(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024074
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】弾球遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130132
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】竹内 司
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA05
2C333CA31
2C333CA74
(57)【要約】
【課題】大当り遊技作動中に実行され得る連荘予告演出の面白さと、小当り遊技から大当り遊技に発展する面白さとの両方を発揮でき、総じて遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提案する。
【解決手段】大当り遊技作動中に、先読みにより大当り判定された未消化の保留記憶があり且つ当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに先読みにより小当り判定された保留記憶が無い場合に、連荘予告演出を実行する一方、先読みにより大当り判定された未消化の保留記憶があっても、当該保留記憶よりも先に小当りする未消化の保留記憶がある場合には、連荘予告演出を実行しないようにした。これにより、大当り確定する未消化の保留記憶があっても、連荘予告演出が実行されなければ、小当り遊技作動中に役物大当りへの発展を狙った遊技を遊技者に行わせることができる。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球を入球可能な始動口と、
前記遊技領域を流下する遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される一又は複数の可変入賞口と、
少なくとも一の可変入賞口の内部に設けられ、該可変入賞口に入球した遊技球が流入可能な特定領域と、
前記始動口への入球に起因して抽出された所定の乱数に基づいて、保留記憶を生成して記憶する保留記憶生成手段と、
前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、
前記当否判定手段により当否判定した結果が大当りであると、前記可変入賞口を開放する大当り遊技を実行する特図大当り遊技制御手段と、
前記当否判定手段により当否判定した結果が小当りであると、前記特定領域を内部に有する可変入賞口を開放する小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
前記小当り遊技により開放された可変入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に流入すると、前記可変入賞口を開放する大当り遊技を実行する役物大当り遊技制御手段と
を備えた弾球遊技機において、
前記始動口への入球に起因して抽出された前記乱数を、前記当否判定手段により当否判定される前に、先読み判定する先読み判定手段と、
前記大当り遊技の実行中に、前記先読み判定手段による先読み判定で大当り判定された未消化の保留記憶があると、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された保留記憶が無い場合に所定の連荘予告演出を実行する一方、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された保留記憶がある場合に該連荘予告演出を実行しない連荘予告演出制御手段と
を備えたものであることを特徴とする弾球遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口への遊技球の入球を契機として当否判定し、大当りの場合に、大入賞口を開放する大当り遊技を実行する弾球遊技機に関する。
【0002】
パチンコ機に代表される弾球遊技機には、遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球したことを契機として当否抽選し、該抽選結果が大当りであった場合に、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがある。ここで、大入賞口は、遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される所謂可変入賞口である。さらに、前記抽選結果が小当りであった場合に、前記大入賞口と異なる可変入賞口を開放する小当り遊技を実行し、当該可変入賞口に入球した遊技球が、当該可変入賞口の内部に配設された特定領域に流入すると、前記大当り遊技を実行する構成もある(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、前記弾球遊技機には、未消化の保留記憶を記憶している場合に、消化前に該保留記憶が大当りか否かを先読みし、先読みした結果を報知する構成が知られている。例えば特許文献2には、先読みにより未消化の保留記憶に大当りのものがあると、大当り遊技中に、該大当りする未消化の保留記憶があることを示す演出(所謂、連荘予告演出)を実行する構成が提案されている。かかる構成によれば、大当り遊技中に次の大当りを予告することから、獲得利益の増大を期待する遊技者の感情を効果的に刺激できる。さらには、こうした連荘予告演出を実行する構成と、前述した特定領域への遊技球流入により小当り遊技から大当り遊技へ発展する構成とが組み合わされた弾球遊技機も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-23560号公報
【特許文献2】特開2017-104508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した大当り遊技中に連荘予告演出が実行される構成では、該連荘予告演出が実行されると、当該大当り遊技の終了後(次の大当り遊技開始まで)に遊技者が遊技球の発射を止めてしまう場合があった。特に、連荘予告演出を実行する構成と、前述した小当り遊技から大当り遊技に発展する構成とが組み合わされた従来構成では、大当り遊技中に連荘予告演出が実行されると、当該大当り遊技の終了から次の大当り遊技の開始までの間に小当り遊技が実行されても、遊技者が可変入賞口への入球を狙わないこと(遊技球を発射しないこと)もあった。これは、小当り遊技から大当り遊技に発展する機会を遊技者自らが放棄していることであり、遊技全体としてみると、遊技結果(換言すれば、遊技者の獲得し得る利益)に差を生じさせる虞があった。加えて、小当り遊技から大当り遊技に発展するという面白さが失われることになるため、該大当り遊技への発展を遊技者に期待させるという遊技性が失われてしまう問題もあった。
【0006】
本発明は、遊技結果への影響を抑制しつつ、連荘予告演出による面白さと、小当り遊技から大当り遊技に発展するという面白さとによって遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提案することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技領域を流下する遊技球を入球可能な始動口と、前記遊技領域を流下する遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される一又は複数の可変入賞口と、少なくとも一の可変入賞口の内部に設けられ、該可変入賞口に入球した遊技球が流入可能な特定領域と、前記始動口への入球に起因して抽出された所定の乱数に基づいて、保留記憶を生成して記憶する保留記憶生成手段と、前記保留記憶生成手段により記憶された保留記憶を消化することにより、当該保留記憶の乱数に基づいて当否判定する当否判定手段と、前記当否判定手段により当否判定した結果が大当りであると、前記可変入賞口を開放する大当り遊技を実行する特図大当り遊技制御手段と、前記当否判定手段により当否判定した結果が小当りであると、前記特定領域を内部に有する可変入賞口を開放する小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、前記小当り遊技で開放された可変入賞口に入球した遊技球が前記特定領域に流入すると、前記可変入賞口を開放する大当り遊技を実行する役物大当り遊技制御手段とを備えた弾球遊技機において、前記始動口への入球に起因して抽出された前記乱数を、前記当否判定手段により当否判定される前に、先読み判定する先読み判定手段と、前記大当り遊技の実行中に、前記先読み判定手段による先読み判定で大当り判定された未消化の保留記憶があると、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された未消化の保留記憶が無い場合に所定の連荘予告演出を実行する一方、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された未消化の保留記憶がある場合に該連荘予告演出を実行しない連荘予告演出制御手段とを備えたものであることを特徴とする弾球遊技機である。
【0008】
ここで、「可変入賞口」は、大当り遊技用のもの(所謂、大入賞口)と、小当り遊技用のものとを別々に備えた構成としても良いし、大当り遊技と小当り遊技とで共通のものを備えた構成としても良い。前者の構成では、小当り遊技用の可変入賞口が、内部に特定領域を備えたものであれば良い。一方、後者の構成では、大当り遊技で開放する可変入賞口が内部に特定領域を備えていることから、該大当り遊技中に特定領域への流入を無効または該特定領域へ流入不能とすることが好適である。
また、「未消化の保留記憶」は、当否判定手段により消化される前の保留記憶を示している。
また、「連荘予告演出」は、図柄表示装置で連荘予告用の演出図柄を表示すること、スピーカから連荘予告用の音を発生すること、ランプやLEDで連荘予告用の光を発生することが好適に用いられる。具体的には、大当り遊技中に通常表示されない特定の図柄を図柄表示装置で表示する演出が好適に用いられる。
【0009】
かかる構成にあっては、大当り遊技中に連荘予告演出を実行する条件として、先読み判定手段による先読み判定で大当り判定された未消化の保留記憶があり且つ該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された未消化の保留記憶が無いことを設定したものであり、大当り遊技中に、先読み判定手段の先読み判定により大当り判定された未消化の保留記憶があっても小当り判定された未消化の保留記憶がある場合には連荘予告演出を実行しないようにした。これにより、大当りする未消化の保留記憶がある場合であっても、小当り遊技が実行されれば、遊技者に特定領域への入球を狙った遊技を行わせることができるため、前述した従来構成のように小当り遊技で遊技球が発射されずに遊技結果に影響を及ぼすという問題の発生を抑制することができる。また、本構成では、大当り遊技中に、大当りする未消化の保留記憶がある場合に、未消化の保留記憶のなかに小当りする保留記憶が無ければ、連荘予告演出を実行することから、該連荘予告演出により面白さが適正に発揮される。したがって、本発明の構成によれば、小当り遊技から大当り遊技に発展するという面白さと、連荘予告演出による面白さとの両方を発揮することができ、総じて遊技の興趣を向上させることができる。
【0010】
前述した本発明の弾球遊技機にあって、連荘予告演出制御手段は、前記大当り遊技の実行中に、前記先読み判定手段による先読み判定で大当り判定された未消化の保留記憶があると、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された保留記憶が無い場合に所定の連荘予告演出を実行する一方、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、該先読み判定手段による先読み判定で小当り判定された保留記憶がある場合に該連荘予告演出を実行しないようにした構成が提案される。
【0011】
かかる構成にあっては、大当りする未消化の保留記憶より先に消化される未消化の保留記憶のなかに、小当りする保留記憶があると、連荘予告演出を実行しないようにしたから、前述した従来構成のように小当り遊技で遊技球が発射されずに遊技結果に影響を及ぼすという問題の発生を一層効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。
【
図3】第二大入賞口装置21の内部に設けられた特定口25の、(A)閉鎖状態と、(B)開放状態とを示す説明図である。
【
図4】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】メインルーチンの概要を示すフローチャートである。
【
図8】当否判定処理を示すフローチャート1である。
【
図9】当否判定処理を示すフローチャート2である。
【
図10】当否判定処理を示すフローチャート3である。
【
図11】当否判定処理を示すフローチャート4である。
【
図12】大当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図13】大当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図14】大当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図15】小当り遊技処理を示すフローチャート1である。
【
図16】小当り遊技処理を示すフローチャート2である。
【
図17】小当り遊技処理を示すフローチャート3である。
【
図18】先読み制御処理を示すフローチャートである。
【
図19】保留演出制御処理を示すフローチャート1である。
【
図20】保留演出制御処理を示すフローチャート2である。
【
図21】演出図柄表示装置6で表示される演出態様を示す説明
