加湿空気発生手段で発生した加湿空気を送風口から室内へ送風する送風ファンと、貯水室へ水を供給する給水管途中に給水ポンプと、貯水室内の水を器具本体外部に排水する排水管を備えた加湿装置において、貯水室に設置された水位センサが何らかの原因により故障して満水検知ができなかった時、給水ポンプが駆動し続けて貯水室への給水が停止せずとも、貯水室の壁面に貯水室内の水を排水するオーバーフロー管の接続口を形成し、当該オーバーフロー管を排水管と接続し、万一水位センサが故障してもオーバーフロー管を介して排水可能な構造にすることで、貯水室から水が溢れ出す事態を防止するものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、貯水室の水を排水する際に排水管とオーバーフロー管の接続部において、オーバーフロー管から空気を引き込むことで騒音が発生、いわゆるエア噛み音が発生し、使用者が不快な思いをする虞があった。更に、排水管は水平方向から合流し、オーバーフロー管は上方から合流し接続されているため、合流部で水の流れが安定せず水面が波打つことで、よりエア噛み音が発生する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の排水装置では、
水を貯水する貯水室と、
当該貯水室の底部に設けられた排水口を介して前記貯水室と接続し前記貯水室の水を外部へ排水する排水管と、
当該排水管に前記貯水室の水を当該排水管へ流通させるかの有無を切り替える排水弁と、
前記貯水室の壁面に形成された接続口を介して前記貯水室と接続し所定水位を超えた水を排水するオーバーフロー管と、
前記排水弁より下流側に前記排水管と前記オーバーフロー管を接続する三方向分岐の継手と、を備え、
前記継手は、前記排水管からの排水と前記オーバーフロー管からの排水が合流し下流へ排水する合流排水管が接続されると共に、前記排水管からの排水経路と前記合流排水管への排水経路は略鉛直方向となるよう設置され、
前記排水管の内径を小さくする絞り機構を前記継手の上部に配置し、前記絞り機構の内径は前記継手の内径及び前記合流排水管の内径よりも小さいことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2では、請求項1に記載の排水装置を備えた加湿装置であって、
前記貯水室内の水からミストを発生させるミスト発生手段を設けたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項3では、前記ミスト発生手段は、前記貯水室内の水を回転により汲み上げて外周方向へ飛散させる回転体と、当該回転体を回転可能となるように軸支した駆動軸と接続するミストモータと、前記回転体により飛散した水が衝突する衝突体とで構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、三方向分岐の継手に対して、排水管からの排水とオーバーフロー管からの排水が合流し下流へ排水する合流排水管が接続されると共に、排水管と合流排水管は略鉛直方向となるように設置され、排水管の内径を小さくする絞り機構を継手の上部に配置し、絞り機構の内径を合流排水管の内径よりも小さくしたので、合流部である継手の流量を絞りつつ、安定した水の流れと空気層(空気の流れ)を形成し、水と空気が混ざり合うことで発生する振動が抑制されるため、エア噛み音の発生を抑制する排水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の一実施形態の外観を説明する斜視図
図2】同実施形態の概略構成図
図3】同実施形態の制御ブロック図
図4】同実施形態の操作部を説明する図
図5】同実施形態の運転開始から終了までの動作を説明するフローチャート
図6】同実施形態の排水時における排水と空気の流通経路を説明する図
図7】同実施形態の絞り機構及び継手の構造を説明する断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、この発明の一実施形態における加湿装置を図に基づいて説明する。
【0011】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、図1図2図6及び図7における定義に従う。また、上下方向は、器具本体1の設置時における鉛直方向に対応する。前後方向及び左右方向は、器具本体1の設置時における水平方向に対応する。
