(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023024095
(43)【公開日】2023-02-16
(54)【発明の名称】ハイドレーションシステム用装備具
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20230209BHJP
A45F 3/00 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
A45F3/04 300
A45F3/00 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021130174
(22)【出願日】2021-08-06
(71)【出願人】
【識別番号】504172452
【氏名又は名称】株式会社エクセル電子
(74)【代理人】
【識別番号】100121773
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 正
(72)【発明者】
【氏名】山内 健太郎
【テーマコード(参考)】
2E181
3B045
【Fターム(参考)】
2E181BD01
3B045AA41
3B045CE08
3B045DA41
3B045GA03
(57)【要約】
【課題】装備具に対するウォーターパックの収納位置を容易に調整することのできるハイドレーションシステム用装備部を提供する。
【解決手段】ハイドレーションシステム90を人体に装備するためのハイドレーションシステム用装備具10は、人体に装着されるベスト本体11と、ハイドレーションシステム90のウォーターパック91を収納するパック収納部55を有し、ベスト本体11に対して連結位置を可変であって着脱可能に吊り下げられるパック収納吊下部材50と、を備え、ベスト本体11とパック収納吊下部材50との連結位置を調整することで、パック収納部55の吊下高さ位置を調整自在である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイドレーションシステムを人体に装備するためのハイドレーションシステム用装備具において、
人体に装着されるベスト本体と、
前記ハイドレーションシステムのウォーターパックを保持するパック保持部を有し、前記ベスト本体に対して連結位置を可変であって着脱可能に吊り下げられるパック収納吊下部材と、を備え、
前記ベスト本体と前記パック収納吊下部材との連結位置を調整することで、前記パック保持部の吊下高さ位置を調整自在であることを特徴とするハイドレーションシステム用装備具。
【請求項2】
前記パック保持部は、前記ウォーターパックを内部に収納するパック収納部であることを特徴とする請求項1記載のハイドレーションシステム用装備具。
【請求項3】
前記ベスト本体は、背中部分に、前記パック保持部を収納する、上部に入口開口を有する袋状の背中収納部を備え、
前記パック吊下収納部材は、前記ベスト本体の肩部分に着脱可能に連結される左右の吊下用肩紐を備え、前記ベスト本体の両肩から背中側に吊り下げられるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のハイドレーションシステム用装備具。
【請求項4】
前記背中収納部の前記入口開口は、前記ベスト本体の首元近傍に設置されていることを特徴とする請求項3記載のハイドレーションシステム用装備具。
【請求項5】
前記ベスト本体と前記パック収納吊下部材とを着脱可能に連結する連結部材は、面ファスナーであり、前記ベスト本体と前記パック収納吊下部材との少なくとも何れか一方に設置された前記面ファスナーが高さ方向に帯状に延在して設置されることで、前記ベスト本体と前記パック収納吊下部材との連結位置の高さが調整可能であることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のハイドレーションシステム用装備具。
【請求項6】
前記背中収納部は、前記ベスト本体の肩紐まで延在する肩筒部を有し、前記肩筒部の前側端部が、前記入口開口とは別の筒肩入口を構成しており、
前記パック保持部に保持されて前記背中収納部内に収納されている前記ウォーターパックに接続される、前記ハイドレーションシステムのチューブが前記肩筒入口から前記背中収納部内に挿入可能に構成されていることを特徴とする請求項3記載のハイドレーションシステム用装備具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドレーションシステムを人体に装備するためのハイドレーションシステム用装備具に関する。
【背景技術】
【0002】
山岳地帯を走り抜けるトレイルランニングにおいて、ランナーに飲料水を供給するためのハイドレーションシステムが提供されており、ハイドレーションシステムを人体に装備するためのリュックサック等が提供されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1,2にハイドレーションシステムを人体に装備するための装備具であるリュックサックが開示されており、ハイドレーションシステムのウォーターリザーバー(ウォーターパック)を人体に装着されるリュックサック内に収納することで、ハイドレーションシステムを人体に装備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-24420号公報
【特許文献2】特開2017-225556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1,2に開示されたハイドレーションシステム用装備具においては、装備具に対するウォーターパックの収納位置を調整することができず、装着者にとって快適な位置にウォーターパックを装備することができない。
