(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023751
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】フローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック
(51)【国際特許分類】
A47L 13/16 20060101AFI20230209BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
A47L13/16 A
A47L13/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129557
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】594066176
【氏名又は名称】株式会社遠州
(71)【出願人】
【識別番号】521348580
【氏名又は名称】有限会社アスキイ
(74)【代理人】
【識別番号】100092923
【弁理士】
【氏名又は名称】石垣 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187757
【弁理士】
【氏名又は名称】石垣 春樹
(72)【発明者】
【氏名】笹山 美隆
(72)【発明者】
【氏名】淺原 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】秋野 紘三
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA01
3B074AA02
3B074AA04
3B074AA07
3B074AA08
3B074AB01
3B074EE01
(57)【要約】
【課題】手で清掃シートに触れることなく清掃シートを交換することができる安心、安全で経済性と環境衛生面に優れた使い勝手の良いフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックを提供すること。
【解決手段】本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1は、床面FLに摺接して直接床拭き作用を行う清掃シート面5と、床拭きヘッド103の側面と上面の一部を覆う保持面6と、を有する袋状の清掃シート組3と、清掃シート組3の開口部7を狭めて床拭きヘッド103に取り付ける取付け手段9と、少なくとも対向する一組の辺に、外側に張り出した一対の係止片11、11を有し、該一対の係止片11、11に対して清掃シート組3の開口部7を上方から被せて係止させることによって、該開口部7を広げた状態で保持する取付け枠13と、を具備することによって構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てタイプの清掃シートを清掃具先端の床拭きヘッドに取り付けて使用する、柄の付いたフローリング用清掃具に対して使用できる着脱式清掃シートパックであって、
上記着脱式清掃シートパックは、床面に摺接して直接床拭き作用を行う清掃シート面と、床拭きヘッドの側面と上面の一部を覆う保持面と、を有する袋状の清掃シート組と、
上記清掃シート組の開口部を狭めて床拭きヘッドに取り付ける取付け手段と、
少なくとも対向する一組の辺に、外側に張り出した一対の係止片を有し、該一対の係止辺に対して上記清掃シート組の裏面を上にして、その開口部を上方から被せて係止させることによって清掃シート組の開口部を広げた状態で保持する取付け枠と、を具備している
ことを特徴とするフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック。
【請求項2】
上記取付け手段は、清掃シート組の開口部周縁の一部又は全体に取り付けられる伸縮性のある紐体であることを特徴とする請求項1記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック。
【請求項3】
上記清掃シート組の清掃シート面の裏面には、床拭きヘッドに清掃シート組を取り付ける際の位置決めに使用するガイド表示が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック。
【請求項4】
上記清掃シート組には、床拭きヘッドから清掃シートを取り外す際に、足で踏んで押さえる取外し手段が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てタイプの清掃シートを清掃具先端の床拭きヘッドに取り付けて使用する、柄の付いたフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックに係り、特に清掃シートに手を触れることなく、清掃シートを交換することができる環境衛生と経済性に優れた使い勝手の良いフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記の特許文献1に示すように使い捨てタイプの清掃シートを清掃具先端の床拭きヘッドに取り付けて使用する、柄の付いたフローリング用清掃具が広く使用されている。
このようなフローリング用清掃具には、床拭きヘッドの上面に、下方からくるんだ清掃シートの両端部を保持する保持構造が設けられている。
【0003】
このような保持構造としては、下方からくるんだ清掃シートの両端部を下方に押さえて床拭きヘッド上面に設けた係止爪等で係止するようにしたもの、下方からくるんだ清掃シートの両端部を、バネを利用したクランプ部材等で保持するようにしたもの、あるいは下記の特許文献1に示すように床拭きヘッドの上面に貼設した面ファスナーのフックによって下方からくるんだ清掃シートの両端部の繊維に絡みついて保持するようにしたもの等がある。