【0012】
1は器具本体、2は器具本体1上部に器具本体1の前面と平行な位置関係となるように形成され複数のルーバー3が設置された送風口、4は器具本体1の正面上部を構成する上面パネル、5は器具本体1の正面下部を構成する下面パネル、6は複数のスイッチが備えられ各種操作指令を行う操作部、7は図示しないブレーカーを隠すブレーカーカバーである。
【0013】
8は器具本体1内の略中段高さ位置にあって所定量の水を貯水する貯水室であり、この貯水室8内には、水に下端を水没させ駆動軸9に軸支された筒状の回転体10が備えられている。
【0014】
前記回転体10は、中空逆円錐形で上方に向かって円周が徐々に拡大するものであり、駆動軸9に接続され回転体10を回転駆動させるミストモータ11を駆動させ、回転体10が回転することによる回転の遠心力で貯水室8の水を汲み上げ、回転体10の外壁及び内壁を伝わせて水を押し上げて、回転体10の外壁を伝わせて押し上げた水を周囲に飛散させると共に、回転体10の内壁を伝わせて押し上げた水を回転体10の上端に形成された複数の図示しない飛散口から外周方向へ飛散させる。
【0015】
12は回転体10の上部外周に所定間隔を離間させて位置し、回転体10と共に回転する円筒状の多孔体で、該多孔体12には、その全周壁に多数のスリットや金網やパンチングメタル等から成る衝突体としての多孔部13が設置されている。また、回転体10とミストモータ11と多孔部13とでミスト発生手段が構成されており、簡易な構成によってミストを含む加湿空気を多量に発生させることができ、ミストモータ11と駆動軸9を組み付けるだけであることから、組み付けが容易で低コストとなっている。
【0016】
前記ミスト発生部を構成するミストモータ11を駆動させ、回転体10を回転させたことで発生する遠心力で貯水室8内の水を汲み上げると共に空気を飛散させ、多孔部13を通過した水滴が破砕されることで、水を微細化して粒径がナノメートル(nm)サイズのミスト(以下、微細ミスト)が多量に生成されると共に、比較的粒径の大きな水滴(以下、大径ミスト)とが生成され、水の微細化によるレナード効果によって微細ミストに負イオンが帯電し、大径ミストに正イオンが帯電した状態となる。
【0017】
14は下面パネル5内に設置され所定の回転数で駆動することで室内の乾燥空気を吸引して器具本体1の上方向へ送風する送風ファン、15は当該送風ファン14で送風された空気を貯水室8の上部の一端(右側)に形成されミストモータ11の側面を通過して貯水室8内へ空気が流入可能な貯水室流入口16まで案内する送風経路であり、器具本体1の下部から吸い込まれた乾燥空気が前記送風経路15を通過して器具本体1の上部へ案内され、貯水室8内へ流入する。
【0018】
17は貯水室8の上方の他端(左側)に流路が鉛直上向きとなるよう接続され貯水室8内で発生した微細ミスト及び大径ミストを含む加湿空気が内部を流通する気水分離風路、18は当該気水分離風路17内の途中に複数設置され鉛直上方へ傾斜する傾斜面を備えた気水分離手段としてのバッフル板である。バッフル板18は、気水分離風路17内の上段に設置されたバッフル板18a、中段に設置されたバッフル板18b、下段に設置されたバッフル板18cで構成されている。
気水分離風路17内に加湿空気が流入すると、各バッフル板18を蛇行するように加湿空気が流通することで加湿空気中の大径ミストが傾斜面により分離され、分離された大径ミストが集まると重力の影響で傾斜面に沿ってバッフル板18の下端まで流動して貯水室8へ落下するため、送風口2へ案内される大径ミストの量を減少させると共に、微細ミストを多く含んだ加湿空気を送風口2へ案内する。
【0019】
19は貯水室8内に設置され貯水を加熱する加熱ヒータであり、貯水室8の外壁に設置され貯水温度を検知する貯水温度センサ20で検知される温度が所定温度となるよう、ON/OFF状態が適宜切り替えられる。
【0020】
21は貯水室8内に設置されフロートが上下することで水位を検知する水位センサであり、貯水室8内の水位が低下して所定水位以下になったらOFF信号を出力し、水位が上昇して所定水位以上になったらON信号を出力し、更に水位が上昇して貯水室8内が満水となったら満水信号を出力する。
【0021】
