(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023923
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】発光ユニットおよび光照射型美容装置
(51)【国際特許分類】
A61N 5/06 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
A61N5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129893
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】金子 翔太
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PA06
4C082PJ21
(57)【要約】
【課題】肌の美容効果をより向上させることが可能な発光ユニットおよび光照射型美容装置を得る。
【解決手段】発光ユニット20は、所定の波長スペクトルを持つ第1の光源部22と、第1の光源部22とは異なる波長スペクトルを持つ第2の光源部23と、を備える。また、第2の光源部23の第2光源231が第1の光源部22の主光軸方向を法線とする面に配置されている。そして、第1の光源部22の主光軸方向と交差する交差方向に延在し、交差方向の一側から他側に抜けるように風を通過させることが可能な送風路24が形成されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の波長スペクトルを持つ第1の光源部と、
前記第1の光源部とは異なる波長スペクトルを持つ第2の光源部と、
を備え、
前記第2の光源部の第2光源が前記第1の光源部の主光軸方向を法線とする面に配置されており、
前記第1の光源部の主光軸方向と交差する交差方向に延在し、前記交差方向の一側から他側に抜けるように風を通過させることが可能な送風路が形成されている、
発光ユニット。
【請求項2】
前記送風路が前記第1の光源部の主光軸方向を法線とする面に沿って延在している、
請求項1に記載の発光ユニット。
【請求項3】
前記第2の光源部は、第2光源と前記第2光源に熱的に結合される放熱部とを備えており、
前記放熱部が前記送風路内に配置されている、
請求項1または請求項2に記載の発光ユニット。
【請求項4】
前記第1の光源部が管状のフラッシュランプを有しており、
前記送風路が前記フラッシュランプの長手方向に沿って延在している、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の発光ユニット。
【請求項5】
前記第2の光源部がLEDを有している、
請求項1~4のうちいずれか1項に記載の発光ユニット。
【請求項6】
前記第2の光源部から放射される電磁波のピーク波長が500nm~1200nmである、
請求項1~5のうちいずれか1項に記載の発光ユニット。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか1項に記載の発光ユニットと、
把持部を有し、前記発光ユニットが収容されるハウジングと、
前記ハウジングに保持されて前記送風路を通過する風を発生させる風発生部と、
を備える、
光照射型美容装置。
【請求項8】
前記ハウジングには、前記第1の光源部および前記第2の光源部から電磁波をそれぞれ放射させた場合に、前記第1の光源部から放射される電磁波の少なくとも一部および前記第2の光源部から放射される電磁波の少なくとも一部が出射される出射口が形成されており、
前記出射口は、前記把持部の長手方向と交差する方向に開口するように前記ハウジングに形成されている、
請求項7に記載の光照射型美容装置。
【請求項9】
前記風発生部は、前記送風路の延在方向に沿う風を発生させるようにした状態で前記ハウジングに保持されている、
請求項7または請求項8に記載の光照射型美容装置。
【請求項10】
前記風発生部は、前記送風路の延在方向と交差する方向に沿う風を発生させるようにした状態で前記ハウジングに保持されている、
請求項7または請求項8に記載の光照射型美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光ユニットおよび光照射型美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
美肌・抑毛等の美容効果を得る手段として、施術者の皮膚表面に光を照射する方法が知られており、施術者の皮膚表面に光を照射することで美容効果を得るための装置として、光照射型美容装置が知られている。
【0003】
この光照射型美容装置は光源を有する発光ユニットを備えている。また、光照射型美容装置の光源としては、LED(Light Emitting Diode)やレーザーのようなナローバンドな波長スペクトルを持つ光源やフラッシュランプのようにブロードバンドな波長スペクトルを持つ光源が用いられるのが一般的である。
【0004】
ところで、光源から放射される光が皮膚に照射された際に得られる美容効果は波長スペクトルによって異なっていることが知られている。そのため、近年では、異なる種類の波長スペクトルを持つ光源から放射される光を同時に皮膚に照射して、様々な美容効果を得られるようにしたいというニーズがある。
【0005】
なお、上述の光とは、可視光のみでなく紫外や赤外の波長を含む広義の光(電磁波)のことである。
【0006】
そして、様々な美容効果を得られるようにした光照射型美容装置としては、以下の特許文献1に示すような光照射型美容装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1では、光照射型美容装置は、フラッシュランプが設けられた第1のアタッチメントを備えている。さらに、フラッシュランプの光を取り出す出射口の周囲にLEDが配置され、第1のアタッチメントに着脱可能に取り付けられる第2のアタッチメントを備えている。そして、第2のアタッチメントを第1のアタッチメントに装着した状態で光照射型美容装置を使用することで、同一平面上において複数の波長スペクトルを照射できるようになっている。また、光照射型美容装置には冷却ファンが設けられており、この冷却ファンを駆動させることで第1のアタッチメントに設けられたフラッシュランプが冷却されるようにしている。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に開示の構成では、LEDは、第2のアタッチメントにおける冷却ファンによって冷却しにくい位置に配置されている。そのため、第2のアタッチメントに配置されたLEDに風を十分に当てることができず、強制空冷による冷却が不要な程度の小さなエネルギーしか取り出すことができなかった。そのため、肌に小さなエネルギーの光しか照射させることができず、肌の美容効果を高めることが難しいという課題があった。
【0010】
そこで、本開示は、肌の美容効果をより向上させることが可能な発光ユニットおよび光照射型美容装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様にかかる発光ユニットは、所定の波長スペクトルを持つ第1の光源部と、前記第1の光源部とは異なる波長スペクトルを持つ第2の光源部と、を備え、前記第2の光源部の第2光源が前記第1の光源部の主光軸方向を法線とする面に配置されており、前記第1の光源部の主光軸方向と交差する交差方向に延在し、前記交差方向の一側から他側に抜けるように風を通過させることが可能な送風路が形成されている。
【0012】
