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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023621
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】洗浄剤組成物及び洗浄剤製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/22 20060101AFI20230209BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20230209BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20230209BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20230209BHJP
   C11D 1/18 20060101ALI20230209BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20230209BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20230209BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230209BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230209BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20230209BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
C11D3/22
C11D1/04
C11D1/02
C11D1/88
C11D1/18
C11D1/90
C11D17/04
A61K8/73
A61K8/36
A61K8/44
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129296
(22)【出願日】2021-08-05
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(71)【出願人】
【識別番号】516033008
【氏名又は名称】DOC Japan株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】平山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】白神 裕人
(72)【発明者】
【氏名】久田 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】島 孝明
(72)【発明者】
【氏名】三谷 陽香
(72)【発明者】
【氏名】大川 彰子
(72)【発明者】
【氏名】小沼 浩
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AB352
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC522
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD042
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD242
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC22
4C083DD08
4C083DD47
4C083EE06
4H003AB03
4H003AB23
4H003AB27
4H003AD04
4H003BA20
4H003BA21
4H003DA02
4H003DB02
4H003EA12
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB28
4H003EB41
4H003ED02
4H003FA17
4H003FA21
4H003FA23
4H003FA25
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】高い泡質を有する泡を形成可能でありながらも、ポンプフォーマの目詰まりが抑制され、不快臭が抑制され、さらに、泡を洗い流しやすい洗浄剤組成物及び洗浄剤製品を提供すること。
【解決手段】洗浄剤組成物は、0.08以上かつ0.5未満のカチオン置換度、及び100万以上の重量平均分子量を有するカチオン化デンプンを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.08以上かつ0.5未満のカチオン置換度、及び100万以上の重量平均分子量を有するカチオン化デンプンを含む、洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記カチオン化デンプンがヒドロキシプロピル酸化デンプンPGトリモニウムクロリド及び塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記カチオン化デンプンが洗浄剤組成物の質量に対して0.1質量%~5質量%である、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
【請求項4】
洗浄剤組成物の質量に対して3質量%~25質量%の洗浄成分をさらに含み、
前記洗浄成分は、脂肪酸石鹸、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項5】
前記脂肪酸石鹸は、高級脂肪酸と、N-メチルタウリン塩と、を含む、請求項4に記載の洗浄剤組成物。
【請求項6】
前記両性界面活性剤はベタイン系両性界面活性剤である、請求項4又は5に記載の洗浄剤組成物。
【請求項7】
