(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023023937
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】組立式和風ブース
(51)【国際特許分類】
E04B 2/74 20060101AFI20230209BHJP
A47B 83/00 20060101ALI20230209BHJP
A47C 11/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
E04B2/74 561H
A47B83/00
A47C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021129915
(22)【出願日】2021-08-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.Japan Festa 2020(令和2年11月21日) 2.https://www.instagram.com/kouji.tamiya/?hl=ja(令和2年11月24日) 3.https://www.facebook.com/tamiya.seijyo(令和3年3月24日) 4.https://cool-leaf-9591.stores.jp/items/60109267318625147ffa54e8,https://www.tatamiya.gr.jp/(令和3年5月27日) 5.https://www.youtube.com/watch?v=eRWig1hM-Hg&t=124s(令和3年5月28日)
(71)【出願人】
【識別番号】595103887
【氏名又は名称】田宮 恒司
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田宮 恒司
【テーマコード(参考)】
3B095
3B260
【Fターム(参考)】
3B095AA02
3B095AC03
3B260AB05
3B260AB06
3B260AB07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠隔地に運搬・搬送する場合でもコンパクトでまとまりやすく運搬・搬送コストを抑えることができ、低コストで屋内及び屋外・野外を問わず所望の任意の場所で和室空間を形成できるブースを提供する。
【解決手段】組立式和風ブース1は、長板11Lに1対の短板13S,14Sがヒンジ21によって連結され長板11Lに対し1対の短板13S,14Sが折畳み及び展開自在な3連ユニットU1と、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sに対し接続される長板12Lと、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結するL字金具と、3連ユニットU1の長板11L及び1対の短板13S,14Sと長板12Lとのロ字状の組み立てにより形成される台座枠の上に載せられる畳30と、台座枠の上に畳30を載せて形成した畳構造体の側面に立設される格子構造の間仕切り体200とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板と、
前記1対の長板の長さよりも短く、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板と、
前記1対の長板と前記1対の短板とを連結する連結具と、
前記1対の長板が互いに対向し、また、前記1対の短板が互いに対向し前記1対の長板と前記1対の短板とが互いに直角に配置されて前記連結具により連結されることでロ字状に組み立てられる台座枠に対し、その上に載せられる畳と、
前記台座枠に載せられる前記畳の移動を規制する規制手段と、
前記台座枠の上に前記畳を載せることで形成される畳構造体に対し、その側面側に立設する格子構造を有する間仕切り体と
を具備することを特徴とする組立式和風ブース。
【請求項2】
前記規制手段は、前記畳の底面に固着され、前記畳を前記台座枠に載せたときに当該台座枠を構成している前記1対の長板及び前記1対の短板で囲まれる開口部に嵌合する補強板であることを特徴とする請求項1に記載の組立式和風ブース。
【請求項3】
更に、前記畳を前記台座枠に載せたときに前記畳を支持する支持部材を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組立式和風ブース。
【請求項4】
更に、前記間仕切り体を複数連結する間仕切り連結具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の組立式和風ブース。
【請求項5】
前記間仕切り体は、その長さ方向が2分割され互いにヒンジで連結する間仕切り分割体からなり、前記台座枠で囲まれた開口部内に収納自在としたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の組立式和風ブース。
【請求項6】
前記間仕切り体は、前記格子構造の桟間が開口したものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の組立式和風ブース。
【請求項7】
更に、前記間仕切り体と前記台座枠とを固定する固定具を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の組立式和風ブース。
【請求項8】
前記畳の畳床は、シート状の表裏層の間に所定間隔で上下に複数形成した中空状の凸部同士を突き合わせて一体化してなる複数の柱部を有し断面ハニカム状に形成された中間層を有する中空状のハニカム構造体で形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の組立式和風ブース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畳を使用した組立式和風ブースに関するもので、特に、遠隔地に搬送する場合でもコンパクトでまとまりやすく運搬・搬送コストを抑えることができ、低コストで屋内及び屋外・野外を問わず所望の任意の場所で和室空間を形成できる組立式和風ブースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国の固有文化を象徴する畳は日本人の住生活に密着し、日本人は古くから畳の上で座って食事をしたり身体を横にして寝転んだりして生活していた。
ところが、生活様式(ライフスタイル)の多様化でフローリングが普及し、畳のある和室を制作する費用や手入れの手間から、現代では、畳のある和室を取り入れる家屋が減少し、日本独自の文化が失われつつあるのが懸念される。
【0003】
一方で、近年、訪日外国人観光数が増大し、また、インターネットの普及に伴い、畳のある和室の日本固有の文化が海外にも広く知れ渡り、海外で日本の和風文化をインテリアとして取り入れたい要求が増大してきている。
しかしながら、畳のある和室の制作はコストが高く、特に、海外の家屋では、日本とは異なる間取りや寸法であることから、畳のある和室を取り入れるにも床下地の修正等を含めると大掛かりな工事、施工を要し、また、畳や和式建具を輸送する輸送コストもかかることから、高額にならざるを得ない。
【0004】
ここで、例えば、洋間であっても気軽に和風様式を取り入れることができるものとして、フローリングの上に敷く、所謂、置き畳(ユニット畳)が知られている。
また、特許文献1では、4本の縁枠の端部に設けた仕口を介して該縁枠を相互に分離可能に接続して組み立てた方形構造の枠組体と、前記枠組体における一組の対向縁枠の下部に所定間隔を置いて設けられた複数の継ぎ溝に嵌、抜自在に接合する脚端部分を具備すると共に嵌合、組み立てによって前記枠組体の対向縁枠間に差し渡し方向に互いに平行に延設される複数本の荷重受け用棒状支持脚と、前記枠組体における少なくとも一方の一組の対向縁枠の内側に形成した下地板嵌め込み溝に両端を抜き取り自在に嵌め込まれ、前記複数の棒状支持脚上面によって、支承されるように順次に敷設されて複数畳の畳台座面を前記枠組体の内側に形成する複数枚の帯板状の下地板と、前記複数枚の下地板によって形成された畳台座面に順次に並設されて前記枠組体内に複数畳の畳表を形成する複数枚の標準サイズの畳とを、具備して組み立て、分解自在に構成された移動式畳フロアーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうしたフローリングの上に敷く置き畳や畳フロアーであれば、洋室であっても低コストで畳の良さを堪能することが可能であり、日本であっても家屋に和室を持たずして畳の良さを味わうことができる。一方、畳に慣れていない海外の人にとっては、床材としての畳の手入れや畳が汚れたときの清掃に不安がある。また、日本のように正座をして座る文化を持たなかったり、靴を履いたまま生活したりする海外では、畳の上に直接座ることに慣れないこともあり、畳上での生活より、慣れ親しんだ生活様式を変化させることなく、和風インテリアを楽しみたい要望がある。
更に、従来の置き畳や畳フロアーは、室内生活での使用が前提であり、多様なシーンへの展開は困難である。特に、最近では、人々の価値観、趣味、嗜好等の多様化により、また、昨今の感染症予防の意識変化により、開放的な屋外や野外でプライベート空間を楽しみたい需要もある。
【0007】
そこで、本発明は、遠隔地に運搬・搬送する場合でもコンパクトでまとまりやすく運搬・搬送コストを抑えることができ、低コストで屋内及び屋外・野外を問わず所望の任意の場所で和室空間を形成できる組立式和風ブースの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の組立式和風ブースは、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板と、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板と、前記1対の長板と前記1対の短板とを連結する連結具と、前記連結具で連結される前記1対の長板と前記1対の短板とで組み立てられる台座枠の上に載せられる畳と、前記台座枠に載せた畳の移動を規制する規制手段と、格子構造を有する間仕切り体とを具備し、互いに対向させた1対の短板と互いに対向させた1対の長板とを直角に配置して連結具により連結することでロ字状に組み立てる台座枠の上に畳を載せることで畳構造体を形成し、更に、その畳構造体の側面側に間仕切り体を立設することで組立てられるものである。
【0009】
上記1対の長板は、互いに同一寸法とした矩形状の2枚の板で、木製や樹脂製のものからなり、畳の縦寸法に対応する長さ(横寸法)を有するものである。
上記1対の短板も、互いに同一寸法とした矩形状の2枚の板で、木製や樹脂製のものからなり、長板と厚み及び縦寸法(高さ寸法)は同一とするも、横寸法は長板よりも短い長さで、畳の横寸法に対応する長さを有するものである。
【0010】
上記連結具は、各長板と各短板とを連結できるものであればよく、釘、螺子等や、螺子止めするL字型等の金具や、ヒンジ(蝶番)等の回動金具を使用でき、1種のものに限定されない。好ましくは螺子、釘、ボルト等により着脱が容易で強固に結合できるL字金具やヒンジが使用される。特に、平蝶番等の使用により、長板と短板を折り重ね(折り畳み)及び展開自在に連結でき、連結具の取付け及び取り外しの作業をすることなく組み立て及びコンパクト化を容易に行うことができる。また、抜き差し蝶番の使用であれば、芯棒の抜き差し操作で長板と短板の連結及び分離を自在にでき、連結組み立て及び分解によるコンパクト化を容易に行うことができる。
【0011】
そして、1対の長板と1対の短板は、連結具で連結され互いに直角に配置することにより全体形状がロ字状の台座枠を形成する。この台座枠は、1対の長板と1対の短板をロ字状に組み立てた少なくとも4面からなる枠状であればよい。なお、ロ字状とは、全体形状が長方形の枠状を意味する。この台座枠を構成する1対の長板と1対の短板の縦寸法(高さ)は、好ましくは、35cm~45cm、より好ましくは、35cm~45cm、更に好ましくは、38cm~45cmの範囲内で、立ち座りが容易に腰掛けできる高さに設定される。
【0012】
上記畳は、畳床及び畳表から構成されるものであり、好ましくは、畳縁を有するものである。通常、一帖分のサイズを示し、縦横比が略2:1に形成されるが、江戸間(関東間、五八間)、京間(本間、本間間)、中京間(三六間)、六二間、六一間等の規格サイズまでは問われず、規格外のものであってもよい。
【0013】
そして、1対の長板と1対の短板をロ字状に組んでなる台座枠と畳とは、台座枠の上に畳を載せることにより畳構造体を形成する。このとき台座枠の上に載せられた畳は、規制手段によってその水平方向の移動が規制され、位置ずれが防止される。