また、本開示の一態様にかかる光照射型美容装置は、前記発光ユニットと、把持部を有し、前記発光ユニットが収容されるハウジングと、前記ハウジングに保持されて前記送風路を通過する風を発生させる風発生部と、を備える装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、肌の美容効果をより向上させることが可能な発光ユニットおよび光照射型美容装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態にかかる光照射型美容装置を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態にかかる光照射型美容装置を示す正面図である。
【
図4】実施の形態にかかる発光ユニットおよび風発生部を示す斜視図である。
【
図5】実施の形態にかかる発光ユニットおよび風発生部を示す平面図である。
【
図6】実施の形態にかかる発光ユニットおよび風発生部を示す正面図である。
【
図11】実施の形態にかかる光照射型美容装置を示すブロック図である。
【
図12】発光ユニットと風発生部の配置状態の変形例を示す平面図である。
【
図13】発光ユニットと風発生部の配置状態の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0016】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0017】
また、以下では、可視光のみでなく紫外や赤外等の波長を含む広義の光のことを電磁波として説明する。
【0018】
また、以下の実施の形態では、出射口を上方に向けた状態における光照射型美容装置の上下方向をZ方向と規定して説明する。また、Z方向に沿って見た状態における光照射型美容装置の長手方向をY方向と規定して説明する。そして、Z方向に沿って見た状態における光照射型美容装置の短手方向(Z方向およびY方向に直交する方向)をX方向と規定して説明する。
【0019】
(実施の形態)
[光照射型美容装置の構成の一例]
まず、光照射型美容装置の構成の一例を
図1~
図3および
図11を用いて説明する。
【0020】
本実施の形態にかかる光照射型美容装置1は、
図1に示すように、Y方向に細長い形状をした本体部10を備えている。
【0021】
本体部10は、本実施の形態では、合成樹脂製のハウジング11を備えている。このハウジング11は、本体部10の外郭を構成しており、例えば、複数の分割体を継ぎ合わせることで形成することができる。そして、ハウジング11の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0022】
本実施の形態では、ハウジング11の内部に形成される空洞内には、
図11に示すように、後述するフラッシュランプ(第1光源)221を駆動させるフラッシュランプ駆動部13が収容されている。また、後述するLED(第2光源)231を駆動させるLED駆動部14と、後述するファン(風発生部:送風部)16を駆動させるファン駆動部15と、が収容されている。さらに、フラッシュランプ駆動部13、LED駆動部14およびファン駆動部15に電力を供給する電源部12等が収容されている。
【0023】
また、ハウジング11は、略円柱状をしており、使用者が片手で把持することができる程度の大きさに形成されている。そして、このハウジング11の長手方向(Y方向)の一端側が手で把持することが可能な把持部111となっており、把持部111の長手方向(Y方向)の他端側に、電磁波(光)を施術者の皮膚に照射することが可能な機能部112が連設されている。なお、本実施の形態では、把持部111と機能部112とが一体に形成されている。
【0024】
また、機能部112の側部には、上方(Z方向)に突出する突壁1121が形成されており、突壁1121の上端には上方(Z方向)に開口する略長方形状の開口部1121aが形成されている。
【0025】
そして、この機能部112の内部には、電磁波(光)を施術者の皮膚に照射するための発光ユニット20が収容されている。具体的には、発光ユニット20は、ハウジング11の突壁1121よりも上下方向(Z方向)の下方に位置した状態で収容保持されている。このとき、発光ユニット20は、発光ユニット20から照射される光の主光軸方向を上方(Z方向)に略一致させた状態でハウジング11内に収容保持されている。
【0026】
このような発光ユニット20をハウジング11の内部に収容させた光照射型美容装置1は、例えば、施術者の顔や手足の皮膚に所定の波長スペクトルの電磁波(光)を照射させるようにして、施術者の皮膚の美容効果を高めるために用いることができる。本実施の形態では、突壁1121の開口部1121aが発光ユニット20の電磁波(光)を皮膚に向けて出射させる出射口113となっている。このように、本実施の形態では、出射口113は、把持部111の長手方向(Y方向)と交差する方向(Z方向)に開口するようにハウジング11に形成されている。
【0027】
さらに、本実施の形態では、突壁1121は上方(Z方向)に向けて先細りとなるテーパ状をしており、突壁1121の内側には略四角錐台状の空間部が形成されている。そして、突壁1121の内側の空間内にはテーパ状の集光ミラーが配置されており、この集光ミラーを、発光ユニット20の電磁波(光)の少なくとも一部を出射口113に導くための光学系として機能させている。本実施の形態では、集光ミラーとしてのインテグレータ光学系17が突壁1121の内側の空間内に配置されている。
【0028】
また、図示省略したが、ハウジング11には、光照射型美容装置1を動作させる(電源をオン・オフさせる)操作スイッチが形成されている。この操作スイッチは押圧式のスイッチとすることも可能であるし、スライド式やその他のスイッチとすることも可能である。また、ハウジング11に、フラッシュランプ駆動部13およびLED駆動部14のいずれか一方の駆動、または、両方の駆動を選択することが可能な選択スイッチが形成されるようにしてもよい。この選択スイッチも、押圧式やスライド式、その他のスイッチとすることが可能である。
【0029】
また、ハウジング11の内部には、風を発生させる風発生部としてのファン(送風部)16が収容保持されており、発光ユニット20に向けて風を送ることができるようになっている。ファン(送風部)16としては、従来公知のものを用いることができる。
【0030】
また、本実施の形態では、発光ユニット20よりも把持部111側にファン16が配置されており、Y方向に沿って風が送風されるようにしている。なお、ファン16から発光ユニット20に向けて風を送るのではなく、ファン16が発光ユニット20の周囲の空気を吸い込むことで発光ユニット20にY方向に沿う風が生じるようにしてもよい。
【0031】
[発光ユニットの構成の一例]
次に、発光ユニットの構成の一例を
図4~
図10を用いて説明する。
【0032】
本実施の形態にかかる発光ユニット20は、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22と、LEDユニット(第2の光源部)23と、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23を保持するケース21と、を備えている。そして、フラッシュランプユニット22が持つ波長スペクトルと、LEDユニット23が持つ波長スペクトルとが異なるようにしている。このように、本実施の形態では、発光ユニット20は、フラッシュランプユニット22とLEDユニット(LED光源ユニット)23の両方を備えている。
【0033】
本実施の形態においては、フラッシュランプユニット22では、第1光源としてのフラッシュランプ221が用いられており、LEDユニット23では、第2光源としてのLED231が用いられている。こうすることで、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波が所定の波長スペクトルを持つようにしている。そして、LEDユニット23から放射される電磁波が、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波とは異なる所定の波長スペクトルを持つようにしている。