【0006】
本願発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、装備具に対するウォーターパックの収納位置を容易に調整することのできるハイドレーションシステム用装備部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明に係るハイドレーションシステム用装備具は、ハイドレーションシステムを人体に装備するためのハイドレーションシステム用装備具において、人体に装着されるベスト本体と、前記ハイドレーションシステムのウォーターパックを収納するパック収納部を有し、前記ベスト本体に対して連結位置を可変であって着脱可能に吊り下げられるパック収納吊下部材と、を備え、前記ベスト本体と前記パック収納吊下部材との連結位置を調整することで、前記パック収納部の吊下高さ位置を調整自在であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るハイドレーションシステム用装備具によれば、装備具に対してウォーターパックが収納される高さの位置を容易に調整することができ、装着者に最適な位置にウォーターパックを装備することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの前方斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの後方斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るベスト本体の前方斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係るベスト本体の後方斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るパック収納吊下部材の前方斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係るパック収納吊下部材の後方斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係るハイドレーションシステムの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの使用状態を示す正面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの使用状態を示す背面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの使用状態を示す正面図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る装備用ベストの使用状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、ハイドレーションシステム用装備具として、土木現場や建設現場等で作業を行う作業者がその場で手軽に水分を補給できるように装着する作業着である装備用ベストを例に挙げて説明する。
【0011】
装備用ベスト10は、ベスト本体11と、ベスト本体11に対して高さ調整自在に吊り下げられるパック収納吊下部材50とを備えている(
図1及び
図2等参照)。装備用ベスト10によって作業者に装備されるハイドレーションシステム90は、飲み水を収納する袋であるウォーターパック91と、ウォーターパック91に接続され、ウォーターパック91内の飲料水を作業者の口元まで運ぶためのチューブ95とを備えている(
図7参照)。
【0012】
ウォーターパック91は、上端が開口された袋であり、この上端開口を開閉するための上端に着脱される開閉具92を備えており、開閉具92にはウォーターパック91を手で持つための取っ手93が設けられている。
【0013】
パック収納吊下部材50は、ウォーターパック91を内部に収納して作業者の背中側でベスト本体11から吊り下げるための部材であり、吊下用肩紐51と、ウォーターパック91を収納するパック収納袋(パック収納部)55とを備えている(
図5及び
図6等参照)。左右2本の吊下用肩紐51は、作業者への装着時に前側の胸の辺りに位置する先端部分の内側に短帯状に設置された面ファスナー(フック)52をそれぞれ備えている。
【0014】
パック収納吊下部材50は、面ファスナー(フック)52を、後述するベスト本体11側の面ファスナー(ループ)25と所望の高さ位置において貼り合わせることで、ベスト本体11に対して着脱可能であり、連結する高さ方向の位置も可変である。
【0015】
ベスト本体11は、胴着の一種である前開きタイプのベスト形状であり、背中部分に設置された袋状の背中収納部12と、肩紐20と、脇前側片30と、脇後側片35と、前面連結ベルト41と、脇締めベルト43とを備えている(
図3及び
図4等参照)。背中収納部12、肩紐20、脇前側片30及び脇後側片35は、複数層の基布から一繋がりに構成されている。
【0016】
背中収納部12は、ベスト本体11の背中部分に設けられた袋状の部分であり、パック収納吊下部材50のパック収納袋55を内部に収納可能である。背中収納部12は、ウォーターパック91を内部に収納した状態の収納袋55をそのまま収納することができる。
【0017】
背中収納部12は、背中側表面の上部に、水平横方向に延在する入口開口が形成されており、この入口開口部分には、入口開口を開閉するための開口チャック部13が設置されている。背中収納部12の左右の上端部には、開口チャック部13よりも上方に向けて肩紐20まで延在する肩筒部14がそれぞれに形成されている。肩筒部14の前側の端部は開口し、筒肩入口14aとなっている。
【0018】