前記アニオン性界面活性剤はアミノ酸系界面活性剤及びスルホン酸系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項4~6のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項8】
ポンプフォーマ用洗浄剤組成物である、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄剤組成物と、
前記洗浄剤組成物を収容し、前記洗浄剤組成物を泡状に吐出可能なポンプフォーマと、
を備える、洗浄剤製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄剤組成物に関する。例えば、本開示は、皮膚に適用可能な洗浄剤組成物に関する。また、本開示は、当該洗浄剤組成物をポンプフォーマで吐出する洗浄剤製品に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄剤等の容器として、洗浄剤を手動で泡状にして吐出するポンプ式容器(ポンプフォーマ)が普及している。このようなポンプ式容器に適応させた洗浄剤組成物が開発されている。例えば、特許文献1には、カチオン性ポリマーを含む、ポンプフォーマ用洗浄剤組成物が開示されている。特許文献1に記載の洗浄剤組成物は、泡の持続性及び弾力性を高めるために、塩化ジメチルジアリルアンモニウムをモノマー単位として含む分子量20万以下の重合体を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2019/059111A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以下の分析は、本開示の観点から与えられる。
【0005】
カチオン性ポリマーは、ポンプフォーマから吐出される泡の泡質を高めることができる。例えば、一般的に、分子量の大きいカチオン性ポリマーは、泡の弾力性及び持続性を高めることができる。一方で、ポンプフォーマには、通常、洗浄剤を泡状にするためのメッシュが組み込まれており、カチオン性ポリマーの分子量を大きくするほど、メッシュの目詰まりを引き起こしやすくなってしまう。特許文献1に記載の洗浄剤組成物は、カチオン性ポリマーの分子量を小さくすることにより、ポンプフォーマの目詰まりを抑制している。したがって、一般的に、泡の弾力性を高めることと、目詰まり抑制とはトレードオフの関係にある。
【0006】
一般に、カチオン修飾基を有するポリマーはアミンのような不快な臭いを有する場合がある。特に、洗顔に適用する洗浄剤組成物がこのようなカチオン性ポリマーを含有すると、使用者はアミン臭のような不快臭を強く感じることになってしまう。
【0007】
また、カチオン性ポリマーの種類によっては、泡を洗い流す時にぬるつきが生じやすくなってしまうものがある。
【0008】
そこで、高い泡質を有する泡を形成可能でありながらも、ポンプフォーマの目詰まりが抑制され、不快臭が抑制され、さらに、泡を洗い流しやすい洗浄剤組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1視点によれば、0.08以上かつ0.5未満のカチオン置換度、及び100万以上の重量平均分子量を有するカチオン化デンプンを含む洗浄剤組成物が提供される。
【0010】
本開示の第2視点によれば、第1視点に係る洗浄剤組成物と、洗浄剤組成物を収容し、洗浄剤組成物を泡状に吐出可能なポンプフォーマと、を備える、洗浄剤製品が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本開示の洗浄剤組成物は、ポンプフォーマに適用することができる。本開示の洗浄剤組成物は、ポンプフォーマで泡質のよく、かつ洗い流しやすい泡を形成することができる。
【0012】
本開示の洗浄剤組成物は、ポンプフォーマに適用しても目詰まりを抑制することができる。
【0013】
本開示の洗浄剤組成物は、カチオン性ポリマー含有組成物に生じやすい不快臭が抑制されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
【0015】
上記第1視点の好ましい形態によれば、カチオン化デンプンがヒドロキシプロピル酸化デンプンPGトリモニウムクロリド及び塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンからなる群から選択される少なくとも1つである。
【0016】
上記第1視点の好ましい形態によれば、カチオン化デンプンが洗浄剤組成物の質量に対して0.1質量%~5質量%である。
【0017】
上記第1視点の好ましい形態によれば、洗浄剤組成物は、洗浄剤組成物の質量に対して3質量%~25質量%の洗浄成分をさらに含む。洗浄成分は、脂肪酸石鹸、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0018】
上記第1視点の好ましい形態によれば、脂肪酸石鹸は、高級脂肪酸と、N-メチルタウリン塩と、を含む。
【0019】
上記第1視点の好ましい形態によれば、両性界面活性剤はベタイン系両性界面活性剤である。
【0020】
上記第1視点の好ましい形態によれば、アニオン性界面活性剤はアミノ酸系界面活性剤及びスルホン酸系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つである。
【0021】
上記第1視点の好ましい形態によれば、洗浄剤組成物はポンプフォーマ用洗浄剤組成物である。
【0022】
本開示の第1実施形態に係る洗浄剤組成物について説明する。本開示の洗浄剤組成物は、例えば、皮膚の洗浄に適用することができ、特に皮膚上の化粧料(メーキャップ)の洗浄に適用することができる。
【0023】
本開示において「実質量」とは、その化合物の添加による作用効果が生じ得る量をいう。
【0024】
以下の説明において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンの略記で、POE又はPOPの後ろのカッコ内の数字は当該化合物中におけるPOE基又はPOP基の平均付加モル数を表す。
【0025】
