(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023719
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230209BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20230209BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230209BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20230209BHJP
【FI】
G01C21/36
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129502
(22)【出願日】2021-08-06
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 進
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋康
(72)【発明者】
【氏名】久保 敦
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB22
2F129BB26
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129CC18
2F129DD03
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD16
2F129DD17
2F129DD58
2F129DD65
2F129EE35
2F129EE55
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF36
2F129FF41
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH22
(57)【要約】
【課題】案内経路から逸脱し易い分岐地点をより精度良く検出することができる。
【解決手段】 ナビゲーション装置から、リルート発生地点の位置情報と、リルート前の案内経路と、走行軌跡と、を含む走行ログを取得する情報取得部と、前記リルート前の案内経路と前記走行軌跡とを用いて、前記リルート発生地点の手前にある直近の分岐地点における車両の進入方向および退出方向を特定する解析を行う解析部と、前記解析部による解析結果が所定条件を満たす場合に、前記分岐地点を案内経路から逸脱し易い特別分岐地点として特定する特別分岐地点特定部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置から、リルート発生地点の位置情報と、リルート前の案内経路と、走行軌跡と、を含む走行ログを取得する情報取得部と、
前記リルート前の案内経路と前記走行軌跡とを用いて、前記リルート発生地点の手前にある直近の分岐地点における車両の進入方向および退出方向を特定する解析を行う解析部と、
前記解析部による解析結果が所定条件を満たす場合に、前記分岐地点を案内経路から逸脱し易い特別分岐地点として特定する特別分岐地点特定部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記分岐地点が前記特別分岐地点であることを示す情報を当該分岐地点に対応するノード情報に登録して当該ノード情報を含む地図情報を更新する情報更新部をさらに備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
更新された前記地図情報を、当該地図情報を用いて最新の案内経路における前記特別分岐地点を特定し、当該特別分岐地点が案内経路から逸脱し易い分岐地点であることを示す案内情報を生成する前記ナビゲーション装置に送信する通信部をさらに備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記情報更新部は、さらに
前記リルート前の案内経路における前記特別分岐地点への進入方向を前記ノード情報に登録して当該ノード情報を含む前記地図情報を更新する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
更新された前記地図情報を、当該地図情報を用いて最新の案内経路における前記特別分岐地点を特定し、当該案内経路における前記特別分岐地点への進入方向と、前記地図情報に含まれる前記進入方向と、が一致する場合に当該特別分岐地点が案内経路から逸脱し易い分岐地点であることを示す案内情報を生成する前記ナビゲーション装置に送信する通信部をさらに備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記情報更新部は、さらに
前記リルート前の前記案内経路における前記特別分岐地点への進入方向および退出方向と、前記走行軌跡と、の比較に基づく解析結果を前記ノード情報に登録して当該ノード情報を含む前記地図情報を更新する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置であって、
更新された前記地図情報を、当該地図情報を用いて最新の案内経路における前記特別分岐地点を特定し、前記解析結果に基づき当該特別分岐地点が案内経路から逸脱し易い分岐地点であることを示す案内情報を生成する前記ナビゲーション装置に送信する通信部をさらに備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