すなわち、背中収納部12は、外につながる大きな入口として開口チャック部13を備えると共に、両肩部分に小さな入口である筒肩入口14aが左右それぞれに形成されている。この筒肩入口14aは、開口チャック部13が閉じた状態でも外部とつながっており、ハイドレーションシステム90のチューブ95を通すために用いることができる。
【0019】
開口チャック部13は、ベスト本体11の背中側の首元湾曲部11cの直ぐ下である近傍に設置されており、これにより背中収納部12の高さ方向の長さを確保し、給水や交換のためにウォーターパック91を出し入れする作業をスムーズに行うことができる。
【0020】
肩紐20は、左右それぞれに設置されており、前側の胸の辺りには、表側にさらに布帯片を縫製により設置することで形成された中空の胸筒部21が左右それぞれに設置されている。装備用ベスト10の装着時には、この胸筒部21にパック収納吊下部材50の吊下用肩紐51が通され、ハイドレーションシステム90のチューブ95を通すこともできる。
【0021】
ベスト本体11の前側表面には、左右の肩紐20の胸筒部21の辺りからベスト本体11の下端にかけて、上述したパック収納吊下部材50の面ファスナー(フック)52と連結される面ファスナー(ループ)25が上下方向(高さ方向)に延在して長帯状に設置されている(
図3参照)。
【0022】
したがって、吊下用肩紐51側の短帯状の面ファスナー(フック)52のベスト本体11側の帯状の面ファスナー(ループ)25への貼り付け高さを適宜変えることで、パック収納袋55の高さを変えることができる。面ファスナー(フック)52を面ファスナー(ループ)25の上部に貼り付ければ、パック収納袋55の位置は低くなり(
図10及び
図11参照)、面ファスナー(フック)52を面ファスナー(ループ)25の下部に貼り付ければ、パック収納袋55の位置は高くなる(
図8及び
図9参照)。
【0023】
脇前側片30及び脇後側片35は、ベスト本体11の脇腹周りのサイズ調整を行うための部材である。脇前側片30はベスト本体11の左右それぞれの前側下部から脇腹周りに水平後方に帯状に延在し、脇後側片35は、ベスト本体11の左右それぞれの背側下部から脇腹周りに水平前方に帯状に延在している。
【0024】
脇後側片35の先端から少し下がった位置の表側には、表側にさらに布帯片を設置することで形成された、水平方向に所定の長さの中空の脇筒部36が設置されている。脇前側片30の先端部分の内側には水平方向に延在する長帯状の面ファスナー(ループ)32が設置されており、脇後側片35の先端から少し下がった位置の表側には、長方形状の面ファスナー(フック)37が設置されている。面ファスナー(フック)37は、全体が脇筒部36内に位置しており、外からは見えない。
【0025】
ベスト本体11を作業者に装着する際には、脇前側片30の先端が脇筒部36内に挿入され、脇前側片30の面ファスナー(ループ)32が脇後側片35の面ファスナー(フック)37と脇筒部36内で貼り合わせられて、脇前側片30と脇後側片35とが連結される。このとき、2つの面ファスナー32,37の水平方向における連結位置を調整することで、作業者の体型に合わせて、ベスト本体11の脇周りのサイズを調整することができる。
【0026】
さらに、本実施形態では、左右にそれぞれ設置された脇締めベルト43によっても、ベスト本体11の脇周りのサイズが調整可能である。脇締めベルト43は、脇前側片30の先端に接続されたベルト紐43aと、脇後側片35の根元部分に紐で接続されたバックル43bとを備えている。
【0027】
ベルト紐43aは、バックル43bに折返されて通されており、その先端を引っ張ることで、脇締めベルト43の全長を短くして、ベスト本体11の脇周りを締め付けることができる。
【0028】
このように、脇締めベルト43によれば、作業者がベスト本体11を装着したまま手軽にベスト本体11のサイズ調整を行うことができるため、面ファスナー32,37により所望のサイズに調整したベスト本体11を作業者が装着した後、脇周りのサイズを微調整により締め付けたい場合には、脇締めベルト43による調整が便利である。
【0029】
前面連結ベルト41は、前開きのベスト本体11の前面下部に設置されており、ベスト本体11の前面を開閉するために、その前面下部の左右を着脱可能に連結する。前面連結ベルト41は、ベスト本体11の前面下部の左右にそれぞれ接続されたベルト紐41aとサイドリリースバックル41bとを備えており、左右一対のサイドリリースバックル41bにより左右のベルト紐41aが着脱自在に連結される。
【0030】
ここで、
図1及び
図2や、使用状態を示す
図8~
図11においては、開口チャック部13、面ファスナー25,52、面ファスナー32,37、前面連結ベルト41及び脇締めベルト43を接続したり閉じたりした連結状態を示しており、
図3及び
図4においては、開口チャック部13、面ファスナー32,37、前面連結ベルト41及び脇締めベルト43を離したり開いたりした非連結状態を示している。
【0031】
以上、装備用ベスト10の構成について説明したが、続いて、ハイドレーションシステム90を作業者に装備する際の装備用ベスト10の使用態様について説明する。
図8~
図11は、装備用ベスト10を作業者に装着して、ハイドレーションシステム90を作業者に装備した使用状態を示している。
【0032】
ハイドレーションシステム90の装備にあたっては、まず、装着前に装備用ベスト10にハイドレーションシステム90をセットする。ウォーターパック91をパック収納吊下部材50のパック収納袋55内に収納してから、パック収納吊下部材50をベスト本体11に吊り下げて連結する。
【0033】
具体的には、パック収納袋55をベスト本体11の背中収納部12内に収納すると共に、左右の吊下用肩紐51を肩筒部14に通して筒肩入口14aから先端を外に出す。
【0034】
