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特開2023-23852情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023852
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20230209BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20230209BHJP
【FI】
B65G61/00 530
G06Q10/08
B65G61/00 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129751
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】518064374
【氏名又は名称】株式会社オプティマインド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】安部 真由子
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】松下 健
(72)【発明者】
【氏名】高田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】堂田 丈明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】本開示は、荷物を配送する配送車両として、ドライバーによって運転される車両と自律走行車両とをより好適に使い分けることが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両のいずれかを、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として割り当てることを実行する制御部を備える。制御部は、配送先において、ユーザへの荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することが要求されている場合、制御部は、配送車両として第1車両を選択する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両のいずれかを、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として割り当てることを実行する制御部を備え、
配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することが要求されている場合、前記制御部は、前記配送車両として前記第1車両を選択する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されていない場合、前記制御部は、前記配送車両として前記第2車両を選択する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のイベントが、前記荷物の置き配、または、前記荷物以外の物品の回収である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザに関連する端末から、前記所定のイベントの実施要求を示す情報を受信した場合に、前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されていると判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ユーザに対する過去の配送履歴に関する情報に基づいて、前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されているか否かを判別することをさらに実行する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記配送車両として前記第1車両を選択した場合、前記ユーザに対する前記荷物の配送を含む配送計画を、前記第1車両のドライバーに関連する端末に送信することをさらに実行する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記配送車両として前記第2車両を選択した場合、前記ユーザに対する前記荷物の配送を含む配送計画を、前記第2車両に送信することをさらに実行する、
請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記配送車両として前記第1車両を選択した場合、前記ユーザに対して、ドライバーによって運転される車両によって前記荷物を配送することを通知することをさらに実行する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記配送車両として前記第2車両を選択した場合、前記ユーザに対して、自律走行車両によって前記荷物を配送することを通知することをさらに実行する、
請求項2から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両のいずれかを、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として割り当てることを含み、
配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施する
ことが要求されている場合、前記配送車両として前記第1車両を選択する、
情報処理方法。
【請求項11】
前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されていない場合、前記配送車両として前記第2車両を選択する、
請求項10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記所定のイベントが、前記荷物の置き配、または、前記荷物以外の物品の回収である、
請求項10または11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザに関連する端末から、前記所定のイベントの実施要求を示す情報を受信した場合に、前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されていると判定する、