【0034】
なお、本実施の形態のように、美容効果を出すための第1光源としてフラッシュランプ221を用いると、400nm~1200nmのブロードバンド光が放射されるため、幅広い美容効果を施術者の肌に与えることができる上、脱毛効果を与えることができる。
【0035】
ここで、本実施の形態では、略円筒状のキセノンのフラッシュランプ(円筒管のキセノンのフラッシュランプ)221が用いられている。
【0036】
このように、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221を用いると、円筒管のラジアル方向に電磁波(光)を放射するため、出射口113に効率よく電磁波(光)を導くことができず、比較的多くの電磁波(光)が無駄になってしまう。
【0037】
そこで、本実施の形態では、フラッシュランプユニット22が、フラッシュランプ221から放射されて出射口113から外れた方向に向かう電磁波の少なくとも一部を出射口113に導くための反射傘222を備えるようにしている。
【0038】
反射傘222は、略矩形板状の部材を側面視で上方に開口するU字状に折り曲げたような形状をしており、反射傘222の内面が鏡面222aになっている。そして、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221を、側面視で略U字状の反射傘222内の下側で、鏡面222aと対向するように配置させている。このとき、側面視で略U字状の反射傘222を近似する放物線の焦点部分に円筒管のキセノンのフラッシュランプ221が配置されるようにするのが好ましい。こうすれば、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221から放射された電磁波をより確実に上方(Z方向の一方側)に向けて反射させることができるようになる。なお、反射傘222の長手方向(Y方向)の両側の終端には、光のロスをなくすために隔壁223が設けられている。
【0039】
また、本実施の形態では、
図9および
図10に示すように、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221および反射傘222は、軸方向(長手方向)をY方向に沿わせた状態で基台225上に配置されている。具体的には、基台225は、第1基台2251と第2基台2252とを備えている。そして、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221が第1基台2251に保持されており、反射傘222が第2基台2252に保持されている。
【0040】
さらに、本実施の形態では、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221および側面視で略U字状の反射傘222の上方、かつ、上下方向Zにおいて出射口113よりも下方(第1光源側)に、フラッシュランプ用フィルター224が配置されている。そして、円筒管のキセノンのフラッシュランプ221から放射された電磁波および反射傘222の鏡面222aで反射した電磁波が、このフラッシュランプ用フィルター224を通過してから出射口113に向かうようにしている。このように、本実施の形態では、フラッシュランプ用フィルター224がフラッシュランプユニット22の出射口となっている。
【0041】
フラッシュランプ用フィルター224は、少なくともフラッシュランプ221から放射される電磁波の少なくとも一部を透過させやすい材質で形成することができる。また、ガラスやアクリル等の本体の表面にフィルターを貼り付けることで形成することも可能である。このとき、すべての波長が透過しやすい材質を選ぶこともでき、すべての波長が透過しやすい材質を選んだ場合には、より高いエネルギーを取り出すことができるようになる。また、フラッシュランプ用フィルター224を特定の波長がカットされる波長カットフィルターとして機能させることも可能である。例えば、肌にフラッシュランプ221から電磁波(光)を照射した際に痛みに繋がりやすい400nm~550nmの光をカットすれば、より痛みを感じにくい照射を実現することができる。また、バンドパスフィルターを構成し、特定の波長の光を取り出せるようにすることで、与えたい美容効果が得られる光のみを肌に当てるようにすることも可能である。
【0042】
そして、本実施の形態では、上述したフラッシュランプユニット22がケース21に保持されている。具体的には、ケース21がベース211とカバー212とを備えており、ベース211上にフラッシュランプユニット22を載置した状態で、上方からカバー212をかぶせることで、フラッシュランプユニット22がケース21に保持されるようにしている。このとき、カバー212の上部には貫通孔が形成されており、フラッシュランプユニット22をケース21に保持した状態における平面視で、フラッシュランプ用フィルター224がカバー212の貫通孔から露出するようにしている。
【0043】
また、本実施の形態では、美容効果を出すための第1光源としては、1つのフラッシュランプ221が用いられているが、美容効果を出すための第2光源としては、複数個のLED231が用いられている。
【0044】
複数個のLED231としては、表面実装型のLEDが用いられており、複数個のLED231がLED実装基板232上に実装されている。本実施の形態では、LED実装基板232は、フラッシュランプユニット22の上面(フラッシュランプ用フィルター224)の周囲を囲むように配置されており、LED実装基板232の上面には、コネクタ部232bが設けられている。そして、このLED実装基板232上に複数個のLED231が全周に亘って略等間隔に離間配置された状態で実装されている。したがって、本実施の形態では、複数個のLED231は、フラッシュランプユニット22の上面(フラッシュランプ用フィルター224)の全周を囲むように配置されている。なお、表面実装型以外のLEDをLED231として用いることも可能である。
【0045】
そして、本実施の形態のように、美容効果を出すための第2光源としてLED231を用いると、与えたい美容効果に合わせて波長を選択することができるため、所望の美容効果を与えることができる上、脱毛効果を与えることができるようになる。
【0046】
例えば、下記波長帯のLED231を選択すれば、下記に示す美容効果を得ることができる。なお、下記に示す波長はピーク波長を示しており、LED231から発する電磁波(光)の一部に範囲外の波長が含まれていてもよい。
【0047】
(1)400nm~550nm:小じわ改善、にきび改善、赤ら顔改善、保湿、毛穴改善、抗炎症作用、皮脂低減、創傷治癒
(2)550nm~620nm:小じわ改善、ほうれい線改善、ターンオーバー促進、シミ改善
(3)620nm~750nm:創傷治癒、免疫力活性、シワ改善、シミ改善、ターンオーバー促進、コラーゲン産生
(4)750nm~2000nm:創傷治癒、免疫力活性、ターンオーバー促進
なお、550nm~1000nmの波長スペクトルを持つLEDを用いれば、肌の明るさ改善の効果を得ることが可能である。
【0048】
また、500nm~1200nmの電磁波(光)は皮膚内への浸透性が高く肌の奥まで電磁波(光)が届くため深部の皮膚温を高めることが可能である。そのため、第2の光源として500nm~1200nmの波長帯を持つ光源を選択すれば、深部の温度を高めた状態でフラッシュランプ221の電磁波(光)を肌に当てることが可能となり脱毛効果を高めることができるようになる。
【0049】
また、複数個のLED231として同一の波長スペクトルを持つLEDとする必要はなく、異なる波長スペクトルを持つLEDを組合せて使用してもよい。例えば450nmのLEDと630nmのLEDを使用すれば、にきび改善とコラーゲン産生効果を狙うこともできる。