図1である。
【
図22】演出図柄表示装置6で表示される演出態様を示す説明
図2である。
【
図23】演出図柄表示装置6で表示される演出態様を示す説明
図3である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
【0014】
本実施例のパチンコ機1は、一種二種混合機タイプの遊技機である。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(
図2)が配設されている。
【0015】
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾用のランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
【0016】
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0017】
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、及び残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(
図4参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67やジョグダイヤル68が設けられている。
【0018】
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0019】
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、遊技球を常時入球可能に構成されている一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能とする構成である。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能に構成されている。
【0020】
前記普通電動役物13の下方には、第一大入賞口14を備えた第一大入賞口装置15が配設されている。第一大入賞口装置15は、第一大入賞口14を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該第一大入賞口14を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、第一大入賞口14へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該第一大入賞口14へ遊技球が入球可能な開放状態とする。この第一大入賞口装置15は、開閉片を開閉作動させる第一大入賞口ソレノイド14b(
図4参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14bの駆動制御によって該開閉片を前記閉鎖状態と開放状態とに変換制御できる。
【0021】
さらに、前記第一大入賞口装置15の下方には、第二大入賞口20を備えた第二大入賞口装置21が配設されている。第二大入賞口装置21は、第二大入賞口20を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該第二大入賞口20を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、第二大入賞口20へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該第二大入賞口20へ遊技球が入球可能な開放状態とする。この第二大入賞口装置21は、開閉片を開閉作動させる第二大入賞口ソレノイド20b(
図4参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド20bの駆動制御によって該開閉片を前記閉鎖状態と開放状態とに変換制御できる。
【0022】
前記第二大入賞口装置21は、
図3に示すように、第二大入賞口20に入球した遊技球が流下する内部領域23を備えており、該内部領域23に、該第二大入賞口20に入球した遊技球が該内部領域23内に流出する球流出口24と、該球流出口24から流出した遊技球が入球可能な特定口25および一般口26,26と、該特定口25を開閉するシャッター片27,27とが配設されている。シャッター片27,27は、特定口25を開放する起立位置(
図3(B))と、該起立位置から内側へ夫々傾動して該特定口25を閉鎖する傾動位置(
図3(A))とに位置変換作動されるものであり、第二大入賞口装置21に設けられた特定口ソレノイド25b(
図4参照)によって該起立位置と傾動位置とに作動される。
図3(A)に示すように、シャッター片27,27が傾動位置にある場合には、第二大入賞口20に流入した遊技球が特定口25へ入球できず、一般口26,26に入球する。一方、
図3(B)に示すように、シャッター片27,27が起立位置にある場合には、第二大入賞口20に流入した遊技球のほとんどが特定口25へ入球できる。
尚、第二大入賞口装置21は、その内部領域23の前面を覆う透明板(図示せず)を備えており、該透明板が遊技盤2と面一となるように、該遊技盤2に埋め込まれるように配設されている。これにより、第二大入賞口20に入球した遊技球の、特定口25または一般口26,26に入球するまでの帰趨を、遊技者が視認可能である。
【0023】
また、
図2に示すように、第一始動口11の左方には、四個の一般入賞口31が配設されている。これら一般入賞口31は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
【0024】
こうした遊技領域3は、中央のセンターケース5の左側を遊技球が流下する左流下域3aと、該センターケース5の右側を遊技球が流下する右流下域3bとを備えており、遊技球の右打ちによって、センターケース5の上側を通過した遊技球が前記右流下域3bを流下し、遊技球の左打ちによって、遊技球が前記左流下域3aを流下する。そして、右流下域3bには、前記した普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口20が設けられている。そのため、右流下域3bを狙い打つこと(所謂、右打ち)により、これら普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口20に入球可能である。一方、センターケース5の直下に配設された前記第一始動口11は、遊技盤2に植設された遊技釘によって、前記左流下域3aを流下した遊技球が入球可能となっている。そのため、左流下域3aを狙い打つこと(所謂、左打ち)により、第一始動口11、および前記した四個の一般入賞口31に入球できる。このように左流下域3aと右流下域3bとが構成されていることにより、遊技者は、右打ちと左打ちとを使い分けることで、各始動口11,12や各大入賞口14,20を狙った遊技を行うことができる。尚、本実施例の第一始動口11は、遊技釘によって、右流下域3bを流下した遊技球が入球不能となっている。
【0025】
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。
【0026】
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
【0027】
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、第一大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第一カウントスイッチ14a、第二大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第二カウントスイッチ20a、および一般入賞口31に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ31a等からの検出信号が入力される。さらに、主制御装置80には、第二大入賞口装置21の特定口25に入球した遊技球を検出する特定口スイッチ25aと、該第二大入賞口装置21の一般口26,26に入球した遊技球を検出する一般口スイッチ26aとからの検出信号が、遊技盤中継端子板74を介して入力される。
【0028】
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板75を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一大入賞口ソレノイド14b、第二大入賞口ソレノイド20b、特定口ソレノイド25b、および普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、第一大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで第一大入賞口14を開閉制御し、第二大入賞口ソレノイド20bを駆動制御することで第二大入賞口20を開閉制御する。そして、特定口ソレノイド25bを駆動制御することで特定口25を開閉制御する。さらに、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
【0029】
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
【0030】
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
【0031】
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置94とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置94に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
【0032】
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
【0033】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
【0034】
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
【0035】
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンドに基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の表示画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
【0036】
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
【0037】
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
本実施例にあって、前記した遊技盤2の遊技領域3は、その略中央にセンターケース5が配設されていることから、左打ちによって、遊技球が該センターケース5の左側(左流下域3a)を流下し、右打ちによって、該センターケース5の上部を通過した遊技球が該センターケース5の右側(右流下域3b)を流下する(
図2参照)。そして、前記第一始動口11は、その配設位置及び遊技領域3に植設された遊技釘(図示せず)によって、センターケース5の左側を流下した遊技球のみが流入可能となっている。そのため、遊技者が左打ちしなければ、第一始動口11に入球できない。一方、前記した普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口20は、その配設位置及び前記遊技釘によって、センターケース5の右側を流下した遊技球が流入できる。尚、前記した一般入賞口31は、左打ちによってのみ、遊技球が流入可能である。
【0038】
遊技領域3に発射された遊技球が前記左流下域3aを流下して第一始動口11に入球(
図4の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって大当りか否かの当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定時間後に第一特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
ここで、第一始動口11への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第一保留記憶として記憶される。この第一保留記憶は最大四個まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数(以下、第一保留記憶数という)は、第一特別図柄保留数表示装置18の点灯数により表される。こうして記憶された第一保留記憶を消化することにより、前記当否抽選と第一特別図柄の変動とが実行される。尚、第一保留記憶数は、第一保留記憶の未消化数を示している。
【0039】
一方、遊技領域3に発射された遊技球が前記右流下域3bを流下して普通図柄作動ゲート17を通過(
図4の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄の変動表示を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否抽選する。そして、変動開始から所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物13の翼片が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入球可能となる。ここで、普通電動役物13の翼片は、一回の普通図柄の当りによって、後述の通常遊技状態で0.1秒間の開放を一回実行し、後述の時短遊技状態で2秒間の開放を一回実行する。
【0040】
この第二始動口12に遊技球が入球(
