(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023920
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】物品選別装置
(51)【国際特許分類】
B07C 5/36 20060101AFI20230209BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20230209BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
B07C5/36
B65G47/52 B
B65G47/46 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129890
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】508134337
【氏名又は名称】シブヤ精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 剛政
(72)【発明者】
【氏名】田原 直行
(72)【発明者】
【氏名】藤木 良太
【テーマコード(参考)】
3F015
3F044
3F079
【Fターム(参考)】
3F015AA07
3F015FA01
3F015GA01
3F044AA14
3F044AB04
3F044CC05
3F044CD01
3F044CD13
3F079AC01
3F079AC06
3F079CA21
3F079CA34
3F079CB29
3F079CC07
3F079DA12
3F079DA18
(57)【要約】
【課題】 物品を回収手段5に回収する際における、物品への衝撃を可及的に緩和することを目的とする。
【解決手段】 野菜1(物品)を支持する物品支持手段12を移動させる搬送手段3と、搬送手段3の所要の排出位置Bより排出される上記野菜1を回収する回収手段5と、上記物品支持手段12を支持状態から排出状態とする作動手段13とを備えた物品選別装置2に関する。
上記排出位置Bで排出状態とされた物品支持手段12から落下する野菜1の排出位置に、円筒形状を有した柔軟な素材からなるクッション部材31を設け、当該クッション部材31と上記回収手段5との間に、柔軟な素材からなる搬送ベルト32aを備えたベルトコンベヤ32を設けた。
排出位置Bで物品支持手段12を排出状態とすると、野菜1はクッション部材31に落下し、さらにベルトコンベヤ32の搬送ベルト32aを経由して、回収手段5へと搬送される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を支持する物品支持手段を移動させて当該物品を搬送する搬送手段と、搬送手段の所要の排出位置で排出された物品を回収する回収手段と、上記物品支持手段を上記排出位置で支持状態から排出状態とする作動手段とを備えた物品選別装置において、
上記搬送手段の排出位置に、円筒形状を有するとともに回転軸周りに回転可能に設けられた柔軟な素材からなるクッション部材と、当該クッション部材と上記回収手段との間に設けられた搬送ベルトを備えたベルトコンベヤとを設け、
上記排出位置で物品支持手段が排出状態とされると、物品は上記クッション部材に落下してから、上記ベルトコンベヤの搬送ベルトを経由して、上記回収手段へと搬送されることを特徴とする物品選別装置。
【請求項2】
上記クッション部材に、当該クッション部材の回転軸の軸方向に沿って複数のスリットを設け、
上記ベルトコンベヤを複数の搬送ベルトで構成し、当該各搬送ベルトを上記クッション部材の上記スリットの位置に配置するとともに、当該各搬送ベルトを上記クッション部材の回転軸に巻回したことを特徴とする請求項1に記載の物品選別装置。
【請求項3】
上記クッション部材を上記搬送手段の搬送経路の下方に設けるとともに、当該クッション部材の上記回転軸を搬送手段の搬送方向に直交する方向に設け、
上記物品支持手段は、搬送手段の搬送方向に直交して設けた揺動軸と、当該揺動軸に固定されるとともに、上記クッション部材のスリットの間隔に合わせて設けた複数の櫛歯状部材とを備え、
上記作動手段が上記物品支持手段を支持状態から排出状態とすると、上記櫛歯状部材が揺動軸を中心に揺動して上記物品を上記クッション部材に向けて落下させ、その際櫛歯状部材が上記クッション部材のスリットを通過することを特徴とする請求項2に記載の物品選別装置。
【請求項4】
上記クッション部材は、複数の毛が植毛されたブラシによって構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の物品選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品選別装置に関し、詳しくは物品を支持する物品支持手段を移動させて当該物品を搬送する搬送手段と、搬送手段の所要の排出位置で排出された物品を回収する回収手段とを備えた物品選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜や果物を大きさや糖度などに応じて複数の等階級を付してから出荷することが行われており、このような野菜や果物を選別する物品選別装置には、野菜を支持する物品支持手段を移動させて当該野菜を搬送する搬送手段と、搬送手段の所要の排出位置で排出された野菜を回収する回収手段と、上記物品支持手段を上記排出位置で支持状態から排出状態とする作動手段とを備えた物品選別装置が設けられている(特許文献1~3)。