請求項10から12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記ユーザに対する過去の配送履歴に関する情報に基づいて、前記配送先において前記所定のイベントを実施することが要求されているか否かを判別することをさらに含む、
請求項10から12のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記配送車両として前記第1車両を選択した場合、前記ユーザに対する前記荷物の配送を含む配送計画を、前記第1車両のドライバーに関連する端末に送信することをさらに含む、
請求項10から14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記配送車両として前記第2車両を選択した場合、前記ユーザに対する前記荷物の配送を含む配送計画を、前記第2車両に送信することをさらに含む、
請求項11から15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記配送車両として前記第1車両を選択した場合、前記ユーザに対して、ドライバーによって運転される車両によって前記荷物を配送することを通知することをさらに含む、
請求項10から16のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記配送車両として前記第2車両を選択した場合、前記ユーザに対して、自律走行車両によって前記荷物を配送することを通知することをさらに含む、
請求項11から17のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項19】
荷物を受け取るユーザに関連する端末に第1の情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記第1の情報処理方法は、前記端末から所定のサーバに対してユーザ情報を送信することを含み、
所定のサーバは、前記ユーザ情報に基づいて、ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両を、前記ユーザに対して前記荷物を配送する配送車両として割り当てることを実行する装置であり、
前記ユーザ情報は、配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することを前記ユーザが要求しているか否かを示す情報を含む、
プログラム。
【請求項20】
前記所定のイベントが、前記荷物の置き配、または、前記荷物以外の物品の回収である、
請求項19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両による荷物の配送を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体を用いて品物を配達する配達システムが開示されている。特許文献1に開示されている配達システムにおいては、品物の配達先として第1移動体が指定される。さらに、第1移動体の識別情報または移動計画情報が第2移動体に提供される。そして、第2移動体が、第1移動体を目標として自律移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/229871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、荷物を配送する配送車両として、ドライバーによって運転される車両と自律走行車両とをより好適に使い分けることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両のいずれかを、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として割り当てることを実行する制御部を備え、
配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することが要求されている場合、前記制御部は、前記配送車両として前記第1車両を選択する。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両のいずれかを、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として割り当てることを含み、
配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することが要求されている場合、前記配送車両として前記第1車両を選択する。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
荷物を受け取るユーザに関連する端末に第1の情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記第1の情報処理方法は、前記端末から所定のサーバに対してユーザ情報を送信することを含み、
所定のサーバは、前記ユーザ情報に基づいて、ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両を、前記ユーザに対して前記荷物を配送する配送車両として割り当てることを実行する装置であり、
前記ユーザ情報は、配送先において、前記ユーザへの前記荷物の受け渡し以外の所定のイベントを実施することを前記ユーザが要求しているか否かを示す情報を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、荷物を配送する配送車両として、ドライバーによって運転される車両
と自律走行車両とをより好適に使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、配送管理システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、ユーザ端末および管理サーバそれぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3図3は、ユーザ端末における入出力部のタッチパネルディスプレイに表示される操作画面の一例を示す図である。
図4図4は、ユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5図5は、ユーザ端末の制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