図4の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって、大当りと小当りとの当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
ここで、第二始動口12への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第二保留記憶として記憶される。この第二保留記憶は最大四個まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数(以下、第二保留記憶数という)は、第二特別図柄保留数表示装置19の点灯数により表される。こうして記憶された第二保留記憶を消化することにより、前記当否抽選と第二特別図柄の変動とが実行される。尚、第二保留記憶数は、第二保留記憶の未消化数を示している。
【0041】
このように本実施例にあっては、第一始動口11に入球すると、第一特別図柄を変動させると共に、大当りか否かの当否判定を行う一方、第二始動口12に入球すると、第二特別図柄を変動させると共に、大当りと小当りとの当否判定を行う。さらに、本実施例にあっては、前記第一保留記憶と第二保留記憶との発生順に関係無く、第二保留記憶を優先して消化する。すなわち、第一保留記憶と第二保留記憶とがある場合には、第二保留記憶が消化されて第二特別図柄の変動が実行され、第一保留記憶のみがある場合に限って、該第一保留記憶が消化されて第一特別図柄の変動が実行される。
【0042】
さらに、前述した第一特別図柄及び第二特別図柄の変動と並行して、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動させて特別演出図柄101a~101c(
図21~23参照)の変動演出を表示させた後に、該変動演出を停止させて、該特別演出図柄101a~101cの停止図柄態様により前記抽選結果(大当り、小当り、又はハズレ)を報知する。
【0043】
前記第一保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101c(
図21~23参照)を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当り(以下、第一特図大当りという)を確定して、第一大入賞口14を開放する第一大当り遊技作動を実行する。この第一大当り遊技作動は、第一大入賞口14を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行する。
【0044】
一方、前記第二保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cを大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当り(以下、第二特図大当りという)を確定して、第二大入賞口20を開放する第二大当り遊技作動を実行する。この第二大当り遊技作動は、第二大入賞口20を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行する。
さらに、第二保留記憶の消化による当否判定結果が小当りであると、第二特別図柄を所定の小当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cを小当り図柄態様により停止表示させる。これにより、小当りを確定し、第二大入賞口20を開放する小当り遊技作動を実行する。そして、小当り遊技作動では、第二大入賞口装置21の特定口25を開放作動させる。本実施例では、第二保留記憶の消化でのみ小当りか否かの判定を行う。そのため、第一保留記憶の消化では、大当りか否かを判定するのみである。
【0045】
また、前記小当り遊技作動で開放された第二大入賞口20に入球した遊技球が特定口25に入球すると、大当り(以下、役物大当りという)を確定して、第二大入賞口20を開放する第二大当り遊技作動を実行する。この第二大当り遊技作動は、前述したように第二大入賞口20を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行する。
ここで、本実施例にあっては、第二大入賞口装置21の特定口25が前記小当り遊技作動の実行中のみ開放される(
図3(B)参照)。そして、前記第二大当り遊技作動中では、特定口25が閉鎖状態で保持される(
図3(A)参照)。そのため、第二大当り遊技作動中は、第二大入賞口20に遊技球が入球すると、該遊技球が第二カウントスイッチ20aにより検出され、球流出口24を介して内部領域23内に流入する。そして、この遊技球が一般口26,26に入ることにより、前記一般口スイッチ26aにより検出される。一方、前記小当り遊技作動中では、特定口25が開放状態で保持されることから、第二大入賞口20に遊技球が入球すると、該遊技球が第二カウントスイッチ20aで検出され、内部領域23を介して該特定口25に流入して、特定口スイッチ25aにより検出される。このように本実施例では、小当り遊技作動中に第二大入賞口20に遊技球が入球すると、該遊技球がほぼ特定口25に流入して役物大当りに発展する。尚、当然ながら、小当り遊技作動中に第二大入賞口20に入球しなければ、役物大当りが発生しない。
【0046】
次に、本実施例のパチンコ機1の仕様について説明する。
【0047】
図5に示すように、各始動口11,12、各大入賞口14,20、および一般入賞口31に入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口11への入球毎に2個の賞球が、第二始動口12への入球毎に1個の賞球が、第一大入賞口14への入球毎に10個の賞球が、第二大入賞口20への入球毎に10個の賞球が、一般入賞口31への入球毎に5個の賞球が、夫々払い出される。
【0048】
また、本実施例の構成は、遊技状態が、前記第一、第二大当り遊技作動を実行している遊技状態(所謂、大当り遊技状態)と、これら大当り遊技作動を実行していない遊技状態とに大別され、後者の遊技状態として、通常遊技状態と時短遊技状態とが設定されている。時短遊技状態とは、通常遊技状態に比して、前記した普通電動役物13(第二始動口12)の開放時間が延長されると共に、前記第一特別図柄の平均変動時間と前記第二特別図柄の平均変動時間とが短縮される。
【0049】
ここで、普通電動役物13の開放時間は、
図5に示すように、通常遊技状態で0.1秒間であることに対して、時短遊技状態で2秒間である。また、第一特別図柄と第二特別図柄との平均変動時間は、通常遊技状態でハズレ確定する場合に30秒間であることに対して、時短遊技状態でハズレ確定する場合に1秒間であると共に、通常遊技状態で大当り及び小当り確定する場合に120秒間であることに対して、時短遊技状態で大当り及び小当り確定する場合に3秒間である。
【0050】
時短遊技状態は、前記第一、第二大当り遊技作動の終了を開始条件として、これら大当り遊技作動の終了後(大当り遊技状態の終了後)に移行される。そして、時短遊技状態の終了条件として、前記第一特図大当りと第二特図大当りとのいずれかを確定すること、前記役物大当りを確定すると、および時短遊技状態における第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計(以下、総変動回数という)が所定の上限値に達することが設定されており、これら条件の一を満足することによって、時短遊技状態が終了する。ここで、第一特別図柄と第二特別図柄との総変動回数が前記上限値に達することによって時短遊技状態を終了する場合には、該時短遊技状態から通常遊技状態に移行する。
【0051】
また、前記した第一特図大当りの当選確率と第二特図大当りの当選確率とが、1/200に設定されており、前記した小当りの当選確率が1/20に設定されている。これにより、本実施例では、第二始動口12に入球した場合に、大当りに比して小当りに当選し易くなっている。さらに、前記した普通図柄の当選確率が、1/1.5に設定されている。
【0052】
第一大当り遊技作動は、前述したように、第一大入賞口14を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行するものであり、本実施例にあっては、前記開放ラウンドが10回に設定されている。第二大当り遊技作動は、前述したように、第二大入賞口20を開放する開放ラウンドを、インターバルを介して所定回数繰り返し実行するものであり、本実施例にあっては、第一大当り遊技作動と同様に、前記開放ラウンドが10回に設定されている。ここで、第一大当り遊技作動と第二大当り遊技作動とのいずれも、一回の開放ラウンドは、30秒経過するか、大入賞口14,20への入球数が10個に達することにより終了する。
一方、前記した小当り遊技作動は、第二大入賞口20を1.8秒間開放する開放作動を一回行うものである。
【0053】
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図6に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
【0054】
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
【0055】
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、
図7のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶数が上限値(4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。
【0056】
S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
【0057】
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶数が上限値(1個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。
【0058】
S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。S130の後に、S140に進む。
【0059】
S140では、先読み制御処理を実行する。この先読み制御処理は、本発明の要部にかかることから、詳細は後述する。
【0060】
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、
図8~11のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、前記したメインルーチンから実行される処理である。
【0061】
当否判定処理では、
図8に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、
図10のS280に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一特別図柄または第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、
図11のS300に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
【0062】
S165では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S180に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第二保留記憶(最も先に生成された未消化の第二保留記憶)を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第二保留記憶を消化する。そして、S175に進む。
【0063】
S175では、第二特別図柄の当否判定用テーブルを有効とし、この当否判定用テーブルに基づいて、大当り判定用バッファに記憶された第二保留記憶の大当り判定用乱数を、大当り、小当り、又はハズレと判定し、当該大当り判定用乱数に係る第二保留記憶を消化する。第二保留記憶の当否判定用テーブルは、大当りの当選確率が1/200に、小当りの当選確率が1/20に設定されている(
図5参照)。このS175の処理後に、
図9のS200に進む。
【0064】
S180では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S180:Yes)、S185に進み、否定判定の場合には(S180:No)、当否判定処理を終了する。S185では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶(最も先に生成された未消化の第一保留記憶)を選択して、当該第一保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第一保留記憶を消化する。そして、S190に進む。
尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、未消化の第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
【0065】
S190では、第一保留記憶の当否判定用テーブルを有効とし、この当否判定用テーブルに基づいて、大当り判定用バッファに記憶された第一保留記憶の大当り判定用乱数を、大当り又はハズレと判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。第一保留記憶の当否判定用テーブルは、大当りの当選確率が1/200に設定されている(
図5参照)。ここで、本実施例にあって、第一保留記憶の当否判定用テーブルでは、小当りの抽選を行わない。このS190の処理後に、
図9のS200に進む。
【0066】
図9のS200では、S175又はS190の判定結果が大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。