【0050】
また、LED231から放射される電磁波の波長スペクトルが温度依存性を持っていてもよい。このようなLEDとしては、例えば、赤色系の光を放射するLEDを用いることができる。このように、温度依存性を持つLEDを用いれば、使用時の温度変化に応じて様々な効果を肌に与えることができるようになる。すなわち、1つのLEDで複数の効果を肌に与えることができるようになる。
【0051】
また、本実施の形態では、複数個のLED231は、LED実装基板232を介してヒートシンク(放熱部)233に熱的に接続されており、LED231の熱がヒートシンク233から放熱されるようになっている。
【0052】
ヒートシンク233は、矩形板状のベース2331と、ベース2331の下面側から下方に延びるように延設された複数本のフィン2332と、を備えている。そして、ベース2331がLED実装基板232の下側に積層された状態でLED実装基板232に固定されている。具体的には、このベース2331には取付孔2331aが形成されており、LED実装基板232の取付孔2331aと対応する位置には、取付孔232aが形成されている。そして、取付孔2331aと取付孔232aとを互いに連通させた状態で、取付孔232aおよび取付孔2331aに図示省略したネジを挿入することで、ヒートシンク233をLED実装基板232に固定している。
【0053】
このように、本実施の形態では、LEDユニット23は、第2光源としての複数個のLED231と、複数個のLED231が実装されるLED実装基板232と、LED231の熱を放熱させるヒートシンク(放熱部)233と、を備えている。
【0054】
さらに、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23は、
図3に示すように、一体化させた状態でハウジング11の空間内に収容されている。
【0055】
具体的には、LED実装基板232およびヒートシンク(放熱部)233のベース2331が平面視で矩形の環状をしている。そして、LED実装基板232およびベース2331の中央開口にフラッシュランプユニット22が収容されたケース21を挿入した状態で、LED実装基板232およびベース2331をケース21に固定している。こうすることで、フラッシュランプユニット22が収容保持されたケース21をLEDユニット23と一体化させている。
【0056】
このとき、発光ユニット20のX方向の両側には、Y方向に並ぶように形成されたフィン2332が2列ずつ形成されている。なお、本実施の形態では、それぞれのフィン2332は、上下方向(Z方向)に細長い略四角柱状をしている。また、本実施の形態では、ケース21のベース211が、カバー212よりもX方向の外側に延在する延在部2111を備えており、この延在部2111とベース2331との間に空間が形成されるようになっている。そして、この延在部2111とベース2331との間に形成された空間内に存在するように、複数のフィン2332が形成されている。
【0057】
ところで、フラッシュランプユニット22からは、電磁波(光)が上下方向Zの上方(+Z方向)に向けて放射されることになる。また、複数個のLED231は、電磁波(光)が上下方向Zの上方(+Z方向)に向けて放射されるTop Emitting型のLEDであるため、上下方向Zの下方(-Z方向)へ放射される電磁波(光)は考慮する必要がない。
【0058】
ただし、LED231は配光分布を持っているため、XY方向へは広がりを持っている。そのため、このまま特に配慮しなければ、LED231から放射された電磁波(光)のうち出射口113から放出される電磁波(光)はごく一部となってしまう。
【0059】
そこで、本実施の形態では、光照射型美容装置1が、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23と出射口113との間に配置される光学系を備えるようにしている。この光学系は、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23のうち少なくともいずれか一方の光源部から放射される電磁波(光)の少なくとも一部を出射口113に導くための部材である。そして、光照射型美容装置1が、LED231から放射された電磁波(光)を出射口113へ導く手段としての光学系を備えるようにすることで、より多くの電磁波(光)を肌に当てることができるようにしている。
【0060】
本実施の形態では、上述したように、光学系としてのテーパ状の集光ミラーを用い、出射口113と発光ユニット20との間にこのテーパ状の集光ミラーを設けている。そして、テーパ状の集光ミラーを設けることで効率よくフラッシュランプ221とLED231の電磁波(光)を取り出し、それぞれの電磁波(光)を同じ部位に、同時に照射することができるようにしている。
【0061】
また、電磁波(光)を肌に当てる際には、肌への必要以上のダメージを防ぐためや一定の美容効果を得るためにも、出射口113における電磁波(光)の分布が均一であることが望ましい。
【0062】
そこで、本実施の形態では、光学系として、電磁波(光)を混合させて明るさのむらを少なくすることが可能なインテグレータ光学系17を用いるようにしている。このようなインテグレータ光学系17としては、従来公知のものを用いることができる。
【0063】
本実施の形態では、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23から放射される波長スペクトルの電磁波(光)を反射しうる鏡面171aで囲われたライトパイプ171をインテグレータ光学系17としたものを例示している。
【0064】
ライトパイプ171としては、例えば、出射方向(上下方向Zの上側)に向かうにつれて開口面積が小さくなるように4枚の鏡を組み合わせることで形成されたテーパ状のライトパイプ171を用いることができる。このとき、ライトパイプ171の鏡面171aが、ライトパイプ171の中心軸に対して傾斜する4つの鏡面を有していてもよいし、4つの鏡面のうち少なくとも1つの鏡面がライトパイプ171の中心軸と平行に延在する鏡面となるようにしてもよい。
【0065】
そして、このようなテーパ状のライトパイプ171を用いてインテグレータ光学系17を形成すると、テーパ状のライトパイプ171の内部に、上下に貫通する略四角錐台状の空間部が形成されることになる。なお、テーパ状のライトパイプ171は、入射側(LED231側:上下方向Zの下側)が複数個のLED231をすべて収容することが可能な開口となるようにするのが好ましい。
【0066】
このようなテーパ状のライトパイプ171を用いれば、より安価にインテグレータ光学系17を得ることができるようになる。さらに、より効率的にLED231からの電磁波(光)を出射口113へ導き、出射口113において電磁波(光)を略均一化することができるようになる。
【0067】
ただし、インテグレータ光学系17を用いたとしても、フラッシュランプユニット22やLED231(LEDユニット23)の配置状況によっては、電磁波(光)の出射口113に向けての放射が相手側の光源部に邪魔されてしまう場合がある。その結果、出射口113から放出される電磁波(光)が少なくなってしまう場合がある。
【0068】
そこで、本実施の形態では、フラッシュランプユニット22が、LEDユニット23から放射される電磁波との干渉が抑制される位置に配置されるようにした。さらに、LEDユニット23が、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波との干渉が抑制される位置に配置されるようにした。このように、本実施の形態では、電磁波(光)の出射口113に向けての放射が邪魔されてしまうことをより確実に抑制できるようにすることで、十分な光量を出射口113から取り出すことが可能となるようにしている。