【0014】
上記規制手段は、台座枠に畳を載せたときの畳の水平方向の移動を規制できるものであればよく、台座枠と畳を結合する固定手段であってもよいし、畳の底面に固着され、畳を台座枠に載せたときに台座枠で囲まれる開口内に嵌合する補強板であってもよいし、畳の底面の四隅側で畳の底面から下方に突出し、台座枠に畳を載せたときに台座枠で囲まれる開口内の四隅側に収まる複数の凸状部であってもよい。
【0015】
更に、上記間仕切り体は、台座枠の上に畳を載せることで形成される畳構造体の側面側に立設して空間を区画するもので、格子構造を有するものである。
上記格子構造とは、縦桟及び横桟をそれぞれ並列的に所定の間隔、周期で並べたもの、即ち、碁盤目状に縦横桟を組んだものに限定されず、縦桟のみまたは横桟のみを並列的に所定の間隔、周期で並べた連子構造も含む広義のものである。
これら格子構造は、間仕切り体の全体でなく一部であってもよく、縦桟間や横桟間に和紙やガラス等の部材が配設していてもよいし、縦横桟間は通気を許容する開口であってもよい。
【0016】
請求項2の発明の組立式和風ブースの前記規制手段は、前記畳の底面に固着され、前記畳を前記台座枠に載せたときに当該台座枠を構成している前記1対の長板及び前記1対の短板で囲まれる開口部に嵌合する補強板である。
上記補強板は、台座枠で囲まれる開口面積より僅かに小さい面積に形成され、畳の底面にボルト締め、釘打ち、接着剤等で固着され、畳を台座枠の上にのせたときに台座枠で囲まれる開口部内に嵌合することにより、その移動が台座枠の内面で拘束されることで、畳の水平方向の移動を規制するものである。補強板の材質は特に問われず、樹脂であってもよいし、合板等の木材であってもよい。更に、この補強板は、畳が位置ずれし難い安定性と軽量性の両立からすれば、10mm~15mmの厚みが好ましい。
【0017】
請求項3の発明の組立式和風ブースは、支持部材により前記畳を支持するものである。
上記支持部材は、1対の長板と1対の短板で構成される台座枠の上面以外で畳を支持するものであり、台座枠内に立設して畳の底面側を支持するものであってもよいし、台座枠の内面側に取付けて畳の底面側を支持するものであってもよい。このとき支持部材は、畳への接触の直接的または間接的を問わず、補強板等の規制手段を介して畳を支持するものであってもよい。
【0018】
請求項4の発明の組立式和風ブースは、間仕切り連結具により前記間仕切り体を複数連結するものである。
上記間仕切り連結具は、間仕切り体同士を連結できるものであればよく、釘、螺子等や、螺子止めする平板状の金具や、ヒンジ(蝶番)等の回動金具を使用でき、1種のものに限定されない。好ましくは螺子、釘、ボルト等により着脱が容易で強固に結合できるヒンジが使用される。特に、平蝶番等の使用により、間仕切り体同士を折り重ね(折り畳み)及び展開自在に連結でき、連結具の取付け及び取り外しの作業をすることなく組み立て及びコンパクト化を容易に行うことができる。また、抜き差し蝶番の使用であれば、芯棒の抜き差し操作で間仕切り体同士の連結及び分離を自在にでき、連結組み立て及び分解によるコンパクト化を容易に行うことができる。
【0019】
請求項5の発明の組立式和風ブースの前記間仕切り体は、その長さ方向が2分割され互いにヒンジで連結する間仕切り分割体からなり、前記台座枠で囲まれた開口部内に収納自在としたものである。即ち、間仕切り体を使用する場合には、ヒンジによる連結で間仕切り分割体を所定の長さ(高さ)に組み立てて畳構造体の側面に立設して使用できる一方、間仕切り体を使用しないときには、間仕切り体の長さ(高さ方向)を2分割した長さに折り畳みまたは分解して、畳構造体を構成する台座枠の開口部内に収納することで、場所を取ることなく、保管できるようにしたものである。
【0020】
上記間仕切り体の長さを2分割した長さの間仕切り分割体を互いに連結するヒンジとしては、例えば、平蝶番や抜き差し蝶番を使用することができる。平蝶番等の使用では、1体の間仕切り体を構成する間仕切り分割体を折り重ね(折り畳み)及び展開自在に連結でき、ヒンジの取付け及び取り外しの作業をすることなく、使用時の立設の組み立て及び収納時のコンパクト化を容易に行うことができる。一方、抜き差し蝶番の使用であれば、芯棒の抜き差し操作で間仕切り体同士の連結及び分離を自在にでき、使用時の間仕切り分割体の連結、立設の組み立て及び収納時の分解(分離)によるコンパクト化を容易に行うことができる。
【0021】
請求項6の発明の組立式和風ブースの前記間仕切り体は、前記格子構造の縦桟や横桟の桟間が開口したものであり、空気の流通、即ち、通気を許容したものである。
【0022】
請求項7の発明の組立式和風ブースは、固定具により前記間仕切り体と前記台座枠とを固定するものである。
上記固定具は、前記間仕切り体と前記台座枠を固定できるものであればよく、釘や螺子等の打ち込みで固定してもよいし、1対の係合具を使用してもよいし、ワイヤ、紐等の締結材や結束具を使用してもよいし、螺子止めする金具を使用して固定してもよい。
【0023】
請求項8の発明の組立式和風ブースの前記畳は、シート状の表裏層の間に所定間隔で上下に複数形成した中空状の凸部同士を突き合わせて一体化してなる複数の柱部を有し断面ハニカム状に形成された中間層を有する中空状のハニカム構造体で形成した畳床を有するものである。
上記ハニカム構造体は、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネイト等の熱可塑性樹脂系シートからなり、一方の面に、例えば、中空状の円錐台形状等の凸部が千鳥格子状に配置された1対(2枚)の成形シートを凸部の先端側を突き合わせるように融着等によって一体化し、更に、1対(2枚)の成形シートの他方の面に樹脂等からなるシートを貼り合わせて形成することができる。上記凸部としては、例えば、円錐台形状、楕円錐台形状、三角錐台形状、四角錐台形状、五角錐台形状等の多角錐台形状、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状、多角星柱形状、多角星錐台形状等の形態がある。なお、畳床は、通常、補強等の観点から、ハニカム構造体に加えて、不織布やフェルト等からなるクッションシートや樹脂製の裏面シート等と組み合わせて形成されるが、ハニカム構造体のみで形成してもよい。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明に係る組立式和風ブースによれば、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板と、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板と、前記1対の長板と前記1対の短板とを連結する連結具と、前記連結具で連結される前記1対の長板と前記1対の短板とで組み立てられる台座枠の上に載せられる畳と、前記台座枠に載せた畳の移動を規制する規制手段と、格子構造を有する間仕切り体とを具備する。
【0025】
したがって、1対の長板を互いに対向して配置し、また、前記1対の長板の長さ方向に対して直角方向で矩形状の1対の短板を互いに対向して配置し、前記1対の長板と前記1対の短板とが連結具で連結されたロ字状の台座枠を組み立て、その台座枠の上に畳を載せて規制手段で畳を位置決めして畳構造体を形成し、更に、畳を台座枠に載せた畳構造体の側面側に格子構造を有する間仕切り体を立設することにより和室空間を形成する。
【0026】
即ち、畳と、古くから日本の建築に取り入れられてきた格子戸や障子を連想させる格子構造を有する間仕切り体との組み合わせによって視覚的に和風装飾を強く意識でき、屋内においては洋室であっても、また、屋外・野外であっても設置するだけで和室空間が形成される。特に、畳を配置した空間を間仕切り体によって区画するから、畳に腰掛けたり座ったりした人は間仕切り体で視界が制限されてプライベート空間を意識することができる。
【0027】
こうして、1対の長板と1対の短板の組み立てで形成する台座枠の上に畳を載せて規制手段で畳が位置決めされた畳構造体と、更に、台座枠に畳が載せられた畳構造体の側面側に格子構造を有する間仕切り体を立設する設置により和室空間を形成するものでは、屋内の既存の洋室であっても、一室に畳を敷き詰めるための特別な工事等を必要とすることなく、和風インテリアを手軽に楽しむことができ、更に、屋外・野外に設置してそこで和室空間を楽しむこともできる。
【0028】
特に、畳を床材として使用するのではなく、台座枠の上に畳を置いた畳構造体の形成により、靴やスリッパを履いたままでも畳の上に椅子のように腰掛けて座ることが可能となり、屋内で靴を履いたまま生活したり、正座等で床座をする習慣のなかったりする海外の人にとっても慣れた生活様式を変えることなく和室空間を体感することができる。また、屋外・野外であっても、間仕切り体で区切られた空間に配置した畳構造体の台座枠に載せた畳の上に靴を履いたまま腰掛けて座ることができ、靴を履いたままでも和室空間を体感することができる。勿論、靴やスリッパを脱いで畳の上に上がって座ったり、寝転んだりすることもでき、多様な使用形態が可能である。
【0029】
そして、畳と、畳が載せられる台座枠を構成する1対の長板及び1対の短板と、台座枠の上に畳を置いた畳構造体の側面側に立設する間仕切り体との、互いに分離した構成部品の組み立てによって和室空間を形成するものであるから、構成部品の分離(分解)した状態での持ち運びが容易にできることで、屋内及び屋外・野外の任意の場所に設置することができ、多目的に使用することが可能である。また、使用しない場合には、構成部品の分離(分解)した状態の省スペースでの保管、収納が可能である。
特に、畳が載せられる台座枠も1対の長板及び1対の短板並びに連結具の使用により組み立てるものであり、1対の長板及び1対の短板をロ字状で囲んだ空間を搬送することなく、1対の長板及び1対の短板は重ねた運搬・搬送、保管が可能でコンパクトにまとめることができる。よって、省スペースでの保管、搬送が可能で、遠隔地に運搬・搬送する場合でも運搬・搬送コストを抑えることができる。
【0030】
請求項2の発明に係る組立式和風ブースによれば、前記畳の底面に固着した補強板が、前記畳を前記台座枠に載せたときに当該台座枠を構成している前記1対の長板及び前記1対の短板で囲まれる開口部に嵌合することで前記台座枠に載せた前記畳が位置決めされる。そして、畳の底面に固着した補強板であれば、荷重がかかる畳を補強し、反り変形も防止できる。よって、請求項1に記載の効果に加えて、畳構造体の畳の安定化を図ることができる。
【0031】
請求項3の発明に係る組立式和風ブースによれば、支持部材によって前記台座枠に載せられた前記畳を支持するから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、畳構造体の台座枠の上に載せた畳がガタツキの少ない安定したものとなる。
【0032】
請求項4の発明に係る組立式和風ブースによれば、間仕切り連結具により前記間仕切り体を複数連結するから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、間仕切り体の立設を安定させることができる。
【0033】
請求項5の発明に係る組立式和風ブースによれば、前記間仕切り体は、その長さ方向が2分割され互いにヒンジで連結する間仕切り分割体からなり、前記台座枠で囲まれた開口部内に収納自在としたものであるから、間仕切り体を使用する場合には、ヒンジによる連結で間仕切り分割体を所定の長さ(高さ)に組み立てて畳構造体の側面に立設して使用できる一方、間仕切り体を使用しないときには、間仕切り体の長さ(高さ方向)を2分割した長さに折り畳みまたは分解して、畳構造体を構成する台座枠の開口部内に収納することができる。よって、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、間仕切り体を使用しない場合でも保管に場所を取らない。間仕切り体を使用する場合でもその組み立てが容易である。
【0034】
請求項6の発明に係る組立式和風ブースによれば、前記間仕切り体は、格子構造の桟間が開口したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、空気の流通が許容されることにより風の抵抗を少なくでき、立設を安定させることができる。また、間仕切り体によって視界を完全に断絶するものでないから、周囲の景色を楽しむことができる。
【0035】
請求項7の発明に係る組立式和風ブースによれば、固定具によって前記間仕切り体と前記台座枠とを固定するから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、間仕切り体の立設をより安定化できる。
【0036】