最新の案内経路における前記特別分岐地点が案内経路から逸脱し易い分岐地点であることを示す案内情報を生成する案内情報生成部をさらに備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車載ナビゲーション装置に関し、「車載ナビゲーション装置は、位置検出器によって検出された車両の現在地と、入力された目的地との間で誘導経路を形成する。車両が交差点において誘導経路から外れた場合、車速センサ、Gセンサあるいはジャイロスコープによって検出された車両状態が所定状態となり、かつ、生体状態検出センサ、カメラあるいはマイクによって検出された運転者の身体状態が所定の状態となった場合に、運転者の過誤により車両が誘導経路から外れ、運転者にとって迷いやすい交差点であると判定して、誘導経路から外れた交差点を特定するデータを車両外部の情報センタに送信する。情報センタは、車両からの交差点を特定するデータを収集し、運転者にとって迷いやすい交差点であることを車両に対して知らせるデータを形成する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車載ナビゲーション装置は、運転者の身体状態に応じて、車両が誘導経路から逸脱した際の交差点を迷いやすい交差点と判定し、かかる交差点を特定するデータを情報センタに送信している。しかしながら、交差点などの分岐地点における道路形状や右左折専用レーンの存在によって誘導経路からの逸脱が生じやすい分岐地点が多く存在する。そのため、特許文献1の技術によっても、このような分岐地点における誘導経路からの逸脱を回避することは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、案内経路から逸脱し易い分岐地点をより精度良く検出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係る情報処理装置は、ナビゲーション装置から、リルート発生地点の位置情報と、リルート前の案内経路と、走行軌跡と、を含む走行ログを取得する情報取得部と、前記リルート前の案内経路と前記走行軌跡とを用いて、前記リルート発生地点の手前にある直近の分岐地点における車両の進入方向および退出方向を特定する解析を行う解析部と、前記解析部による解析結果が所定条件を満たす場合に、前記分岐地点を案内経路から逸脱し易い特別分岐地点として特定する特別分岐地点特定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、案内経路から逸脱し易い分岐地点をより精度良く検出することができる。
【0008】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ナビゲーション装置および情報処理装置の機能構成の一例を示したブロック図である。
【
図2】案内経路からの逸脱によりリルート処理が発生した分岐地点の第1の例を示した図である。
【
図3】案内経路からの逸脱によりリルート処理が発生した分岐地点の第2の例を示した図である。
【
図4】走行ログ生成処理の一例を示したフロー図である。
【
図5】第一実施形態に係る走行ログ解析処理の一例を示したフロー図である。
【
図6】第一実施形態に係る案内情報生成処理の一例を示したフロー図である。
【
図7】第二実施形態に係る走行ログ解析処理の一例を示した図である。
【
図8】第二実施形態に係る案内情報生成処理の一例を示した図である。
【
図9】第三実施形態に係る走行ログ解析処理の一例を示した図である。
【
図10】第三実施形態に係る案内情報生成処理の一例を示した図である。
【
図11】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【
図12】ナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の各実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
<第一実施形態>
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置100および情報処理装置200の機能構成の一例を示したブロック図である。ナビゲーション装置100と情報処理装置200とは、例えばインターネット等の公衆網やLAN(Local Area Network)あるいはWAN(Wide Area Network)などのネットワークNを介して相互通信可能に接続されている。
【0012】
ナビゲーション装置100は、例えば案内経路(推奨経路)の探索や、地図情報および交通情報の表示など、いわゆるナビゲーション機能を備えた車載のナビゲーション装置である。なお、ナビゲーション装置100は、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル端末であっても良い。この場合、モバイル端末には、例えばクラウドサーバといった外部装置に記憶されている地図情報等の各種情報を用いて様々なナビゲーション機能を提供する機能部を実現するためのソフトウェアが予めインストールされていれば良い。
【0013】
情報処理装置200は、ナビゲーション装置100に様々なサービスを提供するサーバ装置である。情報処理装置200は、後述するように、各車両から取得した走行ログを解析し、ユーザが案内経路から逸脱し易い分岐地点(以下では、特別分岐地点という場合がある)を検出する。また、情報処理装置200は、特別分岐地点であることを示す情報をノード情報に登録することで地図情報を更新する。
【0014】
なお、ナビゲーション装置100は、特別分岐地点であることを示す情報が登録されている地図情報を用いて特別分岐地点で出力される案内情報を生成および出力することで、案内経路から逸脱し易い分岐地点をユーザに知らせる。
【0015】
以下、ナビゲーション装置100および情報処理装置200の各機能部の詳細について説明する。
【0016】
図示するように、ナビゲーション装置100は、記憶部110と、処理部120と、通信部130と、を有している。
【0017】
記憶部110は、様々な情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部110には、地図情報111が格納されている。
【0018】
地図情報111は、地図を細分化した所定領域ごとに、かかる領域内の道路や分岐地点の詳細情報を格納したリンク情報やノード情報を有している。例えば、リンク情報には、道路の開始地点および終了地点の座標、道路の開始ノードおよび終了ノード、道路種別、道路名称、リンク長、移動時間(旅行時間)、リンク特性(例えば、上り車線、下り車線など)、各リンクの法定速度および走行レーンを識別する車線情報といった道路に関する情報が含まれている。また、ノード情報には、例えば交差点などの分岐地点の位置情報や接続されている道路の識別情報(例えば、リンクID)などが含まれている。
【0019】
処理部120は、ナビゲーション装置100で実行される各処理を行う機能部である。具体的には、処理部120は、入力受付部121と、出力部122と、経路探索部123と、走行軌跡記録部124と、走行ログ生成部125と、案内情報生成部126と、を有している。
【0020】
入力受付部121は、ナビゲーション装置100が備える入力装置を介して、ユーザからの指示や情報の入力を受け付ける機能部である。例えば、入力受付部121は、入力装置を介して、出発地や目的地の入力などを受け付ける。
【0021】