【0069】
具体的には、フラッシュランプユニット22は、LEDユニット23から主方向に向けて放射される電磁波が出射口113に到達するまでの間に、LEDユニット23から主方向に向けて放射される電磁波と重ならないようにした状態で配置されている。さらに、LEDユニット23は、フラッシュランプユニット22から主方向に向けて放射される電磁波が出射口113に到達するまでの間に、フラッシュランプユニット22から主方向に向けて放射される電磁波と重ならないようにした状態で配置されている。ここで、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波の主方向は、上下方向の上方であり、LEDユニット23から放射される電磁波の主方向は、上下方向の上方である。
【0070】
さらに、本実施の形態では、LEDユニット23が、平面視(出射口113から視た状態)でフラッシュランプユニット22と重ならない位置に配置されている。そして、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23は、フラッシュランプユニット22の出射面22aとLEDユニット23の出射面23aとが略同一平面上に位置するように配置されている。このように、本実施の形態では、LEDユニット(第2の光源部)23のLED(第2光源)231がフラッシュランプユニット(第1の光源部)22の主光軸方向を法線とする面(XY平面)に配置されるようにしている。
【0071】
このとき、フラッシュランプユニット22が、LEDユニット23から放射される電磁波の半値角以内の電磁波と干渉しない位置に配置されるようにするのが好ましい。また、LEDユニット23が、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波の半値角以内の電磁波と干渉しない位置に配置されるようにするのが好ましい。
【0072】
こうすれば、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23の各々から放射される電磁波(光)を、相手側の光源部に干渉することなく出射口113へ導くことが可能になる。
【0073】
このような構成とすれば、夫々異なる波長スペクトルを持つ光源からの光(電磁波)を同一の領域(1つの出射口)から出射させることができるようになる。そのため、異なる波長スペクトルを持つ光源のうちの1つの光(電磁波)しか当てることができない部位が肌に存在してしまうことを抑制することができる。したがって、皮膚のより多くの部位に異なる波長スペクトルの光(電磁波)を同時に照射することができるようになって、施術者の美容効果をより高めることが可能になる。
【0074】
また、出射口の面積を小さくしたとしても、複数の光源から出射される光(電磁波)を同時に出射口から出射させることが可能になるため、小鼻や目尻の細かな所にも複数の光源から出射される光(電磁波)を同時に当てることができる。その結果、美容効果をより一層高めることができるようになる。
【0075】
なお、現実的には完全な同一面にできない場合も想定されるが、この場合には、各々の光源部から放射される電磁波(光)の半値角以内の光を遮らない位置へ相手側の光源部を配置するのが好ましい。こうすることでも、十分な光量を取り出すことが可能になる。
【0076】
ところで、フラッシュランプ221に使われるキセノン管の寿命はキセノン管の温度に依存し高温になるほど寿命が短くなる。そのため、キセノン管の寿命を延ばすためには、キセノン管を適切に冷却させることが必要である。
【0077】
また、LEDは、一般的に半導体のp-n接合部のジャンクション温度によって最大絶対定格が定められており、その温度を超えて使用することができない。そのため、より高い美容・脱毛効果を求めるために高エネルギーの電磁波(光)を取り出そうとした場合、LEDに流す電流を増やす必要がある。しかしながら、LEDに流す電流を増やした場合、LEDの冷却を適切に行わないとLED温度が上昇して使用不可能となってしまうという課題がある。
【0078】
また、出力温度依存性を持つLEDを用いた場合、低いジャンクション温度で使うことで同じ投入電力でもより高いエネルギーの電磁波(光)を取り出すことが可能である。
【0079】
このように、美容・脱毛効果をより高めるために、高エネルギーの電磁波(光)を取り出せるようにするためには、フラッシュランプおよびLEDの両方を適切に冷却させる必要がある。
【0080】
そこで、本実施の形態では、フラッシュランプ221およびLED231の冷却効率を高めることにより各光源の出力向上を可能とし、出力を高めた複数の光源から出射される光によって、美容・脱毛効果を高めることができるようにしている。
【0081】
具体的には、LEDユニット(第2の光源部)23のLED(第2光源)231がフラッシュランプユニット(第1の光源部)22の主光軸方向(Z方向)を法線とする面(YX平面)に配置されるようにしている。本実施の形態では、LED231がフラッシュランプ221を収容するフラッシュランプユニット22の出射面22aであるフラッシュランプ用フィルター224の上面の周囲に配置されるようにしている。
【0082】
そして、発光ユニット20に、ファン(送風部)16によって発生する風が通り抜けられるような通風路を設けている。具体的には、ケース21に、フラッシュランプユニット22の主光軸方向と交差する交差方向に延在し、交差方向の一側から他側に抜けるように風を通過させることが可能な送風路(通風路)24が形成されるようにしている。本実施の形態では、Y方向に延在するように送風路24をケース21に形成している。このように、本実施の形態では、送風路24は、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22の主光軸方向を法線とする面(XY平面)に沿って延在するように形成されている。なお、送風路24の延在方向は、XY平面に平行に延在している必要はなく、傾いた状態でXY平面に沿うようにしてもよい。
【0083】
さらに、送風時に発光ユニット20を冷却しやすくなる位置にファン(送風部)16を配置している。本実施の形態では、ファン16から発生する風がY方向に流れるようにし、ファン16から発生する風が送風路24内を通過するようにしている。すなわち、ファン16から発生する風を、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22の主光軸方向を法線とする面(XY平面)に沿って流すようにしている。なお、風を流す方向もXY平面に平行にする必要はなく、XY平面に対して傾いた状態で流れるようにしてもよい。
【0084】
本実施の形態では、ファン(風発生部)16は、送風路24の延在方向(Y方向)に沿う風を発生させるようにした状態でハウジング11に保持されている。
【0085】
ここで、上述したように、LED(第2光源)231は、主光軸方向が上方(Z方向)を向くようにした状態でハウジング11内に配置されている。したがって、本実施の形態では、LED(第2光源)231の主光軸方向が把持部111の長手方向(Y方向)に対して傾いた状態でLED(第2光源)231を配置し、把持部111の長手方向に沿って風が流れるようになっている。
【0086】
また、本実施の形態では、送風路24が、第2基台2252の内側に形成される第1の送風路241と、ケース21のカバー212と第2基台2252との間に形成される第2の送風路242と、を備えている。そして、
図10に示すように、第1の送風路241および第2の送風路242は、まっすぐに風を通すことができるように発光ユニット20内に形成されている。こうすることで、発光ユニット20の送風路24を通過する際の風の損失を極力減少させるようにし、より効率よく発光ユニット20を冷却することができるようにしている。