図6図6は、管理サーバの制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態の変形例に係る管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図8図8は、実施形態の変形例に係る管理サーバの制御部によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第一の態様に係る情報処理装置は、ユーザに対して荷物を配送する配送車両の割り当てを実行する制御部を備える。ここで、配送車両として割り当てられる車両は、ドライバーによって運転される車両である第1車両または自律走行車両である第2車両である。
【0011】
第1車両または第2車両のどちらを配送車両としたとしても、ユーザに荷物を受け渡すことができる。しかしながら、配送先に荷物を配送した際に、ユーザへの荷物の受け渡し以外に、所定のイベントを実施することが要求される場合がある。所定のイベントとは、例えば、荷物の置き配、または、荷物以外の物品の回収である。このとき、自律走行車両である第2車両によって荷物を配送した場合、第2車両にはドライバーが乗車していないため、配送先において所定のイベントを実施することが困難となる場合がある。
【0012】
そこで、配送先において所定のイベントを実施することが要求されている場合、制御部は、配送車両として第1車両を選択する。これにより、ユーザに対して荷物を配送する配送車両として、第2車両ではなく、第1車両が割り当てられる。第1車両にはドライバーが乗車している。そのため、第1車両によって荷物を配送することで、配送先において、第1車両のドライバーによって所定のイベントを実施することが可能となる。
【0013】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0014】
<実施形態>
(システムの概略)
図1は、本実施形態に係る配送管理システムの概略構成を示す図である。配送管理システム1は、ユーザが購入した商品を車両によって配送するためのシステムである。ここで、ユーザが購入した商品を荷物として配送するために用いられる配送車両としては、第1車両V1および第2車両V2の二種類の車両が存在する。第1車両V1は、ドライバーによって運転される車両である。第2車両V2は自律走行車両である。第2車両V2は、管理サーバ200から送信される配送計画に基づいて自律走行を行うことができる。したがって、第2車両V2によって荷物が配送されるときに、第2車両V2に人は乗車しない。
つまり、第2車両V2は無人の状態で走行する。
【0015】
図1に示すように、配送管理システム1は、ユーザ端末100、管理サーバ200、ドライバー端末300、および第2車両V2を含んで構成される。配送管理システム1においては、ユーザ端末100、管理サーバ200、ドライバー端末300、および第2車両V2がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1としては、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0016】
管理サーバ200は、配送車両となる第1車両V1および第2車両V2を管理するためのサーバである。管理サーバ200を構成するコンピュータは、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、および通信インターフェース(通信I/F)204を有する。
【0017】
ここで、プロセッサ201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはD
SP(Digital Signal Processor)である。主記憶部202は、例えば、RAM(Random
Access Memory)である。補助記憶部203は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部203
は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。通信I/F204は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0018】
補助記憶部203には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ201が、補助記憶部203に記憶されたプログラムを主記憶部202にロードして実行することによって、後述するような、ユーザに対して荷物を配送するための様々な制御が実現される。ただし、管理サーバ200における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ200は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、本実施形態においては、管理サーバ200が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0019】
ユーザ端末100はユーザに関連する端末である。ユーザ端末100としては、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、またはウェアラブル端末を例示することができる。ユーザは、ユーザ端末100を用いて、Webサイト等にアクセスし、商品を購入することができる。そして、ユーザ端末100は、ユーザが購入した商品に関する情報を含むユーザ情報を、ネットワークN1を介して管理サーバ200に送信する。ユーザ端末100から管理サーバ200にユーザ情報が送信されることで、ユーザは、購入した商品の配送を依頼することができる。なお、管理サーバ200は、複数のユーザのユーザ端末からユーザ情報を受信する。つまり、管理サーバ200は、複数のユーザから商品の配送を受け付けることができる。
【0020】
管理サーバ200は、ユーザ端末100から受信したユーザ情報に基づいて商品の配送計画を生成する。このとき、管理サーバ200は、ユーザに対して商品を配送する配送車両として第1車両V1または第2車両V2のどちらを割り当てるのかを決定する。なお、管理サーバ200における配送計画の生成方法の詳細については後述する。
【0021】
管理サーバ200は、配送車両として第1車両V1を選択した場合、第1車両V1を用