請求項8の発明の組立式和風ブースによれば、前記畳の畳床は、シート状の表裏層の間に所定間隔で上下に複数形成した中空状の凸部同士を突き合わせて一体化してなる複数の柱部を有し断面ハニカム状に形成された中間層を有する中空状のハニカム構造体を有することから、加重を分散できて耐荷重性、高い剛性を確保しつつ、軽量で済む。よって、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、持ち運びや組み立て作業等の取り扱いがより容易になる。また、ハニカム構造体の中間層が中空であることで、通気性及び通水性を有するから、水分が侵入しても排水、乾燥が容易で湿気が溜り難い。よって、カビやダニの繁殖も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの分解した状態の構成を示す説明図である。
【
図2】
図2は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの分解した状態での運搬・搬送または保管を説明する説明図である。
【
図3】
図3は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの台座枠の組み立てを説明する説明図である。
【
図4】
図4は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの台座枠と畳の組み立てを説明する説明図である。
【
図5】
図5は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの台座枠と畳で形成した畳構造体を説明する説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面及び断面図である。
【
図6】
図6は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの畳の構成を示す断面図である。
【
図7】
図7は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの間仕切り体を説明する説明図であり、(a)はヒンジで連結された1組(2体)の間仕切り体の折り畳み状態の説明図、(b)はヒンジで連結された2体の間仕切り体の略90度に展開した状態の説明図、(c)はヒンジで連結された2体の間仕切り体の略180度に展開した状態の説明図である。
【
図8】
図8は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースのヒンジで連結された2組(4体)の間仕切り体の連結を説明する説明図である。
【
図9】
図9は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースを組み立てて使用するとときの使用形態の例を説明する斜視図であり、(a)はヒンジで連結された2体の間仕切り体をL字状に配置した説明図、(b)はヒンジで連結された4体の間仕切り体をコ字状に配置した説明図である。
【
図10】
図10は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの使用形態の別の例を説明する説明図である。
【
図11】
図11は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの畳構造体と間仕切り体の固定を説明する説明図であり、(a)はL字金具によって間仕切り体の外枠内面側と台座枠の外面側とで固定した例の説明図、(b)は平板状の金具によって間仕切り体の外枠側面外側(端面)側と台座枠の外面側とで固定した例の説明図、(c)はL字金具によって間仕切り体の外枠側面内側と台座枠の外面側とで固定した例の説明図である。
【
図12】
図12は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの間仕切り体の別の構成例を示す説明図であり、(a)は間仕切り体が間仕切り分割体から構成されることを説明する説明図、(b)は間仕切り分割体同士がヒンジで連結された状態の説明図、(c)は間仕切り分割体同士を重ねた状態の説明図である。
【
図13】
図13は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの間仕切り分割体から構成される間仕切り体同士の連結を示す説明図であり、(a)は各間仕切り体が間仕切り分割体から構成されることを説明する説明図、(b)は各間仕切り分割体同士がヒンジで連結された状態の説明図である。
【
図14】
図14は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの間仕切り体を畳構造体に収容する説明図であり、(a)は間仕切り体を間仕切り分割体に分割した状態で台座枠内の開口部に収容される状態を説明する説明図、(b)は畳構造体の内部に間仕切り分割体が収容されている状態を説明する説明図である。
【
図15】
図15は本発明の実施の形態に係る組立式和風ブースの畳構造体の下部の四隅側に脚部を設けた説明図であり、(a)は畳構造体の下部に脚部を取付ける構成の説明図、(b)は畳構造体の下部に脚部を取付けた状態の説明図である。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0039】
まず、本発明の実施の形態に係る組立式和風ブース1の全体構成について、
図1乃至
図10を参照して説明すると、本発明の実施の形態に係る組立式和風ブース1は、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板11L,12Lと互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板13S,14Sとを全体が矩形状のロ字状に組み立て連結具としての螺子止めするヒンジ21及びL字金具22で連結して構成した台座枠10の上に畳30を載せて形成する畳構造体100と、畳構造体100の側面側に立設する格子構造の間仕切り体200とから構成される。
【0040】
即ち、本実施の形態に係る組立式和風ブース1は、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板11L及び長板12Lと、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板13S及び短板14Sとが互いに直角に配設され、連結具としての螺子止めするヒンジ21及びL字金具22で連結されることによりロ字状の台座枠10が構成される。
そして、この台座枠10の上に、畳表32及び畳床31から構成される畳30が載せられることで、畳構造体100が形成される。
【0041】
このとき、台座枠10の上に載せた畳30の移動を規制する規制手段として、畳30の底面には、台座枠10に囲まれた開口部15の開口面積より僅かに小さい面積で形成された補強板41が釘打ち、ボルト締め、接着剤等の接合手段で固着されており、台座枠10の上に畳30を載せたときに、畳30の下面に固着した補強板41が台座枠10で形成された開口部15内に収まることで、畳30の下面に固着した補強板41の水平方向の移動が台座枠10を構成する1対の長板11L,12Lと1対の短板13S及び短板14Sとによって拘束されるから、台座枠10に載せられた畳30の水平方向の移動が規制される。
【0042】
更に、ロ字状に組み立てた台座枠10の上に畳30を載せて形成する畳構造体100の側面側には、畳構造体100よりも高さのある間仕切り体200が立設されることで、間仕切り体200によって畳構造体100を配設した空間が区画される。
本実施の形態では、複数の間仕切り体200を互いに間仕切り連結具としての螺子止めするヒンジ210で連結することにより、安定した立設を可能としている。
【0043】
次に、本実施の形態に係る組立式和風ブース1について更に詳細に説明する。
図3乃至
図5に示すように、畳構造体100を形成する台座枠10を構成する互いに同一寸法で全体が矩形状の1対の長板11L,12Lは、例えば、合板の表面に塗装やプリント、化粧紙を施した化粧合板等の木質の板や樹脂製の板等からなり、畳30を載せる台座枠10を組み立てる際には互いに平行して対向配置される。
【0044】
同様に、畳構造体100を形成する台座枠10を構成する互いに同一寸法で全体が矩形状の1対の短板13S,14Sも、例えば、合板の表面に塗装やプリント、化粧紙を施した化粧合板等の木質の板や樹脂製の板等からなり、畳30を載せるロ字状の台座枠10を組み立てる際には互いに平行して対向配置される。
【0045】
長板11L,12Lと短板13S,14Sは、同一の縦(高さ)及び厚み寸法であるが、横寸法が長板11L,12Lの方が長く、短板13S,14Sの方が短いものである。
そして、畳30を載せるロ字状の台座枠10を組み立てる際には、それら長板11L,12Lと短板13S,14Sが互いに直角に配置される。
【0046】
なお、長板11L,12Lと短板13S,14Sの横寸法は、使用する畳30の寸法に応じて設定され、ロ字状に台座枠10を組み立てたときに、台座枠10の全体の縦横寸法が、畳30の縦横寸法と略一致する大きさに、厚み寸法を考慮しながら設計される。例えば、JIS規格の矩形状の畳30であれば、何れの規格においても、その縦横比が2:1であることから、長板11L,12Lと短板13S,14Sとでロ字状に台座枠10を組み立てたときの縦横寸法の比が2:1となるように、長板11L,12Lや短板13S,14Sの厚み寸法を考慮しながら、長板11L,12Lと短板13S,14Sの横寸法が設定される。特に、短板13S,14Sの横寸法の2倍の長さよりも長板11L,12Lの横寸法の長さが大きくなるように設定することで、長板11Lや長板12Lの横長さに対し、短板13S及び短板14Sの横長さが収まるように重ねて(折り畳んで)コンパクトにまとめることができる。例えば、合板からなる長板11L,12L及び短板13S,14Sであれば、その厚みが、例えば、2~5mm、好ましくは、3~4mmの単板を3~5枚積層して、例えば、10mm~20m、好ましくは、12mm~15mmの範囲内とすることで、100Kg以上の荷重に対しても十分な耐荷重性と、持ち運びが容易な軽量性とを両立できる。
【0047】
また、長板11L,12Lと短板13S,14Sの縦寸法は、好ましくは、30cm~45cmの範囲内、より好ましくは、35cm~45cm、更に好ましくは、38cm~45cmの範囲内である。当該範囲内あれば、大人が腰かけしたときに足が地について座りやすく、また立ち上がり易い高さである。更に、台座枠10で囲まれた開口部15を収納用途として使用するにも使い勝手の良い容量、深さである。また、後述するように間仕切り体210を収容する場合でも所定枚数の収容を可能とする。
【0048】
そして、これら互いに直角に配置する1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sは螺子止めするヒンジ21及びL字金具22による連結によってロ字状に組み立てられ、畳30を支持する台座枠10を形成する。
【0049】
ここで、
図3に示すように、本実施の形態の組立式和風ブース1においては、1対の長板11L,12Lのうちの一方の長板11Lに対し、その長さ方向の両側で1対の短板13S及び短板14Sが螺子止めで取り付けたヒンジ21によって予め連結されており、そのヒンジ結合によって、長板11Lに対し、1対の短板13S及び短板14Sが折畳み及び展開自在に連結されている。
【0050】
即ち、長板11Lの長さ方向の各端部の内面側にヒンジ21の一方の羽根が螺子によって取付けられ、また、短板13S,14Sの一端部の内面側にヒンジ21の他方の羽根が螺子によって取付けられて、長板11Lに対し、その長さ方向の両側で短板13S,14Sが回動自在に接続されている。なお、
図3においては、短板13S,14S側では、その長さ方向の一端縁に沿うようにヒンジ21の羽根が螺子止めされているのに対し、長板11L側では、長さ方向両側の端縁から、短板13S,14Sの厚み分だけ内側の位置でヒンジ21の羽根が螺子止めされており、長板11Lに対し短板13S,14Sを直角に展開したときに、短板13S,14Sの一端面が、長板11Lの内面に当接した状態となる。
【0051】
また、
図3においては、長板11Lと短板13S,14Sを連結するヒンジ21は、それぞれ2個使用しているが、即ち、長板11Lと各短板13S,14Sとを上下の2箇所で連結しているが、3個(3箇所)以上としてもよい。また、ヒンジ21としては、強度の高いステンレス製の平蝶番等が一般的に使用できるが、それ以外のものであってもよい。
【0052】
本実施の形態では、こうしたヒンジ結合により長板11Lに対し、1対の短板13S及び短板14Sが90度以下で回動自在とされ、また、1対の短板13S及び短板14Sが互いに接触することなく長板11Lに対し平行な折り畳みと、垂直方向への展開とが自在な接続となっている。