出力部122は、各種の情報を出力する機能部である。具体的には、出力部122は、地図や探索された案内経路などを表示するための画面情報を生成し、ディスプレイなどナビゲーション装置100が備える表示装置に出力する。また、出力部122は、案内情報生成部126により生成された案内情報をナビゲーション装置100が備えるスピーカあるいは車載のスピーカに出力する。
【0022】
経路探索部123は、出発地および目的地を結ぶ案内経路(推奨経路)を探索する機能部である。具体的には、経路探索部123は、入力受付部121を介して出発地および目的地に関する情報を取得し、例えばダイクストラ法など所定の方法を用いて出発地および目的地を結ぶ案内経路を探索する。また、経路探索部123は、車両の走行経路が案内経路から逸脱した場合にリルート処理(案内経路の再探索処理)を実行し、案内経路の再探索を行う。
【0023】
走行軌跡記録部124は、車両の走行軌跡を記録する機能部である。具体的には、走行軌跡記録部124は、ナビゲーション装置100が備えるGPS(Global Positioning System)情報受信装置から定期的(例えば、数秒ごとに)に車両の現在地を示す位置情報(例えば、緯度経度情報)を取得し、これを一時的に記憶部110に記憶する。
【0024】
走行ログ生成部125は、車両の走行ログを生成する機能部である。具体的には、走行ログ生成部125は、案内経路のリルート処理が発生すると、走行ログを生成する。より具体的には、走行ログ生成部125は、リルート処理が発生した地点の位置情報と、車両の走行軌跡と、リルート処理が発生する前の案内経路(以下、元の案内経路という場合がある)と、を含む走行ログを生成する。また、走行ログ生成部125は、通信部130を介して、ナビゲーション装置100の識別情報(例えば、各ナビゲーション装置100に固有のID)を対応付けた走行ログを情報処理装置200に送信する。
【0025】
図2は、案内経路からの逸脱によりリルート処理が発生した分岐地点の第1の例を示した図である。図示する例では、交差点Aを直進した先の交差点Bを右折する案内経路(図中、太線の破線で示される)が設定されている。ナビゲーション装置100は、車両位置が交差点Bから所定距離以内となった地点X1において、交差点Bを右折することをユーザに伝えるための案内情報を生成および出力している。
【0026】
この時、案内情報に基づいて、運転者であるユーザが交差点Aの手前で早めに右側車線に移動したところ、交差点Aの右側車線が右折専用レーンであったために直進できず、交差点Aを右折したところで案内経路から逸脱し、リルート処理が発生している。
【0027】
図3は、案内経路からの逸脱によりリルート処理が発生した分岐地点の第2の例を示した図である。図示する例では、進路方向にある分岐地点において、信号を左方向に進む案内経路(図中、太線の破線で示される)が設定されている。ナビゲーション装置100は、車両位置が分岐地点から所定距離以内となった地点X2において、交差点を道なりに進むことをユーザに伝えるための案内情報を生成および出力している。
【0028】
この時、案内情報に基づいて、運転者であるユーザが交差点から右方向に分岐する道が「道なり」の方向であると判断して進んだところ、案内経路から逸脱し、リルート処理が発生している。
【0029】
このように例示した分岐地点(交差点)は、案内経路から逸脱し易い分岐地点である。そのため、案内経路から逸脱したことにより経路探索部123によりリルート処理が行われる。走行ログ生成部125は、このようなリルート処理が発生すると、リルート処理の発生地点の位置情報と、車両の走行軌跡と、元の案内経路と、を含む走行ログを生成し、通信部130を介して、かかる情報を情報処理装置200に送信する。
【0030】
図1に戻って説明する。案内情報生成部126は、所定の案内情報を生成する機能部である。具体的には、案内情報生成部126は、案内経路上における交差点などの分岐地点において、例えば右左折等の進路方向を案内するための案内情報(通常の案内情報)を生成する。また、案内情報生成部126は、案内経路とノード情報とに基づき、ユーザが案内経路から逸脱し易い分岐地点で出力される特別案内情報を生成する。なお、案内情報は音声情報であるが、ディスプレイに表示される画面情報であっても良い。
【0031】
通信部130は、外部装置との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部130は、情報処理装置200に走行ログを送信する。また、通信部130は、案内経路から逸脱し易い特別分岐地点に関する情報が登録されている地図情報211を情報処理装置200から取得する。
【0032】
以上、ナビゲーション装置100の機能構成の一例について説明した。
【0033】
また、
図1に示すように、情報処理装置200は、記憶部210と、処理部220と、通信部230と、を有している。
【0034】
記憶部210は、様々な情報を記憶する機能部である。具体的には、記憶部210には、地図情報211と、走行ログ212と、が格納されている。なお、地図情報211は、ナビゲーション装置100が有する地図情報111と共通の情報である。走行ログ212は、ナビゲーション装置100から取得した走行ログである。
【0035】
処理部220は、情報処理装置200で実行される様々な処理を行う機能部である。具体的には、処理部220は、情報取得部221と、解析部222と、特別分岐地点特定部223と、情報更新部224と、を有している。
【0036】
情報取得部221は、外部装置から様々な種類の情報を取得する機能部である。具体的には、情報取得部221は、通信部130を介して、走行ログをナビゲーション装置100から取得する。
【0037】
解析部222は、所定情報の解析を行う機能部である。具体的には、解析部222は、走行ログを用いた解析処理を行う。
【0038】
特別分岐地点特定部223は、案内経路から逸脱し易い特別分岐地点を特定する機能部である。具体的には、特別分岐地点特定部223は、所定条件が満たされている分岐地点を特別分岐地点として特定(決定)する。
【0039】
情報更新部224は、所定情報を更新する機能部である。具体的には、情報更新部224は、特別分岐地点として特定された分岐地点に対応するノード情報に特別分岐地点であることを示す情報を対応付け、かかるノード情報を含む地図情報211を更新する。
【0040】