【0067】
続くS210の変動パターン決定処理では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定用乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定用乱数等)と前記時短フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。
詳述すると、時短フラグに応じて、選定可能な特別図柄の変動時間が予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等に従って特別図柄の変動時間が決定される。すなわち、時短フラグ=0の場合には、通常遊技状態であることから、通常遊技状態に対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、消化した保留記憶の変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により特別図柄の変動時間を決定する。一方、時短フラグ=1の場合には、特別図柄の変動時間を短縮する時短遊技状態であることから、時短遊技状態に対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、変動パターン決定用乱数やリーチ判定乱数等により変動時間を決定する。尚、リーチ判定乱数は、予め定められた各種リーチ演出(後述するノーマルリーチ演出およびスペシャルリーチ演出)を実行するか否かを決定するために用いられる。尚、本実施例では、第一保留記憶と第二保留記憶との消化による当否判定で大当りとなった場合に、大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態へ移行することが決定される。
【0068】
続くS215では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S260に進む。
【0069】
一方、S200の否定判定から続くS220では、時短フラグ=1か否かを判定する。肯定判定の場合には(S220:Yes)、S225に進み、否定判定の場合には(S220:No)、S230に進む。
【0070】
S225では、変動数カウント処理を実行する。変動数カウント処理では、時短遊技状態(時短フラグ=1)で特別図柄を変動可能な残数(以下、特図変動残数という)をデクリメントする。ここで、特図変動残数は、時短遊技状態で実行可能な第一,第二特別図柄の変動回数を示すものであり、後述する大当り遊技処理のS625で上限値が設定されて、該時短遊技状態で第一,第二特別図柄の変動毎にデクリメントされる。
【0071】
S230では、S175又はS190の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S230:Yes)、S235に進み、否定判定の場合には(S230:No)、S250に進む。尚、本実施例にあっては、前述したように、第二保留記憶を消化した場合にのみ、小当りか否かを判定することから、第一保留記憶を消化した場合には、S230で否定判定する(S250に進む)。
【0072】
SS235では、消化した保留記憶に係る小当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S240に進む。
S240では、前記したS210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と前記時短フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、本実施例にあっては、複数の小当り図柄態様が予め設定されており、各小当り図柄態様には、役物大当りに発展した場合に大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態へ移行する小当り図柄態様と、役物大当りに発展した場合に大当り遊技作動の終了後に通常遊技状態へ移行する小当り図柄態様とから構成されている。これにより、S240で前記小当り図柄決定用乱数に基づいて一の小当り図柄態様を決定すると、決定した小当り図柄態様に従って、役物大当りに発展して大当り遊技作動が実行された後に時短遊技状態と通常遊技状態とのいずれか一方に移行することが決定される。尚、本実施例にあっては、時短遊技状態へ移行する小当り図柄態様を決定する確率が50%に設定されており、通常遊技状態へ移行する小当り図柄態様を決定する確率が50%に設定されている。すなわち、第一,第二特図大当りによる大当り遊技作動の終了後は、必ず時短遊技状態に移行する一方、役物大当りによる大当り遊技作動の終了後は、50%の確率で時短遊技状態に移行する。
【0073】
S240から続くS245では、小当り遊技における大入賞口の開放パターン、小当り遊技に係る演出時間、および小当り遊技の演出態様などを設定し、S260に進む。
【0074】
さらに、S230の否定判定から続くS250では、前記S210と同様に、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数および変動パターン決定用乱数等と時短フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間と変動パターンとを決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS250の後に、S255に進み、ハズレにかかる処理を行う。そして、S260に進む。尚、本実施例では、S250でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S250の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
【0075】
S260では、前記S170およびS185でデクリメントした後における第一保留記憶数と第二保留記憶数とを示す保留数コマンドと、前記S175およびS190で判定された当否判定結果の情報(大当り、小当り、又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S205で決定した大当り遊技内容や特別図柄の変動時間や特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶か第二保留記憶かを示す情報と、各種リーチ演出を実行するか否かの情報と、時短フラグの情報とを含む。さらに、消化された保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置9または第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第一特別図柄または第二特別図柄を変動開始させ、当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第一保留記憶数および第二保留記憶数、特別図柄の変動時間、各種リーチ演出の有無、当否判定結果、特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に従って特別演出図柄101a~101cの表示を開始する。
【0076】
前記したS155の肯定判定から続く
図10のS280では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S280:Yes)、S285に進み、否定判定の場合には(S280:No)、当否判定処理を終了する。S285では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205で決定した大当り図柄、S235で決定した小当り図柄、又はS250で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
【0077】
また、上記したS160の肯定判定から続く
図11のS300では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)には、当否判定処理を終了する。S305では、特別図柄の確定表示を終了し、S310に進む。S310では、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S310:Yes)、S315に進み、否定判定の場合には(S310:No)、S360に進む。S315では、時短遊技状態であることを示す時短フラグを参照して、時短フラグ=1である場合には時短フラグと前記特図変動残数とをクリアし(S320、330)、S340に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S340)、条件装置作動開始処理(S345)、役物連続作動装置作動開始処理(S350)、大当り開始演出処理(S355)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
ここで、本実施例の状態指定コマンド送信処理(S340)にあっては、時短フラグがクリアされた場合に(S320)、時短遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
【0078】
一方、前記S310の否定判定から続くS360では、時短フラグを参照し、時短フラグ=1である場合には(S360:Yes)、時短遊技状態で実行可能な当否判定の残り回数(特図変動残数)を参照する(S365)。そして、特図変動残数=0である場合には(S365:Yes)、時短フラグをクリアし(S370)、S390に進む。一方、S365で否定判定の場合には(S365:No)、S390に進む。また、前記S360で否定判定の場合には(S360:No)、S390に進む。
【0079】
S390では、状態指定コマンド送信処理を実行する。本実施例の状態指定コマンド送信処理(S390)では、時短フラグがクリアされた場合に(S370)、時短遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
続くS395では、確定表示された第二特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S395:Yes)、S400に移行し、第二大入賞口装置21の作動開始処理(S400)、小当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S395で否定判定の場合(S395:No)には、当否判定処理を終了する。
【0080】
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、
図12~14のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当り(第一特図大当り、第二特図大当り)となった場合および後述の小当り遊技処理により大当り(役物大当り)に発展した場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される処理である。
【0081】
大当り遊技処理では、
図12に示すように、第一,第二大入賞口装置15,21の作動中(すなわち、第一大当り遊技作動、第二大当り遊技作動、又は小当り遊技作動の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0082】
S505では、第一,第二大入賞口14,20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、
図13のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。
【0083】
S510では、大当り遊技作動における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S510:Yes)、
図13のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S515:Yes)、
図14のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
【0084】
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。
【0085】
S525~S535の処理は、本発明の要部にかかることから、ここでは流れのみを説明し、各処理の詳細については後述する。S525では、先消化保留記憶確認処理を実行して、S530に進む。S530では、後述する連荘予告条件が成立したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535に進み、否定判定の場合には(S530:No)、S540に進む。S535では、連荘予告コマンド送信処理を実行し、S540に進む。
【0086】
S540では、第一,第二大入賞口14,20を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、第一特図大当りの場合に第一大入賞口14を開放し、第二特図大当りと役物大当りとの場合に第二大入賞口20を開放する。さらに、第一,第二大入賞口14,20の開放開始と同期して、開放ラウンドにおける第一,第二大入賞口14,20の最大開放時間として予め設定された開放時間(30秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
【0087】
前記S505の肯定判定から続く
図13のS550では、第一,第二大入賞口14,20に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間(30秒)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口閉鎖処理を実行し、第一,第二大入賞口14,20を閉鎖させる(開放ラウンドを終了する)。続くS565では、第一,第二大当り遊技作動における各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