【0053】
したがって、本実施の形態では、予めヒンジ21によって回動自在に接続した長板11
Lと1対の短板13S及び短板14Sとを、互いに垂直(直角)となるように展開した状態で、即ち、長板11Lと1対の短板13S及び短板14Sとでコ字状を形成するように展開した状態で、互いに平行に対向した1対の短板13S及び短板14Sに対し、残りの長板12LをL字金具22A,22Bを用いて接続するのみで、ロ字状に台座枠10が組み立てられ、台座枠10の組み立てが容易である。
【0054】
即ち、長板11Lに対し垂直に展開し互いに対向させた短板13S,14Sの長さ方向の他端部側に、長板11Lに対し平行で、1対の短板13S,14Sに対し垂直に長板12Lを配設し、長板12Lの長さ方向の各端部の内面側にL字金具22の一片側を螺子22aによって取付け、また、各短板13S,14Sの長さ方向の一端部の内面側にL字金具22の他片側を螺子22aによって取付けることで、1対の短板13S,14Sに長板12Lを接続する。なお、
図3においては、短板13S,14S側では、その長さ方向の一端縁に沿うようにL字金具22の一片側が螺子止めされるのに対し、長板12L側では、長さ方向両側の端縁から、短板13S,14Sの厚み分だけ内側の位置でL字金具22の他片側が螺子止めされており、短板13S,14Sの一端面が長板11Lの内面に当接した互いに垂直な状態で接続されている。
これより、短板13S及び短板14Sが互いに対向し、また、長板11L及び長板12Lが互いに対向して、1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとが互いに垂直に配置して接続されたロ字状の台座枠10が形成される。
【0055】
また、
図3においては、1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結するL字金具22は、それぞれ2個使用しているが、即ち、長板12Lと各短板13S,14Sとを上下の2箇所で連結しているが、3個(3箇所)以上としてもよい。また、L字金具22としては、強度の高いステンレス製やスチール製のものが一般的に使用できるがそれ以外のものであってもよい。
なお、L字金具22の取付け位置は、予め、長板12Lと短板13S,14Sとにマーキングや螺子22aを挿入する螺子穴の穿設等で指示しておくことで、組立式和風ブース1を組み立てる作業者にとって分かりやすくなり、また、誤差の少ない取付けを可能とする。
【0056】
本実施の形態では、このように予めヒンジ21によって長板11Lの両側端部と1対の短板13S,14Sの一端部をヒンジ結合することによって、
図1及び
図2に示すように、長板11Lに対し各短板13S,14Sを平行にして折り畳んだ状態での持ち運びを可能とする。よって、コンパクトにまとめた持ち運びを容易とし、また省スペースでの保管を可能とし、搬送、輸送する際でも場所をとらず搬送、輸送コストを抑えることが可能となる。
【0057】
使用時において畳30を載せる台座枠10を形成する際には、
図3に示すように、長板11Lにヒンジ結合している1対の短板13S,短板14Sを長板11Lの長さ方向に対して垂直方向に展開し、更に、展開して互いに平行に対向配置された短板13S及び短板14Sに対して垂直に長板12Lを配置し、それら1対の短板13S,14Sと長板12Lに対し螺子止めでL字金具22を取り付けることで1対の短板13S,14Sと長板12Lとを接続固定する。これより1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとが互いに垂直(直角)な配置に固定されたロ字状に組み立てられ、畳30を載せる台座枠10が形成される。
よって、金槌等を用意しなくとも、また、組付け作業に手慣れた者でなくとも、ドライバーがあれば畳30を載せる台座枠10を容易に、かつ、誤差が少なく組み立てることができる。また、分解も容易であり、組み立てに使用する部品点数も少ないから、部品の紛失の可能性を少なくできる。
【0058】
そして、
図4及び
図5で示すように、本実施の形態では、このようにして1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとをロ字状に組み立ててなる台座枠10の上に、即ち、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lの上面に、畳30を載せることにより畳構造体100を形成する。
【0059】
ここで、畳30は、基本的には、畳表32と畳床31から構成されている。
畳表32としては、例えば、イ草を緯糸にし、麻糸や綿糸を経糸にして織られた天然素材のものや、ポリプロピレンやポリオレフィン樹脂等の合成樹脂を筒状(パイプ状)や柱状等に成形(紡糸)して得られた繊維状体(線状体)を編みあげたものや、和紙を筒状(パイプ状)や柱状等に成形(紡糸)して得られた繊維状体(線状体)を編みあげて合成樹脂でコーティング加工したものが使用される。イ草を使用したものでは、イ草による空気中の二酸化窒素、揮発性有機化合物(VOC)等の有害物質の吸着やアンモニア等の消臭等の空気浄化効果や、イ草の香りによるリラックス効果等が得られる。一方で、樹脂を使用したものでは、耐久性や耐水性(防水性、撥水性)を高めることができ、雨等の水に濡れても水分を拭き取ることができる。カビやダニががに強いものとなる。例えば、ポリプロピレンと炭酸カルシウム等の無機材料を配合し、内部に空気層を有し表面が凹凸状で微細孔を有する繊維状体(撚糸)を編み上げたものでは、ポリプロピレン樹脂の配合によって耐摩耗性、耐久性に優れ、紫外線により変色し難く、また、炭酸カルシウム及び表面の凹凸や微細孔により、湿気の調節性も良く、水濡れしても乾きやすく、容易に拭き取ることができる。よって、湿気に強く、ダニの繁殖やカビの発生が生じ難く、紫外線や雨の環境下となる屋外や野外に設置したときでも、劣化し難い。
【0060】
また、本実施の形態の畳床31は、
図6に示すように、シート状の表層311f及び裏層311rの間に所定間隔で上下に複数形成した中空状の円錐台形状の凸部311a同士を突き合わせて一体化してなる複数の柱部311Aを有し断面ハニカム状に形成された中間層311mを有する中空状のハニカム構造体311を使用している。
更に、ハニカム構造体331の上層にはフェルトや不織布等からなるクッション材312を配設し、下層には補強板41と接合するポリプロプレン等の合成樹脂シート等からなる裏面シート313を配設している。
即ち、本実施の形態の畳床31は、クッション材312、ハニカム構造体311、及び裏面シート313の3層構造からなるものである。こうしたクッション材312、ハニカム構造体311、及び裏面シート313で構成する畳床31は、予め成形されたボード状のハニカム構造体311に対し、その上層にシート状のクッション材312とその下層に裏面シート311を重ねるだけの簡易な作業で形成できるうえ、ボード状のハニカム構造体311の内部の円錐台形状の凸部311aが中空状であるうえ、凸部311a間は連通した空気層311b(連続した中空部311b)であるから、非常に軽量で取扱いやすいものである。
【0061】
特に、畳床31のハニカム構造体311によれば、中間層311mの互いに対向する1対の成形シート311sにおいて千鳥格子状に所定間隔で形成された円錐台形状の凸部311aの先端部側が互いに付き合わせられて接合一体化していることにより、軽量でありながら、荷重分散性が高く、剛性、耐荷重性に優れるものである。更には、凸部31a間の連続空間(中空部311b)を有することで、通気性及び通水性があり、野外・屋外に設置した際に雨で水分が入り込んでも、畳30を傾けることで、排水を容易にできる。また、通気性があることで、湿気がこもり難くて結露も生じ難く、カビやダニの発生を抑えることができ、長期の衛生的な使用を可能とする。そして、夏場の地面の熱さに対しても断熱性に優れ、畳31の上に腰かけたり座ったりしても熱さを感じ難く、快適に使用できる。加えて、断面がハニカム状で厚み方向の構造が左右対称であり、平面の圧縮強度や曲げ強度にも優れるから、荷重に対する凹み、反り変形が少なく、繰り返しの加重に対しても、安定した平面的な座面を形成でき耐久性が高いものである。
【0062】
なお、このハニカム構造体311は、円錐台形状の凸部311aが千鳥格子状に配置された2枚のポリプロピレン製等の樹脂シー311sを互いに凸部311aの先端側が突き合わせて溶着されて中間層311mを形成し、更に樹脂シートの各表面にポリプロピレン等の樹脂シートや繊維強化樹脂シート等からなる面材(表層311f及び裏層311r)を溶着させた4層の中空ハニカム構造ボードであり、その総目付量は、好ましくは、950g/m2以上、6000g/m2以下の範囲内、より好ましくは、1000g/m2以上、3500g/m2以下の範囲内のものが使用され、その厚みは、好ましくは、9mm~28mmの範囲内、より好ましくは、15mm~25mmの範囲内のものが使用される。当該範囲内であれば、持ち運びやしやすい軽量性、かつ、100Kg以上の耐荷重性のある剛性、強度が得られる。そして、畳30全体を軽量にできることで、畳30が載せられ畳30を支持する台座枠10の軽量化も可能とし、畳構造体100の全体を軽量にできることで、耐荷重性を確保しつつ、持ち運び性に優れるものとなる。
【0063】
また、ハニカム構造体311の上層にクッション材312を配設し、その上から畳表32を覆い包むから、薄い厚みの畳表32を使用してもクッション性が高く、座り心地や寝心地がよい。更に、ハニカム構造体311の下層に合成樹脂シート等からなる裏面シート313を配設することで、補強板41との接合性を良くでき、ガタツキのない強固な接合を可能とする。
【0064】
畳30は、こうしたクッション材312、ハニカム構造体311、及び裏面シート313から構成された畳床31に対し畳床31の上側表面を覆い包むように畳表32を被せて、その端を畳糸(麻糸)で畳床31の側面側に縫い付けることによって製造される。
そして、本実施の形態では、更に、畳表32の長辺側の縁に絹、麻、木綿、化学繊維等の織物からなる畳縁33を縫い付けている。これにより畳表32の擦り切れを防止する補強性や、装飾性、外観性を高めることができる。しかし、本発明を実施する場合には、畳縁33を省略することも可能である。畳表32の厚さは、機械的特性や製造コスト等の観点から通常、0.2~4mmの範囲内、より好ましくは、0.2~3mmの範囲内に設定され、畳30全体の厚みは、好ましくは、12mm~40mmの範囲内、より好ましくは、15mm~35mmの範囲内に設定される。当該範囲内であれば、軽量で持ち運びが容易で、保管、収納が省スペースで済む。
【0065】
ここで、本実施の形態において、畳30の裏面(底面)には、矩形状の合板からなる補強板41が、釘打ち、ボルト締め、接着剤等の接合手段で固着されている。
この補強板41は、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lで形成された台座枠10の内側の開口部15の開口面積よりも僅かに小さい面積に形成され、台座枠10のロ字状に組み立てた1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lの上面に畳30を置いたときに、台座枠10の内側の開口部15に嵌合する。
【0066】
そして、畳30の裏面に固着した補強板41が台座枠10の内側の開口部15に嵌合することにより、台座枠10を構成している1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lによって補強板41の水平方向の移動が拘束されることになるから、畳30が位置決めされる。
即ち、畳30の裏面に固着した補強板41が台座枠10の内側の開口部15に嵌合することで、畳30の水平方向の移動が規制されることになる。
【0067】
更に、畳30の裏面に補強板41を固着することにより畳30をフラットな状態に維持できる寸法形状安定性を向上させることができる。
なお、補強板41の厚みは、例えば、2~5mm、より好ましくは、3~4mmの単板を3~5枚積層して、例えば、10mm~20m、より好ましくは、10mm~15mmの範囲内である。当該範囲内であれば、軽量性と強度、補強性が両立する。
【0068】
更に、本実施の形態では、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lで構成した台座枠10の内面側に、L字金具42を螺子42aによって取付け、L字金具42の面で矩形状の補強板41を受けることで、畳30を支持する耐荷重性及び畳30のガタツキを抑制する安定性を高めている。
【0069】
図4及び