このような物品選別装置では、上記物品支持手段を排出状態とすると、野菜が直接回収手段に落下してしまい、落下の衝撃によって野菜が傷んでしまい、商品価値が低下する恐れがあった。
このような問題に対し、例えば上記排出位置に緩衝用ベルトコンベヤを設けて、物品支持手段から落下する物品への衝撃を緩和しようとしたものが知られている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3-49848号公報
【特許文献2】特許第3660810号公報
【特許文献3】特許第4875426号公報
【特許文献4】実開昭53-156840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献4の構成であっても、上記物品支持手段から緩衝用ベルトコンベヤに落下させる際の物品への衝撃を完全には吸収できず、さらなる改良が望まれていた。
このような問題に鑑み、本発明は物品を回収手段に回収する際における、物品への衝撃を可及的に緩和することが可能な物品選別装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる物品選別装置は、物品を支持する物品支持手段を移動させて当該物品を搬送する搬送手段と、搬送手段の所要の排出位置で排出された物品を回収する回収手段と、上記物品支持手段を上記排出位置で支持状態から排出状態とする作動手段とを備えた物品選別装置において、
上記搬送手段の排出位置に、円筒形状を有するとともに回転軸周りに回転可能に設けられた柔軟な素材からなるクッション部材と、当該クッション部材と上記回収手段との間に設けられた搬送ベルトを備えたベルトコンベヤとを設け、
上記排出位置で物品支持手段が排出状態とされると、物品は上記クッション部材に落下してから、上記ベルトコンベヤの搬送ベルトを経由して、上記回収手段へと搬送されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、物品の排出位置に柔軟な素材からなるクッション部材を設けたため、物品支持手段から落下した物品への衝撃を上記クッション部材で吸収してから、さらに柔軟な素材からなる搬送ベルトを有するベルトコンベヤの搬送ベルトへと落下させるため、物品への衝撃を可及的に緩和することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】物品支持手段および作動手段を説明する側面図
【
図5】物品支持手段および復帰手段を説明する側面図
【
図6】クッション部材およびベルトコンベヤを説明する平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施例について説明すると、
図1、
図2は物品としての野菜1を等階級に応じて選別する物品選別装置としての物品選別装置2となっており、
図1は物品選別装置2の平面図を、
図2は側面図をそれぞれ示している。
本実施例の物品選別装置2で選別する野菜1としては、ニンジンや大根などの細長い野菜1が好適であるが、そのほかの野菜1や果物などの農産物の他、魚などの海産物も選別可能である。
上記物品選別装置2は、上記野菜1を搬送する搬送手段3と、野菜1を検査して等階級を決定する品質検査手段4と、等階級に応じて搬送手段3より排出された野菜1を回収する複数の回収手段5と、これらを制御する制御手段6とを備えている。
なお、
図1以下の各図では、回収手段5は搬送手段3の上流側に位置する1つのみを図示しており、残りの回収手段3の図示は省略している。
本実施例の物品選別装置2では、上記搬送手段3の上流側に設定した供給位置Aで作業者が野菜1を供給すると、上記品質検査手段4が野菜1の大きさや糖度などの品質検査を行い、検査結果に応じて等階級を付すようになっている。
そして、搬送手段3における上記品質検査手段4の下流側には、複数の回収手段5が設けられており、上記搬送手段3は野菜1の等階級に対応する回収手段5の位置(排出位置B)で野菜1を排出し、各回収手段5に各等階級の野菜1が回収されるようになっている。
なお、上記品質検査手段4については従来公知であるから、これ以上の詳細な説明については省略する。
【0009】
上記搬送手段3は、平行に設けられたチェーン11と、上記チェーン11によって移動する物品支持手段12と、上記物品支持手段12を上記排出位置Bで作動させて、野菜1を回収手段5に排出させる作動手段13と、作動した物品支持手段12を復帰させる復帰手段14とを備えている。
上記チェーン11は平行に設けられるとともに、
図2に示すように複数のスプロケット15によって循環経路が形成されている。上記スプロケット15のうち、所要のスプロケット15は駆動モータによって駆動される駆動スプロケット15aとなっており、当該駆動スプロケット15aには図示しないエンコーダが設けられている。
【0010】
上記物品支持手段12はチェーン11に等間隔に設けられており、