このとき、吊下用肩紐51の面ファスナー(フック)52をベスト本体11の面ファスナー(ループ)25の所望の高さの位置に貼り付ける。これにより、ベスト本体11の背中側において、パック収納吊下部材50によりウォーターパック91が所望の高さに位置するように吊り下げられる。
【0035】
また、ハイドレーションシステム90のチューブ95も背中収納部12内から肩筒部14を通して肩筒入口14aから先端を外に出す。背中収納部12の開口チャック部13を閉じ、前面連結ベルト41を連結すると共に、脇締めベルト43により微調整を行う。
【0036】
以上により、ベスト本体11が作業者にしっかりと装着され、ウォーターパック91が所定の高さに位置した状態でハイドレーションシステム90が作業者に装備される。ハイドレーションシステム90を装備した後にウォーターパック91の高さを調整したい場合には、左右の面ファスナー25,52を外して貼り付けの高さを変えることで、ウォーターパック91の位置する高さを自在に調整できる。
【0037】
図8に示すように、面ファスナー(フック)52を面ファスナー(ループ)25の下部に貼り付ければ、
図9に破線で示すように、パック収納袋55の位置は高くなる。一方、
図10に示すように、面ファスナー(フック)52を面ファスナー(ループ)25の上部に貼り付ければ、
図11に破線で示すように、パック収納袋55の位置を下げることができる。
【0038】
以上、本実施形態について説明したが、本実施形態によれば、ハイドレーションシステム90のウォーターパック91を、パック収納吊下部材50を介してベスト本体11に吊り下げて作業者に装備するため、パック収納吊下部材50による吊り下げ位置を調整することで、作業者の所望の高さの位置にウォーターパック91を装備することができる。
【0039】
飲料水を充填されたウォーターパック91は、ある程度の重量と大きさを有するため、作業者の身長や体型によって、快適なウォーターパック91の装備位置は異なるが、本実施形態に係る装備用ベスト10によれば、各作業者の最適な位置にウォーターパック91が位置するように容易に調整することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、装備用ベスト10を装着してハイドレーションシステム90を装備した後であっても、面ファスナー25,52を外すことで、容易にウォーターパック91の高さを再調整することもできる。
【0041】
また、本実施形態においては、ウォーターパック91の飲料水に氷を混ぜたり、飲料水自体を凍らせたりすることで、熱中症対策のために作業者の背中を冷やす冷却器具として兼用することもできる。この場合にも、ウォーターパック91の高さ位置を変えることで、各作業者に適した部位を冷却することができる。
【0042】
このとき、ウォーターパック91内の氷の一部が溶けたり、作業者が飲むことで飲料水の量が減ったりすると、ウォーターパック91内の氷の位置が下がるが、この場合にもウォーターパック91の高さを上方に移動させたりして調整することで、常に各作業者に適した部位を冷却することができる。
【0043】
また、本実施形態では、ウォーターパック91をベスト本体11に対して直接吊り下げるのではなく、パック収納吊下部材50のパック収納袋55内に収納した状態で吊り下げており、内容物の増減により大きさや形状が変化するウォーターパック91を、常にスムーズに上下動させて高さ位置を調整することができる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、装備用ベストを構成する各部材の形状やサイズ、素材は適宜変形可能である。
【0045】
ハイドレーションシステム装着用の装着具として、作業着である装備用ベストについて説明したが、リュックサックやパックパックのような装備具であっても良く、本願明細書において、ベスト本体とは、人体の両腕を通して担ぐように装着される、服に分類されないようなリュックサック等も含むものである。また、ベスト本体は、上記実施形態のように袖のないものだけでなく、袖のあるものも含む。
【0046】
また、上記実施形態では、パック収納吊下部材とベスト本体とを連結位置を調節可能且つ着脱可能に連結する部材として面ファスナーを例に挙げて説明したが、ボタンや紐など、連結位置の高さを調節可能且つ着脱可能に連結できる部材あれば、適宜他の連結部材を使用することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、ベスト本体側の面ファスナーが高さ方向に帯状に延在して設置されることで、ベスト本体とパック収納吊下部材との連結位置の高さを調整可能にこうせいしているが、パック収納吊下部材側の面ファスナーを高さ方向に帯状に延在して設置しても良いし、双方の面ファスナーを帯状にしても良い。
【0048】
また、上記実施形態では、ウォーターパックをパック収納吊下部材に保持させるパック保持部として、ウォーターパックを内部に収納するパック収納部(パック収納袋)を用いているが、ウォーターパックの上端を挟持するなど、ウォーターパックの一部を直接保持するような構造をパック保持部として採用するようにしても良い。
【符号の説明】
【0049】
10 装備用ベスト
11 ベスト本体
11c 首元湾曲部
12 背中収納部
13 開口チャック部
14 肩筒部
14a 筒肩入口
20 肩紐
21 胸筒部
25 面ファスナー(ループ)
30 脇前側片
32 面ファスナー(ループ)
35 脇後側片
36 脇筒部
37 面ファスナー(フック)
41 前面連結ベルト
41a ベルト紐
41b サイドリリースバックル
43 脇締めベルト
43a ベルト紐
43b サイドリリースバックル
50 パック収納吊下部材
51 吊下用肩紐
52 面ファスナー(フック)
55 パック収納袋
90 ハイドレーションシステム
91 ウォーターパック
92 開閉具
93 取っ手
95 チューブ