【0004】
また、清掃シートの交換作業は手作業で行っており、新型コロナウィルス等の感染が懸念されている最近の状況下では清掃シートの交換に際してビニール手袋等の使用が義務付けられており、作業終了後は使用した清掃シートと共に、上記ビニール手袋等もその都度廃棄されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ビニール手袋等をしていたとしても、清掃シートの交換作業のその都度、清掃シートに手を触れて清掃シートを交換する作業は作業者にとって極めて不安であり、環境衛生面で問題がある。また、清掃シートの交換作業のその都度、使用したビニール手袋等を廃棄することは、経済的でないし、ゴミの増大を招くことになってしまう。
【0007】
本発明は、上記従来のフローリング用清掃具の清掃シートの交換作業時の問題点に基づいてなされたもので、その目的は、手で清掃シートに触れることなく、清掃シートの交換作業を安心、安全に行うことができる環境衛生面に優れ、経済的でゴミの発生も少なくすることができる使い勝手の良いフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達すべく本発明の請求項1によるフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックは、使い捨てタイプの清掃シートを清掃具先端の床拭きヘッドに取り付けて使用する、柄の付いたフローリング用清掃具に対して使用できる着脱式清掃シートパックであって、上記着脱式清掃シートパックは、床面に摺接して直接床拭き作用を行う清掃シート面と、床拭きヘッドの側面と上面の一部を覆う保持面と、を有する袋状の清掃シート組と、上記清掃シート組の開口部を狭めて床拭きヘッドに取り付ける取付け手段と、少なくとも対向する一組の辺に、外側に張り出した一対の係止片を有し、該一対の係止辺に対して上記清掃シート組の裏面を上にして、その開口部を上方から被せて係止させることによって清掃シート組の開口部を広げた状態で保持する取付け枠と、を具備していることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2によるフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックは、請求項1記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックにおいて、上記取付け手段は、清掃シート組の開口部周縁の一部又は全部に取り付けられる伸縮性のある紐体であることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3によるフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックは、請求項1又は2記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックにおいて、上記清掃シート組の清掃シート面の裏面には、床拭きヘッドに清掃シート組を取り付ける際の位置決めに使用するガイド表示が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項4によるフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックは、請求項1~3のいずれかに記載のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックにおいて、上記清掃シート組には、床拭きヘッドから清掃シートを取り外す際に、足で踏んで押さえる取外し手段が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
そして、上記手段によって以下のような効果が得られる。即ち、本発明によるフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックによると、清掃シート組を床拭きヘッドに取り付ける取付け手段が床拭きヘッド側でなく、清掃シート組側に設けられている。従って、床拭きヘッドに対して方式の違う種々の取付け手段が設けられている既存のフローリング用清掃具を使う場合にも、床拭きヘッドに設けられている既存の取付け手段を使わないで、清掃シート組に取り付けられている本発明の取付け手段を使用して清掃シート組を床拭きヘッドの取り付けることになる。また、床拭きヘッドに取付け手段を有しないフローリング用清掃具に対しても本発明の清掃シート組は取り付け可能である。
また、清掃シート組の開口部を広げた状態で保持する取付け枠を使用することによって、清掃シート組をセットした取付け枠に対して、その上方に床拭きヘッドを位置させ、床拭きヘッドをそのまま下方に押し込むだけで清掃シート組を取付け枠から自動的に外して床拭きヘッドに取り付けることが可能になる。そして、上記清掃シート本体の取付け作業を一切、手で清掃シート組を触れることなく実行することが可能になる。
【0013】
また、清掃シート本体を床拭きヘッドに取り付ける取付け手段として、清掃シート本体の開口部周縁の一部又は全体に取り付けられる伸縮性のある紐体を採用した場合には、極めて簡単な構造で取付け手段を構成でき、上記床拭きヘッドの押込み動作のみによって伸長状態の紐体を収縮状態に速やかに移行させて床拭きヘッドにワンタッチで清掃シート組を取付けることが可能になる。
【0014】