【0088】
前記S510の肯定判定から続く
図13のS570では、第一,第二大当り遊技作動におけるインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。
S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する大当り終了演出処理を実行する。このS580の後に、大当り遊技処理を終了する。
S585では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、前記したS540と同様の処理を行い、第一,第二大入賞口14,20を開放させると共に、開放時間(30秒)の時間消化を開始する。
【0089】
また、S515の肯定判定から続く
図14のS600では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S620に進む。
【0090】
S620では、大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態に移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S620:Yes)、S625に進み、否定判定の場合には(S600:No)、S640に進む。ここで、第一特図大当りと第二特図大当りとの場合には、前述した当否判定処理のS205で時短遊技状態への移行が決定される一方、役物大当りの場合には、該当否判定処理のS240で決定した小当り図柄態様と役物大当りの確定とによって時短遊技状態への移行が決定される。
【0091】
S625では、時短回数設定処理を実行して、時短遊技状態で実行可能な特別図柄の変動回数(特図変動残数の上限値)を設定する。ここで、第一特図大当りと第二特図大当りとによる大当り遊技作動が終了した場合には、特図大当り用の時短上限値(20回)が前記特図変動残数に設定される。一方、役物大当りによる大当り遊技作動が終了した場合には、役物大当り用の時短上限値(10回)が前記特図変動残数に設定される。
【0092】
続くS630では、時短フラグ=1として、S640に進む。S640とS645とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。ここで、本実施例にあっては、S645で、大当り遊技後に移行する時短遊技状態の情報(時短フラグの情報など)を、サブ統合制御装置83へ送信する。
【0093】
次に、主制御装置80で実行する小当り遊技処理を、
図15~17のフローチャートを用いて説明する。この小当り遊技処理は、上記した当否判定処理により小当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される処理である。
【0094】
小当り遊技処理では、
図15に示すように、第一,第二大入賞口装置15,21の作動中であるか否かを判定する(S700)。肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に進み、否定判定の場合には(S700:No)、小当り遊技処理を終了する。
【0095】
S705では、第二大入賞口20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S705:Yes)、
図16のS750に進み、否定判定の場合には(S705:No)、S710に進む。
【0096】
S710では、小当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S710:Yes)、
図17のS800に進み、否定判定の場合には(S710:No)、S720に進む。
【0097】
S720では、小当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S720:Yes)、S725に進み、否定判定の場合には(SS720:No)、小当り遊技処理を終了する。
【0098】
S725では、第二大入賞口開放処理を実行する。この第二大入賞口開放処理では、前記した当否判定処理のS245(
図9参照)で設定した小当り遊技作動に係る第二大入賞口20の開放パターンに従って、該第二大入賞口20を開放すると共に、第二大入賞口20を開放する開放時間の時間消化を開始する。続くS730では、特定口開放処理を実行する。特定口開放処理では、第二大入賞口装置21に設けられた特定口25を開放させる処理を行う。そして、特定口25を開放した状態で保持する。このS730の後に、小当り遊技処理を終了する。
【0099】
前記S705の肯定判定から続く
図16のS750では、前記特定口25に入球したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S750:Yes)、S755に進み、否定判定の場合には(S750:No)、S760に進む。S755では、発展フラグ=1として、S770に進む。
【0100】
S760では、第二大入賞口20に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S760:Yes)、S770に進み、否定判定の場合には(S760:No)、S765に進む。S765では、第二大入賞口20の開放時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S765:Yes)、S770に進み、否定判定の場合には(S765:No)、小当り遊技処理を終了する。
【0101】
S770では、第二大入賞口閉鎖処理を実行し、第二大入賞口20を閉鎖作動する。続くS775では、特定口閉鎖処理を実行する。この特定口閉鎖処理では、特定口25を閉鎖させる処理を実行し、該特定口25を閉鎖状態で保持する。このS775の後に、S780に進む。
【0102】
S780では、小当り遊技を終了させる際の演出を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する小当り終了演出処理を実行する。このS780の後に、小当り遊技処理を終了する。
【0103】
前記S710の肯定判定から続く
図17のS800では、小当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に進み、否定判定の場合には(S800:No)、小当り遊技処理を終了する。S805では、第二大入賞口装置21の作動を停止させ、続くS810では、小当り遊技に関する演出を終了させる小当り終了コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
【0104】
続くS815では、発展フラグ=1か否かを判定する。肯定判定の場合には(S815:Yes)、S820に進み、否定判定の場合には(S815:No)、S850に進む。S820では、発展フラグ=0として、S825に進む。
【0105】
S825では、状態指定コマンド送信処理を実行し、その後に、条件装置作動開始処理(S830)、役物連続作動装置作動開始処理(S835)、大当り開始演出処理(S840)を順次実行することで、第二大当り遊技作動の態様を示すコマンドや、第二大当り遊技作動の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して第二大当り遊技作動を開始し、小当り遊技処理を終了する。
【0106】
一方、S850では、状態指定コマンド送信処理を実行して、時短フラグ等の情報をサブ統合制御装置83へ送信する。そして、S850の後に、小当り遊技処理を終了する。
【0107】
本発明の要部について、以下に説明する。
本実施例のパチンコ機1は、大当り遊技作動の実行中に、特図大当りする未消化の保留記憶があると、当該未消化の保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに小当りするものが無ければ、演出図柄表示装置6の表示画面で連荘予告図柄131を表示する一方、当該未消化の保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに小当り確定するものが有れば、前記連荘予告図柄131を非表示とするものである。すなわち、前記連荘予告図柄131の表示を行う条件(以下、連荘予告条件という)として、下記の(1)~(3)を全て満足することが設定されている。
(1):大当り遊技作動の実行中であること
(2):前記当否判定処理による消化前に先読みした未消化の保留記憶のなかに、該当否判定処理により特図大当りを確定する保留記憶が有ること
(3):前記(2)における特図大当りの保留記憶よりも消化順が先の未消化の保留記憶のなかに、前記当否判定処理により小当りを確定する保留記憶が無いこと
【0108】
そして、前記連荘予告条件が設定されていることにより、大当り遊技作動の実行中に、前記当否判定処理による消化前に先読みした未消化の保留記憶のなかに、該当否判定処理により特図大当りを確定する保留記憶が有っても、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに小当りを確定する保留記憶があれば、前記連荘予告条件を満足できないため、連荘予告図柄131を表示しない。尚、当然ながら、大当り遊技作動の非実行中の場合と、未消化の保留記憶のなかに特図大当りを確定する保留記憶が無い場合とでも、前記連荘予告条件を満足しないことから、連荘予告図柄131を表示しない。そして、大当り遊技作動中に表示された連荘予告図柄131は、当該大当り遊技作動の終了に伴って表示終了される。
【0109】
ここで、連荘予告図柄131は、大当り遊技作動中に演出図柄表示装置6で表示されることによって、当該大当り遊技作動の終了後に消化される未消化の保留記憶のなかに、特図大当りする保留記憶が有ることを、遊技者に示唆するものである。そのため、連荘予告図柄131が表示されれば、連荘が確定することとなる。
【0110】
こうした連荘予告図柄131の表示制御は、前記した主制御装置80とサブ統合制御装置83とにより実行される。本実施例の構成にあって、主制御装置80は、前記始動入賞処理が第一保留記憶と第二保留記憶とを生成する毎に先読み制御処理を実行し、この先読み制御処理により、生成した第一保留記憶と第二保留記憶とを先読みして当否判定し且つ前記連荘予告条件の成立か否かを判定して、これら判定結果に基づくコマンドをサブ統合制御装置83へ送信する。ここで、先読み制御処理では、後述するように、第一保留記憶を生成すると、当該第一保留記憶の大当り決定用乱数を先読みして大当りか否かを判定する一方、第二保留記憶を生成すると、当該第二保留記憶の大当り決定用乱数を先読み読みして特図大当り、小当り、又はハズレかを判定する。加えて、特図大当りと判定した場合には、前記連荘予告条件の成立か否かを判定し、これら判定結果に基づくコマンドを送信する。一方、サブ統合制御装置83では、前記コマンドを受信すると、該コマンドに従って前記連荘予告図柄131を表示するための制御処理を実行する。このように本実施例では、主制御装置80が、第一,第二保留記憶の生成毎に先読みを行って連荘予告図柄131の表示か否かを決定し、サブ統合制御装置83は、主制御装置80からの指示(コマンド)に従って該連荘予告図柄131を表示する処理を行う。
【0111】
また、本実施例では、大当り遊技作動と小当り遊技作動との実行中を除く通常遊技状態および時短遊技状態で、前記した第一保留記憶数を表す第一保留図柄と、前記した第二保留記憶数を表す第二保留図柄とを、演出図柄表示装置6の表示画面で表示するものである。第一保留図柄は、
図21~23に示すように、演出図柄表示装置6の画面左下部に定められた第一保留数表示領域102に表示され、該第一保留数表示領域102に表示される該第一保留図柄の表示数によって第一保留記憶数が示される。第二保留図柄は、演出図柄表示装置6の画面右下部に定められた第二保留数表示領域103に表示され、該第二保留数表示領域103に表示される該第二保留図柄の表示数によって第二保留記憶数が示される。
【0112】
こうした第一保留図柄と第二保留図柄との表示制御は、前記主制御装置80から送信されるコマンドに従って前記サブ統合制御装置83により実行される。すなわち、主制御装置80は、第一,第二保留記憶の生成記憶毎に実行する先読み制御処理によって、該第一,第二保留記憶の生成記憶と該第一,第二保留記憶を先読みした当否判定結果とを示すコマンドを送信する。サブ統合制御装置83は、このコマンドを受信すると、第一保留記憶の生成であれば、前記第一保留数表示領域102で第一保留図柄を増加表示する一方、第二保留記憶の生成であれば、前記第二保留数表示領域103で第二保留図柄を増加表示する。さらに、主制御装置80は、前述したように、前記当否判定処理の特図変動開始コマンド送信処理により、第一,第二保留記憶の消化毎に該保留記憶の消化を示すコマンドを送信する。サブ統合制御装置83は、このコマンドを受信すると、第一保留記憶の消化であれば、前記第一保留数表示領域102で第一保留図柄をシフト表示する一方、第二保留記憶の消化であれば、前記第二保留数表示領域103で第二保留図柄をシフト表示する。
【0113】
前記第一保留数表示領域102では、第一保留記憶数の上限数(4個)まで第一保留図柄が表示され、第二保留数表示領域103では、第二保留記憶数の上限数(4個)まで第二保留図柄が表示される。ここで、第一保留数表示領域102では、第一保留記憶の増加毎に左詰めで第一保留図柄が表示される一方、第一保留記憶の消化毎に、最左位置の第一保留図柄が表示消去され且つ残りの第一保留図柄が一つ左位置へ移動されるシフト表示が行われる。同様に、第二保留数表示領域103では、第二保留記憶の増加毎に左詰めで第二保留図柄が表示される一方、第二保留記憶の消化毎に、最左位置の第二保留図柄の表示が消去され且つ残りの第二保留図柄が一つ左位置へ移動されるシフト表示が行われる(