通信部230は、外部装置との間で情報通信を行う機能部である。具体的には、通信部230は、走行ログをナビゲーション装置100から取得する。また、通信部230は、案内経路から逸脱し易い特別分岐地点に関する情報が登録された地図情報211をナビゲーション装置100に送信する。
【0041】
以上、情報処理装置200の機能構成の一例について説明した。
【0042】
[動作の説明]
次に、ナビゲーション装置100で実行される走行ログ生成処理について説明する。
【0043】
図4は、走行ログ生成処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、例えば経路探索部123によるリルート処理の実行に伴い開始される。
【0044】
走行ログ生成処理が開始されると、走行ログ生成部125は、ナビゲーション装置100の識別情報を取得する(ステップS001)。具体的には、走行ログ生成部125は、ナビゲーション装置100に固有の識別情報(例えば、個々のナビゲーション装置100を識別可能なIDなど)を記憶部110から取得する。なお、記憶部110には、かかる識別情報が予め格納されていれば良い。
【0045】
次に、走行ログ生成部125は、リルート処理の開始地点の位置情報を取得する(ステップS002)。具体的には、走行ログ生成部125は、リルート処理が開始された時すなわち走行ログ生成処理の開始時における車両の位置情報(例えば、緯度経度情報)をGPS情報受信装置から取得する。
【0046】
次に、走行ログ生成部125は、走行軌跡を取得する(ステップS003)。具体的には、走行ログ生成部125は、リルート処理の開始地点から所定距離手前(例えば、1km手前)までの走行軌跡を記憶部110から取得する。
【0047】
次に、走行ログ生成部125は、リルート前の元の案内経路を取得する(ステップS004)。具体的には、走行ログ生成部125は、リルート処理前の経路誘導に用いられていた元の案内経路を記憶部110から取得する。
【0048】
次に、走行ログ生成部125は、走行ログを生成する(ステップS005)。具体的には、走行ログ生成部125は、ステップS002~ステップS004で取得した各情報に、ステップS001で取得した識別情報を対応付けた走行ログを生成する。また、走行ログ生成部125は、通信部130を介して、生成した走行ログを情報処理装置200に送信し(ステップS006)、本フローの処理を終了する。
【0049】
次に、走行ログを取得した情報処理装置200で実行される走行ログ解析処理について説明する。
【0050】
図5は、走行ログ解析処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、情報処理装置200の情報取得部221が通信部230を介して走行ログをナビゲーション装置100から取得すると開始される。なお、情報取得部221は、取得した走行ログを記憶部210に格納する。
【0051】
走行ログ解析処理が開始されると、解析部222は、リルート発生前の元の案内経路に基づいて、リルート発生地点から直近の分岐地点を特定する(ステップS011)。具体的には、解析部222は、走行ログから元の案内経路を抽出し、元の案内経路上にある分岐地点であって、リルート発生地点の手前にある直近の分岐地点を特定する。
【0052】
次に、解析部222は、走行軌跡に基づいて、特定した分岐地点への進入方向および退出方向を特定する(ステップS012)。具体的には、解析部222は、走行ログから走行軌跡を抽出し、特定した分岐地点への進入・退出方向を特定する。
【0053】
次に、解析部222は、特定した分岐地点と、進入・退出方向と、にナビゲーション装置100の識別情報を対応付けた解析結果を記憶部210に格納する(ステップS013)。具体的には、解析部222は、走行ログの送信元であるナビゲーション装置100の識別情報を走行ログから特定する。また、解析部222は、ノード情報を用いて、ステップS011およびステップS012の処理で特定した分岐地点に対応するノードIDを特定する。また、解析部222は、かかるノードIDおよび進入・退出方向に、ナビゲーション装置100の識別情報を対応付けた解析結果を生成し、これを記憶部210に格納する。
【0054】
次に、特別分岐地点特定部223は、同じ分岐地点において、同じ進入・退出方向によるリルート処理が所定件数以上(例えば、100件以上)発生しているか否かを判定する(ステップS014)。具体的には、特別分岐地点特定部223は、記憶部210に格納されている解析結果の中で、相互に異なるナビゲーション装置100の識別情報が対応付けられ、かつ、同じ分岐地点において、同じ進入・退出方向によるリルート処理の発生を示した解析結果が所定件数以上格納されているか否かを判定する。
【0055】
そして、特別分岐地点特定部223は、かかる解析結果が所定件数以上格納されている場合、所定件数以上のリルートが発生していると判定し(ステップS014でYes)、処理をステップS015に移行する。一方で、特別分岐地点特定部223は、かかる解析結果が所定件数未満の場合、所定件数以上のリルートが発生していないと判定し(ステップS014でNo)、処理をステップS011に戻す。
【0056】
次に、特別分岐地点特定部223は、ステップS011で特定した分岐地点を特別分岐地点に決定し、情報更新部224は、対応するノード情報に特別分岐地点であることを示すフラグを登録して地図情報211を更新する(ステップS015)。また、情報登録部は、地図情報211を更新すると、本フローを終了する。
【0057】
次に、ナビゲーション装置100で実行される案内情報生成処理について説明する。
【0058】
図6は、案内情報生成処理の一例を示したフロー図である。かかる処理は、ナビゲーション装置100の経路探索部123が情報処理装置200で更新された地図情報211を用いて案内経路を探索し、入力受付部121を介して経路誘導の実行指示をユーザから受け付けると開始される。
【0059】
なお、ナビゲーション装置100の経路探索部123は、通信部130を介して所定のタイミング(例えば、ナビゲーション装置100の起動時あるいは経路探索の実行指示をユーザから受け付けた時など)で地図情報111(211)が更新されているか否かを情報処理装置200に問い合わせる。具体的には、経路探索部123は、通信部130を介して、地図情報111(211)の更新確認要求を現在の地図情報111のバージョン情報と共に情報処理装置200に送信する。情報処理装置200の情報更新部224は、更新確認要求を取得すると、記憶部210内の地図情報211および更新確認要求に係る地図情報111のバージョンを比較し、更新されていると判定した場合、通信部230を介して、地図情報211をナビゲーション装置100に送信する。