本開示の洗浄剤組成物は、カチオン化デンプンを含む。カチオン化デンプンとは、デンプンのグルコース単位(グルコース残基)の少なくとも1つの水酸基に、カチオン性置換基がエーテル結合で導入された化合物をいう。カチオン性置換基とは、水中でカチオン化可能な部分を有する置換基をいう。例えば、カチオン性置換基には、トリアルキルアンモニウムカチオン等の第4級アンモニウム塩を有する置換基が含まれ得る。
【0026】
カチオン化デンプンにおけるカチオン置換度は0.08以上であると好ましい。カチオン置換度は、例えば、0.1以上、又は0.2以上とすることができる。カチオン置換度が0.08未満であると洗浄後の肌になめらかな感触を得ることができない。カチオン化デンプンにおけるカチオン置換度は0.5未満であると好ましい。カチオン置換度は、例えば、0.4以下、又は0.3以下とすることができる。カチオン置換度が0.5未満であると、カチオン性ポリマーに代表されるような不快臭を低減することができる。また、カチオン化デンプンの重量平均分子量が大きくなってもポンプフォーマの目詰まりを抑制することができる。さらに、泡の洗い流しの際に肌上のぬるつきの発生を抑制して、泡の洗い流しを容易にすることができる。
【0027】
本開示にいう「カチオン置換度」とは、カチオン化デンプン中のグルコース単位(グルコース残基)のうち、カチオン性置換基が導入されたグルコース単位の割合を示す数値である。例えば、カチオン化デンプン中のすべてのグルコース単位にカチオン性置換基が導入されている場合、カチオン置換度は1となる。100個のグルコース単位のうち、10個のグルコース単位にカチオン性置換基が導入されている場合、カチオン置換度は0.1となる。
【0028】
カチオン化デンプンは、100万以上の重量平均分子量を有すると好ましい。重量平均分子量100万以上とすることにより、ポンプフォーマで形成した泡の弾力性を高めると共に泡の持続性も高めることができる。カチオン化デンプンの重量平均分子量は、1000万以下が好ましく、500万以下であるとより好ましく、300万以下であるとさらに好ましい。重量平均分子量が1000万より大きいとポンプフォーマの目詰まりが生じやすくなってしまう。
【0029】
カチオン化デンプンの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JISK7252-1に準拠した方法で測定することができる。
【0030】
カチオン化デンプンは、例えば、ヒドロキシプロピル酸化デンプンPGトリモニウムクロリド(INCI名)及び塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプンからなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。カチオン性置換基は第4級アンモニウム基となる。カチオン置換度が0.5未満のカチオン化デンプンとは、グルコース単位の総量に対して、カチオン性置換基が導入されたグルコース単位が50%未満であることをいう。
【0031】
本開示における「カチオン化デンプン」とは、特に記載のない限り、上述のカチオン置換度及び重量平均分子量を有するカチオン化デンプンのことを意味する。
【0032】
カチオン化デンプンの含有率は、例えば、組成物の質量に対して、0.1質量%以上であると好ましい。カチオン化デンプンの含有率は、例えば、組成物の質量に対して、0.2質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、1質量%以上、1.5質量%以上、又は2質量%以上とすることができる。カチオン化デンプンが0.1質量%未満であると、泡質が不十分となりやすい。カチオン化デンプンの含有率は、例えば、組成物の質量に対して、5質量%以下であると好ましい。カチオン化デンプンの含有率は、例えば、組成物の質量に対して、4質量%以下、3質量%以下、又は2質量%以下とすることができる。カチオン化デンプンが5質量%を超えると、ポンプフォーマの目詰まりが起きやすくなってしまう。
【0033】
本開示の洗浄剤組成物は、洗浄成分をさらに含むことができる。洗浄成分は、例えば、例えば、脂肪酸石鹸、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。
【0034】
例えば、洗浄成分は、高級脂肪酸と、高級脂肪酸に対する中和剤と、を含むことができる。高級脂肪酸と中和剤とは、組成物中において脂肪酸石鹸を形成することができる。
【0035】
高級脂肪酸を「RCOOH」と表記した場合、Rは、飽和炭化水素基又は不飽和炭化水素基とすることができる。Rは飽和炭化水素基であると好ましい。Rは、直鎖炭化水素基又は分枝炭化水素基とすることができる。Rは直鎖炭化水素基であると好ましい。Rの炭素数は8以上であると好ましく、10以上であるとより好ましい。Rの炭素数は24以下とすることができ、20以下であると好ましく、18以下であるとより好ましく、16以下であるとさらに好ましい。炭素数が多いと、ポンプフォーマの目詰まりを起こしやすくなってしまう。炭素数が少ないと、泡質が低下してしまう。
【0036】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等を挙げることができる。このうち、成分(A)としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びパルミチン酸が特に好ましい。
【0037】
中和剤は、例えば、水酸化アルカリ、N-メチルタウリン塩等を挙げることができる。
【0038】
水酸化アルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。例えば、高級脂肪酸と水酸化カリウムとは、洗浄剤組成物中においてカリウム石鹸を形成していると考えられる。
【0039】
N-メチルタウリン塩は、例えば、ナトリウム塩、又はカリウム塩であってもよい。洗浄剤組成物中において、N-メチルタウリン塩の少なくとも一部は、高級脂肪酸の少なくとも一部の対イオンとなっていると考えられる。すなわち、高級脂肪酸とN-メチルタウリン塩は脂肪酸石鹸(R-COO-+NH(CH)(CHSOX)(Xはアルカリ金属を示す。)を形成していると考えられる。
【0040】