図20~22参照)。このように第一保留数表示領域102では、最も左位置に表示される第一保留図柄が、未消化の第一保留記憶のなかで一番目に消化される第一保留記憶(最も先に記憶された第一保留記憶)に対応し、左から二番目の第一保留図柄が、二番目に消化される第一保留記憶に対応し、左から三番目の第一保留図柄が、三番目に消化される第一保留記憶に対応し、最も右位置の第一保留図柄が、四番目に消化される第一保留記憶に対応する。第二保留数表示領域103に表示される第二保留図柄は、前述の第一保留図柄と同様に、最も左位置から右方に向けて列なる順番で、消化順の第二保留記憶に夫々対応する。
【0114】
前記第一保留図柄と第二保留図柄とには、ニ種類の保留図柄105,106が設定されており、前記当否判定処理での保留記憶の消化により特図大当りを確定する期待度が相互に異なるものとなっている。本実施例では、ノーマル保留図柄105と、該ノーマル保留図柄105に比して前記期待度が高い高期待保留図柄106とが設定されており、前記主制御装置80の先読み制御処理による判定結果に基づいて、一方の保留図柄105,106が選択表示される。先読み制御処理による先読みで特図大当りと判定された場合には、前記高期待保留図柄106を選択表示する確率が高く、該先読み制御処理による先読みで小当り判定またはハズレ判定された場合には、前記ノーマル保留図柄105を選択表示する確率が高くなっている。
【0115】
次に、前述した始動入賞処理(
図7)の先読み制御処理(S140)と、前記大当り遊技処理で実行されるS525~S535の各処理(
図12)と、サブ統合制御装置83で実行される保留演出制御処理とについて説明する。
【0116】
先読み制御処理は、前述した始動入賞処理のS140で実行される処理であり、主制御装置80により実行される。
図18に、先読み制御処理のフローチャートを示す。
【0117】
先読み制御処理では、S900で、前記始動入賞処理のS110又はS130により新たな保留記憶が生成されたか否かを判定する。肯定判定の場合には(S900:Yes)、S905に進み、否定判定の場合には(S900:No)、先読み制御処理を終了する。
【0118】
S905では、先読み判定処理を実行する。先読み判定処理では、前記S110で新たな第一保留記憶を生成した場合に、当該第一保留記憶の第一大当り決定用乱数を大当りか否か判定する一方、前記S130で新たな第二保留記憶を生成した場合に、当該第二保留記憶の第二大当り決定用乱数を大当り、小当り、又はハズレ判定する。また、本実施例の先読み判定処理では、前記第一,第二大当り決定用乱数をハズレ判定した場合に、判定対象の保留記憶のリーチ判定用乱数によりリーチを行うか否かを判定する。さらに、こうした当否判定の結果(大当り、小当り、又はハズレ判定結果)とリーチ判定の結果(リーチの実行か否かの結果)とを、判定対象である第一,第二保留記憶と紐付けして記憶する。尚、こうした先読み判定処理による判定を、以下では先読み判定とも言う。このS905の後に、S910に進む。
【0119】
S910では、大当り遊技作動の実行中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S910:Yes)、S930に進み、否定判定の場合には(S910:No)、S920に進む。ここで、大当り遊技作動の実行中であるか否かは、前記した大当り遊技処理(
図12~14)により判定される。
【0120】
S920では、保留記憶コマンド送信処理を実行する。保留記憶コマンド送信処理では、第一保留記憶を新たに生成した場合に、前記S110で生成された第一保留記憶の情報と前記S905による先読み判定結果を示す情報(大当りか否かの情報、リーチするか否かの情報)とが紐付けされた保留記憶コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。一方、第二保留記憶を新たに生成した場合には、S130で生成された第二保留記憶の情報と前記S905による先読み判定結果の情報(大当りか否かの情報、リーチするか否かの情報)とが紐付けられた保留記憶判定コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。このS920の後に、先読み制御処理を終了する。
【0121】
S930では、前記S905の先読み判定処理による先読み判定結果が大当りか否かを判定する。肯定判定の場合には(S930:Yes)、S935に進み、否定判定の場合には(S930:No)、前記S920に進む。
【0122】
S935では、先消化保留記憶確認処理を実行する。先消化保留記憶確認処理では、前記S905で先読み判定の対象とした保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、前記当否判定処理により消化された際に小当り確定する未消化の保留記憶が有るか否かを調べる。そして、小当り確定する未消化の保留記憶が有る場合には、S940で肯定判定(S940:Yes)して前記S920に進み、小当り確定する未消化の保留記憶が無い場合には、S940で否定判定(S940:No)してS950に進む。
【0123】
S950では、連荘予告コマンド送信処理を実行する。連荘予告コマンド送信処理は、前記S910の肯定判定、前記S930の肯定判定、および前記S940の肯定判定によって、前記連荘予告条件を満足した場合に実行される処理であることから、連荘予告図柄131の表示を決定して、当該連荘予告図柄131の表示を指示する連荘予告コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。さらに、この連荘予告コマンドには、第一,第二保留記憶の情報と前記S905による先読み判定結果を示す情報とが紐付けられた情報(前記S920で送信する保留記憶コマンドと同じ情報)が含まれている。S950の後に、先読み制御処理を終了する。
【0124】
また、前述した大当り遊技処理では、
図12に示すように、S520の肯定判定から続くS525で、先消化保留記憶確認処理を実行する。この先消化保留記憶確認処理では、未消化の保留記憶を全て確認し、そのなかに、前記先読み制御処理のS905で大当り(特図大当り)と判定された保留記憶があるか否かを調べる。そして、特図大当り判定された保留記憶がある場合には、当該保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、前記当否判定処理により消化された際に小当り確定する未消化の保留記憶が有るか否かを調べる。このS525の後にS530に進む。
【0125】
S530では、前記S525で調べた結果に基づいて、前記した連荘予告条件が成立したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535に進み、否定判定の場合には(S530:No)、前記S540に進む。ここで、前記S530によって、先読みにより特図大当りと判定された未消化の保留記憶があり且つ当該保留記憶よりも先に消化される保留記憶になかに小当り判定したものが無いことが確認された場合には、連荘予告条件が成立することから、S535に進む。この連荘予告条件の不成立の場合には、S540に進む。
【0126】
S535では、連荘予告コマンド送信処理を実行する。連荘予告コマンド送信処理では、前記した連荘予告図柄131の表示を指示する連荘予告コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。このS535の後に、S540に進む。
【0127】
一方、前記した保留演出制御処理を、
図19,20に示すフローチャートを用いて説明する。この保留演出制御処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理であり、前記した先読み制御処理(始動入賞処理)、当否判定処理、大当り遊技処理、および小当り遊技処理により主制御装置80から送信されるコマンドや情報等に従って実行される。
【0128】
保留演出制御処理では、
図19に示すように、S1000で、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1000:Yes)、
図20のS1090に進み、否定判定の場合には(S1000:No)、S1005に進む。尚、変動開始コマンドは、前述したように、当否判定処理のS250により主制御装置80から送信されるものである。
【0129】
S1005では、前記保留記憶コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1005:Yes)、
図20のS1080に進み、否定判定の場合には(S1005:No)、S1010に進む。ここで、保留記憶コマンドは、前述したように、先読み制御処理のS920により送信されるものであり、新たに生成された第一,第二保留記憶の情報と当該保留記憶の先読み判定結果情報とを含む。
【0130】
S1010では、前記連荘予告コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1010:Yes)、
図20のS1060に進み、否定判定の場合には(S1010:No)、S1015に進む。ここで、連荘予告コマンドは、前述したように、先読み制御処理のS950により送信されるものであり、連荘予告図柄131の表示指示と、新たに生成された第一,第二保留記憶の情報と、当該保留記憶の先読み判定結果情報とを含む。
【0131】
S1015では、大当り遊技作動の実行中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1015:Yes)、S1030に進み、否定判定の場合には(S1015:No)、S1020に進む。ここで、大当り遊技作動の実行中か否かの判定は、前述した当否判定処理のS355により主制御装置80から送信される大当り遊技開始のコマンドと、前述した大当り遊技処理のS640により主制御装置80から送信される大当り終了コマンドとにより行う。
【0132】
S1020では、大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1020:Yes)、S1025に進み、否定判定の場合には(S1020:No)、保留演出制御処理を終了する。ここで、大当り開始コマンドは、前述したように、当否判定処理のS355により主制御装置80から送信される。
【0133】
S1025では、保留図柄非表示処理を実行する。保留図柄非表示処理では、前記第一保留数表示領域102および第二保留数表示領域103で表示中の第一,第二保留図柄を表示終了させるための表示終了コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。サブ統合制御装置83は、この表示終了コマンドの送信によって、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で表示されている第一,第二保留図柄を非表示とする。
【0134】
前記S1015の肯定判定から続くS1030では、大当り終了コマンドを受信したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1030:Yes)、S1035に進み、否定判定の場合には(S1030:No)、保留演出処理を終了する。ここで、大当り終了コマンドは、前述したように、大当り遊技処理のS640により主制御装置80から送信される。
【0135】
S1035では、保留図柄表示処理を実行する。保留図柄表示処理では、後述するS1095(保留図柄記憶処理)で記憶される情報(第一,第二保留記憶の各記憶数の情報と、各保留記憶に夫々対応付けられた保留図柄105,106の情報)に従って、前記第一保留数表示領域102および第二保留数表示領域103で第一,第二保留図柄を表示させるための表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。サブ統合制御装置83は、この表示コマンドの送信によって、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で第一,第二保留図柄を表示させる。
前記演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から前記表示コマンドを受信すると、該表示コマンドに従って、前記第一保留数表示領域102で第一保留図柄を表示させると共に第二保留数表示領域103で第二保留図柄を表示させるための画像データを生成する。そして、演出図柄表示装置6を作動制御して、この画像データを再生することにより、第一保留図柄と第二保留図柄とを表示させる。
【0136】
続くS1040では、連荘予告フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1040:Yes)、S1045に進み、否定判定の場合には(S1040:No)、保留演出処理を終了する。ここで、連荘予告フラグは、連荘予告図柄131の表示中か否かを示すものであり、連荘予告フラグ=1の場合に、連荘予告図柄131を表示中であることを示し、連荘予告フラグ=0の場合に、連荘予告図柄131を表示していないことを示す。
【0137】
S1045では、連荘予告終了処理を実行する。連荘予告終了処理では、演出図柄表示装置6で表示中の連荘予告図柄131を表示終了させるための表示終了コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。サブ統合制御装置83は、この表示終了コマンドの送信によって、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で表示されている連荘予告図柄131を表示終了させて非表示とする。
【0138】
前記S1045から続くS1050では、連荘予告フラグ=0として、保留演出制御処理を終了する。
【0139】
前記S1010の肯定判定から続く