また、清掃シート組における清掃シート面の裏面に、床拭きヘッドに取り付ける際の位置決めに使用するガイド表示を設けた場合には、このガイド表示を案内にして清掃シート組の床拭きヘッドに対する位置決めを正確かつ簡単に実行することが可能になる。
【0015】
また、清掃シート組に対して床拭きヘッドから清掃シート本体を取り外す際に足で踏んで押さえる取外し手段を設けた場合には、清掃シート組を床拭きヘッドに取り付ける場合だけでなく、床拭きヘッドから清掃シート組を取り外す場合にも、手で清掃シート組に触れることなく作業を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態を示す図で、取付け枠に清掃シート組をセットした状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態を示す図で、取付け枠に清掃シート組をセットした状態を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施の形態を示す図で、取付け枠に清掃シート組をセットした状態を示す縦断正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態を示す図で、床拭きヘッドに清掃シート組を取付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施の形態を示す図で、床拭きヘッドに清掃シート組を取付けた状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の実施の形態を示す図で、床拭きヘッドに清掃シート組を取付けた状態を示す縦断正面図である。
【
図7】本発明の実施の形態を示す図で、床拭きヘッドに清掃シート組を取り付ける過程を段階的に示す部分断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態を示す図で、床拭きヘッドから清掃シート組を取り外した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図示の実施の形態を例にとって、本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックの構成と、該着脱式清掃シートパックを使用する場合の清掃シート組の着脱手順と、について具体的に説明する。
尚、以下の説明では最初に本発明の清掃シート組の着脱対象となるフローリング用清掃具の構成について簡単に説明し、次に、本発明の着脱式清掃シートパックの構成を具体的に説明する。次に、このようにして構成される本発明の着脱式清掃シートパックを使用することによって実行される清掃シート組の着脱手順を、清掃シート組のセット時と、清掃シート組の取付け時と、清掃シート組の取外し時と、の3段階に分けて具体的に説明する。
最後に、上記実施の形態とは部分的構成を異にする本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパックの他の実施の形態について言及する。
【0018】
(1)フローリング用清掃具の構成(
図1参照)
最初に、本発明の着脱式清掃シートパック1における清掃シート組の着脱対象となるフローリング用清掃具101について簡単に説明する。フローリング用清掃具101としては、床拭きヘッド103の上面に取付け構造113を備えたフローリング用清掃具101と、床拭きヘッド103の上面に取付け構造113を有しないフローリング用清掃具101、例えばクリーナー掃除機等と、の2タイプが使用可能である。このうち、床拭きヘッド103の上面に取付け構造113を備えたフローリング用清掃具101は、使い捨てタイプの矩形シート状の清掃シートを取り付けて使用する一例として矩形板状の床拭きヘッド103と、継手部105を介して上記床拭きヘッド103の上面から上方に向けて延びる柄107と、を基本的に備えることによって構成されている。
【0019】
床拭きヘッド103は、下方に床面FLに摺接する摺接パッド109を備え、その上方に該摺接パッド109の支持部材となる支持プレート111が設けられた、一例として二層構造の部材である。支持プレート111の上面には、清掃シートを下方からくるむようにして取り付けた後、上方に引き上げた清掃シートの両端部を保持するための取付け構造113が上記継手部105の周囲に一例として4ケ所設けられている。
因みに、本発明では本発明の着脱式清掃シートパック1における清掃シート組3に取り付けられている取付け手段9を使用するので、床拭きヘッド103の上面に設けられている上記取付け構造113は使用しない。
【0020】
また、継手部105は、例えば床拭きヘッド103の支持プレート111における上面の中央に1ケ所設けられており、この継手部105によって上記柄107を前後左右に傾けることができ、床拭きヘッド103を床面FLと平行な水平方向に回転できるように構成されている。
また、柄107には、作業者が手で握って操作する図示しないグリップと、柄107の長さを調節するための図示しない伸縮機構が必要に応じて設けられている。
また、床拭きヘッド103の上面に取付け構造113を有しないタイプのフローリング用清掃具101は、上記取付け構造113を有しないだけで、その基本的構成は上記取付け構造113を有するフローリング用清掃具101と同じである。
【0021】
(2)着脱式清掃シートパックの構成(
図1~
図8参照)
本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1は、上述したフローリング用清掃具101に後述する清掃シート組3を取り付けて使用するための複数の部材を組み合わせて1パックにまとめたものである。