図5において、矩形状の補強板41を受けて畳30を支持する支持部材としてのL字金具42は、台座枠10の上に畳30が載せられ、畳30の裏面に固着した補強板41が台座枠10で囲まれた開口部15に収められたときの補強板41の底面の位置で、台座枠10の四隅(角部)の4箇所と、長板11L,12Lの中央側の2個所の計6箇所に取付けられている。即ち、L字金具42は、L字状の一片側が長板11L,12Lまたは短板13S,14Sの内面に螺子42aによって取付けられ、その他片側で畳30の裏面に固着した補強板41の底面を受ける。
このときL字金具22の取付け位置は、予め、マーキングや螺子42aを挿入する螺子穴の穿設等で指示しておくことで、組立式和風ブース1を組み立てる作業者にとっても分かりやすくなり、また、誤差の少ない取付けを可能とする。
【0070】
図4において、矩形状の補強板41を受けて畳30を支持する支持部材としてのL字金具42の取付箇所は、台座枠10の4隅側、即ち、台座枠10を構成している1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとの互いに垂直に交わる角部と、各長板11L,12Lの長さ方向の中央側の計6箇所であり、L字金具42の詳細な取付位置は各短板13S,14Sの左右両側及び各長板11L,12Lの長さ方向の中央側の計6箇所としている。これによりL字金具42の取付けのバランスがよく、高い安定感が得られ、また、荷重が分散されるのでより耐久性が高いものとなる。
しかし、本発明を実施する場合には、支持部材の取付位置及び個数はそれに限定されるものでなく、長板11L,12L側に取付けてもよく、任意である。
また、本発明を実施する場合には、台座枠10を構成する短板13S,14Sや長板11L,12Lの面に取付けられ、補強板41の底面の一部を受けることができるものであれば、四角形状の2面からなるL字金具42に限定されず、例えば、L字金具42の面が三角形状或いはその他の多角形状であってもよいし、L字状の2面に限定されず、略三角形状の面を有する3面からなる金具であってもよい。
【0071】
こうして、本実施の形態の組立式和風ブース1においては、
図1及び
図2に示すように、ヒンジ21によりヒンジ結合した長板11Lと1対の短板13S,14Sとの3連ユニットU1と、1対の短板13S,14Sに対してL字金具22を用いて固定接続される長板12Lと、底面に補強板41が固着した畳30との分離された構成部品から、
図3に示すように、3連ユニットU1の長板11L及び1対の短板13S,14Sと長板12Lとのロ字状の組み立てにより台座枠10を形成し、そして、
図4及び
図5に示すように、台座枠10の上に畳30を載せ、その底面に固着した補強板41が台座枠10で囲まれた開口部15に嵌合して畳30が位置決めされることで、有蓋無底の直方体状の畳構造体100が形成される。
【0072】
即ち、使用時には、
図3に示すように、ヒンジ結合された長板11Lと1対の短板13S,14Sとの3連ユニットU1の長板11Lに対して垂直に各短板13S,14Sを展開し、互いに平行に対向させた短板13S及び短板14Sに対して長板12Lを垂直に配置し、それら1対の短板13S,14Sと長板12LにL字金具22を螺子止めして取付け、1対の短板13S,14Sと長板12Lとを互いに垂直に接続固定することによりロ字状の台座枠10を形成する。
【0073】
そして、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lで形成した台座枠10の上には、
図4及び
図5に示すように、底面に補強板41が固着されている畳30を載せる。このとき補強板41が台座枠10で囲まれた開口部15に嵌合し、補強板41の水平方向の動きが台座枠10の1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lで拘束されることで台座枠10に載せられた畳30の水平方向の移動が規制され固定される。
こうして使用時には、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lからロ字状の台座枠10を組み立て、その上に畳30を載せることで、直方体状の畳構造体100を形成する。
【0074】
一方、非使用時には、
図1及び
図2に示すように、ヒンジ21によりヒンジ結合した長板11Lと1対の短板13S,14Sとの3連ユニットU1と、1対の短板13S,14Sに対してL字金具22を用いて接続される長板12Lと、底面に補強板41が固着した畳30との相互に分離した状態で保管、運搬・搬送することができ、保管、運搬・搬送に場所を取らず、持ち運びも容易に行うことができる。
【0075】
特に、本実施の形態では、長板11Lに対して1対の短板13S,14Sをヒンジ21によりヒンジ結合していることで、使用時には、長板11Lに対し直角に1対の短板13S,14Sを展開することでコ字状の組み立てを容易にし、それら1対の短板13S,14SにL字金具22を使用して長板12Lを接続するのみでロ字状の台座枠10を容易に形成できる。一方、運搬・搬送や保管時には、3連ユニットU1と長板12Lとに分離した状態で、3連ユニットU1の長板11Lに対して1対の短板13S,14Sを平行にして折り畳むことで低嵩にでき、長板11Lと1対の短板13S,14Sの接続状態で容易にコンパクトにまとめることができ、持ち運びも容易に行うことができる。
【0076】
また、組み立てられた畳構造体100を分解するときでも、台座枠10から畳30を上方に持ち上げるだけで畳30と台座枠10とを容易に分離でき、更に、台座枠10を分解するときも、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結したL字金具22を取付けている螺子22aを外すだけで、3連ユニットU1と長板12Lとに容易に分解(分離)され、3連ユニットU1は長板11Lに対して1対の短板13S,14Sを折り畳むだけで容易にコンパクトにできる。
【0077】
更に、本実施の形態の組立式和風ブース1は、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lがロ字状に組み立てられた台座枠10の上に畳30を載せて形成した畳構造体100に対し、
図7乃至
図10に示すように、その側面側に格子構造の間仕切り体200を立設することにより、畳構造体100を配置した空間を間仕切り体200によって区画する。これにより畳のある和風空間を演出することができる。
即ち、畳構造体100に隣接して間仕切り体200を立設することで、区画された立体的な空間が認識され、また、畳30に座った人は間仕切り体200によって視界が制限されてプライベート空間を意識できる。特に、畳30のみならず、古くから日本の建築に取り入れられてきた格子戸や障子を連想させる格子構造の間仕切り体200によって、より和風装飾を意識できるものとなる。
【0078】
間仕切り体200は、高さ(縦寸法)が、例えば、100cm~220cmmの範囲内である。好ましくは、150cm~200cmの範囲内、より好ましくは、170cm~190cmであれば、安定した自立での立設を可能とし、また、屋外であっても部屋に設置したときでも畳30に腰かけたり座ったりした人に圧迫感を与えることなくその視界を制限できる。
【0079】
そして、本実施の形態の間仕切り体200は、和を意識させる木材からなり、木製の太枠の外枠の中に木製の細枠である縦桟と横桟とがそれぞれ等間隔に配置されて組み込まれたもので、枠で囲まれた空間で空気の流通が許容されているものである。したがって、間仕切り体200は、視界を完全に遮るものではなく、それが配置される空間を狭く感じさせることなく空間を区切ることができ、また、通風を確保できる。特に、屋外、野外では間仕切り体200で視界が制限されても、その周囲の景色を楽しむこともできる。
【0080】
ここで、畳構造体100の側面側に立設させる間仕切り体200は、1体であってもよいが、2体以上を間仕切り連結具で連結して2連以上としたものが好ましい。
本実施の形態では、螺子止めするヒンジ210で予め2体を1組として連結した2連の間仕切りユニットU2を1組または2組以上備える。
【0081】
2連の間仕切りユニットU2は、
図7に示すように、各間仕切り体200の側面の端面にヒンジ210の各羽根側を螺子止めによって取付けることで、間仕切り体200同士が互いに180度の範囲内で回動自在に連結されている。本実施の形態においては、間仕切り体200同士を連結するヒンジ210を、3個使用し3箇所で連結することにより木製の間仕切り体200の反り変形等を防止し、形状の安定性や立設の安定性を図っている。しかし、本発明を実施する場合には、ヒンジ210の個数は任意とすることができる。ここでは、ヒンジ221として、強度の高いステンレス製の平蝶番を使用したが、本発明を実施する場合には、360度に回転自在とする蝶番の使用によって間仕切り体200同士を360度で回動自在とするようにして取付けてもよいし、後述するように、抜き差し蝶番等を使用してもよい。
【0082】
このように間仕切り体200同士を予めヒンジ210により連結させた2連の間仕切りユニットU2では、その平蝶番によるヒンジ結合によって、運搬・搬送、保管時には、間仕切り体200同士を互いに平行にして折り重ねた(折り畳んだ)状態にできる一方、使用時には、互いに連結したまま回動して180度以内の所望の角度に展開することができる。
即ち、使用時には、間仕切りユニットU2の2連の間仕切り体200同士を所定の角度に回動して展開するのみで互いに接続している間仕切り体200同士が所定の角度で展開した安定した立設が可能である。一方、運搬・搬送、保管時の非使用時には、間仕切り体200同士を互いに平行に折重ねて畳むことで、容易にコンパクトにできる。
【0083】
特に、本実施の形態の各間仕切り体200は、その縦横寸法を畳30の縦横寸法と同等程度に形成、例えば、その横寸法を85cm~95cmの範囲内、縦寸法が175cm~195cmの範囲内に形成し、縦横寸法の比を略2:1にすることによって、安定した立設が可能であり、また、
図1及び
図2で示すように、畳30の寸法と同等程度のコンパクトさであることで持ち運びを容易にし、保管、運搬・搬送の際にも場所を取らないものとしている。そして、各間仕切り体200の横寸法を畳30の横寸法と同等し、畳30の縦横寸法の比が略2:1であるから、畳構造体100の畳30の縦寸法の幅に間仕切り体200の2体分の横寸法が対応し、畳30の横寸法の幅に間仕切り体200の1体分の横寸法が対応する。
【0084】
例えば、1組の2連の間仕切りユニットU2を使用し、
図9(a)に示すように、間仕切り体200同士を略直角に展開して、一方の間仕切り体200を畳構造体100の畳30の短辺側の側面、即ち、短板13Sまたは短板14S側の側面にL字状に配置して立設し、他方の間仕切り体200を畳30の短辺側に対して直角な長辺側の側面、即ち、長板11Lまたは長板12L側の側面に立設する。それら間仕切り体200同士がヒンジ210で連結した直角な配置によって、つまり、畳構造体100の互いに直角な側面の2面、即ち、短板13S,14Sの一方及び長板11L、12Lの一方の側面に隣接した状態の配置によって、安定な自立となる。勿論、間仕切り体200同士を180度の角度に展開して共に畳構造体100の畳30の長辺側、即ち、長板11Lまたは長板12L側の側面の側面に立設してもよい。この場合には、後述するように間仕切り体200を畳構造体100に固定する固定具220の使用によってより安定した立設を可能とする。
【0085】
また、2連の間仕切りユニットU2を2組使用する場合には、例えば、
図9(b)に示すように、各間仕切りユニットU2の間仕切り体200同士を略直角に展開し、一方の間仕切り体200を畳構造体100の畳30の短辺側の側面、即ち、短板13S、14S側の側面に立設し、他方の間仕切り体200を畳30の短辺側に対して直角な長辺側の側面、即ち、長板11Lまたは長板12L側の側面に立設して2組の間仕切りユニットU2をコ字状の配置とする。畳構造体100のコ字状に配設する側面の3面、即ち、短板13S、14Sの側面及び長板11L、12Lの一方の側面に隣接した状態の配置によって、各間仕切りユニットU2が安定な自立となる。このとき、
図8に示すように、間仕切りユニットU2同士をヒンジ210によってヒンジ結合し、即ち、4体の間仕切り体200同士をヒンジ210による連結によって接続し、
図9(b)に示すように、畳構造体100をコ字状に囲む配置によって、間仕切り体200のより安定した自立が可能となる。
【0086】
2組の間仕切りユニットU2同士を接続する場合には、
図8に示すように、ヒンジ210の一方の羽根を予め一方の間仕切りユニットU2の間仕切り体200に螺子210aによって取付けておいてもよい。これにより、運搬・搬送、保管の際には、2連の間仕切りユニットU2の1組ずつを重ねた運搬・搬送、保管を可能とし、使用時には、ヒンジ210の他方の羽根を別の間仕切りユニットU2の間仕切り体200に螺子210aで取付けるのみで、2組の間仕切りユニットU2同士を容易に接続することができ、4体の間仕切り体200がヒンジ210で接続された4連構造のものを容易に組み立てることができる。