【0087】
さらに、第1の送風路241は、第2基台2252と反射傘222の内側におけるフラッシュランプ221の近傍に連通されており、フラッシュランプ221の周囲を風が通過できるようになっている。
【0088】
ここで、上述したように、本実施の形態では、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22が管状のフラッシュランプ221を有しており、管状のフラッシュランプ221は、長手方向をY方向に略一致させた状態で配置されている。したがって、本実施の形態では、送風路24は、フラッシュランプ221の長手方向に沿って延在するように形成されている。こうすることで、管状のフラッシュランプ221の長手方向に沿って風を流すことができるようにし、管状のフラッシュランプ221をより効率よく冷却できるようにしている。このように、本実施の形態では、まっすぐに風を通して発光ユニット20を冷却することができるように送風路24を形成している。
【0089】
さらに、本実施の形態では、送風路24は、ベース211の延在部2111の上方かつカバー212の外側に形成される第3の送風路243を備えている。この第3の送風路243は、延在部2111とベース2331との間に形成される空間であり、この空間内に複数のフィン2332が存在している。このように、本実施の形態では、LEDユニット(第2の光源部)23が、LED(第2光源)231と、LED(第2光源)231に熱的に結合されるヒートシンク(放熱部)233と、を備えている。そして、ヒートシンク233のフィン2332が第3の送風路243内に配置されるようにしている。こうすることで、風が第3の送風路243を通過するようにした際に、より効率的にヒートシンク233のフィン2332に風を当てることができるようにし、LEDユニット(第2の光源部)23をより効率よく冷却できるようにしている。なお、第3の送風路243も、まっすぐに風を通して発光ユニット20(フィン2332)を冷却することができるようになっている。
【0090】
また、本実施の形態では、第3の送風路243は、Y方向の両側だけでなくX方向の外側も開口するように形成されている。こうすることで、LED231で生じた熱をより効率よくヒートシンク233のフィン2332から外気(ハウジング11内の空気)に放熱させることができるようにしている。
【0091】
そして、ファン16から発生してY方向に流れる風が、Y方向の一端側から第1の送風路241内に導入されて他端側から抜けるようにしている。同様に、Y方向の一端側から第2の送風路242内に導入されて他端側から抜けるようにしており、Y方向の一端側から第3の送風路243内に導入されて他端側から抜けるようにしている。
【0092】
こうすることで、第1の送風路241内に存在するフラッシュランプ221、第3の送風路243内に存在するフィン2332が風によって同時に冷却されるようにしている。
【0093】
なお、本実施の形態では、第2の送風路242内に導入された風によって、ケース21や基台255が冷却されるようにしており、ケース21や基台255を冷却することでフラッシュランプ221およびLED231が間接的に冷却されるようにしている。このように、本実施の形態では、送風路24内にファン16で発生させた風が流れるようにすることで、フラッシュランプ221、LED231ともに同時に効率よく冷却することができるようにしている。こうすれば、より電力を投入して光のパワーを上げることが可能となり、美容効果・脱毛効果が高めることができるようになる。
【0094】
ところで、上述した発光ユニット20は、風をZ方向、すなわち、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22の主光軸方向に向けて流すようにした場合、Z方向に通過する送風路を発光ユニット20に形成することになる。しかしながら、発光ユニット20の構成上、ヒートシンクのフィン側にZ方向に抜ける送風路を形成することができないため、フィン側に向けられた風は、実装基板側で大きく曲がってから上方に抜けることになってしまう。そのため、発光ユニット20の送風路を通過する際の風の損失が大きくなってしまい、フラッシュランプ221およびLED231を同時に効率よく冷却することができなかった。
【0095】
また、発光ユニット20に風をZ方向に流しても風の損失が大きくならないようにするためには、フィンを屈曲させて実装基板の外側に突出させる必要があった。そのため、発光ユニット20に風をZ方向に流しても風の損失が大きくならないようにすると、フィンを複雑化してしまう上、発光ユニット20自体が大型化してしまっていた。
【0096】
このように、風をZ方向に流すための送風路を発光ユニット20に形成すると、小型化を図りつつフラッシュランプ221およびLED231を同時に効率よく冷却することができなかった。
【0097】
しかしながら、本実施の形態のように、風をZ方向と交差する方向に流すようにすれば、小型化を図った場合であっても、送風路24内に導入された風が大きく折り曲げられてしまうことを抑制することが可能になる。すなわち、一方向(上下方向)に延在する棒状のフィン2332とした場合であっても、風の損失が大きくなってしまうのを抑制することができるようになる。
【0098】
また、平面視で実装基板232の内側に隠れるようにフィン2332を形成したとしても、風の損失が大きくなってしまうのを抑制することができるようになる。このように、風をZ方向と交差する方向に流すようにすれば、発光ユニット20の小型化を図りつつ、通過する風の損失があまり大きくならないような送風路24を形成することができる。
【0099】
そのため、本実施の形態では、風をZ方向と交差する方向に流すようにすることで、発光ユニット20の小型化を図りつつ、フラッシュランプ221、LED231ともに同時に効率よく冷却することができるようにしている。
【0100】
なお、風をZ方向と交差する方向に流す場合であっても、通過する風の損失が極力小さくなるように送風路24を形成するのが好ましい。例えば、送風路24内に風の渦を発生させる部位等が極力存在しないように送風路24を形成するのが好ましい。
【0101】
[光照射型美容装置の動作の一例]
以上のように構成された発光ユニット20が収容された光照射型美容装置1について、その動作を説明する。
【0102】
まず、発光ユニット20が収容された光照射型美容装置1の操作スイッチを操作することで、電源をオンにする。
【0103】
このとき、選択スイッチを有しており、選択スイッチによって、フラッシュランプ駆動部13およびLED駆動部14の両方の駆動が選択されている場合には、電源部12よりフラッシュランプ駆動部13へ電力が供給されることになる。そして、フラッシュランプ駆動部13によってフラッシュランプ221が発光されることになる。また、電源部12よりLED駆動部14へ電力が供給され、LED駆動部14によってLED231が発光されることになる。
【0104】
そして、フラッシュランプ221から放射される電磁波(光)およびLED231から放射される電磁波(光)がインテグレータ光学系17内に導入されて、2種類の電磁波(光)は、より均等に混合した状態で、出射口113から外部に出射されることになる。
【0105】
この状態で、出射口113が肌で覆われるようにした状態で、光照射型美容装置1を肌に沿って摺動させる。こうすることで、施術者の皮膚表面に光を照射させ、施術者の皮膚に所望の美容効果を与えるようにしている。
【0106】
このように、本実施の形態では、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23から電磁波(光)をそれぞれ放射させた場合に、同一の領域(1つの出射口113)から2種類の電磁波(光)の少なくとも一部が出射されるようになっている。なお、本実施の形態では、2種類の電磁波(光)は、フラッシュランプユニット22から放射される電磁波およびLEDユニット23から放射される電磁波となっている。