いた配送計画を生成する。さらに、管理サーバ200は、生成した配送計画をドライバー端末300に送信する。ドライバー端末300は、第1車両V1のドライバーに関連する端末である。なお、ドライバー端末300は、ドライバーによって所持される端末でもよく、また、第1車両V1に設置された端末であってもよい。管理サーバ200からドライバー端末300に配送計画が送信されることで、ドライバーが第1車両V1を配送計画に基づいて運転して商品を配送することが可能となる。
【0022】
また、管理サーバ200は、配送車両として第2車両V2を選択した場合、第2車両V2を用いた配送計画を生成する。さらに、管理サーバ200は、生成した配送計画を第2車両V2に送信する。管理サーバ200から第2車両V2に配送計画が送信されることで、第2車両V2が配送計画に基づいて自律走行して商品を配送することが可能となる。
【0023】
(機能構成)
次に、配送管理システム1を構成するユーザ端末100および管理サーバ200それぞれの機能構成について図2に基づいて説明する。図2は、ユーザ端末100および管理サーバ200それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0024】
(ユーザ端末)
ユーザ端末100は、機能部として、通信部110、制御部120、および入出力部130を有している。通信部110は、ユーザ端末100をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部110は、ユーザ端末100が備える通信インターフェースによって実現することができる。通信部110は、例えば、3G(3rd Generation)、またはLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信サービスを利用して、ネットワークN1経由で管理サーバ200を含む他の装置と通信を行うことができる。
【0025】
制御部120は、ユーザ端末100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部120は、ユーザ端末100が備えるプロセッサによって実現することができる。
【0026】
入出力部130は、ユーザによって行われる入力操作を受け付ける機能、および、ユーザに提示する情報を出力する機能を有する。例えば、入出力部130はタッチパネルディスプレイを含んで構成される。ユーザは、ユーザが購入する商品に関する情報を、入出力部130を介してユーザ端末100に入力することができる。また、ユーザは、ユーザが希望する商品の配送先および配送日時に関する情報を、入出力部130を介してユーザ端末100に入力することができる。さらに、ユーザは、商品の受け渡し以外の依頼事項を、入出力部130を介してユーザ端末100に入力することができる。
【0027】
図3は、ユーザ端末100における入出力部130のタッチパネルディスプレイ130aに表示される操作画面の一例を示す図である。ユーザは、図3に示す操作画面上において依頼事項を入力することができる。依頼事項は、商品が配送された際に配送先において実施されることをユーザが要求する事項である。図3に示すように、依頼事項としては、「置き配」、「梱包材回収」、および「リサイクル品回収」を例示することができる。置き配は、配送先において、商品を、ユーザに対面では手渡さずに、指定された場所に置いておくことである。梱包材回収は、配送した商品の梱包材を回収することである。リサイクル品回収は、ユーザが所持するリサイクル可能な物品を回収することである。ユーザは、図3に示す操作画面上において、ユーザが要求する依頼事項を選択する。なお、依頼事項の内容は、図3に示される事項に限られるものではない。また、各依頼事項が、本開示に係る「所定のイベント」に相当する。
【0028】
そして、制御部120は、入出力部130を介して入力された情報に基づいてユーザ情
報を生成する。図4は、ユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、商品フィールド、配送先フィールド、配送日時フィールド、および依頼事項フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。商品フィールドには、ユーザが購入した商品に関する情報が入力される。配送先フィールドおよび配送日時フィールドには、それぞれ、ユーザが希望する商品の配送先および配送日時に関する情報が入力される。依頼事項フィールドには、図3に示す操作画面上においてユーザが選択した依頼事項が入力される。なお、ユーザが配送先において商品の受け渡し以外の事項が実施されることを希望していない場合は、図3に示す操作画面上において依頼事項はユーザによって入力されない。この場合、ユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項は入力されない。そして、制御部120は、生成したユーザ情報を、通信部110を用いて管理サーバ200に送信する処理を行う。
【0029】
(管理サーバ)
管理サーバ200は、機能部として、通信部210、制御部220、およびユーザ情報データベース(ユーザDB)230を有している。通信部210は、管理サーバ200をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部210は通信I/F204によって実現することができる。制御部220は、管理サーバ200を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部220は、プロセッサ201によって実現することができる。制御部220は、ユーザ端末100から送信されたユーザ情報を、通信部210を用いて受信する処理を行う。さらに、制御部220は、ユーザ端末100から受信したユーザ情報を、ユーザ情報DB230に記憶する処理を行う。ユーザ情報DB230には、各ユーザ端末から受信したユーザ情報が記憶される。
【0030】
また、制御部220は、選択部221および生成部222を含んでいる。制御部220は、配送計画を生成する際に、ユーザ情報DB230に記憶された一のユーザのユーザ情報を取得する。そして、選択部221が、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として、第1車両V1または第2車両V2のいずれかを、取得したユーザ情報に基づいて選択する。詳細には、選択部221は、ユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されているか否かに基づいて配送車両を選択する。
【0031】