【0087】
更に、
図9で示した畳1帖分の和室空間に限定されず、例えば、
図10に示すように、複数の畳構造体100と複数の間仕切り体200との組み合せによって任意の大きさの和室空間を形成できる。
図10においては、2体の畳構造体100を対向して配置し、それらをコ字状に囲むように7体の間仕切り体200を配置している。好ましくは、間仕切り体200同士をヒンジ210で結合した7連構造とすることで安定した立設が可能となる。しかし、使用時には、本複数の畳構造体100と複数の間仕切り体200の配置はそれに限定されず、2体の畳構造体100をL字に配置したり、複数の畳構造体100を隣接して配置してもよいし、間仕切り体200をL字状やT字状に配置したり、畳構造体10の周囲を囲むように配置したりしてもよい。
【0088】
ここで、本実施の形態の間仕切り体200では、空気の流通を許容し風を通すことで風の抵抗を受け難いものであるが固定具220によって間仕切り体200を畳構造体100に固定してもよい。
【0089】
例えば、
図11(a)に示すように、畳構造体100に対し短板13S,14Sの側面側に隣接して立設させた間仕切り体200の側面側の縦の外枠の内面側と、短板13S,14Sに対して直角に接続されている長板12Lの長さ方向端部側の外面とに、固定具としてのL字金具220を螺子止めによって取付けることで、間仕切り体200を畳構造体100に固定することができる。
または、
図11(b)に示すように、畳構造体100に対し短板13S,14Sの側面側に隣接して立設させた間仕切り体200の側面側の縦の外枠の側面(端面)と、短板13S,14Sに対して直角に接続されている長板12Lの長さ方向端部側の外面とに、固定具としての平板金具220を螺子止めによって取付けることで、間仕切り体200を畳構造体100に固定することができる。
【0090】
更には、
図11(c)に示すように、畳構造体100に対し短板13S,14Sや長板11L、12Lの側面側に隣接して立設させた間仕切り体200の縦の外枠または縦桟と、短板13S,14Sや長板11L、12Lの外面とに、固定具としてのL字金具220を螺子止めによって取付けることでも、間仕切り体200を畳構造体100に固定することができる。
或いは、螺子、釘、ボルト・ナット等の固定具220を使用し、釘打ちやボルト締めによって間仕切り体200と畳構造体100を固定してもよい。
こうした固定具220で間仕切り体200を畳構造体100に固定することで、屋外、野外で使用した場合でも風でガタツキが生じ難いものとなり、屋外、野外で風を受けてもより安定した立設を可能とする。なお、固定具220の取付箇所は任意とすることができる。
【0091】
このように本実施の形態の組立式和風ブース1は、長板11Lの長さ方向両側端部に互いに実質的に同一形状、構造の1対の短板13S,14Sがヒンジ21によって連結されて長板11Lに対し1対の短板13S,14Sが折畳み及び展開自在に接続した3連ユニットU1と、長板11Lと実質的に同一形状、構造であり3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sに対し接続される長板12Lと、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結するL字金具22と、3連ユニットU1の長板11L及び1対の短板13S,14Sと長板12Lとのロ字状の組み立てにより形成される台座枠10の上に載せられる畳30と、台座枠10の上に畳30を載せて形成した畳構造体100の側面に立設される格子構造の間仕切り体200とから構成されるものである。
【0092】
したがって、使用時には、3連ユニットU1において長板11Lの長さ方向両側端部にヒンジ21によって連結された1対の短板13S,14Sを長板11Lの長さ方向に対し直角方向に展開し、3連ユニットU1の長板11Lに対して直角に配置した1対の短板13S,14Sに対し長板12LをL字金具22の連結により接続して、ロ字状の台座枠10を組み立て、その上に畳30を載せることで畳構造体100を形成する。また、その畳構造体100の側面に格子構造の間仕切り体200を立設する。
【0093】
こうした1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとをロ字状に組み立てて台座枠10を形成し、その台座枠10の上に畳30を載せることで組み立てられる畳構造体100と、その畳構造体100の側面に立設する間仕切り体200とによって和室空間を形成する。
【0094】
したがって、本実施の形態の組立式和風ブース1によれば、畳構造体100の畳30と、古くから日本の建築に取り入れられてきた格子戸や障子を連想させる格子構造の間仕切り体200との組み合わせによって、区画された立体的な和室空間(和風区間)、和風装飾を意識でき、屋内においては洋室であってもその空間を完全に切り離すことなく和風インテリアとしての和室空間を形成でき、また、屋外・野外でも和室空間を形成することができる。そして、畳構造体100を配置した空間を間仕切り体200によって区画するから、畳構造体100の畳30に腰掛けたり座ったりした人は間仕切り体200で視界が制限されてプライベート空間を意識することができる。
【0095】
特に、畳30を床材として使用するのではなく、台座枠10の上に畳30を置くことで、靴やスリッパを履いたままでも畳30の上に椅子のように腰掛けて座ることが可能であり、屋内で靴を履いたまま生活したり、正座等で床座をする習慣のなかったりする海外の人にとっても、慣れた生活様式を変えることなく和室空間を使用することができる。屋外・野外でも間仕切り体200で区切られた空間に配置した畳構造体100の畳30に靴やスリッパを履いたまま腰掛けて座ることで、靴やスリッパを履いたままでも和室空間を意識することができる。
勿論、靴やスリッパを脱いで畳30の上に足を載せて座ることもできるし、寝転んで横になることもでき、使用者の好みに応じた多様な使用形態が可能である。
また、畳構造体100内部の台座枠10で囲まれた開口部15は収納用途にもなる。
即ち、台座枠10の上に畳30を載せた畳構造体100であれば、畳30に腰かけたり、座ったり、寝転んだり等の畳30の汎用性のある使途が可能であり、また、多用途性のあるものである。
【0096】
そして、本実施の形態では、畳30が載せられる台座枠10は、ロ字状であるから、台座枠10を設置する面が平面でなく、多少の凹凸、起伏のある地面であっても、その上にガタツキの少ない安定した設置を可能とする。更に、持ち運びも軽量にできる。
また、本実施の形態の台座枠10の1対の短板13S,14Sと1対の長板11L,12Lとの連結にヒンジ21及びL字金具22の使用により、枠内の開口部15の三次元空間が容易に変形しない形態を維持しているも、ヒンジ結合に多少の弾力性、自由度があることで、多少の凹凸、起伏のある地面であっても安定感が得られる。
【0097】
更に、畳30の底面には補強板41が固着されており、その補強板41が台座枠10で囲まれた開口部15に嵌合することで、台座枠10の上で畳30の位置が固定されて水平方向に移動しない。一方で、畳30を持ち上げるだけで、台座枠10の上から畳30を容易に外すことができる。畳30のみを立てかけて乾燥させることも容易であるから、畳30を長持ちさせることが可能である。また、床面や地面に畳30を敷くものではなく、台座枠10の上に畳30を載せて台座枠10によって畳30を高い位置で支持する畳構造体100の構成であるから、埃等の汚れが畳30に付着し難く、手入れも楽である。
加えて、台座枠10の上に載る部分を除いた畳30の面積に補強板41が固着されていることで、湿気や温度の変化、例えば、床面から床暖房の断熱効果や日光による畳30の反り等の変形を防止することができる。
【0098】
そして、格子構造からなる間仕切り体200は、空気の流通を許容するものであり、軽量で持ち運びを容易にできるうえ、野外、屋外でも風の抵抗を生じ難いものであるから、安定した立設を可能とする。更に、間仕切り体200で視界を制限できるも、周囲を完全に遮断しない間仕切り体200の配置によって、元の空間を完全に切り離すことのない空間を形成でき、室内であれば元の空間を狭く感じさせることのない和風インテリアともなるし、屋外・野外であれば周囲の景色を楽しむこともできる。畳構造体100の周囲を間仕切り体200で包囲しても、間仕切り体200が通風を確保した格子構造であれば周囲の景色を楽しむことも可能である。
【0099】
こうして、本実施の形態の組立式和風ブース1は、長板11Lの長さ方向両側端部に互いに同一寸法形状の1対の短板13S,14Sがヒンジ21によって連結され長板11Lに対し1対の短板13S,14Sが折畳み及び展開自在に接続した3連ユニットU1と、長板11Lと同一の寸法形状であり3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sに対し接続される長板12Lと、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結し1対の短板13S,14Sと長板12Lとに取付け及び取り外し自在なL字金具22と、3連ユニットU1の長板11L及び1対の短板13S,14Sと長板12Lとのロ字状の組み立てにより形成される台座枠10の上に載せられる畳30と、台座枠10の上に畳30を載せて形成した畳構造体100の側面に立設される格子構造の間仕切り体200とを有するから、使用時には、3連ユニットU1の1対の短板13S,14S及び長板11Lと長板12Lとをロ字状に組み立てて台座枠10を形成し、その台座枠10の上に畳30を載せることで畳構造体100を組み立て、更にその畳構造体100の側面に間仕切り体200を立設する組み立てによって、和室空間を形成することができる。
【0100】
一方、運搬・搬送時や保管・収納時の非使用時には、ヒンジ21によりヒンジ結合した長板11Lと1対の短板13S,14Sとの3連ユニットU1と、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sに対してL字金具22で接続される長板12Lと、底面に補強板41が固着した畳30と、間仕切り体200とを相互に分離した状態で保管、運搬・搬送することができる。長板11Lに対し1対の短板13S、14Lを折り畳んだ(折り重ねた)3連ユニットU1、長板12L、畳30及び間仕切り体200は、平板状であるから、互いに重ね合わせてコンパクトにまとめて保管・収納、運搬・搬送することが可能である。即ち、3連ユニットU1、長板12L、畳30及び間仕切り体200を分離した状態で重ね合わせてコンパクトにまとめることができることで、持ち運びの作業が容易であり、また、運搬・搬送や保管・収納時のも省スペースで済む。
【0101】
特に、本実施の形態では、長板11Lに対して1対の短板13S,14Sを予めヒンジ21の取付けによりヒンジ結合し3連ユニットU1としていることで、使用時には、長板11Lに対し直角に1対の短板13S,14Sを展開することでコ字状の組み立てを容易にし、それら1対の短板13S,14SにL字金具22を使用して長板12Lを接続するのみでロ字状の台座枠10を容易に形成できる。予めのヒンジ21による連結であれば、作業時の取付けまたは取り外しの部品数が少なくて済み、部品の管理が容易で紛失の恐れも少ないものである。
【0102】
一方、運搬・搬送や保管・収納時には、3連ユニットU1と長板12Lとに分離した状態で、3連ユニットU1の長板11Lに対して1対の短板13S,14Sを平行にして折り畳むことで平板状とし、畳30や間仕切り体200と重ねて省スペースでの保管(収納)、運搬・搬送ができる。特に、本実施の形態では、間仕切り体200の1対の長板11L,12Lの横寸法が畳30の長さ(縦寸法)に対応し、1対の長板11L,12Lの縦(高さ)寸法が畳30の横寸法よりも短く、また各間仕切り体200も畳30の寸法に対応していることから、
図2に示すように、畳30の1帖分のサイズにコンパクトにまとめることができる。よって、持ち運びの移動や梱包も容易であり、また、運搬・搬送が低コストで済む。それらは重ねた状態で地面に置くこともできるし、壁等に立てかけることもでき、特に立て掛けた状態では置く面積が少なくて済む。そして、製造段階において組み立てないから、製造時にもスペースを取らないものである。
【0103】
また、組み立てられた畳構造体100を分解するときでも、台座枠10から畳30を上方に持ち上げるだけで畳30と台座枠10とを容易に分離でき、更に、台座枠10を分解するときも、3連ユニットU1の1対の短板13S,14Sと長板12Lとを連結したL字金具22を取付けている螺子22aを外すだけで、3連ユニットU1と長板12Lとに容易に分解(分離)され、3連ユニットU1は長板11Lに対して1対の短板13S,14Sを折り畳むだけで容易にコンパクトにできる。