22は貯水室8側面に接続され貯水室8内に水を供給する給水管であり、該給水管22の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室8内への給水を制御する給水弁23と、給水圧を所定値まで減圧する減圧弁24とが備えられている。
【0022】
25は貯水室8底部に設けられた排水口を介して接続され、貯水室8内の水を器具本体1外部に排水する排水管であり、当該排水管25の配管途中には、電磁弁を開閉して貯水室8内の水の排水を制御する排水切り替え手段としての排水弁26が備えられている。
【0023】
27は送風口2の上壁面に設置され送風口2から室内へ向けて送風される加湿空気の温度を検知する送風温度センサ、28は送風ファン14の近傍に設置され器具本体1の下部から吸い込まれた室内空気の温度を検知する吸気温度センサ、29は前記吸気温度センサ28の近傍に設置され器具本体1が設置された室内の湿度を検知する湿度センサであり、各センサで検知された温度や湿度に基づいて、ミストモータ11や送風ファン14の回転数を変化させ、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替える。
【0024】
操作部6には、ミスト運転の開始及び停止を指示する運転切り替え手段としての運転スイッチ30と、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えることで貯水室8内の貯水温度を変化させ、送風口2から室内に送風される加湿空気に含有可能な水分量の割合を変化させた3段階の加湿レベルと、湿度センサ29で検知された湿度が予め設定された湿度となるよう前記加湿レベルを変化させるオートモードとから選択可能な加湿スイッチ31と、ミストモータ11と送風ファン14との回転数の大小を設定可能な三段階の風量レベルと、湿度センサ29で設定された湿度が予め設定された湿度となるよう前記風量レベルを変化させるオートモードとから選択可能な風量スイッチ32と、加湿空気を室内に供給するミスト運転の開始時間と停止時間とを設定するタイマー切替スイッチ33と、前記風量スイッチ32で設定された風量で送風ファン14のみを駆動させ室内の空気清浄を行う空清モードを実施する空清スイッチ34と、現在時刻を設定する時刻設定スイッチ35と、スイッチを操作することで運転停止以外の動作を禁止するチャイルドロックスイッチ36とが備えられている。
【0025】
また、操作部6の各スイッチ上部には各スイッチに対応したランプが備えられており、運転スイッチ30が操作されたら点灯する運転ランプ37と、ミスト運転が所定時間以上継続したら開始する除菌運転時に点灯する除菌ランプ38と、加湿スイッチ31で設定された加湿レベルを1から3の数値とオートモードを示すAで表示する加湿レベルランプ39と、風量スイッチ32で設定された風量レベルを1から3の数値とオートモードを示すAで表示する風量レベルランプ40と、タイマー切替スイッチ33でミスト運転の開始及び停止が設定されたら、それぞれのランプが点灯するタイマーランプ41と、空清スイッチ34が操作され空清モードが設定されたら点灯する空清モードランプ42と、時刻設定スイッチ35で設定された現在時刻を表示する時刻表示パネル43と、チャイルドロックスイッチ36が操作されたら点灯するチャイルドロックランプ44とが備えられている。
【0026】
45は各センサで検知された検知値や操作部6上に備えられた各スイッチでの設定内容に基づき、運転内容や弁の開閉を制御するマイコンで構成された制御部であり、ミストモータ11を所定の回転数で駆動させるミストモータ制御手段46と、送風ファン14を所定の回転数で駆動させる送風ファン制御手段47と、加熱ヒータ19のON/OFF状態を切り替えて貯水室8内の水温を制御する加熱ヒータ制御手段48とが備えられている。
【0027】
49は器具本体1の前面下方に形成され室内空気を器具本体1内に取り込む吸気口である。
【0028】
51は気水分離風路17の壁面を貫通し送風経路15から分岐して貯水室8をバイパスするバイパス経路50を流通する空気が流入可能なバイパス流入口である。当該バイパス流入口51は、送風口2に最も近い位置にある気水分離風路17内の最上段に設置されたバッフル板18aの上方へ傾斜した傾斜面と対向し、かつ気水分離風路17の壁面を貫通するように形成されており、バイパス流入口51から気水分離風路17内へ空気が流入することで、貯水室8から上昇してきた加湿空気の風量を増大させ、送風口2から室内へ送風される加湿空気の送風量を上昇させることができる。