具体的には、床面FLに摺接して直接床拭き作用を行う清掃シート面5と、上記床拭きヘッド103の側面と上面の一部を覆う保持面6と、を有する袋状の清掃シート組3と、該清掃シート組3の開口部7を狭めて床拭きヘッド103に取り付けられる取付け手段9と、少なくとも対向する一組の辺に、外側に張り出した一対の係止片11、11を有し、該一対の係止片11、11に対して上記清掃シート組3の裏面3bを上にして、その開口部7を上方から被せて係止させることによって、清掃シート組3の開口部7を広げた状態で保持する取付け枠13と、を具備することによって本発明の着脱式清掃シートパック1は、基本的に構成されている。
【0022】
清掃シート組3は、不織布、綿、混紡、化学繊維を含む布類や紙、あるいは薄手のプラスチックシートないし更に薄いプラスチックフィルム等を材料とするシート素材を母材として成形されている。形状としては、使用する床拭きヘッド103の形状に合わせて、平面視矩形状や長円形状等、種々の形状が採用可能である。
大きさは、使用する床拭きヘッド103を一回り大きくしたサイズで、床拭きヘッド103に取り付けたとき、床拭きヘッド103の底面と側面と上面の一部を覆い隠すことができる大きさに設定されている。
【0023】
清掃シート組3のシート素材の厚みは、一例として10mm以下で、清掃シート組3の外周部には、後述する取付け手段9の取付け代として利用できる一例として3mm幅以上の拡張部4が設けられている。
そして、上記取付け手段9として伸縮性のある紐体10が一例として適用でき、本実施の形態では、1本のループ状のゴム紐が使用されている。これに伴い、上記清掃シート組3の外周部に設けられる拡張部4を利用して、上記紐体10を通すための紐通し穴が清掃シート組3の外周部に沿って円環状に設けられている。尚、上記紐通し穴は、上記拡張部4を構成するシート素材を適宜折り返し、縫製ないし熱溶着等を行うことによって作成する。
【0024】
また、清掃シート組3の表面3aにある清掃シート面5の裏面3bには、清掃シート組3の床拭きヘッド103に対する位置決めに使用するガイド表示15が設けられている。
本実施の形態では、上記ガイド表示15として、
図2に示すような所定幅のテープTを矩形枠状に貼り付け、更にその中間に所定の間隔を隔てて2本のテープTを貼り付けた形状のガイド表示15が一例として採用されている。尚、ガイド表示15の形状は、この形状に限らず、種々の形状が採用可能である。
【0025】
更に、本実施の形態では床拭きヘッド103から清掃シート組3を取り外す際に足で踏んで押さえる取外し手段17が清掃シート組3に対して設けられている。
具体的には、取外し手段17として
図2に示すような半ループ形状の取外し紐18が、一例として清掃シート面5における一方の側縁から外方に張り出すように設けられている。
【0026】
取付け枠13としては、
図4に示すような上面が開放された角箱状の部材が一例として適用できる。取付け枠13の材質としては、必要な強度を有する厚紙、段ボール、プラスチックシート等が利用でき、その平面形状も上記清掃シート組3と同様、使用する床拭きヘッド103の形状に合わせて矩形状や長円形状等、種々の形状が採用可能である。
また、取付け枠13は、前面板13a、背面板13b、2枚の側面板13c、13c、底面板13dの5枚の板材を組み合わせることによって構成されている。また、このうち左右の側面板13c、13cの上辺には、一例として矩形状の一対の係止片11、11が外方斜め下方を向くように取り付けられている。
【0027】
また、このようにして構成される取付け枠13の底面板13dにおける内寸法は、使用する床拭きヘッド103の大きさに、清掃シート組3のシート素材の厚みと1mm程度の余剰寸法を加味した寸法に設定されている。
具体的には、幅Wが約280mm、奥行きDが約115mm、高さHが約33mmの角箱に幅Bが約12mm、長さLが約90mmの2つの係止片11、11を取り付けた大きさの取付け枠13が本実施の形態において採用されている。
【0028】
(3)清掃シート組の着脱手順(
図1~
図8参照)
次に、このようにして構成される本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1を使用することによって実行される、床拭きヘッド103に対する清掃シート組3の着脱の手順を、(A)清掃シート組のセット時と、(B)清掃シート組の取付け時と、(C)清掃シート組の取外し時と、の3段階に分けて具体的に説明する。
【0029】
(A)清掃シート組のセット時(
図1~
図3参照)
予め清掃シート組3は、取付け枠13にセットされた状態で納品されている。従って、作業者ないしユーザが清掃シート組3を取付け枠13にセットする作業は基本的に不要である。
清掃シート組3を取付け枠13にセットする場合は、清掃シート組3を裏返して、ガイド表示15が上面を向くようにする。この状態で清掃シート組3を、開口を上にした取付け枠13に被せ、取付け手段9である伸縮性のある紐体10を左右に引っ張って、取付け枠13の左右の係止片11、11に対して外側からくるむようにして係止させることによってセットする。
因みに、取付け枠13にセットされた状態の清掃シート組3は、紐体10の伸長によって
図3に示すように開口部7を広げた状態で保持されている。
【0030】
(B)清掃シート組の取付け時(
図1~
図7参照)
次に、清掃シート組3がセットされた取付け枠13の上方に床拭きヘッド103を位置させ、上記ガイド表示15を案内として床拭きヘッド103を清掃シート組3がセットされた取付け枠13内に押し込む。
そして、上記押込み動作によって
図7に示すように係止片11、11に係止されていた紐体10が外れ、清掃シート組3の外周部が相対的に上方に移動して床拭きヘッド103を下方からくるみ、巻き付いた状態になる。