図2におけるチェーン11による図示上方側の移動経路は、野菜1が搬送される搬送面を構成し、当該搬送面によって搬送手段3による野菜1の搬送経路を形成している。これに対し、図示下方側の移動経路は搬送面に循環して復帰するための復帰面を構成している。
制御手段6は上記エンコーダによって物品支持手段12の位置を記憶しており、また当該物品支持手段12に支持された野菜1のそれぞれについて、上記品質検査手段4が付した等階級を記憶するようになっている。
そして上記物品支持手段12が所要の回収手段5の設けられた排出位置Bに到達し、野菜1の等階級が当該回収手段5に対応する等階級と一致した場合には、制御手段6は上記作動手段13を作動させ、物品支持手段12から回収手段5へと野菜1を排出させるようになっている。
【0011】
図3~
図5は上記物品支持手段12を説明する図となっており、
図3、
図4ではそれぞれ搬送方向に隣接する2つの物品支持手段12を示したものとなっている。
図4において、図示左方側の物品支持手段12は野菜1を支持する支持状態を、図示右方側の物品支持手段12は野菜1を排出する排出状態を示している。
上記平行に設けられたチェーン11とチェーン11との間には等間隔に棒状のステー11aが設けられており、搬送方向に隣接するステー11aとステー11aとの間には、ステー11aの両端部となる位置にそれぞれ板状のブラケット11bが設けられている。
図3に示すように、上記ブラケット11bにおける搬送方向上流側の端部はクランク状に屈曲しており、搬送方向上流側に位置するブラケット11bの端部と、下流側に位置するブラケット11bの端部とが干渉しないようにされている。
【0012】
上記物品支持手段12は、搬送手段3の搬送方向に対して直交する揺動軸16と、当該揺動軸16に固定された複数の櫛歯状部材17と、上記揺動軸16の端部に設けたアーム18と、上記櫛歯状部材17を上記支持状態に維持するための保持手段19とから構成されている。
上記揺動軸16は上記ブラケット11bとブラケット11bとの間に回転可能に設けられており、上記櫛歯状部材17は上記揺動軸16に対して所定の間隔で固定された棒状の部材となっており、当該櫛歯状部材17の先端は搬送方向上流側を向くようになっている。
図4に示すように櫛歯状部材17は中央が下方に突出した略く字型を有しており、物品支持手段12を支持状態として野菜1を載置すると、当該野菜1は自重によって上記く字型の屈曲部に位置するようになっている。
この状態から、物品支持手段12を排出状態とすると、揺動軸16を中心に櫛歯状部材17が揺動し、先端部が下方に移動して櫛歯状部材17が傾斜することで、支持されていた野菜1が搬送方向上流側に向けて転がり落ちるようになっている。
【0013】
図3に示すように、上記アーム18は上記揺動軸16の両端部、すなわち上記櫛歯状部材17を挟んだ位置に固定されており、また各アーム18の先端にはローラ18aが設けられている。
上記物品支持手段12を排出状態とすると、上記アーム18は搬送方向上流側を向くようになっており、物品支持手段12を排出状態とすると、揺動軸16によって上記櫛歯状部材17と一体的に揺動し、ローラ18aが下方に移動するようになっている。
【0014】
上記保持手段19は、一方のブラケット11b(
図3の図示下方側のブラケット11b)に設けられた取付部材20と、当該取付部材20に対して回転可能に設けられた回転軸21と、当該回転軸21の上端部に設けられた作動プレート22と、回転軸21の下端部に設けられた支持プレート23と、上記作動プレート22および支持プレート23を支持状態に維持する付勢手段(図示せず)とから構成されている。
上記回転軸21は
図4における図示上下方向に設けられ、上記作動プレート22および支持プレート23は細長い板状の部材となっており、上記回転軸21の上端および下端のそれぞれに略水平に向けて設けられている。
上記作動プレート22と支持プレート23とは上記回転軸21に対して同じ方向を向くように固定され、上記作動プレート22および支持プレート23は上記付勢手段によって搬送方向に直交する方向(
図3の図示上下方向)を向くように付勢されている。
上記物品支持手段12が支持状態のとき、上記支持プレート23は上記櫛歯状部材17に隣接する上記アーム18を下方から支持し、アーム18および上記櫛歯状部材17が排出状態とならないように保持する。
そして物品支持手段12を支持状態から排出状態とするには、上記作動プレート22の端部を押圧して上記回転軸21を中心に回転させ、上記支持プレート23を一体的に回転させる。
すると、支持プレート23がアーム18の下方から離脱するため、アーム18および上記櫛歯状部材17が自重によって下方に揺動し、物品支持手段12が排出状態となる。
【0015】
図3、
図4に示すように、上記作動手段13は上記物品支持手段12の搬送経路に沿って設けられており、上記回収手段5に野菜1を排出する上記排出位置Bのそれぞれに設けられている。
上記作動手段13は、物品支持手段12の上方に設けられたソレノイドによって構成され、上記物品支持手段12の上記保持手段19が通過する位置で解除ピン13aを昇降させるようになっている。
上記解除ピン13aを上昇位置に退避させておくと、上記物品支持手段12が通過しても上記保持手段19の作動プレート22が解除ピン13aに接触することはないため、物品支持手段12は支持状態を維持するようになっている。