【0060】
案内情報生成処理が開始されると、案内情報生成部126は、車両位置が案内を行う分岐地点から所定距離以内であるか否かを判定する(ステップS021)。具体的には、案内情報生成部126は、更新された地図情報111を用いて探索された案内経路に含まれる右左折等を行う分岐地点を特定する。また、案内情報生成部126は、GPS情報受信装置490から出力された位置情報に基づいて車両の現在位置を特定する。また、案内情報生成部126は、特定した車両の現在位置が案内を行う直近の分岐地点から所定距離以内(例えば、500m以内)であるか否かを判定する。
【0061】
そして、所定距離以内ではないと判定した場合(ステップS021でNo)、案内情報生成部126は、再度ステップS021の処理を行う。一方で、所定距離以内と判定した場合(ステップS021でYes)、案内情報生成部126は、処理をステップS022に移行する。
【0062】
ステップS022では、案内情報生成部126は、分岐地点が特別分岐地点であるか否かを判定する。具体的には、案内情報生成部126は、地図情報111および案内経路を用いて、案内を行う直近の分岐地点に対応するノード情報に特別分岐地点であることを示すフラグが登録されている場合、分岐地点が特別分岐地点であると判定する。
【0063】
そして、分岐地点が特別分岐地点ではないと判定した場合(ステップS022でNo)、案内情報生成部126は、処理をステップS025に移行する。一方で、分岐地点が特別分岐地点であると判定した場合(ステップS022でYes)、案内情報生成部126は、処理をステップS023に移行する。
【0064】
ステップS023では、案内情報生成部126は、通常の案内情報に加えて、特別案内情報を生成する。なお、本例に該当する特別分岐地点の一例として、
図3を用いて案内情報の生成について説明する。
図3に示すように、分岐地点が特別分岐地点の場合、案内情報生成部126は、一例として「300m先の交差点を道なりです」という通常の案内情報を生成する。
【0065】
また、案内情報生成部126は、特別案内情報を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、特別分岐地点が進路方向を間違い易い分岐地点であることの注意喚起を促す内容の特別案内情報(以下、第1の特別案内情報という場合がある)を生成する。より具体的には、案内情報生成部126は、例えば「300m先の交差点は、進路方向を間違い易いので注意してください」といった特別案内情報を生成する。
【0066】
なお、案内情報生成部126は、第1の特別案内情報に代えて、より具体的な特別案内情報(以下、第2の特別案内情報という場合がある)を生成しても良い。例えば、案内情報生成部126は、通常の案内情報において進路方向を「道なり」としている場合、より具体的な進路方向を示す特別案内情報を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、地図情報111および案内経路を用いて、特別分岐地点と、特別分岐地点に接続されている案内経路上の道路との接続角をリンク情報に登録されている開始地点および終了地点の座標を用いて算出する。
【0067】
また、案内情報生成部126は、算出した接続角に基づき特別分岐地点に接続されている案内経路上の道路の方向(左方向または右方向のいずれか)を特定し、かかる道路の方向を含む特別案内情報を生成する。例えば、案内情報生成部126は、「交差点を道なり左方向に進んでください」といった特別案内情報を生成する。なお、特別分岐地点に接続されている道路方向の特定は上記の方法に限定されるものではない。
【0068】
次に、案内情報生成部126は、出力部122を介して、生成した案内情報を出力する(ステップS024)。具体的には、案内情報生成部126は、出力部122を介して、通常の案内情報と、特別案内情報の両方を出力する。より具体的には、案内情報生成部126は、出力部122を介して、「300m先の交差点を道なりです」という通常の案内情報と、「300m先の交差点は、進路方向を間違い易いので注意してください」または「交差点を道なり左方向に進んでください」という特別案内情報と、の両方を出力する。
【0069】
なお、案内情報生成部126は、第2の特別案内情報を生成した場合、通常の案内情報を生成せず、第2の特別案内情報のみを出力するようにしても良い。
【0070】
また、案内情報生成部126は、これらの案内情報を出力すると、処理をステップS021に戻す。
【0071】
また、前述のステップS022において、分岐地点が特別分岐地点ではないと判定した場合(ステップS022でNo)に移行するステップS025では、案内情報生成部126は、分岐地点の手前に特別分岐地点があるか否かを判定する。具体的には、案内情報生成部126は、地図情報111および案内経路を用いて、車両の現在位置から案内を行う直近の分岐地点までの間にある案内経路上の分岐地点を特定する。また、案内情報生成部126は、特定した分岐地点に対応するノード情報に特別分岐地点であることを示すフラグが登録されている場合、分岐地点の手前に特別分岐地点があると判定する。
【0072】
そして、案内を行う分岐地点の手前に特別分岐地点がないと判定した場合(ステップS025でNo)、案内情報生成部126は、処理をステップS026に移行する。一方で、案内を行う分岐地点の手前に特別分岐地点があると判定した場合(ステップS025でYes)、案内情報生成部126は、処理をステップS023に移行する。
【0073】
なお、ステップS026では、案内情報生成部126は、通常の案内情報を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、
図2および
図3に示すように、例えば「300m先の交差点Bを右折です」、「300m先の交差点を道なりです」といった通常の案内情報を生成する。また、案内情報生成部126は、出力部122を介して、生成した案内情報を出力し(ステップS024)、処理をステップS021に戻す。
【0074】
また、前述のステップS025において、案内を行う分岐地点の手前に特別分岐地点があると判定した場合(ステップS025でYes)に移行するステップS023では、案内情報生成部126は、通常の案内情報に加えて、特別案内情報を生成する。なお、本例に該当する特別分岐地点の一例として、
図2を用いて案内情報の生成について説明する。