本開示の洗浄剤組成物において、中和率は、65%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上、又は110%以上とすることができる。中和率は、140%以下、130%以下、又は120%以下とすることができる。中和率とは、洗浄剤組成物中の高級脂肪酸の総モル数に対する中和剤の総モル数の比に100を乗じた数をいう。
【0041】
両性界面活性剤はベタイン系両性界面活性剤とすることができる。両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0042】
アニオン性界面活性剤は、例えば、アミノ酸系界面活性剤及びスルホン酸系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つとすることができる。アミノ酸系界面活性剤は、アミノ酸、脂肪酸及びアルカリで構成された界面活性剤である。スルホン酸系界面活性剤はスルホン酸塩である。
【0043】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸Na等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N‐ステアロイル‐N‐メチルタウリンナトリウム、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンNa、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等を使用することができる。
【0044】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POE-ソルビット脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0045】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0046】
洗浄成分の含有率は、例えば、組成物の質量に対して、3質量%以上であると好ましい。洗浄成分の含有率は、例えば、組成物の質量に対して、5質量%以上、10質量%以上、又は15質量%以上とすることができる。洗浄成分が3質量%未満であると、洗浄力が不十分となりやすい。洗浄成分の含有率は、例えば、組成物の質量に対して、25質量%以下であると好ましい。洗浄成分の含有率は、例えば、組成物の質量に対して、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下とすることができる。洗浄成分が25質量%を超えると、ポンプフォーマの目詰まりが起きやすくなってしまう。
【0047】
本開示の洗浄剤組成物は、本開示の効果を阻害しない範囲において、他の成分、例えば、水性溶媒、カチオン界面活性剤、上記以外の油性成分、粉体、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜含有することができる。
【0048】
水性溶媒としては、例えば、水、アルコール、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0049】
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
【0050】
水溶性アルコールとしては、例えば、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価のアルコールアルキルエーテル類、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0051】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0052】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトール、デンプン分解糖還元アルコール等);グリコリド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0053】
アルキレンオキシド誘導体としては、下記化1に示される化合物のいずれかを使用することができる。化1に示す化学式において、AOは炭素数3~4のオキシアルキレン基であり、オキシプロピレンであると好ましい。EOはオキシエチレン基である。m及びnはそれぞれ炭素数3~4のオキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数である。mは、1以上であると好ましく、5以上であるとより好ましい。mは、70以下であると好ましく、45以下であるとより好ましい。nは、1以上であると好ましく、12以上であるとより好ましい。nは、70以下であると好ましく、40以下であるとより好ましい。mとnの合計数は、10以上であると好ましく、20以上であるとより好ましく、30以上であるとより好ましい。mとnの合計数は、120以下であると好ましく、100以下であるとより好ましく、80以下であるとさらに好ましい。オキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合が、20質量%~80質量%であると好ましい。オキシアルキレン基とオキシエチレン基はブロック状に付加していてもよいし、ランダム状に付加していてもよい。R及びRは、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1~4の炭化水素基又は水素原子である。R及びRの炭化水素基数に対する水素原子数の割合が0.15以下であると好ましい。R及びRは、それぞれ、メチル基であると好ましい。
【0054】
【化1】