これに対し、上記解除ピン13aを下降位置に突出させておくと、上記物品支持手段12が通過する際に上記保持手段19の作動プレート22が解除ピン13aに接触して回転し、支持プレート23が上記アーム18の下方より離脱して、上記排出状態とすることができる。
【0016】
ここで、上記チェーン11によって搬送面の高さを搬送方向下流端まで移動した物品支持手段12は、スプロケット15に沿って移動し、下方の復帰高さに移動した後、搬送方向上流側に向けて移動することとなる。
物品支持手段12は復帰高さに移動すると反転し、上記アーム18は上記櫛歯状部材17の先端部とともに先ほどとは逆方向に揺動しようとし、支持状態に復帰しようとする。
しかしながら、上記保持手段19の支持プレート23は付勢手段の付勢力によって
図3における図示上下方向を向いているため、上記アーム18は支持プレート23の上方(裏面側)から当接してしまい、櫛歯状部材17およびアーム18が上記支持状態に復帰できないようになっている。
そこで
図5に示すように、ソレノイドによって構成される上記復帰手段14と、当該ソレノイドによって昇降される復帰ピン14aを上記チェーン11における物品支持手段12の復帰側に設け、より具体的には上記保持手段19の通過する位置に復帰ピン14aを設ける。
これにより、上記物品支持手段12が通過する際に上記復帰手段14(復帰ピン14a)が上記作動プレート22を回転させ、支持プレート23をアーム18の下方から離脱させる。
すると、アーム18は櫛歯状部材17とともに揺動して先端部が下方に落下し、上記アーム18の先端に設けたローラ18aが上記ブラケット11bに衝突することで、物品支持手段12が支持状態に復帰することとなる。
【0017】
上記回収手段5は上記野菜1に付与される等階級と同数設けられており、上記搬送手段3には、当該回収手段5と同じ数の排出位置Bが設定されている。
上記回収手段5は曲線状の搬送路を有したベルトコンベヤからなる曲線部5Aと、直線状の搬送路を有したベルトコンベヤからなる直線部5Bと、作業者が野菜1を箱詰めするための作業台24とを備えている。
上記曲線部5Aは、上記搬送手段3における物品支持手段12の搬送面と復帰面との間に位置し、上流側の始端部は搬送手段3の搬送方向と同じ方向に設けられている。
そして、曲線部5Aは搬送方向を搬送手段3の搬送方向に直交する方向へと屈曲させ、これにより野菜1の搬送方向を90°変更させて上記直線部5Bに受け渡すようになっている。
このように、上記曲線部5Aと直線部5Bとによって、後述する搬送ベルト32aによって搬送された野菜1を搬送手段3の側方に排出するとともに、上記作業台24の付近まで移送するようになっている。
【0018】
上述したように、搬送手段3は排出位置Bで上記物品支持手段12を支持状態から排出状態とすることにより、物品支持手段12が支持した野菜1を回収手段5へと排出するようになっている。
上記物品支持手段12を排出状態とすると、野菜1は傾斜した櫛歯状部材17によって搬送方向上流側に向けて転がり落ちるが、従来はこの野菜1は直接回収手段5に落下していたため、落下の衝撃によって野菜1が傷んでしまうという問題があった。
そこで本実施例の物品選別装置2では、上記野菜1への落下の衝撃を緩和するために、上記搬送手段3の排出位置Bであって、上記排出状態とされた物品支持手段12から落下する野菜1の排出位置に、円筒形状を有するとともに回転可能に設けられた柔軟な素材からなるクッション部材31と、当該クッション部材31と上記回収手段5との間に設けられた柔軟な素材からなる搬送ベルト32aを備えたベルトコンベヤ32とを設けたものとなっている。
上記構成を設けることにより、
図4に示すように排出位置Bで物品支持手段12を排出状態とすると、野菜1は上記クッション部材31に落下してから、上記ベルトコンベヤ32の搬送ベルト32aを経由して上記回収手段5に受け渡されるようになっている。
【0019】
以下具体的に説明すると、上記クッション部材31は第1回転軸31aを中心に回転可能に設けられており、当該第1回転軸31aは搬送方向に直交する向きに設けられるとともに、
図2に示すようにクッション部材31の下方に設けた駆動モータ33によって、図示時計回りに回転するようになっている。
上記クッション部材31の長さは上記搬送手段3と略同じ幅に設けられており、その頂部は上記搬送手段3の物品支持手段12が支持状態のまま通過する場合には接触しない程度の高さに設定されている。
上記クッション部材31は全体として衝撃吸収性を有するように構成され、本実施例では上記第1回転軸31aに柔軟な素材である例えばナイロンなどの化学繊維、天然繊維、獣毛などからなる複数の毛を植毛したブラシによって構成することで、衝撃吸収性を確保したものとなっている。
このようにクッション部材31をブラシなどの柔軟な素材によって構成することで、
図4に点線で示したように、排出位置でクッション部材31に落下した野菜1は、ブラシの毛を圧し潰しながらクッション部材31に埋もれるように受け止められるようになっており、その際野菜1に加わる衝撃を十分に吸収することで、外皮の傷つきや内部損傷等を可及的に抑制することが可能となっている。