図2に示すように、分岐地点の手前に特別分岐地点がある場合、案内情報生成部126は、一例として「300m先の交差点Bを右折です」という通常の案内情報を生成する。
【0075】
また、案内情報生成部126は、特別案内情報を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、特別分岐地点が進路方向を間違い易い分岐地点であることの注意喚起を促す内容の特別案内情報(第1の特別案内情報)を生成する。より具体的には、案内情報生成部126は、例えば「交差点Aは、進路方向を間違い易いので注意してください」といった特別案内情報を生成する。
【0076】
なお、案内情報生成部126は、第1の特別案内情報に代えて、より具体的な第2の特別案内情報を生成しても良い。例えば、案内情報生成部126は、通常の案内情報において、かかる特別分岐地点(
図2の交差点A)における進路方向についての案内をしていないため、具体的な進路方向を示す特別案内情報を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、地図情報111および案内経路を用いて、かかる特別分岐地点の進路が直進であることを特定し、「交差点Aは直進してください」といった特別案内情報を生成する。
【0077】
次に、案内情報生成部126は、出力部122を介して、生成した案内情報を出力する(ステップS024)。具体的には、案内情報生成部126は、出力部122を介して、通常の案内情報と、特別案内情報の両方を出力する。より具体的には、案内情報生成部126は、出力部122を介して、「300m先の交差点Bを右折です」という通常の案内情報と、「交差点Aは、進路方向を間違い易いので注意してください」または「交差点Aは直進してください」という特別案内情報と、の両方を出力する。
【0078】
また、案内情報生成部126は、案内情報を出力すると、処理をステップS021に戻す。
【0079】
以上、案内情報生成処理について説明した。
【0080】
このような情報処理装置によれば、案内経路から逸脱し易い分岐地点をより精度良く検出することができる。特に、情報処理装置は、案内経路から逸脱した車両からの走行ログを解析することにより、同じ分岐地点において同じ進入・退出方向によるリルートが多数発生している場合に、かかる分岐地点を特別分岐地点に決定する。そのため、情報処理装置は、より精度良く特別分岐地点を検出することができる。
【0081】
また、ナビゲーション装置は、特別分岐地点であることを示す情報が登録された地図情報を用いて案内経路から逸脱し易い特別分岐地点についての特別案内情報を生成することができる。これにより、ナビゲーション装置は、ユーザにとって有益な情報を提供することができる。
【0082】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る情報処理装置200は、ナビゲーション装置100で生成される特別案内情報の精度を高めるための情報として、車両が案内経路から逸脱した際の特別分岐地点への進入方向を、対応するノード情報に登録する。以下では、走行ログ解析処理および案内情報生成処理の各々において、第一実施形態と異なる処理を中心に説明し、第一実施形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0083】
図7は、本実施形態に係る走行ログ解析処理の一例を示した図である。なお、ステップS031~ステップS034の処理は各々、第一実施形態のステップS011~ステップS014に相当する。
【0084】
ステップS035では、特別分岐地点特定部223は、ステップS031で特定した分岐地点を特別分岐地点に決定し、情報更新部224は、対応するノード情報に特別分岐地点であることを示すフラグと、リルート発生前の元の案内経路における特別分岐地点への進入方向と、を対応付けて登録し、地図情報211を更新する。すなわち、情報更新部224は、特別分岐地点であることを示すフラグに加えて、案内経路からの逸脱が生じた際の元の案内経路における特別分岐地点への進入方向についても対応するノード情報に登録する。
【0085】
図8は、本実施形態に係る案内情報生成処理の一例を示した図である。なお、ステップS041、ステップS042およびステップS044~ステップS047の処理は各々、第一実施形態のステップS021~ステップS026に相当する。
【0086】
ステップS043では、案内情報生成部126は、最新の案内経路すなわち現在の経路誘導に用いられている案内経路がリルート発生前の案内経路における特別分岐地点への進入方向と同じか否かを判定する。具体的には、案内情報生成部126は、ステップS042またはステップS046で特定した特別分岐地点の対応するノード情報に登録されている元の案内経路における進入方向と、最新の案内経路において対応する特別分岐地点への進入方向と、が一致するか否かを判定する。
【0087】
そして、案内情報生成部126は、両進入方向が一致する場合、最新の案内経路がリルート発生前の案内経路における特別分岐地点への進入方向と同じであると判定し(ステップS043でYes)、通常の案内情報に加えて、特別案内情報を生成する(ステップS044)。
【0088】
一方で、案内情報生成部126は、両進入方向が一致しない場合、最新の案内経路がリルート発生前の案内経路における特別分岐地点への進入方向と同じではないと判定し(ステップS043でNo)、通常の案内情報のみを生成する(ステップS047)。
【0089】
以上、第二実施形態に係る走行ログ解析処理および案内情報生成処理について説明した。
【0090】
このような情報処理装置によれば、車両が案内経路から逸脱した際の特別分岐地点への進入方向が対応するノード情報に登録される。そのため、かかるノード情報を含む地図情報を用いて案内情報を生成するナビゲーション装置では、最新の案内経路における特別分岐地点への進入方向と、案内経路から逸脱した際の特別分岐地点への進入方向と、が一致する場合のみ特別案内情報を生成することができる。
【0091】
例えば、
図2および
図3に示すように、案内経路からの車両逸脱は、右左折専用レーンの存在や分岐地点における道路形状に依存する場合が多く、かかる分岐地点への進入方向によっては案内経路からの逸脱が多くは生じない場合もある。そのため、第二実施形態に係る情報処理装置200は、このような進入方向をナビゲーション装置が考慮して特別案内情報を生成するか否かを判定できるように、車両逸脱が生じた際の元の案内経路の特別分岐地点における進入方向を対応するノード情報に登録する。これにより、情報処理装置は、ナビゲーション装置における精度の高い特別案内情報の生成に寄与することができる。