図20のS1060では、連荘予告フラグ=1か否かを判定する。肯定判定の場合には(S1060:Yes)、S1080に進み、否定判定の場合には(S1060:No)、S1065に進む。ここで、連荘予告フラグ=1の場合には、連荘予告図柄131が表示中であることから、後述のS1065~S1070をスキップして、該連荘予告図柄131の表示制御が重複発生することを防止する。
【0140】
S1065では、連荘予告表示処理を実行する。連荘予告表示処理では、連荘予告図柄131を表示させるための表示コマンドを、演出図柄制御装置82に送信する。この表示コマンドに送信により、サブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82を介して、演出図柄表示装置6で連荘予告図柄131を表示させる制御を行う。
前記演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から前記表示コマンドを受信すると、該表示コマンドに従って前記連荘予告図柄131を表示するための画像データを生成する。そして、演出図柄表示装置6を作動制御して、この画像データを再生することにより、前記連荘予告図柄131を表示させる。
【0141】
前記S1065から続くS1070では、連荘予告フラグ=1として、S1080に進む。
【0142】
S1080では、保留図柄決定処理を実行する。保留図柄決定処理では、主制御装置80から受信した保留記憶コマンド又は連荘予告コマンドを構成する第一,第二保留記憶の情報と前記先読み判定処理(S905)による先読み判定結果を示す情報とに基づいて、前記第一保留数表示領域102または第二保留数表示領域103で表示する保留図柄105,106を選択決定する。ここで、保留図柄決定処理では、前記先読み判定結果の示す大当りか否かの情報とリーチ実行か否かの情報とに基づいて、予め設定された選択確率で前記ノーマル保留図柄105と高期待保留図柄106との一方を選択決定する。このS1080の後に、S1085に進む。
【0143】
S1085では、大当り遊技作動の実行中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S1085:Yes)、S1095に進み、否定判定の場合には(S1085:No)、S1090に進む。ここで、大当り遊技作動の実行中か否かの判定は、前述した当否判定処理のS355により主制御装置80から送信される大当り遊技開始のコマンドと、前述した大当り遊技処理のS640により主制御装置80から送信される大当り終了コマンドとにより行う。
【0144】
S1095では、保留図柄記憶処理を実行する。保留図柄記憶処理では、未消化の第一保留記憶の記憶数と未消化の第二保留記憶の記憶数とを更新して記憶すると共に、各未消化の保留記憶に対応して表示される前記保留図柄105,106の情報を記憶する。ここで、本実施例では、大当り遊技作動の実行中に、前記第一保留数表示領域102および第二保留数表示領域103で第一,第二保留図柄を非表示とすることから、未消化の保留記憶に対応する前記保留図柄105,106を記憶する。
【0145】
前記S1090では、保留表示更新処理を実行する。保留表示更新処理では、前記S1000で肯定判定の場合(変動開始コマンドを受信した場合)に、該変動開始コマンドが第一保留記憶の消化を示すものであれば、前記第一保留数表示領域102で第一保留記憶のシフト表示を実行させるための更新コマンドを、前記演出図柄制御装置82に送信する一方、変動開始コマンドが第二保留記憶の消化を示すものであれば、第二保留数表示領域103で第二保留図柄のシフト表示を実行させるための更新コマンドを、前記演出図柄制御装置82に送信する。また、前記S1005の肯定判定の場合(保留記憶コマンドを受信した場合)には、当該保留記憶コマンドを構成する第一,第二保留記憶の情報に従って、前記S1080により選択決定したノーマル保留図柄105と高期待保留図柄106との一方で第一保留図柄または第二保留図柄を増加表示させるための更新コマンドを、前記演出図柄制御装置82に送信する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から前記更新コマンドを受信すると、該更新コマンドに従って、第一保留数表示領域102でシフト表示または増加表示させるための動画データ、もしくは第二保留数表示領域103でシフト表示または増加表示させるための動画データを生成する。こうした動画データを生成すると、演出図柄表示装置6を駆動制御して、該動画データを再生することにより、第一保留図柄または第二保留図柄をシフト表示または増加表示させる。
【0146】
次に、演出図柄表示装置6で大当り遊技作動中に表示される連荘予告図柄131の表示態様と、通常遊技状態および時短遊技状態で表示される第一,第二保留図柄の表示態様とを、以下の表示例により説明する。
【0147】
例えば通常遊技状態では、第一始動口11への遊技球の入球により生成された第一保留記憶が消化されると、第一特別図柄が変動開始すると共に、
図21(A)に示すように、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cの変動表示が開始される。第一特別図柄の変動中に、第一始動口11に遊技球が入球すると、第一保留記憶が生成されて、未消化の第一保留記憶の存在を示す第一保留図柄105が第一保留数表示領域102に表示される。この第一保留記憶の生成時に、未消化の第一保留記憶が無ければ、前記第一保留数表示領域102の最左位置に第一保留図柄105が表示される。
ここで、前記第一保留数表示領域の最左位置にノーマル保留図柄105が表示された場合には、当該第一保留図柄(ノーマル保留図柄)105に対応する第一保留記憶の消化により大当り確定する期待度が低いことを示唆する。
【0148】
さらに、第一始動口11に遊技球が新たに入球すると、第一保留記憶が生成されて、未消化の第一保留記憶の存在を示す第一保留図柄106が、前記第一保留数表示領域102の左から二番目位置に表示される。この二番目の第一保留記憶に対応する第一保留図柄が、高期待保留図柄106により表示された場合には、当該第一保留記憶の消化により大当り確定する期待度が高いことを示唆する。
【0149】
この後、第一特別図柄が変動停止してハズレが確定すると、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cが停止表示してハズレ確定を報知する。この後、未消化の第一保留記憶が消化されて第一特別図柄が変動開始すると、
図21(B)に示すように、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cの変動表示が開始される。ここで、第一保留記憶の消化に伴って、第一保留数表示領域102では、最左位置に表示された第一保留図柄105が消去され、かつ左から二番目の第一保留図柄106が最左位置へシフト表示される。
【0150】
同様に、第一特別図柄の変動停止によりハズレが確定し、次の第一保留記憶が消化されると、
図21(C)に示すように、特別演出図柄101a~101cの変動表示が開始される。ここで、消化された第一保留記憶は、前記した高期待保留図柄106で表示されたものであることから、大当り確定に対する遊技者の期待感を刺激できる。
【0151】
変動中の第一特別図柄が停止して第一特図大当りを確定すると、
図21(D)に示すうように、演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cが停止表示して特図大当り確定を報知し、大当り確定を示すメッセージ図柄109が表示される。この後、第一大入賞口14を開放する第一大当り遊技作動が実行されると、
図21(E)に示すように、演出図柄表示装置6では、大当り遊技作動の実行中であることを示すメッセージ図柄111およびキャラクタ図柄112と、開放ラウンド数を示すラウンド数図柄113と、連荘中における出玉数(賞球数)を示す出玉数図柄115と、連荘数を示す連荘数図柄116と、右打ちを報知する図柄114とが表示される。
【0152】
こうした大当り遊技作動の実行中では、第一,第二始動口12に入球する毎に、第一,第二保留記憶を生成記憶して、前記先読み制御処理(
図18)により先読み判定する。ここで、例えば、第二始動口12への入球により生成した第二保留記憶を先読み判定した結果が特図大当りであると、当該第二保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶(第二保留記憶)のなかに、前記先読み制御処理により小当りと判定された保留記憶があるか否かを確認する。そして、小当り判定された保留記憶が無い場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ前記連荘予告コマンドが送信される。サブ統合制御装置83が、この連荘予告コマンドを受信すると、前記保留演出制御処理(
図19,20)で連荘予告図柄131の表示制御を行う。これにより、
図21(F)に示すように、演出図柄表示装置6で連荘予告図柄131が表示される。この連荘予告図柄131は、実行中の大当り遊技作動の終了まで継続して表示される(
図22(A)参照)。
【0153】
前記第一大当り遊技作動の最終ラウンド(
図22(A))が終了すると、
図22(B)に示すように、大当り遊技作動の終了を示すメッセージ図柄117と、該大当り遊技作動のリザルト情報を示すリザルト図柄118と、前記時短遊技状態への移行を示すメッセージ図柄119とが、演出図柄表示装置6で表示される。ここで、本実施例にあって、前記リザルト図柄118は、大当り遊技作動の終了毎に表示され、連荘中におけるリザルト情報を報知する。ここで、本実施例のリザルト図柄118で示されるリザルト情報には、連荘数の情報と、連荘中における出玉数(賞球数)の情報とが設定されている。
【0154】
前記リザルト図柄118を所定時間表示した後に、時短遊技状態が開始されて、未消化の保留記憶が消化される。ここで、本実施例では、前述したように、第一保留記憶に比して第二保留記憶が優先消化されることから、第二特別図柄の変動が開始され、これに伴って、演出図柄表示装置6では、
図22(C)に示すように、特別演出図柄101a~101cが変動表示される。また、時短遊技状態の開始に伴って、第一,第二保留数表示領域102,103で第一,第二保留図柄が表示される。本実施例の例示では、前述したように、先読み制御処理により特図大当りと判定された第二保留記憶があることから、当該第二保留記憶に対応する第二保留図柄が高期待保留図柄106で表示される。
【0155】
さらに、このように大当り遊技作動後に開始された時短遊技状態では、演出図柄表示装置6で、時短遊技状態を示すメッセージ図柄120とキャラクタ図柄121とが表示されると共に、前記特図変動残数を示す時短継続図柄122が表示される。ここで、特図変動残数は、前述したように時短遊技状態で特別図柄を変動可能な残数であり、第一特図大当りによる第一大当り遊技作動後の場合に、特図大当り用の時短上限値(20回)が設定され、特別図柄の変動毎に減算される。
【0156】
こうして時短遊技状態で第二保留記憶が順次消化され、前記した高期待保留図柄106に対応する第二保留記憶が消化されて、第二特別図柄が第二特図大当りを確定すると、
図22(D)に示すように、演出図柄表示装置6で、特別演出図柄101a~101cが停止表示して特図大当り確定を報知し、特図大当り確定を示すメッセージ図柄109が表示される。そして、第二大入賞口20を開放する第二大当り遊技作動が実行されると、
図22(E)に示すように、演出図柄表示装置6では、前記ラウンド数図柄113、出玉数図柄115、および連荘数図柄116などが表示される。
【0157】
前記大当り遊技作動の実行中では、前述したように、第一,第二保留記憶の生成毎に先読み判定を行い、例えば、生成された第二保留記憶を該先読み判定した結果が特図大当りであると、当該第二保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、前記先読み制御処理により小当りと判定された保留記憶があるか否かを確認する。そして、先読み制御処理により小当りと判定された保留記憶がある場合には、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ保留記憶コマンドが送信される。この保留記憶コマンドが送信された場合には、
図22(E)~(F)に示すように、大当り遊技作動の実行中に演出図柄表示装置6で前記連荘予告図柄131が非表示となる。
【0158】
前記した大当り遊技作動が終了すると、
図23(A)に示すように、リザルト図柄118、前記時短遊技状態への移行を示すメッセージ図柄119などが表示される。そして、時短遊技状態では、
図23(B)に示すように、第二特別図柄の変動開始に伴って演出図柄表示装置6で特別演出図柄101a~101cが変動表示される。ここで、第二保留数表示領域103では、前記した先読み制御処理により大当り判定された第二保留記憶に対応する第二保留図柄が、高期待保留図柄106で表示される。
【0159】
前記高期待保留記憶106の第二保留記憶によりも先に消化されて変動した第二特別図柄が、小当り確定すると、
図23(C)に示すように、演出図柄表示装置6では、特別演出図柄101a~101cが停止表示して小当り確定を報知する。さらに、演出図柄表示装置6では、小当り確定を示すメッセージ図柄110が表示される。この後、演出図柄表示装置6では、
図23(D)に示すように、小当り遊技作動の実行を示すメッセージ図柄123とキャラクタ図柄124とが表示されると共に、第二大入賞口20の特定口25を狙った遊技球発射を遊技者に促すメッセージ図柄125が表示される。さらに、右打ちを報知する図柄114も表示される。こうした演出表示に伴って、第二大入賞口20を開放する小当り遊技作動が開始される。
【0160】
前記小当り遊技作動で第二大入賞口20に入球した遊技球が前記特定口25に流入すると、前述したように役物大当りが確定し、第二大入賞口20を開放される第二大当り遊技作動が開始される。この第二大当り遊技作動が実行されると、