【0031】
このとき、紐体11は、係止片11、11によって係止されていたときの伸長状態から収縮状態に移行するため、清掃シート組3は、開口部7を狭めて
図4に示すように床拭きヘッド103に取り付けられた状態になる。
このように本発明の着脱式清掃シートパック1を使用した場合には、作業者ないしユーザは、一切、清掃シート組3に手を触れることなく、フローリング用清掃具101の柄107を持って行う床拭きヘッド103の押込み動作のみによって床拭きヘッド103に対する清掃シート組3の取り付けを完了することができる。
【0032】
(C)清掃シート組の取外し時(
図8参照)
フローリング清掃終了後、床拭きヘッド103に取り付けられていた清掃シート組3を取り外す場合には、清掃シート組3の清掃シート面5における一方の側縁から外方に張り出している取外し紐18を足で踏んで押さえ、フローリング用清掃具101の柄107を持って床拭きヘッド103を上方に持ち上げる。
上記動作によって紐体10が伸長し、清掃シート組3の開口部7が広くなるので、床拭きヘッド103が開口部7を通って上方に抜けるため、清掃シート組3は床拭きヘッド103から分離できるようになって取り外される。
【0033】
このように、本発明の着脱式清掃シートパック1を使用した場合には、作業者ないしユーザは、一切、清掃シート組3に手を触れることなく、フローリング用清掃具101の柄107を持って行う床拭きヘッド103の持ち上げ動作と、取外し紐18を足で踏んで押さえる踏み込み押さえ動作と、によって床拭きヘッド103からの清掃シート組3の取外しを完了することができる。
【0034】
そして、このようにして構成される本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1によれば、従来、手で触れて行っていた清掃シートの交換作業を、一切、手で清掃シート組3に触れることなく実行できるから、環境衛生上安全に安心して清掃シート組3の交換作業が行えるようになる。また、従来、清掃シートの交換作業のその都度、廃棄していたビニール手袋等の数が少なくて済むから、経済的でゴミの発生を少なくすることもできるようになる。
【0035】
[他の実施の形態]
本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1は、上述した実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、清掃シート組3の形状は、上述した実施の形態のように単なる矩形シート状に限らず、例えばコーナ部に斜めにスリットを入れた形状やコーナ部をカットした形状であってもよい。
【0036】
また、取付け手段9として使用した伸縮性のある紐体10は、上述した実施の形態のように1本のループ形状の紐体10に限らず、清掃シート組3の外周部の一部(例えばコーナ部)に短い複数本(例えば4本)の紐体10を配置する構成とすることも可能である。
また、清掃シート組3の外周の拡張部4自体を伸縮性のある素材によって構成することによって上述した紐体10を省略することも可能である。
【0037】
また、取付け枠13に対して設けた係止片11は、対向する一組の辺に限らず、これと直交する対向する辺を含めた二組の辺に設けることも可能である。また、清掃シート組3の平面形状が円形や長円形状等、曲線を有する形状の場合には、対向する位置の曲線上に係止片11を設けることも可能である。また、係止片11を取り付ける高さ位置は、必ずしも取付け枠13の上端位置に限らず、上端位置より幾分低い中間位置等に設定することも可能である。
また、清掃シート組3の裏面3bに対して設けるガイド表示15は、上述した実施の形態で述べたテープTを貼設する構成の他、清掃シート組3のシート素材に印刷して表示したり、シート素材に凹凸加工を施すことで表示したり、シート素材と色の違う糸を刺しゅうにより縫い付けて表示したり、シール等を貼設することで表示することも可能である。
【0038】
また、床拭きヘッド103から清掃シート組3を取り外す場合に使用する取外し手段17も、上述した実施の形態で述べた半ループ形状の取外し紐18に限らず、矩形状や半円形状等、種々の形状のプラスチックフィルム片等を清掃シート組3に取り付けて、取外し手段17とすることも可能である。
また、取外し手段17を設ける個所は、上述した実施の形態で述べた個所に限らず、清掃シート面5の前方や後方であっても構わないし、左右の側方にそれぞれ設ける等、複数設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のフローリング用清掃具の着脱式清掃シートパック1は、一般家庭、事務所、店舗、病院、介護施設、駅、学校等あらゆるシーンで使用されている使い捨てタイプの清掃シートを使用するフローリング用清掃具の使用分野で利用でき、特に手で清掃シートに触れることなく安心安全に清掃シートの交換作業を行いたい場合に利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0040】
1 (フローリング用清掃具の)着脱式清掃シートパック
3 清掃シート組
3a 表面
3b 裏面
4 拡張部
5 清掃シート面
6 保持面
7 開口部
9 取付け手段
10 紐体
11 係止片
13 取付け枠
13a 前面板
13b 背面板
13c 側面板
13d 底面板
15 ガイド表示
17 取外し手段
18 取外し紐
101 フローリング用清掃具
103 床拭きヘッド
105 継手部
109 摺接パッド
111 支持プレート
113 取付け構造
FL 床面
W 幅
D 奥行き
H 高さ
B 幅
L 長さ
T テープ