【0092】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る情報処理装置200は、リルート発生前の元の案内経路における特別分岐地点への進入・退出方向と、リルートが発生した実際の走行軌跡と、の比較に基づく解析を行い、ナビゲーション装置100でより具体的な内容の特別案内情報(第3の特別案内情報)を生成可能とするための情報として、解析結果を特別分岐地点に対応するノード情報に登録する。以下では、走行ログ解析処理および案内情報生成処理の各々において、第一実施形態および第二実施形態と異なる処理を中心に説明し、前述の実施形態と同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0093】
図9は、本実施形態に係る走行ログ解析処理の一例を示した図である。なお、ステップS051~ステップS054の処理は各々、第一実施形態のステップS011~ステップS014(または第二実施形態のステップS031~ステップS034)に相当する。
【0094】
ステップS055では、特別分岐地点特定部223は、ステップS051~ステップS054の処理で特定された分岐地点を特別分岐地点に決定し、解析部222は、リルート発生前の案内経路における特別分岐地点への進入・退出方向と、リルートが発生した実際の走行軌跡と、の比較に基づく解析を実行する。
【0095】
また、解析部222は、例えば
図2に示す特別分岐地点の解析を行った場合、車両が直進すべき交差点Aを右折したことを解析結果として得る。また、解析部222は、例えば
図3に示す特別分岐地点の解析を行った場合、車両が交差点を道なり左方向に進むべきところを、道なり右方向に進んだことを解析結果として得る。
【0096】
次に、情報更新部224は、対応するノード情報に特別分岐地点であることを示すフラグと、リルート発生前の元の案内経路における特別分岐地点への進入方向と、ステップS055の解析結果と、を対応付けて登録し、地図情報211を更新して(ステップS056)、本フローを終了する。
【0097】
図10は、本実施形態に係る案内情報生成処理の一例を示した図である。なお、ステップS061~ステップS063およびステップS065~ステップS067の処理は各々、第二実施形態のステップS041~ステップS043およびステップS045~ステップS047に相当する。
【0098】
ステップS064では、案内情報生成部126は、通常の案内情報に加えて、特別案内情報(第3の特別案内情報)を生成する。具体的には、案内情報生成部126は、特別分岐地点のノード情報に登録されている解析結果を参照し、解析結果に応じた特別案内情報を生成する。より具体的には、案内情報生成部126は、例えば
図2に示す特別分岐地点の場合、解析結果に基づいて「交差点Aは、右折する間違いが生じ易くなっているため、注意してください」といった特別案内情報を生成する。また、案内情報生成部126は、例えば
図3に示す特別分岐地点の場合、解析結果に基づいて「交差点は道なり右方向に進む間違いが生じ易くなっているため、注意してください」といった特別案内情報を生成する。なお、上記の特別案内情報は一例であるため、生成される特別案内情報の内容は特に限定されるものではない。
【0099】
以上、第三実施形態に係る走行ログ解析処理および案内情報生成処理について説明した。
【0100】
このような情報処理装置によれば、ナビゲーション装置でより具体的な内容の特別案内情報を生成可能とするための情報(解析結果)をノード情報に含めることができる。これにより、情報処理装置は、ナビゲーション装置における精度の高い特別案内情報の生成により一層寄与することができる。
【0101】
なお、本発明は、第一実施形態~第三実施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、前述の実施形態では、ナビゲーション装置100の経路探索部123により案内経路が生成されたが、情報処理装置200が同様の経路探索部を有し、案内経路を生成しても良い。
【0102】
また、前述の実施形態では、ナビゲーション装置100の案内情報生成部126が通常の案内情報および特別案内情報を生成したが、情報処理装置200が同様の案内情報生成部を有し、これらの案内情報を生成しても良い。
【0103】
なお、情報処理装置200により案内経路や案内情報が生成された場合、これらの情報は、通信部230を介してナビゲーション装置100に送信されれば良い。
【0104】
次に、情報処理装置200およびナビゲーション装置100のハードウェア構成について説明する。
【0105】
図11は、情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示した図である。図示するように、情報処理装置200は、処理装置310と、主記憶装置320と、補助記憶装置330と、通信装置340と、これらの各装置を電気的に接続するバス350と、を有している。
【0106】
処理装置310は、例えば演算処理を行うCPU(Central Prosessing Unit)である。主記憶装置320は、読み出した各種情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)やCPUで実行されるプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)などのメモリ装置である。補助記憶装置330は、デジタル情報を記憶可能なHDDやSSDあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。通信装置340は、外部装置との間で情報通信を行う通信モジュールなどである。また、バス350は、これらの装置を相互通信可能に接続する通信線である。
【0107】
図12は、ナビゲーション装置100のハードウェア構成の一例を示した図である。図示するように、ナビゲーション装置100は、処理装置410と、表示装置(ディスプレイ)420と、記憶装置430と、音声入出力装置440と、入力装置450と、ROM装置460と、車速センサ470と、ジャイロセンサ480と、GPS情報受信装置490と、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信装置500と、通信装置510と、を有している。
【0108】