【0107】
また、電源をオンにしたときに、選択スイッチによって、フラッシュランプ駆動部13およびLED駆動部14のうちの一方の駆動が選択されている場合には、一方の光源部から放射される電磁波(光)が出射口113から出射されることになる。
【0108】
このとき、電源部12からファン駆動部15へも電力が供給されており、ファン駆動部15によってファン16が駆動されて、ファン16の駆動によって生じる風が送風路24を通過することになる。そして、送風路24を通過する風によってフラッシュランプ221およびLED231が冷却される。
【0109】
このように、本実施の形態にかかる光照射型美容装置1は、フラッシュランプ221とLED(LED光源)231とを使って美容や脱毛効果を発揮する装置であって、ファン(送風部)16によって発生する風が、所定の波長スペクトルを持つフラッシュランプ221の光軸を法線とする面(XY平面)に沿って流れるように発光ユニット20に送風する装置である。
【0110】
なお、上記の実施の形態では、ファン(風発生部)16が、送風路24の延在方向(Y方向)に沿う風を発生させるようにした状態でハウジング11に保持されているものを例示した。しかしながら、
図12および
図13に示すように、ファン(風発生部)16は、送風路24の延在方向(Y方向)と交差する方向に沿う風を発生させるようにした状態でハウジング11に保持されていてもよい。すなわち、発生する風が発光ユニット20に斜めに送風されるようにファン(風発生部)16を配置させてもよい。この場合においても送風時に発光ユニット20を冷却しやすくなる位置にファン(送風部)16を配置するのが好ましい。
【0111】
このような構成は、例えば、Y方向に流れる風が発生するようにファン(風発生部)16をハウジング11に収容しつつ、送風路24の延在方向がY方向と交差する方向となるようにした状態で発光ユニット20をハウジング11に収容することで得ることができる。すなわち、把持部111の長手方向(Y方向)に沿って風を流すときに、送風路24の延在方向が把持部111の長手方向(Y方向)と交差する方向となるように発光ユニット20を配置することで得ることができる。
【0112】
なお、送風路24の延在方向がY方向となるようにした状態で発光ユニット20をハウジング11に収容しつつ、Y方向と交差する方向に流れる風が発生するようにファン(風発生部)16をハウジング11に収容することも可能である。
【0113】
そして、このような構成とすれば、下記の作用、効果を奏することができるようになる。
【0114】
例えば、上記実施の形態のように、Y方向に流れる風が発生するようにしつつ、送風路24の延在方向がY方向となるようにした場合、奥側(下流側)のフィン2332には上流側で温められた風が送られることになる。そのため、上流側と下流側とで冷却効果にばらつきが出てしまうおそれがある。
【0115】
これに対して、発光ユニット20に風を斜めから当てるようにすれば、奥側(下流側)のヒートシンク233のフィン2332にもファン(風発生部)16で発生させた風を直接当てることができるようになる。その結果、上流側で温められていない風を下流側に送ることが可能になるため、上流側と下流側とで冷却効果にばらつきが出てしまうことを抑制できるようになる。
【0116】
なお、発光ユニット20に風を斜めから当てるようにする場合であっても、ファン(風発生部)16は、発生させた風を第1の送風路241および第2の送風路242にも導入させることができるようにした状態で配置するのが好ましい。
【0117】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態で示した発光ユニットおよび光照射型美容装置の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0118】
上記実施の形態で示した発光ユニット20は、所定の波長スペクトルを持つ第1の光源部22と、第1の光源部22とは異なる波長スペクトルを持つ第2の光源部23と、を備えている。
【0119】
また、第2の光源部23の第2光源231が第1の光源部22の主光軸方向を法線とする面に配置されている。
【0120】
そして、第1の光源部22の主光軸方向と交差する交差方向に延在し、交差方向の一側から他側に抜けるように風を通過させることが可能な送風路24が形成されている。
【0121】
このように、第2光源231を第1の光源部22の主光軸方向を法線とする面に配置した上で、交差方向に延在する送風路24をケース21に設けるようにすれば、第1の光源部22および第2の光源部23を同時に効率よく冷却することが可能になる。
【0122】
その結果、第1光源221、第2光源231およびその周囲温度を下げることが可能になるため、電力を投入して第1光源221および第2光源231の光のパワーを上げることが可能となり、美容効果や脱毛効果をより向上させることができるようになる。
【0123】
例えば、第2光源231としてLEDを用いた場合には、より効率よくLEDを冷却することが可能になる。したがって、第2光源231として発熱量が比較的大きいLEDを用いたとしても、適切に動作させることができるようにLEDを冷却させることができるため、美容効果や脱毛効果をより向上させることが可能になる。
【0124】
このように、本実施の形態によれば、肌の美容効果をより向上させることが可能な発光ユニット20を得ることができる。
【0125】
また、送風路24が第1の光源部22の主光軸方向を法線とする面に沿って延在していてもよい。
【0126】
こうすれば、第2光源231を第1の光源部22の主光軸方向を法線とする面に配置した場合に、より確実に第1の光源部22および第2の光源部23に風を当てることが可能になる。そのため、第1の光源部22および第2の光源部23をより効率よく同時に冷却することが可能になる。
【0127】
また、第2の光源部23が、第2光源231と第2光源231に熱的に結合される放熱部233とを備えており、放熱部233が送風路24内に配置されるようにしてもよい。
【0128】
こうすれば、風が送風路24を通過するようにした際に、より効率的に放熱部233に風を当てることができるようになるため、第2の光源部23をより効率よく冷却することが可能になる。
【0129】
また、第1の光源部22が管状のフラッシュランプ221を有しており、送風路24がフラッシュランプ221の長手方向に沿って延在していてもよい。
【0130】
こうすれば、管状のフラッシュランプ221の長手方向に沿って風を流すことができるようになるため、管状のフラッシュランプ221をより効率よく冷却することが可能になる。
【0131】
また、第2の光源部23がLED231を有していてもよい。
【0132】
こうすれば、与えたい美容効果に合わせて波長を選択することが可能になるため、所望の美容効果を与えることができるようになる上、脱毛効果を与えることもできるようになる。すなわち、より容易に様々な美容効果を奏する構成とすることができるようになる。
【0133】
また、第2の光源部23から放射される電磁波のピーク波長が500nm~1200nmであってもよい。
【0134】
この500nm~1200nmの光は、皮膚内への浸透性が高く肌の奥まで届く光であり、深部の皮膚温を高めることが可能な光である。そのため、第2光源231として500nm~1200nmの波長帯を持つ光源を選択すれば、深部の温度を高めた状態でフラッシュランプ221の電磁波(光)を肌に当てることが可能となり脱毛効果を高めることができるようになる。
【0135】