【0055】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロ-ス、D-エリトルロ-ス、Dートレオ-ス、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノ-ス、D-キシロ-ス、L-リキソ-ス、D-アラビノ-ス、D-リボ-ス、D-リブロ-ス、D-キシルロ-ス、L-キシルロ-ス等)、六炭糖(例えば、D-グルコ-ス、D-タロ-ス、D-プシコ-ス、D-ガラクト-ス、D-フルクト-ス、L-ガラクト-ス、L-マンノ-ス、D-タガト-ス等)、七炭糖(例えば、アルドヘプト-ス、ヘプツロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボ-ス、6-デオキシ-L-ガラクト-ス、6-デオキシ-L-マンノ-ス等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0056】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオース、ベルバスコース類等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0057】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0058】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE-10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP-10)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0059】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0060】
油性成分としては、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等を使用することができる。
【0061】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0062】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0063】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0064】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0065】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等を使用することができる。
【0066】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリエチルヘキサノイン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0067】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0068】
本明細書において使用する用語「粉体」は「粉末」と同義である。粉体は、化粧料用途等、一般に用い得るものであれば特に限定されるものではない。粉末としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、焼成雲母、焼成タルク、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、ガラス、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末、シリコーン樹脂粉末、シルクパウダー、ウールパウダー、ウレタンパウダー等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等を使用することができる。
【0069】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0070】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0071】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0072】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0073】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルメチルエーテル(PVM)、PVP(ポリビニルピロリドン)、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸、タウレート系合成高分子、アクリレート系合成高分子等が挙げられる。
【0074】
皮膜剤としては、例えば、アニオン性皮膜剤(例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸高重合体等)、カチオン性皮膜剤(例えば、カチオン化セルロース、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体等)、ノニオン性皮膜剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリルアミド、高分子シリコーン、シリコーンレジン、トリメチルシロキシケイ酸等)が挙げられる。
【0075】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノン;2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート;2,4-ビス-{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン等が挙げられる。
【0076】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0077】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0078】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0079】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0080】