処理装置410は、演算処理を実行するCPU411と、記憶装置430あるいはROM装置460から読み出した各種情報を一時的に格納するRAM412と、CPU411で実行されるプログラムなどを格納するROM413と、処理装置410に各種ハードウェアを接続するためのI/F(インターフェイス)414と、これらを相互に接続するバス415と、を有している。
【0109】
表示装置420は、グラフィックス情報を表示するユニットであって、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどで構成される。記憶装置430は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)あるいは不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体であって、様々な情報(例えば、地図情報111など)が格納されている。
【0110】
音声入出力装置440は、運転者や同乗者の発した音声を集音するマイクロフォン441と、運転者などへの音声案内を出力するスピーカ442と、を有する。なお、スピーカ442は、車両に搭載されている車載のスピーカであっても良い。
【0111】
入力装置450は、タッチパネル451やダイヤルスイッチ452などユーザからの指示入力を受け付ける装置である。ROM装置460は、CD-ROMやDVD-ROMなどのROMあるいはIC(Integrated Circuit)カードなどの、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体であって、例えば動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0112】
車速センサ470、ジャイロセンサ480およびGPS情報受信装置490は、ナビゲーション装置100が搭載される車両の現在位置を検出するために使用される。車速センサ470は、車速の算出に用いられる情報を出力する。具体的には、車速センサ470は、検出した車輪の回転数をパルス信号に変換し、所定の時間内におけるパルス信号数といった所定の情報を出力する。ジャイロセンサ480は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出する。GPS情報受信装置490は、GPS衛星からの信号を受信し、車両とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを所定数(例えば、4つ)の衛星に対して測定することで車両の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0113】
VICS情報受信装置500は、渋滞や事故あるいは道路工事に関する道路交通情報(VICS情報)を受信する装置である。通信装置510は、外部装置(例えば、情報処理装置200)との間で情報通信を行う通信モジュールなどである。
【0114】
以上、情報処理装置200およびナビゲーション装置100の各ハードウェア構成について説明した。
【0115】
なお、情報処理装置200の処理部220は、処理装置310のCPUに処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、例えば主記憶装置320あるいは補助記憶装置330に格納されており、実行にあたって主記憶装置320上にロードされ、CPUにより実行される。また、記憶部210は、主記憶装置320あるいは補助記憶装置330によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部230は、通信装置340によって実現される。
【0116】
また、ナビゲーション装置100の処理部120は、処理装置410のCPU411に処理を行わせるプログラムによって実現される。これらのプログラムは、例えば記憶装置430あるいはROM413に格納されており、実行にあたってRAM412上にロードされ、CPU411により実行される。また、記憶部110は、RAM412、ROM413あるいは記憶装置430によって実現されても良く、これらの組み合わせによって実現されても良い。また、通信部130は、通信装置510によって実現される。
【0117】
なお、ナビゲーション装置100および情報処理装置200の各機能ブロックは、本実施形態において実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。したがって、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。また、ナビゲーション装置100および情報処理装置200の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0118】
また、各機能部の全部または一部は、コンピュータに実装されるハードウェア(ASICといった集積回路など)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0119】
また、本発明は、上記の実施形態や変形例などに限られるものではなく、これら以外にも様々な実施形態および変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0120】
100・・・ナビゲーション装置、110・・・記憶部、111・・・地図情報、120・・・処理部、121・・・入力受付部、122・・・出力部、123・・・経路探索部、124・・・走行軌跡記録部、125・・・走行ログ生成部、126・・・案内情報生成部、130・・・通信部、200・・・情報処理装置、210・・・記憶部、211・・・地図情報、212・・・走行ログ、220・・・処理部、221・・・情報取得部、222・・・解析部、223・・・特別分岐地点特定部、224・・・情報更新部、230・・・通信部、310・・・処理装置、320・・・主記憶装置、330・・・補助記憶装置、340・・・通信装置、350・・・バス、410・・・処理装置、411・・・CPU、412・・・RAM、413・・・ROM、414・・・I/F、415・・・バス、420・・・表示装置(ディスプレイ)、430・・・記憶装置、440・・・音声入出力装置、441・・・マイクロフォン、442・・・スピーカ、450・・・入力装置、451・・・タッチパネル、452・・・ダイヤルスイッチ、460・・・ROM装置、470・・・車速センサ、480・・・ジャイロセンサ、490・・・GPS情報受信装置、500・・・VICS情報受信装置、510・・・通信装置、N・・・ネットワーク