なお、クッション部材31を構成する柔軟な素材として、上記ブラシ代えてウレタンなどの樹脂を発泡させるなどして衝撃吸収性を高めた素材を円盤形状に形成し、これを第1回転軸31aに沿って複数設けた構成としてもよい。すなわちクッション部材31を柔軟な素材で構成することには、ブラシのように素材の配置で衝撃吸収性を獲得する態様のほか、素材そのものが柔軟であるものを用いて形成することが含まれるものである。
さらに、上記クッション部材31には上記第1回転軸31aに沿って複数のスリット31cを設けており、当該スリット31cの間隔および幅は上記櫛歯状部材17の間隔および幅に合わせて設けられている。
上記クッション部材31の両端部には当該クッション部材31よりも大径に設けられた円盤状のサイドガイド31bが設けられており、上記物品支持手段12から落下した野菜1がクッション部材31の両端から落下しないようにするものとなっている。
なお本実施例のサイドガイド31bは上記第1回転軸31aに固定されており、当該クッション部材31と供回りするように構成されているが、サイドガイド31bを回転しないように設けて、当該サイドガイド31bに対して上記クッション部材31が回転するような構成としても良い。
【0020】
上記ベルトコンベヤ32は、上記クッション部材31に形成された上記スリット31cの位置に設けた複数の搬送ベルト32aを備えており、当該搬送ベルト32aの一端は上記クッション部材31の第1回転軸31aに、他端は上記クッション部材31に隣接して設けた第2回転軸32bに係合させた構成となっている。
上記搬送ベルト32aも上記クッション部材31と同様、柔軟な素材によって構成されており、本実施例では軟質なゴムを使用したものとなっている。
上記第2回転軸32bは上記クッション部材31の回転軸21と同じ高さに設けられており、また搬送ベルト32aの上面の搬送面が水平となるよう、第2回転軸32bには搬送ベルト32aを装着する位置にそれぞれプーリが設けられている。
そして上記クッション部材31の第1回転軸31aは上記駆動モータ33によって駆動されるため、上記ベルトコンベヤ32は上記クッション部材31と同期して作動し、ベルトコンベヤ32に落下した野菜1は
図4において図示右方に向けて搬送されるようになっている。
このようにベルトコンベヤ32の駆動軸をクッション部材31の第1回転軸31aとすることで、当該ベルトコンベヤ32の搬送面の高さをクッション部材31の中心高さにすることが可能となっている。
そして上記回収手段5の第1直線部5Aの上流側の端部の高さは、上記ベルトコンベヤ32の搬送面と同じ高さに設定されており、ベルトコンベヤ32を搬送される野菜は上記回収手段5のローラ5aに受け渡されるようになっている。
【0021】
以下、上記構成を有する物品選別装置2の動作を説明する。最初に、
図1に示すように、搬送手段3の上流側の供給位置Aにおいて、作業者が搬送手段3の物品支持手段12に野菜1を一つずつ供給する。このとき、野菜1が人参などの細長い野菜1である場合、その向きを搬送手段3の搬送方向に対して直交する向きにして載置する。
搬送手段3は物品支持手段12を移動させ、野菜1が上記品質検査手段4を通過すると、その間に品質検査手段4は野菜1の大きさや糖度を検査して、各野菜1に適当な等階級を設定する。
制御手段6は当該野菜1に付された等階級を記憶しており、当該野菜1を支持した物品支持手段12が上記回収手段5が設けられた排出位置Bに差し掛かると、当該排出位置Bの作動手段13を作動させるか否かの制御を行う。
物品支持手段12に支持された野菜1の等階級が、当該排出位置Bの回収手段5に割り当てられた等階級と一致しない場合、制御手段6は作動手段13を作動させず、したがって物品支持手段12は支持状態を維持したまま、当該排出位置Bを通過することとなる。
【0022】
これに対し、物品支持手段12に支持された野菜1の等階級が、当該排出位置Bの回収手段5に割り当てられた等階級と一致する場合、制御手段6は作動手段13を作動させ、物品支持手段12を支持状態から排出状態とする。
図4に示すように、物品支持手段12が排出位置Bの上流側に接近すると、制御手段6は上記作動手段13としてのソレノイドを作動させて解除ピン13aを下方に突出させる。
その結果、通過しようとする物品支持手段12の保持手段19に設けられた作動プレート22が解除ピン13aに衝突しながら回転し、上記アーム18を支持する支持プレート23が一体的に回転する。
これにより支持プレート23が上記アーム18の下方より離脱し、上記アーム18は櫛歯状部材17と一体的に揺動軸16を中心に揺動し、櫛歯状部材17の先端部分が下方に移動した排出状態となる。
【0023】
物品支持手段12が排出状態となって上記櫛歯状部材17が傾斜すると、それまで櫛歯状部材17に支持されていた野菜1は搬送方向上流側に向けて転がり落ちることとなる。
上記搬送手段3の排出位置Bには、移動する物品支持手段12の下方に上記クッション部材31が設けられており、排出状態となった物品支持手段12から搬送方向上流側に転がり落ちた野菜1は上記クッション部材31に衝突することとなる。
ここで本実施例では、物品支持手段12が排出状態となって櫛歯状部材17の先端部が揺動すると、櫛歯状部材17は上記クッション部材31に形成されたスリット31cを通過するため、クッション部材31によって揺動が妨げられないようになっている。