そして、1対の短板13S,14S及び1対の長板11L,12Lを連結するヒンジ21、L字金具22や、畳30を支持するL字金具42は台座枠10の内面側に取付けるものであり外観から分からないものであるから、見栄えもよい。
【0104】
更に、本実施の形態では、間仕切り体200同士を予めヒンジ210の取付けによりヒンジ結合した2連の間仕切りユニットU1を形成しておくことで、使用時には、間仕切り体100同士を所定の角度に展開するのみで安定した立設を可能とする。また、複数の間仕切りユニットU1同士をヒンジ210で螺子止めすれば、多くの間仕切り体200を連結する場合でも、組み立てが容易にできる。一方、運搬・搬送時や保管・収納時の非使用時には、間仕切りユニットU1の間仕切り体100同士が平行になるよう折り畳むのみでコンパクトにできる。よって、畳30、長板12L、3連ユニットU1と重ねて省スペースでの保管・収納、運搬・搬送ができる。また、間仕切りユニットU1の単位で重ねることができる。多数の間仕切り体200を組み立てた場合でも、折り畳み可能な2連の間仕切りユニットU1の単位でヒンジ21を取り外して分解すればよいから、分解作業も容易である。
したがって、本実施の形態の組立式和風ブース1においては、組み立て及び分解が容易であることから短時間で組み立てて設置することができ、また、分解する場合でも短時間で済む。
【0105】
以上説明してきたように、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板11L,12Lと、1対の長板11L,12Lの長さよりも短く、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板13S,14Sと、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとを連結する連結具としてのヒンジ21及びL字金具22と、
1対の長板11L,12Lが互いに対向し、また、1対の短板13S,14Sが互いに対向し1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとが互いに直角に配置されて連結具としてのヒンジ21及びL字金具22により連結されることでロ字状に組み立てられる台座枠10に対し、その上に載せられる畳30と、台座枠10に載せられる畳30の移動を規制する規制手段として、台座枠10の1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sに囲まれた開口部15に嵌合する補強板41と、台座枠10の上に畳30を載せることで形成される畳構造体100に対し、その側面側に立設する格子構造の1体または2体以上の複数体の間仕切り体200とを具備するものである。
【0106】
したがって、上記実施の形態の組立式和風ブース1によれば、互いに同一寸法とした矩形状の1対の長板11L,12Lを互いに対向させて配置し、また、1対の長板11L,12Lの長さ方向に対して直角に、互いに同一寸法とした矩形状の1対の短板13S,14Sを互いに対向させて配置し、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとを連結具としてのヒンジ21及びL字金具22で連結することによりロ字状の台座枠10を形成し、その台座枠10の上に畳30を載せ、規制手段として畳30の底面に固着した補強板41を台座枠10で囲まれた開口部15に嵌合して台座枠10の上に畳30を位置決めすることで、畳構造体100を形成する。そして、台座枠10に畳30を載せて形成した畳構造体100の側面側に格子構造を有する間仕切り体200を立設する組み立てにより和室空間を形成する。
【0107】
即ち、畳構造体100の畳30と、古くから日本の建築に取り入れられてきた格子戸や障子を連想させる格子構造を有する間仕切り体200との組み合わせによって視覚的に和風装飾を強く意識でき、屋内においては洋室であっても、また、屋外・野外であっても設置するだけで和風の空間を形成する。そして、畳構造体100を配置した空間を間仕切り体200によって区画するから、畳30に腰掛けたり座ったりした人は間仕切り体200で視界が制限されてプライベート空間を意識することができる。
【0108】
こうして、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sをロ字状の組み立てで形成する台座枠10の上に畳30を載せ、このとき畳30の底面に固着した補強板41を台座枠10で囲まれた開口部15に嵌合することで畳30の水平方向の移動を規制して畳30の位置を固定し、更に、台座枠10に畳30を載せて形成した畳構造体100の側面側に格子構造を有する間仕切り体200を立設する設置により和室空間を形成するものでは、屋内の既存の洋室であっても、一室に畳を敷き詰めるための特別な工事等を必要とすることなく、和風インテリアを手軽に楽しむことができ、更に、屋外・野外に設置してそこで和室空間を楽しむこともできる。
【0109】
特に、畳30を床材として使用するのではなく、台座枠10の上に畳30を置いた畳構造体100の設置とすることで、靴やスリッパを履いたままでも畳30の上に椅子のように腰掛けて座ることが可能となり、屋内で靴を履いたまま生活したり、正座等で床座をする習慣のなかったりする海外の人にとっても慣れた生活様式を変えることなく和室空間を体感することができる。また、屋外・野外であっても、間仕切り体200で区切られた空間に配置した畳構造体100の台座枠10に載せた畳30に靴を履いたまま腰掛けて座ることができ、靴を履いたままでも和室空間を体感することができる。勿論、靴やスリッパを脱いで畳30の上に上がって座ったり、寝転んだりすることもでき、多様な使用形態が可能である。
【0110】
そして、畳30と、畳30が載せられる台座枠10を構成する1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sと、間仕切り体200との、互いに分離した構成部品の組み立てによって和室空間を形成するものであるから、構成部品の分離(分解)した状態での容易な持ち運びが可能で、屋内及び屋外・野外の任意の場所に設置することができ、多目的、多様な場面に使用することが可能である。また、使用しない場合には、構成部品の分離(分解)した状態で広いスペースを占有することなく保管・収納、運搬・搬送でき、持ち運びも容易である。
このとき、畳30が載せられる台座枠10も1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sを連結具としてのヒンジ21及びL字金具22の連結による接続でロ字状に組み立てるものであり、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sによるロ字状で囲んだ空間を搬送することなく、分離した状態で重ね合わせて持ち運びや保管ができ、省スペースでの保管・収納、運搬・搬送が可能である。
よって、遠隔地に搬送する場合でも搬送コストを抑えることができる。故に、日本文化を海外へ広げることや日本文化の伝承への貢献が期待できる。
【0111】
特に、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、1対の長板11L,12Lの一方に対し、その長さ方向の両側に1対の短板13S,14Sが予め連結具としての平蝶番からなるヒンジ21によってヒンジ結合された3連ユニットU1を構成したものである。
よって、ヒンジ結合により1対の長板11L,12Lの一方に対し1対の短板13S,14Sが折畳み及び展開自在に連結されているものであり、使用時に台座枠10を組み立てる際には、1対の長板11L,12Lの一方に対し1対の短板13S,14Sを直角に展開し、別の連結具としてのL字金具22による連結で1対の長板11L,12Lの他方を1対の1対の短板13S,14Sに接続するのみで、ロ字状の台座枠10を組み立てることができる。また、運搬・搬送時や保管時の非使用時には、L字金具22を外して、1対の長板11L,12Lの他方を1対の短板13S,14Sから分離し、ヒンジ21で接続されている1対の長板11L,12Lの一方に1対の短板13S,14Sを折り畳む(折り重ねる)のみで、コンパクトにまとめることができる。したがって、1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sをロ字状に組み立てる台座枠10の組み立てと、1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sを重ねてコンパクトにまとめる分解とが容易である。
なお、上記実施の形態においては、長板11Lと長板12Lは同一であり、両者は区別されるものではない。短板13Sと短板14Sについても同じある。
【0112】
ここで、上記実施の形態においては、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとの連結に平蝶番からなるヒンジ21とL字金具22とを使用したが、本発明を実施する場合には、それらの連結具に限定されず、例えば、抜き差し蝶番を使用してもよい。
即ち、予め、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとに抜き差し蝶番の1対の羽根部の一方を螺子止めしておき、台座枠10の組み立て時には、抜き差し蝶番の1対の羽根部の他方の羽根部との軸受けの係合により連結して、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとを互いに直角に接合固定する。一方、搬送・運搬や保管・収納時には、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sに螺子止めされている抜き差し蝶番の1対の羽根部が分離した状態とし、即ち、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sとを互いに分離(分解)した状態とし、互いに重ね合わせて搬送・運搬や保管・収納することができる。
【0113】
また、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、畳30の底面に固着され、畳30を台座枠10に載せたときに台座枠10を構成している1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sで囲まれた開口部15に嵌合する補強板としての補強板41によって規制手段を構成する。
したがって、畳30の底面に固着した補強板41が、畳30を台座枠10に載せたときに台座枠20を構成している1対の長板11L,12L及び1対の短板13S,14Sで囲まれた開口部15に嵌合することで台座枠10に載せた畳30の水平方向の移動が規制され位置決めされる。そして、畳30の底面に所定面積の補強板41を固着したことで荷重がかかる畳30が補強され、また、畳30の反り変形を防止することも可能である。よって、安定した座面を形成できる。
【0114】
しかし、本発明を実施する場合には、規制手段は補強板41等の補強板に限定されず、例えば、畳30の底面の四隅にそれぞれ固着して畳30の底面から下方に突出し、畳30を台座枠10に載せたときに台座枠10で囲まれた開口部15に収まる凸状片であってもよい。
【0115】
更に、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、台座枠10の内面側に取付けられ、畳30を台座枠10に載せたときに畳30を支持する支持部材としてのL字金具42を具備するものであるから、耐荷重性を高くでき、よりガタツキの少ない安定した座面を形成できる。即ち、持ち運び時の軽量性を確保しつつ、耐荷重性を大きくできる。また、台座枠10の内面側に取付けられることで、台座枠10の枠内の開口部15の収納を邪魔しない。
【0116】
そして、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、間仕切り体200の格子構造の縦横桟間が開口したものであり、空気の流通を許容するものであるから、風の抵抗を少なくでき、立設を安定させることができる。また、軽量化でき持ち運びが容易である。更に、間仕切り体200によって視界を完全に断絶するものでないから、周囲の景色を楽しむことができる。また、使用者の好み等に応じて紙等を貼り付け障子にすることもでき、好みに応じて紙の有無や紙のデザインによって異なる和風空間を演出することも可能である。即ち、格子構造の間仕切り体200であれば、周囲の雰囲気に合わせて意匠形態を変化させることができる。
なお、本発明を実施する場合には、間仕切り体200の格子構造をブラインド状とし、縦横桟間の開口を開閉自在に形成してもよい。