図23(E)に示すように、演出図柄表示装置6では、前記ラウンド数図柄113、出玉数図柄115、および連荘数図柄116などが表示される。ここで、前述したように、この第二大当り遊技作動の開始時点で、未消化の保留記憶のなかに前記した先読み制御処理で大当り判定された第二保留記憶がある。これにより、この第二保留記憶よりも先に消化される保留記憶のなかに、前記先読み判定処理で小当り判定された保留記憶が無ければ、演出図柄表示装置6では、第二大当り遊技作動の実行開始時点から連荘予告図柄131が表示される。この連荘予告図柄131は、当該第二大当り遊技作動の終了まで継続表示される。
【0161】
前記第二大当り遊技作動の終了に伴って時短遊技状態に移行した場合には、
図23(F)に示すように、演出図柄表示装置では、時短遊技状態を示す図柄120,121が表示されると共に、第二保留記憶の消化により第二特別図柄が変動開始に伴って、特別演出図柄101a~101cが変動表示される。ここで、第二保留数表示領域103では、前記した先読み制御処理により大当り判定された第二保留記憶に対応する第二保留図柄が、高期待保留図柄106で表示される。また、役物大当りによる第二大当り遊技作動の終了後には、役物大当り用の時短上限値(10回)が設定され、該特図変動残数を示す時短継続図柄122が表示される。尚、役物大当りによる第二大当り遊技作動の終了後に通常遊技状態に移行した場合には、前記図柄120,121が表示されない(
図21(A)参照)。
【0162】
次に、実施例の特徴を説明する。
実施例のパチンコ機1は、前述したように、大当り遊技作動の実行中に、未消化の保留記憶のなかに先読みにより大当り(特図大当り)と判定された保留記憶があり且つ当該大当りの保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに先読みにより小当りと判定された保留記憶が無い場合に、連荘予告図柄131の表示を実行する一方、未消化の保留記憶のなかに先読みにより大当りと判定された保留記憶があっても、当該大当り判定の保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに先読みにより小当りと判定された保留記憶がある場合には、前記連荘予告図柄131を非表示とする。このように連荘予告図柄131を表示する連荘予告条件として、(1)大当り遊技作動の実行中、(2)先読み制御処理により大当りと判定された未消化の保留記憶があること、(3)大当り判定の保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに先読み制御処理により小当りと判定された未消化の保留記憶が無いことが設定されている。
【0163】
かかる実施例の構成によれば、前記先読み制御手段により大当り判定された未消化の保留記憶がある場合であっても、大当り遊技作動の実行中に連荘予告図柄131が非表示であれば、特図大当りの確定予告を遊技者が得られないことから、該特図大当りの確定前に小当り遊技作動が実行された場合に、役物大当りを狙った(第二大入賞口20の特定口25への入球を狙った)遊技球発射を該遊技者に行わせることができる。ここで、例えば、小当り判定される未消化の保留記憶の有無に関係なく、大当り遊技作動の実行中に連荘予告図柄131が表示されると、前述した従来構成のように小当り遊技作動の実行中に遊技球が発射されずに遊技結果に影響を及ぼすという問題が生じ得る。本実施例の構成は、こうした問題の発生を安定かつ確実に抑制できるという作用効果を奏する。
【0164】
さらに、実施例の構成は、先読み制御処理により特図大当りと判定された未消化の保留記憶がある場合に、当該保留記憶よりも先に消化される小当り判定の未消化の保留記憶が無ければ、大当り遊技作動の実行中に連荘予告図柄131を表示することから、遊技者に連荘確定を報知でき、該遊技者の感情を効果的に高揚できる。したがって、本実施例の構成によれば、大当り遊技作動の実行中における連荘予告図柄131の表示による面白さと、大当り遊技作動の終了後の遊技状態で小当り遊技から大当り遊技に発展するという面白さとの両方を安定して発揮することができ、総じて遊技の興趣を大きく向上させることができる。
【0165】
以下に、前述した実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。
パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機の一例に相当する。
第一始動口11と第二始動口12とが、本発明にかかる始動口の一例に相当する。
第一大入賞口14と第二大入賞口20とが、本発明にかかる可変入賞口の一例に相当する。
特定口25が、本発明にかかる特定領域の一例に相当する。
第一保留記憶と第二保留記憶とが、本発明にかかる保留記憶の一例に相当する。
始動入賞処理のS100~S110とS120~S130とが、本発明にかかる保留記憶生成手段の一例に相当する。
当否判定処理のS165~S230が、本発明にかかる当否判定手段の一例に相当する。
当否判定処理のS310~S355と大当り遊技処理が、本発明にかかる特図大当り遊技制御手段の一例に相当する。
小当り遊技処理が、本発明にかかる小当り遊技制御手段の一例に相当する。
小当り遊技処理のS750~S755およびS815~S840と大当り遊技処理とが、本発明にかかる役物大当り遊技制御手段の一例に相当する。
先読み制御処理が、本発明にかかる先読み判定手段の一例に相当する。
連荘予告図柄131の表示が、本発明にかかる連荘予告演出の一例に相当する。
保留演出制御処理が、本発明にかかる連荘予告演出制御手段の一例に相当する。
連荘予告コマンドが、本発明にかかる連荘信号の一例に相当する。
サブ統合制御装置が、本発明にかかるサブ制御装置の一例に相当する。
主制御装置80からサブ統合制御装置83に送信されるコマンド、信号、および情報(データ)が、本発明にかかる信号の一例に相当する。
先読み制御処理のS910~S950が、本発明にかかる連荘信号制御手段の一例に相当する。
【0166】
以下に、前述した実施例の別例について説明する。
実施例は、始動入賞処理のS110とS130とで記憶された保留記憶を、S140の先読み制御処理により判定する構成としたが、これに限らず、保留記憶を記憶する前に先読み制御処理を実行する構成としても良い。具体的な構成としては、始動入賞処理のS110とS130とで各乱数を抽出すると、抽出した該乱数に対して先読み制御処理を実行し、この後に該乱数を保留記憶として記憶する処理を実行する。
【0167】
実施例は、連荘予告図柄(連荘予告演出)が、大当り遊技作動中に連荘予告条件の成立により表示開始されて当該大当り遊技作動の終了に伴って表示終了する構成としたが、これに限らず、表示開始タイミングと表示終了タイミングとは適宜変更して設定することが可能である。例えば、前記連荘予告条件が成立すると、大当り遊技作動の各インターバル中でのみ連荘予告図柄を表示する構成、大当り遊技作動における特定の一又は複数のラウンド(例えば、7ラウンドや最終ラウンドなど)でのみ連荘予告図柄を表示する構成とすることが可能である。さらには、前記表示開始タイミングから所定時間の経過により前記表示終了タイミングとなるように設定しても良い。また、連荘予告図柄の終了タイミングを、大当り遊技作動の終了後の所定タイミングとすることも可能である。具体的には、大当り遊技作動の終了後から所定時間経過したタイミングや、先読み制御処理により特図大当りと判定された保留記憶が消化されたタイミングなどに設定することもできる。
【0168】
実施例は、連荘予告条件が、大当り判定の未消化の保留記憶よりも先に消化される未消化の保留記憶のなかに、先読み制御処理により小当り判定された保留記憶が無いことを設定したものであるが、これに限らず、全ての未消化の保留記憶のなかに、先読み制御処理により小当り判定された保留記憶が無いことを設定しても良い。
【0169】
実施例は、主制御装置80が先読み制御処理により前記連荘予告条件の成立か否かを判定して、その結果に基づいて連荘予告コマンドを送信し、該連荘予告コマンドの受信によりサブ統合制御装置83が連荘予告図柄の表示制御(連荘予告演出の実行制御)を実行するようにしたものであるが、これに限らず、サブ統合制御装置83が前記連荘予告条件の成立か否かの判定と前記連荘予告図柄の表示制御とを実行する構成とすることもできる。この構成の場合には、例えば、主制御装置80が、新たな保留記憶を生成する毎に先読みして判定結果の情報をサブ統合制御装置83に送信し、サブ統合制御装置83が、前記先読みによる判定結果の情報を受信すると、当該情報に基づいて前記連荘予告条件の成立か否かを判定して、成立の場合に連荘予告図柄の表示制御を実行する。かかる構成にあっても、前述した実施例と同様の作用効果を奏し得る。
【0170】
実施例は、演出図柄表示装置6で表示する保留図柄を、大当り確定する期待度の異なる二種類の保留図柄(ノーマル保留図柄と高期待保留図柄)で表示する構成としたが、これに限らず、期待度の異なる保留図柄の種類は適宜変更して設定することができる。例えば、前記期待度が相互に異なる三種類や五種類の図柄を備え、先読み制御処理の判定結果に基づいて選択された図柄によって、前記保留図柄を表示する構成とすることができる。又は、一種類の図柄(例えば、ノーマル保留図柄)によってのみ、前記保留図柄を表示して、前記期待度を示唆しない構成としても良い。
【0171】
実施例は、通常遊技状態と時短遊技状態とのいずれの遊技状態であっても、演出図柄表示装置6で第一保留図柄と第二保留図柄とを表示する構成としたが、これに限らず、遊技状態に応じて、一方の保留図柄のみを選択的に表示する構成とすることもできる。例えば、通常遊技状態では、第一保留数表示領域102で第一保留図柄のみを表示し、時短遊技状態では、第二保留数表示領域103で第二保留図柄のみを表示する構成とすることが可能である。
【0172】
実施例は、第二特別図柄の変動によってのみ小当り確定する構成としたが、これに限らず、第一特別図柄の変動によっても小当り確定可能な構成としても良い。また、実施例では、二個の第一,第二大入賞口14,20を備え、第一特図大当りにより第一大入賞口14を開放する第一特図大当り遊技作動を実行し、第二特図大当りにより第二大入賞口20を開放する第二特図大当り遊技作動を実行する構成としたが、これに限らず、一個の大入賞口を備え、第一特図大当りと第二特図大当りとのいずれの場合も、該一個の大入賞口を開放する大当り遊技作動を実行する構成としても良い。この構成では、大入賞口の内部に特定口が配設され、該特定口が小当り遊技作動でのみ入球可能な状態に変換される構成が好適である。また、第一,第二大当り遊技作動で開放する大入賞口と別に、小当り遊技作動でのみ開放する可変入賞口を備える構成とすることもできる。この構成では、可変入賞口の内部に常時入球可能な特定口と備える構成、又は入球可能な状態と入球不能な状態とに変換される特定口を備えた構成のいずれであっても良い。
【0173】
実施例は、第一,第二特図大当りの場合に、大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態に移行する一方、役物大当りの場合に、大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態または通常遊技状態に移行する構成としたが、これに限らず、役物大当りの場合にも時短遊技状態に必ず移行する構成や、第一,第二特図大当りの場合にも時短遊技状態または通常遊技状態に移行する構成としても良い。ここで、後者の構成では、第一,第二特図大当りの場合に、役物大当りの場合に比して、時短遊技状態へ移行する確率が高く設定されている構成が好適である。
【0174】
実施例は、時短遊技状態の終了条件として設定される時短上限値を、特図大当り用と役物大当り用とで夫々設定した構成であるが、この時短上限値は適宜変更した設定可能である。例えば、特図大当り用と役物大当り用との時短条件値を同じとした構成としても良いし、予め設定された複数のなかから一を選択して有効とする構成とすることも可能である。後者の構成では、例えば、特図大当り用と役物大当り用とを夫々複数備え、夫々のなかから選択されるようにすることも可能である。さらには、特図大当り用と役物大当り用との一方を固定値に設定し、他方を複数のなかから選択する構成とすることもできる。尚、こうした時短上限値は、特図大当り用が、役物大当り用に比して大きい値に設定された構成が好適である。
【0175】
実施例は、大当り遊技作動の終了後に時短遊技状態(又は通常遊技状態)に移行する構成としたが、これに限らず、確変遊技状態に移行可能な構成とすることもできる。例えば、特図大当りによる大当り遊技作動の終了後には、確変遊技状態に移行する一方、役物大当りによる大当り遊技作動の終了後には、時短遊技状態に移行する構成とすることも可能である。また、時短遊技状態への移行は、大当り遊技の終了後だけでなく、特別図柄(特別演出図柄)の時短当りを条件として移行するように制御されていても良いし、通常遊技状態で特別図柄の変動回数が所定値に達することを条件として移行するように制御されていても良い。
【0176】
実施例は、演出図柄表示装置における連荘予告図柄の表示により連荘予告演出を実行する構成としたが、これに限らず、ランプやLEDの発光演出やスピーカの音響演出などにより連荘予告演出を実行する構成とすることもできる。さらには、こうした発光演出、音響演出、および演出図柄表示装置で表示される図柄演出のなかの、複数を組み合わせて連荘予告演出を実行する構成としても良い。
【符号の説明】
【0177】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
6 演出図柄表示装置
11 第一始動口
12 第二始動口
14 第一大入賞口(可変入賞口)
20 第二大入賞口(可変入賞口)
25 特定口(特定領域)
80 主制御装置
83 サブ統合制御装置(サブ制御装置)