また、上記実施の形態で示した光照射型美容装置1は、上述した発光ユニット20と、把持部111を有し、発光ユニット20が収容されるハウジング11と、ハウジング11に保持されて送風路24を通過する風を発生させる風発生部16と、を備えている。
【0136】
こうすれば、風発生部16で発生させた風を交差方向に延在する送風路24に送ることが可能になって、第1光源221、第2光源231およびその周囲温度を風発生部16で発生させた風によって低下させることができるようになる。その結果、電力を投入して第1光源221および第2光源231の光のパワーを上げることが可能になって、美容効果や脱毛効果をより向上させることができるようになる。
【0137】
このように、本実施の形態によれば、美容効果をより高めることが可能な光照射型美容装置1を得ることができる。すなわち、冷却効率を高めることにより光源の出力向上を可能とし、出力を高めた複数の光源から出射される光によって、美容・脱毛効果を高めることができる光照射型美容装置1を得ることが可能になる。
【0138】
また、ハウジング11に、第1の光源部22および第2の光源部23から電磁波をそれぞれ放射させた場合に、第1の光源部22から放射される電磁波の少なくとも一部が出射される出射口113が形成されていてもよい。さらに、第1の光源部22および第2の光源部23から電磁波をそれぞれ放射させた場合には、この出射口113から、第2の光源部23から放射される電磁波の少なくとも一部も出射されるようにしてもよい。そして、出射口113が、把持部111の長手方向と交差する方向に開口するようにハウジング11に形成されていてもよい。
【0139】
こうすれば、異なる種類の波長スペクトルを持つ光源から放射される光を、同一の平面から同時に皮膚に照射することができるようになるため、様々な美容効果を肌に与えることが可能になる。また、把持部111を手で把持した状態で、容易に出射口113を肌に当てることができるようになるため、光照射型美容装置1の使い勝手をより向上させることができるようになる。
【0140】
また、風発生部16が、送風路24の延在方向に沿う風を発生させるようにした状態でハウジング11に保持されていてもよい。
【0141】
こうすれば、風発生部16で発生させた風をより効率よく送風路24に送ることが可能になるため、第1の光源部22および第2の光源部23をより効率よく同時に冷却することが可能になる。
【0142】
また、風発生部16が、送風路24の延在方向と交差する方向に沿う風を発生させるようにした状態でハウジング11に保持されていてもよい。
【0143】
こうすれば、上流側で温められていない風を下流側に送ることが可能になるため、上流側と下流側とで冷却効果にばらつきが出てしまうことを抑制できるようになる。
【0144】
[その他]
以上、本開示にかかる発光ユニットおよび光照射型美容装置の内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形および改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0145】
例えば、上記実施の形態で示した構成の変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態に本開示を適用することができる。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0146】
また、上記実施の形態では、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23が、フラッシュランプユニット22の出射面22aとLEDユニット23の出射面23aとが略同一平面上に位置するように配置されているものを例示している。しかしながら、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット23の配置位置は、このような位置に限定されるものではなく、相手側の光源部から放射される電磁波との干渉が抑制される位置に配置されていればよい。例えば、フラッシュランプユニット22の出射面22aとLEDユニット23の出射面23aとの高さが異なっていてもよい。
【0147】
また、上記実施の形態では、テーパ状のライトパイプ171をインテグレータ光学系17として用いたものを例示したが、ライトパイプ171は何も配置しない場合よりも光を効率よく出射口113へ導けるものであればよい。例えば、直線状のライトパイプ、フライアレイレンズなどのインテグレータ光学系を用いることが可能である。こうすることでも、より効率的に電磁波(光)を出射口113へ導くことができ、出射口113における照度分布を略均一にすることができる。
【0148】
また、上記実施の形態では、第1光源の一例としてフラッシュランプ221を、第2光源としてLED231を例示している。しかしながら、第1光源および第2光源は、電磁波を発することができるものであればよく、例えば、LD(Laser Diode)、有機EL等を用いることができる。こうすることでも、与えたい美容効果に合わせて波長を選択し所望の美容効果、脱毛効果を与えることができる。
【0149】
また、上記実施の形態では、一体型の光照射型美容装置(発光ユニットの着脱ができない光照射型美容装置)1を例示したが、本体部に着脱可能に装着されるアタッチメントを備えるものとすることも可能である。このとき、アタッチメントを、例えば、ボディ用のアタッチメントやフェイス用のアタッチメント等、複数の光照射用アタッチメントの1つとすることも可能である。こうすれば、用途に応じて複数のアタッチメントを使い分けることができ、より汎用性を持たせた光照射型美容装置を得ることができる上、発光ユニットの交換がより容易になる。
【0150】
また、上記実施の形態では、発光ユニット20が、フラッシュランプユニット22とLEDユニット(LED光源ユニット)23の両方を備えているものを例示している。しかしながら、発光ユニット20が両方を備える必要はなく、フラッシュランプユニット22およびLEDユニット(LED光源ユニット)23のうちのいずれか一方のユニットのみ備えるようにすることも可能である。
【0151】
また、上記実施の形態では、フラッシュランプユニット(第1の光源部)22およびLEDユニット(第2の光源部)23がケース21に保持されるものを例示している。しかしながら、このような構成とする必要はなく、例えば、ケース21でフラッシュランプユニット(第1の光源部)22を保持しつつ、LEDユニット(第2の光源部)23は、ハウジング等の別部品で保持する構成とすることも可能である。
【0152】
また、脱毛用の装置(カット刃を有する装置)等を備えるようにすることで、光照射以外の機能を有するようにしてもよい。
【0153】
また、上記実施の形態では、突壁1121の開口部1121aを出射口113としたものを例示したが、開口部1121aに導光板を設け、開口部1121aと導光板とで出射口113を構成するようにしてもよい。
【0154】
また、第1の光源部や第2の光源部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0155】
以上のように、本開示にかかる発光ユニットおよび光照射型美容装置は、美容効果をより高めることが可能であるので、光を肌に照射して生体作用を得る装置、具体的には、美顔器、脱毛器、理学療法装置、医療装置などに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0156】
1 光照射型美容装置
11 ハウジング
111 把持部
113 出射口
16 ファン(風発生部)
20 発光ユニット
22 フラッシュランプユニット(第1の光源部)
221 フラッシュランプ(第1光源)
23 LEDユニット(第2の光源部)
231 LED(第2光源)
233 ヒートシンク(放熱部)
24 送風路