ここで、上述したように、自律走行車両である第2車両V2によって商品が配送されるときには、第2車両V2に人は乗車しない。そのため、第2車両V2では、配送先において、ユーザへの商品の受け渡し以外のことを実施することは困難である。したがって、一のユーザが、商品が配送された際に、配送先において、上記のような、商品の受け渡し以外の依頼事項を実施することを要求している場合に、第2車両V2によって一のユーザに対して商品を配送してしまうと、依頼事項を実施することが困難となる。
【0032】
そこで、選択部221は、一のユーザのユーザ情報の依頼事項フィールドに何らかの依頼事項が入力されていた場合、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第1車両V1を選択する。上述したように、第1車両V1にはドライバーが乗車する。そのため、第1車両V1によって一のユーザに対して商品を配送することで、配送先において、第1車両V1のドライバーによって依頼事項を実施することが可能となる。また、選択部221は、一のユーザのユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されていない場合、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第2車両V2を選択する。
【0033】
そして、生成部222は、一のユーザに対する商品の配送が含まれる配送計画を生成する。このとき、配送計画は、選択部221によって選択された車両を配送車両として生成される。また、制御部220は、生成部222によって生成された配送計画を、通信部210を用いて、ドライバー端末300または第2車両V2に送信する処理を行う。
【0034】
(ユーザ端末における情報処理のフロー)
以下、配送管理システム1を構成するユーザ端末100において実行される情報処理のフローについて、図5に基づいて説明する。図5は、ユーザ端末100の制御部120によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
【0035】
本フローでは、先ずS101において、ユーザがユーザ端末100を用いて商品を購入する際に、ユーザによって入出力部130に入力された情報(入力情報)が取得される。上述したように、入力情報には、ユーザが購入する商品に関する情報、および、ユーザが希望する商品の配送先および配送日時に関する情報が含まれる。また、ユーザが、何らかの依頼事項を選択していれば、入力情報には依頼事項も含まれる。
【0036】
次に、S102において、S101で取得された入力情報に基づいて、図4において例示したようなユーザ情報が生成される。このときに生成されるユーザ情報に、依頼事項の有無を示す情報、すなわち、配送先において、ユーザへの荷物の受け渡し以外の依頼事項を実施することをユーザが要求しているか否かを示す情報が含まれる。次に、S103において、S102で生成されたユーザ情報が管理サーバ200に送信される。
【0037】
(管理サーバにおける情報処理のフロー)
次に、配送管理システム1を構成する管理サーバ200において実行される情報処理のフローについて、図6に基づいて説明する。図6は、管理サーバ200の制御部220によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。
【0038】
本フローでは、先ずS201において、ユーザ情報DB230に記憶された一のユーザのユーザ情報が取得される。次に、S202において、一のユーザに対して商品を配送する配送車両が選択される。このとき、S201で取得されたユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されていた場合、制御部220は、配送先において依頼事項を実施することが要求されていると判定する。そして、制御部220は、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第1車両V1を選択する。一方で、S201で取得されたユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されていなかった場合、制御部220は、配送先において依頼事項を実施することが要求されていないと判定する。そして、制御部220は、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第2車両V2を選択する。
【0039】
次に、S203において、一のユーザに対する商品の配送が含まれる配送計画が生成される。このとき、S202で配送車両として第1車両V1が選択されていれば、第1車両V1による配送計画が生成される。また、S202で配送車両として第2車両V2が選択されていれば、第2車両V2による配送計画が生成される。
【0040】
次に、S204において、S203で生成された配送計画がドライバー端末300または第2車両V2に送信される。このとき、第1車両V1による配送計画はドライバー端末300に送信される。一方で、第2車両V2による配送計画は第2車両V2に送信される。
【0041】
なお、配送計画には、複数のユーザに対する商品の配送が含まれていてもよい。この場合、ユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されているユーザが複数存在していれば、これらのユーザに対しては配送車両として第1車両V1が割り当てられる。また、ユーザ情報の依頼事項フィールドに依頼事項が入力されていないユーザが複数存在していれば、これらのユーザに対しては配送車両として第2車両V2が割り当てられる。
【0042】
本実施形態に係る配送管理システム1によれば、配送先において依頼事項を実施することを要求しているユーザに対しては、配送車両として第1車両V1が割り当てられる。つまり、配送先において、ユーザへの商品の受け渡し以外の依頼事項を人(ドライバー)が実施する必要がある場合は、第1車両V1によって商品が配送される。一方で、配送先において依頼事項を実施することを要求していないユーザに対しては、配送車両として第2車両V1が割り当てられる。つまり、配送先において、ユーザへの商品の受け渡しのみを実施すればよい場合は、第2車両V2によって商品が配送される。したがって、配送車両として、ドライバーによって運転される第1車両V1と、自律走行車両である第2車両V2と、をより好適に使い分けることができる。
【0043】