このように櫛歯状部材17の先端部が上記クッション部材31のスリット31cを通過することから、それまで櫛歯状部材17に載置されていた野菜1が搬送方向上流側に向けて転がり落ちても、直ちにクッション部材31に衝突させることができ、衝突による野菜1への衝撃が可及的に緩和されるようになっている。
【0024】
物品支持手段12から上記クッション部材31にむけて転がり落ちた野菜1は、クッション部材31が
図4において時計回りに回転していることから、野菜1は上記ベルトコンベヤ32に向けて落下するようになっている。
上記ベルトコンベヤ32を構成する搬送ベルト32aも柔らかな素材で構成されていることから、クッション部材31からベルトコンベヤ32に落下した野菜1への衝撃が緩和されるようになっている。
さらに本実施例では、上記ベルトコンベヤ32の搬送面の高さがクッション部材31の第1回転軸32aの高さとなっているため、クッション部材31からベルトコンベヤ32に落下するまでの落差を少なくして、落下する野菜1への衝撃を緩和することができる。
そしてベルトコンベヤ32に落下した野菜1は、その後上記回収手段5へと受け渡され、ローラコンベヤの下流側に設けた作業台24において、作業者が野菜1を箱詰めするようになっている。
【0025】
上記実施例によれば、上記搬送手段3の所要の位置に設定された排出位置Bで物品支持手段12が排出状態となり、野菜1が排出されても、排出された野菜1は柔軟な素材からなるクッション部材31によって落下の衝撃が緩和され、その後さらに柔軟な素材からなる搬送ベルト32aを備えたベルトコンベヤ32に落下することで、回収手段5に回収されるまでの衝撃を可及的に少なくすることができるものとなっている。
特に本実施例では、クッション部材31に設けたスリット31cを物品支持手段12の櫛歯状部材17が通過するため、物品支持手段12が排出状態になって櫛歯状部材17が揺動しても、櫛歯状部材17とクッション部材31とが干渉せず、櫛歯状部材17から転げ落ちる野菜1が直ちにクッション部材31に接触するため、落下による衝撃を緩和することができる。
さらに本実施例では、ベルトコンベヤ32の搬送ベルト32aをクッション部材31の第1回転軸31aと、当該第1回転軸31aと同じ高さに設けた第2回転軸32bとの間に設ける構成としたため、クッション部材31の上部に衝突した野菜1がベルトコンベヤ32に落下する際の落差を少なくすることができ、落下による衝撃を緩和することができる。
【0026】
図7~
図9は第2実施例にかかる物品選別装置102を示し、第1実施例の搬送手段3とは異なる構成を有した搬送手段103を備えたものとなっている。以下の説明において、第1実施例と共通する構成についての説明は省略するものとし、第1実施例で使用した符号に対して100を加算した符号を用いるものとする。
第2実施例の搬送手段103は、チェーン111とチェーン111との間に第1実施例の構成とは異なる物品支持手段112を備えており、本実施例では物品としてリンゴ101を搬送するようになっている。
物品支持手段112は、開閉可能に設けられた一対のカップ117によってリンゴ101を支持しており、当該カップ117を排出位置Bに設けた作動手段113によって支持状態から排出状態とすることで、上記カップ117からリンゴ101を落下させるようになっている。
また本実施例の物品選別装置102も、上記排出位置Bの下方にクッション部材31とベルトコンベヤ32とを備えているが、本実施例のクッション部材131およびベルトコンベヤ132は物品支持手段112から落下したリンゴ101を搬送方向に対して直交する方向に排出するように設けられている。
【0027】
上記物品支持手段112は、開閉可能に設けられた一対のカップ117と、当該カップ117を支持状態に保持する保持手段119と、上記保持手段119を操作して上記カップ117を支持状態から排出状態に作動させる作動手段113とを備えている。
上記カップ117は、支持状態とした際に中央部に凹部が形成されるような形状を有しており、各カップ117の基部はそれぞれチェーン111に連結された取付プレート111aに揺動可能に接続されている。
上記保持手段119は、上記取付プレート111aと取付プレート111aとの間に設けられた棒状の揺動軸119aと、当該揺動軸119aの中央に設けられた係止爪119bと、上記揺動軸119aの一方の端部に設けられたレバー119cとから構成されている。
図9に示すように上記カップ117が支持状態とされている際、上記係止爪119bが上記カップ117を下方側から支持するようになっており、これによりカップ117の支持状態が維持されるようになっている。
また上記レバー119cは
図8、
図9に示すように揺動軸119aに対して上方に突出しており、このレバー119cを押圧すると揺動軸119aが
図9における時計回りに回転するようになっている。
揺動軸119aが回転すると、上記係止爪119bがカップ117の下方から離脱し、上記カップ117が自重によって開放され、物品支持手段112が排出状態となる。
【0028】
上記作動手段113は、上記排出位置Bに設けたソレノイドによって構成され、ソレノイドは回転軸の先端に設けたノッカー113aを回転させるものとなっている。