pH緩衝剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0081】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0082】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0083】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0084】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0085】
さらに、本開示の組成物は、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、も適宜含有することができる。
【0086】
本開示の洗浄剤組成物は、後述するようなポンプフォーマに適用することができる。ポンプフォーマから吐出された本開示の洗浄剤組成物の泡は、良好な泡の持続性を有する。また、本開示の洗浄剤組成物の泡は、高い弾力性を有する。これにより、使用者は、洗浄時に、良好な感触を得ることができる。
【0087】
本開示の洗浄剤組成物で形成された泡は、肌上のぬるつきが抑制されており、洗い流しが容易である。また、使用者は、泡を洗い流した後の肌になめらかさを感じすることができる。
【0088】
本開示の洗浄剤組成物は、カチオン性ポリマーを含有してもポンプフォーマにおける目詰まりの発生が抑制されている。
【0089】
本開示の洗浄剤組成物は、カチオン性ポリマーによる不快臭が抑制されている。これにより、本開示の洗浄剤組成物は、肌用の洗浄料、例えば顔用の洗浄料に適用することができる。
【0090】
本開示の洗浄剤組成物は、例えば、化粧料除去洗浄剤、ハンドソープ、ボディソープ、毛髪洗浄剤、台所用洗浄剤等に好適に適用することができる。
【0091】
本開示の洗浄剤組成物の製造方法について説明する。本開示の洗浄剤組成物は特定の方法に限定されることなく、一般に公知の方法によって作製することができる。例えば、上記各成分を混合することによって洗浄剤組成物を作製することができる。
【0092】
高級脂肪酸及び中和剤の複合体である脂肪酸石鹸は、予め生成してから組成物に添加すると好ましい。例えば、水中において高級脂肪酸を加温溶解し、高級脂肪酸の水溶液に中和剤を添加することによって脂肪酸石鹸を調製することができる。このように予め調製した脂肪酸石鹸を添加することによって本開示の洗浄剤組成物を製造することができる。
【0093】
洗浄剤組成物中において、各成分がどのような構造ないし挙動を採っているかを直接特定することが困難であるか、又はおよそ実際的ではない場合がある。したがって、本開示の洗浄剤組成物は、組成によって直接特定できない場合には、その製造方法によって記載することが許されるべきものである。
【0094】
本開示の第2実施形態に係る洗浄剤製品について説明する。本開示の洗浄剤製品は、第1実施形態に係る洗浄剤組成物と、洗浄剤組成物を収容する容器と、を備える。
【0095】
第1実施形態に係る洗浄剤組成物については上述の記載を援用する。
【0096】
容器は、ポンプ式容器とすることができる。ポンプ式容器は、液状の洗浄剤組成物を液状のまま吐出するものであってもよいし、泡状にして吐出するもの(ポンプフォーマ、泡立てポンプ)であってもよい。ポンプフォーマは、洗浄剤組成物を手動で泡状にするものでもよいし、高圧ガスを使用して泡状にするものでもよい。
【0097】
ポンプフォーマは、洗浄剤組成物を泡状にするためのメッシュを有することができる。例えば、手動式ポンプフォーマは、容器上部に備えつけられた、洗浄剤組成物を吐出する吐出ノズルを容器方向に押し込むことによって、ノズル内に設けられたメッシュに洗浄剤組成物を空気と共に通過させて、洗浄剤組成物を泡状にして吐出するものとすることができる。
【0098】
本開示の洗浄剤製品においては、洗浄剤組成物の固化による詰まりが抑制されている。特に、メッシュを有するポンプフォーマにおいても、メッシュ部分における詰まりが抑制されている。
【0099】
本開示の第3実施形態に係る洗浄剤組成物の使用方法について説明する。第1実施形態に係る洗浄剤組成物は、上述のようなポンプ式容器(特にポンプフォーマ)から吐出させて使用することができる。これにより、泡の持続性があり、かつ弾力性のある泡を形成することができる。また、第1実施形態に係る洗浄剤組成物を使用することにより、ポンプフォーマのメッシュ部分における目詰まりの発生を抑制することができる。さらに洗浄後に良好な使用感を得ることができる。
【実施例0100】
本開示の洗浄剤組成物及び洗浄剤製品について、以下に例を挙げて説明する。しかしながら、本開示の洗浄剤組成物は以下の例に限定されるものではない。また、以下の実施例では、各試験例の洗浄剤組成物を化粧料の洗浄に適用した例について説明するが、本開示の組成物は化粧料用に限定されるものでもない。各表に示す各成分の含有率の単位は質量%である。
【0101】
[試験例1~9]
洗浄剤組成物を作製し、手動式ポンプフォーマに収容した。そして、ポンプフォーマから洗浄剤組成物の泡を吐出させ、吐出された泡を以下の基準で評価した。使用したポンプフォーマは、ノズル内にメッシュを有し、ノズルを手動で容器に上から下へ押し込んで、ノズルから泡を吐出させる一般的に使用されているタイプである。表1及び表2に、各組成物の組成及び評価を示す。表に示す項目は、以下に示す基準で評価した。表に示す中和率は、高級脂肪酸の総モル数に対するN-メチルタウリンナトリウムのモル数の比に100を乗じた数である。
【0102】
[目詰まりの発生]
メッシュを有する手動式ポンプフォーマに洗浄剤組成物を収容し、ポンプフォーマから泡状の洗浄剤組成物を数回吐出させた後、ポンプフォーマを50℃恒温槽内で1週間乾燥させた。その後、ポンプフォーマから洗浄剤組成物を再度吐出させたときにメッシュの目詰まりが生じているか否かを評価した。この評価試験を各洗浄剤組成物につき5つのサンプルで行った。
A:5サンプルのうち、いずれも目詰まりが生じなかった;
B:5サンプルのうち、1つ以上に目詰まりが生じた。
【0103】
[泡の弾力性]