【0117】
更に、上記実施の形態の組立式和風ブース1において、間仕切り体200と畳構造体100とを固定する固定具としての平板金具220やL字金具220を具備すると、固定具としての平板金具220やL字金具200による間仕切り体200と畳構造体100の固定により、間仕切り体200の立設をより安定させることができる。
【0118】
上記実施の形態の組立式和風ブース1は、更に、間仕切り体200を複数連結する間仕切り連結具としてのヒンジ210を具備するから、ヒンジ210により接続された複数の間仕切り体200の立設を安定させることができる。また、間仕切り体200を複数連結する構造であれば、1体の間仕切り体のサイズをコンパクトにして持ち運びが容易なものとなる。
【0119】
ところで、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、2体の間仕切り体200同士を予め連結具としての平蝶番からなるヒンジ210によってヒンジ結合した2連の間仕切りユニットU2を構成したものであるから、2体の間仕切り体200同士が折畳み及び展開自在に連結されている。即ち、間仕切り体200は、2体を1組として予め間仕切り連結具としての平蝶番からなるヒンジ210によってヒンジ結合した間仕切り体ユニットを構成したものであり、ヒンジ結合により2体で1組の間仕切り体200同士が折り重ね(折り畳み)及び展開自在に連結されているものである。
よって、使用時には、間仕切り体200同士を展開するのみで互いの接続による安定した立設を可能とし、非使用時には、折り畳むのみで、間仕切り体200同士が互いに重なり省スペース化できるから、搬送・運搬時や保管時にスペースをとらない。即ち、複数の間仕切り体200を重ねて1体の間仕切り体200の縦横寸法にまとめることができる。したがって、間仕切り体200の使用時の立設及び非使用時のコンパクト化が容易に行える。
なお、本発明を実施する場合には、ヒンジ210で連結して3連以上の間仕切り体200同士を折畳み及び展開自在な構成とすることも可能である。
【0120】
ここで、本発明を実施する場合には、
図12に示すように、1体の間仕切り体200の長さを2分割し、その2分割された間仕切り分割体200A,200B同士をヒンジ210で接続し、間仕切り分割体200A,200Bのサイズで、
図14に示すように、台座枠10で囲まれた開口部15内に収納自在としてもよい。即ち、畳30の横寸法に対応する横寸法を有する1体の間仕切り体200の長さ方向を分割して、開口部15内に収納できるサイズとし、分割した間仕切り分割体200A,200B同士をヒンジ210で接続するものとする。このときのヒンジは、芯棒の抜き差しによってヒンジ結合自在とする抜き差し蝶番としてもよいし、平蝶番としてもよい。なお、間仕切り分割体200A,200Bは同一であり、両者は区別されるものではない。
【0121】
抜き差し蝶番を使用した場合には、
図12(a)に示すように、予め蝶番の一方の芯棒付きの羽根部分を、ヒンジ結合させる間仕切り分割体200Aに取り付け、他方の芯棒を受ける羽根部分を間仕切り分割体200Bに取り付けておく。そして、1体の間仕切り体200に組み立てる際には、一方の間仕切り分割体200Aに取り付けた羽根部分の芯棒に対し、他方の間仕切り体200Bの羽根部分の軸受けを差し込み、保持具(をキャップ)で芯棒を固定することにより、間仕切り分割体200A,200B同士をヒンジ結合する。これにより、
図12(b)に示すように、間仕切り分割体200A,200B同士を接続し、1体の間仕切り体200として、畳構造体100の側面側に立設させる形態となる。一方、間仕切り体200を使用しないときには、ヒンジの保持具(キャップ)外し、間仕切り分割体200Bに取り付けた羽根部分の軸受けから、間仕切り体200Aに取り付けたられた芯棒を抜くことにより、間仕切り体200を2つの間仕切り分割体200A,200Bに分離することにより、台座枠10で囲まれた開口部15内に収まるサイズとなり、畳構造体100の台座枠10で囲まれた開口部15内に収納できる。間仕切り体200を分割して畳構造体100の台座枠10で囲まれた開口部15内に収納することで、別途保管のスペースが不要であり、間仕切り体200の存在を隠すことができる。
【0122】
一方、平蝶番を使用した場合には、ヒンジ結合させる各間仕切り分割体200A,200Bに取り付けられ、1体の間仕切り体200に組み立てる際には、間仕切り分割体200A,200B同士を180度に展開することで、1体の間仕切り体200として、畳構造体100の側面側に立設させる形態となる。一方、間仕切り体200を使用しないときには、間仕切り分割体200A,200B同士を畳んで互いに平行に折り重ねる(折り畳む)ことで、間仕切り体200を2つの間仕切り分割体200A,200Bに分割したサイズで、台座枠10で囲まれた開口部15内に収まるサイズとなり、畳構造体100の台座枠10で囲まれた開口部15内に収納できる。間仕切り体200を分割して畳構造体100の台座枠10で囲まれた開口部15内に収納することで、別途保管のスペースが不要であり、間仕切り体200の存在を隠すことができる。
なお、
図12においては、間仕切り分割体200A,200B同士を2箇所(2個)のヒンジ210で連結しているが、本発明を実施する場合には、3箇所(3個)以上としてもよい。
【0123】
こうして、間仕切り体200の長さ方向を2分割して間仕切り分割体200A,200B同士をヒンジ結合する構造とすれば、間仕切り体200の使用時には、間仕切り分割体200A,200B同士がヒンジ結合によって互いに接続され、畳構造体100の側面側に立設して間仕切り体200として機能させることができる。一方、間仕切り体200を使用しない場合には、2つの間仕切り分割体200A,200Bに分離させることで、または、2つの間仕切り分割体200A,200B同士を折り重ねる(折り畳む)ことで、台座枠10で囲まれた開口部15内に収納することができ、別途間仕切り体200の保管場所を確保することなく畳構造体100内に間仕切り体200の存在を分からなくして収納することが可能である。
【0124】
また、このように1体の間仕切り体200の長さ方向を2分割して間仕切り分割体200A,200B同士をヒンジ結合する場合には、
図13に示すように、間仕切り体200の長さ方方向に対して直角方向で互いに連結する間仕切り体200同士の連結に、抜き差し蝶番からなるヒンジ210を使用することで、間仕切り体200同士を連結し、また、所定の角度で展開して安定した立設を可能とする。一方、間仕切り体200を使用しないときには、間仕切り体200同士を分離して、更には、各間仕切り体200を2つの間仕切り分割体200A,200Bに分離させることで、または、2つの間仕切り分割体200A,200B同士を折り重ねる(折り畳む)ことで、畳構造体100の台座枠10で囲まれた開口部15内に収納することができる。
【0125】
なお、
図13においては、間仕切り分割体200A,200B同士を2箇所(2個)のヒンジ210で連結し、また、互いに連結する間仕切り体200の間仕切り分割体200A同士、間仕切り分割体200B同士をそれぞれ2箇所(2個)のヒンジ210で連結し、間仕切り体200同士を4箇所(4個)のヒンジ210で連結し、間仕切り体200が木製からなる場合でも、反り変形し難い安定した接続固定を可能としているが、本発明を実施する場合には、ヒンジ210の個数は任意であってよい。
しかし、本発明を実施する場合には、1体の間仕切り体200の表裏の面積を台座枠10で囲まれた開口部15の開口面積よりも小さくし、その開口部15内に間仕切り体200を収納自在とすることも可能である。
【0126】
また、上記実施の形態の組立式和風ブース1は、畳30は、シート状の表層311f及び裏層311rの間に所定間隔で上下に複数形成した中空状の凸部311a同士を突き合わせて一体化してなる複数の柱部311Aを有し断面ハニカム状に形成された中間層311mを有する中空状のハニカム構造体311を芯材とした畳床31を有することから、加重を分散できて耐荷重性、高い剛性を確保しつつ、軽量で済む。よって、持ち運びや組み立て作業等の取り扱いがより容易になる。また、ハニカム構造体311の中間層311mが中空であることで、通気性及び通水性を有するから、水分が侵入しても排水、乾燥が容易で湿気が溜り難い。よって、カビやダニの繁殖も防止できる。
殊に、樹脂製のハニカム構造体331で形成した畳床31や樹脂製の畳表32であれば、カビやダニの発生が抑えられるから、海外へ湿気の多い船便で運搬・搬送にも対応でき、低コストで運搬・搬送ができる。
【0127】
しかし、本発明を実施する場合には、畳床31の芯材として、例えば、稲藁を縦横に交互に重ねたものを圧搾し、麻糸等で糸締めして形成したものや、稲藁杆にポリスチレンフォームを挟んで形成した藁サンド(スタイロ床)や、建材床(化学床)、例えば、インシュレーションボードや、インシュレーションボードにポリスチレンフォーム、炭化コルク、圧縮ポリエステル繊維ボード等を組み合わせたものを使用してもよい。詳細には、インシュレーションボード(軟質繊維板:IB)、半硬質繊維板(中質繊維板、セミハードボード:MDF)、硬質繊維板(ハードボード:HB)等の木質繊維板や、パーティクルボードや、ベニヤ板等の木質ボードや、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリウレタンフォーム(発泡スチロール)等の合成樹脂発泡体(発泡体樹脂フォーム)や、プラスチック段ボール、プラスチック板、発泡プラスチック板等の合成樹脂ボードや、ゴムボードや、コルクボード(生状態のコルク板や、それを蒸し焼き等して炭化させた炭化コルク板等)や、炭素ボード(活性炭や木炭等の炭素粉と充填材との混合物をバインダで固めてボード状に成形したもの等)等のうちの何れか1種または2種以上を組み合わせた層構造の建材床(化学床、合成床)や、従来から畳床として使用されていた藁材を圧縮して形成した藁床や、藁材で合成樹脂発泡体、木質ボード、コルク、炭素ボード等を挟んだ藁サンド床等を使用することも可能である。また、畳床31を覆う畳表32としては、例えば、従来の伝統的ない草を麻糸や綿糸で織り込んだ織物や、木質繊維からなる紙や竹から筒状の抄繊糸を成形し、この抄繊糸を織り上げたものや、抄繊糸で織り上げて合成樹脂でコーティング加工したものや、合成樹脂からなる繊維状体を織りあげたものや、塩化ビニル等の樹脂シートに編み模様を成形したもの等が使用できる。
【0128】
ところで、上記実施の形態では、畳30が載せられる台座枠10は、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sをロ字状に組み立てた4面の枠状からなるものであることにより、台座枠10を設置する床面が平面でなく、凹凸、起伏のある地面の上であってもガタツキが少なく安定した設置を可能とする。更に、持ち運びも軽量にできる。
しかし、本発明を実施する場合には、底面にも板を設けて5面の有底の箱状に形成することも可能である。即ち、台座枠10は、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sをロ字状に組み立てた4面の枠状を有していれば、5面のものであってもよい。
【0129】
また、本発明を実施する場合には、
図15に示すように、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sで構成された台座枠10の下部の四隅側で、1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sに対し、畳構造体100を所定の高さに支持する脚部61をボルト締めや螺子止め等によって取付けてもよい。脚部61は、その上部側で1対の長板11L,12Lと1対の短板13S,14Sに取付けられ、
図15に示すように底面が平板状のものであってもよいし、ロック付きのキャスターであってもよい。脚部61を取り付けることで、台座枠14が汚れ難く、掃除が容易で良好な外観を維持できる。特に、脚部61にキャスターを使用した場合には、畳構造体100を押したり引いたりする操作で床面や地面上を容易に移動させることも可能となる。更に、
図15に示すように、脚部61がアジャスター機能を有するものであれば、使用者の好みに応じ、畳構造体100を所定の高さに支持して、使用しやすい高さに設定できる。また、地面や床面の凹凸に合わせた微調整により安定した立設を可能とする。
【符号の説明】
【0130】
1 組立式和風ブース
10 台座枠
11L,12L 長板
13S,14S 短板
21 ヒンジ(連結具)
22 L字金具(連結具)
30 畳
41 補強板
100 畳構造体
200 間仕切り体
200A,200B間仕切り分割体
42 L字金具(支持部材)
210 ヒンジ(間仕切り連結具)
220 固定具