【0029】
61は一端が貯水室8の壁面に形成された接続口を介して接続されたオーバーフロー管であり、万一水位センサ21が故障して満水検知ができず、給水管22からの給水が停止されずに貯水室8の水位が異常に上昇しても、オーバーフロー管61を介して貯水室8内の水を排水することができる。
オーバーフロー管61の他端には、オーバーフロー管61の内径を小さくし、流路を縮小するオーバーフロー管側絞り機構62が接続される。なお、本実施形態におけるオーバーフロー管側絞り機構62は、図7に示すように、内径を小さく(縮管)した後、再び内径を大きく(拡管)するオリフィス構造となっている。
【0030】
63は配管を接合するため三方向分岐でT型の形状をしたティーズ等の継手である。当該継手63は、排水弁26が設置された排水管25と、オーバーフロー管側絞り機構62が設置されたオーバーフロー管61と、排水管25及びオーバーフロー管61からの水を器具本体1外部へ排水するための合流排水管64と、が接続される。
【0031】
継手63は上方から排水管25が接続され、水平方向よりオーバーフロー管61が接続され、下方へ合流排水管64が接続されている。つまり、継手63は排水管25からの排水経路と、合流排水管64への排水経路は略鉛直方向となるように設置されている。
【0032】
継手63の上部であり排水管25と継手63との間に、排水管25の内径を小さくし、流路を縮小する排水管側絞り機構65が設置されている。なお、本実施形態における排水管側絞り機構65は、図8に示すように、内径を小さく(縮管)した後、再び内径を大きく(拡管)するオリフィス構造となっている。
【0033】
66は合流排水管64と接続され、硬質塩化ビニル管やフレキシブル配管で構成された排水パイプである。排水パイプ66は、合流排水管64からの水を排水するため器具本体1の外部に設置された排水ホッパー67へ導く。排水パイプ66の出口側は、排水ホッパー67と直結すると排水が逆流する虞があるため排水ホッパー67とは直結せず、間接排水としている。
【0034】
次に、この一実施形態での運転開始から終了までの動作について図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、操作部6の運転スイッチ30が操作されたか、もしくはタイマー切替スイッチ33で設定された運転開始時刻になったら、制御部45は、排水弁26を開放して貯水室8内の水を排水し、水位センサ21でOFF信号が検知されたら、給水弁23を開放して貯水室8内を水で洗い流すクリーニング動作を行い、所定時間経過したら排水弁26を閉止することで給水弁23から流入する水を貯水室8内に供給し、水位センサ21でON信号が検知されたら、所定量の水が貯水室8内に供給されたとして給水弁23を閉止する水入替モードを行う(ステップS101)。
【0035】
ステップS101の水入替モードが終了したら、制御部45は、貯水温度センサ20で検知される貯水温度が室温と同値になるまで加熱ヒータ制御手段48で加熱ヒータ19をON状態にして、ミストモータ11及び送風ファン14が所定の回転数となるようミストモータ制御手段46及び送風ファン制御手段47で制御する立ち上げ動作を実行する立ち上げモードを行う(ステップS102)。
【0036】
ステップS102の立ち上げモードが終了したら、制御部45は、加湿スイッチ31及び風量スイッチ32で設定された加湿レベルと風量レベルとに基づいて、ミストモータ11と送風ファン14とが所定の回転数で駆動するようミストモータ制御手段46と送風ファン制御手段47とで回転数を制御し、加熱ヒータ19のON/OFF状態を加熱ヒータ制御手段48で切り替えて制御して、加湿レベルと風量レベルとに合わせた所定の温度範囲内にするミスト運転を実行する通常運転モードを行う(ステップS103)。
【0037】
ステップS103の通常運転モード中に運転スイッチ30が操作され運転終了の指示があったと判断したら、制御部45は、ミストモータ11を停止させてから排水弁26を開弁して貯水室8内の水を排水し、所定時間経過したら給水弁23を開放して貯水室8内を洗浄してから排水弁26を閉止して貯水室8内に所定量だけ貯水する水入替運転を行い、その後、加熱ヒータ19をON状態にして水を加熱することで除菌を行う除菌運転を所定時間行い、その後、所定時間経過後に貯水室8内を冷却する冷却運転を実行し、貯水温度が所定温度以下になったら排水弁26を開放して排水するクリーニングモードを行う(ステップS104)。