洗浄剤組成物をポンプフォーマから吐出させて、吐出された泡の弾力を指で押して泡の弾力性を確認した。泡の弾力性の評価は基準と比較することにより行った。試験例1~9においては、試験例1の洗浄剤組成物を基準とした。試験例10~15においては試験例10の洗浄剤組成物を基準とした。:
A:基準の泡よりも泡に強い弾力があった;
B:基準の泡よりも泡にやや強い弾力があった;
C:基準の泡と同等の弾力であった;
D:基準の泡よりも泡の弾力が弱かった。
【0104】
[泡のきめ細かさ]
洗浄剤組成物をポンプフォーマから吐出させて、吐出された泡のきめ細かさを目視で確認した。泡のきめ細かさの評価は基準と比較することにより行った。試験例1~9においては、試験例1の洗浄剤組成物を基準とした。試験例10~15においては試験例10の洗浄剤組成物を基準とした。:
A:基準の泡よりもきめが細かかった;
B:基準の泡ときめが同等であった;
C:基準の泡よりもきめが粗かった。
【0105】
[泡の洗い流しやすさ]
洗浄剤組成物で肌を洗浄した後に、水で泡を洗い流したときのぬるつきがなくなる早さを確認した。泡の流しやすさの評価は基準と比較することにより行った。試験例1~9においては、試験例1の洗浄剤組成物を基準とした。試験例10~15においては試験例10の洗浄剤組成物を基準とした。:
A:基準の泡よりもぬるつきが早くなくなった;
B:基準の泡とぬるつきがなくなる早さが同等であった;
C:基準の泡よりもぬるつきがなくなるのが少し遅かった;
D:基準の泡よりもぬるつきがなくなるのがかなり遅かった。
【0106】
[洗浄剤組成物の使用後の後肌のなめらかさ]
ポンプフォーマから吐出させた洗浄剤組成物の泡で肌を洗浄した後に水で泡を洗い流し、タオルドライ後の肌がなめらかな感触であるかを確認した。後肌のなめらかさの評価は基準と比較することにより行った。試験例1~9においては、試験例1の洗浄剤組成物を基準とした。試験例10~15においては試験例10の洗浄剤組成物を基準とした。:
A:基準の泡よりも肌のなめらかさが感じられた;
B:基準の泡と肌のなめらかさが同等であった;
C:基準の泡よりも肌のなめらかさが弱く感じられた。
【0107】
[洗浄剤組成物の臭い]
洗浄剤組成物をポンプフォーマから吐出させて、吐出された泡の臭いを嗅いでカチオン性ポリマーの臭いに代表されるような異臭の強さを確認した:
A:臭いに異常はなく、良好であった;
B:わずかに異臭はするが、許容範囲内であった;
C:異臭があり、許容範囲外であった。
【0108】
カチオン性ポリマー又はカチオン置換度が0.5のポリマーを用いた試験例2~5の洗浄剤組成物においては、いずれもカチオン性ポリマー又はカチオン化デンプンに起因する不快臭が強かった。一方、カチオン置換度が低いポリマーを用いた試験例6~9の洗浄剤組成物においては、不快臭を抑制することができた。しかしながら、カチオン置換度が0.05以下のポリマーを用いた試験例6及び9においては、洗浄後の肌のなめらかさの評価が低かった。一方、カチオン置換度が0.05よりも大きいカチオン性ポリマーを用いた試験例7及び8においては、カチオン化デンプンの平均分子量が大きくても、ポンプフォーマの目詰まりが抑制されていると共に、泡質、洗い流しやすさ、及び洗浄後の肌のなめらかさも良好であった。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
【0111】
[試験例10~15]
試験例1~9において用いた界面活性剤(洗浄成分)とは異なる界面活性剤を用いた洗浄料組成物を作製し、試験例1~9と同じ試験を行った。試験例10~15においては、いわゆる高級脂肪酸石鹸を含んでいない。評価基準は上記の通りである。表3に、各組成物の組成及び評価を示す。
【0112】
低カチオン置換度のカチオン化デンプンをアミノ酸系アニオン性界面活性剤、スルホン酸系アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤と組み合わせても、目詰まりを発生させることなく、泡質を改善することができた。また、良好な使用感も得ることができた。カチオン性ポリマーに起因する異臭の問題も生じなかった。
【0113】
【表3】
【0114】
本発明の洗浄剤組成物及び洗浄剤製品は、上記実施形態及び実施例に基づいて説明されているが、上記実施形態及び実施例に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、各開示要素(請求の範囲、明細書及び図面に記載の要素を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができる。また、本発明の請求の範囲の範囲内において、各開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0115】
本発明のさらなる課題、目的及び形態(変更形態含む)は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0116】
本書に記載した数値範囲については、別段の記載のない場合であっても、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし範囲が本書に具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0117】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の記載には限定されない。各付記は、特許請求の範囲に記載の各請求項と組み合わせることもできる。
【0118】
[付記1]
本開示の洗浄料組成物を、泡状に吐出可能なポンプフォーマに適用する、洗浄料組成物の使用方法。
[付記2]
本開示の洗浄料組成物を洗顔用洗浄料に適用する、洗浄料組成物の使用方法。
[付記3]
本開示の洗浄料組成物をメーク落としに適用する、洗浄料組成物の使用方法。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本開示の洗浄剤組成物は、肌の洗浄に好適に用いることができる。特に、本開示の組成物は、肌上の化粧料を落とすための洗浄に好適に用いることができる。本開示の組成物は、ポンプフォーマに入れる内容物として好適に適用することができる。