上記ノッカー113aは、上記排出位置Bを通過する物品支持手段112に設けられた上記レバー119cが通過する位置に設けられており、物品支持手段112を支持状態に維持する場合には、当該ノッカー113aを退避させておく。
そして上記物品支持手段112を排出位置Bで排出状態とするには、上記作動手段113がノッカー113aを突出させておき、通過しようとする物品支持手段112のレバー119cを当該ノッカー113aに衝突させる。
すると、上記レバー119cが回転して係止爪119bがカップ117より離脱し、カップ117が開放されて排出状態となり、リンゴ101が下方に落下するようになっている。
【0029】
本実施例のクッション部材131は第1回転軸131aが上記搬送手段103の搬送方向と同じ方向に設けられている以外は上記第1実施例のクッション部材31と同様の構成を有している。
クッション部材131の中心は上記物品支持手段112における上記カップ117とカップ117との分割位置に対し、若干偏倚した位置に設定されており、具体的に
図7では、上記分割位置に対して図示左方に偏倚した位置に設けられている。
またクッション部材131には図示しないが所定の間隔でスリットが形成されており、当該スリットの位置にベルトコンベヤ132を構成する搬送ベルト132aが設けられている。
上記ベルトコンベヤ132の搬送ベルト132aはクッション部材131の第1回転軸131aと、当該第1回転軸131aと同じ高さに設けられるとともにクッション部材131に対して図示右方に設けられた第2回転軸132bとの間に設けられている。
そして上記図示しない駆動手段によってクッション部材131が図示時計回りに回転しており、これに伴い、ベルトコンベヤ132の搬送方向は図示左方から右方となる。
【0030】
上記構成を有する第2実施例の物品選別装置102によれば、搬送手段103において上記支持状態とされた物品支持手段112にリンゴ101が支持されると、当該リンゴ101に対して品質検査手段が所要の等階級を付す。
そして所要の等階級のリンゴ101が、対応する等階級の回収手段105の位置に差し掛かると、上記排出位置Bに設けた上記作動手段113が作動し、上記ノッカー113aが突出した状態となる。
上記ノッカー113aが上記物品支持手段112を構成する保持手段119のレバー119cを押圧し、上記揺動軸119aが回転すると係止爪119bがカップ117から離脱し、上記カップ117が下方に向けて開放される。
これにより、物品支持手段112が排出状態になるとともに、上記カップ117に支持されていたリンゴ101が下方に落下し、排出位置Bに設けられた上記クッション部材131に衝突する。
しかしながら、上記クッション部材131は柔軟な素材で構成されていることから、リンゴ101への落下の衝撃が緩和されるようになっている。
またクッション部材131は
図7の図示時計回りに回転しており、また中心が搬送手段103の中心から偏倚した位置に設けられていることから、落下したリンゴ101はクッション部材131に衝突した後、図示右方側に転がるようになっている。
そして、転がったリンゴ101はベルトコンベヤ132に落下するが、上記搬送ベルト132aも柔軟な素材によって構成されているため、リンゴ101への衝撃が緩和されるようになっている。
さらに本実施例においても、ベルトコンベヤ132の搬送面はクッション部材131の第1回転軸131aと同じ高さとなっているため、クッション部材131からベルトコンベヤ132までの落差が少なくなっており、リンゴ101への衝撃が緩和されるようになっている。
【0031】
図10は第3実施例にかかる物品選別装置202を示し、第1、第2実施例の搬送手段3、103とは異なる構成の搬送手段203を備えたものとなっている。以下の説明において、第1、第2実施例と共通する構成についての説明は省略するものとし、第1実施例で使用した符号に対して200を加算した符号を用いるものとする。
第3実施例の搬送手段203は、コンベヤチェーン211に対して側方(本実施例では図示右方側)に略棒状の支持部材217を突出させ、搬送方向に整列した複数の支持部材217によって物品201(例えばミカン)を支持するようにした構成となっており、上記複数の支持部材217によって物品支持手段212を構成するものとなっている。
上記支持部材217は上記コンベヤチェーン211の上部に設けられたステー211aの端部に揺動可能に設けられており、各支持部材217の上面には軟質素材からなる無数の突起が形成され、物品201はこの無数の突起によって支持されるようになっている。
ここで人参のように細長い物品201の場合、一つの人参を例えば5~7個程度の支持部材217によって支持し、たとえばリンゴ101などの果実の場合には3~4個程度の支持部材217によって支持するようになっている。
【0032】
上記支持部材217を揺動可能に保持する揺動軸216は上記支持部材217に対してコンベヤチェーン211側(以下内側)に偏倚した位置に設けられており、これにより上記支持部材217を揺動させると、コンベヤチェーン211の反対側(以下外側)が自重により下方に移動し、これにより支持部材217の略中央に支持された物品201が外側に転がり落ちるようになっている。