なお、配送管理システム1において、管理サーバ200は、配送計画を生成したときに、配送先となるユーザのユーザ端末100に対して通知情報を送信してもよい。このとき、管理サーバ200は、配送車両として第1車両V1を選択した場合、ドライバーによって運転される車両によって商品を配送することを通知情報によってユーザに通知する。また、管理サーバ200は、配送車両として第2車両V2を選択した場合、自律走行車両によって商品を配送することを通知情報によってユーザに通知する。このような通知情報をユーザ端末100に送信することで、ユーザが配送車両の変更を希望する場合に、配送車両の変更を管理サーバ200に対して要求することが可能となる。
【0044】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明する。図7は、本変形例に係る管理サーバ200の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。本変形例においても、管理サーバ200は、ユーザ端末100からユーザ情報を受信する。ただし、本変形例では、ユーザ情報に、上記の実施形態に係る依頼事項の有無に関する情報が含まれていない。つまり、本変形例係るユーザ情報は、図4に示したユーザ情報が有する依頼事項フィールドを有していない。
【0045】
ただし、本変形例においては、図7に示すように、管理サーバ200が、ユーザ情報DB230に加えて、履歴情報データベース(履歴情報DB)240を有している。履歴情報DB240には、ユーザに対する過去の配送履歴に関する情報が記憶されている。履歴情報DB240に記憶されている配送履歴に関する情報には、ユーザに対して過去に配送した商品に関する情報、および、その商品の配送先および配送日時に関する情報が含まれる。また、履歴情報DB240に記憶されている配送履歴に関する情報には、ユーザに対して過去に商品を配送した際に、配送先において、上記の実施形態に係る依頼事項に相当する所定のイベントを実施したか否かを示す情報も含まれている。
【0046】
そこで、本変形例では、制御部220が、履歴情報DB240に記憶された配送履歴に関する情報に基づいて、ユーザに対して商品を配送する配送車両として、第1車両V1または第2車両V2のいずれかを選択する。
【0047】
ここで、本変形例に係る管理サーバ200において実行される情報処理のフローについて、図8に基づいて説明する。図8は、本変形例に係る管理サーバ200の制御部220によって実行される情報処理のフローを示すフローチャートである。なお、本フローのS201、S203、およびS204の各ステップにおいて実行される処理は、図6に示すフローにおける同一の参照番号を付したステップにおいて実行される処理と同一である。そのため、これらのステップについて説明は省略する。
【0048】
本フローでは、S201の処理の次にS301の処理が実行される。S301においては、履歴情報DB240に記憶された、一のユーザについての配送履歴に関する情報が取得される。次に、S302において、S301で取得された配送履歴に関する情報に基づ
いて、一のユーザに対して商品を配送する配送車両が選択される。
【0049】
このとき、制御部220は、配送履歴に関する情報に基づいて、今回の商品を一のユーザに対して配送した際に、配送先において所定のイベントを実施することが要求されているか否かを判別する。例えば、一のユーザに対して過去に商品を配送した際に置き配を実施した実績があれば、今回の商品の配送時においても一のユーザが置き配を希望する可能性が高い。また、一のユーザに対して過去に商品を配送した際に、梱包材の回収、または、リサイクル可能な物品の回収を実施した実績があれば、今回の商品の配送時においても一のユーザが同様の物品の回収を希望する可能性が高い。
【0050】
そこで、一のユーザについての配送履歴に関する情報において、過去に配送先において所定のイベントを実施したことを示す情報が含まれていれば、制御部220は、今回の商品の配送時においても配送先において所定のイベントを実施することが一のユーザから要求されていると判定する。そして、制御部220は、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第1車両V1を選択する。一方で、一のユーザについての配送履歴に関する情報において、過去に配送先において所定のイベントを実施したことを示す情報が含まれていなければ、制御部220は、今回の商品の配送時においても配送先において所定のイベントを実施することは一のユーザから要求されていないと判定する。そして、制御部220は、一のユーザに対して商品を配送する配送車両として第2車両V2を選択する。S302の処理の次には、S203の処理が実行される。
【0051】
本変形例によれば、配送先において所定のイベントを実施することを要求している可能性が高いユーザに対しては、配送車両として第1車両V1が割り当てられる。一方で、配送先において所定のイベントを実施することを要求していない可能性が高いユーザに対しては、配送車両として第2車両V1が割り当てられる。したがって、ユーザ端末100から送信されるユーザ情報に依頼事項の有無に関する情報が含まれていない場合であっても、配送車両として第1車両V1と第2車両V2とをより好適に使い分けることができる。
【0052】
なお、上記の実施形態および変形例においては、配送車両によって配送される荷物を、ユーザが購入した商品とした。しかしながら、本開示において配送車両によって配送される荷物は、ユーザが購入した商品に限られるものではない。
【0053】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0054】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0055】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メ
モリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0056】
1・・・配送管理システム
100・・ユーザ端末
110、210・・通信部
120、220・・制御部
130・・入出力部
200・・管理サーバ
230・・ユーザ情報データベース
240・・履歴情報データベース
V1・・第1車両
V2・・第2車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8