【0038】
ステップS104のクリーニングモードが終了したら、制御部45は、送風ファン14が所定の回転数(例えば、800rpm)で駆動するよう送風ファン制御手段47で制御し、貯水室8や送風経路15に送風して乾燥させることで菌の増殖を防止する乾燥モードを行い(ステップS105)、送風ファン14の駆動時間が所定時間(例えば、3時間)をカウントしたか判断し、3時間カウントしたら、送風ファン14を停止させて運転を終了する。
【0039】
次に、排水管25の内径を小さくする排水管側絞り機構65を設けることにより、エア噛み音の発生を抑制する効果について、図6及び図7に基づいて説明する。
【0040】
図6を参照する。排水弁26を開弁して貯水室8内の水を排水する場合、排水管25から継手63を経由して、合流排水管64、排水パイプ66を通って排水ホッパー67に排水される。その際、継手63においては、継手63と排水ホッパー67の水頭差により下流である下方向へ排水が流れることで、オーバーフロー管61から空気を引き込む作用が働く。
【0041】
このとき、継手63内では排水が引き込んだ空気を巻き込むことにより、「ゴボゴボ」といったエア噛み音が発生する場合がある。エア噛み音は前記水頭差が大きいほど音が大きくなる傾向があるため、使用者が不快な思いをする虞がある。
【0042】
そこで、図7に示すように、継手63の上部であり排水管25と継手63の間に排水管側絞り機構65を設け、排水管25の内径φd1を排水管側絞り機構65によって内径φd2に小さくすることにより、排水管側絞り機構65を通過後の流量を小さくすることができる。更に、内径φd2の大きさを継手63の内径φd3、かつ合流排水管64の内径φd4よりも小さくすることにより、排水管側絞り機構65を通過後の排水(流水)と、継手63及び合流排水管64との間に空気層(空気の流れ)を別々に形成することができる。
【0043】
これらにより、排水管側絞り機構65を通過後の流水が継手63内で停滞することなく下流へスムーズに流れていき、またオーバーフロー管61から引き込んだ空気は流水に巻き込まれることなく下流へスムーズに流れていくことができるため、不快なエア噛み音の発生を抑制することができる。
【0044】
更に、従来の排水装置では、排水管は水平方向から合流し、オーバーフロー管は上方から合流し継手へ接続されているため、合流部で水の流れが安定せず水面が波打つことで、よりエア噛み音が発生する虞があった。しかし、本発明の一実施形態における排水装置では、継手63へは上方から排水管25が接続され、略水平方向よりオーバーフロー管61が接続され、下方へ合流排水管64が接続されており、継手63内の合流部では流水の安定した流れを形成することができるため、エア噛み音の発生を抑制することができる。
【0045】
以上のように、排水管25の内径φd1を小さくする排水管側絞り機構65を継手63の上部に設け、排水管側絞り機構65の内径を継手63の内径φd3、かつ合流排水管64の内径φd4よりも小さくすることにより、排水管側絞り機構65を通過後の流量を小さくし、かつ水の流れと空気の流れを別々に形成することができるため、ユーザーにとって不快なエア噛み音の発生を抑制することができる。
【0046】
また、本発明の排水装置を備えた加湿装置において、継手63と排水ホッパー67の水頭差が大きくても排水時におけるエア噛み音の発生が抑制されるため、器具本体1内における継手63の配置を水頭差が大きくなるような位置でも設置することができ、継手63の配置の自由度を広げることができる。更に、器具本体1自体を水頭差が大きくなるような位置でも設置することができる。
【0047】
また、本実施形態で用いたその他の構成は一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図しておらず、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
8 貯水室
10 回転体
11 ミストモータ
13 多孔部(衝突体)
25 排水管
26 排水弁
61 オーバーフロー管
62 絞り機構
63 継手
64 合流排水管
65 排水管側絞り機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7