上記支持部材217には上記揺動軸216よりも内側に係合ピン217aが設けられており、これに対し上記支持部材217を支持状態に保持する保持手段219は、上記ステー211aに揺動可能に設けられたロックレバーによって構成されている。
上記ロックレバーからなる保持手段219は、先端に係合部219aが形成されており、上記支持部材217の係合ピン217aに係合することにより、上記支持部材217を支持状態に保持するようになっている。
支持状態において、上記ロックレバーの内側の端部は上記ステー211aより上方に離隔しており、この内側の端部を下方に押圧すると、ロックレバーが揺動して上記係合部219aが上記支持部材217の係合ピン217aから離脱するようになっている。
すると、支持部材217は上記揺動軸119aを中心に揺動し、外側の端部が下降して傾斜した排出状態となり、支持されていた物品201が外側に転がり落ちるようになっている。
【0033】
上記作動手段213は、上記排出位置Bに合わせて設けられたソレノイドによって構成され、ソレノイドによって回転するノッカー213aを有している。
上記ノッカー213aは、上記排出位置Bを通過する物品支持手段212の上記保持手段219(ロックレバー)が通過する位置に設けられ、物品支持手段212を支持状態に維持する場合には、当該ノッカー213aを退避させておく。
そしてノッカー213aを突出させると、通過しようとする物品支持手段212の保持手段219(ロックレバー)が当該ノッカー213aに衝突し、ロックレバーが揺動して上記係合部219aが係合ピン217aより離脱して、支持部材217が揺動した排出状態となる。
【0034】
そして本実施例の物品選別装置102は、上記排出位置Bであって上記物品支持手段212から物品201が落下する位置に、上下に2つのクッション部材231A、231Bを備えている。
上方のクッション部材231Aは上記物品支持手段212から物品201が転がり落ちる位置に、下方のクッション部材231Bは上方のクッション部材231Aに衝突した物品201が転がり落ちる位置にそれぞれ設けられている。
上方のクッション部材231Aおよび下方のクッション部材231Bにはそれぞれスリットが形成されており、これらスリットの位置をずらして形成することにより、上方のクッション部材231Aの一部を下方のクッション部材231Bにラップさせて設けたものとなっている。これにより上方のクッション部材231Aと下方のクッション部材231Bとを接近させることが可能である。
【0035】
下方のクッション部材231Bに形成されたスリットの位置には、当該下方のクッション部材231Bの第1回転軸231aと、外側に設けた第2回転軸232bとの間に搬送ベルト232aが装着されており、ベルトコンベヤ232を構成している。
そして第2実施例と同様、クッション部材231の第1回転軸231aおよびベルトコンベヤ232の第2回転軸232bは搬送手段203の搬送方向と同じ方向に設けられており、またクッション部材231は図示時計回りに回転するようになっている。
このような構成により、排出状態となった物品支持手段212から搬送手段203の外側に物品201が排出されると、当該物品201は2つのクッション部材231A、231Bに落下した後、上記ベルトコンベヤ232によって搬送手段203の外側に向けて送り出され、図示しない回収手段5に回収されるようになっている。
【0036】
本実施例によれば、排出状態とされた物品支持手段212から転がり落ちる物品201を、上下に設けた複数のクッション部材231A、231Bによって受け止めることで、物品201への衝撃を緩和し、その後第1、第2実施例と同様にベルトコンベヤ232に落下させることで、物品201への衝撃を可及的に緩和することが可能となっている。
なお、第1、第2実施例においても、第3実施例と同様に上下2つのクッション部材を備えてもよく、逆に第3実施例では第1、第2実施例と同様の一つのクッション部材を備えた構成としてもよい。
【0037】
上記各実施例では、物品として人参やリンゴなどの選別を行う物品選別装置について説明したが、搬送手段3が物品支持手段12より物品を落下させて排出する構成を有している場合には、上記クッション部材31やベルトコンベヤ32を設けることで、落下する物品への衝撃の緩和を図ることが可能である。
また上記第1~第3実施例では、上記ベルトコンベヤ32の回転軸32aを上記クッション部材31の回転軸31aと共用しているが、クッション部材31とベルトコンベヤ32とを別体としてもよい。ただし、クッション部材31からベルトコンベヤ32の搬送面までの落差を考慮して配置することが望ましい。
さらに上記第1~第3実施例では、上記ベルトコンベヤ32の搬送面を水平にしているが、例えば搬送方向下流側に向けて上昇するような傾斜を設定し、クッション部材31からベルトコンベヤ32に落下する物品の過度の転がりを軽減するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 野菜(物品) 2 物品選別装置
3 搬送手段 4 品質検査手段
5 回収手段 12 物品支持手段
13 作動手段 17 櫛歯状部材
31 クッション部材 31a 第1回転軸
32 ベルトコンベヤ 32a 搬送ベルト
32b 第2回転軸